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1. (WO2019066016) CRANE
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明 細 書

発明の名称 クレーン

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010  

発明の効果

0011   0012   0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097  

産業上の利用可能性

0098  

符号の説明

0099  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : クレーン

技術分野

[0001]
 本発明は、クレーンに関する。詳しくは、制御信号から共振周波数成分を減衰させるクレーンに関する。

背景技術

[0002]
 従来、クレーンにおいて、搬送時の吊り荷には、搬送時に加わる加速度を起振力としてワイヤロープの先端に吊り下げられている吊り荷を質点とする単振り子、またはフック部分を支点とする二重振り子としての振動が発生している。また、伸縮ブームを備えるクレーンによって搬送される吊り荷には、単振り子、または二重振り子による振動に加えて伸縮ブームやワイヤロープ等のクレーンを構成している構造物のたわみによる振動が発生している。ワイヤロープに吊り下げられた吊り荷は、単振り子または二重振り子の共振周波数で振動するとともに、伸縮ブームの起伏方向の固有振動数や旋回方向の固有振動数、ワイヤロープの伸びによる伸縮振動時の固有周波数等で振動しながら搬送される。
[0003]
 このようなクレーンにおいて、操縦者は、吊り荷を所定の位置に安定的に下ろすために、操作具による手動操作によって伸縮ブームを旋回させたり起伏させたりして吊り荷の振動を打ち消す操作を行う必要があった。このため、クレーンの搬送効率は、搬送時に発生する振動の大きさやクレーン操縦者の熟練度に影響される。そこで、クレーンのアクチュエータの速度指令(制御信号)から吊り荷の共振周波数の周波数成分を減衰させることで吊り荷の振動を抑制して搬送効率を向上させるクレーンが知られている。例えば、特許文献1の如くである。
[0004]
 特許文献1に記載のクレーン装置は、トロリーから垂らしたワイヤロープに吊り荷を吊り下げて移動するクレーン装置である。クレーン装置は、ワイヤロープの吊り下げ長さ(ワイヤロープがシーブから離間する吊り下げ位置からフックまでの長さ)を基準として算出される共振周波数に基づく時間遅れフィルタを設定する。クレーン装置は、トロリー速度指令に時間遅れフィルタを適用した補正トロリー速度指令によってトロリーを移動させることで吊り荷の振動を抑制することができる。
[0005]
 しかし、クレーン装置は、共振周波数の算出において、ワイヤロープ先端のフックと吊り荷とを連結している玉掛けワイヤロープの長さを考慮していない。つまり、クレーンは、ワイヤロープ先端から吊り荷までの距離がワイヤロープの吊り下げ長さに対して十分小さいものとして玉掛けワイヤロープの長さを考慮していない。しかし、特許文献1に記載の技術では、吊り下げ長さに対する振り子の長さの比率が大きくなるにつれて吊り下げ長さから算出される共振周波数と実際の共振周波数との間にずれが生じ、効果的に吊り荷の振動を抑制できない場合があった。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2015-151211号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 本発明の目的では、ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて吊り荷に生じる振り子の共振周波数に関する振動を効果的に抑制することができるクレーンを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明のクレーンは、ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて定まる吊り荷の揺れの共振周波数を算出し、任意の操作信号に応じてアクチュエータの制御信号を生成するとともに、前記制御信号から前記共振周波数を基準として任意の周波数範囲の周波数成分を任意の割合で減衰させた前記アクチュエータのフィルタリング制御信号を生成するクレーンであって、前記ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて、減衰させる前記周波数成分の周波数範囲と減衰させる割合とのうち少なくとも一つを変更する。
[0009]
 ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて吊り荷の揺れの共振周波数と、クレーンを構成する構造物が外力により振動する際に励起される固有の振動周波数と、を合成した合成周波数を算出し、任意の操作信号に応じてアクチュエータの制御信号を生成するとともに、前記制御信号から前記合成周波数を基準として任意の周波数範囲の周波数成分を任意の割合で減衰させた前記アクチュエータのフィルタリング制御信号を生成するクレーンであって、前記ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて、減衰させる前記周波数成分の周波数範囲と減衰させる割合とのうち少なくとも一つを変更する。
[0010]
 過去の測定値に基づいて前記ワイヤロープのフック位置から前記吊り荷の重心位置までの長さの平均値と最小値とを取得し、前記ワイヤロープの吊り下げ長さと前記ワイヤロープのフック位置から前記吊り荷の重心位置までの長さの平均値とから算出される吊り荷の揺れの基準共振周波数を算出し、前記ワイヤロープの吊り下げ長さと前記ワイヤロープのフック位置から前記吊り荷の重心位置までの長さの最小値とから算出される吊り荷の揺れの上限共振周波数を算出し、基準共振周波数に対する上限共振周波数の比率に応じて、減衰させる前記周波数成分の周波数範囲と減衰させる割合とのうち少なくとも一つを変更する。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、ワイヤロープの吊り下げ長さから算出される共振周波数と、吊り荷の重心位置までの距離から算出される共振周波数とのずれをワイヤロープの吊り下げ長さから推定し、吊り荷の重心位置までの距離から算出される共振周波数を含む周波数範囲を減衰させる。これにより、ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて吊り荷に生じる振り子の共振周波数に関する振動を効果的に抑制することができる。
[0012]
 本発明によれば、吊り荷を単振り子とみなした共振周波数とブームの固有振動数との合成周波数を基準とする周波数成分の周波数範囲と減衰させる割合とのうち少なくとも一つを変更することで、吊り荷の揺れだけでなく、ブームの振動を抑制することができる。これにより、ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて吊り荷に生じる振り子の共振周波数に関する振動を効果的に抑制することができる。
[0013]
 本発明によれば、前記ワイヤロープの吊り下げ長さ毎にワイヤロープのフック位置から前記吊り荷の重心位置までの長さの平均値と最小値とから算出した共振周波数の比率に基づいて、減衰させる前記周波数成分の周波数範囲と減衰させる割合を設定する。これにより、ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて、吊り荷に生じる振り子の共振周波数に関する振動を効果的に抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] クレーンの全体構成を示す側面図。
