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1. (WO2008050543) DISPOSITIF À VIS DE CORPS DE ROULEMENT
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明 細書

転動体ねじ装置

技術分野

[0001] 本発明は、転動体ねじ装置に係り、特に、保持器リングを用いる型式の転動体ねじ 装置であって、この保持器リングのずれ防止機構を備えるタイプの転動体ねじ装置の 改良に関するものである。

背景技術

[0002] 従来から、ねじ部材の外周面に設けられるねじ側螺旋溝と、ナット部材の内周面に 設けられるナット側螺旋溝との間に複数の転動体を転動自在な状態で設置し、前記 ねじ部材と前記ナット部材との間でトルクを推力に変換させたり、推力をトルクに変換 させたりする構成の転動体ねじ装置が知られている。そして、この種の転動体ねじ装 置のなかには、ねじ部材とナット部材との間に転動体を保持するための保持器リング を設置し、この保持器リングが転動体を整列させることによって安定したトルク一推力 の変換を実現するようにしたものが存在してレ、る。

[0003] 上記のような保持器リングを用いる型式の転動体ねじ装置の動作を説明すると、例 えば、転動体ねじ装置のナット部材を回転させたときには、ナット部材とねじ部材との 間に設置される転動体が転動させられるとともに、この転動する転動体によってそれ を転動体ポケットに保持する保持器リングが押されるので、保持器リングも転動体の 公転速度に合わせてナット部材と同様に回転しながら軸方向に移動するようになって いる。

[0004] そして、このような動作過程において、転動体が純粋に転動して不規則な滑りが発 生しなければ、保持器リングは、転動体の理論公転速度と同一速度で回転しながら、 回転数と螺旋溝リードに応じて軸方向に移動することとなる。ただし、保持器リングは 、ナット部材の回転位相に対して所定量遅れる性質を有しており、このことは、一般的 な転がり軸受での保持器リングの回転動作理論に基づき、周知な事項である。

[0005] もっとも、実際には、転動体が純粋に転動せずに、不規則な滑りが発生することが あるので、それに応じて保持器リングの回転位相が上記理想に対して進んだり、遅れ たりすることになる。特に、この進み遅れ量は、ナット部材の軸方向の移動方向や移 動量などによって異なってレ、る。

[0006] そのため、ナット部材の回転方向を正逆に繰り返し反転させていると、保持器リング の回転位相の進み遅れ量が累積することになつて、保持器リングが軸方向のいずれ か一方へ片寄る現象が発生してしまう。この片寄り現象が進行してしまうと、保持器リ ングの転動体ポケットがナット部材の一方側の軸端から飛び出してしまうことになり、 その結果、転動体が保持器リングの転動体ポケットから脱落してしまう事態が発生す

[0007] そこで、従来技術では、例えばねじ部材において、ナット部材の移動ストローク範囲 の両端位置に、保持器リングの軸方向移動範囲を規制するためのピンや止め輪など のストッパ部材を 1つずつ取り付けることが行われていた。

[0008] しかしながら、保持器リングの軸方向移動範囲をストツバ部材で規制するような構成 では、保持器リングがストツバ部材に対して当接したとき、保持器リングが停止させら れて転動体が公転せずに自転して滑るため、この滑り発生時にナット部材の駆動トル クが著しく上昇し、ナット部材をスムーズに移動させられなくなってしまうという問題が 存在していた。

[0009] そこで、上記問題を解決する手段として、下記特許文献 1に記載の技術が提案され ている。すなわち、下記特許文献 1には、保持器リングを用いる型式の転動体ねじ装 置において、保持器リングの軸方向一方への片寄り現象をなくすとともに、従来技術 に存在していた上記問題を解消するための技術が提案されている。具体的に説明す ると、下記特許文献 1に記載の技術は、図 6に示すように、保持器リング 104を用いる タイプのボールねじ装置であって、ナット部材 101の螺旋溝 101aに隣接するランド部 に設けられる内歯 107と、ねじ部材 102の螺旋溝 102aに隣接するランド部に螺旋方 向に等間隔に設けられる外歯 108と、これら内歯 107と外歯 108に対してそれぞれ 嚙合する状態で保持器リング 104の円周所定位置に回転可能に保持される遊星歯 車 109と、力も構成される動力伝達手段を備えることを特徴とするものである。

