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1. WO2020195452 - MOTEUR À VIBRATION LINÉAIRE ET DISPOSITIF ÉLECTRONIQUE L'UTILISANT

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明 細 書

発明の名称 リニア振動モータ、およびそれを用いた電子機器

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107  

符号の説明

0108  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : リニア振動モータ、およびそれを用いた電子機器

技術分野

[0001]
 この開示は、リニア振動モータ、およびそれを用いた電子機器に関する。

背景技術

[0002]
 リニア振動モータの一例として、米国特許出願公開第2016/0226361号明細書(特許文献1)に記載されたリニア振動モータが挙げられる。図10は、特許文献1に記載されたリニア振動モータの断面図である。リニア振動モータ300は、コイル303と、第1の磁石M301、第2の磁石M302および第4の磁石M304を含む振動子302と、第3の磁石M303および第5の磁石M305が固定された筺体301とを備えている。
[0003]
 振動子302は、コイル303と、駆動磁石である第1の磁石M301とにより、第1の方向Dに沿って振動する。第2の磁石M302と第3の磁石M303、および第4の磁石M304と第5の磁石M305とは、それぞれ互いに反発するように、それぞれ第1の方向Dに沿って配置されている。すなわち、第2の磁石M302と第3の磁石M303、および第4の磁石M304と第5の磁石M305とは、振動子302の第1の方向Dに沿った振動に対する磁気ばね機構を構成している。
[0004]
 この磁気ばね機構により、振動子302の振動が第3の磁石M303および第5の磁石M305を介して筺体301に伝えられ、リニア振動モータ300の振動として感知される。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 米国特許出願公開第2016/0226361号明細書

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 近年、携帯型情報端末などの電子機器には、皮膚感覚フィードバックのため、またはキー操作や着信などを振動で確認するためなどの振動発生装置として、リニア振動モータが用いられている。一方、このような電子機器は、小型化および多機能化が進められており、小さな筺体の内部に多くの電子部品を高密度で実装する必要がある。そのため、リニア振動モータの小型化も求められている。
[0007]
 リニア振動モータ300では、駆動磁石および磁気ばね機構を構成する磁石は、それぞれ異なる磁石であり、また第1の方向Dに平行な1つの軸線に沿って並ぶように配置されている。したがって、リニア振動モータを上面視したときの面積を小さくするためには、各磁石の面積を小さくする必要がある。しかしながら、各磁石の面積、特に駆動磁石の面積を小さくすると、振動子に与えられる駆動力が小さくなる虞がある。その結果、操作時および動作時に電子機器から感じられる振動が減少する虞がある。
[0008]
 また、リニア振動モータの面積を小さくするために、駆動磁石が配置される軸線と磁気ばね機構を構成する磁石が配置される軸線とを別にし、駆動磁石と磁気ばね機構を構成する磁石の一部とが上面視で重なるようにすることも考えられる。しかしながら、この場合、リニア振動モータの厚みが増す。
[0009]
 この開示の目的は、振動子に与えられる駆動力の減少を抑制しながら、小型化することができるリニア振動モータ、およびそれを用いた電子機器を提供することである。

課題を解決するための手段

[0010]
 この開示に従うリニア振動モータは、第1の筺体と、第1の筺体内に収容され、第1の磁石および第2の磁石を含み、第1の方向に沿って振動可能な振動子と、第1の筺体に固定された、第3の磁石および第4の磁石とを含む。第1ないし第4の磁石は、第1の方向から見たとき、少なくともそれぞれの一部が重なり、かつ第1の磁石と第3の磁石、および第2の磁石と第4の磁石とが互いに対向するように配列されている。第1の磁石と第3の磁石、および第2の磁石と第4の磁石とは、それぞれの磁極の配列方向が平行、かつ互いに同じ向きである。
[0011]
 また、この開示に従う電子機器は、この開示に従うリニア振動モータと、第2の筺体とを備える。リニア振動モータは、第2の筺体内に収容される。

