Traitement en cours

Veuillez attendre...

Paramétrages

Paramétrages

Aller à Demande

1. WO2001077345 - PLASMIDE UTILISABLE POUR LA RECOMBINAISON DE CHROMOSOMES D'$I(ESCHERICHIA COLI)

Note: Texte fondé sur des processus automatiques de reconnaissance optique de caractères. Seule la version PDF a une valeur juridique

[ JA ]
明 細 書

Escherichia coliの染色体組換えに用いられるプラスミド

技術分野

本発明は Escherichia coli K-12株以外の Escherichia属に属する微生物への遺伝 子組込みに用いられるプラスミド、該染色体への遺伝子組込み方法、該組み込み方 法により造成された組換え株、および該組み換え株を用いる有用物質生産方法に関 する。

景技術

ある特定の遺伝子を発現するプラスミドを菌体内に保持させた微生物を有用物 質の生産に利用する場合、遺伝子の過剰発現やプラスミドの不安定性がしばしば問 題となる。該問題を解決するため、染色体上の遺伝子を改変することが有効な手段 として行われる。 Escherichia col iにおける染色体操作技術としては変異処理によ る方法が古くから行われている。該方法はランダムに変異させた菌から、目的とす る変異株を選択するものであり、非常に多くの労力を要する上、計画的,意図的な 操作はほとんど不可能である。

一方、 P1ファージを用いる P1形質導入は Escherichia coliの染色体を計画的 ·意 図的に操作する方法としては最も汎用性の高い技術として知られている [Zinder, N. D. and Lederberg J., J. Bacteriol . , 64, 679 ( 1952)]。

PI形質導入以外の染色体操作技術は、大きく分けて 2つある。

一つは Escherichia coli以外の微生物内で自律複製可能であり、 Escherichia coli内では自律複製不可能なプラスミドに目的の遺伝子を挿入し、該プラスミドを 用レヽて Escherichia coliを形質転換し、相同組み換えの原理で目的遺伝子が染色体 中に組み込まれた株を取得する方法である [A. Chen et al ., J. Bacteriol . , 176, 1542 ( 1994)]。しかし、この方法では、 Escherichia coli以外の微生物を宿主とし て調製したプラスミドが Escherichia coli内の制限酵素により分解されてしまうた め、目的とする染色体組換え株の取得頻度が極めて低いという欠点がある。

もう一つの方法は、 Escherichia coli K- 12株中で通常の生育条件下では自律複 製ができるが、高温度下等のある一定の条件下では自律複製できないプラスミドを 用い、相同組換えの原理により目的遺伝子を染色体中に組み込む方法である [Τ. Hashimoto, and M. Sekiguchi, J. Bactereiol . , 127, 1561 ( 1976 ) ]。

研究や産業の分野で広く用いられている Escherichia coliには K- 12、 B、 W株等の いくつかの系統があるが、遺伝子組換え技術の多くは K-12株を用いて開発されてき た。

Escherichia coli W株はアミノ酸等の有用物質の生産に適しており [S. Furukawa et al . , Appl. Microbiol . Biotechnol . , 29, 253 ( 1988)]、また、シュ一クロ一 スの資化性があり、さらに菌体高密度培養の実績がある [ I . E. Gleiser and S. Bauer, Biotechnol . Bioeng. , 23, 1015 ( 1981 )]など発酵生産上の利用価値が高い。

上記のこれらの遺伝子組換え技術は K-12株に関するものであり、 K-12株以外の系 統の Escherichia属に属する微生物に適応した報告は知られていない。

発明の開示

本発明は、 K-12株以外の Escherichia属に属する微生物における新たな染色体組 み換え技術を確立し、上記問題点を解決するものである。

本発明は以下の(1 ) 〜( 1 4 ) に関する。

( 1 ) Escherichia coli K-12株中で 10〜30°Cにおいては自立複製可能であ るが、 33°C以上では該菌体内で自立複製できないか若しくは該菌株の細胞分裂の際 に不均一に分配され、該条件下で該菌体内にプラスミドとして安定に保持されない 温度感受性プラスミドであり、かつ Escherichia coli K- 12株以外の Escherichia属 に属する微生物中では、いかなる温度であっても該菌体内で自立複製できないか若 しくは該菌株の細胞分裂の際に不均一に分配され、該条件下で該菌体内にプラスミ ドとして安定に保持されないプラスミド。

