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1. WO2020110893 - MATÉRIAU D'ALLIAGE MAGNÉTIQUE

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明 細 書

発明の名称 磁性合金材料

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

非特許文献

0010  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0011   0012   0013   0014   0015  

課題を解決するための手段

0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125  

符号の説明

0126  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 磁性合金材料

技術分野

[0001]
 本発明は、磁性合金材料に関する。

背景技術

[0002]
 磁気ヘッドやモーター、永久磁石など様々な用途に向けて、磁束密度や飽和磁化といった磁石の強さを決めるパラメータの一つであるスピンモーメントの大きな磁性合金材料の探索が進められている。
[0003]
 非特許文献1には、スピンモーメントの大きな磁性合金材料として、鉄-コバルト系合金(以下、FeCo系合金とも呼ぶ)が開示されている。非特許文献1には、FeCo系合金のスピンモーメントは、鉄(Fe)とコバルト(Co)の原子比率がおよそ0.75:0.25の場合に最大になると記載されている。
[0004]
 特許文献1には、スピンモーメントの大きな磁性合金材料として、鉄-ネオジム-ボロン系合金(以下、NdFeB系合金とも呼ぶ)が開示されている。
[0005]
 特許文献2には、スピンモーメントの大きな磁性材料として、鉄-コバルト-パラジウム系合金(以下、FeCoPd系合金とも呼ぶ)が開示されている。
[0006]
 特許文献3には、希土類元素のうちの1種以上からなる元素が4~20原子%含まれるFeCo系合金が開示されている。
[0007]
 特許文献4には、FeおよびCo以外の元素Mが添加されたFeCoM系合金を含む磁性めっき薄膜の製造方法について開示されている。
[0008]
 特許文献5には、スピンモーメントの大きな磁性材料として、窒化鉄(以下、FeN化合物相とも呼ぶ)が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2008-117855号公報
特許文献2 : 特開2005-347688号公報
特許文献3 : 特開2000-150215号公報
特許文献4 : 特開2003-034891号公報
特許文献5 : 特開2015-019050号公報

非特許文献

[0010]
非特許文献1 : C. Takahashi, et al., “First-principles calculation of the Curie temperature Slater-Pauling curve,” J. Phys.: Condens. Matter 19, (2007) 365233 (6PP)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0011]
 特許文献1のNdFeB合金は、スピンモーメントが大きいだけではなく、保磁力も大きいため、永久磁石として様々な分野で応用されている。しかしながら、特許文献1のNdFeB系合金は、室温ではFeCo系合金よりもスピンモーメントが小さい。
[0012]
 特許文献2には、FeCo合金にパラジウム(Pd)を少量添加すると、FeCo系合金を超える大きな飽和磁化が得られると記載されている。しかしながら、飽和磁化とスピンモーメントの値はおおよそ比例傾向にはあるものの、実験で導出された飽和磁化の値と、第一原理計算で導出されたスピンモーメントの値とは、実験誤差等による影響で比例しない場合がある。
[0013]
 また、特許文献3~4によれば、スピンモーメントの大きな磁性材料が得られるものの、FeとCoの組成比が0.75:0.25であるFeCo系合金を超えるほどのスピンモーメントを有する磁性材料は得られない。
[0014]
 特許文献5のFeN化合物相は、メスバウアースペクトルより、Fe 162化合物相がFe換算で70原子パーセント(以下、原子%)以上95原子%以下、Fe 4N化合物相が5原子%以上30原子%以下の場合に高い保磁力が得られる。しかしながら、特許文献5のFeN化合物相には、非金属である窒素(N)を含み、200℃程度で相分離してしまうために焼結による成形ができず、製造や応用が難しいという問題点があった。
[0015]
 本発明の目的は、上述した課題を解決し、金属元素を主成分とし、鉄-コバルト系合金よりもスピンモーメントを大きくすることが可能であり、製造しやすい磁性合金材料を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0016]
 本発明の一態様の磁性合金材料は、鉄およびコバルトを主成分とし、白金、金およびイリジウムからなる群より選ばれる元素のうち少なくとも一種類の元素を含むことを特徴とする。