[0010] そして、下記特許文献 1では、上述した構成の動力伝達手段をボールねじ装置に 設置することにより、遊星歯車 109が内歯 107又は外歯 108に嚙合して移動するから 、保持器リング 104が回転側部材 (すなわち、ナット部材 101又はねじ部材 102)の 回転位相に対して一定の関係を保つことになり、保持器リング 104の軸方向両方へ の移動量を常に一定に保つことができるとされている。つまり、下記特許文献 1に記 載の技術によれば、保持器リング 104の軸方向移動を規制する手段として、従来技 術のようなストツバ部材を用いないから、従来技術の問題、すなわち保持器リング力 Sス トツパ部材に当接したときに駆動トルクが上昇するといつた現象を回避できるようにな つて、動作の円滑化を実現できるようになるなど、信頼性の向上に貢献できるとされ ている。

[0011] 特許文献 1 :特開 2002— 323108号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0012] ところ力上記特許文献 1に記載の技術は、設計上様々な制約があるため、あらゆ るタイプの転動体ねじ装置に簡単に適用できな!/、と!/、つた問題を有して!/、る。具体的 には、上記特許文献 1に記載の技術では、遊星歯車 109に嚙合する内歯 107と外歯 108を螺旋溝 101a, 102aに隣接するランド部に形成することが行われている。この ようにランド部に歯を切ることは、ボールからの転力 Sり負荷及び滑り負荷を繰り返し受 けることになる螺旋溝 101a, 102aに対して悪影響を及ぼすことになり、転動体ねじ 装置自体の剛性をも低下させることにつながってしまう。この事実は、剛性を維持し つつ動力伝達手段を設けるには、設計上の制約が大きくなつてしまうことを示してお り、上記特許文献 1に記載の技術の適用範囲が非常に狭!/、ものであることを表してレ、

[0013] また、上記特許文献 1に記載の技術では、遊星歯車 109を設置するためにボール の設置個数を減らし、ボール同士の間に回転方向で間隔を設けなければならないと いう設計上の制約がある。この構成も転動体ねじ装置自体の剛性を低下させることに つながる。

[0014] さらに、ナット部材 101の内周側に螺旋溝 101aを形成し、さらに螺旋溝 101aに隣 接するランド部に内歯 107を形成することは、加工技術上も困難を伴うものであるの で、上記特許文献 1に記載の技術を採用した転動体ねじ装置は、製造コストが必然

的に高くなつてしまうという問題を有していた。

[0015] 本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、従来 技術に存在していたような保持器リングがストツバ部材に当接したときに駆動トルクが 上昇するといつた現象を回避できるとともに、適用する際に設計上の制約が少なぐ し力、も保持器リングの軸方向両方への移動量を常に一定に保つことができる構成を、 装置の信頼性を損なうことなく安価で簡単に実現することができる技術を提供するこ とにある。

課題を解決するための手段

[0016] 本発明に係る転動体ねじ装置は、外周面にねじ側螺旋溝が形成されるねじ部材と 、内周面にナット側螺旋溝が形成されるナット部材と、前記ねじ側螺旋溝と前記ナット 側螺旋溝との間に転動自在に設置される複数の転動体と、前記ねじ部材と前記ナツ ト部材との対向環状空間に設置され、前記複数の転動体を所定位置で転動自在に 保持する保持器リングと、前記ねじ部材又は前記ナット部材の一方を回転側部材とし たときに、この回転側部材の回転にともなって前記保持器リングを前記回転側部材の 回転位相に対して一定の関係を保つ状態で回転させながら、前記ねじ側螺旋溝及 び前記ナット側螺旋溝のリード角に応じて軸方向に移動させる動力伝達手段と、を備 える転動体ねじ装置であって、前記動力伝達手段は、前記ねじ部材に形成される外 歯と、前記ナット部材に形成される内歯と、前記外歯と前記内歯のそれぞれに嚙合す る状態で前記保持器リングの円周所定位置に回転可能に保持される複数の遊星歯 車と、から構成され、さらに、前記外歯は、前記ねじ部材に形成されるねじ側螺旋溝 と重畳しないように、前記ねじ側螺旋溝の軸方向の別領域に形成され、前記内歯は 、前記ナット部材に形成されるナット側螺旋溝と重畳しな!/、ように、前記ナット側螺旋 溝の軸方向の別領域に形成されることを特徴とする。