( 2 ) Escherichia coli K-12株以外の Escherichia属に属する微生物が、 Escherichia coli W株または Escherichia coli B株である、上記(1 ) のプラスミ ド'

(3) プラスミドが、 Escherichia coliの染色体と相同組換え可能な D N A 断片を含有するプラスミドである、上記(1) または(2) のプラスミド。

(4) プラスミドが、 Escherichia coli DH5a/pMTS11910(FERM BP-6904)ま たは Escherichia coli DH5a/pMTS11914(FERM BP- 6905)の保有するプラスミドであ る、上記(1) 〜(3) いずれか 1つに記載のプラスミド。

(5) 上記(1) 〜(4) いずれか 1つに記載のプラスミドに任意の遺伝子 を組み込むことにより得られる、遺伝子組み込み用プラスミド。

(6) 上記(1)〜(5)いずれか 1つに記載のプラスミドを Escherichia coli K- 12株以外の Escherichia属に属する微生物に導入することを特徴とする、遺伝子 組み込み方法。

( 7 ) Escherichia coli K-12株以外の Escherichia属に属する微生物が、 Escherichia coli W株または Escherichia coli B株である、上記( 6 ) の遺伝子組 み込み方法。

(8) 遺伝子組み込みが、プラスミドが染色体へ組み込まれることによる遺 伝子組み込みである、上記(6) または(7) の遺伝子組み込み方法。

(9) 遺伝子組み込みが、プラスミド上の DNA断片が相同組換えにより染 色体上の DNA断片と置換されることによる遺伝子組み込みである、上記(6) 〜

(8) いずれか 1つに記載の遺伝子組み込み方法。

(10) 上記(6) 〜(9) いずれか 1項に記載の方法により取得される形 質転換体。 .

( 1 1) 形質転換体が、 Escherichia coli DH5a/pMTS11910(FERM BP-6904), Escherichia coli DH5ひ/ pMTS11914(FERM BP- 6905)、 Escherichia coli WLA-131(FERM BP-6902)および Escherichia coli WL-1133(FER BP-6903)からなる群より選ばれる 形質転換体である、上記( 10) の形質転換体。

( 12) 上記( 10 ) または( 1 1 ) の形質転換体を培地に培養し、培養物 中に有用物質を生成蓄積させ、該培養物から有用物質を採取することを特徴とする、 有用物質製造方法。

(13) 有用物質が、アミノ酸、有機酸、核酸、核酸関連物質、糖、脂質、

ビタミン、色素、およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる有用物質である、 上記 ( 1 2 ) の有用物質製造方法。

( 1 4 ) 有用物質が、タンパク質である請求項 1 2記載の有用物質製造方法。 〔 1〕プラスミドの変異処理

プラスミドは pMW119 (日本ジーン社発売)若しくは PMW119と同一の ori領域、 ^ 遺伝子を持つプラスミドが用いられる。 ori領域は複製開始点を含む領域であり、 £^2遺伝子はレプリカーゼをコードする遺伝子である。

プラスミドの変異処理はヒドロキシルァミンを用いる公知の方法 [G. 0.

Humphreys et al ., Mol . Gen. Genet. , 145, 101 ( 1976 ) ]などの方法で行う。

例えば、ヒドロキシルァミンを用いる場合には、プラスミド約 10〃gを 0.4mol/l 塩酸ヒドロキシルァミンを含むリン酸緩衝液 [50匪 ol/l Na¾P04, lmmol/1 EDTA2Na, PH6.0(Na0H)]に溶解し、 75°Cで 30〜60分間加熱することで該プラスミドを変異させ ることができる。

〔2〕温度感受性プラスミドの取得

Escherichia coli K-12株中で温度感受性を示すプラスミドは公知の方法 [Τ.

