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1. WO2021020412 - MÉDICAMENT À BASE D'ACIDE NUCLÉIQUE CIBLANT LE MURF1

Document

明 細 書

発明の名称 MURF1を標的とする核酸医薬

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

非特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047  

実施例

0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

産業上の利用可能性

0078  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : MURF1を標的とする核酸医薬

技術分野

[0001]
 本発明は、MURF1(muscle RING finger 1)を標的とする核酸医薬に関する。より詳細には、筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を伴う疾患の予防又は治療薬として有用なMURF1に対する核酸に関する。

背景技術

[0002]
 筋量の低下、筋力の低下又は筋機能の低下は、加齢や疾患等により現れる症状である。筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を伴う疾患としては、例えば、筋肉自体の病気に起因する筋原性筋萎縮、筋肉に指令や栄養を供給している運動神経の損傷に起因する神経原性筋萎縮、なんらかの原因による不動や低運動、臥床などの身体の不活動状態に起因する廃用性筋萎縮、COPD、心不全、結核などの疾患に起因する悪液質や加齢に伴い筋肉の量が減少するサルコペニア等が挙げられる。しかし、これまでに筋萎縮治療薬は上市されておらず、筋量の低下、筋力の低下又は筋機能の低下の抑制は、重要な予防や臨床課題である。
[0003]
 MURF1(Muscle RING-Finger Protein-1)は、骨格筋および心筋に高発現する酵素であるユビキチンリガーゼの1つであり、筋タンパク質の分解に関わる酵素である。MURF1は、筋萎縮時に発現上昇し、遺伝子欠損マウスが種々の筋萎縮に対して抵抗性を示すことが知られており、ヒトにおいても種々の筋萎縮患者で発現上昇が確認されている(非特許文献1、2等)。これらのことから、MURF1発現抑制活性を有する医薬組成物は、筋萎縮を伴う疾患の治療又は予防に利用できることが示唆されている。
[0004]
 特許文献1には、MAFbx/atrogin-1遺伝子及び/又はTrim63/MuRF1遺伝子の発現に対する阻害剤を含む抗筋萎縮剤として、miRNAやsiRNAが例示されている。しかし、miRNAについては実施例にmiR-23aを明示し、明細書内にも具体的な記載が存在する一方、siRNAの具体例は記載されておらず、構造や活性の示唆もされていない。
[0005]
 MURF1に対するsiRNAは、研究試薬として販売され、論文等で公知である。例えば、非特許文献3にはラットのMURF1に対するsiRNAが記載されている。また、特許文献2のTable13には、多数のターゲットに対するsiRNAが記載されており、ID:4862450~4862549として99のヒトのMURF1に対するsiRNAが記載されているが、MURF1発現抑制を含め、生物学的データは一切記載されていない。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2010-184879
特許文献2 : WO2004/045543

非特許文献

[0007]
非特許文献1 : Science. 2001;294(5547):1704-8
非特許文献2 : J Physiol. 2007;585:241-51
非特許文献3 : Acta pharmacologica Sinica, Volume31, Issue7, Pages798-804, 2010

