Некоторое содержание этого приложения в настоящий момент недоступно.
Если эта ситуация сохраняется, свяжитесь с нами по адресуОтзывы и контакты
1. (WO2019058832) CABLE-TYPE ANTENNA
Document

明 細 書

発明の名称 ケーブル型アンテナ

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

産業上の利用可能性

0088  

符号の説明

0089  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9A   9B   9C   10   11   12   13   14   15   16A   16B   16C   16D  

明 細 書

発明の名称 : ケーブル型アンテナ

技術分野

[0001]
 本発明は、近距離通信に用いるケーブル型アンテナに関する。

背景技術

[0002]
 従来のケーブル型アンテナとしては、同軸ケーブル型アンテナがある。同軸ケーブル型アンテナにおいては、送信/受信するためのアンテナ長(通信領域)を調整するために表面波減衰デバイスが設けられた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特表2016-533692号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1に開示されたケーブル型アンテナにおける表面波減衰デバイスは、複数のフェライトリングで構成されており、アンテナ長を規定するために同軸ケーブルの外周面上の所定領域に配置されている。表面波減衰デバイスは、ケーブル型アンテナによる送信時において、同軸ケーブルの外部導体に流れる進行波を減衰させる機能を持ち、当該同軸ケーブルをアンテナとして機能する放射部分と、送受信信号が流れる信号伝送部分とに区分けしている。
[0005]
 上記のケーブル型アンテナにおける表面波減衰デバイスは、複数のフェライトリングを用いて同軸ケーブルの外部導体に流れる進行波を減衰させる構成であるため、フェライトの磁気損失により進行波がジュール熱となり、通信エネルギーを損失させる構成であり、効率的な通信を行う上では問題を有する構成であった。また、表面波減衰デバイスを構成する複数のフェライトリングは、信号伝送線路である同軸ケーブル上に所定間隔を有して配置されているため、表面波減衰デバイスを配置するための領域として同軸ケーブル上にある程度の長さ(大きさ)を必要とした。特に、放射部分の進行波が非放射部分であるべき信号伝送部分に漏れないようにするためには、同軸ケーブルの信号伝送線路に沿って多くのフェライトを設ける必要があった。この結果、表面波減衰デバイス自体が大型化、重量化するため、従来のケーブル型アンテナにおいては小型軽量化を図る上で大きな課題を有していた。
[0006]
 更に、表面波減衰デバイスは、所望のアンテナ長となる放射部分を特定するために設けるものであるが、直列に取り付けた複数のフェライトリングにより進行波を徐々に減衰させる構成であるため、アンテナ長の実質的な長さを正確に規定することができない。この為アンテナ長を所定の長さにすることで、アンテナの放射特性の最適化を図る設計ができないという課題を有していた。
[0007]
 本発明の目的は、小型軽量の構成を有して、所望のアンテナ長を有する放射領域を特定することができるケーブル型アンテナを提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明に係るケーブル型アンテナは、
 給電回路に一端が接続され、他端が先端部となる第1導体と、
 前記第1導体に沿って配設された第2導体と、
 前記第1導体の先端部と前記第2導体の先端部との間に設けられた整合回路と、
を備えたケーブル型アンテナであって、
 前記ケーブル型アンテナにおいて、給電回路側を第1領域とし、先端部側を第2領域として区分けしたとき、前記第1領域と前記第2領域との間に平衡-不平衡変換素子が設けられており、
 前記平衡-不平衡変換素子における不平衡側端子を前記第1領域に接続し、平衡側端子を前記第2領域に接続して、前記第1領域を非放射部とし、前記第2領域を放射部とするよう構成されている。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、小型軽量の構成を有して、所望のアンテナ長を有する放射領域を特定できるケーブル型アンテナを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明に係る実施の形態1のケーブル型アンテナの構成を模式的に示す斜視図
[図2] 実施の形態1のケーブル型アンテナにおけるケーブルの構成の一例を示す図
[図3] 実施の形態1のケーブル型アンテナにおける整合回路を示す等価回路図
[図4] 実施の形態1のケーブル型アンテナにおける別の整合回路を示す等価回路図
[図5] 実施の形態1のケーブル型アンテナにおけるバランの等価回路図
[図6] 本発明に係る実施の形態2のケーブル型アンテナにおけるバランの等価回路図
[図7] 実施の形態2のケーブル型アンテナにおける変形例としてのバランの等価回路図
[図8] 本発明に係る実施の形態3のケーブル型アンテナにおけるバランの等価回路図
[図9A] アンテナ付きトレイにケーブル型アンテナが設けられた例を示す図
[図9B] 図9Aに示したアンテナ付きトレイの底面図
[図9C] 図9Bに示したアンテナ付きトレイをIXC-IXC線により切断して、C方向に見た断面図
[図10] アンテナ付きラックにケーブル型アンテナが設けられた例を示す図
[図11] アンテナ付きテーブルにケーブル型アンテナが設けられた例を示す斜視図
[図12] アンテナ付きカゴにケーブル型アンテナが設けられた例を示す斜視図
[図13] アンテナ付き搬送台にケーブル型アンテナが設けられた例を示す図
[図14] アンテナ付き搬送台にケーブル型アンテナが設けられた変形例を示す図
[図15] アンテナ付き平台にケーブル型アンテナが設けられた例を示す平面図
[図16A] 本発明に係るケーブル型アンテナの構成例を示す図
[図16B] 図16Aのケーブル型アンテナに対して延長ケーブルを接続する構成を示す図
[図16C] 本発明に係るケーブル型アンテナの構成例における延長ケーブルを接続する直前の状態を示す図
[図16D] 図16Cに示した延長ケーブルの斜視図

