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1. WO2011040528 - ÉLÉMENT OPTIQUE, DISPOSITIF DE SOURCE LUMINEUSE ET DISPOSITIF D'AFFICHAGE PAR PROJECTION

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明 細 書

発明の名称 光学素子、光源装置及び投射型表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

非特許文献

0010  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0011   0012   0013   0014   0015  

課題を解決するための手段

0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

図面

1   2   3   4   5   6A   6B   6C   6D   6E   7A   7B   7C   7D   8A   8B   8C   8D   8E   8F   8G   8H   9   10A   10B   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20A   20B   21   22   23   24   25   26   27   28  

明 細 書

発明の名称 : 光学素子、光源装置及び投射型表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、光を出射するためにプラズモン結合を利用した光学素子、光源装置及び投射型表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 光源装置が有する発光素子として発光ダイオード(LED)が用いられるLEDプロジェクタが提案されている。この種のLEDプロジェクタでは、LEDを有する光源装置と、光源装置からの光が入射する照明光学系と、照明光学系からの光が入射する液晶表示板を有するライトバルブと、ライトバルブからの光を投射面上に投射するための投射光学系と、を備えて構成されている。
[0003]
 LEDプロジェクタでは、投射映像の輝度を高めるために、光源装置からライトバルブまでの光路において光損失が可能な限り生じないようにすることが求められている。
[0004]
 また、非特許文献1に記載されているように、光源装置の面積と放射角との積で決まるエテンデュー(Etendue)による制約がある。つまり、光源装置の発光面積と放射角との積の値を、ライトバルブの入射面の面積と、投射レンズのFナンバーで決まる取り込み角(立体角)との積の値以下にしなければ、光源装置からの光が投射光として利用されない。
[0005]
 そのため、LEDと、LEDからの光が入射する光学素子とを有する光源装置では、光学素子からの出射光のエテンデューの低減を図ることによって、上述の光損失の低減を図ることが懸案となっている。
[0006]
 そして、LEDプロジェクタが備える光源装置では、単一のLEDの光量の不足を補うために複数のLEDを用いることによって、数千ルーメン程度の投射光束を実現することが必要不可欠になっている。
[0007]
 このように複数のLEDを用いた光源装置の一例として、特許文献1には、図1に示すように、LED84a~84fを有する複数の単色光源装置83a~83fと、これら単色光源装置83a~83fからの出射光の光軸を一致させる光軸合わせ部材82a~82dと、これら光軸合わせ部材82a~82dから光が入射する光源セット81a,81bと、この光源セット81a,81bからの光が入射する導光装置80と、を備える光源ユニットが開示されている。この光源ユニットでは、複数の単色光源装置83a~83fからの光が合成されて、光源セット81a,81bによって放射角が狭められた光が、導光装置80に入射されている。この構成では、導光装置80に入射する光の放射角が、光源セット81a,81bによって狭められることで、光損失の低減が図られている。
[0008]
 また、複数のLEDを用いた光源装置の他の例として、特許文献2には、図2に示すように、複数のLED85が平面上に配列された光源基板86を備える光源装置が開示されている。この光源装置は、一方の面にプリズム列が形成されプリズム列を交差させて配置された2つのプリズムシート88,89と、これらプリズムシート88,89を支持する枠体87とからなる光学素子を備えている。この光源装置では、複数のLED85からの光が、2つのプリズムシート88,89によって合成されている。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2008-145510号公報
特許文献2 : 特開2009-87695号公報

非特許文献

[0010]
非特許文献1 : PhlatLightTM Photonic Lattice LEDs for RPTV Light Engines Christian Hoepfner, SID Symposium Digest 37, 1808 (2006)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0011]
 しかしながら、上述した特許文献1に記載の構成では、光軸合わせ部材82a~82dのダイクロイック反射面での発光面積が、LED84a~84fの発光面積よりも大きくなってしまう。このため、導光装置80に入射する光のエテンデューと、LED84a~84fからの光のエテンデューとを比べた場合には、結果としてエテンデューが変化していない。
[0012]
 したがって、特許文献1に記載の構成では、導光装置80からの出射光のエテンデューが、LED84a~84fのエテンデューに依存しており、導光装置80からの出射光のエテンデューを低減することができなかった。
[0013]
 また、特許文献2に記載の構成では、複数のLED85が平面上に配列されることによって、光源全体の発光面積が大きくなってしまうので、光源自体のエテンデューが増加してしまう問題があった。
[0014]
 すなわち、上述した特許文献1,2に開示された構成では、光源ユニット及び光源装置からの出射光のエテンデューが、LEDからの光のエテンデューに依存しており、光学素子からの出射光のエテンデューを低減することができなかった。
[0015]
 本発明の目的は、上記関連する技術の問題を解決し、発光素子のエテンデューに依存することなく、光学素子からの出射光のエテンデューを低減できる光学素子、これを備える光源装置及び投射型表示装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0016]
 上述した目的を達成するため、本発明に係る光学素子は、発光素子からの光が入射する導光体と、導光体に設けられ導光体からの光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、キャリア生成層の上に積層されキャリア生成層を発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、プラズモン励起層の上に積層されプラズモン励起層から入射する光を所定の出射角に変換して出射する出射層と、を備える。プラズモン励起層は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれている。
[0017]
 また、本発明に係る光源装置は、本発明の光学素子と、導光体の外周部に配置された発光素子と、を備える。
[0018]
 また、本発明に係る投射型表示装置は、本発明の光源装置と、光源装置の出射光によって投射映像を投射する投射光学系と、を備える。

