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1. WO2020116003 - PROCÉDÉ ET SYSTÈME DE TRAITEMENT DE COMPOSÉ ORGANIQUE VOLATILE

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明 細 書

発明の名称 揮発性有機化合物の処理方法および処理システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009  

課題を解決するための手段

0010   0011  

発明の効果

0012   0013   0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050  

実施例

0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060  

産業上の利用可能性

0061  

符号の説明

0062  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 揮発性有機化合物の処理方法および処理システム

技術分野

[0001]
 本発明は積層セラミックコンデンサの製造工程において、粉体と有機溶剤をスラリー状態にし、バインダーとして用いる有機溶剤が引火性の揮発性有機化合物であり、その処理方法およびその方法を実施するシステムに係るものである。特にミネラルスピリットとテルピネオールとの混合溶媒が製造工程で気化し、刺激臭を有する。その排ガスの脱臭を含めて処理する場合に好適に利用できる。

背景技術

[0002]
 有機化合物のうち、揮発性有機化合物(以下「有機溶剤」と呼ぶ。)はさまざまな分野で利用され(例えば特許文献1)、有用な効果を奏している。しかし、有機溶剤は最終的には揮発させる。そして、排出される有機溶剤は自然環境に対して大きな環境負荷となる。
[0003]
 一方、人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として、「環境基準」が環境基本法において設定されており、この環境基準を達成することを目標に、大気汚染防止法に基づいて規制を実施している。大気汚染防止法では、揮発性有機化合物についての排出基準等が定められている。
[0004]
 ミネラルスピリットは有機溶剤であり、刺激臭を有するものの、さまざまな溶質を溶解する際に用いられる。例えば、本発明で説明する場合のように、積層セラミックコンデンサの製造工程のスクリーン印刷に用いることができる。また、オフセット印刷の工程を有する場合は、高沸点溶剤と併用することで利用される。
[0005]
 このミネラルスピリットは、ベンゼンなど一部の組成を除いて、細かな成分内容は明確ではない。しかし、有機溶剤(VOC)として燃焼等によって最終処理を行い、自然界に排出基準値以下で放出する必要がある。
[0006]
 このような刺激臭を有する有機溶剤を処理するには、吸着させて濃縮し、燃焼させる方法がとられている。吸着には、活性炭等の多孔質体、キレート材、湿式スクラバー、又はハニカムローター式濃縮装置(特許文献2)といった濃縮装置が用いられる。これは吸着剤(例えば、ゼオライト)を入れたローターに有機溶剤を含む原ガスを通過させ、吸着剤に有機溶剤を吸着させ、乾燥熱風を用いてそれを脱離させ回収するというものである。
[0007]
 このような濃縮装置を用いると、有機溶剤の含有量の少ない原ガスであっても、濃縮器で濃縮してから脱離させるので、含有濃度の高い被処理ガスを得ることができ、効率的な燃焼処分を行うことができる。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2015-160952号公報
特許文献2 : 特開2016-159233号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 しかし、引火性の高い物質(以下「引火性溶剤」と呼ぶ。)を含む有機溶剤を処理する場合、濃縮装置で濃縮を行うと、何等かのきっかけで発火するという問題があった。例えば、ミネラルスピリットは、JIS工業ガソリン4号に相当する石油系炭化水素の混合溶剤(ターペン・ミネラルスピリット)であり、有機溶剤中毒予防規則(労働安全衛生法)の第3種有機溶剤に該当し、特徴として刺激臭があり、引火点も低く(43℃)、爆発限界下限値は0.6Vol%、爆発限界上限値は8.0Vol%である引火性溶剤である。ミネラルスピリットは、複数の成分の混合物であり、全成分は明らかにされていない。しかし、トリメチルベンゼンと、ノナンが主原料となっている。したがって、臭気が強いという問題もあった。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、引火性溶剤を含む原ガスでも、発火の心配がなく濃縮し処理することができる揮発性有機化合物の処理方法である。
[0011]
 具体的に本発明に係る揮発性有機化合物の処理方法は、
 揮発性有機化合物を含む原ガスを触媒に吸着させると共に、前記原ガスの一部を前記触媒で改質し放出する工程と、
 前記触媒に蒸気を通過させ、前記触媒の吸着成分を前記触媒から脱離させる工程と、
 前記吸着成分と前記蒸気の混合ガスを燃焼させる工程を有することを特徴とする。