発明の効果

[0017]
 本発明によれば、金属元素を主成分とし、鉄-コバルト系合金よりもスピンモーメントを大きくすることが可能であり、製造しやすい磁性合金材料を提供することが可能になる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 第1の実施形態に係る磁性合金材料の概念図である。
[図2] 第1の実施形態に係る磁性合金材料のスピンモーメントをKKR-CPA(Korringa Kohn Rostoker Coherent Potential Approximation)法によって計算した結果を示すグラフである。
[図3] 第2の実施形態に係る磁性合金材料の概念図である。
[図4] 第2の実施形態に係る磁性合金材料のスピンモーメントをKKR-CPA法によって計算した結果を示すグラフである。
[図5] 第3の実施形態に係る磁性合金材料の概念図である。、
[図6] 第3の実施形態に係る磁性合金材料のスピンモーメントをKKR-CPA法によって計算した結果を示すグラフである。
[図7] 第4の実施形態に係る磁性合金材料の概念図である。、
[図8] 第4の実施形態に係る磁性合金材料のスピンモーメントをKKR-CPA法によって計算した結果を示すグラフである。
[図9] 関連技術に係る磁性合金材料のスピンモーメントをKKR-CPA法によって計算した結果を示すグラフである。
[図10] 関連技術に係る磁性合金材料のスピンモーメントをKKR-CPA法によって計算した結果を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
[0020]
 以下に示す実施形態においては、磁性合金のスピンモーメントを計算する際に、第一原理計算手法の一つであるKKR-CPA(Korringa Kohn Rostoker Coherent Potential Approximation)法を採用した。KKR-CPA法は、Green関数をベースとする。以下に示す実施形態においては、具体的には、AkaiKKRというソフトウェアを用いて合金のスピンモーメントを計算した結果を示す。AkaiKKRは、密度汎関数法の局所密度近似または一般化勾配近似に基づいて第一原理電子状態を計算するソフトウェアである。
[0021]
 (第1の実施形態)
 まず、第1の実施形態に係る磁性合金材料について図面を参照しながら説明する。本実施形態の磁性合金材料は、鉄-コバルト-白金系合金(以下、FeCoPt系合金)である。
[0022]
 図1は、本実施形態に係る磁性合金材料10の概念図である。磁性合金材料10は、鉄-コバルト系合金(以下、FeCo系合金)に白金(Pt)が添加された材料である。例えば、磁性合金材料10には、0.1原子パーセント以上のPtが含まれる。
[0023]
 図2は、FeCoPt系合金(Fe 0.75-0.5xCo 0.25-0.5xPt x)におけるPtの濃度(原子組成)とスピンモーメントとの関係を示すグラフである(0≦x≦0.5)。図2の横軸は、FeCoPt系合金におけるPtの濃度xである。図2の縦軸は、FeCo系合金(Fe 0.75Co 0.25)のスピンモーメントで規格化されたFeCoPt系合金(Fe 0.75-0.5xCo 0.25-0.5xPt x)のスピンモーメントである。
[0024]
 図2のように、Fe 0.75Co 0.25(x=0)にPtが少量添加されたFe 0.75-0.5xCo 0.25-0.5xPt xのスピンモーメントは、Fe 0.75Co 0.25(x=0)よりも大きくなる。Fe 0.75-0.5xCo 0.25-0.5xPt xは、Ptの組成比が0<x<0.06の範囲でFe 0.75Co 0.25(x=0)よりもスピンモーメントが大きい。Fe 0.75-0.5xCo 0.25-0.5xPt xのスピンモーメントは、Fe 0.75Co 0.25に対するPtの組成比が0.008(0.8原子パーセント)付近で最大になる。すなわち、FeCoPt系合金のうちスピンモーメントが最大になるのはFe 0.746Co 0.246Pt 0.008である。
[0025]
 図2のグラフによると、磁性合金材料10には、Fe 0.75Co 0.25(x=0)を母体とし、原子組成が0<x<0.06のPtを含むFe 0.75-0.5xCo 0.25-0.5xPt xが好ましい。特に、図2のグラフによると、磁性合金材料10には、Fe 0.746Co 0.246Pt 0.008が最適である。なお、磁性合金材料10に用いられるFe 0.75-0.5xCo 0.25-0.5xPt xの組成比は、FeCo系合金の熱的な物性に影響を与えない程度にPtが添加されるのであれば、上述のものに限定されない。また、磁性合金材料10に用いられるFe 0.75-0.5xCo 0.25-0.5xPt xには、Pt以外の元素が含まれていてもよい。
[0026]
 本実施形態の磁性合金材料10は、様々な手法を用いて製造できる。例えば、バルク型の磁性合金材料10は、焼結法や、アーク溶解法などの手法を用いて製造できる。また、例えば、薄膜型の磁性合金材料10は、スパッタ法や、蒸着法、パルスレーザー法などの手法を用いて製造できる。
[0027]
 以上のように、本実施形態の磁性合金材料は、FeおよびCoを主成分とするFeCo系合金にPtが添加されていることを特徴とする。6原子パーセント以下のPtが添加されたFeCoPt系合金は、FeCo系合金よりもスピンモーメントが大きい。
[0028]
 本実施形態の磁性合金材料は、FeCo系合金に少量のPtが添加されることにより、FeCo系合金よりも大きなスピンモーメントを有する。本実施形態の磁性合金材料は、FeCo系合金の熱的な物性に影響を与えない程度にPtが添加されるため、製造や応用においても実用的である。すなわち、本実施形態によれば、金属元素を主成分とし、FeCo系合金よりもスピンモーメントが大きく、製造しやすい磁性合金材料を提供することが可能となる。
[0029]
 (第2の実施形態)
 次に、第2の実施形態に係る磁性合金材料について図面を参照しながら説明する。本実施形態の磁性合金材料は、鉄-コバルト-金系合金(以下、FeCoAu系合金)である。本実施形態の磁性合金材料は、白金(Pt)の替わりに金(Au)を含む点において第1の実施形態の磁性合金材料とは異なる。
[0030]
 図3は、本実施形態に係る磁性合金材料20の概念図である。磁性合金材料20は、鉄-コバルト系合金(以下、FeCo系合金)に金(Au)が添加された材料である。例えば、磁性合金材料20には、0.1原子パーセント以上のAuが含まれる。
