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1. (WO2019031171) RÉCIPIENT MOULÉ PAR SOUFFLAGE UTILISÉ AVEC UN FILM D'HUILE FORMÉ SUR UNE SURFACE INTÉRIEURE
Document

明 細 書

発明の名称 内面に油膜を形成して使用されるブロー容器

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010  

発明の効果

0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041  

実施例

0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055  

符号の説明

0056  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 内面に油膜を形成して使用されるブロー容器

技術分野

[0001]
 本発明は、内面に油膜を設けて使用に供されるブロー容器に関するものである。

背景技術

[0002]
 プラスチックは、成形が容易であり、種々の形態に容易に成形できることなどから、各種の用途に広く使用されている。特に、容器壁の内面が低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹脂で形成されているダイレクトブローボトルは、そのスクイズ性、絞り出し性を利用して、特に粘稠な流動性物質、例えばケチャップやマヨネーズなどを収容する容器として広く使用されている。
 ところで、粘稠な流動性物質が収容される容器では、該内容物を速やかに排出し且つ容器内に残存させることなくきれいに排出して最後まで使いきるために、内容物に対して容器内面が高い滑り性を示すことが求められる。
[0003]
 従来、上記のような滑り性は、容器内面を形成する樹脂に滑剤などの添加剤を配合することによって確保していたが、最近になって、樹脂製の基材表面に液膜を形成することによって、粘稠な物質に対する滑り性等の表面特性を改質する技術が種々提案されている(例えば特許文献1)。
 かかる技術によれば、基材表面を形成する樹脂に滑剤などの添加剤を加える場合と比して、滑り性を飛躍的に高めることができるため、現在注目されている。
[0004]
 ところで、表面に液膜を形成することにより、表面特性を改質する手段では、この液膜を表面に安定に保持することが必要であり、このために、上記の特許文献1では、表面に微細な凹凸を形成している。
 このような微細な凹凸は、通常、液膜を形成すべき基材表面に、無機微粒子が分散されたエタノール溶液などのコーティング液をスプレー噴霧し、乾燥することにより形成することができるが、基材表面形成用の樹脂に無機微粒子が配合された樹脂組成物を使用し、かかる樹脂組成物を用いて延伸成形等の成形を行い、所定の形状を有する基材(例えば容器)を製造するという手段も知られている(例えば、特許文献1或いは特許文献2参照)。かかる手段によれば、基材表面を形成している樹脂に配合されている無機微粒子の粒径や配合量に応じて、基材表面に所定の凹凸が形成されることとなる。
[0005]
 しかるに、上記のように液膜を形成して粘稠な物質に対する滑り性を向上する場合、表面の液膜が不均一に形成されることがあり、このため、基材表面の一部に粘稠な物質が付着してしまうという不都合を生じる場合があった。特に、粘稠な含水物質に対する滑り性を向上させるために、基材表面に油性液体の膜(油膜)を形成する場合、かかる問題が生じる傾向が大きい。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特許第5971337号
特許文献2 : 特開2015-227012号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 従って、本発明の目的は、油性液体を内面に塗布することにより、内容品の充填前に容器内面の全体にわたってムラなく油膜を形成することができ、これにより、内容物に対する滑り性が安定に発揮され、内容物の容器内への付着残存を有効に抑制することができるブロー容器を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明者等は、内面に油膜を形成して使用されるブロー容器について多くの実験を行って検討を重ねた結果、内面がオレフィン系樹脂により形成されているブロー容器においては、このオレフィン系樹脂を滑剤レスとし、一定以上の平滑面とすることにより、油性液体が濡れ拡がり、内面の全体にわたって均一な油膜を形成し得るという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
[0009]
 本発明によれば、オレフィン系樹脂製の内面を有するブロー容器において、
 前記内面は、標準油として中鎖脂肪酸トリグリセリドを使用し、23℃に保持された該標準油を0.8μL滴下したとき、滴下された油滴の長径の長さで定義される油滴拡散性が5.0mm以上であることを特徴とするブロー容器が提供される。
[0010]
 本発明のブロー容器においては、
(1)前記油滴の長径/短径比が1.000~1.010の範囲にあること、
(2)前記オレフィン系樹脂により形成されている内面は、算術平均表面高さSa及び二乗平均平方根高さSqが何れも1.5μm以下の平滑面となっていること、
(3)前記容器の内面には、内容物の充填に先立って油性液体が塗布されること、
(4)前記油性液体により内面上に形成される油膜の厚みが0.5~30g/m の範囲であること、
(5)前記油性液体が食用油であること、
が好適である。

