Некоторое содержание этого приложения в настоящий момент недоступно.
Если эта ситуация сохраняется, свяжитесь с нами по адресуОтзывы и контакты
1. (WO2016194225) SUPERCONDUCTING WIRE ROD AND METHOD FOR MANUFACTURING SAME
Document

明 細 書

発明の名称 超電導線材及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

実施例 1

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080  

実施例 2

0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

実施例 3

0088   0089   0090   0091   0092   0093  

符号の説明

0094  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 超電導線材及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、超電導線材及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 超伝導磁石は、例えば病院での検査に使用されるMRI(Magnetic Resonanse Imaging)装置に適用されている。MRI装置は、全体サイズが大きく重量も重いため、院内での設置部屋の確保の便宜を考慮して小型化が求められている。またMRI装置は製造コストが高いため、低コスト化も求められている。このため、小型化、低コスト化を可能とする超電導磁石の実現が求められている。
[0003]
 超電導磁石を小型化する方法として、超電導磁石に用いられる超伝導線材の臨界電流密度(Jc[A/mm ])を向上させることが挙げられる。臨界電流密度が大きいほど、同じ電流を流すのに、より小型の超電導線材で実現することが可能となる。
[0004]
 超電導線材の電流密度を高める手法として、拡散法による超伝導電材の製造が挙げられる。拡散法は、複数の金属を含む線材を伸線加工して長尺化後、加熱処理することで金属を拡散させて拡散層を形成する方法である。拡散法により得られる材料組織は緻密であり、その分電気を伝えやすいため、臨界電流密度を高めることが可能である。
[0005]
 例えば特許文献1には、中央にホウ素(B)を配置し、その外周に、アルミニウム(Al)及び亜鉛(Zn)を含むマグネシウム管(以下、Mg管と示す。)を設置した棒状複合体を複数本金属管に入れて長尺加工した後、熱処理する方法が開示されている。この方法では、棒状複合体に充填されたホウ素(B)を含む粉末が、金属管内で均一に移動することで、粉末密度の不均一化が低減されるとともに、その後さらに熱処理することで、マグネシウム(Mg)とホウ素(B)が拡散して二ホウ化マグネシウム(MgB )が生成し、高超電導特性を有する線材を得られる。
[0006]
 また、特許文献2には、中心にホウ素(B)を配置し、その外周に銀(Ag)を含むMg管を設置して棒状複合体を準備し、これを熱処理することで、BとMg間の界面においてマグネシウム(Mg)がホウ素(B)へ側拡散し、二ホウ化マグネシウム(MgB )超電導線材の製造が可能となる点が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特許第5517866公報
特許文献2 : US2010/0093546

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 しかしながら、特許文献1、2に記載の技術でも、超伝導線材における臨界電流密度の向上は必ずしも十分ではなかった。
[0009]
 そこで本発明は、臨界電流密度がより高くでき、小型化、低コスト化が可能な超電導線材及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明に係る超電導線材の好ましい実施形態としては、複数の棒状複合体を含む超電導線材であって、前記棒状複合体は、第1の金属を主体とする第1の層と、該第1の層に拡散層を介して接合された第2の金属を主体とする第2の層とを有する接合体が二以上形成されていることを特徴とする。
[0011]
 また、本発明に係る超電導線材の製造方法の好ましい実施形態としては、第1の金属を主体とする第1の層と第2の金属を主体とする第2の層とを、これらの接合面が二以上形成されるように配置して棒状複合体を形成し、前記棒状複合体を複数配置した構造体を伸線加工した後熱処理することを特徴とする。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、臨界電流密度が高く、小型化、低コスト化が可能な超電導線材を実現することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 実施例1に係る超電導線材の断面図である。
[図2] 実施例1の超電導線材20Aの伸線加工前の状態を示す断面図である。
[図3] 実施例1の棒状複合体の加熱処理前及び加熱処理後の状態を示す断面図である。
[図4] 実施例2の超電導線材の伸線加工前の状態を示す断面図である。
[図5] 実施例3の超電導線材の伸線加工前の状態を示す断面図である。
[図6] 実施例3の超電導線材の断面図である。