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 本発明の目的は、優れたMURF1発現抑制活性を有する核酸を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明者らは、鋭意研究の結果、優れたMURF1発現抑制活性(ノックダウン活性)を有する新規核酸(siRNA)の合成に成功した。さらに、本発明者らは、MURF1のmRNAの中で特に、核酸のノックダウン活性に関連する標的領域を見出した。
 また、本発明の核酸は、医薬として使用するために十分安全である。
[0010]
 すなわち、本発明は、以下に関する。
(1-1)配列番号609の188位~229位、1039位~1060位、1427位~1447位、1510位~1530位又は1715位~1737位からなる塩基配列に対して相補的な少なくとも15塩基以上の塩基配列を有する15~30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを含む、MURF1の発現を抑制する核酸。
(1-2)該塩基配列に相補的な塩基配列を含む(1-1)記載の核酸。
(2-1)以下の(a)又は(b)の塩基配列を含む、(1-1)又は(1-2)記載の核酸:
(a)配列番号619、622若しくは623の塩基配列;
(b)配列番号620若しくは621の塩基配列のうち少なくとも15塩基の連続した塩基配列。
(2-2)該塩基配列に相補的な塩基配列を含む(2-1)記載の核酸。
(3-1)配列番号24、26、30、56、60、104、106、146、212、218、314、360、382、384、388、390、484、504、514、536、556、584、586、588、594、596、606若しくは608の塩基配列;又は
配列番号24、26、30、56、60、104、106、146、212、218、314、360、382、384、388、390、484、504、514、536、556、584、586、588、594、596、606若しくは608の塩基配列において、1~3の塩基が欠失、置換若しくは挿入された塩基配列;
を含み、かつ、MURF1の発現を抑制する核酸。
(3-2)該塩基配列に相補的な塩基配列を含む(3-1)記載の核酸。
(4-1)配列番号22、34、38、50、76、80、158、176、188、194、210、216、222、226、232、236、244、254、266、278、282、302、336、364、386、394、464、472、476、482、510、564、568、574若しくは578の塩基配列;又は、
配列番号22、34、38、50、76、80、158、176、188、194、210、216、222、226、232、236、244、254、266、278、282、302、336、364、386、394、464、472、476、482、510、564、568、574若しくは578の塩基配列の2~18位において、1~3の塩基が欠失、置換若しくは挿入された塩基配列;
を含み、かつ、MURF1の発現を抑制する核酸。
(4-2)該塩基配列に相補的な塩基配列を含む(4-1)記載の核酸。
(5)以下のいずれかの組み合わせを含む二本鎖核酸:
配列番号21の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号22の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号23の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号24の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号25又は624の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号26の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号29の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号30の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号33の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号34の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号37又は625の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号38の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号626の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号42の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号49の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号50の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号55の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号56の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号59の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号60の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号75又は627の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号76の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号79の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号80の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号103の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号104の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号105の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号106の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号145の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号146の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号157の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号158の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号175の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号176の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号187の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号188の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号193又は628の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号194の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号209の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号210の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号211又は629の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号212の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号215の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号216の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号217又は630の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号218の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号221又は631の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号222の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号225の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号226の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号231の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号232の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号235の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号236の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号243の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号244の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号253の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号254の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号265又は632の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号266の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号277の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号278の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号281の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号282の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号301の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号302の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号313の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号314の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号335の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号336の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号359の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号360の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号363の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号364の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号381の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号382の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号383の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号384の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号385の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号386の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号387又は633の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号388の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号389又は634の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号390の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号393の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号394の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号635の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号402の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号463の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号464の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号471の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号472の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号475の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号476の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号481又は636の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号482の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号483又は637の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号484の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号503の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号504の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号509の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号510の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号513の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号514の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号535の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号536の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号555又は638の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号556の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号563の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号564の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号567の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号568の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号573の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号574の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号577又は639の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号578の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号583の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号584の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号585の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号586の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号587の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号588の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号593の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号594の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号595の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号596の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号605の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号606の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド又は
配列番号607の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号608の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの配列。
(6)MURF1の発現を抑制する、(5)記載の核酸。
(7)siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、shRNA又はmiRNAである、(1-1)~(6)のいずれかに記載の核酸。
(8)センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の3´末端にオーバーハングを含むsiRNAである、(7)記載の核酸。
(9)(1-1)~(8)のいずれかに記載の核酸を含有する医薬組成物。
(10)MURF1が関連する疾患の予防又は治療のために用いる、(9)記載の医薬組成物。
(11)該疾患が、筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を伴う疾患である、(10)記載の医薬組成物。
[0011]
(12)(1-1)~(8)のいずれかに記載の核酸を投与することを含む、MURF1が関連する疾患の予防又は治療方法。
(13)MURF1が関連する疾患の予防又は治療剤を製造するための、(1-1)~(8)のいずれかに記載の核酸。
(14)MURF1が関連する疾患の予防又は治療のための、(1-1)~(8)のいずれかに記載の核酸。
(15)該疾患が、筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を伴う疾患である、(12)記載の方法又は(13)若しくは(14)記載の核酸。

発明の効果

[0012]
 本発明の核酸は優れたMURF1発現抑制活性を示し、医薬品、特にMURF1の関与する疾患、例えば、筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を伴う疾患の予防又は治療のための医薬として非常に有用である。

