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1. WO2020012680 - DISPOSITIF ET PROCÉDÉ DE COMMANDE DE MOTEUR

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明 細 書

発明の名称 モータ制御装置およびモータ制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099  

符号の説明

0100  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : モータ制御装置およびモータ制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、SRモータ(スイッチドリラクタンスモータ:Switched Reluctance Motor)
のモータ制御装置およびモータ制御方法に関し、特に、ステータへの通電タイミングの制御に関する。

背景技術

[0002]
 スイッチトリラクタンスモータ(以下、SRモータ)は、ステータ及びロータともに突極(突き出た極)構造を有している。ロータは、強磁性の磁性体(例えば鉄芯)で形成されており、回転軸から外方に向かって突出した突極構造を有する。ステータは、ロータを回転自在に支持する。ステータは、ロータの周囲を覆うようにロータの回転軸に対して内方に向かって突出した複数の突極が設けられており、各突極には導線が巻かれることにより励磁コイルが形成されている。
[0003]
 ステータの各励磁コイルに選択的に通電すると、ロータの各突極が各励磁コイルに順次磁気吸引され、ロータが回転駆動される。このような構造により、SRモータは、ロータに永久磁石や巻線を設ける必要がなく、モータ構造が簡略化される。そのため、SRモータは、安価で、かつ機械的に堅牢な構造を有すると共に、高回転で、高温環境下の使用も可能となる等の利点がある。
[0004]
 例えば、励磁コイルが三相設けられたSRモータを駆動させる場合の通電方式として、各相の通電角を120度とした、いわゆる電気角が120度で矩形波を通電する通電方式が一般的に用いられる(図11参照)。ただし、従来の120度の矩形波の通電方式では、SRモータが極低速回転である場合(例えば、SRモータの始動時)において、各相への通電の切り替わり時に大きなトルクの変動(トルクリプル)が発生してしまう場合がある。このトルクリプルを抑制する方法として、その各相への通電が切り替わる場合に、切り替え前後の2つの相を同時に通電する期間(以下、「オーバーラップ区間」という。)を設ける方法がある(図12参照)。そして、オーバーラップ区間において、通電をオン状態およびオフ状態とするタイミングで電流指令値を傾斜させる通電方法が知られている(例えば特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2017-192174号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 励磁コイルの相間の通電の切替え時に電流指令値のオーバーラップ区間を設けると共に、オーバーラップ区間において電流指令値を傾斜させる場合、オーバーラップのタイミングや電流指令値の傾斜は、SRモータにトルクやモータ効率などの特性をどのように与えるかによって予め目標とする特性に合わせて設定される。従って、特許文献1に記載された技術によれば、SRモータにある性能を向上させる制御を行うと、他の性能が低下するという課題があった。
[0007]
 本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、使用状態に応じてモータ特性を変更することができるモータ制御装置およびモータ制御方法を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
(1):この発明の一態様に係るモータ制御装置多相のSRモータの各相に対応するコイルの通電を切り替えることにより、前記SRモータを回転駆動するモータ制御装置であって、通電相を一方の相から他方の相に切り替える場合に、前記一方の相と前記他方の相との両方の相に通電するオーバーラップ区間を設ける通電タイミング出力部と、前記オーバーラップ区間において、前記一方の相と前記他方の相に流す電流を徐々に変化させる電流制御部と、を備え、前記通電タイミング出力部は、前記SRモータの稼働状態に応じて、前記一方の相および前記他方の相に最大値の電流を流すフラット通電区間の長さを変更する、モータ制御装置である。
[0009]
 上記構成により本発明は、電流制御部がオーバーラップ区間においてコイルへの通電開始時および通電終了時にコイルに流す電流を徐々に変化させるため、コイルに通電または通電終了する際に発生する急峻なトルク変化を低減すると共に、通電タイミング出力部がフラット通電区間の長さを変更することで、モータの性能をモータの稼働状態に応じて変更することができる。
[0010]
 (2):上記(1)の態様において、記通電タイミング出力部は、前記SRモータにトルクが必要な場合、前記オーバーラップ区間を増加させるように前記フラット通電区間の長さを変更するものである。
[0011]
 上記構成により本発明は、通電タイミング出力部がフラット通電区間の長さを増加させることで、SRモータのトルク増大させることができる。
[0012]
 (3):上記(1)または(2)の態様において、前記通電タイミング出力部は、前記SRモータにおいて効率が優先される場合、前記オーバーラップ区間を減少させるように前記フラット通電区間の長さを変更するものである。
[0013]
 上記構成により本発明は、通電タイミング出力部がフラット通電区間の長さを減少させることで、SRモータの回転効率を向上させることができる。
[0014]
