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1. (WO2019065013) REFRIGERATION CYCLE DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 冷凍サイクル装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 冷凍サイクル装置

関連出願の相互参照

[0001]
 本出願は、当該開示内容が参照によって本出願に組み込まれた、2017年9月28日に出願された日本特許出願2017-188216号を基にしている。

技術分野

[0002]
 本開示は、冷凍サイクル装置に関する。

背景技術

[0003]
 特許文献1には、空調装置に適用された蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であって、圧縮機から吐出された高圧冷媒と熱交換対象流体である送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する冷凍サイクル装置が開示されている。
[0004]
 このような冷凍サイクル装置では、一般的に、圧縮機を潤滑するための冷凍機油を冷媒に混入させて、この冷凍機油を冷媒とともにサイクル内で循環させている。更に、このような冷凍サイクル装置では、圧縮機へ冷凍機油を確実に戻すために、サイクルを循環する冷媒の循環冷媒流量を周期的に変化させるオイル戻し制御を実行する。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2010-42698号公報
[0006]
 しかしながら、オイル戻し制御が実行されると高圧冷媒の圧力が変動してしまい、熱交換対象流体の加熱能力も変動してしまうおそれがある。
[0007]
 本開示は、冷凍機油を圧縮機へ戻す際に、熱交換対象流体の加熱能力が変動してしまうことを抑制可能な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
[0008]
 本開示の一態様によると、冷凍サイクル装置は、冷凍機油が混入された冷媒を圧縮して吐出する圧縮機、及び圧縮機によって吐出された冷媒と熱交換対象流体とを熱交換させて冷媒を凝縮させる凝縮器を備えた冷凍サイクルと、冷凍サイクルを循環する冷媒の循環冷媒流量を変化させて、冷凍機油を圧縮機に戻すオイル戻し制御を実行するオイル戻し制御実行部と、を有する。少なくともオイル戻し制御が実行されている際に、凝縮された冷媒が過冷却される。
[0009]
 これによれば、オイル戻し制御実行部を有しているので、冷凍機油を圧縮機へ戻すことができる。
[0010]
 更に、オイル戻し制御が実行されている際に、凝縮器にて凝縮された冷媒が過冷却されるので、過冷却量を調整することによって、圧縮機から吐出された冷媒の圧力変動を抑制することができる。従って、熱交換対象流体の加熱能力の変動も抑制することができる。
[0011]
 すなわち、上記一態様によれば、冷凍機油を圧縮機へ戻す際に、熱交換対象流体の加熱能力が変動してしまうことを抑制可能な冷凍サイクル装置を提供することができる。
[0012]
 凝縮器は、冷媒と熱交換対象流体とを直接的に熱交換させるものに限定されず、熱媒体等を介して、冷媒と熱交換対象流体とを間接的に熱交換させるものも含まれる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 第1実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。
[図2] 第1実施形態の冷凍サイクル装置の電気制御部を示すブロック図である。
[図3] 図2の制御装置が実行するオイル制御を表したフローチャートである。
[図4] オイル戻し制御実行時における圧縮機の回転数の変化及び循環冷媒流量の変化を表したタイムチャートである。
[図5] 他の実施形態の冷凍サイクル装置の電気制御部を示すブロック図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
[0015]
 (第1実施形態)
 以下、本開示に係る第1実施形態の冷凍サイクル装置1の構成について、図面を参照しつつ説明する。図1に示す冷凍サイクル装置1は、車室内空間を適切な温度に調整する車両用空調装置に適用されている。本実施形態の冷凍サイクル装置1は、エンジン(換言すれば内燃機関)及び走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド自動車に搭載されている。
[0016]
 本実施形態のハイブリッド自動車は、車両停車時に外部電源(換言すれば商用電源)から供給された電力を、車両に搭載されたバッテリ47に充電可能なプラグインハイブリッド自動車として構成されている。
[0017]
 エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、後述するモータジェネレータ51において発電させるためにも用いられる。そして、モータジェネレータ51において発電された電力及び外部電源から供給された電力をバッテリ47に蓄えることができ、バッテリ47に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、冷凍サイクル装置1を構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給される。
[0018]
 冷凍サイクル装置1は、空調対象空間である車室内を暖房する(即ち、熱交換対象流体である送風空気を加熱する)とともに、車室内を冷房する(即ち、送風空気を冷却する)機能を果たす。
[0019]
 冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル10、高温側熱交換部30、低温側熱交換部40、室内空調ユニット60を有している。
