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1. WO2006006630 - DISPOSITIF MAGNÉTORÉSISTIF, PROCÉDÉ DE FABRICATION DE DISPOSITIF MAGNÉTORÉSISTIF ET MÉMOIRE À ACCÈS ALÉATOIRE MAGNÉTIQUE

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[ JA ]
明 細 書

磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気ランダムァ クセスメモリ

技術分野

[0001] 本発明は、磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気ランダム アクセスメモリに関し、特に磁気トンネル接合を用いる磁気抵抗効果素子及び磁気抵 抗効果素子の製造方法、磁気ランダムアクセスメモリに関する。

背景技術

[0002] 2つの強磁性体層(固定強磁性層及び自由強磁性層)と、これらの強磁性体層に 挟まれたトンネルバリア層(トンネル絶縁層)とで構成される磁気トンネル接合 (MTJ : Magnetic Tunneling Junction)が知られている。磁気トンネル接合は、強磁性 体層の磁化の相対方向に依存して、その抵抗が大きく変化する。このような現象は、 トンネル磁気抵抗効果(TMR効果: Tunneling Magneto - Resistance 効果)と 呼ばれる。磁気トンネル接合の抵抗を検出することにより、強磁性体層の磁化の方向 を判別することが可能である。このような磁気トンネル接合の性質は、磁気トンネル接 合を含む磁気抵抗デバイスとして、不揮発的にデータを保持する磁気ランダムァクセ スメモリ (MRAM: Magnetic Randam Access Memory)に適用される。

[0003] MRAMは、それぞれに MTJを含むメモリセルが行列に配置されて構成される。 M TJに含まれる 2つの強磁性体層のうちの一方の強磁性層としての固定強磁性層の磁 化は固定され、他方の強磁性層としての自由強磁性層の磁ィ匕は反転可能に設けら れる。データは、自由強磁性層の磁ィ匕の方向として記憶される。データの書き込みは 、磁気トンネル接合の近傍に電流を流し、その電流が発生する磁界によって自由強 磁性層の磁ィ匕を反転することによって行われる。データの読み出しは、 TMR効果を 利用して自由強磁性層の磁ィ匕の向きを検出することによって行われる。

[0004] 固定強磁性層と自由強磁性層との間には、色々な磁気的な相互作用が働く。その 主なものとしてネールカップリング磁界、漏れ磁界がある。このような磁気的な相互作 用があると、自由強磁性層が並行力反並行にスイッチングするときの磁界の大きさ と、反並行力平行な方向にスイッチングするときの磁界の大きさが異なる。これらの 反転磁界の大きさの差はオフセット磁界と呼ばれて、る。このようなオフセット磁界が 存在すると、メモリセル間のディスターブが大きくなる。その場合、磁化反転不良を引 き起こしやすくなるため製造歩留まりが低下してしまう。そのため、オフセット磁界の大 きさはゼロにする必要がある。

[0005] オフセット磁界をゼロにする方法として、例えば、 USP6292389号に記載されたよ うに、固定強磁性層の上面と下面が相殺するように設定する方法、 USP6233172 号に記載されたように、ネールカップリング磁界と漏れ磁界とを同じ大きさになるよう にして互いにキャンセルするという方法がある。このような方法を用いることにより、ォ フセット磁界をゼロに調整することができる。

[0006] たし、上記 USP6292389号、 USP6233172号【こ記載の磁気抵抗効果素子【こ おいて、トンネルバリア層の下の膜の表面粗さが粗いと、その上に成膜されるトンネル ノリア層の膜厚が lnm程度と非常に薄いので、トンネルバリア層を連続に形成するこ とが困難である。そうような場合、トンネルバリア層にリークスポットができ、トンネルバリ ァ層の品質が低下してしまう可能性がある。従って、トンネルバリア層の下面をできる だけ平滑にする必要がある。

[0007] カロえて、上記 USP6292389号、 USP6233172号のような磁気抵抗効果素子で は、ネールカップリング磁界を完全にゼロにはできない。すなわち、オフセット磁界は 、この方法でゼロにすることができる力ネールカップリング磁界は有限な値をもつ。 上記の文献では、固定強磁性層力の漏れ磁界、あるいは固定強磁性層の下の面 力 のネールカップリング磁界でキャンセルする。このような場合、ネールカップリング 磁界以外に制御するパラメータが増えるために特性のばらつきを抑えるのが難しくな る。

[0008] トンネルバリア層の下面を平滑にする方法として、 J. Appl. Phys.、 Vol. 93、 No.

10、 Part2 & 3、 2003、 p. 8373【こ示されるよう【こ、磁気トン才ヽノレ接合を含む磁気抵 抗効果素子を低圧力の DCマグネトロンスパッタで形成することが報告されている。そ れによってネールカップリングの大きさを 2— 30eと、う低、値にできると報告されて いる。し力しながら、上記の文献に示される磁気抵抗効果素子では、固定強磁性層

を平滑にした場合、固定強磁性層と反強磁性層の間の交換結合磁界が低下すること が考えられる。一般に反強磁性膜は下地膜の上に結晶成長する。この結晶成長が 進むと交換結合磁界が大きくなる。一方で、結晶成長が進むほど結晶粒の粒に起因 する表面粗さは大きくなる。つまり、交換結合磁界と固定強磁性層の平滑性はトレー ド才フの関係がある。

[0009] トンネルバリア層の品質を向上することが可能な技術が望まれる。ネールカップリン グ磁界をゼロにすることが可能な技術が望まれる。磁気抵抗効果素子の特性を向上 することが可能な技術が望まれる。製造歩留まりを改善することが可能な技術が望ま れる。