[図2] クレーンの制御構成を示すブロック図。
[図3] ノッチフィルタの周波数特性を表すグラフを示す図。
[図4] ノッチフィルタにおいて、ノッチ深さ係数が異なる場合の周波数特性を表すグラフを示す図。
[図5] 吊り荷の吊り下げ長さ及び玉掛け長さを示す図。
[図6] 旋回操作の制御信号とノッチフィルタを適用した制御信号とフィルタリング制御信号とを表すグラフを示す図。
[図7] 過去に測定された玉掛け長さの分布を示す図。
[図8] 吊り下げ長さ毎の平均玉掛け長さと最短玉掛け長さとの周波数比率との関係を表すグラフを示す図。
[図9] 図9は吊り荷の揺れを示す図である。(A)は吊り下げ長さに対する平均玉掛け長さの比率が小さい場合における吊り荷の揺れを示し、(B)は吊り下げ長さに対する平均玉掛け長さの比率が大きい場合における吊り荷の揺れを示す。
[図10] 制振制御の全体の制御態様を表すフローチャートを示す図。
[図11] 制振制御において一の操作具の単独操作におけるノッチフィルタの適用工程を表すフローチャートを示す図。
[図12] 制振制御において複数の操作具の単独操作におけるノッチフィルタの適用工程を表すフローチャートを示す図。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下に、図1と図2とを用いて、本発明の第一実施形態に係るクレーン1について説明する。なお、本実施形態においては、クレーン1として移動式クレーン(ラフテレーンクレーン)について説明を行うが、トラッククレーン等でもよい。
[0016]
 図1に示すように、クレーン1は、不特定の場所に移動可能な移動式クレーンである。クレーン1は、車両2、クレーン装置6を有する。
[0017]
 車両2は、クレーン装置6を搬送するものである。車両2は、複数の車輪3を有し、エンジン4を動力源として走行する。車両2には、アウトリガ5が設けられている。アウトリガ5は、車両2の幅方向両側に油圧によって延伸可能な張り出しビームと地面に垂直な方向に延伸可能な油圧式のジャッキシリンダとから構成されている。車両2は、アウトリガ5を車両2の幅方向に延伸させるとともにジャッキシリンダを接地させることにより、クレーン1の作業可能範囲を広げることができる。
[0018]
 クレーン装置6は、吊り荷Wをワイヤロープによって吊り上げるものである。クレーン装置6は、旋回台7、伸縮ブーム9、ジブ9a、メインフックブロック10、サブフックブロック11、起伏用油圧シリンダ12、メインウインチ13、メインワイヤロープ14、サブウインチ15、サブワイヤロープ16、キャビン17等を具備する。
[0019]
 旋回台7は、クレーン装置6を旋回可能に構成するものである。旋回台7は、円環状の軸受を介して車両2のフレーム上に設けられる。旋回台7は、円環状の軸受の中心を回転中心として回転自在に構成されている。旋回台7には、アクチュエータである油圧式の旋回用油圧モータ8が設けられている。旋回台7は、旋回用油圧モータ8によって一方向と他方向とに旋回可能に構成されている。
[0020]
 アクチュエータである旋回用油圧モータ8は、電磁比例切換弁である旋回用操作弁23(図2参照)によって回転操作される。旋回用操作弁23は、旋回用油圧モータ8に供給される作動油の流量を任意の流量に制御することができる。つまり、旋回台7は、旋回用操作弁23によって回転操作される旋回用油圧モータ8を介して任意の旋回速度に制御可能に構成されている。旋回台7には、旋回台7の旋回位置(角度)と旋回速度とを検出する旋回用エンコーダ27(図2参照)が設けられている。
[0021]
 伸縮ブーム9は、吊り荷Wを吊り上げ可能な状態にワイヤロープを支持するものである。伸縮ブーム9は、複数のブーム部材から構成されている。伸縮ブーム9は、各ブーム部材をアクチュエータである伸縮用油圧シリンダ(図示しない)で移動させることで軸方向に伸縮自在に構成されている。伸縮ブーム9は、ベースブーム部材の基端が旋回台7の略中央に揺動自在に設けられている。
[0022]
 アクチュエータである図示しない伸縮用油圧シリンダは、電磁比例切換弁である伸縮用操作弁24(図2参照)によって伸縮操作される。伸縮用操作弁24は、伸縮用油圧シリンダに供給される作動油の流量を任意の流量に制御することができる。つまり、伸縮ブーム9は、伸縮用操作弁24によって任意のブーム長さに制御可能に構成されている。伸縮ブーム9には、伸縮ブーム9の長さを検出するブーム長検出センサ28と、吊り荷Wの重量Wtを検出する重量センサ29(図2参照)とが設けられている。
[0023]
 ジブ9aは、クレーン装置6の揚程や作業半径を拡大するものである。ジブ9aは、伸縮ブーム9のベースブーム部材に設けられたジブ支持部によってベースブーム部材に沿った姿勢で保持されている。ジブ9aの基端は、トップブーム部材のジブ支持部に連結可能に構成されている。
[0024]
 メインフックブロック10とサブフックブロック11とは、吊り荷Wを吊るものである。メインフックブロック10には、メインワイヤロープ14が巻き掛けられる複数のフックシーブと、吊り荷Wを吊るメインフックとが設けられている。サブフックブロック11には、吊り荷Wを吊るサブフックが設けられている。
[0025]
 アクチュエータである起伏用油圧シリンダ12は、伸縮ブーム9を起立および倒伏させ、伸縮ブーム9の姿勢を保持するものである。起伏用油圧シリンダ12はシリンダ部とロッド部とから構成されている。起伏用油圧シリンダ12は、シリンダ部の端部が旋回台7に揺動自在に連結され、ロッド部の端部が伸縮ブーム9のベースブーム部材に揺動自在に連結されている。
[0026]
 アクチュエータである起伏用油圧シリンダ12は、電磁比例切換弁である起伏用操作弁25(図2参照)によって伸縮操作される。起伏用操作弁25は、起伏用油圧シリンダ12に供給される作動油の流量を任意の流量に制御することができる。つまり、伸縮ブーム9は、起伏用操作弁25によって任意の起伏速度に制御可能に構成されている。伸縮ブーム9には、伸縮ブーム9の起伏角度を検出する起伏用エンコーダ30(図2参照)が設けられている。
[0027]
 メインウインチ13とサブウインチ15とは、メインワイヤロープ14とサブワイヤロープ16との繰り入れ(巻き上げ)および繰り出し(巻き下げ)を行うものである。メインウインチ13は、メインワイヤロープ14が巻きつけられるメインドラムがアクチュエータである図示しないメイン用油圧モータによって回転され、サブウインチ15は、サブワイヤロープ16が巻きつけられるサブドラムがアクチュエータである図示しないサブ用油圧モータによって回転されるように構成されている。
[0028]
 アクチュエータであるメイン用油圧モータは、電磁比例切換弁であるメイン用操作弁26m(図2参照)によって回転操作される。メイン用操作弁26mは、メイン用油圧モータに供給される作動油の流量を任意の流量に制御することができる。つまり、メインウインチ13は、メイン用操作弁26mによって任意の繰り入れおよび繰り出し速度に制御可能に構成されている。同様に、サブウインチ15は、電磁比例切換弁であるサブ用操作弁26s(図2参照)によって任意の繰り入れおよび繰り出し速度に制御可能に構成されている。メインウインチ13には、メイン繰出長検出センサ31が設けられている。同様に、サブウインチ15には、サブ繰出長検出センサ32が設けられている。
[0029]
