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1. (WO2019044139) MOTOR HAVING DECELERATION MECHANISM
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明 細 書

発明の名称 減速機構付モータ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

課題を解決するための手段

0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018   0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078  

産業上の利用可能性

0079  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 減速機構付モータ

技術分野

[0001]
 本発明は、アーマチュア軸の回転を減速して出力する減速機構付モータに関する。

背景技術

[0002]
 従来、自動車等の車両に搭載されるパワーウィンドウ装置やサンルーフ装置等の駆動源には、小型でありながら大きな出力が得られる減速機構付モータが用いられている。減速機構付モータは、車室内にある操作スイッチ等の操作により駆動され、これによりウィンドウガラスやサンルーフ等が開閉される。
[0003]
 パワーウィンドウ装置やサンルーフ装置等の駆動源に用いられる減速機構付モータには、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載された減速機構付モータは、モータ部およびギヤ部を備えている。そして、モータ部にはアーマチュア軸が設けられ、ギヤ部にはアーマチュア軸により回転されるウォームおよび当該ウォームに噛み合わされるウォームホイールが設けられている。
[0004]
 また、減速機構付モータを構成する部品の中でも、ウォームホイールは大型の部品となっている。よって、減速機構付モータの軽量化を図るためにも樹脂製のウォームホイールを採用している。その一方で、ウォームホイールを回転させるウォームは、その歯部には大きな負荷が掛かるため鋼製となっている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2012-017831号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 ところで、減速機構を形成するウォームおよびウォームホイールは、その仕様を決定するに当たり、通常、ウォームの歯部の圧力角と、ウォームホイールの歯部の圧力角とを、それぞれ同じ角度となるように設計する。これにより、理論上では、ウォームとウォームホイールとが正しく噛み合わされて、互いにスムーズに回転可能となる。
[0007]
 しかしながら、上述の特許文献1に記載された減速機構付モータでは、ウォームを鋼製とし、ウォームホイールを樹脂製としている。そのため、ウォームは切削加工等により精度良く成形することができるが、ウォームホイールは溶融した樹脂材料を射出成形した後に冷却して硬化させるため、樹脂の収縮具合等により精度が低下し易い。よって、樹脂製のウォームホイールでは、複数設けられる歯部の間でも、その形状にばらつきが生じ易い。
[0008]
 具体的には、ウォームホイールの歯部にばらつきが生じると、ウォームホイールが1回転する間に、ウォームの歯部とウォームホイールの歯部との噛み合い点(図8,図9の黒丸印参照)の数が一定に(設計通りに)ならず、ウォームホイールが1回転する間に、噛み合い点の数が増減してしまう。この噛み合い点の数の増減は、減速機構の回転抵抗のばらつきとなり、ひいてはモータ部に対する負荷の変動を招くことになる。
[0009]
 そして、モータ部に対する負荷の変動が大きい場合には、モータ部への駆動電流の変動(電流変動)も大きくなり、ひいてはモータ部を高精度で制御するのが難しくなるといった問題を生じ得る。
[0010]
 また、特許文献1に記載された減速機構付モータには、ウォームの回転速度を検出するホールICが設けられている。これによりコントローラは、ホールICからのパルス信号の変動(パルス変動)に応じて、ウォームの回転速度が低下したこと、つまり荷物などの挟み込みを検知して、モータ部の回転を停止させたりする。そして、ウォームの歯部とウォームホイールの歯部との噛み合い点の数の増減は、この荷物などの挟み込みの検知精度にも影響を与え得る。
[0011]
 例えば、荷物などの挟み込みをしていないにも関わらず、噛み合い点の数が増加してウォームが回転し難くなると、このパルス変動をコントローラが検知して、荷物などの挟み込みがあったと誤認識してしまう。よって、ウィンドウガラスの開閉途中で、モータ部が停止されるようなことが起こり得る。
[0012]
 このように、樹脂製のウォームホイールの歯部の精度低下は、電流変動やパルス変動を大きくしてしまい、ひいては減速機構付モータの高精度な制御を難しくするという問題があった。
[0013]
 本発明の目的は、ウォームホイールの精度が低くても、電流変動やパルス変動を小さくして、ひいてはより高精度な制御が行える減速機構付モータを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0014]
 本発明の一態様では、アーマチュア軸の回転を減速して出力する減速機構付モータであって、前記アーマチュア軸により回転されるウォームと、前記ウォームに噛み合わされるウォームホイールと、を備え、前記ウォームホイールの歯部の圧力角の方が、前記ウォームの歯部の圧力角よりも大きくなっている。
[0015]
 本発明の他の態様では、前記ウォームが鋼製であり、前記ウォームホイールが樹脂製である。
[0016]
 本発明の他の態様では、前記ウォームホイールの歯部の形状が、前記ウォームホイールの回転方向に沿う一方側および他方側で同じ形状となっている。
[0017]
 本発明の他の態様では、前記ウォームホイールの軸心を通り、かつ前記ウォームの軸線と直交する線分を基準線としたときに、前記ウォームの歯部と前記ウォームホイールの歯部との噛み合い点の数が、前記基準線に対して前記ウォームホイールの回転方向側の方が、前記基準線に対して前記ウォームホイールの回転方向側とは反対側よりも多くなっている。

