Traitement en cours

Veuillez attendre...

Paramétrages

Paramétrages

Aller à Demande

1. WO2020065703 - SOURCE D'ÉLECTRONS À ÉMISSION DE CHAMP THERMIQUE ET DISPOSITIF D'APPLICATION DE FAISCEAU D'ÉLECTRONS

Document

明 細 書

発明の名称 熱電界放出電子源および電子ビーム応用装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

非特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011  

発明の効果

0012   0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015  

実施例 1

0016   0017   0018   0019  

実施例 2

0020   0021   0022  

実施例 3

0023  

実施例 4

0024   0025   0026   0027  

実施例 5

0028   0029  

実施例 6

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036  

符号の説明

0037  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 熱電界放出電子源および電子ビーム応用装置

技術分野

[0001]
 本発明は、電子顕微鏡をはじめとした電子線ビーム応用装置に用いるための電子源、または電子源を搭載する電子ビーム応用装置に関する。

背景技術

[0002]
 微細な構造の可視化には走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)が広く用いられている。SEMは、金属などの材料の形態観察や生体試料の微細な形状や形態の観察の他、半導体微細パターンの寸法検査や欠陥検査等にも用いられている。SEMでは、電子線を測定試料に照射しながら走査し、測定試料から放出される信号電子(二次電子または反射電子)を検出することで走査像(SEM像)を得る。
[0003]
 SEM像を得る際の重要なポイントのひとつは電子源から放出される電子ビームを一定に保つことである。というのも、放出される電子量が減少すると、一般的には試料に照射される電流も減少し、得られるSEM像の明るさが低下する。SEM像の明るさが低下することは信号電子量が減少したことにほかならず、信号ノイズ比が低下することにより明るさだけでなく像のざらつきも大きくなる。このざらつきが増加するとSEM像の視認性が低下する。また得られたSEM像を用いて検査を行う場合には検査精度が低下する問題を引き起こすおそれがある。
[0004]
 電子源から放出される電流量を安定に保つため、これまでは真空度の向上がなされてきた。電子ビームを得る方法として、電子放出源を加熱して得られる熱電子と電子放出源に高い電圧を印加することで得られる電界放出電子があるが、いずれの場合も電子源は真空中に設置される。熱電子源では真空中の残ガスが加熱された電子源と反応することでその表面構造が変化することにより、放出電流量が変化する。一方、電界放出電子源では表面に吸着した真空中の残ガス分子によって表面からの電子放出のしやすさ(仕事関数)が変化することにより、放出電流量が変化する。
[0005]
 真空度を向上するため、真空に接する面からの放出ガスを低減する方法が良く知られている。たとえば、特許文献1には、真空に接する面積の広い真空チャンバー側面をガス放出の少ない材料で被覆することが開示されている。また、特許文献2には電子照射によって発生するガスを抑制するため、電子線が照射される引出電極や加速電極をガス放出の少ない材料で被覆することが開示されている。また、非特許文献1や特許文献3に開示されているように、ベーキングと呼ばれる、電子銃を構成する部品を昇温することで脱ガスを促し、室温冷却時の真空度を高める方法が一般に行われている。このベーキングのため、一般的に超高真空を構成する部品には、耐熱性のある金属およびセラミックスが多用されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開昭62-126600号公報
特許文献2 : 特開2003-100244号公報
特許文献3 : 特開2008-140623号公報