 キャビン17は、操縦席を覆うものである。キャビン17は、旋回台7に搭載されている。図示しない操縦席が設けられている。操縦席には、車両2を走行操作するための操作具やクレーン装置6を操作するための旋回操作具18、起伏操作具19、伸縮操作具20、メインドラム操作具21、サブドラム操作具22等が設けられている(図2参照)。旋回操作具18は、旋回用操作弁23を操作することで旋回用油圧モータ8を制御することができる。起伏操作具19は、起伏用操作弁25を操作することで起伏用油圧シリンダ12を制御することができる。伸縮操作具20は、伸縮用操作弁24を操作することで伸縮用油圧シリンダを制御することができる。メインドラム操作具21はメイン用操作弁26mを操作することでメイン用油圧モータを制御することができる。サブドラム操作具22は、サブ用操作弁26sを操作することでサブ用油圧モータを制御することができる。
[0030]
 このように構成されるクレーン1は、車両2を走行させることで任意の位置にクレーン装置6を移動させることができる。また、クレーン1は、起伏操作具19の操作によって起伏用油圧シリンダ12で伸縮ブーム9を任意の起伏角度に起立させて、伸縮操作具20の操作によって伸縮ブーム9を任意のブーム長さに延伸させたりすることでクレーン装置6の揚程や作業半径を拡大することができる。また、クレーン1は、サブドラム操作具22等によって吊り荷Wを吊り上げて、旋回操作具18の操作によって旋回台7を旋回させることで吊り荷Wを搬送することができる。
[0031]
 図2に示すように、制御装置33は、各操作弁を介してクレーン1のアクチュエータを制御するものである。制御装置33は、制御信号生成部33a、共振周波数算出部33b、フィルタ部33c、フィルタ係数算出部33dを具備する。制御装置33は、キャビン17内に設けられている。制御装置33は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。制御装置33は、制御信号生成部33a、共振周波数算出部33b、フィルタ部33c、フィルタ係数算出部33dの動作を制御するために種々のプログラムやデータが格納されている。
[0032]
 制御信号生成部33aは、制御装置33の一部であり、各アクチュエータの速度指令である制御信号を生成するものである。制御信号生成部33aは、旋回操作具18、起伏操作具19、伸縮操作具20、メインドラム操作具21、サブドラム操作具22等から各操作具の操作量を取得し、旋回操作具18の制御信号C(1)、起伏操作具19の制御信号C(2)・・制御信号C(n)(以下、単にまとめて「制御信号C(n)」と記し、nは任意の数とする)を生成するように構成されている。また、制御信号生成部33aは、伸縮ブーム9が作業領域の規制範囲に近接した場合や特定の指令を取得した場合に操作具の操作(手動制御)によらない自動制御(例えば自動停止や自動搬送等)を行う制御信号C(na)や、任意の操作具の緊急停止操作に基づいて緊急停止制御を行う制御信号C(ne)を生成するように構成されている。
[0033]
 共振周波数算出部33bは、制御装置33の一部であり、メインワイヤロープ14またはサブワイヤロープ16に吊り下げられた吊り荷Wを単振り子として、その吊り下げ長さと後述する玉掛け長さに基づいて吊り荷Wに生じる振り子の固有振動数である共振周波数ωx(n)を算出するものである(以下、単に「共振周波数ωx(n)」と記す)。共振周波数算出部33bは、フィルタ係数算出部33dが取得する伸縮ブーム9の起伏角度を取得し、メイン繰出長検出センサ31またはサブ繰出長検出センサ32から対応するメインワイヤロープ14またはサブワイヤロープ16の繰り出し量を取得し、メインフックブロック10を使用している場合に図示しない安全装置からメインフックブロック10の掛け数を取得する。
[0034]
 さらに、共振周波数算出部33bは、取得した伸縮ブーム9の起伏角度、メインワイヤロープ14またはサブワイヤロープ16の繰り出し量、メインフックブロック10を使用している場合のメインフックブロック10の掛け数から、メインワイヤロープ14とサブワイヤロープ16において、シーブからメインワイヤロープ14が離間する位置(吊り下げ位置)からフックブロックまでのメインワイヤロープ14の吊り下げ長さLm(n)、またはシーブからサブワイヤロープ16が離間する位置(吊り下げ位置)からフックブロックまでのサブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)を算出し(図1参照)、重力加速度gとメインワイヤロープ14の吊り下げ長さLm(n)またはサブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)からなる吊り下げ長さL(n)とからその共振周波数ωx(n)=√(g/L(n))・・・(1)を算出するように構成されている。
[0035]
 フィルタ部33cは、制御装置33の一部であり、制御信号C(1)・C(2)・・C(n)の特定の周波数領域を減衰させるノッチフィルタFx(1)・Fx(2)・・Fx(n)を生成し(以下、単にまとめて「ノッチフィルタFx(n)」と記し、nは任意の数とする)、制御信号C(n)にノッチフィルタFx(n)を適用するものである。フィルタ部33cは、制御信号生成部33aから制御信号C(1)、制御信号C(2)・・制御信号C(n)を取得し、制御信号C(1)にノッチフィルタFx(1)を適用して制御信号C(1)から共振周波数ω(1)を基準として任意の周波数範囲の周波数成分を任意の割合で減衰させたフィルタリング制御信号Cd(1)を生成し、制御信号C(2)にノッチフィルタFx(2)を適用してフィルタリング制御信号Cd(2)を生成し、・・制御信号C(n)にノッチフィルタFx(n)を適用して制御信号C(n)から共振周波数ωx(n)を基準として任意の周波数範囲の周波数成分を任意の割合で減衰させたフィルタリング制御信号Cd(n)を生成するように構成されている(以下、単にまとめて「フィルタリング制御信号Cd(n)」と記し、nは任意の数とする)。
[0036]
 フィルタ部33cは、旋回用操作弁23、伸縮用操作弁24、起伏用操作弁25、メイン用操作弁26mおよびサブ用操作弁26sのうち対応する操作弁にフィルタリング制御信号Cd(n)を伝達するように構成されている。つまり、制御装置33は、各操作弁を介してアクチュエータである旋回用油圧モータ8、起伏用油圧シリンダ12、図示しない伸縮用油圧シリンダ、図示しないメイン用油圧モータ、サブ用油圧モータを制御できるように構成されている。
[0037]
 フィルタ係数算出部33dは、制御装置33の一部であり、クレーン1の作動状態からノッチフィルタFx(n)が有する伝達関数H(s)(式(2)参照)の中心周波数係数ωx 、ノッチ幅係数ζx、ノッチ深さ係数δxを算出するものである。フィルタ係数算出部33dは、取得した共振周波数ωx(n)に対応した中心周波数係数ωx を算出するように構成されている。また、フィルタ係数算出部33dは、メインワイヤロープ14の吊り下げ長さLm(n)、またはサブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)に基づいて、ノッチフィルタFx(n)のノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxとを算出するように構成されている(図5参照)。
[0038]
 図3と図4とを用いてノッチフィルタFx(n)について説明する。ノッチフィルタFx(n)は、任意の周波数を中心として制御信号C(n)に急峻な減衰を与えるフィルタである。
 図3に示すように、ノッチフィルタFx(n)は、任意の中心周波数ωc(n)を中心とする任意の周波数範囲であるノッチ幅Bnの周波数成分を、中心周波数ωc(n)における任意の周波数の減衰割合であるノッチ深さDnで減衰させる周波数特性を有するフィルタである。つまり、ノッチフィルタFx(n)の周波数特性は、中心周波数ωc(n)、ノッチ幅Bnおよびノッチ深さDnから設定される。
[0039]
 ノッチフィルタFx(n)は、以下の式(2)に示す伝達関数H(s)を有する。
[数1]


