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1. (WO2019031370) WORKING MEDIUM FOR REFRIGERATION CYCLE, AND REFRIGERATION CYCLE SYSTEM
Document

明 細 書

発明の名称 冷凍サイクル用作動媒体および冷凍サイクルシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

0008   0009   0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141  

実施例

0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198  

産業上の利用可能性

0199  

符号の説明

0200  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6A   6B  

明 細 書

発明の名称 : 冷凍サイクル用作動媒体および冷凍サイクルシステム

技術分野

[0001]
 本開示は、1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を、有効に抑制または緩和することが可能な冷凍サイクル用作動媒体、およびこれを用いた冷凍サイクルシステムに関する。

背景技術

[0002]
 冷凍サイクル用作動媒体(冷媒または熱媒体ともいう)として、以前はHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)が用いられていた。しかし、HCFCはオゾン層破壊に大きな影響を及ぼす。そこで、近年では、オゾン層破壊係数(以下、ODP)がゼロ(0)のHFC(ハイドロフルオロカーボン)が用いられている。代表的なHFCとしては、混合冷媒であるR410A(アメリカ暖房冷凍空調学会(ASHRAE)のStandard 34規格に基づく冷媒番号)が挙げられる。
[0003]
 しかしながら、R410Aは地球温暖化係数(以下、GWP)が大きいため、最近では、GWPがより小さい、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)の使用が提案されている。例えば、特許文献1には、HFOとして、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO1123)を用いることが開示されている。特許文献1では、1,1,2-トリフルオロエチレンとともにジフルオロメタン(HFC32,R32)等のHFCを併用することも、開示されている。
[0004]
 1,1,2-トリフルオロエチレンは、従来のHFC等に比べて安定性が低いため、大気中に残存しにくい。このため、1,1,2-トリフルオロエチレンは、ODPおよびGWPが小さい。
[0005]
 ところが、特許文献2に示唆されているように、1,1,2-トリフルオロエチレンは安定性が低く、これに起因して、1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応と呼ばれる自己重合反応(以下、不均化反応と記載する。)が生じやすいことが知られている。
[0006]
 また、不均化反応は、冷凍サイクル用作動媒体の使用中に生じた発熱等に誘引されて生じやすく、しかも不均化反応の発生には大きな熱放出が伴われるため、不均化反応が連鎖的に生じることが知られている。不均化反応が連鎖的に生じることで大量の煤が発生し、発生した大量の煤が、冷凍サイクルシステム、またはこのシステムを構成する圧縮機等の信頼性を低下させる可能性がある。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 国際公開第2012/157764号
特許文献2 : 国際公開第2015/141679号

発明の概要

[0008]
 本開示は、冷媒成分として1,1,2-トリフルオロエチレンおよびジフルオロメタンが併用される場合に、より高温の条件下であっても、1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制し、または緩和することの可能な、冷凍サイクル用作動媒体と、これを用いた冷凍サイクルシステムとを提供する。
[0009]
 本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体は、冷媒成分として、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンを含有するとともに、(C)炭素数が1から4のいずれかであって、ハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンを含有し、(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、(B)ジフルオロメタン、および(C)ハロアルカンの3成分の質量比組成が三角座標(A,B,C)による3成分組成図により表されたときに、これら3成分の組成は、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンが、0質量%より大きく、かつ65質量%以下である領域aと、(B)ジフルオロメタンが、0質量%より大きく、かつ30質量%以下である領域bと、が重複する第一重複領域と、(C)ハロアルカンが、20質量%以上、かつ100質量%未満である領域cと、領域bとが重複する第二重複領域と、から構成される合成領域に対応する組成の範囲となるものである。
[0010]
 これにより、通常の使用条件下における温度域だけでなく、より高温域である150℃以上の温度条件下においても、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制し、または緩和することができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 図1は、本開示の実施の一形態に係る冷凍サイクルシステムにおいて、(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、(B)ジフルオロメタン、および(C)ハロアルカンの3成分の組成図であって、(A)~(C)成分の組成範囲である領域S1を示す図である。
[図2] 図2は、図1に示す領域S1を、線で囲まれた領域として示す図である。
[図3] 図3は、図1に対応する(A)~(C)成分の組成範囲内における、領域S2を示す図である。
[図4] 図4は、図1に対応する(A)~(C)成分の組成範囲内における、領域S3を示す図である。
[図5] 図5は、図1に対応する(A)~(C)成分の組成範囲内における、領域S4を示す図である。
[図6A] 図6Aは、本開示の実施の一形態にかかる冷凍サイクルシステムの一例を模式的に示すブロック構成図である。
[図6B] 図6Bは、本開示の実施の一形態にかかる冷凍サイクルシステムの他の一例を模式的に示すブロック構成図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 (本開示の基礎となった知見)
 本発明者等は、1,1,2-トリフルオロエチレンおよびジフルオロメタンが併用された冷媒について、鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
[0013]
 1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応については、不明な部分が多い。不均化反応は、後述するように、1,1,2-トリフルオロエチレンの自己分解反応と、この自己分解反応に続く重合反応とを含む反応である。
[0014]
 しかし、例えば、特許文献2では、不均化反応については、単に「自己重合反応」と記載されているのみで、不均化反応を抑制することについての具体的な検討内容は記載されていない。特許文献2の開示内容によると、不均化反応の発生自体が抑制されているというよりも、ジフルオロメタンが混合されることによって、作動媒体の全量における1,1,2-トリフルオロエチレンの含有量が低くなり、これによって、「自己重合反応」の発生頻度が低下したものであると考えられる。
[0015]
 また、特許文献2では、1,1,2-トリフルオロエチレンおよびジフルオロメタンが併用された熱サイクル用作動媒体が熱サイクルシステムに適用される場合の、熱サイクル用作動冷媒として使用可能な温度条件は、130℃以下程度であると記載されている。
[0016]
 しかしながら、本発明者らの鋭意検討の結果、熱サイクル中において圧縮機が使用される際に想定される諸条件によっては、130℃より高温の条件下においても1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の抑制を図る必要があるとの知見を得た。
[0017]
 なお、特許文献1には、具体的な温度条件は特に示されていない。
[0018]
 上記新規な知見に基づき、本発明者らは、以下の開示をするに至った。
[0019]
 本開示の第一の態様に係る冷凍サイクル用作動媒体は、冷媒成分として、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンを含有するとともに、(C)炭素数が1から4のいずれかであって、ハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンを含有し、A)1,1,2-トリフルオロエチレン、(B)ジフルオロメタン、および(C)ハロアルカンの3成分の質量比組成が三角座標(A,B,C)による3成分組成図により表されたときに、これら3成分の組成は、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンが、0質量%より大きく、かつ65質量%以下である領域aと、(B)ジフルオロメタンが、0質量%より大きく、かつ30質量%以下である領域bと、が重複する第一重複領域と、(C)ハロアルカンが、20質量%以上、かつ100質量%未満である領域cと、領域bとが重複する第二重複領域と、から構成される合成領域に対応する組成の範囲となるものである。
[0020]
 これにより、通常の使用条件下における温度域だけでなく、より高温域である150℃以上の温度条件下においても、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制し、または緩和することができる。また、冷凍サイクル用作動媒体の地球温暖化係数(GWP)について、適正な範囲内にすることができる。
[0021]
 本開示の他の態様に係る冷凍サイクル用作動媒体は、(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、(B)ジフルオロメタン、および(C)ハロアルカンからなる3成分の組成が、3成分組成図における合成領域内であって、さらに、(B)ジフルオロメタンが30質量%である線L1、点p1(A,B,C)=(80,0,20)と、点p2(A,B,C)=(65,15,20)とを結ぶ線L2、点p2と、線L1上の点である点p3(A,B,C)=(65,30,5)とを結ぶ線L3、および、線L1上の点である点p4(A,B,C)=(40,30,30)と、点p5(A,B,C)=(40,0,60)とを結ぶ線L4で囲まれた領域に対応する組成の範囲内である構成であってもよい。
[0022]
 (A)~(C)成分の組成が当該組成の範囲内であれば、より高温域の温度条件下においても、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制し、または緩和することができる。また、冷凍サイクル用作動媒体について、GWPを適正な範囲にすることができるとともに、冷媒性能も良好なものとなる。
[0023]
 また、本開示の他の態様に係る構成の冷凍サイクル用作動媒体は、(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、(B)ジフルオロメタン、および(C)ハロアルカンからなる3成分の組成が、線L1、線L3、および、線L1上の点である点p6(A,B,C)=(50,30,20)と、点p2とを結ぶ線L5で囲まれた領域に対応する組成の範囲内である構成であってもよい。
[0024]
 (A)~(C)成分の組成が当該組成の範囲内であれば、より高温域の温度条件下においても、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制し、または緩和することができる。また、冷凍サイクル用作動媒体について、GWPを適正な範囲にすることができるとともに、冷媒性能も良好なものとなる。
[0025]
 また、本開示の他の態様に係る構成の冷凍サイクル用作動媒体は、(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、(B)ジフルオロメタン、および(C)ハロアルカンからなる3成分の組成が、線L1、線L5、および、線L1上の点である点p7(A,B,C)=(60,30,10)と、点p2とを結ぶ線L6で囲まれた領域に対応する組成の範囲内である構成であってもよい。
[0026]
 (A)~(C)成分の組成が当該組成の範囲内であれば、より高温域の温度条件下においても、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制し、または緩和することができる。また、冷凍サイクル用作動媒体について、GWPを適正な範囲にすることができるとともに、冷媒性能も良好なものとなる。
[0027]
 また、本開示の他の態様に係る冷凍サイクル用作動媒体は、ハロアルカンが、次式(1)
  C pqr ・・・ (1)
(ただし、式(1)におけるXは、F,Cl,Br,およびIからなる群より選択されるハロゲン原子であり、pは1から4のいずれかの整数であり、qは0または1以上の整数であるとともにrは1以上の整数であり、qおよびrの和は2p+2であり、rが2以上のときXは同一または異なる種類のハロゲン原子である)に示す構造を有する(XがFのみの場合を除く)構成であってもよい。
[0028]
 このような構成によれば、ハロアルカンとして、式(1)に示す炭素数1~4のハロアルカンを用いることになるので、不均化反応の抑制または不均化反応の進行の緩和を良好に実現することができる。
[0029]
 また、本開示の他の態様に係る冷凍サイクル用作動媒体は、ハロアルカンは、ハロゲン原子Xのうちの少なくとも一つのハロゲン原子XがIである構成であってもよい。
[0030]
 このような構成によれば、ハロアルカンとして、不均化反応の抑制または不均化反応の進行の緩和をより良好に実現できるもの、あるいは、入手性または取扱性に制限を受けにくいものを用いることができる。
[0031]
 また、本開示の他の態様に係る冷凍サイクル用作動媒体は、ハロアルカンは、pが2以上であり、かつ、rが2以上であれば、ハロゲン原子Xのうちの少なくとも二つのハロゲン原子Xが、FおよびIである構成であってもよい。
[0032]
 このような構成によれば、ハロアルカンとして、不均化反応の抑制または不均化反応の進行の緩和をより良好に実現できるもの、あるいは、入手性または取扱性に制限を受けにくいものを用いることができる。
[0033]
 また、本開示の他の態様に係る冷凍サイクル用作動媒体は、ハロアルカンが、ジヨードメタン(CH 22)、ジフルオロジヨードメタン(CF 22)、1-ブロモ-2-ヨードテトラフルオロエタン(CF 2BrCF 2I)、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(CF 3CH 2I)、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(CF 3(CH 2) 2I)、および1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードブタン(CF 3(CH 2) 3I)からなる群より選択される少なくともいずれかである構成であってもよい。
[0034]
 このような構成によれば、(C)ハロアルカンとして上述の各化合物を用いることで、より高温域である150℃以上の温度条件下においても、不均化反応の抑制または不均化反応の進行の緩和をより良好に実現することができる。
[0035]
 さらに、本開示には、上述した構成の冷凍サイクル用作動媒体を用いて構成される冷凍サイクルシステムも含まれる。
[0036]
 このような構成によれば、上述した冷凍サイクル用作動媒体を用いて冷凍サイクルシステムが構成されるので、効率的な冷凍サイクルシステムを実現できるとともに、冷凍サイクルシステムの信頼性を向上させることができる。
[0037]
 以下、本開示の代表的な実施の形態を具体的に説明する。本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体は、冷媒成分として、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンを含有する。また、冷凍サイクル用作動媒体は、(C)炭素数が1から4のいずれかであってハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンを含有する。
[0038]
 (C)炭素数が1から4のいずれかであってハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンは、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を抑制する不均化抑制剤として用いられる。
[0039]
 言い換えれば、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体は、冷媒成分として(A)成分および(B)成分の2成分を含有し、かつ、(C)成分を含有するものであり、これら(A)~(C)の3成分を必須成分として組成されている。なお、本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体には、冷媒成分として、(A)~(C)成分以外の成分が含有されてもよい。
[0040]
 [冷媒成分]
 本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体には、冷媒成分として、少なくとも(A)1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO1123)および(B)ジフルオロメタン(HFC32,R32)の2成分が含まれる。
[0041]
 これらの成分のうち、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンは、次に示す式(2)の構造を有している。(A)1,1,2-トリフルオロエチレンは、エチレンの1位の炭素原子(C[元素記号])に結合する2つの水素原子(H)がフッ素(F)に置換されているとともに、2位の炭素原子に結合する2つの水素原子のうち一方がフッ素に置換された構造である。
[0042]
[化1]