非特許文献

[0007]
非特許文献1 : 堀越源一著、「真空技術」、第3版、東京大学出版会、1994年、p.156-162

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 熱電界放出電子源は先鋭化された高融点金属ワイヤを電子源本体とし、その電子源を加熱するためのフィラメント、電子を引き出すための引出電極、所望の加速まで電子を加速するための加速電極のほか、加熱されたフィラメントから放出される熱電子が試料照射電流に混入しないように電子源よりも上流に電極(サプレッサ電極)が設置される。サプレッサ電極の役割はフィラメントからの熱電子を押し戻すことであるため、サプレッサ電極は、電子源およびフィラメントを囲うように設置され、さらに電子源およびフィラメントに対して負の電位が印加されることが特徴的である。従来、サプレッサ電極の表面積はチャンバー内壁に対して十分に小さく、ガス放出量は小さいと考えられ、さらに引出電極や加速電極とは異なり電子源に対して負電位とされることで電子が照射されないことから、電子線照射による脱ガス量もほとんどないと考えられていた。このため、サプレッサ電極が真空を劣化させる原因として着目されることはなかった。
[0009]
 しかし、発明者らはサプレッサ電極からの脱ガスにも注目すべきことを見出した。なぜなら、電子を放出するために高温に加熱された電子源およびフィラメントからは強い光が発せられており、その輻射熱によりサプレッサ電極が強く加熱されていることが新たにわかったためである。図1に電子源動作時間とサプレッサ電極の温度との関係を示す。サプレッサ電極が電子源動作により加熱され、200℃程度まで加熱されていることがわかる。また、図2に、サプレッサ電極を昇温したときに発生するガスの種類と放出量とを分析した結果を示す。図では代表的なガス種として、H 、H O、CO、CO を示している。各ガス種において複数の波形が示されているのは、ガス放出量のばらつきを示すものである。サプレッサ電極がおよそ200℃まで加熱されるとすると、ガス種によっては室温の100倍ものガスが発生することがわかった。このことから、電子源から放出される電流量を不安定化させる原因として、サプレッサ電極からの脱ガスが新たに認識された。

課題を解決するための手段

[0010]
 針状の電子源と、電子源が固定され、電子源を加熱する金属線と、絶縁碍子に固定され、金属線に通電するステムと、第1の開口部を有し、第1の開口部より電子源の先端が突出するように配置される第1の電極と、第2の開口部を有する第2の電極と、第1の開口部の中心軸と第2の開口部の中心軸とが一致するように第1の電極と第2の電極とを位置決めし、第1の電極と第2の電極との電気的絶縁をとる絶縁体を有する熱電界放出電子源に対して、第1の電極が加熱されることにより放出されるガス量を低減する構造を設ける。
[0011]
 また、かかる構造を有する熱電界放出電子源を用いた電子ビーム応用装置である。

