Некоторое содержание этого приложения в настоящий момент недоступно.
Если эта ситуация сохраняется, свяжитесь с нами по адресуОтзывы и контакты
1. (WO2019043901) IMAGE PROCESSING DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 画像処理装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108  

符号の説明

0109  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : 画像処理装置

技術分野

[0001]
 この発明は、画像処理装置に関し、特に、放射線画像中に含まれるノイズを低減する処理を行う画像処理装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、放射線画像中に含まれるノイズを低減する処理を行う画像処理装置が知られている。このような画像処理装置は、たとえば、特開2017-12445号公報に開示されている。
[0003]
 放射線画像には、放射線源から被写体を透過して検出器に直接検出される直接線(1次放射線)による成分、被写体内で散乱されて検出器に検出される散乱線による成分、および、ノイズ成分が含まれる。ノイズ成分には、放射線光子を検出器により検出する際の統計的なゆらぎに起因する統計ノイズ(量子ノイズ)が含まれる。
[0004]
 上記特開2017-12445号公報に開示されている画像処理装置は、放射線画像に含まれる散乱線成分を推定する推定手段と、放射線画像に含まれるノイズ成分を低減するノイズ低減手段と、出力手段とを備える。
[0005]
 上記特開2017-12445号公報では、推定手段により推定された散乱線成分を放射線画像から減算することにより、散乱線低減画像が取得される。ノイズ低減手段により、放射線画像から第一のノイズ統計量と、散乱線低減画像から第二のノイズ統計量とが、それぞれ取得される。ノイズ統計量は、それぞれの画像の画素値に基づく画素毎の標準偏差であり、予め、ある画素と、その画素に含まれるノイズ統計量との相関を求めて記憶装置(ルックアップテーブル)に記憶される。ノイズ低減手段は、第一のノイズ統計量と、第二のノイズ統計量とに基づいて、ノイズ成分を低減する画像処理を行う。これにより、放射線画像から散乱線成分と、ノイズ成分とがそれぞれ低減された補正後の画像が出力される。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2017-12445号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら、上記特開2017-12445号公報では、ノイズ統計量を取得するために、画素毎に予めノイズ統計量の相関を求めておく処理が必要であり、画像処理の際にも記憶装置を参照し、第一のノイズ統計量と第二の統計量とをそれぞれ取得する必要がある。そのため、ノイズ低減処理が煩雑で、演算コスト(演算負荷)が高いため処理が遅くなりやすい(処理が重くなりやすい)という問題点がある。
[0008]
 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、処理を簡素化し、低い演算コスト(演算負荷)で高速にノイズ低減処理を行うことが可能な画像処理装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記目的を達成するために、この発明の一の局面における画像処理装置は、被写体に放射線を照射することにより得られる放射線画像に含まれる散乱線成分を放射線画像から低減する散乱線低減手段と、放射線画像から散乱線成分が低減された散乱線低減画像に含まれるノイズ成分を低減するノイズ低減手段と、を備え、ノイズ低減手段は、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像と、散乱線成分の低減前の放射線画像との間の画素値の比率を取得する画素比率取得手段を含み、画素値の比率に基づいて、ノイズ成分を散乱線低減画像から低減するように構成され、散乱線成分およびノイズ成分を放射線画像から低減した補正済み画像を出力するように構成されている。
[0010]
 本明細書において、放射線は、たとえばX線であるが、X線以外のガンマ線や粒子線などの放射線も含む広い概念である。放射線画像は、被写体に放射線を照射し、被写体を透過した放射線を検出器により検出することにより得られる画像である。ノイズ成分は、放射線画像に含まれるノイズ成分であって、放射線光子を検出器により検出する際の統計的なゆらぎに起因する統計ノイズ(量子ノイズ)に起因するノイズ成分を含む概念である。統計ノイズ(統計ノイズの量)は、検出器に到達した放射線量(すなわち、放射線画像の画素値)に対して正の相関を有することが知られている。本発明のノイズ低減手段により低減するノイズ成分は、統計ノイズのように放射線画像の画素値に対して相関するノイズであり、画素値に対して相関するノイズであれば統計ノイズ以外のノイズを含んでもよいが、検出器(検出回路)の電気的なノイズなど、画素値に対して相関しないノイズは対象としない。散乱線低減画像(Scとする)と、放射線画像(Inとする)との間の画素値の比率とは、(Sc/In)により表される比率を含む。画素値の比率は、散乱線低減画像と、放射線画像とのそれぞれの画素値を用いて、散乱線成分の低減前後における画素値の変化を表す比率であれば、逆比(In/Sc)でもよいし、画素値の変化率(|In-Sc|/In)のような形の比率も許容する広い概念である。
[0011]
 この発明の一の局面による画像処理装置では、上記のように、ノイズ低減手段を、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像と、散乱線成分の低減前の放射線画像との間の画素値の比率を取得する画素比率取得手段を含み、画素値の比率に基づいて、ノイズ成分を散乱線低減画像から低減するように構成する。ここで、統計ノイズは放射線画像の画素値に対して相関を有することから、散乱線低減画像と放射線画像との間の画素値の比率により、散乱線量と、散乱線量に応じたノイズ成分の量(低減すべきノイズ成分の量)とを関連付けることができる。そのため、画素値の比率に基づく簡素な処理によっても、放射線画像から適切にノイズ成分を低減することができる。これにより、従来のように、放射線画像および散乱線低減画像からそれぞれノイズ統計量を別々に取得する必要がなく、単純に放射線画像および散乱線低減画像の画素値の比率に基づいてノイズ成分を低減することができるので、処理を簡素化し、低い演算コストで高速にノイズ低減処理を行うことができる。