発明を実施するための形態

[0013]
 本明細書において使用される用語は、特に言及する場合を除いて、当該分野で通常用いられる意味で用いられる。
 本発明においては、当該分野で公知の遺伝子操作的手法が利用可能である。例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Forth Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2012)、Current Protocols Essential Laboratory Techniques, Current Protocols (2012)に記載された方法等が挙げられる。
[0014]
 本願発明の「核酸」とは、医薬品として利用可能な核酸として当該分野で公知の核酸であればいずれも利用可能である。例えば、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、shRNA、miRNA等が挙げられる。siRNAには、一本鎖オリゴヌクレオチドsiRNA(WO2015/168661等参照)も含まれる。また、アンチセンスオリゴヌクレオチドの場合、ハイブリダイズ可能な配列と共に二本鎖オリゴヌクレオチドを形成していてもよい(WO2013/089283等参照)。
[0015]
 本発明の核酸の標的遺伝子としては、MURF1が挙げられる。例えば、ヒトMURF1、マウスMurf1等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0016]
 「MURF1」は公知のタンパク質である。ヒトMURF1のmRNA配列(GenBank:NM_032588.3)を配列表の配列番号609に、アミノ酸配列(GenPept:NP_115977.2)を配列番号610に記載する。マウスMurf1のmRNA配列(GenBank:NM_001039048.2)を配列表の配列番号611に、アミノ酸配列(GenPept:NP_115977.2)を配列番号612に記載する。本発明における「MURF1」は、これらの配列に限定されるものではなく、配列番号610又は612のアミノ酸配列からなるタンパク質の機能が保持される限り、アミノ酸やmRNAの変異数や変異部位に制限はないものとする。
[0017]
 本発明の「核酸」としては、
配列番号609の188位~229位(より好ましくは、193~229位)、1039位~1060位、1427位~1447位、1510位~1530位又は1715位~1737位からなる塩基配列に対して相補的な少なくとも15塩基以上の塩基配列を有する15~30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを含む、MURF1の発現を抑制する核酸
が挙げられる。該核酸は、該塩基配列に相補的な塩基配列をさらに含んでいてもよい。上記標的領域は、それぞれ、ヒトMURF1のmRNAの中で特に、核酸のノックダウン活性に関連する領域である。該標的領域に「相補的な」オリゴヌクレオチドとは、実質的に相補的な配列であれば、長さやヌクレオチドの修飾や変異の有無に関わらず、本発明の核酸に含まれる。「実質的に相補的な配列」とは、上記塩基配列の完全相補配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、もっとも好ましくは95%以上の相同性を有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。ここで、相同性は、例えば、Altschulら(The Journal of Molecular Biology,215,403-410(1990).)の開発したアルゴリズムを使用した検索プログラムBLASTを用いることにより、スコアで類似度が示される。
[0018]
 配列番号609の188位~229位からなる塩基配列に対して相補的な少なくとも15塩基以上の塩基配列を有する15~30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを含む、MURF1の発現を抑制する核酸として、例えば、SNG-1~SNG-19、SNG-305及びSNG-306が挙げられる。
 配列番号609の1039位~1060位からなる塩基配列に対して相補的な少なくとも15塩基以上の塩基配列を有する15~30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを含む、MURF1の発現を抑制する核酸として、例えば、SNG-191~SNG-195、SNG-314及びSNG-315が挙げられる。
 配列番号609の1427位~1447位からなる塩基配列に対して相補的な少なくとも15塩基以上の塩基配列を有する15~30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを含む、MURF1の発現を抑制する核酸として、例えば、SNG-239~SNG-242、SNG-317及びSNG-318が挙げられる。
 配列番号609の1510位~1530位からなる塩基配列に対して相補的な少なくとも15塩基以上の塩基配列を有する15~30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを含む、MURF1の発現を抑制する核酸として、例えば、SNG-285~SNG-298が挙げられる。
 配列番号609の1715位~1737位からなる塩基配列に対して相補的な少なくとも15塩基以上の塩基配列を有する15~30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを含む、MURF1の発現を抑制する核酸として、例えば、SNG-300~SNG-304が挙げられる。
[0019]
 MURF1発現抑制活性(ノックダウン活性)は、公知の方法により測定することが可能である。例えば、後述する実施例記載の方法により測定することができる。
[0020]
 本発明の「核酸」として、さらに好ましくは、以下の(a)又は(b)の塩基配列を含む核酸が挙げられる。
(a)配列番号619、622若しくは623の塩基配列;
(b)配列番号620若しくは621の塩基配列のうち少なくとも15塩基の連続した塩基配列。該核酸は、該塩基配列に相補的な塩基配列をさらに含んでいてもよい。
[0021]
 配列番号619の塩基配列(5´-AACAUCUCCAGGCA-3´)を含む核酸として、例えば、SNG-13~SNG-19、SNG-305及びSNG-306が挙げられる。
 配列番号622の塩基配列(5´-AAGCACCAAAUUG-3´)を含む核酸として、例えば、SNG-291~SNG-298が挙げられる。
 配列番号623の塩基配列(5´-ACAACAUAUAACACA-3´)を含む核酸として、例えば、SNG-300~SNG-304が挙げられる。
 配列番号620の塩基配列(5´-UCCAUGUUCUCAAAGC-3´)のうち少なくとも15塩基の連続した塩基配列を含む核酸として、例えば、SNG-191~SNG-195、SNG-314及びSNG-315が挙げられる。
 配列番号621の塩基配列(5´-UAGAAAAGUGUCCUGUG-3´)のうち少なくとも15塩基の連続した塩基配列を含む核酸として、例えば、SNG-239~SNG-242、SNG-317及びSNG-318が挙げられる。
[0022]
 本発明の「核酸」の他の態様としては、以下が挙げられる。
(c)配列番号24、26、30、56、60、104、106、146、212、218、314、360、382、384、388、390、484、504、514、536、556、584、586、588、594、596、606若しくは608の塩基配列を含み、かつ、MURF1の発現を抑制する核酸;
(d)配列番号24、26、30、56、60、104、106、146、212、218、314、360、382、384、388、390、484、504、514、536、556、584、586、588、594、596、606若しくは608の塩基配列において、1~3の塩基が欠失、置換若しくは挿入された塩基配列を含み、かつ、MURF1の発現を抑制する核酸;
(e)配列番号22、34、38、50、76、80、158、176、188、194、210、216、222、226、232、236、244、254、266、278、282、302、336、364、386、394、464、472、476、482、510、564、568、574若しくは578の塩基配列を含み、かつ、MURF1の発現を抑制する核酸;又は、
(f)配列番号22、34、38、50、76、80、158、176、188、194、210、216、222、226、232、236、244、254、266、278、282、302、336、364、386、394、464、472、476、482、510、564、568、574若しくは578の塩基配列の2~18位において、1~3の塩基が欠失、置換若しくは挿入された塩基配列を含み、かつ、MURF1の発現を抑制する核酸。該核酸は、該塩基配列に相補的な塩基配列をさらに含んでいてもよい。
 本発明の「核酸」は、該塩基配列を含み、ヒトMURF1発現抑制活性を有する限り、長さやヌクレオチドの修飾の有無に関わらず、本発明の核酸に含まれる。
[0023]
 なお、「1~3の塩基」とは、好ましくは1又は2個の塩基を意味している。また、2又は3個の塩基が変異している場合、変異の種類は同じであっても異なっていてもよく、欠失、置換及び挿入の中から選ばれる1又は2以上である。欠失、置換又は挿入によっても、標的遺伝子(MURF1)の発現抑制作用を有する限り、本発明の核酸に包含される。
[0024]
 本発明の「核酸」の他の態様としては、以下が挙げられる。
配列番号21の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号22の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-11);
配列番号23の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号24の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-12);
配列番号25又は624の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号26の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-13又はSNG-305);
配列番号29の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号30の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-15);
配列番号33の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号34の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-17);
配列番号37又は625の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号38の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-19又はSNG-306);