発明の効果

[0018]
 本発明によれば、ウォームホイールの歯部の圧力角の方が、ウォームの歯部の圧力角よりも大きくなっているので、ウォームの歯部の圧力角とウォームホイールの歯部の圧力角とが同じ角度であるもの(従前の形態)に比して、ウォームホイールの歯部の歯先を先細り形状にできる。これにより、ウォームホイールの歯部にばらつきがあったとしても、従前の形態の場合に接触したりしなかったりしていた歯部を、互いに確実に接触させないようにできる。
[0019]
 したがって、ウォームホイールが1回転する間のウォームの歯部とウォームホイールの歯部との噛み合い点の数の増減が抑えられて、ウォームとウォームホイールとの噛み合いをスムーズにすることができる。よって、電流変動やパルス変動を小さくすることができ、より高精度な制御が可能となる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 本発明に係る減速機構付モータを示す平面図である。
[図2] 図1のA矢視図である。
[図3] 図1のB-B線に沿う断面図である。
[図4] ウォームホイール,ダンパ部材および出力部材を示す分解斜視図である。
[図5] ウォームおよびウォームホイールを図3の矢印C方向から見た平面図である。
[図6] (a)はウォームの歯部の形状(基準ラック歯形)を説明する断面図,(b)はウォームホイールの歯部の形状(基準ラック歯形)を説明する断面図である。
[図7] ウォームホイールの歯部の形状を本発明と比較例とで比較した図である。
[図8] ウォームホイールが時計回り(CW)方向に回転される場合の噛み合い点を説明する説明図である。
[図9] ウォームホイールが反時計回り(CCW)方向に回転される場合の噛み合い点を説明する説明図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
[0022]
 図1は本発明に係る減速機構付モータを示す平面図を、図2は図1のA矢視図を、図3は図1のB-B線に沿う断面図を、図4はウォームホイール,ダンパ部材および出力部材を示す分解斜視図を、図5はウォームおよびウォームホイールを図3の矢印C方向から見た平面図を、図6(a)はウォームの歯部の形状(基準ラック歯形)を説明する断面図,(b)はウォームホイールの歯部の形状(基準ラック歯形)を説明する断面図を、図7はウォームホイールの歯部の形状を本発明と比較例とで比較した図をそれぞれ示している。
[0023]
 図1に示される減速機構付モータ10は、自動車等の車両に搭載されるパワーウィンドウ装置の駆動源に用いられ、ウィンドウガラスを昇降させるウィンドウレギュレータ(図示せず)を駆動する。減速機構付モータ10は、車両のドア内の狭小スペースに設置されるため、図2に示されるように扁平形状となっている。減速機構付モータ10は、モータ部20とギヤ部40とを備え、モータ部20およびギヤ部40は、互いに3つの締結ねじ11によって一体化(ユニット化)されている。
[0024]
 図1に示されるように、モータ部20は、モータケース21を備えている。モータケース21は、磁性材料よりなる鋼板を深絞り加工等することで有底筒状に形成されている。モータケース21の内部には、図2に示されるように、断面が略円弧形状に形成された4つのマグネット22(図1では2つのみ示す)が設けられている。
[0025]
 また、これらのマグネット22の内側には、コイル23が巻装されたアーマチュア24が、所定の隙間を介して回転自在に設けられている。そして、アーマチュア24の回転中心には、アーマチュア軸25が固定されている。アーマチュア軸25の軸方向中央寄りの部分で、かつアーマチュア24に近接する部分には、コンミテータ26が設けられている。コンミテータ26には、アーマチュア24に巻装されたコイル23の端部が電気的に接続されている。
[0026]
 コンミテータ26の外周部分には、一対のブラシ27が摺接されている。これらのブラシ27は、モータケース21の開口部分を閉塞するブラシホルダ(図示せず)に保持され、ばね部材28のばね力により、それぞれコンミテータ26に弾性接触されている。これにより、車載コントローラ(図示せず)から各ブラシ27に駆動電流が供給され、アーマチュア24に回転力(電磁力)が発生する。よって、アーマチュア軸25が所定の回転方向および回転数で回転される。
[0027]
 モータケース21の底部側(図1中右側)は、段付形状に形成され、この段付き形状の部分には、モータケース21の本体部よりも小径となった有底段部21aが設けられている。有底段部21aには、第1ラジアル軸受29が装着され、第1ラジアル軸受29は、アーマチュア軸25の軸方向一側(図1中右側)を回転自在に支持している。また、有底段部21aの底部側には、第1スラスト軸受30が設けられ、当該第1スラスト軸受30は、アーマチュア軸25の軸方向への移動を規制している。