Hashimoto, and . Sekiguchi, J. Bacteriol. , 127, 1561 ( 1976)]で取得するこ とができる。

具体的には、変異処理したプラスミドを用いて、 Escherichia coli K- 12株を形 質転換し、 10〜32°Cの範囲内でアンピシリンなどの薬剤に対して耐性を有する株を 取得する。形質転換の方法としては、 Escherichia coli K-12株を形質転換できる 方法であればいずれの方法でもよいが、転換効率の高いエレクトロポレーシヨン法 [W. J. Dower et aL , Nucleic Acids Res. , 16, 6127 ( 1988)]が好ましい。

マーカーとなる薬剤を含有する LB寒天培地 [パクトトリプトン(ディフコ社製) 1.01 イーストイクストラクト(ディフコ社製) 0.5%、 NaCl 1.0%]上に形質転換 処理を行った Escherichia coli K-12株を塗布して 10〜32°Cで 6〜24時間培養する。 該培養で生育が確認された株を形質転換株として選択する。該形質転換株を 33°C 以上の該形質転換株が生育可能な温度で薬剤無添加の寒天培地上で培養する。

培養後、生育した菌株をアンピシリンなどの薬剤を含有する寒天培地上に塗布し、

33°C以上の該菌株が生育可能な温度で 6〜24時間培養する。該条件下で生育するこ とができない菌株に対応する菌株を上記薬剤無添加の寒天培地から分離し、薬剤無 添加の培地で再度培養する。該培養後、該菌株からプラスミドを常法に従い、分離 する。該プラスミドが、温度感受性プラスミドである。

〔3〕 Escherichia coli K-12株以外の Escherichia属に属する微生物の菌体中で複 製できないプラスミドの取得

本発明のプラスミドである Escherichia coli K- 12株以外の Escherichia属に属す る微生物の菌体内で複製できないプラスミドは、上記( 1 ) 記載の方法により取得 される、 Escherichia coli K-12株中で温度感受性を示すプラスミドの中から選択 することができる。

ここで、 E. coli K- 12株以外の Escherichia属に属する微生物としては、 K-12株系 統以外の Escherichia属に属する微生物であればいずれの微生物でもよい。該微生 物としては、例えば、 Escherichia coli W株、 Escherichia coli B株、 Escherichia coli C株、 Escherichia coli 15株などの系統の Escherichia coliに属する微生物 があげられ、 Escherichia coli W株または coli B株が好ましい。

具体的には、 Escherichia coli K- 12株中で温度感受性を示すプラスミドにより Escherichia coli K- 12株以外の Escherichia属に属する微生物の形質転換操作を行 い、形質転換体を得る。該形質転換体を薬剤を含有する培地で培養したとき、いか なる温度で培養しても該形質転換体が生育できないとき、該温度感受性プラスミド が本発明の性質を有するプラスミドである。

〔4〕染色体への遺伝子組み込み

上記方法で得られた Escherichia coli K-12株以外の Escherichia属に属する微生 物中ではいかなる温度でも複製できないプラスミド(以下、本発明のプラスミドと いう)を染色体への組み込みに用いる。

まず、遺伝子を本発明のプラスミドにクローニングする。該遺伝子は目的とする 有用物質の生産に関わり、 Escherichia coli K- 12株以外の Escherichia属に属する 微生物の染色体の目的とする遺伝子と相同な配列を持つものならばいずれでもよ い。有用物質としては、該遺伝子が生産に関与する有用物質であればいずれでもよ

い。例えば、ロイシン等のアミノ酸、イソクェン酸等の有機酸、フラビンアデニン ジヌクレオチド等の核酸もしくは核酸関連物質、果糖等の糖、リン脂質や糖脂質な どの脂質、ピオチン等のビタミン、カロチン等の色素、またはこれらの誘導体、該 遺伝子がコードする酵素等のタンパク質等をあげることができるが、これらの物質 に限定されるものではない。

遺伝子のクロ一ニングは Escherichia coli K-12株から公知の方法で行うことが できる [Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press ( 1989) (以下、モレキュラー ·クローニング第 2版と略 す)。さらにクローニングされた遺伝子の塩基配列を公知の方法(モレキュラー ' クロ一ニング第 2版)で人為的に改変することもできる。なお、遺伝子のクロ一二 ングゃクロ一ニングされた遺伝子の改変は Escherichia coli K-12株を宿主として 用い、培養は 32°C以下で行う。

こうして構築された組換えプラスミドを用いて Escherichia coli K- 12株以外の Escherichia属に属する微生物を形質転換し、該菌株をアンピシリンなどの薬剤を 含有する培地上で培養し薬剤耐性株を取得することで、目的とする遺伝子を含むプ ラスミドが染色体に組み込まれた染色体組換え株を取得することができる。この際 の形質転換方法は、エレクトロポレーシヨン法や塩化カルシウム法などの公知の方 法 (モレキュラー 'クローニング第 2版)のいずれでも用いることができる。 プラスミド上にクローニングした遺伝子と、 Escherichia coli K-12株以外の Escherichia属に属する微生物が元来染色体上に持つていた遺伝子とが置換された 株を取得することもできる。

