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1. (WO2019039021) PHOTOCATALYST, PHOTOCATALYST SUPPORT, METHOD FOR MANUFACTURING PHOTOCATALYST, AND METHOD FOR MANUFACTURING PHOTOCATALYST SUPPORT
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明 細 書

発明の名称 光触媒、光触媒担持体、光触媒の製造方法及び光触媒担持体の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059  

符号の説明

0060  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 光触媒、光触媒担持体、光触媒の製造方法及び光触媒担持体の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、光線照射によって励起される光触媒、光触媒担持体、光触媒の製造方法及び光触媒担持体の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来の光触媒において、例えば酸化チタンは紫外光域の光照射によって化学物質を分解することが知られている。一方で、酸化チタンは、波長400nm以上の可視光域の光照射では触媒活性を示さない。そのため、可視光域の光照射によっても化学物質の分解を行う光触媒が開発されている。酸化タングステンは、酸化チタンよりも光線の吸収スペクトルが広く、波長400nm以上の可視光域の光照射によっても光触媒反応を起こすことが知られている。
[0003]
 しかし、酸化タングステンを光触媒として用いて気相有機化合物を分解しようとする場合、酸化タングステン単体では化学物質分解能が低く、十分な分解を行うことができない。そこで、酸化タングステン粒子を他の触媒材料と複合化した材料複合型の光触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、気相中の揮発性芳香族化合物を速やかに分解する光触媒と、その製造方法が開示されている。特許文献1の光触媒は、酸化タングステン粒子を主成分として含有しており、酸化タングステン粒子の表面が酸化チタン粒子で被覆されている。特許文献1において、このような光触媒は、酸化タングステンの前駆体から酸化タングステンの粒子を合成した後、得られた酸化タングステン粒子と酸化チタンの前駆体とを混合して焼成することにより製造される。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2012-110831号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、材料複合型の光触媒では、光照射によって生じる電子及びホール(正孔)の移動により高い触媒活性が発現するため、触媒材料間の接触面積が広いほど高い触媒活性が得られる。しかしながら、特許文献1の光触媒の製造方法では、予め酸化タングステン粒子が形成された後に、酸化タングステン粒子表面に酸化チタン粒子が形成されて製造される。このような製造方法では、製造の中間工程において酸化タングステン粒子同士が凝集することから、製造された光触媒において、酸化タングステンの表面が有効に活用されない場合がある。
[0006]
 本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、高効率に気相化学物質の分解を行うことができる光触媒、光触媒担持体、光触媒の製造方法及び光触媒担持体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明に係る光触媒及び光触媒担持体は、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化タングステンの微結晶と、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化チタンの微結晶とが、不規則に配置されて固体を形成している。
[0008]
 また、本発明に係る光触媒の製造方法は、酸化タングステンの微結晶の前駆体と酸化チタンの微結晶の前駆体とが含まれる分散液を作成して、分散液を焼成することにより、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化タングステンの微結晶と、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化チタンの微結晶とが、不規則に配置されて固体を形成している光触媒を得るものである。
[0009]
 また、本発明に係る光触媒担持体の製造方法は、酸化タングステンの微結晶の前駆体と酸化チタンの微結晶の前駆体とが含まれる分散液を、担持基材に塗布した後に焼成して光触媒層が形成されることにより、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化タングステンの微結晶と、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化チタンの微結晶とが、不規則に配置されて固体を形成している光触媒と、光触媒を担持する担持基材と、を備える光触媒担持体を得るものである。

発明の効果

[0010]
 本発明の光触媒、光触媒担持体、光触媒の製造方法及び光触媒担持体の製造方法によれば、光触媒を構成する酸化タングステンと酸化チタンとを10nm以下の微結晶とすることで、光触媒の比表面積を広くし、気相化学物質に対する酸化能力を高めることができる。また、光触媒構成物質同士の接触面積が広くなるので、光照射によって生じる電子及びホール(正孔)の移動が容易となり、触媒活性が向上する。このように、本発明によれば、高効率に気相化学物質の分解を行うことができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本発明の実施の形態1に係る光触媒の模式図である。
[図2] 本発明の実施の形態1に係る光触媒の製造工程を示す図である。
[図3] 本発明の実施の形態1に係る光触媒のTEM像である。
[図4] 本発明の実施の形態2に係る光触媒の模式図である。
[図5] 本発明の実施の形態2に係る光触媒の製造工程を示す図である。
[図6] 本発明の実施の形態3に係る光触媒担持体の模式図である。
[図7] 本発明の実施の形態3、4、5に係る光触媒担持体の製造工程を示す図である。
[図8] 本発明の実施の形態5に係る光触媒担持体の模式図である。

発明を実施するための形態

[0012]
実施の形態1.