[0028]
 ここで、図示しないブラシホルダには、第2ラジアル軸受31が装着されており、この第2ラジアル軸受31は、アーマチュア軸25の軸方向中央寄りの部分を回転自在に支持している。
[0029]
 ギヤ部40は、ギヤケース41と、当該ギヤケース41に取り付けられたコネクタ部材42と、を備えている。ギヤケース41は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することで所定形状に形成され、モータケース21の開口側に3つの締結ねじ11(図2参照)によって固定されている。なお、コネクタ部材42は、その先端側がギヤケース41の側方から内部に差し込まれて、当該状態のもとで一対の固定ねじ43(図2参照)によってギヤケース41に固定されている。
[0030]
 ギヤケース41の内部には、アーマチュア軸25の軸方向他側(図1中左側)が延在されており、このアーマチュア軸25の軸方向他側でかつ外周部分には、ウォーム44が固定されている。すなわち、ウォーム44は、アーマチュア軸25により回転される。また、ギヤケース41の内部には、ウォーム44に噛み合わされるウォームホイール46が回転自在に収容されている。ここで、図5に示されるように、ウォーム44は螺旋状の歯部45を備え、ウォームホイール46はその軸方向に緩やかな傾斜角度で傾斜された歯部47を備えている。これにより、ウォーム44の回転力がウォームホイール46に滑らか(スムーズ)に伝達される。
[0031]
 図1に示されるように、アーマチュア軸25の軸方向他側には、ギヤケース41の内部において、アーマチュア軸25の軸方向への移動を規制する第2スラスト軸受48が設けられている。また、アーマチュア軸25の軸方向他側は、第3ラジアル軸受49により回転自在に支持されている。
[0032]
 このように、アーマチュア軸25の軸方向一側に第1ラジアル軸受29,第1スラスト軸受30を設け、アーマチュア軸25の軸方向中央寄りの部分に第2ラジアル軸受31を設け、アーマチュア軸25の軸方向他側に第3ラジアル軸受49,第2スラスト軸受48を設けることで、アーマチュア軸25(アーマチュア24)は、効率良くスムーズに回転可能となっている。
[0033]
 アーマチュア軸25の軸方向に沿うコンミテータ26と第2ラジアル軸受31との間には、環状のセンサマグネット50が一体に設けられている。センサマグネット50は、その周方向に沿ってN極,S極が交互に並ぶよう着磁されている。一方、コネクタ部材42には、センサ基板42aが装着されており、このセンサ基板42aのセンサマグネット50との対向部分には、回転センサ42bが実装されている。
[0034]
 ここで、回転センサ42bは、センサマグネット50の磁束線の向きやその変化を捉える磁気センサとなっている。これにより回転センサ42bは、アーマチュア軸25の回転状態、つまりアーマチュア軸25の回転方向や回転速度を検出する。より具体的には、回転センサ42bは、センサ素子としての磁気抵抗素子(MR素子)備え、さらには巨大磁気抵抗効果現象(Giant Magneto Resistance Effect)を応用したGMRセンサとなっている。
[0035]
 車載コントローラは、回転センサ42bからの検出信号を検出して、アーマチュア軸25の回転状態を算出する。例えば、アーマチュア軸25の回転速度が低下した場合には、車載コントローラは、ウィンドウガラスに障害物が接触している(挟み込んでいる)と判断する。そして、減速機構付モータ10の回転駆動を停止または反転動作させる制御を実行する。
[0036]
 図3に示されるように、ギヤケース41の底部41aには、ウォームホイール46を回転自在に支持する支持筒41bが一体に設けられている。支持筒41bは、ギヤケース41の内側に突出され、支持筒41bの径方向内側には、出力部材70を形成する出力軸71が回転自在に支持されている。そして、出力軸71の先端側(図3中上側)は、ギヤケース41の外部に露出されている。
[0037]
 図3および図4に示されるように、ウォームホイール46には、ダンパ部材60および出力部材70が組み付けられている。ダンパ部材60は、ゴム等の弾性材料により形成され、環状の本体部61と、当該本体部61に一体に設けられた6つのダンパ片62と、を備えている。6つのダンパ片62は、本体部61の周方向に略等間隔(略60度間隔)で設けられ、かつ本体部61の径方向外側に突出されている。ここで、本体部61および6つのダンパ片62を含むダンパ部材60は、ウォームホイール46の収容部SPに収容されている。