[0020]
 冷凍サイクル10は、圧縮機11、凝縮器12、受液部13、過冷却部14、第1減圧弁15(減圧部)、第1蒸発器16、第2減圧弁17(減圧部)、第2蒸発器18、蒸発圧力調整弁19、冷媒回路20、第2蒸発器流路21を有している。
[0021]
 本実施形態の冷凍サイクル10では、冷媒としてフロン系冷媒を用いており、高圧冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。冷媒には、圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油としては、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイル(ポリアルキレングリコールオイル)が採用されている。冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
[0022]
 冷媒回路20は、環状の流路である。冷媒回路20には、圧縮機11、凝縮器12(水-冷媒熱交換器)、受液部13、過冷却部14、第1減圧弁15、及び第1蒸発器16が冷媒流れ方向に対して、この並び順に設けられている。
[0023]
 圧縮機11は、バッテリ47から供給される電力によって駆動される電動圧縮機であり、冷媒回路20を流通する冷媒を吸入して圧縮して吐出する。圧縮機11は、制御装置70から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
[0024]
 圧縮機11の吐出口には、凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。凝縮器12は、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒(以下、高圧冷媒と略す)と高温側熱媒体である冷却水とを熱交換させて、高圧冷媒の有する熱を冷却水に放熱させて、冷却水を加熱する水-冷媒熱交換器である。高圧冷媒の有する熱が冷却水に放熱される際に、高圧冷媒が凝縮する。
[0025]
 高温側熱交換部30は、高温側熱媒体流路31、高温側ポンプ32、ヒータコア33、リザーバ34、高温側ラジエータ35、高温側ラジエータ流路36、高温側流路切替弁37を有している。高温側熱交換部30は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を熱源として送風空気を加熱する加熱部である。
[0026]
 高温側熱媒体流路31内を流通する冷却水や、後述の低温側熱媒体流路41を流通する冷却水は、少なくともエチレングリコール、ジメチルポリシロキサンもしくはナノ流体を含む液体、又は不凍液体が用いられている。
[0027]
 高温側熱媒体流路31は、凝縮器12とヒータコア33との間で冷却水を循環させる環状の流路である。高温側熱媒体流路31には、過冷却部14、凝縮器12、ヒータコア33、及び高温側ポンプ32が、冷却水の流れ方向に対して、この並び順に配置されている。
[0028]
 高温側ポンプ32は、冷却水を吸入して凝縮器12側へ吐出することによって、冷却水を高温側熱媒体流路31内で循環させる。高温側ポンプ32は、バッテリ47から供給される電力によって駆動される電動ポンプであり、高温側熱媒体流路31を循環する冷却水の流量を調整する高温側流量調整部である。
[0029]
 ヒータコア33は、後述する室内空調ユニット60のケーシング61内に配置されている。ヒータコア33は、凝縮器12によって加熱された冷却水と熱交換対象流体である送風空気とを熱交換させることにより、送風空気を加熱する。つまり、本実施形態の凝縮器12では、高温側熱媒体である冷却水を介して、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と熱交換対象流体である送風空気とを間接的に熱交換させる。
[0030]
 リザーバ34は、高温側熱媒体流路31に接続され、高温側熱媒体流路31内を流通する余剰の冷却水を蓄える貯液部である。
[0031]
 高温側ラジエータ流路36の一端は、ヒータコア33の下流側の高温側熱媒体流路31に接続され、高温側ラジエータ流路36の他端は、高温側ポンプ32の上流側の高温側熱媒体流路31に接続されている。高温側ラジエータ流路36には、高温側ラジエータ35及び高温側流路切替弁37が設けられている。
[0032]
 高温側ラジエータ35は、凝縮器12によって加熱された冷却水を後述するラジエータ用送風機54によって送風された外気と熱交換させることによって冷却するものである。高温側ラジエータ35は、車両ボンネット内の前方側に配置されている。従って、車両の走行時には高温側ラジエータ35に走行風を当てることができるようになっている。
[0033]
 高温側流路切替弁37は、高温側熱媒体流路31を流通する冷却水が、高温側ラジエータ流路36を流通する状態と流通しない状態とを切り替える。高温側流路切替弁37は、制御装置70から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の二方弁であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。
[0034]
 受液部13は、凝縮器12の冷媒出口側に接続されている。受液部13は、凝縮器12から流出した冷媒の気液を分離し、冷凍サイクル10内の余剰冷媒を貯めるものである。
[0035]
 過冷却部14は、受液部13の冷媒出口側に接続されている。つまり、過冷却部14は、凝縮器12の下流側に設けられている。過冷却部14は、受液部13を介して凝縮器12から流出した液相冷媒と高温側ポンプ32から吐出されて凝縮器12へ流入する前の冷却水とを熱交換させて液相冷媒を過冷却するものである。この過冷却部14によって、第1蒸発器16及び第2蒸発器18へ流入する冷媒のエンタルピを低下させて、第1蒸発器16及び第2蒸発器18にて発揮できる冷却能力を増大させることができる。