配列番号41又は626の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号42の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-21又はSNG-307);
配列番号49の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号50の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-25);
配列番号55の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号56の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-28);
配列番号59の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号60の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-30);
配列番号75又は627の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号76の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-38又はSNG-308);
配列番号79の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号80の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-40);
配列番号103の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号104の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-52);
配列番号105の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号106の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-53);
配列番号145の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号146の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-73);
配列番号157の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号158の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-79);
配列番号175の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号176の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-88);
配列番号187の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号188の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-94);
配列番号193又は628の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号194の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-97又はSNG-309);
配列番号209の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号210の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-105);
配列番号211又は629の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号212の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-106又はSNG-310);
配列番号215の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号216の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-108);
配列番号217又は630の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号218の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-109又はSNG-311);
配列番号221の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号222の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-111);
配列番号225の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号226の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-113);
配列番号231の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号232の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-116);
配列番号235の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号236の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-118);
配列番号243の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号244の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-122);
配列番号253の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号254の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-127);
配列番号265又は632の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号266の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-133又はSNG-313);
配列番号277の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号278の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-139);
配列番号281の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号282の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-141);
配列番号301の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号302の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-151);
配列番号313の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号314の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-157);
配列番号335の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号336の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-168);
配列番号359の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号360の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-180);
配列番号363の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号364の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-182);
配列番号381の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号382の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-191);
配列番号383の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号384の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-192);
配列番号385の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号386の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-193);
配列番号387又は633の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号388の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-194又はSNG-314);
配列番号389又は634の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号390の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-195又はSNG-315);
配列番号393の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号394の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-197);
配列番号401又は635の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号402の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-201又はSNG-316);
配列番号463の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号464の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-232);
