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1. WO2020110707 - GABARIT DE MASQUAGE ET DISPOSITIF DE PULVÉRISATION ÉLECTROSTATIQUE

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明 細 書

発明の名称 マスキング治具及び静電噴霧装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102  

符号の説明

0103  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : マスキング治具及び静電噴霧装置

技術分野

[0001]
 本発明は、マスキング治具及び静電噴霧装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、液体噴霧部と、液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力によって、塗料などの液体を帯電状態で液体噴霧部から離脱させ、被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置において、被塗物にマスキング治具を取り付けて、所定の形状・パターンの薄膜を被塗物に形成するものがエレクトロスプレーデポジション(ESD)として知られている(特許文献1参照)。
[0003]
 特許文献1に記載のマスキング治具は、マスキング本体とマスキング補助体とを備えるものであって、マスキング補助体は、被塗物の塗布部と被塗物の非塗布部とを画定するように配置され、マスキング本体は、マスキング補助体が覆わない非塗布部を覆うように配置されており、また、マスキング補助体は、導電性材料を用いて形成され、マスキング本体は、絶縁性材料を用いて形成されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2016-221433号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、ESD技術分野における塗布対象の被塗物は、特許文献1にみられるような塗布部が平面状のものが一般的であるため、被塗物の塗布部が複数面に跨る場合や円周面などの連続面である場合、あるいは、被塗物が棒状の微小部品などの場合には、このようなマスキング治具を適用することができない。また、一般的な噴霧塗布用のマスキング治具は、非塗布部の表面に接着又は粘着により貼り付けるものであるため、上述したような被塗物であると、マスキング治具を貼り付ける貼付作業に時間を必要とする。さらに、塗布後にマスキング治具を引き剥がす場合、マスキング治具剥離後に接着剤又は粘着剤の一部が残ることがあり、これらの除去にも時間を必要としている。
[0006]
 そこで、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、被塗物に対するマスキング作業性を向上させるマスキング治具及び静電噴霧装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の一側面によれば、ノズルを有する液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して前記ノズルの先端にテーラーコーンを生成し、前記テーラーコーンの先端から液体を離脱させ静電爆発で霧化をおこなう静電気力を発生させる電圧印加手段と、を備え、被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置に用いるマスキング治具であって、前記被塗物における液体を塗布しない非塗布部を覆う筒状部材を備え、前記筒状部材は、内面と、外面と、端面付近において前記内面と前記外面とを繋ぐ接続面、を有し、前記接続面と前記内面との境界部に閉曲線が形成され、前記閉曲線は、前記非塗布部の外周より大きく、前記被塗物が挿入可能である、マスキング治具に関する。
[0008]
 本発明一側面によれば、ノズルを有する液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して前記ノズルの先端にテーラーコーンを生成し、前記テーラーコーンの先端から液体を離脱させ静電爆発で霧化をおこなう静電気力を発生させる電圧印加手段と、を備え、被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置であって、前記被塗物における液体を塗布しない非塗布部を覆う筒状部材を備えるマスキング治具を有し、前記筒状部材は、内面と、外面と、端面付近において前記内面と前記外面とを繋ぐ接続面と、を有し、前記接続面と前記内面との境界部に閉曲線が形成され、前記閉曲線は、前記非塗布部の外周より大きく、前記被塗物が挿入可能である、静電噴霧装置が提供される。前記液体噴霧部は、前記筒状部材の中心軸に直交する軸方向に配置されることができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明に係る実施形態のマスキング治具を用いる静電噴霧装置の全体構成を示す斜視図である。
[図2] 本発明に係る実施形態のマスキング治具を用いる静電噴霧装置の全体構成を示す断面図である。
[図3] 静電噴霧装置の液体噴霧部を示す断面図である。
[図4] 液体噴霧部の先端側を示す拡大図であり、(a)心棒の先端が後方に位置する場合、(b)心棒の先端が前方に位置する場合である。
[図5] 本発明に係る実施形態のマスキング治具を示す斜視図である。
[図6] 実施形態の筒状部材における閉曲線を示す説明図である。
[図7] 筒状部材の端面部を示す断面図であり、(a)面取り加工なしの場合、(b)C面取り加工有りの場合、(c)R面取り加工有りの場合である。
[図8] 本発明に係る変形例1のマスキング治具を示す斜視図である。
[図9] 変形例1の筒状部材における閉曲線を示す説明図である。
[図10] 被塗物における塗布部の幅を(a)W1から(b)W2に変更する様子を示す概略図である。
[図11] 本発明に係る変形例2のマスキング治具を示す斜視図である。