発明の効果

[0019]
 本発明によれば、発光素子のエテンデューに依存することなく、光学素子からの出射光のエテンデューを低減することができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 特許文献1の構成を説明するための模式図である。
[図2] 特許文献2の構成を説明するための分解斜視図である。
[図3] 第1の実施形態の光源装置を模式的に示す斜視図である。
[図4] 第1の実施形態の光源装置における光の振る舞いを説明するための断面図である。
[図5] 第1の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。
[図6A] 第1の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。
[図6B] 第1の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。
[図6C] 第1の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。
[図6D] 第1の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。
[図6E] 第1の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。
[図7A] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程を説明するための断面図である。
[図7B] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程を説明するための断面図である。
[図7C] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程を説明するための断面図である。
[図7D] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程を説明するための断面図である。
[図8A] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。
[図8B] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。
[図8C] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。
[図8D] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。
[図8E] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。
[図8F] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。
[図8G] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。
[図8H] 第1の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。
[図9] 第1の実施形態において、指向性制御層の表面にマイクロレンズアレイが設けられた構成を示す斜視図である。
[図10A] 第1の実施形態の光源装置において、マイクロレンズアレイの形成工程を説明するための断面図である。
[図10B] 第1の実施形態の光源装置において、マイクロレンズアレイの形成工程を説明するための断面図である。
[図11] 第2の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。
[図12] 第3の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。
[図13] 第4の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。
[図14] 第5の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。
[図15] 第6の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。
[図16] 第7の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。
[図17] 第8の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。
[図18] 第9の実施形態の光源装置を示す斜視図である。
[図19] 第9の実施形態の光源装置が備える軸対称偏光用1/2波長板の構造を示す縦断面図である。
[図20A] 第9の実施形態の光源装置が備える軸対称偏光用1/2波長板を説明するために示す模式図である。
[図20B] 第9の実施形態の光源装置が備える軸対称偏光用1/2波長板を説明するために示す模式図である。
[図21] 実施形態の光源装置において、軸対称偏光用1/2波長板を備えない構成の場合の出射光のファーフィールドパターンと偏光方向を示す模式図である。
[図22] 実施形態の光源装置において、軸対称偏光用1/2波長板を備える構成の場合の出射光のファーフィールドパターンと偏光方向を示す模式図である。
[図23] 実施例におけるプラズモン共鳴特性を説明するための図である。
[図24] 実施例における放射角特性を説明するための図である。
[図25] 第1の実施形態の光源装置において、実効誘電率から求まるプラズモン共鳴角と、多層膜反射計算によって求まるプラズモン共鳴角とを比較して示す図である。
[図26] 第1の実施形態の光源装置の出射光における角度分布を示す図である。
[図27] 実施形態の光源装置が適用されるLEDプロジェクタを示す模式図である。
[図28] 実施形態の光源装置が適用されるLEDプロジェクタに用いられる光源の波長と蛍光体の励起波長及び発光波長を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
[0022]
 (第1の実施形態)
 図3に、本実施形態の光源装置の模式的な構成の斜視図を示す。図4に、本発明に係る光源装置における光の振る舞いを説明するための断面図を示す。なお、光源装置において、実際の個々の層の厚さが非常に薄く、またそれぞれ層の厚さの違いが大きいので、各層を正確なスケール、比率で図を描くことが困難である。このため、図面では各層が実際の比率通りに描かれておらず、各層を模式的に示している。
[0023]
 図3及び図4に示すように、本実施形態の光源装置50は、複数の発光素子1(1a~1n)と、これら発光素子1から出射された光が入射する光学素子51とを備えている。光学素子51は、発光素子1から出射された光が入射する導光体2と、この導光体2からの光によって出射光を出射する指向性制御層3と、を有している。
[0024]
 指向性制御層3は、光源装置50からの出射光の指向性を高めるための層であり、例えば図5に示す第1の実施形態のように、導光体2に設けられ、導光体2から入射する光の一部によってキャリアが生成されるキャリア生成層6と、このキャリア生成層6上に積層され、キャリア生成層6を発光素子1の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層8と、このプラズモン励起層8上に積層され、入射する光の波数ベクトルを変換して出射する出射層としての波数ベクトル変換層10と、を備えている。
[0025]
 また、プラズモン励起層8は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれている。誘電性を有する2つの層として、指向性制御層3は、図5に示すように、プラズモン励起層8と波数ベクトル変換層10との間に挟まれて設けられた高誘電率層9と、キャリア生成層6とプラズモン励起層8との間に挟まれて設けられ高誘電率層9よりも誘電率が低い低誘電率層7と、を備えている。
[0026]
 そして、本実施形態における光学素子1は、プラズモン励起層8の導光体2側に積層された構造全体を含む入射側部分(以下、単に入射側部分と称する)の実効誘電率が、プラズモン励起層8の波数ベクトル変換層10側に積層された構造全体と、波数ベクトル変換層10に接する媒質とを含む出射側部分(以下、単に出射側部分と称する)の実効誘電率よりも低くなるように構成されている。なお、プラズモン励起層8の導光体2側に積層された構造全体には、導光体2が含まれる。プラズモン励起層8の波数ベクトル変換層10側に積層された構造全体には、波数ベクトル変換層10が含まれる。
[0027]
 つまり、第1の実施形態では、プラズモン励起層8に対する、導光体2及びキャリア生成層6を含む入射側部分の実効誘電率が、プラズモン励起層8に対する、波数ベクトル変換層10と媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも低くなっている。
[0028]
 詳細には、プラズモン励起層8の入射側部分(発光素子1側)の複素実効誘電率の実部が、プラズモン励起層8の出射側部分(波数ベクトル変換層10側)の複素実効誘電率の実部よりも低く設定されている。
[0029]
 ここで、複素実効誘電率ε effは、プラズモン励起層8の界面に平行な方向をx軸、y軸、プラズモン励起層8の界面に垂直な方向をz軸とし、キャリア生成層6から出射する光の角周波数をω、プラズモン励起層8に対する入射側部分及び出射側部分における誘電体の誘電率分布をε(ω,x,y,z)、表面プラズモンの波数のz成分をk spp,z、虚数単位をjとすれば、
[0030]
[数1]


で表される。ここで積分範囲Dは、プラズモン励起層8に対する入射側部分または出射側部分の三次元座標の範囲である。言い換えれば、この積分範囲Dにおけるx軸及びy軸方向の範囲は、入射側部分が含む構造体の外周面または出射側部分が含む構造体の外周面までの媒質を含まない範囲であり、プラズモン励起層8の界面に平行な面内の外縁までの範囲である。また、積分範囲Dにおけるz軸方向の範囲は、入射側部分または出射側部分(媒質を含む)の範囲である。
[0031]
 また、表面プラズモンの波数のz成分k spp,z、表面プラズモンの波数のx、y成分k sppは、プラズモン励起層8の誘電率の実部をε metal、真空中での光の波数をk 0とすれば、
[0032]
[数2]


[0033]
[数3]


で表される。
[0034]
 したがって、式(1)、式(2)、式(3)を用い、ε(ω,x,y,z)として、プラズモン励起層8の入射側部分の誘電率分布ε in(ω,x,y,z)、プラズモン励起層8の出射側部分の誘電率分布ε out(ω,x,y,z)をそれぞれ代入して、計算することで、プラズモン励起層8に対する入射側部分の複素実効誘電率層ε effin、及び出射側部分の複素実効誘電率ε effoutがそれぞれ求まる。実際には、複素実効誘電率ε effとして適当な初期値を与え、式(1)、式(2)、式(3)を繰り返し計算することで、複素実効誘電率ε effを容易に求められる。なお、プラズモン励起層8に接する層の誘電率が非常に高い場合には、その界面における表面プラズモンの波数のz成分k spp,zが実数となる。これは、その界面において表面プラズモンが発生しないことに相当する。そのため、プラズモン励起層8に接する層の誘電率が、この場合の実効誘電率に相当する。
[0035]
 ここで、表面プラズモンの有効相互作用距離を、表面プラズモンの強度がe -2となる距離とすれば、表面プラズモンの有効相互作用距離d effは、
[0036]
[数4]