 (4):この発明の一態様に係るモータ制御方法は、多相のSRモータの各相に対応するコイルの通電を切り替えることにより、前記SRモータを回転駆動するモータ制御方法であって、コンピュータが、通電相を一方の相から他方の相に切り替える場合に、前記一方の相と前記他方の相との両方の相に通電するオーバーラップ区間を設け、前記オーバーラップ区間において、前記一方の相と前記他方の相に流す電流を徐々に変化させ、前記SRモータの稼働状態に応じて、前記一方の相および前記他方の相に最大値の電流を流すフラット通電区間の長さを変更する、モータ制御方法である。

発明の効果

[0015]
 本発明によれば、モータ制御装置およびモータ制御方法において、使用状態に応じてモータ特性を変更することができる。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 車両制御システム100の構成の一例を示すブロック図である。
[図2] モータ制御装置1の構成の一例を示すブロック図である。
[図3] 電流指令値補正部142の電流指令値の補正処理について、説明する図である。
[図4] SRモータ7の各相の励磁コイルLu,Lv,Lwのコイルインダクタンス波形を示す図である。
[図5] SRモータ7のフラット通電区間の長さを140°に変更する制御を示す図である。
[図6] SRモータ7のフラット通電区間の長さを110°に変更する制御を示す図である。
[図7] SRモータ7の回転速度に応じて通電区間の長さを変更する状態を示す図である。
[図8] アクセル開度に応じて通電区間の長さを変更する状態を示す図である。
[図9] 坂道の勾配に応じて通電区間の長さを変更する状態を示す図である。
[図10] 制御装置13の電流指令値を補正する処理の流れを示すフローチャートである。
[図11] 電気角が120度の矩形波通電を行う場合のSRモータの通電方式を示す図である。
[図12] 矩形波通電においてオーバーラップ区間を設ける場合のSRモータの通電方式を示す図である。

発明を実施するための形態

[0017]
 以下、図面を参照しつつ、本発明にかかるモータ制御装置およびモータ制御方法にかかる発明の実施形態を説明する。
[0018]
 実施形態におけるモータ制御装置は、多相のSRモータにおける通電相を一方の相から他方の相に切り替える場合に、一方の相と他方の相との両方の相に通電するオーバーラップ区間の少なくとも一部の区間において、一方の相と他方の相との少なくともいずれかの相に流す電流を徐々に変化させる。
 以下、実施形態のモータ制御装置を、図面を用いて説明する。
[0019]
 図1に示されるように、モータ制御装置1は、駆動用のSRモータ7を制御して車両を走行させるための車両制御システム100に適用される。車両制御システム100は、例えば、モータ制御装置1と、アクセルペダル4と、アクセル操作検出部5と、シフトポジションセンサ6と、SRモータ7と、回転角センサ8と、バッテリ9と、リアギア10と、後輪11とを備える。
[0020]
 車両制御システム100は、車両Mを操作するための操作子の操作量に応じてモータ制御装置1がSRモータ7の駆動力を制御するものである。操作子は、例えば、運転者が車両Mに種々の挙動を与えるための操作対象物であり、車両Mの速度調整を行うためのアクセルペダル4やドライブ、後退、ニュートラル、パーキングなどの車両状態のレンジを選択するためのシフトレバーが含まれる。これらの操作子には、例えば、操作子の操作量に連動して電気的な出力値を出力するセンサが設けられている。各センサの出力値は、モータ制御装置1に入力される。
[0021]
 アクセルペダル4には、例えば、スロットルポジションセンサが設けられており、アクセルペダル4の踏み込み量によって変化する回転角が検出される。スロットルポジションセンサは、例えば、ポテンショメータであり、アクセルペダル4の回転軸等に設けられ、アクセルペダル4の回転角に応じて抵抗値が変化する。スロットルポジションセンサの出力値(以下、アクセル信号という)は、アクセル開度と比例するため、アクセル開度が推定される。アクセル信号は、アクセル操作検出部5が検出する。アクセル操作検出部5は、例えば、スロットルポジションセンサに電圧を与えて抵抗値を検出する。そして、アクセル操作検出部5は、検出した抵抗値をAD変換してモータ制御装置1に出力する。
[0022]
 シフトレバーには、シフトポジションセンサ6が設けられており、シフトレバーのレンジの切替位置を検出する。シフトポジションセンサ6は、例えば、各レンジに設けられたスイッチにより、いずれのレンジにシフトレバーが位置しているか検出する。シフトポジションセンサ6は、シフトレバーのポジションの位置を検出し、検出した検出値をモータ制御装置1に出力する。シフトポジションセンサ6は、シフトレバーのレンジに応じて異なる抵抗値をモータ制御装置1に出力する。
[0023]
 モータ制御装置1は、アクセル操作検出部5と、シフトポジションセンサ6との検出値を取得し、検出値に応じてアクセルペダル4の操作量とシフトポジションを認識する。モータ制御装置1は、操作子の操作状態に応じてSRモータ7を制御する。例えば、SRモータ7からモータ制御装置1には、SRモータ7の回転角を検出する回転角センサ8が接続されている。回転角センサ8は、SRモータ7のロータの回転角を検出する。モータ制御装置1は、回転角センサ8が出力した出力値を取得し、ロータの回転角を検出し、ロータの回転速度を演算する。モータ制御装置1は、SRモータ7に与えた制御量と、回転角センサ7の出力値とに応じてSRモータ7のフィードバック制御を行う。モータ制御装置1は、SRモータ7の各相に対応する後述のコイルへの通電を切り替えることにより、SRモータ7を回転駆動する。
[0024]