[図12] 本発明に係る変形例3のマスキング治具を示す斜視図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書の実施形態においては、全体を通じて、同一の部材には同一の符号を付している。また、「先(端)」や「前(方)」の用語は、各部材において液体の噴霧方向側を示し、「後(端)」や「後(方)」の用語は、各部材において液体の噴霧方向と反対側を示し、「左」や「右」は、前方から後方を見た場合を示すものとする。
[0011]
 まず、本発明に係る実施形態のマスキング治具30を説明する前に、マスキング治具30を用いる静電噴霧装置10について説明する。図1は、本発明に係る実施形態のマスキング治具30を用いる静電噴霧装置10の全体構成を示す斜視図である。図2は、本発明に係る実施形態のマスキング治具30を用いる静電噴霧装置10の全体構成を示す断面図である。
[0012]
(静電噴霧装置)
 図1及び図2に示すように、静電噴霧装置10は、液体ノズル22を有する液体噴霧部20と、マスキング治具30と、液体噴霧部20に対して異極となる異極部40と液体噴霧部20との間に電圧を印加する電圧印加手段(電圧電源)50と、を備える。
[0013]
 なお、本実施形態では、電圧印加手段(電圧電源)50からの電気配線を被塗物に直接接続して、被塗物自体を異極部40としている場合を示しているが、例えば、被塗物を載置する載置部(図示せず)に電圧印加手段(電圧電源)50からの電気配線を接続して、この載置部を異極部40とし、載置部を介して被塗物が電圧印加手段(電圧電源)50に電気的に接続されるようになっていてもよい。また、「異極」との用語は、いわゆるプラス極(正極)とマイナス極(負極)との関係だけを意味するものではなく、同極であっても高電位と低電位との関係のように、相対的に異極となって電界を形成する場合も意味するものとする。
[0014]
 異極部40となる被塗物(以降、「被塗物40」という。)は、アース手段60でアースされるようになっている。このアース手段60は必須の構成ではないが、被塗物40は、作業者が触れたりすることがあるので安全面から設けることが好ましい。
[0015]
(液体噴霧部)
 図3は、静電噴霧装置10の液体噴霧部20を示す断面図であり、液体噴霧部20だけを示したものである。なお、図3では、液体噴霧部20から後述するように塗料などの液体が噴霧されている状態を合わせて図示したものになっている。
[0016]
 図3に示すように、液体噴霧部20は、液体の供給される液体供給口21aを有する液体流路21bが形成された絶縁性材料からなる胴体部21と、貫通孔が胴体部21の液体流路21bに連通するように胴体部21の先端に設けられる液体ノズル22と、胴体部21の液体流路21b内及び液体ノズル22の貫通孔内に配置される導電性材料からなる心棒23と、を備えている。
[0017]
 胴体部21には、心棒23を後端側に取り出すために、液体流路21bと連通した孔部21cが設けられ、その孔部21c内には、心棒23との間の隙間をシールして液体が漏れないようにするシール部材24が設けられている。なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
[0018]
 そして、孔部21cを通じて胴体部21の後端側に位置する心棒23の後端には、絶縁性材料からなる摘み部23aが設けられているとともに、摘み部23aのほぼ中央を貫通するように設けられた導電性材料からなる電気配線接続部23bが設けられている。
[0019]
 図1及び図2に示すように、電気配線接続部23bには、電圧印加手段50からの電気配線が接続される。そして、図3に示すように、電気配線接続部23bが心棒23に接触するようにされることで心棒23と電気配線接続部23bとが電気的に接続されている。
[0020]
 なお、本実施形態では、心棒23を液体噴霧部20側の電極としているが、例えば、液体噴霧部20の液体ノズル22を導電性材料からなるものとして、この液体ノズル22に電圧印加手段50からの電気配線を接続するようにし、液体ノズル22を液体噴霧部20側の電極としてもよい。
[0021]
 また、胴体部21の後端開口部21dの内周面には、摘み部23aを螺合接続するための雌ネジ構造21eが設けられ、一方、摘み部23aの先端外周面には、雄ネジ構造23cが設けられている。
[0022]
 つまり、胴体部21の後端開口部21dの雌ネジ構造21eに摘み部23aの先端外周面の雄ネジ構造23cを螺合させることで、心棒23が取り外し可能に胴体部21に取り付けられている。また、摘み部23aの螺合量を調節することで心棒23を前後方向に移動させることができ、心棒23の先端面23dの位置を前後方向に調節できるようになっている。
[0023]
 液体ノズル22の先端の開口部22bの開口直径は、0.2mmの大きな開口直径で形成されている。なお、液体ノズル22の開口部22bの開口直径は0.2mmに限定されるものではない。例えば、心棒23を用いる形態においては、開口直径は1.0mm程度であってもよく、目詰まりが起きにくく、また、目詰まりが起きても清掃が容易にできることを考慮すると、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、さらに、0.2mmより大きくすることが好ましい。
[0024]
 一方、液体ノズル22の開口部22bの開口直径は、霧化の安定性を考慮すると、1.0mm以下が好適であり、より好ましくは0.8mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以下とするのがよい。
[0025]
 図4は、液体噴霧部20の先端側を拡大した拡大図であり、図4(a)は、心棒23の先端面23dが後方に位置する場合であり、図4(b)は、図4(a)の状態よりも心棒23の先端面23dが前方に位置する場合である。
[0026]
 図4(a)に示すように液体ノズル22は、開口部22b側に向かってテーパ状に内径が小さくなるテーパ角度がαであるテーパ状の内径部(範囲A参照)を有しており、心棒23は、先端面23dに向かって外径が小さくなるテーパ角度がβであるテーパ形状部(範囲B参照)を有している。
[0027]