発明の効果

[0012]
 この開示に従うリニア振動モータは、振動子に与えられる駆動力の減少を抑制しながら、小型化することができる。また、この開示に従う電子機器は、この開示に従うリニア振動モータが用いられているため、操作時および動作時に感じられる振動の減少を抑制しながら、小型化することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1(A)は、この開示に従うリニア振動モータの模式的な形態を示すリニア振動モータ100の、筺体1の第1の部分1aを除いたときの平面図である。図1(B)は、図1(A)に示されたA-A線を含む面で切断されたリニア振動モータ100の矢視断面図である。図1(C)は、図1(B)に示されたB-B線を含む面で切断されたリニア振動モータ100の矢視断面図である。
[図2] リニア振動モータ100の分解斜視図である。
[図3] 図3(A)ないし(D)は、リニア振動モータ100の一連の動作を説明する、それぞれ図1(B)に相当する断面図である。
[図4] 図4(A)ないし(C)は、リニア振動モータ100の第1の変形例であるリニア振動モータ100Aの、図1(A)ないし(C)に相当する平面図および矢視断面図である。
[図5] リニア振動モータ100Aの分解斜視図である。
[図6] 図6(A)ないし(C)は、リニア振動モータ100の第2の変形例であるリニア振動モータ100Bの、図1(A)ないし(C)に相当する平面図および矢視断面図である。
[図7] リニア振動モータ100Bの分解斜視図である。
[図8] この開示に従う電子機器の模式的な形態である携帯型情報端末1000の透過斜視図である。
[図9] 携帯型情報端末1000の要部の断面図である。
[図10] 背景技術のリニア振動モータ300の断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 この開示の特徴とするところを、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示すリニア振動モータの模式的な形態および実施形態では、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さないことがある。
[0015]
 -リニア振動モータの模式的な形態-
 この開示に従うリニア振動モータの模式的な形態を示すリニア振動モータ100について、図1および図2を用いて説明する。
[0016]
 図1(A)は、リニア振動モータ100の、筺体1の第1の部分1a(後述)を除いたときの平面図である。図1(B)は、図1(A)に示されたA-A線を含む面で切断されたリニア振動モータ100の矢視断面図である。図1(C)は、図1(B)に示されたB-B線を含む面で切断されたリニア振動モータ100の矢視断面図である。また、図2は、リニア振動モータ100の分解斜視図である。
[0017]
 リニア振動モータ100は、図1および図2に示されるように、筺体1(第1の筺体)と、振動子2と、コイル3(第1のコイル)と、第3の磁石M3と、第4の磁石M4とを備えている。
[0018]
 筺体1は、第1の部分1aと第2の部分1bとを含み、内壁W1ないしW6を有している。リニア振動モータ100において、第1の部分1aは平板状の蓋部であり、第2の部分1bは容器部となっている。すなわち、筺体1は、密閉構造となっているが、形状はこれに限られない。例えば、筺体1は、筒状であってもよく、部分的に開口を備えていてもよい。なお、第2の部分1bは、容器部本体1b 1と固定部1b 2とを含んでいるが(後述)、固定部1b 2の図示は省略されている(以下同様)。
[0019]
 筺体1には、例えばSUS304などのステンレス鋼などが用いられる。なお、第1の部分1aと第2の部分1bとが異なる材質であってもよい。
[0020]
 内壁W1は、図1(B)に示された筺体1の底面に相当し、内壁W2は、内壁W1と対向する筺体1の天面に相当する。また、内壁W3ないしW6は、図1(B)に示された筺体1の側壁面に相当する。
[0021]
 振動子2は、筺体1の第2の部分1b内に収容されている。振動子2は、第1の磁石M1と第2の磁石M2と基板2aとを含んでいる。リニア振動モータ100では、図2に示されているように、基板2aは一方端部および他方端部に凹部を有する直方体形状を有している。また、基板2aは、錘部として機能している。なお、振動子2は、基板2aとは別の錘部をさらに含んでいてもよい。
[0022]
 基板2aおよび別の錘部には、例えばW(タングステン)およびそれを含んだ合金、SUS304などのステンレス鋼およびAlおよびそれを含んだ合金などが用いられる。振動子2の質量を大きくし、磁気ばね機構を介して筺体1に大きな振動を伝えるためには、基板2aおよび別の錘部の材質が、W(タングステン)などの比重の大きな材質であることが好ましい。
[0023]
 基板2aの一方端部の凹部は、振動方向である第1の方向Dから見たとき、第1の磁石M1がコイル3の巻線部および第3の磁石M3と互いに対向した状態で固定できるような形状を有している。他方端部の凹部は、同様に第2の磁石M2がコイル3の巻線部および第4の磁石M4と互いに対向した状態で固定できるような形状を有している(後述)。凹部は基板2aの一方主面から他方主面に貫通していてもよい。第1の磁石M1は基板2aの一方端部の凹部に、第2の磁石M2は他方端部の凹部に、例えばエポキシ系の接着剤により固定される。
[0024]
 それぞれの凹部に磁石を挿入することにより、基板2aへの磁石の固定が行ないやすくなる。また、磁石を基板2aに精度良く固定することができる。ただし、凹部に挿入することなく、基板2aに磁石を固定してもよい。
[0025]
 第1の磁石M1と第2の磁石M2とは、磁極の配列方向がコイル3の第1の巻回軸線とそれぞれ平行、かつ互いに逆向きとなるように配置されている。第1の磁石M1と第2の磁石M2とは、それぞれコイル3の巻線部と対向するように、第1の方向Dに沿って間隔をおいて基板2aに固定されている。その際、第1の磁石M1は、基板2aの第1の方向Dから見た一方端部に固定され、第2の磁石M2は、基板2aの他方端部に固定されている。
[0026]
 第1の磁石M1および第2の磁石M2には、例えばNd-Fe-B系またはSm-Co系などの希土類磁石が用いられるが、強力な磁力を有し、振動子2の駆動力を大きくすることができるNd-Fe-B系の希土類磁石を用いることが好ましい。
[0027]
