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1. (WO2018061597) FIBER-REINFORCED THERMOPLASTIC-RESIN BASE AND MOLDED ARTICLE OBTAINED THEREFROM
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明 細 書

発明の名称 繊維強化熱可塑性樹脂基材およびそれを用いた成形品

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

実施例

0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071  

産業上の利用可能性

0072  

符号の説明

0073  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 繊維強化熱可塑性樹脂基材およびそれを用いた成形品

技術分野

[0001]
 本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂基材およびそれを用いた成形品に関する。

背景技術

[0002]
 連続した強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させてなる繊維強化熱可塑性樹脂基材は、比強度、比剛性に優れ、軽量化効果が高い上に、耐熱性、耐薬品性が高いため、航空機、自動車等の輸送機器や、スポーツ、電気・電子部品などの各種用途へ好ましく用いられている。近年、軽量化に対する需要の高まりにより、航空機、自動車用途を中心に、金属部品から樹脂部品への代替や、部品の小型化、モジュール化が進みつつあることから、より成形性に優れ、かつ、機械特性に優れる材料開発が求められている。
[0003]
 成形性と機械特性に優れた構造材用複合材料としては、例えば、ポリアミド樹脂に炭素繊維を含有してなる繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ(例えば、特許文献1参照)が知られている。このようなプリプレグは、高い機械特性のために軽量化材料として期待されているが、安定して機械特性を発現するためには、繊維束間へのマトリックス樹脂の含浸性に優れ、強化繊維が繊維強化熱可塑性樹脂基材中に均一に分散することが必要である。
[0004]
 強化繊維の分散の均一性を求める方法としては、例えば特許文献2に記載されているように、繊維強化複合材料の断面画像を適当な大きさに分割し、分割された各区画における強化繊維の面積率のバラつきから求める方法が挙げられる。しかし、このような方法では、例えば図1に示すように強化繊維が分布する場合には、各区画内における強化繊維の疎密を適切に評価できず、実際には強化繊維が不均一に分散している可能性がある。従って、強化繊維がより均一に分散した繊維強化熱可塑性樹脂基材が求められている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2013-159675号公報
特許文献2 : 特開平8-164521号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 そこで本発明の課題は、熱可塑性樹脂をマトリックスとした繊維強化熱可塑性樹脂基材に関して、強化繊維がより確実に均一に分散し、機械特性のばらつきの小さい繊維強化熱可塑性樹脂基材を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記課題を解決するために、本発明は、主として、以下の構成を有する。
[1]連続した強化繊維が平行に引き揃えられるとともに、熱可塑性樹脂が含浸された繊維強化熱可塑性樹脂基材であって、繊維体積含有率が40~65体積%の範囲内にあり、且つ下記の方法によって求められる繊維の分散パラメーターDが90%以上であることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂基材。
(i)前記繊維強化熱可塑性樹脂基材の強化繊維配向方向と垂直な横断面を複数の区画に分割し、その中の1つの区画を撮影する。
(ii)前記区画の撮影画像を、式(1)で規定された一辺の長さtを有する複数の正方形ユニットに分割する。
(iii)式(2)で定義する分散パラメーターdを算出する。
(iv)異なる区画について(i)~(iii)の手順を繰り返し、前記横断面から得られる複数の区画の分散パラメーターdの平均値を分散パラメーターDとする。
 1.5a≦t≦2.5a  (a:繊維直径、t:ユニットの一辺の長さ)・・・(1)
 分散パラメーターd=区画内における強化繊維が含まれるユニットの個数/区画内におけるユニットの総個数×100・・・(2)
[2]前記分散パラメーターdの変動係数が4%以下である、[1]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[3]厚みが0.15mm~1.5mmの範囲にある、[1]または[2]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[4]前記熱可塑性樹脂がポリアミド6もしくはポリアミド66、またはこれらの混合物のいずれかである、[1]~[3]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[5]前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド6成分30~90重量%とポリアミド66成分70~10重量%とからなるポリアミド共重合体を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[6]前記強化繊維が炭素繊維である、[1]~[5]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[7]ボイド率が2%以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[8]引き抜き成形によって得られたものである、[1]~[7]のいずれかに繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材からなる成形品。