[0012]
 上記一の局面による画像処理装置において、好ましくは、ノイズ低減手段は、画素値の比率に基づいて合成重みを設定する合成重み設定手段と、設定された合成重みにより、ノイズ成分を散乱線低減画像から低減したノイズ低減画像と散乱線低減画像とを重み付け合成する合成手段とを含む。このように構成すれば、ノイズ低減効果を弱める場合には散乱線低減画像の合成重みを大きくし、ノイズ低減効果を強める場合にはノイズ低減画像の合成重みを大きくすることにより、ノイズ成分の低減度合いを調整できる。そして、合成重みを、画素値の比率に基づいて把握されるノイズ成分の量(低減すべきノイズ成分の量)に応じて設定することができるので、画素値の比率に基づいて演算コストを低減しつつ、散乱線低減画像に含まれるノイズ成分の量に応じた適切なノイズ低減処理ができる。
[0013]
 この場合、好ましくは、合成重み設定手段は、放射線画像に対する散乱線低減画像の画素値の比率が小さいほど、ノイズ低減画像の重みが大きくなるように、合成重みを設定する。ここで、放射線画像に対する散乱線低減画像の画素値の比率が小さい場合、放射線画像に含まれる散乱線量が多いことを意味するから、検出された散乱線量に相関するノイズ成分の量が多いことになる。一方、画素値の比率が大きい場合、ノイズ成分の量は少ない。そこで、画素値の比率が小さいほど、ノイズ低減画像の重みを大きくして合成することにより、ノイズ成分の量に応じて効果的にノイズ成分を低減することができる。
[0014]
 上記ノイズ低減手段が合成重み設定手段と合成手段とを含む構成において、好ましくは、合成重み設定手段は、放射線画像に対する散乱線低減画像の画素値の比率が閾値を下回る場合に、散乱線低減画像の重みをゼロに設定する。ここで、ノイズ成分の低減処理は、ノイズ低減効果を強める程、非ノイズ成分(画像化すべき情報)も除去されてしまうため、ノイズ低減効果には限界が生じる。そこで、非ノイズ成分が除去されすぎない程度のノイズ低減効果でノイズ低減画像を生成しておけば、画素値の比率が閾値を下回るようなノイズ成分の量が多い場合にノイズ低減画像をそのまま出力するようにすることにより、演算コストを増大させることなく、過度に画質を低下させない範囲にノイズ低減効果の限界を設定することができる。
[0015]
 上記一の局面による画像処理装置において、好ましくは、散乱線低減画像を周波数分解して複数の周波数の帯域画像を取得する帯域画像取得手段と、複数の帯域画像の各々に含まれるノイズ成分を低減した複数の補正済み帯域画像を、合成する帯域画像合成手段とをさらに備え、ノイズ低減手段は、複数の帯域画像の各々に対して、画素値の比率に基づいてノイズ成分を低減するように構成されている。このように構成すれば、画素値の比率に基づくノイズ低減処理を、複数の帯域画像の各々に対して帯域別に行うことができる。その結果、周波数帯域毎に、適切なノイズ低減処理が実施された補正済み画像を得ることができる。
[0016]
 この場合、好ましくは、ノイズ低減手段は、画素値の比率に基づいて、帯域画像毎に合成重みを別々に設定する合成重み設定手段と、帯域画像毎に設定された合成重みにより、各々の帯域画像からノイズ成分を低減したノイズ低減画像と、対応する帯域画像とを、重み付け合成する合成手段とを含む。このように構成すれば、ノイズ低減効果を帯域別に調整することができるようになるので、柔軟な画質調整が可能になる。

発明の効果

[0017]
 上記のように、本発明によれば、処理を簡素化し、低い演算コストで高速にノイズ低減処理を行うことができる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 第1実施形態による画像処理装置を備えたX線撮影装置を示した模式図である。
[図2] 第1実施形態による画像処理装置のブロック図である。
[図3] 第1実施形態によるX線画像処理を説明するためのフローチャートである。
[図4] ノイズ低減処理の内容を説明するための図である。
[図5] 散乱線成分が多い場合の画素値の比率を説明するための図である。
[図6] 散乱線成分が少ない場合の画素値の比率を説明するための図である。
[図7] 画素値の比率と合成重みとの変換関数の例を示した図である。
[図8] 合成重みがゼロになる範囲を設けた変換関数の例を示した図である。
[図9] 散乱線低減処理の具体例を説明するための模式図である。
[図10] フィルタ処理の具体例を説明するための模式図である。
[図11] 合成処理の具体例を説明するための模式図である。
[図12] 第2実施形態による画像処理装置のブロック図である。
[図13] 第2実施形態のノイズ低減処理を説明するための図である。
[図14] 周波数分解された各帯域画像と、変換関数および合成重みの対応関係を説明するための模式図である。
[図15] 第2実施形態によるX線画像処理を説明するためのフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[0020]
[第1実施形態]
 本発明の第1実施形態による画像処理装置100は、たとえばX線撮影装置1に適用され、X線撮影装置1により撮影されたX線画像に対する画像処理を行う。まず、図1を参照して、X線撮影装置1の全体構成について説明する。X線画像は、請求の範囲の「放射線画像」の一例である。
[0021]
 (X線撮影装置の構成)
 図1に示すように、X線撮影装置1は、被写体PにX線を照射し、被写体Pを透過したX線を検出することにより、被写体Pの内部の透過像としてのX線画像を撮影する装置である。X線撮影装置1は、医療分野の臨床診断に用いるX線診断装置(医用X線装置)である。被写体Pは、主としてヒト(患者)である。本実施形態による画像処理装置100としては、医用X線装置の他、たとえば非破壊検査等に用いられる産業用のX線撮影装置に適用されてもよい。
[0022]
 X線撮影装置1は、被写体PにX線を照射するX線照射部2と、被写体Pを透過したX線を検出するX線検出部3と、制御部4と、画像処理装置100とを備えている。
[0023]