で表わされる。
[0037]
 低誘電率層7は、高誘電率層9よりも誘電率が低い層である。低誘電率層7の複素誘電率をε (λ )とし、その実部をε lr(λ )、虚部をε li(λ )とする。また、高誘電率層9の複素誘電率をε (λ )とし、その実部をε hr(λ )、虚部をε hi(λ )とすると、
 1≦ε lr(λ )<ε hr(λ )の関係を満たしている。なお、λ は、誘電率層への入射光の真空中での波長である。
[0038]
 ただし、低誘電率層7の誘電率の方が高誘電率層9の誘電率よりも高い場合でも、プラズモン励起層8の低誘電率層7側の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層8の高誘電率層9側の実効誘電率の実部よりも低ければ、光学素子51は動作する。つまり、低誘電率層7、高誘電率層9の誘電率には、プラズモン励起層8の出射側の実効誘電率の実部が、入射側の実効誘電率の実部より高く保たれる範囲が許容される。
[0039]
 ここで、実効誘電率の考え方を示す一例として、低誘電率層7が誘電体層Aと誘電体層Bとからなり、高誘電率層9が誘電体層Cと誘電体層Dとからなり、プラズモン励起層8に隣接する誘電体層Bと誘電体層Cの膜厚が十分薄い(厚さが例えば10nm未満)場合を考える。この場合には、誘電体層Aが低誘電率層、誘電体層Dが高誘電率層として作用する。これは誘電体層Bと誘電体層Cの膜厚が非常に薄いため、実効誘電率への影響がほとんどないためである。すなわち、低誘電率層7と高誘電率層9の複素誘電率は、複素実効誘電率を考慮して設定すればよい。
[0040]
 また、発光周波数における虚部ε li(λ )、及び虚部ε hi(λ )は、可能な限り低い方が好ましく、プラズモン結合させ易くし、光損失を低減することができる。
[0041]
 なお、キャリア生成層6、プラズモン励起層8を除き、導光体2を含めたいずれの層や、波数ベクトル変換層10に接する媒質においても、複素誘電率の虚部は可能な限り低い方が好ましい。複素誘電率の虚部を可能な限り低くすることで、プラズモン結合を生じさせ易くし、光損失を低減することができる。
[0042]
 光源装置50の周囲の媒質、つまり導光体2や波数ベクトル変換層10に接する媒質は、固体、液体、気体のいずれであってもよく、導光体2側と波数ベクトル変換層10側とがそれぞれ異なる媒質であってもよい。
[0043]
 本実施形態では、複数の発光素子1a~1nが、平板状の導光体2の4つの側面に、それぞれ所定の間隔をあけて配置されている。ここで、発光素子1a~1nが前記側面と接続している箇所を光入射部4とする。発光素子1としては、例えば、キャリア生成層6が吸収できる波長の光を出射する発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、スーパールミネッセントダイオード等が用いられる。発光素子1は、導光体2の光入射部4から離されて配置されてもよく、例えばライトパイプのような導光部材によって導光体2と光学的に接続されてもよい。
[0044]
 実施形態では、導光体2が平板状に形成されているが、導光体2の形状は直方体に限定されるものではない。導光体2の内部には、マイクロプリズムのような配光特性を制御する構造が設けられていてもよい。また、導光体2は、光出射部5と光入射部4を除く外周面の全面、又は外周面の一部に反射膜が設けられていてもよい。同様に、光源装置50は、光出射部5と光入射部4を除く外周面の全面、又は一部に反射膜(不図示)が設けられていてもよい。反射膜としては、例えば銀、アルミニウム等の金属材や、誘電体多層膜が用いられる。
[0045]
 キャリア生成層6としては、例えば、ローダミン(Rhodamine 6G)やスルホローダミン(sulforhodamine 101)等の有機蛍光体や、CdSeやCdSe/ZnS量子ドット等の量子ドット蛍光体等の蛍光体や、GaN、GaAs等の無機材料(半導体)、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、Alq3等の有機材料(半導体材料)が用いられる。また、蛍光体を用いる場合、キャリア生成層6内には、発光波長が同一、又は異なる複数の波長を蛍光する材料が混在されていてもよい。また、キャリア生成層6の厚さは1μm以下が望ましい。
[0046]
 低誘電率層7としては、例えば、SiO ナノロッドアレイフィルムや、SiO 、AlF 、MgF 、Na AlF 、NaF、LiF、CaF 、BaF 、低誘電率プラスチック等の薄膜又は多孔質膜を用いるのが好ましい。また、低誘電率層7の厚さは、可能な限り薄い方が望ましい。
[0047]
 高誘電率層9としては、例えば、ダイヤモンド、TiO 、CeO 2、Ta 5、ZrO 2、Sb 、HfO 、La 、NdO 、Y 、ZnO、Nb 等の高誘電率材料を用いるのが好ましい。
[0048]
 プラズモン励起層8は、キャリア生成層6単体を発光素子1の光で励起したときに発生する光の周波数(発光周波数)よりも高いプラズマ周波数を有する材料によって形成された微粒子層または薄膜層である。言い換えれば、プラズモン励起層8は、キャリア生成層6単体を発光素子1の光で励起したときに発生する発光周波数において負の誘電率を有している。
[0049]
 プラズモン励起層8の材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、鉄、錫、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、タングステン、インジウム、アルミニウム、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、プラズモン励起層8の材料としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム及びこれらを主成分とする合金が好ましく、金、銀、アルミニウム及びそれらを主成分とする合金が特に好ましい。
[0050]
 また、プラズモン励起層8の厚さは、200nm以下に形成されるのが好ましく、10nm~100nm程度に形成されるのが特に好ましい。高誘電率層9とプラズモン励起層8との界面から、低誘電率層7とキャリア生成層6との界面までの距離は、500nm以下に形成されるのが好ましい。なお、この距離は、キャリア生成層6とプラズモン励起層8との間でプラズモン結合が起こる距離に相当する。
[0051]
 波数ベクトル変換層10は、この波数ベクトル変換層10に入射する入射光の波数ベクトルを変換することで、高誘電率層9から光を取り出し、光学素子51から光を出射すための出射層である。言い換えれば、波数ベクトル変換層10は、高誘電率層9からの光の出射角を、所定の角度に変換して光学素子51から出射する。つまり、波数ベクトル変換層10は、高誘電率層9との界面にほぼ直交するように、光学素子51から出射光を出射させる機能を奏している。
[0052]
 波数ベクトル変換層10としては、例えば、表面レリーフ格子、フォトニック結晶に代表される周期構造、準周期構造(高誘電率層9からの光の波長よりも大きなテクスチャー構造)又は準結晶構造、粗面が形成された表面構造、ホログラム、マイクロレンズアレイ等を用いたものが挙げられる。なお、準周期構造とは、例えば周期構造の一部が欠けている不完全な周期構造を指している。これらの中でも、フォトニック結晶に代表される周期構造、準周期構造、準結晶構造、マイクロレンズアレイを用いるのが好ましい。これは、光の取り出し効率を高められるだけでなく、指向性を制御できるからである。また、フォトニック結晶を用いる場合には、結晶構造が三角格子構造を採ることが望ましい。また、波数ベクトル変換層10としては、平板状の基部の上に凸部が設けられた構造であってもよい。また、波数ベクトル変換層10は、高誘電率層9と異なる材料によって構成されていてもよい。
[0053]
 以上のように構成された光源装置50について、発光素子1から指向性制御層3に入射した光が、指向性制御層3の光出射部5から出射される動作を説明する。
[0054]
