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1. (WO2019043779) NUCLEIC ACID EXTRACTION METHOD AND NUCLEIC ACID EXTRACTION DEVICE
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明 細 書

発明の名称 核酸抽出方法および核酸抽出装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026  

発明の効果

0027  

図面の簡単な説明

0028  

発明を実施するための形態

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159  

実施例

0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171  

符号の説明

0172  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 核酸抽出方法および核酸抽出装置

技術分野

[0001]
 本発明は、核酸抽出方法および核酸抽出装置に関する。

背景技術

[0002]
 核酸を抽出するためには、微生物をはじめとする核酸を有する試料を捕集し、試料の膜構造を破壊(溶解)し、試料の内容物を試料外に放出させる必要がある。
[0003]
 従来、上記試料を捕集する方法としては、メンブレンフィルター法を利用した方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
[0004]
 非特許文献1に記載の方法では、イネ種子を滅菌水中に入れて超音波洗浄機で処理し、処理液中の病原細菌をメンブレンフィルター法により捕集する。このフィルターを試験管内の滅菌水中に回収し、再び超音波洗浄機で処理し、分離する。得られた試料液を選択培地上に塗抹し、培養することで、病原細菌を検出し、回収する。

先行技術文献

特許文献

[0005]
非特許文献1 : 大谷 徹、外1名、“イネ種子からのもみ枯細菌病菌及び褐条病菌の効率的な生菌回収法”、[online]、平成17年度、関東東海北陸農業 関東東海・病害虫部会、[平成29年6月28日検索]、インターネット<URL:http://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/seika/kanto17/13/17_13_11.html>

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、非特許文献1に記載されているような従来の方法は、手間や時間がかかるという問題があった。
[0007]
 本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、微生物等の核酸を有する試料から核酸を効率的に抽出できる核酸抽出方法および核酸抽出装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記課題を解決するため、本発明の一態様は、メンブレンフィルターを用いて核酸を有する試料を捕集する工程と、試料が捕集されたメンブレンフィルターを容器の内部空間に収容する工程と、メンブレンフィルターが収容された容器を密閉する工程と、容器を加熱し、試料から核酸を抽出する工程と、を有する核酸抽出方法を提供する。
[0009]
 本発明の一態様においては、抽出する工程において、加熱後の容器の内部空間に水を含有する液体を注入し、液体に核酸を抽出する方法としてもよい。
[0010]
 本発明の一態様においては、収容する工程において、水を含有する液体を内部空間に収容する方法としてもよい。
[0011]
 本発明の一態様においては、液体は、アルカリ、酸、酵素、界面活性剤、酸化還元剤およびタンパク変性剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の細胞溶解促進剤を含む方法としてもよい。
[0012]
 本発明の一態様においては、界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウムと、オクチルフェノールエトキシレートとのいずれか一方または両方である方法としてもよい。
[0013]
 本発明の一態様においては、メンブレンフィルターは、親水性である方法としてもよい。
[0014]
 本発明の一態様においては、抽出する工程において、加熱後の容器を、密閉状態のまま冷却し、核酸を抽出する方法としてもよい。
[0015]
 本発明の一態様においては、抽出する工程において、加熱後の容器を、内部空間の圧力が大気圧以上である状態で開放して、核酸を抽出する方法としてもよい。
[0016]
 本発明の一態様においては、抽出する工程において、冷却後の容器を再加熱して、核酸を抽出する方法としてもよい。
[0017]
 本発明の一態様においては、収容する工程において、内部空間に試料が捕集されたメンブレンフィルターを収容した後、液体を注入する方法としてもよい。
[0018]
 本発明の一態様においては、抽出する工程において、液体が、容器と、試料が捕集されたメンブレンフィルターとの空隙に充填されている方法としてもよい。
[0019]
 本発明の一態様においては、液体は、第1液体と、第2液体と、を有し、第1液体は、水と、細胞溶解促進剤と、を含み、第2液体は、第1液体よりも高沸点である方法としてもよい。
[0020]
 本発明の一態様は、メンブレンフィルターを用いて核酸を有する試料を捕集する捕集部と、捕集された試料から核酸を抽出する抽出部と、を備え、抽出部は、前記メンブレンフィルターを収容可能な内部空間を有する容器と、試料が捕集されたメンブレンフィルターを、内部空間に収容する手段と、容器を密閉状態で加熱する加熱機構と、を有する核酸抽出装置を提供する。
[0021]
 本発明の一態様においては、収容する手段は、内部空間に水を含有する液体を注入する手段を有する構成としてもよい。
[0022]
 本発明の一態様においては、メンブレンフィルターの材質は、親水性である構成としてもよい。
[0023]
 本発明の一態様においては、抽出部は、冷却機構を有し、冷却機構は、加熱後の容器を、密閉状態のまま冷却する構成としてもよい。
[0024]
 本発明の一態様においては、容器は、内部空間と連通する開口部を有し、抽出部は、開口部を塞ぐことができる閉塞部材を有する構成としてもよい。
[0025]
 本発明の一態様においては、容器の温度、および内部空間の圧力の少なくとも一方を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、開口部の開閉を決定し、通知する手段と、を備える構成としてもよい。
[0026]
 本発明の一態様においては、閉塞部材を駆動させる駆動部と、容器の温度、および内部空間の圧力の少なくとも一方を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、少なくとも駆動部を制御する制御部と、を備える構成としてもよい。

発明の効果

[0027]
 本発明の一態様によれば、微生物等の核酸を有する試料から核酸を効率的に抽出できる核酸抽出方法および核酸抽出装置が提供される。

図面の簡単な説明

[0028]
[図1] 図1は、第1実施形態の核酸抽出方法を示すフローチャートである。
[図2] 図2は、第1実施形態の核酸抽出装置101を示す断面模式図である。
[図3] 図3は、第2実施形態の核酸抽出装置102を示す断面模式図である。
[図4] 図4は、第3実施形態の核酸抽出装置103を示す断面模式図である。
[図5] 図5は、第4実施形態の核酸抽出装置104を示す断面模式図である。
[図6] 図6は、第5実施形態の核酸抽出装置105を示す断面模式図である。