具体的には本発明のプラスミドを用いて形質転換された株を、アンピシリンなど の薬剤を含まない培地で培養する。培養は、該形質転換株が生育できる培地であれ ば寒天固体培地、寒天を含まない液体培地のいずれでもよい。

培養した菌体を適宜滅菌生理食塩水で希釈し、アンピシリンなどの薬剤の入つて いない L B寒天培地上に塗布し、培養する。生育した各コロニーをアンピシリンな どの薬剤を含有する寒天培地上に塗布し、生育しない菌株に対応する菌株を元の薬 剤無添加の培地から分離する。分離された菌株中から、本発明のプラスミド上の遺

伝子と、 Escherichia coli K-12株以外の Escherichia屑に属する微生物の染色体上 に元来存在する遺伝子が相同組み換えにより置換された株を選択することができ る。

以下、目的とする遺伝子を含むプラスミドが染色体に組み込まれた染色体組換え 株またはプラスミド上にクロ一ニングした遺伝子と、 Escherichia coli K-12株以 外の Escherichia属に属する微生物が元来染色体上に持つていた遺伝子とが置換さ れた株を本発明の微生物という。

本発明の微生物を用いて有用物質の生産を行うことが出来る。

また、上記方法において、プラスミドの染色体上への組み込み位置が、標的遺伝 子の塩基配列中になるようにデザィンすれば、標的遺伝子上に新たな配列を挿入す ることで該遺伝子を破壊することができる。この方法による遺伝子破壊は、変異に よる遺伝子の不活化よりも確実性が高い利点がある。

本発明の微生物を培養する培地として、本発明の微生物が資化し得る炭素源、窒 素源、無機塩類等を含有し、本発明の微生物の培養を効率的に行える培地であれば 天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。

炭素源としては、本発明の微生物が資化し得るものであればよく、グルコース、 フラクト一ス、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加 水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノー ルなどのアルコール類等を用いることができる。

窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニゥム、硫酸アンモニゥム、酢酸アン モニゥム、リン酸アンモニゥム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニゥム塩、その 他の含窒素化合物、ならびに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープ リカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体およ びその消化物等を用いることができる。

無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシゥ ム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭 酸カルシウム等を用いることができる。

培養は、振盪培養または深部通気攪拌培養などの好気的条件下で行う。

培養温度は 15〜40°Cがよ培養時間は、通常 16時間〜 7日間である。培養中の pH は 3.0〜9.0に保持することが好ましい。 pHの調整は、無機またば有機の酸、アルカリ 溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニアなどを用いて行う。

また、培養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培 地に添加してもよい。

上記培養により、有用物質を培養液中に蓄積させることができる。

培養終了後、培養液から菌体などの沈殿物を除去し、イオン交換処理法、濃縮法、 塩析法などを併用することにより、培養液から該有用物質を回収することができる 有用物質が夕ンパク質である場合は、該夕ンパク質を通常の夕ンパク質の単離精 製法を用いて単離精製することができる。例えば該タンパク質が、細胞内に溶解状 態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し、水系緩衝液に けん濁後、超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー、ダ イノミル等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離 することにより得られる上清から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、溶媒抽 出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジェチルアミノエチ ル (DEAE) —セファロ一ス、 DIAION HPA-75 (三菱化成社製)等のレジンを用いた 陰イオン交換クロマトグラフィー法、 S- Sepharose FF (Pharmacia社製)等のレジ ンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フヱニルセ ファロ一ス等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィ一法、分子篩を用、たゲル ろ過法、ァフィ二ティークロマトグラフィー法、クロマトフォ一カシング法、等電 点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製された タンパク質を得ることができる。

また、該タンパク質が細胞内に不溶体を形成して発現した場合は、同様に細胞を 回収後、破砕し、遠心分離を行うことにより、沈殿画分として該タンパク質の不溶 体を回収する。回収した該タンパク質の不溶体をタンパク質変性剤で可溶化する。 該可溶化液を希釈または透析し、該可溶化液中のタンパク質変性剤の濃度を下げる ことにより、該タンパク質を正常な立体構造に戻す。該操作の後、上記と同様の単 離精製法により該夕ンパク質の精製標品を得ることができる。