 そして、液体ノズル22のテーパ状の内径部のテーパ角度αが、心棒23のテーパ形状部のテーパ角度βよりも大きくされている。また、心棒23の先端面23dの直径は、液体ノズル22の開口部22bの開口直径よりも小さい直径とされているが、心棒23のテーパ形状部は、後端側に向かって徐々に直径が大きくなり、液体ノズル22の開口部22bの開口直径よりも直径の大きい部分を有するように形成されている。
[0028]
 このように、液体ノズル22及び心棒23の先端側を形成することによって、心棒23を前後方向に移動させることで、液体ノズル22と心棒23とで形成される隙間の幅を調節できるようになり、液体ノズル22の開口部22bから出る液体の量を調節することができる。
[0029]
 また、図4(b)で示す状態よりも、さらに、心棒23を前方側に動かすことで、心棒23が液体ノズル22の内周面に当接し、液体ノズル22の開口部22bを閉塞することが可能である。したがって、塗料などの液体を噴霧しない状態において、液体ノズル22の開口部22bを心棒23で閉塞させ、液体ノズル22内の液体が乾燥することを防止することが可能であり、液体ノズル22の目詰まりを抑制できる。
[0030]
(異極部40)
 本実施形態では、上述したように、異極部40として被塗物40を用いた場合を示しており、電圧印加手段(電圧電源)50の心棒23に接続されるのと反対側の電気配線が被塗物40に接続されることで、被塗物40自体が液体噴霧部20に対する異極となるように構成されている。
[0031]
 ただし、例えば、被塗物40が搬送装置などによって、塗料などの液体を塗布する位置に搬送されるような場合には、電圧印加手段50からの電気配線を搬送装置の被塗物40が載置される載置部に接続されているようにして、載置部を介して被塗物40が電圧印加手段50に電気的に接続されるようにしてもよい。
[0032]
 図3に戻って、液体噴霧部20から液体が噴霧される状態について説明を行い、その後、その噴霧される液体が被塗物40の所定の範囲にだけ塗布されるようにするマスキング治具30について説明を行う。
[0033]
 胴体部21の液体供給口21aに供給された液体は、液体ノズル22の先端側に更に供給され、被塗物40(異極部40)と心棒23との間に印加される電圧に伴う静電気力によって、前方側に引っ張られて前方に離脱・霧化する。
[0034]
 なお、液体の供給は、噴霧により消費されることで液体噴霧部20から失われる分の液体が順次供給されていればよく、液体ノズル22の開口部22b(より正確には、開口部22bと心棒23との間の隙間)から液体が噴射するような圧力で圧送供給した場合、かえって霧化ができなくなるようなことが起こる。
[0035]
 そして、心棒23の先端面23d及び液体ノズル22の先端外周縁22aへの表面張力や粘度による付着力に対して、液体を前方に引っ張る静電気力が釣り合うことで、図3に示すように、液体ノズル22の先端側に供給された液体が、その先端で円錐形の形状となるテーラーコーンTCが形成される。
[0036]
 このテーラーコーンTCは、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電した液体ノズル22先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものである。そして、テーラーコーンTCの先端から静電気力によって液体が真直ぐに引っ張られ、その後静電爆発によって広い範囲に液体が噴霧される。
[0037]
 この噴霧される液体、つまり、液体ノズル22から離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため溶媒の気化が促進され、その溶媒の気化に伴って帯電している電子間の距離が近づき、静電反発(静電爆発)が発生して、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
[0038]
 この分裂が起こると、さらに、分裂前に比べ空気に触れる表面積が増えることになるため、溶媒の気化が促進され、上述したのと同様に静電爆発が発生し、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。このような静電爆発が繰り返されることで液体が霧化される。
[0039]
 ここで、本実施形態では、液体ノズル22内に心棒23を設けるようにしているが、心棒23を設けないものとすると、液体が付着できる部分は、液体ノズル22の先端外周縁22aだけとなる。
[0040]
 この場合、液体ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくすると、液体の付着できる部分が、液体ノズル22の先端外周縁22aだけのため、例えば、液体ノズル22の上下左右に液体がふらついたりし易く、きれいなテーラーコーンTCが形成できなくなったり、また、テーラーコーンTC自体が維持できなくなったりするため、液体ノズル22から離脱する液体粒子の安定性(粒子の大きさ、数、及び、帯電状態などの安定性)が得られなくなり、結果、液体の安定した霧化ができなくなるものと推察される。
[0041]
 そこで、本実施形態では、液体ノズル22内に心棒23を配置しており、液体ノズル22の先端外周縁22aだけでなく、心棒23の先端面23dとの間でも液体は付着する。したがって、液体ノズル22の開口部22bの開口直径が大きくても、開口部22bの中央部に液体が付着できる心棒23の先端面23dが存在するため、安定したテーラーコーンTCを形成することができ、液体の安定した霧化ができるようになっているものと考えられる。
[0042]
 なお、心棒23の先端面23dが液体ノズル22の先端外周縁22a(つまり、液体ノズル22の開口部22bの先端面)から前方に出過ぎると液体ノズル22から出る液体に電場が作用し難くなり、一方、心棒23の先端面23dが液体ノズル22の開口部22bの先端面から後方に引っ込み過ぎると、開口部22bの中央部に液体が付着できる部分が存在しないのと同じ状態となる。
[0043]
 このことから、心棒23の先端面23dの位置は、液体を噴霧する状態において、液体ノズル22の開口部22bの先端面を基準にして、心棒23の中心軸に沿った前後方向で、液体ノズル22の先端の開口部22bの開口直径の10倍以内に位置することが好適であり、より好ましくは5倍以内に位置することが好適であり、更に好ましくは3倍以内に位置することが好適である。