[0031]
 図4は、FeCoAu系合金(Fe 0.75-0.5yCo 0.25-0.5yAu y)におけるAuの濃度(原子組成)とスピンモーメントとの関係を示すグラフである(yは正の実数)。図4の横軸は、FeCoAu系合金におけるAuの濃度yである。図4の縦軸は、FeCo系合金(Fe 0.75Co 0.25)のスピンモーメントで規格化されたFeCoAu系合金(Fe 0.75-0.5yCo 0.25-0.5yAu y)のスピンモーメントである。
[0032]
 図4のように、Fe 0.75Co 0.25(y=0)にAuが少量添加されたFe 0.75-0.5yCo 0.25-0.5yAu yのスピンモーメントは、Fe 0.75Co 0.25(y=0)よりも大きくなる。Fe 0.75-0.5yCo 0.25-0.5yAu yは、Auの組成比が0<y<0.044の範囲でFe 0.75Co 0.25(y=0)よりもスピンモーメントが大きい。Fe 0.75-0.5yCo 0.25-0.5yAu yのスピンモーメントは、Fe 0.75Co 0.25に対するAuの組成比が0.008(0.8原子パーセント)付近で最大になる。すなわち、FeCoAu系合金のうちスピンモーメントが最大になるのはFe 0.746Co 0.246Au 0.008である。
[0033]
 図4のグラフによると、磁性合金材料20には、Fe 0.75Co 0.25(y=0)を母体とし、原子組成が0<y<0.044のAuを含むFe 0.75-0.5yCo 0.25-0.5yAu yが好ましい。特に、図4のグラフによると、磁性合金材料20には、Fe 0.746Co 0.246Au 0.008が最適である。なお、磁性合金材料20に用いられるFe 0.75-0.5yCo 0.25-0.5yAu yの組成比は、FeCo系合金の熱的な物性に影響を与えない程度にAuが添加されるのであれば、上述のものに限定されない。また、磁性合金材料20に用いられるFe 0.75-0.5yCo 0.25-0.5yAu yには、Au以外の元素が含まれていてもよい。
[0034]
 本実施形態の磁性合金材料20は、様々な手法を用いて製造できる。例えば、バルク型の磁性合金材料20は、焼結法や、アーク溶解法などの手法を用いて製造できる。また、例えば、薄膜型の磁性合金材料20は、スパッタ法や、蒸着法、パルスレーザー法などの手法を用いて製造できる。
[0035]
 以上のように、本実施形態の磁性合金材料は、FeおよびCoを主成分とするFeCo系合金にAuが添加されていることを特徴とする。4.4原子パーセント以下のAuが添加されたFeCoAu系合金は、FeCo系合金よりもスピンモーメントが大きい。
[0036]
 本実施形態の磁性合金材料は、FeCo系合金に少量のAuが添加されることにより、FeCo系合金よりも大きなスピンモーメントを有する。本実施形態の磁性合金材料は、FeCo系合金の熱的な物性に影響を与えない程度にAuが添加されるため、製造や応用においても実用的である。すなわち、本実施形態によれば、金属元素を主成分とし、FeCo系合金よりもスピンモーメントが大きく、製造しやすい磁性合金材料を提供することが可能となる。
[0037]
 (第3の実施形態)
 次に、第3の実施形態に係る磁性合金材料について図面を参照しながら説明する。本実施形態の磁性合金材料は、鉄-コバルト-イリジウム系合金(以下、FeCoIr系合金)である。本実施形態の磁性合金材料は、白金(Pt)や金(Au)の替わりにイリジウム(Ir)を含む点において第1および第2の実施形態の磁性合金材料とは異なる。
[0038]
 図5は、本実施形態に係る磁性合金材料30の概念図である。磁性合金材料30は、鉄-コバルト系合金(以下、FeCo系合金)にイリジウム(Ir)が添加された材料である。例えば、磁性合金材料30には、0.1原子パーセント以上のIrが含まれる。
[0039]
 図6は、FeCoIr系合金(Fe 0.75-0.5zCo 0.25-0.5zIr z)におけるIrの濃度(原子組成)とスピンモーメントとの関係を示すグラフである(zは正の実数)。図6の横軸は、FeCoIr系合金におけるIrの濃度zである。図6の縦軸は、FeCo系合金(Fe 0.75Co 0.25)のスピンモーメントで規格化されたFeCoIr系合金(Fe 0.75-0.5zCo 0.25-0.5zIr z)のスピンモーメントである。
[0040]
 図6のように、Fe 0.75Co 0.25(z=0)にIrが少量添加されたFe 0.75-0.5zCo 0.25-0.5zIr zのスピンモーメントは、Fe 0.75Co 0.25(z=0)よりも大きくなる。Fe 0.75-0.5zCo 0.25-0.5zIr zは、Irの組成比が0<z<0.058の範囲でFe 0.75Co 0.25(z=0)よりもスピンモーメントが大きい。Fe 0.75-0.5zCo 0.25-0.5zIr zのスピンモーメントは、Fe 0.75Co 0.25に対するIrの組成比が0.042(4.2原子パーセント)付近で最大になる。すなわち、FeCoIr系合金のうちスピンモーメントが最大になるのはFe 0.729Co 0.229Ir 0.042である。
[0041]
 図6のグラフによると、磁性合金材料30には、Fe 0.75Co 0.25(z=0)を母体とし、原子組成が0<z<0.058のIrを含むFe 0.75-0.5zCo 0.25-0.5zIr zが好ましい。特に、図6のグラフによると、磁性合金材料30には、Fe 0.729Co 0.229Ir 0.042が最適である。なお、磁性合金材料30に用いられるFe 0.75-0.5zCo 0.25-0.5zIr zの組成比は、FeCo系合金の熱的な物性に影響を与えない程度にIrが添加されるのであれば、上述のものに限定されない。また、磁性合金材料30に用いられるFe 0.75-0.5zCo 0.25-0.5zIr zには、Ir以外の元素が含まれていてもよい。
[0042]
 本実施形態の磁性合金材料30は、様々な手法を用いて製造できる。例えば、バルク型の磁性合金材料30は、焼結法や、アーク溶解法などの手法を用いて製造できる。また、例えば、薄膜型の磁性合金材料30は、スパッタ法や、蒸着法、パルスレーザー法などの手法を用いて製造できる。
[0043]
 以上のように、本実施形態の磁性合金材料は、FeおよびCoを主成分とするFeCo系合金にIrが添加されていることを特徴とする。5.8原子パーセント以下のIrが添加されたFeCoIr系合金は、FeCo系合金よりもスピンモーメントが大きい。