発明を実施するための形態

[0011]
 本発明に係る第1の態様のケーブル型アンテナは、
 給電回路に一端が接続され、他端が先端部となる第1導体と、
 前記第1導体に沿って配設された第2導体と、
 前記第1導体の先端部と前記第2導体の先端部との間に設けられた整合回路と、
を備えたケーブル型アンテナであって、
 前記ケーブル型アンテナにおいて、給電回路側を第1領域とし、先端部側を第2領域として区分けしたとき、前記第1領域と前記第2領域との間に平衡-不平衡変換素子が設けられており、
 前記平衡-不平衡変換素子における不平衡側端子を前記第1領域に接続し、平衡側端子を前記第2領域に接続して、前記第1領域を非放射部とし、前記第2領域を放射部とするよう構成されている。
[0012]
 上記のように構成された第1の態様のケーブル型アンテナは、所望のアンテナ長を有する放射領域を特定することができる。
[0013]
 本発明に係る第2の態様のケーブル型アンテナは、前記の第1の態様において、前記平衡-不平衡変換素子が、前記第2領域におけるアンテナ長が共振周波数の波長の1/2の整数倍となる位置に設けられてもよい。
[0014]
 本発明に係る第3の態様のケーブル型アンテナは、前記の第1の態様において、前記平衡-不平衡変換素子が、前記第2領域のアンテナ長が共振周波数の波長の1/2の偶数倍となる位置に設けられてもよい。
[0015]
 本発明に係る第4の態様のケーブル型アンテナは、前記の第1の態様から第3の態様のいずれかの態様において、前記整合回路が、前記第2領域における第1導体と前記第2導体とのインピーダンスを整合させると共に、前記第2領域の共振周波数を形成するよう構成してもよい。
[0016]
 本発明に係る第5の態様のケーブル型アンテナは、前記の第1の態様から第4の態様のいずれかの態様において、前記第1導体が内部導体であり、前記第2導体が外部導体である同軸ケーブルで構成されてもよい。
[0017]
 本発明に係る第6の態様のケーブル型アンテナは、前記の第5の態様において、前記第1領域のインピーダンスと前記第2領域のインピーダンスとを整合させるケーブルマッチング回路を前記第1領域と前記第2領域との間に設けてもよい。
[0018]
 本発明に係る第7の態様のケーブル型アンテナは、前記の第1の態様から第6の態様のいずれかの態様において、前記平衡-不平衡変換素子が、巻線トランス型、マーチャント型、または集中定数型で構成されてもよい。
[0019]
 以下、本発明に係るケーブル型アンテナの実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。以下の実施の形態においては、ケーブル型アンテナの一例として同軸ケーブル型アンテナの構成を用いて説明するが、本発明のケーブル型アンテナとしては、同軸ケーブル型アンテナに限定されるものではなく、例えばストリップラインやマイクロストリップラインなどを用いた高周波伝送線路のアンテナに適用可能である。
[0020]
 なお、添付図面において実質的に同じ機能、構成を有する部材については同一の符号を付して、明細書においてはその説明を省略する場合がある。また、添付図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。また、本明細書において電気的に接続されているとは、互いに直接接続されているだけでなく、静電容量を介して接続されている場合や、電磁界結合により接続されている場合を含む。
[0021]
 なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものであり、本発明がこの構成に限定されるものではない。また、以下の実施の形態において具体的に示される数値、形状、構成などは、一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の変形例における構成も同様であり、各変形例に記載した構成をそれぞれ組み合わせてもよい。
[0022]
(実施の形態1)
 本発明に係る実施の形態1においては、ケーブル型アンテナとして50Ωの同軸ケーブルを用いた同軸ケーブル型アンテナについて説明する。図1は、実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1の構成を模式的に示す斜視図である。図1においては、便宜上、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を示しており、実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1における幅方向(X方向)、長手方向(Y方向)、厚さ方向(Z方向)をX軸、Y軸、Z軸を用いて説明する。
[0023]
 図1に示す同軸ケーブル型アンテナ1においては、その一端側(図1における左端側)に、例えばリーダ装置/リーダライタ装置などの給電回路(図示無し)が接続されており、他端が導出端の終端となる先端部である。同軸ケーブル型アンテナ1における先端部側(図1における右端側)は、所定のアンテナ長を有する放射部10が形成されている。ここで利用するRFIDシステムとしては、例えば、900MHz帯を利用したUHF帯RFIDシステムであり、同軸ケーブル型アンテナ1が、例えばRFIDタグなどとの通信を行うためのUHF帯リーダライタ装置用アンテナとして機能する。
[0024]
 図2は、実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1に用いられる同軸ケーブル3の構成を示す図である。図2に示すように、同軸ケーブル3は、断面が円形状の通信ケーブルであり、長手方向(Y軸方向)に延びる中心に第1導体である内部導体4を有している。同軸ケーブル3においては、第1導体である内部導体4の周りに、例えば発砲ポリエチレンやテフロン(登録商標)などの絶縁材で構成された絶縁体5が配設されており、その絶縁体5の外周には網状の外被導体である編組線の第2導体である外部導体6が設けられている。さらに、第2導体である外部導体6は同軸ケーブル3を保護するための外被であるシース7により被覆されている。シース7の材料としては難燃ポリエチレンなどが用いられる。なお、上記の同軸ケーブル3の構成、および絶縁体5およびシース7の材料は一例であって、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
[0025]
 実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1は、信号伝送線路(非放射部20)となる信号伝送側ケーブル3aと、放射部10となる放射側ケーブル3bと、を含む。信号伝送側ケーブル3aおよび放射側ケーブル3bは、図2に示した同軸ケーブル3の構成を有する。放射側ケーブル3bは、同軸ケーブル型アンテナ1における先端部側であり、放射側ケーブル3bの先端部には整合回路2が設けられている。整合回路2は、放射側ケーブル3bにおける内部導体4bのインピーダンスを外部導体6bのインピーダンスと整合させるものである。図3は、整合回路2の等価回路を示す図である。図3に示すように、整合回路2としては、キャパシタンスC1、C2と、インダクタンスLと、により構成されている。なお、整合回路2の構成としては、図4に示す等価回路の構成を用いることもできる。実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1は、所定の共振周波数(例えば900MHz)に設定されている。整合回路2は、第2領域(放射側ケーブル3b)における第1導体(内部導体4b)と第2導体(外部導体6b)とのインピーダンスを整合させると共に、第2領域の共振周波数を形成するよう構成されている。