 図1は、本発明の実施の形態1に係る光触媒1の模式図である。光触媒1は、光照射によって励起し、強い酸化力を発現して気相化学物質を分解する。光触媒1は、化学物質を酸化する酸化タングステンと、化学物質を酸化する酸化チタンとを含有しており、紫外光領域の波長の光だけでなく可視光領域の波長の光によっても光触媒反応を示す。
[0013]
 図1に示されるように、光触媒1は、酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とが不規則に配置されて固体を形成したものである。酸化タングステンの結晶2及び酸化チタンの結晶3は、いずれも結晶粒径が10nm以下の微結晶である。図1には、酸化タングステンの結晶2の結晶粒径Swと、酸化チタンの結晶3の結晶粒径Stが示される。以下、酸化タングステンは三酸化タングステン(WO )であり、酸化チタンは二酸化チタン(TiO )であるものとして説明する。
[0014]
 図2は、本発明の実施の形態1に係る光触媒の製造工程を示す図である。上述した光触媒1は、酸化タングステンの結晶2の前駆体である酸化タングステン結晶前駆体2aと、酸化チタンの結晶3の前駆体である酸化チタン結晶前駆体3aとを混合して混合液とし、混合液を乾燥させ、焼成して製造される。
[0015]
 ここで、酸化タングステン結晶前駆体2aとしては、メタタングステン酸アンモニウムが用いられる。なお、酸化タングステン結晶前駆体2aは、焼成によって三酸化タングステンの結晶が得られるものであればよく、これに限定されない。このような酸化タングステン結晶前駆体2aとしては、上記のメタタングステン酸アンモニウムの他に、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸、塩化タングステン及びタングステンアルコキシド等がある。
[0016]
 一方、酸化チタン結晶前駆体3aとしては、チタンラクテートが用いられる。なお、酸化チタン結晶前駆体3aは、焼成によって二酸化チタンの結晶が得られるものであればよく、これに限定されない。このような酸化チタン結晶前駆体3aとしては、上記のチタンラクテートの他に、三塩化チタン、四塩化チタン、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、オキシ塩化チタン及びチタンテトライソポロポキシド等がある。
[0017]
 図2に示されるように、まず、それぞれ設定された量となるように、酸化タングステン結晶前駆体2aが計量され(ステップST1)、酸化チタン結晶前駆体3aが計量される(ステップST2)。そして、計量された酸化タングステン結晶前駆体2aと、計量された酸化チタン結晶前駆体3aとが混合され、混合液が作成される(ステップST3)。例えば、タングステンの質量部100に対してチタン換算の質量部20の割合で混合した混合液が作成される。混合液は、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとを分散剤により分散させた分散液であるとよい。
[0018]
 ここで、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとを混合する方法はどのようなものでもよく、例えば、振とう機、モータ攪拌機、マグネチックスターラー、回転式攪拌機、ミキサー、振動攪拌機又は超音波攪拌機等を用いた混合方法がある。なお、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとの混合比は、特に限定されず、例えば、光触媒11が設置される環境、光源が用いられる場合には光源の光の波長、あるいは分解対象の化学物質等により適宜決定されるとよい。
[0019]
 作成された混合液は、通風乾燥され(ステップST4)、予め設定された温度(例えば、420℃)で焼成される(ステップST5)。なお、混合液を乾燥させる方法はどのようなものでもよく、上記の通風乾燥の他に、例えば温風乾燥、赤外線乾燥、ホットプレート乾燥、減圧乾燥又はスプレー乾燥等の乾燥方法がある。また、光触媒1の焼成温度は特に限定されず、焼成により、酸化タングステンの結晶2及び酸化チタンの結晶3が光触媒1中に生成される温度であればよい。
[0020]
