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1. (WO2019066071) MOLDED ARTICLE
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明 細 書

発明の名称 成形品

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

先行技術文献

特許文献

0012  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0013  

課題を解決するための手段

0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136  

実施例

0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215  

符号の説明

0216  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 成形品

技術分野

[0001]
 本発明は、灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリおよびハウス用フィルムなどの樹脂部を備える成形品、特に射出成形、Tダイ成形等により作製した樹脂部を備える成形品に関する。さらに詳しくは、高い機械的強度を有する、熱可塑性樹脂とセルロース強化剤からなるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備える灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリおよびハウス用フィルムなどの成形品、また、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物を得るための熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備える灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリおよびハウス用フィルムなどの成形品材に関する。

背景技術

[0002]
 近年、自動車等の車両に対する低燃費化のため、車両の更なる軽量化が要求されている。車両の軽量化のためには、車両を構成するボディなどの大きなパーツのみならず、ヘッドライト等の灯具、車両に搭載されるオーディオシステムの一構成要素としての車載用スピーカユニット、自動車用の接続箱およびコネクタ、自動車のエンジン補機類等を駆動するベルトの案内用プーリ等の各種部材の軽量化も必要である。
[0003]
 車両用灯具は、一般的に、開口部を有するランプボディ、その開口部を覆う前面カバー、エクステンション、反射鏡(リフレクタ)、光源および電装部品等を備えている。車両用灯具の軽量化のためには、車両用灯具の構成部品のうち車両用灯具の総重量に対して比較的高い比率を有するランプボディを樹脂材料によって形成することが有効である。
[0004]
 車載用スピーカユニットは、さらなる軽量化に加え、振動に対する強度特性およびスピーカユニットとしての音響特性の向上も要求されている。このような要求に応えるため、例えばスピーカユニットの筐体(エンクロージャーまたはキャビネット)、フレーム等を適切な配合材料で形成することが望ましい。
[0005]
 自動車用の接続箱およびコネクタは、一般的に、ガラス繊維を強化材として分散させたガラス繊維強化熱可塑性樹脂を用いて射出成形することにより製造される。このような高強度な樹脂を用いることにより接続箱およびコネクタの薄肉化、軽量化が可能である。一方で、接続箱およびコネクタ等を射出成形により製造する際、ランナー端材、ミスショット品が発生する。また、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂を用いて形成された接続箱およびコネクタ等は、廃車から回収される場合もある。しかしながら、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、リサイクルによる強度低下が大きい。そのため、リサイクルされたガラス繊維強化熱可塑性樹脂を使用する場合、強度保持の観点から接続箱およびコネクタ等の薄肉化、軽量化が困難である。そこで、リサイクルされても薄肉化、軽量化の効果が失われず、リサイクル性に優れた繊維強化材料が求められている。
[0006]
 車両用プーリは、一般的に、転がり軸受の外周に樹脂部が一体成形されており、生産性の観点から、強化繊維を含む樹脂等を用いた射出成形により樹脂部が形成される。しかしながら、射出成形の場合、射出成形機には、樹脂材料の流入速度を調整するゲートが必須である。またゲートから金型内に流入した樹脂材料が合流する部分にはウェルドが生じ、円周方向にて強化繊維の不均一が発生し、強度、寸法精度のムラを生じるおそれがある。そのため、プーリを射出成形により製造する場合、ベルトを案内する樹脂部の外周部の寸法精度、ベルトの張力に耐える強度特性等が要求される。ランプボディも同様、寸法精度に優れていることが求められる。
[0007]
 このような各種成形部材の軽量化、強度特性の向上は、自動車等の車両用部材に限られず、例えば、農業用ハウス等の成形部材にも要求されている。農業用ハウスは、ハウス内の生産品を外部から保護し、一定の環境を保持するために広く用いられている。外部から内部の様子をある程度把握できるように、農業用ハウスのフィルムには、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体などを主原料とする透明フィルムが主に用いられている。また、生産性の向上などの観点から、近年、農業ハウスの規模を大きくすることがある。規模の大きな農業用ハウスでは、ハウスに用いられるフィルムの重量が増すため、ハウス全体を支える駆体への影響が大きくなる。また、外部からの飛来物と接触する面積も増大する。そのため、ハウス用フィルムには、軽量化、高弾性率及び高強度が求められる。また、近年の資源の有効活用の観点から、材料のリサイクル性についても要求される場合がある。
[0008]
 上記のような要求に応えるため、各種部材が備える樹脂部の配合材料として、セルロース繊維が有望視されている。セルロース繊維は、軽量、高強度、高弾性率、低線熱膨張といった優れた特性を有することから、樹脂等の補強材料として広く知られている。また、セルロースは、地球上に多く存在し再生可能な天然資源であるため、高いリサイクル性を有する材料として好適である。さらに、微細化したセルロース繊維は、ガラス繊維、炭素繊維と比べて表面平滑性が良好である。しかしながら、セルロース繊維は、非常に親水性が高いため、ポリプロピレンやポリエチレン等の疎水性の高い樹脂とは親和性が乏しく、二軸押出機械等で機械的に混練しただけでは、均一に混合することができない。このため、得られる複合材料の機械的物性は必ずしも満足できるものでなく、不十分であった。一般に、セルロース繊維を含む成形材料を製造する際に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の疎水性の高い熱可塑性樹脂を用いた場合、セルロース繊維の分散性が悪く、さらなる機械的強度を得ることが非常に困難である。
[0009]
 このような問題点に対して、セルロースの樹脂中での分散性を改善させる目的で、相溶化剤を用いる技術が知られている。また、セルロース、もしくは樹脂を変性剤等によって変性処理し、樹脂中におけるセルロースの分散性を向上させようとする試みもなされている(例えば、特許文献1~4参照)。
[0010]
 例えば、特許文献1、2では、セルロース系材料とポリオレフィンからなる樹脂組成物において、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物を相溶化剤もしくは界面補強剤として使用することが提案されている。特許文献3では、ミクロフィブリル化セルロースの水酸基の一部に疎水変性剤として多価塩基酸無水物を用い、得られた疎水変性セルロース繊維を樹脂の補強材料として用いることが提案されている。特許文献4では、セルロースに存在する水酸基に対し親和性を有するカルボキシ基をもつ単量体を特定の方法でグラフト化したポリエチレンを用いることによって、セルロースの分散性を向上させることが提案されている。
[0011]
 上記いずれの方法を用いても、セルロースの補強効果により成形体の機械的強度は向上するが、さらなる機械的強度の向上が望まれている。

先行技術文献

特許文献

[0012]
特許文献1 : 特開昭62-39642号公報
特許文献2 : 米国特許出願公開第2008/0146701号明細書
特許文献3 : 特開2012-214563号公報
特許文献4 : 特許第347961号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0013]
 本発明は、疎水性の高い樹脂中にセルロースを簡便かつ均一に分散させることができ、しかも得られる樹脂組成物を用いて形成された成形材料の機械的強度を向上させることができる熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備える成形品を提供することを目的とする。また、該熱可塑性樹脂組成物を用いて得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備える成形品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0014]
 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂組成物に、セルロース繊維、熱可塑性樹脂および有機過酸化物を含有させることにより、セルロース繊維の分散性が向上した熱可塑性樹脂組成物が得られ、また、該熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して、含有成分を反応させることにより、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物が得られるという知見を得た。この結果、該熱可塑性樹脂組成物およびセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を用いて形成された成形材料の機械的強度を大きく向上させることができ、これにより、熱可塑性樹脂組成物を用いて形成された樹脂部を備える成形品、およびセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を用いて形成された樹脂部を備える成形品が得られることを見出した。
[0015]
 本発明の要旨構成は以下の通りである。
[1]熱可塑性樹脂100質量部に対してセルロースを5~70質量部含有し、かつ有機過酸化物を含有する熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備え、
 前記熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である成形品材。
[2]前記熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含む、[1]に記載の成形品。
[3]前記有機過酸化物の1分間半減期温度が、130~190℃である、[1]または[2]に記載の成形品。
[4]前記有機過酸化物が、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステルおよびモノパーオキシカーボネートから選択される少なくとも1種の有機過酸化物である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の成形品。
[5]前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01~0.30質量部である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の成形品。
[6]前記熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含み、該不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の成形品。
[7]前記熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂との混合樹脂である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の成形品。
[8]前記セルロースが、植物由来の繊維状のセルロースである、[1]~[7]のいずれか1つに記載の成形品。
[9]セルロースの水酸基と、カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂を含有するセルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備え、
 前記エステル結合複合樹脂中に占めるセルロース成分の含有量が、9.0~42質量%であり、かつ、
 前記セルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である成形品。
[10]前記カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子と不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子とが2箇所以上で結合した架橋構造のポリオレフィン樹脂である、[9]に記載の成形品。
[11]前記不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の変性前のポリオレフィン樹脂と、前記不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂とが、異なったポリオレフィン樹脂である、[10]に記載の成形品。
[12]前記セルロースが、植物由来の繊維状のセルロースである、[9]~[11]のいずれか1つに記載の成形品。
[13]前記成形品が、灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリまたはハウス用フィルムである[1]~[12]のいずれか1つに記載の成形品。