[0038]
 そして、隣り合う各ダンパ片62の間には、ウォームホイール46に一体に設けられた3つのトルク出力部46aと、出力部材70の円盤部材72に一体に設けられた3つのトルク受け部72a(図4では2つのみ示す)とが、ダンパ部材60の周方向に沿ってそれぞれ交互に入り込んでいる。これにより、ウォームホイール46が正逆方向に回転されると、トルク出力部46aからダンパ片62を介してトルク受け部72aに回転トルクが伝達される。このとき、ダンパ片62が弾性変形されて、回転トルクの急激な変動等に伴う衝撃が緩和される。
[0039]
 出力部材70は、鋼材等よりなる略円柱状の出力軸71を備えており、当該出力軸71と支持筒41bとの間には、シールリングSRが設けられている。これにより、底部41a側からギヤケース41の内部への雨水等の進入が阻止される。また、出力軸71の外部に露出された先端部には、連結ギヤ71aが一体に設けられている。そして、この連結ギヤ71aには、ウィンドレギュレータを形成するギヤ(図示せず)が動力伝達可能に連結される。
[0040]
 出力軸71のギヤケース41内に収容された基端部には、プラスチック等の樹脂材料よりなる円盤部材72が固定されている。より具体的には、円盤部材72の中心部分には、鋼製の基材73がインサート成形により埋設され、この基材73が出力軸71の基端部にセレーション嵌合(詳細図示せず)により固定されている。これにより、円盤部材72からの回転力が、出力軸71に効率良く伝達される。なお、円盤部材72は、出力軸71に対して、止め輪Rにより抜け止めされている。
[0041]
 円盤部材72のウォームホイール46側(図3中上側)には、隣り合う各ダンパ片62の間にそれぞれ入り込む3つのトルク受け部72aが一体に設けられている。これらのトルク受け部72aは、円盤部材72の周方向に沿って略等間隔(略120度間隔)で配置されている。ここで、3つのトルク受け部72aは、ウォームホイール46の収容部SPに収容されている。
[0042]
 ギヤケース41の開口側(図3中下側)は、ケースカバー80によって密閉されている。ケースカバー80は、ステンレス鋼板をプレス加工等することで略円板状に形成され、その中心部分には、出力軸71側に向けて突出された凸部81が設けられている。この凸部81は、出力軸71の基端側に形成された凹部71bに摺動自在に入り込んでいる。これにより、開口側からギヤケース41内への雨水等の進入が阻止されるとともに、出力軸71の回転振れが抑制される。
[0043]
 ここで、減速機構付モータ10の動力伝達経路について説明すると、まず、アーマチュア軸25の回転がウォーム44およびウォームホイール46(減速機構SD)により減速される。次いで、減速されて高トルク化された回転力が、トルク出力部46aからダンパ片62を介してトルク受け部72aに伝達される。その後、出力軸71から連結ギヤ71aに連結されたウィンドレギュレータに設けられたギヤに回転力が出力され、ひいてはウィンドウガラスが昇降される。
[0044]
 減速機構SDを形成するウォーム44の歯部45は、図5および図6(a)に示されるように螺旋形状に形成されている。また、図6(a)の基準ラック歯形に示されるように、歯部45の形状は、当該歯部45の歯先の中心を通る線分LN1を境に、ウォーム44の軸方向に沿う一方側(図中右側)および他方側(図中左側)で同じ形状となっている。そして、ウォーム44の歯部45の圧力角は、基準ラック歯形のピッチ点P1を通る第1基準線(ピッチ円径)B1と直交する第2基準線B2を基準として[α°(=11°)]に設定されている。ここで、圧力角α°は、第2基準線B2と、ピッチ点P1を通る歯部45の歯面の接線S1とのなす角度となっている。
[0045]
 ここで、ウォーム44は鋼製(例えばS45C)であり、切削加工により精度良く製造されている。したがって、低温環境や高温環境に曝したとしても、寸法変動は殆どしない。よって、使用される環境に関わらず、歯部45の圧力角は[α°(=11°)]で一定に保持される。
[0046]
 これに対し、減速機構SDを形成するウォームホイール46の歯部47は、図5および図6(b)に示されるように平歯形状に形成されている。また、図6(b)の基準ラック歯形に示されるように、歯部47の形状は、当該歯部47の歯先の中心を通る線分LN2を境に、ウォームホイール46の回転方向に沿う一方側(図中右側)および他方側(図中左側)で同じ形状となっている。そして、ウォームホイール46の歯部47の圧力角は、基準ラック歯形のピッチ点P2を通る第1基準線(ピッチ円径)B3と直交する第2基準線(半径線)B4を基準として[β°(=12°)]に設定されている。ここで、圧力角β°は、理論上の設計値であって、第2基準線B4と、ピッチ点P2を通る歯部47の歯面の接線S2とのなす角度となっている。