 コイル3は、仮想的な軸線である第1の巻回軸線の周りに導体線が巻回されることにより形成されている。コイル3は、上記の第1の巻回軸線が筺体1の第1の部分1aの法線方向(内壁W1の法線方向)と平行となる、すなわち第1の巻回軸線が第1の方向Dと直交するように、筺体1の内壁W2に固定されている。リニア振動モータ100において、第1の巻回軸線方向からコイル3を見たときの形状は、角部が丸められた矩形状である。
[0028]
 コイル3には、例えば直径0.06mmの被覆Cu線を、約50ターン巻回したものが用いられる。コイル3は、フレキシブル基板などの引き出し配線部材により、パワーアンプを介して安定化電源に接続される。図1および図2において、コイル3の巻線、コイル3への通電経路(配線経路)および各装置などの図示は省略されている。
[0029]
 コイル3は、通電されることにより、振動子2が第1の方向Dに沿って振動可能となるように第1の磁石M1および第2の磁石M2に駆動力を与える。コイル3に電流が流れると、コイル3には、第1の磁石M1および第2の磁石M2の磁界により、磁界の向きおよび電流の流れる向きのそれぞれと直交する向きのローレンツ力が加わる。図1(B)では、上記のように第1の磁石M1のN極がコイル3の巻線部と対向し、第2の磁石M2のS極がコイル3の巻線部と対向している。
[0030]
 一方、コイル3は、筺体1に固定されているので、第1の磁石M1および第2の磁石M2にローレンツ力の反力が加わる。したがって、コイル3は、通電により第1の磁石M1および第2の磁石M2に、延いては振動子2に第1の方向Dに沿った駆動力を与えることになる。すなわち、第1の磁石M1および第2の磁石M2は、リニア振動モータ100において、駆動磁石として機能している。
[0031]
 前述したように、コイル3を第1の巻回軸線方向から見たときの形状が矩形状である場合、円環状である場合よりも、前述のローレンツ力の方向が第1の方向Dに揃いやすい。そのため、振動子2に与えられる第1の方向Dに沿った駆動力が大きくなり好ましい。
[0032]
 リニア振動モータ100において、第1の磁石M1と第2の磁石M2とは、同じ形状となっている。すなわち、第1の磁石M1と第2の磁石M2とは、第1の方向Dから見たとき、互いに重なって見える。ただし、第1の磁石M1および第2の磁石M2の形状は、これに限られない。なお、第1の磁石M1および第2の磁石M2は、それぞれ第1の方向Dに直交する方向に配列された、同じ形状を有する複数の磁石を含んでいてもよい。
[0033]
 リニア振動モータ100では、図1(B)に示されているように、第1の磁石M1のN極がコイル3を介して筺体1の内壁W2と対向しており、第3の磁石M3のN極も筺体1の内壁W2と対向している。また、第2の磁石M2のS極がコイル3を介して筺体1の内壁W2と対向しており、第4の磁石M4のS極も筺体1の内壁W2と対向している。
[0034]
 第3の磁石M3は、前述したように、第1の方向Dから見たとき、第1の磁石M1と互いに対向し、磁極の配列方向が第1の磁石M1の磁極の配列方向と平行、かつ互いに同じ向きとなるように、筺体1の内壁W5に固定されている。このような磁極の配列の場合、第1の磁石M1の側面付近の磁界と第3の磁石M3の側面付近の磁界とが互いに反発する。
[0035]
 第4の磁石M4は、同様に第2の磁石M2と互いに対向し、磁極の配列方向が第2の磁石M2の磁極の配列方向と平行、かつ互いに同じ向きとなるように、筺体1の内壁W6に固定されている。このような磁極の配列の場合、第2の磁石M2の側面付近の磁界と第4の磁石M4の側面付近の磁界とが互いに反発する。すなわち、第1の磁石M1、第2の磁石M2、第3の磁石M3および第4の磁石M4は、それぞれの磁極の配列方向がコイル3の第1の巻回軸線と平行である。
[0036]
 これにより、第1の磁石M1、第2の磁石M2、第3の磁石M3および第4の磁石M4は、振動子2の第1の方向Dに沿った振動に対する磁気ばね機構を構成している。すなわち、第1の磁石M1および第2の磁石M2は、リニア振動モータ100において、前述したように駆動磁石として機能しているが、さらに磁気ばね機構としても機能している。
[0037]
 第3の磁石M3および第4の磁石M4には、例えばNd-Fe-B系またはSm-Co系などの希土類磁石が用いられるが、磁力の温度変化率が小さく、安定して磁気ばね効果を発揮できるSm-Co系の希土類磁石が用いられることが好ましい。
[0038]
 なお、第3の磁石M3は、第1の方向Dに直交する方向に配列され、第1の磁石M1の形状および個数に応じた複数の磁石を含んでいてもよい。また、第4の磁石M4は、第1の方向Dに直交する方向に配列され、第2の磁石M2の形状および個数に応じた複数の磁石を含んでいてもよい。
[0039]
 ここで、リニア振動モータ100の動作について、図3を用いて説明する。図3(A)ないし(D)は、リニア振動モータ100の一連の動作を説明する、それぞれ図1(B)に相当する断面図である。
[0040]
 図3(A)は、振動子2が振動しておらず、コイル3に通電が開始された状態を示している。ここで、コイル3の左側の断面に付されている記号は、図上で奥側から手前側に向かって電流が流れていることを表している。同様に、コイル3の右側の断面に付されている記号は、図上で手前側から奥側に向かって電流が流れていることを表している。また、第1の磁石M1のN極から出る上向きの矢印は、第1の磁石M1が発生させている磁界の向きを表している。同様に、第2の磁石M2のS極に入る下向きの矢印は、第2の磁石M2が発生させている磁界の向きを表している。
[0041]
 コイル3に上記の向きで電流が流れると、コイル3には、第1の磁石M1および第2の磁石M2の磁界により、磁界の向きおよび電流の流れる向きのそれぞれと直交する向きのローレンツ力(図上の薄く塗りつぶされた左向きの矢印)が加わる。一方、コイル3は筺体1に固定されているので、第1の磁石M1および第2の磁石M2にローレンツ力の反力(図上の濃く塗りつぶされた右向きの矢印)が加わる。したがって、振動子2には、振動子2を第1の方向Dに沿って図上の右側に動かす駆動力が与えられる。
[0042]
 図3(B)は、振動子2が図上の右側に動いた後、コイル3に流れる電流の向きを反転させた状態を示している。振動子2が右側に動くと、振動子2の第2の磁石M2と筺体1の第2の部分1bに固定された第4の磁石M4とが接近し、両者の間の反発力が大きくなる。
[0043]