[10][1]~[8]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材またはその成形品と、金属材料またはその成形品、もしくは樹脂材料またはその成形品とを一体化してなる複合成形品。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、強化繊維が高い均一性をもって分散し、優れた機械特性が小さなばらつきをもって安定して発現される繊維強化熱可塑性樹脂が得られる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 繊維強化熱可塑性樹脂の断面における強化繊維の分布状態の一例を示す模式図である。
[図2] 本発明における正方形ユニット中に強化繊維が存在する状態の一例を示す拡大模式図である。
[図3] 本発明における正方形ユニット中に強化繊維が存在する状態の他の例を示す拡大模式図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下に、本発明について、実施形態とともに詳細に説明する。
 本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材は、平行に引き揃えられた連続した強化繊維に、熱可塑性樹脂基材を含浸させてなる。本発明において、連続した強化繊維とは、繊維強化熱可塑性樹脂基材中で当該強化繊維が途切れのないものをいう。本発明における強化繊維の形態および配列としては、例えば、一方向に引き揃えられたもの、織物(クロス)、編み物、組み紐、トウ等が挙げられる。中でも、特定方向の機械特性を効率よく高められることから、強化繊維が一方向に配列してなることが好ましい。
[0011]
 強化繊維の種類としては特に限定されず、炭素繊維、金属繊維、有機繊維、無機繊維が例示される。これらを2種以上用いてもよい。強化繊維に炭素繊維を用いることで、軽量でありながら高い機械特性を有する繊維強化熱可塑性樹脂基材が得られる。
[0012]
 炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)繊維を原料とするPAN系炭素繊維、石油タールや石油ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維、ビスコースレーヨンや酢酸セルロースなどを原料とするセルロース系炭素繊維、炭化水素などを原料とする気相成長系炭素繊維、これらの黒鉛化繊維などが挙げられる。これら炭素繊維のうち、強度と弾性率のバランスに優れる点で、PAN系炭素繊維が好ましく用いられる。
[0013]
 金属繊維としては、例えば、鉄、金、銀、銅、アルミニウム、黄銅、ステンレスなどの金属からなる繊維が挙げられる。
[0014]
 有機繊維としては、例えば、アラミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンなどの有機材料からなる繊維が挙げられる。アラミド繊維としては、例えば、強度や弾性率に優れるパラ系アラミド繊維と、難燃性、長期耐熱性に優れるメタ系アラミド繊維が挙げられる。パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、コポリパラフェニレン-3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維などが挙げられ、メタ系アラミド繊維としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維などが挙げられる。アラミド繊維としては、メタ系アラミド繊維に比べて弾性率の高いパラ系アラミド繊維が好ましく用いられる。
[0015]
 無機繊維としては、例えば、ガラス、バサルト、シリコンカーバイト、シリコンナイトライドなどの無機材料からなる繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、例えば、Eガラス繊維(電気用)、Cガラス繊維(耐食用)、Sガラス繊維、Tガラス繊維(高強度、高弾性率)などが挙げられる。バサルト繊維は、鉱物である玄武岩を繊維化した物で、耐熱性の非常に高い繊維である。玄武岩は、一般的に、鉄の化合物であるFeOまたはFeO を9~25重量%、チタンの化合物であるTiOまたはTiO を1~6重量%含有するが、溶融状態でこれらの成分を増量して繊維化することも可能である。
[0016]
 本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材は、補強材としての役目を期待されることが多いため、高い機械特性を発現することが望ましく、高い機械特性を発現するためには、強化繊維として炭素繊維を含むことが好ましい。
[0017]
 繊維強化熱可塑性樹脂基材において、強化繊維は、通常、多数本の単繊維を束ねた強化繊維束を1本または複数本並べて構成される。1本または複数本の強化繊維束を並べたときの強化繊維の総フィラメント数(単繊維の本数)は、1,000~2,000,000本が好ましい。生産性の観点からは、強化繊維の総フィラメント数は、1,000~1,000,000本がより好ましく、1,000~600,000本がさらに好ましく、1,000~300,000本が特に好ましい。強化繊維の総フィラメント数の上限は、分散性や取り扱い性とのバランスも考慮して、生産性と分散性、取り扱い性を良好に保てるように決められればよい。
[0018]
 1本の強化繊維束は、好ましくは平均直径5~10μmである強化繊維の単繊維を1,000~50,000本束ねて構成される。
[0019]
 本発明に使用される熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリスルホン(PSU)樹脂、変性PSU樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリケトン(PK)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。とりわけ、耐熱性、耐薬品性の観点からはPPS樹脂が、成形品外観、寸法安定性の観点からはポリカーボネート樹脂やスチレン系樹脂が、成形品の強度、耐衝撃性の観点からはポリアミド樹脂がより好ましく用いられる。なかでも、強度や耐熱性の点からポリアミド6、ポリアミド66がより好ましい。また、これらのポリアミド樹脂を流動性、成形加工性などの必要特性に応じて混合することも実用上好適である。ポリアミド6、ポリアミド66はブレンドでもよいが、特に、共重合比がポリアミド6成分30~90重量%、ポリアミド66成分70~10重量%のポリアミド6/66共重合体が繊維分散性の点で好ましく、ポリアミド6成分35~85重量%、ポリアミド66成分65~15重量%がより好ましく、ポリアミド6成分40~80重量%、ポリアミド66成分60~20重量%が更に好ましい。
[0020]
 本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材は、連続した強化繊維に前述の熱可塑性樹脂を含浸させてなり、必要に応じて、さらに、充填材、他種ポリマー、各種添加剤などを含有してもよい。