 X線照射部2とX線検出部3とは、それぞれ、被写体Pが載置される天板5を挟んで対向するように配置されている。X線照射部2およびX線検出部3は、移動機構6に移動可能に支持されている。天板5は、天板駆動部7により水平方向に移動可能である。被写体Pの関心領域を撮影できるように、移動機構6および天板駆動部7を介してX線照射部2、X線検出部3および天板5が移動される。移動機構6および天板駆動部7は、制御部4により制御される。
[0024]
 X線照射部2は、電力供給によってX線を発生するX線管2aを含み、図示しない高電圧発生部に接続されている。X線管2aは、X線出射方向をX線検出部3の検出面に向けて配置されている。X線照射部2は、制御部4に接続されている。制御部4は、管電圧、管電流およびX線照射時間などの予め設定された撮影条件に従ってX線照射部2を制御し、X線管2aからX線を発生させる。
[0025]
 X線検出部3は、X線照射部2から照射され、被写体Pを透過したX線を検出し、検出したX線強度に応じた検出信号を出力する。X線検出部3は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)により構成されている。X線検出部3は、所定の解像度のX線画像(検出信号)を画像処理装置100に出力する。
[0026]
 なお、図1の構成例では、X線照射部2と、X線検出部3とが天板5を挟んで上下に対向し、天板5上に被写体を臥位(寝かせた姿勢)あるいは座位(座った姿勢)で配置してX線撮影を行う装置を示している。X線撮影装置1としては、X線照射部2と、X線検出部3とが水平方向に対向し、X線照射部2とX線検出部3との間に被写体を立位(立った姿勢)で配置してX線撮影を行う装置であってもよいし、臥位、座位および立位のいずれでも撮影可能な装置であってもよい。
[0027]
 制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などにより構成され、CPUが所定の制御プログラムを実行することにより、X線撮影装置1の各部を制御する制御部として機能する。制御部4は、X線照射部2の制御や、移動機構6および天板駆動部7の駆動制御を行う。
[0028]
 図1の例では、X線撮影装置1は、表示部8、操作部9および記憶部10を備える。表示部8は、たとえば液晶ディスプレイなどのモニタである。操作部9は、たとえばキーボードおよびマウス、タッチパネルまたは他のコントローラーなどを含んで構成される。記憶部10は、たとえばハードディスクドライブなどの記憶装置により構成される。制御部4は、画像処理装置100により生成された画像を表示部8に表示させる制御を行うように構成されている。また、制御部4は、操作部9を介した入力操作を受け付けるように構成されている。また、制御部4は、画像データ、撮影条件および各種の設定値を記憶部10に記憶させるように構成されている。
[0029]
 画像処理装置100は、X線検出部3からX線検出信号を取得して、X線画像を生成する。画像処理装置100は、取得したX線画像に対して画像処理を施す。画像処理は、X線画像中に含まれる散乱線成分を低減する処理、X線画像中に含まれるノイズ成分を低減する処理などの補正処理を含む。説明は省略するが、画像処理装置100は、散乱線成分およびノイズ成分の低減以外にも、公知の補正処理等を行う。画像処理装置100は、画像処理後のX線画像である補正済み画像を制御部4に出力する。補正済み画像は、表示部8に表示され、または記憶部10に記録される。X線画像は、静止画像または動画像である。
[0030]
 (画像処理装置の構成)
 図2に示すように、画像処理装置100は、画像処理プログラムを実行することによりX線画像を処理するコンピュータにより構成される。たとえば、画像処理装置100は、FPGA(field-programmable gate array)などのプログラム可能な論理デバイス20に、画像処理を実行する機能を組み込んだ専用ハードウェアとして構成されている。画像処理装置100は、制御部4と共通の、または別個のCPU、ROMおよびRAMなどにより構成されてもよい。その場合、画像処理装置100は、CPUに画像処理プログラムを実行させることによりソフトウェア上で構成される。なお、画像処理装置100は、図1のように、制御部4とは別体で設けられていてもよいし、制御部4の一部として組み込まれていてもよい。
[0031]
 第1実施形態では、画像処理装置100は、散乱線低減手段21と、ノイズ低減手段22と、を備える。散乱線低減手段21およびノイズ低減手段22は、FPGAなどの論理デバイス20に組み込まれた画像処理モジュールとして構成されうる。散乱線低減手段21およびノイズ低減手段22は、CPUに画像処理プログラムを実行させることによりソフトウェア上で構成される画像処理を行う機能ブロックであり得る。
[0032]
 被写体Pに放射線を照射してX線検出部3により検出すると、X線画像中には、被写体Pを透過した直接線に起因する直接線成分と、被写体P内で散乱して生じた散乱線に起因する散乱線成分と、その他のノイズ成分とが含まれる。直接線成分は、被写体Pの構造を反映した画像情報である。一方、散乱線成分およびノイズ成分は、被写体Pの構造情報を含まず、X線画像の画質を低下させるものである。そのため、画像処理装置100による補正処理は、簡単に言えばX線画像から散乱線成分およびノイズ成分を除去して、極力、直接線成分だけを抽出する処理である。
[0033]
 散乱線低減手段21は、被写体Pに放射線を照射することにより得られるX線画像51(図3参照)に含まれる散乱線成分をX線画像51から低減する処理を行う。具体的には、散乱線低減手段21は、X線画像51中に含まれる散乱線成分を推定する推定処理と、推定した散乱線成分をX線画像51から除去する散乱線成分の低減処理とを行う。散乱線低減手段21は、X線画像51から散乱線成分が低減された散乱線低減画像52(図3参照)を生成する。
[0034]
 ノイズ低減手段22は、X線画像51から散乱線成分が低減された散乱線低減画像52に含まれるノイズ成分を低減する。具体的には、ノイズ低減手段22は、放射線画像に含まれる統計ノイズ(量子ノイズ)に起因するノイズ成分を低減する処理を行う。ノイズ低減手段22は、散乱線低減手段21による散乱線成分の低減後の散乱線低減画像52に対して、ノイズ成分を低減するフィルタ処理を行う。ノイズ低減手段22は、フィルタ処理により、ノイズ成分を散乱線低減画像52から低減したノイズ低減画像53(図3参照)を生成する。
[0035]
 第1実施形態では、ノイズ低減手段22は、画素比率取得手段23を含む。
[0036]