 このような方法で製造された光触媒1では、触媒材料である酸化タングステンと酸化チタンとがそれぞれ微結晶として存在し、不規則に配置されている。このような光触媒1は、従来の光触媒に比べ、光触媒1の比表面積及び光触媒構成物質同士の接触面積が広いので、高効率に気相化学物質を分解することができる。
[0021]
 ところで、上述した光触媒1の効果は、光触媒1中に、各結晶粒径Sw、Stが10nm以下である酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とが存在することにより得られるものである。そのため、光触媒1の主原料である酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aから、図1に示されるような酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とが生成されている必要がある。
[0022]
 一般に、三酸化タングステンの結晶及び二酸化チタンの結晶が得られているか否かを確認する方法として、X線回折法によるスペクトル分析がある。三酸化タングステンの結晶及び二酸化チタンの結晶の回折パターンはそれぞれ既知であり、三酸化タングステンの結晶を含む物質は、回折角2θが23度~25度及び31度~37度に回折ピークが観察される。一方、アナタース型の二酸化チタンの結晶を含む物質は、X線回折法において回折角2θが24度~27度及び46度~50度に回折ピークが観察される。
[0023]
 図3は、本発明の実施の形態1に係る光触媒のTEM(透過電子顕微鏡)像である。図3に示される光触媒1は、酸化タングステン結晶前駆体2aとしてメタタングステン酸アンモニウムを用い、酸化チタン結晶前駆体3aとしてチタンラクテートを用いて上述した方法で製造された光触媒1である。つまり、光触媒1は、メタタングステン酸アンモニウムとチタンラクテートとを、タングステンの質量部100に対してチタン換算の質量部20の割合で混合された混合液が、通風乾燥され、420℃で焼成されて得られたものである。
[0024]
 図3に示される光触媒1に対しX線回折法によるスペクトル分析が行われ、三酸化タングステンの結晶を含む物質に由来する回折ピークと、アナタース型の二酸化チタンの結晶を含む物質に由来する回折ピークとが観察された。すなわち、上述した製造方法により得られた光触媒1は、化学物質を酸化する酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とを含む。また、図3のTEM像に示されるように、上述した製造方法で得られた光触媒1では、酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とが集合して固体を形成しており、結晶粒径Sw及び結晶粒径Stはいずれも10nm以下である。
[0025]
 以上のように、実施の形態1において、光触媒1は、それぞれ気相化学物質を酸化する酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とが不規則に配置されて形成される。そして各結晶粒径St、Swはいずれも10nm以下である。これにより、光触媒構成物質の粒径が小さいことから、光触媒1の比表面積が広くなり、気相化学物質に対する酸化能力を向上させることができる。更に、光触媒1は、粒径が小さい光触媒構成物質が不規則に配置されて形成されているので、従来の光触媒のように酸化タングステン粒子表面が酸化チタン粒子に被覆されたものに比べ、光触媒構成物質同士の接触面積が広くなる。そのため、光照射によって生じる電子及びホール(正孔)の移動が容易になり、触媒活性を高めることができる。
[0026]
 また、光触媒1の製造方法は、酸化タングステンの結晶2の前駆体(酸化タングステン結晶前駆体2a)と酸化チタンの結晶3の前駆体(酸化チタン結晶前駆体3a)とが含まれる分散液を作成し、作成した分散液を焼成するものである。これにより、各前駆体から酸化タングステン及び酸化チタンを結晶化させることで、酸化タングステンと酸化チタンとが密接した固体を形成することができ、気相化学物質を高効率に分解する光触媒1を製造することができる。
[0027]
実施の形態2.