[0021]
 充填材としては、一般に樹脂用フィラーとして用いられる任意のものを用いることができ、繊維強化熱可塑性樹脂基材やそれを用いた成形品の強度、剛性、耐熱性、寸法安定性をより向上させることができる。充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状無機充填材、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、タルク、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、アルミノシリケート、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、シリカなどの非繊維状無機充填材などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これら充填材は中空であってもよい。また、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で処理されていてもよい。また、モンモリロナイトとして、有機アンモニウム塩で層間イオンをカチオン交換した有機化モンモリロナイトを用いてもよい。なお、繊維状充填材は、不連続繊維からなるものであれば、連続繊維からなる強化繊維の補強効果を損なうことなく機能を付与できる。
[0022]
 他種ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどのエラストマーや、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレンなどを挙げることができる。これらを2種以上含有してもよい。ポリアミド樹脂組成物から得られる繊維強化末端変性ポリアミド樹脂基材の耐衝撃性を向上させるためには、オレフィン系化合物および/または共役ジエン系化合物の(共)重合体などの変性ポリオレフィン、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの耐衝撃性改良剤が好ましく用いられる。
[0023]
 オレフィン系化合物および/または共役ジエン系化合物の(共)重合体としては、エチレン系共重合体、共役ジエン系重合体、共役ジエン-芳香族ビニル炭化水素系共重合体などが挙げられる。
[0024]
 エチレン系共重合体としては、例えば、エチレンと、炭素数3以上のα-オレフィン、非共役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、α,β-不飽和カルボン酸およびその誘導体などとの共重合体が挙げられる。炭素数3以上のα-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン-1などが挙げられる。非共役系ジエンとしては、例えば、5-メチリデン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエンなどが挙げられる。α,β-不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸などが挙げられる。α,β-不飽和カルボン酸の誘導体としては、例えば、前記α,β-不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アリールエステル、グリシジルエステル、酸無水物、イミドなどが挙げられる。
[0025]
 共役ジエン系重合体とは、少なくとも1種の共役ジエンの重合体を指す。共役ジエンとしては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンなどが挙げられる。また、これらの重合体の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されていてもよい。
[0026]
 共役ジエン-芳香族ビニル炭化水素系共重合体とは、共役ジエンと芳香族ビニル炭化水素との共重合体を指し、ブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。共役ジエンとしては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。芳香族ビニル炭化水素としては、例えば、スチレンなどが挙げられる。また、共役ジエン-芳香族ビニル炭化水素系共重合体の芳香環以外の二重結合以外の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されていてもよい。
[0027]
 耐衝撃性改良剤の具体例としては、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン-g-無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン-1-g-無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
[0028]
 各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、可塑剤(p-オキシ安息香酸オクチル、N-ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどの非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
[0029]
 本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材は、連続した強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させることにより得ることができる。
[0030]
 含浸方法としては、例えば、フィルム状の熱可塑性樹脂を溶融し、加圧することで強化繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させるフィルム法、繊維状の熱可塑性樹脂と強化繊維束とを混紡した後、繊維状の熱可塑性樹脂を溶融し、加圧することで強化繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させるコミングル法、粉末状の熱可塑性樹脂を強化繊維束における繊維の隙間に分散させた後、粉末状の熱可塑性樹脂を溶融し、加圧することで強化繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させる粉末法、溶融した熱可塑性樹脂中に強化繊維束を浸し、加圧することで強化繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させる引き抜き法が挙げられる。様々な厚み、繊維体積含有率など多品種の繊維強化熱可塑性樹脂基材を作製できることから、引き抜き法が好ましい。