 SRモータ7は、リアギア10を介して後輪11を駆動する多相の駆動用モータである。例えば、SRモータ7は、複数の励磁コイルを有するステータ32と、ステータ32内に回転自在に配置されたロータ31とを備えている。ロータ31には、回転軸から外方に向かって突出する4つの突極部が形成されている(図2参照)。ステータ32には、ロータの回転軸と同芯にロータ31の周囲を覆うように設けられ、ロータの回転軸方向に対して内方に向かって6つの突極が形成されている。
[0025]
 ステータ32の6つの突極には、それぞれ導線が巻かれて励磁コイルが形成される。6つの突極のうち、対向する突極を対として励磁コイルLu,Lv,Lwが形成される。ロータ31の回転位置は、レゾルバ等の回転センサ8によって検知されている。回転センサ8は、ロータ31の位置(回転角)を検出する。
[0026]
 回転センサ8の検出結果に基づいて、ロータ回転位置に応じて、一対の各励磁コイルLu,Lv,Lwに対して選択的に順次通電すると、ステータの突極にロータの突極が磁気吸引されながら回転を繰り返し、ロータ31に回転トルクが発生してSRモータ1に回転駆動力が発生する。
[0027]
 モータ制御装置1は、アクセル操作検出部5から出力されたアクセルペダル4の操作量を示すアクセル信号を取得する。モータ制御装置1は、シフトポジションセンサ6からシフトレバーの位置を示すシフト信号を取得する。モータ制御装置1は、SRモータ7の回転速度を検出する回転角センサ8の出力信号を取得する。
[0028]
 モータ制御装置1は、シフト信号によりSRモータ7を回転させる方向を決定する。そして、モータ制御装置1は、アクセル信号に基づいて、SRモータ7に流す電流の目標値である電流指令値を算出する。モータ制御装置1は、SRモータ7に流れる電流値が算出した電流指令値になるように、フィードバック制御を行う。
[0029]
 以下、モータ制御装置1の構成について説明する。
[0030]
 図2に示されるように、モータ制御装置1は、バッテリ9からSRモータ7へ入力される電力をスイッチングして各相の励磁コイルに供給する駆動回路12及びステータの各相の励磁コイルへの通電や切替えを制御する制御装置13を備える。
[0031]
 駆動回路12は、例えば、バッテリ9に接続される。駆動回路12は、コンデンサ51、スイッチング素子52~57及びダイオード58~63を備える。例えば、スイッチング素子52~57は、IGBT(Insulated gate bipolar transistor)、FET(FieldEffective Transistor)、及びBJT(bipolar junction transistor)の何れか一つで構成されてもよい。スイッチング素子52~57は、例えば、n型チャネルのFETである。
[0032]
 コンデンサ51は、一端がバッテリ9の正極に接続され、他端がバッテリ9の負極に接続される。コンデンサ51は、平滑用コンデンサであり、バッテリ9の電圧変動に対して電源を安定化させる。
[0033]
 スイッチング素子52は、ドレインがバッテリ9の正極に接続され、ソースがダイオード58のカソードに接続される。ダイオード58のアノードは、バッテリ9の負極に接続される。ダイオード59は、カソードがバッテリ9の正極に接続され、アノードがスイッチング素子53のドレインに接続される。スイッチング素子53のソースは、バッテリ9の負極に接続される。
[0034]
 スイッチング素子54は、ドレインがバッテリ9の正極に接続され、ソースがダイオード60のカソードに接続される。ダイオード60のアノードは、バッテリ9の負極に接続される。ダイオード61は、カソードがバッテリ9の正極に接続され、アノードがスイッチング素子55のドレインに接続される。スイッチング素子55のソースは、バッテリ9の負極に接続される。
[0035]
 スイッチング素子56は、ドレインがバッテリ9の正極に接続され、ソースがダイオード62のカソードに接続される。ダイオード62のアノードは、バッテリ9の負極に接続される。ダイオード63は、カソードがバッテリ9の正極に接続され、アノードがスイッチング素子57のドレインに接続される。スイッチング素子57のソースは、バッテリ9の負極に接続される。
[0036]
 すなわち、コンデンサ51と、直列に接続されたスイッチング素子52及びダイオード58と、直列に接続されたスイッチング素子53及びダイオード59と、直列に接続されたスイッチング素子54及びダイオード60と、直列に接続されたスイッチング素子55及びダイオード61と、直列に接続されたスイッチング素子56及びダイオード62と、直列に接続されたスイッチング素子57及びダイオード63とは、それぞれバッテリ9に対して並列に接続される。
[0037]
 また、スイッチング素子52とダイオード58との接続点には、SRモータ7のコイルLuの一端が接続され、スイッチング素子53とダイオード59との接続点には、コイルLuの他端が接続される。スイッチング素子54とダイオード60との接続点には、SRモータ7のコイルLvの一端が接続され、スイッチング素子55とダイオード61との接続点には、コイルLwの他端が接続される。スイッチング素子56とダイオード62との接続点には、SRモータ7のコイルLwの一端が接続され、スイッチング素子57とダイオード63との接続点には、コイルLvの他端が接続される。
[0038]
 スイッチング素子52,53、ダイオード58,59でHブリッジ回路を構成し、スイッチング素子52,53のオンオフにより励磁コイルLuに磁性を発生することができる。スイッチング素子54,55、ダイオード60,61でHブリッジ回路を構成し、スイッチング素子54,55のオンオフにより励磁コイルLvに磁性を発生することができる。スイッチング素子56,57、ダイオード62,63でHブリッジ回路を構成し、スイッチング素子56,57のオンオフにより励磁コイルLwに磁性を発生することができる。
[0039]