[0036]
 第1減圧弁15は、過冷却部14の冷媒出口側に接続されている。第1減圧弁15は、制御装置70から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の可変絞り機構であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。弁体は、冷媒回路の流路開度(換言すれば絞り開度)を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータを有している。なお、第1減圧弁15は、冷媒回路20を閉塞することができる。
[0037]
 第1蒸発器16の冷媒入口は、第1減圧弁15の冷媒出口側に接続されている。第1蒸発器16は、第1減圧弁15にて減圧された低圧冷媒の有する熱と低温側熱交換部40を流通する低段側熱媒体である冷却水とを熱交換させることによって低圧冷媒を蒸発させるチラーである。第1蒸発器16では、低圧冷媒が冷却水から吸熱して蒸発することによって、冷却水が冷却される。
[0038]
 第2蒸発器流路21の一端は、過冷却部14と第1減圧弁15の間の冷媒回路20に接続され、第2蒸発器流路21の他端は、第1蒸発器16と圧縮機11との間の冷媒回路20に接続されている。第2蒸発器流路21には、第2減圧弁17、第2蒸発器18、及び蒸発圧力調整弁19が、冷媒流れ方向に対して、この並び順に配置されている。
[0039]
 第2減圧弁17は、過冷却部14の冷媒出口側に接続されている。第2減圧弁17は、制御装置70から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の可変絞り機構であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。弁体は、冷媒回路の流路開度(換言すれば絞り開度)を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータを有している。なお、第2減圧弁17は、冷媒回路20(より具体的には、第2蒸発器流路21)を閉塞することができる。
[0040]
 第2蒸発器18の冷媒入口は、第2減圧弁17の冷媒出口側に接続されている。第2蒸発器18は、室内空調ユニット60のケーシング61内に配置されている。第2蒸発器18は、第2減圧弁17にて減圧された低圧冷媒の有する熱とケーシング61内を流通する送風空気とを熱交換させることによって低圧冷媒を蒸発させる冷却用熱交換器である。第2蒸発器18では、低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することによって、送風空気が冷却される。
[0041]
 蒸発圧力調整弁19は、第2蒸発器18における冷媒蒸発圧力を予め定めた基準圧力以上に維持する蒸発圧力調整部である。蒸発圧力調整弁19は、第2蒸発器18の出口側の冷媒圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械式の可変絞り機構で構成されている。本実施形態では、蒸発圧力調整弁19として、第2蒸発器18における冷媒蒸発温度を、第2蒸発器18の着霜を抑制可能な着霜抑制基準温度(具体的には、1℃)以上に維持するものを採用している。
[0042]
 低温側熱交換部40は、低温側熱媒体流路41、バッテリ流路42、車載機器流路43、車載機器バイパス流路44、低温側ポンプ45、第1低温側流路切替弁46、バッテリ47、車載機器流路ポンプ48、インバータ49、チャージャ50、モータジェネレータ51、第2低温側流路切替弁52、低温側ラジエータ53、ラジエータ用送風機54を有している。
[0043]
 低温側熱媒体流路41は、環状の流路であり、低段側熱媒体である冷却水が循環する。低温側熱媒体流路41には、低温側ポンプ45、第1蒸発器16、低温側ラジエータ53、第1低温側流路切替弁46が、冷却水流れに対して、この並び順に配置されている。
[0044]
 低温側ポンプ45は、バッテリ47から供給される電力によって駆動される電動ポンプであり、低温側熱媒体流路41を流通する冷却水を吸入して吐出する。低温側ポンプ45は、制御装置70(図2示)から出力された制御信号によってその作動が制御される。バッテリ流路42の一端は、第1低温側流路切替弁46に接続され、バッテリ流路42の他端は、第1蒸発器16の下流側の低温側熱媒体流路41に接続されている。
[0045]
 低温側ラジエータ53は、第1蒸発器16にて冷却された冷却水を、ラジエータ用送風機54によって送風された外気と熱交換させることによって吸熱させるものである。
[0046]
 ラジエータ用送風機54は、ファンを電動モータにて駆動する電動送風機であり、制御装置70から出力された制御信号によってその作動が制御される。低温側ラジエータ53は、車両ボンネット内の前方側に配置されている。従って、車両の走行時には低温側ラジエータ53に走行風を当てることができるようになっている。
[0047]
 バッテリ流路42には、バッテリ47が配置されている。バッテリ47は、インバータ49及びチャージャ50と電気的に接続され、インバータ49に電流を供給するとともに、チャージャ50から供給された電流を蓄電する。バッテリ47としては、例えばリチウムイオン電池を用いることができる。バッテリ47は、バッテリ流路42を流通する冷却水によって冷却される。
[0048]
 第1低温側流路切替弁46は、低温側熱媒体流路41とバッテリ流路42との接続部に配置されている。第1低温側流路切替弁46は、低温側熱媒体流路41を流通する冷却水が、バッテリ流路42を流通する状態と流通しない状態とを切り替える。第1低温側流路切替弁46は、制御装置70から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の三方弁であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。