発明を実施するための形態

実施例 1
[0014]
 以下に、本発明の実施例1に係る超電導線材及びその製造方法について、図1~3を用いて説明する。なお、図1~2及び図4~6には、各々右側に拡大図を示している。図1は、実施例1に係る超電導線材の断面図である。
[0015]
 図1に示すように、超電導線材20は、外周管7の内部に棒状複合体6が複数本設けられている。図1に示す例では、棒状複合体6は6本設けられており、各棒状複合体6間には、各棒状複合体6と外周管7間の領域を充填する充填層10が形成されている。
[0016]
 棒状複合体20は、図1の拡大図に示すように、その中心に、第1の金属を主体とする中心層1aが設けられており、中心層1aの外側には、第2の金属を主体とする環状層2aが、第1の拡散層4を介して中心層1aに接合するように設けられている。環状層2aの外側には、第1の金属を主体とする環状層1bが、第2の拡散層12を介して環状層2aに接合するように設けられている。
[0017]
 環状層1bの外周には、環状のバリア層5が、環状層1bと接触させるように設けられている。
[0018]
 なお、本明細書において、「金属Aを主体とする」とは、金属Aを50%以上含むことをいう。
[0019]
 第1の拡散層4、第2の拡散層12は、第1の金属を主体とする層と第2の金属を主体とする層とを接触させて加熱処理することで、第1の金属と第2の金属とが拡散して得られた層である。実施例1の構成では、図1に示すように、一の棒状複合体6内に、拡散層を有する接合体が二体形成されている。すなわち、第1の金属を主体とする層(以下、第1の層と示す。)と第2の金属を主体とする層(以下、第2の層と示す。)との間に介設された拡散層を二層以上有している、このため、各棒状複合体毎に、拡散層が一層のみ形成されている構成と比較して、超伝導に寄与する電流量を2倍とすることができ、臨界電流密度を向上させることができる。
[0020]
 また、図1に示すように、棒状複合体6では、中心層1aと第1の拡散層4と環状層2aとを有する接合体と、環状層2aと第2の拡散層12と環状層1bとを有する接合体とが、環状層2aを共有して隣接するように設けられている。
[0021]
 このように、第1の層と第2の層とを、拡散層を介して、交互に連続して設けることで、超電導線材20の断面積当たりに占める拡散層の割合を向上させることができ、その分、臨界電流密度を高められるため好ましい。
[0022]
 拡散層としては、超伝導性を得られるものであれば特に限定されないが、二ホウ化マグネシウム(以下、MgB と示す。)を主体とする層を好適に用いることができる。 
 MgB は、ニオブチタン(NbTi)(臨界温度;Tc=9.8K)やニオブスズ(Ni Sn)(臨界温度;Tc=18K)と比較して、39Kと高い臨界温度Tcを有する所謂高温超電導材として知られている。
[0023]
 高温超電導材は、例えば液体ヘリウム(沸点4.2K)や冷凍機冷却による冷却で超電導状態を維持できる温度マージンが大きいため、熱的安定性が高く、冷却設備を簡素化できる可能性がある。また、MgB は、酸化物系超電導材と比較して、磁束クリープが数倍遅いため、ヘリウムフリー、小型・軽量、及び低コストの超電導磁石を実現できる可能性が高い。
[0024]
 なお、第1の拡散層4、第2の12としては、必ずしもMgB に限定されず、例えば上記したニオブチタン(NbTi)やニオブスズ(Ni Sn)を適用することも可能である。拡散層以外の各層の構成材料は、拡散層の種類により適宜選択されるが、その詳細については後述する。
[0025]
 なお、実施例1では、中心層1aと第1の拡散層4と環状層2aとを有する接合体と、環状層2aと第2の拡散層12と環状層1bとを有する接合体とが、環状層2aを共有して隣接する構成を示したが、実施形態の超電導線材は必ずしもこのような構成に限定されない。例えば、環状層2aと環状層1bとの間に、第2の拡散層12以外の別の層を介設し、環状層1bの外周に、これと接触させるように、第2の層を形成してもよい。
[0026]
 また、実施例1では、各棒状複合体6A内に、第1の層と第2の層との間に介設された拡散層が、二層設けられている構成を示したが、拡散層は、各棒状複合体6A内に三層以上設けるようにしてもよい。棒状複合体に含まれる拡散層の数が増える分、臨界電流密度を向上させることができ、より超伝導特性に優れた超伝導線材を得ることができる。
