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1. WO2012081346 - MÉTAL D'APPORT DE BRASAGE FORT À BASE DE NICKEL PRÉSENTANT UNE EXCELLENTE RÉSISTANCE À LA CHALEUR

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明 細 書

発明の名称 耐熱性に優れたニッケルろう材

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004   0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021  

実施例

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032  

産業上の利用可能性

0033  

請求の範囲

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 耐熱性に優れたニッケルろう材

技術分野

[0001]
 本発明は、汎用の熱交換器やEGR(排気ガス再循環、Exhaust Gas Recirculation)クーラ、廃熱回収装置などの熱交換器に用いられて、各種ステンレス鋼などの部材を接合するろう材に関するものであり、特に、耐熱性が要求される部材の接合に適用される耐熱ろう材に関するものである。

背景技術

[0002]
 従来、耐熱性や耐食性が要求される各種ステンレス鋼部材の接合には、AWSA A5.8/A5.8M:2004に記載のニッケルろう材(BNi-1~BNi-13)が広く適用されている。しかし、BNi-5とBNi-8を除いたニッケルろう材は、融点降下元素としてBやPが添加されているため、ろう付層に低融点の金属間化合物が生成して、高温における材料強度が低いという問題を抱えている。こうしたことから、耐熱性が要求される部材のろう接にはBNi-5が広く使用されているが、近年の環境負荷低減や熱交換効率の向上要求を受け、熱交換器の使用温度が900℃前後に達する場合もあり、BNi-5においても高温強度が不十分となっている。また、高温強度は第一義的には材料の融点によって決まるため、BNi-8は融点(特に固相線温度)が低いことから、900℃前後の高温環境では十分な強度が得られない。
[0003]
 一方、下記の特許文献1や2に示されるNi-Cr-Si-Mn系のろう材は、高い高温強度が期待できるが、CrとMnを合計で34質量%以上含有することから、液相線温度が1200℃を超える組成が存在して、工業用の汎用炉による健全なろう付熱処理が困難となるほか、Siと反応して金属間化合物を析出し、高温強度を劣化させる場合がある。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2005-224818号公報
特許文献2 : 特開2004-42091号公報
[0005]
 現在、産業用に使用されている各種ニッケルろう材には、耐熱性、耐食性、ろう接性、接合強度と、高温強度などの機能が要求されるが、その全てを兼ね備えたろう材は存在しない。そこで、使用環境に応じてニッケルろう材は使い分けられている。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 一般に、接合強度と耐熱性および耐食性を備えたニッケルろう材は、各種の熱交換器の接合に広く用いられている。そして、その熱交換器のひとつに、廃熱回収装置が挙げられ、近年の環境負荷低減を受け、廃熱の有効利用の観点から廃熱回収装置への適応が進められている。
[0007]
 この廃熱回収装置用熱交換器には、特に耐熱性と高温強度が要求されるため、現在、BNi-5が使用されている。しかしながら、この使用環境は近年厳しさを増しており、使用温度が900℃前後に達していることから、BNi-5でも高温強度が不十分となってきており、より耐熱性、高温強度に優れたニッケルろう材の開発が課題となっている。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明では、耐熱性と高温強度に優れたニッケルろう材の開発を行うための合金組成の検討にあたり、下記の目標値を設定して、これを全て満足することを条件とした。
(目標値)
 (1) 固相線温度〔融点〕が1050℃以上であること
 (2) 液相線温度〔融点〕が1200℃以下であること
 (3) 抗折力〔材料強度〕が1000N/mm 2以上であること
 (4) 900℃における材料強度がBNi-5より優れていること
[0009]
 上記の目標値(1)~(4)を全て満足する本発明の耐熱性に優れたニッケルろう材は、Crを8.0~30.0質量%、Siを7.0~13.0質量% 、Wもしくは/およびMoを合計で1.0~10.0質量%含み、残部がNiおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
 ここで、不可避不純物とは、意図的に添加していないのに、各原料の製造工程等で不可避的に混入する不純物のことであり、このような不純物としては、Mg、S、O、N、V、Zr、Snなどが挙げられ、これらの総和は通常0.3質量%以下であり、本発明の作用に影響を及ぼす程ではない。
[0010]
 また、本発明は、Crを8.0~30.0質量%、Siを7.0~13.0質量% 、Coを5.0~30.0質量%含み、残部がNiおよび不可避不純物からなることを特徴とするニッケルろう材でもある。
[0011]
 また、本発明は、Crを8.0~30.0質量%、Siを7.0~13.0質量% 、Wもしくは/およびMoを合計で1.0~10.0質量%、Coを5.0~30.0質量%含み、残部がNiおよび不可避不純物からなることを特徴とするニッケルろう材でもある。
[0012]
 さらに、本発明は、上記の特徴を有する耐熱性に優れたニッケルろう材において、特性に影響を及ぼさない元素としてFeを15質量%以下、Mn、Cuをそれぞれ5.0質量%以下、C、B、Al、Ti、Nbをそれぞれ0.5質量%以下含み、Fe、Mn、Cu、C、B、Al、Ti、Nbの合計が20.0質量%以下であることを特徴とするものでもある。
[0013]
 次に、本発明に係わる耐熱ろう材の各成分範囲を限定した理由を述べる。
[0014]
 Crは、基質(マトリックス)となるNi固溶体に固溶して、耐熱性や強度を向上させ、さらに融点の調整に寄与するが、8.0質量%未満では、耐熱性が得られず、30.0質量%を超えると固相線温度の低下や液相線温度の上昇が生じて、高温強度の低下やろう付熱処理での溶け分れ、未溶融が生じ、健全なろう付層が得られなくなる。したがって、Crの含有量は8.0~30.0質量%の範囲に定めた。
[0015]
 Siは、Niとの共晶反応により、合金の融点を低下させる効果があるが、含有量が7.0質量%未満では、十分な効果が得られず、目標の液相線温度を超える。また、13.0質量%を超えると過共晶となり、大幅に材料強度が低下して、目標とする抗折力が得られない。このため、Siの含有量は7.0~13.0質量%の範囲に定めた。
[0016]
 WおよびMoは、Ni固溶体に固溶して、材料強度、特に高温における強度を向上させる効果があるが、WとMoの含有量が合計で1.0質量%未満では十分な効果が得られない。また、10.0質量%を超えると過共晶組成となり、強度が低下し、目標とする抗折力が得られない。このため、W、Moの含有量は合計で1.0~10.0質量%の範囲に定めた。
[0017]
 Coは、Ni固溶体に固溶して、融点を上昇させる効果があるが、含有量が5.0質量%未満では、十分な効果が得られず、30.0質量%を超えると融点が上昇し、目標の液相線温度を超える。このため、Coの含有量は5.0~30.0質量%の範囲に定めた。
[0018]
 本発明の耐熱ろう材においては、物性に悪影響を及ぼさない添加元素として、Feを15.0質量%以下、Mn、Cuをそれぞれ5.0質量%以下、C、B、Al、Ti、Nbをそれぞれ0.5質量%以下含むことができるが、融点や材料強度、ろう接性を損なわないようにするため、Fe、Mn、Cu、C、B、Al、Ti、Nbの合計の上限を20.0質量%に定めた。