[0044]
 本実施形態の磁性合金材料は、FeCo系合金に少量のIrが添加されることにより、FeCo系合金よりも大きなスピンモーメントを有する。本実施形態の磁性合金材料は、FeCo系合金の熱的な物性に影響を与えない程度にIrが添加されるため、製造や応用においても実用的である。すなわち、本実施形態によれば、金属元素を主成分とし、FeCo系合金よりもスピンモーメントが大きく、製造しやすい磁性合金材料を提供することが可能となる。
[0045]
 (第4の実施形態)
 次に、第4の実施形態に係る磁性合金材料について図面を参照しながら説明する。本実施形態の磁性合金材料は、白金(Pt)、金(Au)およびイリジウム(Ir)からなる群より選ばれる元素のうち少なくとも二種類の元素が鉄-コバルト系合金(以下、FeCo系合金)に添加された材料である。磁性合金材料40には、白金(Pt)、金(Au)およびイリジウム(Ir)からなる群より選ばれる元素のうち少なくとも二種類の元素のそれぞれを0.1原子パーセント以上含む。
[0046]
 図7は、本実施形態に係る磁性合金材料40の概念図である。磁性合金材料40は、鉄-コバルト系合金(以下、FeCo系合金)に白金(Pt)、金(Au)およびイリジウム(Ir)からなる群より選ばれる元素のうち少なくとも二種類の元素を添加した材料である。すなわち、磁性合金材料40は、4元素で構成される4元系材料と、5元素で構成される5元系材料とに大別される。4元系材料は、FeCoPtIr系合金、FeCoPtAu系合金、およびFeCoAuIr系合金のいずれかである。5元系材料は、FeCoAuPtIr系合金である。
[0047]
 図8は、FeCo系合金のスピンモーメントと、磁性合金材料40の一例のスピンモーメントとを比較するためのグラフである。図8の縦軸は、FeCo系合金(Fe 0.75Co 0.25)のスピンモーメントで規格化された磁性合金材料40のスピンモーメントである。図8には、4元系材料として、Fe 0.75Co 0.25Pt 0.02Ir 0.04、Fe 0.75Co 0.25Pt 0.02Au 0.02、Fe 0.75Co 0.25Au 0.02Ir 0.04のスピンモーメントを例示する。また、図8には、5元系材料として、Fe 0.75Co 0.25Pt 0.02Au 0.02Ir 0.04のスピンモーメントを例示する。なお、図8に示す4元系材料および5元系材料に含まれる元素記号の後に付された数字は、それぞれの材料を構成する元素の比率を示すものである。
[0048]
 図8のように、Fe 0.75Co 0.25Pt 0.02Ir 0.04、Fe 0.75Co 0.25Pt 0.02Au 0.02、Fe 0.75Co 0.25Au 0.02Ir 0.04、Fe 0.75Co 0.25Pt 0.02Au 0.02Ir 0.04のいずれも、Fe 0.75Co 0.25よりスピンモーメントが大きい。なお、磁性合金材料40に用いられる材料の組成比は、FeCo系合金の熱的な物性に影響を与えない程度にPt、Au、およびIrの少なくともいずれかが添加されるのであれば、図8に示すものに限定されない。また、磁性合金材料40には、Pt、AuおよびIr以外の元素が含まれていてもよい。
[0049]
 本実施形態の磁性合金材料40は、様々な手法を用いて製造できる。例えば、バルク型の磁性合金材料40は、焼結法や、アーク溶解法などの手法を用いて製造できる。また、例えば、薄膜型の磁性合金材料40は、スパッタ法や、蒸着法、パルスレーザー法などの手法を用いて製造できる。
[0050]
 以上のように、本実施形態の磁性合金材料は、FeおよびCoを主成分とするFeCo系合金に、Pt、AuおよびIrからなる群より選ばれる元素のうち少なくとも二種類の元素がそれぞれ0.1原子パーセント以上添加されていることを特徴とする。
[0051]
 本実施形態の磁性合金材料は、FeCo系合金に少量のPt、AuおよびIrからなる群より選ばれる元素のうち少なくとも二種類の元素が添加されることにより、FeCo系合金よりも大きなスピンモーメントを有する。本実施形態の磁性合金材料は、FeCo系合金の熱的な物性に影響を与えない程度に、Pt、AuおよびIrからなる群より選ばれる元素のうち少なくとも二種類の元素が添加されるため、製造や応用においても実用的である。すなわち、本実施形態によれば、金属元素を主成分とし、鉄-コバルト系合金よりもスピンモーメントが大きく、製造しやすい磁性合金材料を提供することが可能となる。
[0052]
 以上が、第1~第4の実施形態に係る磁性合金材料についての説明である。以上の各実施形態に係る磁性材料は、鉄およびコバルトを主成分とし、白金、金およびイリジウムからなる群より選ばれる元素のうち少なくとも一種類の元素を0.1原子パーセント以上含むことを特徴とする。白金、金およびイリジウムは、周期表において、第6周期の第9~11族の遷移金属(原子番号:77~79)である。例えば、第1~第4の実施形態に係る磁性合金材料は、コバルトの原子組成比率が10原子パーセント以上90原子パーセント以下である。また、例えば、第1~第4の実施形態に係る磁性合金材料は、鉄とコバルトとの原子組成比が75:25であることが好適である。
[0053]
 (関連技術)
 次に、関連技術に係る磁性合金材料について図面を参照しながら説明する。関連技術の磁性合金材料としては、鉄-コバルト系合金(以下、FeCo系合金)と、鉄-コバルト-パラジウム系合金(以下、FeCoPd系合金)とを挙げる。
[0054]
 図9は、FeCo系合金(Fe 1-aCo a)のコバルト(Co)の組成比(原子組成比)とスピンモーメントとの関係を示すグラフである(aは正の実数)。図9の横軸は、FeCo系合金におけるCoの組成比aである。図9の縦軸は、Fe 0.75Co 0.25のスピンモーメントで規格化されたFeCo系合金(Fe 1-aCo a)のスピンモーメントである。図9のように、FeCo系合金(Fe 1-aCo a)のスピンモーメントは、Coの組成比aが0.25で最大になる。
[0055]
 図10は、FeCoPd系合金(Fe 0.75-0.5bCo 0.25-0.5bPd b)のパラジウム(Pd)の濃度(原子組成)とスピンモーメントとの関係を示すグラフである(bは正の実数)。図10の横軸は、FeCoPd系合金におけるPdの濃度bである。図10の縦軸は、FeCo系合金(Fe 0.75Co 0.25)のスピンモーメントで規格化されたFeCoPd系合金(Fe 0.75-0.5bCo 0.25-0.5bPd b)のスピンモーメントである。