発明の効果

[0016]
 本発明では、セルロースが均一に分散されて含有されている熱可塑性樹脂組成物および該熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を用いて、機械的強度が向上した樹脂部を備える成形品を提供することが可能となった。また、本発明の樹脂部は、熱可塑性樹脂とセルロース強化剤で形成されたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成されている。そのため、軽量化、高強度化されると共に、リサイクル性、表面平滑性に優れた樹脂部を備える灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリまたはハウス用フィルムなどの成形品を実現することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 本発明の成形品の一実施形態に係る灯具のランプボディの一例を示す模式断面図である。
[図2] 本発明の成形品の一実施形態に係るスピーカユニットの一例を示す斜視図である。
[図3] 本発明の成形品の一実施形態に係るスピーカユニットを車載用スピーカ装置に応用した形態を示す斜視図である。
[図4] 図3に示した車載用スピーカ装置のA-A矢視断面図である。
[図5] 本発明の成形品の一実施形態に係る接続箱の一例を示す斜視図である。
[図6] 図5に示した接続箱の分解斜視図である。
[図7] 本発明の成形品の一実施形態に係るプーリの一例を示す正面図である。
[図8] 図7に示したプーリのB-B断面図である。
[図9] 本発明の成形品の一実施形態に係るハウス用フィルムを用いた農業用ハウスの一例を示す斜視図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 本発明の一実施形態に係る灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリ、ハウス用フィルムなどの成形品は、熱可塑性樹脂100質量部に対してセルロースを5~70質量部含有し、かつ有機過酸化物を含有する熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備え、該熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である。
[0019]
 本発明に使用されるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して含有成分を反応させて得られるものである。このため、本発明の他の実施態様に係る灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリ、ハウス用フィルムなどの成形品は、セルロースの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂(複合体)を含有するセルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備え、該エステル結合複合樹脂中に占めるセルロース成分の含有量が、9.0~42質量%であり、かつ、該セルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である。
[0020]
 <<引張強度>>
 本発明において使用される熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体の引張強度は、この熱可塑性樹脂組成物に含まれる樹脂の特性もしくは物性である。このような引張強度は、熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して、含有成分を反応させることで得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を、JIS K7127の試験片タイプ2号に準拠する引張強度評価に適合した形態の試験片(樹脂成形体)に加工して評価する。一方、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、既に含有成分が反応しているため、引張強度は、JIS K7127の試験片タイプ2号に準拠する引張強度評価用に適合した形態の試験片(樹脂成形体)に加工するだけで評価できる。
[0021]
 ラジカル重合開始剤として有機過酸化物を使用して、熱可塑性樹脂組成物中の含有成分を反応させるには、一般的に、有機過酸化物が熱分解して、ラジカル反応が開始する温度以上、具体的には有機過酸化物の1分間半減期温度以上(好ましくは、1分間半減期温度より20℃高い温度)であればよい。一般的な二軸押出機で熱可塑性樹脂組成物を加熱混練することで、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物をペレットとして作製できる。
[0022]
 以下に、加熱混練の条件を記載するが、これは、本発明に使用されるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法を規定するものでなく、物性、特性としてのパラメーターである引張強度を測定するための条件である。
[0023]
 熱可塑性樹脂組成物の混練温度は、組成物中に存在する有機過酸化物が分解する温度以上であり、好ましくは、使用する有機過酸化物の1分間半減期温度より20℃高い温度である。なお、撹拌は、特に限定されるものではないが、例えば、スクリュー径15mm、L/D=45により回転速度100rpmで行えば十分である。この加熱混練は、製造に使用する加熱混練機でなく、モデル的な加熱混練機でも構わない。
[0024]
 二軸押出機〔例えば、(株)テクノベル製 KZW15TW-45MG-NH〕で加熱混練する場合、各成分をそれぞれ時間当たり供給質量で制御したフィーダーにより、スクリュー径15mm、L/D=45の二軸押出機のホッパーに投入し、混練ゾーンのパレル温度は有機過酸化物の1分間半減期温度より20℃高く設定し、スクリュー回転速度は100rpmで加熱混練する。
[0025]
 引張強度は、熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して含有成分を反応させて得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を、JIS K7127の試験片タイプ2号に準拠した引張試験片を作製し、この引張試験片をJIS K7161に準拠して測定することで求められる。
[0026]
 なお、二軸押出機で加熱混練する場合、二軸押出機で加熱混練して得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを80℃、24時間乾燥し、射出成形機〔例えば、ファナック(株)製ロボットショット α-30C〕で、上記試験片を作製する。引張強度は、引張試験機〔例えば、インストロン社製のインストロン試験機 5567型〕により、票線間距離25mm、試験速度:50mm/minの条件で測定する。
[0027]
 引張強度は、高いほど好ましく、本発明では、40MPa以上であるが、45MPa以上がより好ましく、50MPa以上がさらに好ましく、55MPa以上が特に好ましい。なお、引張強度の上限は、現実的には100MPaである。
[0028]
 引張強度は、上記の各樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂中に含有する成分の種類および含有量で調整できるが、特に、有機過酸化物の配合量を調整するのが効果的である。例えば、有機過酸化物と、無水マレイン酸変性ポリオレフィンとの配合量をバランス良く併用することでさらに効果的に調整することができる。
[0029]
 以下に、熱可塑性樹脂組成物から順に説明する。
[0030]
 <<熱可塑性樹脂組成物>>
 本発明の成形品が備える樹脂部の形成に使用される熱可塑性樹脂組成物は、少なくとも、熱可塑性樹脂、セルロースおよび有機過酸化物を含有する。熱可塑性樹脂は、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含有してもよい。
[0031]
 <熱可塑性樹脂>
 本発明では、熱可塑性樹脂のうちの1種が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂のみでもよい。
[0032]
 〔ベース樹脂〕
 ベース樹脂とは、熱可塑性樹脂組成物中に含有する不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂の中で最も含有量の多い樹脂成分であり、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂と同質量以上含有してもよい。また、セルロースは熱可塑性樹脂には含まれない。
[0033]
 本発明で使用するベース樹脂は、特に限定されるものではなく、一般的に熱可塑性樹脂として使用されているものであればどのような樹脂でも構わない。ベース樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、セルロースアシレート樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。このうち、本発明では、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
[0034]
 ポリオレフィン樹脂は、少なくとも1種のオレフィンを重合してなるポリオレフィン樹脂であり、単独重合体であっても共重合体であっても構わない。このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、イソブテン(1-ブテン)を含む炭素原子数4~12のα-オレフィン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
[0035]
 炭素原子数4~12のα-オレフィンとしては、例えば、1-ブテン、2-メチル-1-プロペン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、2-エチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、1-ヘプテン、メチル-1-ヘキセン、ジメチル-1-ペンテン、エチル-1-ペンテン、トリメチル-1-ブテン、メチルエチル-1-ブテン、1-オクテン、メチル-1-ペンテン、エチル-1-ヘキセン、ジメチル-1-ヘキセン、プロピル-1-ヘプテン、メチルエチル-1-ヘプテン、トリメチル-1-ペンテン、プロピル-1-ペンテン、ジエチル-1-ブテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセンなどが挙げられる。
[0036]
 ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリイソブテン樹脂、ポリイソプレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、(メタ)アクリル樹脂(いわゆるアリル樹脂)、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、エチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
[0037]
 これらの樹脂のうち、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)が好ましく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂がより好ましい。
[0038]
 ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体などが挙げられる。α-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。
[0039]
 エチレン-α-オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体などが挙げられる。
[0040]
 なお、ポリエチレン樹脂を密度もしくは形状で分類した場合、ポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)のいずれでも構わない。
[0041]
 ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂[塩化ビニルモノマーの単独重合体(ポリ塩化ビニル樹脂など)、塩化ビニル単量体と他の単量体との共重合体(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)など]、ビニルアルコール樹脂(ポリビニルアルコールなどの単独重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体などの共重合体など)、ポリビニルホルマールなどのポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。これらのビニル系樹脂は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても使用することができる。
[0042]