 図4は、本発明の実施の形態2に係る光触媒11の模式図である。以下、実施の形態2において、実施の形態1と共通する部分又は製造工程については説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。実施の形態2において、光触媒11は、触媒構成物質として更に、多電子還元を行う金属4を含有する。以下、金属4が白金(Pt)である場合について説明するが、多電子還元可能な金属4であればどのような金属が用いられてもよい。光触媒11は、酸化タングステンの結晶2と、酸化チタンの結晶3と、金属4とが不規則に配置されて形成されている。
[0028]
 図5は、本発明の実施の形態2に係る光触媒の製造工程を示す図である。上述した光触媒11は、酸化タングステン結晶前駆体2aと、酸化チタン結晶前駆体3aと、金属4の前駆体である金属化合物4aと混合して作成された混合液を乾燥させ、焼成して製造される。
[0029]
 ここで、金属化合物4aとして塩化白金酸が用いられる。なお、金属化合物4aは、焼成によって多電子還元可能な金属4が得られるものであればよく、これに限定されない。このような金属化合物4aとしては、金属4が白金Ptである場合、上記の塩化白金酸の他に、テトラアンミン白金及びジニトロジアミン白金等がある。
[0030]
 図5に示されるように、まず、それぞれに設定された量となるように、酸化タングステン結晶前駆体2aが計量され(ステップST11)、酸化チタン結晶前駆体3aが計量され(ステップST12)、金属化合物4aが計量される(ステップST13)。そして、計量された酸化タングステン結晶前駆体2aと、計量された酸化チタン結晶前駆体3aと、計量された金属化合物4aとが混合され、混合液が作成される(ステップST14)。例えば、タングステンの質量部100に対してチタン換算の質量部20及びプラチナ換算の質量部0.5の割合で混合された混合液が作成される。混合液は、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aと金属化合物4aとを分散剤により分散させた分散液であるとよい。
[0031]
 なお、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aと金属化合物4aとの混合比は、特に限定されず、例えば、光触媒11が設置される環境、光源が用いられる場合には光源の光の波長、あるいは分解対象の化学物質等により適宜決定されるとよい。
[0032]
 作成された混合液は通風乾燥され(ステップST15)、予め設定された温度(例えば、420℃)で焼成される(ステップST16)。なお、焼成温度は限定されず、焼成により、酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3と多電子還元可能な金属4とが光触媒11中に生成される温度であればよい。
[0033]
 ところで、光触媒11は、多電子還元可能な金属4を含むことにより、光触媒構成物質間での電子及びホール(正孔)の移動が促進され、実施の形態1の場合よりも触媒活性を高めることができる。そのため、光触媒11には、酸化タングステン結晶前駆体2aと、酸化チタン結晶前駆体3aと、金属化合物4aとを含む原料から、図4に示されるような酸化タングステンの結晶2と、酸化チタンの結晶3と、金属4とが存在している必要がある。
[0034]
 一般に、多電子還元可能な金属4が得られているか否かを確認する方法として、X線光電子分光法が用いられる。多電子還元可能な金属4である白金は、光触媒11において、酸化タングステンの結晶2及び酸化チタンの結晶3の少なくとも一方に結合し、0価の状態で存在する。0価の白金を含む物質は、X線光電子分光法において結合エネルギー70eV~72eV及び73eV~75eVにピークが観察されることが知られている。
[0035]
 上記の方法で製造された光触媒11に対し、X線回折法によるスペクトル分析が行われ、三酸化タングステンの結晶を含む物質に由来する回折ピークと、アナタース型の二酸化チタンの結晶を含む物質に由来する回折ピークとが観察された。また、X線光電子分光法により、上記の方法で製造された光触媒11の結合エネルギーが分析され、0価のプラチナを含む物質に由来するピークが観察された。すなわち、上述した製造方法により得られた光触媒11は、化学物質を酸化する酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3と、多電子還元可能な金属4とを含む。
[0036]
 以上のように、実施の形態2において、光触媒11には、多電子還元を行う金属4が含まれている。これにより、多電子還元を行う金属4が含まれていない場合に比べ、触媒構成物質間の電子及びホールの移動効率が高められ、光触媒11の触媒活性を向上させることができる。そして、このような光触媒11は、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとを混合する際に金属化合物4aも混合して分散液を作成し、作成した分散液を焼成する製造方法によって、容易に製造することができる。
[0037]
実施の形態3.