[0056]
 図10のように、Fe 0.75Co 0.25(b=0)にPdが少量添加されたFe 0.75-0.5bCo 0.25-0.5bPd bのスピンモーメントは、Pdの添加に伴って減少する傾向があり、Fe 0.75Co 0.25(b=0)よりも大きくなることはない。図10にみられるスピンモーメントの変換は、鉄(Fe)とコバルト(Co)の比率を変化させても同様である。
[0057]
 特許文献2(特開2005-347688号公報)には、FeCo系合金にPdを添加すると飽和磁化が増加すると記載されている。特許文献2では、PdがFeCo結晶の格子点を置換または格子間に侵入してFeCo結晶格子を押し広げることにより電子状態が変化することに基づくスピンモーメントの増加によって飽和磁化が増加すると説明されている。しかしながら、図10の結果を鑑みると、FeCo系合金にPdを添加してもスピンモーメントの増大はみられない。そのため、特許文献2における飽和磁化は、電子状態の変化に由来するスピンモーメントの増加によるものではなく、Pd添加による磁性合金の酸化抑制効果に由来するものであると推察される。
[0058]
 それに対し、第1~第4の実施形態の磁性合金材料では、白金(Pt)、金(Au)およびイリジウム(Ir)からなる群より選ばれる少なくとも一種類の元素をFeCo系合金に添加することによりスピンモーメントが増加した。第1~第4の実施形態の磁性合金材料におけるスピンモーメントの増加は、Pt、AuおよびIrからなる群より選ばれる少なくとも一種類の元素をFeCo系合金に添加することによって電子状態が変化したことによると推測される。
[0059]
 続いて、第1~第4の実施形態に係る磁性合金材料の製造方法についていくつかの実施例を挙げて説明する。なお、以下に挙げる磁性合金材料の製造方法は概略的なものであり、材料の調製方法や、製造装置の使用方法について厳密に示すものではない。
[0060]
 (実施例1)
 実施例1は、第1の実施形態に関する。実施例1は、バルク型のFeCoPt系合金を焼結法によって作製した例である。
[0061]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)および白金(Pt)の金属粉末を、原子組成比がFe:Co:Pt=0.746:0.246:0.008になるように混合し、乳鉢を使用して均等に混ぜ、混合粉末を調製した。
[0062]
 次に、真空引きした後にアルゴンガスを導入した焼結装置の内部において、調製した混合粉末を100メガパスカルの圧力でプレス成型し、その後600℃で焼結することによって焼結体を形成させた。
[0063]
 その後、その焼結体を所望の大きさにダイシングすることによって、所望の大きさのFeCoPt系合金を作製した。
[0064]
 例えば、混合粉末を調整する際に、Fe、CoおよびPt以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoPt系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0065]
 (実施例2)
 実施例2は、第1の実施形態に関する。実施例2は、薄膜型のFeCoPt系合金をスパッタ法によって作製した例である。
[0066]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)および白金(Pt)のスパッタターゲットを用意し、アルゴンガス雰囲気下においてFe、CoおよびPtを同時にスパッタ(コスパッタとも呼ぶ)し、シリコン基板上にFeCoPt系合金を成膜した。このとき、原子組成比がFe:Co:Pt=0.746:0.246:0.008となるようにスパッタ電力を調整した。
[0067]
 その後、FeCoPt系合金が成膜されたシリコン基板を、真空中にて600℃でアニールを施すことによってFeCoPt系合金の薄膜を作製した。
[0068]
 例えば、Fe、CoおよびPtをコスパッタする際に、Fe、CoおよびPt以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoPt系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0069]
 (実施例3)
 実施例3は、第2の実施形態に関する。実施例3は、バルク型のFeCoAu系合金を焼結法によって作製した例である。
[0070]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)および金(Au)の金属粉末を、原子組成比がFe:Co:Au=0.746:0.246:0.008になるように混合し、乳鉢を使用して均等に混ぜ、混合粉末を調製した。
[0071]
 次に、真空引きした後にアルゴンガスを導入した焼結装置の内部において、調製した混合粉末を100メガパスカルの圧力でプレス成型し、その後600℃で焼結することによって焼結体を形成させた。
[0072]
 その後、その焼結体を所望の大きさにダイシングすることによって、所望の大きさのFeCoAu系合金を作製した。
[0073]
 例えば、混合粉末を調整する際に、Fe、CoおよびAu以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoAu系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0074]
 (実施例4)
 実施例4は、第2の実施形態に関する。実施例4は、薄膜型のFeCoAu系合金をスパッタ法によって作製した例である。
[0075]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)および金(Au)のスパッタターゲットを用意し、アルゴンガス雰囲気下においてFe、CoおよびAuをコスパッタし、シリコン基板上にFeCoAu系合金を成膜した。このとき、原子組成比がFe:Co:Au=0.746:0.246:0.008となるようにスパッタ電力を調整した。
[0076]
 その後、FeCoAu系合金が成膜されたシリコン基板を、真空中にて600℃でアニールを施すことによってFeCoAu系合金の薄膜を作製した。
[0077]