[0017] 本発明に係る転動体ねじ装置にお!/、て、前記ねじ部材は、前記ねじ側螺旋溝が形 成されるねじ部材本体部と、前記外歯が形成される外歯形成部とから構成され、前 記ナット部材は、前記ナット側螺旋溝が形成されるナット部材本体部と、前記内歯が 形成される内歯形成部とから構成されていることとすることができる。

[0018] また、本発明に係る転動体ねじ装置は、前記外歯、前記内歯及び前記遊星歯車の ギヤ角度が、前記ねじ側螺旋溝及び前記ナット側螺旋溝のリード角と対応するように 形成されてレ、ることとすること力 S好適である。

[0019] さらに、本発明に係る転動体ねじ装置は、前記遊星歯車の中心軸が、前記複数の 転動体のピッチ円上に配置されていることとすることができる。

[0020] なお上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなぐこれ らの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。

発明の効果

[0021] 本発明によれば、従来技術に存在していたような保持器リングがストツバ部材に当 接したときに駆動トルクが上昇するといつた現象を回避できるとともに、適用する際に 設計上の制約が少なぐし力、も保持器リングの軸方向両方への移動量を常に一定に 保つことができる転動体ねじ装置を提供することができる。また、本発明によれば、装 置の信頼性を損なうことなく安価で簡単に転動体ねじ装置を製作することができる。 図面の簡単な説明

[0022] [図 1]図 1は、本実施形態に係る転動体ねじ装置の全体構成を説明するための斜視 外観透視図である。

[図 2]図 2は、本実施形態に係る転動体ねじ装置の構成を説明するための斜視部品 展開図である。

[図 3]図 3は、本実施形態に係る保持器リングの構成を説明するための外観斜視図で ある。

[図 4]図 4は、本実施形態に係るねじ部材の好適な改良形態を例示する図である。

[図 5]図 5は、本実施形態に係るナット部材の好適な改良形態を例示する図である。

[図 6]図 6は、引用した特許文献 1に記載の従来のボールねじ装置の構成を示す展 開説明図である。

発明を実施するための最良の形態

[0023] 以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する 。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなぐまた、実 施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須で あるとは限らない。

[0024] 図 1は、本実施形態に係る転動体ねじ装置の全体構成を説明するための斜視外観 透視図である。また、図 2は、本実施形態に係る転動体ねじ装置の構成を説明するた めの斜視部品展開図である。

[0025] 図 1及び図 2において示される本実施形態に係る転動体ねじ装置は、外周面にね じ側螺旋溝 1 laが形成されたねじ部材 11と、内周面にナット側螺旋溝 12aが形成さ れたナット部材 12と、ねじ側螺旋溝 1 laとナット側螺旋溝 12aとの間に転動自在に設 置された複数の転動体としてのボール 13と、ねじ部材 11とナット部材 12との対向環 状空間に設置され、複数のボール 13を所定位置で転動自在に保持する保持器リン グ 14と、を備えた構成を概略有しており、複数のボール 13を保持器リング 14によつ て転動可能に保持させて循環させない、いわゆる非循環式と呼ばれる有限ストローク 構造の転動体ねじ装置として構成されるものである。

[0026] ねじ部材 1 1は、一端側(図 1及び図 2における紙面左下側)の部分が単なる軸とし て形成されており、この部分に駆動源となるモータなどが接続されたり、作用対象とな る部材が取り付けられたりすることになる。また、軸の部分に続く中央の部分は、ねじ 側螺旋溝 11 aの形成されたボール受容部となっており、さらにそれに続く他端側の部 分には、外歯 17が形成された構造を有している。

