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1. WO1999003954 - COMPOSITION LUBRIFIANTE, SUPPORT D'ENREGISTREMENT MAGNÉTIQUE ET PROCÉDÉ DE PRODUCTION D'UN SUPPORT D'ENREGISTREMENT MAGNÉTIQUE

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[ JA ]
明 細 書

潤滑剤組成物ならびに磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法

技術分野

本発明は、優れた潤滑性能を呈する潤滑剤組成物、ならびに、例えばデジタル ビデオテープレコーダや高精細度ビデオテープレコーダに最適の、磁気記録層と して強磁性金属薄膜、その上の炭素膜、およびさらにその上の潤滑剤層を有する 磁気記録媒体ならびにその製造方法に関するものである。

背景技術

近年、磁気記録の分野においては、記録 ·再生機器のデジタル化、小型化およ び使用時間の長時間化等の高性能化に伴い、それに適した高密度磁気記録媒体の 開発が活発に行なわれており、最近では塗布型磁気記録媒体に代わって、短波長 記録に極めて有利な金属薄膜型磁気記録媒体が実用化されている。

しかしながら、金属薄膜型磁気記録媒体の磁性層は、極めて良好な表面性を有 する、すなわち磁性層の面の粗度が小さいために磁気へッドとの接触面積が増え るので、信号の記録 '再生の過程において磁気へッドと高速摺動する間に大きな 摩擦力を受けて摩耗されやすい。磁性層の磨耗は、走行耐久性あるいはスチル耐 久性等に大きな影響を与えるため、磁性層の磨耗を低減させる'ことは金属薄膜型 磁気記録媒体の研究開発において大きな課題となっている。

そこで、磁性層表面に潤滑剤層を設けることによって磨耗を低減し、走行耐久 性およびスチル耐久性を改善しょうとする試みがなされている。潤滑剤層を設け る場合、磁気記録媒体と磁気ヘッドとのスペーシングロスによる出力低下を極力 抑えて高出力化を図るベく、磁性層表面の潤滑剤層は僅か数魔の厚みで潤滑特性 を発揮することが求められている。そのため、優れた潤滑特性を示すフッ素系化 合物を用いることが広く検討され、各種化合物の使用が提案されている。

例えば、下記化学式(X ) :

Cl8H35OCOC9F17 … (X)

で示される含フッ素長鎖カルボン酸エステル(特開昭 62— 46431号公報参照)や 下記化学式(Y) :

C12H25

\

C H COOH

/

C9F19OCOCH2 ... (Y)

で示されるカルボキシル基を有する含フッ素カルボン酸モノエステル(特開昭 61 ― 107529号公報参照)等を使用することが提案されている。

しかしながら、磁気記録媒体の性能向上に関する要求は厳しく、上記した従来 の潤滑剤では十分な潤滑特性を得ることが困難であり、走行耐久性およびスチル 耐久性において一層の改善が望まれている。

発明の開示

本発明は、上記問題に鑑み、電磁変換特性を損なうことなく、走行耐久性およ びスチル耐久性に優れ、実用信頼性の高い磁気記録媒体を得ることを可能にする 潤滑剤組成物およびその潤滑剤組成物を用レヽた磁気記録媒体ならびにその製造方 法を提供するものである。

第一の発明である本発明の潤滑剤組成物は、後述するように特定の二種以上の 含フッ素化合物を含んで成るものである。それにより、例えば、この潤滑剤組成 物を用いて磁気記録媒体の潤滑剤層を形成した場合、潤滑剤層のその下に位置す る炭素膜への付着強度が向上し、かつ優れた潤滑特性が磁気記録媒体に付与され るので、磁気記録媒体はその電磁変換特性が損なわれることなく優れた走行耐久 性およびスチル耐久性を呈するものとなる。本明細書においては、かかる効果を もたらす潤滑剤組成物として、種々の潤滑剤組成物を開示する。

本発明の第一の潤滑剤組成物は、分子内にパーフルォロアルキル基またはパ一 フルォロポリエ一テル基、およびアルキル基またはアルケニル基を有する、一般 式 (a) および(b) :


C H(C H2)ト bCOOH

R2(C H2)a0C0(C H2)b .·· (a)

(ここで、 はアルキル基またはアルケニル基であり、 R2はパ一フルォロアル キル基またはパ一フルォロポリエーテル基であり、 aは 0〜20の整数であり、 bは 0または 1である。)

R3

\ CHC00H

/

R4(CH2)c(R5)d … ( b)

(ここで、 R3はアルキル基またはアルケニル基であり、 R4はパールォロアルキ ル基またはパ一フルォロポリエーテル基であり、 R5は 0または Sであり、 cは 0〜20の整数であり、 dは 0または 1である。)

で示される化合物から選ばれる少なくとも 1種類の化合物;

ならびに分子内にパーフルォロポリエーテル基を有する、一般式(c) 、 (d) および(e) :

HOCH2CF2(OC2 F4)e(OCF2)gOC F2CH2OH ... (c) (ここで、 eおよび gは 1以上の整数である。)

HOOCCF2(OC2 Fj OC F jOC FzCOOH ... ( d )

(ここで、 iおよび jは 1以上の整数である。)

R6COOCH2C F2(OC2 F4)k(OC F2)pOC F2C H2 OCOR6

...( e )

(ここで、 kおよび pは 1以上の整数であり、 R6は炭素数 4〜22のアルキル 基である。)

で示される化合物から選ばれる少なくとも 1種類の化合物を含むことを特徴とす る。

一般式(a) 〜(e) で示される化合物は、いずれも含フッ素化合物である。 この潤滑剤組成物は、一般式(a) および(b) で示される含フッ素モノカルボ ン酸から選択される少なくとも 1種の化合物と、一般式(c) で示される含フッ 素ジオール、一般式(d) で示される含フッ素ジカルボン酸および一般式(e) で示される含フッ素ジエステルから選択される少なくとも 1種の化合物とを含ん で成るものである。なお、一般式(a) で示される化合物は、一のカルボキシル 基を有する含フッ素カルボン酸モノエステルともいえるものである。