[0047]
 ここで、ウォームホイール46は樹脂製(例えばPOM)であり、溶融された樹脂材料を金型内に射出することで形成(射出成形)されている。したがって、射出成形後に冷却されて硬化されると、複数設けられた歯部47の間で寸法誤差が生じたり、使用環境の温度変化が大きい場合には、寸法変動が起こったりする。すなわち、鋼製のウォームホイールに比して、樹脂製のウォームホイール46は、軽量化には優れるものの寸法精度が低くなっている。
[0048]
 よって、これらの寸法誤差が発生することを先読みし、その寸法誤差の程度を考慮し、歯部47の圧力角を、ウォーム44の歯部45の圧力角[α°(=11°)]よりも大きい[β°(=12°)]としている(β°<α°)。すなわち、このようにウォームホイール46の歯部47の圧力角を[β°(=12°)]に設定することで、図7に示されるように、比較例の歯部(圧力角小)に比して、歯先が先細りとなった歯部47(圧力角大)となる。
[0049]
 ここで、比較例の歯部(図7中破線)は、ウォーム44の歯部45の圧力角[α°(=11°)]と同じ圧力角(=11°)とした場合の歯部である。すなわち、比較例の歯部は、通常の設計思想に基づき、ウォームの歯部の圧力角と、ウォームホイールの歯部の圧力角とを、それぞれ同じ角度となるようにしたものであり、理論上では、ウォームとウォームホイールとが正しく噛み合わされて、互いにスムーズに回転可能とされるものである。
[0050]
 次に、ウォーム44の歯部45と、ウォームホイール46の歯部47と、の噛み合い点の状態について、図面を用いて詳細に説明する。
[0051]
 図8はウォームホイールが時計回り(CW)方向に回転される場合の噛み合い点を説明する説明図を、図9はウォームホイールが反時計回り(CCW)方向に回転される場合の噛み合い点を説明する説明図をそれぞれ示している。
[0052]
 [時計回り(CW)方向への回転時]
 図8に示されるように、ウォーム44が正転駆動されて、当該ウォーム44の歯部45が矢印M1の方向に移動していくと、ウォームホイール46は矢印CWの方向に回転される。すると、ウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との噛み合い点が、破線矢印に示されるように、BP1,BP2,BP3のようになる。
[0053]
 ここで、本実施の形態においては、ウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との噛み合い点の数は、負荷状態が一定の時には、BP1,BP2,BP3の3箇所となっている。つまり、噛み合い終わり側にある噛み合い点BP3の噛み合いが解除されると、これに引き続き、噛み合い始め側に噛み合い点BP1が現れるようになっている。これがウォーム44の正転駆動により繰り返されることで、噛み合い点の数が3箇所となる。
[0054]
 そして、噛み合い始め側の噛み合い点BP1に対して、ウォームホイール46の回転方向側とは反対側では、ウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との間に、二点鎖線円で囲ったようにクリアランス(隙間)CLが形成されている。このクリアランスCLは、本実施の形態においては、ウォームホイール46が1回転する間に常に形成され、これは、ウォームホイール46の歯部47の圧力角β°(図6(b)参照)の方を、ウォーム44の歯部45の圧力角α°(図6(a)参照)よりも大きくしたことに起因している。
[0055]
 要するに、ウォームホイール46の歯部47の歯先を、図7に示されるように先細り形状にしたことで、たとえウォームホイール46の歯部47の寸法精度が低くても、歯部47の形状のばらつきに応じて、大小様々なクリアランスCLが確実に形成されるようになっている。よって、樹脂製のウォームホイール46であっても、噛み合い点の数を3箇所にでき、ひいては、従前のような噛み合い点の増減に起因した減速機構SDの回転抵抗のばらつきが確実に抑えられる。
[0056]
 さらに具体的には、図5および図8に示されるように、ウォームホイール46の軸心C1を通り、かつウォーム44の軸線C2と直交する線分を基準線BLとしたときに、ウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との噛み合い点の数が、基準線BLに対してウォームホイール46の回転方向側(図8中右側)の方が、基準線BLに対してウォームホイール46の回転方向側とは反対側(図8中左側)よりも多くなっている。つまり、基準線BLの図8中右側には、噛み合い点BP2,BP3の「2箇所」が存在し、基準線BLの図8中左側には、噛み合い点BP1の「1箇所」が存在している。ここで、基準線BLは、本発明における基準線を構成している。