[0027] ナット部材 12は、内周面のうちの一端側(図 1及び図 2における紙面左下側)の部 分にナット側螺旋溝 12aが形成されており、さらにそれに続く他端側の部分に内歯 1 8が形成された構造を有している。ナット部材 12には、作用対象となる部材が取り付 けられたり、ナット部材 12を回転させるための駆動源となるモータなどが接続されたり することになる。

[0028] 外歯 17は、ねじ部材 11に形成されたねじ側螺旋溝 11aと重畳しないように、ねじ側 螺旋溝 11 aの軸方向の別領域に形成されており、また、内歯 18についても、ナット部 材 12に形成されたナット側螺旋溝 12aと重畳しな!/、ように、ナット側螺旋溝 12aの軸 方向の別領域に形成されている。なお、ねじ部材 11の外周面に形成されたねじ側螺 旋溝 11 aと、ナット部材 12の内周面に形成されたナット側螺旋溝 12aとは、互いが同 じリード角となるように構成されている。一方、ねじ部材 11の外周面に形成され外歯 1 7と、ナット部材 12の内周面に形成された内歯 18については、互いが保持器リング 1 4とナット部材 12の移動差に合わせた歯数を有するように構成されている。

[0029] 保持器リング 14は、樹脂を円筒形状に形成したものであり、その円筒面の複数ケ所 にボール 13を転動自在な状態で保持できるようになつている。この保持器リング 14 の構成を詳細に説明するために、図 3を用いて説明を行う。ここで、図 3は、本実施形 態に係る保持器リングの構成を説明するための外観斜視図である。

[0030] 図 3においてより詳細に示すように、保持器リング 14の円筒面の複数ケ所には、そ れぞれが 1つのボール 13を保持することが可能なボールポケット 14aが設けられてい る。このボールポケット 14aは、ボール 13の外形寸法よりも僅かに大きな径を有するよ うに形成されており、ボールポケット 14a内におけるボール 13のスムースな転動運動 が実現するようになっている。

[0031] また、保持器リング 14は、他端側(図 3における紙面右上側)の部分に、複数 (本実 施形態では 3個)の歯車ポケット 14bを備えている。歯車ポケット 14bは、保持器リング 14の径方向内外に貫通して形成されており、外歯 17と内歯 18との間に回転可能な 状態で嚙合される遊星歯車 19を収容できるようになつている。

[0032] なお、遊星歯車 19には、その両端に小径軸部 19a, 19aが設けられており(図 2参 照)、これら小径軸部 19a, 19aを回転中心として回転する構造となっている。

[0033] また、この遊星歯車 19は、その中心軸が、ねじ部材 11及びナット部材 12の中心線 と平行に配置されるとともに、複数のボール 13のピッチ円上もしくはその近傍に位置 するように配置されている。かかる構成によって、遊星歯車 19及び保持器リング 14が ボール 13と実質的に同一速度で螺旋移動するので、ボール 13が保持器リング 14の ボールポケット 14aに対して干渉し難くなる。

[0034] そして、歯車ポケット 14bは、遊星歯車 19を平面から見た形状とほぼ合致する形状 で形成されており、さらに、この歯車ポケット 14bにおける周方向中間位置の幅広部 の軸方向幅は、遊星歯車 19の小径軸部 19a, 19aの長さ寸法よりも僅かに大きく設 定されており、また、歯車ポケット 14bにおける周方向両端の幅狭部の軸方向幅は、 遊星歯車 19の厚さ寸法よりも十分に大きく設定されている。

[0035] 以上の構成により、保持器リング 14が遊星歯車 19に対して僅かであるが軸方向に ずれ動き得るものの、遊星歯車 19が歯車ポケット 14bの幅狭部の内壁に対して接触 しないようになっている。そして、遊星歯車 19の直径が、保持器リング 14の肉厚よりも 大きく設定されることで、遊星歯車 19が歯車ポケット 14bから径方向内外へ突出した 状態になっている。