[0026]
 整合回路2においては、放射側ケーブル3bにおける内部導体4bから高周波信号が供給されて、先端部側が供給端側となり、放射側ケーブル3bにおける外部導体6bに高周波電流が流れる。この結果、放射側ケーブル3bが放射部10として機能する。
[0027]
 実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1においては、放射部10となる放射側ケーブル3bと、非放射部20となる信号伝送側ケーブル3aとの間には放射領域設定部としての小型軽量の平衡-不平衡変換素子であるバラン8が設けられている。バラン8は、表面実装型デバイスであり、バラン用基板11上に設けられた5つのバラン接続用電極9(9a、9b、9c、9d、9e)にバラン8の底面に設けた5つの電極(図示せず)がそれぞれ接続されている。
[0028]
 なお、実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1においては、平衡-不平衡変換素子であるバラン8が設けた構成で説明するが、平衡-不平衡変換素子としては平衡-不平衡変換回路を構成するバラン以外の構成を用いてもよい。
[0029]
 図5は、バラン8の等価回路を示す図である。図5に示すように、実施の形態1におけるバラン8は、巻線トランス型の構成を有しており、1次側コイルL1および2次側コイルL2を備えている。バラン8には、1次側コイルL1に接続された入出力端子P1、P2と、2次側コイルL2に接続された入出力端子P3、P4と、2次側コイルL2の中間位置を接地するための接地端子P5と、が設けられている。1次側コイルL1の入出力端子P1、P2は、信号伝送側ケーブル3aの内部導体4a、外部導体6aにそれぞれ接続されており、この信号伝送側ケーブル3aを介して給電回路(図示なし)に接続されている。一方、2次側コイルL2の入出力端子P3、P4は、放射側ケーブル3bのハイ側(ホット側)線路(内部導体4b)およびロー側(コールド側)線路(外部導体6b)にそれぞれ接続されており、アンテナ先端部側に設けた整合回路2に接続されている。ここで、1次側コイルL1の入出力端子P1、P2が不平衡側端子であり、2次側コイルL2の入出力端子P3、P4が平衡側端子である。
[0030]
 なお、バラン用基板11上に設けられたバラン接続用電極9に電気的に接続される放射側ケーブル3bにおける内部導体4bと外部導体6b、および信号伝送側ケーブル3aにおける内部導体4aと外部導体6aは、それぞれが同軸ケーブル用コネクタを介して接続されている。また、整合回路2と放射側ケーブル3bとの接続においても、内部導体4bと外部導体6bが同軸ケーブル用コネクタを介して接続されている。但し、図1においては、同軸ケーブル用コネクタによる接続状態の図示を省略しており、互いに直接的に接続されていることを簡略化して示している。
[0031]
 上記のように構成された実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1においては、放射領域設定部の機能を有するバラン8を含み、バラン8より給電回路側の第1領域が非放射部20となる。一方、放射側ケーブル3bの先端部からバラン8までの第2領域が放射部10となる。このように、放射領域設定部としてバラン8を第1領域と第2領域の間に設けることにより、バラン8の給電点から第1領域である信号伝送側ケーブル3aが設けられている給電回路側への信号漏洩が阻止され、第1領域は非放射部20となる。
[0032]
 また、放射領域設定部として第1領域と第2領域の間に設けられるバラン8は、回路構成において放射部10と非放射部20とに流れる信号を区分する構成であるため、放射部10と非放射部20との境界を明確に特定することができる。このため、放射部10におけるアンテナ線路となるアンテナ長を共振周波数の波長(λ)の1/2の整数倍、好ましくは偶数倍の長さに設定することが容易な構成となる。ここで使用する共振周波数としては、例えばUHF帯の周波数である。このように第2領域におけるアンテナ長をλ/2の整数倍、好ましくは偶数倍と設定することにより、第2領域である放射部10において安定した通信特性を奏する構成となる。この結果、実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1は、効率が高く信頼性の高い通信特性を有する構成となる。特に、第2領域におけるアンテナ長をλ/2の偶数倍とすることにより、第2領域には少なくとも1波長(λ)、若しくはその倍数の波長(nλ;nは任意の整数)の信号が流れるため、特に安定した通信特性を示す構成となる。また、バラン8を設ける位置を同軸ケーブル3における所望の位置に適宜選択することにより、放射部10を所望の長さに設定することが可能となる。
[0033]
 実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1においては、ケーブルの途中にバラン8を設けて放射領域側から給電回路側への漏洩を抑制あるいは阻止して、放射部10(さらに厳密に言えば外部導体6b)で高周波信号を放射させる構成である。このため、同軸ケーブル型アンテナ1は、背景技術で述べた磁性部材(フェライトリング)を用いて高周波信号を減衰させる従来の構成に比べて、高周波信号の損失を大幅に抑制できる。また、放射領域設定部として磁性部材を用いた構成に比べて、小型および軽量のバラン8を用いるため、放射領域設定部の小型化および軽量化を図ることができる。さらに、放射領域設定部としてバラン8を設けることにより、放射部10の電気的な長さを明確に特定できるため、放射部10におけるアンテナ長(アンテナ線路の電気長)を共振周波数の波長(λ)の1/2の整数倍、好ましくは偶数倍に設定することが容易である。上記のように実施の形態1のケーブル型アンテナ1は、設計が容易な構成を有し、安定した通信特性を示し、反射損失の少ない信頼性の高いアンテナ装置となる。
[0034]
(実施の形態2)
 次に、本発明に係る実施の形態2のケーブル型アンテナとして同軸ケーブル型アンテナ1Aについて添付の図6を用いて説明する。図6において、前述の実施の形態1と実質的に同一の機能、構成を有する要素には同じ番号を付与している。また、実施の形態2におけるアンテナとしての基本的な構成および動作は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態2においては実施の形態1と異なる点を主として説明する。
[0035]
 実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1Aは、前述の実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1と同様に、放射領域設定部として平衡-不平衡変換素子であるバラン8Aを設けた構成である。図6は、実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1Aにおけるバラン8Aの構成を示す等価回路図である。実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1Aにおける放射領域設定部としてのバラン8Aは、集中定数(L、C)を用いて構成した集中定数型のバランである。
[0036]
 実施の形態2における集中定数型のバラン8Aにおける各要素は、例えば実施の形態1において示したように、表面実装型デバイスで構成してもよく、導体パターンでインダクタおよびキャパシタを形成した構成でもよい。