[0043]
 (A)1,1,2-トリフルオロエチレンは、炭素-炭素二重結合を含む。大気中のオゾンの光化学反応によって、ヒドロキシルラジカル(OHラジカル)が生成される。(A)1,1,2-トリフルオロエチレンは、このヒドロキシルラジカルにより二重結合が分解されやすい。そのため、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンは、オゾン層破壊および地球温度化への影響が少ないものとなる。
[0044]
 このような(A)1,1,2-トリフルオロエチレンが、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体における冷媒成分の「主成分(主冷媒成分)」である。一方、(B)ジフルオロメタンは、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体における冷媒成分の「副成分(副冷媒成分)」いうことができる。(B)ジフルオロメタンは、前述したように、これまで用いられてきたHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)と比較して、オゾン層破壊係数(ODP)が小さく(ゼロ)であり、かつ、良好な冷媒性能を有する。
[0045]
 また、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体には、冷媒成分として、(A)成分および(B)成分以外の「他の冷媒成分」が含有されてもよい。代表的な他の冷媒成分としては、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロパン、ペンタフルオロブタンおよびヘプタフルオロシクロペンタン等のハイドロフルオロカーボン(HFC)、並びに、モノフルオロプロペン、トリフルオロプロペン、テトラフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペンおよびヘキサフルオロブテン等のハイドロフルオロオレフィン(HFO)等を挙げることができるが、特に限定されない。
[0046]
 これらのHFCまたはHFOは、いずれもオゾン層破壊および地球温暖化への影響が少ないものとして知られており、1,1,2-トリフルオロエチレンとともに冷媒成分として併用することが可能である。前述した他の冷媒成分は、1種類のみが併用されてもよいし、2種類以上が適宜組み合わされて併用されてもよい。
[0047]
 ここで、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンは、前述した良好な分解性によって、急激な不均化反応を引き起こすことも知られている。(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応とは、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの分子が分解する自己分解反応の発生、および、この自己分解反応に続いて発生する、分解により生じた炭素が重合して煤となる重合反応等を指す。
[0048]
 高温高圧状態において発熱等により活性ラジカルが発生すると、この活性ラジカルと(A)1,1,2-トリフルオロエチレンとが反応して、前述した不均化反応が発生する。この不均化反応は発熱を伴うことから、この発熱により活性ラジカルが発生する。この結果、この活性ラジカルによって更なる不均化反応が誘発される。このように、活性ラジカルの発生と不均化反応の発生とが連鎖することで、不均化反応が急激に進行する。
[0049]
 本発明者らが鋭意検討した結果、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を誘発する活性ラジカルは、主として、フッ素ラジカル(Fラジカル)、トリフルオロメチルラジカル(CF 3ラジカル)およびジフルオロメチレンラジカル(CF 2ラジカル)等のラジカルであることが明らかとなった。
[0050]
 そこで、本発明者らは、冷媒成分として、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンとともに(B)ジフルオロメタンを併用する条件において、Fラジカル、CF 3ラジカルおよびCF 2ラジカル等を効率よく捕捉することが可能な物質(不均化抑制剤)を冷凍サイクル用作動媒体に添加することで、急激な不均化反応を、抑制または緩和することを試みた。
[0051]
 その結果、後述するように、(C)成分として、炭素数1~4のいずれかのハロアルカン(ただしハロゲン原子が全てフッ素の場合を除く)を不均化抑制剤として添加することにより、効果的に不均化反応を抑制し得ることを独自に見出した。
[0052]
 [不均化抑制剤]
 本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体には、前述した(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を抑制する不均化抑制剤として、(C)炭素数が1から4のいずれかであって、ハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンを用いられている。この(C)成分のハロアルカンのことを、説明の便宜上、単に「(C)ハロアルカン」と略す。
[0053]
 後述のように、(C)ハロアルカンが不均化抑制剤として用いられることで、添加される(C)ハロアルカンの量が少ない場合であっても、不均化反応の抑制または進行の緩和を実現することが可能になる。
[0054]
 本開示において不均化抑制剤として用いられる(C)ハロアルカンは、炭素数が1~4のいずれかであって、ハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くものであればよい。より具体的には、炭素数1のハロメタン(ハロゲン化メタン)、炭素数2のハロエタン(ハロゲン化エタン)、炭素数3のハロプロパン(ハロゲン化プロパン)、炭素数4のハロブタン(ハロゲン化ブタン)等を挙げることができる。
[0055]
 (C)ハロアルカンとしては、ハロメタン、ハロエタン、ハロプロパン、およびハロブタンのうちいずれかが用いられればよいが、これらのハロアルカンが2種類以上適宜選択されて併用されてもよい。
[0056]
 ここでいう2種類以上の選択とは、異なる炭素数のハロアルカンが2種類以上選択される場合(例えば、任意のハロメタンおよび任意のハロメタンの組合せ)だけでなく、同じ炭素数のハロアルカンであって、置換されたハロゲン原子の種類が異なるものが2種類以上選択される場合(例えば、第一のハロエタンと、これとは異なる第二のハロエタンとの組合せ)も含むものとする。また、ハロブタンは直鎖構造であってもよいが、分岐鎖構造(すなわちイソブタンまたは2-メチルプロパンと同じ炭素骨格を有する構造)であってもよい。
[0057]
 不均化抑制剤として用いられるハロアルカンは、具体的には、次の式(1)に示す構造を有するものであればよい。
[0058]
  C pqr ・・・ (1)
 ただし、式(1)におけるXは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、およびヨウ素(I)からなる群より選択されるハロゲン原子である。また、pは1から4のいずれかの整数であり、qは0または1以上の整数であるとともに、rは1以上の整数である。また、qおよびrの和は、2p+2である。また、rが2以上のとき、Xは同一または異なる種類のハロゲン原子である。
[0059]
 つまり、式(1)に示すハロアルカンは、次式(11)に示すハロメタン、次式(12)に示すハロエタン、次式(13)に示すハロプロパン、次式(14)に示すハロブタンのうち、少なくともいずれかであればよい。これら式(11)~式(14)に示す(C)ハロアルカンにおけるハロゲン原子Xは、ハロゲン原子Xが2つ以上の場合は、互いに異なる種類のハロゲン原子であってもよいし、少なくとも2個以上が同一種類で他が異なる種類のハロゲン原子であってもよいし、全てが同一種類のハロゲン原子であってもよい。
[0060]
  CH qr(p=1なのでq+r=4) ・・・ (11)
  C 2qr(p=2なのでq+r=6) ・・・ (12)
  C 3qr(p=3なのでq+r=8) ・・・ (13)
  C 4qr(p=4なのでq+r=10) ・・・ (14)
 ただし、上記式(1)に示すハロアルカンからは、XがFのみで構成されたものは除かれる。これは、XがFのみで構成されたハロアルカンは、他の冷媒成分として併用されることが可能な化合物であって、不均化抑制剤としては実質的に機能しないためである。
[0061]
 式(1)に示す(C)ハロアルカンにおいては、ハロゲン原子Xは、上述の通り、F,Cl,Br,およびIのうちの少なくともいずれかであればよいが、ハロゲン原子Xのうちの少なくとも一つのハロゲン原子XはIであることが好ましい。また、式(12)~式(14)に示す(C)ハロアルカン、すなわち、炭素数が2以上(p≧2)の(C)ハロアルカンにおいては、ハロゲン原子数が2以上(r≧2)である場合には、ハロゲン原子Xのうちの少なくとも二つのハロゲン原子Xは、FおよびIであることが好ましい。
[0062]
 式(1)に示す(C)ハロアルカンがClおよびBrのうち、少なくともいずれかを含む場合、当該(C)ハロアルカンのオゾン層破壊係数(ODP)が高くなる傾向にある。従って、当該(C)ハロアルカンの入手または取扱について、制限される可能性がある。また、ハロゲン原子Xの種類によらず、式(1)に示す(C)ハロアルカンの中には、オゾン層破壊係数(ODP)および地球温暖化係数(GWP)のうち、少なくともいずれかが、式(1)に示す他の(C)ハロアルカンと比較して相対的に大きい化合物も含まれる。
[0063]
 ただし、後述するように、本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体において、不均化抑制剤として添加される(C)ハロアルカンは、冷媒成分と比べて相対的に少量であっても、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制したり、不均化反応の急激な進行を緩和したりすることができる。