 本発明の成形品が備える樹脂部の形成に使用されるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂は、架橋性ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。架橋性ポリオレフィン樹脂として、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-ブテンブロック共重合体、エチレン-ブテンランダム共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合樹脂、エチレン-エチルアクリレート共重合樹脂、エチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂などが挙げられる。
[0043]
 ベース樹脂のポリオレフィン樹脂は、単独で使用しても、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、複数のポリオレフィン樹脂を用いた場合には、特に断らない限り、その総量をポリオレフィン樹脂100質量部として、その他の成分の配合量を規定する。 
[0044]
 ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、通常、0.01~400g/10分であり、機械的強度、生産安定性を高めるという観点から、好ましくは1~400g/10分であり、より好ましくは0.1~50g/10分であり、さらに好ましくは0.4~10g/10分である。なお、本発明では、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂も含め、JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)である。
[0045]
 〔不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂〕
 ベース樹脂は、例えば、代表的なポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンでは炭素原子と水素原子のみから構成されており、疎水性が極めて高い。一方、セルロース繊維の表面は、水酸基を有する極性の高い表面であり、疎水性の高い熱可塑性樹脂との相溶性が低く、セルロース繊維を均一に分散することが困難である。本発明では、疎水性が高い熱可塑性樹脂中に、極性基の水酸基を有し、親水性の高いセルロース繊維を均一に分散させるため、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。
[0046]
 不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂に存在するカルボキシ基(-CO H)、酸無水物に基づく-C(=O)-O-C(=O)-結合は、セルロース繊維の表面の水酸基(-OH)と水素結合、双極子相互作用などの相互作用により、セルロース繊維の表面との親和性、相溶性が高い。一方、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂のポリオレフィン部分は、疎水性の熱可塑性樹脂と同様に疎水性が高く、構造も類似しており、相溶性、親和力が高い。このため、熱可塑性樹脂中に、セルロース繊維を均一に分散することを促す。
[0047]
 不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂は、上記のように、分子内に、疎水性の熱可塑性樹脂と親水性のセルロースと相互作用する部分構造を併せ持ち、疎水性の熱可塑性樹脂と親水性のセルロースとを結びつける仲介役としての働きをすることから、カップリング剤に分類される。
[0048]
 また、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸もしくはその無水物構造部分は、上記のように、セルロース繊維表面の水酸基と極めて近い距離に存在する。そのため、セルロースの水酸基とのエステル化反応が容易かつ効率的に起こり、これにより、セルロースと不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂が化学結合した複合樹脂が形成される。
[0049]
 本発明では、有機過酸化物の分解により得られるラジカルにより、ベース樹脂とセルロース繊維のセルロースの間に架橋反応が進行し、強固な複合樹脂が形成される。さらに、熱可塑性樹脂が不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含む場合、該有機化酸化物が不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂とベース樹脂のラジカル反応による架橋構造を形成させる。これにより、セルロース、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂およびベース樹脂のいずれもが、化学結合(共有結合)し、より強固な複合樹脂が形成される。
[0050]
 不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂におけるグラフト変性する不飽和カルボン酸もしくはその無水物は、鎖状の化合物でも環状の化合物でも構わないが、環状の化合物が好ましく、環状の不飽和カルボン酸無水物がより好ましい。
[0051]
 不飽和カルボン酸もしくはその無水物によるグラフト変性量は、未変性のポリオレフィン樹脂100質量部に対し、不飽和カルボン酸もしくはその無水物0.1~25質量部が好ましく、0.1~10質量部がより好ましく、0.1~4質量部がさらに好ましい。
[0052]
 不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
[0053]
 不飽和カルボン酸無水物のうち、環状の酸無水物としては、例えば、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物(メチルマレイン酸無水物)、2,3-ジメチルマレイン酸無水物、2-(2-カルボキシエチル)-3-メチルマレイン酸無水物、2-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3-ジフェニルマレイン酸無水物、5,6-ジヒドロ-1,4-ジチイン-2,3-ジカルボン酸無水物、2,3-ビス(2,4,5-トリメチル-3-チエニル)マレイン酸無水物などのマレイン酸骨格の酸無水物、4-エチニルフタル酸無水物、4,4’-(エチン-1,2-ジイル)ジフタル酸無水物、4-(1-プロピニル)フタル酸無水物、4-フェニルエチニルフタル酸無水物などのフタル酸骨格の酸無水物が挙げられる。
[0054]
 不飽和カルボン酸無水物のうち、鎖状の酸無水物としては、例えば、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸の各酸無水物、および、これらの不飽和カルボン酸と飽和脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヘテロ環カルボン酸との混合酸無水物が挙げられる。
[0055]
 不飽和カルボン酸無水物は、環状の不飽和カルボン酸無水物が好ましく、マレイン酸骨格の酸無水物がより好ましく、マレイン酸無水物が特に好ましい。
[0056]
 本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物は、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含み、該不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
[0057]
 無水マレイン酸変性ポリオレフィンのポリオレフィンは、ベース樹脂との相溶性が良ければ特に限定されない。無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリスチレンが好ましいが、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンがより好ましい。なお、エチレン、プロピレンおよびスチレンから選択される2種の共重合体の無水マレイン酸変性共重合体も好ましい。
[0058]
 無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンとしては、無水マレイン酸変性のエチレン-プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性のエチレン-α-オレフィン共重合体(エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、エチレン-オクテン共重合体など)、無水マレイン酸を含む基を有するスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)が挙げられる。また、グラフトもしくは共重合される極性基として無水マレイン酸のみでなく、極性基〔アルキレングリコール系、(メタ)アクリル酸系のモノマー成分〕を含有していてもよい。この中でも特に好ましいのは、無水マレイン酸変性ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはそれらの共重合体)、無水マレイン酸変性のエチレン-プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性のエチレン-α-オレフィン共重合体(エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、エチレン-オクテン共重合体など)、無水マレイン酸を含む基を有するスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)である。
[0059]
 無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、無水マレイン酸変性ポリエチレンが最も好ましい。特に、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.3~10g/10分の無水マレイン酸変性ポリエチレンが好ましい。また、赤外吸収スペクトルで測定した赤外吸収スペクトルの相対強度比が0.1~0.2の無水マレイン酸変性ポリエチレンが好ましい。
[0060]
 赤外吸収スペクトルの相対強度比は、無水マレイン酸変性ポリエチレンを150℃、200kgf/cm で5分間熱プレスして、厚さ100μmのフィルムを作製し、このフィルムの赤外吸収スペクトルを測定する。1791cm -1付近の吸収強度(無水マレイン酸由来の飽和5員環酸無水物のC=O伸縮振動の吸収ピーク)/719cm -1付近の吸収強度(ポリエチレン由来のメチレン基の横揺れ振動吸収ピーク)の比から、無水マレイン酸変性ポリエチレンの相対強度比を求めることで測定できる。
[0061]
 赤外吸収スペクトルの相対強度比が、0.1~0.2であることによって、熱可塑性樹脂組成物をセルロースと強固にその界面を密着させることができる。赤外吸収スペクトルの相対強度比は、0.15~0.2がより好ましい。
[0062]
 不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂は、変性前のポリオレフィン樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィンベース樹脂とが、異なったポリオレフィン樹脂であることが好ましい。ここで、異なるとは、樹脂成分の種類、構成するモノマー成分の差、MFRのような物性の差を含むものである。また、本発明に使用される熱可塑性樹脂は、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂との混合樹脂であってもよい。
[0063]
 不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の含有量は、ベース樹脂100質量部に対し、0.5~20質量部が好ましく、1~15質量部がより好ましく、1~10質量部がさらに好ましい。不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の含有量が少なすぎる場合、セルロースと樹脂の界面密着効果が十分に得られず、樹脂組成物の機械強度の向上効果が十分に得られない。一方、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の含有量が多すぎる場合、ベース樹脂の強度に悪影響を与え、樹脂組成物全体の強度が低下する。
[0064]
 <有機過酸化物>
 有機過酸化物は、ベース樹脂や不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂のポリマー分子間をラジカル反応により架橋する重合開始剤である。有機過酸化物としては、少なくとも炭素原子と-O-O-結合を有する化合物であり、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、モノパーオキシカーボネート、パーオキシジカーボネートが挙げられる。このうち、本発明では、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステルおよびモノパーオキシカーボネートから選択される少なくとも1種の有機過酸化物が好ましく、特にジアルキルパーオキサイドが好ましい。有機過酸化物を一般式で示すと、下記一般式(1)~(9)で表される有機過酸化物が好ましい。
[0065]
[化1]