発明を実施するための形態

[0029]
<第1実施形態>
 以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
[0030]
 図1は、第1実施形態の核酸抽出方法を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態の核酸抽出方法は、核酸を有する試料を培養し、培養液を作製する工程S1と、メンブレンフィルターを用いて上記試料を捕集する工程S2と、試料が捕集されたメンブレンフィルターを容器の内部空間に収容する工程S3と、メンブレンフィルターが収容された容器を密閉する工程S4と、容器を加熱し、試料から核酸を抽出する工程S5と、を有する。
[0031]
[核酸抽出装置]
 図2は、第1実施形態の核酸抽出装置101を示す断面模式図である。図2に示すように、第1実施形態の核酸抽出装置101は、捕集部10と、抽出部20と、捕集部10および抽出部20を収容する本体部100と、を備える。
[0032]
 本実施形態の核酸抽出装置101は、培養液BRから核酸を有する試料Bを捕集し、捕集した試料Bから核酸Nを抽出する。試料Bから抽出される核酸Nとしては、例えばゲノムDNA、リボソーマルRNA、プラスミドDNAが挙げられる。
[0033]
(捕集部)
 本実施形態の捕集部10は、メンブレンフィルター11を用いて、培養液BRから試料Bを捕集する。捕集部10は、例えばファンネルおよび濾過瓶を含む。
[0034]
(培養液)
 本実施形態の核酸抽出装置101で用いられる培養液BRは、核酸を有する試料Bを培養することにより得られる。試料Bの培養方法は、特に限定されず、例えば、試料Bを捕集したフィルターを直接固体培地上に置き、フィルターを介して試料Bを培養する方法(固相培養)が挙げられる。また、試料Bの別の培養方法としては、例えば液体培地または固体培地を水に溶解させた溶液の存在下で試料Bを培養する方法(液相培養)が挙げられる。用いる液体培地または固体培地の種類は、培養する試料Bの種類や生理的条件によって選択される。
[0035]
 本実施形態の核酸抽出装置101において、処理対象である試料Bとしては、特に限定されず、微生物、微生物以外の動物細胞(例えば、昆虫細胞など)、植物細胞、マイコプラズマ、ウィルスなどが挙げられる。
[0036]
 上記微生物としては、例えば、アシネトバクター(Acinetobacter)種、アクチノミセス(Actinomyces)種、アエロコッカス(Aerococcus)種、アエロモナス(Aeromonas)種、アルカリゲネス(Alcaligenes)種、バチルス(Bacillus)種、バクテリオデス(Bacteriodes)種、ボルデテラ(Bordetella)種、ブランハメラ(Branhamella)種、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)種、カンピロバクター(Campylobacter)種、カンジダ(Candida)種、カプノシトファギア(Capnocytophagia)種、クロモバクテリウム(Chromobacterium)種、クロストリジウム(Clostridium)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種、クリプトコッカス(Cryptococcus)種、デイノコッカス(Deinococcus)種、エンテロコッカス(Enterococcus)種、エリジペロスリックス(Erysipelothrix)種、エシェリシア(Escherichia)種、フラボバクテリウム(Flavobacterium)種、ゲメラ(Gemella)種、ヘモフィルス(Haemophilus)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、ラクトバチルス(Lactobacillus)種、ラクトコッカス(Lactococcus)種、レジオネラ(Legionella)種、ロイコノストック(Leuconostoc)種、リステリア(Listeria)種、ミクロコッカス(Micrococcus)種、マイコバクテリウム(Mycobacterium)種、ナイセリア(Neisseria)種、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)種、ノカルディア(Nocardia)種、オエルスコビア(Oerskovia)種、パラコッカス(Paracoccus)種、ペディオコッカス(Pediococcus)種、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)種、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)種、プロテウス(Proteus)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、ラーネラ(Rahnella)種、ロドコッカス(Rhodococcus)種、ロドスピリルム(Rhodospirillum)種、スタフィロコッカス(Staphylococcus)種、ストレプトミセス(Streptomyces)種、ストレプトコッカス(Streptococcus)種、ビブリオ(Vibrio)種、およびイェルシニア(Yersinia)種からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
[0037]
 上述した微生物の中には、生育状態によって芽胞や胞子といった形態をとる微生物が存在する。本実施形態の核酸抽出装置101において、処理対象である試料Bの形態は、特に限定されない。
[0038]
 本実施形態の核酸抽出装置101において、処理対象である試料Bは、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
[0039]
(メンブレンフィルター)
 本実施形態のメンブレンフィルター11は、処理対象である試料Bを捕捉可能な孔径を有することが好ましい。例えば、メンブレンフィルター11は、0.45μm以下の孔径を有することが好ましい。
[0040]
 メンブレンフィルター11の材質は、後述する抽出部20での核酸抽出を阻害せず、抽出した核酸Nが吸着しにくい材質であれば特に限定されない。
[0041]
 メンブレンフィルター11の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)、セルロース混合エステル、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、純銀などが挙げられる。