[0037]
 図6に示すように、実施の形態2におけるバラン8Aは、給電回路12からの信号伝送側ケーブル3aの信号伝送線路13と放射側ケーブル3b(アンテナ線路)におけるハイ側(ホット側)線路15とを接続するインダクタL3と、インダクタL3におけるハイ側(ホット側)線路側に一端が接続され他端が接地されたキャパシタC3と、給電回路12からの信号伝送線路13とアンテナ線路におけるロー側(コールド側)線路16とを接続するキャパシタC4と、キャパシタC4におけるロー側(コールド側)線路側に一端が接続され他端が接地されたインダクタL4と、を有する。ここで、アンテナ線路におけるハイ側(ホット側)線路15は、放射側ケーブル3bの内部導体4bである。また、アンテナ線路におけるロー側(コールド側)線路16は、放射側ケーブル3bの外部導体6bである。ここで、実施の形態2におけるバラン8Aにおいては、信号伝送側ケーブル3aが不平衡側端子に接続され、放射側ケーブル3bが平衡側端子に接続されている。
[0038]
 上記のように構成された集中定数型のバラン8Aが同軸ケーブル型アンテナ1Aに設けられているため、アンテナ線路におけるハイ側(ホット側)線路15に流れる電流の位相が90度(-90°)遅れ、ロー側(コールド側)線路16に流れる電流の位相が90度(+90°)進む構成となる。この結果、ハイ側(ホット側)線路15に流れる電流とロー側(コールド側)線路16に流れる電流との位相差が180度となり、バラン8Aにおける給電点において、実質的に電流信号が打ち消し合って相殺され、バラン8Aから給電回路側への漏洩信号が阻止される。その結果、放射領域設定部としてバラン8Aを同軸ケーブル3における第1領域と第2領域の間に設けることにより、第1領域を非放射部20とし、第2領域を放射部10として、放射部10と非放射部20とを明確に画定することができる構成となる。
[0039]
 上記のように構成された実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1Aは、反射損失が大幅に抑制され、効率の高い通信特性を有する。更に、バラン8Aにより放射部10を明確に画定できるため、アンテナ線路において放射部10となるバラン8Aを設けた位置からのロー側(コールド側)線路の電気長をλ/2の整数倍、好ましく偶数倍に設定することができる構成となる。このため、実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1Aにおいては、アンテナ線路における放射部10には定在波が立ち安定した通信特性を有するアンテナ装置となる。
[0040]
 なお、放射領域設定部としてのバラン8Aの構成としては、図6に示した構成に限定されるものではなく、アンテナ線路におけるハイ側(ホット側)線路15とロー側(コールド側)線路16とに流れる電流が実質的に逆位相となる構成であり、放射部10と非放射部20とを画定する構成であればよい。
[0041]
 また、放射領域設定部としてバラン8Aを設けた構成において、給電回路12側の信号伝送線路13(信号伝送側ケーブル3a)と整合回路部2側のアンテナ線路(放射側ケーブル3b)とのインピーダンスを整合させるためにケーブルマッチング回路17を設けてもよい。図7は、バラン8Aと共にケーブルマッチング回路17を設けた構成の一例であり、実施の形態2の変形例である同軸ケーブル型アンテナ1Bを示す等価回路図である。図7に示すように、ケーブルマッチング回路17は、アンテナ線路におけるハイ側(ホット側)線路15とロー側(コールド側)線路16とに複数のキャパシタを設けて、給電回路12側の信号線路13と整合回路2側のアンテナ線路とのインピーダンスを整合させる構成である。
[0042]
 実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1A、1Bにおいては、バラン8Aを設けてバラン8Aから第1領域である給電回路12側への漏洩信号を阻止する構成であるが、給電回路12側への漏洩信号の阻止をより確実なものとするために、バラン8Aに加えてバラン8Aの給電回路12側の信号伝送線路13に磁性部材である磁性体、例えばフェライト等を設けてもよい。このように磁性部材を設けることにより、信号伝送線路13へ信号が漏洩した場合であっても、その漏洩信号を減衰させて、給電回路12側の信号伝送線路13への漏洩信号の阻止を確実なものとする構成となる。なお、このようにバランの給電回路側の信号線路に磁性部材を設ける構成は、バランを設けた他の実施の形態の構成において適用することにより、信号伝送線路13への漏洩信号の阻止をより確実なものとすることができる。
[0043]
 実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1A、1Bにおいては、放射領域設定部としてバラン8Aを設けることにより、放射部10と非放射部20とを明確に画定することができる。また、実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1A、1Bは、放射部10を特定するために磁性部材を用いて漏洩信号を減衰させる構成に比べて、バラン8Aを設けて給電回路側への漏洩を阻止して、実質的に放射部10に信号を反射させるような構成である。このため、同軸ケーブル型アンテナ1A、1Bにおいては、エネルギー損失を大幅に抑制できる構成となる。更に、放射領域設定部としてバラン8Aを設けることにより、放射部10を明確に特定できるため、放射部10におけるアンテナ線路の電気長をλ/2の整数倍、好ましくは偶数倍と設定することが容易な構成となる。上記のように実施の形態2の同軸ケーブル型アンテナ1A、1Bは、設計が容易な構成を有し、安定した通信特性を示し、反射損失の少ない信頼性の高いアンテナ装置となる。
[0044]
(実施の形態3)
 次に、本発明に係る実施の形態3のケーブル型アンテナとしての同軸ケーブル型アンテナ1Cについて添付の図8を用いて説明する。図8において、前述の実施の形態1および実施の形態2と実質的に同一の機能、構成を有する要素には同じ番号を付与している。また、実施の形態3におけるアンテナとしての基本的な動作は、実施の形態1における基本動作と同様であるので、実施の形態3においては実施の形態1と異なる点を主として説明する。
[0045]
 実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cは、前述の実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1と同様に、放射領域設定部としてバラン8Cを設けた構成である。
[0046]
 実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cは、前述の実施の形態1の同軸ケーブル型アンテナ1と対比すると、放射領域設定部としてバラン8Cがマーチャント型の構成である点で相違するが、その他の構成は実施の形態1と実質的に同様である。マーチャント型のバラン8Cは、1つの不平衡伝送路に対して、同じ電磁界結合が生じるように2つの平衡伝送線路を誘電体を介して設けられている。図8は、実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cに設けたマーチャント型のバラン8Cの構成を示す等価回路図である。
[0047]