 例えば、Fe、CoおよびAuをコスパッタする際に、Fe、CoおよびAu以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoAu系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0078]
 (実施例5)
 実施例5は、第3の実施形態に関する。実施例5は、バルク型のFeCoIr系合金を焼結法によって作製した例である。
[0079]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびイリジウム(Ir)の金属粉末を、原子組成比がFe:Co:Ir=0.729:0.229:0.042になるように混合し、乳鉢を使用して均等に混ぜ、混合粉末を調製した。
[0080]
 次に、真空引きした後にアルゴンガスを導入した焼結装置の内部において、調製した混合粉末を100メガパスカルの圧力でプレス成型し、その後600℃で焼結することによって焼結体を形成させた。
[0081]
 その後、その焼結体を所望の大きさにダイシングすることによって、所望の大きさのFeCoIr系合金を作製した。
[0082]
 例えば、混合粉末を調整する際に、Fe、CoおよびIr以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoIr系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0083]
 (実施例6)
 実施例6は、第3の実施形態に関する。実施例6は、薄膜型のFeCoIr系合金をスパッタ法によって作製した例である。
[0084]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびイリジウム(Ir)のスパッタターゲットを用意し、アルゴンガス雰囲気下においてFe、CoおよびIrをコスパッタし、シリコン基板上にFeCoIr系合金を成膜した。このとき、原子組成比がFe:Co:Ir=0.729:0.229:0.042となるようにスパッタ電力を調整した。
[0085]
 その後、FeCoIr系合金が成膜されたシリコン基板を、真空中にて600℃でアニールを施すことによってFeCoIr系合金の薄膜を作製した。
[0086]
 例えば、Fe、CoおよびIrをコスパッタする際に、Fe、CoおよびIr以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoIr系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0087]
 (実施例7)
 実施例7は、第4の実施形態に関する。実施例7は、バルク型のFeCoPtAu系合金を焼結法によって作製した例である。
[0088]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)および金(Au)の金属粉末を、原子組成比がFe:Co:Pt:Au=0.75:0.25:0.02:0.04になるように混合し、乳鉢を使用して均等に混ぜ、混合粉末を調製した。
[0089]
 次に、真空引きした後にアルゴンガスを導入した焼結装置の内部において、調製した混合粉末を100メガパスカルの圧力でプレス成型し、その後600℃で焼結することによって焼結体を形成させた。
[0090]
 その後、その焼結体を所望の大きさにダイシングすることによって、所望の大きさのFeCoPtAu系合金を作製した。
[0091]
 例えば、混合粉末を調整する際に、Fe、Co、PtおよびAu以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoPtAu系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0092]
 (実施例8)
 実施例8は、第4の実施形態に関する。実施例8は、薄膜型のFeCoPtAu系合金をスパッタ法によって作製した例である。
[0093]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)および金(Au)のスパッタターゲットを用意し、アルゴンガス雰囲気下でFe、Co、PtおよびAuをコスパッタし、シリコン基板上にFeCoPtAu系合金を成膜した。このとき、原子組成比がFe:Co:Pt:Au=0.75:0.25:0.02:0.02となるようにスパッタ電力を調整した。
[0094]
 その後、FeCoPtAu系合金が成膜されたシリコン基板を、真空中にて600℃でアニールを施すことによってFeCoPtAu系合金の薄膜を作製した。
[0095]
 例えば、Fe、Co、PtおよびAuをコスパッタする際に、Fe、Co、PtおよびAu以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoPtAu系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0096]
 (実施例9)
 実施例9は、第4の実施形態に関する。実施例9は、バルク型のFeCoPtIr系合金を焼結法によって作製した例である。
[0097]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)およびイリジウム(Ir)の金属粉末を、原子組成比がFe:Co:Pt:Ir=0.75:0.25:0.02:0.04になるように混合し、乳鉢を使用して均等に混ぜ、混合粉末を調製した。
[0098]
 次に、真空引きした後にアルゴンガスを導入した焼結装置の内部において、調製した混合粉末を100メガパスカルの圧力でプレス成型し、その後600℃で焼結することによって焼結体を形成させた。
[0099]
 その後、その焼結体を所望の大きさにダイシングすることによって、所望の大きさのFeCoPtIr系合金を作製した。
[0100]
 例えば、混合粉末を調整する際に、Fe、Co、PtおよびIr以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoPtIr系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0101]
 (実施例10)
 実施例10は、第4の実施形態に関する。実施例10は、薄膜型のFeCoPtIr系合金をスパッタ法によって作製した例である。