 図4に示すように、複数の発光素子1のうち、例えば発光素子1fから出射された光は、導光体2の光入射部4を透過し、導光体2内を全反射しながら伝播する。このとき、導光体2と指向性制御層3との界面に入射した光の一部は、指向性制御層3のプラズモン励起層8における後述する特性に応じた方向、波長で光出射部5から出射される。光出射部5から出射されなかった光は導光体2に戻され、再度、導光体2と指向性制御層3との界面に入射した光の一部が、指向性制御層3を透過し、光出射部5から出射される。これらの繰り返しによって、導光体2に入射した光の大半が光出射部5から出射される。また、複数の発光素子1のうち、導光体2を間に挟んで発光素子1fに対向する位置に配置された発光素子1mから出射し、光入射部4を透過した光についても同様に、光出射部5から出射される。光出射部5から出射される光の方向、波長は、指向性制御層3の特性にのみ依存し、発光素子1の位置、導光体2と指向性制御層3との界面への入射角には無依存である。以降特にことわらない限り、波数ベクトル変換層をフォトニック結晶とした場合について説明する。
[0055]
 図5に、指向性制御層3の構成と機能を説明するための拡大図を示す。導光体2内を全反射で伝播している光において、導光体2とキャリア生成層6との界面では全反射条件が崩れ、発光素子1からの光がキャリア生成層6中に入射する。キャリア生成層6に入射した光は、キャリア生成層6においてキャリアを生成する。生成されたキャリアは、プラズモン励起層8中の自由電子とプラズモン結合を起こす。このプラズモン結合を介して、高誘電率層9内への放射が起こり、その光が波数ベクトル変換層10で回折されて、光源装置50の外方に出射される。高誘電率層9の一点から出射される光は、伝播するにつれて同心円状に広がる円環状の強度分布を有している。最も強度が高い出射角を中心出射角、中心出射角から強度が半分になる出射角までの角度幅を出射角度幅とすると、高誘電率層9から出射する光の中心出射角と出射角度幅は、
プラズモン励起層8の出射側部分および入射側部分の実効誘電率、プラズモン励起層8の複素誘電率、キャリア生成層6の発光スペクトル幅で決定される。
[0056]
 図6A~図6Eに、光源装置50が備える光学素子51の製造工程を示す。これはあくまで一例であって、この作製方法に限定されるものではない。まず、図6A及び図6Bに示すように、導光体2の上にキャリア生成層6をスピンコート法で塗布する。続いて、例えば物理蒸着、電子線ビーム蒸着やスパッタ等によって、図6C~図6Eに示すように、キャリア生成層6の上に、低誘電率層7、プラズモン励起層8、高誘電率層9の順にそれぞれ積層する。
[0057]
 フォトニック結晶によって波数ベクトル変換層10を形成する製造工程を、図7A~図7Dに示す。図7Aに示すように高誘電率層9上に波数ベクトル変換層17を形成し、この波数ベクトル変換層10の上にレジスト膜11をスピンコート法で塗布し、図7Bに示すようにナノインプリントでレジスト膜11にフォトニック結晶のネガパターンを転写する。図7Cに示すようにドライエッチングによって、所望の深さまで波数ベクトル変換層10をエッチングし、その後、図7Dに示すようにレジスト膜11を剥離する。最後に、導光体2の外周部に複数の発光素子1を配置することで、光源装置50が完成する。
[0058]
 図8A~図8Hに、光源装置50の高誘電率層9の表面上に、フォトニック結晶によって波数ベクトル変換層10を形成する、もう1つの製造工程を示す。これは、あくまで一例であってこの作製方法に限定されるものではない。
[0059]
 まず、図8Aに示すように、基板12上にレジスト膜11をスピンコート法で塗布し、図8Bに示すように、ナノインプリントでレジスト膜11にフォトニック結晶のネガパターンを転写する。続いて、図8C~図8Eに示すように、物理蒸着、電子線ビーム蒸着やスパッタによって、高誘電率層9、プラズモン励起層8、低誘電率層7の順に積層する。図8Fに示すように、低誘電率層7の上にキャリア生成層6をスピンコート法で塗布し、図8Gに示すように、キャリア生成層6に導光体2を圧着し、乾燥させる。最後に、図8Hに示すように、レジスト膜11を基板12から剥離した後、導光体2の外周部に複数の発光素子1を配置することで、光源装置50が完成する。
[0060]
 導光体2と反対側の、高誘電率層9の表面は、波数ベクトル変換層10としてフォトニック結晶が用いられる代わりに、マイクロレンズアレイが配置される構成や、粗い表面が形成される構成であってもよい。
[0061]
 図9に、高誘電率層9の表面に、マイクロレンズアレイが設けられた指向性制御層の構成例を示す。図9に示すように、指向性制御層14は、マイクロレンズアレイ13を備える構成であっても、波数ベクトル変換層10としてフォトニック結晶を用いた場合と同様の効果が得られる。
[0062]
 図10A及び図10Bに、高誘電率層9の上にマイクロレンズアレイ13が積層された構成の製造工程について説明するための断面図を示す。マイクロレンズアレイ13を備える構成においても、図6A~図6Eに示した製造方法と同様に、導光体2に、キャリア生成層6から高誘電率層9までの各層を積層するので、これらの製造工程の説明を省略する。
[0063]
 図10A及び図10Bに示すように、図6A~図6Eに示した製造方法を用いて、導光体2に、キャリア生成層6から高誘電率層9までの各層を積層した後、高誘電率層9の表面にマイクロレンズアレイ13を形成する。これはあくまで一例であって、この作製方法に限定されるものではない。高誘電率層9の表面に、UV硬化樹脂15をスピンコート法等によって塗布した後、ナノインプリントを用いて、UV硬化樹脂15に所望のレンズアレイパターンを成形し、UV硬化樹脂15に光を照射して硬化させることで、マイクロレンズアレイ13が形成される。
[0064]
 上述したように本実施形態の光源装置50は、導光体2に指向性制御層3が設けられる比較的簡素な構成であるので、光源装置50全体の小型化を図ることができる。また、本実施形態の光源装置50によれば、波数ベクトル変換層10へ入射する光の入射角が、プラズモン励起層8とこのプラズモン励起層8を挟む低誘電率層7と高誘電率層9の誘電率のみで決定される。このため、光学素子51からの出射光の指向性が、発光素子1の指向性に制限されることがなくなる。また、本実施形態の光源装置50は、放射過程においてプラズモン結合を応用することによって、光学素子51からの出射光の放射角を狭めて出射光の指向性を高めることができる。すなわち、本実施形態によれば、発光素子1のエテンデューに依存することなく、光学素子51からの出射光のエテンデューを低減することができる。また、光源装置50からの出射光のエテンデューが、発光素子1のエテンデューによって制限されないので、光源装置50からの出射光のエテンデューを小さく保ったままで、複数の発光素子1からの入射光を合成することができる。
[0065]
 加えて、上述した特許文献1に開示された構成では、軸合わせ部材82a~82dや光源セット81a,81bを備えることで光源ユニット全体が大型化してしまう問題があった。しかし、本実施形態の光学素子51によれば、光学素子51全体の小型化を図ることができる。
[0066]
 また、上述した特許文献2に開示された構成では、複数のLED85からの光が交差プリズムシート88,89で様々な方向に曲げられて光の損失を招く問題があったが、本実施形態の光学素子51によれば、複数の発光素子1からの光の利用効率を向上することができる。
[0067]
 以下、他の実施形態の光源装置を説明する。他の実施形態の光源装置は、第1の実施形態の光源装置50と比べて指向性制御層3の構成のみが異なるので、指向性制御層についてのみ説明する。なお、他の実施形態の指向性制御層において、第1の実施形態における指向性制御層3と同一の層には、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、以下の実施形態では、波数ベクトル変換層10がフォトニック結晶からなる構成を示すが、波数ベクトル変換層10が上述のマイクロレンズアレイ13に置き換えられてもよく、同様の効果が得られる。
[0068]
 (第2の実施形態)