[0064]
 また、(C)ハロアルカンが、後述する他の不均化抑制剤とともに併用された場合であっても、不均化抑制剤全体としての添加量は、冷媒成分の量に比べて十分に少ない。そのため、(C)ハロアルカンとして、ODPまたはGWPが相対的に大きいものが用いられても、環境に有意な影響を与えることはない。
[0065]
 式(1)に示す(C)ハロアルカンであれば、いずれを用いるかは特に限定されないが、具体的には、例えば、(モノ)ヨードメタン(CH 3I)、ジヨードメタン(CH 22)、ジブロモメタン(CH 2Br 2)、ブロモメタン(CH 3Br)、ジクロロメタン(CH 2Cl 2)、クロロヨードメタン(CH 2ClI)、ジブロモクロロメタン(CHBr 2Cl)、四ヨウ化メタン(CI 4)、四臭化炭素(CBr 4)、ブロモトリクロロメタン(CBrCl 3)、ジブロモジクロロメタン(CBr 2Cl 2)、トリブロモフルオロメタン(CBr 3F)、フルオロジヨードメタン(CHFI 2)、ジフルオロジヨードメタン(CF 22)、ジブロモジフルオロメタン(CBr 22)およびトリフルオロヨードメタン(CF 3I)等のハロメタン、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(CF 3CH 2I)、モノヨードエタン(CH 3CH 2I)、モノブロモエタン(CH 3CH 2Br)、1,1,1-トリヨードエタン(CH 3CI 3)および1-ブロモ-2-ヨードテトラフルオロエタン(CF 2BrCF 2I)等のハロエタン、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(CF 3(CH 2) 2I)等のハロプロパン並びに1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードブタン(CF 3(CH 2) 3I)等のハロブタン等が挙げられる。
[0066]
 これらハロアルカンは、1種類のみが用いられてもよいし2種類以上が適宜組み合わせられて用いられてもよい。これらのハロアルカンの中でも、入手性、ODPの値、および取扱性等を考慮すれば、ジヨードメタン(CH 22)、ジフルオロジヨードメタン(CF 22)、1-ブロモ-2-ヨードテトラフルオロエタン(CF 2BrCF 2I)、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(CF 3CH 2I)、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(CF 3(CH 2) 2I)、および1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードブタン(CF 3(CH 2) 3I)からなる群より選択される少なくともいずれかが特に好ましく用いられる。
[0067]
 [併用し得る他の成分]
 本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体は、冷凍サイクルシステムで用いられる。このため、冷凍サイクル用作動媒体は、前述の(A)~(C)成分以外に、冷凍サイクルシステムが備える圧縮機を潤滑する潤滑油(冷凍機油)と併用されてもよい。
[0068]
 本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体は、前述したように、少なくとも、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンを「主成分」として(B)ジフルオロメタンを「副成分」とする冷媒成分と、前述した(C)ハロアルカンで構成される不均化抑制剤と、で構成されていればよい。さらに、冷凍サイクル用作動媒体が潤滑油と併用される場合には、冷媒成分、不均化抑制剤、および潤滑油成分によって作動媒体の組成物が構成されることになる。
[0069]
 なお、本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体は、上述の冷媒成分、不均化抑制剤、および潤滑油成分以外に、他の成分を含有していてもよい。
[0070]
 なお、本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体においては、不均化抑制剤は、冷媒成分に混合されてもよいし、潤滑油成分に混合されてもよい。
[0071]
 不均化抑制剤のうち、飽和炭化水素およびハロメタンは、通常、常温常圧で気体であるため、冷媒成分に混合されるとよい。これに対して、ハロエタンは、通常、常温常圧で液体であるため、蒸気圧分で存在するハロエタンの気相部分は冷媒成分に混合されるとよく、液相部分は潤滑油成分に混合されるとよい。
[0072]
 飽和炭化水素またはハロメタンとして、常温常圧で液体のものが用いられる場合にも、ハロエタンの場合と同様に、液相部分は潤滑油成分に混合されるとよい。
[0073]
 冷凍サイクル用作動媒体の組成物であって、冷凍サイクル用作動媒体とともに併用される潤滑油成分としては、冷凍サイクルシステムにおいて公知の各種潤滑油が好適に用いられる。具体的な潤滑油の例としては、エステル系潤滑油、エーテル系潤滑油、グリコール系潤滑油、アルキルベンゼン系潤滑油、フッ素系潤滑油、鉱物油および炭化水素系合成油等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。潤滑油は、1種類のみが用いられてもよいし、2種類以上が適宜組み合わせられて用いられてもよい。
[0074]
 また、冷凍サイクル用作動媒体の組成物として、不均化抑制剤以外の公知の各種添加剤が添加されてもよい。具体的な添加剤の例としては、酸化防止剤、水分捕捉剤、金属不活性化剤、摩耗防止剤および消泡剤等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
[0075]
 酸化防止剤は、冷媒成分もしくは潤滑油の熱安定性、耐酸化性および化学的安定性等を改善するために用いられる。水分捕捉剤は、冷凍サイクルシステム内に水分が浸入した場合に、当該水分を除去するものであり、特に、潤滑油の性質変化を抑制するために用いられる。金属不活性化剤は、金属成分の触媒作用による化学反応を抑制または防止するために用いられる。摩耗防止剤は、圧縮機内の摺動部分における摩耗、特に、圧力の高い状態での運転時の摩耗を軽減するために用いられる。消泡剤は、特に、潤滑油に気泡が発生することを抑制するために用いられる。
[0076]
 これら添加剤の具体的な種類は特に限定されず、冷凍サイクルの諸条件に応じて、公知の化合物等が好適に用いられる。また、これら添加剤としては、1種類の化合物等みが用いられてもよいし、2種類以上の化合物等が適宜組み合わせられて用いられてもよい。さらに、これら添加剤の添加量も特に限定されず、本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体、または、これを含有する作動媒体含有組成物の性質が損なわれない限り、通常用いられる、公知の範囲内の量の添加剤がこれらに添加されてもよい。
[0077]
 [冷凍サイクル用作動媒体の組成]
 次に、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体の具体的な組成、特に、冷媒成分である(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタン、並びに不均化抑制剤である(C)ハロアルカンの含有量について、図1~図5を参照して具体的に説明する。
[0078]
 本発明者らが鋭意検討した結果、圧縮機が通常運転された場合には、冷媒成分および不均化抑制剤の全量(説明の便宜上、「冷媒関係成分全量」とする。)を100質量%としたときに、不均化抑制剤の添加量(含有量)の上限は、特に限定されないものの、一例として、冷媒関係成分全量の10質量%以下であればよいことが明らかとなった。
[0079]
 しかしながら、本発明者らがさらに鋭意検討した結果、圧縮機において何らかの異常が発生して圧縮機内の温度が上昇した場合には、単に不均化抑制剤の含有量が10質量%以下であるだけでは不十分ということも明らかとなった。
[0080]
 圧縮機は、一般的に、少なくとも回転子(ロータ)および固定子(ステータ)で構成される回転要素と、冷凍サイクル用作動媒体を構成する冷媒成分を少なくとも圧縮する圧縮要素と、を備えている。ここで、何らかの異常により回転子がロックされて回転できない状態が生じれば、通常は、圧縮機が備える保護装置が動作して回転要素への電流供給が停止される。
[0081]
 しかしながら、万が一、保護装置が適切に動作しなければ、回転要素への電流供給が継続されて回転要素が異常に発熱し、圧縮機の内部が高温の状態になる可能性がある。したがって、冷媒成分として少なくとも(A)1,1,2-トリフルオロエチレンを用いる場合においても、このような圧縮機の内部が高温の状態になる事態を想定する必要がある。このため、冷媒圧縮機の内部が高温化した状態においても、良好に(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の抑制を図る必要がある。
[0082]
 圧縮機の通常運転では、圧縮機の内部の温度の上限は120~130℃程度であると想定していれば足りる(例えば特許文献2参照)。しかしながら、前述の通り、もし圧縮機に異常が生じて圧縮機の内部が高温の状態となった場合には、圧縮機の内部の温度は、少なくとも150℃以上であり、状況によっては、180℃以上または200℃以上にまで上昇する可能性がある。
[0083]
 そこで、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体には、150℃以上の温度条件下における(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を抑制し得るように、添加剤が併用される。本開示においては、当該添加剤には、不均化抑制剤として好適な(C)ハロアルカン(炭素数が1から4のいずれかであってハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカン)が用いられるとともに、(A)~(C)成分の好適な組成範囲が限定されている。