 その結果、第2の磁石M2には、第2の磁石M2を図上の左側に動かす力(図上の白い左向きの矢印)が加わる。一方、第4の磁石M4には、第4の磁石M4を図上の右側に動かす力(図上の白い右向きの矢印)が加わる。そして、この第4の磁石M4に加わる力は、第4の磁石M4が固定されている筺体1の第2の部分1bを変形させる。なお、図3(B)に示された変形は、模式的に表されている(以下同様)。
[0044]
 そして、コイル3に流れる電流の向きを反転させると、コイル3には、図3(A)に示された向きと逆向きのローレンツ力が加わる。ただし、コイル3の第1の巻回軸線方向から見たときの、コイル3の巻線部と第1の磁石M1および第2の磁石M2とが重なる面積は、図3(A)に示された状態より小さくなっている。そのため、生じるローレンツ力の大きさは小さくなっている(図上の薄く塗りつぶされた右向きの小さな矢印)。そして、このローレンツ力の反力が、第1の磁石M1および第2の磁石M2に加わる(図上の濃く塗りつぶされた左向きの小さな矢印)。
[0045]
 したがって、前述の第2の磁石M2に加わる力とローレンツ力の反力とにより、振動子2には、振動子2を第1の方向Dに沿って図上の左側に動かす駆動力が与えられる。
[0046]
 図3(C)は、振動子2が図上の左側に動いた後、コイル3に流れる電流の向きを反転させた状態を示している。振動子2が左側に動くと、振動子2の第1の磁石M1と筺体1の第2の部分1bに固定された第3の磁石M3とが接近し、両者の間の反発力が大きくなる。
[0047]
 その結果、第1の磁石M1には、第1の磁石M1を図上の右側に動かす力(図上の白い右向きの矢印)が加わる。一方、第3の磁石M3には、第3の磁石M3を図上の左側に動かす力(図上の白い左向きの矢印)が加わる。そして、この第3の磁石M3に加わる力は、第3の磁石M3が固定されている筺体1の第2の部分1bを、図3(B)の場合と逆方向に変形させる。
[0048]
 そして、コイル3に流れる電流の向きを反転させると、コイル3には、図3(B)に示された向きと逆向きのローレンツ力が加わる。図3(B)に示された状態と同様に、生じるローレンツ力の大きさは小さくなっている(図上の薄く塗りつぶされた左向きの小さな矢印)。そして、このローレンツ力の反力が、第1の磁石M1に加わる(図上の濃く塗りつぶされた右向きの小さな矢印)。
[0049]
 したがって、前述の第1の磁石M1に加わる力とローレンツ力の反力とにより、振動子2には、振動子2を第1の方向Dに沿って図上の右側に動かす駆動力が与えられる。
[0050]
 図3(D)は、図3(C)で説明した動作により、振動子2が図3(B)と同じ状態となったことを示している。すなわち、第4の磁石M4が固定されている筺体1の第2の部分1bは、図3(B)の場合と同方向に変形する。以上で説明した第1の方向Dに沿った振動子2の振動は、磁気ばね機構を構成する第3の磁石M3および第4の磁石M4の振動となって筺体1に伝わり、リニア振動モータ100の振動となる。
[0051]
 リニア振動モータ100では、駆動磁石と磁気ばね機構を構成する磁石の一部とが兼用されている。したがって、各磁石の面積を小さくすることなく、リニア振動モータを上面視したときの面積を小さくすることができる。また、駆動磁石が配置される軸線と磁気ばね機構を構成する磁石が配置される軸線とを別にすることなく、駆動磁石と磁気ばね機構を構成する磁石とが、振動方向から見て少なくとも一部が重なるように配置されている。したがって、リニア振動モータの厚みの増加も抑制することができる。その結果、振動子に与えられる駆動力の減少を抑制しながら、リニア振動モータを小型化することができる。
[0052]
 リニア振動モータ100では、各磁石の第1の方向Dから見たときの面の重心が、それぞれ第1の方向Dに平行な軸線上にある(不図示)。ここで、例えば第1の磁石M1の面の重心とは、第1の方向から見た第1の磁石M1の外周により表される図形の重心を指す。また、第2の磁石M2、第3の磁石M3および第4の磁石M4のそれぞれの面の重心も、同様に定義される。
[0053]
 この場合、第1の磁石M1の側面付近の磁界と第3の磁石M3の側面付近の磁界とを、効果的に反発させることができる。同様に、第2の磁石M2の側面付近の磁界と第4の磁石M4の側面付近の磁界とを、効果的に反発させることができる。すなわち、磁気ばね機構を効果的に作用させることができる。
[0054]
 ただし、磁気ばね機構を作用させるためには、第1の方向Dから見たとき、第1の磁石M1、第2の磁石M2、第3の磁石M3および第4の磁石M4が、少なくともそれぞれの一部が重なるように配列されていればよい。
[0055]
 また、図1(A)、(B)に示されているように、リニア振動モータ100では、第1の方向Dから見たとき、第1の磁石M1の面全体は、第3の磁石M3の面の外周の内側にある。また、前記第2の磁石M2の面全体は、第4の磁石M4の面の外周の内側にある。この場合も、上記の磁石の側面付近の磁界を効果的に反発させることができる。すなわち、磁気ばね機構を効果的に作用させることができる。
[0056]
 ただし、上記と同様に、磁気ばね機構を作用させるためには、第1の方向Dから見たとき、第1の磁石M1、第2の磁石M2、第3の磁石M3および第4の磁石M4が、少なくともそれぞれの一部が重なるように配列されていればよい。
[0057]
 なお、第1の磁石M1は、基板2aの一方端部と面一となるように、また第2の磁石M2は、基板2aの他方端部と面一となるように固定されることが好ましい。この場合、振動前の第1の磁石M1と第3の磁石M3との間隔が、基板2aの一方端面と第3の磁石M3との間隔と同一となる。また、振動前の第2の磁石M2と第4の磁石M4との間隔が、基板2aの他方端面と第4の磁石M4との間隔と同一となる。そのため、磁気ばね機構が効果的に作用する。
[0058]
 なお、振動子2が第1の方向Dに沿って振動可能となるために、振動子2が筺体1の第2の部分1b内で支持される構造は特に限定されない。一例として、リニア振動モータ100では、図1および図2に示されているように、振動子2が第1の摺動機構4aと第2の摺動機構4bとを含む摺動機構4により支持されている。
[0059]
 リニア振動モータ100において、振動子2は、筺体1の内壁W3と第1の摺動機構4aにより接続されており、筺体1の内壁W4と第2の摺動機構4bにより接続されている。摺動機構4の構造は、特に限定されない。一例として、図1(C)に示されているように、ガイドレールとボールベアリングなどが用いられた移動体とを備え、ガイドレール上での移動体の運動時における摩擦が低減された摺動機構を用いることができる。ガイドレールは筺体1側に固定され、移動体は振動子2側に固定される。