この組成物が、例えば、非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭素膜および潤滑 剤層がこの順に形成されて成る磁気記録媒体(以下、これを単に金属薄膜型磁気 記録媒体という場合がある)の潤滑剤層に含まれる場合には、潤滑剤層の炭素膜 への付着強度が向上し、かつ優れた潤滑特性が磁気記録媒体に付与される。そし てこれらの相乗効果により、電磁変換特性が損なわれることなく走行耐久性およ びスチル耐久性が向上した実用信頼性の高い磁気記録媒体が得られる。

本発明の第二の潤滑剤組成物は、上記一般式(a) で示される化合物から選ば れる少なくとも 1種類の化合物と、上記一般式(b) で示される化合物から選ば れる少なくとも 1種類の化合物とを含んで成ることを特徴とする。

この潤滑剤組成物は、一般式(a) で示される少なくとも 1種類の含フッ素モ ノカルボン酸(もしくは一のカルボキシル基を有する含フッ素カルボン酸モノエ ステル)、および一般式(b) で示される少なくとも 1種類の含フッ素モノカル ボン酸を含む。この組成物もまた、上記第一の潤滑剤組成物と同様の効果を奏す る。

本発明の第三の潤滑剤組成物は、上記一般式(a) で示され、 R2がパ一フル ォロアルキル基である化合物から選ばれる少なくとも 1種類の化合物、および上 記一般式(a ) で示され、 R2がパ一フルォロポリエ一テル基である化合物から 選ばれる少なくとも 1種類の化合物を含んで成ることを特徴とする。

この潤滑剤組成物は、 R 2がパーフルォロアルキル基である一般式(a ) で示 される化合物を少なくとも 1種類、および R 2がパ一フルォロポリエーテル基で ある一般式(a ) で示される化合物を少なくとも 1種類含むものである。この組 成物もまた、上記第一および第二の潤滑剤組成物と同様の効果を奏する。

これらの潤滑剤組成物はいずれも磁気記録媒体用の潤滑剤層を構成する材料と して有用なものである。

第二の発明である本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、 炭素膜および潤滑剤層がこの順に形成されてなる磁気記録媒体であって、潤滑剤 層が上記潤滑剤組成物を含むことを特徴とするものである。上記特定の含フッ素 化合物を 2種以上組み合わせた潤滑剤組成物を用いることにより、潤滑剤層のそ の下に位置する炭素膜への付着強度が向上し、かつ優れた潤滑特性が磁気記録媒 体に付与される。そしてこれらの相乗効果により、電磁変換特性が損なわれるこ となく走行耐久性およびスチル耐久性が向上した実用信頼性の高レ、磁気記録媒体 を得ることができる。

第三の発明は、上記本発明の磁気記録媒体を製造する方法に関する。本発明の 磁気記録媒体の製造方法においては、潤滑剤層の形成工程を除いて従来から磁気 記録媒体の製造に用いられている工程を採用することができ、潤滑剤層の形成ェ 程は、炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒との混合有機溶媒に上述の潤滑剤組成 物を溶解して調製した塗布液を炭素膜上に塗布し、混合溶媒を乾燥する工程を含 むことを特徴とする。炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合有機溶媒を使用 することにより、潤滑剤層と炭素膜との間の付着強度が向上し、かつ塗布ムラが 極めて少ない均一な薄い潤滑剤層が形成され得る。よって本発明の製造方法によ れば、優れた潤滑性能を有する実用信頼性の高い磁気記録媒体を得ることが可能 である。

図面の簡単な説明

図 1は本発明の実施の形態による磁気記録媒体が適用された金属薄膜型磁気テ —プの断面を模式的に示した図である。

なお、図 1において、参照番号は以下の要素を表す;

1...非磁性基板、 2…強磁性金属薄膜、 3…炭素膜 4...潤滑剤層

5...バックコ一ト層

発明の実施の形態

本発明の潤滑剤組成物に含まれる含フッ素化合物は、上記一般式(a) 〜 (e) で示される化合物である。

一般式 (a) :

\ C H(C H2)1.bCOOH

R2(CH2)aOCO(CH2)b … (a)

で示される化合物は一のカルボキシル基を有する含フッ素カルボン酸モノエステ ルともいえるものである。この化合物は、例えば、コハク酸のようなジカルボン 酸に含まれる二のカルボキシル基のうち、一のカルボキシル基をエステルにする ことにより得られる。

一般式(a) において、はアルキル基またはアルケニル基であり、 R2はパ

—フルォロアルキル基またはパーフルォロポリエーテル基である。 aは通常 0〜 20の整数であり、好ましくは 1〜: 10の整数である。 bは 0または 1である。一般 式 (a) におけるの炭素数は 6〜30が好ましく、 10〜24がより好ましい。炭 素数が 6未満である場合又は 30を超える場合には潤滑性が低下することがある。

R2がパ一フルォロアルキル基である場合、その炭素数は 1〜12が好ましい。

R2がパーフルォロポリエ一テル基である場合、その分子量は約 200〜約 6000程度 であることが好ましく、約 300〜約 4000であることがより好ましい。分子量が 200 未満である場合もしくは 6000を越える場合には潤滑性及び保存信頼性が低下する 場合がある。

R2がパーフルォロポリェ一テル基である場合、そのパ一フルォロポリェ一テ ル基は、一般式(f )、 (g)および(h) :

C F. C

C F3(CFC ,0)aC (f )

CF3

C F3(OC I FC F2)r(OC F2)t- . (9)

R7(OCu 0(CFク), ,ー,一 ( h )

のいずれかで示されるものであることが好ましい。ここで、一般式(f ) におけ る qは 1以上の整数であり、一般式(g) における rおよび tは 1以上の整数で ある。一般式(h) における R7はパーフルォロアルキル基であり、 uは通常 1 〜 6の整数であり、 Vは通常 1〜30の整数であり、より好ましくは 1〜8である c q、 r、 t、 uおよび vがこれらの範囲外である場合、磁気記録媒体の潤滑性お よび保存信頼性が低下することがある。

上記のパーフルォロポリエーテル基を有する化合物が潤滑剤,組成物に含まれる ことにより、例えば、この組成物が金属薄膜型磁気記録媒体の潤滑剤層に含まれ る場合には、潤滑剤層の炭素膜への付着強度がより向上し、かつより優れた潤滑 特性が磁気記録媒体に付与される。そしてこれらの相乗効果により、電磁変換特 性が損なわれることなく走行耐久性およびスチル耐久性が向上した実用信頼性の 高い磁気記録媒体が得られる。

一般式(b) :

R.