[0066]
 式中、R ~R は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を示す。ここで、R とR 、R とR が互いに結合して環を形成してもよい。nは1~6の整数を表す。
[0067]
 上記アルキル基は直鎖でも分岐していても構わない。アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~12がより好ましい。上記シクロアルキル基の環員数は3~7が好ましく、5または6がより好ましい。シクロアルキル基の炭素数は、3~20が好ましく、3~12がより好ましい。シクロアルキル基として、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
[0068]
 上記のアルキル基およびシクロアルキル基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、カルボキシ基が挙げられる。
[0069]
 上記アリール基の炭素数は、6~20が好ましく、6~12がより好ましい。アリール基は置換基を有していてもよく、このような置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。アリール基は、例えば、フェニル、ナフチルが挙げられ、フェニルが好ましい。
[0070]
 R とR が互いに結合して形成する環は、5または6員環の飽和炭素環が好ましく、シクロペンタン環、シクロヘキサン環が好ましい。R とR が互いに結合して形成する環は、7~12員環が好ましく、該環を構成する結合に、-O-O-を含んでもよい。
[0071]
 一般式(2)で表される有機過酸化物は、R とR が互いに結合して環を形成し、下記一般式(2a)のようなビス体も好ましい。
[0072]
[化2]


[0073]
 式中、R およびR は、一般式(2)のR およびR と同義であり、好ましい範囲も同じである。L は2価の連結基を示し、-O-、-S-、-SO -、-C(=O)-、アルキレン基またはアリーレン基が好ましい。
[0074]
 一般式(4)で表される有機過酸化物は、R が置換基を有するアルキル基の場合、下記一般式(4a)のようなビス体とも好ましい。
[0075]
[化3]


[0076]
 式中、R は、一般式(4)のR と同義であり、好ましい範囲も同じである。R 4aは、アルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基を示し、L は2価の連結基を示し、-O-、-S-、-SO -、-C(=O)-、アルキレン基、エテニレン基、エチニレン基またはアリーレン基が好ましい。
[0077]
 一般式(1)~(9)で表される有機過酸化物のうち、一般式(2)、(4)、(6)~(8)で表される有機過酸化物が好ましく、特に一般式(4)で表される有機過酸化物が好ましい。
[0078]
 有機過酸化物は、以下の具体例が挙げられる。
(1)ケトンパーオキサイド化合物
 シクロヘキサノンパーオキサイド、鎖状メチルエチルケトンパーオキサイド等
(2)パーオキシケタール化合物
 1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、環状メチルエチルケトンパーオキサイド等
(3)ハイドロパーオキサイド化合物
 t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド等
(4)ジアルキルパーオキサイド化合物
 ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等
(5)アシルパーオキサイド化合物
 アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m-トルオイルパーオキサイド等
(6)アルキルパーオキシエステル化合物
 t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシマレイックアシッド、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等
(7)ジアシルパーオキサイド化合物
 ジアセチルパーオキサイド、ジイソブチリルパーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ビス(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4-ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ビス(m-トルオイル)パーオキサイド等
(8)モノパーオキシカーボネート化合物
 t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート等
(9)パーオキシジカーボネート化合物
 ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-s-ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ビス(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等
[0079]
 有機過酸化物の1分間半減期温度は、130~190℃が好ましい。ここで、有機過酸化物の半減期とは、有機過酸化物が熱によって分解して、その活性酸素量が分解前の量の半分になるまでの時間である。有機過酸化物の1分間半減期温度が高すぎると二軸押出機での温度設定が困難になり、逆に低すぎると有機過酸化物自体が不安定となり、保管中に分解してしまう。有機過酸化物の1分間半減期温度を上記のような範囲とすることで、通常に行われる二軸押出機で加熱混練が可能となり、疎水性の高い樹脂中にセルロースを均一に分散させることが可能となる。
[0080]
 有機過酸化物の1分間半減期温度は、ベンゼン等の比較的不活性な溶剤を使用し、0.1モル/L濃度の有機過酸化物溶液を調整して、熱分解させたときの有機過酸化物濃度の時間変化を測定して求められる(「架橋剤ハンドブック(初版)」大成社発行、第162頁参照)。
[0081]
 有機過酸化物の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01~0.30質量部が好ましく、0.05~0.20質量部がより好ましく、0.05~0.1質量部がさらに好ましい。有機過酸化物の含有量が少なすぎる場合、樹脂組成物の機械強度の向上効果が十分に得られない。一方、有機過酸化物の含有量が多すぎる場合、樹脂組成物の熱流動性が低くなり成形加工が困難となる。
[0082]
 有機過酸化物の分解により得られるRO・(ラジカル)は、ベース樹脂およびセルロースの水素原子をそれぞれ引き抜き、さらにこれらのラジカルを生成する。生成したベース樹脂のラジカルとセルロースのラジカルが結合反応して、ベース樹脂とセルロース間の界面が接着すると推測される。上記の界面密着反応を、ベース樹脂をポリエチレンとした場合を例にすると、下記の通りである。
[0083]
[化4]