[0031]
 本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材の厚さとしては、0.15~1.5mmが好ましい。厚さが0.15mm以上であれば、繊維強化熱可塑性樹脂基材を用いて得られる成形品の強度を向上させることができる。0.2mm以上がより好ましい。一方、厚さが1.5mm以下であれば、強化繊維に熱可塑性樹脂をより含浸させやすい。1mm以下がより好ましく、0.7mm以下がさらに好ましく、0.6mm以下がさらに好ましい。
[0032]
 また、本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材では、繊維強化熱可塑性樹脂基材全体100体積%中、強化繊維を20体積%以上65体積%以下含有する。強化繊維を20体積%以上含有することにより、繊維強化熱可塑性樹脂基材を用いて得られる成形品の強度をより向上させることができる。30体積%以上がより好ましく、40体積%以上がさらに好ましい。一方、強化繊維を65体積%以下含有することにより、強化繊維に熱可塑性をより含浸させやすい。60体積%以下がより好ましく、55体積%以下がさらに好ましい。
[0033]
 なお、繊維強化熱可塑性樹脂基材の強化繊維体積含有率Vfは、繊維強化熱可塑性樹脂基材の質量W0(g)を測定したのち、該連続繊維強化熱可塑性樹脂基材を空気中500℃で30分間加熱して熱可塑性樹脂成分を焼き飛ばし、残った強化繊維の質量W1(g)を測定し、式(3)により算出した。
Vf(体積%)=(W1/ρf)/{W1/ρf+(W0-W1)/ρ1}×100・・・(3)
 ρf:強化繊維の密度(g/cm
 ρr:熱可塑性樹脂の密度(g/cm
[0034]
 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂基材は繊維強化熱可塑基材中に含まれるボイドの含有率(ボイド率)が2%以下であることが好ましい。ボイド率が2%以下であることにより、強化繊維の機械特性を損なうことなく、繊維強化熱可塑性樹脂の機械特性を発現することができる。ボイド率としては、1.5%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。
[0035]
 本発明における繊維強化熱可塑性樹脂基材のボイド率は、繊維強化熱可塑性樹脂基材の厚み方向断面を以下のように観察して求めた。繊維強化熱可塑性樹脂基材をエポキシ樹脂で包埋したサンプルを用意し、繊維強化熱可塑性樹脂基材の厚み方向断面が良好に観察できるようになるまで、前記サンプルを研磨した。研磨したサンプルを、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VHX-9500(コントローラー部)/VHZ-100R(測定部)((株)キーエンス製)を使用して、拡大倍率400倍で撮影した。撮影範囲は、繊維強化熱可塑性樹脂基材の厚み×幅500μmの範囲とした。撮影画像において、基材の断面積および空隙(ボイド)となっている部位の面積を求め、式(4)により含浸率を算出した。
ボイド率(%)=(ボイドが占める部位の総面積)/(繊維強化熱可塑性樹脂基材の総面積)×100・・・(4)
[0036]
 本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材では下記の方法で定義される分散パラメーターDが90%以上である。分散パラメーターDが90%以上であることにより、繊維強化熱可塑性樹脂基材の機械特性のバラつきを低減することができる。
 (分散パラメーターDの算出)
(i)繊維強化熱可塑性樹脂基材の強化繊維配向方向と垂直な横断面を複数の区画に分割し、その中の1つの区画を撮影する。
(ii)上記区画の撮影画像を、式(1)で規定された一辺の長さtを有する複数の正方形ユニットに分割する。
(iii)式(2)で定義する分散パラメーターdを算出する。
(iv)異なる区画について(i)~(iii)の手順を繰り返し、上記横断面から得られる複数の区画の分散パラメーターdの平均値を分散パラメーターDとする。
 1.5a≦t≦2.5a  (a:繊維直径、t:ユニットの一辺の長さ)・・・(1)
 分散パラメーターd=区画内における強化繊維が含まれるユニットの個数/区画内におけるユニットの総個数×100・・・(2)
[0037]
 (評価方法)
 試料である繊維強化熱可塑性樹脂基材を、エポキシ樹脂「エポクイック」(登録商標:ビューラー社製)に埋め込み、室温で24時間硬化させた後、繊維強化熱可塑性樹脂基材における強化繊維の配向方向にほぼ垂直な横断面を研磨し、次いで研磨面を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VHX-9500(コントローラー部)/VHZ-100R(測定部)((株)キーエンス製)で、位置を変えながら撮影する。
[0038]
 撮影された繊維熱可塑性樹脂基材の横断面写真について画像解析を行い、式(1)を1辺の長さとする、相互に重なり合わない略正方形の複数のユニットに分割した。この略正方形ユニットを順に画像解析し、略正方形ユニット内に強化繊維を含むユニットをカウントして、式(2)より分散パラメーターdを算出した。
[0039]
 上記の画像処理は、区画された略正方形ユニットの総数に対するユニット内に強化繊維を含むユニットの数を算出することによって分散パラメーターdが求められる。2値化は原則として判別分析法を採用するが、場合によっては撮影写真と対比しつつ手動で実施することも可能である。
[0040]
 また、正方形のユニット内に含まれる強化繊維は、図2に示すように強化繊維の一部でも含まれていれば、カウントされ、図3に示すように二つ以上の強化繊維が含まれていてもユニットとしては1つとしてカウントされる。
[0041]
 1つの研磨面について、撮影位置を変えながら20回以上の枚数に亘って撮影し、各々の横断面写真から得られる繊維強化熱可塑性樹脂基材の分散パラメーターdに対し、その平均値を分散パラメーターDとして求めればよく、その値から、繊維強化熱可塑性樹脂基材における強化繊維の分布状態を定量的に評価することが可能となる。なお、横断面の撮影枚数が十分に確保できない場合には、繊維強化熱可塑性樹脂基材の異なる横断面の研磨面を複数枚撮影し、分散パラメーターdを算出し、最終的に分散パラメーターDを求めることも可能である。
[0042]