[0044]
 例えば、本実施形態では、液体ノズル22の開口部22bの開口直径が0.2mmであり、静電気力を考慮しない場合、液体ノズル22の開口部22bから出た液体は、液体ノズル22の先端で直径が約0.2mmの半球状となるように出てくる。
[0045]
 そして、この液体ノズル22の先端に出てきた液体に電場(静電気力)が作用して円錐状のテーラーコーンTCが形成できるように、心棒23の先端は、この液体の近くに存在するのがよい。そこで、液体ノズル22の開口部22bの先端面から前方(出る方向)に2mm以内に位置するようにするのが好適であり、一方、液体の付着に作用するように、心棒23の先端が液体ノズル22の開口部22bの先端面から後方(引っ込む方向)に2mm以内に位置するようにするのが好適である。
[0046]
 このように、心棒23を設けることによって、液体ノズル22の開口部22bの開口直径を、目詰まりが抑制できるような大きな開口直径にすることができる。また、液体ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくできるため、機械加工で液体ノズル22を製作することができる。
[0047]
 なお、本実施形態では、心棒23の先端が先端面23dとして平坦な平面としている場合を示しているが、必ずしも、心棒23の先端が平坦な平面である必要はなく、安定したテーラーコーンTCの形成に寄与すればよいので、例えば、心棒23の先端はR形状のように、前方側に向かって突出する曲面になっていてもよい。
[0048]
 このようにして、液体噴霧部20(液体ノズル22)から噴霧された液体は、静電爆発を繰り返しながら霧化液体となり、この微粒化した液体は電荷を帯びた状態であるため、被塗物40(異極部40)側に静電気力で引き寄せられて、被塗物40に塗布することになる。
[0049]
(被塗物)
 ここで、被塗物40について説明すると、被塗物40は、ワイヤ、棒材やパイプ材など、長手方向に直交する方向の断面形状が、長手方向において同一の長尺物(長手方向の各位置における断面形状が同一の長尺物)であり、本実施形態では、丸棒又は丸パイプであり(図5参照)、後述する変形例1では、角棒又は角パイプである(図8参照)。なお、被塗物40における塗布部41及び非塗布部42の最大外径D3(外形D3)は、例えば3mm以下であり、0.1mm程度の微小なものであってもよい。
[0050]
(マスキング治具)
 図1-2,5-7を参照して、マスキング治具30について説明する。図5は、本発明に係る実施形態のマスキング治具30を示す斜視図である。図6は、実施形態の筒状部材31における閉曲線CCを示す説明図である。図7は、筒状部材31の端面部を示す断面図であり、(a)面取り加工なしの場合、(b)C面取り加工有りの場合、(c)R面取り加工有りの場合である。
[0051]
 マスキング治具30は、図5に示すように、被塗物40を保持する筒状部材31と、筒状部材31を支持する支持部材32とを、少なくとも備えている。これらの筒状部材31及び支持部材32は、それぞれ別体で形成されており、筒状部材31に支持部材32が着脱可能又は不能に取り付けられている。
[0052]
 この筒状部材31は、内側に被塗物40の非塗布部42が挿入可能なように、金属製パイプなどの導電性材料を用いて、所定の長さの円筒状に形成されているが、これに限らず、炭素や金属などの導電性物質が配合された半導電性樹脂材料を用いて形成されてもよい。
[0053]
 また、筒状部材31は、図7(a)に示すように、筒状部材31の中心に直交する平面で切断されており、その端面、すなわち、内面31bと外面31cとを繋ぐ接続面31aは円形リング状となる。ここで、接続面31aにおける内面31bと外面31cとの間の筒状部材31の中心軸に垂直な方向の離間距離tは、2mm以下であるとよい。この場合、離間距離tは、筒状部材31の厚みに等しくなる。
[0054]
 また、接続面31aと内面31bとの境界部には、閉曲線CCが形成されている(図6も参照)。ここで閉曲線CCは、文字通り、両端が一致した(両端のない)閉じた曲線を意味し、閉曲線CCを平面に配置(投射)した場合に、内側領域と外側領域に分けるもので、代表的には、本実施形態の円形であるが、楕円形なども含まれ、また、厳密には曲線ではなく閉折れ線(有限線分鎖で囲む図形)である、三角形や後述する変形例1における四角形(矩形)などの多角形も含まれる。さらに、この閉曲線CCは、厳密な意味での線(すなわち、幅を有さない線)ではなく、内面31bと外面31cとの間の筒状部材31の中心軸に垂直な方向の離間距離tに対して問題ないくらい小さいC面取り又はR面取りされた面(すなわち、小さい幅を有する線)であってもよい。ただし、閉曲線CCは、その重心を回転中心とする回転対称のものが好ましい。
[0055]
 筒状部材31は、上述したように被塗物40の非塗布部42が挿入されるため、被塗物40の寸法・形状に応じて設計されるが、直径d3は、被塗物40の外形(外径)よりも若干大きく、また、閉曲線CCと被塗物40の非塗布部42(及び/又は塗布部41)の外径D4との間の最大隙間Gが1mm以下となるように形成される(図6参照)。
[0056]
 例えば、円柱状の被塗物40の外径が3mmの場合、筒状部材31における、閉曲線CCは円形となり、直径d3は被塗物40の外径3mmよりも大きく4mm以下であり、円筒の厚みtは最大で2mm以下である。つまり、閉曲線CCの直径d3は4mm以下であり、内面31bと外面31cとの間の筒状部材31の中心軸に垂直な方向の離間距離tが2mm以下である。このとき、筒状部材31の最大外径D3は8mmとなる。
[0057]
 なお、筒状部材31の端面は、図7(b)に示すように、内面31bと接続面31aの角度が60°以下となるC面取り加工が施されてもよく、あるいは、図7(c)に示すように、R面取り加工が施されてもよい。このように筒状部材31の端面にC面取り加工又はR面取り加工を施すことで、接続面31aを液体噴霧部20に対する異極部40とするときには、塗布部41と非塗布部42との境界43付近である筒状部材31の端面付近において、内面31bと外面31cとの間の筒状部材31の軸に垂直な方向の有効離間距離tcを、内面31bと外面31cとの間の接続面31aに沿った見掛け離間距離taよりも、かつ筒状部材31の厚みtよりも実質的に小さくすることができ、これによって、筒状部材31が導電性材料で形成されている場合、塗布部41へ向かう霧化粒子を接続面31aに引き寄せることが少なくなり、境界43付近の塗布部41の塗布量が少なくなることを防止できる。