CHCOOH

R4(CH2)C(R 5ノ d ( b )

で示される化合物は、一のカルボキシル基を有する含フッ素化合物である。一般 式 (b) において、 R3はアルキル基またはアルケニル基であり、 R4はパーフル ォロアルキル基またはパーフルォロポリエーテル基であり、 R5は酸素原子また は硫黄原子である。 cは通常 0〜20の整数であり、好ましくは 1〜10の整数であ る。 dは 0または 1である。一般式(b) における R3の炭素数は 6〜30が好ま しく、 10〜24がより好ましい。炭素数が 6未満である場合又は 30を超える場合に は潤滑性が低下することがある。

一般式 (b) において R4がパーフルォロアルキル基である場合、その炭素数 は 1〜12が好ましい。 R4がパ一フルォロポリエ一テル基である場合、その分子 量は約 200〜約 6000程度であることが好ましく、約 300〜約 4000であることがより 好ましい。分子量が 200未満である場合もしくは 6000を越える場合には潤滑性及 び保存信頼性が低下する場合がある。 R4がパ一フルォ口ポリエーテル基である 場合には、一般式(a) における R2と同様、 R4は上記一般式(f)、 (g) および(h) で示される基から選ばれる基であることが好ましい。一般式(f )、

(g) および(h) については先に一般式(a) に関連して説明したとおりであ り、ここではその説明を引用することにより、詳細な説明を省略する。

一般式(c) :

HOCH2CF2(OC2 F4)e(OCF2)gOCF2CH2OH ... ( c) における eおよび g;

一般式(d) :

HOOCCF2(OC2 FJ OCF jOC FzCOOH ... ( d )

における iおよび j ;

ならびに一般式(e) :

R6COOCH2CF2(OC2 F4)k(OCF2)pOCF2CH2OCOR6

... (e) における kおよび pは、それぞれ 1以上の整数である。

一般式(c) 、 (d) および(e) で示される各化合物の一分子内のパ一フル ォロポリエーテル鎖の分子量は約 200〜約 6000程度が好ましく、約 300〜約 4000が より好ましい。分子量が 200未満である場合もしくは 6000を越える場合には、潤 滑性及び保存信頼性が低下する。また、一般式(e) における R6の炭素数は 4 〜22が好ましく、 12〜22がより好ましい。

本発明の第一の潤滑剤組成物は、上記一般式(a) および(b) で示される化 合物から選ばれる少なくとも 1種類の化合物、ならびに上記一般式(c) 、

(d) および(e) から選ばれる少なくとも 1種類の化合物とが混合されて成る ものである。この組成物において、前者と後者の混合比率は、モル比で 8 : 2〜 2 : 8の範囲が好ましく、より好ましくはモル比で 7 : 3〜4 : 6の範囲である。 本発明の第二の潤滑剤組成物は、一般式(a) で示される化合物から選ばれる 少なくとも 1種類の化合物、および一般式(b) で示される化合物から選ばれる 少なくとも 1種類の化合物とが混合されて成るものである。一般式(a) で示さ れる化合物から選択される化合物と一般式(b) で示される化合物から選択され る化合物との混合比率は、モル比で 8 : 2〜2 : 8の範囲であることが好ましく、 モル比で 7 : 3〜4 : 6の範囲であることが更に好ましい。

本発明の第三の潤滑剤組成物は、一般式(a) で示され、 R2がパーフルォロ アルキル基である化合物から選ばれる少なくとも 1種類の化合物と、一般式 (a) で示され、 R2がパ一フルォロポリエ一テル基である化合物から選ばれる 少なくとも 1種類の化合物とが混合されて成るものである。この組成物において、 前者と後者の混合比率は、モル比で 8 : 2〜2 : 8の範囲であることが好ましく、 さらに好ましい混合比率はモル比で 7 : 3〜4 : 6の範囲である。

上記各潤滑剤組成物には、有機リン系化合物をさらに含有させてもよい。有機 リン系化合物は防鎬剤および/または極圧剤として作用するとともに、これが金 属薄膜型磁気記録媒体の潤滑剤層に含有される場合には、潤滑剤層と炭素膜の間

の付着強度を向上させる役割をも果たすので、磁気記録媒体の潤滑性能ならびに 走行耐久性およびスチル耐久性がより向上し、その結果、磁気記録媒体の実用信 頼性がより向上する。

具体的には、下記一般式(i) 、(j) 、(k) 、(1) 、(m) 、(n) 、 (o) 、 (p) および(q) :

H P(0)(OCn H2n + 1 )2 ... (i )

P(OCn H2n + 1)3 … (j )

P(SCn H2n + 1)3 ... (k)

0 = P(OCn H2n + 1 )3 … (1 )

S = P(OCn H2n + 1 )3 ... (m)

〇 = P(SCn H2n + 1 )3 ... (n)

S = P(SCn H2n + 1 )3 ... (o)

(CnH2n + 10)2 P(0)OH ... (p)

(Cn H2n + 10)P(0)(OH)2 ... (q

から成る群から選択される少なくとも 1種の有機リン系化合物を用いることが好 ましい。これら特定の有機リン系化合物を含む潤滑剤組成物を、例えば、金属薄 膜型記録媒体の潤滑剤層に用いた場合には、磁気記録媒体の実用信頼性がより向 上する。

上記一般式(i) 〜(q) において、各化合物を構成する炭素原子の数(n) は 8〜20であることが好ましい。炭素原子の数が 7以下であると潤滑性の低下 を招き、 21を越えると炭化水素系溶媒もしくはアルコール系溶媒等の汎用溶媒 への溶解性が低下する。汎用溶媒への溶解性が低いと、例えば、本発明の磁気記 録媒体の製造方法に従って金属薄膜型磁気記録媒体の潤滑剤層を形成する場合、 磁気記録媒体の製造に支障をきたす。