[0027]
 なお、各棒状複合体6の形状は、図1に示すように、六角形が望ましいが、四角形などその他の多角形でもよく、また、円形としてもよい。
[0028]
 次に、図1に示す超電導線材の製造プロセスについて、図2及び図3を用いて説明する。まず、環状複合体6の中心層1aを構成する第1の金属を、圧粉体等の粉状体を用いて形成する場合を例に説明する。
[0029]
 なお、以下の説明において、例えば「第1の金属1a」、「第1の金属1b」は、いずれも第1の金属1又は第1の金属1を含む合金であり、「第2の金属2a」は、第2の金属2又は第2の金属2を含む合金であり、「第3の金属3」は、第3の金属3又は第3の金属3を含む合金であり、以下の説明では、単に「第1の金属1a」、「第1の金属1b」、「第2の金属2a」、「第3の金属3」と示す。
[0030]
 まず、管状の第2の金属2aを準備する。次いで、管状の第2の金属2aの中に、粉末状の第1の金属1aを充填し、所定の治具を用いて、粉末状の第1の金属1aに圧を加えて整形体とする。
[0031]
 次に、第2の金属2aより大きい外径を有する管状のバリア層5を準備し、このバリア層5を、第2の金属2aの外周に配置する。次に、第2の金属2aとバリア層5との間に、粉末状の第1の金属1bを充填し、所定の治具を用いて粉末に圧を加え整形体とする。それらを管状の第3の金属3の空間部へ入れることで、伸線加工前の棒状複合体が完成する。
[0032]
 次に、伸線加工前の棒状複合体を押出しや引抜き加工で伸線加工する。その際、伸線プロセスの中に必要な加工形状、例えば六角形などの形状の穴があいたダイスを用いることで所定の断面形状を有する棒状複合体6Aを作製できる。その後、伸線加工で加工硬化した歪みを除去するために不活性雰囲気で焼鈍する。
[0033]
 この棒状複合体6Aを、管状の外周管7の空間部へ複数本入れ、中心部には第4の金属8を入れることで、伸線加工前の超電導線材20Aが完成する。
[0034]
 各棒状複合体6A及び第4の金属8の形状は、図2に示すように、六角形が望ましいが、四角形などその他の多角形でもよく、また円形としてもよい。
[0035]
 なお、バリア層5をあらかじめ第3の金属3の空間部へ入れておき、その内側に、粉末状の第1の金属1a、管状の第2の金属2aを入れた後に、管状の第2の金属2aとバリア層5の間に、粉末状の第1の金属1bを充填し、所定の治具を用いて粉末に圧を加え整形体とし、棒状複合体6Aを作製してもよい。
[0036]
 図2は、実施例1の超電導線材20Aの伸線加工前の状態を示す断面図である。図2に示すように、超電導線材20Aは、複数の棒状複合体6Aを有する多芯線であり、外周管7内の棒状複合体6A及び第4の金属8を除いた領域に、空間9を有している。
[0037]
 棒状複合体6Aは、中心に第1の金属1a、その外周に、第2の金属2aさらにその外周に、第1の金属1bが設けられている。すなわち、第1の金属1aと第2の金属2a、及び第2の金属2aと第1の金属1bは、それぞれ接合面16、接合面17において互いに接触するように設けられている。
[0038]
 粉末状の第1の金属1bの外周には、バリア層5が設けられており、棒状複合体6Aの最外周には、管状の第3の金属3が設けられている。
[0039]
 その後、伸線加工前の超電導線材20Aを引抜き加工で長尺化させる。この際、超電導線材6Aに配置されていた、第3の金属3及び第4の金属8は、伸線加工時の塑性変形により空間9に移動する。伸線加工時には、その途中で、不活性雰囲気中での中間焼鈍を実施してもよい。
[0040]
 伸線加工終了後、超電導線材20Aを第1の金属1a、第1の金属1b、第2の金属2aのうち、低融点な方の融点以上の温度に加熱して、第1の金属1aと第2の金属2a及び第2の金属2aと第1の金属1bとを拡散させ、図3に示すように、超電導特性を有する第1の拡散層4と第2の拡散層12を生成させる。この際、第3の金属3及び第4の金属8は、熱処理により、一体の混合体である充填層10となって、空間9内を充填する。これにより、図3に示す超電導線材20が完成する。