[0010] 上記説明と関連として、特開 2002— 158381号公報に強磁性トンネル接合素子お よびその製造方法が開示されている。この強磁性トンネル接合素子は、 Mnを含有す る反強磁性層と、前記反強磁性層上に形成された、第 1および第 22つの強磁性層 の間に絶縁層またはアモルファス磁性層を挟んだ構造を有する磁ィ匕固着層と、前記 磁化固着層上に形成されたトンネルバリア層と、前記トンネルバリア層上に形成され た磁ィ匕自由層とを具備する。前記磁ィ匕固着層の絶縁層またはアモルファス磁性層が 、前記反強磁性層に含まれる Mnの拡散を防止する機能を有していても良い。前記 磁化固着層の第 1強磁性層を酸化雰囲気、窒化雰囲気または炭化雰囲気に暴露し て、前記磁ィ匕固着膜の絶縁層を形成しても良い。

[0011] また、特開平 11— 54814号公報に、強磁性トンネル接合素子の製造方法が開示 されている。この強磁性トンネル接合素子の製造方法は、第 1強磁性層と第 2強磁性 層の間にトンネルバリア層を挟んだ構造を持つ強磁性トンネル接合素子の製造方法 である。金属又は半導体力なる導電層を成膜した後、真空中に酸素を導入し、該 導電層表面を自然酸ィ匕してトンネルバリア層を形成する工程を含む。第 1強磁性層 を成膜した後、真空中に酸素を導入して該第 1強磁性層表面を酸化する工程を含ん でいても良い。

[0012] また、特開 2000— 196165号公報に、磁気トンネル素子及びその製造方法が開 示されている。この磁気トンネル接合素子の製造方法は、 Fe、 Ni及び Coからなる群 から選択された少なくとも 1種を含有する金属、合金、金属間化合物、酸化物又は窒 化物からなる下磁性層を形成し、前記下磁性層に酸化処理をする工程と、この下磁 性層の上にバリア膜を形成する工程と、前記ノリア膜の上に Fe、 Ni及び Coからなる 群から選択された少なくとも 1種を含有する金属、合金、金属間化合物、酸化物又は 窒化物からなる上磁性層を形成する工程とを有する。

[0013] また、特開 2004— 119903号公報に、磁気抵抗効果素子及びその製造方法が開 示されている。この磁気抵抗効果素子製造方法は、(A)真空容器の中で,反強磁性 層を基板の上面側に形成する工程と、(B)前記反強磁性層の形成の後、前記真空 容器に酸化性ガス (例示:酸素ガス)を導入する工程と、 (C)前記真空容器から前記 酸ィ匕性ガスを排気する工程と、(D)前記酸ィ匕性ガスの排気の後、前記反強磁性層の 上に、固定強磁性層を形成する工程と、(E)前記第 1強磁性層の上に、トンネルバリ ァ層を形成する工程と、(F)前記トンネルバリア層の上に、第 2強磁性層を形成する 工程とを含む。また、この磁気抵抗効果素子製造方法は、(G)反強磁性層を基板の 上面側に形成する工程と、(H)酸化性ガス (例示:酸素ガス)を含む雰囲気で、前記 反強磁性層の上に固定強磁性層を形成する工程と、(I)前記固定強磁性層の上に、 トンネルバリア層を形成する工程と、 ω前記トンネルバリア層の上に、自由強磁性層 を形成する工程とを含む。前記 (Η)工程の間の前記酸ィ匕性ガスの分圧は、形成され た前記第 1強磁性層が導電性を有するように定められて、る。

[0014] また、特開 2000— 150984号公報に、オゾン酸化絶縁膜を使用した磁気トンネル 素子の技術が開示されている。このオゾン酸ィ匕絶縁膜を使用した磁気トンネル素子 は、保磁力が相互に異なる硬磁性膜及び軟磁性膜と、両者間に介在する絶縁膜とを 有する磁気トンネル素子にぉヽて、前記絶縁膜は酸素及びオゾンの混合気中で酸 化されたものである。

[0015] また、特開 2003— 258335号公報に、トンネル磁気抵抗効果素子の製造方法が 開示されている。これは、基板上に、第 1強磁性層、トンネル絶縁層、第 2強磁性層が この順に積層され、前記第 1強磁性層と第 2強磁性層の磁ィ匕方向の相対角度の違い によりトンネル磁気抵抗が異なるトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法である。前記 トンネル絶縁層前駆体である導電層を形成する第 1工程と、前記導電層を酸素雰囲 気中で酸化させる第 2工程を含む。前記第 1工程において、前記導電層は 0. 4オン ダストローム Z秒以下の成膜速度で Al、 Mg、 Si、 Taの少なくとも 1種カゝら形成される 。前記第 1工程と前記第 2工程を複数回行うことによりトンネル絶縁層を形成しても良 い。前記第 2工程において真空中で酸ィ匕しても良ぐ酸化方法が自然酸化法、プラズ マ酸化法、ラジカル酸ィ匕法でも良い。

発明の開示

[0016] 従って、本発明の目的は、磁気トンネル接合におけるトンネルバリア層の品質を向 上することが可能な磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気ラ ンダムアクセスメモリを提供することにある。

[0017] また、本発明の他の目的は、磁気トンネル接合におけるネールカップリング磁界を ゼロにすることが可能な磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法、磁 気ランダムアクセスメモリを提供することにある。

[0018] 本発明の更に他の目的は、磁気トンネル接合の特性を向上することが可能な磁気 抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気ランダムアクセスメモリを提 供することにある。

[0019] 本発明の別の目的は、製造歩留まりを改善することが可能な磁気抵抗効果素子及 び磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気ランダムアクセスメモリを提供することにある