有機リン系化合物を除く潤滑剤組成物の全量と有機リン系化合物との混合比率 は、モル比で 1 : 1〜1 : 0.01の範囲内にあることが好ましく、 1 : 0.3〜1 : 0 .02の範囲内にあることがより好ましい。有機リン系化合物の混合割合が多すぎ る場合には潤滑性能が悪くなり、少ない場合には有機リン系化合物が奏する作用 •効果を十分に得ることができない。なお、「有機リン系化合物を除く潤滑剤組 成物の全量」とは、潤滑剤組成物に含まれる上記一般式(a ) 〜(e ) で示され る化合物の全量を意味し、その他の成分が含まれている場合にはこれを除く量で ある。例えば、本発明の第二の潤滑剤組成物が有機リン系化合物を含む 3成分系 のものである場合、有機リン系化合物を除く潤滑剤組成物の全量は、一般式(a ) で示される化合物と一般式(b ) で示される化合物とを合わせた量となる。更 にこの潤滑剤組成物が、一般式(a ) 〜(e ) で示される化合物でない第四の成 分を含む場合、有機リン系化合物を除く潤滑剤組成物の全量には第四の成分は含 まれず、一般式(a ) で示される化合物と一般式(b ) で示される化合物とを合 わせた量だけが有機リン系化合物を除く潤滑剤組成物の全量となる。

本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭素膜および潤 滑剤層がこの順に形成されてなる磁気記録媒体であって、潤滑剤層が上記の潤滑 剤組成物を含有するものである。そこで、次に、本発明の磁気記録媒体を構成す る各層について、その製造方法とともに図面を参照しながら説明する。

図 1は本発明の磁気記録媒体の一態様である金属薄膜型磁気テープ (以下、単 に磁気テープという)の断面図である。この磁気テープは下から順にバックコー ト層(5 ) 、非磁性基板( 1 ) 、強磁性金属薄膜(2 ) 、炭素膜(3 ) および潤 滑剤層(4 ) が積層された構成となっている。

先に述べたとおり、潤滑剤層以外の層およびその形成方法については公知であ り、常套の材料および形成方法を採用することができる。

例えば、非磁性基板( 1 ) として、ポリエチレンテレフ夕レート、ポリエチレ ンナフ夕レート、芳香族ポリアミドもしくは芳香族ポリイミドから成るフィルム、 アルミ基板またはガラス基板等を使用することができる。実用信頼性と良好な R F出力とを両立するために、この非磁性基板 ( 1 ) における表面、すなわち強磁 性金属薄膜と接する面には 10nmから 30η の突起形成処理が施されていることが好 ましい。

強磁性金属薄膜 (2) はイオンプレーティング法、スパッタリング法もしくは 電子ビーム蒸着法等で形成することができる。薄膜材料として、 Co—Ni、 Co — Ni— 0、 Co、 Co— 0または Co— Cr等が適宣選択される。強磁性金属薄膜 (2) の厚みは 50nmから 300nmが一般的である。

炭素膜 (3) は、ビヅカース硬度が約 2500kg/誦 2と高く、磁気テープのダメ一 ジを潤滑剤層(4) と共に防止している。実用信頼性と出力とのバランスを考慮 すれば、その厚みは lOnmから 20nmであることが好ましい。この炭素莫 (3) は、 炭化水素ガスのみ、あるいは炭化水素ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いたプ ラズマ CVD法により形成される。具体的には、真空容器中に炭化水素ガス、ま たは炭化水素ガスとアルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを導入し、容器内の圧 カを0.001〜1¾ に保った状態で真空容器内部で放電を発生させ、炭化水素ガ スのプラズマを発生させて炭素膜 (3) を強磁性金属薄膜(2) 上に形成させる。 放電形式は外部電極方式および内部電極方式のいずれでも良く、放電周波数は実 験的に決めることができる。また、非磁性基板(1) 側に配置される電極に 0KV から一 3KVの電圧を印加することによって炭素膜(3) の硬度を増大させること ができ、また炭素膜 (3) と強磁性金属薄膜(2) との密着性を向上させること ができる。炭化水素ガスとしては、例えば、メタン、ェタン、プロパン、ブタン、 ペンタン、へキサン、ヘプタン、オクタンもしくはベンゼン等を用いることがで きる。

なお、硬質の炭素膜(3) を形成するためには、放電エネルギーを大きくする ことが望ましく、併せて非磁性基板( 1) の温度を高温に維持することが望まし い。例えば、放電エネルギーは、交流電流、例えば高周波数電流と直流電流を重 畳して実交力値を 600V以上にすることが望ましい。

本発明においては、炭素膜 (3) がその表層部に含窒素プラズマ重合 S莫(図示 省略)を有し、潤滑剤層(4) が炭素膜の含窒素プラズマ重合膜上に形成される ことが望ましい。含窒素プラズマ重合膜は、真空容器中に、例えば、プロピルァ ミン、ブチルァミン、エチレンジァミン、プロピレンジァミンもしくはテトラメ ミン等のアミン化合物をガス化して導入し、容器内の圧力を 0.001〜

1 Torrに保った状態で真空容器内部に高周波放電させて形成する。含窒素プラズ マ重合膜の膜厚は 3 nm未満が適当であり、これよりも含窒素プラズマ重合膜が厚 レ、場合には炭素膜の保護膜効果が低下する。

含窒素プラズマ重合により、すなわち含窒素プラズマ重合膜を炭素膜上に形成 することにより、炭素膜の表層部にアミノ基が存在することとなり、その結果、 潤滑剤層と炭素膜との間の付着強度がより大きくなり、磁気記録媒体の耐久性が より向上することとなる。そして、潤滑剤層に特定の含フッ素化合物等を含有さ せることと相俟って、電磁変換特性が損なわれることなく優れた潤滑性能を有す る走行耐久性およびスチル耐久性が向上した実用信頼性の高い磁気記録媒体が得 られる。

なお、炭素膜の表層部に含窒素プラズマ重合膜を形成する方法は、米国特許第 5, 540, 957号および第 5, 637, 393号に開示されており、この引用によりこれらの特 許に開示された内容は本明細書の一部を構成する。