 画素比率取得手段23は、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像52と、散乱線成分の低減前のX線画像51との間の画素値の比率α(図4参照)を取得する。ノイズ低減手段22は、画素値の比率αに基づいて、ノイズ成分を散乱線低減画像52から低減するように構成されている。
[0037]
 具体的には、ノイズ低減手段22は、合成重み設定手段24、および合成手段25を含む。
[0038]
 合成重み設定手段24は、画素値の比率α(図4参照)に基づいて合成重みgを設定する。合成手段25は、設定された合成重みg(図4参照)により、ノイズ成分を散乱線低減画像52から低減したノイズ低減画像53と散乱線低減画像52とを重み付け合成する。これにより、ノイズ低減手段22は、画素値の比率αに基づいて設定された合成重みgでノイズ低減画像53と散乱線低減画像52とを重み付け合成することにより、ノイズ成分を散乱線低減画像52から低減するように構成されている。
[0039]
 このように、画像処理装置100は、散乱線低減手段21およびノイズ低減手段22によって、X線画像51から散乱線成分およびノイズ成分を低減する。そして、画像処理装置100は、散乱線成分およびノイズ成分をX線画像51から低減した補正済み画像54(図3参照)を制御部4に出力するように構成されている。
[0040]
 (X線画像処理)
 次に、図3を参照して、画像処理装置100によるX線画像処理の流れについて説明する。
[0041]
 ステップS1において、画像処理装置100は、X線画像51を取得する。
[0042]
 ステップS2において、画像処理装置100は、散乱線低減手段21により、散乱線成分の推定処理および散乱線成分の低減処理を行う。散乱線低減手段21は、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像52を生成する。
[0043]
 散乱線成分の推定処理および散乱線成分の低減処理では、X線画像から散乱線成分を推定し、推定した散乱線成分をX線画像から低減できればよく、処理方法は特に限定されない。推定処理の例として、米国特許第8064676号明細書に記載されているように、X線画像の低周波帯域成分の輝度値(画素値)が高い画素を散乱線成分と見なす手法を用いてもよい。別の例として、特開平9-149895号公報に記載されているように、X線画像と点像分布関数とのコンボリューションにより散乱線成分を推定してもよい。これらの例示した手法以外の手法によって散乱線成分を推定し、X線画像中から低減してもよい。
[0044]
 ステップS3において、画像処理装置100は、ノイズ低減手段22により、ノイズ成分の低減処理を行う。ノイズ低減手段22は、散乱線成分およびノイズ成分がX線画像51から低減された補正済み画像54を生成する。ノイズ成分の低減処理の詳細については、後述する。
[0045]
 ステップS4において、画像処理装置100は、散乱線成分およびノイズ成分がX線画像51から低減された補正済み画像54を制御部4(図1参照)に出力する。
[0046]
 (ノイズ成分の低減処理)
 次に、図4~図8を参照して、図3のステップS3に示したノイズ成分の低減処理について説明する。
[0047]
 〈ノイズ成分の説明〉
 X線画像51中のノイズ成分(統計ノイズ)の量については、検出器に到達した放射線量(すなわち、放射線画像の画素値)に対して正の相関を有することが知られている。したがって、図5に示すように、X線画像51中の平均画素値N0が高いほど、統計ノイズの量も多くなる傾向がある。つまり、統計ノイズの量は、直接線および散乱線の合計線量が多い程、多くなる。
[0048]
 X線画像51中の散乱線成分の量は、被写体Pの体格(厚み)等によって異なる。一般に、被写体Pの厚みが大きく、X線が被写体P内を透過する距離が長いほど散乱線も多くなる傾向がある。図5に示すように、X線画像51中の散乱線成分が多い場合、除去される散乱線成分が多くなるので、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像52の平均画素値N1fが小さくなる。図6に示すように、X線画像51中の散乱線成分が少ない場合、除去される散乱線成分が少なくなるので、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像52の平均画素値N1tは大きくなる。また、X線画像51中の散乱線成分が中程度の場合、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像52の平均画素値N1はN1tとN1fとの間になる。
[0049]
 このように、統計ノイズの量がX線画像51中の平均画素値N0に相関する一方、X線画像51中に含まれる散乱線成分の量に応じて散乱線低減画像52の平均画素値N1が変動するため、散乱線成分が多い場合(平均画素値N1f)、散乱線低減画像52におけるノイズ成分の量は相対的に多くなり、散乱線成分が少ない場合(平均画素値N1t)、散乱線低減画像52におけるノイズ成分の量は相対的に少なくなる。
[0050]
 そのため、フィルタ処理によるノイズ低減効果は、散乱線成分の量に応じて適切に制御されることが好ましい。そこで、ノイズ低減手段22は、ステップS3におけるノイズ成分の低減処理として、図4に示すステップS11~S14の各処理を実行することにより、X線画像中の散乱線成分の低減処理の前後における画素値の比率に基づいて、ノイズ低減効果を調整するように構成されている。
[0051]
 〈フィルタ処理〉
 図4のステップS11において、ノイズ低減手段22は、散乱線低減画像52に対してノイズ成分を低減するフィルタ処理を施すことにより、ノイズ低減画像53を生成する。フィルタ処理は、平滑化処理である。フィルタ処理は、処理対象の画像に重畳したノイズ成分を平滑化できればよく、処理方法は特に限定されない。フィルタ処理の例としては、一般的なガウスフィルタが採用できる。フィルタ処理の例としては、エッジ保存フィルタとして知られるバイラテラルフィルタや異方性フィルタを用いてもよい。
[0052]
 ガウスフィルタ、バイラテラルフィルタや異方性フィルタは、1枚の画像内での平滑化処理に用いられ、主に静止画に対して適用できる。動画像の場合、時系列のフレーム画像間での平滑化を行う。動画像の場合のフィルタ処理は、たとえばリカーシブフィルタなどの時間積分フィルタを用いることができる。動画像において、被写体Pまたは被写体P内の関心領域が画像中で動く場合には、画像認識による動体追跡処理を用いて各フレーム画像の対応箇所同士を検出し、画像中の部分領域毎に時間積分フィルタを適用してもよい。