[0084]
 ここで、PE-Hはポリエチレン、Cellulose-Hはセルロースであり、PE・、Cellulose・は生じたラジカルである。
[0085]
 <セルロース>
 本発明で使用するセルロースは、植物由来の繊維状のセルロースが好ましく、特に、微細な植物由来の繊維状のセルロースが好ましい。本発明の樹脂部を備える成形品、例えば、灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリ、ハウス用フィルム等は、樹脂部の配合材料としてセルロースが用いられているため、軽量化、高強度化を図ることができると共に、成形品のリサイクル性、表面平滑性を向上させることができる。さらに、例えば、成形品がフィルムのような形態である場合、成形品としてのハウス用フィルムがこのような繊維状のセルロースが複合された上記熱可塑性樹脂の層を含むことによって、向上した表面平滑性を備えることができ、これにより、優れた光線透過性を備えたハウス用フィルムを得ることができる。また、セルロースは-OH基を有する極性分子であるため、分子間の親和性が高い。そのため、ハウス用フィルムの界面接着力が向上しており、接着性能に優れたハウス用フィルムを得ることができる。これにより、例えば、ハウス用フィルムが破れた場合に、接着テープ等で簡便に補修することができるなどの利点が得られる。
[0086]
 パルプは、紙の原料ともなるもので、植物から抽出される仮道管を主成分とする。化学的に見ると、パルプの主成分は多糖類であり、その主成分はセルロースである。植物由来の繊維状のセルロースは、特に限定されるものではないが、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農作物残廃物(例えば、麦や稲などの藁、とうもろこし、綿花などの茎、サトウキビ)、布、再生パルプ、古紙などの植物に由来のものが挙げられるが、本発明では、木材もしくは木材由来のものが好ましく、クラフトパルプが特に好ましい。なお、クラフトパルプは、木材もしくは植物原料から、苛性ソーダなどの化学処理によって、リグニン・ヘミセルロースを除去し、純粋に近いセルロースを取り出したパルプの総称である。
[0087]
 本発明で使用するセルロースは、直径が1~30μmが好ましく、1~20μmがより好ましく、5~15μmがさらに好ましい。また長さ(繊維長)は10~100μmが好ましく、20~50μmがより好ましい。
[0088]
 セルロースの配合量は、本発明では、熱可塑性樹脂100質量部に対して、5~70質量部であり、10~60質量部が好ましく、10~30質量部がより好ましい。セルロースの配合量が5質量部未満であると、充分な樹脂補強効果が得られなく、逆に70質量部を超えると、樹脂組成物の熱流動性が低下して成形加工性が低下し、場合によっては機械強度が低下することもある。
[0089]
 <その他の添加物>
 本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物には、無機系の充填剤、例えばタルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維等、あるいは有機系の充填剤、例えばポリエステル、ポリアミド繊維等、その他に難燃剤、安定剤、酸化防止剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤等の各種添加剤、染料、顔料の着色剤を添加することができる。
[0090]
 本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物を構成する成分は、熱可塑性樹脂100質量部に対してセルロースを5~70質量部を含有すること以外は、一般的な範囲にある量で配合することができるが、全ての成分が好ましい範囲にある量で配合するのが最も好ましい。ただし、特定の成分が好ましい範囲にあり、かつ他の成分が一般的な範囲にある量で配合することも好ましい態様であることに変わりがない。
[0091]
 <<セルロース強化熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法>>
 本発明に使用されるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、前述の熱可塑性樹脂組成物から製造される。本発明に使用されるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、前述の熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して、含有成分が反応したものである。上記の反応で、ラジカル反応開始剤である有機過酸化物によりベース樹脂およびセルロース繊維のセルロースの水素原子が反応し、ベース樹脂とセルロース繊維との間に架橋反応が進行する。さらに、熱可塑性樹脂が不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含む場合、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂とセルロースが反応し、セルロースの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合が形成される。
[0092]
 従って、本発明に使用されるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とセルロース繊維のセルロースとの間に架橋構造を有し、さらに、セルロースの水酸基と、カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂(複合体)を含有する。ここで、該エステル結合複合樹脂中に占めるセルロース成分の含有量は、9.0~42質量%であり、該セルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体のJIS K7161に準拠して測定した引張強度は40MPa以上である。尚、複合体中に占めるセルロース成分の含有量は、複合体を構成する成分として、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物を得るための熱可塑性樹脂組成物中に含まれる熱可塑性樹脂成分とセルロース成分との含有量の合計に対するセルロース成分として算出するものとする。
[0093]
 上記に加えて、ラジカル反応開始剤である有機過酸化物により起こる架橋反応では、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子とが2箇所以上で結合した架橋構造も形成する。
[0094]
 従って、カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子と不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子とが2箇所以上で結合した架橋構造のポリオレフィン樹脂であることが好ましい。尚、熱可塑性樹脂組成物が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含む場合、複合体を構成する成分には、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂が含まれる。
[0095]
 このとき、前述の熱可塑性樹脂組成物と同様、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の変性前のポリオレフィン樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂とは、異なったポリオレフィン樹脂であってもよい。
[0096]
 また、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物に含まれるセルロースは、前述の熱可塑性樹脂組成物に含まれるセルロースと同様、植物由来の繊維状のセルロースが好ましく、特に、微細な植物由来の繊維状のセルロースが好ましい。
[0097]
 上記のように、熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物が製造される。加熱混練に用いられる装置としては、有機過酸化物が熱分解する温度で加熱混練が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ブレンダー、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、一軸もしくは二軸の押出機などが挙げられる。このうち、二軸押出機が好ましい。二軸押出機では、各成分を重量フィーダーにより二軸押出機のホッパー部へ直接投入し、二軸押出機で混練ゾーンの設定温度を上記温度に設定して混練し、この混練物を加熱下で反応させることで、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
[0098]
 セルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物を別途調製して製造したものを使用してもよいが、例えば、押出機〔例えば、(株)テクノベル製 KZW15TW-45MG-NHなどの二軸押出機〕でセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を製造する段階において、この押出機に各成分をそれぞれ時間当たり供給質量で制御したフィーダーにより押出機のホッパーに投入し、この結果、得られた熱可塑性樹脂組成物を加熱混練することで、製造するのが好ましい。このような方法では、設備変更なく、既存の装置、設備が使用でき、熱可塑性樹脂組成物の調製と同時に、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物が製造できる。
[0099]
 上記のように、各成分を押出機のホッパーに投入し、例えば、混練ゾーンのパレル温度を有機過酸化物が熱分解する温度に設定して加熱混練する。混練温度は、有機過酸化物の1分間半減期温度より高く設定する。有機過酸化物の1分間半減期温度より5℃以上高い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましく、15℃以上高い温度がさらに好ましく、20℃以上高い温度が最も好ましい。
 一般的な有機過酸化物を使用する場合、混練温度は150~200℃が好ましい。
[0100]
 加熱混練は、例えば、スクリュー径15mm、L/D=45で、スクリュー回転速度は100rpmで加熱混練すれば十分である。混練時間は、特に制限されるものでないが、通常の有機過酸化物を使用する際の一般的な反応時間でよい。
[0101]
 押出機を用いてセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を製造した場合、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物をペレットとすることで、樹脂部を備える灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリまたはハウス用フィルム等の成形品の製造にも使用できる。
[0102]
 なお、本発明に使用されるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、有機過酸化物を配合しているので、加熱混練して反応することにより有機過酸化物の分解残渣が残留することもあり、この結果、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物に含まれていても構わない。
[0103]
 <<成形品およびその製造方法>>
 本発明に係る成形品の樹脂部は、本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して形成する。すなわち、樹脂部は、セルロースの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂(複合体)を含有するセルロース強化樹脂組成物から形成され、該エステル結合複合樹脂中に占めるセルロース成分の含有量が、9.0~42質量%であり、かつ、当該セルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である。
[0104]
 本発明に係る樹脂部を備える成形体は、前述のように、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の使用により、熱可塑性樹脂とセルロースとの界面密着性が改善されている。そのため、得られた成形品の樹脂部は機械的強度、例えば引張強度などに優れている。本発明の成形品は、例えば、灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリまたはハウス用フィルムである。成形品がハウス用フィルムである場合、ハウス用フィルムは、当該熱可塑性樹脂組成物で形成された層を含んでいる。
[0105]
<灯具のランプボディ>
 図1は、成形品の一実施形態に係る灯具のランプボディの一例を示す模式断面図である。図1には、灯具100の一例として、車両用灯具としての前照灯(ヘッドランプ)の構成が示されている。灯具100は、ランプボディ101、前面カバー102、光源103、反射鏡(リフレクタ)104、およびソケット部105を含む。ランプボディ101は、前面に開口部111を有している。前面カバー102は、ランプボディ101の開口部111を覆うようにランプボディ101に取り付けられている。これにより、ランプボディ101と前面カバー102によって密閉された空間110が形成される。
[0106]
 空間110には、光源103と反射鏡104が配置されている。光源103は、例えば、LED電球またはハロゲン電球である。光源103は、ランプボディ101に形成された貫通孔112に固定されているソケット部105と接続され、ソケット部105から供給された電力によって発光する。
[0107]
 反射鏡104は、前面カバー102に向かって凹んだ凹面140を有する。反射鏡104の中央部には孔が形成されており、その孔に光源103が挿入されて固定されている。反射鏡104は、光源103から発せられた光を凹面140によって反射し、前面カバー102側へ導く。
[0108]
 前面カバー102は、光(可視光)が透過可能な樹脂材料から構成されている。前面カバー102は、光源103からの光を集光または拡散するレンズとしても機能する。