発明の効果

[0011]
 本発明のブロー容器は、少なくとも内面がオレフィン系樹脂により形成されているものであるが、上記の標準油を用いて測定される油滴拡散性(油滴の長径)が5.0mm以上であるという特性を有するものである。即ち、このような油滴拡散性を示す容器の内面に、油性液体(例えば食用油)を塗布したとき、この油性液体は速やかに濡れ広がり、この結果、容器の内面の全体にわたってムラなく油膜を形成することができる。特に少量の油性液体を塗布することにより、厚みの薄い油膜を均一に形成することができるため、油膜を形成している油性液体の流動による厚みの変動等を有効に回避することができ、かかる油膜による容器内容物に対する滑り性向上が安定に発揮される。
[0012]
 従って、本発明のブロー容器は、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングなどの粘稠な含水物質の収容に好適に適用される。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明のブロー容器の容器壁の好適な層構造を、内面に油膜が設けられた状態で示す概略側断面図。

発明を実施するための形態

[0014]
 図1を参照して、本発明のブロー容器は、内面を形成している内層1と、外面を形成している外層3とを有しており、内層1と外層3との間に中間層5が設けられている。このような層構造を有するブロー容器は、内面1a上に、含水内容物に対する滑り性(排出性)を高めるための油膜7が設けられた後、含水内容物を充填して使用に供される。
[0015]
<内層1>
 上記の層構造において、本発明では、内層1は、オレフィン系樹脂により形成されている。
 かかるオレフィン系樹脂としては、それ自体公知のものが使用され、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテンなどのオレフィン系ポリマーや、これらのオレフィン類の共重合樹脂やブレンド物などが使用される。特に、油膜7の保持性の観点や、柔軟性に富んでおり、粘稠な内容物を押し出すためのスクイズ性に優れていることから、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンに代表される密度が0.930g/cm 以下の低密度ポリエチレンが好適である。
[0016]
 本発明においては、上記のオレフィン系樹脂からなる容器の内面1aは、中鎖脂肪酸トリグリセリドを標準油として使用し、23℃に保持された該標準油0.8μLを滴下して測定される油滴拡散性が5.0mm以上に調整されている。この油滴拡散性は、後述する実施例に示されているように、上記標準油の油滴(0.8μL)を容器内面1aに滴下したとき、滴下後60秒後の油滴の大きさ(長径の長さ)をデジタルマイクロスコープで観測することにより求められるものであり、この値が大きいほど、油性液体に対する濡れ性がよいことを示す。
 即ち、本発明のブロー容器は、この内面1aが油性液体に対して優れた濡れ性を示すため、少量の油性液体を噴霧することにより極めて薄い厚みの油膜7を容器内面1aの全体にわたってムラなく形成することができる。
 尚、上記の測定に標準油として使用される中鎖脂肪酸トリグリセリド中の脂肪酸は、炭素数が8~10であり、特に炭素数8と炭素数10の脂肪酸が、60:40、70:30、75:25、85:15及び100:0の割合のものがある。これらから選択される中鎖脂肪酸トリグリセリドの23℃での粘度は20~40mPa・sであるが、かかる範囲であれば、上記の油滴拡散性の測定に適しており、バラツキなく測定することができる。因みに、後述する実施例では、23℃の粘度が33.8mPa・sのものを使用して油滴拡散性が測定されている。
[0017]
 また、本発明では、上記のように測定される油滴拡散性試験において、滴下された油滴の長径/短径比が1.000~1.010の範囲にあることが極めて好適である。即ち、油滴の長径/短径比が、このような範囲にあることは、この油滴が真円に近い形状に濡れ広がっていることを意味するものであり、油滴拡散性が上記範囲にあると同時に、長径/短径比が上記範囲内にあるときに、最も優れた濡れ性が発現している。
 油膜によって、容器内容物に対する滑り性向上を発現させる際には、極めて小さい欠陥(ミクロレベルでの油のはじき)にもその滑り性が影響を受けるため、このようなミクロレベルでの油のはじきを防止することが技術的には極めて重要である。本発明においては、ミクロな濡れの欠陥の発生を有効に抑制しているため、油滴拡散性試験において、油滴の長径/短径比を上記範囲に制御している。
[0018]