 上述のように、駆動回路12は、3つのHブリッジ回路により構成される。そして、制御装置13から出力される制御信号がスイッチング素子52~57のゲートに入力され、入力される制御信号に応じて、スイッチング素子52~57のオンとオフとが切り替えられる。これにより、バッテリ9からの電流が、SRモータ7が有する励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに通電される。スイッチング素子52~57がオフ状態となった場合、ダイオード58~63は、励磁コイルLu,Lv,Lwの電流の逆流を防止する。
[0040]
 電流センサ20は、SRモータ7が有する励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに流れる電流を検出して制御装置13に出力する。制御装置13は、スイッチング素子52~57を制御して励磁コイルLu,Lv,Lwにそれぞれ通電するタイミングによりロータ31の回転方向、回転数、トルクを制御する。
[0041]
 制御装置13は、SRモータ7のステータ32における通電相を隣接する一方の相から他方の相に切り替える場合に、一方の相と他方の相との両方の相に同時に通電するオーバーラップ区間を設ける。そして、制御装置13は、後述のようにそのオーバーラップ区間において、一方の相と他方の相に流す電流を徐々に変化させる(図3参照)。
[0042]
 以下、本実施形態における制御装置13について、具体的に説明する。制御装置13は、電流指令値生成部132、回転方向指令生成部133、電流検出部134、位置検出部135、回転速度検出部136、指令傾斜幅決定部137、進角・通電角設定部138、電流制御部140、通電タイミング出力部141、電流指令値補正部142及びゲート駆動部143を備える。
[0043]
 電流指令値生成部132は、アクセル操作検出部5から出力されたアクセル信号を取得し、アクセル信号の値に応じて、SRモータ7の励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに流す電流の目標値(以下、「電流指令値」)を生成する。そして、電流指令値生成部132は、生成した電流指令値を指令傾斜幅決定部137、進角・通電角設定部138及び電流指令値補正部142に出力する。
[0044]
 例えば、電流指令値生成部132は、アクセルペダル4の操作量と、電流指令値とが関連付けられたテーブルを備え、アクセル操作検出部5から出力されたアクセル信号が示すアクセルペダル4の操作量に対応する電流指令値をそのテーブルから読み出すことで、電流指令値を生成する。また、電流指令値生成部132は、アクセル操作検出部5から出力されたアクセル信号が示すアクセルペダル4の操作量から、実験的に電流指令値を決定してもよい。
[0045]
 回転方向指令生成部133は、シフトポジションセンサ6から出力されるシフト信号に基づいてSRモータ7の回転方向の情報を取得する。例えば、電流指令値生成部132は、シフトポジションセンサ6から出力されるシフト信号に基づいてSRモータ7の回転方向を判定する。電流指令値生成部132は、例えば、シフトポジションがドライブのレンジに入れられており、前進走行ポジションであると判定した場合には、SRモータ7の回転方向が正回転であると判定する。そして、電流指令値生成部132は、SRモータ7の回転方向が正回転であることを示す回転方向指令信号を電流指令値補正部142及び通電タイミング出力部141に出力する。
[0046]
 電流指令値生成部132は、シフトポジションセンサ6から出力されるシフト信号に基づいてシフトレバーのシフトポジションがリバースのレンジに入れられており、後進走行ポジションであると判定した場合には、SRモータ7の回転方向が逆回転であると判定する。そして、電流指令値生成部132は、SRモータ7の回転方向が逆回転であることを示す回転方向指令信号を電流指令値補正部142及び通電タイミング出力部141に出力する。 
[0047]
 電流検出部134は、電流センサ20より出力されるSRモータ7の励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに流れる電流値を検出し、電流制御部140に出力する。例えば各電流センサ20から出力される各相電流(巻線電流)の検出信号に基づき、SRモータ7に通電されている相電流を検出し、この相電流の検出値を電流制御部140に出力する。
[0048]
 位置検出部135は、回転角センサ8が出力する信号に基づいて、ロータ31の回転角(ロータ31の回転位置)を検出して、回転速度検出部136、通電タイミング出力部141及び電流指令値補正部142に出力する。
[0049]
 回転速度検出部136は、位置検出部135が出力するロータ31の回転角を示す信号の単位時間あたりの変化量を検出し、検出した変化量からロータ31の回転速度(回転数)を算出して指令傾斜幅決定部137及び進角・通電角設定部138に出力する。
[0050]
 進角・通電角設定部138は、電流指令値生成部132から出力された電流指令値と、回転速度検出部136から出力された回転速度とに応じて進角及び通電角を通電タイミング出力部141に出力する。進角・通電角設定部138は、進角マップ部138a及び通電角マップ部138bを含み構成される。
[0051]
 進角マップ部138aは、電流指令値生成部132が出力する電流指令値と、回転速度検出部136が出力する回転速度とに基づいて、進角を通電タイミング出力部141に出力する。例えば、進角マップ部138aは、電流指令値とロータ31の回転速度との組み合わせごとに進角の値を対応付けたマップを備える。ここで、進角は、SRモータ7の各相のコイルLu,Lv,Lwそれぞれに対する通電開始位相及び通電終了位相を各相のインダクタンス変化に応じた所定位置(例えば、インダクタンスの増大開始位相及び減少開始位相等)から通電角を進角側に変化させる角度を表す。なお、進角は、電流指令値と回転数の増加に対して増加傾向にある。進角マップ部138aは、例えば、シミュレーションの結果に基づいて設定されたマップを参照して進角を出力する。進角マップ部138aは、シミュレーションの結果だけでなく、実機を測定した測定結果に基づいて進角を出力してもよい。