[0042]
 なお、「セルロース混合エステル」とは、生物学的に不活性な、酢酸セルロースと硝酸セルロースとの混合物から構成される材料である。
[0043]
 メンブレンフィルター11の材質は、親水性であることが好ましく、例えば、親水性PTFE、親水性PVDF、親水性PES、親水性PCが好ましい。メンブレンフィルター11の材質が親水性であると、後述する抽出部20で抽出した核酸Nがメンブレンフィルター11により吸着しにくい。
[0044]
 なかでも、メンブレンフィルター11の材質としては、親水性PCがより好ましい。メンブレンフィルター11の材質が親水性PCであると、孔径や孔径分布が一定であるフィルターが得られやすい。孔径や孔径分布が一定であるフィルターを用いることにより、試料Bを安定的に捕集することができる。
[0045]
 メンブレンフィルター11の材質が親水性であることを示す一つの指標として、メンブレンフィルター11の材質の接触角を挙げることができる。
[0046]
 メンブレンフィルター11の材質の接触角が小さいほど、メンブレンフィルター11は濡れやすくなり、メンブレンフィルター11の材質は親水性が高くなると言える。本実施形態のメンブレンフィルター11の材質の接触角は、90℃以下であることが好ましい。
[0047]
(抽出部)
 本実施形態の抽出部20は、捕集された試料Bから核酸Nを抽出する。本実施形態の抽出部20は、容器21と、収容する手段22と、加熱機構23と、を有する。
[0048]
(容器)
 本実施形態の容器21は、メンブレンフィルター11を収容可能な内部空間24を有する。
[0049]
 本実施形態の容器21は、加熱や、加熱に伴う内部空間24の圧力の上昇に耐え得る容器であればよく、例えば下記(E-1)が挙げられる。
 (E-1):熱融着可能な袋
[0050]
 本実施形態の核酸抽出装置101においては、上記(E-1)を熱融着することで、上記(E-1)を密閉することができる。
[0051]
 本実施形態の容器21が有する内部空間24の容積としては、2ml以下が好ましく、0.6ml以下がより好ましく、0.2ml以下がさらに好ましい。内部空間24の容積が2ml以下であると、短時間で容器21の内部空間24を均一に加熱することができる。
[0052]
 本実施形態の容器21が有する内部空間24の容積としては、0.1ml以上が好ましく、0.15ml以上がより好ましい。内部空間24の容積が0.1ml以上であると、容器21を取り扱いやすく、かつ、一度に十分な量の試料Bから核酸Nを抽出することができる。
[0053]
 上記上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。
[0054]
(収容する手段)
 本実施形態の収容する手段22は、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11を、内部空間24に収容する。
[0055]
 試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11は、上述した捕集部10で得られる。
[0056]
(注入する手段)
 本実施形態の収容する手段22は、注入する手段22Aを有する。本実施形態の注入する手段22Aは、内部空間24に液体Lを注入する。
[0057]
(液体)
 本実施形態の液体Lは、水を含有する。本実施形態の内部空間24に、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11と共に水を収容することにより、後述する加熱機構23により容器21を加熱する際、容器21の内部空間24が加圧された状態となりやすい。内部空間24が加圧された状態となることで、メンブレンフィルター11に捕集された試料Bも加圧される。その結果、試料Bから核酸Nを効率的に抽出することができる。
[0058]
 また、本実施形態の内部空間24に、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11と共に水を収容することにより、試料Bが破壊されて核酸Nが放出されると同時に核酸Nを水に抽出することができる。
[0059]
(細胞溶解促進剤)
 本実施形態の液体Lは、水のみでも上記効果を発揮するが、試料Bから核酸Nをより効率的に抽出する目的で、水以外に、アルカリ、酸、酵素、界面活性剤、酸化還元剤およびタンパク変性剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の細胞溶解促進剤を含むことが好ましい。
[0060]
 細胞溶解促進剤は、試料Bの膜構造を溶解させる能力を有する。細胞溶解促進剤が試料Bの膜構造に作用することで、試料Bを破壊しやすくなり、試料Bから核酸Nをより効率的に抽出することができる。
[0061]
 上記アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、または水酸化カリウム(KOH)などが挙げられる。
[0062]
 上記酸としては、例えば塩酸(HCl)、または硫酸(H SO )などが挙げられる。
[0063]
 上記酵素としては、例えばProteinase Kなどのタンパク分解酵素、またはchitinase、lysozyme、zymolyaseなどの多糖分解酵素が挙げられる。
[0064]
 上記界面活性剤は、例えばイオン性であってもよく、非イオン性であってもよい。
[0065]
 非イオン性の界面活性剤としては、例えばオクチルフェノールエトキシレート(C 1422O(C O) )などが挙げられる。
 本実施形態の核酸抽出装置101は、市販品のオクチルフェノールエトキシレートを用いることができ、例えばSIGMA社製のTritonX-100(C 1422O(C O) ,n=100)などが挙げられる。
[0066]
 また、イオン性の界面活性剤は、陰イオン性であってもよく、陽イオン性であってもよく、両イオン性であってもよい。
[0067]
 陰イオン性の界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfate,SDS)などが挙げられる。
[0068]
 陽イオン性の界面活性剤としては、例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム(Cetyltrimethylammonium bromide,CTAB)などが挙げられる。
[0069]