[0060]
 -リニア振動モータの模式的な形態の第1の変形例-
 この開示に従うリニア振動モータの模式的な形態であるリニア振動モータ100の第1の変形例であるリニア振動モータ100Aについて、図4および図5を用いて説明する。
[0061]
 図4(A)ないし(C)は、リニア振動モータ100Aの、図1(A)ないし(C)に相当する平面図および矢視断面図である。また、図5は、リニア振動モータ100Aの分解斜視図である。リニア振動モータ100Aは、第5の磁石M5をさらに備えることがリニア振動モータ100と異なっている。それ以外の構成は、リニア振動モータ100と基本的には同様であるため、重複する説明は省略される。
[0062]
 リニア振動モータ100Aは、駆動磁石として、第1の磁石M1および第2の磁石M2に加えて第5の磁石M5をさらに備えている。第5の磁石M5には、例えばNd-Fe-B系またはSm-Co系などの希土類磁石が用いられるが、強力な磁力を有し、振動子2の駆動力を大きくすることができるNd-Fe-B系の希土類磁石を用いることが好ましい。
[0063]
 また、リニア振動モータ100Aでは、図5に示されているように、基板2aは第1の方向Dに平行な溝部を有する直方体形状を有している。
[0064]
 第1の磁石M1は、溝部の一方端部にコイル3の巻線部および第3の磁石M3と互いに対向した状態で固定されている。第2の磁石M2は、溝部の他方端部にコイル3の巻線部および第4の磁石M4と互いに対向した状態で固定されている。第5の磁石M5は、図4(A)および(B)に示されているように、磁極の配列方向が第1の方向Dと平行となり、第1の磁石M1と第2の磁石M2との間に挟まれるようにして、基板2aの中央部に固定されている。
[0065]
 第1の磁石ユニットは、上記のようにリニア振動モータ100Aにおける駆動磁石である。第1の磁石M1および第2の磁石M2は、前述したように、磁極の配列方向がコイル3の第1の巻回軸線とそれぞれ平行となる、すなわち第1の方向Dと直交し、かつ互いに逆向きとなるように配置されている。また、第5の磁石M5は、第1の磁石M1と第2の磁石M2と第5の磁石M5とで構成される第1の磁石ユニットによる磁界が、第1の磁石ユニットとコイル3との間に集中するように配置されている。
[0066]
 具体的には、第1の磁石M1の磁極は、コイル3に対向する側がN極であり、基板2aに対向する側がS極である。第2の磁石M2の磁極は、コイル3に対向する側がS極であり、基板2aに対向する側がN極である。そして、第5の磁石M5の磁極は、第1の磁石M1に対向する側がN極であり、第2の磁石M2に対向する側がS極である。
[0067]
 この開示では、駆動磁石による磁界を、駆動磁石と振動子を駆動させるコイルとの間に集中させることができる、駆動磁石の各磁石の配列を、広義にハルバッハ配列と呼称する。ハルバッハ配列を構成する磁石の数は3個以上の奇数であればよい。
[0068]
 リニア振動モータ100Aでも、駆動磁石と磁気ばね機構を構成する磁石の一部とが兼用されており、各磁石の面積を小さくすることなく、リニア振動モータを上面視したときの面積を小さくすることができる。また、駆動磁石が配置される軸線と磁気ばね機構を構成する磁石が配置される軸線とを別にすることなく、駆動磁石と磁気ばね機構を構成する磁石とが、振動方向から見て少なくとも一部が重なるように配置されている。その結果、振動子に与えられる駆動力の減少を抑制しながら、リニア振動モータを小型化することができる。
[0069]
 また、リニア振動モータ100Aでは、第1の磁石ユニットによる磁界が第1の磁石ユニットとコイル3との間に集中し、コイル3に作用する磁界を強めることができる。したがって、コイル3に加わるローレンツ力を大きくすることができる。その結果、ローレンツ力の反力として振動子2に加わる力を大きくすることができ、延いては振動子2によるリニア振動モータ100Aの振動を大きくすることができる。
[0070]
 なお、リニア振動モータ100Aでも、第1の磁石M1および第2の磁石は、それぞれ第1の方向Dに直交する方向に配列された、同じ形状を有する複数の磁石を含んでいてもよい。また、第3の磁石M3は、第1の方向Dに直交する方向に配列され、第1の磁石M1の形状および個数に応じた複数の磁石を含んでいてもよい。第4の磁石M4は、第1の方向Dに直交する方向に配列され、第2の磁石M2の形状および個数に応じた複数の磁石を含んでいてもよい。
[0071]
 -リニア振動モータの模式的な形態の第2の変形例-
 この開示に従うリニア振動モータの模式的な形態であるリニア振動モータ100の第2の変形例であるリニア振動モータ100Bについて、図6および図7を用いて説明する。
[0072]
 図6(A)ないし(C)は、リニア振動モータ100Bの、図1(A)ないし(C)に相当する平面図および矢視断面図である。また、図7は、リニア振動モータ100Bの分解斜視図である。リニア振動モータ100Bは、第2の磁石ユニットおよびコイル5(第2のコイル)をさらに備えることがリニア振動モータ100と異なっている。それ以外の構成は、リニア振動モータ100と基本的には同様であるため、重複する説明は省略される。
[0073]
 リニア振動モータ100Bは、駆動磁石として、第1の磁石M1および第2の磁石M2に加えて、第6の磁石M6、第7の磁石M7および第8の磁石M8を含む第2の磁石ユニットをさらに備えている。また、リニア振動モータ100Bでも、図7に示されているように、基板2aは第1の方向Dに平行な溝部を有する直方体形状を有している。
[0074]
 コイル5は、仮想的な軸線である第2の巻回軸線の周りに導体線が巻回されることにより形成されている。コイル5は、上記の第2の巻回軸線が筺体1の第1の部分1aの法線方向(内壁W1の法線方向)と平行となる、すなわち第2の巻回軸線が第1の方向Dと直交するように、筺体1の内壁W2に固定されている。すなわち、第2の巻回軸線は、コイル3の第1の巻回軸線と平行である。リニア振動モータ100Bにおいて、第2の巻回軸線方向からコイル5を見たときの形状は、角部が丸められた矩形状である。
[0075]
 コイル3およびコイル5には、例えば直径0.06mmの被覆Cu線を、約50ターン巻回したものが用いられる。コイル3およびコイル5は、フレキシブル基板などの引き出し配線部材により、パワーアンプを介して安定化電源に接続される。図6および図7において、コイル3およびコイル5の巻線、コイル3およびコイル5への通電経路(配線経路)および各装置などの図示は省略されている。