[0052]
 通電角マップ部138bは、電流指令値生成部132が出力する電流指令値と、回転速度検出部136が出力する回転速度とに基づいて、通電角を通電タイミング出力部141に出力する。例えば、通電角マップ部138bは、電流指令値とロータ31の回転速度との組み合わせごとに通電角の値を対応付けたマップである。ここで、通電角は、SRモータ7の各相の各コイルLu,Lv,Lwそれぞれに対して対応付けられる。なお、通電角マップ部138bは、シミュレーションの結果に基づいて設定される。通電角マップ部138bは、シミュレーションの結果だけでなく、実機を測定した測定結果に基づいて設定されてもよい。
[0053]
 通電タイミング出力部141は、位置検出部135から出力されるロータ31の回転位置と、進角・通電角設定部138から出力される進角及び通電角とに基づいて、現在通電している(現在の通電相)コイルと次に通電するコイルとの両方のコイルに同時に通電するオーバーラップ区間を、回転方向指令信号が示す回転方向において決定する。そして、通電タイミング出力部141は、決定したオーバーラップ区間を示すタイミング信号をゲート駆動部143に出力する。例えば、通電タイミング出力部141によるオーバーラップ区間の算出は、回転速度と通電角マップとを用いて行われてもよいし、実験により行われてもよい。
[0054]
 指令傾斜幅決定部137は、電流指令値生成部132から出力される電流指令値と、回転速度検出部136から出力されるロータ31の回転速度と、進角・通電角設定部138の進角および通電角とに基づいて、指令値傾斜幅を決定する。指令値傾斜幅は、オーバーラップ区間において、一方の相と他方の相とに流す電流を徐々に変化させる幅(ロータ31の回転角)である。例えば、指令傾斜幅決定部137は、電流指令値と、ロータ31の回転速度と、指令値傾斜幅と、進角・通電角設定部138の進角および通電角とが関連付けられたテーブルを備える。指令傾斜幅決定部137は、電流指令値生成部132から出力される電流指令値と、回転速度検出部136から出力されるロータ31の回転速度と、進角・通電角設定部138の進角および通電角とに対応付けられた指令値傾斜幅をそのテーブルから読み出し、指令値傾斜幅を決定する。また、指令傾斜幅決定部137は、指令値傾斜幅を、電流指令値の大きさやロータ31の回転速度に基づいて変化させる。
[0055]
 指令傾斜幅決定部137は、決定した指令値傾斜幅を電流指令値補正部142に出力する。なお、オーバーラップ区間において、一方の相と他方の相とに流す電流を徐々に減少あるいは増加させることで変化させる区間を傾斜通電区間と呼ぶ。この傾斜通電区間は、指令値傾斜幅に基づいて決定されてもよい。
[0056]
 電流制御部140は、回転方向指令信号が示す回転方向の傾斜通電区間において、一方の相と他方の相に流す電流を徐々に変化させる。電流制御部140は、一方の相から他方の相に切り替える場合に、他方の相に流す電流を徐々に増加させ、他方の相に流れる電流値が閾値に到達してからSRモータ7が所定の角度だけ回転した後に、一方の相に流している電流を徐々に減少させる。
[0057]
 電流指令値補正部142は、オーバーラップ区間において、他方の相に流す電流の電流指令値を補正する機能を備える。なお、以下の説明において、代表してV相からU相への通電の切替えタイミングを例示するものとし、一方の相をV相とし、他方の相をU相とする。U相からW相、W相からV相への通電の切替えタイミングは同様の制御となるため、適宜読み替えればよい。
[0058]
 電流指令値補正部142は、電流指令値生成部132から出力された電流指令値を取得する。電流指令値補正部142は、位置検出部135から出力されたロータ31の回転位置を取得する。電流指令値補正部142は、指令傾斜幅決定部137から出力された指令値傾斜幅を取得する。
[0059]
 電流指令値補正部142は、位置検出部135から出力されたロータ31の回転位置が傾斜通電区間か否かを判定する。電流指令値補正部142は、ロータ31の回転位置が傾斜通電区間である場合には、電流指令値生成部132から出力された電流指令値を所定の傾きで変化させる補正を行うとともに、他方の相に流す電流の電流指令値を補正する機能を備える。例えば、電流指令値補正部142は、ロータ31及びステータ32の突極が対向位置に近い方の相の電流指令値を、ロータ31の回転位置に応じて補正する。補正された電流指令値を電流指令補正値とした場合に、電流指令補正値は、例えば、以下の式で表される。
[0060]
 電流指令補正値=電流指令値-電流指令値×(現在のロータ31の回転位置/指令傾斜幅)・・・(1)
[0061]
 図3は、電流指令値補正部142の電流指令値の補正処理について説明する図である。図3に示されるように、電流指令値補正部142は、現在通電している(現在の通電相)コイルと次に通電するコイルとの両方のコイルに同時に通電するオーバーラップ区間において、現在通電しているコイルに流す電流の電流指令値を補正する。例えば、電流指令値補正部142は、現在通電しているV相のコイルLvと次に通電するU相のコイルLuとの両方のコイルに同時に通電するオーバーラップ区間において、コイルLu及びコイルLvに流す電流の電流指令値を補正する。例えば、V相のコイルLvとU相のコイルLuとに同時に通電するオーバーラップ区間の傾斜通電区間において、電流指令値補正部142Aは、オーバーラップ区間の開始時からコイルLuの電流指令値を徐々に増加させる。
[0062]
 電流指令値補正部142は、コイルLuに流れる電流値が閾値に到達してからSRモータ7が所定の角度(0度以上)だけ回転した後に、コイルLvに流している電流を徐々に減少させる。これにより、コイルLuに対して通電する際に発生する急峻なトルク変化を低減することができる。