 図6は、本発明の実施の形態3に係る光触媒担持体の模式図である。以下、実施の形態3において、実施の形態1と共通する部分又は製造工程については説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。図6に示されるように、光触媒担持体100は、光触媒1と、光触媒1を担持する担持基材20とを備える。以下、担持基材20が、例えばコージェライトから成る、セラミックフォーム基材である場合について説明する。セラミックフォーム基材は、連続気孔の三次元骨格構造を有している。なお、担持基材20は、製造工程の焼成後に形状が保持されるものであればよく、これに限定されない。このような担持基材20としては、例えば金属成型体、ガラス成型体、セラミック成型体及び不織布等がある。
[0038]
 図7は、本発明の実施の形態3に係る光触媒担持体の製造工程を示す図である。光触媒担持体100は、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとを混合して混合液を作成し、混合液を担持基材20に塗布して乾燥させ、焼成することで製造される。
[0039]
 図7に示されるように、まず、それぞれに設定された量となるように、酸化タングステン結晶前駆体2aが計量され(ステップST21)、酸化チタン結晶前駆体3aが計量される(ステップST22)。そして、計量された酸化タングステン結晶前駆体2aと、計量された酸化チタン結晶前駆体3aとが混合され、混合液が作成される(ステップST23)。例えば、タングステンの質量部100に対してチタン換算の質量部20の割合で混合された混合液が作成される。混合液は、分散剤により、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aと金属化合物4aとを分散させた分散液であるとよい。なお、酸化タングステン結晶前駆体2a、酸化チタン結晶前駆体3a、混合比及び混合方法等は、上記のものに限定されない。
[0040]
 次に、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aが、担持基材20に添着される(ステップST24及びステップST25)。具体的には、ステップST23で作成された混合液が、担持基材20として使用されるセラミックフォーム基材に塗布される。ここで、添着方法はどのようなものでもよく、例えばディッピング法、スプレー法又はコーティング法等が用いられてもよい。
[0041]
 ステップ25において混合液を含浸し、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとが添着された担持基材20は、通風乾燥され(ステップST26)、予め設定された温度(例えば、550℃)で焼成される(ステップST27)。なお、乾燥方法は特に限定されず、上記の通風乾燥の他に、温風乾燥、赤外線乾燥、ホットプレート乾燥又は減圧乾燥等の方法が用いられてもよい。また、焼成温度は限定されず、焼成により、酸化タングステンの結晶2及び酸化チタンの結晶3が得られる温度であればよい。
[0042]
 上述した製造方法に従い、メタタングステン酸アンモニウムとチタンラクテートとが混合された混合液を、セラミックフォーム基材に含浸させ、通風乾燥した後に550℃で焼成して光触媒担持体100が製造された。そして、製造された光触媒担持体100の表面に対してX線回折法によるスペクトル分析が行われ、三酸化タングステンの結晶を含む物質に由来する回折ピークと、アナタース型の二酸化チタンの結晶を含む物質に由来する回折ピークとが観察された。すなわち、上述した製造方法で得られた光触媒担持体100においても、化学物質を酸化する酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とが含まれる。
[0043]
 ここで、実施の形態3で用いられたセラミックフォーム基材が、大気雰囲気下550℃で1時間加熱されたところ、加熱前に対する加熱後のセラミックフォーム基材の質量減少率は0%であった。なお、焼成による質量減少率が大きい基材が用いられる場合には、光触媒11と担持基材20との密着性を確保するために、担持基材20の有機物配合量に上限が設定されてもよい。
[0044]
 以上のように、実施の形態3において、光触媒担持体100は、光触媒1と担持基材20とを備える。これにより、光触媒1の形状が保持されるので、光触媒1を備える光触媒担持体100を、住宅、商業施設、自動車又は鉄道用などの空調における空気清浄デバイスの一部として使用することができる。
[0045]
 また、光触媒担持体100の製造方法は、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとが含まれる分散液を、担持基材20に塗布した後に焼成するものである。これにより、担持基材20上で光触媒層を直接形成することで、光触媒担持体100の製造工程を簡素化することができるとともに、バインダレスの光触媒担持体100を簡便に製造することができる。
[0046]
実施の形態4.