[0049]
 車載機器流路43の一端は、低温側ラジエータ53と第1低温側流路切替弁46との間の低温側熱媒体流路41に接続され、車載機器流路43の他端は、第1蒸発器16と低温側ラジエータ53との間の低温側熱媒体流路41に接続されている。車載機器流路43には、車載機器流路ポンプ48、インバータ49、チャージャ50、モータジェネレータ51、及び第2低温側流路切替弁52が、冷却水流れに対して、この並び順に配置されている。
[0050]
 車載機器流路ポンプ48は、バッテリ47から供給される電力によって駆動される電動ポンプであり、車載機器流路43を流通する冷却水を吸入して吐出する。車載機器流路ポンプ48は、制御装置70(図2示)から出力された制御信号によってその作動が制御される。
[0051]
 インバータ49は、バッテリ47から供給された電力の電圧を調整して、この電力をモータジェネレータ51に供給し、モータジェネレータ51を駆動する。インバータ49は、車載機器流路43を流通する冷却水によって冷却される。
[0052]
 チャージャ50は、モータジェネレータ51において発電された電力の電圧を調整して、この電力によってバッテリ47を充電する。チャージャ50は、車載機器流路43を流通する冷却水によって冷却される。
[0053]
 モータジェネレータ51は、インバータ49から供給された電力によって駆動力を発生させるとともに、発電することによって回生制動力を発生させる。モータジェネレータ51は、車載機器流路43を流通する冷却水によって冷却される。
[0054]
 車載機器バイパス流路44の一端は、車載機器流路43のうち車載機器流路ポンプ48の吸入側に接続され、車載機器バイパス流路44に他端は、第2低温側流路切替弁52に接続されている。
[0055]
 第2低温側流路切替弁52は、車載機器流路ポンプ48とモータジェネレータ51との間の車載機器バイパス流路44に冷却水が流通する状態と流通しない状態を切り替える。第2低温側流路切替弁52は、制御装置70から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の三方弁であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。
[0056]
 次に、室内空調ユニット60について説明する。室内空調ユニット60は、送風空気を空調対象空間である車室内へ吹き出すためのものである。室内空調ユニット60は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。室内空調ユニット60は、その外殻を形成するケーシング61内に、第2蒸発器18及びヒータコア33等を収容することによって構成されている。
[0057]
 ケーシング61は、空調対象空間である車室内に送風される送風空気の空気通路を形成する空気通路形成部である。ケーシング61は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
[0058]
 ケーシング61内の送風空気流れ最上流側には、ケーシング61内へ内気(空調対象空間内の空気)と外気(空調対象空間外の空気)とを切替導入する内外気切替部としての内外気切替装置63が配置されている。内外気切替装置63は、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させることができる。
[0059]
 内外気切替装置63の送風空気流れ下流側には、内外気切替装置63を介して吸入した空気を空調対象空間内へ向けて送風する空調用送風機62が配置されている。この空調用送風機62は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機であって、制御装置70から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
[0060]
 ケーシング61内に形成された空気通路のうち、空調用送風機62の送風空気流れ下流側には第2蒸発器18が配置されている。更に、ケーシング61内に形成された空気通路の第2蒸発器18の下流側は、二股に分岐されていて、ヒータコア流路65と冷風バイパス通路66とが並列に形成されている。
[0061]
 ヒータコア流路65内には、ヒータコア33が配置されている。つまり、ヒータコア流路65は、ヒータコア33にて冷媒と熱交換する送風空気が流通する流路である。第2蒸発器18とヒータコア33が送風空気流れに対して、この順に配置されている。換言すると、第2蒸発器18は、ヒータコア33よりも送風空気流れ上流側に配置されている。
[0062]
 冷風バイパス通路66は、第2蒸発器18を通過した送風空気を、ヒータコア33を迂回させて下流側へ流す流路である。
[0063]
 第2蒸発器18の送風空気流れ下流側であって、且つ、ヒータコア33の送風空気流れ上流側には、制御装置70から出力された制御信号によって、第2蒸発器18を通過後の送風空気のうちヒータコア33を通過させる風量割合を調整するエアミックスドア64が配置されている。
[0064]
 ヒータコア流路65及び冷風バイパス通路66の合流部の下流側のケーシング61内には、混合流路67が形成されている。混合流路67内において、ヒータコア33にて加熱された送風空気と冷風バイパス通路66を通過してヒータコア33にて加熱されていない送風空気とが混合される。
[0065]
 更に、ケーシング61の送風空気流れ最下流部には、混合流路67にて混合された送風空気(空調風)を、空調対象空間である車室内へ吹き出すための複数の開口穴(不図示)が配置されている。
[0066]