[0041]
 なお、図1~3では、第3の金属3、第4の金属8及び充填層10は、各々別の名称で記載したが全て同じ材料としてもよい。
[0042]
 熱処理による拡散層の形成後には、拡散した金属が存在した位置に、カーケンダルボイドなどの空間による欠陥が生じることがある。このため、熱処理による拡散層の形成後の超電導線材を、加圧処理をすることが好ましい。これにより、拡散層形成後に生じた空間容積を小さくし、又はこのような空間を消滅させることができる。このため、第1の金属を主体とする層1a、1bや、第2の金属を主体とする層2aにおける欠陥のない、緻密な棒状複合体6を有する超電導線材20を得ることができる。
[0043]
 第1の拡散層4、第2の拡散層12としてMgB 層を形成する場合の各層の構成材料について、中心層1aを構成する第1の金属1aとして粉状体を用いる場合を例に説明する。
[0044]
 第1の金属1aを、圧粉体等の粉状体とする場合、第1の金属1aとしては、例えばホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金の粉状体を用いることができる。
[0045]
 第2の金属2aとしては、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金の管状体を用いることができる。第1の金属1aが粉状体である場合には、製造の便宜の観点からは、第2の金属2aは管状体であることが好ましい。
ただし、第1の金属1aが粉状体である場合でも、第2の金属2aは粉状体であっでもよく、例えばメカニカルミリング法(MM法)で形成したMg-B又はこれを含む合金の粉状体であってもよく、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金の粉状体であってもよい。
[0046]
 第2の金属2aとして、メカニカルミリング法(MM法)で形成したMg-B、又はこれを含む合金を用いた場合、その粒径は1nmから100nmであり、メカニカルミリング法(MM法)で形成していないMg-B金属粉を用いた場合に比べて微細である。このため、熱処理後に形成される第1の拡散層4及び第2の拡散層12のさらなる高密度化が可能である。高密度化することで、その分電流を通し易くなり、臨界電流密度を向上させることができる。
[0047]
 第1の金属1bとしては、例えばホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金の
粉状体を用いることができる。
[0048]
 なお、第1の金属1a、第1の金属1b及び第2の金属2aには、これらが粉状体である場合、上記した主成分に加えて、炭化ケイ素(SiC)などの炭化物を適宜混合させてもよい。
[0049]
 バリア層5としては、第1の金属及び第2の金属との反応性の低い金属材料であれば、特に限定されない。バリア層5としては、例えば鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及びバナジウム(V)よりなる群から選択される一種又は二種以上の金属あるいは各金属を含む合金の管状体又は粉状体を用いることができる。
[0050]
 第3の金属3としては、第1の金属及び第2の金属との反応性が低く、かつ熱伝導性に優れた金属材料を用いることが好ましい。第3の金属3としては、例えば銅(Cu)又は銅(Cu)含む合金の管状体を用いることができる。
[0051]
 第4の金属8としては、第1の金属及び第2の金属との反応性が低く、かつ熱伝導性に優れた金属材料を用いることが好ましい。第4の金属8としては、例えば銅(Cu)若しくは銅(Cu)を含む合金、又は鉄(Fe)若しくは鉄(Fe)を含む合金の金属成型体又は粉状体を用いることができる。
[0052]
 外周管7としては、特に限定されないが、例えば、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及びバナジウム(V)よりなる群から選択される一種又は二種以上の金属又は合金の管状体を用いることができる。
[0053]
 各層の構成材料として上記のものを使用して製造された、図1に示す超電導線材20の各層の構成について説明する。 