 両イオン性の界面活性剤としては、例えばベタインなどが挙げられる。ここで、「ベタイン」とは、正電荷と負電荷とを同一分子内の隣り合わない位置に持ち、正電荷をもつ原子には解離しうる水素原子が結合しておらず、分子全体としては電荷を持たない化合物の総称のことである。
ベタインの代表例としては、トリメチルグリシンが挙げられる。
[0070]
 上記酸化還元剤としては、例えば過酸化水素水、β-メルカプトエタノール、ジチオトレイトールなどが挙げられる。
[0071]
 上記タンパク変性剤としては、例えばグアニジン塩酸塩、尿素などが挙げられる。
[0072]
 上記キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(Ethylenediaminetetraacetic acid,EDTA)などが挙げられる。
[0073]
 上述した細胞溶解促進剤の中でも、本実施形態の液体Lは、上記界面活性剤を含むことが好ましく、SDSと、オクチルフェノールエトキシレートとのいずれか一方または両方を含むことがより好ましい。
[0074]
 例えば、本実施形態の核酸抽出装置101で抽出した核酸Nを高感度で検出したい場合にはSDSを用いるとよい。これに対し、本実施形態の核酸抽出装置101で抽出した核酸Nを、SDSによって阻害される酵素反応に用いる場合には、試料Bの膜構造に対してSDSよりも温和に作用するオクチルフェノールエトキシレートを用いるとよい。
[0075]
 本実施形態の液体Lは、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて緩衝液を含んでもよい。緩衝液としては、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(Tris-HCl)などが挙げられる。
[0076]
(加熱機構)
 本実施形態の加熱機構23は、容器21を密閉状態で加熱する。
[0077]
 本実施形態の加熱機構23は、容器21の内部空間24が、試料Bを破壊して核酸Nを抽出可能な温度となるように、容器21を加熱できる装置であれば、特に限定されない。例えば、本実施形態の加熱機構23は、室温から200℃程度まで容器21を加熱できる装置であることが好ましい。このような装置としては、例えばヒートブロック、またはオイルバスなどが挙げられる。
[0078]
[核酸抽出方法]
 上述の核酸抽出装置101を用いる核酸抽出方法は、シリカメンブレン法、荷電微粒子法、フェノールクロロフォルム法などの核酸精製の粗抽出液、PCR、RT-PCR、LAMP、NASBAなどの核酸増幅の鋳型、リアルタイムPCR検出、マイクロアレイ検出、ハイブリダイゼーションプロテクトアッセイ、核酸配列シーケンスなどの核酸検出の標的などに適用することができる。
 以下、上述の核酸抽出装置101を用いる核酸抽出方法について説明する。
[0079]
(作製する工程S1)
 本実施形態の作製する工程S1では、液体培地、または固体培地を水に溶解させた溶液を用いて、核酸を有する試料Bを培養し、培養液BRを作製する。液体培地または固体培地の種類は、培養する試料Bの種類や生理的条件によって選択される。
[0080]
(捕集する工程S2)
 本実施形態の捕集する工程S2では、捕集部10において、メンブレンフィルター11を用いて、培養液BRから試料Bを捕集する。
[0081]
(収容する工程S3)
 本実施形態の収容する工程S3では、収容する手段22を用いて、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11、および液体Lを、容器21の内部空間24に収容する。
[0082]
 本実施形態の収容する工程S3においては、容器21として下記(E-1)を用いることができる。
 (E-1):熱融着可能な袋
[0083]
 本実施形態の収容する工程S3においては、内部空間24に試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11を収容した後、注入する手段22Aを用いて、内部空間24に液体Lを注入することが好ましい。
[0084]
(密閉する工程S4)
 本実施形態の密閉する工程S4では、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11、および液体Lが収容された容器21を密閉する。
[0085]
 本実施形態の密閉する工程S4では、容器21である上記(E-1)を熱融着することで、上記(E-1)を密閉することができる。
[0086]
(抽出する工程S5)
 本実施形態の抽出する工程S5では、加熱機構23を用いて、容器21を加熱し、試料Bから核酸Nを抽出する。
[0087]
 本実施形態の抽出する工程S5においては、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11と共に、水を含有する液体Lが加熱される。これにより、容器21の内部空間24が加圧された状態となりやすい。内部空間24が加圧された状態となることで、メンブレンフィルター11に捕集された試料Bも加圧される。その結果、試料Bから核酸Nを効率的に抽出することができる。
[0088]
 本実施形態の抽出する工程S5においては、液体Lが、容器21と、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11との空隙に充填されていることが好ましい。これにより、短時間で容器21の内部空間24が加圧された状態となりやすい。
[0089]
 また、使用する液体Lが細胞溶解促進剤を含む場合、細胞溶解促進剤が試料Bの膜構造に作用することで、試料Bを破壊しやすくなり、試料Bから核酸Nをより効率的に抽出することができる。さらに、細胞溶解促進剤を含む液体Lが、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11と共に加熱されることで、上記作用をより発揮させることができると考えられる。したがって、この方法は、処理対象である試料Bの量が少なく、より確実に単一条件で核酸Nを抽出したい場合に有効である。
[0090]
 本実施形態の抽出する工程S5において、加熱温度や加熱時間などの加熱条件は、試料Bの種類、細胞溶解促進剤の有無、細胞溶解促進剤の溶解能力に応じて決定される。例えば、SDSを用いる場合、SDSよりも溶解能力が低いオクチルフェノールエトキシレートを用いる場合よりも温和な加熱条件であっても、SDSが試料Bの膜構造に十分作用し、試料Bから核酸Nが抽出できると考えられる。