[0040]
 式(2)においてω はノッチフィルタFx(n)の中心周波数ωc(n)に対応する中心周波数係数ωx 、ζaはノッチ幅Bnに対応するノッチ幅係数、δaはノッチ深さDnに対応するノッチ深さ係数である。ノッチフィルタFx(n)は、中心周波数係数ωx が変更されることでノッチフィルタFx(n)の中心周波数ωc(n)が変更され、ノッチ幅係数ζxが変更されることでノッチフィルタFx(n)のノッチ幅Bnが変更され、ノッチ深さ係数δxが変更されることでノッチフィルタFx(n)のノッチ深さDnが変更される。
[0041]
 ノッチ幅係数ζxは、大きく設定するほどノッチ幅Bnが大きく設定される。これにより、ノッチフィルタFx(n)は、適用する入力信号において、中心周波数ωc(n)から減衰させる周波数範囲がノッチ幅係数ζxによって設定される。
[0042]
 ノッチ深さ係数δxは、0から1までの間で設定される。
 図4に示すように、ノッチ深さ係数δx=0の場合、ノッチフィルタFx(n)は、ノッチフィルタFx(n)の中心周波数ωc(n)におけるゲイン特性は―∞dBとなる。これにより、ノッチフィルタFx(n)は、適用する入力信号において、中心周波数ωc(n)での減衰量が最大になる。つまり、ノッチフィルタFx(n)は、入力信号をその周波数特性に従って最も減衰させて出力する。
 ノッチ深さ係数δx=1の場合、ノッチフィルタFx(n)は、ノッチフィルタFx(n)の中心周波数ωc(n)におけるゲイン特性は0dBとなる。これにより、ノッチフィルタFx(n)は、適用する入力信号の全ての周波数成分を減衰させない。つまり、ノッチフィルタFx(n)は、入力信号をそのまま出力する。
[0043]
 図2に示すように、制御装置33の制御信号生成部33aは、旋回操作具18、起伏操作具19、伸縮操作具20、メインドラム操作具21およびサブドラム操作具22に接続され、旋回操作具18、起伏操作具19、メインドラム操作具21およびサブドラム操作具22のそれぞれの操作量(操作信号)に応じて制御信号C(n)を生成することができる。
[0044]
 制御装置33の共振周波数算出部33bは、メイン繰出長検出センサ31とサブ繰出長検出センサ32、フィルタ係数算出部33dに接続され、メインワイヤロープ14の吊り下げ長さLm(n)とサブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)を取得することができる。
[0045]
 制御装置33のフィルタ部33cは、旋回用操作弁23、伸縮用操作弁24、起伏用操作弁25、メイン用操作弁26mおよびサブ用操作弁26sに接続され、旋回用操作弁23、伸縮用操作弁24、起伏用操作弁25、メイン用操作弁26mおよびサブ用操作弁26sに対応するフィルタリング制御信号Cd(n)を伝達することができる。また、フィルタ部33cは、制御信号生成部33aに接続され、制御信号C(n)を取得することができる。また、フィルタ部33cは、フィルタ係数算出部33dに接続され、ノッチ幅係数ζx、ノッチ深さ係数δxおよび中心周波数係数ωx を取得することができる。
[0046]
 制御装置33のフィルタ係数算出部33dは、旋回用エンコーダ27、ブーム長検出センサ28、重量センサ29および起伏用エンコーダ30に接続され、旋回台7の旋回位置、ブーム長さ、起伏角度および吊り荷Wの重量Wtを取得することができる。また、フィルタ係数算出部33dは、制御信号生成部33aに接続され、制御信号C(n)を取得することができる。また、フィルタ係数算出部33dは、共振周波数算出部33bに接続され、メインワイヤロープ14の吊り下げ長さLm(n)とサブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)(図1参照)および共振周波数ωx(n)を取得することができる。
[0047]
 制御装置33は、制御信号生成部33aにおいて、旋回操作具18、起伏操作具19、伸縮操作具20、メインドラム操作具21およびサブドラム操作具22の操作量に基づいて各操作具に対応した制御信号C(n)を生成する。また、制御装置33は、共振周波数算出部33bにおいて、メインワイヤロープ14の吊り下げ長さLm(n)、またはサブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)と後述する玉掛け長さとの合計値に基づいて共振周波数ωx(n)を算出する。また、制御装置33は、フィルタ係数算出部33dにおいて、共振周波数算出部33bにおいて算出した共振周波数ωx(n)をノッチフィルタFx(n)の基準となる中心周波数ωc(n)として対応する中心周波数係数ωx を算出する。さらに、制御装置33は、フィルタ係数算出部33dにおいて、メインワイヤロープ14の吊り下げ長さLm(n)、またはサブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)と後述する玉掛け長さとの合計値に基づいて、ノッチフィルタFx(n)のノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxとを算出する。
[0048]
 図6に示すように、制御装置33は、フィルタ部33cにおいて、ノッチ幅係数ζx、ノッチ深さ係数δxおよび中心周波数係数ωx を適用したノッチフィルタFx(n)を制御信号C(n)に適用してフィルタリング制御信号Cd(n)を生成する。ノッチフィルタFx(n)が適用されたフィルタリング制御信号Cd(n)は、共振周波数ωx(n)の周波数成分が減衰されているので、制御信号C(n)に比べて立ち上がりが緩やかになり、動作が完了するまでの時間が延びる。つまり、ノッチ深さ係数δxが0に近い(ノッチ深さDnが深い)ノッチフィルタFx(n)が適用されたフィルタリング制御信号Cd(n)で制御されるアクチュエータは、ノッチ深さ係数δxが1に近い(ノッチ深さDnが浅い)ノッチフィルタFx(n)が適用されたフィルタリング制御信号Cd(n)、もしくはノッチフィルタFx(n)が適用されていない制御信号C(n)で制御される場合に比べて、操作具の操作による動作の反応が緩慢になり操作性が低下する。
[0049]
 同様に、ノッチ幅係数ζxが標準的な値よりも比較的大きい(ノッチ幅Bnが比較的広い)ノッチフィルタFx(n)が適用されたフィルタリング制御信号Cd(n)で制御されるアクチュエータは、ノッチ幅係数ζxが標準的な値よりも比較的小さい(ノッチ幅Bnが比較的狭い)ノッチフィルタFx(n)が適用されたフィルタリング制御信号Cd(n)、もしくはノッチフィルタFx(n)が適用されていない制御信号C(n)で制御される場合に比べて、操作具の操作による動作の反応が緩慢になり操作性が低下する。
[0050]
 次に、図7を用いて、メインワイヤロープ14の吊り下げ長さLm(n)、またはサブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)に基づいた、ノッチフィルタFx(n)のノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxとの算出について説明する。なお、本実施形態において、クレーン1は、サブワイヤロープ16によって吊り荷Wを吊り上げるものとして説明する。
[0051]
 図7に示すように、サブフックから玉掛けワイヤロープに吊られている吊り荷Wの上面までの長さである吊り長さと吊り荷Wの上面から重心位置までの長さ(以下、単に「玉掛け長さ」と記す)の分布は、正規分布に従う。つまり、玉掛け長さは、平均玉掛け長さLw(n)を中央値として平均玉掛け長さLw(n)よりも標準偏差σ分だけ長い最長玉掛け長さLwl(n)から標準偏差σ分だけ短い最短玉掛け長さLws(n)の範囲で分布する。従って、吊り荷Wが単振り子として振れる際の共振周波数は、サブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)と平均玉掛け長さLw(n)との合計値から算出した基準共振周波数ωxs(n)を中央値として、玉掛け長さが最長玉掛け長さLwl(n)である場合の下限共振周波数ωxl(n)から最短玉掛け長さLws(n)である場合の上限共振周波数ωxh(n)の範囲でばらつきが生じる。下限共振周波数ωxl(n)、基準共振周波数ωxs(n)および上限共振周波数ωxh(n)は、吊り下げ長さLs(n)が短くなるほど高くなる。また、吊り下げ長さLs(n)の変化に対する周波数の上昇率は、下限共振周波数ωxl(n)よりも上限共振周波数ωxh(n)が大きい。