 第1の拡散層4及び第2の拡散層12としては、超電導特性を有する層として、MgB が形成される。
[0054]
 第1の金属を主体とする中心層1aは、ホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金を主体とする層である。 
 第2の金属を主体とする環状層2aは、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金、メカニカルミリング法(MM法)で形成されたMg-B、又はこれを含む合金を主体とする層である。メカニカルミリング法(MM法)で形成されたMg-B又はこれを含む合金の粒径は、上記したように、1nmから100nmである。
[0055]
 第1の金属を主体とする環状層1bは、ホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金を主体とする層である。
[0056]
 バリア層5は、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及びバナジウム(V)よりなる群から選択される一種又は二種以上の金属又は合金を主体とする層である。
[0057]
 充填層10は、上記したように、伸線加工前の棒状複合体6Aの第3の金属3及び第4の金属8との混合物であり、例えば銅(Cu)若しくは銅(Cu)を含む合金、又は鉄(Fe)若しくは鉄(Fe)を含む合金を主体とする層である。
[0058]
 なお、外周管7の構成材料は、製造方法で説明した構成材料と同様である。
[0059]
 各棒状複合体6と第4の金属8の形状は六角形が望ましいが、四角形などその他の多角形でもよく、また、円形としてもよい。
[0060]
 本実施例では、各棒状複合体6A内に、第1の層と第2の層との接合面を二つ形成する形態を例に説明した。他の例として、各棒状複合体6A内に形成する、第1の層又は第2の層の数を増やし、これらの接合面を三以上とすることも可能である。接合面の増設により、熱処理後に形成される拡散層の数が増えるため、その分、臨界電流密度を高めることができる。
[0061]
 また、本実施例では、第1の層と第2の層との接合面16、17が、連続して形成されるように、第1の金属1a、第2の金属2a及び第1の金属1bを配置したが、これらの接合面は、必ずしも連続して形成されていなくてもよい。例えば、第2の金属2aと第1の金属1bとの間の別の層を介在させ、第1の金属1bの外周に、これと接触させるように、第2の金属を主体とする層(第2の層)を形成してもよい。
[0062]
 ただし、第1の層と第2の層との接合面を連続して形成することで、超電導線材の20の断面積当たりに占める拡散層の割合を向上させることができ、その分、臨界電流密度を高められるため好ましい。
[0063]
 次に、図1に示す超電導線材の製造プロセスについて、棒状複合体6の中心層1aの外周に設けられる環状層2aを構成する第2の金属を、圧粉体等の粉状体を用いて形成する場合を例に説明する。
[0064]
 まず、棒状の第1の金属1a、及び棒状の第1の金属1aより径の大きい管状の第1の金属1bを準備し、第1の金属1bの空間部に棒状の第1の金属1aを挿入する。そして、棒状の第1の金属1aと管状の第1の金属1bとの間の隙間に、粉末状の第2の金属2aを充填し、所定の治具を用いて粉末に圧を加え整形体とする。
[0065]
 次に、管状の第1の金属1bより大きい外径を有する管状のバリア層5を準備し、このバリア層5を第1の金属1bの外周部に配置する。これらを管状の第3の金属3の空間部へ入れることで、伸線加工前の棒状複合体が完成する。このようにして形成した伸線加工前の棒状複合体を、上記した製造方法と同様、押出しや引抜き加工により伸線加工を行った後、不活性雰囲気で焼鈍して、棒状複合体6Aを作製する。
[0066]
 この棒状複合体6Aを、管状の外周管7の空間部へ複数本入れ、中心部には第4の金属8を入れることで伸線加工前の超電導線材20Aが完成する。
[0067]
 なお、バリア層5をあらかじめ第3の金属3の空間部へ入れておき、その内側に、棒状の第1の金属1a、管状の第1の金属1bを入れた後に、棒状の第1の金属1aと管状の第1の金属1bの間に、粉末状の第2の金属2aを充填して、棒状複合体6Aを作製してもよい。