[0076]
 第1の磁石M1は、溝部の一方端部にコイル3の巻線部および第3の磁石M3と互いに対向した状態で固定されている。第2の磁石M2は、溝部の他方端部にコイル5の巻線部および第4の磁石M4と互いに対向した状態で固定されている。第1の磁石M1および第2の磁石M2は、磁極の配列方向がコイル3の第1の巻回軸線およびコイル5の第2の巻回軸線とそれぞれ平行となる、すなわち第1の方向Dと直交し、かつ互いに同じ向きとなるように配置されている。
[0077]
 第3の磁石M3は、第1の方向Dから見たとき、第1の磁石M1と互いに対向し、磁極の配列方向が第1の磁石M1の磁極の配列方向と平行、かつ互いに同じ向きとなるように、筺体1の内壁W5に固定されている。具体的には、図6(B)に示されているように、第1の磁石M1のN極がコイル3を介して筺体1の内壁W2と対向しており、第3の磁石M3のN極も筺体1の内壁W2と対向している。このような磁極の配列の場合、第1の磁石M1の側面付近の磁界と第3の磁石M3の側面付近の磁界とが互いに反発する。
[0078]
 第4の磁石M4は、同様に第2の磁石M2と互いに対向し、磁極の配列方向が第2の磁石M2の磁極の配列方向と平行、かつ互いに同じ向きとなるように、筺体1の内壁W6に固定されている。具体的には、図6(B)に示されているように、第2の磁石M2のN極がコイル5を介して筺体1の内壁W2と対向しており、第4の磁石M4のN極も筺体1の内壁W2と対向している。このような磁極の配列の場合、第2の磁石M2の側面付近の磁界と第4の磁石M4の側面付近の磁界とが互いに反発する。
[0079]
 すなわち、第1の磁石M1、第2の磁石M2、第3の磁石M3および第4の磁石M4は、それぞれの磁極の配列方向がコイル3の第1の巻回軸線およびコイル5の第2の巻回軸線と平行である。
[0080]
 これにより、第1の磁石M1、第2の磁石M2、第3の磁石M3および第4の磁石M4は、振動子2の第1の方向Dに沿った振動に対する磁気ばね機構を構成している。すなわち、第1の磁石M1および第2の磁石M2は、リニア振動モータ100Bにおいて、前述したように駆動磁石として機能しているが、さらに磁気ばね機構としても機能している。
[0081]
 第2の磁石ユニットは、第7の磁石M7と第8の磁石M8との間に第6の磁石M6が挟まれるようにして構成されている。第2の磁石ユニットは、図6(A)および(B)に示されているように、第1の磁石M1と第2の磁石M2との間に挟まれるようにして、基板2aの中央部に固定されている。第6の磁石M6は、振動子2が振動していない状態で、コイル3の巻線部およびコイル5の巻線部と互いに対向するように配置されている。第7の磁石M7は、第1の磁石M1と第6の磁石M6の間に挟まれるように配置され、第8の磁石M8は、第2の磁石M2と第6の磁石M6の間に挟まれるように配置されている。
[0082]
 第6の磁石M6、第7の磁石M7および第8の磁石M8には、例えばNd-Fe-B系またはSm-Co系などの希土類磁石が用いられるが、強力な磁力を有し、振動子2の駆動力を大きくすることができるNd-Fe-B系の希土類磁石を用いることが好ましい。
[0083]
 第3の磁石ユニットは、上記のようにリニア振動モータ100Bにおける駆動磁石である。第2の磁石ユニットの各磁石の磁極は、第1の磁石M1と第2の磁石M2と第2の磁石ユニットとで構成される第3の磁石ユニットによる磁界が、第3の磁石ユニットとコイル3およびコイル5との間に集中するように配置されている。第2の磁石ユニットは、3個以上の奇数個の磁石を含み、第3の磁石ユニットを構成する際に、第3の磁石ユニットによる磁界が、第3の磁石ユニットと振動子を駆動させるコイルとの間に集中するように構成されていればよい。
[0084]
 具体的には、第1の磁石M1の磁極は、コイル3に対向する側がN極であり、基板2aに対向する側がS極である。第2の磁石M2の磁極も、コイル5に対向する側がN極であり、基板2aに対向する側がS極である。第6の磁石M6の磁極は、コイル3の巻線部およびコイル5の巻線部に対向する側がS極であり、基板2aに対向する側がN極である。第7の磁石M7は、第1の磁石M1に対向する側がN極であり、第6の磁石M6に対向する側がS極である。そして、第8の磁石M8は、第2の磁石M2に対向する側がN極であり、第6の磁石M6に対向する側がS極である。
[0085]
 第3の磁石ユニットの各磁石の配列は、駆動磁石と振動子を駆動させるコイルとの間に集中させており、前述の定義によるハルバッハ配列となっている。
[0086]
 コイル3は、通電されることにより、振動子2が第1の方向Dに沿って振動可能となるように第1の磁石M1および第2の磁石ユニット(特に、第6の磁石M6)に駆動力を与える。また、コイル5は、同様に第2の磁石M2および第2の磁石ユニット(特に、第6の磁石M6)に駆動力を与える。図6および図7において、コイル3およびコイル5の巻線、ならびにコイル3およびコイル5への通電経路(配線経路)などの図示は省略されている。
[0087]
 コイル3に電流が流れると、コイル3には、第1の磁石M1および第2の磁石ユニットの磁界により、磁界の向きおよび電流の流れる向きのそれぞれと直交する向きのローレンツ力が加わる。図6(B)では、第1の磁石M1のN極がコイル3の巻線部と対向し、第2の磁石ユニットの第6の磁石M6のS極がコイル3の巻線部と対向している。
[0088]
 一方、コイル3は、筺体1に固定されているので、第1の磁石M1および第6の磁石M6にローレンツ力の反力が加わる。したがって、コイル3は、通電により第1の磁石M1および第6の磁石M6に、延いては振動子2に第1の方向Dに沿った駆動力を与えることになる。
[0089]
 また、コイル5に電流が流れると、コイル5にも、第2の磁石M2および第2の磁石ユニットの磁界により、磁界の向きおよび電流の流れる向きのそれぞれと直交する向きのローレンツ力が加わる。この場合、コイル5に加わるローレンツ力が、上記のコイル3に加わるローレンツ力と同じ向きとなるように、コイル5に電流が流れるようにすることは言うまでもない。図6(B)では、第2の磁石M2のN極がコイル3の巻線部と対向し、第2の磁石ユニットの第6の磁石M6のS極がコイル5の巻線部と対向している。
[0090]