[0057]
 このように、本実施の形態では、噛み合い終わり側(基準線BLの図8中右側)の噛み合い点の数の方が多くなっており、噛み合い始め側(基準線BLの図8中左側)の噛み合い点の数が多い場合よりも、ウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との噛み合い抵抗(こじり力)が小さくて済む。したがって、これによっても、減速機構SDの作動抵抗を低減することができる。
[0058]
 [反時計回り(CCW)方向への回転時]
 また、図9に示されるように、ウォーム44が逆転駆動されて、当該ウォーム44の歯部45が矢印M2の方向に移動していくと、ウォームホイール46は矢印CCWの方向に回転される。すると、ウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との噛み合い点が、破線矢印に示されるように、BP4,BP5,BP6のようになる。
[0059]
 この場合(CCW回転)においても、上述の時計回り(CW)方向への回転時と同様に、減速機構SDの回転抵抗のばらつきが確実に抑えられ、かつ減速機構SDの作動抵抗を低減することができる。なお、詳細な説明は、上述した内容と重複するため省略する。
[0060]
 次に、以上のように構成された減速機構付モータ10(本発明)の方が、比較例(従前の構造)の減速機構付モータに比して、その回転抵抗が低減されて、かつばらつきが少なくなっていることについて説明する。なお、比較例は、ウォームホイールの歯部の圧力角を、ウォームの歯部の圧力角と同じ「11°」にしたものであり、通常の設計思想により設計された減速機構付モータとなっている。
[0061]
 また、本発明(圧力角12°)および比較例(圧力角11°)の何れにおいても、同じ条件で駆動してデータの取得を行った。具体的には、ウォームホイールを時計回り方向(CW方向)に駆動するとともに、反時計回り方向(CCW方向)に駆動し、かつその動作をそれぞれ2回ずつ行った。
[0062]
 まず、ウォームホイールが1回転する間に、減速機構付モータにどのくらいの大きさの電流が流れているのかを計測した。すなわち、電流値が大きい場合には、減速機構付モータ(減速機構)の作動抵抗が大きく、電流変動が大きい場合には、減速機構付モータ(減速機構)の回転抵抗のばらつきが大きい。
[0063]
 比較例(圧力角11°)では、電流値の大きさが「中程度」であり、かつ、CW方向への駆動時における電流変動の方が、CCW方向への駆動時における電流変動よりも大きかった。すなわち、比較例では、作動抵抗が大きく、かつ回転抵抗のばらつきが大きかった。
[0064]
 これは、比較例では、図8および図9に示される「クリアランスCL」が殆ど無く、ウォームホイールが1回転する間に当該部分において、ウォームの歯部とウォームホイールの歯部とが接触したりしなかったりすることに起因している。つまり、噛み合い点が「3箇所」になったり「4箇所」になったりして、その数が増減していることに起因している。
[0065]
 これに対し、本発明(圧力角12°)では、電流値の大きさが比較例よりも低い状態となり、かつ、CW方向およびCCW方向への駆動時における電流変動のばらつきが少なかった。すなわち、本実施の形態(本発明)では、比較例に比して作動抵抗が小さく、かつ回転抵抗のばらつきが小さかった。言い換えれば、本発明(圧力角12°)では、比較例(圧力角11°)に比して、省電力で駆動することができ、かつ滑らか(スムーズ)な駆動により静粛性にも優れていると言える。
[0066]
 次に、ウォームホイールが1回転する間に、回転センサ42bからの検出信号、つまり「パルス信号」がどのように変動するのかを計測した。すなわち、駆動電流を一定として、回転センサ42bからの検出信号がどの程度ばらつくのか(=回転抵抗のばらつき)を計測した。
[0067]
 比較例(圧力角11°)では、CW方向およびCCW方向の双方において、パルス変動が大きかった。これに対し、本発明(圧力角12°)では、CW方向およびCCW方向の双方において、比較例に比してパルス変動が小さかった。
[0068]