[0058]
 ただし、有効離間距離tcは、筒状部材31の中心軸に沿って切断した断面視で、閉曲線CCが形成された地点(接続面31aと内面31bとの境界部の点)から筒状部材31の厚みtだけ離間した接続面31a上の地点Tにおける内面31bまでの距離である。別の表現をすれば、有効離間距離tcは、筒状部材31を中心軸に沿って切断した断面視において、閉曲線CCが形成された地点(接続面31aと内面31bとの境界部の点)を中心として、筒状部材31の厚みt(上述の離間距離t)を半径とする円を描いたときに、接続面31aに交差する地点(交点)Tから内面31bに垂線を下ろした地点までの距離である。また、この有効離間距離tcは2mm以下であるのが好ましい。
[0059]
 つまり、筒状部材31の中心軸に沿った断面視において、図7(a)における接続面31aに沿った離間距離tよりも、図7(b)及び図7(c)における接続面31aに沿った見掛け離間距離taは、大きく(長く)なるが、後者の場合の接続面31aは、前者の場合と異なり、筒状部材31の中心軸に直交する平面に沿って延びておらず、閉曲線CCが存在する、筒状部材31の中心軸に直交する平面から離れる方向に延びているため、接続面31aの全体が異極部40とはならず、有効離間距離tcの範囲だけが異極部40となる。なお、図7(a)のように、接続面31aが筒状部材31の中心軸に垂直な方向に沿って形成されている場合の有効離間距離tcは、離間距離t(すなわち、筒状部材31の厚みt)に等しくなるから、上述した実施形態の離間距離tは、有効離間距離tcと言い換えることができる。
[0060]
 被塗物40における塗布部41と非塗布部42との境界43をくっきりさせるためには、筒状部材31の端面は、上述のように、筒状部材31の端部を、中心軸に直交する平面で切断し、閉曲線CCが円形となるものがよいが、中心軸に所定の角度で交差する平面で切断し、閉曲線CCが楕円形となるようなものであってもよく、端面を含む円筒面の一部を切り欠いたようなものであってもよい(この場合、閉曲線CCは、1つの平面でなく、2つ又は3つの平面にまたがる(3次元空間の)曲線となる)。
[0061]
 ところでアース手段60は、被塗物40に接続されていればよく、図1中の実線(i)で示すように直接被塗物40に接続することもできる。あるいは、アース手段60は、図1中の一点鎖線(ii)で示すようにマスキング冶具30の導電部(例えば、筒状部材31)を介して被塗物40に間接的に接続することもできる。この場合、アース手段60は、左右両方のマスキング冶具30の導電部に接続されてもよい。
[0062]
(変形例1)
 ここで、変形例1のマスキング治具130について説明する。図8は、本発明に係る変形例1のマスキング治具130を示す斜視図である。図9は、変形例1の筒状部材131における閉曲線CCを示す説明図である。
 変形例1のマスキング治具130は、角棒又は角パイプ状の被塗物140を保持するもので、筒状部材131は、角パイプ状とされる点で上記実施形態のマスキング治具30と異なるものであり、筒状部材131が導電性材料で形成されている点や支持部材132など他の構成は、実施形態と同様であるから、説明を省略する。
[0063]
 この筒状部材131の端部の閉曲線CCは、図9に示すように、内周の幅がD3で、内周の高さがh3で、厚みがtである矩形枠状である。この場合も、閉曲線CCと被塗物140の外周との最大隙間Gが、1mm以下となるように設計されるとよい。
[0064]
 このように、マスキング治具30,130の筒状部材31,131は、被塗物40,140の形状に応じて、所定の隙間Gを形成する閉曲線CCを選択することで、被塗物40が挿入し易くなる。また、筒状部材31,131に挿入保持され、外部から遮蔽された被塗物40,140の部分は非塗布部42となり、液体噴霧部20で液体を噴霧することで、遮蔽されていない部分が塗布部41となる。
[0065]
 つぎに、マスキング治具30を2つ用いた静電噴霧装置10による静電噴霧方法について説明する。図10は、被塗物40における塗布部41の幅を(a)W1から(b)W2に変更する様子を示す概略図である。なお、マスキング治具30の支持部材32は、図示されない作業台に固定されている。
[0066]
 図10(a)において、長尺丸棒の被塗物40は、塗布部41の幅、すなわち筒状部材31同士の間隔がW1となる状態で、2つのマスキング治具30で保持されている。また、液体噴霧部20は、液体噴霧部20の軸心が筒状部材31の中心軸と直交する軸方向になるように、塗布部41に対向して配置されていることが望ましいが、液体噴霧部20の軸心が筒状部材31の中心軸に対して、80°から120°程度の範囲で傾斜していてもよい。
[0067]
 そして、塗布部41の幅をW2に変更する場合は、図10(b)のように、左右の一方又は両方のマスキング治具30を移動させて、筒状部材31同士の間隔がW2となるように固定する。
[0068]
 そして、マスキング治具30の筒状部材31と被塗物40とは、嵌合状態で挿入されているのではなく、隙間Gを有した状態(摺動可能な状態)で挿入保持されているため、被塗物40の挿入後であっても、マスキング治具30を移動させることができ、容易に塗布部41の幅を変更することができる。なお、筒状部材31同士の間隔W1が、液体噴霧部20の塗布範囲よりも広い場合は、液体噴霧部20を移動(又はオシレート)させながら塗布したり、位置を替えて塗布したりするとよい。
[0069]
 このように、マスキング治具30は、2つ組合せて使用することが多いが、マスキング治具30を3つ以上使用すると、塗布部41と塗布部41の間に、非塗布部42を形成することができる。もちろん、図5,7のように、マスキング治具30,130を単独で使用することも可能であり、被塗物40,140の一方側の端部付近のみを塗布部41とすることも、両端部付近を塗布部41とすることもできる。
[0070]
 (変形例2)