[0091]
(冷却)
 本実施形態の抽出する工程S5において、加熱後の容器21を、密閉状態のまま室温で徐々に冷却し、試料Bから核酸Nを抽出してもよい。これにより、内部空間24に急激な温度変化が生じにくく、試料Bから抽出した核酸Nが破壊されるのを抑制できる。したがって、この方法によれば、試料Bから破壊されやすい長鎖の核酸Nを抽出することができる。
[0092]
(再加熱)
 本実施形態の抽出する工程S5において、冷却後の容器21を再加熱し、試料Bから核酸Nを抽出してもよい。この場合、加熱(再加熱を含む)と冷却とを少なくとも2回実施することが好ましい。この方法では、内部空間24の温度変化により試料Bを破壊しやすいので、試料Bから核酸Nを効率的に抽出することができる。したがって、この方法は、グラム陽性菌や真菌など堅い構造を有する試料Bに対し有効である。
[0093]
 このようにして、本実施形態の核酸抽出方法が行われる。
[0094]
 第1実施形態によれば、微生物等の核酸を有する試料Bから核酸Nを効率的に抽出できる核酸抽出方法および核酸抽出装置101が提供される。
[0095]
<第2実施形態>
 以下、本発明の第2実施形態における核酸抽出装置および核酸抽出方法について、図面に基づき説明する。
[0096]
[核酸抽出装置]
 図3は、第2実施形態の核酸抽出装置102を示す断面模式図である。図3に示すように、第2実施形態の核酸抽出装置102は、捕集部10と、抽出部120と、本体部100と、を備える。したがって、第2実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
[0097]
(抽出部)
 本実施形態の抽出部120は、容器21と、収容する手段22と、蓋部材25と、加熱機構23と、を有する。
[0098]
 本明細書において、「蓋部材25」は請求の範囲における「閉塞部材」に相当する。
[0099]
(容器)
 本実施形態の容器21は、内部空間24と連通する開口部26を有する。本実施形態の容器21は、加熱や、加熱に伴う内部空間24の圧力の上昇に耐え得る容器であればよく、例えば下記(E-2)~(E-4)が挙げられる。
 (E-2):反応用プラスチックチューブ
 (E-3):ガラス試験管
 (E-4):マイクロTASチップ
[0100]
 なかでも、本実施形態の容器21としては、耐熱性が高く、かつ、高温でも内部空間24の容積が維持されやすく、内部空間24が加圧された状態となりやすいことから、上記(E-3)が好ましい。
[0101]
(蓋部材)
 本実施形態の蓋部材25は、開口部26を塞ぐことができる。蓋部材25は、開口部26を塞ぐことができる機械的な構造を有する部材であれば、特に限定されない。例えば、蓋部材25は、容器21と嵌合する部分を有する部材などが挙げられる。蓋部材25の形成材料として、例えばゴムまたはシリコーン樹脂などの開口部26の形状に追従可能な材料が用いられる。
[0102]
 本実施形態の蓋部材25は、容器21と一体であってもよく、別体であってもよい。
[0103]
[核酸抽出方法]
 以下、上述の核酸抽出装置102を用いる核酸抽出方法について説明する。第2実施形態の核酸抽出方法では、作製する工程S1、捕集する工程S2、および収容する工程S3を、第1実施形態の核酸抽出方法と同様に行うことができる。
[0104]
(密閉する工程S4)
 本実施形態の密閉する工程S4では、蓋部材25を用いて、開口部26を塞ぐことにより、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11、および液体Lが収容された容器21を密閉する。
[0105]
(抽出する工程S5)
 本実施形態の抽出する工程S5において、容器21を加熱する。第1実施形態と同様に、加熱後の容器21を、密閉状態のまま室温で徐々に冷却し、試料Bから核酸Nを抽出してもよい。また、第1実施形態と同様に、冷却後の容器21を再加熱し、試料Bから核酸Nを抽出してもよい。
[0106]
(開放)
 本実施形態の抽出する工程S5において、加熱後または冷却後の容器21の蓋部材25を手動で取り外すことにより、容器21を開放してもよい。
[0107]
 加熱後の容器21を開放する場合、内部空間24に急激な圧力変化が生じる可能性がある。このとき、内部空間24に収容された試料Bにせん断応力が発生する。その結果、試料Bを破壊しやすくなり、試料Bから核酸Nをより効率的に抽出することができる。したがって、この方法は、グラム陽性菌や真菌など堅い構造を有する試料Bから核酸Nを抽出する場合に有効である。
[0108]
 これに対し、冷却後の容器21を開放する場合、内部空間24に急激な圧力変化が生じにくい可能性がある。このとき、内部空間24に収容された試料Bにせん断応力が発生しにくい。その結果、試料Bから抽出した核酸Nが破壊されるのを抑制できる。したがって、この方法は、試料Bから破壊されやすい長鎖の核酸Nを抽出する場合に有効である。
[0109]
 また、本実施形態の抽出する工程S5においては、蓋部材25を手動で着脱することにより、核酸Nの抽出状況に応じて、容器21の開放状態と密閉状態を繰り返すことができる。
[0110]
 このようにして、本実施形態の核酸抽出方法が行われる。
[0111]
 第2実施形態によれば、試料Bから核酸Nを効率的に抽出できる核酸抽出方法および核酸抽出装置102が提供される。特に、第2実施形態の核酸抽出方法および核酸抽出装置102は、蓋部材25を用いることにより、核酸Nの抽出状況に応じて、容器21の開放状態と密閉状態を繰り返すことができる。
[0112]
<第3実施形態>
 以下、本発明の第3実施形態における核酸抽出装置および核酸抽出方法について、図面に基づき説明する。
[0113]
[核酸抽出装置]
 図4は、第3実施形態の核酸抽出装置103を示す断面模式図である。図4に示すように、第3実施形態の核酸抽出装置103は、捕集部10と、抽出部220と、本体部100と、を備える。したがって、第3実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
[0114]
(抽出部)
 本実施形態の抽出部220は、容器21と、収容する手段22と、蓋部材25と、加熱機構23と、冷却機構27と、を有する。
[0115]
(冷却機構)
 本実施形態の冷却機構27は、加熱後の容器21を、密閉状態のまま冷却する。
[0116]
 本実施形態の冷却機構27としては、例えばペルチェ素子などが挙げられる。
[0117]
[核酸抽出方法]