[0084]
 図1~図4は、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体の必須成分である、(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、(B)ジフルオロメタン、および(C)ハロアルカンの3成分の組成を三角座標(A,B,C)で表した3成分組成図(3元組成図)である。なお、説明の便宜上、(A)~(C)成分から構成される3成分の組成物を、「3成分組成物」と称する。この3成分組成物は、実質的に冷凍サイクル用作動媒体と同じである。ただし、冷凍サイクル用作動媒体は、前述のように(A)~(C)成分以外の他の成分を含んでもよいので、3成分組成物は、冷凍サイクル用作動媒体の「基本成分」であるともいえる。
[0085]
 また、図1~図5に示す正三角形の三角座標では、正三角形の各辺が、冷凍サイクル用作動媒体中における(A)~(C)成分の量に対応する軸であり、その単位は質量%である。図1~図5に示す各三角座標において、底辺の軸(A軸)が(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの質量%を示しており、左側の等辺の軸(B軸)が(B)ジフルオロメタンの質量%を示しており、右側の等辺の軸(C軸)が(C)ハロアルカンの質量%を示している。
[0086]
 図1~図5に示す各三角座標においては、左下の底角に位置する点pAに近づくほど、3成分組成物における(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの質量が多いことを意味する。点pAは、(A)成分が100質量%であり(B)および(C)成分が0質量%の組成を示す((A,B,C)=(100,0,0))。
[0087]
 また、同様に、上の頂角に位置する点pBに近づくほど、3成分組成物における(B)ジフルオロメタンの質量が多いことを意味する。点pBは、(B)成分が100質量%であり(A)および(C)成分が0質量%の組成を示す((A,B,C)=(0,100,0))。
[0088]
 また、同様に、右下の底角に位置する点pCに近づくほど、3成分組成物における(C)ハロアルカンの質量が多いことを意味する。点pCは、(C)成分が100質量%であり(A)および(B)成分が0質量%の組成を示す。
[0089]
 それゆえ、図1~図5に示す各三角座標においては、A軸は、3成分組成物において(B)ジフルオロメタンの含有量が0質量%を示す。また、B軸は、3成分組成物において(C)ハロアルカンの含有量が0質量%を示す。さらに、C軸は、3成分組成物において(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの含有量が0質量%を示す。
[0090]
 本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体において、冷凍サイクル用作動媒体が満たすべき条件がいくつか考え得る。このうち、第一に重要な条件としては、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の抑制が可能であり、かつ、地球温暖化係数(GWP)が200以下である(GWP≦200)ことが挙げられる(第一条件)。
[0091]
 本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体では、少なくともGWPをより小さくするために、冷媒成分として(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンが併用されており、当該条件を満たし得る。
[0092]
 第一条件を満たす3成分組成物の組成は、図1に示す3成分組成図において、2つの領域(領域S11および領域S12)から構成される合成領域である、領域S1に対応する組成である。具体的には、この領域S1は、次のように説明される。
[0093]
 まず、図1に示す3成分組成図では、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンが0質量%より大きく、かつ65質量%以下である領域を「領域a」とする。また、(B)ジフルオロメタンが0質量%より大きく、かつ30質量%以下である領域を「領域b」とする。また、(C)ハロアルカンが20質量%以上、かつ100質量%未満である領域を「領域c」とする。
[0094]
 なお、図1では、領域aについては、縦点線で示した領域として図示しており、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンが65質量%以下であることを「A≦65%」と記載して矢印で図示している。同様に、領域bについては、右下がり点線の斜線で示した領域として図示しており、(B)ジフルオロメタンが30質量%以下であることを「B≦30%」と記載して矢印で図示している。また、領域cについては、右上がり点線の斜線で示した領域として図示しており、(C)ハロアルカンが20質量%以上であることを「C≧20%」と記載して矢印で図示している。
[0095]
 図1において、前述の領域aと領域bとが重複する重複領域は、破線の枠で囲まれた領域S11として図示されている(「第一重複領域S11」)。同様に、前述の領域bと領域cとが重複する重複領域は、一点鎖線の枠で囲まれた領域S12として図示されている(「第二重複領域S12」)。領域S1は、図1に示すように、これらの第一重複領域S11および第二重複領域S12により構成された合成領域である。
[0096]
 ここで、領域S1には、図1に示すように、第一重複領域S11と第二重複領域S12とが重複する領域である、領域S10も含まれる。そのため、領域S1は、単純に第一重複領域S11および第二重複領域S12を合計した領域ではないため、本開示においては、第一重複領域S11および第二重複領域S12を「合成」した「合成領域」と表現している。なお、第一重複領域S11と第二重複領域S12とが重複する領域S10は、前述の領域a、領域b、および領域cの全てにおいて重複する重複領域に相当するので、便宜上「全重複領域S10」とする。
[0097]
 また、第一重複領域S11のうち、領域aと領域bとが重複するが、領域cが重複しない重複領域、すなわち第一重複領域S11のうち、全重複領域S10に該当しない領域を、便宜上「部分第一重複領域S101」とする。同様に、第二重複領域S12のうち、領域bと領域cとが重複するが、領域aが重複しない重複領域、すなわち第二重複領域S12のうち、全重複領域S10に該当しない領域を、便宜上「部分第二重複領域S102」とする。それゆえ、領域S1は、全重複領域S10、部分第一重複領域S101、および部分第二重複領域S102により構成される領域に相当する、として説明することができる。
[0098]
 なお、全重複領域S10、部分第一重複領域S101、および部分第二重複領域S102の間には、互いに重複する領域は存在しない。それゆえ、領域S1は、第一重複領域S11および第二重複領域S12により説明される場合とは異なり、全重複領域S10、部分第一重複領域S101および部分第二重複領域S102を単純に「合計」した「合計領域」と表現される。
[0099]
 また、この領域S1は、図2に示す3成分組成図において、複数の線で囲まれた領域として説明することができる。
[0100]
 具体的には、領域S1は、線L1、線L2、線L3、A軸、およびC軸で囲まれた領域となる。線L1は、(B)ジフルオロメタンが30質量%であることを示す線である。線L2は、点p1(A,B,C)=(80,0,20)と点p2(A,B,C)=(65,15,20)とを結ぶ線である。線L3は、点p2と、線L1上の点である点p3(A,B,C)=(65,30,5)とを結ぶ線である。
[0101]
 本開示における3成分組成物は、(A)~(C)成分の全てを含有する。このため、(B)ジフルオロメタンは0質量%より大きく、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンは0質量%より大きく、(C)ハロアルカンは100質量%未満である。
[0102]
 ここで、図2に示す領域S1において、A軸およびC軸上の点は、組成物が2成分のみを含有することを示し、A軸およびC軸の交点である点pCは、組成物が(C)ハロアルカンの1成分のみを含有することを示す。このため、A軸およびC軸上の点は、領域S1から除かれる。
[0103]
 なお、領域S1は、図2に示す3成分組成図上の点によっても説明することができる。すなわち、線L1がC軸と交わる点を点p0(A,B,C)=(0,30,70)とすれば、領域S1は、点p1、点p2、点p3、点p0および点pCの各点を直線で結ぶことによって形成される領域であるということができる(ただし、前述の通り、A軸およびC軸上の点は除かれる)。
[0104]
 (A)~(C)成分からなる組成範囲において、図1における(B)ジフルオロメタンの含有量が30質量%より大きい組成範囲、すなわち、図2において線L1より上側の領域では、(B)ジフルオロメタンの含有量が多くなり過ぎるため、GWP≦200の条件を満たさない。
[0105]
 また、図1において、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの含有量が65質量%より大きく、かつ、(C)ハロアルカンの含有量が20質量%未満である組成範囲、すなわち、図2において線L2および線L3よりも左側の領域では、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの含有量が多くなり過ぎるか、または(C)ハロアルカンの含有量が少なくなり過ぎて、冷凍サイクル用作動媒体として良好な冷媒性能が実現できない。
[0106]