[0052]
 図8に示すように、サブワイヤロープ16の吊り下げ長さLs(n)と平均玉掛け長さLw(n)との合計値毎の基準共振周波数ωxs(n)に対する上限共振周波数ωxh(n)の周波数比fr(周波数比fr=上限共振周波数ωxh(n)/基準共振周波数ωxs(n))は、吊り下げ長さLs(n)が短くなるほど増大する。すなわち、基準共振周波数ωxs(n)と上限共振周波数ωxh(n)とのずれは、吊り下げ長さLs(n)が短くなるほど増大する。このように、基準共振周波数ωxs(n)と上限共振周波数ωxh(n)のずれは、周波数比frが大きくなるほど増大する。従って、周波数比frが大きくなるほどノッチフィルタFx(n)のノッチ幅Bnが広く、かつノッチ深さDnが浅くなるようにノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxとを設定することで、基準共振周波数ωxs(n)と上限共振周波数ωxh(n)とにずれが生じていても振動を吸収することができる。
[0053]
 制御装置33は、予め平均玉掛け長さLw(n)、最長玉掛け長さLwl(n)および最短玉掛け長さLws(n)を記憶している。また、制御装置33は、周波数比frの範囲毎にノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxとの組み合わせであるパラメータを記憶している。例えば、制御装置33は、操作具による操作性が優先される手動制御等において、周波数比frが100%以上120%未満の範囲に対するパラメータPm0、周波数比frが120%以上140%未満の範囲に対するパラメータPm1、周波数比frが140%以上の範囲に対するパラメータPm2を記憶している。各パラメータPm0・Pm1・Pm2は、同一の吊り下げ長さLs(n)において、ノッチフィルタFx(n)を適用した際の流れ量が略同一になるように設定されている。さらに、制御装置33は、吊り荷Wの揺れの抑制が優先される自動制御等において、周波数比frが100%以上120%未満の範囲に対するパラメータPa0、周波数比frが120%以上140%未満の範囲に対するパラメータPa1、周波数比frが140%以上の範囲に対するパラメータPa2を記憶している。
[0054]
 同一の周波数比frの範囲において、操作具による操作性が優先されるパラメータPm0・Pm1・Pm2のノッチ深さ係数δxは、吊り荷Wの揺れの抑制が優先されるパラメータPa0・Pa1・Pa2のノッチ深さ係数δxよりも小さく設定されている。つまり、操作具による操作性が優先されるパラメータPm0・Pm1・Pm2の一つが適用されたノッチフィルタFx(n)は、同一の周波数比frの範囲において、吊り荷Wの揺れの抑制が優先されるパラメータPa0・Pa1・Pa2の一つが適用された場合よりもノッチ深さDnが浅くなる。このように構成することで、制御装置33は、操作具による操作性の維持が優先される手動制御の場合と吊り荷Wの揺れの抑制が優先される場合とでノッチフィルタFx(n)の特性を切り替えることができる。
[0055]
 制御装置33のフィルタ係数算出部33dは、吊り下げ長さLs(n)での基準共振周波数ωxs(n)に対する上限共振周波数ωxh(n)の周波数比frを算出する。手動制御の場合、フィルタ係数算出部33dは、パラメータPm0、パラメータPm1、パラメータPm2から、算出した周波数比frが含まれる帯域に対応するパラメータを選択する。自動制御の場合、フィルタ係数算出部33dは、パラメータPa0、パラメータPa1、パラメータPa2から、算出した周波数比frが含まれる帯域に対応するパラメータを選択する。
[0056]
 制御装置33のフィルタ部33cは、算出したパラメータのノッチ幅係数ζx、ノッチ深さ係数δxおよび中心周波数係数ωx を適用したノッチフィルタFx(n)を制御信号C(n)に適用してフィルタリング制御信号Cd(n)を生成する。
[0057]
 図6に示すように、制御装置33は、フィルタ部33cにおいて、ノッチフィルタFx(n)が適用されたフィルタリング制御信号Cd(n)は、共振周波数ωx(n)の周波数成分が減衰されているので、制御信号C(n)に比べて立ち上がりが緩やかになり、動作が完了するまでの時間が延びる。つまり、ノッチ深さ係数δxが0に近い(ノッチ深さDnが深い)ノッチフィルタFx(n)が適用されたフィルタリング制御信号Cd(n)で制御されるアクチュエータは、ノッチ深さ係数δxが1に近い(ノッチ深さDnが浅い)ノッチフィルタFx(n)が適用されたフィルタリング制御信号Cd(n)、もしくはノッチフィルタFx(n)が適用されていない制御信号C(n)で制御される場合に比べて、操作具の操作による動作の反応が緩慢になり操作性が低下する。
[0058]
 また、図9に示すように、クレーン1は、ワイヤロープ(メインワイヤロープ14またはサブワイヤロープ16)に対応するフックブロック(メインフックブロック10またはサブフックブロック11)に玉掛けワイヤロープを用いて吊り荷Wが玉掛けされているため、厳密にはフックブロックおよび吊り荷Wは二重振り子として往復運動している。
[0059]
 図9(A)に示すように、吊り下げ長さLs(n)に対する平均玉掛け長さLw(n)の比率が0に近づくにつれて、吊り荷Wを単振り子としてみなすことができる。従って、制御装置33は、周波数比frが小さくなるにつれて吊り下げ長さL(n)から算出される共振周波数ωx(n)を中心周波数ωc(n)とするノッチフィルタFx(n)のノッチ幅Bnを狭く、ノッチ深さDnを深くするようにパラメータを設定する。
[0060]
 図9(B)に示すように、吊り下げ長さLs(n)に対する平均玉掛け長さLw(n)の比率が1に近づくにつれて、二重振り子としての特性が強くなり、吊り下げ長さL(n)から算出される共振周波数ωx(n)と吊り荷Wの重心位置である重心Gまでの距離から算出される共振周波数ωx(n)とのずれが大きくなる。従って、制御装置33は、吊り下げ長さL(n)から算出される共振周波数ωx(n)を中心周波数ωc(n)とするノッチフィルタFx(n)のノッチ幅Bnをより広く、ノッチ深さDnをより浅くするようにパラメータを設定する。
[0061]
 このように、制御装置33は、周波数比frに基づいて、ノッチフィルタFx(n)の周波数範囲と減衰割合とを設定することで、二重振り子としての特性が強い状態でも吊り荷Wの振動を抑制することができる。
[0062]
 次に、制御装置33におけるクレーン1の作動状態に基づく制振制御について説明する。以下の実施形態において、制御装置33は、旋回操作具18、起伏操作具19、伸縮操作具20、メインドラム操作具21およびサブドラム操作具22のうち任意の操作具(以下、単に「操作具」と記す)の操作による手動操作によってクレーン1が作動している場合、制御装置33は、一の操作具に基づいて生成された制御信号C(n)を制御信号生成部33aから取得すると、ノッチフィルタFx(n)の設定を行う。制御装置33は、共振周波数算出部33bにおいて算出した共振周波数ωx(n)をノッチフィルタFx(n)の基準となる中心周波数ωc(n)として中心周波数係数ωx を算出する。また、制御装置33は、ノッチフィルタFx(n)のノッチ深さ係数δxとノッチ幅係数ζxとのうち少なくとも一つを設定する。
[0063]
 操作具の操作性を優先させたい手動制御の場合、制御装置33は、予め記憶している平均玉掛け長さLw(n)、最短玉掛け長さLws(n)と取得した吊り下げ長さLs(n)とから基準共振周波数ωxs(n)および上限共振周波数ωxh(n)を算出する。制御装置は、基準共振周波数ωxs(n)と上限共振周波数ωxh(n)とから周波数比frを算出する。制御装置33は、パラメータPm0・Pm1・Pm2のうち算出した周波数比frに対応するパラメータを算出する。制御装置33は、算出したパラメータのノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxとを伝達関数H(s)に適用し、ノッチフィルタFx(n1)を設定する。これにより、クレーン1は、操作具による操作性の維持を優先しつつ、平均玉掛け長さLw(n)による誤差を考慮したノッチフィルタFx(n1)が適用される。
[0064]