[0053]
 〈画素比率の取得〉
 ステップS12において、画素比率取得手段23が、X線画像51と散乱線低減画像52との、同一画素同士の画素値の比率αを算出する(画素比率取得処理)。たとえば、画素比率取得手段23は、下式(1)により、画素値の比率αを算出する。
[0054]
 α(x,y) = Sc(x,y)/In(x,y) ・・・(1)
 ここで、(x,y)は、各々の画像中の画素の座標である(0≦x≦X,0≦y≦Y)。X、Yは、それぞれ画像の横方向および縦方向のサイズ(画素数)である。Sc(x,y)は、散乱線低減画像52における座標(x,y)の画素値である。In(x,y)は、散乱線低減前のX線画像51における座標(x,y)の画素値である。Sc(x,y)≦In(x,y)であり、α(x,y)は、0≦α≦1の変数である。
[0055]
 〈合成重みの設定処理〉
 ステップS13において、合成重み設定手段24が、画素値の比率αに基づいて合成重みgを設定する(合成重み設定処理)。たとえば、合成重み設定手段24は、下式(2)により、合成重みgを算出する。
[0056]
 g(x,y) = F(α(x,y)) ・・・(2)
 ここで、Fは、αを変数とする変換関数である。合成重みg(x,y)は、0≦g≦1の変数である。
[0057]
 変換関数Fは、線形関数でもよいし、非線形関数でもよい。線形関数の例としては、たとえば下式(3)である。非線形関数の例としては、たとえば下式(4)である。
 F(k) = ak+b ・・・(3)
 F(k) = ak 2+bk 1+ck -1+d ・・・(4)
 ここで、変数kには、画素値の比率α(x,y)が代入される。a、b、c、dは、それぞれ変換関数Fを決めるパラメータ(係数)である。
[0058]
 ここでは、合成重みgは、後述する式(6)によって、散乱線低減画像52とノイズ低減画像53との重み付け合成に際しての、散乱線低減画像52の重みを表す。言い換えると、合成重みgが大きい(1に近い)ほど、合成処理におけるノイズ低減画像53の割合が減少(散乱線低減画像52の割合が増大)し、合成重みgが小さい(0に近い)ほど、合成処理におけるノイズ低減画像53の割合が増大する(散乱線低減画像52の割合が減少)。
[0059]
 図5および図6に示したように、低減前のX線画像における散乱線成分が多い程、画素値の比率αは小さくなる一方、散乱線低減画像52におけるノイズ成分の量が相対的に多くなる。逆に、低減前のX線画像における散乱線成分が少ない程、画素値の比率αは大きくなる一方、散乱線低減画像52におけるノイズ成分の量が相対的に少なくなる。
[0060]
 そのため、合成重み設定手段24は、X線画像51に対する散乱線低減画像52の画素値の比率αが小さいほど、ノイズ低減画像53の重みが大きくなるように、合成重みgを設定する。つまり、図7に示すように、αの値が小さいほど、gの値も小さくなるように、変換関数Fが設定される。
[0061]
 図7は、縦軸に合成重みg、横軸に画素値の比率αをとり、変換関数Fを表す曲線を示した図である。αの値が小さいほど、gの値も小さくなる変換関数Fは、言い換えると、αの値に対してgの値を単調増加させる関数である。図7では、典型的な変換関数Fとして、1次関数、n次関数(nは2以上の整数)、累乗根の関数の3種類を例示している。これらのいずれかの変換関数Fにより、散乱線低減画像52におけるノイズ成分の割合に応じた合成重みgが設定できる。
[0062]
 また、第1実施形態では、図8に示すように、合成重み設定手段24は、X線画像51に対する散乱線低減画像52の画素値の比率αが閾値を下回る場合に、散乱線低減画像52の重みをゼロに設定するように構成されていることが好ましい。
[0063]
 ここで、散乱線成分の量によらず、フィルタ処理のパワー(ノイズ除去効果)は一定とする。この場合、特に散乱線成分の量が多い場合でも、フィルタ処理のパワーを超えるノイズ除去効果を得ることはできない。一方、フィルタ処理のパワーを高く設定しすぎると、ノイズ成分以外の直接線成分も除去されてしまうため、フィルタ処理のパワーを無制限に高くすることも適切でない。そこで、画素値の比率αが閾値Th以下となり、ノイズ成分の量が相対的に多くなる場合には、合成重みgを0にして、合成処理におけるノイズ低減画像53の割合を1にする。つまり、フィルタ処理としては、直接線成分を除去しすぎない所定のパワーに設定しておき、画素値の比率αが閾値Th以下となる場合、ノイズ低減手段22は、ノイズ低減画像53を補正済み画像54として出力する。これにより、散乱線成分の量が多い場合でも過度なフィルタ処理により直接線成分が除去されることが抑制される。
[0064]
 図8に示した第1実施形態の変換関数Fの具体例を下式(5)に示す。
 F(k) = ak 1/2+b ・・・(5)
 ここで、変換関数Fは、(0≦F(k)≦1)であり、閾値Th以下の範囲で0になる領域を含む(k≦Thのとき、F(k)=0)。パラメータa、bおよび閾値Thには、フィルタ処理のパワーに応じて適切な値が設定される。
[0065]
 〈合成処理〉
 図4に示すように、ステップS14において、合成手段25は、画素値の比率αに基づいて設定された合成重みgでノイズ低減画像53と散乱線低減画像52とを重み付け合成する(合成処理)。重み付け合成の結果、合成手段25は、補正済み画像54を生成する。具体的には、合成手段25は、下式(6)により、ノイズ低減画像53と散乱線低減画像52とを重み付け合成する。
 Out(x,y) = g(x,y)×Sc(x,y)+[1-g(x,y)]×Sm(x,y)   ・・・(6)
 ここで、Out(x,y)は、補正済み画像54における座標(x,y)の画素値である。Sm(x,y)は、ノイズ低減画像53における座標(x,y)の画素値である。
[0066]
 上式(6)に示すように、合成手段25は、散乱線低減処理後の散乱線低減画像52と、散乱線低減画像52に対するフィルタ処理後のノイズ低減画像53とをそれぞれ取得すると共に、合成重み設定手段24により設定された合成重みgを取得する。合成手段25は、合成重みgに応じた割合で、散乱線低減画像52とノイズ低減画像53とを合成する。
[0067]
 この結果、画素値の比率αが小さく、合成重みgが小さく設定される程、ノイズ低減画像53の合成割合が大きくなる。このようにして、ノイズ低減手段22は、ノイズ低減画像53の合成割合の調整により、散乱線低減画像52におけるノイズ成分の割合に応じてノイズ除去効果を調整する。上記の通り、画素値の比率αが閾値Th以下となる場合、合成重みg=0に設定されるため、上式(5)における散乱線低減画像52の合成割合が0となる。その結果、ノイズ低減手段22は、画素値の比率αが閾値Th以下となる場合にノイズ低減画像53を補正済み画像54として出力する。