[0020] 本発明の観点では、磁気抵抗効果素子の製造方法は、反強磁性層を基板の上面 側に形成することと、基板の上面側の反強磁性層の上に第 1固定強磁性層を形成す ることと、第 1固定強磁性層を 5 X 10_7Pa以上 1 X 10_4Pa以下の圧力で酸素原子を 含む気体に暴露を行うことと、第 1固定強磁性層の上に第 2固定強磁性層を形成す ることと、第 2固定強磁性層の上にトンネルバリア層を形成することと、トンネルバリア 層の上に自由強磁性層を形成することとにより達成される。ただし、酸素原子を含む 気体は、 5 X 10_7Pa以上 1 X 10_4Pa以下の圧力(又は分圧)の酸素ガスに例示さ れる。上記の磁気抵抗効果素子の製造方法において、第 2固定強磁性層の膜厚は 、 0より大きく lnm以下であるように形成される。

[0021] また、本発明の他の観点では、磁気抵抗効果素子の製造方法は、反強磁性層を 基板の上面側に形成することと、反強磁性層の上に第 1固定強磁性層を形成するこ

とと、第 1固定強磁性層を 5 X 10_7Pa以上 1 X 10_4Pa未満の圧力で酸素原子を含 む気体に暴露を行うことと、第 1固定強磁性層の上にトンネルバリア層を形成すること と、トンネルバリア層の上に自由強磁性層を形成することとにより達成される。ただし、 酸素原子を含む気体は、 5 X 10_7Pa以上 1 X 10_4Pa未満の圧力(又は分圧)の酸 素ガスに例示される。

[0022] 上記の磁気抵抗効果素子の製造方法において、第 1固定強磁性層をその酸素原 子を含む気体に暴露を行う工程は、 1 X 10_6Pa以上 1 X 10_5Pa以下の圧力で酸素 原子を含む気体に暴露を行うことがより望ましい。また、その酸素原子を含む気体は 、酸素ガス、水、メタノール及びエタノールガスのうちの少なくとも一つを含む気体で あることが好ましい。第 1固定強磁性層力 CoFe、 NiFe、 CoFeB、 CoFeCrのうちの 一つを含む膜を備える。上記の磁気抵抗効果素子の製造方法において、トンネルバ リア層側の第 1固定強磁性層の表面粗さが、第 1固定強磁性層より下層の表面粗さよ り小さい。

[0023] また、本発明の他の観点では、磁気抵抗効果素子は、反強磁性層と、第 1固定強 磁性層と、第 2固定強磁性層と、トンネルバリア層と、自由強磁性層とを具備する。反 強磁性層は、基板の上面側に形成されている。前記第 1固定強磁性層は、反強磁性 層の上に形成されている。第 2固定強磁性層は、第 1固定強磁性層の上に形成され ている。トンネルバリア層は、第 2固定強磁性層の上に形成されている。自由強磁性 層は、トンネルバリア層の上に形成されている。第 1固定強磁性層の第 2固定強磁性 層側の表面の領域は、他の領域に比較して酸素濃度が高い。トンネルバリア層側の 第 1固定強磁性層の表面粗さが、第 1固定強磁性層より下層の表面粗さより小さい。 ここで、第 1固定強磁性層は、固定強磁性層 A、非磁性層及び固定強磁性層 Bとを 備え、非磁性層を介した反強磁性層カップリングにより固定強磁性層 Aと固定強磁性 層 B6の磁ィ匕の方向は反平行になっている。また、上記の磁気抵抗効果素子におい て、第 2固定強磁性層の膜厚は、 0より大きく lnm以下である。

[0024] また、本発明の他の観点では、磁気抵抗効果素子は、反強磁性層と、第 1固定強 磁性層と、トンネルバリア層と、自由強磁性層とを具備する。反強磁性層は、基板の 上面側に形成されている。第 1固定強磁性層は、反強磁性層の上に形成されている 。トンネルバリア層は、第 1固定強磁性層の上に形成されている。自由強磁性層は、ト ンネルバリア層の上に形成されている。トンネルバリア層側の第 1固定強磁性層の表 面粗さが、第 1固定強磁性層より下層の表面粗さより小さい。上記の磁気抵抗効果素 子において、第 1固定強磁性層力 CoFe、 NiFe、 CoFeB、 CoFeCrのうちの一つを 含む膜を備える。

[0025] また、本発明の他の観点では、磁気ランダムアクセスメモリは、複数のワード線と、 複数のビット線と、複数の磁気抵抗効果素子とを具備する。複数のワード線は、第 1 方向 (X方向)へ延伸している。複数のビット線は、第 1方向 (X方向)と実質的に垂直 な第 2方向 (Y方向)へ伸びている。複数の磁気抵抗効果素子は、複数のワード線と 複数のビット線との交点の各々に設けられ、上記各項のいずれか一項に記載されて いる。

図面の簡単な説明

[0026] [図 1]図 1は、本発明の磁気抵抗効果素子の第 1実施例の構成を示す断面図である

[図 2]図 2は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 1実施例を示す断面図で ある。

[図 3]図 3は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 1実施例を示す断面図で ある。

[図 4]図 4は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 1実施例を示す断面図で ある。

[図 5]図 5は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 1実施例を示す断面図で ある。

[図 6]図 6は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 1実施例を示す断面図で ある。

[図 7]図 7は、酸素ガス処理における処理条件とネールカップリング磁界との関係を示 すグラフである。

[図 8]図 8は、本発明の磁気抵抗効果素子の第 2実施例の構成を示す断面図である [図 9]図 9は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 2実施例を示す断面図で ある。

[図 10]図 10は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 2実施例を示す断面図 である。

[図 11]図 11は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 2実施例を示す断面図 である。

[図 12]図 12は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 2実施例を示す断面図 である。

[図 13]図 13は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 2実施例を示す断面図 である。

[図 14]図 14は、本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法の第 2実施例を示す断面図 である。