[0068]
 なお、超電導線材20Aの伸線加工及び熱処理に関しては、第1の金属1aとして粉状体を用いた場合の上記した製造方法と同様であり、その説明を省略する。
[0069]
 第1の拡散層4、第2の拡散層12としてMgB 層を形成する場合の各層の構成材料について、環状層2aを構成する第2の金属2aとして、粉状体を用いる場合を例に説明する。
[0070]
 第2の金属2aを圧粉体等の粉状体とする場合、棒状の第1の金属1aとしては、例えばマグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金を用いることができる。
[0071]
 なお、第2の金属2aが粉状体である場合には、製造の便宜の観点からは、第1の金属1aは棒状体であることが好ましい。ただし、第2の金属2aが粉状体である場合でも、第1の金属1aは粉状体であっでもよく、例えばメカニカルミリング法(MM法)により形成したMg-B又はこれを含む合金の粉状体であってもよく、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金の粉状体であってもよい。
[0072]
 第2の金属2aとしては、ホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金の粉状体を用いることができる。
[0073]
 第1の金属1bとしては、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金の管状体を用いることができる。なお、第2の金属2aが粉状体である場合には、製造の便宜の観点からは、第1の金属1bは管状体であることが好ましい。ただし、第2の金属2aが粉状体である場合でも、第1の金属1bは粉状体であっでもよく、例えばメカニカルミリング法(MM法)により形成したMg-B又はこれを含む合金の粉状体であってもよく、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金の粉状体であってもよい。
[0074]
 バリア層5、第3の金属3、第4の金属8、外周管7に関しては、第1の金属1aとして粉状体を用いた場合と同様の構成材料を用いることができる。
[0075]
 なお、第1の金属1aとして粉状体を用いた場合の製造方法と同様、第1の金属1a、第1の金属1b及び第2の金属2aには、これらが粉状体である場合、上記した主成分に加えて、SiCなどの炭化物を適宜混合させてもよい。
[0076]
 各層の構成材料として上記のものを使用して製造された、図1に示す超電導線材12の各層の構成について説明する。 
 第1の金属1aとして粉状体を用いた場合と同様、第1の拡散層4及び第2の拡散層12としては、超電導特性を有する層として、MgB が形成される。
[0077]
 第1の金属を主体とする中心層1aは、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金、メカニカルミリング法(MM法)で形成されたMg-B、又はこれを含む合金を主体とする層である。 
 第2の金属を主体とする環状層2aは、ホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金を主体とする層である。 
 第1の金属を主体とする環状層1bは、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金、メカニカルミリング法(MM法)で形成されたMg-B、又はこれを含む合金を主体とする層である。
[0078]
 中心層1a及び環状層2aにおける、メカニカルミリング法(MM法)で形成されたMg-B又はこれを含む合金の粒径は、上記したように、1nmから100nmである。
[0079]
 その他のバリア層5、外周管7、充填層10の構成材料は、第1の金属1aとして粉状体を用いた場合の構成材料と同様であり、その説明を省略する。
[0080]
 なお、上記した製造方法では、第1の金属1a又は第2の金属2aが圧粉体等の粉状体である場合を例に説明したが、本発明は必ずしもこのような形態に限られない。例えば第1の金属1a、第2の金属2a、第1の金属1bのいずれも、棒状体や管状体で構成してもよい。また、第1の金属1a、第2の金属2a、第1の金属1bのいずれも、粉状体で構成してもよい。