 一方、コイル5は、筺体1に固定されているので、第2の磁石M2および第6の磁石M6にローレンツ力の反力が加わる。したがって、コイル5は、通電により第2の磁石M2および第6の磁石M6に、延いては振動子2に第1の方向Dに沿った駆動力を与えることになる。
[0091]
 前述したように、コイル3を第1の巻回軸線方向から見たとき、およびコイル5を第2の巻回軸線方向から見たときの形状が矩形状である場合、円環状である場合よりも、前述のローレンツ力の方向が第1の方向Dに揃いやすい。そのため、振動子2に与えられる第1の方向Dに沿った駆動力が大きくなり好ましい。
[0092]
 リニア振動モータ100Bでも、駆動磁石と磁気ばね機構を構成する磁石の一部とが兼用されており、各磁石の面積を小さくすることなく、リニア振動モータを上面視したときの面積を小さくすることができる。また、駆動磁石が配置される軸線と磁気ばね機構を構成する磁石が配置される軸線とを別にすることなく、駆動磁石と磁気ばね機構を構成する磁石とが、振動方向から見て少なくとも一部が重なるように配置されている。その結果、振動子に与えられる駆動力の減少を抑制しながら、リニア振動モータを小型化することができる。
[0093]
 また、リニア振動モータ100Bでは、第3の磁石ユニットによる磁界が第3の磁石ユニットとコイル3およびコイル5との間に集中し、コイル3およびコイル5に作用する磁界を強めることができる。したがって、コイル3およびコイル5に加わるローレンツ力をそれぞれ大きくすることができる。その結果、ローレンツ力の反力として振動子2に加わる力をより大きくすることができ、延いては振動子2によるリニア振動モータ100Bの振動をより大きくすることができる。
[0094]
 なお、リニア振動モータ100Bでも、第1の磁石M1および第2の磁石は、それぞれ第1の方向Dに直交する方向に配列された、同じ形状を有する複数の磁石を含んでいてもよい。また、第3の磁石M3は、第1の方向Dに直交する方向に配列され、第1の磁石M1の形状および個数に応じた複数の磁石を含んでいてもよい。第4の磁石M4は、第1の方向Dに直交する方向に配列され、第2の磁石M2の形状および個数に応じた複数の磁石を含んでいてもよい。
[0095]
 -電子機器の模式的な形態-
 この開示に従うリニア振動モータが用いられた電子機器の模式的な形態を示す携帯型情報端末1000について、図8および図9を用いて説明する。
[0096]
 図8は、携帯型情報端末1000の透過斜視図である。また、図9は、携帯型情報端末1000の要部の断面図である。
[0097]
 携帯型情報端末1000は、筺体1001(第2の筺体)と、この開示に係るリニア振動モータ100と、送受信および情報処理に関する電子回路(不図示)とを備えている。筺体1001は、第1の部分1001aと第2の部分1001bとを含んでいる。第1の部分1001aは、ディスプレイであり、第2の部分1001bは、フレームである。リニア振動モータ100は、筺体1001内に収容されている。
[0098]
 携帯型情報端末1000には、皮膚感覚フィードバックのため、またはキー操作や着信などを振動で確認するための振動発生装置として、この開示に従うリニア振動モータ100が用いられている。なお、携帯型情報端末1000に用いられるリニア振動モータは、リニア振動モータ100に限られず、この開示に係るリニア振動モータであればよい。
[0099]
 この開示に従うリニア振動モータは、前述したように、振動子に与えられる駆動力の減少を抑制しながら、小型化することができる。したがって、携帯型情報端末1000は、皮膚感覚フィードバックのため、またはキー操作や着信などを確認するための振動の減少を抑制しながら、小型化することができる。
[0100]
 なお、図9に示されているように、リニア振動モータ100の筺体1の第2の部分1bは、容器部本体1b 1と固定部1b 2とを含んでいる。固定部1b 2は、容器部本体1b 1の底部より張り出した部位である。携帯型情報端末1000では、固定部1b 2が筺体1001の第2の部分1001bにねじBにより固定されている。
[0101]
 リニア振動モータ100において、第3の磁石M3は、筺体1の内壁W5(容器部本体1b 1の側壁の内側)に固定されており、第4の磁石M4は、筺体1の内壁W6(同様に容器部本体1b 1の側壁の内側)に固定されている(図1参照)。リニア振動モータ100の振動子2の振動は、前述のように磁気ばね機構を構成する第3の磁石M3および第4の磁石M4を介して筺体1を振動させ、筺体1の振動が筺体1001を振動させる。その結果、携帯型情報端末1000の操作者が、皮膚感覚フィードバックおよびキー操作や着信などを感知することができる。
[0102]
 なお、リニア振動モータ100は、固定部1b 2が筺体1001の第1の部分1001a、すなわちディスプレイに固定されるようにしてもよい。
[0103]
 なお、この開示に従うリニア振動モータが用いられた電子機器の模式的な形態の一例として、ディスプレイを備えた携帯型情報端末を示したが、これに限定されるものではない。この開示に従う電子機器は、ディスプレイを備えていなくてもよい。
[0104]
 例えばこの開示に従う電子機器として、携帯電話(いわゆるフィーチャーフォン)、スマートフォン、ポータブルビデオゲーム機、ビデオゲーム機用コントローラ、VR(Virtual Reality)装置用コントローラ、スマートウォッチ、タブレット型パソコン、ノート型パソコン、テレビ等の操作に使用するリモートコントローラ、現金自動預け払い機などのタッチパネル型ディスプレイ、各種玩具などの電子機器を挙げることができる。
[0105]
 この明細書に開示された実施形態は、例示的なものであって、この開示に係る発明は、上記の実施形態および変形例に限定されるものではない。すなわち、この開示に係る発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、上記の範囲内において、種々の応用、変形を加えることができる。
[0106]
 この開示に係る発明は、例えば電子機器における皮膚感覚フィードバックのため、またはキー操作や着信などを振動で確認するための振動発生装置として用いられるリニア振動モータに適用される。皮膚感覚フィードバックとしては、例えばビデオゲーム内での動作(例えばドアの開閉や自動車のハンドル操作など)に対応する触感イメージをコントローラの振動で表現することが挙げられる。ただし、これ以外の皮膚感覚フィードバックであってもよい。
[0107]
 また、これに限られず、ロボットのアクチュエータとして用いられるリニア振動モータなどにも適用が可能である。