 式(1)で求められるユニットの大きさは、観察される強化繊維の直径との関係により規定される。ユニットの大きさが式(1)の範囲より小さければ、分散パラメーターは体積含有率に収斂され分散性を正確に表現できない。一方、式(1)の範囲より大きければ、分散性の良否に関わらず値は一定となり、正確ではない。従って、ユニットの大きさは式(1)の範囲であることが必要である。
[0043]
 さらに、分散パラメーターdの変動係数は式(5)より求められる。変動係数が4%を超えると繊維強化熱可塑性樹脂基材中の各箇所により強化繊維の疎密が大きくなる。したがって変動係数は4%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
変動係数=分散パラメーターdの平均値/分散パラメーターdの標準偏差×100・・・(5)
[0044]
 ここで、本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材の製造方法について詳細に説明する。
 製造装置としては、例えば、マトリックス樹脂を含浸させる前の強化繊維束が巻き取られたボビンを1つまたは複数保持できるクリール部、このクリール部から強化繊維束を連続的に送り出すフィード部、連続的に送り出された強化繊維束に、溶融したマトリックス樹脂を付着させ、圧力を加えて含浸するとともに、所定の形状へ賦形する含浸ダイ、溶融したマトリックス樹脂を冷却固化して繊維強化熱可塑性樹脂基材を形成するための冷却ロールから構成される。
[0045]
 含浸工程では、連続的に送り出される強化繊維束に、溶融したマトリックス樹脂を含浸させる。連続的に送り出される強化繊維束は通常、薄い層状の形態を有している。製造装置において、強化繊維の連続した単繊維を1,000~50,000本集めて束状とした強化繊維束を巻き付けたボビンを複数準備し、これら複数のボビンから強化繊維束を引き出し、横に並べて全体として薄い層状(テープ状)の形態とし、複数の糸道ガイドを介して、強化繊維束を、溶融したマトリックス樹脂が貯留された含浸ダイ内に進入させる。また、層状の強化繊維束は2層以上に積層した状態で含浸ダイに進入させることが好ましい。層状の強化繊維束を2層以上に積層することにより、寸法の調整が容易となる。
[0046]
 製造装置に備えられた含浸ダイは、強化繊維束の移送方向を向く直方体となっており、この含浸ダイの内部には、フィーダーから供給されたマトリックス樹脂が溶融した状態で貯留されている。強化繊維束の移送方向において上流側に位置する含浸ダイの入口には、前記強化繊維束が通過可能な入口孔が形成されており、この入口孔を介して、強化繊維束は含浸ダイの内部に入ってゆく。開繊された強化繊維束は、含浸ダイ内部に設けられたバーやロールで張力を与えられながら、強化繊維束を構成する単繊維が引き揃えられたり、進行方向に屈曲されたり、しごかれたりしながら、含浸ダイ内を通過することで、溶融したマトリックス樹脂が、強化繊維束を構成する単繊維間にまで含浸される。
[0047]
 また、含浸工程において、含浸のために加える力が小さければ、強化繊維束の配列を乱すことなく生産が可能であり、強化繊維の分散性が向上できる。含浸のために加える力を小さくする方法としては、含浸ダイ内の溶融樹脂に超音波を印加する方法や強化繊維束を振動する方法、薄い強化繊維束層に樹脂を含浸させた後に各層を積層する方法が挙げられる。
[0048]
 溶融したマトリックス樹脂が含浸された強化繊維束を含浸ダイから連続して引き抜くことで、強化繊維束に含浸したマトリックス樹脂が固化する前に、所定の形状に賦形し、その後、冷却固化工程で、溶融したマトリックス樹脂を冷却固化し、一定形状の繊維強化熱可塑性樹脂を形成する。含浸ダイの出口にはダイノズルが設けられており、引取ロールによって引き出され、マトリックス樹脂が含浸した強化繊維束を、所定の断面形状に賦形させる。ダイノズルの強化繊維束の移送方向における寸法は強化繊維束がダイノズルを通過する時間が0.1秒以上の通過時間である長さが好ましい。0.4秒以上がより好ましく、1.0秒以上がさらに好ましい。通過時間が0.1秒以上のダイノズル寸法であることにより、強化繊維束の分散に要する時間が確保され、強化繊維束の分散性が良い繊維強化熱可塑性樹脂基材を得ることができる。
[0049]
 賦形された強化繊維束は、内部に冷却水が通水されている冷却ロールを通過させることで、溶融したマトリックス樹脂が冷却固化され、一定形状の繊維強化熱可塑性樹脂基材が形成される。
[0050]
 ここで、マトリックス樹脂を含浸した強化繊維束の引き取り張力は、単繊維12,000本当たり、好ましくは5~200N、より好ましくは5~150Nとする。引取張力が5N未満では、強化繊維束が動きやすくなることにより隣接する強化繊維束との重なりや隣接する繊維束との間でギャップを生じやすくなることにより、強化繊維束の分散性が悪化する。また、200Nを超えると、強化繊維束が収束することにより、マトリックス樹脂の含浸性が低下する。引き取り張力は予備張力の設定条件や、搬送速度により適宜調整可能である。搬送速度を高めることで引き取り張力を高くすることができる。また、引き取り張力はロールの形状やロールの配置によって適宜調整可能である。
[0051]
 本発明においては、本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材を、任意の構成で1枚以上積層後、必要に応じて熱および/または圧力を付与しながら成形することにより成形品が得られる。
[0052]
 熱および/または圧力を付与する方法としては、例えば、任意の構成で積層した繊維強化熱可塑性樹脂基材を型内もしくはプレス板上に設置した後、型もしくはプレス板を閉じて加圧するプレス成形法、任意の構成で積層した成形材料をオートクレーブ内に投入して加圧・加熱するオートクレーブ成形法、任意の構成で積層した成形材料をフィルムなどで包み込み、内部を減圧にして大気圧で加圧しながらオーブン中で加熱するバッギング成形法、任意の構成で積層した繊維強化熱可塑性樹脂基材に張力をかけながらテープを巻き付け、オーブン内で加熱するラッピングテープ法、任意の構成で積層した繊維強化熱可塑性樹脂基材を型内に設置し、同じく型内に設置した中子内に気体や液体などを注入して加圧する内圧成形法等が挙げられる。とりわけ、得られる成形品内のボイドが少なく、外観品位にも優れる成形品が得られることから、金型を用いてプレスする成形方法が好ましく用いられる。
[0053]
 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂基材またはその成形品は、インサート成形、アウトサート成形などの一体化成形や、加熱による矯正処置、熱溶着、振動溶着、超音波溶着などの生産性に優れた接着工法や接着剤を用いた一体化を行うことができ、複合体を得ることができる。
[0054]