[0036] 以上説明したように、本実施形態に係る転動体ねじ装置は、ねじ部材 11に形成さ れた外歯 17と、ナット部材 12に形成された内歯 18と、外歯 17と内歯 18のそれぞれ に嚙合する状態で保持器リング 14の円周所定位置に回転可能に保持される複数( 本実施形態では 3個)の遊星歯車 19と、を備えている。そして、これら外歯 17、内歯 1 8及び遊星歯車 19とが動力伝達手段を構成して!/、る。この動力伝達手段の作用によ つて、本実施形態に係る転動体ねじ装置では、保持器リング 14が軸方向両方への 移動量を常に一定に保つことができるようになつている。すなわち、本実施形態では 、外歯 17、内歯 18及び遊星歯車 19とから構成される上記動力伝達手段を設置した ことによって、ねじ部材 11又はナット部材 12の一方を回転側部材としたときに、この 回転側部材の回転にともなって保持器リング 14を回転側部材の回転位相に対して 一定の関係を保つ状態で回転させながら、ねじ側螺旋溝 11a及びナット側螺旋溝 12 aのリード角に応じて軸方向に移動させることができるのである。

[0037] 次に、上述した構成を有する本実施形態に係る転動体ねじ装置の動作を説明する 。なお、以下の説明では、ねじ部材 11の一端側の軸の部分にモータが接続されると ともに、ナット部材 12が回転方向の動作を規制された状態で作用対象物と接続され ている場合を例示して説明を行うものとする。

[0038] まず、図示しないモータを駆動することによってねじ部材 1 1を回転させると、このね じ部材 11の回転動力が複数のボール 13を介してナット部材 12に伝達され、ナット部 材 12がねじ部材 11の軸方向一方へ向けて直線的に移動させられることになる。一 方、上記モータを先の場合とは逆回転方向に駆動すると、ねじ部材 11が前述と逆向 きに回転するので、ナット部材 12は前述の場合と逆の方向に直線移動することにな る。このように、モータを正逆方向に駆動することにより、ナット部材 12を軸方向で往 復移動させること力でさる。

[0039] また、ねじ部材 11を回転させながらナット部材 12を軸方向へ移動させると、回転か つ軸方向不動のねじ部材 11に形成された外歯 17と、非回転かつ軸方向可動のナツ

ト部材 12に形成された内歯 18とに対して嚙合させてある遊星歯車 19が、ねじ部材 1 1の外周側とナット部材 12の内周側で相対的に公転させられることになる。このとき、 保持器リング 14は、ボール 13の移動によって軸方向に回転しながら移動することに なるので、遊星歯車 19もねじ部材 11の軸方向へ移動させられることになる。

[0040] つまり、上記のような保持器リング 14と遊星歯車 19の動作に際して、保持器リング 1 4は、ねじ部材 11の回転位相に対して一定の位相角だけ遅れてねじ部材 11の周り を回転させられながら、ねじ側螺旋溝 11aとナット側螺旋溝 12aのリード角に応じて軸 方向に移動させられることになる。

[0041] 以上説明したように、本実施形態では、ねじ部材 11とナット部材 12とに対して遊星 歯車 19を嚙合させ、この遊星歯車 19に対して保持器リング 14を支持させているので 、繰り返しナット部材 12を軸方向に往復移動させても、ナット部材 12の回転位相と保 持器リング 14の回転位相とが常に一定の関係に保たれることになり、保持器リング 14 の軸方向両方への移動量が常に一定になる。したがって、ナット部材 12が所定の移 動ストローク範囲を往復移動する過程において、保持器リング 14のボールポケット 14 aが、ねじ部材 1 1とナット部材 12との対向環状空間から飛び出さないように、ねじ部 材 11に対する保持器リング 14の回転遅れ量を予め特定するように設計しておけば、 ねじ部材 11のねじ側螺旋溝 11aとナット部材 12のナット側螺旋溝 12aとの間からボ ール 13が飛び出す現象を確実に防止できるようになる。