 一方、振動抑制効果を優先させたい自動制御の場合、制御装置33は、パラメータPa0・Pa1・Pa2のうち算出した周波数比frに対応するパラメータを算出する。制御装置33は、算出したパラメータのノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxとを伝達関数H(s)に適用し、ノッチフィルタFx(n2)を設定する。これにより、クレーン1は、吊り荷Wの共振周波数ωx(n)での振動抑制効果を優先しつつ、平均玉掛け長さLw(n)による誤差を考慮したノッチフィルタFx(n2)が適用される。
[0065]
 本実施形態では、制御装置33は、一の操作具に基づいて生成された制御信号C(n)を制御信号生成部33aから取得すると、操作具の操作性を優先させるために、パラメータPm0・Pm1・Pm2のうち算出した周波数比frに応じたノッチ深さ係数δxに設定されたノッチフィルタFx(n1)を制御信号C(n)に適用して、フィルタリング制御信号Cd(n1)を生成する。
[0066]
 一の操作具の単独操作中に他の操作具が更に操作される手動制御の場合、制御装置33は、他の操作具の操作に基づいて生成された制御信号C(n+1)を制御信号生成部33aから取得すると、振動抑制効果を優先させるために、ノッチフィルタFx(n1)に代えてノッチフィルタFx(n2)を一の操作具による制御信号C(n)と他の操作具による制御信号C(n+1)に適用してフィルタリング制御信号Cd(n2)と、フィルタリング制御信号Cd(n2+1)を生成する。さらに、制御装置33は、一の操作具による単独操作に変更された場合、操作具の操作性を優先させるためにノッチフィルタFx(n2)からノッチフィルタFx(n1)に切り替え、一の操作具による制御信号C(n)に適用してフィルタリング制御信号Cd(n1)を生成する。
[0067]
 例えば、遠隔操作装置等による操作において、一の操作具の操作量が他の操作具の操作量に適用される場合、他の操作具の制御信号C(n+1)の単位時間当たりの変化量(加速度)が大幅に大きくなる可能性がある。具体的には、旋回操作の入り切りスイッチと起伏操作の入り切りスイッチ、および各操作の速度を設定する共通の速度レバーを備える場合、旋回操作の入り切りスイッチが入り状態にされ、任意の速度での旋回動作中に起伏スイッチを切り状態にすると旋回動作の速度設定が起伏操作に適用される。つまり、複数の操作具によって操作を開始した場合、大きな振動が発生する場合がある。そのため、一の操作具の単独操作中に他の操作具が更に操作される場合、振動抑制効果を優先させるように、ノッチフィルタFx(n)を切り替えている。
[0068]
 これにより、クレーン1は、一の操作具の単独操作においてノッチフィルタFx(n1)を適用することで操作具の操作性の維持を優先したフィルタリング制御信号Cd(n1)を生成することができる。また、クレーン1は、振動が発生しやすい複数の操作具の併用操作においてノッチフィルタFx(n2)を適用することで操作具の振動抑制効果を優先したフィルタリング制御信号Cd(n2)と、フィルタリング制御信号Cd(n2+1)を生成することができる。
[0069]
 また、動作規制範囲に到達する前の自動停止や自動搬送等の自動制御によってクレーン1が作動している場合、制御装置33は、フィルタ係数算出部33dが操作具の操作に基づかない制御信号C(na)を制御信号生成部33aから取得すると、ノッチフィルタFx(n2)を制御信号C(na)に適用することで操作具の振動抑制効果を優先したフィルタリング制御信号Cd(na2)を生成することができる。
[0070]
 例えば、クレーン1は、作業領域の規制による制限や停止位置が設定されている場合、吊り荷Wがこのような作業領域に進入すると、操作具の操作によらず自動制御の制御信号C(na)に基づいて作動する、また、クレーン1は、自動搬送モードに設定されている場合、所定の吊り荷の搬送経路を、所定の搬送速度、搬送高さで搬送する自動制御の制御信号C(na)に基づいて作動する。つまり、クレーン1は、自動制御により操縦者によって操作されていないので操作具の操作性を優先させる必要がない。従って、制御装置33は、振動抑制効果を優先させるために、ノッチフィルタFx(n2)を制御信号C(na)に適用してフィルタリング制御信号Cd(na2)を生成する。これにより、クレーン1は、吊り荷Wの共振周波数ωx(n)での振動抑制効果が高まる。つまり、クレーン1は、自動制御において振動抑制効果を優先したフィルタリング制御信号Cd(na2)を生成することができる。
[0071]
 また、特定の操作具の手動操作による緊急停止操作、または操作具による特定の操作手順による緊急停止操作がされる場合に、制御装置33は、任意の操作具の緊急停止操作に基づいて生成された制御信号C(ne)にノッチフィルタFx(n)を適用しない。
[0072]
 例えば、クレーン1の旋回台7や伸縮ブーム9を即時停止させるために、全ての操作具を一気に中立状態に戻す緊急停止操作が行われる場合、制御装置33は、特定の手動操作が行われたとして操作具の緊急停止操作に基づいて生成された制御信号C(ne)にノッチフィルタFx(n)を適用しない。これにより、クレーン1は操作具の操作性の維持が優先され、旋回台7や伸縮ブーム9の停止が遅れることなく即時停止する。つまり、クレーン1は、操作具の緊急停止操作において制振制御を実施しない。
[0073]
 以下に、図10から図11を用いて、制御装置33におけるクレーン1の作動状態に基づく制振制御について具体的に説明する。制御装置33は、サブ繰出長検出センサ32から吊り下げ長さLs(n)を取得し、平均玉掛け長さLw(n)、最長玉掛け長さLwl(n)および最短玉掛け長さLws(n)を予め記憶しているものとする。また、制御装置33は、制御装置生成部33aにおいて、旋回操作具18、起伏操作具19、伸縮操作具20、メインドラム操作具21およびサブドラム操作具22の操作量に基づいて、任意の操作具の速度指令である制御信号C(n)をスキャンタイム毎に生成しているものとする。クレーン1は、操作具の操作状態に応じて一の操作具の操作による制御信号C(n)、他の操作具の操作による制御信号C(n+1)、または操作具の緊急停止操作による緊急操作時の制御信号C(ne)のうち少なくとも一つの制御信号が生成されているものとする。
[0074]
 図10に示すように、制振制御のステップS110において、制御装置33は、操作具が操作されている手動制御か否か判定する。
 その結果、操作具が操作されている手動制御である場合、制御装置33はステップをステップS120に移行させる。
 一方、操作具が操作されている手動制御でない場合、制御装置33はステップをステップS160に移行させる。
[0075]
 ステップS120において、制御装置33は、単独の操作具が操作されているか否か判定する。
 その結果、単独の操作具が操作されている場合、すなわち、単独の操作具の操作により単独のアクチュエータが制御されている場合、制御装置33はステップをステップS200に移行させる。
 一方、単独の操作具のみで操作されていない場合、すなわち、複数の操作具の操作により複数のアクチュエータが制御されている場合、制御装置33はステップをステップS300に移行させる。
[0076]
 ステップS200において、制御装置33は、ノッチフィルタFx(n1)の適用工程Aを開始し、ステップをステップS210に移行させる(図11参照)。そして、ノッチフィルタFx(n1)の適用工程Aが終了するとステップをステップS130に移行させる(図10参照)。
[0077]
 図10に示すように、ステップS130において、制御装置33は、操作具による特定の操作手順による緊急停止操作が行われているか否か判定する。
 その結果、操作具による特定の操作手順による緊急停止操作が行われている場合、すなわち、緊急停止操作時の制御信号C(ne)が生成されている場合、制御装置33はステップをステップS140に移行させる。
 一方、操作具による特定の操作手順による緊急停止操作が行われていない場合、すなわち、緊急停止操作時の制御信号C(ne)が生成されていない場合、制御装置33はステップをステップS150に移行させる。
[0078]
 ステップS140において、制御装置33は、緊急停止操作による緊急操作時の制御信号C(ne)を生成する。すなわち、ノッチフィルタFx(n1)またはノッチフィルタFx(n2)が適用されていない制御信号C(ne)を生成し、ステップをステップS150に移行させる。