[図 15]図 15は、酸素ガス処理における処理条件とネールカップリング磁界との関係を 示すグラフである。

[図 16]図 16は、磁気抵抗効果素子の製造方法を用いて作製した磁気抵抗効果素子 の磁場 抵抗変化率を示すグラフである。

[図 17]図 17は、磁気抵抗効果素子の製造方法を用ヽて作製した磁気抵抗効果素子 と従来方法で作製した磁気抵抗効果素子との MR比のバイアス電圧依存性を示すグ ラフである。

[図 18]図 18は、本発明の磁気抵抗効果素子を磁気ランダムアクセスメモリに適用し たメモリセルの構成を示す断面図である。

[図 19]図 19は、メモリセルを用いた MRAMの構成を示すブロック図である。

発明を実施するための最良の形態

[0027] 本願は、米国特許出願番号 10Z520, 652と 10Z702, 655に関連する。これら の出願の開示内容は、引用により本願に取り込まれる。

[0028] 以下、本発明の磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気ラン ダムアクセスメモリを、添付図面を参照して説明する。

[0029] [第 1実施例]

本発明の第 1実施例による磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法 を、添付図面を参照して説明する。

[0030] まず、本発明の第 1実施例による磁気抵抗効果素子の構成について説明する。こ こでは、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)に適用した磁気抵抗効果素子につい て説明する。図 1は、本発明の磁気抵抗効果素子の第 1実施例の構成を示す断面図 である。磁気抵抗効果素子 30は、基板 20の上面側に設けられ、シード層 2、反強磁 性層 3、固定強磁性層 A4、非磁性膜 5、固定強磁性層層 B6、トンネルバリア層 7、自 由強磁性層 8、キャップ層 9とを具備する。基板 20側はシード層 2が下部電極 1に、反 対側はキャップ層 9が上部電極(図示されず)にそれぞれ接続されている。

[0031] 基板 20は、半導体基板上に CMOSに例示される素子 (MRAM用)が形成された 基板である。下部電極 1は、基板 20の上面側に設けられている。下部電極 1としては 、例えば、 Ta、 TaN、 Rh、 Irのような導電性材料が用いられる。上部電極(図示され ず)も同様である。シード層 2は、下部電極 1の上に設けられている。シード層 2として は、例えば、 NiFe、 CoFe、 NiCr、 NiFeCrなどの材料が用いられる。反強磁性層 3 は、シード層 2の上に設けられている。反強磁性層 3としては、例えば、 IrMn、 FeMn 、 PtMn、 Ni02、 a—Fe203のような反強磁性体が用いられる。固定強磁性層 A4 は、反強磁性層 3の上に設けられている。固定強磁性層 A4としては、例えば、 CoFe 、 NiFe、 CoFeB、 CoFeCrのような強磁性体が用いられる。非磁性層 5は、固定強 磁性層 A4の上に設けられている。非磁性層 5としては、例えば、 Ru、 Cuのような非 磁性体が用いられる。固定強磁性層 B6は、非磁性層 5の上に設けられている。固定 強磁性層 B6としては、例えば、 CoFe, NiFe、 CoFeB、 CoFeCrのような強磁性体 が用いられる。トンネルバリア層 7を形成する前に、真空中に酸素原子を含む気体を 所定の圧力で導入して、その表面を暴露することにより、固定強磁性層 B6の表面に 酸素基が吸着する。酸素原子を含む気体としては、酸素ガス、メタノール、水、ェタノ ールなどが用いられる。

[0032] トンネルバリア層 7は、固定強磁性層 B6の上に設けられている。トンネルバリア層 7 は、例えば A1などを酸素ラジカル、酸素プラズマ、オゾンなどをもちいて酸ィ匕すること により形成される絶縁性の非磁性体である。自由強磁性層 8は、トンネルバリア層 7の 上に設けられている。自由強磁性層 8としては、例えば NiFe、 CoFeB、 CoFe、 CoF eCrのような強磁性体の単層膜あるいは積層膜が用いられる。キャップ層 9は、自由 強磁性層 8の上に設けられている。キャップ層 9としては、例えば Ta、 TaN、 Rh、 Irの ような導電性材料が用いられる。

[0033] 図 1において、各膜の凹凸は、意図的ではなく成膜時に自然にできる程度の一般 的な凹凸を示している。ただし、トンネルバリア層 7は、その自由強磁性層 8側の表面 の凹凸が減少し、平滑な層になっている。それに伴いその上の各層も平滑になって いる。

[0034] 次に、本発明の第 1実施例による磁気抵抗効果素子の製造方法について説明する 。図 2〜図 6は、本発明の第 1実施例による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断 面図である。

図 2を参照して、基板 1の上面側に下部電極 1、シード層 2、反強磁性層 3、固定強 磁性層 A4、非磁性層 5、及び、固定強磁性層 B6がこの順に成膜される。成膜は、ス ノッタ法、イオンビームスパッタ法などを用いて行われる。

[0035] 次に、図 3を参照して、真空中に酸素ガス (又は同じ分圧で酸素ガスを含むガス)を 導入することにより、固定強磁性層 B6の表面を酸素ガスに暴露して、その表面に酸 素を吸着させる。このとき、図 7を参照して後述するように、酸素ガスの圧力(分圧)を 非常に小さくする。それにより、固定強磁性層 B6の表面は、酸素が吸着しているだけ 、又は、酸素を多く含む極めて薄い層があるだけで、固定強磁性層 B6の酸ィ匕層は無 い。酸素ガスでなぐメタノール、水、エタノールのような OH基を含む物質や、酸素 ガス、メタノール、水、エタノールのうちの二つ以上を組み合わせた気体でも良い。上 記の方法により、トンネルバリア層用の膜 7aの成膜の際、トンネルバリア層用膜 7aの 固定強磁性層 B6に対する濡れ性が向上し、薄くても連続した、ピンホールの無い膜 とすることが可能となる。