 図11に、第2の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図11に示すように、第2の実施形態における指向性制御層18では、導光体2の上に、キャリア生成層16、プラズモン励起層8、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層17の順に積層されている。
[0069]
 第2の実施形態における指向性制御層18では、波数ベクトル変換層17が第1の実施形態における高誘電率層9を兼ねており、キャリア生成層16が第1の実施形態における低誘電率層7を兼ねている。したがって、プラズモン励起層8でプラズモン結合を生じさせるために、プラズモン励起層8の出射側界面に隣接して配置された層である波数ベクトル変換層17の誘電率は、プラズモン励起層8の入射側界面に隣接して配置された層であるキャリア生成層16の誘電率よりも高く設定されている。
[0070]
 以上のように構成された第2の実施形態の光源装置によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、第1の実施形態に比べて更に小型化を図ることができる。
[0071]
 (第3の実施形態)
 図12に、第3の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図12に示すように、第3の実施形態における指向性制御層19では、導光体2の上に、キャリア生成層6、低誘電率層7、プラズモン励起層8、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層17の順に積層されている。
[0072]
 第3の実施形態における指向性制御層19では、波数ベクトル変換層17が第1の実施形態における高誘電率層9を兼ねている。したがって、プラズモン励起層8でプラズモン結合を生じさせるために、波数ベクトル変換層17の誘電率は、低誘電率層7の誘電率よりも高く設定されている。ただし、波数ベクトル変換層17の誘電率の方が低誘電率層7の誘電率よりも低い場合でも、プラズモン励起層8の波数ベクトル変換層17側の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層8の低誘電率層7側の実効誘電率の実部よりも高ければ、指向性制御層19は動作する。つまり、波数ベクトル変換層17の誘電率には、プラズモン励起層8の出射側部分の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層8の入射側部分の実効誘電率の実部よりも高く保たれる範囲が許容される。
[0073]
 以上のように構成された第3の実施形態の光源装置によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、第1の実施形態に比べて更に小型化を図ることができる。
[0074]
 (第4の実施形態)
 図13に、第4の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図13に示すように、第4の実施形態における指向性制御層20では、導光体2の上に、キャリア生成層16、プラズモン励起層8、高誘電率層9、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層10の順に積層されている。
[0075]
 第4の実施形態における指向性制御層20では、キャリア生成層16が第1の実施形態における低誘電率層7を兼ねている。したがって、プラズモン励起層8でプラズモン結合を生じさせるために、キャリア生成層16の誘電率は、高誘電率層9よりも低く設定されている。ただし、キャリア生成層16の誘電率の方が高誘電率層9の誘電率よりも高い場合でも、プラズモン励起層8のキャリア生成層16側の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層8の高誘電率層9側の実効誘電率の実部よりも低ければ、指向性制御層20は動作する。つまり、キャリア生成層16の誘電率には、プラズモン励起層8の出射側部分の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層8の入射側部分の実効誘電率の実部より高く保たれる範囲が許容される。
[0076]
 以上のように構成された第4の実施形態の光源装置によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、第1の実施形態に比べて更に小型化を図ることができる。
[0077]
 (第5の実施形態)
 図14に、第5の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図14に示すように、第5の実施形態における指向性制御層37では、第1の実施形態におけるプラズモン励起層8に加えて、別のプラズモン励起層としてのプラズモン励起層36が更に配置されている。
[0078]
 第5の実施形態における指向性制御層37では、キャリア生成層6と導光体2との間に、プラズモン励起層36が配置されている。指向性制御層37では、導光体2から入射した光によってプラズモン励起層36でプラズモンが励起され、その励起されたプラズモンによって、キャリア生成層6でキャリアの生成が行われる。
[0079]
 このとき、プラズモン励起層36でプラズモン共鳴を生じさせるために、キャリア生成層6の誘電率を、導光体2の誘電率よりも低くしている。また、キャリア生成層6の材料選択の幅を広げるために、プラズモン励起層36とキャリア生成層6との間に、複素誘電率の実部が導光体2よりも低い誘電率層を挟んで設けてもよい。ここで、プラズモン励起層36の導光体2側の実効誘電率が、プラズモン励起層36のキャリア生成層6側の実効誘電率よりも高い必要がある。
[0080]
 なお、プラズモン励起層8は、キャリア生成層6を単体で、発光素子1の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有している。また、プラズモン励起層36は、発光素子1の発光周波数よりも高いプラズマ周波数を有している。また、異なる複数の発光周波数を有するキャリア生成層6が用いられる場合、プラズモン励起層8は、キャリア生成層6を単体で、発光素子1の光で励起したときに発生する光の異なる周波数のいずれよりも高いプラズマ周波数を有している。同様に、発光周波数が異なる複数種類の発光素子が用いられる場合、プラズモン励起層36は、発光素子の異なる発光周波数のいずれよりもが高いプラズマ周波数を有している。
[0081]
 ここで、発光素子1からの光がプラズモン励起層36の界面においてプラズモンと結合するためには、発光素子1からプラズモン励起層36へ入射させる光の入射角に条件がある。プラズモン励起層36のキャリア生成層6側における入射光の波数ベクトルのうち界面に平行な成分と、プラズモン励起層36のキャリア生成層6側における表面プラズモンの界面に平行な成分とが一致する入射角で光を入射させる必要がある。
[0082]
 このような構成によって、キャリア生成層6においてプラズモンによりキャリアが生成されるので、プラズモンによる蛍光増強効果を利用できる。
[0083]
 以上のように構成された第5の実施形態によれば、プラズモンによる蛍光増強効果によりキャリア生成層6でキャリアが効率的に生成され、キャリアを増やすことができるので、発光素子1からの光の利用効率を更に高めることができる。
[0084]
 (第6の実施形態)
 図15に、第6の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図15に示すように、第6の実施形態における指向性制御層40は、第1の実施形態における指向性制御層3と同様の構成であり、第1の実施形態における低誘電率層7及び高誘電率層9が、それぞれ積層された複数の誘電体層によって構成されている点が異なっている。
[0085]
 つまり、第6の実施形態における指向性制御層40は、複数の誘電体層38a~38cが積層されてなる低誘電率層群38と、複数の誘電体層39a~39cが積層されてなる高誘電率層群39と、を備えている。
[0086]