発明の効果

[0019]
 本発明のニッケルろう材は、以下の特徴を有しているので、高温強度が期待できるニッケルろう材として広範囲な用途への適応が可能となる。
 (1) 固相線温度が1050℃以上であるので、900℃前後の高温環境においても対応が可能である。
 (2) 液相線温度が1200℃以下であるので、汎用の雰囲気炉を用いたろう接施工が可能である。
 (3) 抗折力は1000N/mm 2以上を有しており、ニッケルろう材として高い材料強度を備えている。
 (4) 900℃における引張破断強度がBNi-5(70.5MPa)より高く、高温における材料強度に優れている。

発明を実施するための形態

[0020]
 本発明の合金は、ベースとなるNiと、添加成分のCr、Si、W、Mo、Coを調整・配合し、必要に応じてFe、Mn、Cuなどが所定の質量%になるように添加した地金を、溶解炉のルツボ内で完全に溶解した後、溶融合金をアトマイズ法や溶融粉砕法により粉末とするか、所定の型に鋳造して棒状や板状にして、得ることができる。
[0021]
 特にアトマイズ法で製造した合金粉末は、目的の施工方法に適した粒度に調整されるが、ステンレス鋼基材に本発明ろう材を設置する方法として、バインダと粉末を混合したペースト状にして塗布や印刷する方法、基材面にバインダと粉末をふりかけて塗布(散布)する方法、シート状あるいは箔状に加工して設置する方法、粉末を溶射して設置する方法などが選択できる。
実施例
[0022]
 上記のように調整・配合した本発明の実施例合金および比較例合金を溶製し、以下に示す方法で、融点(固相線温度、液相線温度)、抗折力、高温強度を評価した。
[0023]
(1) 固相線温度測定;各合金の配合組成を有する100gの地金を、電気炉を用いてアルゴンガス気流中で約1500℃まで加熱して溶解し、その後、炉内で自然冷却させながら合金の温度を連続的に測定する熱分析法により、融点温度を測定した。即ち、溶湯中央部に挿入した熱電対に連結する記録計に熱分析曲線を描かせ、その冷却曲線から固相線温度を読み取った。
[0024]
(2) 液相線温度測定;上記(1)と同様の方法で熱分析曲線を得、液相線温度を読み取った。
[0025]
(3) 抗折力測定;上記(1)と同じ方法で地金を溶解し、その溶湯を石英ガラス管に鋳造した後、約φ5×35mmに機械加工して、試験片とした。次に、抗折力試験冶具(三点支持、支持間距離25.4mm(JIS Z2511:2006記載の冶具))に試験片を設置し、万能試験機により荷重をかけて破断したときの荷重を測定し、試験片形状と破断荷重から合金の抗折力を算出した。
[0026]
(4) 高温引張強度測定;上記(1) と同じ方法で地金を溶解し、その溶湯を黒鉛鋳型に鋳造し、650℃で5hr歪除去の熱処理を実施した後、JIS4号に準拠した形状に機械加工して、試験片とした。次に高温用大気炉を併設した島津製作所(株)製オートグラフ試験機を用いて、900℃における引張試験を行い、破断時の強度と試験片断面積より、引張破断強度を測定した。
指標は以下の通り
 「○」:BNi-5を超える強度(75MPa以上)
 「△」:BNi-5と同程度の強度(65MPa以上75MPa未満)
 「×」:BNi-5未満の強度(65MPa未満)
[0027]
[表1]