発明の効果

[0012]
 熱電界放出電子源から放出される電子ビームの量を安定化できる。
[0013]
 その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 電子源動作時間とサプレッサ電極の温度との関係を示す図である。
[図2] サプレッサ電極から放出されるガスの種類と放出量を示す図である。
[図3] 実施例1の熱電界放出電子源の模式図である。
[図4] 実施例2の熱電界放出電子源の模式図である。
[図5] 実施例3におけるサプレッサ電極の冷却構造と電圧印加構造を示す模式図である。
[図6] 実施例4の熱電界放出電子源の模式図である。
[図7] 実施例5におけるサプレッサ電極を示す図である。
[図8] 実施例5による放出ガス量低減効果を示す図である。
[図9] 実施例6におけるサプレッサ電極を加熱する構造を示す図である。
[図10] サプレッサ電極への熱伝導を低減する構造を示す図である。
[図11] サプレッサ電極への熱伝導を低減する構造を示す図である。
[図12] サプレッサ電極への熱伝導を低減する構造を示す図である。
[図13] サプレッサ電極への熱伝導を低減する構造を示す図である。
[図14] 電子ビーム応用装置の概略構成図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
実施例 1
[0016]
 図3に実施例1の熱電界放出電子源の模式図を示す。絶縁碍子305に2本固定されたステム303に対して、フィラメント(金属線)302の両端部付近がスポット溶接されている。湾曲されたフィラメント302の中央部には電子源301がスポット溶接されている。電子源301は例えば、単結晶タングステン棒であり、一端が鋭く尖らせた針状とされ、他端がフィラメント302に溶接されている。フィラメント302は例えばタングステンであり、ステム303を介して通電され、電子源301を加熱する。絶縁碍子305、ステム303、フィラメント302及び電子源301はサプレッサ電極304により覆われている。サプレッサ電極304は、逆向きのカップ型構造でカップ底の中央部分に円形の開口部304aがある。電子源301は、この開口部304aからその先端部分が突き出すように配置される。さらに、サプレッサ電極304を覆うように、引出電極306が設けられている。引出電極306とサプレッサ電極304との間には絶縁体307が配置され、引出電極306とサプレッサ電極304との間の電気的絶縁がとられるとともに、絶縁体307により引出電極306の開口部306aの中心軸とサプレッサ電極304の開口部304aの中心軸とが一致するよう、位置決めがなされている。なお、引出電極306には、電子源301またはフィラメント302に対して正の電位が印加され、サプレッサ電極304には、電子源301またはフィラメント302に対して負の電位が印加される。
[0017]
 実施例1では、フィラメント302とサプレッサ電極304との間にフィラメント302から発せられる光を遮蔽するための遮蔽部材308を設ける。例えば、遮蔽部材308は、電子源301を避けてフィラメント302を覆うように設けられた開口部を有する傘状の板であり、支持部材309によって支えられている。支持部材309は絶縁碍子305に固定されている。遮蔽部材308によりフィラメント302から発せられた光の一部が遮られ、サプレッサ電極304の温度上昇を100℃以下に抑えることができる。図2に示したように、サプレッサ電極304の温度を100℃程度に抑えられれば、ガス放出量の大幅な増加は避けられる。一方、遮蔽部材308と支持部材309とがフィラメント302から発せられる光の輻射によって昇温することにより、これらがガスの発生源となる可能性がある。このため、遮蔽部材308と支持部材309とをモリブデン(熱伝導率180W/m・K)などの熱伝導性の良い材料で形成し、支持部材309の端を冷媒310に接触させて冷却を行う。これにより、遮蔽部材308の温度を100℃以下に抑えて、遮蔽部材308からの脱ガス量を抑制できる。冷媒310は電子源やサプレッサ電極が設置される超高真空と熱的につながっていればよいので、電子ビーム応用装置の鏡体を構成する真空容器中に配置する必要はない。真空容器の外側の大気側に水浴やペルチェ素子などの冷媒310を設置し、支持部材309に接続される伝熱材311を真空容器外に引き出し、冷媒310に接続することで冷却してもよい。あるいは、大気をそのまま冷媒として用いてもよい。
[0018]
 なお、遮蔽部材308と支持部材309の電位はサプレッサ電極304または電子源301付近の電位にすればよいので、絶縁碍子305の耐電圧を従来構成の熱電界放出電子源よりも向上させる必要はない。また、遮蔽部材308もしくは支持部材309に電子源301に対してサプレッサ電極304と同様に負の電位を与えてもよい。この場合は、遮蔽部材308もしくは支持部材309に電子が照射されることがないので熱伝導性の良い絶縁体たとえば、炭化珪素(熱伝導率200W/m・K)や窒化アルミニウム(熱伝導率150W/m・K)などで構成することもできる。
