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1. (WO2019064571) VENTRICULAR ASSIST DEVICE PUMP
Document

明 細 書

発明の名称 補助人工心臓ポンプ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033  

図面の簡単な説明

0034  

発明を実施するための形態

0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074  

符号の説明

0075  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 補助人工心臓ポンプ

技術分野

[0001]
 本発明は、補助人工心臓ポンプに関する。

背景技術

[0002]
 従来、心臓の働きを補助する補助人工心臓システム及び補助人工心臓ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
 図5は、従来の補助人工心臓ポンプ900を説明するために示す分解斜視図である。従来の補助人工心臓ポンプ900は、図5に示すように、インペラ912を有する回転部910と、回転部910を回転自在に支持する基部920と、基部920との組み合わせにより回転部910を収納するポンプ室を形成するハウジング930とを備える。
[0003]
 従来の補助人工心臓ポンプ900によれば、補助人工心臓システムの主要要素として、心臓移植までの期間中、心臓疾患患者である使用者の心臓の働きを補助することが可能となる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特表2009-523488号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、心臓疾患は治療が非常に困難であり、現在においては心臓移植以外に根本的な治療方法がないケースも多い。しかし、心臓移植の条件が早急に整うことは稀であるため、心臓移植を待っている心臓疾患患者(移植待機患者)は、心臓移植が実現するまで長時間待たなければならない状況にある。
 このため、心臓移植手術までの期間が非常に長くなり、最後まで心臓移植手術ができない場合がある。また、上記状況を鑑みて、心臓移植手術を行わず、補助人工心臓ポンプを終生使用するという考え方も生まれている。
[0006]
 上記のように、補助人工心臓ポンプを使用する使用者(以下、単に使用者という。)が補助人工心臓ポンプを使用する期間は、従来想定されていた期間よりも長くなる傾向にある。このため、補助人工心臓ポンプを長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することの重要性が一層高くなっている。
[0007]
 そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来の補助人工心臓ポンプと比較して、長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能な補助人工心臓ポンプを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
[1]本発明の補助人工心臓ポンプは、インペラを有する回転部と、前記回転部を回転自在に支持する基部と、前記基部との組み合わせにより前記回転部を収納するポンプ室を形成するハウジングとを備え、前記回転部の外形体積を前記回転部の回転体積で割った数値が0.1~0.4の範囲内にあることを特徴とする。
[0009]
 本発明の補助人工心臓ポンプによれば、回転部の外形体積を回転部の回転体積で割った数値が0.4以下であるため、回転部の外形体積を十分に小さくすることで補助人工心臓ポンプが血液を送出する効率を高くして、必要な流量を得るための回転部の回転数を小さくすることが可能となる。その結果、本発明の補助人工心臓ポンプは、従来の補助人工心臓ポンプと比較して、長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能な補助人工心臓ポンプとなる。
[0010]
 ここで、「必要な流量を得るための回転部の回転数を小さくすることが可能となる」ことと「長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能となる」こととの関係について説明する。
 必要な流量を得るための回転部の回転数を小さくすることが可能となる場合には、回転部の回転速度を低くできることから、使用時において回転部が血液にかける負荷を小さくすることができる。この場合には、血液が高速でせん断・撹拌されることによる弊害、例えば、溶血や消化管出血等の合併症を発生させにくくすることができる。その結果、上記特徴を有する補助人工心臓ポンプによれば、長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能となる。
[0011]
 なお、本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、回転部の外形体積を回転部の回転体積で割った数値が0.3以下であることが一層好ましい。このような構成とすることにより、回転部の外形体積を一層小さくすることで補助人工心臓ポンプが血液を送出する効率を一層高くして、必要な流量を得るための回転部の回転数を一層小さくすることが可能となる。