潤滑剤層(4 ) を構成する潤滑剤組成物は前述したとおりである。潤滑剤層 ( 4 ) の形成工程は、上記一般式(a ) 〜(e ) で示される化合物を適宜混合し た潤滑剤組成物、もしくはこれに適宜有機リン系化合物および/または他の成分 を混合した潤滑剤組成物を炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合有機溶媒に 溶解して塗布液を調製し、これを炭素膜(3 ) に塗布する工程を含む。

本発明で使用できる炭化水素系溶媒は、例えばトルエン、へキサン、ヘプ夕ン およびオクタン等であり、本発明で使用できるアルコール系溶媒は、例えばメチ ルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールおよびイソプロピルアル コール等の低級アルコール等である。アルコール系溶媒の割合が大きすぎると塗 布ムラが生じやすく、一方、炭化水素系溶媒の割合が大きすぎると不経済である ため、両者は混合割合が重量比で 1 : 9〜9 : 1の範囲、好ましくは 3 : 7〜 7 : 3の範囲となるように混合して使用することが好ましい。この範囲で両者を 混合することは、塗布ムラを極力少なくすることを可能とし、またコスト面でも 有利である。

塗布液の濃度および塗布厚は、溶媒が蒸発した後に炭素膜(3 ) 上に形成され

る潤滑剤層(4 ) の厚みが所望の厚みになるように塗布する。一般には、潤滑剤 組成物の濃度が 1 0 0 ppm~ 4 0 0 0 ppmである塗布液を 1〃n!〜 5 0〃mの厚みで 塗布することが好ましい。

潤滑剤層(4 ) は潤滑剤組成物に応じて最適膜厚が決定され、その厚みは一般 に 3〜 5醒である。

塗布液の塗布方法はバーコ一ティング法、グラビアコーティング法、リバ一ス 口ールコ一ティング法、ダイコ一ティング法、デイツビング法もしくはスピンコ

—ト法等の湿式塗布法あるいは真空蒸着法のいずれを採用してもよい。

塗布液を塗布した後、乾燥処理して有機溶媒を蒸発させると、炭素膜(3 ) 上 に潤滑剤組成物の層(4 ) が形成される。乾燥処理は加熱することにより、もし くは自然乾燥によって実施することができる。

この混合有機溶媒を用いることにより、塗布ムラのない均一な厚みの潤滑剤層 が得られ、しかも溶媒が最終的に蒸発した後には数 nmとヽう非常に薄い潤滑剤層 を形成させることができる。その結果、優れた潤滑性能を有する実用信頼性の高 レ、磁気記録媒体が得られる。

バックコート層(5 ) は、ポリウレタン、ニトロセルロース、ポリエステル、 力一ボンおよび炭酸カルシウム等から選ばれる一もしくは複数の材料により形成 される層であり、その厚みは約 500nmとすることが好ましい。

実施例

次に、本発明の具体的な実施例を説明するが、本発明はこの実施例に限定され るものではないことはいうまでもない。

実施例 1

非磁性基板 ( 1 ) として、幅が 500顧、厚みが 6.3〃mであって、表面に高さが 30nm、直径が 200皿の突起が 1腿2あたり 105から 109個形成されたポリエチレンテ レフ夕レートフィルムを使用した。なお、突起の数は S T M分析で測定した値で ある。この非磁性基板 ( 1 ) の表面に、酸素を導入しながら斜方真空蒸着法によ り Co(80)— N i(20) (カツコ内は混合モル比率)から成る厚み 180nmの強磁性金 属薄膜(2) を形成した。

次いで、非磁性基板 (1) の裏面に、ポリウレタン、ニトロセルロースおよび 力一ボンブラックょり構成された固形分 30%のメチルェチルケトン /トルエン/ シクロへキサノン溶液をリバースロールコ一夕により塗布して、乾燥後の厚みが 約 500nmのバックコート層(5) を形成した。

次に強磁性金属薄膜 (2) 上に、プラズマ CVD法によって厚み 15nmの炭素 膜 (3) を形成した。炭素膜は、真空容器中にへキサンガスとアルゴンガスとを 4 : 1の比(圧力比)で混合したガスを導入し、ト一タルガス圧を 0.3Torrに保 ちながら、周波数 20KHz、電圧 1500Vの交流と 1000Vの直流を重畳し、これを放電 管内の電極に印加することにより形成した。さらに、炭素膜(3) 上にプロピル ァミンガスを導入し、 0.05Torrの圧力を保った状態で ΙΟΚΗζの高周波プラズマ処 理を行ない、炭素膜(3) の表層部に厚み 2.5nmの含窒素プラズマ重合膜を形成 した。

次に、化学式(a l) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物 (ァウジモント社 Fomblin— Z— DOL) とをモル比で 1 : 1となるように配 合した潤滑剤組成物を、イソプロピルアルコールとトルエンとを重量比で 1 : 1 となるように混合した混合有機溶媒にその濃度が 2000ppmとなるように溶解して 塗布液を調製した。そしてこの塗布液を、リバースロールコ一夕を用いて湿式塗 布法で塗布した。最終的に炭素膜(3) 上には厚み 4皿の潤滑剤層(4) が形成 された。

し 16 H 33

\ C HCOOH

/


HOCH2CF2(OC2 F4)6OCF2OC F2CH2OH ... (c 1 )

以上のようにして作成したテープ素材をスリッ夕で 8删幅に裁断して 8腿幅の

磁気テープ試料 (全厚 7 m、 60分長)を作製した。

実施例 2〜実施例

化学式 (a 2) 〜化学式(a 6) (実施例 2〜 6に相当)で示される化合物と 化学式(c 1) で示される化合物とをそれぞれモル比で 1 : 1となるように配合 した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料 をそれぞれ作製した。

C 16 ' 3

\ CHCOOH

C7F15(OC2F4)6OC F2C H2OCOC H /2 ... (a 2 )

\ CHCOOH

C6F1l(OC3F6)2OC2F4C H2OC OC H /2 … (a 3 )

C 16 H 33

\ C HCH2COOH

C4F9(OC5F10)2〇C4F8C H2OC 0 ... (a4)