 実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cにおけるバラン8Cは、図8に示すように、給電回路12からの信号伝送線路13(信号伝送側ケーブル3a)に接続された第1ストリップ導体22と、アンテナ線路(放射側ケーブル3b)においてハイ側(ホット側)線路15に接続される第2ストリップ導体23と、アンテナ線路においてロー側(コールド側)線路16に接続される第3ストリップ導体24と、を有する導体パターンにより構成されている。バラン8Cにおいては、第1ストリップ導体22と第2ストリップ導体23が電磁界結合され、第1ストリップ導体22と第3ストリップ導体24が同様に電磁界結合される構成である。ここで、実施の形態3におけるバラン8Cにおいては、信号伝送側ケーブル3aが不平衡側端子に接続され、放射側ケーブル3bが平衡側端子に接続されている。
[0048]
 上記のように実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cにおいては、放射領域設定部としてバラン8Cを設けることにより、放射部10と非放射部20とを明確に画定することができる。このため、実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cは、放射部10であるアンテナ線路を特定することができ、アンテナ線路の電気長(アンテナ長)を共振周波数の波長(λ)の1/2の整数倍、好ましくは偶数倍に設定することが容易な構成となる。また、実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cは、放射部を特定するために磁性部材を用いて漏洩信号を減衰させる構成に比べて、バラン8Cを設けて給電回路側への漏洩を阻止して、放射部10で信号を反射させるような構成である。このため、実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cは、エネルギー損失を大幅に抑制することができる構成である。上記のように実施の形態3の同軸ケーブル型アンテナ1Cは、設計が容易な構成を有し、安定した通信特性を示し、反射損失の少ない信頼性の高いアンテナ装置となる。
[0049]
 上記のように構成された本発明に係るケーブル型アンテナは、外部導体に生じる定在波を利用したアンテナであって、いわゆるループアンテナではない。また、本発明に係るケーブル型アンテナにおいては、通信エリアがケーブル型アンテナにおける放射部の近傍約1m以内の狭い領域に限定される構成である。さらに、本発明に係るケーブル型アンテナは、金属体や磁性体がアンテナ線路(放射側ケーブル3b)部の近くに存在していても、周波数特性が大きく変わることがない構成である。また、本発明に係るケーブル型アンテナを用いて商品管理を行う場合、放射部の放射側ケーブルを屈曲させても屈曲部分間での干渉等が生じることがないため、商品の陳列空間を2次元的または3次元的に自由に形成することが可能となる。
[0050]
(用途例)
 以下、上記のように実施の形態1から実施の形態3において説明した本発明のケーブル型アンテナの具体的な各種用途例(使用例を含む)について説明する。以下に説明する用途例(使用例を含む)は、一例であり本発明を限定するものではない。なお、用途例(使用例を含む)の図面においては、本発明に係るケーブル型アンテナを符号1で示す実施の形態1の構成で説明するが、他の実施の形態の構成の同軸ケーブル型アンテナ1A、1B、1Cを適用できることは言うまもない。
[0051]
<アンテナ付きトレイ>
 先ず初めに、本発明に係るケーブル型アンテナ1をアンテナ付きトレイ30に用いた例について説明する。図9Aから図9Cは、アンテナ付きトレイ30にケーブル型アンテナ1が設けられた例を示す図である。図9Aは、アンテナ付きトレイ30の載置面32に複数のRFIDタグ付き商品31が配置された状態を示す平面図である。図9Bは図9Aに示したアンテナ付きトレイ30の底面図であり、図9Cは図9Bに示したアンテナ付きトレイ30をIXC-IXC線により切断して、C方向に見た断面図である。
[0052]
 アンテナ付きトレイ30は、RFIDタグ付き物品31を配置する載置面32を有する平板状部材である。トレイ30は、導体である金属製を除き、樹脂製、木製、ガラス製など、物品を載せるトレイとして通常使用されるものであれば使用できる。なお、載置面32は、RFIDタグ付き物品31を配置できる形状であればよく、必ずしも平面でなくともよく、曲面でもよい。また、載置面32としては、RFIDタグ付き物品31を保持するための凹凸を有する形状でもよい。トレイ30は、持ち運び可能な構成であってもよく、据え置き式の構成でもよい。
[0053]
 アンテナ付きトレイ30には、複数のRFIDタグ付き物品31が配置される載置面32の直下にケーブル型アンテナ1が配設されている。トレイ30においては、ケーブル型アンテナ1の第1領域である信号伝送側ケーブル3aと、第2領域である放射側ケーブル3bとを区分けする機能を有する放射領域設定部であるバラン8がトレイ30の縁部30aに設けられている。ケーブル型アンテナ1においてバラン8が設けられている縁部30aは、トレイ30の載置面32に近接した位置であり、載置面32の直下のみに放射側ケーブル3bが配設される構成である。
[0054]
 図9Aに示すように、ケーブル型アンテナ1における放射側ケーブル3bがトレイ30の載置面32に沿って、載置面32の全面がヌル点が生じない放射面となるように、例えばコの字状に配設されている。このようにケーブル型アンテナ1の放射側ケーブル3bを載置面32に設けることにより、載置面32において読み書きができないヌル点を生じにくい構成となる。従って、アンテナ付きトレイ30の載置面32においては、商品の置き場所を特定する必要がない。また、本発明に係るケーブル型アンテナ1は、放射部10となる放射側ケーブル3bのアンテナ長が所望の長さ、例えば、共振周波数の波長(λ)の1/2の整数倍、または偶数倍に設定されている。このため、放射部10による通信領域が安定した状態となり、載置面32からの通信距離を略一定した状態に確保することができる。ケーブル型アンテナ1においては、放射側ケーブル3bの断面中心から離れるにつれて電磁界が弱くなり、通信距離が短く設定されているため、ケーブル型アンテナ1における放射側ケーブル3bの周辺の狭い領域に電磁界を生じる。この結果、アンテナ付きトレイ30の載置面32に配置されていない商品のRFIDタグを誤って読んでしまうというリスクを回避することが可能な構成となる。
[0055]
<アンテナ付きラック>
 次に、本発明に係るケーブル型アンテナ1をアンテナ付きラック40に用いた例について説明する。図10は、アンテナ付きラック40にケーブル型アンテナ1が設けられた例を示す図である。図10に示すアンテナ付きラック40は、商品陳列用ラックであるハンガーラックである。以下、ハンガーラック40として説明する。図10においては、ハンガーラック40に商品41を掛けたハンガー42が吊された状態が示されている。商品41にはそれぞれRFIDタグ43が付されている。
[0056]
 図10においては、ケーブル型アンテナ1における第2領域の放射側ケーブル3bを介して複数の商品41のRFIDタグ43とそれぞれ通信する様子を示している。なお、図10においては、便宜上、ハンガーラック40の水平方向の左から右に向かってX方向とし、手前から奥に向かってY方向とし、垂直方向の下から上に向かってZ方向としている。
[0057]