[0012]
 従来の補助人工心臓ポンプにおける回転部の設計をもとに回転部の外形体積を十分に小さくする際には、回転部全体の体積の中でインペラの羽根の体積が占める割合が従来の回転部よりも小さくならない(回転部における回転対称の部分、例えば、インペラ基部の体積を優先的に減少させる)ようにすることが好ましい。
[0013]
 また、本発明の補助人工心臓ポンプによれば、回転部の外形体積を回転部の回転体積で割った数値が0.1以上であるため、インペラの強度を十分に確保することが可能となる。
[0014]
 なお、本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、回転部の外形体積を回転部の回転体積で割った数値が0.2以上であることが一層好ましい。このような構成とすることにより、インペラの強度に一層余裕を持たせることが可能となる。
[0015]
[2]本発明の補助人工心臓ポンプは、インペラを有する回転部と、前記回転部を回転自在に支持する基部と、前記基部との組み合わせにより前記回転部を収納するポンプ室を形成するハウジングとを備え、前記ハウジングには、前記インペラの回転軸上にある吸入孔と、前記インペラの外周側にある送出孔とが形成されており、前記インペラの回転軸に垂直かつ動作時における前記回転部の前記吸入孔側の末端を含む平面を所定の平面とし、前記所定の平面で区分した前記ポンプ室の容積のうち前記回転部が存在する側の容積をポンプ室主要容積とするとき、前記回転部の回転体積を前記ポンプ室主要容積で割った数値が0.4~0.7の範囲内にあることを特徴とする。
[0016]
 本発明の補助人工心臓ポンプによれば、回転部の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.4以上であるため、ポンプ室主要容積に対する回転部の回転体積を十分に大きくすることで補助人工心臓ポンプが血液を送出する効率を高くして、必要な流量を得るための回転部の回転数を小さくすることが可能となる。その結果、本発明の補助人工心臓ポンプは、従来の補助人工心臓ポンプと比較して、長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能な補助人工心臓ポンプとなる。
[0017]
 なお、本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、回転部の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.5以上であることが一層好ましい。このような構成とすることにより、ポンプ室主要容積に対する回転部の回転体積をより大きくすることで補助人工心臓ポンプが血液を送出する効率を一層高くして、必要な流量を得るための回転部の回転数を一層小さくすることが可能となる。
[0018]
 また、本発明の補助人工心臓ポンプによれば、回転部の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.7以下であるため、使用時における回転部がポンプ室の主要部分を占有する割合を適切なものとし、ポンプ室内において回転部が占有しない部分の容積及び回転部が通過しない部分の容積に余裕を持たせることで、吸入した血液にかかるストレスを十分に低減すること及び吸入孔から送出孔への血液の流れが回転部そのものにより阻害されるのを抑制することが可能となる。
[0019]
 なお、本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、回転部の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.65以下であることが一層好ましい。このような構成とすることにより、使用時における回転部がポンプ室の主要部分を占有する割合を一層適切なものとし、ポンプ室内において回転部が占有しない部分の容積及び回転部が通過しない部分の容積に一層余裕を持たせることで、吸入した血液にかかるストレスをより低減すること及び吸入孔から送出孔への血液の流れが回転部そのものにより阻害されるのを一層抑制することが可能となる。
[0020]
[3]本発明の補助人工心臓ポンプは、インペラを有する回転部と、前記回転部を回転自在に支持する基部と、前記基部との組み合わせにより前記回転部を収納するポンプ室を形成するハウジングとを備え、前記ハウジングには、前記インペラの回転軸上にある吸入孔と、前記インペラの外周側にある送出孔とが形成されており、前記インペラの回転軸に垂直かつ動作時における前記回転部の前記吸入孔側の末端を含む平面を所定の平面とし、前記所定の平面で区分した前記ポンプ室の容積のうち前記回転部が存在する側の容積をポンプ室主要容積とするとき、前記回転部の外形体積を前記ポンプ室主要容積で割った数値が0.05~0.2の範囲内にあることを特徴とする。
[0021]
 本発明の補助人工心臓ポンプによれば、回転部の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.2以下であるため、圧力損失を十分に低減し、揚程の変動に対して流量の変動を十分に大きくすることが可能となる。その結果、本発明の補助人工心臓ポンプは、従来の補助人工心臓ポンプと比較して、長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能な補助人工心臓ポンプとなる。