[0063]
 また、U相のコイルLuとW相のコイルLwとに同時に通電するオーバーラップ区間の傾斜通電区間において、U相からW相に通電相が切り替えられる場合には、電流指令値補正部142は、U相のコイルLuの電流指令値を減少させ、W相のコイルLwの電流指令値を徐々に増加させる補正を行う。
[0064]
 W相のコイルLwとV相のコイルLvとに同時に通電するオーバーラップ区間の傾斜通電区間において、W相からV相に通電相が切り替えられる場合には、電流指令値補正部142は、W相のコイルLwの電流指令値を減少させ、V相のコイルLvの電流指令値を徐々に増加させる補正を行う。なお、図3に示す例では、オーバーラップ区間が傾斜通電区間である場合について説明するが、これに限定されない。
[0065]
 すなわち、少なくともオーバーラップ区間の一部に傾斜通電区間を含んでいればよい。例えば、電流指令値補正部142は、一方の相から他方の相に通電相を切り替える場合に、他方の相に電流を流すタイミング(オーバーラップ区間を開始するタイミング)からSRモータ7のロータ31が所定の角度だけ回転した後に、一方の相に流している電流の電流指令値を徐々に減少させてもよい。なお、この所定の角度は、0度以上である。
[0066]
 電流指令値補正部142は、ロータ31の回転位置が傾斜通電区間でない場合には、電流指令値生成部132から出力された電流指令値を電流制御部140に出力する。電流指令値補正部142は、ロータ31の回転位置が傾斜通電区間である場合には、補正した電流指令値である電流指令補正値を、新たな電流指令値として電流制御部140に出力する。
[0067]
 電流制御部140は、電流差分算出部1411及びPWM出力部1412を備える。PWM出力部1412は、SRモータ7に通電されている相電流のPWM(Pulse Width Modulation)制御を行う。電流差分算出部1411は、電流指令値補正部142から供給される電流指令値と電流検出部134から供給される電流検出値との偏差(以下、「電流差分値」という。)を算出する。電流制御部140は、算出した電流差分値をPWM出力部1412に出力する。
[0068]
 PWM出力部1412は、電流差分値が減少するように、スイッチング素子52~57のデューティ比を決定する。PWM出力部1412は、算出したデューティ比をゲート駆動部143に出力する。ここで、PWM出力部1412は、電流差分値に基づいて、一般的に公知のPI(Proportional Integral)制御、又は、PID(Proportional Integral Derivative)制御等を用いて上述のデューティ比を算出してもよい。
[0069]
 ゲート駆動部143は、通電タイミング出力部141から出力されたタイミング信号と、PWM出力部1412から出力されたデューティ比とに基づいて、駆動回路12が備えるスイッチング素子52~57のオン状態又はオフ状態にする制御信号をスイッチング素子52~57のゲートに出力する。
[0070]
 上述した傾斜通電区間を用いる制御方法によれば、SRモータ7に発生するトルクリプルを低減することができる。しかし、トルクリプルが低減された状態であることは、必ずしも駆動の効率が良い状態とは限らず、駆動時にトルク不足の状態となったり、路面状態が悪い状態での走行や坂道の走行で平均トルクが低い状態に陥ったりする可能性がある。そこで、以下に示すように、車両の走行状態に応じて、SRモータ7のトルク特性を変更する制御を行う。
[0071]
 以下の説明において、励磁コイルLu,Lv,Lwに通電する通電期間のうち、傾斜通電区間を除いた最大の電流指令値を通電する通電区間をフラット通電区間と呼ぶ。また、フラット通電区間において通電している時間を適宜フラット通電幅と呼ぶ。
[0072]
 モータ制御装置1は、例えば、SRモータ7の駆動速度に応じて、トルクリプルが小さい進角、フラット通電幅及び傾斜通電区間の傾斜幅を決定し、SRモータ7を駆動させる。ここで進角とは、ステータの電圧投入開始位置をロータ回転方向に対し所定位置(例えば、インダクタンスの増大開始位相等)から進めた角度をいう。
[0073]
 図4には、SRモータ7の各相の励磁コイルLu,Lv,Lwのコイルインダクタンス波形が示されている。フラット通電幅の開始位置(θon)およびフラット通電幅の終了位置(θoff)をどのように設定するかは、インダクタンス波形から予想することができる。ここで、θ0からθ3区間は正トルクに対応し、θ3からθ6の区間は負トルクに対応する。
[0074]
 励磁コイルLu,Lv,Lwへの通電のタイミングの設定例として、通電を開始する位相θonを正トルクの始まるθ0付近に設定し、フラット通電幅開始位相をθ1付近に設定するものがある。また、励磁コイルLu,Lv,Lwへの通電のタイミングの設定例として、フラット通電幅終了位相をθ2に設定し、通電終了位相θoffをθ3付近に設定するものがある。しかし、励磁コイルLu,Lv,Lwへの通電のタイミングにおいて、進角は、回転数の増加に応じて増大する性質がある。
[0075]
 このように、励磁コイルLu,Lv,Lwへのより最適な通電のタイミングはSRモータ7の稼働状態によって変化するので、通電タイミング出力部141は、SRモータ7の稼働状態に応じて、一対の励磁コイルLu,Lv,Lwのそれぞれに通電する一つの通電区間において、フラット通電区間の通電幅を変更する。
[0076]
 例えば、通電タイミング出力部141は、電気角が140°の通電幅と110°の通電幅との2種類の通電幅により、SRモータ7を制御する。
[0077]
 先ず、電気角が140°の場合の制御について説明する。図5に示されるように、進角・通電角設定部138は、例えば、回転速度検出部136や電流指令値生成部132の出力値と基準を比較して、基準を満たす場合、SRモータ7にトルクが必要な場合と判定し、フラット通電幅を140°に対応するように通電幅を増加させるように進角および通電角を決定する。基準とは、例えば、SRモータ7の回転数が閾値以上であるか否か、アクセル開度が所定値未満か否か等によって決定される。進角・通電角設定部138は、設定した進角および通電角を通電タイミング出力部141に出力する。