 ハンガーラック40には、ケーブル型アンテナ1が付設されており、バラン8で区分けされて放射部10となる放射側ケーブル3bが商品41が陳列される陳列空間45内または陳列空間45に面して配設されている。図10に示すハンガーラック40においては、底部46に放射側ケーブル3bが設けられて、陳列空間45を通信領域としている。一方、ケーブル型アンテナ1において、バラン8で区分けされた第1領域の信号伝送側ケーブル3aが陳列空間45と外部空間の少なくとも一部とを区切るように、ハンガー42を吊すハンガーパイプ47および支柱48に配設されている。ハンガーパイプ47および支柱48は、例えば樹脂、木材、等の絶縁体で構成されている。このように配設された第1領域の非放射部20である信号伝送側ケーブル3aは、シールド部材として機能する。
[0058]
 図10に示す構成においては、放射部10である放射側ケーブル3bは、底部46の裏面に配置されている。また、バラン8は、絶縁体である支柱48の下端内部に配置されている。また、底部46には、店舗側アンテナと通信するための外部通信用アンテナを含む通信モジュールの給電回路44が設けられている。なお、図10に示すハンガーラック40は、その底部46にキャスタが設けられており、移動可能に構成されている。
[0059]
 上記のように構成されたハンガーラック40を用いることにより、近距離通信として通信領域が安定したケーブル型アンテナ1が設けられているため、隣接する他のハンガーラックのケーブル型アンテナとの干渉が生じにくい構成となる。また、ケーブル型アンテナ1の非放射部20が商品を陳列する陳列空間45と外部空間の少なくとも一部とを区切るシールド部材として用いられているため、隣接するハンガーラックに陳列された商品のRFIDタグを読み難い構成となる。その結果、上記のように構成された複数のアンテナ付きラックを用いることにより、多くの商品41に対するリアルタイムでの商品管理が可能となる。
[0060]
<アンテナ付きテーブル>
 次に、本発明に係るケーブル型アンテナ1をアンテナ付きテーブルに用いた例について説明する。図11は、アンテナ付きテーブル50にケーブル型アンテナ1が設けられた例を示す斜視図である。図11に示すアンテナ付きテーブル50は、商品陳列用のテーブルである。以下、単に陳列テーブル50として説明する。
[0061]
 図11に示す陳列テーブル50は、商品を陳列するための陳列領域(2次元平面)51を有する。この陳列領域51の内側にケーブル型アンテナ1において放射部10となる放射側ケーブル3bが2次元的にミアンダ状に配設されている。即ち、バラン8により区分けされた第2領域の放射側ケーブル3bが陳列領域(2次元平面)51の略全面が放射面となるように配設されている。
[0062]
 一方、ケーブル型アンテナ1においてバラン8により区分けされて非放射部20となる信号伝送側ケーブル3aは、ミアンダ状に配設された放射側ケーブル3bの配設領域の外側を囲むように設けられている。従って、信号伝送側ケーブル3aは、陳列領域51の外縁側に配設されている。このように配設された信号伝送側ケーブル3aがシールド部材として機能する。
[0063]
 上記のように、ケーブル型アンテナ1を備えた陳列テーブル50を用いることにより、2次元平面である陳列領域51に複数の商品を載置して陳列することにより、それらの商品に付されたRFIDタグを適切に読み取ることができる。
[0064]
<アンテナ付きカゴ>
 次に、本発明に係るケーブル型アンテナ1をアンテナ付きカゴに用いた例について説明する。図12は、アンテナ付きカゴの一例であるアンテナ付き買い物カゴ60の構成を示す斜視図である。
[0065]
 アンテナ付き買い物カゴ60は、RFIDタグ61が付された商品62を収容するカゴ本体63と、商品62に付されたRFIDタグ61を読み取るためのリーダライタモジュール64と、を備える。リーダライタモジュール64は、RFIC素子を含む給電回路65と、ケーブル型アンテナ1と、を含む。
[0066]
 図12に示すように、ケーブル型アンテナ1は、カゴ本体63の上部開口の下側の胴部67を取り囲むように周回するように配設されている。ケーブル型アンテナ1の一端は、給電回路65のRFIC素子に接続され、他端は終端(先端部)として胴部67に設けられている。
[0067]
 ケーブル型アンテナ1においては、バラン8により非放射部20の信号伝送側ケーブル3aと放射部10の放射側ケーブル3bとに区分けされており、放射部10となる放射側ケーブル3bがカゴ本体63の胴部67の周りに設けられている。なお、放射部10の放射側ケーブル3bは、カゴ本体63の胴部67を構成する全ての面に設ける必要はない。少なくとも、カゴ本体63の内部空間がRFIDタグ61に対して通信可能空間となるように、放射側ケーブル3bが配設されていればよく、カゴ本体63を構成する面の少なくとも一部に配設されていてもよい。
[0068]
 上記のように構成されたアンテナ付き買い物カゴ60においては、ケーブル型アンテナ1を含むリーダライタモジュール64が、カゴ本体63内に収容された商品62のRFIDタグ61に対して通信可能に構成されている。なお、ここで用いたリーダライタモジュール64およびRFIDタグ61により構築されるRFIDシステムは、900MHz帯を通信周波数帯として利用するUHF帯RFIDシステムである。
[0069]
 上記のように、アンテナ付き買い物カゴ60は、ケーブル型アンテナ1においてバラン8により特定された放射側ケーブル3bがアンテナとして機能する。リーダライタモジュール64は、カゴ本体63内に収容された商品62のRFIDタグ61を読み取ることが可能となる。
[0070]
 なお、図12に示したアンテナ付き買い物カゴ60においては、放射部10となる放射側ケーブル3bが、カゴ本体63の収容部分を取り囲むように周回させる配置としている。このように放射側ケーブル3bを周回させて配置することにより、周回する放射側ケーブル3bからは様々な方向に電波が放射される。その結果、カゴ本体63内において商品62が積み重ねられて配置されている場合、即ち、RFIDタグ61が重ねられていても、いずれかの方向から読み取ることができる可能性が高くなり、RFIDタグ61の読取り精度を向上させることができる。また、バラン8により特定された放射側ケーブル3bを用いているため、周回させて配置しても干渉を生じない構成となる。このため、商品61やその包装物が金属を含んでいたりしても、金属による遮蔽の影響を受けない方向から読み取ることが可能となり、商品62に付されたRFIDタグ61の読取り精度を低下させることがない。
[0071]
 また、ケーブル型アンテナ1を用いているため、近傍に他の買い物カゴが存在していても、また金属物が存在していても、読み取り特性において大きく劣化することが抑制されている。さらに、それぞれの買い物カゴ60のケーブル型アンテナ1が互いに干渉しない構成であるため、近傍に存在する買い物カゴ60の中に収容されている別の商品を誤って読む可能性が極めて少ない構成である。
[0072]
 なお、アンテナ付き買い物カゴ60を構成するリーダライタモジュール64は、さらに店舗に設置された無線LAN親機と通信するためのアンテナおよび無線LAN子機を備えてもよい。さらに、リーダライタモジュール64としては、制御部、バッテリ等を備えた構成としてもよい。
[0073]
 アンテナ付き買い物カゴ60を用いることにより、商品62が買い物カゴ60に収容されると、その情報がリーダライタモジュール64で読み取られ、さらに読み取った情報が、無線LAN子機-親機間の通信によって、店舗側のホストコンピュータに伝達される。このように商品62が買い物カゴ60に収容された時点において、その情報が店舗側のデータベースに反映され、在庫情報をリアルタイムに把握することができる。また、買い物カゴ60に収容された商品62の会計時においては、当該買い物カゴ60の商品62の情報は既に把握されているため、会計処理の簡素化および迅速化が可能となる。
[0074]
<アンテナ付き搬送台>