 本発明において、上記のような油滴拡散性を確保するということは、内層1を形成するオレフィン系樹脂に、滑剤に代表されるブリーディング性添加剤が配合されていないことを意味する。即ち、オレフィン系樹脂に代表される熱可塑性プラスチックには、一般に、離型性を確保するために、滑剤が配合されている。このような滑剤が内面1aにブリードしていると、内面1aに塗布された油性液体を撥いてしまい、この結果、油性液体が濡れ広がらなくなってしまう。また、このようなオレフィン系樹脂には、増量や補強、あるいは内面1aに凹凸を形成するためにシリカ等の無機酸化物粒子が配合されることもあるが、このような無機酸化物粒子は内面1aの表面に凹凸を形成させる傾向があるため、油性液体のミクロな濡れ欠陥を形成させる性質がある。従って、上記のような油滴拡散性を発現させるためには、上記オレフィン系樹脂は、このような無機酸化物粒子を配合せずに内層1の形成に使用される。
 また、油滴拡散性を向上させるために、後述の油性液体を予め内層に配合してもよい。
[0019]
 さらに、上記のような油滴拡散性を確保するためには、この内面1aは、極めて平滑性が高いことが必要である。例えば、ISO25178-2:2012に準拠して測定される算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqが何れも1.5μm以下であり、より好ましくは最大表面粗さRzが20μm以下である。即ち、内面1aが、このような平滑面となっているため、少量の油性液体が広く濡れ拡がり、優れた油滴拡散性を発現させることが可能となるものである。例えば、この内面1aが凹凸の大きい粗面となっていると、油性液体の脱落防止という点では望ましいが、油性液体が濡れ拡がり難くなり、厚みのムラ等を生じ易くなってしまう。
 尚、このような平滑面を形成する手段については、後述する。
[0020]
 このような内層1を有する本発明のブロー容器においては、内層1の厚みは、容器に要求される柔軟性、強度等の特性が満足する限りにおいて、その厚みは必要以上に厚くならないように設定することが好ましく、例えば200μm以下、特に40~150μm程度の厚みを有していることが望ましい。この厚みが厚すぎると、この内層1の内面1aに油性液体を塗布したとき、内層1中に吸収される油性液体の量(飽和吸収量)が多くなり、この結果、一定の厚みの油膜7を形成するために必要な油性液体の量が多くなったり、或いは内層1中に吸収される油性液体の量が多くなるため、油膜7の厚みの経時的変動が大きくなるおそれがあるからである。
[0021]
<外層3>
 本発明において、外層3を形成する樹脂は、容器の成形に使用される各種の熱可塑性樹脂により形成されていてよく、例えば、各種のオレフィン系樹脂やポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル樹脂により形成することができるが、特に、絞り出しにより粘稠な含水内容物を排出するという容器胴部の可撓性を確保するという点で、オレフィン系樹脂が好ましく、内層と同様のエチレン系樹脂、特に密度が0.930g/cm 以下の低密度ポリエチレン(LDPE)により外層3が形成されていることが最適である。
[0022]
 また、かかる外層3は、その表面に油膜を形成するものではないため、油滴拡散性などの特性は要求されない。従って、この外層3には、各種のブリーディング性添加剤が配合されていてよく、特に滑剤が配合されていることが好ましい。即ち、滑剤の配合により、成形後の容器の搬送時での容器同士の接着や搬送ベルトへの容器の密着などの不都合を有効に回避することができる。
 このような滑剤としては、市販のポリエチレン等に配合されているもの、例えば以下のものを例示することができる。
   ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの。
   ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エル
  カ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリ
  ン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスオレイン酸ア
  ミド等の脂肪族アミド系のもの。
   ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステア
  レート等の脂肪酸エステル系のもの。
   セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの。
   ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン。
[0023]
 このような滑剤は、例えば、外層3を形成する樹脂100質量部当り、0.01~0.5質量部程度の量で配合される。
[0024]
 また、この外層3の厚みは、容器に要求される柔軟性、スクイズ性或いは強度等の特性が確保されるような範囲にあればよい。
[0025]
<中間層5>
 本発明のブロー容器では、図1に示されているように、内層1と外層3との間には、中間層5が設けられる態様が好適である。即ち、内容物に対する滑り性確保という観点では、上述した油滴拡散性を示す内面1aを備えた内層1のみの単層構造を有するものであってよいが、このような単層構造のブロー容器では、酸素透過性が高く、内容物の酸化劣化を防止するという点では不満足なものとなってしまう。このために、オレフィン系樹脂とは異なる樹脂による中間層5を設け、酸素の透過を抑制することが好適となる。