配列番号471の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号472の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-236);
配列番号475の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号476の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-238);
配列番号481又は636の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号482の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-241又はSNG-317);
配列番号483又は637の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号484の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-242又はSNG-318);
配列番号503の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号504の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-252);
配列番号509の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号510の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-255);
配列番号513の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号514の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-257);
配列番号535の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号536の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-268);
配列番号555又は638の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号556の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-278又はSNG-319);
配列番号561の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号562の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-281);
配列番号563の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号564の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-282);
配列番号567の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号568の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-284);
配列番号573の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号574の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-287);
配列番号577又は639の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号578の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-289又はSNG-320);
配列番号583の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号584の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-292);
配列番号585の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号586の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-293);
配列番号587の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号588の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-294);
配列番号593の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号594の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-297);
配列番号595の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号596の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-298);
配列番号605の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号606の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-303);又は
配列番号607の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号608の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸(例えば、SNG-304)。
[0025]
 本発明の「核酸」としては、好ましくは、siRNA(一本鎖オリゴヌクレオチドsiRNAを含む)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、shRNA又はmiRNAが挙げられる。さらに好ましくは、siRNA又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。特に好ましくは、上記(3-1)、(3-2)、(4-1)又は(4-2)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを有するsiRNA又はアンチセンスオリゴヌクレオチド、上記(5)に記載の塩基配列を有するsiRNAである。
 下記オーバーハングや末端修飾を含まない核酸を構成する各鎖の長さは、15~30ヌクレオチドが好ましい。例えば、15~25、17~25、17~23、17~21、19~21ヌクレオチドの長さが挙げられる。
[0026]
 本発明の「核酸」がsiRNAの場合、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の3´末端にオーバーハングを含んでいてもよい。「オーバーハング」とは、siRNAの一本鎖の3´末端が他の鎖の5´末端を超えて伸長している(又は逆もある)際に、二本鎖構造から突き出ているヌクレオチドを意味する。当該分野で公知のオーバーハングとして用いられるヌクレオチドであればいずれも利用可能である。例えば、1~6ヌクレオチド、1~5ヌクレオチド、1~3ヌクレオチド、2又は3ヌクレオチド(dTdT、U(2´-OMe)U(2´-OMe)、U(2´-OMe)A(2´-OMe)、A(2´-OMe)U(2´-OMe)、A(2´-OMe)A(2´-OMe)、U(2´-F)U(2´-F)等)が挙げられる。標的配列のmRNAに対して相補的であってもよいし、非相補的であってもよい。
[0027]
 本発明の核酸は、MURF1発現抑制活性のみならず、医薬としての有用性を備えており、下記いずれか、あるいは全ての優れた特徴を有している。
a)筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を改善する。
b)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4等)に対する阻害作用が弱い。
c)良好な薬物動態を示す。
d)代謝安定性が高い。
e)変異原性を有さない。
f)心血管系のリスクが低い。
g)高い溶解性を示す。
[0028]
 本発明の核酸において、ヌクレオチドは修飾されていてもよい。適切な修飾を施した核酸は、無修飾の核酸と比較し、下記いずれか、あるいは全ての特徴を有している。
a) 標的遺伝子との親和性が高い。
b) ヌクレアーゼに対する抵抗性が高い。
c) 薬物動態が改善する。
d) 組織移行性が高くなる。
e) 免疫応答および細胞障害性が低い。
 よって、修飾された核酸は、無修飾の核酸と比較して、生体内で分解されにくくなり、より安定して標的遺伝子の発現を阻害できる。
[0029]
 当該分野で公知のヌクレオチドの修飾であれば、いずれも本発明の核酸に利用可能である。ヌクレオチドの修飾としては、リン酸修飾、核酸塩基修飾、糖修飾が知られている。
 リン酸修飾としては、例えば、天然の核酸が有するリン酸ジエステル結合、S-オリゴ(ホスホロチオエート)、D-オリゴ(ホスホジエステル)、M-オリゴ(メチルフォスフォネイト)、ボラノホスフェート等が挙げられる。
 核酸塩基修飾としては、例えば、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-プロピニルシトシン等が挙げられる。
 糖修飾としては、例えば、2´-O-CH -CH -O-CH (2´MOE)、LNA(Locked nucleic acid)、2´-OMe、2´-Fluoro、BNA(Bridged Nucleic Acid)、AmNA(WO2011/052436参照)、TrNA(WO2014/126229参照)、2´-Deoxy等が挙げられる。
[0030]
 当該分野で公知のヌクレオチドの修飾及び修飾方法については、例えば、以下の特許文献にも開示されている。
WO98/39352、WO99/014226、WO2000/056748、WO2003/068795、WO2004/016749、WO2005/021570、WO2005/083124、WO2007/143315、WO2009/071680、WO2011/052436、WO2014/112463、WO2014/126229等。
[0031]
 本発明の核酸の3´末端及び/又は5´末端は、修飾基を有していてもよい。水酸基の保護基、脱塩基型(Abasic)ヌクレオチド、リン酸エステル部分(式:-O-P(=O)(OH)OHで示される基若しくは式:-O-P(=S)(OH)OHで示される基又はそれらの修飾基)等が挙げられる。
 また、本発明の核酸は、上記塩基配列を有する限りにおいて、核酸中に脱塩基型(Abasic)ヌクレオチドが挿入されていてもよい。
[0032]