 つづいて、単独で使用する変形例2のマスキング治具230について説明する。図11は、本発明に係る変形例2のマスキング治具230を示す斜視図である。
 上記実施形態及び変形例1及び2では、被塗物40,140の形状が、断面形状が長手方向において同一の長尺物であったが、図11に示す被塗物240のように、ニードル、ピン、シャフト、ネジなど不定形なものであってもよい。
[0071]
 この被塗物240は、ストレート部240a、テーパ部240b、フランジ部240cとで形成されている。なお、ストレート部240aは、雄ネジが刻設されていてもよい。
[0072]
 マスキング治具230は、被塗物240のストレート部240aのみが筒状部材231の端面から突出するように、被塗物240を保持している。これにより、ストレート部240aを塗布部241とし、テーパ部240b及びフランジ部240cを非塗布部242とすることができる。支持部材232など他の構成は、実施形態と同様であるから、説明を省略する。
[0073]
 以上説明したとおり、本発明に係る実施形態のマスキング治具30は、被塗物40における液体を塗布しない非塗布部42を覆う導電性材料からなる筒状部材31を備え、筒状部材31は、内面31bと、外面31cと、端面付近において内面31bと外面31cとを繋ぐ接続面31aと、を有し、接続面31aと内面31bとの境界部に閉曲線CCが形成され、閉曲線CCは、非塗布部42の外周より大きく、被塗物40が挿入可能なものである。これにより、被塗物40を、筒状部材31の内側に挿入するだけで、塗布準備が完了するため、被塗物40に対するマスキング作業性を向上させるマスキング治具30を提供することができる。
[0074]
 また、本発明に係る実施形態の静電噴霧装置10は、液体噴霧部20と、液体噴霧部20に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力によって液体を帯電状態で液体噴霧部20から離脱させ、被塗物40に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置10であって、導電性材料から形成されるとともに、被塗物40における液体を塗布しない非塗布部42を覆う筒状部材31を備えるマスキング治具30を有し、筒状部材31は、内面31bと、外面31cと、端面付近において内面31bと外面31cとを繋ぐ接続面31aと、を有し、接続面31aと内面31bとの境界部に閉曲線CCが形成され、閉曲線CCは、非塗布部42の外周より大きく、被塗物40が挿入可能であり、液体噴霧部20は、筒状部材31の中心軸に直交する軸方向に配置されるものである。これにより、液体噴霧部20から噴霧された液滴は、被塗物40付近では、筒状部材31の軸線にほぼ直角で被塗物40の方向に進み、被塗物40に塗布されるため、筒状部材31の軸線方向である、被塗物40と閉曲線CCとの間の隙間Gが延びる方向に液滴が侵入することはほとんどなく、被塗物40と筒状部材31との間に隙間Gがある状態でも、非塗布部42と塗布部41との境界43を明瞭に形成することができる。
[0075]
 このように、筒状部材31が導電性材料で形成される場合、閉曲線CCと非塗布部42の外周との最大隙間Gが1mm以下であると、静電霧化された液体が、この隙間Gに入り込むことがなく、被塗物40における液体を塗布する塗布部41と液体を塗布しない非塗布部42との境界43を更に明瞭に形成することができる。
[0076]
 また、筒状部材31が導電性材料で形成される場合、被塗物40がアース手段60に接続されるとともに、筒状部材31もアース手段60に接続され、接続面31aが液体噴霧部20に対して異極部40となっている場合に、有効離間距離tcが2mmを超えるような広い接続面31aのマスキング治具30では、塗布部41の接続面31a付近に達した液滴は、接続面31aの方向(側)に吸着されてしまうため、被塗物40の接続面31a(境界43)付近の塗布が阻害されることが起こり得る。
[0077]
 (変形例3)
 図12は、本発明に係る変形例3のマスキング治具330を示す斜視図である。
 変形例3のマスキング治具330は、導電性材料を用いて形成された筒状部材331と、筒状部材331の外周に設けられ、絶縁性材料を用いて形成された絶縁保護部材333と、これらを支持する支持部材332と、を備えている。
[0078]
 この絶縁保護部材333は、筒状部材331の端面付近を除いた部分を保護している。言い換えると、少なくとも閉曲線CCは外部に露出されている。このようなマスキング治具330で被塗物40を保持する場合、静電霧化のための電界は、液体噴霧部20と、被塗物40及び筒状部材331の端面付近との間に形成されるだけであり、支持部材332や絶縁保護部材333との間には形成されないため、静電霧化された液体が、支持部材332や絶縁保護部材333に付着することがない。また、筒状部材331のうち閉曲線CC及び接続面331aを除いた部分、つまり筒状部材331の外周面すべてを、絶縁保護部材333で覆ってもよい。
[0079]
 なお、マスキング治具330を角棒状の被塗物140に適用する場合は、筒状部材331及び絶縁保護部材333を、角パイプ状に形成するとよい。
[0080]
 (変形例4)
 上記実施形態及び変形例1及び2のマスキング治具30,130,230では、筒状部材31,131,231が導電性材料を用いて形成されていたが、絶縁性材料を用いて、筒状部材31,131,231を形成する場合にも適用できる。なお、変形例4においては、筒状部材31,131,231を形成する材料が異なるのみであり、形状及び構造が異なるものではないから、各構成の説明は省略する。
[0081]
 例えば、絶縁性材料を用いて筒状部材31を形成することで、接続面31aを液体噴霧部20に対して異極部40とすることなく、接続面31aを帯電させる場合、塗布部41と非塗布部42との境界43付近である筒状部材31の端面付近において、内面31bと外面31cの間の有効離間距離tcを実質的に小さいので、これによって塗布部41へ向かう霧化粒子を、接続面31aから遠ざけることが少なくなり、境界43付近の塗布部41の塗布量が少なくなることを防止できる。
[0082]