[0068]
 (画像処理の例)
 次に、図9~図11を参照して、第1実施形態の画像処理装置100による画像処理を単純化して説明する。図9~図11では、便宜的に、5×5画素のX線画像に対して、画像処理を行う例を示す。図中に示した5×5個の矩形領域の各々が画素であり、画素内の数値は、画素値を示す。
[0069]
 図9は、散乱線低減処理を示す。X線画像51の各々の画素に対して、散乱線低減手段21により、それぞれ散乱線成分56が推定される。散乱線低減手段21は、推定した散乱線成分56をX線画像51から画素毎に除算して、散乱線低減画像52を生成する。
[0070]
 図10は、フィルタ処理を示す。散乱線低減画像52に対して、ノイズ低減手段22によりフィルタ処理が行われ、ノイズ低減画像53が生成される。ノイズ低減手段22は、散乱線低減画像52に対して、予め設定されたカーネル(フィルタ係数)57を用いたコンボリューション(畳込)を行い、ノイズ低減画像53を算出する。ここでは便宜的に、カーネルが均等な移動平均フィルタを用いる例を示している。ガウシアンフィルタ、バイラテラルフィルタなどの他のフィルタの場合、それぞれ対応するカーネルが設定される。
[0071]
 図11は、合成処理を示す。散乱線低減画像52およびノイズ低減画像53に対して、合成手段25により、合成重みgを用いた重み付け合成が行われ、補正済み画像が生成される。ここでは便宜的に、合成重みgを、全ての画素について一定の0.5と仮定した例を示す。合成手段25は、散乱線低減画像52およびノイズ低減画像53の対応する画素(xy座標)同士に、それぞれの重みを乗算した値の和(上式(6)参照)をとることにより、合成後の画素値を算出する。その結果、補正済み画像54が得られる。
[0072]
 なお、上式(2)、(5)から分かるように、実際には、散乱線低減画像52およびノイズ低減画像53の対応する画素同士の画素値の比率αに応じて、重みgは画素毎に個別に設定される。合成手段25は、画素毎に、対応する重みgを用いて重み付け合成を行う。
[0073]
 以上により、第1実施形態の画像処理装置100による画像処理が行われる。
[0074]
 (第1実施形態の効果)
 第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
[0075]
 第1実施形態では、上記のように、ノイズ低減手段22を、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像52と、散乱線成分の低減前のX線画像51との間の画素値の比率αを取得する画素比率取得手段23を含み、画素値の比率αに基づいて、ノイズ成分を散乱線低減画像52から低減するように構成する。上記の通り、統計ノイズはX線画像51の画素値に対して相関を有することから、散乱線低減画像52とX線画像51との間の画素値の比率αにより、散乱線量と、散乱線量に応じたノイズ成分の量(低減すべきノイズ成分の量)とを関連付けることができる。そのため、画素値の比率αに基づく簡素な処理によっても、X線画像51から適切にノイズ成分を低減することができる。これにより、従来のように、X線画像および散乱線低減画像からそれぞれノイズ統計量を別々に取得する必要がなく、単純にX線画像51および散乱線低減画像52の画素値の比率αに基づいてノイズ成分を低減することができるので、処理を簡素化し、低い演算コストで高速にノイズ低減処理を行うことができる。
[0076]
 また、第1実施形態では、上記のように、ノイズ低減手段22に、画素値の比率αに基づいて合成重みgを設定する合成重み設定手段24と、設定された合成重みgにより、ノイズ成分を散乱線低減画像52から低減したノイズ低減画像53と散乱線低減画像52とを重み付け合成する合成手段25とを設ける。これにより、ノイズ低減効果を弱める場合には散乱線低減画像52の合成重みを大きくし、ノイズ低減効果を強める場合にはノイズ低減画像53の合成重みを大きくすることにより、ノイズ成分の低減度合いを調整できる。そして、合成重みを、画素値の比率αに基づいて把握されるノイズ成分の量(低減すべきノイズ成分の量)に応じて設定することができるので、画素値の比率αに基づいて演算コストを低減しつつ、散乱線低減画像52に含まれるノイズ成分の量に応じた適切なノイズ低減処理ができる。
[0077]
 また、第1実施形態では、上記のように、X線画像51に対する散乱線低減画像52の画素値の比率αが小さいほど、ノイズ低減画像53の重みが大きくなるように、合成重みgを設定するように合成重み設定手段24を構成する。これにより、X線画像51に対する散乱線低減画像52の画素値の比率αが小さいほど、ノイズ低減画像53の重みを大きくして合成することにより、ノイズ成分の量に応じて効果的にノイズ成分を低減することができる。
[0078]
 また、第1実施形態では、上記のように、X線画像51に対する散乱線低減画像52の画素値の比率αが閾値Thを下回る場合に、散乱線低減画像52の重みをゼロに設定するように、合成重み設定手段24を構成する。これにより、画素値の比率αが閾値Thを下回るようなノイズ成分の量が多い場合にノイズ低減画像53をそのまま出力するようにすることにより、演算コストを増大させることなく、過度に画質を低下させない範囲にノイズ低減効果の限界を設定することができる。
[0079]
 [第2実施形態]
 次に、図12~図15を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、X線画像を複数の帯域画像に周波数分解することにより、上記第1実施形態のノイズ低減処理を帯域画像毎に実施する例について説明する。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
[0080]
 (画像処理装置の構成)
 図12に示すように、第2実施形態の画像処理装置200は、散乱線低減手段21およびノイズ低減手段122に加えて、帯域画像取得手段126と、帯域画像合成手段127とをさらに備える。帯域画像取得手段126および帯域画像合成手段127は、散乱線低減手段21およびノイズ低減手段122と同様、論理デバイス20に組み込まれた画像処理モジュールとして構成されうるほか、ソフトウェア上で構成される画像処理を行う機能ブロックであり得る。