符号の説明

[0108]
100  リニア振動モータ
1  筺体(第1の筺体)
2  振動子
3  コイル
M1  第1の磁石
M2  第2の磁石
M3  第3の磁石
M4  第4の磁石
D  第1の方向

請求の範囲

[請求項1]
 第1の筺体と、
 前記第1の筺体内に収容され、第1の磁石および第2の磁石を含み、第1の方向に沿って振動可能な振動子と、
 前記第1の筺体に固定された、第3の磁石および第4の磁石とを含み、
 前記第1ないし第4の磁石は、前記第1の方向から見たとき、少なくともそれぞれの一部が重なり、かつ前記第1の磁石と前記第3の磁石、および前記第2の磁石と前記第4の磁石とが互いに対向するように配列されており、
 前記第1の磁石と前記第3の磁石、および前記第2の磁石と前記第4の磁石とは、それぞれの磁極の配列方向が平行、かつ互いに同じ向きである、リニア振動モータ。
[請求項2]
 前記第1の方向から見たとき、前記第1ないし第4の磁石の面の重心がそれぞれ前記第1の方向に平行な軸線上にある、請求項1に記載のリニア振動モータ。
[請求項3]
 前記第1の方向から見たとき、前記第1の磁石の面全体は、前記第3の磁石の面の外周の内側にあり、前記第2の磁石の面全体は、前記第4の磁石の面の外周の内側にある、請求項1または2に記載のリニア振動モータ。
[請求項4]
 前記第1の筺体に固定された、第1の巻回軸線を有する第1のコイルを備え、
 前記第1のコイルは、前記振動子が前記第1の方向に沿って振動可能となるように、前記第1の磁石および前記第2の磁石に駆動力を与え、
 前記第1ないし前記第4の磁石は、それぞれの磁極の配列方向が前記第1の巻回軸線と平行である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリニア振動モータ。
[請求項5]
 第5の磁石をさらに備え、
 前記第5の磁石は、前記第1の磁石と前記第2の磁石と前記第5の磁石とで構成される第1の磁石ユニットによる磁界が、前記第1の磁石ユニットと前記第1のコイルとの間に集中するように、前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に配置されている、請求項4に記載のリニア振動モータ。
[請求項6]
 前記第1の磁石と前記第2の磁石と前記第5の磁石とが、ハルバッハ配列となるように配置されている、請求項5に記載のリニア振動モータ。
[請求項7]
 前記第1の筺体に固定された、第1の巻回軸線を有する第1のコイルおよび前記第1の巻回軸線と平行な第2の巻回軸線を有する第2のコイルと、
 3個以上の奇数個の磁石を含む第2の磁石ユニットとを備え、
 前記第1のコイルは、前記振動子が前記第1の方向に沿って振動可能となるように、前記第1の磁石および前記第2の磁石ユニットに駆動力を与え、
 前記第2のコイルは、前記振動子が前記第1の方向に沿って振動可能となるように、前記第2の磁石および前記第2の磁石ユニットに駆動力を与え、
 前記第1ないし前記第4の磁石は、それぞれの磁極の配列方向が前記第1の巻回軸線および前記第2の巻回軸線と平行であり、
 前記第2の磁石ユニットは、前記第1の磁石と前記第2の磁石と前記第2の磁石ユニットとで構成される第3の磁石ユニットによる磁界が、前記第3の磁石ユニットと前記第1のコイルおよび前記第2のコイルとの間に集中するように、前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に配置されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリニア振動モータ。
[請求項8]
 前記第1の磁石と前記第2の磁石と前記第2の磁石ユニットとが、ハルバッハ配列となるように配置されている、請求項7に記載のリニア振動モータ。
[請求項9]
 前記振動子は、錘部をさらに含む、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のリニア振動モータ。
[請求項10]
 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のリニア振動モータと、第2の筺体とを備え、
 前記リニア振動モータは、前記第2の筺体内に収容される、電子機器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]