[0022]
 ここで、「圧力損失を十分に低減し、揚程の変動に対して流量の変動を十分に大きくすることが可能となる」ことと「長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能となる」こととの関係について説明する。
 「圧力損失を十分に低減し、揚程の変動に対して流量の変動を十分に大きくすることが可能となる」場合には、補助人工心臓ポンプを一定条件で(入力条件を固定して)駆動したとき、自己心の拍動性が血流の変化に反映されやすくなる。このため、この場合には血流の拍動性が減少することにより発生しうる弊害、例えば、大動脈閉鎖不全等の合併症を発生(発症)させにくくすることができる。その結果、上記特徴を有する補助人工心臓ポンプは、「長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能となる」こととなる。
[0023]
 なお、本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、回転部の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.17以下であることが一層好ましい。このような構成とすることにより、圧力損失を一層低減し、揚程の変動に対して流量の変動を一層大きくすることが可能となる。
[0024]
 また、本発明の補助人工心臓ポンプによれば、回転部の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.05以上であるため、流量を十分に確保する(回転部が血液を移動させる力を十分に確保する)ことが可能となる。
[0025]
 なお、本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、回転部の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.1以上であることが一層好ましい。このような構成とすることにより、流量に一層余裕を持たせる(回転部が血液を移動させる力に余裕を持たせる)ことが可能となる。
[0026]
[4]本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、動作時における前記インペラと前記ハウジングとの間の最小距離が0.2mm~1.0mmの範囲内にあることが好ましい。
[0027]
 このような構成とすることにより、動作時におけるインペラとハウジングとの間の最小距離が0.2mm以上であることから圧力損失を十分に低くすることが可能となり、当該最小距離が1.0mm以下であることからインペラにより血液を送り出す力を十分に確保することが可能となる。
[0028]
[5]本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、動作時における前記インペラと前記基部との間の最小距離が0.1mm~0.9mmの範囲内にあることが好ましい。
[0029]
 このような構成とすることにより、動作時におけるインペラと基部との間の最小距離が0.1mm以上であることから圧力損失を十分に低くすることが可能となり、当該最小距離が0.9mm以下であることからインペラにより血液を送り出す力を十分に確保することが可能となる。
[0030]
[6]本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、粘度及び密度が血液相当である液体を動作液体として、前記補助人工心臓ポンプが停止している状態で、流量を6L/minとして圧力損失を測定したとき、前記圧力損失が20mmHg以下であることが好ましい。
[0031]
 このような構成とすることにより、圧力損失を十分に低くすることが可能となる。
[0032]
[7]本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、前記補助人工心臓ポンプは、遠心方式の補助人工心臓ポンプであることが好ましい。
[0033]
 このような構成とすることにより、軸流方式の補助人工心臓ポンプよりも効率よく血液を吸入及び送出することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0034]
[図1] 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110を実際に使用するときの様子を説明するために示す図である。
[図2] 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110を説明するために示す図である。
[図3] 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110のポンプ室付近の構成要素を説明するために示す図である。
[図4] 実施形態における回転部10のインペラ12を説明するために示す図である。
[図5] 従来の補助人工心臓ポンプ900を説明するために示す分解斜視図である。