 次に、本実施形態の冷凍サイクル装置1の電気制御部の概要について説明する。図2に示す制御装置70は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置70は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。制御装置70の出力側には各種制御対象機器が接続されている。制御装置70は、各種制御対象機器の作動を制御する制御部である。
[0067]
 制御装置70によって制御される制御対象機器は、圧縮機11、第1減圧弁15、第2減圧弁17、高温側ポンプ32、高温側流路切替弁37、低温側ポンプ45、第1低温側流路切替弁46、車載機器流路ポンプ48、インバータ49、チャージャ50、モータジェネレータ51、第2低温側流路切替弁52、ラジエータ用送風機54、空調用送風機62等である。
[0068]
 なお、制御装置70は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものである。そして、制御装置70のうち、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェア及びソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。
[0069]
 例えば、制御装置70のうち圧縮機11の冷媒吐出能力を制御する構成は、吐出能力制御部70aである。第1減圧弁15の絞り開度を制御する構成は、第1絞り制御部70bである。第2減圧弁17の絞り開度を制御する構成は、第2絞り制御部70cである。高温側ポンプ32の圧送能力を制御する構成は、高温側圧送能力制御部70dである。低温側ポンプ45の圧送能力を制御する構成は、低温側圧送能力制御部70eである。ラジエータ用送風機54の送風能力を制御する構成は、ラジエータ用送風能力制御部70fである。空調用送風機62の送風能力を制御する構成は、空調用送風能力制御部70gである。
[0070]
 制御装置70の入力側には、内気温度センサ71、外気温度センサ72、日射量センサ73、冷媒温度センサ74、及び冷媒圧力センサ75等の種々の制御用センサ群が接続されている。内気温度センサ71は車室内温度Trを検出する。外気温度センサ72は外気温Tamを検出する。日射量センサ73は車室内の日射量Tsを検出する。冷媒温度センサ74は、冷凍サイクル10を循環する冷媒の温度、例えば、圧縮機11が吸入する冷媒の温度を検出する。冷媒圧力センサ75は、冷凍サイクル10の低圧側の冷媒の圧力、例えば、圧縮機11に吸入される冷媒の圧力を検出する。
[0071]
 制御装置70の入力側には、操作部80が接続されている。操作部80は乗員によって操作される。操作部80は車室内前部の計器盤付近に配置されている。制御装置70には、操作部80からの操作信号が入力される。操作部80には、エアコンスイッチ、温度設定スイッチ等が設けられている。エアコンスイッチは、室内空調ユニットにて送風空気の冷却を行うか否かを設定する。温度設定スイッチは、車室内の設定温度を設定する。
[0072]
 次に、上記構成における本実施形態の冷凍サイクル装置1の作動を説明する。制御装置70では、エアコンスイッチが投入(ON)されると、予め記憶回路(ROM)に記憶された空調制御プログラムを実行する。この空調制御プログラムでは、制御用センサ群によって検出された検出信号及び操作部80からの操作信号に基づいて、車室内へ送風される送風空気の目標吹出温度TAOを算出する。
[0073]
 更に、空調制御プログラムでは、検出信号、操作信号、及び目標吹出温度TAOに基づいて、冷凍サイクル装置1の運転モードを決定する。より具体的には、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、運転モードとして、暖房モード、冷房モード、及び除湿暖房モードを切り替えることができる。以下に各運転モードについて説明する。
[0074]
 (a)暖房モード
 暖房モードは、ヒータコア33にて送風空気を加熱する運転モードである。暖房モードでは、制御装置70は、検出信号及び目標吹出温度TAO等に基づいて、各種制御対象機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。具体的には、制御装置70は、圧縮機11、高温側ポンプ32、低温側ポンプ45、ラジエータ用送風機54、空調用送風機62等を作動させる。
[0075]
 より具体的には、制御装置70は、車室内へ送風される送風空気の温度が目標吹出温度TAOとなるように、圧縮機11を制御する。
[0076]
 制御装置70は、第1減圧弁15を絞り状態とするとともに、第2減圧弁17を全閉状態とする。制御装置70は、予め定めた暖房モードの絞り開度となるように第1減圧弁15へ出力される制御信号を決定する。制御装置70は、高温側流路切替弁37を全閉状態にする。
[0077]
 制御装置70は、冷却水がバッテリ流路42を流通しないように第1低温側流路切替弁46の作動を制御する。制御装置70は、冷却水が車載機器バイパス流路44を流通しないように第2低温側流路切替弁52の作動を制御する。
[0078]
 制御装置70は、エアミックスドア64を図1の実線位置に変位させて、第2蒸発器18を通過した送風空気の全流量をヒータコア流路65に流通させる。
[0079]
 従って、暖房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、凝縮器12へ流入する。凝縮器12へ流入した高圧冷媒は、高温側ポンプ32から圧送された冷却水と熱交換されて凝縮する。これにより、高圧冷媒の有する熱が冷却水に放熱されて、冷却水が加熱される。
[0080]
 凝縮器12にて加熱された冷却水は、ヒータコア33へ流入する。ヒータコア33へ流入した冷却水は、送風空気と熱交換する。これにより、送風空気が目標吹出温度TAOに近づくように加熱される。ヒータコア33から流出した冷却水は、高温側熱媒体流路31を循環して高温側ポンプ32へ吸入される。
[0081]