[0081]
 帯域画像取得手段126は、散乱線低減画像52を周波数分解して複数の周波数の帯域画像155(図13参照)を取得するように構成されている。周波数分解は、散乱線低減画像52を複数の周波数帯域の帯域画像155に分解できればよく、処理方法は特に限定されない。また、分解する帯域幅および帯域の数については、要求される画質や処理速度に応じて設定されればよく、特に限定されない。
[0082]
 周波数分解の処理方法としては、たとえば、フーリエ変換、画像ピラミッド法などがある。フーリエ変換は、空間領域の画像情報を空間周波数領域に変換する処理である。空間周波数領域で対応する周波数成分以外を除去した上で、逆フーリエ変換を行うことにより、周波数帯域毎の帯域画像を生成することができる。画像ピラミッド法は、元のX線画像を、複数段階に解像度を異ならせた複数の画像に分解する手法であり、高解像度から低解像度までの各画像が、周波数帯域の異なる帯域画像に相当する。
[0083]
 帯域画像合成手段127は、複数の帯域画像155の各々に含まれるノイズ成分を低減した複数の補正済み帯域画像156を、合成するように構成されている。ここで、第2実施形態では、ノイズ低減手段122は、複数の帯域画像155の各々に対して、画素値の比率αに基づいてノイズ成分を低減するように構成されている。すなわち、帯域画像取得手段126によって分解された各々の帯域画像155に対して、ノイズ低減手段122によるノイズ低減処理が個別に行われる。帯域画像合成手段127は、図13に示すように、ノイズ低減処理後のそれぞれの補正済み帯域画像156を合成することにより、補正済み画像54を生成する。
[0084]
 画像処理装置200は、帯域画像合成手段127によって周波数合成された後の補正済み画像54を出力するように構成されている。
[0085]
 図13に示すように、第2実施形態では、ノイズ低減手段122は、画素値の比率αに基づいて、帯域画像155毎に合成重みgを別々に設定する合成重み設定手段24を含む。具体的には、合成重み設定手段24は、周波数帯域毎に予め設定された変換関数Fを用いて、それぞれの帯域画像155の合成重みgを算出する。
[0086]
 すなわち、図14に示すように、周波数分解によって、帯域画像In1、In2、In3、・・・が得られた場合に、合成重み設定手段24は、周波数帯域毎の変換関数F1、F2、F3、・・・を用いて、合成重みg1、g2、g3、・・・をそれぞれ取得する。それぞれの変換関数Fは、たとえば上式(3)~(5)に例示したような共通の関数を用いて、パラメータa~dの値を異ならせることができる。これにより、周波数帯域別に、異なる変換関数F1、F2、F3、・・・が設定される。
[0087]
 たとえば、X線画像に写る構造のエッジ成分などは、高周波帯域に含まれ、X線画像に写るDC成分のような変化の少ない情報は、低周波帯域に含まれる。各帯域のノイズをどの程度除去すべきかは、最終的には用途やユーザの傾向を反映して決定することが好ましいため、変換関数Fのパラメータの一部または全部を変更可能とすることが好ましい。それぞれの変換関数Fのパラメータは、固定値でもよい。
[0088]
 なお、第2実施形態においても、画素比率取得手段23は、周波数分解処理の前のX線画像51と、散乱線低減画像52との画素値の比率αを取得する。つまり、画素値の比率αは、各帯域画像155に対して共通である。
[0089]
 図13に示すように、合成手段125は、帯域画像155毎に設定された合成重みgにより、各々の帯域画像155からノイズ成分を低減したノイズ低減画像(ノイズ低減帯域画像157とする)と、対応する帯域画像155とを、重み付け合成する(合成処理)ように構成されている。
[0090]
 すなわち、合成手段125は、各々の帯域画像155(図15のIn1~In3)と、帯域画像155に対するフィルタ処理後のノイズ低減帯域画像157(図15のSm1~Sm3)とをそれぞれ取得すると共に、合成重み設定手段24により設定された周波数帯域別の合成重みgを取得する。合成手段125は、それぞれの周波数帯域の合成重みgに応じた割合で、帯域画像155とノイズ低減帯域画像157とを合成する。合成処理により、合成手段125は、周波数帯域毎の補正済み帯域画像156を生成する。
[0091]
 (X線画像処理)
 次に、図15を参照して、第2実施形態の画像処理装置200によるX線画像処理の流れについて説明する。
[0092]
 ステップS21において、画像処理装置200は、X線画像51を取得する。
[0093]
 ステップS22において、画像処理装置200は、散乱線低減手段21により、散乱線成分の推定処理および散乱線成分の低減処理を行う。散乱線低減手段21は、散乱線成分の低減後の散乱線低減画像52を生成する。
[0094]
 ステップS23において、画像処理装置100は、帯域画像取得手段126により、散乱線低減画像52の周波数分解処理を行う。帯域画像取得手段126は、散乱線低減画像52を所定数の帯域画像155に分解する。
[0095]
 ステップS24において、画像処理装置100は、ノイズ低減手段122により、周波数分解された各々の帯域画像155に対して、それぞれノイズ成分の低減処理を行う。ノイズ低減手段122は、ノイズ成分が低減された補正済み帯域画像156を、周波数帯域毎に生成する。
[0096]
 ステップS25において、画像処理装置100は、帯域画像合成手段127により、周波数帯域毎の補正済み帯域画像156を合成する処理を行う。帯域画像合成手段127は、合成により、補正済み画像54を生成する。
[0097]
 ステップS26において、画像処理装置100は、散乱線成分およびノイズ成分がX線画像51から低減された補正済み画像54を制御部4に出力する。
[0098]
 第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
[0099]
 (第2実施形態の効果)
 第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
[0100]
 第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、画素値の比率αに基づいて、ノイズ成分を散乱線低減画像52から低減するようにノイズ低減手段122を構成する。これにより、従来のように、X線画像および散乱線低減画像からそれぞれノイズ統計量を別々に取得する必要がなく、単純にX線画像51および散乱線低減画像52の画素値の比率αに基づいてノイズ成分を低減することができるので、処理を簡素化し、低い演算コストで高速にノイズ低減処理を行うことができる。