[0109]
 ここで、ランプボディ101は、上述した熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備えている。これにより、ランプボディ101の軽量化、高強度化を図ることができると共に、リサイクル性、表面平滑性を向上させることができる。
[0110]
 ランプボディ101の製造方法は特に限定されないが、金型内に上記熱可塑性樹脂組成物を射出する、射出成形によって成形することができる。これにより、耐金型摩耗性が向上するとともに、金型が腐食し難くなる。
[0111]
 図1では、ランプボディ101の全体が上記樹脂部から構成される場合を例示しているが、これに限られず、ランプボディ101は、上記樹脂部と、樹脂以外の材料で形成された部分とを含んでいてもよい。また、図1では、灯具100が前照灯である場合を例示したが、これに限定されず、ブレーキランプ、フォグランプ、および後退灯等の車両用灯具のランプボディに適用することができる。また、車両用灯具に限られず、種々の灯具のボディ部分(ハウジング)に適用することができる。
[0112]
<スピーカユニット>
 図2は、成形品の一実施形態に係るスピーカユニットの一例を示す斜視図である。スピーカユニット210は、板状のバッフル211と、当該バッフル211の背面に結合された箱状の格納部212とによって構成された略密閉状態の筐体(エンクロージャー)213と、バッフル211の表面に放音面を露出するように筐体213に保持されたスピーカ214とを備えている。なお、筐体(エンクロージャー)213は、一般的に、スピーカボックスまたはキャビネットとも称され、応用する装置等によって、箱型や円筒型、円錐型等、さまざまな形状を有する。スピーカ214は、磁気回路の振動源としてのエキサイター215と、エキサイター215の振動により発生した音波を筐体213の外部へ放出するコーン紙216とを有する。
[0113]
 図3は、スピーカユニットを車載用スピーカ装置に応用した形態である車載用スピーカ装置200を示す斜視図である。図4は、図3に示した車載用スピーカ装置200のA-A矢視断面図である。図3及び4に示されるように、車載用スピーカ装置200に用いられるスピーカユニット210は、自動車等の車両におけるドアを構成する車外側のアウタパネル201と、車内側のインナパネル202との間に設けられ、インナパネル202の開口からスピーカユニット210が露出した状態で取り付けられている。なお、インナパネル202には、その表面を覆うインナトリム220がスピーカユニット210を露出した状態で取り付けられている。
[0114]
 図2乃至図4に示した車載用スピーカ装置200に用いられたスピーカユニット210では、筐体213のバッフル211、格納部212、コーン紙216に対して、上述した熱可塑性樹脂組成物が使用されている。これにより、車載用スピーカ装置200では、軽量化とともに強度特性および音響特性の向上を図ることができる。特に、スピーカユニット210は、軽量化により車両の低燃費化に貢献できると共に高強度となるため、車両の振動により筐体213が振動することを抑制できる。その結果、筐体213の振動に起因する雑音を低減し、音響特性を向上させることができる。また、スピーカユニット210には、上述した熱可塑性樹脂組成物が使用されているため、優れた耐白化性を示す。さらに、スピーカユニット210は、当該熱可塑性樹脂組成物で形成された筐体213を有しているのでリサイクル性、表面平滑性に富んでいる。
[0115]
 スピーカユニットの適用対象としては、自動車に限らず、例えば、二輪車、鉄道車両、飛行機、船舶などの移動体、コンピュータ装置、ヘッドホン、あるいは、家庭用に設置されるあらゆるスピーカ装置が挙げられる。
[0116]
<接続箱およびコネクタ>
 図5は、成形品の一実施形態に係る接続箱を示す斜視図であり、図6は、図5の接続箱の分解斜視図である。接続箱300は、例えば自動車の室内側に設置されるジャンクションボックスとして構成されている。この接続箱300は、第1ケース320aと第2ケース320bとを有するケース320を備えている。
[0117]
 接続箱300は、内部の収容空間に、第1基板340aと、第2基板340bと、第3基板340cと、を備えている。第1基板340aと第2基板340bとは、互いに平行に配置され、第3基板340cは、第1基板340aおよび第2基板340bの端部に垂直に接続するように配置されている。
[0118]
 第1ケース320aのマウント面321には、図示しない電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)が設置される。第1基板340aのECU用コネクタ341は、マウント面321から突出するように配置され、第1基板340aの回路をECUに電気的に接続することができる。
[0119]
 第2ケース320bの端部からは、接続箱300のケース320と一体となっているリレー装着用コネクタ322が突出している。リレー装着用コネクタ322には、図示しないリレーを装着することができる。
[0120]
 第1基板340aには室内側コネクタ342aが配置され、第2基板340bには室内側コネクタ342bが配置されている。この室内側コネクタ342a、342bは、自動車の室内側の回路に図示しないワイヤハーネスを介して電気的に接続される。第2基板340bには、リレー装着用コネクタ343が配置されている。図示例では、リレー装着用コネクタ343には3つのリレーを搭載することができる。第3基板340cには、エンジンルーム側コネクタ344が配置されている。このエンジンルーム側コネクタ344は、エンジンルーム側の回路に図示しないワイヤハーネスを介して電気的に接続される。
[0121]
 このように、接続箱300のケース320およびコネクタ322、341~344は、上記熱可塑性樹脂組成物を用いて形成されているため、軽量化、高強度化を図れると共に、リサイクル性、表面平滑性を向上させることができる。
[0122]
 接続箱およびコネクタの製造方法は特に限定されないが、金型内に上記熱可塑性樹脂組成物を射出する、射出成形によって成形することができる。なお、本発明におけるコネクタは、コネクタハウジング、コネクタ自体、接続箱ケースと一体となっているものなどを含む。
[0123]
 接続箱およびコネクタの用途としては、例えば、自動車、二輪車、列車、航空機などの輸送機器用材料、ロボットアームの構造部材、アミューズメント用ロボット部品、家電材料、OA機器筐体、情報処理機器、携帯端末等が挙げられる。
[0124]
<プーリ>
 図7は、成形品の一実施形態に係るプーリの正面図、図8は図1のB-B断面図を表す。図7及び8に示されるように、プーリ400は、転がり軸受410と、転がり軸受410の周囲に一体成形された樹脂部420とによって構成されている。転がり軸受410は、内輪411と、外輪412と、内外輪間に設けられた転動体413とを有する。樹脂部420は、上記熱可塑性樹脂組成物を使用して形成されている。樹脂部420は、円筒状のボス421と、円筒状のリム422と、ボス421とリム422とを連結する円環部423と、を備えている。リム422の外周面424が図示しないベルトの案内面となっている。
[0125]
 図7では樹脂部420に上記熱可塑性樹脂組成物を使用して形成した例を示したが、プーリ全体が上記熱可塑性樹脂組成物を使用して形成されていてもよい。これにより、プーリ400の軽量化、高強度化に貢献することができる。プーリ400の製造方法は特に限定されないが、金型内に転がり軸受410を配置し金型内に上記熱可塑性樹脂組成物を射出する、射出成形によって成形することができる。これにより、耐金型摩耗性及び樹脂部420の端面の平滑性(シャープエッジ性)を向上させることができる。また、上記熱可塑性樹脂組成物を用いて射出成形を行うことにより、軽量化、高強度化されると共に、リサイクル性、表面平滑性、さらには寸法精度に優れたプーリ400を成形することができる。
[0126]
 プーリの用途としては、例えば、自動車、二輪車、列車、航空機などの輸送機器用材料、ロボットアームの構造部材、アミューズメント用ロボット部品、家電材料、OA機器筐体、情報処理機器、携帯端末等が挙げられる。
[0127]
<ハウス用フィルム>
 図9は、成形品の一実施態様に係るハウス用フィルムを適用した農業ハウスの外観の一例を示す模式的な斜視図である。図9に示すように、農業用ハウス510は、躯体502に展張されたフィルム501を備える。
[0128]
 図9に示すように、農業用ハウス510は、躯体502に展張されたフィルム501によって全面が覆われている。フィルム501が躯体に展張されることにより外部から仕切られた空間が形成される農業用ハウスとすることができる。
[0129]
 躯体502を構成する材料については、特に限定されず、従来公知のビニールハウスなどで用いられる骨材(例えば、鋼材、鋼管など)を用いることができる。フィルム501は、躯体502に展張されるフィルムであり、上述したハウス用フィルムを適用している。
[0130]
 農業用ハウス510は、例えば、ハウスの天井や側面に設けられる換気ファンなど換気手段(図示せず)を設けていてもよい。また、農業用ハウス510内で作業に従事する作業員のための出入口(図示せず)は、例えば、二重扉などにして、外部の空気がハウス内の空間に直接入り込まないようにするのが好ましい。
[0131]
 農業用ハウス510におけるフィルム501は、上記熱可塑性樹脂組成物を用いて形成される層を有している。これにより、フィルム501では、軽量化、高強度化と共に、リサイクル性を備え、更には、従来のフィルムよりも、表面平滑性及び接着性能の向上を図ることができる。
[0132]
 フィルム501(ハウス用フィルム)は、上記熱可塑性樹脂組成物から形成される層を含んでいればよく、公知の方法、例えば、インフレーション成形法、Tダイ成形法、ラミネート法、カレンダー法等によって製造することができる。
[0133]
 フィルム501(ハウス用フィルム)は、上記熱可塑性樹脂組成物を用いて形成される層を1つ又は複数含む単層又は多層のフィルムであってもよく、上記熱可塑性樹脂組成物から形成される層に他の樹脂組成物から形成された樹脂層が積層された積層フィルムであってもよい。上記熱可塑性樹脂組成物から形成された層に積層可能な他の樹脂層を形成可能な樹脂としては、例えば、ハウス用フィルムの用途に通常用いられるポリオレフィン樹脂などを挙げることができる。
[0134]
 フィルム501(ハウス用フィルム)に含まれる上記熱可塑性樹脂組成物から形成される層の厚さは、例えば、50μm以上200μm以下であり、好ましくは下限値が75μm以上であり、上限値が150μm以下であることが好ましい。ハウス用フィルムが多層フィルムである場合には、用途等に応じて、ハウス用フィルムの厚みを適宜設定することができる。
[0135]
 図9では、農業用ハウス510の全面にフィルム501(ハウス用フィルム)を適用した場合を例示したが、これに限定されず、農業用ハウス510の一部の面にハウス用フィルムを用いたものであってもよい。また、農業用ハウス510は、所望の幅、奥行き及び高さで骨組みを建て、上述の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られたフィルム501(ハウス用フィルム)を躯体502に展張することにより作製できる。これにより、軽量化、高強度化されると共にリサイクル性などに優れた農業用ハウス510を得ることができる。
[0136]
 ハウス用フィルムの用途としては、例えば、野菜などの植物を栽培するための農業用ハウスに限らず、ガーデニング用ハウス、生物飼育用ハウス、テラス用ハウス、簡易倉庫等が挙げられる。
実施例
[0137]
 以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。使用した素材を以下に示す。
[0138]
<使用素材>
(1)熱可塑性樹脂
(ベース樹脂)
・高密度ポリエチレン(HDPE)
 MFR(190℃/2.16kg)=5g/10分
 密度=0.953g/cm
(無水マレイン酸変性ポリエチレン)
・無水マレイン酸変性ポリエチレンA
 MFR(190℃/2.16kg)=9.0g/10分
 赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.15
・無水マレイン酸変性ポリエチレンB
 MFR(190℃/2.16kg)=0.4g/10分
 赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.14
・無水マレイン酸変性ポリエチレンC
 MFR(190℃/2.16kg)=3.4g/10分
 赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.10
・無水マレイン酸変性ポリエチレンD
 MFR(190℃/2.16kg)=4.4g/10分
 赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.16
・無水マレイン酸変性ポリエチレンE
 MFR(190℃/2.16kg)=1.3g/10分
 赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.17
・無水マレイン酸変性ポリエチレンF MFR(190℃/2.16kg)=1.2g/10分
 赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.16
・無水マレイン酸変性ポリエチレンG
 MFR(190℃/2.16kg)=1.1g/10分
 赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.12
[0139]
(2)セルロース
・パルプ〔日本製紙ケミカル(株)製 商品名 KCフロックW-200、平均粒径約32μmの粉末セルロース〕
[0140]
(3)有機過酸化物
・パーオキシケタール〔日油(株)製 商品名 パーヘキサC〕
・ジアルキルパーオキサイドA〔日油(株)製 商品名 パーヘキサ25B〕
・ジアルキルパーオキサイドB〔日油(株)製 商品名 パークミルD〕
・ジアルキルパーオキサイドC〔日油(株)製 商品名 パーブチルD〕
・ジアシルパーオキサイド〔日油(株)製 商品名 ナイパーFF〕
・アルキルパーオキシエステル〔日油(株)製 商品名 パーブチルA〕
・モノパーオキシカーボネート〔日油(株)製 商品名 パーヘキシルI〕
[0141]
[化5]