[0019]
 なお、遮蔽部材308はフィラメント302から発せられる光が遮られればよいので、板状である必要はなく、フィラメント302の周りを囲むチューブ形状でもよい。なお、実施例1においては、サプレッサ電極304を電子源301の電子放出部よりも上流に設置する代表的な電極として説明しているが、電子源301の電子放出部よりも上流に設置する電極であれば、サプレッサ電極以外の電極であっても本発明は適用可能である。これは実施例2以降及び変形例についても同様である。
実施例 2
[0020]
 実施例1がサプレッサ電極304への熱流入量を低減することでサプレッサ電極304の温度上昇を抑制するのに対し、実施例2はサプレッサ電極304からの熱流出量を増加させることでサプレッサ電極304の温度上昇を抑制する。
[0021]
 図4に実施例2の熱電界放出電子源の模式図を示す。サプレッサ電極304の温度上昇を抑えるため、サプレッサ電極304と接触している絶縁体307を、従来構成の熱電界放出電子源で一般的に使用されるアルミナ(熱伝導率30W/m・K)よりも熱伝導率の良い炭化珪素や窒化アルミニウムなどで構成し、絶縁体307の端を伝熱材411を介して冷媒410に接触させて冷却を行うことで、サプレッサ電極304の温度を100℃以下に抑えて、脱ガスを抑えることができる。これらの材料は、アルミナよりも熱膨張率が小さいが、絶縁体307を冷却することにより温度上昇を抑えることにより、熱応力の影響の小さい熱電界放出電子源を実現できる。さらに、実施例1と同様に、冷媒410は真空容器の外側の大気側に設置してもよく、あるいは大気をそのまま冷媒として用いてもよい。
[0022]
 実施例2の変形例として、絶縁体307の一部に少なくともアルミナの熱伝導率よりも熱伝導率の高い金属、たとえば銅やアルミニウムを用いてもよい。サプレッサ電極304と引出電極306とは電気的に絶縁しなければならないので、サプレッサ電極304から冷媒410までの経路となる部分は熱伝導率の高い材料で構成され、それ以外の部分は絶縁体となる材料で構成する。絶縁体となる材料は、熱伝導率の高い材料でなくてもよく、例えばアルミナであってもよい。
実施例 3
[0023]
 図5に実施例3の熱電界放出電子源の模式図を示す。サプレッサ電極304には電圧を印加するため、真空容器外に設置される電源501と、電源501と電気的に導通させるために真空容器の壁504に設けられるフィードスルー502と、導通部品503とを接触させる必要がある。このフィードスルー502と導通部品503は加工容易性やコスト、耐食性の観点からステンレスが用いられることが多いが、ステンレスの熱伝導性は低い(熱伝導率20W/m・K)ため、これらの部品をステンレスよりも熱伝導率のよい材料、たとえば銅(熱伝導率380W/m・K)やアルミニウム(熱伝導率200W/m・K)、モリブデンなどにすることで、電気的接続をとるとともに、熱的に大気と接触させ、サプレッサ電極の熱を大気に放出させるようにする。さらに、真空容器の外側の大気側に冷媒、たとえば水浴やペルチェ素子を配置し、これら導電部品と接触させると、より効率的にサプレッサ電極の温度上昇を抑えることが可能になる。
実施例 4
[0024]
 実施例1がフィラメント302から発せられる光の輻射を遮蔽することによりサプレッサ電極304への熱流入量を低減するのに対し、本実施例では、サプレッサ電極304におけるフィラメント302から発せられる光の反射率を高めることによりサプレッサ電極304への熱流入量を低減する。
[0025]
 図6に実施例4の熱電界放出電子源の模式図を示す。フィラメント302と対向する、サプレッサ電極304の内面を反射率の高い材料601でコートする。通常、サプレッサ電極304はモリブデンを用いて作られるが、モリブデンの反射率は60%程度である。そこで、この内面を反射率が90%以上の銀やアルミニウムでコートする。これにより、サプレッサ電極304の光吸収が押さえられ、温度上昇を抑制することができる。
[0026]
 なお、サプレッサ電極304のフィラメント302からの光の反射率を向上させればよいため、高反射率材料のコーディングに限られず、鏡面研磨などのメカニカルな処理を実施することでも同様の効果が得られる。さらに、鏡面研磨とコーティングとをあわせて実施してもよい。
[0027]
 本実施例ではコーディングまたは表面処理するだけでよいため、従来の熱電界放出電子源における電極部品の加工方法、材料などを変えることなく、電子銃の作成が可能であるという利点がある。
実施例 5
[0028]
 実施例1~4がサプレッサ電極304の温度上昇を抑制してガス放出量を抑制するのに対し、実施例5ではサプレッサ電極304の温度が上昇しても、ガスを発生しにくくすることによりガス放出量を抑制するものである。
[0029]