発明を実施するための形態

[0035]
 以下、本発明の補助人工心臓ポンプについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[0036]
[実施形態]
 図1は、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110を実際に使用するときの様子を説明するために示す図である。
 図2は、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110を説明するために示す図である。図2(a)は補助人工心臓ポンプ110の上面図であり、図2(b)は補助人工心臓ポンプ110の断面図である。
 図3は、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110のポンプ室31付近の構成要素を説明するために示す図である。
 図4は、実施形態における回転部10のインペラ12を説明するために示す図である。図4(a)はインペラ12の斜視図であり、図4(b)はインペラ12の上面図であり、図4(c)はインペラ12の正面図である。
[0037]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、図1に示すように、補助人工心臓システム100の一部を構成するためのものである。補助人工心臓システム100は、補助人工心臓ポンプ110の他に、人工血管120,130、ケーブル140及び制御部(図示せず。)を備える。制御部は、補助人工心臓ポンプ110とケーブル140で接続されており、補助人工心臓ポンプ110の動作を制御する。
[0038]
 補助人工心臓ポンプ110は、図2及び図3に示すように、インペラ12を有する回転部10と、回転部10を回転自在に支持する基部20と、基部20との組み合わせにより回転部10を収納するポンプ室31を形成するハウジング30とを備える、遠心方式の補助人工心臓ポンプである。また、補助人工心臓ポンプ110は、実際の使用時において人体に埋め込んで用いる埋め込み型の補助人工心臓ポンプである。
[0039]
 なお、補助人工心臓ポンプ110における基部20は、回転部10を回転駆動する駆動部や、補助人工心臓ポンプ110内部の潤滑、冷却、シール性の維持等の機能を果たすクールシール液(パージ液ともいう。例えば、水や生理食塩水。)の流路等を備える。これらは本発明に直接関係するものではないため、説明や符号の図示を省略する。
[0040]
 本明細書における「回転部」は、使用時にポンプ室内で回転するもののことをいう。また、本明細書においては、使用時に回転するがポンプ室内外に跨って存在する部品等(例えば、回転シャフト)については、ポンプ室内にある部分のみを回転部として扱う。
 本明細書における「基部」は、回転部の位置を何らかの手段で規定し、使用時に回転せず固定されているもののことをいう。なお、基部は使用時に全体として(その外枠が)回転しないものであればよく、その一部(内部)に使用時に運動するもの(例えば、回転部を回転させる機構や装置)を備えていてもよい。
[0041]
 本明細書においては、基部について「回転部を回転自在に支持する」とは、基部と回転部とが機械的に接続されていることのみをいうものではない。使用時に基部と回転部とが非接触となる場合(補助人工心臓ポンプが磁気浮上式である場合)であっても、基部に回転部の位置を規定する機構がある場合には「回転部を回転自在に支持する」ことに含まれる。
[0042]
 回転部10は、インペラ12の他にも、基部20に備え付けられた部材とともにメカニカルシールを構成するシールリング14と、シールリング14とインペラ12との間に介在するクッションリング16と、基部20の駆動部から伸びる回転シャフト18とをさらに有する。使用時における回転部10の回転速度は、例えば、1600~3000rpmとすることができる。
 なお、本発明に係る補助人工心臓ポンプが磁気浮上式である場合には、回転部はシールリング、クッションリング及び回転シャフトを有する必要はない。
[0043]
 インペラ12は、図3及び図4に示すように、回転シャフト18と接続され、回転軸(インペラ12の回転軸ax)を中心として回転可能である。実施形態におけるインペラ12においては、図4に示すように、インペラ12の回転軸ax付近の部分(インペラ基部12a)から4枚の羽根12bが突出する。インペラ基部12aは、インペラの回転軸axを軸として回転対称である。
[0044]
 ハウジング30には、インペラ12の回転軸ax上にある吸入孔34と、インペラ12の外周側にある(ハウジング30の内壁面のうちインペラ12の羽根12bの外縁部と対向する場所にある)送出孔36とが形成されている。なお、図2において符号32で示すのは、ハウジング30の本体(ハウジング本体)である。
 補助人工心臓ポンプ110においては、吸入孔34はポンプ室31のインペラ12の回転軸ax上に形成された孔である。また、補助人工心臓ポンプ110においては、送出孔36には筒状の送出経路37が付属している。本発明の補助人工心臓ポンプにおいては、吸入孔にも筒状の吸入経路が付属していてもよい。また、送出孔に送出経路が付属していなくてもよい。さらに、吸入孔付近に吸入経路等を取り付けるための構造が存在していてもよいし、送出孔付近に送出経路等を取り付けるための構造が存在していてもよい。
[0045]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、回転部10の外形体積を回転部の回転体積で割った数値が0.1~0.4の範囲内にある。なお、回転部10の外形体積を回転部の回転体積で割った数値は、0.2以上であることが一層好ましい。また、回転部10の外形体積を回転部の回転体積で割った数値は、0.3以下であることが一層好ましい。
[0046]
 本明細書においては、ある構成要素についての「外形体積」は、当該構成要素のうちポンプ室に露出する部品の外形から割り出すことができる体積のことをいう。構成要素の内部に空間があり、当該空間がポンプ室に露出していない場合には、当該空間が無い(構成要素の内部が詰まっている)ものとして算出した体積を外形体積とする。
 本明細書における「回転体積」は、回転部を回転させたときにスイープされる空間の体積のことをいう。回転部の回転体積については、インペラ基部のように回転軸に対して回転対称の部品や部分の体積も回転体積に含まれる。
 実施形態における回転部の外形体積及び回転体積には、シールリング14及びクッションリング16の体積も含まれる。なお、実施形態においては、シールリング14の下端が回転部10の回転対称部分の下端となる。
 なお、実施形態における回転シャフト18はポンプ室31に露出していないため、外形体積及び回転体積の計算には関係しない。
[0047]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、インペラの回転軸axに垂直かつ動作時における回転部10の吸入孔34側の末端を含む平面を所定の平面Pとし、所定の平面Pで区分したポンプ室31の容積のうち回転部10が存在する側(符号M参照。)の容積をポンプ室主要容積とするとき、回転部10の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.4~0.7の範囲内にある。なお、回転部10の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値は、0.5以上であることが一層好ましい。また、回転部10の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値は、0.65以下であることが一層好ましい。