[0142]
 最初に、各実施例、比較例で行う共通の製造方法、成形方法および物性評価方法を示す。
[0143]
<セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
 上記(1)熱可塑性樹脂(ベース樹脂、無水マレイン酸変性ポリエチレン)、(2)セルロース、(3)有機過酸化物が、下記表1~表10に示される含有量でそれぞれ含まれる熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られた熱可塑性樹脂組成物を、時間当たり供給質量で制御したフィーダーにより、スクリュー径15mm、L/D=45の二軸押出機〔(株)テクノベル製 KZW15TW-45MG-NH〕のホッパーに投入した。パレル温度は有機過酸化物の1分間半減期温度より20℃高く設定し、スクリュー回転速度は100rpmで、加熱混練してセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を得た。尚、熱可塑性樹脂が無水マレイン酸変性ポリエチレンを含む場合、表1~表25において、便宜上、使用した無水マレイン酸変性ポリエチレンはカップリング剤として表記した。
[0144]
<樹脂部を備える成形品の製造方法>
(ランプボディ、スピーカユニット、接続箱およびコネクタ、プーリの製造)
 上記で調製したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を用いて射出成形し、樹脂部を備えるランプボディ、スピーカユニット、接続箱およびコネクタ、プーリをそれぞれ作製した。なお、射出条件は、これらの成形品の射出成形において一般的に適切とされる成形条件で実施した。
[0145]
(ハウス用フィルムの製造)
 上記で調製したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を、Tダイキャストフィルム製造装置を用いて、押出温度200℃にて、フィルム成形することにより、厚さ100μmの単層のフィルムを作製し、ハウス用フィルムを得た。
[0146]
 <引張強度評価のための試験片の成形方法>
 前記で得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを80℃、24時間乾燥し、射出成形機〔ファナック(株)製 ロボットショット α-30C〕により、JIS K7127の試験片タイプ2号に準拠して、引張試験片をそれぞれ作製した。
[0147]
 (引張強度の評価方法)
 上記で作製した引張試験片の引張強度(MPa)をJIS K7161に準拠して、引張試験機〔インストロン社製のインストロン試験機 5567型〕により、票線間距離25mm、試験速度:50mm/minの条件で測定した。
[0148]
 <使用素材の物性測定>
 熱可塑性樹脂のベース樹脂と無水マレイン酸変性ポリエチレンA~GのMFR、無水マレイン酸変性ポリエチレンA~Gの赤外吸収スペクトルの相対強度比および使用する有機過酸化物の1分間半減期温度は、以下のようにして測定した。
[0149]
 (MFRの測定方法)
 JIS K7210に準拠し、メルトインデクサー〔(株)東洋精機製作所製〕を用いて、190℃、2.16kg荷重下で10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)を求めた。
[0150]
 (赤外吸収スペクトルの相対強度比の測定方法)
 各無水マレイン酸変性ポリエチレンを150℃、200kgf/cm で5分間熱プレスして、厚さ100μmのフィルムを作製した。このフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1791cm -1付近の吸収強度/719cm -1付近の吸収強度の比から、相対強度比を求めた。
[0151]
 (有機過酸化物の1分間半減期温度測定方法)
 有機過酸化物が熱によって分解して、その活性酸素量が分解前の量の半分になるまでの時間である半減期は、0.1モル/L濃度の有機過酸化物のベンゼン溶液を調整し、熱分解させたときの有機過酸化物濃度の時間変化を測定して求めた。
[0152]
<ランプボディとしての試験片>
(実施例1)
 高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 1質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.10質量部を用いて形成した熱可塑性樹脂組成物を、二軸押出機〔(株)テクノベル製 KZW15TW-45MG-NH〕にて加熱混練して、セルロース強化熱可塑性樹脂のペレットを得た。次に、上記のペレットを射出成形機〔ファナック(株)製 ロボットショット α-30C〕で、引張強度評価用の試験片を作製した。
[0153]
(実施例2~5)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、無水マレイン酸変性ポリエチレンAの配合量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットをそれぞれ製造した。次に、これらのペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片をそれぞれ作製した。
[0154]
(実施例6)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 2質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0155]
(実施例7)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0156]
(実施例8)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 10質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0157]
(実施例9)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.01質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0158]
(実施例10)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.03質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0159]
(実施例11)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.12質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0160]
(実施例12)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース43質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.10質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0161]
(実施例13)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース73質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.10質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0162]
(実施例14)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、無水マレイン酸変性ポリエチレンAを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0163]
(実施例15~20)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、無水マレイン酸変性ポリエチレンの種類を下記表3に示す種類に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0164]
(実施例21)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、パーオキシケタール0.10質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0165]
(実施例22)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドB 0.17質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0166]
(実施例23)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアシルパーオキサイド0.30質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0167]
(実施例24)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドC 0.09質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0168]
(実施例25)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、アルキルパーオキシエステル0.16質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0169]
(実施例26)
 実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、モノパーオキシカーボネート0.14質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0170]
(比較例1)
 無水マレイン酸変性ポリエチレンAおよび有機過酸化物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0171]
(比較例2)
 有機過酸化物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。次に、このペレットを使用して、引張強度評価用の樹脂部を備えるランプボディとしての試験片を作製した。
[0172]
<スピーカユニットとしての試験片>
(実施例27)
 実施例1で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて、射出成形機〔ファナック(株)製 ロボットショット α-30C〕により引張強度評価用の樹脂部を備えるスピーカユニットとしての試験片を作製した。
[0173]
(実施例28~52)
 実施例2~26で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物をそれぞれ使用して、実施例27と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるスピーカユニットとしての試験片をそれぞれ作製した。
[0174]
(比較例3)
 比較例1で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して、実施例27と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるスピーカユニットとしての試験片を作製した。
[0175]
(比較例4)
 比較例2で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して、実施例27と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるスピーカユニットとしての試験片を作製した。
[0176]
<接続箱およびコネクタとしての試験片>
(実施例53)
 実施例1で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて、射出成形機〔ファナック(株)製 ロボットショット α-30C〕により引張強度評価用の樹脂部を備える接続箱およびコネクタとしての試験片を作製した。
[0177]
(実施例54~78)
 実施例2~26で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物をそれぞれ使用して、実施例53と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備える接続箱およびコネクタとしての試験片をそれぞれ作製した。
[0178]
(比較例5)
 比較例1で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して、実施例53と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備える接続箱およびコネクタとしての試験片を作製した。
[0179]
(比較例6)
 比較例2で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して、実施例53と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備える接続箱およびコネクタとしての試験片を作製した。
[0180]
<プーリとしての試験片>
(実施例79)
 実施例1で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて、射出成形機〔ファナック(株)製 ロボットショット α-30C〕により引張強度評価用の樹脂部を備えるプーリとしての試験片を作製した。
[0181]
(実施例80~104)
 実施例2~26で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物をそれぞれ使用して、実施例79と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるプーリとしての試験片をそれぞれ作製した。
[0182]
(比較例7)
 比較例1で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して、実施例79と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるプーリとしての試験片を作製した。
[0183]
(比較例8)
 比較例2で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して、実施例79と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるプーリとしての試験片を作製した。
[0184]
<ハウス用フィルムとしての試験片>
(実施例105)
 実施例1で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて、射出成形機〔ファナック(株)製 ロボットショット α-30C〕により引張強度評価用の樹脂部を備えるハウス用フィルムとしての試験片を作製した。
[0185]
(実施例106~130)
 実施例2~26で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物をそれぞれ使用して、実施例105と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるハウス用フィルムとしての試験片をそれぞれ作製した。
[0186]
(比較例9)
 比較例1で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して、実施例105と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるハウス用フィルムとしての試験片を作製した。
[0187]
(比較例10)
 比較例2で製造したセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して、実施例105と同様の方法で引張強度評価用の樹脂部を備えるハウス用フィルムとしての試験片を作製した。
[0188]
 得られた結果を、まとめて下記表1~25に示す。なお、表中の各素材成分がブランクのものは、未使用であること、または、このため未評価であることを示す。
[0189]
[表1]