 次に、本発明に係るケーブル型アンテナ1をアンテナ付き搬送台に設けた例について説明する。ここで、搬送台とは物品を一方向に搬送する搬送ベルトを含む構成である。図13は、アンテナ付き搬送台70の一例であり、搬送ベルト71上の物品72が一方向に移動する状態を示す図である。図13における矢印は搬送方向を示している。図13に示すように、搬送ベルト71の搬送路の周囲を螺旋状(ヘリカル状)に巻回されたケーブル型アンテナ1が設けられている。また、ケーブル型アンテナ1は、搬送路の搬送方向に沿って複数回巻回されて配設されている。このように搬送ベルト71の周囲に配設されるケーブル型アンテナ1は、バラン8により特定された放射部10となる放射側ケーブル3bである。従って、給電回路側から延びるケーブル型アンテナ1において、搬送路71の近傍に最初に到達する位置の直前にバラン8が設けられている。
[0075]
 なお、図13に示すケーブル型アンテナ1において、整合回路2が設けられている放射側ケーブル3bの先端部の位置は、搬送路における搬送方向の川下側に配置されている。放射側ケーブル3bの先端部の位置としては、川上側に配置してよい。ケーブル型アンテナ1は、例えば同軸ケーブルにより構成されているため、上記のように搬送路の周囲を螺旋状(ヘリカル状)に巻回して配設することは容易である。
[0076]
 上記のように構成されたアンテナ付き搬送台70は、ケーブル型アンテナ1における放射部10である放射側ケーブル3bが、搬送ベルト71を確実に複数回横切るように配置されている。このため、RFIDタグが付された物品72が搬送ベルト71により搬送されて放射側ケーブル3bを通過することにより、アンテナ付き搬送台70においては、搬送されている物品72のRFIDタグの情報を確実に読み取ることが可能となる。
[0077]
 図14は、アンテナ付き搬送台70の変形例を示す図である。図14に示すアンテナ付き搬送台70は、搬送される物品72の上方にケーブル型アンテナ1における放射部10である放射側ケーブル3bが蛇行するようにミアンダ状に配設されている。なお、放射部10である放射側ケーブル3bにおいては、各種物品に対応するように先端部側、若しくは給電回路側に行くに従って徐々に(連続的に、若しくは段階的に)物品72に近づくように配設してもよい。
[0078]
 上記のように構成することにより、アンテナ付き搬送台70においては、搬送ベルト71上を搬送する物品72のRFIDタグとのRFIDシステムを構築することができ、読み取りおよび/または書き込み処理を精度高く行うことができる。
[0079]
<ケーブル構成例>
 次に、本発明に係るケーブル型アンテナ1を用いた構成例について説明する。図15は、平坦面76を有する平台75の内部にケーブル型アンテナ1を設けたアンテナ付き平台75を示す平面図である。アンテナ付き平台75は、例えば樹脂、木材、等の絶縁体で構成されており、その平坦面76の直下にケーブル型アンテナ1が配設されている。ケーブル型アンテナ1においては、平坦面76の上方が通信空間となるように、平坦面76の直下に放射部10となる放射側ケーブル3bが渦巻き状(スパイラル状)に配設されている。ケーブル型アンテナ1において、放射部10となる放射側ケーブル3bと、給電回路に接続された非放射部20となる信号伝送側ケーブル3aとを区分けするバラン8が、平坦面76の縁部に配設されている。また、渦巻き状の放射側ケーブル3bの終端位置の整合回路8は、平坦面76の略中央直下に配設されている。
[0080]
 上記のようにアンテナ付き平台75は、その平坦面76の略全面に対して、放射側ケーブル3bが2次元的に渦巻き状(スパイラル状)に配設されているため、平台75の平坦面76の略全面が通信可能領域となる。
[0081]
<ケーブル連結例>
 図16Aは、本発明に係る同軸ケーブル型アンテナ1を示す図であり、複数のコネクタ81、82、83、84を介して整合回路2、同軸ケーブル3(3a、3b)、および平衡-不平衡変換素子であるバラン8が接続された状態を示している。図16Bは、図16Aに示したケーブル型アンテナ1に対して、両端にコネクタ85a、85bを備える延長ケーブル90を接続して、ケーブル型アンテナ1の放射部10のアンテナ長を延長した構成を示す図である。図16Cは、両端にコネクタ85a、85bを備える同軸ケーブル3である延長ケーブル90を接続する直前の状態を示す図である。図16Dは、図16Cに示した延長ケーブル90の斜視図である。図16Aから図16Dに示す同軸ケーブル3(3a、3b、90)は、前述の図2に示した同軸ケーブル3と同じ構成を有しており、内部導体4および外部導体6を有している。
[0082]
 図16Bから図16Dに示すように、同軸ケーブル型アンテナ1は、両端にコネクタ85a、85bを備える延長ケーブル90を放射部10である放射側ケーブル3bに接続することにより放射部10を延長することが可能となる。延長ケーブル90のコネクタ85aは、バラン8が接続されたコネクタ83aと同じ構成のプラグAである。一方、延長ケーブル90のコネクタ85bは、放射側ケーブル3bが接続されたコネクタ83bと同じ構成のプラグBである。他のコネクタ(81、82、83、84)と同様に、延長ケーブル90のコネクタ85(85a、85b)はプラグAとプラグBが電気的に直接的に接続されるネジ止めの1組のプラグである。
[0083]
 上記のように、両端にコネクタ85a(プラグA)、85b(プラグB)を備える延長ケーブル90を放射部10の放射側ケーブル3bに接続することにより、放射部10を所望の長さに延長することが可能となる。このように延長ケーブル90を用いることにより、RFIDシステムを用いた通信領域を考慮して、放射部10の長さを適切に設定することが可能となる。
[0084]
 なお、上記の説明においては、延長ケーブル90を放射部10に接続した構成で説明したが、延長ケーブル90を非放射部20に接続することも可能である。この場合には、延長ケーブル90の両端に設けているコネクタを非放射部20となる信号伝送側ケーブル3aに用いられているコネクタに適合するように適宜、選択して使用される。なお、同軸ケーブル型アンテナ1において用いるコネクタの種類を統一することにより、同じ構成の延長ケーブルにより放射部10および/または非放射部20を所望の長さに変更することが可能となる。従って、延長ケーブル90を含む同軸ケーブル型アンテナ1においては、その使用に応じて、通信領域を所望の領域に変更することが容易なものとなる。
[0085]
 前述の各実施の形態および用途例などにおいては、ケーブル型アンテナとしては50Ωの同軸ケーブルを用いた同軸ケーブル型アンテナについて説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、例えばその他の各種同軸ケーブル、ストリップライン・マイクロストリップラインなどを用いた高周波伝送線路のアンテナにおいても適用できるものである。
[0086]
 上記のように、複数の実施の形態の構成例を用いて説明したように、本発明のケーブル型アンテナは、小型軽量で容易な構成を有し、所望のアンテナ長を有する通信領域を特定することができ、通信特性の優れたケーブル型アンテナを提供することができる。また、このような優れた効果を奏するケーブル型アンテナを各種機器に適用することにより所望の通信特性を有する装置を提供することが可能となる。
[0087]
 なお、本発明においては、前述した様々な実施の形態および/または変形例のうちの任意の実施の形態および/または変形例を適宜組み合わせることを含むものであり、そのように構成されたものはそれぞれの実施の形態および/または変形例が有する効果を奏することができる。