[0026]
 このような中間層5としては、ガスバリア性樹脂層や酸素吸収層が代表的であり、また、これらの層と内外層1,3とを接着するための接着剤層が中間層として設けられていてもよい。また、成形時に発生するバリ等のスクラップを含むリグラインド層なども中間層として設けられていてもよく、ガスバリア性樹脂層と酸素吸収層との両方を設けることもできる。
[0027]
 上記のガスバリア性樹脂層の形成に用いるガスバリア性樹脂としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体(エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物)、芳香族ポリアミド及び環状ポリオレフィンなどを例示することができ、特にガスバリア性が優れているという点で、エチレン・ビニルアルコール共重合体が最も好適である。
 上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、一般に、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン-酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適である。
 また、上記のようなガスバリア性樹脂同士をブレンドして使用することもできる。
[0028]
 特に上記のようなガスバリア性樹脂層は、内面1a上に油膜7を形成する油性液体の拡散を抑制し得る性質を有しており、このような油性液体の内層1から外層3側への移行を有効に抑制し、油膜7を安定に維持する点でも好適であり、さらには、外層3に配合される滑剤の内層1側への移行も抑制し、内面1aの油濡れ性を確保するという点でも有利である。
[0029]
 また、酸素吸収層は、酸素と反応して酸化される被酸化性重合体を含むものである。
 このような被酸化性重合体は、それ自体公知であり、例えば特開2002-240813号等に詳細に説明されているので、その詳細は省略するが、代表的な例は、第3級炭素原子を有するオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレンやポリブテン-1等、或いはこれらの共重合体)、熱可塑性ポリエステル若しくは脂肪族ポリアミド;キシリレン基含有ポリアミド樹脂;エチレン系不飽和基含有重合体(例えばブタジエン等のポリエンから誘導される重合体);などである。
 また、この酸素吸収層は、通常、被酸化性重合体の酸化を促進するための遷移金属触媒が所謂触媒量で配合される。かかる遷移金属触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の遷移金属の無機塩、有機酸塩或いは錯塩が代表的である。
[0030]
 さらに、上記のようなガスバリア性樹脂層や酸素吸収層と内外層1,3との接着性を向上するために使用される接着剤樹脂層は、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体;などにより形成される。
[0031]
 尚、本発明においては、前述したガスバリア性樹脂層や酸素吸収層、特にガスバリア性樹脂層には、これらの層の特性が損なわれない範囲においてオレフィン系樹脂、特に内層1或いは外層3に形成に使用されるポリエチレンをブレンドすることができ、このようなオレフィン系樹脂のブレンドにより、接着剤樹脂層を介在させずに、これらの層と内外層1,3との接着性を向上させることができ、接着剤レスとしてコストダウンを図ることができる。
[0032]
 上述した中間層5を形成し得る各層は、それぞれの機能が十分に発揮される程度の厚みに設定される。
[0033]
 上述した中間層5を含め、本発明のブロー容器が有する好適な層構造の例を、以下に示す。
 以下の層構造において、LDPEは、密度が0.929g/cm 以下の低密度ポリエチレンを示し、RGは、成形時に発生するバリなどのスクラップにバージンのLDPEがブレンドされたリグラインド層を示し、GSは、ガスバリア性樹脂層、O2ABは酸素吸収層を示す。
  (外)LDPE/GS/O2AB/GS/LDPE(内)
  (外)LDPE/GS/O2AB/RG/GS/LDPE(内)
 尚、上記の層構造において、各層の界面には、前述した接着剤樹脂層を設けることができるが、GSやO2ABの層にLDPEがブレンドされている場合には、このような接着剤樹脂層を省略できることは既に述べたとおりである。
[0034]
<ブロー容器の製造>