実施例 2
[0081]
 以下に、実施例2の超電導線材の製造方法について、図4を参照して説明する。図4は、実施例2の超電導線材の伸線加工前の状態を示す断面図である。
[0082]
 実施例2が実施例1と異なる点は、外周管7内に、複数の棒状複合体6A及び第4の金属8を設置した後、外周管7と、棒状複合体6A及び第4の金属8からなる構造体15との間の領域に、第6の金属11を設置している点である。
[0083]
 第6の金属11は、外周管7と構造体15との間の領域に沿う形状を有する金属成型体である。第6の金属11としては、特に限定されないが、例えば銅(Cu)又は銅(Cu)を含む合金を用いることができる。
[0084]
 第6の金属11としては、金属製の棒状体を複数本使用して、外周管7と構造体15との間の領域に充填することも可能であるが、空間9の外形に沿った形状の金属成型体を用いることが好ましい。
[0085]
 実施例2では、図4に示す状態の構造体15を、第6の金属11及び外周管7とともに伸線加工、さらに熱処理する。これにより、熱処理後には、棒状複合体6内には、第1の拡散層4、第2の拡散層12が形成されるとともに、外周管7内の棒状複合体6間の領域には、第3の金属3、中心部の第4の金属8及び第6の金属11との混合体である充填層10が形成され、超電導線材20が得られる。
[0086]
 なお、実施例2の製造方法は、第6の金属11を用いる点以外は実施例1と同様であり、その説明を省略する。また、実施例2の製造方法により得られる超伝導線材の構成は、図1に示す実施例1の超伝導線材と同様であり、その説明を省略する。
[0087]
 実施例2では、伸線加工前に、外周管7内の空間9を埋めることで、伸線加工時における、棒状複合体6Aのバリア層破れを防止することができ、より歩留りよく製造することができる。
実施例 3
[0088]
 以下に、実施例3の超電導線材及びその製造方法について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、実施例3の超電導線材の伸線加工前の状態を示す断面図である。図6は、実施例3の超電導線材の断面図である。すなわち、図6は、伸線加工及び熱処理を行った後の完成体の超電導線材の断面図である。
[0089]
 実施例3が実施例1と異なる点は、伸線加工前の状態において、複数の棒状複合体6A及び第4の金属8を設置した構造体15の外周に、この構造体15の外周面に沿う内周形状を有する外周管7を設置している点である。
[0090]
 実施例3では、図5に示すように、この外周管7により、図1の空間9に相当する領域が充填されている。図5に示す形状の外周管7は、例えば引抜き加工や押出し加工等の塑性加工により形成することができる。なお、外周管7の構成材料は、実施例1の外周管7と同様のものを用いることができる。
[0091]
 そして、図5に示す構造体15を、外周管7とともに伸線加工、さらに熱処理することで、図6に示す超伝導線材20が得られる。すなわち、熱処理後には、棒状複合体6内には、第1の拡散層4、第2の拡散層12が形成されるとともに、外周管7内の棒状複合体6間の領域には、第3の金属3及び中心部の第4の金属8との混合体である充填層10が形成され、超電導線材20が得られる。
[0092]
 実施例3の製造方法は、伸線加工前の構造体15の外周に、この構造体15の外周面に沿う内周形状を有する外周管7を設置する点以外は、実施例1と同様であり、その説明を省略する。また、実施例3の製造方法により得られる超伝導線材20は、棒状複合体6間の領域が、上記した外周管7で接合されている点以外は、実施例1と同様であり、その説明を省略する。
[0093]
 実施例3によれば、外周管7として、上記した形態のものを用いることで、外周管7と棒状複合体6Aとの間の空間面積を小さくすることができる。このため、伸線加工時における、棒状複合体6Aのバリア層破れを防止することができ、より歩留りよく製造することができる。また、実施例2のように、超電導線材の伸線加工前に、空間9に金属成型体である第6の金属11を設置する工程が不要になるため、その分、短時間で製造することが可能となる。