[0028]
[表2]


[0029]
[表3]


[0030]
 表2に示す比較例合金の(a)~(n)は、本発明の請求範囲外組成の合金である。比較例(a)はCrが請求範囲の下限を下回ったもの、(b)はCrが請求範囲の上限を超えたもの、(c)はSiが請求範囲の下限を下回ったもの、(d)はSiが請求範囲の上限を超えたもの、(e)はWとCoが共に請求範囲の下限を下回ったもの、(f)はMoが請求範囲の上限を超えたもの、(g)はMoとCoが共に請求範囲の下限を下回ったもの、(h)はCoが請求範囲の上限を超えたもの、(i)はFeが請求範囲の上限を超えたもの、(j)はCuが、(k)はFe且つFeとMnとTiの合計量が、(l)はBが、(m)はCが、(n)はAlが請求範囲の上限を超えたものであり、融点(固相線温度、液相線温度)、抗折力、高温強度のいずれかが目標値を満足していない。
[0031]
 表3に示す比較例合金の(A)~(M)は、AWSA A5.8/A5.8M:2004に規定された汎用のニッケルろう材であり、比較例合金(N)~(P)は、前記特許文献1及び2にそれぞれ記載された先行技術合金である。汎用ニッケルろう材である比較例(A)~(M)は、(E)と(I)を除き固相線温度が低いほか、いずれも高温強度が目標値より低い。また、(I)は融点の目標値を満足するが抗折力は低く、(E)は融点、抗折力ともに目標値を満足するが、BNi-5以上の高温強度を有しない。一方、先行技術合金の比較例(N)~(P)のうち、(N)については抗折力を満足するが、いずれの合金も液相線温度が目標値より高く、(O)及び(P)は、高温強度が低い。
[0032]
 これに対して、本発明の実施例合金1~16は、表1からも明らかなように、融点(固相線温度、液相線温度)、抗折力、高温強度のいずれも目標値を満足しており、ニッケルろう材として適度な融点、材料強度、ろう接性を有し、且つ優れた高温強度を備えている。

産業上の利用可能性

[0033]
 以上に述べたように、本発明のニッケルろう材は融点、材料強度に優れ、900℃の高温環境においても高い強度を維持することから、廃熱回収装置に限らず、環境・エネルギー関連の熱交換器や給湯部品などのろう付装置部品を製造するための接合材料として、広く活用することが可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 Crを8.0~30.0質量%、Siを7.0~13.0質量% 、Wもしくは/およびMoを合計で1.0~10.0質量%含み、残部がNiおよび不可避不純物からなることを特徴とする耐熱性に優れたニッケルろう材。
[請求項2]
 Crを8.0~30.0質量%、Siを7.0~13.0質量%、Coを5.0~30.0質量%含み、残部がNiおよび不可避不純物からなることを特徴とする耐熱性に優れたニッケルろう材。
[請求項3]
 Crを8.0~30.0質量%、Siを7.0~13.0質量%、Wもしくは/およびMoを合計で1.0~10.0質量%、Coを5.0~30.0質量%含み、残部がNiおよび不可避不純物からなることを特徴とする耐熱性に優れたニッケルろう材。
[請求項4]
 特性に影響を及ぼさない元素として、Feを15.0質量%以下、Mn、Cuをそれぞれ5.0質量%以下、C、B、Al、Ti、Nbをそれぞれ0.5質量%以下含み、Fe、Mn、Cu、C、B、Al、Ti、Nbの合計が20.0質量%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の耐熱性に優れたニッケルろう材。