[0042] また、本実施形態の最も特徴的な点として、転動体ねじ装置が有する外歯 17は、 ねじ部材 11に形成されたねじ側螺旋溝 1 laと重畳しな!/、ように、ねじ側螺旋溝 1 la の軸方向の別領域に形成されており、一方、内歯 18は、ナット部材 12に形成された ナット側螺旋溝 12aと重畳しないように、ナット側螺旋溝 12aの軸方向の別領域に形 成されていることを挙げること力 Sできる。かかる構成は、従来技術と引用した特許文献 1の不具合点を同時に解消するものであり、外歯 17と内歯 18がボール 13から負荷を 受ける螺旋溝に全く影響を与えることのない箇所に形成されているので、外歯 17と内 歯 18を設ける際の設計的な制約が少なぐ本発明を種々の形態の転動体ねじ装置 に適用可能としている。

[0043] また、本実施形態に係る外歯 17と内歯 18は、引用した特許文献 1に記載の技術の ように、螺旋溝に隣接するランド部に設ける必要がないので加工が非常に容易であり 、これにより、特許文献 1に記載の技術に比べて製造コストを格段に低減させることが 可能である。

[0044] ちなみに、製造コストをさらに低減させるために、外歯 17と内歯 18の形成方法に改 良を加えることも可能である。この改良方法について、図 4及び図 5を用いて説明する と、ねじ部材 11は、図 4において例示するように、ねじ側螺旋溝 11aが形成されるね じ部材本体部 l ibと、外歯 17が形成される外歯形成部 11cという、別部材の組み合 わせによって構成することが好適であり、一方、ナット部材 12については、図 5におい て例示するように、ナット側螺旋溝 12aが形成されるナット部材本体部 12bと、内歯 1 8が形成される内歯形成部 12cという、別部材の組み合わせによって構成することが 好適である。図 4及び図 5に示すような別部材同士を組み合わせる構成の採用によつ て、加工がし易くなり、安価に転動体ねじ装置を製作することが可能となる。特に、ナ ット側螺旋溝 12aは、ナット部材 12の内周面という非常に加工の実施し難い場所に 形成する必要があるので、内歯形成部 12cという部材を別に設けることによって、製 造コストの削減効果が発揮される。

[0045] さらに、本実施形態に係る転動体ねじ装置では、外歯 17と内歯 18の形成される範 囲を増減することによって、そのストローク量を所望の値に設定することが可能となつ ている。このようなことが可能となったのは、外歯 17と内歯 18がねじ側螺旋溝 1 1aと ナット側螺旋溝 12aとに重畳しないように形成される構成を採用したからであり、荷重 を負荷することになるボール 13の設置箇所の構成に影響を与えることなぐ任意の範 囲でストローク量を規定することができるので、極めて好適である。

[0046] また、上記利点は、遊星歯車 109を設けるためにはボールの設置個数を減少せざ るを得なレ、と!/、う構成を必然的に備えた特許文献 1に記載の技術と対比しても有利な 点であり、本実施形態に係る転動体ねじ装置によれば、装置の剛性を維持しつつも 動力伝達手段を設置することが可能となってレ、る。

[0047] 以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上 記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は 改良を加えることが可能である。

[0048] 例えば、上述した実施形態に係る転動体ねじ装置は、複数の転動体としてボール 1 3を採用したものであった力ローラなどの他の転動体を採用することも可能である。

[0049] また、外歯 17と内歯 18の形成条件として、保持器リング 14とナット部材 12の移動 差に合わせた歯数を有するように構成しておけば良いことのみを記載した力 S、外歯 1 7、内歯 18及び遊星歯車 19のギヤ角度が、ねじ側螺旋溝 17及びナット側螺旋溝 18 のリード角と対応するように形成されてレ、ることが好適である。かかる構成の採用によ つて、外歯 17と遊星歯車 19、及び、内歯 18と遊星歯車 19の滑り量を極力抑えること ができるので、さらに信頼性が向上した転動体ねじ装置を実現することが可能となる

[0050] さらに、上述した実施形態では、遊星歯車 19の設置個数を 3個とした力遊星歯車 19の設置個数は複数個であれば良ぐ 2個以上設置することによって本発明の転動 体ねじ装置が実現する。

[0051] またさらに、上述した実施形態では、保持器リング 14が樹脂で構成された場合を例 示して説明したが、金属材料によって構成することも可能である。この場合の保持器 リング 14は、金属板を円筒形状にすることによって形成することができる。

[0052] その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、 請求の範囲の記載から明らかである。