 図7に実施例5の熱電界放出電子源におけるサプレッサ電極を示す。サプレッサ電極304の表面が不活性金属701でコートされている。コーディングする不活性金属701の例としては金や窒化チタンなどが挙げられる。不活性金属701によりサプレッサ電極304の表面がコートされることにより、サプレッサ電極304の温度が上昇しても放出ガス量が抑えられる。図8にサプレッサ電極の材料としてよく用いられるモリブデンに窒化チタンのコートを施した場合の温度とガス発生量の測定結果の一例をしめす。200℃時のガス放出量が1/10~1/100程度に抑えられていることがわかる。なお、窒化チタンに限られず、他の遷移金属窒化物であってもよい。
実施例 6
[0030]
 実施例6では、実施例5とは別の形態で温度上昇時のガス発生量の抑制を実現する。
[0031]
 図9に実施例6の熱電界放出電子源の模式図を示す。サプレッサ電極304の近傍にヒーター901を設置する。上述のように、超高真空を得るために電子銃にベーキング処理を行う。このベーキング処理は到達真空度を短時間で上げるために行われる。すなわち、真空立ち上げ時に加熱して脱ガスを促すことにより、室温冷却時の脱ガス量が抑制されることで、到達真空度が上昇する。通常のベーキング処理は面積の大きい真空容器からの脱ガスを抑制するため、真空容器外部に設置したヒーターを用いて真空容器を加熱する。本実施例ではこのベーキング処理に加えて、サプレッサ電極304近傍に設置したヒーター901を用いてサプレッサ電極304を効率的に加熱する。このことによりサプレッサ電極304からのガス発生を促し、電子動作時のガス放出量を低減することができる。なお、電子源動作時のサプレッサ電極304の温度は200℃程度となるため、適切なガス低減効果を得るため、ヒーター901によってサプレッサ電極を加熱する温度は、少なくとも400℃以上とする。
[0032]
 以下に、実施例1~4で説明したサプレッサ電極304の温度上昇抑制効果を高めるための変形例について説明する。図3等に示されるように、サプレッサ電極304は、絶縁碍子305を介して、フィラメントに通電するためのステム303、電子源301を加熱するフィラメント302と接触している。このため、以上の実施例で説明した熱輻射に加え、これらの物体を通じた熱伝導によってもサプレッサ電極304は温められる。熱伝導による加熱は、熱輻射による加熱よりも小さいが、本発明により熱輻射の影響を小さくすることにより、熱伝導の影響が相対的に大きくなる。そこで、この熱伝導によるサプレッサ電極への熱流入を抑制するための構成を変形例として説明する。
[0033]
 図10に、熱電界放出電子源におけるサプレッサ電極304と絶縁碍子305との接触部分の断面図を示す。通常、サプレッサ電極304と電子源301との軸を合わせるため、絶縁碍子305は円柱形をしており、円筒形のサプレッサ電極304と面接触している。本変形例では、絶縁碍子305とサプレッサ電極304との接触面積を小さくするよう、間隙1001を接触面に設けることで、絶縁碍子305からサプレッサ電極304への熱伝導による熱流入を抑えることができる。なお、間隙1001が広い程熱流入が抑えられるとはいえ、サプレッサ電極304と電子源301との軸がぶれないように、間隙1001の上下2点で、絶縁碍子305とサプレッサ電極304とが接触していることが望ましい。なお、軸をあわせるためには間隙1001は絶縁碍子305に回転対称に設けられる必要はなく、図11の平面図に示すような、絶縁碍子305の上下面を貫通するような切込み部1101を設けてもよい。
[0034]
 なお、同様の加工を絶縁碍子305ではなく、サプレッサ電極304に対して行うことも可能である。図12は図10に対応する構成であり、間隙1001がサプレッサ電極304を加工することにより形成されている。同様に、図13は図11に対応する構成であり、サプレッサ電極304に接触面を上下に貫通するような切込み部1101を設けた例である。また、接触面積を減らすための加工を施すのは、サプレッサ電極304と絶縁碍子305の一方のみならず、双方に加工を施してもよい。その場合も、軸ずれしないように、加工箇所を調整することが必要である。
[0035]
 図14に、以上説明した電子源を搭載する電子ビーム応用装置の概略構成図を示す。電子ビーム応用装置の電子光学系は、真空容器10中に内蔵され、電子光学系は、熱電界放出電子源1、熱電界放出電子源1から放出される電子ビーム2を集束する集束レンズ3、電子ビーム2を偏向させてステージ6上に載置される試料7上を走査する偏向器4、電子ビーム2の焦点位置を試料7上に結ばせるよう調整する対物レンズ5を含む。電子光学系を構成する各光学要素はそれぞれを制御する制御部11~14によって制御され、さらに主制御部15が各制御部11~14を制御する。例えば、主制御部15は、各制御部11~14を制御して所望の光学条件で試料7に電子ビーム2を照射し、試料7から放出される信号電子を図示しない検出器により検出し、画像を得る。
[0036]
 なお、本発明を複数の実施例、変形を挙げて説明した。本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、複数の実施例、変形例を組み合わせて実施することも可能であることはいうまでもない。