[0048]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、回転部10の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.05~0.2の範囲内にある。なお、回転部10の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値は、0.1以上であることが一層好ましい。また、回転部10の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値は、0.17以下であることが一層好ましい。
[0049]
 所定の平面の基準となる「回転部の吸入孔側の末端」について「動作時における」という条件を設けたのは、動作時と非動作時とで回転部(特にインペラ)の位置が異なる場合があるためである。本明細書における「動作時」は、補助人工心臓ポンプが使用者の体内において実際に使用されているとき、又は、これに準じるとき(例えば、補助人工心臓ポンプを実際の使用を想定した条件で体外において試運転するとき)のことをいう。
[0050]
 本明細書における「ポンプ室の容積」及び「ポンプ室主要容積」には、吸入孔及び送出孔に付属するもの(送出経路及び吸入経路並びにこれらを取り付けるための構造)の容積は含まれない。
 送出孔がハウジング内壁の曲面に形成されている場合には、ハウジングの内壁を当該曲面に沿って滑らかに接続したときの仮想面に相当する壁面(送出孔を滑らかに塞いだと仮定したときにおけるハウジングの内壁面)があるものとしてポンプ室の容積及びポンプ室主要容積を算出する。
[0051]
 また、本明細書における「ポンプ室の容積」及び「ポンプ室主要容積」には、回転部が存在する部分の容積が含まれる。ただし、回転シャフトを通すための空間は本明細書におけるポンプ室の容積及びポンプ室主要容積には含まれない。つまり、ポンプ室の容積やポンプ室主要容積を算出するときには、回転シャフトを通すための空間がない(回転シャフトを通すための空間のハウジング側の縁に平面の内壁が存在する)ものと考える。
[0052]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、インペラ12の羽根12bの外形体積を羽根12bの回転体積で割った数値が0.05~0.2の範囲内にある。
 このような構成とすることにより、羽根12bの外形体積を羽根12bの回転体積で割った数値が0.05以上であることから必要な流量を得るための回転部10の回転数を小さくすることが可能となり、当該数値が0.2以下であることから羽根12bの強度を十分に確保することが可能となる。
[0053]
 本明細書における「インペラの羽根の外形体積」は、インペラ全体の外形体積から回転軸に対して回転対称の部分(例えば、インペラ基部)を除いた外形体積のことをいう。
 本明細書における「インペラの羽根の回転体積」は、回転部を回転させたときにインペラの羽根によりスイープされる空間の体積のことをいう。
[0054]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、羽根12bの回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.35~0.6の範囲内にある。
 このような構成とすることにより、羽根12bの回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.35以上であることから必要な流量を得るための回転部10の回転数を小さくすることが可能となり、当該数値が0.6以下であることからポンプ室31内において羽根12bが通過しない部分の容積に余裕を持たせることで吸入した血液にかかるストレスを十分に低減することが可能となる。
[0055]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、羽根12bの外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.02~0.1の範囲内にある。
 このような構成とすることにより、羽根12bの外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.02以上であることから圧力損失を十分に低減して揚程の変動に対して流量の変動を十分に大きくすることが可能となり、当該数値が0.1以下であることから流量を十分に確保する(羽根12bが血液を移動させる力を十分に確保する)ことが可能となる。
[0056]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、羽根12bの外形体積を回転部10の外形体積で割った数値が0.3~0.5の範囲内にある。
 このような構成とすることにより、羽根12bの外形体積を回転部10の外形体積で割った数値が0.3以上であることから回転部10における羽根12bを除いた部分の体積を十分に小さくすることで補助人工心臓ポンプ110が血液を送出する効率を高くすることが可能となり、当該数値が0.5以下であることから羽根12bに過大な負荷がかかることを抑制して羽根12bが損傷することを抑制することが可能となる。
[0057]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、羽根12bの外形体積を回転部10の回転体積で割った数値が0.05~0.2の範囲内にある。
 このような構成とすることにより、羽根12bの外形体積を回転部10の回転体積で割った数値が0.2以下であることから必要な流量を得るための回転部10の回転数を小さくすることが可能となり、当該数値が0.05以上であることから羽根12bの強度を十分に確保することが可能となる。
[0058]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、羽根12bの回転体積を回転部10の回転体積で割った数値が0.8~0.9の範囲内にある。
 このような構成とすることにより、羽根12bの回転体積を回転部10の回転体積で割った数値が0.8以上であることから回転部10における羽根12bを除いた部分の体積を十分に小さくすることで補助人工心臓ポンプ110が血液を送出する効率を高くすることが可能となり、当該数値が0.9以下であることから羽根12bとその他の部分との接合部等に過大な負荷がかかることを抑制することが可能となる。
[0059]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、動作時におけるインペラ12とハウジング30の内壁との間の最小距離が0.2mm~1.0mmの範囲内にある。
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、動作時におけるインペラ12と基部20との間の最小距離が0.1mm~0.9mmの範囲内にある。