 この場合、上記実施形態と異なり、閉曲線CCと非塗布部42の外周との最大隙間Gは、2mm以下まで大きくすることができる。このように、閉曲線CCと非塗布部42の外周との最大隙間Gが2mmになったとしても、静電霧化された液体が、この隙間Gに入り込むことがなく、被塗物40における液体を塗布する塗布部41と液体を塗布しない非塗布部42との境界43を更に明瞭に形成することができる。
[0083]
 ただし、筒状部材31が絶縁性材料で形成され、有効離間距離tcが2mmを超えるような広い接続面31aの場合、塗布部41の接続面31a付近に達した液滴は、接続面31aの帯電により、接続面31aから離れる方向(側)に静電力を受け、押されてしまうため、被塗物40の接続面31a付近の塗布が阻害されることが起こり得る。さらに、この接続面31aの帯電状態によって、接続面31aから液滴が受ける静電力は変化するため、周囲環境の湿度などの影響で不安定なマスキングとなってしまうことがある。
[0084]
 上記実施形態では、筒状部材31は、内面31bと、外面31cとが平行になっていたが、必ずしも内面31bと、外面31cが平行である必要はなく、例えば支持部材32に向かって徐々に厚みが厚くなったり薄くなったり、段状に厚くなったり薄くなったりしていてもよい。なお、変形例1~4の筒状部材131,231,331についても、同様のことがいえる。
[0085]
 上記実施形態及び変形例では、被塗物40,140,240は定尺の長尺物又は短尺物であったが、被塗物として巻芯に巻回されたワイヤなどを巻き戻し、断続的に供給される不定長の長尺物(実質的に無端長尺物)を適用してもよい。
[0086]
 上記実施形態及び変形例では、異極部40が被塗物40であったが、液体噴霧部20の液体ノズル22近傍に液体を帯電状態で離脱させるのを促進する追加の異極部40を設けるようにしてもよい。
[0087]
 以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態および変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。このように、本発明は、具体的な実施形態及び変形例に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
[0088]
 上述した実施形態から、少なくとも以下の形態が把握される。
 (1)一形態によれば、液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力によって液体を帯電状態で前記液体噴霧部から離脱させ、被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置に用いるマスキング治具であって、 前記被塗物における液体を塗布しない非塗布部を覆う筒状部材を備え、 前記筒状部材は、内面と、外面と、端面付近において前記内面と前記外面とを繋ぐ接続面と、を有し、前記接続面と前記内面との境界部に閉曲線が形成され、 前記閉曲線は、前記非塗布部の外周より大きく、前記被塗物が挿入可能である、 ことを特徴とするマスキング治具が提供される。 一形態によれば、ノズルを有する液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して前記ノズルの先端にテーラーコーンを生成し、前記テーラーコーンの先端から液体を離脱させ静電爆発で霧化をおこなう静電気力を発生させる電圧印加手段と、を備え、被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置に用いるマスキング治具であって、 前記被塗物における液体を塗布しない非塗布部を覆う筒状部材を備え、 前記筒状部材は、内面と、外面と、端面付近において前記内面と前記外面とを繋ぐ接続面、を有し、前記接続面と前記内面との境界部に閉曲線が形成され、 前記閉曲線は、前記非塗布部の外周より大きく、前記被塗物が挿入可能であるマスキング治具が提供される。
[0089]
(2)上記(1)の形態において、前記筒状部材は、絶縁性材料から形成された部分を有してもよい。
[0090]
(3)上記(2)の形態において、前記閉曲線と前記非塗布部の外周との最大隙間は、2mm以下であってもよい。
[0091]
(4)上記(1)の形態において、前記筒状部材は、導電性材料又は半導電性材料から形成された部分を有してもよい。
[0092]
(5)上記(4)の形態において、前記閉曲線と前記非塗布部の外周との最大隙間は、1mm以下であってもよい。
[0093]
(6)上記(4)又は(5)の形態において、前記筒状部材は、前記接続面を除いた部分が絶縁性材料で覆われてもよい。
[0094]
(7)上記(1)から(6)までのいずれか1つの形態において、前記筒状部材の軸に沿った断面視で、前記閉曲線が形成された地点から前記筒状部材の厚みだけ離間した前記接続面上の地点における前記内面までの距離は、2mm以下であってもよい。
[0095]
(8)上記(1)から(7)までのいずれか1つの形態において、前記被塗物は、長手方向の各位置における断面形状が同一の長尺物であってもよい。
[0096]
(9)上記(1)から(8)までのいずれか1つの形態において、前記被塗物は、前記非塗布部の最大外径が3mm以下であってもよい。
[0097]
 (10)一形態によれば、 被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置であって、 ノズルを有する液体噴霧部と、 前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して前記ノズルの先端にテーラーコーンを生成し、前記テーラーコーンの先端から液体を離脱させ静電爆発で霧化をおこなう静電気力を発生させる電圧印加手段と、 前記被塗物における液体を塗布しない非塗布部を覆う筒状部材を備える、請求項1から12までのいずれか1項に記載のマスキング治具と、を備える、静電噴霧装置が提供される。
[0098]
 (11)上記(10)の形態において、前記液体噴霧部は、前記筒状部材の中心軸に直交する軸方向に配置される。
[0099]
 (12)上記(10)又は(11)の形態において、前記被塗物が異極部として機能するとともに、前記ノズル近傍に液体を帯電状態で離脱させるのを促進する追加の異極部が設けられている。