 以下、上述の核酸抽出装置103を用いる核酸抽出方法について説明する。第3実施形態の核酸抽出方法では、作製する工程S1、捕集する工程S2、収容する工程S3、および密閉する工程S4を、第2実施形態の核酸抽出方法と同様に行うことができる。
[0118]
(抽出する工程S5)
 本実施形態の抽出する工程S5においては、容器21を加熱する。次に、加熱後の容器21を、密閉状態のまま冷却機構27を用いて冷却し、試料Bから核酸Nを抽出する。これにより、内部空間24に急激な温度変化が生じやすい。その結果、試料Bを破壊しやすいので、試料Bから核酸Nを効率的に抽出することができる。したがって、この方法は、グラム陽性菌や真菌など堅い構造を有する試料Bに対し有効である。
[0119]
 このようにして、本実施形態の核酸抽出方法が行われる。
[0120]
 第3実施形態によれば、試料Bから核酸Nを効率的に抽出できる核酸抽出方法および核酸抽出装置103が提供される。特に、第3実施形態の核酸抽出方法および核酸抽出装置103は、内部空間24の急激な温度変化により試料Bを破壊しやすいので、グラム陽性菌や真菌など堅い構造を有する試料Bに対し有効である。
[0121]
<第4実施形態>
 以下、本発明の第4実施形態における核酸抽出装置および核酸抽出方法について、図面に基づき説明する。
[0122]
[核酸抽出装置]
 図5は、第4実施形態の核酸抽出装置104を示す断面模式図である。図5に示すように、第4実施形態の核酸抽出装置104は、捕集部10と、抽出部120と、本体部100と、検出部28と、通知する手段29と、を備える。したがって、第4実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
[0123]
(検出部)
 本実施形態の検出部28は、容器21の温度、および内部空間24の圧力の少なくとも一方を検出する。本実施形態の検出部28は、容器21の温度、および内部空間24の圧力の少なくとも一方を検出可能な装置を有する。例えば、本実施形態の検出部28が容器21の温度を検出する場合、検出部28は上記装置として熱電対を有する。本実施形態の検出部28の検出結果は、後述の通知する手段29に出力される。
[0124]
(通知する手段)
 本実施形態の通知する手段29は、検出部28の検出結果に基づいて、開口部26の開閉を決定し、作業者に通知する。作業者は、通知する手段29により通知された時点で蓋部材25を手動で着脱し、開口部26を開閉する。
[0125]
[核酸抽出方法]
 以下、上述の核酸抽出装置104を用いる核酸抽出方法について説明する。第4実施形態の核酸抽出方法では、作製する工程S1、捕集する工程S2、収容する工程S3、および密閉する工程S4を、第2実施形態の核酸抽出方法と同様に行うことができる。
[0126]
(抽出する工程S5)
 本実施形態の抽出する工程S5において、容器21を加熱する。
[0127]
 次に、検出部28を用いて、加熱後の容器21の温度および内部空間24の圧力の少なくとも一方を検出する。
[0128]
 次に、通知する手段29を用いて、検出部28の検出結果に基づいて、開口部26の開閉を決定し、作業者に通知する。以下、通知する手段29の通知について、具体例を挙げて説明する。
[0129]
(堅い構造を有する試料Bから核酸を抽出する場合)
 グラム陽性菌や真菌など堅い構造を有する試料Bから核酸Nを抽出する場合には、容器21の温度が100℃以上、または内部空間24の圧力が大気圧以上であるとき、通知する手段29が作業者に、開口部26の開放を通知する。作業者は、通知する手段29により通知された時点で蓋部材25を手動で取り外し、開口部26を開放する。これにより、内部空間24に急激な圧力変化が生じ、内部空間24に収容された試料Bにせん断応力が発生する。その結果、試料Bを破壊しやすくなり、試料Bから核酸Nをより効率的に抽出することができる。
[0130]
(試料Bから長鎖の核酸を抽出する場合)
 試料Bから破壊されやすい長鎖の核酸Nを抽出する場合には、容器21の温度が100℃未満、または内部空間24の圧力が大気圧であるとき、通知する手段29が作業者に、開口部26の開放を通知する。作業者は、通知する手段29により通知された時点で蓋部材25を手動で取り外し、開口部26を開放する。これにより、内部空間24に急激な圧力変化が生じにくく、内部空間24に収容された試料Bにせん断応力が発生しにくい。その結果、試料Bから抽出した核酸Nが破壊されるのを抑制できる。
[0131]
 このようにして、本実施形態の核酸抽出方法が行われる。
[0132]
 第4実施形態によれば、試料Bから核酸Nを効率的に抽出できる核酸抽出方法および核酸抽出装置104が提供される。特に、第4実施形態の核酸抽出方法および核酸抽出装置104は、処理対象である試料Bの種類や、抽出する核酸Nの種類に応じて、内部空間24の圧力変化を制御することができる。
[0133]
<第5実施形態>
 以下、本発明の第5実施形態における核酸抽出方法について、説明する。
[0134]
[核酸抽出装置]
 図6は、第5実施形態の核酸抽出装置105を示す断面模式図である。図6に示すように、第5実施形態の核酸抽出装置105は、捕集部10と、抽出部320と、本体部100と、検出部28Aと、駆動部30と、制御部31と、を備える。したがって、第4実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
[0135]
(抽出部)
 本実施形態の抽出部320は、容器21と、収容する手段22と、栓部材25Aと、加熱機構23と、を有する。
[0136]
 本明細書において、「栓部材25A」は請求の範囲における「閉塞部材」に相当する。
[0137]
(栓部材)
 本実施形態の栓部材25Aは、開口部26を塞ぐことができる。栓部材25Aは、開口部26を塞ぐことができる機械的な構造を有する部材であれば、特に限定されない。例えば、栓部材25Aは、容器21の内径より僅かに小さい内径を有するゴム栓またはシリコーン栓などが挙げられる。
[0138]
 本実施形態の栓部材25Aは、容器21と一体であってもよく、別体であってもよい。
[0139]
 また、本実施形態の栓部材25Aは、容器21の内部空間24の圧力が上昇する際、容器21から栓部材25Aが脱落するのを抑制する押さえ部材(図示なし)を有していてもよい。
[0140]
(検出部)
 本実施形態の検出部28Aは、容器21の温度、および内部空間24の圧力の少なくとも一方を検出する。本実施形態の検出部28Aは、容器21の温度、および内部空間24の圧力の少なくとも一方を検出可能な装置を有する。本実施形態の検出部28Aの検出結果は、後述の制御部31に出力される。