 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂基材またはその成形品と一体化される成形用基材またはその成形品には特に制限はなく、例えば、樹脂材料またはその成形品、金属材料またはその成形品、無機材料またはその成形品などが挙げられる。なかでも、樹脂材料またはその成形品もしくは金属材料またはその成形品が本発明に係る繊維強化熱可塑性基材の補強効果を効果的に発現することができる。樹脂材料またはその成形品は繊維強化熱可塑性樹脂基材との接着強度の点で好ましく、繊維長が5~100mmの強化繊維マットにマトリックス樹脂を含浸してなる繊維強化樹脂が成形性と機械特性の点からより好ましい。金属材料またはその成形品としては、高張力鋼やアルミニウム合金、チタン合金およびマグネシウム合金等が使用可能であり、金属層や金属部材、金属部品に要求される特性に応じて選択すればよい。
[0055]
 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂基材と一体化される成形材料またはその成形品のマトリックス樹脂は、繊維強化熱可塑性樹脂基材またはその成形品と同種の樹脂であってもよいし、異種の樹脂であってもよい。接着強度をより高めるためには、同種の樹脂であることが好ましい。異種の樹脂である場合は、界面に樹脂層を設けるとより好適である。
[0056]
 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂基材またはその成形品は、その優れた特性を活かし、航空機部品、自動車部品、電気・電子部品、建築部材、各種容器、日用品、生活雑貨および衛生用品など各種用途に利用することができる。本発明における繊維強化末端変性熱可塑性樹脂基材またはその成形品は、とりわけ、安定した機械特性が要求される航空機エンジン周辺部品、航空機用部品の外装部品、自動車ボディー部品としての車両骨格、自動車エンジン周辺部品、自動車アンダーフード部品、自動車ギア部品、自動車内装部品、自動車外装部品、吸排気系部品、エンジン冷却水系部品や、自動車電装部品、電気・電子部品用途に特に好ましく用いられる。
[0057]
 具体的には、本発明における繊維強化末端変性ポリアミド樹脂またはその成形品は、ファンブレードなどの航空機エンジン周辺部品、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、各種シート、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種メンバ、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、各種レール、各種ヒンジなどの自動車ボディー部品、エンジンカバー、エアインテークパイプ、タイミングベルトカバー、インテークマニホールド、フィラーキャップ、スロットルボディ、クーリングファンなどの自動車エンジン周辺部品、クーリングファン、ラジエータータンクのトップおよびベース、シリンダーヘッドカバー、オイルパン、ブレーキ配管、燃料配管用チューブ、排ガス系統部品などの自動車アンダーフード部品、ギア、アクチュエーター、ベアリングリテーナー、ベアリングケージ、チェーンガイド、チェーンテンショナなどの自動車ギア部品、シフトレバーブラケット、ステアリングロックブラケット、キーシリンダー、ドアインナーハンドル、ドアハンドルカウル、室内ミラーブラケット、エアコンスイッチ、インストルメンタルパネル、コンソールボックス、グローブボックス、ステアリングホイール、トリムなどの自動車内装部品、フロントフェンダー、リアフェンダー、フューエルリッド、ドアパネル、シリンダーヘッドカバー、ドアミラーステイ、テールゲートパネル、ライセンスガーニッシュ、ルーフレール、エンジンマウントブラケット、リアガーニッシュ、リアスポイラー、トランクリッド、ロッカーモール、モール、ランプハウジング、フロントグリル、マッドガード、サイドバンパーなどの自動車外装部品、エアインテークマニホールド、インタークーラーインレット、ターボチャージャ、エキゾーストパイプカバー、インナーブッシュ、ベアリングリテーナー、エンジンマウント、エンジンヘッドカバー、リゾネーター、及びスロットルボディなどの吸排気系部品、チェーンカバー、サーモスタットハウジング、アウトレットパイプ、ラジエータータンク、オイルネーター、及びデリバリーパイプなどのエンジン冷却水系部品、コネクタやワイヤーハーネスコネクタ、モーター部品、ランプソケット、センサー車載スイッチ、コンビネーションスイッチなどの自動車電装部品、電気・電子部品としては、例えば、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、抵抗器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、スイッチ、ナイフスイッチ、他極ロッド、モーターケース、テレビハウジング、ノートパソコンハウジングおよび内部部品、CRTディスプレーハウジングおよび内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジングおよび内部部品、ICやLED対応ハウジング、コンデンサー座板、ヒューズホルダー、各種ギヤー、各種ケース、キャビネットなどの電気部品、コネクタ、SMT対応のコネクタ、カードコネクタ、ジャック、コイル、コイルボビン、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレー、リレーケース、リフレクタ、小型スイッチ、電源部品、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップシャーシ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、SiパワーモジュールやSiCパワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などの電子部品などに好ましく用いられる。
実施例
[0058]
 以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。各実施例および比較例における特性評価は下記の方法にしたがって行った。
[0059]
(1)体積含有率(Vf)
 各実施例および比較例により得られた繊維強化熱可塑性樹脂基材の体積含有率Vfは、繊維強化熱可塑性樹脂基材の質量W0を測定したのち、該繊維強化熱可塑性樹脂基材を空気中500℃で30分間加熱して熱可塑性樹脂成分を焼き飛ばし、残った強化繊維の質量W1を測定し、式(3)により算出した。
Vf(体積%)=(W1/ρf)/{W1/ρf+(W0-W1)/ρ1}×100・・・(3)
 ρf:強化繊維の密度(g/cm