以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは ない。

図面の簡単な説明

第 1図は、 operonを含む pLEUR12の制限酵素地図、及び、 Escherichia coli K-12 株の情報より推定される operon中の各遺伝子の配置を示した図である。

第 2図は、 operonを含む PTS14-LEUR122の制限酵素地図、及び、各遺伝子の配 置を示した図である。

発明を実施するための最良の形態

以下に示す実施例中での操作は、特に断らない限りモレキュラー ·クローニング 第 2版記載の方法に従った。

実施例 1 Escherichia coli W株中で保持されないプラスミドの取得

Escherichia coliの代表的なプラスミドベクタ一である pMW119 [二ツボンジーン (株)社製]を in vitroで変異処理した。変異処理は [G. 0. Humphreys et al . , Mol . Gen. Genet. , 145, 101 ( 1976)]記載のヒドロキシルァミンを用いる以下に示す方 法で方法で行った。

まず、超遠心法によって調製した PMW119約 10〃 gを 0.4mol/l塩酸ヒドロキシルァ ミンを含むリン酸緩衝液 [50腿 ol/l NaH2P04, lmmol/1 EDTA2Na, pH6.0(Na0H)]に溶 解した。該溶液を 75°Cで 40分間加熱処理した。その後、エタノールの添加により処 理 D N Aを沈殿させ、 T E溶液 [10腿 ol/l トリスヒドロキシメチルメタン, lmmol/1 EDTA2Na, pH8.0(HCl )]に溶解した。

該 D N A溶液を用い、 Escherichia coli K- 12株 DH5ひ (Bethesda Research Laboratories)を形質転換した。該菌株をアンピシリン 50mg/lを含む LB寒天培地 [バ クトトリプトン(ディフコ社製) 1%、酵母エキス 0.5%、 NaCl 0.5%、寒天 2%]上 で 30°Cで培養し、生育した株を約 1,700株選択した。

これらの選択株をァンピシリンを含まな t、LB寒天培地へレプリカし、 42°Cで培養 した。生育したコロニーを再度アンピシリンを含む LB寒天培地へレプリカし、 42°C

で培養し、生育できない株を元のプレートから 22株選択した。

これらの選択株から抽出したプラスミドを用い、 Escherichia coli W株 (ATCC-11105) 及び Escherichia coli B株 (ATCC-11303) をエレクトロポレーシヨン法 [William J. Dower et al .3 Nucleic Acids Reseach, 16, 6127 ( 1988)]により形 質転換した。この時の形質転換効率は 7x l08cells/ /g of pBR322であった。

W株と B株の両株において、アンピシリンに対して耐性を示す形質転換株の得られ る頻度が PMW119に比べ 107分の 1以下であった 2種類のプラスミドをそれぞれ pMTS11910、 pMTS11914とした。 Escherichia coli DH5 aを pMTS11910または pMTS11914 で形質転換した。該形質転換株 Escherichia coli DH5ひ/ pMTS11910、 Escherichia coli DH5ひ/ pMTS11914はそれぞれブ夕ぺスト条約に基づいて平成 1 1年 9月 3 0日 付けで独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター:日本国茨城県つ くば巿東 1丁目 1番地 1中央第 6 (旧:工業技術院生命工学工業技術研究所:日本 国茨城県つくば巿東 1丁目 1番 3号)、にそれぞれ FERM BP-6904、 FERM BP-6905と して寄託されている。

実施例 2 operonを含む温度感受性プラスミドの構築

染色体遺伝子組み込みを行う遺伝子として Escherichia coli L—ロイシン生産 菌 (FERM BP-4704) (特開平 8-70879) の 1 operonを用いた。 FERM BP- 4704株の染 色体 D N Aを斎藤らの方法 [H. Saito and K. Miura, Biochem. Biophys. Acta, 72, 619 (1963)]により抽出し、該染色体 D N Aを制限酵素 Sau3AIで部分分解した。一 方、 pMW218 [二ツボンジーン(株) ]を制限酵素^! iHIで分解し、アルカリフォスフ ァ夕—ゼ処理した。処理した各々の D NA溶液を混合し、 T4 DNA Ligaseで連結反

Μ 了った o

該連結処理された D N Aを用レヽて Escherichia L—ロイシン要求株 CV437 [M. G. Davis and J. M. Calvo, J. Bacteriol . , 129, 1078 ( 1977)]をエレクトロボレ —シヨン法により形質転換した。その結果カナマイシン耐性かつ L一口イシン非要 求性を示す株が 66株得られた。 L—ロイシン非要求性株は、 L—ロイシンを培地中 に含まない M9最少培地上で培養したときに生育可能な株を選択することで得た。