[0141]
(駆動部)
 本実施形態の駆動部30は、栓部材25Aを駆動させる。
[0142]
(制御部)
 本実施形態の制御部31は、検出部28Aの検出結果に基づいて、少なくとも駆動部30の駆動を制御する。本実施形態の制御部31は、駆動部30以外に加熱機構23を制御してもよい。
[0143]
[核酸抽出方法]
 以下、上述の核酸抽出装置105を用いる核酸抽出方法について説明する。第5実施形態の核酸抽出方法では、作製する工程S1、捕集する工程S2、および収容する工程S3を、第2実施形態の核酸抽出方法と同様に行うことができる。
[0144]
(密閉する工程S4)
 本実施形態の密閉する工程S4では、栓部材25Aを用いて、開口部26を塞ぐことにより、試料Bが捕集されたメンブレンフィルター11、および液体Lが収容された容器21を密閉する。
[0145]
(抽出する工程S5)
 本実施形態の抽出する工程S5において、容器21を加熱する。
[0146]
 次に、検出部28Aを用いて、加熱後の容器21の温度および内部空間24の圧力の少なくとも一方を検出する。
[0147]
 次に、制御部31を用いて、検出部28Aの検出結果に基づいて、少なくとも駆動部30の駆動を制御する。以下、制御部31の制御について、具体例を挙げて説明する。
[0148]
(堅い構造を有する試料Bから核酸を抽出する場合)
 グラム陽性菌や真菌など堅い構造を有する試料Bから核酸Nを抽出する場合には、容器21の温度が100℃以上、または内部空間24の圧力が大気圧以上であるとき、駆動部30を駆動させる。駆動部30の駆動により栓部材25Aを自動で取り外し、容器21を開放する。これにより、内部空間24に急激な圧力変化が生じ、内部空間24に収容された試料Bにせん断応力が発生する。その結果、試料Bを破壊しやすくなり、試料Bから核酸Nをより効率的に抽出することができる。
[0149]
(試料Bから長鎖の核酸を抽出する場合)
 試料Bから破壊されやすい長鎖の核酸Nを抽出する場合には、容器21の温度が100℃未満、または内部空間24の圧力が大気圧であるとき、駆動部30を駆動させる。駆動部30の駆動により栓部材25Aを自動で取り外し、容器21を開放する。これにより、内部空間24に急激な圧力変化が生じにくく、内部空間24に収容された試料Bにせん断応力が発生しにくい。その結果、試料Bから抽出した核酸Nが破壊されるのを抑制できる。
[0150]
 このようにして、本実施形態の核酸抽出方法が行われる。
[0151]
 第5実施形態によれば、自動で試料Bから核酸Nを効率的に抽出できる核酸抽出方法および核酸抽出装置105が提供される。特に、第5実施形態の核酸抽出方法および核酸抽出装置105は、処理対象である試料Bの種類や、抽出する核酸Nの種類に応じて、内部空間24の圧力変化を制御することができる。
[0152]
<第6実施形態>
 以下、本発明の第6実施形態における核酸抽出方法について、説明する。
[0153]
 本実施形態の液体は、第1液体と、第2液体と、を有する。
[0154]
 第1液体は、水と、上述の細胞溶解促進剤と、必要に応じて使用される上述の緩衝液と、を含む。
[0155]
 一方、第2液体は、第1液体よりも高沸点である。第2液体としては、例えばミネラルオイルなどが挙げられる。
[0156]
 本実施形態の核酸抽出方法においては、試料Bの量が内部空間24の容積に対して極めて少ない場合でも、内部空間24の空隙部分が第2液体によって充填される。これにより、試料Bの量が内部空間24の容積に対して極めて少ない場合でも、容器21を加熱する際、容器21の内部空間24が加圧された状態となりやすい。内部空間24が加圧された状態となることで、メンブレンフィルター11に捕集された試料Bも加圧される。その結果、試料Bから核酸Nを効率的に抽出することができる。
[0157]
 第6実施形態によれば、試料Bから核酸Nを効率的に抽出できる核酸抽出方法および核酸抽出装置が提供される。特に、第6実施形態の核酸抽出方法は、試料Bの量が内部空間24の容積に対して極めて少ない場合であっても有効である。
[0158]
 以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
[0159]
 例えば、上記実施形態の収容する工程S3において、容器21の内部空間24に液体Lを注入する代わりに、抽出する工程S5において、加熱後の容器21の内部空間24に液体Lを注入してもよい。この方法によっても、液体Lに核酸Nを抽出することができる。さらに、上記液体Lが細胞溶解促進剤を含む場合、細胞溶解促進剤が試料Bの膜構造に作用することで、試料Bを破壊しやすくなる。その結果、試料Bから核酸Nをより効率的に抽出することができる。
実施例
[0160]
 以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[0161]
 図3に示すような構成の核酸抽出装置を用いて、核酸を有する試料から核酸を抽出した。
[0162]
[実施例1]
 まず、市販のミネラルウォーターに、大腸菌株(NBRC3972)および黄色ブドウ球菌株(NBRC12732)と、濃縮したSCD培地と、を添加した後、37℃で48時間培養し、培養液を作製した(作製する工程)。
[0163]
 次に、メンブレンフィルター(直径13mm、孔径0.45μm、親水性PC製)を装着した濾過装置(捕集部)を用い、培養液1mLを濾過し、メンブレンフィルターに菌(試料)を捕集した(捕集する工程)。
[0164]
 次に、菌が捕集されたメンブレンフィルターと、予め調製しておいた液体(40mM Tris-HClと0.5%SDSとの混合液)200μLと、を容器に収容した(収容する工程)。
[0165]
 さらに、容器の開口部を塞ぎ、容器を密閉した(密閉する工程)。
[0166]
 次に、容器をヒートブロック(加熱機構)に接触させ、140℃で45秒間加熱し、加熱後に急冷し、大腸菌株および黄色ブドウ球菌株からDNA(核酸)を抽出した(抽出する工程)。
[0167]
[評価]
 上記抽出する工程で得られた溶液を10倍希釈し、ゲノムDNA中に存在する遺伝子を増幅可能なプライマーを用いて、リアルタイムPCRを行った。
[0168]
 リアルタイムPCRより算出された上記溶液中に抽出されたPCRによる増幅が可能なDNA量(検出値)をそれぞれ求めた。作製する工程で用いた大腸菌株または黄色ブドウ球菌株の量に対する各検出値の割合を百分率でそれぞれ表し、これらを抽出効率とした。結果を表1に示す。
[0169]
[表1]