 次に、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体において、第二に重要な条件としては、前述の第一条件に加えて、併用される冷媒成分である(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンの含有比を好適化することにより、冷凍サイクル用作動媒体としてのより良好な冷媒性能を実現することが挙げられる(第二条件)。
[0107]
 これについては、本発明者らの鋭意検討の結果、冷媒関係成分全量(冷媒成分および不均化抑制剤の全量)を100質量%としたときの、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの含有量は、諸条件にもよるが、40質量%以上であることが好ましいことが分かった。つまり、(A)成分の含有量が、冷媒関係成分全量の40質量%以上であれば、単にGWP≦200である(第一条件を満たす)だけでなく、諸条件にもよるが、GWPがさらに低くなることが期待される。
[0108]
 第二条件を満たすことが可能な3成分組成物の組成は、図3に示す3成分組成図において、斜線で示す領域S2に対応する組成である。
[0109]
 具体的には、この領域S2は、A軸、線L1、線L2、線L3、および線L4で囲まれた領域である。線L4は、線L1上の点である点p4(A,B,C)=(40,30,30)と、点p5(A,B,C)=(40,0,60)とを結ぶ線である。線L4は、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンが40質量%であることを示す線である。
[0110]
 また、領域S2は、前述した領域S1と同様に、図3に示す3成分組成図上の点によっても説明することができる。つまり、領域S2は、点p1、点p2、点p3、点p4および点p5の各点を直線で結ぶことによって形成される領域であるということができる。
[0111]
 次に、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体において、第三に重要な条件としては、不均化抑制剤である(C)ハロアルカンの含有量をなるべく低減することにより、冷凍サイクル用作動媒体の冷媒性能をより良好なものとすることが挙げられる(第三条件)。
[0112]
 冷媒関係成分全量(冷媒成分および不均化抑制剤の全量)を100質量%としたときに、不均化抑制剤の含有量があまり多すぎると、諸条件にもよるが、冷凍サイクル用作動媒体について良好な冷媒性能が実現できないおそれがある。そこで、3成分組成物においては、不均化抑制剤である(C)ハロアルカンの含有量を20質量%以下にすることが好ましい。
[0113]
 第三条件を満たすことが可能な3成分組成物の組成は、図4に示す3成分組成図において、斜線で示す領域S3に対応する組成である。
[0114]
 具体的には、この領域S3は、線L1、線L3、および線L5で囲まれた領域である。線L5は、線L1上の点である点p6(A,B,C)=(50,30,20)と、前述の点p2とを結ぶ線である。線L5は、(C)ハロアルカンが20質量%であることを示す線である。
[0115]
 また、第三条件を満たすことが可能な3成分組成物のより好ましい組成としては、図5に示す3成分組成図において斜線で示す領域S4に対応する組成であってもよい。
[0116]
 具体的には、この領域S4は、線L1、線L5、および線L6で囲まれた領域である。線L6は、線L1上の点である点p7(A,B,C)=(60,30,10)と、点p2とを結ぶ線である。
[0117]
 これらの領域S3および領域S4は、それぞれ、前述した領域S1または領域S2と同様に、図4または図5に示す3成分組成図上の点によっても説明することができる。
[0118]
 つまり、領域S3は、点p2、点p3、および点p6の各点を直線で結ぶことによって形成される領域であるということができる。また、領域S4は、点p2、点p6、および点p7の各点を直線で結ぶことによって形成される領域であるということができる。
[0119]
 領域S3と領域S4とは大部分が重複しているが、領域S4では、点p2を除いて(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの含有量が65質量%よりも小さいことで、より一層良好な冷媒性能の実現が図られている。
[0120]
 このように、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体では、冷媒成分として(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンが併用される場合に、不均化抑制剤として(C)炭素数が1から4のいずれかであってハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンを、前述した3成分組成図における特定の領域に対応する組成範囲内で用いている。
[0121]
 これにより、通常の使用条件下における温度域だけでなく、より高温域である150℃以上の温度条件下においても、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制し、または緩和することができる。
[0122]
 [冷凍サイクルシステムの構成例]
 次に、本開示にかかる冷凍サイクル用作動媒体を用いて構成される冷凍サイクルシステムの一例について、図6Aおよび図6Bを参照しながら説明する。
[0123]
 本開示にかかる冷凍サイクルシステムの具体的な構成は特に限定されず、圧縮機、凝縮器、膨張手段、および蒸発器等の構成要素が配管にて接続された構成であればよい。本開示にかかる冷凍サイクルシステムの具体的な適用例も特に限定されず、例えば、空気調和装置(エアーコンディショナー)、冷蔵庫(家庭用および業務用)、除湿器、ショーケース、製氷機、ヒートポンプ式給湯機、ヒートポンプ式洗濯乾燥機および自動販売機等を挙げることができる。
[0124]
 本開示にかかる冷凍サイクルシステムの代表的な適用例として、空気調和装置を挙げて説明する。
[0125]
 具体的には、図6Aのブロック構成図に模式的に示すように、本実施の形態にかかる空気調和装置10には、室内機11および室外機12、並びにこれらを接続する配管13が備えられている。
[0126]
 室内機11には熱交換器14が備えられている。室外機12には、熱交換器15、圧縮機16、および減圧装置17が備えられている。
[0127]
 室内機11の熱交換器14と、室外機12の熱交換器15とは、配管13で環状に接続されており、これにより冷凍サイクルが形成されている。具体的には、室内機11の熱交換器14、圧縮機16、室外機12の熱交換器15、減圧装置17の順で、これらが配管13により環状に接続されている。
[0128]
 また、熱交換器14、圧縮機16、および熱交換器15を接続する配管13には、冷暖房切換用の四方弁18が設けられている。なお、室内機11には、図示しない送風ファン、温度センサおよび操作部等が備えられており、室外機12には、図示しない送風機およびアキュームレータ等が備えられている。さらに、配管13には、上述の四方弁18の他の図示しない各種弁装置、およびストレーナ等が設けられている。
[0129]
 室内機11の熱交換器14においては、送風ファンにより室内機11の内部に吸い込まれた室内空気と、熱交換器14の内部を流れる冷媒との間で熱交換が行われる。室内機11は、暖房時には熱交換により暖められた空気を室内に送風し、冷房時には熱交換により冷却された空気を室内に送風する。室外機12の熱交換器15においては、送風機により室外機12の内部に吸い込まれた外気と、熱交換器15の内部を流れる冷媒との間で熱交換が行われる。
[0130]
 なお、室内機11および室外機12の具体的な構成、並びに熱交換器14または熱交換器15、圧縮機16、減圧装置17、四方弁18、送風ファン、温度センサ、操作部、送風機、アキュームレータ、その他の弁装置およびストレーナ等の具体的な構成は特に限定されず、公知の構成を用いることができる。
[0131]
 図6Aに示す空気調和装置10の動作の一例について、具体的に説明する。
[0132]
 まず、冷房運転または除湿運転では、室外機12の圧縮機16はガス冷媒を圧縮して吐出し、吐出されたガス冷媒は、四方弁18を介して室外機12の熱交換器15に送出される。熱交換器15において、外気とガス冷媒との熱交換が行われ、ガス冷媒は凝縮して液化する。液化した液冷媒は、減圧装置17により減圧され、室内機11の熱交換器14に送出される。熱交換器14では、液冷媒は、室内空気との間の熱交換により蒸発してガス冷媒となる。このガス冷媒は、四方弁18を介して室外機12の圧縮機16に戻る。圧縮機16はガス冷媒を圧縮し、圧縮機16から吐出された冷媒は、四方弁18を介して再び熱交換器15に送出される。
[0133]
 また、暖房運転では、室外機12の圧縮機16はガス冷媒を圧縮して吐出し、圧縮されたガス冷媒は四方弁18を介して室内機11の熱交換器14に送出される。熱交換器14では、ガス冷媒は、室内空気との熱交換により凝縮して液化する。液化した液冷媒は、減圧装置17により減圧されて気液二相冷媒となり、室外機12の熱交換器15に送出される。熱交換器15において、外気と気液二相冷媒との熱交換が行われ、気液二相冷媒は蒸発してガス冷媒となって圧縮機16に戻る。圧縮機16はガス冷媒を圧縮し、圧縮機16から吐出された冷媒は、四方弁18を介して再び室内機11の熱交換器14に送出される。
[0134]
 また、本開示にかかる冷凍サイクルシステムの他の代表的な適用例として、冷蔵庫を例に挙げて説明する。
[0135]
 具体的には、例えば、図6Bのブロック図に模式的に示すように、本実施の形態にかかる冷蔵庫20には、図6Bに示す圧縮機21、凝縮器22、減圧装置23、蒸発器24、および配管25等が備えられている。また、冷蔵庫20には、図示しないが、本体となる筐体、送風機、操作部、および制御部等も備えられている。
[0136]
 圧縮機21、凝縮器22、減圧装置23、および蒸発器24は、冷媒ガスを流通させる配管25により、この順で環状に接続され、これにより冷凍サイクルが構成されている。