該菌株から任意の 12株を選択し、プラスミド D N Aを抽出した。該プラスミド D N Aを用い、 L—ロイシン要求株 CV524[M. G. Davis and J. M. Calvo, J. Bacteriol . , 129, 1078 ( 1977)]をエレクト口ポレーシヨン法により形質転換し、 L—ロイシン 非要求株の得られたプラスミドを PLEUR12とした。 CV437株は!^を、 CV524株は!^ Πを欠損していることから、 PLEUR12には少なくとも leu A、 leu Dを含む leu operon が挿入されていると推定した。さらに pLEUR12の挿入 D N A断片の制限酵素地図を 作成したところ、既に塩基配列が決定されている Escherichia coli K-12株の leu ABCD遺伝子 [T. Ura et al. , Nucleic Acids Reseach, 20, 3305 ( 1992)]の制限酵 素地図と一致した。

推定される PLEUR12の構造を第 1図に示す。

クロ一ニングされた^ operonを以下の手順で pMTS11914へ挿入した。

まず、 PLEUR12を制限酵素!^ RI、で切断し、該切断 D N A断片をァガロース ゲル電気泳動にかけ、 1^ operonを含む約 9 Kbの断片をゲルから抽出した。

一方、 PMTS11914を制限酵素 ^RI、 ^ 1で切断し、さらにアルカリフォスファタ —ゼで処理した。処理した D N A溶液を混合し、 T4 MA Ligaseで連結反応を行つ た。該連結処理された D N Aを用いて Escherichia coli L—ロイシン要求株

C600 [Brenner S. , and J. R. Beckwith, J. Mol . Biol . , 13, 629 ( 1965 )]をエレ クトロポレーシヨン法により形質転換した。その結果、約 500株のアンピシリン耐 性株が得られた。該アンピシリン耐性株の中から L一口イシン非要求性株を上記で 述べた方法で選択し、さらに該選択株を 42°Cで培養し、アンピシリンに対して感受 性を示す株を選択した。該選択株よりプラスミドを抽出し、該プラスミドの制限酵 素切断パターンを調べ、目的とする!^ operonが挿入されたプラスミドを pTS14-LEUR122とした(第 2図)。

実施例 3 PTS14-LEUR122の Escherichia coli W株染色体への組み込み

PTS14-LEUR122で、 Escherichia coli W 113-3株 [ATCC-11105, J. Bacteriol . , 60, 17 ( 1950) ]をエレクトロポレーシヨン法で形質転換した。形質転換によって得られ たアンビシリン耐性株の L—ロイシン生産能の有無をバイオアツセィ法を用いて

調べた。

具体的には、先述した L—ロイシン要求性株 CV524を約 1 X 107 cells/mlの濃度に 含む M9最少寒天培地(グルコース 5g/l、 Na2HP046g/ KH2P043g/l、 NaC1 0.5g/L NH4C1 1 / MgS04 lmmol/ CaCl2 0.1顧 ol/l、 DL-メチォニン 20mg/l、寒天 2%) 上に、得られたアンビシリン耐性株を塗布し、 37°Cで 12時間培養した。

L一口イシン生産能を持つ株の周りには CV524株が生育し、白濁した円(以下、 ハローと呼ぶ)を形成した。形成したハローの平均的な大きさよりも大きなハロー を形成した株を分離し、アンピシリンを含有する LB寒天培地上で 42°Cで培養した。 該菌株中でアンピシリンに対して耐性を示す株を PTS14-LEUR122が染色体に組み込 まれた株として選択し、該菌株の 1つを Escherichia coli WLA-131株と命名した。

Escherichia coli WLA-131株の染色体上に pTS14-LEUR122が相同組換えにより組 み込まれていることをサザンハイブリダィゼーシヨンにより確認した。

Escherichia coli WLA-131株はブ夕ぺスト条約に基づいて平成 1 1年 9月 3 0日 付けで独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター:日本国茨城県つ くば巿東 1丁目 1番地 1中央第 6 (旧:工業技術院生命工学工業技術研究所:日本 国茨城県つくば巿東 1丁目 1番 3号)、に FE BP-6902として寄託されている。