符号の説明

[0094]
1a…中心層(第1の金属)、1b…環状層(第1の金属)、2a…環状層(第2の金属)、3…第3の金属、4…第1の拡散層、12…第2の拡散層、5…バリア層、6…棒状複合体、6A…伸線加工前の棒状複合体、7…外周管、8…第4の金属、9…空間、10…充填層、11…第6の金属、
15…構造体、16、17…接合面、20…超電導線材、20A…伸線加工前の超電導線材

請求の範囲

[請求項1]
 複数の棒状複合体を含む超電導線材であって、
 前記棒状複合体は、第1の金属を主体とする第1の層と、該第1の層に拡散層を介して接合された第2の金属を主体とする第2の層とを有する接合体が二以上形成されていることを特徴とする超電導線材。
[請求項2]
 前記棒状複合体は、中心に設けられた、前記第1の層としての第1金属中心層の外側に、前記第2の層としての第2金属環状層が設けられており、
 前記第2金属環状層の外側に、さらに前記第1の層としての第1金属環状層が設けられており、
 前記第1金属中心層、前記第2金属環状層及び前記の更なる第1金属環状層を有する積層体の外側に、一種又は二種以上の金属又は合金を主体とするバリア層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
[請求項3]
 前記第1の層又は前記第2の層を共有して隣接する前記接合体の組合せを二組以上有することを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
[請求項4]
 前記第1金属中心層は、ホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金を主体とする層であり、
 前記第2金属環状層は、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金、メカニカルミリング法(MM法)で形成されたMg-B又はこれを含む合金を主体とする層であり、
 前記第1金属環状層は、ホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金を主体とする層であり、
 前記バリア層は、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及びバナジウム(V)よりなる群から選択される一種又は二種以上の金属又は合金を主体とする層であることを特徴とする請求項2に記載の超電導線材。
[請求項5]
 前記第1金属中心層は、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金、メカニカルミリング法(MM法)により形成されたMg-B又はこれを含む合金を主体とする層であり、
 前記第2金属環状層は、ホウ素(B)又はホウ素(B)を含む合金を主体とする層であり、
 前記第1金属環状層は、マグネシウム(Mg)又はマグネシウム(Mg)を含む合金、メカニカルミリング法(MM法)により形成されたMg-B又はこれを含む合金を主体とする層であり、
 前記バリア層は、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及びバナジウム(V)よりなる群から選択される一種又は二種以上の金属又は合金を主体とする層であることを特徴とする請求項2に記載の超電導線材。
[請求項6]
 前記メカニカルミリング法(MM法)により形成されたMg-B又はこれを含む合金の粒径は、1nm~100nmであることを特徴とする請求項4に記載の超電導線材。
[請求項7]
 前記メカニカルミリング法(MM法)により形成されたMg-B又はこれを含む合金の粒径は、1nm~100nmであることを特徴とする請求項5に記載の超電導線材。
[請求項8]
 複数の前記棒状複合体の間が、外周管で接合されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
[請求項9]
 前記拡散層が、二ホウ化マグネシウム(MgB )を主体とする層であることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
[請求項10]
 第1の金属を主体とする第1の層と第2の金属を主体とする第2の層とを、これらの接合面が二以上形成されるように配置して棒状複合体を形成し、
 前記棒状複合体を複数配置した構造体を伸線加工した後熱処理することを特徴とする超電導線材の製造方法。
[請求項11]
 中心に配置した前記第1の層の外側に、前記第2の層及び前記第1の層を、交互にかつ互いに接触させて配置して棒状複合体を形成することを特徴とする請求項10に記載の超電導線材の製造方法。
[請求項12]
 前記棒状複合体を複数配置した構造体を熱処理した後、加圧することを特徴とする請求項10に記載の超電導線材の製造方法。
[請求項13]
 前記棒状複合体を複数個配置した構造体と外周管との間の領域に、該領域の外形に沿う形状を有する金属成型体を設置した後、該金属成型体及び前記外周管とともに、前記構造体を伸線加工することを特徴とする請求項10に記載の超電導線材の製造方法。
[請求項14]
 前記棒状複合体を複数個配置した構造体の外周面に沿う内周形状を有する外周管を、前記構造体の外周に設置した後、前記外周管とともに前記構造体を伸線加工することを特徴とする請求項10に記載の超電導線材の製造方法。
[請求項15]
 前記外周管が、引抜き加工又は押出し加工により形成されていることを特徴とする請求項14に記載の超電導線材の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]