 図7は、本発明の実施の形態4に係る光触媒担持体の製造工程を示す図である。実施の形態3において、担持基材20はセラミックフォーム基材であるが、実施の形態4において、担持基材20は不織布である。以下、実施の形態4において、実施の形態3と共通する部分又は製造工程については説明を省略し、実施の形態3との相違点を中心に説明する。
[0047]
 担持基材20は、ガラス繊維とポリエステル繊維とから成り、単位面積あたりの質量(目付け)が100g/m の不織布である。また不織布における繊維の混合比は、ガラス繊維の質量部50に対してポリエステル繊維の質量部が50である。担持基材20として用いられる不織布が大気雰囲気下550℃で1時間加熱されたところ、加熱前に対する加熱後の不織布の質量減少率は49%であった。なお、上述した不織布の繊維の種類及び繊維の混合比は一例であり、これに限定されない。
[0048]
 担持基材20が不織布から成る場合においても、実施の形態3の場合と同様に、図7に示される製造方法によって光触媒担持体100が製造される。つまり、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとを混合した分散液を、不織布に含浸させて乾燥させ、焼成することで光触媒担持体100が製造される。
[0049]
 上述した方法で製造された光触媒担持体100の表面に対してX線回折法によるスペクトル分析が行われたところ、三酸化タングステンの結晶を含む物質に由来する回折ピークと、アナタース型の二酸化チタンの結晶を含む物質に由来する回折ピークとが観察された。すなわち、上述した製造方法により得られた光触媒担持体100においても、化学物質を酸化する酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とが含まれる。
[0050]
 以上のように、実施の形態4において、担持基材20は不織布である。これにより、不織布の担持基材20を用いてシート状の光触媒担持体100を製造することができ、シート状の光触媒担持体100は、コルゲート又はプリーツ形状のフィルタ等に容易に加工することができる。
[0051]
 また、光触媒担持体100の製造工程において、分散液が塗布された担持基材20は、焼成前後における質量減少率が50パーセント以下となるように、有機物配合量が質量の50パーセント以下である。これにより、担持基材20の熱変化量を抑えることで、担持基材20に添着された前駆体の位置を安定させ、光触媒担持体100において担持基材20と光触媒層との密着性を確保することができる。
[0052]
実施の形態5.
 図7は、本発明の実施の形態5に係る光触媒担持体の製造工程を示す図である。図8は、本発明の実施の形態5に係る光触媒担持体の模式図である。実施の形態3において、担持基材20はセラミックフォーム基材であるが、実施の形態5において、担持基材20はセラミックハニカムである。セラミックハニカムは、複数のセル21が形成されたハニカム構造体である。以下、実施の形態5において、実施の形態3と共通する部分又は製造工程については説明を省略し、実施の形態3との相違点を中心に説明する。
[0053]
 担持基材20は、コージェライト等のセラミックから成り、セル密度が100~400cpsiのセラミックハニカムである。セラミックハニカムの外形は、図8に示されるように正面視で四角形をしている。セラミックハニカムの組成比は、シリカ成分の質量部が50、アルミナ成分の質量部が35、及びマグネシウム成分の質量部が15である。
[0054]
 セラミックハニカムは内壁22を有しており、内壁22により、隣接するセル21が隔てられている。図8に示される一例では、格子状の内壁22により、各セル21は四角形に形成されている。担持基材20の厚み方向において各セル21は平行に延びており、流路を構成している。なお、上述したセラミックハニカムの種類、外形、組成比及びセル21の形状は一例であり、これに限定されない。例えば、セラミックハニカムの外形が円形であり、各セル21の形状が正六角形であってもよい。
[0055]
 光触媒担持体100の担持基材20がセラミックハニカムから成る場合においても、担持基材20により光触媒1が担持されている。具体的には、セラミックハニカムの内壁22の表面に、光触媒1の層(光触媒層)が形成されている。
[0056]
 セラミックハニカムを担持基材20とした光触媒担持体100は、実施の形態3の場合と同様に、図7に示される製造方法によって製造される。つまり、酸化タングステン結晶前駆体2aと酸化チタン結晶前駆体3aとを混合した分散液を、セラミックハニカムに含浸させて乾燥させ、焼成することで光触媒担持体100が得られる。
[0057]