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、粘度及び密度が血液相当である液体を動作液体として、補助人工心臓ポンプ110が停止している状態で、流量を6L/minとして圧力損失を測定したとき、圧力損失が20mmHg以下である。
[0060]
 以下、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110の効果を記載する。
[0061]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、回転部10の外形体積を回転部10の回転体積で割った数値が0.4以下であるため、回転部10の外形体積を十分に小さくすることで補助人工心臓ポンプ110が血液を送出する効率を高くして、必要な流量を得るための回転部10の回転数を小さくすることが可能となる。その結果、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、従来の補助人工心臓ポンプと比較して、長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能な補助人工心臓ポンプとなる。
[0062]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、回転部10の外形体積を回転部10の回転体積で割った数値が0.1以上であるため、インペラ12の強度を十分に確保することが可能となる。
[0063]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、回転部10の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.4以上であるため、ポンプ室主要容積に対する回転部10の回転体積を十分に大きくすることで補助人工心臓ポンプ110が血液を送出する効率を高くして、必要な流量を得るための回転部10の回転数を小さくすることが可能となる。その結果、実施形態に係る補助人工心臓ポンプは、従来の補助人工心臓ポンプと比較して、長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能な補助人工心臓ポンプとなる。
[0064]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、回転部10の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.7以下であるため、使用時における回転部10がポンプ室31の主要部分を占有する割合を適切なものとし、ポンプ室31内において回転部10が占有しない部分の容積及び回転部10が通過しない部分の容積に余裕を持たせることで、吸入した血液にかかるストレスを十分に低減すること及び吸入孔34から送出孔36への血液の流れが回転部10そのものにより阻害されるのを抑制することが可能となり、その結果、補助人工心臓ポンプ110の動作を安定させることが可能となる。
[0065]
 実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、回転部10の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.2以下であるため、圧力損失を十分に低減し、揚程の変動に対して流量の変動を十分に大きくすることが可能となる。その結果、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、従来の補助人工心臓ポンプと比較して、長期間使用したときに使用者の健康状態が悪化する度合いを抑制することが可能な補助人工心臓ポンプとなる。
[0066]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、回転部10の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.05以上であるため、流量を十分に確保する(回転部10が血液を移動させる力を十分に確保する)ことが可能となる。
[0067]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、動作時におけるインペラ12とハウジング30との間の最小距離が0.2mm以上であることから圧力損失を十分に低くすることが可能となり、当該最小距離が1.0mm以下であることからインペラ12により血液を送り出す力を十分に確保することが可能となる。
[0068]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、動作時におけるインペラ12とハウジング30との間の最小距離が0.2mm以上であるため、インペラ12とハウジング30との間に異物(例えば、血栓)が挟まってインペラ12の回転を阻害するのを抑制することが可能となり、その結果、動作安定性を一層高くすることが可能となる。
[0069]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、動作時におけるインペラ12と基部20との間の最小距離が0.1mm以上であることから圧力損失を十分に低くすることが可能となり、当該最小距離が0.9mm以下であることからインペラ12により血液を送り出す力を十分に確保することが可能となる。
[0070]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、粘度及び密度が血液相当である液体を動作液体として、補助人工心臓ポンプ110が停止している状態で、流量を6L/minとして圧力損失を測定したとき、圧力損失が20mmHg以下であるため、圧力損失を十分に低くすることが可能となる。
[0071]
 また、実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110によれば、補助人工心臓ポンプ110は、遠心方式の補助人工心臓ポンプであるため、軸流方式の補助人工心臓ポンプよりも効率よく血液を吸入及び送出することが可能となる。
[0072]
 以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
[0073]
(1)上記実施形態において説明し、又は、各図に記載した各構成要素の寸法、個数、材質、形状等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
[0074]
(2)上記実施形態に係る補助人工心臓ポンプ110は、「回転部10の外形体積を回転部10の回転体積で割った数値が0.1~0.4の範囲内にあること」、「回転部10の回転体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.4~0.7の範囲内にあること」及び「回転部10の外形体積をポンプ室主要容積で割った数値が0.05~0.2の範囲内にあること」の3つの特徴を全て備えるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。上記した3つの特徴のうち1つ又は2つの特徴を備える補助人工心臓ポンプも本発明の範囲に含まれる。