[0036] 図 4を参照して、表面処理後の固定強磁性層 B6の上にトンネルバリア用膜 7aを成 膜する。成膜は、スパッタ法、イオンビームスパッタ法などを用いて行われる。上述の ように、トンネルバリア用膜 7aは、薄くても連続した、ピンホールの無い膜となる。この とき、膜の表面粗さ(平均表面粗さ Ra、最大の表面粗さ Rmax)が減少し、凹凸の少

ない膜となる。それと共に、表面粗さの周期が、固定強磁性層 B6などの下層の表面 のうねりに従わず、うねり周期が短くなる。

[0037] 図 5を参照して、酸素プラズマを用いてトンネルバリア層用膜 7aが酸ィ匕される。酸素 プラズマの代わりに酸素ラジカル、オゾンなどを用いて酸ィ匕しても良い。それにより、ト ンネルバリア層用膜 7aは、酸ィ匕されて絶縁性のトンネルバリア層 7となる。トンネルバ リア層 7は、薄くても連続した、ピンホールの無い層となる。

[0038] 図 6を参照して、トンネルバリア層 7の上に自由強磁性層 8及びキャップ層 9がこの 順で成膜される。その後、図示しない上部電極が形成される。

[0039] 以上のように磁気抵抗効果素子の製造方法が実施される。なお、図 2、図 4〜図 6 の工程は、当業者にとって周知な他の方法を用いることも可能である。

[0040] 図 7は、図 3の酸素ガス処理における処理条件とネールカップリング磁界との関係を 示すグラフである。縦軸はネールカップリング磁界の大きさ(Oe)、横軸は酸素暴露 時間 (秒)である。グラフ中の各曲線は、それぞれ異なる酸素ガス圧力(酸素ガス分圧 )の場合を示す。酸素ガス圧は、菱形が l X 10_7Pa、四角が l X 10_6Pa、三角が 1 X 10_5Pa、バッが 1 X 10_4Paである。図 7に示されるように、酸素ガス圧力が 1 X 10 _7Pa以上、 1 X 10_4Pa未満の間の非常に低い圧力範囲にあるとき、ネールカツプリ ング磁界が 0になる条件があることが分かる。すなわち、酸素ガス圧力は 1 X 10"7Pa 以上、 1 X 10_4Pa未満が好ましい。ただし、酸素ガス圧力の調整のしゃすさという面 から、 l X 10_6Pa以上、 l X 10_5Pa以下のガス圧が製造上より好ましい。

[0041] 図 3における酸素ガスの処理において、暴露する酸素雰囲気の酸素ガスの圧力を 変えることで、固定強磁性層 B6の表面を、酸素が吸着した状態、又は、酸素を多く 含む極めて薄い層が形成された状態にすることができる。こうして固定強磁性層 B6 の表面の状態を変化させることにより、トンネルバリア層用膜 7aの固定強磁性層 B6 に対する濡れ性が向上し、薄くても連続した膜を形成することができる。すなわち、ト ンネルバリア層用膜 7aの成長の仕方を変えることができ、トンネルバリア層用膜 7aを 酸ィ匕することにより形成されるトンネルバリア層 7の上面の平坦性 (表面粗さ)を変える ことができる。それにより、ネールカップリング磁界の大きさを 0にすることができる。す なわち、酸素ガスの処理の条件を調整することによって、ネールカップリング磁界の

大きさを 0にすることができる。同様に、酸素ガス以外のメタノール、水、エタノールや

、酸素ガス、メタノール、水、エタノールのうちの二つ以上を組み合わせた気体を用い た場合でも、処理の条件を調整することにより、ネールカップリング磁界の大きさを 0 にすることができる。この場合、気体の圧力は、例えば、その気体が含む酸素原子の 量力 1 X 10_7Pa以上 1 X 10_4Pa未満の圧力の酸素ガスが含む酸素原子の量と同 じになるように設定する。

[0042] 本発明では、固定強磁性層 B6表面の酸素ガス処理により、トンネルバリア層 7の固 定強磁性層 B6側の表面及び自由強磁性層 8側の表面力それぞれトンネルバリア 層 7にピンホールが発生しない程度の適正な表面粗さに調整されている。したがって 、本発明により、トンネルバリア層 7のピンホールの発生を抑えつつ、ネールカツプリ ング磁界の大きさを 0にすることが可能となる。

[0043] [第 2実施例]

本発明の第 2実施例による磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法 を、添付図面を参照して説明する。

[0044] まず、本発明の第 2実施例による磁気抵抗効果素子の構成について説明する。こ こでは、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)に適用した磁気抵抗効果素子につい て説明する。図 8は、本発明の第 2実施例による磁気抵抗効果素子の構成を示す断 面図である。磁気抵抗効果素子 30aは、基板 20の上面側に設けられ、シード層 2、 反強磁性層 3、固定強磁性層 A4、非磁性膜 5、固定強磁性層層 B6、境界層 10、固 定強磁性層 Cl l、トンネルバリア層 7、自由強磁性層 8、キャップ層 9とを具備する。 基板 20側はシード層 2が下部電極 1に、反対側はキャップ層 9が上部電極(図示され ず)にそれぞれ接続されている。本実施例の磁気抵抗効果素子 30aは、固定強磁性 層層 B6とトンネルバリア層 7の間に、境界層 10及び固定強磁性層 CI 1を設けて、る 点で第 1実施例と異なる。