発明の効果

[0012]
 本発明に係る揮発性有機化合物の処理方法では、原ガス中の揮発性有機化合物を触媒に吸着させることで前記揮発性有機化合物を濃縮する。そして、触媒に吸着した吸着成分を脱離させる際には、高温蒸気を用いて脱離させる。したがって、触媒から脱離した吸着成分は蒸気との混合ガスとなっている。この混合ガスは、熱量を周囲の蒸気中の水分が気化熱として吸収するため、引火しにくいガスとなる。この混合ガスはそのまま燃焼装置に送り燃焼させるので、発火の心配なく原ガス中の揮発性有機化合物を濃縮することができ、揮発性有機化合物を燃焼処理することができる。
[0013]
 また、触媒で吸着しきれなかった原ガスは、その一部若しくは全部が触媒で無害な有機物に改質され放出される。したがって、放出ガス中の原ガスの揮発性有機化合物の残量は、改質された分だけ少なくなり、大気放出中の原ガス中の揮発性有機化合物の残量を十分に少なくすることができる。
[0014]
 特に原ガス中で刺激臭の原因であるトリメチルベンゼンおよびノナンが改質によって他の物質になり、放出ガスの刺激臭は、知覚できない程度に低減される。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 本発明に係る揮発性有機化合物の処理方法を実現する揮発性有機化合物処理システムの構成を示す図である。
[図2] 改質装置の内部構成を示す図である。
[図3] 改質装置を出た放出ガスBの臭気センサの測定結果を示すグラフである。
[図4] 改質装置を出た放出ガスBのガスクロマトグラフ質量分析法(TD-GC/MS法)で調べた結果を示す図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下に本発明に係る揮発性有機化合物の処理方法について説明する。以下の説明は本発明の一実施形態を説明するものであり、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下の実施形態は改変することができる。
[0017]
 本発明で処理対象とする引火性溶剤(揮発性有機化合物)は、引火点が40℃乃至50℃のものである。そして引火性溶剤を、10質量%乃至40質量%含む原ガスが好適な処理対象となる。引火性溶剤の濃度が高い場合は、原ガスを濃縮する必要はなく、そのまま燃焼すればよい。また、引火性溶剤の含有比率が少なければ、そもそも発火の恐れがなく、従来技術のように、濃縮ガスを得ればよい。
[0018]
 次に、本発明に起因する積層セラミックコンデンサの製造工程を簡単に説明する。Ba及びTiを主成分とするセラミック材料粉末を含む複数のセラミックグリーンシートを用意し、このセラミックグリーンシート上に、Niを導電成分の主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷により塗布する。
[0019]
 このスクリーン印刷工程で有機溶剤であるミネラルスピリットを用い、内部電極となる導電性ペースト膜を形成する。このときに引火性溶剤であるミネラルスピリットは導電性ペーストとしての役割を有するが、揮発して工場内(以後「現場」とも呼ぶ。)の排気ダクトで集められる。
[0020]
 また、積層セラミックコンデンサの製造工程では、導電性ペースト膜が形成されていないセラミックグリーンシートを、所定の外層厚みになるように積層する。次いで、導電性ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを所定枚数積層する。さらに、導電性ペーストが形成されていないセラミックグリーンシートを所定の外層厚みになるように積層することによって、複数の部品本体を取り出すことが可能な生の状態のマザーブロックを得る。
[0021]
 このマザーブロックを切断し、複数のチップ状部品を取出し、この部品をバッチ炉において還元性雰囲気下で焼成し、焼結したチップ状部品を得る。この焼成の際にも導電性ペースト中の溶剤であるミネラルスピリットは蒸発し、排気ダクトで集められる。
[0022]
 他方では、平均粒径約1.0μmの銅粉末と、ガラスフリットに対して、テルピネオールを主成分とする有機溶剤と、この有機溶剤に、アクリル系バインダーを溶解させたワニスを含む混合物を混ぜ、これを分散・混合処理することによって、外部電極用導電性ペーストを作製しておく。
[0023]
 この外部電極用導電性ペーストは所定の厚みで膜状に形成しておく。この導電性ペースト膜中に、ホルダによって保持された上述のチップ状部品の端部を浸漬後、導電性ペースト膜から取り出すことによって、部品本体の両端面に外部電極となる導電性ペーストを塗布する。この工程でテルピネオールは揮発する成分が発生し、排気ダクトで集められる。