[0078]
 通電タイミング出力部141は、例えば、位置検出部135から出力されるロータ31の回転位置と、進角・通電角設定部138から出力される進角及び通電角とに基づいて、現在通電している(現在の通電相)コイルと次に通電するコイルとの両方のコイルに同時に通電するオーバーラップ区間を、回転方向指令信号が示す回転方向において変更することによりフラット通電区間の通電幅を140°に変更する。
[0079]
 通電タイミング出力部141は、電気角が140°に対応するフラット通電幅になるように励磁コイルに通電する。電気角が140°になる通電幅では、フラット通電区間において20°のオーバーラップ区間が生じる。フラット通電幅を140°の通電幅とする制御は、トルクが必要な始動時や低速回転時において適用される。その結果、SRモータ7は、最小トルクが大きくなり、低トルクリプルによる始動性が良くなる。
[0080]
 フラット通電幅を140°の通電幅とする制御は、SRモータ7が低速回転時に有効であるが、SRモータ7の回転数が上昇するに従って、効率が低下したり、騒音が増加したりする。そこで、通電タイミング出力部141は、例えば、SRモータ7に効率が必要な場合は、フラット通電幅を110°に減少させる。
[0081]
 図6に示されるように、進角・通電角設定部138は、例えば、回転速度検出部136や電流指令値生成部132の出力値と基準を比較して、基準を満たす場合、SRモータ7の効率を高める必要があると判定し、フラット通電幅を110°に対応するように通電幅を増加させるよう進角および通電角を決定する。
[0082]
 進角・通電角設定部138は、例えば、回転速度検出部136や電流指令値生成部132の出力値と基準を比較して、基準を満たす場合、SRモータ7にトルクが必要な場合と判定し、フラット通電幅を110°に対応するように通電幅を減少させるよう進角および通電角を決定する。基準とは、例えば、SRモータ7の回転数が閾値未満であるか否か、アクセル開度が所定値以上か否か等によって設定される。フラット通電幅が110°に対応する通電幅は、効率が良く騒音が少ないモードである。
[0083]
 フラット通電区間が110°に対応する通電幅は、フラット通電区間において、オーバーラップ区間がないが、傾斜通電区間をフラット通電区間の両側に設けることで、オーバーラップ区間が設けられる。通電タイミング出力部141は、例えば、進角・通電角設定部138の出力に基づいて、回転数が所定の閾値以上となる場合、SRモータ7のフラット通電幅を110°に対応するように通電幅を減少させる。
[0084]
 次に、稼働状態に応じたSRモータ7の具体的な制御について説明する。モータ制御装置1は、例えば、SRモータ7の回転速度に応じてフラット通電幅を変更する。図7に示されるように、SRモータ7の回転速度が100[rpm]未満のような低速回転時に、最小トルクを増加させるために、通電タイミング出力部141は、フラット通電幅を140°に変更する。SRモータ7の回転速度が増加し、500[rpm]以上となる場合、SRモータ7の効率を優先して、通電タイミング出力部141は、フラット通電幅を140°から110°に変更する。通電タイミング出力部141は、フラット通電幅を140°から110°または110°から140°に変更する際に、傾斜区間を設けて急激な変更とならないようにフラット通電幅を徐々に変化させる。
[0085]
 モータ制御装置1は、例えば、アクセル開度に応じてフラット通電幅を変更してもよい。図8に示されるように、例えば、アクセル開度が80[%]未満で、車両がSRモータ7のトルクが必要のない定速走行している場合などの状態において、SRモータ7の効率を優先して、通電タイミング出力部141は、フラット通電幅を110°に設定する。車両が定速走行の状態から運転者がアクセルペダル4を踏み込みアクセル開度が80[%]以上となり車両の加速を要求する場合、SRモータ7にトルクが必要となるため、通電タイミング出力部141は、フラット通電幅を110°から140°に変更する。
[0086]
 図9に示されるように、モータ制御装置1は、例えば、車両が低速時に登坂する坂道の傾斜度に応じてフラット通電幅を変更してもよい。車両が坂道を登坂する場合、平地と走行する場合に比してアクセル開度とSRモータ7の回転速度との関係が異なる。進角・通電角設定部138は、アクセル開度とSRモータ7の回転速度との関係を示すマップを参照して進角を通電タイミング出力部141に出力する。
[0087]
 通電タイミング出力部141は、アクセル開度、SRモータ7の回転速度、進角に基づいて坂道の傾斜を推定する。通電タイミング出力部141は、例えば、車両が定速で走行しており、且つ、坂道の傾斜が5°未満の場合フラット通電幅を110°に設定する。通電タイミング出力部141は、車両が定速で走行しており、且つ、坂道の傾斜が5°以上となる場合フラット通電幅を140°に設定する。
[0088]
 以下に、制御装置13の電流指令値を補正する処理の流れについて、説明する。図10は、制御装置13の電流指令値を補正する処理の流れを示すフローチャートである。
[0089]
 電流指令値生成部132は、アクセル操作検出部5から出力されたアクセル信号に応じて、SRモータ7の励磁コイルLu,Lv,Lwそれぞれに流す電流の電流指令値を生成する(ステップS100)。電流指令値生成部132は、生成した電流指令値を進角・通電角設定部138、電流指令値補正部142及び指令傾斜幅決定部137に出力する。
[0090]
 回転方向指令生成部133は、シフトポジションセンサ6から出力されるシフト信号に基づいてSRモータ7の回転方向を取得し、SRモータ7の回転方向を示す回転方向指令信号を生成する(ステップS102)。電流指令値生成部132は、生成した回転方向指令信号を電流指令値補正部142に出力する。