 ρr:熱可塑性樹脂の密度(g/cm
[0060]
(2)引張強度
 各実施例および比較例により得られた繊維強化熱可塑性樹脂基材を繊維方向が一方向となるように揃えて、厚さ1±0.2mmとなるように積層した積層体を、型温度がマトリックス樹脂の溶融温度+30℃に加熱された成形型に投入した。続いて、積層体を、圧力3MPaで1分間加熱加圧プレスした後、圧力3MPaで冷却プレスを行い、成形板を得た。成形板から、繊維軸方向を長辺として、250mm×15mmの試験片を切り出した。得られた試験片に対して、“インストロン”(登録商標)万能試験機4201型(インストロン社製)を用いて、JIS K7165-2008に準拠した引張試験を行い、引張強度を測定した。3回測定を行い、その平均値と標準偏差より変動係数を算出した。
 引張強度の変動係数を機械特性の安定性に対する判断基準とし、以下の2段階で評価し、○を合格とした。
○ :変動係数が5%未満である。
× :変動係数が5%以上である。
[0061]
(3)含浸性
 各実施例および比較例により得られた繊維強化熱可塑性樹脂基材の厚み方向断面を以下のように観察した。繊維強化熱可塑性樹脂基材をエポキシ樹脂で包埋したサンプルを用意し、繊維強化熱可塑性樹脂基材の厚み方向断面が良好に観察できるようになるまで、前記サンプルを研磨した。研磨したサンプルを、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VHX-9500(コントローラー部)/VHZ-100R(測定部)((株)キーエンス製)を使用して、拡大倍率400倍で撮影した。撮影範囲は、繊維強化熱可塑性樹脂基材の厚み×幅500μmの範囲とした。撮影画像において、繊維強化熱可塑性樹脂基材の面積および空隙(ボイド)となっている部位の面積を求め、式(4)によりボイド率を算出した。
ボイド率(%)=(ボイドが占める部位の総面積)/(繊維強化熱可塑性樹脂基材の総面積)×100・・・(4)
[0062]
(4)均一性
(i)繊維強化熱可塑性樹脂基材の強化繊維配向方向と垂直な横断面を複数の区画に分割し、その中の1つの区画を撮影する。
(ii)前記区画の撮影画像を、式(1)で規定された一辺の長さtを有する複数の正方形ユニットに分割する。
(iii)式(2)で定義する分散パラメーターdを算出する。
(iv)異なる区画について(i)~(iii)の手順を繰り返し、前記横断面から得られる複数の区画の分散パラメーターdの平均値を分散パラメーターDとする。
 1.5a≦t≦2.5a  (a:繊維直径、t:ユニットの一辺の長さ)・・・(1)
 分散パラメーターd=区画内における強化繊維が含まれるユニットの個数/区画内におけるユニットの総個数×100・・・(2)
[0063]
 (評価方法)
 試料である繊維強化熱可塑性樹脂基材を、エポキシ樹脂「エポクイック」(登録商標:ビューラー社製)に埋め込み、室温で24時間硬化させた後、繊維強化熱可塑性樹脂基材における強化繊維の配向方向にほぼ垂直な横断面を研磨し、次いで該研磨面を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VHX-9500(コントローラー部)/VHZ-100R(測定部)((株)キーエンス製)で撮影した。
[0064]
 撮影された各繊維熱可塑性樹脂基材の横断面写真を画像解析ソフトを用いて相互に重なり合わない式(1)を1辺の長さとする略正方形にユニットに分割した。該略正方形ユニット画像処理を行い、略正方形ユニット内に強化繊維を含むユニットを測定し、式(2)より分散パラメーターdを算出した。
 かくして得られる分散パラメーターdを20枚以上の枚数にわたって撮影し、その平均値と変動係数を算出した。
[0065]
 実施例および比較例において、原料としては以下に示すものを用いた。
炭素繊維束 :東レ(株)製 T700S-12K
熱可塑性樹脂:ポリアミド6およびポリアミド6/66、東レ(株)製“アミラン”(登録商標)
[0066]
(実施例1)
 強化繊維として炭素繊維(表1ではCFと表記)を使用し、炭素繊維束が巻かれたボビンを16本準備し、それぞれボビンから連続的に糸道ガイドを通じて炭素繊維束を送り出した。連続的に送り出された炭素繊維束に、含浸ダイ内において、充填したフィーダーから定量供給されたマトリックス樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標):ポリアミド6[表1ではPA6と表記])を含浸させた。含浸ダイ内で強化繊維束の分散が悪化しない程度の弱い力でマトリックス樹脂としてのポリアミド6樹脂を含浸した炭素繊維を、引取ロールを用いて含浸ダイのノズルから1m/minの引き抜き速度で連続的に引き抜いた。炭素繊維束のノズルの通過時間は4.0秒であった。引き抜かれた炭素繊維束は、冷却ロールを通過してポリアミド6樹脂が冷却固化され、連続した繊維強化ポリアミド樹脂基材として巻取機に巻き取られた。得られた繊維強化ポリアミド樹脂基材の厚さは0.3mm、幅は50mmであり、強化繊維方向は一方向に配列していた。得られた繊維強化ポリアミド樹脂基材を前記評価に供した。評価結果を表1に示す。
[0067]
(実施例2~7)
 製品厚み、体積含有率及びマトリックス樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標):ポリアミド6またはポリアミド6/66[表1ではPA6、PA6/66と表記])を表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化ポリアミド樹脂基材を得た。得られた繊維強化ポリアミド樹脂基材を前記評価に供した。評価結果を表1に示す。
[0068]
(比較例1)
 炭素繊維束が巻かれたボビンを16本準備し、それぞれボビンから連続的に糸道ガイドを通じて炭素繊維束を送り出した。連続的に送り出された炭素繊維束の両側より熱可塑性樹脂フィルム(“アミラン”(登録商標):ポリアミド6)を積層して積層体を得た。この積層体を所定温度まで加熱して、熱可塑性樹脂フィルムを炭素繊維束のシート状物に溶融含浸させ、加圧、冷却することにより、繊維強化ポリアミド樹脂基材を得た。得られた繊維強化ポリアミド樹脂基材の厚さは0.3mm、幅は50mmであり、強化繊維方向は一方向に配列していた。評価結果を表1に示す。
[0069]
(比較例2~4)
 製品厚み、体積含有率及びマトリックス樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標):ポリアミド6またはポリアミド6/66)を表1に示す条件に変更した以外は比較例1と同様にして繊維強化ポリアミド樹脂基材を得た。得られた繊維強化ポリアミド樹脂基材を前記評価に供した。評価結果を表1に示す。
[0070]
[表1]