 上述した層構造を有しており、且つ所定の油滴拡散性を有する内面1aを備えた本発明のブロー容器は、それ自体公知のブロー成形により製造される。例えば、各層を形成するための樹脂若しくは樹脂組成物を用いての射出成形により試験管形状のプリフォームを成形し、このプリフォームを二次延伸ブロー成形するという手段を採用することもできるし、所定の樹脂若しくは樹脂組成物を用いての溶融押出により筒状のパリソンを成形し、このパリソンの一端部をピンチオフにより閉じた後、エア等のブロー流体を吹き込んで容器(ボトル)形状に賦形するダイレクトブロー成形により製造することができる。
 これらの製造方法は、ブロー容器の製法として何れも周知であるが、特に、粘稠な内容物の排出性に適した柔軟性、スクイズ性を有しているという点で、ダイレクトブロー成形により容器を製造することが好適である。
[0035]
 また、ダイレクトブロー成形によりブロー容器を製造する場合には、筒状パリソンを成形するための溶融押出をする際、内層1の内面1aとなる部分に接触するコア金型の表面部分が、溶融樹脂をはじくような表面処理や高摺動性の樹脂による表面処理が施されていることが好ましい。このような表面処理は、これに限定されるものではないが、通常、金型表面に耐熱性を有するフッ素樹脂のコーティングを形成する等の方法により行われる。
 即ち、二軸延伸ブロー成形などのように、射出成形によりブロー用のプリフォームを成形する場合には、容器の内面1aとなるプリフォームの内面は、ガラス転移点以上、融点未満で延伸ブローされて賦型されるため平滑性の高い面とすることができるが、ダイレクトブロー成形では、容器の内面1aとなる筒状パリソンの内面は、溶融状態のままブローされて賦型されるため、溶融状態でのパリソンの表面粗さに強く影響を受け、内面1aを所定の平滑面とすることが難しい。しかるに、この内面1aとなる部分が樹脂をはじくように表面処理されているコア金型と接触しながら溶融押出して筒状パリソンが成形されることにより、前述した平滑性の高い内面1aを形成し、目的とする油滴拡散性や油滴の長径/短径比を所定の範囲に設定することができる。
[0036]
 上記のようにして成形されるブロー容器は、一般に、そのまま内容物販売メーカに販売され、メーカ側で油性液体が容器内面1aにスプレー噴霧により塗布され、内面1aに油膜7が形成された後、内容物が充填され、キャップが装着されて市販されることとなる。
[0037]
 即ち、本発明のブロー容器では、内面1aが高い油滴拡散性を示し、噴霧された油滴が大きく濡れ広がるため、少量の油性液体の使用により、薄い厚みの油膜7が容器の内面1aの全体にわたって均一に形成され、安定に保持される。例えば、内面1a上に存在する油膜7の厚み(油性液体の量)は0.1~30g/m 、さらには0.5~10g/m の極めて薄い範囲に保持される。この油性液体の量が極めて少量であるため、この容器を正立状態に長期間保持した場合においても、底部に液体が垂れ落ちて胴部の油膜7が消失するという不都合が有効に防止され、さらに、容器を倒立して内容物を排出した場合においても、容器の底部に存在する油性液体の垂れ落ちも有効に回避されて油膜7が保持されるため、容器の底部に内容物が付着残存するという不都合も有効に抑制される。
[0038]
 尚、油性液体は、当然、大気圧下での蒸気圧が小さい不揮発性の液体、例えば沸点が200℃以上の高沸点液体でなければならない。揮発性液体を用いた場合には、容易に揮散して経時と共に消失し、油膜7を維持することが困難となってしまうからである。
[0039]
 このような油性液体の具体例としては、上記のような高沸点液体であることを条件として、種々のものを挙げることができるが、特に表面張力が、滑り性の対象となる粘稠な含水物質と大きく異なるものほど、潤滑効果が高く、本発明には好適である。
 例えば、表面張力が10乃至40mN/m、特に16乃至35mN/mの範囲にある油性液体を用いるのが良く、グリセリン脂肪酸エステル、流動パラフィン、食用油脂(食用油)が代表的であり、特に粘稠な含水物質が食品類である場合には、食用油脂が最適である。
 このような食用油脂としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油などが好適に使用できる。
[0040]
 また、本発明の多層ブロー空容器においては、前述したように、その内面1aが油濡れ性に優れており、さらに適度な密度のポリエチレンにより内面1aを有する内層1が形成されているため、非常に少量の油性液体の使用により、内面1aの全体に均一な油膜7を形成することができ、粘稠な含水内容物に対して優れた滑り性、排出性を発揮することができる。
[0041]
 尚、この容器に収容される含水内容物としては、特に制限されるものではないが、油膜7の形成により優れた滑り性、排出性が発現しているため、特に粘稠な含水内容物、例えば、ケチャップ、水性糊、蜂蜜、各種ソース類、マヨネーズ、マスタード、ドレッシング、ジャム、チョコレートシロップ、ヨーグルト、乳液等の化粧液等が好適である。
実施例
[0042]
 本発明の優れた効果を次の実験例で説明する。
 尚、以下の実験例等で行った各種の特性、物性等の測定方法及びブロー容器の成形に用いた樹脂等は次の通りである。
[0043]
1.ボトル内面の表面粗さ測定