 低誘電率層群38では、キャリア生成層6に近い方からプラズモン励起層8に向かって誘電率が単調に低くなるように、複数の誘電体層38a~38cが配置されている。同様に、高誘電率層群39では、プラズモン励起層8に近い方からフォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層10側に向って誘電率が単調に低くなるように、複数の誘電体層39a~39cが配置されている。
[0087]
 低誘電率層群38の全体の厚さは、指向性制御層が低誘電率層を独立して備える実施形態における低誘電率層と等しい厚さとしている。同様に、高誘電率層群39の全体の厚さは、指向性制御層が高誘電率層を独立して備える実施形態における高誘電率層と同じ厚さとしている。なお、低誘電率層群38及び高誘電率層群39は、それぞれ3層構造で示したが、例えば2~5層程度の層構造で構成することができる。また、必要に応じて、低誘電率層群及び高誘電率層群をそれぞれ構成する誘電体層の数が異なる構成や、低誘電率層及び高誘電率層の一方のみが複数の誘電率層からなる構成としてもよい。
[0088]
 このように高誘電率層及び低誘電率層が複数の誘電体層から構成されることで、プラズモン励起層8の界面に隣接する各誘電体層の誘電率を良好に設定すると共に、キャリア生成層6、波数ベクトル変換層10又は外部の空気等の媒質と、これらにそれぞれ隣り合う誘電体層との屈折率のマッチングをとることが可能になる。つまり、高誘電体層群39は、波数ベクトル変換層10又は空気等の媒質との界面での屈折率差を小さくし、低誘電体層群38は、キャリア生成層6との界面での屈折率差を小さくすることが可能になる。
[0089]
 以上のように構成された第6の実施形態の指向性制御層40によれば、プラズモン励起層8に隣接する各誘電体層の誘電率を良好に設定すると共に、キャリア生成層6及び波数ベクトル変換層10との界面での屈折率差を小さく設定することが可能になる。このため、光損失を更に低減し、発光素子1からの光の利用効率を更に高めることができる。
[0090]
 なお、低誘電率層群38及び高誘電率層群39の代わりに、内部で誘電率が単調に変化する単層膜が用いてもよい。この構成の場合、高誘電率層は、誘電率がプラズモン励起層7側から波数ベクトル変換層10側に向かって次第に低くなる分布を有する。また同様に、低誘電率層は、誘電率がキャリア生成層6側からプラズモン励起層7側に向かって次第に低くなる分布を有する。
[0091]
 (第7の実施形態)
 図16に、第7の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図16に示すように、第7の実施形態における指向性制御層42は、第1の実施形態における指向性制御層3と同様の構成であり、キャリア生成層6と導光体2との間に、別の低誘電率層41を設ける点が異なっている。
[0092]
 第7の実施形態における指向性制御層42では、キャリア生成層6の直下に低誘電率層41が配置されている。低誘電率層41の誘電率は、導光体2の誘電率よりも低く設定している。発光素子1からの入射光は、導光体2と低誘電率層41との界面で全反射を起こすように、導光体2の光入射部4に対する入射角を所定の角度に設定している。
[0093]
 発光素子1から導光体2に入射した入射光は、導光体2と低誘電率層41との界面で全反射を起こし、この全反射に伴ってエヴァネッセント波が生成される。このエヴァネッセント波がキャリア生成層6に作用することで、キャリア生成層6にキャリアが生成される。
[0094]
 ところで、上述した第1から第5の実施形態の光源装置では、発光素子1から出射した光の一部が各層を透過して出射する。そのため、発光素子1の発光波長とキャリア生成層6の発光波長に対応し、波長が30nm~300nm程度異なる2種類の光がそれぞれ出射している。しかし、本実施形態のように、エヴァネッセント波のみでキャリアを生成することによって、光源装置50からの出射光のうち、発光素子1の発光波長に対応する光を低減し、キャリア生成層6の発光波長に対応する光を増加することが可能になる。したがって、第7の実施形態によれば、発光素子1からの光の利用効率を更に高めることができる。
[0095]
 (第8の実施形態)
 図17に、第8の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図17に示すように、第8の実施形態における指向性制御層45では、第1の実施形態における指向性制御層3と同様の構成であり、プラズモン励起層群44が、積層された複数の金属層44a,44bによって構成されている点が異なっている。
[0096]
 第8の実施形態における指向性制御層45のプラズモン励起層群44では、金属層44a、44bがそれぞれ異なる金属材料によってそれぞれ形成されて積層されている。これによって、プラズモン励起層群44は、プラズマ周波数を調整することが可能になっている。
[0097]
 プラズモン励起層44におけるプラズマ周波数が高くなるように調整する場合には、例えば、金属層44a,44bをそれぞれAg及びAlによって形成する。また、プラズモン励起層44におけるプラズマ周波数が低くなるように調整する場合には、例えば、異なる金属層44a,44bをそれぞれAg及びAuによって形成する。なお、プラズモン励起層44は、一例として2層構造を示したが、必要に応じて3層以上の金属層によって構成されてもよいことは勿論である。
[0098]
 以上のように構成された第8の実施形態の指向性制御層45によれば、プラズモン励起層44が複数の金属層44a,44bによって構成されることによって、プラズモン励起層44における実効的なプラズマ周波数を、キャリア生成層6からプラズモン励起層44に入射する光の周波数に近づけるように調整することが可能になる。このため、発光素子1から光学素子51に入射する光の利用効率を更に高めることができる。
[0099]
 (第9の実施形態)
 図18に、第9の実施形態の光源装置の斜視図を示す。図18に示すように、第9の実施形態の光源装置では、光学素子51から入射する軸対称偏光を所定の偏光状態に揃える偏光変換素子として、光学素子51からの入射光を直線偏光する軸対称偏光用1/2波長板26を備えている。光源装置50からの出射光を軸対称偏光用1/2波長板26によって直線偏光することで、出射光の偏光状態が揃えられた光源装置を実現できる。なお、偏光変換素子によって軸対称偏光を所定の偏光状態に揃えることには、直線偏光することに限定するものではなく、円偏光することも含まれる。また、指向性制御層としては、上述した第1~第8の実施形態における指向性制御層のいずれが適用されてもよいことは勿論である。
[0100]
 図19に、軸対称偏光用1/2波長板26の構造の縦断面図を示す。軸対称偏光用1/2波長板の構成は、あくまで一例であって、この構成に限定されない。図19に示すように、軸対称偏光用1/2波長板26は、配向膜28,31がそれぞれ形成された一対のガラス基板27,32と、これらガラス基板27,32の配向膜28,31を対向させてガラス基板27,32の間に挟んで配置された液晶層30と、ガラス基板27,32の間に配置されたスペーサ29と、を備えている。
[0101]
 液晶層30は、常光に対する屈折率をno、異常光に対する屈折率をneとすると、屈折率neが屈折率noよりも大きい。また、液晶層30の厚さdは、(ne-no)×d=λ/2を満たしている。なお、λは真空中における入射光の波長である。
[0102]
 図20A及び図20Bに、軸対称偏光用1/2波長板26を説明するための模式図を示す。図20Aに、軸対称偏光用1/2波長板26の液晶層30を、ガラス基板32の主面に平行に切った状態の横断面図を示す。図20Bに、液晶分子33の配向方向を説明するための模式図を示す。
[0103]
 図20Aに示すように、液晶分子33は、軸対称偏光用1/2波長板26の中心に対して同心円状に配置されている。また、液晶分子33は、図20Bに示すように、液晶分子33の主軸とこの主軸近傍の座標軸とのなす角をΦとし、座標軸と偏光方向とがなす角をθとすると、液晶分子33は、θ=2Φ、又は、θ=2Φ―180のいずれかの関係式を満たす方向に配向されている。ここで、図20Aと図20Bは同一面内を示している。
[0104]