[0079]
 ステップS150において、制御装置33は、生成された各フィルタリング制御信号に対応する操作弁に伝達し、ステップをステップS110に移行させる。また、制御装置33は、緊急停止操作時の制御信号C(ne)が生成されている場合、緊急停止操作時の制御信号C(ne)のみを対応する操作弁に伝達し、ステップをステップS110に移行させる。
[0080]
 ステップS160において、制御装置33は、自動制御が実施されているか否か判定する。
 その結果、自動制御が実施されている場合、制御装置33はステップをステップS300に移行させる。
 一方、自動制御が実施されていない場合、すなわち、手動制御の制御信号C(n)と自動制御の制御信号C(na)が生成されていない場合、制御装置33はステップをステップS110に移行させる。
[0081]
 ステップS300において、制御装置33は、ノッチフィルタFx(n2)の適用工程Bを開始し、ステップをステップS310に移行させる(図12参照)。そして、ノッチフィルタFx(n2)の適用工程Bが終了するとステップをステップS130に移行させる(図10参照)。
[0082]
 図11に示すように、ノッチフィルタFx(n1)の適用工程AのステップS210において、制御装置33は、取得した吊り下げ長さLs(n)と予め記憶している平均玉掛け長さLw(n)との合計値から基準共振周波数ωxs(n)を算出し、吊り下げ長さLs(n)と予め記憶している最短玉掛け長さLws(n)とから上限共振周波数ωxh(n)を算出し、ステップをステップS220に移行させる。
[0083]
 ステップS220において、制御装置33は、算出した基準共振周波数ωxs(n)と上限共振周波数ωxh(n)とから周波数比frを算出し、ステップをステップS230に移行させる。
[0084]
 ステップS230において、制御装置33は、パラメータPm0・Pm1・Pm2のうち算出した周波数比frに対応するパラメータを選択し、ステップをステップS240に移行させる。
[0085]
 ステップS240において、制御装置33は、選択したパラメータのノッチ深さ係数δx及びノッチ幅係数ζxを伝達関数H(s)(式(2)参照)に当てはめてノッチフィルタFx(n1)を生成し、ステップをステップS250に移行させる。
[0086]
 ステップS250において、制御装置33は、ノッチフィルタFx(n1)を制御信号C(n)に適用して制御信号C(n)に対応するフィルタリング制御信号Cd(n1)を生成し、ノッチフィルタFx(n1)の適用工程Aを終了し、ステップをステップS130に移行させる(図10参照)。
[0087]
 図12に示すように、ノッチフィルタFx(n2)の適用工程BのステップS310において、制御装置33は、取得した吊り下げ長さLs(n)と予め記憶している平均玉掛け長さLw(n)との合計値から基準共振周波数ωxs(n)を算出し、吊り下げ長さLs(n)と予め記憶している最短玉掛け長さLws(n)とから上限共振周波数ωxh(n)を算出し、ステップをステップS320に移行させる。
[0088]
 ステップS320において、制御装置33は、算出した基準共振周波数ωxs(n)と上限共振周波数ωxh(n)とから周波数比frを算出し、ステップをステップS330に移行させる。
[0089]
 ステップS330において、制御装置33は、パラメータPa0・Pa1・Pa2のうち算出した周波数比frに対応するパラメータを選択し、ステップをステップS340に移行させる。
[0090]
 ステップS340において、制御装置33は、選択したパラメータのノッチ深さ係数δx及びノッチ幅係数ζxを伝達関数H(s)(式(2)参照)に当てはめてノッチフィルタFx(n2)を生成し、ステップをステップS350に移行させる。
[0091]
 ステップS350において、制御装置33は、手動制御が実施されているか否か判定する。
 その結果、手動制御が実施されている場合、制御装置33はステップをステップS360に移行させる。
 一方、手動制御が実施されていない場合、制御装置33はステップをステップS370に移行させる。
[0092]
 ステップS360において、制御装置33は、ノッチフィルタFx(n2)を一の操作具による制御信号C(n)と他の操作具による制御信号C(n+1)に適用して制御信号C(n)に対応するフィルタリング制御信号Cd(n2)と制御信号C(n+1)に対応するフィルタリング制御信号Cd(n2+1)を生成し、ノッチフィルタFx(n2)の適用工程Bを終了し、ステップをステップS130に移行させる。
[0093]
 ステップS370において、制御装置33は、ノッチフィルタFx(n2)を一の操作具に対応する自動制御の制御信号C(na)と他の操作具に対応する自動制御の制御信号C(na+1)に適用して制御信号C(na)に対応するフィルタリング制御信号Cd(na2)と制御信号C(na+1)に対応するフィルタリング制御信号Cd(na2+1)を生成し、ノッチフィルタFx(n2)の適用工程Bを終了し、ステップをステップS130に移行させる(図10参照)。
[0094]
 このように、クレーン1は、玉掛けワイヤロープのばらつきによる上限共振周波数ωxh(n)とノッチフィルタFx(n)の中心周波数ωc(n)との周波数比frがサブワイヤロープの吊り下げ長さLs(n)毎に変動しても、その周波数比frに応じて適切なノッチ幅Bnとノッチ深さDnとからなるノッチフィルタFx(n)が設定される。さらに、クレーン1は、手動制御において、複数の操作具が同時に操作されている場合には振動抑制効果を高めた制振制御が実施される。また、クレーン1は、作業領域の規制による自動停止制御や自動搬送制御等を含む自動制御において、振動抑制効果を高めた制振制御が実施される。一方、操作具の操作によって緊急停止信号が生成された場合、操作性を優先した制振制御に切り替えられる。つまり、クレーン1は、操作具の操作状態に応じて、制御装置33において制御信号C(n)に適用するノッチフィルタFx(n)を選択的に切り替えるように構成されている。これにより、クレーン1は、ワイヤロープの吊り下げ長さL(n)に基づいて吊り荷Wに生じる振り子の共振周波数に関する振動をクレーン1の作動状態に応じて効果的に抑制することができる。
[0095]
 本発明にかかる制振制御は、制御信号C(n)に適用するノッチフィルタFx(n1)およびノッチフィルタFx(n2)の基準となる中心周波数ωc(n)を、クレーン1を構成する構造物が外力により振動する際に励起される固有の振動周波数と、共振周波数ωx(n)との合成周波数にすることで、共振周波数ωx(n)による振動だけでなく、クレーン1を構成する構造物が有する固有の振動周波数による振動を合わせて抑制することができる。ここで、クレーン1を構成する構造物が外力により振動する際に励起される固有の振動周波数とは、伸縮ブーム9の起伏方向および旋回方向の固有振動数、伸縮ブーム9の軸回りのねじれによる固有振動数、メインフックブロック10またはサブフックブロック11と玉掛けワイヤロープとから構成される二重振り子の共振周波数、メインワイヤロープ14またはサブワイヤロープ16の伸びによる伸縮振動時の固有周波数等の振動周波数を言う。
[0096]
 なお、本実施形態において、平均玉掛け長さLw(n)、最長玉掛け長さLwl(n)、最短玉掛け長さLws(n)は、全ての使用状態をまとめた一の正規分布から算出しているが、クレーン1の用途や吊り荷Wの種類に応じて分類し、それぞれの分類が正規分布に従うものとして、分類毎に平均玉掛け長さLw(n)、最長玉掛け長さLwl(n)、最短玉掛け長さLws(n)を算出してもよい。
 また、本実施形態において、各パラメータPm0・Pm1・Pm2と各パラメータPa0・Pa1・Pa2は、同一の吊り下げ長さLs(n)において、ノッチフィルタFx(n)を適用した際の流れ量が略同一になるように設定されているが、吊り下げ長さLs(n)が変化しても同じ流れ量になるように設定してもよい。さらに、ノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxは、周波数比frに応じてパラメータが選択されることで設定されるが、周波数比frに応じてノッチ幅係数ζxとノッチ深さ係数δxとを連続的に変更する構成でもよい。
[0097]
 上述の実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。