[0137]
 なお、圧縮機21、凝縮器22、減圧装置23、蒸発器24、配管25、本体筐体、送風機、操作部および制御部等の構成は特に限定されず、公知の構成を好適に用いることができる。また、冷蔵庫20は、これら以外の公知の構成を備えていてもよい。
[0138]
 図6Bに示す冷蔵庫20の動作の一例について、具体的に説明する。
[0139]
 圧縮機21は、ガス冷媒を圧縮して凝縮器22に吐出する。凝縮器22は、ガス冷媒を冷却して液冷媒とする。液冷媒は、例えばキャピラリーチューブで構成された減圧装置23を通過することにより減圧されて、蒸発器24に送られる。蒸発器24において、液冷媒は、周囲から熱を奪うことにより気化してガス冷媒となる。その後、ガス冷媒となった冷媒は、圧縮機21に戻る。圧縮機21は、ガス冷媒を圧縮して再び凝縮器22に吐出する。
[0140]
 このような空気調和装置10または冷蔵庫20は、前述した冷凍サイクル用作動媒体を用いて構成される冷凍サイクルシステムである。冷凍サイクル用作動媒体においては、冷媒成分の主成分として(A)1,1,2-トリフルオロエチレンが用いられるとともに、副成分として(B)ジフルオロメタンが用いられている。(A)1,1,2-トリフルオロエチレンは、冷媒成分として良好な性質を有するとともに、ODPおよびGWPが小さい。しかも、(B)ジフルオロメタンは、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンとともに併用されることで、冷凍サイクル用作動媒体として良好な冷媒性能を実現することができる。その結果、当該冷凍サイクル用作動媒体が環境に与える影響を小さくしつつ、効率的な冷凍サイクルシステムを実現することができる。
[0141]
 また、本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体としては、不均化抑制剤として(C)炭素数が1から4のいずれかであってハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンが、前述した組成範囲内で用いられる。これにより、圧縮機に何らかの異常が発生して圧縮機内の温度が上昇した場合であっても、不均化抑制剤により(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を有効に抑制し、または緩和することができる。その結果、連鎖的な不均化反応による煤の発生等を有効に回避することができる。このため、冷凍サイクル用作動媒体およびこれを用いた冷凍サイクルシステムの信頼性を向上させることができる。
実施例
[0142]
 以下、本開示について、実施例、比較例および参考例に基づいてより具体的に説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。当業者は本開示の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
[0143]
 (不均化反応の実験系)
 実験に際しては、密閉型の耐圧容器(耐圧硝子工業株式会社製ステンレス密閉容器TVS-N2[商品名]、内部容積50mL)が用いられた。耐熱容器には、当該耐圧容器内の内部圧力を測定する圧力センサ(株式会社バルコム製VESVM10-2m[商品名])、当該耐圧容器内の内部温度を測定する熱電対(Conax Technologies製PL熱電対グランドPL-18-K-A 4-T[商品名])、および当該耐圧容器内で放電を発生させるための放電装置(アズワン株式会社製UH-1seriesミニミニウェルダー[商品名])が取り付けられた。
[0144]
 さらに、密閉容器には、冷媒成分の主成分である(A)1,1,2-トリフルオロエチレン(SynQuest Laboratories製、ヒドラス化学(株)販売、安定剤としてリモネン5%(液相)を含有)のガスボンベ、および、冷媒成分の副成分である(B)ジフルオロメタン(ダイキン工業株式会社製)のガスボンベが、圧力調整可能となるように接続された。
[0145]
 そして、耐圧容器全体を加熱するために、2個のマントルヒータ(東京硝子器械株式会社製パイプ型マントルヒータP-31型およびP-51型[いずれも商品名]が設置された。また、配管部分も加熱できるように、リボンヒータ(株式会社東京技術研究所製フレキシブルリボンヒータ1m、200W)が設置された。
[0146]
 耐熱容器に取り付けられた、圧力センサおよび温度計は、データロガー(グラフテック株式会社製GL220型[商品名]、サンプリング間隔最少10ミリ秒)に接続された。これにより、不均化反応についての実験系が構築された。
[0147]
 (比較例1)
 前述の実験系において、ガスボンベから耐圧容器内に(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンが導入され、(B)ジフルオロメタンの含有量が22質量%となるように導入量が調整された。
[0148]
 本比較例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(78,22,0)として示される。
[0149]
 (A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を誘引するために、耐熱容器内の内部温度が約200℃の状態において、放電装置により耐熱容器内で放電を発生させた。そして、放電の発生に際して、データロガーにより、内部圧力および内部温度が測定された。
[0150]
 その結果、1回の放電を発生させてから数秒が経過した時点で、内部圧力および内部温度の上昇が確認された。その後、内部圧力および内部温度が十分に低下してから耐圧容器の内部を確認が行われ、相当量の煤の発生が確認された。
[0151]
 (比較例2)
 前述の実験系において、ガスボンベから耐圧容器内に(A)1,1,2-トリフルオロエチレンのみを導入した以外は比較例1と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認された。
[0152]
 本比較例2において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(100,0,0)として示される。
[0153]
 その結果、1回の放電を発生させてから数秒が経過した時点で、内部圧力および内部温度の上昇が確認された。また、比較例1の場合と同様に耐圧容器の内部の確認が行われ、相当量の煤の発生が確認された。
[0154]
 (参考例)
 前述の実験系において、ガスボンベから耐圧容器内に、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンのみが導入されるとともに、不均化抑制剤として、(C)ハロアルカンである1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(CF 3CH 2I)が25質量%の添加量となるように添加された。
[0155]
 本参考例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(75,0,25)として示される。
[0156]
 そして、比較例1と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0157]
 その結果、放電が40回以上繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。その後、内部圧力および内部温度が十分に低下してから耐圧容器の内部の確認が行われたが、煤の発生は見られなかった。
[0158]
 しかしながら、本参考例で用いられた組成物は、冷凍サイクル用作動媒体としては、十分な冷媒性能が得られるものではなかった。
[0159]
 (実施例1)
 前述の実験系において、ガスボンベから耐圧容器内に、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンが導入されるとともに、(B)ジフルオロメタンの含有量が4.5質量%となるように導入量が調整された。また、不均化抑制剤として、(C)ハロアルカンである1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(CF 3CH 2I)が、25質量%の添加量となるように添加された。
[0160]
 本実施例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(70.5,4.5,25)として示され、領域S1または領域S2の組成範囲内に入っている(図1、図2、または図3参照)。
[0161]
 そして、比較例1と同様に、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。その結果、放電が4回繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。
[0162]
 (実施例2)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が9質量%となるように導入量が調整された以外は、前述の実施例1と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0163]
 本実施例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(66,9,25)として示され、領域S1または領域S2の組成範囲内に入っている(図1、図2、または図3参照)。
[0164]
 本実施例において、放電が20回繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。
[0165]
 (実施例3)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が15質量%となるように導入量が調整された以外は、前述の実施例1と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0166]