 上述した方法で製造された光触媒担持体100の表面に対してX線回折法によるスペクトル分析が行われたところ、三酸化タングステンの結晶を含む物質に由来する回折ピークと、アナタース型の二酸化チタンの結晶を含む物質に由来する回折ピークとが観察された。すなわち、上述した製造方法により得られた光触媒担持体100においても、化学物質を酸化する酸化タングステンの結晶2と酸化チタンの結晶3とが含まれる。
[0058]
 以上のように、実施の形態5において、光触媒担持体100の担持基材20はセラミックハニカムである。これにより、セラミックハニカムを用いてフィルタ状の光触媒担持体100を製造することができる。実施の形態5の光触媒担持体100によれば、セラミックハニカムの内壁22に光触媒層が形成されているため、流路である各セル21を通る気相化学物質を光触媒1と接触させることができる。よって、セラミックハニカムを用いた光触媒担持体100により、軽量で、かつ高い剛性を確保しつつ圧力損失を抑えたフィルタが得られる。また光触媒担持体100を空気清浄デバイスに使用すると、空気清浄デバイスに気相化学物質を導入するためのファンの動力を低減することができるので、空気清浄デバイスの運転コストを削減することができる。
[0059]
 なお、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。例えば、実施の形態3、4、5の光触媒担持体100において、光触媒11は、実施の形態2のように多電子還元可能な金属4を含むものであってもよい。

符号の説明

[0060]
 1 光触媒、2 酸化タングステンの結晶、2a 酸化タングステン結晶前駆体、2θ 回折角、3 酸化チタンの結晶、3a 酸化チタン結晶前駆体、4 金属、4a 金属化合物、11 光触媒、20 担持基材、21 セル、22 内壁、100 光触媒担持体、St 結晶粒径、Sw 結晶粒径。

請求の範囲

[請求項1]
 結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化タングステンの微結晶と、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化チタンの微結晶とが、不規則に配置されて固体を形成している光触媒。
[請求項2]
 多電子還元を行う金属が含まれている
 請求項1に記載の光触媒。
[請求項3]
 多電子還元を行う前記金属は白金である
 請求項2に記載の光触媒。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれか一項に記載の光触媒と、
 前記光触媒を担持する担持基材と、
 を備える光触媒担持体。
[請求項5]
 前記担持基材はセラミックフォーム、不織布又はセラミックハニカムである
 請求項4に記載の光触媒担持体。
[請求項6]
 前記担持基材の有機物配合量が質量の50パーセント以下である
 請求項4又は5に記載の光触媒担持体。
[請求項7]
 結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化タングステンの微結晶と、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化チタンの微結晶とが、不規則に配置されて固体を形成している光触媒の製造方法において、
 前記酸化タングステンの微結晶の前駆体と前記酸化チタンの微結晶の前駆体とが含まれる分散液を作成して、前記分散液を焼成する
 光触媒の製造方法。
[請求項8]
 前記酸化タングステンの微結晶の前駆体は、メタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸、塩化タングステン又はタングステンアルコキシドであり、
 前記酸化チタンの微結晶の前駆体は、チタンラクテート、三塩化チタン、四塩化チタン、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、オキシ塩化チタン又はチタンテトライソポロポキシドである
 請求項7に記載の光触媒の製造方法。
[請求項9]
 前記分散液には、多電子還元を行う金属が含まれている
 請求項7又は8に記載の光触媒の製造方法。
[請求項10]
 結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化タングステンの微結晶と、結晶粒径が10nm以下であって、気相化学物質を酸化する酸化チタンの微結晶とが、不規則に配置されて固体を形成している光触媒と、前記光触媒を担持する担持基材と、を備える光触媒担持体の製造方法において、
 前記酸化タングステンの微結晶の前駆体と前記酸化チタンの微結晶の前駆体とが含まれる分散液を、前記担持基材に塗布した後に焼成して光触媒層が形成される
 光触媒担持体の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]