産業上の利用可能性

[0098]
 本発明は、制御信号から共振周波数成分を減衰させるクレーンに利用可能である。

符号の説明

[0099]
     1  クレーン
     8  旋回用油圧モータ
    12  起伏用油圧シリンダ
    14  メインワイヤロープ
    16  サブワイヤロープ
    18  旋回操作具
    19  起伏操作具
    33  制御装置
   L(n) ワイヤロープの吊り下げ長さ
  ωx(n) 共振周波数
 ωxs(n) 基準共振周波数
 ωxh(n) 上限共振周波数
  Lw(n) 平均玉掛け長さ
 Lws(n) 最短玉掛け長さ
    fr  周波数比
   C(n) 制御信号
  Cd(n) フィルタリング制御信号

請求の範囲

[請求項1]
 ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて定まる吊り荷の揺れの共振周波数を算出し、
 任意の操作信号に応じてアクチュエータの制御信号を生成するとともに、前記制御信号から前記共振周波数を基準として任意の周波数範囲の周波数成分を任意の割合で減衰させた前記アクチュエータのフィルタリング制御信号を生成するクレーンであって、
 前記ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて、減衰させる前記周波数成分の周波数範囲と減衰させる割合とのうち少なくとも一つを変更するクレーン。
[請求項2]
 ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて吊り荷の揺れの共振周波数と、クレーンを構成する構造物が外力により振動する際に励起される固有の振動周波数と、を合成した合成周波数を算出し、
 任意の操作信号に応じてアクチュエータの制御信号を生成するとともに、前記制御信号から前記合成周波数を基準として任意の周波数範囲の周波数成分を任意の割合で減衰させた前記アクチュエータのフィルタリング制御信号を生成するクレーンであって、
 前記ワイヤロープの吊り下げ長さに基づいて、減衰させる前記周波数成分の周波数範囲と減衰させる割合とのうち少なくとも一つを変更するクレーン。
[請求項3]
 過去の測定値に基づいて前記ワイヤロープのフック位置から前記吊り荷の重心位置までの長さの平均値と最小値とを取得し、
 前記ワイヤロープの吊り下げ長さと前記ワイヤロープのフック位置から前記吊り荷の重心位置までの長さの平均値とから算出される吊り荷の揺れの基準共振周波数を算出し、
 前記ワイヤロープの吊り下げ長さと前記ワイヤロープのフック位置から前記吊り荷の重心位置までの長さの最小値とから算出される吊り荷の揺れの上限共振周波数を算出し、
 基準共振周波数に対する上限共振周波数の比率に応じて、減衰させる前記周波数成分の周波数範囲と減衰させる割合とのうち少なくとも一つを変更する請求項1または請求項2に記載のクレーン。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]