 図21に、光源装置が軸対称偏光用1/2波長板を備えない構成の場合における、出射光のファーフィールドパターン35を示す。上述した第1~第8の実施形態において、プラズモン励起層8でプラズモン結合が起こる偏光は、P偏光のみであるので、光源装置からの出射光のファーフィールドパターン35が、図21に示すように、偏光方向が放射状になった軸対称偏光となる。
[0105]
 図22に、軸対称偏光用1/2波長板26を通過した出射光のファーフィールドパターン38を示す。本実施形態によれば、上述した軸対称偏光用1/2波長板26を用いることで、図22に示すように、偏光方向37が揃えられた出射光が得られる。
[0106]
 (第1の実施例)
 図23に、上記実施形態におけるプラズモン共鳴特性を説明するための図を示す。図23では、高誘電率層9にTiO 、プラズモン励起層8にAg、低誘電率層7に多孔質SiO を用いた光源装置において、波長653nm、539nm、459nmの光をそれぞれプラズモン励起層8に入射させた場合について、入射角に対する反射率の関係を示している。ここで、高誘電率層9、低誘電率層7は光の波長に比べて十分に厚く形成した。
[0107]
 図23に示すように、入射角が23度付近での反射率の急峻な低下は、この角度が全反射角よりも大きいことから、プラズモンとの結合によるものと理解される。このように、本実施例によれば、プラズモンと結合する角度に異方性があることが分かる。
[0108]
 図24に、上記実施形態における放射角特性を説明するための図を示す。図24では、高誘電率層9にTiO 、プラズモン励起層8にAg、低誘電率層7に多孔質SiO を用いた光源装置において、発光素子1から波長653nm、539nm、459nmの光をそれぞれ指向性制御層に入射させた場合における、光出射部5からの出射光の角度分布を示す。
[0109]
 なお、簡単化のために、計算を2次元で行った。光源装置からの出射光の強度が半分になる角度の全幅を放射角とした場合、放射角は、波長653nm、539nm、459nmの光それぞれに対して0.67度、1.3度、3.0度となる。ここで、波数ベクトル変換層10をなすフォトニック結晶の格子ピッチは、波長653nm、539nm、459nmの光それぞれに対して583nm、471nm、386nmとした。
[0110]
 以上のように、本実施形態の光源装置によれば、プラズモン励起層8を利用することで、光源装置からの出射光の放射角の指向性を高め、かつ、波数ベクトル変換層10の格子構造を適宜調整することで、放射角を±5度以下に狭めて指向性を更に高めることが可能になる。
[0111]
 (第2の実施例)
 図25に、第1の実施形態の光源装置50において、式(1)を用いて算出した実効誘電率から求まるプラズモン共鳴角(図中に○で示す)と、多層膜反射計算によって求まるプラズモン共鳴角(図中に□で示す)とを比較して示す。図25において、横軸が低誘電率層の厚さを示し、縦軸がプラズモン共鳴角を示している。図25に示すように、実効誘電率による計算値と、多層膜反射による計算値とが一致しており、式(1)で定義される実効誘電率によってプラズモン共鳴の条件を定義できることが明らかである。
[0112]
 導光体2としてSiO 、キャリア生成層6としてPVA(ポリビニルアルコール)を母材とする蛍光体、低誘電率層7として多孔質SiO 、プラズモン励起層8としてAg、高誘電率層9としてTiO をそれぞれ用い、それぞれの厚さを、0.5mm、70nm、10nm、50nm、0.5mmとした。また、キャリア生成層6の発光波長を460nmとして計算した。ここで、波数ベクトル変換層18の材質をTiO 、周期構造の深さ、ピッチ、デューティ比をそれぞれ、200nm、280nm、0.5に設定した。この条件下における出射光は、円環状ではなく、ガウス関数状の配光分布を有しているが、ピッチを280nmからずらすことでピークが分裂し、円環状の配向分布が得られる。
[0113]
 図26に、上記の各層の厚さを加味して計算した第1の実施形態の光源装置50の出射光における角度分布を示す。図26において、横軸が出射光の出射角を示し、縦軸が出射光の強度を示している。
[0114]
 なお、簡単化のために、計算を2次元で行った。光学素子50から出射した光の強度が半分になる角度の全幅を放射角とした場合、放射角は、波長460nmの光それぞれに対して±1.7(deg)であった。
[0115]
 したがって、実施形態の光源装置50によれば、光源装置50からの出射光の放射角の指向性を高め、かつ、波数ベクトル変換層10の格子構造を適宜調整することで、放射角を±5度以下に狭めて指向性を更に高めることが可能になる。
[0116]
 第2の実施例において、プラズモン励起層8の出射側部分及び入射側部分の実効誘電率は、式(1)よりそれぞれ、9.8、2.0となる。さらに、表面プラズモンの出射側及び入射側におけるz方向の波数の虚部は、式(2)よりそれぞれ、0、1.28×10 となる。表面プラズモンの有効相互作用距離を、表面プラズモンの強度がe -2となる距離とすれば、1/Im(k spp,z)より、表面プラズモンの有効相互作用距離は、出射側部分及び入射側部分でそれぞれ、無限大、78nmとなる。
[0117]
 なお、本実施形態の光源装置は、画像表示装置の光源装置として用いられるのに好適であり、投射型表示装置が備える光源装置や、液晶パネル(LCD)の直下型光源装置、いわゆるバックライトとして携帯型電話機、PDA(Personal Data Assistant)等の電子機器に用いられてもよい。
[0118]
 最後に、上述した実施形態の光源装置が適用される投射型表示装置としてのLEDプロジェクタについて簡単に説明する。図27に、実施形態の投射型表示装置の模式図を示す。
[0119]
 図27に示すように、実施形態のLEDプロジェクタは、上述した実施形態の光学素子51と、この光学素子51からの出射光が入射する液晶パネル52と、この液晶パネル52からの出射光をスクリーン等の投射面55上に投射する投射レンズを含む投射光学系53と、を備えている。
[0120]
 LEDプロジェクタが備える光源装置50は、指向性制御層が設けられた導光体2の一側面に、赤(R)光用LED57R、緑(G)光用LED57G、及び青(B)光用LED57Bがそれぞれ配置されている。光源装置50の指向性制御層が有するキャリア生成層は、赤(R)光用、緑(G)光用、及び青(B)光用の蛍光体を含んでいる。
[0121]
 図28に、実施形態のLEDプロジェクタに用いられる発光素子1の波長と、蛍光体の励起波長及び発光波長の強度との関係を示す。図28に示すように、R光用LED57R、G光用LED57G、B光用LED57Bの発光波長Rs、Gs、Bsと、蛍光体の励起波長Ra、Ga、Baはそれぞれほぼ等しく設定されている。また、これら発光波長Rs、Gs、Bs及び励起波長Ra、Ga、Baと、蛍光体の発光波長Rr、Gr、Grとは、それぞれ互いに重ならないように設定されている。また、それぞれのR光用LED57R、G光用LED57G、B光用LED57Bの発光スペクトルは、それぞれの蛍光体の励起スペクトルと一致するか、励起スペクトルの内側に収まるように設定されている。また、蛍光体の発光スペクトルは、蛍光体のいずれの励起スペクトルにもほとんど重ならないように設定されている。
[0122]
 LEDプロジェクタでは、時分割方式を採っており、図示しない制御回路部によって、R光用LED57R、G光用LED57G、B光用LED57Bのいずれか1つのみが発光するように切り換えられる。
[0123]
 本実施形態のLEDプロジェクタによれば、上述した実施形態の光源装置50を備えることで、投射映像の輝度を向上することができる。
[0124]
 なお、実施形態のLEDプロジェクタとして、単板型液晶プロジェクタの構成例を挙げたが、R、G、B毎に液晶パネルを備える3板型液晶プロジェクタに適用されてもよいことは勿論である。
[0125]
 以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細は、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
[0126]
 この出願は、2009年9月30日に出願された日本出願特願2009-227331を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