[0024]
 次に外部電極となる導電性ペーストを焼付けるため、部品本体を炉で熱処理、約900℃の温度を10分間保持する。その後、降温して積層セラミックコンデンサを得るものである。この熱処理時に外部電極用導電性ペースト中のテルピネオールは蒸発し、排気ダクトで集められる。
[0025]
 このように、ミネラルスピリット(引火点:43℃)、テルピネオール(引火点:82℃)含有の排ガスは排気ダクト内で混合する。これを「原ガスA」と呼ぶ。この混合した状態であってもミネラルスピリットの気化ガスは引火性を有している。そこで、本発明に係る揮発性有機化合物の処理方法により、引火性の高い原ガスAを安全に処理していく。このように、原ガスA中の揮発性有機化合物は、ミネラルスピリットおよびテルピネオールを含む。
[0026]
 本発明の揮発性有機化合物の処理方法では、原ガスA中の揮発性有機化合物を触媒に吸着させ引火性溶剤を触媒に吸着させ除去する。この際に、揮発性有機化合物は触媒上に濃縮される。そして、一部の揮発性有機化合物は改質される。
[0027]
 触媒上に吸着された吸着成分Cは蒸気で触媒から脱離させる。この蒸気は触媒を再生させるという意味で再生用蒸気Rと呼ぶ。吸着成分Cは揮発性有機化合物と、後述するように触媒で改質された無害物質を含む。なお、ここで無害物質とは、引火性が低く、臭気も強くないもので、引火性および臭気を確認できなくても、発火などの問題なく燃焼できれば足りる。
[0028]
 吸着成分Cは再生用蒸気Rによって触媒から脱離させられるので、脱離した際には周囲にミスト状の水分が多量に存在する。したがって、急激な熱量の増加があれば、容易に蒸発し熱量を奪う。つまり、吸着成分Cと再生用蒸気Rの廃棄混合ガスDは、引火しにくいガスである。このように、一度触媒に吸着させ、蒸気で脱離させることで、引火性溶剤であっても、安全に処理することができる。廃棄混合ガスDはそのまま燃焼装置で燃焼させる。
[0029]
 一方、原ガスAの揮発性有機化合物は触媒で吸着しきれないものもある。吸着しきれなかった揮発性有機化合物があったとしても、規定された濃度以下の場合は、安全なガスとして大気中に放出することができる。そこで本発明の揮発性有機化合物の処理方法では、吸着に触媒を使用し、吸着できなかった揮発性有機化合物を改質し無臭で無害な物質に変えて放出する。
[0030]
 より具体的な例で説明すると、触媒で吸収しきれなかった揮発性有機化合物の量(これを「未吸収量」と呼ぶ。)がMあったとする。もちろんこのMは原ガスA中の揮発性有機化合物の総量からみれば、わずかな量であり、ほとんどの揮発性有機化合物は触媒に吸着される。したがって、未吸収量の全てが揮発性有機化合物であっても、規定の量を下回る。
[0031]
 具体的に説明すると、未吸収量の50%が触媒で改質された無害ガスになったとすると、原ガスA中の揮発性有機化合物の総量に対して未吸収量の揮発性有機化合物は、M/2にすることができる。このようにして、原ガスA中の揮発性有機化合物の吸着体として触媒を用いることで、触媒を通過したガス中の揮発性有機化合物の残量を低減させることができる。なお、触媒を通過したガスを「放出ガスB」と呼ぶ。放出ガスBはこのまま大気中に放出するこができる。
[0032]
 吸着および改質用の触媒は、特に限定されるものではない。白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、アルミナ、マンガンといった代表的な触媒となる物質の単独、混合若しくは合金を利用することができる。触媒は、引火性溶剤の少なくとも一部を改質し、引火点をより高い物質にできればよい。濃縮の工程での発火を抑制できればよいからである。
[0033]
 特に、ミネラルスピリットとテルピネオールを揮発性有機化合物として含む原ガスAでは、アルミナのハニカム形状を触媒として好適に用いることができる。
[0034]
 その理由は、触媒表面の温度を高温にすることなく触媒機能を有する金属として、アルミナのハニカム形状やマンガンのハニカム形状が有効だからである。白金、パラジウムは触媒表面温度を高くしないと触媒機能が活性しない。一方、アルミナ、マンガンは、排気ガス中の空気との化学反応(酸化作用)も利用して、触媒表面の温度を180℃以上、300℃以下で改質できる。
[0035]
 また、アルミナ(γ-Al )はアルコールの脱水反応に対して高い活性を持つことは古くから知られている。アルミナは、アルコール類の脱水反応の他にも極性分子の脱離反応、炭化水素の異性化、水素交換反応に使われている。そして、アルミナは、今回の混合溶剤の炭化水素の異性化(低分子化)にも好適に利用できる。
[0036]