[0071]
 実施例1~3と比較例1~2との比較により、強化繊維が均一に分散した繊維強化ポリアミド樹脂基材は機械特性を安定して発現できることがわかる。

産業上の利用可能性

[0072]
 本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材は、オートクレーブ成形、プレス成形、フィルム成形などの任意の成形方法により、所望の形状に成形することが可能であるが、特に分散が悪化しない程度の弱い力でマトリックス樹脂を含侵させ、引き抜き成形により所望の形状に成形することが好ましい。本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂基材を用いた成形により得られる成形品は、例えば、航空機エンジン周辺部品、航空機内装部品、航空機外装部品、車両骨格、自動車エンジン周辺部品、自動車アンダーフード部品、自動車ギア部品、自動車内装部品、自動車外装部品、吸排気系部品、エンジン冷却水系部品、自動車電装部品などの自動車用途、LEDリフレクタやSMTコネクタなどの電気・電子部品用途などに有効である。

符号の説明

[0073]
1 強化繊維
2 熱可塑性樹脂
3 繊維強化熱可塑性樹脂基材

請求の範囲

[請求項1]
 連続した強化繊維が平行に引き揃えられるとともに、熱可塑性樹脂が含浸された繊維強化熱可塑性樹脂基材であって、繊維体積含有率が40~65体積%の範囲内にあり、且つ下記の方法によって求められる繊維の分散パラメーターDが90%以上であることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂基材。
(i)前記繊維強化熱可塑性樹脂基材の強化繊維配向方向と垂直な横断面を複数の区画に分割し、その中の1つの区画を撮影する。
(ii)前記区画の撮影画像を、式(1)で規定された一辺の長さtを有する複数の正方形ユニットに分割する。
(iii)式(2)で定義する分散パラメーターdを算出する。
(iv)異なる区画について(i)~(iii)の手順を繰り返し、前記横断面から得られる複数の区画の分散パラメーターdの平均値を分散パラメーターDとする。
 1.5a≦t≦2.5a  (a:繊維直径、t:ユニットの一辺の長さ)・・・(1)
 分散パラメーターd=区画内における強化繊維が含まれるユニットの個数/区画内におけるユニットの総個数×100・・・(2)
[請求項2]
 前記分散パラメーターdの変動係数が4%以下である、請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[請求項3]
 厚みが0.15mm~1.5mmの範囲にある、請求項1または2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[請求項4]
 前記熱可塑性樹脂がポリアミド6もしくはポリアミド66、またはこれらの混合物のいずれかである、請求項1~3のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[請求項5]
 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド6成分30~90重量%とポリアミド66成分70~10重量%とからなるポリアミド共重合体を含む、請求項1~4のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[請求項6]
 前記強化繊維が炭素繊維である、請求項1~5のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[請求項7]
 ボイド率が2%以下である、請求項1~6のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[請求項8]
 引き抜き成形によって得られたものである、請求項1~7のいずれかに繊維強化熱可塑性樹脂基材。
[請求項9]
 請求項1~8のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材からなる成形品。
[請求項10]
 請求項1~8のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂基材またはその成形品と、金属材料またはその成形品、もしくは樹脂材料またはその成形品とを一体化してなる複合成形品。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]