[0102]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)およびイリジウム(Ir)のスパッタターゲットを用意し、アルゴンガス雰囲気下でFe、Co、PtおよびIrをコスパッタし、シリコン基板上にFeCoPtIr系合金を成膜した。このとき、原子組成比がFe:Co:Pt:Ir=0.75:0.25:0.02:0.04となるようにスパッタ電力を調整した。
[0103]
 その後、FeCoPtIr系合金が成膜されたシリコン基板を、真空中にて600℃でアニールを施すことによってFeCoPtIr系合金の薄膜を作製した。
[0104]
 例えば、Fe、Co、PtおよびIrをコスパッタする際に、Fe、Co、PtおよびIr以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoPtIr系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0105]
 (実施例11)
 実施例11は、第4の実施形態に関する。実施例11は、バルク型のFeCoAuIr系合金を焼結法によって作製した例である。
[0106]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、金(Au)およびイリジウム(Ir)の金属粉末を、原子組成比がFe:Co:Au:Ir=0.75:0.25:0.02:0.04になるように混合し、乳鉢を使用して均等に混ぜ、混合粉末を調製した。
[0107]
 次に、真空引きした後にアルゴンガスを導入した焼結装置の内部において、調製した混合粉末を100メガパスカルの圧力でプレス成型し、その後600℃で焼結することによって焼結体を形成させた。
[0108]
 その後、その焼結体を所望の大きさにダイシングすることによって、所望の大きさのFeCoAuIr系合金を作製した。
[0109]
 例えば、混合粉末を調整する際に、Fe、Co、AuおよびIr以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoAuIr系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0110]
 (実施例12)
 実施例12は、第4の実施形態に関する。実施例12は、薄膜型のFeCoAuIr系合金をスパッタ法によって作製した例である。
[0111]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、金(Au)およびイリジウム(Ir)のスパッタターゲットを用意した。そして、アルゴンガス雰囲気下において、Fe、Co、AuおよびIrをコスパッタし、シリコン基板上にFeCoAuIr系合金を成膜した。このとき、原子組成比がFe:Co:Au:Ir=0.75:0.25:0.02:0.04となるようにスパッタ電力を調整した。
[0112]
 その後、FeCoAuIr系合金が成膜されたシリコン基板を、真空中にて600℃でアニールを施すことによってFeCoAuIr系合金の薄膜を作製した。
[0113]
 例えば、Fe、Co、AuおよびIrをコスパッタする際に、Fe、Co、AuおよびIr以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoAuIr系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0114]
 (実施例13)
 実施例13は、第4の実施形態に関する。実施例13は、バルク型のFeCoPtAuIr系合金を焼結法によって作製した例である。
[0115]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、金(Au)およびイリジウム(Ir)の金属粉末を、原子組成比がFe:Co:Pt:Au:Ir=0.75:0.25:0.02:0.02:0.04になるように混合した。そして、混合した金属粉末を、乳鉢を使用して均等に混ぜ、混合粉末を調製した。
[0116]
 次に、真空引きした後にアルゴンガスを導入した焼結装置の内部において、調製した混合粉末を100メガパスカルの圧力でプレス成型し、その後600℃で焼結することによって焼結体を形成させた。
[0117]
 その後、その焼結体を所望の大きさにダイシングすることによって、所望の大きさのFeCoPtAuIr系合金を作製した。
[0118]
 例えば、混合粉末を調整する際に、Fe、Co、Pt、AuおよびIr以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoPtAuIr系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0119]
 (実施例14)
 実施例14は、第4の実施形態に関する。実施例14は、薄膜型のFeCoPtAuIr系合金をスパッタ法によって作製した例である。
[0120]
 まず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、金(Au)およびイリジウム(Ir)のスパッタターゲットを用意した。そして、アルゴンガス雰囲気下において、Fe、Co、Pt、AuおよびIrをコスパッタし、シリコン基板上にFeCoAuIr系合金を成膜した。このとき、原子組成比がFe:Co:Pt:Au:Ir=0.75:0.25:0.02:0.02:0.04となるようにスパッタ電力を調整した。
[0121]
 その後、FeCoPtAuIr系合金が成膜されたシリコン基板を、真空中にて600℃でアニールを施すことによってFeCoPtAuIr系合金の薄膜を作製した。
[0122]
 例えば、Fe、Co、Pt、AuおよびIrをコスパッタする際に、Fe、Co、Pt、AuおよびIr以外の不純物元素を少量添加すれば、FeCoPtAuIr系合金の保磁力を変化させたり、強度(素子の安定性)を向上させたりすることができる。
[0123]
 以上が、第1~第4の実施形態に係る磁性合金材料の製造方法についての実施例1~14である。なお、上記の実施例1~14において、具体的な組成比や、焼結温度、アニール温度などのパラメータを記載しているが、それらは一例であって、第1~第4の実施形態に係る磁性合金材料を製造する際のパラメータを限定するものではない。
[0124]
 以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
[0125]
 この出願は、2018年11月30日に出願された日本出願特願2018-224571を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