 本発明の核酸(オーバーハングや末端修飾を含んでいる核酸も含む)の3´末端及び/又は5´末端は、公知のリガンドが付加されていてもよい。本発明の核酸の追跡を可能にするため、本発明の核酸の薬物動態又は薬力学を改善するため、本発明の核酸の安定性又は結合親和性を向上させるために、本発明の核酸の細胞内取り込みを含む細胞内動態を改善するため、あるいはそれらのすべてまたはいずれかを達成させることを目的として単体または複数種の多分子からなる輸送担体(リポソーム、脂質ナノ粒子(LNP)、ポリマー、ミセル、ウイルス粒子等)の構成成分とするため、当該分野で公知のリガンドを利用することができる。例えば、レポーター分子、脂質(脂肪酸、脂肪鎖、コレステロール、リン脂質等)、糖(N-アセチル-ガラクトサミン等)、ビタミン、ペプチド(膜透過ペプチド、細胞標的ペプチド、受容体結合ペプチド、エンドソーム脱出促進ペプチド、RGDペプチド、血中成分と親和性の高いペプチド、組織標的ペプチド等)、PEG(polyethylene glycol)、色素、蛍光分子等が挙げられる。
[0033]
 上記リガンドが本発明の核酸に付加する際は、リンカーを介していてもよい。「リンカー」としては、当該分野で用いられるリンカーであれば、いずれでも利用可能である。例えば、極性型リンカー(例えば、オリゴヌクレオチドリンカー)、アルキレンリンカー、エチレングリコールリンカー、エチレンジアミンリンカー等が挙げられる。リンカーは、当該分野において公知の手法を参考にしながら合成することができる。
[0034]
 リンカーとして好ましくは、オリゴヌクレオチドリンカーである。オリゴヌクレオチドリンカーの長さは、2~10塩基、2~5塩基、2塩基、3塩基、4塩基、5塩基である。例えば、dG、dGdG、dGdGdGdG、dGdGdGdGdG、dT、dTdT、dTdTdTdT、dTdTdTdTdT等が挙げられる。
[0035]
 当該分野で公知のリガンド又はリンカー及びそれらの合成方法については、例えば、以下の特許文献にも開示されている。
WO2009/126933、WO2012/037254、WO2009/069313、WO2009/123185、WO2013/089283、WO2015/105083、WO2018/181428等。
[0036]
 本発明の核酸(又はその修飾体)は常法によって合成することができ、例えば、市販の核酸自動合成装置(例えば、AppliedBiosystems製、(株)大日本精機製等)によって容易に合成することができる。合成法はホスホロアミダイトを用いた固相合成法、ハイドロジェンホスホネートを用いた固相合成法等がある。例えば、Tetrahedron Letters 22, 1859-1862 (1981)、WO2011/052436等に開示されている。
[0037]
 本発明の核酸は、ヒトを含む動物に投与する際、生物学的に活性な代謝産物又はその残渣物を(直接的に、あるいは、間接的に)提供し得る、任意の製薬上許容される塩、エステル、若しくはかかるエステルの塩、又は任意の他の同等物を包含する。つまり、本発明の核酸のプロドラッグ及び製薬上許容される塩、該プロドラッグの製薬上許容される塩、ならびに他の生物学的同等物を包含する。
[0038]
 「プロドラッグ」とは、内在性酵素又は他の化学物質の作用及び/又は状態によってその生体内又は細胞内で活性形態(即ち、薬物)に変換される、不活性形態又はより低い活性形態の誘導体である。本発明の核酸のプロドラッグは、WO93/24510、WO94/26764、WO2004/063331等に記載される方法に従って調製することができる。
[0039]
 「製薬上許容される塩」とは、本発明の核酸の生理学的に及び製薬上許容される塩、即ち、該核酸の所望される生物学的な活性を保持し、そこで望まれない毒物学的効果を与えない塩のことをいう。
[0040]
 製薬上許容される塩としては、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)及びアミノ酸との塩、又は無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、及び有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
[0041]
 本発明は、本発明の核酸を含有する医薬組成物も包含する。本発明の医薬組成物の投与方法及び製剤は、上述の修飾する方法やリガンドを付加する方法以外に、当該分野で公知の投与方法及び製剤であれば、いずれも利用可能である。核酸の投与方法及び製剤は、例えば、以下の文献にも開示されている。
WO2008/042973、WO2009/127060、WO2011/064130、WO2011/123468、WO2011/153542、WO2013/074974、WO2013/075035、WO2013/163258、WO2013/192486等。
[0042]
 本発明の医薬組成物は、局所的あるいは全身的な治療のいずれが望まれるのか、又は治療すべき領域に応じて、様々な方法により投与することができる。投与方法としては、例えば、局所的(点眼、膣内、直腸内、鼻腔内、経皮を含む)、経口的、又は、非経口的であってもよい。非経口的投与としては、静脈内注射若しくは点滴、皮下、腹腔内若しくは筋肉内注入、吸引若しくは吸入による肺投与、硬膜下腔内投与、脳室内投与等が挙げられる。
[0043]
 本発明の医薬組成物を局所投与する場合、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴下剤、坐剤、噴霧剤、液剤、散剤等の製剤を用いることができる。
 経口投与用組成物としては、散剤、顆粒剤、水若しくは非水性媒体に溶解させた懸濁液又は溶液、カプセル、粉末剤、錠剤等が挙げられる。
 非経口、硬膜下腔、又は、脳室内投与用組成物としては、バッファー、希釈剤及びその他の適当な添加剤を含む無菌水溶液等が挙げられる。
[0044]
 本発明の医薬組成物は、本発明の核酸の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合して得ることができる。注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤とすればよい。
[0045]
 賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム又は結晶セルロース等が挙げられる。結合剤としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン又はポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末又はラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウム又はマクロゴール等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴール又はメチルセルロース等を用いることができる。また、液剤又は乳濁性、懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加しても良い。経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えても良い。
[0046]
 投与は、治療される病態の重度と反応度に依存し、治療コースは、数日から数ヶ月、あるいは、治癒が実現されるまで、又は、病状の減退が達成されるまで持続する。最適投与スケジュールは、生体における薬剤蓄積の測定から計算が可能である。当該分野の当業者であれば、最適用量、投与法、及び、繰り返し頻度を定めることができる。最適用量は、個々の核酸の相対的効力に応じて変動するが、一般に、インビトロ及びインビボの動物実験におけるIC50又はEC50に基づいて計算することが可能である。例えば、核酸の分子量(核酸配列及び化学構造から導かれる)と、例えば、IC50のような効果的用量(実験的に導かれる)が与えられたならば、mg/kgで表される用量が通例に従って計算される。例えば、1日に0.001~10mg/kgが挙げられる。注射剤の場合、一定期間、例えば、5~180分間にわたって投与することができる。また1日1回~数回投与することもでき、1日~数日の間隔をおいて(例えば、2週間ごとに)投与することもできる。
[0047]
 本発明の医薬組成物は、MURF1発現抑制活性を有するため、MURF1が関連する疾患の予防又は治療のために用いることができる。
 MURF1が関連する疾患としては、筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を伴う疾患等が挙げられる。例えば、廃用性筋萎縮(大腿骨骨折、肺炎等により一定期間の入院や筋肉の不使用が想定される患者、ギプス等の使用に起因する)、運動器不安定症、ロコモティブシンドローム、悪液質、ICU-acquired weakness(ICU在室中に生じる筋力低下)、疾患性筋萎縮(COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)、心不全、結核、ガン、糖尿病、AIDS(Acquired Immunodeficiency Syndrome)、敗血症、慢性腎症、末梢神経障害、筋肉減少症等に起因する)、薬剤誘発性ミオパチー(ステロイド治療やガン化学療法等による筋萎縮)、加齢による筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状(サルコペニア等)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、先天性ミオパチー、ギラン・バレー症候群、ミトコンドリア脳筋症、先天性代謝異常ミオパチー、多発性筋炎、皮膚筋炎、封入体性筋炎、嚥下障害(脳卒中、脳血管疾患、脳梗塞、脳内出血、パーキンソン病、放射線治療、加齢等に起因する)、クッシング症候群、原発性及び/又は続発性骨粗しょう症、変形性関節症、腰痛症、代謝性疾患(糖尿病、脂質異常症等)、人工呼吸器等の使用に起因する横隔膜の筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状、骨折リスク及び/又は転倒リスクの軽減(大腿骨、橈骨、脊椎、上腕骨等)、低重力環境下での筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状、その他の難治性/遺伝性筋疾患等が挙げられる。
実施例
[0048]
 以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
[0049]
実施例1 ヒトとマウスに相同性のあるsiRNAの設計
 ヒト及びマウスのMURF1 mRNAを標的とするsiRNAの設計を行った。
 設計に使用したmRNA配列はヒトMURF1(GenBank:NM_032588.3、配列番号:609)、マウスMurf1(GenBank:NM_001039048.2、配列番号:611)である。
 設計したsiRNAは二重鎖であり、二重鎖は19塩基のアンチセンス鎖と19塩基のセンス鎖から成る。アンチセンス鎖はmRNA配列の相補配列であり、センス鎖はアンチセンス鎖の相補配列である。siRNAは、アンチセンス鎖の5´末端の2~17塩基目がヒト及びマウスのmRNAに対して、100%の相同性を有するように設計した。設計した配列(SNG-1~SNG320)を表1~表16に示す。表中、標的部位(Target site)は、配列番号609中の位置を示し、塩基配列中の大文字はRNAを意味する。
[0050]
[表1]