 すなわち、このようなパルス変動の観点からも、本実施の形態(本発明)では、比較例に比して回転抵抗のばらつきが小さかった。言い換えれば、本発明(圧力角12°)では、比較例(圧力角11°)に比して、荷物などの挟み込みの検知精度を向上させることが可能である。よって、コントローラの誤認識を抑制して、ウィンドウガラスの開閉途中で、モータ部が停止されるようなことが効果的に防止される。
[0069]
 以上詳述したように、本実施の形態に係る減速機構付モータ10によれば、ウォームホイール46の歯部47の圧力角β°(=12°)の方が、ウォーム44の歯部45の圧力角α°(=11°)よりも大きくなっているので、ウォームの歯部の圧力角とウォームホイールの歯部の圧力角とが同じ角度であるもの(従前の形態)に比して、図7に示されるように、ウォームホイール46の歯部47の歯先を先細り形状にできる。これにより、ウォームホイール46の歯部47にばらつきがあったとしても、従前の形態の場合に接触したりしなかったりしていた歯部を、互いに確実に接触させないようにできる。
[0070]
 したがって、ウォームホイール46が1回転する間のウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との噛み合い点の数を、負荷状態が一定の時には、BP1,BP2,BP3(BP4,BP5,BP6)の3箇所としてその増減が抑えられて、ウォーム44とウォームホイール46との噛み合いを滑らか(スムーズ)にすることができる。よって、電流変動やパルス変動を小さくすることができ、より高精度な制御が可能となる。
[0071]
 また、本実施の形態に係る減速機構付モータ10によれば、ウォーム44が鋼製であり、ウォームホイール46が樹脂製であるので、ウォーム44よりも大きく、かつ減速機構付モータ10の容積の大きい部分を占めるウォームホイール46を軽量化することができる。さらに、ウォームホイール46の成形精度をアップさせずに済むので、製造コストの上昇を抑えることもできる。また、大きい部品を軽量化できるため、回転慣性モーメントを小さくして、正逆回転を迅速に切り替えられるようになる。
[0072]
 さらに、本実施の形態に係る減速機構付モータ10によれば、ウォームホイール46の歯部47の形状が、ウォームホイール46の回転方向に沿う一方側および他方側で同じ形状となっているので、ウォームホイール46を、時計回り方向(CW方向)および反時計回り方向(CCW方向)の双方において、同じ条件で回転駆動させることができる。よって、パワーウィンドウ装置等の正逆回転される駆動源に用いて好適となる。
[0073]
 また、本実施の形態に係る減速機構付モータ10によれば、ウォームホイール46の軸心C1を通り、かつウォーム44の軸線C2と直交する線分を基準線BLとしたときに、ウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との噛み合い点の数が、基準線BLに対してウォームホイール46の回転方向側の方が、基準線BLに対してウォームホイール46の回転方向側とは反対側よりも多くなっている。
[0074]
 したがって、噛み合い終わり側(基準線BLの図8中右側)の噛み合い点の数を、噛み合い始め側(基準線BLの図8中左側)の噛み合い点の数よりも多くすることができる。よって、ウォーム44の歯部45とウォームホイール46の歯部47との噛み合い抵抗(こじり力)を小さくすることができ、ひいては減速機構SDの作動抵抗を低減することができる。
[0075]
 本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、ウォームホイール46を、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することで形成したものを示したが、本発明はこれに限らず、冷却して硬化される時に寸法誤差を生じ得る他の素材のウォームホイール、例えばアルミ材料等を鋳造成形することで形成したウォームホイールにも適用することができる。
[0076]
 また、上記実施の形態では、減速機構付モータ10を、車両に搭載されるパワーウィンドウ装置の駆動源に用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、サンルーフ装置やワイパ装置等の他の駆動源にも用いることができる。
[0077]
 さらに、上記実施の形態では、モータ部20にブラシ付の電動モータを採用したものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、モータ部20にブラシレスの電動モータ等を採用することもできる。
[0078]
 その他、上記実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記実施の形態に限定されない。