[0045] 境界層 10は、固定強磁性層 C11を形成する前に、真空中に酸素原子を含む気体 を所定の圧力で導入して固定強磁性層 B6の表面を暴露することにより形成される。 このとき、図 15を参照して後述するように、酸素ガスの圧力(分圧)を非常に小さくす る。それにより、境界層 10は、固定強磁性層 B6表面の酸素吸着層、又は酸素を多く 含む極めて薄い(例示: 1〜2分子)層として形成され、固固定強磁性層 B6の酸ィ匕層 は存在しない。酸素原子を含む気体としては、酸素ガス、メタノール、水、エタノール などが用いられる。

[0046] 固定強磁性層 C11は、境界層 10の上に設けられている。固定強磁性層 C11として は、 CoFe、 NiFe、 CoFeB、 CoFeCrなどの強磁性体が用いられる。トンネルバリア 層 7を形成する前に、真空中に酸素原子を含む気体を所定の圧力で導入して固定 強磁性層 C11の表面を暴露することにより、表面に酸素基が吸着されても良い。酸 素原子を含む気体としては、酸素ガス、メタノール、水、エタノールなどが用いられる

[0047] 他の層については、第 1実施例と同様であるのでその説明を省略する。

[0048] 図 8において、各膜の凹凸は、意図的ではなく成膜時に自然にできる程度の一般 的な凹凸を示している。ただし、固定強磁性層 C11は、その自由強磁性層 8側の表 面の凹凸が減少し、平滑な層になっている。それに伴いその上の各層も平滑になつ ている。

[0049] 次に、本発明の第 2実施例による磁気抵抗効果素子の製造方法について説明する 。図 9〜図 14は、本発明の第 2実施例による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す 断面図である。

図 9を参照して、基板 1の上面側に下部電極 1、シード層 2、反強磁性層 3、固定強 磁性層 A4、非磁性層 5、及び、固定強磁性層 B6がこの順に成膜される。成膜は、ス ノッタ法、イオンビームスパッタ法などを用いて行われる。

[0050] 図 10を参照して、真空中に酸素ガス (又は同じ分圧で酸素ガスを含むガス)を導入 することにより固定強磁性層 B6の表面が酸素ガスに暴露される。これにより、固定強 磁性層 B6の表面に境界層 10が形成される。境界層 10は、固定強磁性層 B6表面の 酸素吸着層、又は、酸素を多く含む極めて薄い層である。酸素ガスでなぐメタノール 、水、エタノールのような OH基を含む物質や、酸素ガス、メタノール、水、エタノー ルのうちの二つ以上を組み合わせた気体が使用されてもよい。この方法により、固定 強磁性層 C11の成膜の際、固定強磁性層 C11が境界層 10の表面力結晶成長す ることになるので、固定強磁性層 C11の境界層 10 (固定強磁性層 B6)に対する濡れ 性が向上する。また、その結晶状態は、固定強磁性層 B6のうえに直接形成される場 合とは異なる。

[0051] 図 11を参照して、境界層 10の上に固定強磁性層 C11が成膜される。成膜は、スパ ッタ法、イオンビームスパッタ法などを用いて行われる。上述のように、境界層 10の表 面状態は、通常の固定強磁性層 B6のそれとは異なるので、成膜された固定強磁性 層 C11の表面状態力通常の固定強磁性層 B6の表面とは異なるものになる。このと き、膜の表面粗さ(平均表面粗さ Ra、最大の表面粗さ Rmax)が減少し、凹凸の少な い膜となる。それと共に、表面粗さの周期が下層(固定強磁性層 B6など)の表面のう ねりに従わず、うねり周期が短くなる。その結果、トンネルバリア層用膜 7aの成膜の際 、トンネルバリア層用膜 7aの固定強磁性層 C11に対する濡れ性が向上し、薄くても 連続した、ピンホールの無、膜とすることが可能となる。

[0052] 図 12を参照して、固定強磁性層 C11の上にトンネルバリア層用膜 7aが成膜される 。成膜は、スパッタ法、イオンビームスパッタ法などを用いて行われる。上述のように、 トンネルバリア層用膜 7aは、薄くても連続した、ピンホールの無い膜となる。図 13を参 照して、酸素プラズマを用いてトンネルバリア用膜 7aは酸ィ匕される。酸素プラズマの 代わりに酸素ラジカル、オゾンなどを用いて酸ィ匕されても良い。それ〖こより、トンネル ノリア用膜 7aは、酸化され、絶縁性のトンネルバリア層 7となる。トンネルバリア層 7は 、薄くても連続したピンホールの無い層となる。

[0053] 図 14を参照して、トンネルバリア層 7の上に自由強磁性層 8及びキャップ層 9がこの 順で成膜される。その後、図示しない上部電極を形成する。

[0054] 以上のように磁気抵抗効果素子の製造方法が実施される。なお、図 9、図 12〜図 1 4の工程は、当業者にとって周知な他の方法を用いることも可能である。この製法に おいて、図 11における残りの固定強磁性層 C11を成膜する際に、酸素原子を含む ガス雰囲気中で成膜を行うことによつても、同じ効果を得ることができる。

[0055] 図 15は、図 10の酸素ガス処理における処理条件とネールカップリング磁界との関 係を示すグラフである。縦軸はネールカップリング磁界の大きさ(Oe)、横軸は固定強 磁性層 C11の膜厚 (nm)である。グラフ中の各曲線は、それぞれ異なる酸素ガス圧 力(酸素ガス分圧)の場合を示す。酸素ガス圧は、菱形が l X 10_7Pa、四角が 1 X 1 0_bPa、三角が 1 X 10_4Pa、バッが 1 X 10_dPaである。酸素暴露時間は、 240秒で ある。