C 16 H 33

\ CHCH2COOH

C7F15C H2OCO / ... (a 5)

C 16 H 33

C F3 \ C HCOOH

C F3(C FC F20)6C I FCH2〇C〇CH /2 ... (a 6)

I

実施例 7 1 1

化学式 (b l) 〜化学式(b 5) (実施例 7 1 1に相当)で示される化合物 と化学式(c l) で示される化合物とをそれぞれモル比で 1 : 1となるように配 合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試 料を作製した。

16^33

\ CHCOOH

/

C5F1l(OC3F6)OC2F4C2H4S ... (b 1 )

16 H 33

\ CHCOOH

C7F15(OC2F4)6OC F2C2H40 / ... (b 2 )


CHCOOH

C5Fl1(OC3F6)2OC2F4C2H4S / ... (b 3)

C16H33

\ CHCOOH

C8F17C2H40 / … (b4)

015Η310 H = C H

\ CHCOOH

C F3(OC F C F2)6OC F2C H2S / ... (b 5)

I

CF3

実施例 12〜; L

化学式(al) 〜化学式(a 6) (実施例 12〜17に相当)で示される化合 物と化学式(d l)で示される化合物(ァウジモント社 Fomblin— Z— DI A C) とをそれぞれモル比で 1 : 1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこ と以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

HOOCCF2(OC2F4)6OCF2OCF2COOH ... ( d 1 )

実施例 18〜22

化学式(bl) 〜化学式(b5) (実施例 18〜22に相当)で示される化合 物と化学式(d 1) で示される化合物とをそれぞれモル比で 1 : 1となるように 配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ 試料を作製した。

実施例 23〜28

化学式 (al) 〜化学式(a 6) (実施例 23〜28に相当)で示される化合 物と化学式(e l) で示される化合物とをそれぞれモル比で 1 : 1となるように 配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ 試料を作製した。

C17H35COOCH2CF2(OC2F4)6OCF2OCF2CH2OCOC17H35

... (e 1 )

実施例 29〜33

化学式 (bl) 〜化学式(b5) (実施例 29〜33に相当)で示される化合 物と化学式(e 1) で示される化合物とをそれぞれモル比で 1 : 1となるように 配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ 試料を作製した。

実施例 34

化学式 (a5) で示される化合物と化学式(bl)で示される化合物とをモル 比で 1 : 1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と 同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

実施例 35

化学式 (a 5) で示される化合物と化学式(b2) で示される化合物とをモル 比で 1 : 1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と 同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

実施例 36

化学式(a 5) で示される化合物と化学式(b4) で示される化合物とをモル 比で 1 : 1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と 同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

実施例 37

化学式 (a 5) で示される化合物と化学式(a l) で示される化合物とをモル 比で 1 : 1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と 同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

実施例 38

化学式 (a 1) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物とをモル 比で 4 : 1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と 同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

実施例 39

化学式 (a 1) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物とをモル 比で 1 : 4となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと以外は、実施例 1と 同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

実施例 40〜48

化学式 (a 1) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1 : 1) に代えて、化学式(a l) で示 される化合物、および化学式(c 1) で示される化合物、ならびに化学式(i 1) 、(j l) 、(k l) 、(11) 、 (ml) , (nl) 、(o l) 、 (p 1) もしくは(q l) (実施例 40〜48に相当)でそれぞれ示される有機リン 系化合物を配合した 3成分系の潤滑剤組成物(モル比 5 : 5 : 1) を用いたこと 以外は、実施例 1の場合と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

H P(0)(OC12 H25)2 ... ( 1 )

P(OC10H21 )3 .. (j 1 )

I V 2 H25 )3 ,■ (k 1 )

0 = P(OC18H37)3 .... (1 1 )

S = P(OC18 H37)3 ···. (m l )

0 = P ( S 2 H26 )3 ·-.. (n 1 )

o = P o C, 8 H37 )3 … (o 1 )

(C12 H25〇)2 P(0)OH ... (P 1 )

(C12 H25〇)P(0)(OH) … (q 1 )

実施例 49〜52

化学式 (a 1) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1 : 1) に代えて、化学式(a l) 、 (a 6) (b l) もしくは(b 5) (実施例 49〜 52に相当)でそれぞれ示さ れる化合物、および化学式(d 1) で示される化合物、ならびに化学式(i 1) で示される有機リン系化合物を配合した 3成分系の潤滑剤組成物(モル比 5 : 5 : 1) を用いたこと以外は、実施例 1の場合と同様の方法で磁気テープ試料を 作製した。

実施例 53〜 56

化学式 (a 1) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1 : 1) に代えて、化学式(a l) 、 (a 6) (b 1) もしくは(b 5) (実施例 53〜56に相当)でそれぞれ示さ れる化合物、および化学式(e l) で示される化合物、ならびに化学式(i 1) で示される有機リン系化合物を配合した 3成分系の潤滑剤組成物(モル比 5 : 5 : 1) を用いたこと以外は、実施例 1の場合と同様の方法で磁気テープ試料を 作製した。

実施例 57

化学式 (a l) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1 : 1) に代えて、化学式(a l) で示 される化合物、および化学式(c 1) で示される化合物、ならびに化学式(i 1) で示される有機リン系化合物を配合した 3成分系の潤滑剤組成物(モル比 1 : 1 : 2) を用いたこと以外は、実施例 1の場合と同様の方法で磁気テープ試 料を作製した。

実施例 58

化学式 (a 1) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1 : 1) に代えて、化学式(a l) で示 される化合物、および化学式(c 1) で示される化合物、ならびに化学式(i 1) で示される有機リン系化合物を配合した 3成分系の潤滑剤組成物(モル比 25 : 25 : 1) を用いたこと以外は、実施例 1の場合と同様の方法で磁気テープ試 料を作製した。

実施例 59

炭素膜(3) の表層部に含窒素プラズマ重合膜を形成する工程を省略したこと 以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

実施例 60

イソプロビルアルコールおよびトルエンから成る有機溶媒の重量比を 1 : 1か ら 8 : 1に変化させたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気ープ試料を作製 した。