 凝縮器12から流出した高圧冷媒は、受液部13に流入して気液分離される。そして、受液部13にて分離された液相の高圧冷媒は、過冷却部14にて、高温側熱媒体流路31を流通する冷却水と熱交換されて、過冷却される。
[0082]
 過冷却部14から流出した高圧冷媒は、第2減圧弁17が全閉状態となっているので、第1減圧弁15にて減圧されて低圧冷媒となる。この際、第1減圧弁15の絞り開度は、第1蒸発器16から流出した冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度に近づくように調整される。
[0083]
 第1減圧弁15にて減圧された低圧冷媒は、第1蒸発器16へ流入する。第1蒸発器16へ流入した低圧冷媒は、低温側ポンプ45から圧送された冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温側熱交換部40内を循環する冷却水が冷却される。
[0084]
 第1蒸発器16にて冷却された冷却水は、低温側ラジエータ53へ流入する。低温側ラジエータ53へ流入した冷却水は、ラジエータ用送風機54から送風された外気と熱交換して加熱される。低温側ラジエータ53から流出した冷却水は、低温側熱媒体流路41を循環して低温側ポンプ45へ吸入される。
[0085]
 第1蒸発器16から流出した低圧冷媒は、圧縮機11によって、圧縮されて、高圧冷媒となる。
[0086]
 以上の如く、暖房モードでは、ヒータコア33にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を行うことができる。
[0087]
 ここで、上述の暖房モードでは、冷却水がバッテリ流路42を流通しないように第1低温側流路切替弁46の作動を制御した例を説明したが、冷却水がバッテリ流路42を流通するように第1低温側流路切替弁46の作動を制御してもよい。
[0088]
 これによれば、冷却水をバッテリ47へ循環させることができるので、バッテリ47の廃熱を冷却水に吸熱させ、この廃熱を第1蒸発器16にて冷媒に吸熱させることができる。従って、バッテリ47の廃熱を、送風空気を加熱するための熱源として用いることができる。
[0089]
 同様に、上述の暖房モードでは、冷却水が車載機器バイパス流路44を流通しないように第2低温側流路切替弁52の作動を制御した例を説明したが、冷却水が車載機器バイパス流路44を流通するように第2低温側流路切替弁52の作動を制御し、更に、車載機器流路ポンプ48を作動させてもよい。
[0090]
 これによれば、冷却水をインバータ49、チャージャ50、及びモータジェネレータ51へ循環させることができるので、インバータ49等の廃熱を冷却水に吸熱させ、この廃熱を第1蒸発器16にて冷媒に吸熱させることができる。従って、インバータ49等の廃熱を、送風空気を加熱するための熱源として用いることができる。
[0091]
 なお、バッテリ47が適切に作動する温度帯とインバータ49等が適切に作動する温度帯が異なる場合には、第1蒸発器16から流出した冷却水の温度帯に応じて、冷却水をバッテリ流路42へ流通させる回路と車載機器バイパス流路44へ流通させる回路とを切り替えるようにしてもよい。
[0092]
 (b)冷房モード
 冷房モードは、第2蒸発器18にて送風空気を冷却する運転モードである。冷房モードでは、制御装置70は、検出信号及び目標吹出温度TAO等に基づいて、各種制御対象機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。具体的には、制御装置70は、圧縮機11、高温側ポンプ32、ラジエータ用送風機54、及び空調用送風機62を作動させる。
[0093]
 より具体的には、制御装置70は、車室内へ送風される送風空気の温度が目標吹出温度TAOとなるように、圧縮機11を制御する。
[0094]
 制御装置70は、第1減圧弁15を全閉状態とするとともに、第2減圧弁17を絞り状態とする。制御装置70は、予め定めた冷房モードの絞り開度となるように第2減圧弁17へ出力される制御信号を決定する。制御装置70は、高温側流路切替弁37を全開状態にする。
[0095]
 制御装置70は、エアミックスドア64を図1の破線位置に位置させて、エアミックスドア64によってヒータコア流路65を閉塞させ、第2蒸発器18を通過した送風空気の全流量を冷風バイパス通路66に流通させる。
[0096]
 従って、冷房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、凝縮器12へ流入する。凝縮器12へ流入した高圧冷媒は、高温側ポンプ32から圧送された冷却水と熱交換されて凝縮する。これにより、高圧冷媒の有する熱が冷却水に放熱されて、冷却水が加熱される。
[0097]
 凝縮器12にて加熱された冷却水は、ヒータコア33へ流入する。冷房モードでは、ヒータコア流路65を閉塞させるようにエアミックスドア64が変位している。従って、ヒータコア33へ流入した冷却水は、殆ど送風空気へ放熱することなく、ヒータコア33から流出する。
[0098]
 更に、冷房モードでは、高温側流路切替弁37が全開状態となっているので、ヒータコア33から流出した冷却水が、高温側ラジエータ流路36を流通して、高温側ラジエータ35に流入する。高温側ラジエータ35へ流入した冷却水は、ラジエータ用送風機54から送風された外気と熱交換して冷却される。高温側ラジエータ35から流出した冷却水は、高温側ラジエータ流路36を循環して高温側ポンプ32へ吸入される。
[0099]
 凝縮器12から流出した高圧冷媒は、受液部13に流入して気液分離される。そして、受液部13にて分離された液相の高圧冷媒は、過冷却部14にて、高温側熱媒体流路31を流通する冷却水と熱交換されて、過冷却される。
[0100]
 過冷却部14から流出した高圧冷媒は、第1減圧弁15が全閉状態となっているので、第2減圧弁17にて減圧されて低圧冷媒となる。この際、第2減圧弁17の絞り開度は、第2蒸発器18から流出した冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度に近づくように調整される。