[0051]
[表2]


[0052]
[表3]


[0053]
[表4]


[0054]
[表5]


[0055]
[表6]


[0056]
[表7]


[0057]
[表8]


[0058]
[表9]


[0059]
[表10]


[0060]
[表11]


[0061]
[表12]


[0062]
[表13]


[0063]
[表14]


[0064]
[表15]


[0065]
[表16]


[0066]
実施例2 インビトロモデル マウス細胞培養
 マウスメラノーマ細胞株B16を、MEM(サーモフィッシャーサイエンティフィック)+10%ウシ胎児血清(FBS)(ハイクロン)+ペニシリン(100units/mL)(サーモフィッシャーサイエンティフィック)+ストレプトマイシン(100ug/mL)(サーモフィッシャーサイエンティフィック)で培養し、37℃、95~98%湿度及び5%CO で維持した。
[0067]
実施例3 Murf1に対するsiRNAの評価
 実施例1で設計したsiRNAのアンチセンス鎖及びセンス鎖の3´末端にオーバーハングとしてdTdTを付加したsiRNA二重鎖をSIGMAより購入した。購入したsiRNA二重鎖を用いて、実施例2の条件下で培養したマウスB16細胞でのノックダウン実験を行った。siRNA二重鎖をLipofectamine(登録商標)3000(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いて細胞に導入し、細胞培養液にsiRNA二重鎖の最終濃度が10nmol/Lになるように添加した。導入24時間後にCellAmp TM Direct RNA Prep Kit for RT-PCR (タカラバイオ)にて細胞を回収し、リアルタイムPCRを行った。内在性コントロールとしてGapdhを使用した。
[0068]
 マウスMurf1の発現量を測定するために使用したプライマー配列は、
Fwプライマー:(配列番号613);TGTCTCACGTGTGAGGTGCCTA
Rvプライマー:(配列番号614);CACCAGCATGGAGATGCAGTTAC
を用い、
マウスGapdhの発現量を測定するために使用したプライマー配列は、
Fwプライマー:(配列番号615);TGTGTCCGTCGTGGATCTGA
Rvプライマー:(配列番号616);TTGCTGTTGAAGTCGCAGGAG
を用いた。
 ノックダウン活性の結果を表17に示す。
[0069]
[表17]


[0070]
 ノックダウン活性は、各siRNA二重鎖を導入した細胞のマウスMurf1の発現量(Ct値)とマウスGapdhの発現量(Ct値)の差(ΔCt)を、表18に記載のSNG-305の活性と相対比較した(ΔΔCt)。
ΔΔCt=(Gapdhの発現量―SNG-305の発現量)(ΔCt)―(Gapdhの発現量―各siRNA二重鎖の発現量)(ΔCt)
 SNG-305のノックダウン活性をΔΔCt=0とし、SNG-305のノックダウン活性より高い活性を示すsiRNAはプラスの数値を示し、低い活性を示すsiRNAはマイナスの数値を示す。なお、表18の塩基配列中、大文字はRNAを小文字はDNAを意味する。
[0071]
[表18]


[0072]
 SNG-305は、マウスMurf1 mRNAに対して設計し、ヒトMURF1と相同性を有していないsiRNA二重鎖であるが、マウスB16細胞にLipofectamine3000を用いてsiRNA二重鎖の最終濃度が10nmol/Lになるように添加し、導入24時間後に89%の強いノックダウン活性を示すため、ポジティブコントロールとして用いた。この結果、本願siRNAは、SNG-305とほぼ同等の強いノックダウン活性を示すため、マウスMurf1の発現を抑制することが分かった。さらに、本願siRNAは、ヒトMURF1と相同性を有していることから、ヒトMURF1の発現を抑制することが示唆された。
[0073]
実施例4 インビトロモデル ヒト細胞培養
 ヒト骨格筋筋芽細胞を、SkGM-2 BulletKit(ロンザ)で培養後、さらにDMEM(サーモフィッシャーサイエンティフィック)+2%ウマ血清(サーモフィッシャーサイエンティフィック)+ペニシリン(100units/mL)(サーモフィッシャーサイエンティフィック)+ストレプトマイシン(100ug/mL)(サーモフィッシャーサイエンティフィック)で培養し、37℃、95~98%湿度及び5%CO で維持した。培養容器はマトリゲル(コーニング)でコート後に使用した。
[0074]
実施例5 MURF1に対するsiRNAの評価
 実施例1で設計した一部のsiRNAのアンチセンス鎖及びセンス鎖の3´末端にオーバーハングとしてdTdTを付加したsiRNA二重鎖をSIGMAより購入した。購入したsiRNA二重鎖を用いて、実施例4の条件下で培養したヒト骨格筋筋芽細胞でのノックダウン実験を行った。siRNA二重鎖をLipofectamine(登録商標)3000(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いて細胞に導入し、細胞培養液にsiRNA二重鎖の最終濃度が20nmol/Lになるように添加した。導入24時間後にCellAmp TM Direct RNA Prep Kit for RT-PCR (タカラバイオ)にて細胞を回収し、リアルタイムPCRを行った。内在性コントロールとしてGAPDHを使用した。
[0075]
 ヒトMURF1の発現量を測定するために使用したプライマー配列は、
Fwプライマー:(配列番号640);CGTGTGCAGACCATCATCACTC
Rvプライマー:(配列番号641);CAACGTGTCAAACTTCTGGCTCA
を用い、
 ヒトGAPDHの発現量を測定するために使用したプライマー配列は、
Fwプライマー:(配列番号642);GCACCGTCAAGGCTGAGAAC
Rvプライマー:(配列番号643);TGGTGAAGACGCCAGTGGA
を用いた。
 mRNA残存率の結果を表19に示す。
[0076]
[表19]