 図1に、本発明に係る揮発性有機化合物の処理方法を実施する揮発性有機化合物の処理システム1の構成を示す。現場10において、媒質を溶解している混合溶剤は、蒸発させられ原ガスAとなる。原ガスAは、具体的にはミネラルスピリットとテルピネオールを含む混合ガスである。現場10からはダクト等を経由して改質装置20および改質装置22に連通している。途中に風圧を供給するためのブロア31が設けられていてもよい。
[0037]
 また、原ガスAには外気Wcを混ぜる冷気混合器34が設けられていてもよい。原ガスAが改質装置20及び改質装置22に流入する際に温度が上昇するのを抑制することと、原ガスAの容積当たりの濃度を低くするためである。原ガスAが送風されるダクトに冷却器を設けてもよい。また冷却器は、改質装置20及び改質装置22に個々に設けてもよい。これらは、原ガスAを冷却する冷却手段と呼ぶ。原ガスAを冷却しておくことで、触媒に原ガスAが吸収され濃縮された際に、引火しにくくすることができる。
[0038]
 改質装置20及び改質装置22の現場10側には、切換装置41が配置されている。なお切換装置41はモーターダンパーや、バルブでよい。改質装置20および改質装置22の出口側には、切換装置42が設けられている。切換装置42はモーターダンパーや、バルブでよい。切換装置41と切換装置42の動きは連動している。つまり、原ガスAを改質装置20若しくは改質装置22の何れかに通過させ、放出ガスBとして放出するように動作する。なお、改質装置は3台以上備わっていてもよい。その場合は、切換装置41および切換装置42の部分がさらに分岐し、いずれかの改質装置に原ガスAを送り、放出ガスBとして放出させる。
[0039]
 改質装置20および改質装置22は、触媒が充填された容器であり、触媒の再生用蒸気Rを供給する蒸気供給源18が連結されている。また、蒸気供給源18と改質装置20および改質装置22の間にはバルブ43が配置されており、再生用蒸気Rを改質装置20若しくは改質装置22の何れかに供給できる。
[0040]
 図2には、改質装置20(改質装置22も全く同じ構造でよい)の内部構造を示す。図2(a)は、原ガスAを改質している状態を表し、図2(b)は、触媒26を再生している状態を示す。改質装置20内には、触媒26が充填されている。改質装置20の下方には、原ガスAの取り入れ口23iが形成され、改質装置20の上方には、放出ガスBの放出口23oが設けられている。
[0041]
 また、改質装置20の内面上部には、再生用蒸気Rの噴出口24iが形成されている。また、改質装置20の下部には、排出口24oが設けられている。
[0042]
 再び図1を参照して、改質装置20および改質装置22の放出口23oからは放出ガスBが、大気に放出される。また、改質装置20および改質装置22の排出口24oは燃焼装置16に連通する。燃焼装置16の排気はそのまま大気に排出される。
[0043]
 以上の構成を有する揮発性有機化合物の処理システム1の動作について図1および図2を参照しながら説明する。現場10で発生した原ガスAは、ブロア31で後段の改質装置20(若しくは改質装置22)に送られる。この際に原ガスAに冷気Wcを加える、若しくはダクトを冷やす等して、原ガスAを冷却してもよい。
[0044]
 改質装置20の取り入れ口23iから内部に導入された原ガスA中の揮発性有機化合物は、触媒26の間を通過することで、触媒26に吸着される。また、一部は改質され物質構造が変化し、引火点が高くなり無臭で無害なガスとなる。触媒26を通過した原ガスAは、放出ガスBとなる。放出ガスBは、空気と揮発性有機化合物および改質された揮発性有機化合物で構成される。揮発性有機化合物および改質された揮発性有機化合物は放出ガスBに対して十分微量(排出基準値以下の量)となる。放出ガスBは、そのまま放出される。
[0045]
 触媒26を通過した原ガスA中の揮発性有機化合物は全て吸着されることはなく、触媒26の状態により一部は触媒26を通過する。しかし、その一部が改質されることで、実質的な揮発性有機化合物の排出量を低減させることができる。
[0046]
 次に改質装置22について説明する。改質装置20および改質装置22中の触媒26は、多孔質体であるため、触媒作用とともに、吸着作用も行う。従って、原ガスA中の揮発性有機化合物は、この吸着作用によって、触媒26に吸着される。結果、触媒26の表面を覆い、触媒作用を阻害するようになる。
[0047]
 そこで、一定時間毎に、改質装置20と改質装置22を入れ替え、触媒26の表面が覆われてしまった方の改質装置は再生用蒸気Rで触媒26の表面から吸着成分Cを脱離させる。この改質装置20と改質装置22との切り替えは、連動して動作する切換装置41および切換装置42で行う。また、切換装置の切り換えは一定時間毎に切り換えてもよいし、放出口23oに有機物センサを設けて放出ガスB中の引火性溶剤の濃度によって切り換えてもよい。