[0056] 図 15に示されるように、固定層強磁性層 C11の膜厚が 0より大きく lnm以下の範囲 において、酸素ガス圧力が 1 X 10_7Pa以上、 1 X 10_3Pa未満の間の非常に低い圧 力範囲にあるとき、ネールカップリング磁界が 0になる条件があることが分かる。すな わち、酸素ガス圧力は 1 X 10_7Pa以上、 1 X 10_4Pa以下が好ましい。ただし、酸素 ガス圧力の調整のしゃすさという面から、 l X 10_6Pa以上、 1 X 10_5Pa以下のガス 圧が製造上より好ましい。固定層強磁性層 C11の膜厚が lnmより大きい場合、ネー ルカップリング磁界が 0になる点はな、。

[0057] 図 10における酸素ガスの処理において、暴露する酸素雰囲気の酸素ガスの圧力 を変えることで、固定強磁性層 B6表面の酸素吸着層、または、極めて薄い固定強磁 性層 B6の酸ィ匕層である境界層 10を形成することができる。また、固定強磁性層 B6 の表面の状態を境界層 10で変化させることにより、固定強磁性層 C11の結晶状態を 変化させることができる。固定強磁性層 C11の表面状態が変化するので、トンネルバ リア層用膜 7aの成膜の際、トンネルバリア層用膜 7aが固定強磁性層 C11の表面力 結晶成長しやすくなり、薄くても連続した膜を形成することができる。すなわち、トンネ ルバリア層用膜 7aの成長の仕方を変化させることができ、トンネルバリア層用膜 7aを 酸ィ匕することにより形成されるトンネルバリア層 7の上面の平坦性を変化させることが できる。それにより、ネールカップリング磁界の大きさを 0にすることができる。すなわ ち、酸素ガスの処理の条件を調整することによって、ネールカップリング磁界の大きさ を 0にすることができる。同様に、酸素ガス以外のメタノール、水、エタノールや、酸素 ガス、メタノール、水、エタノールのうちの二つ以上を組み合わせたものを用いた場合 でも、処理の条件を調整することにより、ネールカップリング磁界の大きさを 0にするこ とがでさる。

[0058] 本発明では、固定強磁性層 B6表面の酸素ガス処理により、トンネルバリア層 7の固 定強磁性層 B6側の表面及び自由強磁性層 8側の表面力それぞれトンネルバリア 層 7にピンホールが発生しない程度の適正な表面粗さに調整されている。したがって 、本発明により、トンネルバリア層 7のピンホールの発生を抑えつつ、ネールカツプリ ング磁界の大きさを 0にすることが可能となる。このとき、固定強磁性層 B6の材料が 変わると酸素ガスの濡れ性等の変化により最適な酸素暴露条件が異なる。濡れ性の 良!ヽ材料であると酸素暴露時間は短くなり、濡れ性の悪、材料だと酸素暴露時間は 長くなる。

[0059] 図 16は、上記製法 (第 1実施例又は第 2実施例)を用いて作製した磁気トンネル接 合の磁気抵抗効果素子の磁場抵抗変化率を示すグラフである。縦軸は磁気抵抗 効果素子(MTJ膜)の磁気抵抗 (MR: Magnetic Resistance)変化率(%)、横軸 は磁気抵抗効果素子に印加する磁場の大きさ(Oe)である。トンネルバリア層 7が平 滑になった効果によりバイアス電圧 lOOmVにおいて約 40%の抵抗変化率が得られ た。

[0060] 図 17は、上記製法 (第 1実施例又は第 2実施例)を用いて作製した磁気抵抗効果 素子 (MTJ膜)(a)と従来方法で作製した磁気抵抗効果素子 (MTJ膜)(b)との MR 比 (抵抗変化率 (%) )のバイアス電圧依存性を示すグラフである。本発明を用いて作 製された磁気抵抗効果素子は、どのバイアス電圧にぉヽても従来の磁気抵抗効果 素子に比べて高い MR比が得られている。これは、トンネルバリア層 7 (アルミナ)の品 質が向上した結果である。すなわち、磁気抵抗効果素子の磁気トンネル接合におけ るトンネルバリア層の品質を向上し、ネールカップリング磁界をゼロにすることができ、 磁気抵抗効果素子の磁気トンネル接合の特性を向上することが可能となる。

[0061] [第 3実施例]

本発明の磁気抵抗効果素子及び磁気抵抗効果素子の製造方法を適用した磁気ラ ンダムアクセスメモリの実施例に関して、添付図面を参照して説明する。

[0062] まず、本発明の磁気抵抗効果素子を適用した磁気ランダムアクセスメモリの実施例 の構成について説明する。図 18は、本発明の磁気抵抗効果素子を磁気ランダムァク セスメモリに適用したメモリセルの構成を示す断面図である。メモリセル 42は、既述の 磁気抵抗効果素子 30 (又は 30a)、下部電極 1、上部電極 31、 MOSトランジスタ 46 、コンタクト配線 47、コンタクト配線 48を備える。メモリセル 42は、書き込みワード線 4 3、読み出しワード線 44、ビット線 45、 GND線 50に接続されている。

[0063] MOSトランジスタ 46は、半導体基板内に設けられた第 1拡散層 46aと、第 2拡散層 46cと、第 1拡散層 46aと第 2拡散層 46cとの間の半導体基板上に絶縁層を介して設 けられた第 1ゲート 46bとを含む。第 1拡散層 46aは、コンタクト配線 48を介して GND 線 50に接続されている。第 2拡散層 46cは、コンタクト配線 47を介して下部電極 1の 一端に接続されている。ゲート 46bは、読み出しワード線 44に接続されている。下部 電極 1は、他端において磁気抵抗効果素子 30 (、 30a)の一端側と接続されている。 磁気抵抗効果素子 30 (、 30a)は、第 1実施例又は第 2実施例で説明された磁気抵 抗効果素子 (磁気トンネル接合素子)である。磁気抵抗効果素子 30 (、 30a)は、他端 側において上部電極 31を介してビット線 45と接続されている。また、磁気抵抗効果 素子 30 (、 30a)に対して、ビット線 45と反対の側に下部電極 1及び層間絶縁層 49を 介して、ビット線 45と直交するように書き込みワード線 43が設けられている。