符号の説明

[0075]
10…回転部、12…インペラ、12a…インペラ基部、12b…インペラの羽根、14…シールリング、16…クッションリング、18…回転シャフト、20…基部、30…ハウジング、31…ポンプ室、32…ハウジング本体部、34…吸入孔、36…送出孔、37…送出経路、100…補助人工心臓システム、110…補助人工心臓ポンプ、120,130…人工血管、140…ケーブル、ax…インペラの回転軸、P…所定の平面

請求の範囲

[請求項1]
 インペラを有する回転部と、前記回転部を回転自在に支持する基部と、前記基部との組み合わせにより前記回転部を収納するポンプ室を形成するハウジングとを備え、
 前記回転部の外形体積を前記回転部の回転体積で割った数値が0.1~0.4の範囲内にあることを特徴とする補助人工心臓ポンプ。
[請求項2]
 インペラを有する回転部と、前記回転部を回転自在に支持する基部と、前記基部との組み合わせにより前記回転部を収納するポンプ室を形成するハウジングとを備え、
 前記ハウジングには、前記インペラの回転軸上にある吸入孔と、前記インペラの外周側にある送出孔とが形成されており、
 前記インペラの回転軸に垂直かつ動作時における前記回転部の前記吸入孔側の末端を含む平面を所定の平面とし、前記所定の平面で区分した前記ポンプ室の容積のうち前記回転部が存在する側の容積をポンプ室主要容積とするとき、
 前記回転部の回転体積を前記ポンプ室主要容積で割った数値が0.4~0.7の範囲内にあることを特徴とする補助人工心臓ポンプ。
[請求項3]
 インペラを有する回転部と、前記回転部を回転自在に支持する基部と、前記基部との組み合わせにより前記回転部を収納するポンプ室を形成するハウジングとを備え、
 前記ハウジングには、前記インペラの回転軸上にある吸入孔と、前記インペラの外周側にある送出孔とが形成されており、
 前記インペラの回転軸に垂直かつ動作時における前記回転部の前記吸入孔側の末端を含む平面を所定の平面とし、前記所定の平面で区分した前記ポンプ室の容積のうち前記回転部が存在する側の容積をポンプ室主要容積とするとき、
 前記回転部の外形体積を前記ポンプ室主要容積で割った数値が0.05~0.2の範囲内にあることを特徴とする補助人工心臓ポンプ。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれかに記載の補助人工心臓ポンプにおいて、
 動作時における前記インペラと前記ハウジングとの間の最小距離が0.2mm~1.0mmの範囲内にあることを特徴とする補助人工心臓ポンプ。
[請求項5]
 請求項1~3のいずれかに記載の補助人工心臓ポンプにおいて、
 動作時における前記インペラと前記基部との間の最小距離が0.1mm~0.9mmの範囲内にあることを特徴とする補助人工心臓ポンプ。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれかに記載の補助人工心臓ポンプにおいて、
 粘度及び密度が血液相当である液体を動作液体として、前記補助人工心臓ポンプが停止している状態で、流量を6L/minとして圧力損失を測定したとき、
 前記圧力損失が20mmHg以下であることを特徴とする補助人工心臓ポンプ。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれかに記載の補助人工心臓ポンプにおいて、
 前記補助人工心臓ポンプは、遠心方式の補助人工心臓ポンプであることを特徴とする補助人工心臓ポンプ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]