[0048]
 図2(b)を参照して、蒸気供給源18から供給された再生用蒸気Rは、噴出口24iから触媒26に吹き付けられ、触媒26表面の吸着成分を脱離させる。脱離された吸着成分Cは、蒸気と吸着成分Cが混ざった廃棄混合ガスDとなって排出口24oから排出される。廃棄混合ガスD中の蒸気には、ミストが存在するので、熱量を吸収しやすく、引火しにくい状態となっている。したがって、濃縮された揮発性有機化合物が吸着成分C中に残留していても、引火の心配なく脱離排出することができる。
[0049]
 触媒26表面の吸着成分Cが除去された改質装置は、他方の改質装置の触媒26表面が使用によって溶剤成分で覆われた後に、入れ替えられる。すなわち、揮発性有機化合物の処理は連続して継続することができる。なお、廃棄混合ガスDは、燃焼装置16に送られ燃焼処理される。
[0050]
 以上のように、本発明に係る揮発性有機化合物の処理システム1は、改質装置を複数用意し、触媒機能が低下してくると、新しい改質装置と入れ替えて処理能力を維持する。入れ替えられた改質装置の触媒は別途再生され、また入れ替えて使用される。
実施例
[0051]
 以下に実施例を示して本発明に係る揮発性有機物の処理方法および処理システムの効果について説明する。
[0052]
 図1および2の構成を有する処理システム(排気ダクトを50cm×50cmで、処理装置の面風速を3.0m/secとした場合)を用いた放出ガスBがおよそ45m /min程度の処理量である。面風速を一般に用いる1.0m/secにするより、3.0m/secと、風速を3倍とすることで、排ガスが改質装置に送られる時間が短縮することができる。
[0053]
 図3は、臭気センサの測定結果であり、原ガスAと、改質装置20を出た放出ガスBの結果を示す。なお、放出ガスBは場所が異なる2箇所の位置で測定したので、符号B1およびB2と表示した。横軸は経過時間(日)を表し、縦軸は臭気センサのカウント値である。
[0054]
 カウント500以下であれば、そのまま大気放出しても、システムから50m以上離れると臭気を感じることはなくなる。原ガスAの状態であれば、システムから200m以上はなれても、刺激臭を感じる。
[0055]
 図3に示すように、本発明に係る処理システムを用いると、放出ガスBからは刺激臭を除去することができる。原ガスAは、ミネラルスピリットとテルピネオールの混合ガスである。このなかで刺激臭の主な原因となっているのは、トリメチルベンゼンとノナンと考えられる。つまり、図3の結果より、処理システムは放出ガスB中のトリメチルベンゼンとノナンを著しく減少させていると考えられる。
[0056]
 また、テルピネオールは触媒の再生時の蒸気再生ガスに多く含まれていることから、触媒に吸着しやすく、蒸気再生時に混合希釈され、刺激臭も軽減される。
[0057]
 図4には、放出ガスBのガスクロマトグラフ質量分析法(TD-GC/MS法)で調べた結果を示す。図4(a)は、放出ガスBの結果であり、図4(b)は再生用蒸気Rを吹き付け吸着成分Cを伴った廃棄混合ガスDの検査結果である。図中、トリメチルベンゼンは三角印(▲)、ノナンは四角印(■)、テルピネオールは丸印(●)で表した。
[0058]
 図4(a)を参照して、放出ガスB中には、トリメチルベンゼン、ノナン、テルピネオールが検出されている。これらは改質装置20を通り抜けてきた原ガスAの成分である。臭気の原因となるトリメチルベンゼン、ノナンは残っているものの、図3の結果より、この程度の漏れであれば、そのまま大気に放出してもよく、所謂規定値以下の濃度である。
[0059]
 一方図4(b)を参照すると、廃棄混合ガスD中には、テルピネオールは検出されるものの、トリメチルベンゼン、ノナンは存在しなかった。原ガスAは強い刺激臭が確認されるので、多量のトリメチルベンゼンおよびノナンが存在していると考えられる。また、放出ガスB中には、臭気が感知できない程度にしか、トリメチルベンゼンおよびノナンは残留していなかった。すると、残りのトリメチルベンゼンおよびノナンは、改質装置20中に捕捉されていると思われるが、廃棄混合ガスD中には、存在しなかったのである。
[0060]
 すなわち、改質装置20で捕捉されたトリメチルベンゼンおよびノナンは、改質され、他の物質になったと考えられる。図4(b)では点線で囲った物質Xになったと考えられる。これらは、そもそも原ガスA中にはなかった物質(ピーク)である。物質Xは特定されていないが、テルピネオールと共に、問題なく燃焼されるので、無害物質であるといえる。