符号の説明

[0037]
1:熱電界放出電子源、2:電子ビーム、3:集束レンズ、4:偏向器、5:対物レンズ、6:ステージ、7:試料、10:真空容器、11:電子線制御部、12:集束レンズ制御部、13:偏向器制御部、14:対物レンズ制御部、15:主制御部、301:電子源、302:フィラメント、303:ステム、304:サプレッサ電極、304a:開口部、305:絶縁碍子、306:引出電極、306a:開口部、307:絶縁体、308:遮蔽部材、309:支持部材、310,410:冷媒、311,411:伝熱材、501:電源、502:フィードスルー、503:導通部品、504:真空容器(壁)、901:ヒーター。

請求の範囲

[請求項1]
 針状の電子源と、
 前記電子源が固定され、前記電子源を加熱する金属線と、
 絶縁碍子に固定され、前記金属線に通電するステムと、
 第1の開口部を有し、前記第1の開口部より前記電子源の先端が突出するように配置される第1の電極と、
 第2の開口部を有する第2の電極と、
 前記第1の開口部の中心軸と前記第2の開口部の中心軸とが一致するように前記第1の電極と前記第2の電極とを位置決めし、前記第1の電極と前記第2の電極との電気的絶縁をとる絶縁体と、
 前記金属線と前記第1の電極との間に設けられ、前記金属線からの光を遮蔽する遮蔽部材とを有する熱電界放出電子源。
[請求項2]
 請求項1において、
 前記絶縁碍子に固定され、前記遮蔽部材を支持する支持部材とを有し、
 前記支持部材は伝熱材を介して冷媒に接触される熱電界放出電子源。
[請求項3]
 針状の電子源と、
 前記電子源が固定され、前記電子源を加熱する金属線と、
 絶縁碍子に固定され、前記金属線に通電するステムと、
 第1の開口部を有し、前記第1の開口部より前記電子源の先端が突出するように配置される第1の電極と、
 第2の開口部を有する第2の電極と、
 前記第1の開口部の中心軸と前記第2の開口部の中心軸とが一致するように前記第1の電極と前記第2の電極とを位置決めし、前記第1の電極と前記第2の電極との電気的絶縁をとる絶縁体とを有し、
 前記絶縁体は伝熱材を介して冷媒に接触される熱電界放出電子源。
[請求項4]
 請求項3において、
 前記絶縁体の熱伝導率は30W/m・Kよりも大きい熱電界放出電子源。
[請求項5]
 請求項3において、
 前記絶縁体のうちの前記第1の電極と前記伝熱材との経路となる部分が、熱伝導率が30W/m・Kよりも大きい金属で形成される熱電界放出電子源。
[請求項6]
 針状の電子源と、
 前記電子源が固定され、前記電子源を加熱する金属線と、
 絶縁碍子に固定され、前記金属線に通電するステムと、
 第1の開口部を有し、前記第1の開口部より前記電子源の先端が突出するように配置される第1の電極と、
 第2の開口部を有する第2の電極と、
 前記第1の開口部の中心軸と前記第2の開口部の中心軸とが一致するように前記第1の電極と前記第2の電極とを位置決めし、前記第1の電極と前記第2の電極との電気的絶縁をとる絶縁体とを有し、
 前記第1の電極の前記金属線と対向する面が、前記第1の電極の材料よりも反射率の材料でコーティング、または鏡面研磨されている熱電界放出電子源。
[請求項7]
 針状の電子源と、
 前記電子源が固定され、前記電子源を加熱する金属線と、
 絶縁碍子に固定され、前記金属線に通電するステムと、
 第1の開口部を有し、前記第1の開口部より前記電子源の先端が突出するように配置される第1の電極と、
 第2の開口部を有する第2の電極と、
 前記第1の開口部の中心軸と前記第2の開口部の中心軸とが一致するように前記第1の電極と前記第2の電極とを位置決めし、前記第1の電極と前記第2の電極との電気的絶縁をとる絶縁体とを有し、
 前記第1の電極の表面が不活性金属によりコーティングされている熱電界放出電子源。
[請求項8]
 請求項7において、
 前記不活性金属は、金、または遷移金属窒化物である熱電界放出電子源。
[請求項9]
 請求項1~8のいずれか1項において、
 前記第1の電極には、前記電子源よりも負の電位が印加され、前記第2の電極には、前記電子源よりも正の電位が印加される熱電界放出電子源。
[請求項10]
 請求項9において、
 前記絶縁碍子と前記第1の電極との接触面に間隙が設けられている熱電界放出電子源。
[請求項11]
 請求項10において、
 前記間隙を設けるための加工が前記絶縁碍子、または前記第1の電極になされた熱電界放出電子源。
[請求項12]
 電子ビーム応用装置であって、
 真空容器と、
 前記真空容器に内蔵される電子光学系と、
 前記真空容器外に設けられる電源とを有し、
 前記電子光学系は、請求項1~8のいずれか1項に記載の熱電界放出電子源と、前記熱電界放出電子源からの電子ビームを集束する集束レンズと、前記電子ビームを偏向する偏向器と、前記電子ビームの焦点位置を調整する対物レンズとを含み、
 前記電源は、前記熱電界放出電子源の前記第1の電極に、前記電子源よりも負の電位を印加し、
 前記電源は、前記真空容器に設けられるフィードスルー及び導通部品を介して前記第1の電極と接続される電子ビーム応用装置。
[請求項13]
 請求項12において、
 前記フィードスルー及び前記導通部品の熱伝導率は20W/m・Kよりも大きい電子ビーム応用装置。
[請求項14]
 請求項13において、
 前記電源と前記第1の電極との接続径路は、前記真空容器外に設けられる冷媒と接触されている電子ビーム応用装置。
[請求項15]
 請求項12において、
 前記真空容器に内蔵され、前記第1の電極を加熱するヒーターを有する電子ビーム応用装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]