 一形態によれば、 液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力によって液体を帯電状態で前記液体噴霧部から離脱させ、被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置であって、 前記被塗物における液体を塗布しない非塗布部を覆う筒状部材を備えるマスキング治具を有し、 前記筒状部材は、内面と、外面と、端面付近において前記内面と前記外面とを繋ぐ接続面と、を有し、前記接続面と前記内面との境界部に閉曲線が形成され、 前記閉曲線は、前記非塗布部の外周より大きく、前記被塗物が挿入可能であり、 前記液体噴霧部は、前記筒状部材の中心軸に直交する軸方向に配置される、 ことを特徴とする静電噴霧装置が提供される。
[0100]
 上述の実施形態によれば、被塗物に対するマスキング作業性を向上させるマスキング治具及び静電噴霧装置を提供することができる。
[0101]
 本願は、2018年11月30日出願の日本特許出願番号2018-225888号に基づく優先権を主張する。2018年5月18日出願の日本特許出願番号2018-096620号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書を含む全ての開示内容は、参照により全体として本願に組み込まれる。
[0102]
 特開2016-221433号公報(特許文献1)の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書を含む全ての開示は、参照により全体として本願に組み込まれる。

符号の説明

[0103]
10  静電噴霧装置
20  液体噴霧部
 21  胴体部、21a 液体供給口、21b 液体流路、21c 孔部、21d 後端開口部、21e 雌ネジ構造
 22  液体ノズル、22a 先端外周縁、22b 開口部
 23 心棒、23a 摘み部、23b 電気配線接続部、23c 雄ネジ構造、23d 先端面
 24 シール部材
30  マスキング治具
 31  筒状部材、31a 接続面、31b 内面、31c外面、CC 閉曲線、D3 外径(幅)、d3 直径、tc 有効離間距離、t 離間距離(幅又は厚み)、ta 見掛け離間距離、h3 高さ、T 地点
 32  支持部材
40  異極部(被塗物)、D4 外径
 41  塗布部
 42  非塗布部
 43  境界
130,230,330 マスキング治具
 131,231,331  筒状部材、131a,231a,331a  接続面
 132,232,332  支持部材
 333  絶縁保護部材
140,240 被塗物
 240a ストレート部、240b テーパ部、240c フランジ部
 241  塗布部
 242  非塗布部
50  電圧印加手段
60  アース手段
TC  テーラーコーン
G   隙間

請求の範囲

[請求項1]
 ノズルを有する液体噴霧部と、前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して前記ノズルの先端にテーラーコーンを生成し、前記テーラーコーンの先端から液体を離脱させ静電爆発で霧化をおこなう静電気力を発生させる電圧印加手段と、を備え、被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置に用いるマスキング治具であって、
 前記被塗物における液体を塗布しない非塗布部を覆う筒状部材を備え、
 前記筒状部材は、内面と、外面と、端面付近において前記内面と前記外面とを繋ぐ接続面と、を有し、前記接続面と前記内面との境界部に閉曲線が形成され、
 前記閉曲線は、前記非塗布部の外周より大きく、前記被塗物が挿入可能である、
 ことを特徴とするマスキング治具。
[請求項2]
 前記筒状部材は、絶縁性材料から形成された部分を有する、
 ことを特徴とする請求項1に記載のマスキング治具。
[請求項3]
 前記閉曲線と前記非塗布部の外周との最大隙間は、2mm以下である、
 ことを特徴とする請求項2に記載のマスキング治具。
[請求項4]
 前記筒状部材は、導電性材料又は半導電性材料から形成された部分を有する、
 ことを特徴とする請求項1に記載のマスキング治具。
[請求項5]
 前記閉曲線と前記非塗布部の外周との最大隙間は、1mm以下である、
 ことを特徴とする請求項4に記載のマスキング治具。
[請求項6]
 前記筒状部材は、前記接続面を除いた部分が絶縁性材料で覆われている、
 ことを特徴とする請求項4又は5に記載のマスキング治具。
[請求項7]
 前記筒状部材の軸に沿った断面視で、前記閉曲線が形成された地点から前記筒状部材の厚みだけ離間した前記接続面上の地点における前記内面までの距離は、2mm以下である、
 ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のマスキング治具。
[請求項8]
 前記被塗物は、長手方向の各位置における断面形状が同一の長尺物である、
 ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載のマスキング治具。
[請求項9]
 前記被塗物は、前記非塗布部の最大外径が3mm以下である、
 ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載のマスキング治具。
[請求項10]
 被塗物に霧化液体を噴霧する静電噴霧装置であって、
 ノズルを有する液体噴霧部と、
 前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して前記ノズルの先端にテーラーコーンを生成し、前記テーラーコーンの先端から液体を離脱させ静電爆発で霧化をおこなう静電気力を発生させる電圧印加手段と、
 前記被塗物における液体を塗布しない非塗布部を覆う筒状部材を備える、請求項1から9までのいずれか1項に記載のマスキング治具と、
を備える、静電噴霧装置。
[請求項11]
 前記液体噴霧部は、前記筒状部材の中心軸に直交する軸方向に配置される、
請求項10に記載の静電噴霧装置。
[請求項12]
 前記被塗物が異極部として機能するとともに、前記ノズル近傍に液体を帯電状態で離脱させるのを促進する追加の異極部が設けられている、
請求項10又は11に記載の静電噴霧装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]