産業上の利用可能性

[0061]
 本発明に係る揮発性有機化合物の処理方法は、引火点の低い溶剤を濃縮する場合に好適
に利用することができる。

符号の説明

[0062]
 1  揮発性有機化合物の処理システム
 10  現場
 16  燃焼装置
 18  蒸気供給源
 20  改質装置
 22  改質装置
 23i  取り入れ口
 23o  放出口
 24i  噴出口
 24o  排出口
 26  触媒
 31  ブロア
 41  切換装置
 42  切換装置
 43  バルブ
 A  原ガス
 B  放出ガス
 D  廃棄混合ガス
 R  再生用蒸気

請求の範囲

[請求項1]
 揮発性有機化合物を含む原ガスを触媒に吸着させると共に、前記原ガスの一部を前記触媒で改質し放出する工程と、
 前記触媒に蒸気を通過させ、前記触媒の吸着成分を前記触媒から脱離させる工程と、
 前記吸着成分と前記蒸気の混合ガスを燃焼させる工程を有することを特徴とする揮発性有機化合物の処理方法。
[請求項2]
 前記揮発性有機化合物がミネラルスピリットとテルピネオールの混合溶剤であることを特徴とする請求項1に記載された揮発性有機化合物の処理方法。
[請求項3]
 前記触媒は、アルミナとチタンで形成されていることを特徴とする請求項2に記載された揮発性有機化合物の処理方法。
[請求項4]
 前記原ガスを前記触媒に接触させる前に前記原ガスを冷却する工程を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載された揮発性有機化合物の処理方法。
[請求項5]
 前記触媒は、トリメチルベンゼンおよびノナンを無害物質に改質することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一の請求項に記載された揮発性有機化合物の処理方法。
[請求項6]
 揮発性有機化合物を含む原ガスを触媒に吸着させると共に、前記原ガスの一部を前記触媒で改質し放出する改質装置と、
 前記改質装置内の前記触媒に蒸気を供給し、前記触媒の吸着成分を前記触媒から脱離させる再生蒸気供給器と、
 前記吸着成分と前記蒸気の廃棄混合ガスを燃焼させる燃焼装置を有する揮発性有機化合物の処理システム。
[請求項7]
 前記改質装置を複数台備え、前記改質装置を切り換える切換装置を有することを特徴とする請求項6に記載された揮発性有機化合物の処理システム。
[請求項8]
 前記原ガスを前記触媒に吸着させる前に冷却する冷却手段を有することを特徴とする請求項6また7の何れかに記載された揮発性有機化合物の処理システム。
[請求項9]
 前記揮発性有機化合物がミネラルスピリットとテルピネオールの混合溶剤であることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一の請求項に記載された揮発性有機化合物の処理システム。
[請求項10]
 前記改質装置は、前記原ガスを通過させるアルミナ触媒を有することを特徴とする請求項6乃至9の何れか一の請求項に記載された揮発性有機化合物の処理システム。
[請求項11]
 前記改質装置は、トリメチルベンゼンおよびノナンを無害物質に改質することを特徴とする請求項6乃至10の何れか一の請求項に記載された揮発性有機化合物の処理システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]