[0091]
 位置検出部135は、回転角センサ8が出力する信号に基づいて、ロータ31の回転角(ロータ31の回転位置)を検出して、回転速度検出部136及び電流指令値補正部142に出力する(ステップS104)。
[0092]
 進角・通電角設定部138は、回転速度検出部136および電流指令値生成部132の出力値と基準を比較してSRモータ7の稼働状態を検出し、基準に応じてフラット通電幅を変更するよう進角および通電角を決定する(ステップS106)。通電タイミング出力部141は、位置検出部135から出力されるロータ31の回転位置と、進角・通電角設定部138から出力される進角及び通電角とに基づいて、フラット通電幅を変更する(ステップS108)。
[0093]
 指令傾斜幅決定部137は、電流指令値生成部132から出力される電流指令値と、回転速度検出部136から出力されるロータ31の回転速度と、進角・通電角設定部138の進角および通電角とに基づいて、指令値傾斜幅を決定する(ステップS110)。指令傾斜幅決定部137は、決定した指令値傾斜幅を電流指令値補正部142に出力する。
[0094]
 電流指令値補正部142は、位置検出部135から出力されたロータ31の回転位置が傾斜通電区間か否かを判定する(ステップS112)。電流指令値補正部142は、ロータ31の回転位置が傾斜通電区間である場合には、電流指令値生成部132から出力された電流指令値を補正する。例えば、電流指令値補正部142は、ロータ31及びステータ32の突極が対向位置に近い方の相の電流指令値を、式(1)を用いてロータ31の回転位置に応じて補正する(ステップS114)。電流指令値補正部142は、ロータ31の回転位置が傾斜通電区間でない場合には、電流指令値生成部132から出力された電流指令値を電流制御部140に出力する。上記フローチャートで例示した各ステップの順番は、上述したものに限られず、適宜入れ替えられてもよい。
[0095]
 上述したように、モータ制御装置1は、通電相を一方の相から他方の相に切り替える場合に、そのオーバーラップ区間の少なくとも一部の区間において、一方の相と他方の相との少なくともいずれかの相に流す電流を徐々に変化させる。これにより、オーバーラップ区間において発生するトルク変化を低減可能となる。例えば、通電相を一方の相から他方の相に切り替える場合において実施される、一方の相と他方の相の二相同時通電において、一方の相のコイルの電流指令値を傾斜させることにより、急峻なトルク変化を緩和できる。そして、モータ制御装置1は、SRモータ7の稼働状態に応じて、励磁コイルに通電する通電区間のうち傾斜通電区間を除いたフラット通電区間の長さを変更し、SRモータ7の特性を変化させることができる。
[0096]
 上述の実施形態において、上述の実施形態において、ダイオード58~63は、IGBT、FET及びBJT等のスイッチング素子に代替されてもよい。
[0097]
 モータ制御装置1の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、モータ制御装置1の一部として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。
[0098]
 上述した実施形態における制御装置13をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであっても
よい。
[0099]
 以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。

符号の説明

[0100]
1 モータ制御装置
7 SRモータ
8 回転角センサ
132 電流指令値生成部
133 回転方向指令生成部
134 電流検出部
135 位置検出部
136 回転速度検出部
137 指令傾斜幅決定部138 進角・通電角設定部
140 電流制御部
142 電流指令値補正部
141 通電タイミング出力部
143 ゲート駆動部

請求の範囲

[請求項1]
 多相のSRモータの各相に対応するコイルの通電を切り替えることにより、前記SRモータを回転駆動するモータ制御装置であって、
 通電相を一方の相から他方の相に切り替える場合に、前記一方の相と前記他方の相との両方の相に通電するオーバーラップ区間を設ける通電タイミング出力部と、
 前記オーバーラップ区間において、前記一方の相と前記他方の相に流す電流を徐々に変化させる電流制御部と、を備え、
 前記通電タイミング出力部は、前記SRモータの稼働状態に応じて、前記一方の相および前記他方の相に最大値の電流を流すフラット通電区間の長さを変更する、
モータ制御装置。
[請求項2]
 前記通電タイミング出力部は、前記SRモータにトルクが必要な場合、前記オーバーラップ区間を増加させるように前記フラット通電区間の長さを変更する、
 請求項1に記載のモータ制御装置。
[請求項3]
 前記通電タイミング出力部は、前記SRモータにおいて効率が優先される場合、前記オーバーラップ区間を減少させるように前記フラット通電区間の長さを変更する、
 請求項1または2のモータ制御装置。
[請求項4]
 多相のSRモータの各相に対応するコイルの通電を切り替えることにより、前記SRモータを回転駆動するモータ制御方法であって、
 コンピュータが、
 通電相を一方の相から他方の相に切り替える場合に、前記一方の相と前記他方の相との両方の相に通電するオーバーラップ区間を設け、
 前記オーバーラップ区間において、前記一方の相と前記他方の相に流す電流を徐々に変化させ、
 前記SRモータの稼働状態に応じて、前記一方の相および前記他方の相に最大値の電流を流すフラット通電区間の長さを変更する、
 モータ制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]