請求の範囲

[請求項1]
 発光素子からの光が入射する導光体と、
 前記導光体に設けられ、前記導光体からの光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、
 前記キャリア生成層の上に積層され、前記キャリア生成層を前記発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、
 前記プラズモン励起層の上に積層され、前記プラズモン励起層から入射する光を所定の出射角に変換して出射する出射層と、を備え、
 前記プラズモン励起層は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれている、光学素子。
[請求項2]
 前記プラズモン励起層の前記導光体側に積層された構造体を含む入射側部分の実効誘電率が、前記プラズモン励起層の前記出射層側に積層された構造体と、前記出射層に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも低い、請求項1に記載の光学素子。
[請求項3]
 前記実効誘電率は、複素実効誘電率ε effであって、該複素実効誘電率ε effが、
 前記プラズモン励起層の界面に平行な方向をx軸、y軸、前記プラズモン励起層の界面に垂直な方向をz軸、前記キャリア生成層から出射する光の角周波数をω、前記入射側部分または前記出射側部分の誘電体の誘電率分布をε(ω,x,y,z)、積分範囲Dを前記入射側部分または前記出射側部分の三次元座標の範囲、表面プラズモンの波数のz成分をk spp,z、虚数単位をjとすれば、
[数1]


を満たし、
 かつ、表面プラズモンの波数のz成分k spp,z、表面プラズモンの波数のx、y成分k sppが、
 前記プラズモン励起層の誘電率の実部をε metal、真空中での光の波数をk 0とすれば、
[数2]


[数3]


を満たしている、請求項2に記載の光学素子。
[請求項4]
 前記プラズモン励起層の前記出射層側、及び前記プラズモン励起層の前記導光体側の少なくとも一方の側に隣接して設けられた誘電率層を備える、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学素子。
[請求項5]
 前記プラズモン励起層は、一対の前記誘電率層の間に挟まれ、
 前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接する前記誘電率層は、前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接する前記誘電率層よりも誘電率が低い、請求項4に記載の光学素子。
[請求項6]
 前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接して設けられた前記誘電率層は、前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接する層よりも誘電率が低い低誘電率層である、請求項4に記載の光学素子。
[請求項7]
 前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接して設けられた前記誘電率層は、前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接する層よりも誘電率が高い高誘電率層である、請求項4に記載の光学素子。
[請求項8]
 前記導光体と前記キャリア生成層との間に設けられ、前記発光素子の周波数よりも高いプラズマ周波数を有する別のプラズモン励起層を更に備える、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学素子。
[請求項9]
 前記導光体の前記キャリア生成層側に隣接して設けられ、前記導光体よりも誘電率が低い低誘電率層を備え、
 前記キャリア生成層は、前記導光体からの光が前記キャリア生成層との界面で全反射したときに生じるエヴァネッセント波によってキャリアを生成する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学素子。
[請求項10]
 前記低誘電率層は、誘電率が異なる複数の誘電体層が積層されて構成され、前記複数の誘電体層が、前記キャリア生成層側から前記プラズモン励起層側に向かう順に誘電率が低くなるように配置されている、請求項6に記載の光学素子。
[請求項11]
 前記高誘電率層は、誘電率が異なる複数の誘電体層が積層されて構成され、前記複数の誘電体層が、前記プラズモン励起層側から前記出射層側に向かう順に誘電率が低くなるように配置されている、請求項7に記載の光学素子。
[請求項12]
 前記低誘電率層は、誘電率が前記キャリア生成層側から前記プラズモン励起層側に向かって次第に低くなる分布を有している、請求項6に記載の光学素子。
[請求項13]
 前記高誘電率層は、誘電率が前記プラズモン励起層側から前記出射層側に向かって次第に低くなる分布を有する、請求項7に記載の光学素子。
[請求項14]
 前記プラズモン励起層は、異なる金属材料からなる複数の金属層が積層されて構成されている、請求項1ないし7、9ないし13のいずれか1項に記載の光学素子。
[請求項15]
 前記出射層は、表面周期構造を有している、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の光学素子。
[請求項16]
 前記出射層は、フォトニック結晶からなる、請求項1ないし14のいずれか1に記載の光学素子。
[請求項17]
 前記低誘電率層は、多孔質層である、請求項6、9、10、12のいずれか1項に記載の光学素子。
[請求項18]
 前記プラズモン励起層は、Ag、Au、Cu、Al、Ptのうちのいずれか1つ、又はこれらのうちの少なくとも1つを含む合金からなる、請求項1ないし7、9ないし17のいずれか1項に記載の光学素子。
[請求項19]
 請求項1ないし18のいずれか1項に記載の光学素子と、
 前記導光体の外周部に配置された発光素子と、を備える光源装置。
[請求項20]
 前記光学素子から入射する軸対称偏光を所定の偏光状態に揃える偏光変換素子を備える、請求項19に記載の光源装置。
[請求項21]
 請求項19又は20に記載の光源装置と、
 前記光源装置の出射光によって投射映像を投射する投射光学系と、を備える投射型表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 6C]

[ 図 6D]

[ 図 6E]

[ 図 7A]

[ 図 7B]

[ 図 7C]

[ 図 7D]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 8C]

[ 図 8D]

[ 図 8E]

[ 図 8F]

[ 図 8G]

[ 図 8H]

[ 図 9]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20A]

[ 図 20B]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]