符号の説明

[0126]
 10、20、30、40  磁性合金材料

請求の範囲

[請求項1]
 鉄およびコバルトを主成分とし、白金、金およびイリジウムからなる群より選ばれる元素のうち少なくとも一種類の元素を含むことを特徴とする磁性合金材料。
[請求項2]
 コバルトの原子組成比率が10原子パーセント以上90原子パーセント以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性合金材料。
[請求項3]
 6原子パーセント以下の白金が添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性合金材料。
[請求項4]
 4.4原子パーセント以下の金が添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性合金材料。
[請求項5]
 5.8原子パーセント以下のイリジウムが添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性合金材料。
[請求項6]
 白金、金およびイリジウムからなる群より選ばれる元素のうち少なくとも二種類の元素のそれぞれが0.1原子パーセント以上添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性合金材料。
[請求項7]
 0.1原子パーセント以上6原子パーセント以下の白金と、0.1原子パーセント以上5原子パーセント以下の金とが添加されていることを特徴とする請求項6に記載の磁性合金材料。
[請求項8]
 0.1原子パーセント以上6原子パーセント以下の白金と、0.1原子パーセント以上6原子パーセント以下のイリジウムとが添加されていることを特徴とする請求項6に記載の磁性合金材料。
[請求項9]
 0.1原子パーセント以上5原子パーセント以下の金と、0.1原子パーセント以上6原子パーセント以下のイリジウムとが添加されていることを特徴とする請求項6に記載の磁性合金材料。
[請求項10]
 0.1原子パーセント以上6原子パーセント以下の白金と、0.1原子パーセント以上5原子パーセント以下の金と、0.1原子パーセント以上6原子パーセント以下のイリジウムとが添加されていることを特徴とする請求項6に記載の磁性合金材料。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]