実施例 4 染色体組み込み株からの置換株の取得

Escherichia coli WLA- 131株を 5mlの LB培地に接種し、 33°Cで 24時間振とう培養 した。得られた培養液 100 Lを再び 5mlの LB培地に接種し、 33°Cで 24時間振とう培養 した。

該培養液を適宜希釈し、 LB寒天培地上に塗布した。

生育したコロニーをアンビシリン含有および非含有 LB寒天培地にレプリカし、ァ ンピシリン感受性株を選択した。該ァンピシリン感受性株の L—口イシン生産能を 実施例 3で述べたバイオアヅセィ法で調べ、ハローを形成した株の一つを

Escherichia coli WL-1133株と命名した。

Escherichia coli WL-1133株はブ夕ぺスト条約に基づいて平成 1 1年 9月 3 0日 付けで独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター:日本国茨城県つ

くば巿東 1丁目 1番地 1中央第 6 (旧:工業技術院生命工学工業技術研究所:日本 国茨城県つくば巿東 1丁目 1番 3号)、に FERM BP-6903として寄託されている。

Escherichia coli WL-1133株の染色体上の遺伝子が所期の目的通りに組換えられ ていることを確認するために、サザンハイブリダィゼーシヨンによる解析を行った

PLEUR12を I I I、 1消ィ匕し、 leu ABCDを含む 4.4Kb断片を取得した。該断片を ジゴキシゲニンで修飾し、プローブとして用いた。 Escherichia coli W113-3株、 Escherichia coli WLA- 131株、 Escherichia coli WL- 1133株より染色体 D N Aを抽 出し、該染色体 D N Aを 11、 1で分解し、ァガロースゲル電気泳動を行った。 電気泳動後、分離された D N Aを二トロセル口一スメンプレンにトランスファー し、プローブとのハイブリダィゼ一シヨンを行い、つづけて発色操作を行った。親 株である Escherichia coli W113-3株、及び Escherichia coli WL- 1133株では leuABCD を含む約 17Kbの断片のみが検出された。一方、 Escherichia coli WLA- 131株では 11Kb と約 19Kbの 2本の断片が検出された。

染色体組込みに使用した PTS14- LEUR122はそのマルチクローニングサイトに サイトを 1ケ所持つ。従って、想定通りにプラスミド上の]^ operonが相同組換え により染色体上に組み込まれた場合には 19Kbと 11Kbの 2本の断片が検出されるは ずである。以上より、 Escherichia coli WLA-131株はその染色体上の leu operon上 に PTS14- LEUR122が組み込まれていること、また、 Escherichia coli WL-1133株で は組み込まれたプラスミドが再度相同組換えで脱落していることを確認できた。 すなわち、染色体上に組み込まれていた pTS14- LEUR122の pMTS11914由来の領域が 染色体上から脱落しており、 Escherichia coli WL-1133株の染色体上には 1コピ 一の leu operonが存在する。

実施例 5 アミノ酸生産試験

Escherichia coli W113-3株、 Escherichia coli WLA - 131株、 Escherichia coli WL-1133株をそれぞれ 250ml容の三角フラスコ中の種培地(グルコース 2%、ぺプト ン 1%、酵母エキス l、 NaCl 0.25 pH7.0) 20mlに接種して、 30°Cで 16時間振と う培養した。得られた種培養液 2.5mlをそれぞれ 250ml容の三角フラスコ中の生産培

地 (グルコース 3%、硫酸アンモニゥム 1.6%、リン酸一カリウム 0.1%、コーンス ティープリカ一 0.2%、 DL-メチォニン 150mg/l、リン酸三マグネシウム 4%、炭酸 カルシウム 1%、 pH7.0) 25mlに接種し、 30°Cで 48時間振とう培養した。培養終了 液中の L—口イシンの蓄積量を高速液体ク口マトグラフィ一法により定量した。 結果を第 1表に示す。

第 1表


産業上の利用可能性

Escherichia coli K-12株中で自律複製が可能で、 Escherichia coli K-12株以外 の Escherichia coli (Escherichia coli K-12株以外の Escherichia属に属する微生 物)中で自律複製が不可能なプラスミドを用いることで、 Escherichia coli K-12 株以外の Escherichia属に属する微生物の染色体上の任意の領域に任意の遺伝子を 組み込んだり、あるいは、染色体上の任意の遺伝子を計画的に改変することができ る。