産業上の利用可能性

[0088]
 本発明のケーブル型アンテナは、通信領域を所望の領域に特定できる小型軽量な構成を有するため、特にRFIDシステムにおけるリーダライタ装置などのアンテナとして有用なものである。

符号の説明

[0089]
 1 同軸ケーブル型アンテナ
 2 整合回路
 3 同軸ケーブル
 3a 信号伝送側ケーブル(第1領域)
 3b 放射側ケーブル(第2領域)
 4 内部導体
 4a 信号伝送側ケーブルの内部導体
 4b 放射側ケーブルの内部導体
 5 絶縁体
 6 外部導体
 6a 信号伝送側ケーブルの外部導体
 6b 放射側ケーブルの外部導体
 8 バラン(平衡-不平衡変換素子)
10 放射部
12 給電回路
13 信号伝送線路
15 ハイ側(ホット側)線路
16 ロー側(コールド側)線路
17 ケーブルマッチング回路
20 非放射部
30 アンテナ付きトレイ
40 アンテナ付きラック
50 アンテナ付きテーブル(陳列テーブル)
60 アンテナ付きカゴ
70 アンテナ付き搬送台
90 延長ケーブル

請求の範囲

[請求項1]
 給電回路に一端が接続され、他端が先端部となる第1導体と、
 前記第1導体に沿って配設された第2導体と、
 前記第1導体の先端部と前記第2導体の先端部との間に設けられた整合回路と、
を備えたケーブル型アンテナであって、
 前記ケーブル型アンテナにおいて、給電回路側を第1領域とし、先端部側を第2領域として区分けしたとき、前記第1領域と前記第2領域との間に平衡-不平衡変換素子が設けられており、
 前記平衡-不平衡変換素子における不平衡側端子を前記第1領域に接続し、平衡側端子を前記第2領域に接続して、前記第1領域を非放射部とし、前記第2領域を放射部とするよう構成されたケーブル型アンテナ。
[請求項2]
 前記平衡-不平衡変換素子は、前記第2領域におけるアンテナ長が共振周波数の波長の1/2の整数倍となる位置に設けられた、請求項1に記載のケーブル型アンテナ。
[請求項3]
 前記平衡-不平衡変換素子は、前記第2領域のアンテナ長が共振周波数の波長の1/2の偶数倍となる位置に設けられた、請求項1に記載のケーブル型アンテナ。
[請求項4]
 前記整合回路は、前記第2領域における第1導体と前記第2導体とのインピーダンスを整合させると共に、前記第2領域の共振周波数を形成するよう構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載のケーブル型アンテナ。
[請求項5]
 前記第1導体が内部導体であり、前記第2導体が外部導体である同軸ケーブルで構成された、請求項1から4のいずれか一項に記載のケーブル型アンテナ。
[請求項6]
 前記第1領域のインピーダンスと前記第2領域のインピーダンスとを整合させるケーブルマッチング回路を前記第1領域と前記第2領域との間に設けた、請求項5に記載のケーブル型アンテナ。
[請求項7]
 前記平衡-不平衡変換素子は、巻線トランス型、マーチャント型、または集中定数型で構成された、請求項1から6のいずれか一項に記載のケーブル型アンテナ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 9C]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16A]

[ 図 16B]

[ 図 16C]

[ 図 16D]