[0101]
 第2減圧弁17にて減圧された低圧冷媒は、第2蒸発器18へ流入する。第2蒸発器18へ流入した低圧冷媒は、空調用送風機62によって送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。
[0102]
 第2蒸発器18から流出した低圧冷媒は、圧縮機11によって、圧縮されて、高圧冷媒となる。
[0103]
 以上の如く、冷房モードでは、第2蒸発器18にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の冷房を行うことができる。
[0104]
 (c)除湿暖房モード
 除湿暖房モードは、第2蒸発器18にて冷却して除湿された送風空気を、ヒータコア33にて再加熱する運転モードである。除湿暖房モードでは、制御装置70は、検出信号及び目標吹出温度TAO等に基づいて、各種制御対象機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。具体的には、制御装置70は、圧縮機11、高温側ポンプ32、低温側ポンプ45、ラジエータ用送風機54、及び空調用送風機62を作動させる。
[0105]
 より具体的には、制御装置70は、車室内へ送風される送風空気の温度が目標吹出温度TAOとなるように、圧縮機11を制御する。
[0106]
 制御装置70は、第1減圧弁15を絞り状態とするとともに、第2減圧弁17を絞り状態とする。制御装置70は、予め定めた除湿暖房モードの絞り開度となるように第1減圧弁15へ出力される制御信号及び第2減圧弁17へ出力される制御信号を決定する。制御装置70は、高温側流路切替弁37を全閉状態にする。
[0107]
 制御装置70は、冷却水がバッテリ流路42を流通しないように第1低温側流路切替弁46の作動を制御する。制御装置70は、冷却水が車載機器バイパス流路44を流通しないように第2低温側流路切替弁52の作動を制御する。
[0108]
 制御装置70は、エアミックスドア64を図1の実線位置に変位させて、第2蒸発器18を通過した送風空気の全流量をヒータコア流路65に流通させる。
[0109]
 従って、除湿暖房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、凝縮器12へ流入する。凝縮器12へ流入した高圧冷媒は、高温側ポンプ32から圧送された冷却水と熱交換されて凝縮する。これにより、高圧冷媒の有する熱が冷却水に放熱されて、冷却水が加熱される。そして、暖房モードと同様に、ヒータコア33にて第2蒸発器18通過後の送風空気が目標吹出温度TAOとなるように加熱される。
[0110]
 凝縮器12から流出した高圧冷媒は、受液部13に流入し気液が分離される。そして、受液部13から流出した液相の高圧冷媒は、過冷却部14にて、高温側熱媒体流路31を流通する冷却水と熱交換されて、過冷却される。
[0111]
 過冷却部14から流出した高圧冷媒の一部は、第2蒸発器流路21へ流入して第2減圧弁17にて減圧されて低圧冷媒となる。第2減圧弁17にて減圧された低圧冷媒は、第2蒸発器18へ流入する。第2蒸発器18へ流入した低圧冷媒は、冷房モードと同様に、空調用送風機62によって送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却されて除湿される。
[0112]
 この際、第2蒸発器18の冷媒蒸発温度は、第2減圧弁17の絞り開度等によらず、蒸発圧力調整弁19の作用によって、1℃以上に維持される。第2蒸発器18から流出した低圧冷媒は、蒸発圧力調整弁19を介して、第1蒸発器16から流出した低圧冷媒と合流する。
[0113]
 過冷却部14から流出した残余の高圧冷媒は、暖房モードと同様に、第1減圧弁15へ流入して減圧される。第1減圧弁15にて減圧された低圧冷媒は、第1蒸発器16へ流入する。第1蒸発器16へ流入した低圧冷媒は、暖房モードと同様に、低温側ポンプ45から圧送された冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温側熱交換部40内を循環する冷却水が冷却される。
[0114]
 第1蒸発器16にて冷却された冷却水は、暖房モードと同様に、低温側ラジエータ53へ流入する。低温側ラジエータ53へ流入した冷却水は、ラジエータ用送風機54から送風された外気と熱交換して加熱される。低温側ラジエータ53から流出した冷却水は、低温側熱媒体流路41を循環して低温側ポンプ45へ吸入される。
[0115]
 第1蒸発器16から流出した低圧冷媒は、第2蒸発器18から流出した低圧冷媒と合流し、圧縮機11によって、圧縮されて、高圧冷媒となる。
[0116]
 以上の如く、除湿暖房モードでは、第2蒸発器18にて冷却されて除湿された送風空気をヒータコア33にて再加熱して車室内へ吹き出すことによって、車室内の除湿暖房を行うことができる。
[0117]
 ここで、上記の説明から明らかなように、除湿暖房モードでは、第1蒸発器16及び第2蒸発器18が冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路が形成される。このため、第1蒸発器16における冷媒蒸発温度と第2蒸発器18における冷媒蒸発温度とを異なる温度帯とすることができる。
[0118]
 従って、冷凍サイクル装置1に要求される送風空気の加熱能力の増加に伴って、第1蒸発器16における冷媒蒸発温度を低下させることで、冷凍サイクル装置1の送風空気の加熱能力が不足してしまうことを抑制することができる。
[0119]
 更に、暖房モードで説明したように、冷却水がバッテリ流路42を流通するように第1低温側流路切替弁46の作動を制御することで、バッテリ47の廃熱を、送風空気を加熱するための熱源として用いることができる。
[0120]