実施例 61

イソプロピルアルコールおよびトルエンから成る有機溶媒の重量比を 1 : 1か ら 1 : 8に変化させたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を作 製した。

比較例 1

化学式(a l) で示される化合物と化学式(c 1) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物に代えて、公知の潤滑剤である化学式(X ) で示さ れる化合物のみを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を 作製した。

比較例 2

化学式 (a 1 ) で示される化合物と化学式(c 1 ) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物に代えて、公知の潤滑剤である化学式(Y ) で示さ れる化合物のみを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を 作製した。

比較例 3

化学式 (a 1 ) で示される化合物と化学式(c 1 ) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物に代えて、化学式(a l ) で示される化合物のみを 用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

比較例 4

化学式 (a l ) で示される化合物と化学式(c 1 ) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物に代えて、化学式(c 1 ) で示される化合物のみを 用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

比較例 5

化学式 (a l ) で示される化合物と化学式(c 1 ) で示される化合物とを配合 した 2成分系の潤滑剤組成物に代えて、化学式(i 1 ) で示される化合物のみを 用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。

比較例 6

ィソプロピルアルコールおよびトルエンから成る混合有機溶媒に代えてイソプ 口ピルアルコールのみを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ 試料を作製した。

比較例 7

ィソプロピルアルコールおよびトルエンから成る混合有機溶媒に代えてトルェ ンのみを用いたこと以外は、実施例 1と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。 以上の各実施例 1〜61および比較例 1〜 7で得られた 8顧幅の磁気テープ試料 について、それぞれ以下に示す評価試験(1) 〜(2) を実施し、それぞれの試 験で得られた結果を、表 1に示す。

( 1 ) 走行耐久性試験

RF (高周波)出力測定用に改造した市販 8麵 VTR (ソニー (株)製 EV— S900) を用い、各 8腿幅テープ試料を 5 °C、 80%RHの環境下で 300パス、 300 時間繰り返し再生を行った後の R F出力変化を測定した。試験前に対する試験後 の変化をデシベル表示で示した。

テープダメージは、テープ試料を目視観察および微分干渉顕微鏡で状態観察し、 5段階で評価した。評価基準は次のとおりである。

5 :実用上全く問題ない。

4 :実用上問題ない。

3 :実用可能であるが、改善が必要である。

2 :テープダメージがひどく、実用性は殆どない。

1 :テープダメージがあまりにもひどく、実用性は全くない。

(2) スチル寿命試験

初期スチル寿命は、スチル寿命測定用に改造した市販 8麵 VTR (ソニー (株) 製 EV— S900)を用い、 3°C、 5 %RH環境下において測定した。なお、スチ ル寿命は初期から出力が 6 dB低下するまでの時間で示した。

保存後スチル寿命は、 40° 80%RH環境下に 1ヶ月放置した後、初期スチル 寿命の測定と同様の方法で測定した。

走行耐久性 スチル寿 ¾卩- 出力低下 7一 -つ。初期スチル保存後スチル

(dB) 夕、、メ-シ、、寿命 (分)寿命 (分)

実施例 1 — 1. 1 5 > 60 35

実施例 2 一 1. 5 5 > 60 42

実施例 3 - 1. 4 5 > 60 38

実施例 —0 . 9 5 > 6 0 4 4 実施例 5 - 0 . 8 5 > 6 0 3 9 実施例 6 一 1 . 3 4 > 6 0 4 4 実施例 7 一 1 . 4 5 > 6 0 3 5 実施例 8 - 1 . 0 5 > 6 0 4 3 実施例 9 - 1 . 2 5 > 6 0 4 1 実施例 1 0 - 1 . 4 5 > 6 0 4 2 実施例 1 1 一 0 . 8 4 > 6 0 4 6 実施例 1 2 - 0 . 9 5 > 6 0 4 4 実施例 1 3 - 1 . 3 5 > 6 0 4 5 実施例 1 4 一 1 . 4 5 > 6 0 4 1 実施例 1 5 一 1 . 1 5 > 6 0 3 9 実施例 1 6 - 1 . 2 5 > 6 0 3 5 実施例 1 7 - 1 . 3 4 > 6 0 4 1 実施例 1 8 - 0 . 8 5 > 6 0 4 3 実施例 1 9 ― 1 . 4 5 > 6 0 4 0 実施例 2 0 一 1 . 2 5 > 6 0 4 2 実施例 2 1 一 1 . 3 5 > 6 0 3 9 実施例 2 2 - 1 . 1 4 > 6 0 4 3 実施例 2 3 一 1 . 3 5 > 6 0 5 5 実施例 2 4 一 1 . 2 5 > 6 0 5 2 実施例 2 5 - 1 . 1 5 > 6 0 4 9 実施例 2 6 - 1 . 2 5 > 6 0 4 7 実施例 2 7 一 1 . 3 4 > 6 0 5 2 実施例 2 8 — 0 . 8 5 > 6 0 4 8 実施例 2 9 一 1 . 0 5 > 6 0 > 6 0 実施例 3 0 一 1 . 2 5 > 6 0 4 4 実施例 3 1 一 1 . 3 5 > 6 0 4 9 実施例 32 一 1. 1 4 > 60 55 実施例 33 -0. 9 5 > 60 > 60 実施例 34 ― 1. 1 5 > 60 > 60 実施例 35 ― 1. 4 5 > 60 >60 実施例 36 ― 1. 3 5 > 60 > 60 実施例 37 -0. 9 5 > 60 > 60 実施例 38 一 1. 0 5 > 60 44 実施例 39 - 1. 2 5 > 60 47 実施例 40 —0. 8 5 > 60 > 60 実施例 41 一 1. 4 5 > 60 > 60 実施例 42 - 1. 3 5 > 60 > 60 実施例 43 — 1. 2 5 > 60 > 60 実施例 44 - 1. 5 5 > 60 > 60 実施例 45 -0. 9 5 > 60 > 60 実施例 46 -0. 8 5 > 60 > 60 実施例 47 - 1. 1 5 > 60 > 60 実施例 48 - 1. 4 5 > 60 > 60 実施例 49 - 1. 3 5 > 60 > 60 実施例 50 一 1. 5 4 > 60 > 60 実施例 51 - 1. 4 5 > 60 >60 実施例 52 - 1. 2 4 > 60 > 60 実施例 53 -0. 8 5 > 60 > 60 実施例 54 - 0. 9 5 > 60 > 60 実施例 55 -0. 9 5 > 60 > 60 実施例 56 —0. 7 5 >60 > 60 実施例 57 一 1. 9 4 > 60 > 60 実施例 58 -0. 5 5 > 60 > 60 実施例 59 -2. 2 4 > 60 32 実施例 60 - 1. 7 5 >60 51 実施例 61 一 1. 8 5 > 60 56