[0077]
 mRNA残存率は、以下の方法により算出した。なお、全ての処置群はN=3で実施した。
 まず、未処置(Non-treated : NT)群の細胞におけるヒトMURF1の発現量(Ct値)とヒトGAPDHの発現量(Ct値)の差を算出した(ΔCt)。その後に、各ΔCtの平均値をΔCt (NT_ave.)として算出した。続いて、各siRNA二重鎖を導入した細胞のヒトMURF1の発現量(Ct値)とヒトGAPDHの発現量(Ct値)の差を算出した(ΔCt (siRNA))。その後、各ΔCt (siRNA)とΔCt (NT_ave.)の差(ΔΔCt)を算出した後に、各々について以下の計算式にてmRNA残存率を算出した。
mRNA残存率 = 2 ΔΔCt×100 (%),ΔΔCt = ΔCt (siRNA) - ΔCt (NT_ave.)
 最後に、各処置群におけるmRNA残存率の平均値を算出した。
 この結果、本願siRNAは、mRNA残存率が低く、ヒトMURF1の発現を強く抑制することが分かった。

産業上の利用可能性

[0078]
 本発明の核酸はMURF1発現抑制活性を示す。従って、本発明化合物は筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を伴う疾患の予防又は治療のための医薬として非常に有用である。

請求の範囲

[請求項1]
配列番号609の188位~229位、1039位~1060位、1427位~1447位、1510位~1530位又は1715位~1737位からなる塩基配列に対して相補的な少なくとも15塩基以上の塩基配列を有する15~30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを含む、MURF1の発現を抑制する核酸。
[請求項2]
以下の(a)又は(b)の塩基配列を含む、請求項1記載の核酸:
(a)配列番号619、622若しくは623の塩基配列;
(b)配列番号620若しくは621の塩基配列のうち少なくとも15塩基の連続した塩基配列。
[請求項3]
配列番号24、26、30、56、60、104、106、146、212、218、314、360、382、384、388、390、484、504、514、536、556、584、586、588、594、596、606若しくは608の塩基配列;又は
配列番号24、26、30、56、60、104、106、146、212、218、314、360、382、384、388、390、484、504、514、536、556、584、586、588、594、596、606若しくは608の塩基配列において、1~3の塩基が欠失、置換若しくは挿入された塩基配列;
を含み、かつ、MURF1の発現を抑制する核酸。
[請求項4]
配列番号22、34、38、50、76、80、158、176、188、194、210、216、222、226、232、236、244、254、266、278、282、302、336、364、386、394、464、472、476、482、510、564、568、574若しくは578の塩基配列;又は、
配列番号22、34、38、50、76、80、158、176、188、194、210、216、222、226、232、236、244、254、266、278、282、302、336、364、386、394、464、472、476、482、510、564、568、574若しくは578の塩基配列の2~18位において、1~3の塩基が欠失、置換若しくは挿入された塩基配列;
を含み、かつ、MURF1の発現を抑制する核酸。
[請求項5]
以下のいずれかの組み合わせを含む二本鎖核酸:
配列番号21の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号22の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号23の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号24の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号25又は624の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号26の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号29の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号30の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号33の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号34の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号37又は625の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号38の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号626の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号42の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号49の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号50の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号55の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号56の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号59の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号60の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号75又は627の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号76の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号79の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号80の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号103の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号104の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号105の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号106の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号145の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号146の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号157の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号158の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号175の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号176の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号187の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号188の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号193又は628の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号194の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号209の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号210の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号211又は629の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号212の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号215の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号216の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号217又は630の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号218の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号221又は631の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号222の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号225の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号226の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号231の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号232の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号235の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号236の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号243の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号244の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号253の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号254の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号265又は632の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号266の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号277の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号278の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号281の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号282の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号301の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号302の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号313の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号314の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号335の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号336の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号359の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号360の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号363の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号364の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号381の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号382の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号383の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号384の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号385の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号386の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号387又は633の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号388の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号389又は634の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号390の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号393の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号394の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号635の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号402の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号463の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号464の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号471の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号472の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号475の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号476の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号481又は636の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号482の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号483又は637の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号484の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号503の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号504の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号509の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号510の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号513の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号514の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号535の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号536の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号555又は638の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号556の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号563の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号564の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号567の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号568の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号573の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号574の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号577又は639の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号578の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号583の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号584の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号585の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号586の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号587の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号588の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号593の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号594の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号595の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号596の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、
配列番号605の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号606の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド又は
配列番号607の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号608の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
[請求項6]
MURF1の発現を抑制する、請求項5記載の核酸。
[請求項7]
siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、shRNA又はmiRNAである、請求項1~6のいずれかに記載の核酸。
[請求項8]
センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の3´末端にオーバーハングを含むsiRNAである、請求項7記載の核酸。
[請求項9]
請求項1~8のいずれかに記載の核酸を含有する医薬組成物。
[請求項10]
MURF1が関連する疾患の予防又は治療のために用いる、請求項9記載の医薬組成物。
[請求項11]
該疾患が、筋量の低下、筋力の低下及び筋機能の低下からなる群から選ばれる1以上の症状を伴う疾患である、請求項10記載の医薬組成物。