産業上の利用可能性

[0079]
 減速機構付モータは、自動車等の車両に搭載されるパワーウィンドウ装置等の駆動源に用いられる。

請求の範囲

[請求項1]
 アーマチュア軸の回転を減速して出力する減速機構付モータであって、
 前記アーマチュア軸により回転されるウォームと、
 前記ウォームに噛み合わされるウォームホイールと、
を備え、
 前記ウォームホイールの歯部の圧力角の方が、前記ウォームの歯部の圧力角よりも大きくなっている、
減速機構付モータ。
[請求項2]
 請求項1記載の減速機構付モータにおいて、
 前記ウォームが鋼製であり、
 前記ウォームホイールが樹脂製である、
減速機構付モータ。
[請求項3]
 請求項1記載の減速機構付モータにおいて、
 前記ウォームホイールの歯部の形状が、前記ウォームホイールの回転方向に沿う一方側および他方側で同じ形状となっている、
減速機構付モータ。
[請求項4]
 請求項3記載の減速機構付モータにおいて、
 前記ウォームホイールの軸心を通り、かつ前記ウォームの軸線と直交する線分を基準線としたときに、
 前記ウォームの歯部と前記ウォームホイールの歯部との噛み合い点の数が、
 前記基準線に対して前記ウォームホイールの回転方向側の方が、前記基準線に対して前記ウォームホイールの回転方向側とは反対側よりも多くなっている、
減速機構付モータ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]