 後述の方法で成形したボトルの胴部から10mmx10mmの試験片を切り出し、マイクロスコープ(VK-100、(株)キーエンス製)を用いて、ボトル胴部内面の3D形状測定を行った。得られたデータから、500μmx500μmの範囲での表面粗さ(ISO25178-2:2012)を算出した。
[0044]
2.ボトル内面の2Dでの線粗さ測定
 後述の方法で成形したボトルの胴部から20mmx20mmの試験片を切り出し、表面粗さ測定機(SURFCOM2000SD3、(株)東京精密製)を用いて、粗さ測定を行った。
 条件:JIS‘01、長さ4mm、カットオフ0.8mm、速度0.3mm/s
[0045]
3.油濡れ性測定
 後述の方法で成形したボトルの胴部から20mmx20mmの試験片を切り出し、固液界面解析システム(Dropmaster500、協和界面科学(株)製)を用いて、中鎖脂肪酸トリグリセリド0.8μLを試験片ボトル内面側に滴下し、3秒後の接触角を求めた。この値が小さいほど、塗布時の濡れ性が良いことを示している。
[0046]
4.油滴拡散性測定
 後述の方法で成形したボトルの胴部から30mmx20mmの試験片を切り出し、ボトル内面側に中鎖脂肪酸トリグリセリド0.8μLを試験片ボトル内面側に滴下し、60秒後の液滴の形状をデジタルマイクロスコープ(DVM5000 HD、ライカマイクロシステムズ(株)製)を用いて撮影し、3点の液滴の形状(長径・短径)を測定した。長径については、三点の中央値を記載し、長径/短径比については、三点全てを記載した。
[0047]
<標準油>
 中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)(表面張力28.8mN/m、粘度33.8mPa・s、いずれも23℃での値。沸点:210℃以上、引火点:242℃(参考値))
 尚、液体の表面張力は固液界面解析システム(DropMaster700、協和界面科学(株)製)を用いて23℃にて測定した値を用いた。なお、液体の表面張力測定に必要な液体の密度は、密度比重計(DA-130、京都電子工業(株)製)を用いて23℃で測定した値を用いた。また、潤滑液の粘度は音叉型振動式粘度計(SV-10、(株)エー・アンド・デイ製)を用いて23℃にて測定した値を示した。
[0048]
<外層形成用樹脂>
 低密度ポリエチレン-A(LDPE-A)
 密度:0.921g/cm
 滑剤:オレイン酸アミド 300ppm配合
[0049]
<中間層形成用樹脂>
 低密度ポリエチレン-A(LDPE-A)
 密度:0.921g/cm
 滑剤:オレイン酸アミド 300ppm配合
[0050]
<バリア層形成用樹脂>
 エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)とポリオレフィンのブレンド材
<内層形成用樹脂>
 1) 低密度ポリエチレン-A(LDPE-A)
    密度:0.921g/cm
    滑剤:オレイン酸アミド 300ppm配合
 2) 低密度ポリエチレン-B(LDPE-B)
    密度:0.922g/cm
    滑剤:なし
[0051]
<実験例1>
 40mm押出機Aに外層形成用樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE-A)、40mm押出機Bにバリア層形成用樹脂としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)とポリオレフィンのブレンド材、50mm押出機に中間層形成用樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE-A)、40mm押出機Cに内層形成用樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE-B)をそれぞれ供給し、溶融パリソンの出口部分にポリマーコートを施したコアを取り付け、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、金型温度24℃にて公知のダイレクトブロー成形を行い、内容量400g、重量20gの5種5層のボトルを作製した。本ボトルの層構成は下記の通りである。
 外層/接着性バリア層/中間層/接着性バリア層/内層
 作製したボトルを用いて、前述のボトル内面の表面粗さ測定、ボトル内面の2Dでの線粗さ測定、油濡れ性測定、油滴拡散性測定を行った。
 結果をまとめて表1に示す。
[0052]
<実験例2>
 溶融パリソンの出口部分に表面処理を施さないコアを取り付けた以外は実験例1と同様にボトルを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0053]
<実験例3>
 40mm押出機Cに内層形成用樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE-A)に変更した以外は実験例1と同様にボトルを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[0054]
[表1]