[0190]
[表2]


[0191]
[表3]


[0192]
[表4]


[0193]
[表5]


[0194]
[表6]


[0195]
[表7]


[0196]
[表8]


[0197]
[表9]


[0198]
[表10]


[0199]
[表11]


[0200]
[表12]


[0201]
[表13]


[0202]
[表14]


[0203]
[表15]


[0204]
[表16]


[0205]
[表17]


[0206]
[表18]


[0207]
[表19]


[0208]
[表20]


[0209]
[表21]


[0210]
[表22]


[0211]
[表23]


[0212]
[表24]


[0213]
[表25]


[0214]
 上記表1~25からも明らかなように、本発明の実施例1~130の熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物から形成された樹脂部を備えるランプボディ、スピーカユニット、接続箱およびコネクタ、プーリ、ハウス用フィルムの試験片は、いずれもJIS K 7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上を達成し、一方で、比較例1~10の樹脂部を備えるランプボディ、スピーカユニット、接続箱およびコネクタ、プーリ、ハウス用フィルムの試験片よりも高い引張強度を示していた。このことから、セルロースが均一に分散されて含有されている実施例1~130の熱可塑性樹脂組成物および該熱可塑性樹脂組成物を用いて得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、成形材料の機械的強度を向上させることができる作用を有することがわかる。また、実施例1~130では、このような作用を有する熱可塑性樹脂組成物およびセルロース強化熱可塑性樹脂組成物が使用されているため、機械的強度が向上した樹脂部を備えるランプボディ、スピーカユニット、接続箱およびコネクタ、プーリ、ハウス用フィルムを作製することができた。
[0215]
 本発明の実施例1~130の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、引張強度が向上し、セルロース強化熱可塑性樹脂の強化効率が高いことから、セルロース強化樹脂としての樹脂部を備えるランプボディ、スピーカユニット、接続箱およびコネクタ、プーリ、ハウス用フィルムとして有用であることがわかる。また、実施例1~130の熱可塑性樹脂組成物からは、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物が得られるため、当該セルロース強化熱可塑性樹脂組成物から成形された樹脂部を備えるランプボディ、スピーカユニット、接続箱およびコネクタ、プーリ、ハウス用フィルムは、軽量化、高強度化されていると共に、リサイクル性、表面平滑性に優れていると判断できる。

符号の説明

[0216]
100 灯具
101 ランプボディ
102 前面カバー
103 光源
104 反射鏡(リフレクタ)
105 ソケット部
110 空間
111 開口部
112 貫通孔
140 凹面
200 車載用スピーカ装置
201 アウタパネル
202 インナパネル
210 スピーカユニット
211 バッフル
212 格納部
213 筐体
214 スピーカ
215 エキサイター
216 コーン紙
220 インナトリム
300 接続箱
320  ケース
320a 第1ケース
320b 第2ケース
321  マウント面
322  リレー装着用コネクタ
340a 第1基板
340b 第2基板
340c 第3基板
341  ECU用コネクタ
342a 室内側コネクタ
342b 室内側コネクタ
343  リレー装着用コネクタ
344  エンジンルーム側コネクタ
400  プーリ
410 転がり軸受
411 内輪
412 外輪
413 転動体
420 樹脂部
421 ボス
422 リム
423 円環部
424 外周面
501 フィルム
502 駆体
510 農業用ハウス

請求の範囲

[請求項1]
 熱可塑性樹脂100質量部に対してセルロースを5~70質量部含有し、かつ有機過酸化物を含有する熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備え、
 前記熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である成形品。
[請求項2]
 前記熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含む、請求項1に記載の成形品。
[請求項3]
 前記有機過酸化物の1分間半減期温度が、130~190℃である、請求項1または2に記載の成形品。
[請求項4]
 前記有機過酸化物が、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステルおよびモノパーオキシカーボネートから選択される少なくとも1種の有機過酸化物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の成形品。
[請求項5]
 前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01~0.30質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載の成形品。
[請求項6]
 前記熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含み、該不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂である、請求項1~5のいずれか1項に記載の成形品。
[請求項7]
 前記熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂との混合樹脂である、請求項1~6のいずれか1項に記載の成形品。
[請求項8]
 前記セルロースが、植物由来の繊維状のセルロースである、請求項1~7のいずれか1項に記載の成形品。
[請求項9]
 セルロースの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂を含有するセルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部を備え、
 前記エステル結合複合樹脂中に占めるセルロース成分の含有量が、9.0~42質量%であり、かつ、
 前記セルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂成形体のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である成形品。
[請求項10]
 前記カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子と不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子とが2箇所以上で結合した架橋構造のポリオレフィン樹脂である、請求項9に記載の成形品。
[請求項11]
 前記不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の変性前のポリオレフィン樹脂と、前記不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂とが、異なったポリオレフィン樹脂である、請求項10に記載の成形品。
[請求項12]
 前記セルロースが、植物由来の繊維状のセルロースである、請求項9~11のいずれか1項に記載の成形品。
[請求項13]
 前記成形品が、灯具のランプボディ、スピーカユニット、接続箱、コネクタ、プーリまたはハウス用フィルムである請求項1~12のいずれか1項に記載の成形品。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]