 本実施例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(60,15,25)として示され、領域S1または領域S2の組成範囲内に入っている(図1、図2、または図3参照)。
[0167]
 本実施例において、放電が40回以上繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。その後、内部圧力および内部温度が十分に低下してから耐圧容器の内部の確認が行われたが、煤の発生は見られなかった。
[0168]
 (実施例4)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が22質量%となるように導入量が調整された以外は、前述の実施例1と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0169]
 本実施例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(53,22,25)として示され、領域S1またはS2の組成範囲内に入っている(図1、図2、または図3参照)。
[0170]
 本実施例において、放電が40回以上繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。その後、内部圧力および内部温度が十分に低下してから耐圧容器の内部の確認が行われたが、煤の発生は見られなかった。
[0171]
 (比較例3)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が9質量%となるように導入量が調整されるとともに、(C)ハロアルカンである1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタンが14.3質量%の添加量となるように添加された以外は、前述の実施例1と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0172]
 本比較例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(76.7,9,14.3)として示され、領域S1の組成範囲内から外れている(図1または図2参照)。
[0173]
 1回の放電を発生させてから数秒が経過した時点で、内部圧力および内部温度の上昇が確認された。また、比較例1の場合と同様に耐圧容器の内部の確認が行われ、相当量の煤の発生が確認された。
[0174]
 (比較例4)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が15質量%となるように導入量が調整されるとともに、(C)ハロアルカンである1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタンが、14.3質量%の添加量となるように添加された以外は、前述の実施例1と同様にして(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0175]
 本比較例4において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(70.7,15,14.3)として示され、領域S1の組成範囲内から外れている(図1または図2参照)。
[0176]
 本比較例4において、放電が40回以上繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。その後、内部圧力および内部温度が十分に低下してから耐圧容器の内部の確認が行われたが、煤の発生は見られなかった。
[0177]
 しかしながら、本比較例4で用いられた3成分組成物は、冷凍サイクル用作動媒体としては、十分な冷媒性能が得られるものではなかった。
[0178]
 (実施例5)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が4.5質量%となるように導入量が調整されるとともに、不均化抑制剤として、(C)ハロアルカンであるモノヨードエタン(CH 3CH 2I)が、25質量%の添加量となるように添加された以外は、前述の実施例1と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0179]
 本実施例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(70.5,4.5,25)として示され、領域S1または領域S2の組成範囲内に入っている(図1、図2、または図3参照)。
[0180]
 本実施例において、放電が3回繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。
[0181]
 (実施例6)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が9質量%となるように導入量が調整された以外は、前述の実施例5と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0182]
 本実施例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(66,9,25)として示され、領域S1または領域S2の組成範囲内に入っている(図1、図2、または図3参照)。
[0183]
 本実施例において、放電が8回繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。
[0184]
 (実施例7)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が15質量%となるように導入量が調整された以外は、前述の実施例5と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0185]
 本実施例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(60,15,25)として示され、領域S1または領域S2の組成範囲内に入っている(図1、図2、または図3参照)。
[0186]
 本実施の形態において、放電が11回繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。
[0187]
 (実施例8)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が22質量%となるように導入量が調整された以外は、前述の実施例5と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0188]
 本実施例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(53,22,25)として示され、領域S1または領域S2の組成範囲内に入っている(図1、図2、または図3参照)。
[0189]
 本実施例において、放電が40回以上繰り返されても、有意な昇圧および昇温は見られなかった。その後、内部圧力および内部温度が十分に低下してから耐圧容器の内部の確認が行われたが、煤の発生は見られなかった。
[0190]
 (比較例5)
 (B)ジフルオロメタンの含有量が9質量%となるように導入量が調整されるとともに、(C)ハロアルカンであるモノヨードエタンが14.3質量%の添加量となるように添加された以外は、前述の実施例5と同様にして、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応の発生について確認が行われた。
[0191]
 本比較例において、耐圧容器内における(A)~(C)成分の組成は、三角座標によって、(A,B,C)=(76.7,9,14.3)として示され、領域S1の組成範囲内から外れている(図1または図2参照)。
[0192]
 本比較例において、1回の放電を発生させてから数秒が経過した時点で、内部圧力および内部温度の上昇が確認された。また、耐圧容器の内部の確認が行われ、相当量の煤の発生が確認された。
[0193]
 (比較例、実施例および参考例の対比)
 比較例1および2の結果から、前述の実験系において、通常よりも高温条件(約200℃)においても、耐圧容器内で放電を発生させることにより、1,1,2-トリフルオロエチレンに不均化反応が発生し、この不均化反応が連鎖して急激に進行することがわかる。
[0194]
 この不均化反応については、冷媒成分が、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンだけの場合、および、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロエタンが併用された場合、のいずれであっても同様に発生することがわかる。
[0195]
 これに対して、参考例および実施例1~8の結果から、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロエタンが併用されるとともに、不均化抑制剤として(C)ハロアルカンが用いられ、さらに(A)~(C)成分の組成が前述した組成範囲内であれば、通常よりも高温条件(約200℃)であっても不均化反応を有効に抑制できることがわかる。
[0196]
 なお、各比較例、実施例および参考例においては、耐圧容器内の有意な昇温および昇圧、並びに煤の発生を伴わずに行われた放電の回数が多いほど、不均化反応が有効に抑制されていることを示す。
[0197]
 また、比較例3~5の結果から、(A)~(C)成分の組成が前述した組成範囲から外れれば、不均化反応が抑制されないか、または、不均化反応が抑制されるとしても、冷凍サイクル用作動媒体として求められる冷媒性能が十分に満たされないことがわかる。
[0198]
 なお、本発明は前述の実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能である。また、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。