[0055]
 表1より、内層形成用樹脂(内層材)として、滑剤を配合していない低密度ポリエチレン(LDPE-B)を用いた実験例1と2においては、油濡れ性が10度未満、かつ油滴長径も5mm以上となっており、滑剤を配合した実験例3と比較して油濡れ性に優れていることが分かる。
 さらに、表面処理としてポリマーコートを施したコアを用いた実験例1と3においては、表面粗さ測定結果から、Sa、Sqともに1.5μm以下の数値となっており、表面処理を施していないコアを用いた実験例2と比較して、極めて平滑なボトル内面を形成できていることが分かる。
 内層材として、滑剤を配合していない低密度ポリエチレン(LDPE-B)を用い、かつポリマーコートを施したコアを用いた実験例1は油滴拡散性(長径/短径比)も1.000~1.010と真円に近い値を示しており、ミクロな濡れ性に極めて優れており、油塗工性に極めて優れたボトルであることが分かる。

符号の説明

[0056]
  1:内層
  1a:内面
  3:外層
  5:中間層
  7:油膜

請求の範囲

[請求項1]
 オレフィン系樹脂製の内面を有するブロー容器において、
 前記内面は、標準油として中鎖脂肪酸トリグリセリドを使用し、23℃に保持された該標準油を0.8μL滴下したとき、滴下された油滴の長径の長さで定義される油滴拡散性が5.0mm以上であることを特徴とするブロー容器。
[請求項2]
 前記油滴の長径/短径比が1.000~1.010の範囲にある請求項1に記載のブロー容器。
[請求項3]
 前記オレフィン系樹脂により形成されている内面は、算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqが何れも1.5μm以下の平滑面となっている請求項1に記載のブロー容器。
[請求項4]
 前記容器の内面には、内容物の充填に先立って油性液体が塗布される請求項1に記載のブロー容器。
[請求項5]
 前記油性液体により内面上に形成される油膜の厚みが0.5~30g/m の範囲である請求項4に記載のブロー容器。
[請求項6]
 前記油性液体が食用油である請求項4に記載のブロー容器。

図面

[ 図 1]