比較例 1 -6. 6 1 8 1

比較例 2 - 7. 8 1 6 1

比較例 3 一 2. 1 5 19 3

比較例 4 -2. 4 4 25 9

比較例 5 -4. 1 2 33 5

比較例 6 -2. 9 3 31 6

比較例 7 -3. 5 3 44 7

上記表 1から明らかなように、比較例 1〜7との比較において、実施例 1〜61 の出力低下は小さく、かつテープダメージの問題は発生せず、さらに初期、保存 後のスチル寿命はいずれも良好であつた。

このように、炭素膜(3) 上に、一般式(a) および(b) で示される化合物 から選ばれた少なくとも 1種類の化合物と、一般式(c) 、 (d) および(e) で示される化合物から選ばれた少なくとも 1種類の化合物とを含有する潤滑剤層 (4) を形成した実施例:!〜 33、 38、 39、 59〜61の各磁気テープ試料は、走行耐 久性、スチル寿命等の実用信頼性の点で優れていることが明らかである。

また、炭素膜(3) 上に、一般式(a) で示される化合物から選ばれた少なく とも 1種類の化合物、および一般式が(b) で示される化合物から選ばれた少な くとも 1種類の化合物を混合した潤滑剤組成物を含有する潤滑剤層(4) が形成 された実施例 34〜36の磁気テープ試料も、走行耐久性、スチル寿命等の実用信頼 性の点で優れていることが明らかである。

また、炭素膜(3) 上に、一般式(a) で示され R2がパーフルォロアルキル 基である化合物から選ばれた少なくとも 1種類の化合物、および一般式(a) で 示され R2がパ一フルォロポリエーテル基である化合物から選ばれた少なくとも 1種類の化合物を混合した潤滑剤組成物を含有する潤滑剤層(4) が形成された 実施例 37の磁気テープ試料も、走行耐久性、スチル寿命等の実用信頼性の点で優 れていることが明らかである。

また、有機リン系化合物をさらに混合した潤滑剤組成物を含有する実施例 40〜 58の磁気テープ試料も、同様に走行耐久性、スチル寿命等の実用信頼性の点で優 れている。保存後のスチル寿命が向上していることからも明らかなとおり、有機 リン系化合物を含有するものは特にスチル寿命が向上している。また表 1には特 に示していないが、実施例 40〜58の磁気テープの初期スチル寿命はいずれも有機 リン系化合物を含有していないものに比べて大幅に向上していることが認められ た。

実施例 59の磁気テープは実施例 1と同じ潤滑剤組成物を用いたものであるが、 炭素膜(3 ) 上に含窒素プラズマ重合膜を形成しなかったものである。実施例 59 の走行耐久性およびスチル寿命は実施例 1のそれらに比べてやや劣っている。こ のことは含窒素ブラズマ重合膜が磁気テープの潤滑性能の向上に寄与しているこ とを示している。

また、潤滑剤層(4 ) の潤滑剤組成物を炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒と の混合有機溶媒に溶解して調製した塗布液を炭素膜 ( 3 ) 上に塗布して潤滑剤層 ( 4 ) を形成することにより、走行耐久性およびスチル寿命等の実用信頼性の点 で優れた上記の各実施例 1〜61の磁気テープ試料を安定して作製することが可能 になる。

実施例 1〜61では、潤滑剤層(4 ) の形成工程において湿式塗布法であるリバ 一スロールコ一ティング法を用いたが、真空蒸着法によっても同様の作用効果を 有する潤滑剤層(4 ) を形成することが可能である。

なお、以上説明した実施例 1〜61では、本発明の磁気記録媒体およびその製造 方法を市販 8廳 V T R用テープに適用した場合についてのみ説明したが、むろん、 本発明の磁気記録媒体およびその製造方法はこれに限定されるものではなく、他 の金属薄膜型磁気テープや磁気ディスク等についても適用できるものである。

産業上の利用可能性

本発明の潤滑剤組成物は、特定の含フッ素化合物が二種類以上組み合わされて 成るものである。本発明のいずれの潤滑剤組成物も優れた潤滑性能を呈し、磁気 記録媒体の潤滑剤層を形成するのに特に適している。

本発明の磁気記録媒体は、優れた潤滑特性を有する本発明の潤滑剤組成物を潤 滑剤層に含むものである。本発明の磁気記録媒体は、これらの相乗効果により、 長時間走行させた場合でも電磁変換特性が損なわれることがなレすなわち出力 低下が小さいものであって、かつ走行耐久性およびスチル耐久性に優れているか ら、実用的価値が高く、磁気記録の分野において非常に有用なものである。

また、有機リン系化合物を更に含有する潤滑剤組成物を用いることにより、お よび/または炭素膜上に含窒素プラズマ重合膜を形成することにより、磁気記録 媒体における潤滑剤層の炭素膜への付着強度は更に向上し、より優れた潤滑性能 を呈する磁気記録媒体が得られる。そして、これらの相乗効果により、本発明の 磁気記録媒体は、電磁変換特性が損なわれることのなく、走行耐久性およびスチ ル耐久性等の実用信頼性がより向上したものとなる。

本発明の磁気記録媒体は、潤滑剤層の組成物を特定の溶媒に溶解して調製した 塗布液を炭素膜上に塗布する工程を含む製造方法によって製造される。この塗布 液を用いることにより塗布ムラのない均一な厚みの潤滑剤層が得られる。すなわ ち、本発明の製造方法は、走行耐久性およびスチル寿命等の実用信頼性の点で優 れている本発明の磁気記録媒体を安定して作製することを可能にするものである。