[0064] 磁気抵抗効果素子 30 (、 30a)における自由強磁性層 8の自発磁ィ匕は、メモリセル 4 2の上を通るビット線 45を流れる電流と、メモリセル 42の下を通る書き込みワード線 4 3に流れる電流とによって誘起される合成磁場によって、所望の向きに反転される。

[0065] 図 19は、メモリセル 42を用いた MRAM60の構成を示すブロック図である。この M RAM60は、複数のメモリセル 42、複数の参照用メモリセル 42r、複数の書き込みヮ ード線 43、複数の読み出しワード線 44、複数のビット線 45、 Xセレクタ 58、 X側電流 源回路 59、 X側電流終端回路 56、 Yセレクタ 51、 Y側電流源回路 52、読み出し電 流負荷回路 53、 Y側電流終端回路 54及びセンスアンプ 55を具備する。

[0066] メモリセル 42は、複数の書き込みワード線 43 (複数の読み出しワード線 44)と複数 のビット線 45との交点の各々に対応して設けられ、行列に配列されている。 Xセレクタ 58は、 X軸方向(ワード線方向)に延設されている複数の読み出しワード線 44及び複 数の書き込みワード線 43から、読み出し動作時には所望の選択読み出しワード線 4 4sを、書き込み動作時には所望の選択書き込みワード線 43sを選択する。 X側電流 源回路 59は、メモリセル 42へのデータ書き込み動作時に、定電流を供給する定電 流源である。 X側電流終端回路 56は、複数の書き込みワード線 43を終端する。 Yセ レクタ 51は、 Y軸方向(ビット線方向)に延設されている複数のビット線 45から、所望 の選択ビット線 45sを選択する。 Y側電流源回路 52は、メモリセル 42へのデータ書き 込み動作時に、定電流を供給する定電流源である。読み出し電流負荷回路 53は、メ

モリセル 42からのデータ読み出し動作時に、選択されたメモリセル 42 (以下、選択セ ル 42s)と、リファレンス用のメモリセル 42rに所定の電流を供給する定電流源である。 Y側電流終端回路 54は、複数のビット線 45を終端する。センスアンプ 55は、リファレ ンス用のメモリセル 42rにつながるリファレンス用のビット線 45rの電圧と、選択セル 4 2sにつながるビット線 45の電圧との差に基づいて、選択セル 42sのデータを出力す る。

[0067] メモリセル 42からのデータの読み出しは、以下のようにして行う。すなわち、 Xセレク タ 58で選択された選択読み出しワード線 44sと、 Yセレクタ 51で選択された選択ビッ ト線 45sとの交点に対応する選択セル 42sの磁気抵抗効果素子 30 (、 30a)に対して 、読み出し電流負荷回路 53により定電流が供給される。それにより、選択ビット線 45 sが、磁気抵抗効果素子 30 (、 30a)の自由強磁性層 8の状態 (磁気抵抗効果素子 3 0 (、 30a)の抵抗値)に対応した大きさを有する電圧となる。一方、ビット線 45rと選択 読み出しワード線 44sとで選択されるリファレンス用のメモリセル 42rに対しても、同様 に定電流が供給され、ビット線 45r力所定のリファレンス電圧となる。そして、センス アンプ 55は、両電圧の大きさを比較し、例えば、選択ビット線 45sの電圧がリファレン ス電圧より大きければ選択セル 42sのデータは「1」、小さければ「0」と判定する。

[0068] メモリセル 42へのデータの書き込みは、以下のようにして行う。すなわち、 Xセレクタ 58で選択された選択書き込みワード線 43sと、 Yセレクタ 51で選択された選択ビット 線 45sとの交点に対応する選択セル 42sの磁気抵抗効果素子 30 (、 30a)に対して、 Y方向の磁界 H Yと X方向の磁界 H Xとが発生される。これにより、合成磁界 Hが生成さ れる。ただし、磁界 H Yは、選択書き込みワード線 43sに、 X側電流源回路 59により電 流が流されることにより発生する。また、磁界 H Xは、選択ビット線 45sに、 Y側電流源 回路 52により書き込むデータに対応した向きを有する電流が流されることにより発生 する。磁気抵抗効果素子 30 (、 30a)は、合成磁界 Hを受け、書き込むデータに対応 するように自発磁化の方向を反転する。

[0069] 第 1実施例及び第 2実施例の磁気抵抗効果素子を用いることで、磁気抵抗効果素 子の磁気トンネル接合におけるトンネルバリア層の品質を向上し、ネールカップリング 磁界をゼロにすることができ、磁気抵抗効果素子の磁気トンネル接合の特性を向上

することが可能となる。そして、この磁気抵抗効果素子を磁気ランダムアクセスメモリ に用いることで、磁気ランダムアクセスメモリの製造歩留まりを改善することが可能とな る。

[0070] 本発明により、トンネルバリア層の上下の面を平滑とすることができ、トンネルバリア 層の品質を向上し、高 MRな MRAMを製造することができる。そして、ネールカップ リング磁界を 0とすることでオフセット磁界を 0に容易に調整することができる。その結 果、メモリセル 42間のディスターブに強ぐ書込み電流を低く抑えた MRAMを製造 することが可能となる。

[0071] また、本発明の磁気抵抗効果素子は、 MRAMのほかに、磁気ディスク装置の磁気 ヘッドなどいおいて起用することも可能である。本発明により、磁気トンネル接合にお けるネールカップリング磁界をゼロにし、トンネルバリア層の品質を向上させることが できる。