[0170]
 表1に示すように、本発明の一態様を適用した実施例1では、大腸菌株および黄色ブドウ球菌株からDNAを効率的に抽出できることがわかった。また、抽出したDNAは、PCRによる増幅が可能であった。このことから、本発明の一態様の核酸抽出方法は、リアルタイムPCR検出に適用できることが確認された。
[0171]
 以上のことから、本発明が有用であることが示された。

符号の説明

[0172]
 10…捕集部、11…メンブレンフィルター、20,120,220,320…抽出部、21…容器、22…収容する手段、22A…注入する手段、23…加熱機構、24…内部空間、25…蓋部材、25A…栓部材、26…開口部、27…冷却機構、28,28A…検出部、29…通知する手段、30…駆動部、31…制御部、100…本体部、101,102,103,104,105…核酸抽出装置、B…試料、BR…培養液、L…液体、N…核酸

請求の範囲

[請求項1]
 メンブレンフィルターを用いて核酸を有する試料を捕集する工程と、
 前記試料が捕集された前記メンブレンフィルターを容器の内部空間に収容する工程と、
 前記メンブレンフィルターが収容された前記容器を密閉する工程と、
 前記容器を加熱し、前記試料から核酸を抽出する工程と、を有する核酸抽出方法。
[請求項2]
 前記抽出する工程において、加熱後の前記容器の前記内部空間に水を含有する液体を注入し、前記液体に前記核酸を抽出する請求項1に記載の核酸抽出方法。
[請求項3]
 前記収容する工程において、水を含有する液体を前記内部空間に収容する請求項1に記載の核酸抽出方法。
[請求項4]
 前記液体は、アルカリ、酸、酵素、界面活性剤、酸化還元剤およびタンパク変性剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の細胞溶解促進剤を含む請求項2または3に記載の核酸抽出方法。
[請求項5]
 前記界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウムと、オクチルフェノールエトキシレートとのいずれか一方または両方である請求項4に記載の核酸抽出方法。
[請求項6]
 前記メンブレンフィルターは、親水性である請求項1~5のいずれか1項に記載の核酸抽出方法。
[請求項7]
 前記抽出する工程において、加熱後の前記容器を、密閉状態のまま冷却し、前記核酸を抽出する請求項1~6のいずれか1項に記載の核酸抽出方法。
[請求項8]
 前記抽出する工程において、加熱後の前記容器を、前記内部空間の圧力が大気圧以上である状態で開放して、前記核酸を抽出する請求項1~7のいずれか1項に記載の核酸抽出方法。
[請求項9]
 前記抽出する工程において、冷却後の前記容器を再加熱して、前記核酸を抽出する請求項8に記載の核酸抽出方法。
[請求項10]
 前記収容する工程において、前記内部空間に前記試料が捕集された前記メンブレンフィルターを収容した後、前記液体を注入する請求項3~9のいずれか1項に記載の核酸抽出方法。
[請求項11]
 前記抽出する工程において、前記液体が、前記容器と、前記試料が捕集された前記メンブレンフィルターとの空隙に充填されている請求項3~10のいずれか1項に記載の核酸抽出方法。
[請求項12]
 前記液体は、第1液体と、第2液体と、を有し、
 前記第1液体は、前記水と、前記細胞溶解促進剤と、を含み、
 前記第2液体は、前記第1液体よりも高沸点である請求項4~11のいずれか1項に記載の核酸抽出方法。
[請求項13]
 メンブレンフィルターを用いて核酸を有する試料を捕集する捕集部と、
 捕集された前記試料から核酸を抽出する抽出部と、を備え、
 前記抽出部は、
 前記メンブレンフィルターを収容可能な内部空間を有する容器と、
 前記試料が捕集された前記メンブレンフィルターを、前記内部空間に収容する手段と、
 前記容器を密閉状態で加熱する加熱機構と、を有する核酸抽出装置。
[請求項14]
 前記収容する手段は、前記内部空間に水を含有する液体を注入する手段を有する請求項13に記載の核酸抽出装置。
[請求項15]
 前記メンブレンフィルターの材質は、親水性である請求項13または14に記載の核酸抽出装置。
[請求項16]
 前記抽出部は、冷却機構を有し、
 前記冷却機構は、加熱後の前記容器を、密閉状態のまま冷却する請求項13~15のいずれか1項に記載の核酸抽出装置。
[請求項17]
 前記容器は、前記内部空間と連通する開口部を有し、
 前記抽出部は、前記開口部を塞ぐことができる閉塞部材を有する請求項13~16のいずれか1項に記載の核酸抽出装置。
[請求項18]
 前記容器の温度、および前記内部空間の圧力の少なくとも一方を検出する検出部と、
 前記検出部の検出結果に基づいて、前記開口部の開閉を決定し、通知する手段と、を備える請求項17に記載の核酸抽出装置。
[請求項19]
 前記閉塞部材を駆動させる駆動部と、
 前記容器の温度、および前記内部空間の圧力の少なくとも一方を検出する検出部と、
 前記検出部の検出結果に基づいて、少なくとも前記駆動部を制御する制御部と、を備える請求項18に記載の核酸抽出装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]