[0101]
 また、第2実施形態では、上記のように、散乱線低減画像52を周波数分解して複数の周波数の帯域画像155を取得する帯域画像取得手段126と、複数の帯域画像155の各々に含まれるノイズ成分を低減した複数の補正済み帯域画像156を、合成する帯域画像合成手段127とを設ける。そして、ノイズ低減手段122を、複数の帯域画像155の各々に対して、画素値の比率αに基づいてノイズ成分を低減するように構成する。これにより、画素値の比率αに基づくノイズ低減処理を、複数の帯域画像155の各々に対して帯域別に行うことができる。その結果、周波数帯域毎に、適切なノイズ低減処理が実施された補正済み画像54を得ることができる。
[0102]
 また、第2実施形態では、上記のように、ノイズ低減手段122に、画素値の比率αに基づいて、帯域画像155毎に合成重みgを別々に設定する合成重み設定手段24と、帯域画像155毎に設定された合成重みgにより、各々の帯域画像155からノイズ成分を低減したノイズ低減画像(ノイズ低減帯域画像157)と、対応する帯域画像155とを、重み付け合成する合成手段125とを設ける。これにより、ノイズ低減効果を帯域別に調整することができるようになるので、柔軟な画質調整が可能になる。
[0103]
 第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[0104]
 (変形例)
 なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
[0105]
 たとえば、上記第1および第2実施形態では、被写体が人である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被写体は、人以外の生物であってもよいし、物であってもよい。たとえば、本発明の画像処理装置を、レントゲン装置などの医用機器以外の、X線検査装置(非破壊検査装置)などの産業用機器用の画像処理装置に用いてもよい。
[0106]
 また、上記第1および第2実施形態では、ノイズ低減手段22(122)に、合成重み設定手段24と合成手段25(125)とを設け、画素値の比率αに応じて合成重みgを設定することにより、画素値の比率αに応じてノイズ除去効果を調整するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、フィルタ処理に用いるフィルタ係数(カーネル)を、ノイズ成分の量に応じて複数種類設定し、画素値の比率αに応じてフィルタ処理に用いるフィルタ(カーネル)を選択することにより、ノイズ除去効果を調整するように構成してもよい。
[0107]
 また、上記第1および第2実施形態では、画素値の比率αが閾値Thを下回る場合に、散乱線低減画像52の重みをゼロに設定するように合成重み設定手段24を構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画素値の比率αに対して合成重みを0に固定するための閾値を設定しなくてもよい。すなわち、画素値の比率αの全範囲に渡って、合成重みgが変化するようにしてもよい。
[0108]
 また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、本発明の画像処理装置の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。

符号の説明

[0109]
 21 散乱線低減手段
 22、122 ノイズ低減手段
 23 画素比率取得手段
 24 合成重み設定手段
 25、125 合成手段
 51 X線画像(放射線画像)
 52 散乱線低減画像
 53 ノイズ低減画像
 54 補正済み画像
 100、200 画像処理装置
 126 帯域画像取得手段
 127 帯域画像合成手段
 155 帯域画像
 156 補正済み帯域画像
 α 画素値の比率
 g 合成重み
 P 被写体
 Th 閾値

請求の範囲

[請求項1]
 被写体に放射線を照射することにより得られる放射線画像に含まれる散乱線成分を前記放射線画像から低減する散乱線低減手段と、
 前記放射線画像から前記散乱線成分が低減された散乱線低減画像に含まれるノイズ成分を低減するノイズ低減手段と、を備え、
 前記ノイズ低減手段は、前記散乱線成分の低減後の前記散乱線低減画像と、前記散乱線成分の低減前の前記放射線画像との間の画素値の比率を取得する画素比率取得手段を含み、前記画素値の比率に基づいて、前記ノイズ成分を前記散乱線低減画像から低減するように構成され、
 前記散乱線成分および前記ノイズ成分を前記放射線画像から低減した補正済み画像を出力するように構成されている、画像処理装置。
[請求項2]
 前記ノイズ低減手段は、
  前記画素値の比率に基づいて合成重みを設定する合成重み設定手段と、
  設定された前記合成重みにより、前記ノイズ成分を前記散乱線低減画像から低減したノイズ低減画像と前記散乱線低減画像とを重み付け合成する合成手段とを含む、請求項1に記載の画像処理装置。
[請求項3]
 前記合成重み設定手段は、前記放射線画像に対する前記散乱線低減画像の前記画素値の比率が小さいほど、前記ノイズ低減画像の重みが大きくなるように、前記合成重みを設定する、請求項2に記載の画像処理装置。
[請求項4]
 前記合成重み設定手段は、前記放射線画像に対する前記散乱線低減画像の前記画素値の比率が閾値を下回る場合に、前記散乱線低減画像の重みをゼロに設定する、請求項2に記載の画像処理装置。
[請求項5]
 前記散乱線低減画像を周波数分解して複数の周波数の帯域画像を取得する帯域画像取得手段と、
 前記複数の帯域画像の各々に含まれる前記ノイズ成分を低減した複数の補正済み帯域画像を、合成する帯域画像合成手段とをさらに備え、
 前記ノイズ低減手段は、前記複数の帯域画像の各々に対して、前記画素値の比率に基づいて前記ノイズ成分を低減するように構成されている、請求項1に記載の画像処理装置。
[請求項6]
 前記ノイズ低減手段は、
  前記画素値の比率に基づいて、前記帯域画像毎に合成重みを別々に設定する合成重み設定手段と、
  前記帯域画像毎に設定された前記合成重みにより、各々の前記帯域画像から前記ノイズ成分を低減したノイズ低減画像と、対応する前記帯域画像とを、重み付け合成する合成手段とを含む、請求項5に記載の画像処理装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]