産業上の利用可能性

[0199]
 本発明の開示は、冷凍サイクルに用いられる作動媒体の分野に好適に用いることができるとともに、空気調和装置(エアーコンディショナー)、冷蔵庫(家庭用、業務用)、除湿器、ショーケース、製氷機、ヒートポンプ式給湯機、ヒートポンプ式洗濯乾燥機、自動販売機等といった冷凍サイクルシステムの分野にも広く好適に用いることができる。

符号の説明

[0200]
10  空気調和装置(冷凍サイクルシステム)
11  室内機
12  室外機
13  配管
14  熱交換器
15  熱交換器
16  圧縮機
17  減圧装置
18  四方弁
20  冷蔵庫(冷凍サイクルシステム)
21  圧縮機
22  凝縮器
23  減圧装置
24  蒸発器
25  配管

請求の範囲

[請求項1]
 冷媒成分として、(A)1,1,2-トリフルオロエチレンおよび(B)ジフルオロメタンを含有するとともに、
(C)炭素数が1から4のいずれかであって、ハロゲン原子が全てフッ素の場合を除くハロアルカンを含有し、
 前記(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、前記(B)ジフルオロメタン、および前記(C)ハロアルカンの3成分の質量比組成が三角座標(A,B,C)による3成分組成図により表されたときに、これら3成分の組成は、
 前記(A)1,1,2-トリフルオロエチレンが、0質量%より大きく、かつ65質量%以下である領域aと、前記(B)ジフルオロメタンが、0質量%より大きく、かつ30質量%以下である領域bと、が重複する第一重複領域と、
 前記(C)ハロアルカンが20質量%以上、かつ100質量%未満である領域cと、前記領域bとが重複する第二重複領域と、
から構成される合成領域に対応する組成の範囲である、
冷凍サイクル用作動媒体。
[請求項2]
 前記(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、前記(B)ジフルオロメタン、および前記(C)ハロアルカンからなる3成分の組成が、
 前記3成分組成図における前記合成領域内であって、さらに、
 前記(B)ジフルオロメタンが30質量%である線L1、
 点p1(A,B,C)=(80,0,20)と、点p2(A,B,C)=(65,15,20)とを結ぶ線L2、
 前記点p2と、前記線L1上の点である点p3(A,B,C)=(65,30,5)とを結ぶ線L3、および、
 前記線L1上の点である点p4(A,B,C)=(40,30,30)と、点p5(A,B,C)=(40,0,60)とを結ぶ線L4
で囲まれた領域に対応する組成の範囲内である、
請求項1に記載の冷凍サイクル用作動媒体。
[請求項3]
 前記(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、前記(B)ジフルオロメタン、および前記(C)ハロアルカンからなる3成分の組成が、
 前記線L1、
 前記線L3、および、
 前記線L1上の点である点p6(A,B,C)=(50,30,20)と、前記点p2とを結ぶ線L5
で囲まれた領域に対応する組成の範囲内である、
請求項2に記載の冷凍サイクル用作動媒体。
[請求項4]
 前記(A)1,1,2-トリフルオロエチレン、前記(B)ジフルオロメタン、および前記(C)ハロアルカンからなる3成分の組成が、
 前記線L1、
 前記線L5、および、
 前記線L1上の点である点p7(A,B,C)=(60,30,10)と、前記点p2とを結ぶ線L6
で囲まれた領域に対応する組成の範囲内である、
請求項3に記載の冷凍サイクル用作動媒体。
[請求項5]
 前記ハロアルカンが、次式(1)
  C pqr ・・・ (1)
(ただし、式(1)におけるXは、F,Cl,Br,およびIからなる群より選択されるハロゲン原子であり、pは1から4のいずれかの整数であり、qは0または1以上の整数であるとともに、rは1以上の整数であり、qおよびrの和は2p+2であり、rが2以上のときXは同一または異なる種類のハロゲン原子である)
に示す構造を有する(XがFのみの場合を除く)、
請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル用作動媒体。
[請求項6]
 前記ハロアルカンは、前記ハロゲン原子Xのうちの少なくとも一つのハロゲン原子XがIである、
請求項5に記載の冷凍サイクル用作動媒体。
[請求項7]
 前記ハロアルカンは、前記pが2以上であり、かつ、前記rが2以上であれば、前記ハロゲン原子Xのうちの少なくとも二つのハロゲン原子Xが、FおよびIである、
請求項5に記載の冷凍サイクル用作動媒体。
[請求項8]
 前記ハロアルカンが、ジヨードメタン(CH 22)、ジフルオロジヨードメタン(CF 22)、1-ブロモ-2-ヨードテトラフルオロエタン(CF 2BrCF 2I)、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(CF 3CH 2I)、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(CF 3(CH 2) 2I)、および1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードブタン(CF 3(CH 2) 3I)からなる群より選択される少なくともいずれかである、
請求項6または7に記載の冷凍サイクル用作動媒体。
[請求項9]
 請求項1から8のいずれか1項に記載の冷凍サイクル用作動媒体を用いて構成される冷凍サイクルシステム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]