 同様に、冷却水が車載機器バイパス流路44を流通するように第2低温側流路切替弁52の作動を制御し、更に、車載機器流路ポンプ48を作動させることで、インバータ49、チャージャ50、及びモータジェネレータ51の廃熱を、送風空気を加熱するための熱源として用いることができる。
[0121]
 以上の如く、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、暖房モード、冷房モード、及び除湿暖房モードを切り替えて、車室内の快適な空調を実現することができる。
[0122]
 ここで、本実施形態のように、運転モードに応じて、冷媒回路を切り替える冷凍サイクル装置1では、サイクル構成の複雑化を招きやすい。
[0123]
 これに対して、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、同一の熱交換器へ高圧冷媒を流入させる冷媒回路と低圧冷媒を流入させる冷媒回路とを切り替えることがない。つまり、いずれの冷媒回路に切り替えても、第1蒸発器16及び第2蒸発器18へ高圧冷媒を流入させる必要がないので、サイクル構成の複雑化を招くことなく簡素な構成で冷媒回路を切り替えることができる。
[0124]
 更に、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、冷媒に混入された冷凍機油を圧縮機11へ確実に戻すための図3に示すオイル戻しルーチンを実行する。このオイル戻しルーチンは、空調制御プログラムのサブルーチンとして、所定の周期毎に実行される。以下、オイル戻しルーチンについて説明する。なお、図3に示す各制御ステップは、制御装置70が有する機能実現部を構成している。
[0125]
 まず、図3のステップS11にて、冷凍機油の圧縮機11への戻り量が不足する不足条件が成立しているか否かを判定する。より詳細には、冷凍機油の圧縮機11への戻り量が不足する可能性のある不足条件が成立しているか否かを判定する。従って、本実施形態のオイル戻しルーチンのステップS11は、不足条件判定部を構成している。
[0126]
 本実施形態の不足条件判定部(すなわち、ステップS11)では、以下に示す(条件1)~(条件5)の少なくとも1つ以上が成立する場合に、不足条件が成立していると判定し、それ以外の場合には上記不足条件が成立していないと判定する。
[0127]
 (条件1)外気温度センサ72によって検出された外気温Tamが、予め定められた第1規定温度Td1以下である場合。
[0128]
 ここで、外気温Tamが、第1規定温度Td1(例えば、0℃より低い値)以下である場合は、冷凍サイクル10の冷媒蒸発圧力が低くなっており、圧縮機11に吸入される冷媒の密度が低くなる。このため、サイクルを循環する循環冷媒流量が減少して、冷凍機油の圧縮機11への戻り量が不足しやすい。
[0129]
 (条件2)冷媒温度センサ74によって検出された冷媒の温度が、予め定められた第2規定温度Td2以下である場合。
[0130]
 ここで、圧縮機11に吸入される冷媒の温度が、第2規定温度Td2(例えば、0℃より低い値)以下である場合は、冷凍サイクル10の冷媒蒸発圧力が低くなっており、圧縮機11に吸入される冷媒の密度が低くなる。このため、循環冷媒流量が減少して、冷凍機油の圧縮機11への戻り量が不足しやすい。
[0131]
 (条件3)冷媒圧力センサ75によって検出された冷媒の圧力が、予め定められた規定圧力Pd1以下である場合。
[0132]
 ここで、圧縮機11に吸入される冷媒の圧力が、規定圧力Pd1以下である場合は、条件2と同様に、冷凍サイクル10の冷媒蒸発圧力が低くなっており、圧縮機11に吸入される冷媒の密度が低くなる。このため、循環冷媒流量が減少して、冷凍機油の圧縮機11への戻り量が不足しやすい。
[0133]
 (条件4)圧縮機11の回転数が、予め定められた規定回転数Vd以下である場合。
[0134]
 ここで、圧縮機11の回転数が規定回転数Vd以下である場合は、循環冷媒流量が減少して、冷凍機油の圧縮機11への戻り量が不足しやすい。
[0135]
 (条件5)前回オイル戻し制御が実行されてから、予め定められた規定経過時間Δtdが経過した場合。
[0136]
 ここで、前回オイル戻し制御が実行されてから規定経過時間Δtdが経過している場合には、冷凍サイクル10の各構成機器(具体的には、凝縮器12、過冷却部14、第1蒸発器16、第2蒸発器18)等の内部に、冷凍機油が滞留している可能性が高い。このため、冷凍機油の圧縮機11への戻り量が不足しやすい。
[0137]
 不足条件判定部は、上記不足条件が成立していると判定した場合には(ステップS11:YES)、プログラムをステップS12に進める。一方で、不足条件判定部は、不足条件が成立していないと判定した場合には(ステップS11:NO)、メインルーチンへ戻る。
[0138]
 ステップS12では、オイル戻し制御が実行される。従って、本実施形態のオイル戻しルーチンのステップS12は、オイル戻し制御実行部を構成している。オイル戻し制御実行部(すなわち、ステップS12)は、圧縮機11の冷媒吐出能力を周期的に変化させることによって、冷凍サイクル10を流通する冷媒の流量を周期的に変化させるオイル戻し制御を実行する。
[0139]
 具体的には、本実施形態のオイル戻し制御実行部は、圧縮機11の回転数を予め定めた規定時間tdだけ第1回転数Nc1へ増加させた後、規定時間tdだけ第2回転数Nc2へ減少させる増加減少制御を、予め定めた規定回数繰り返す。
[0140]
 より詳細には、第1回転数Nc1は、オイル戻し制御が実行される直前の通常制御時における圧縮機11の回転数に、予め定めた規定回転数Ncdを加算した回転数である。第2回転数Nc2は、オイル戻し制御が実行される前の通常制御時における圧縮機11の回転数から、予め定めた規定回転数Ncdを減算した回転数である。
[0141]
 そして、オイル戻し制御によって、圧縮機11の回転数が第1回転数Nc1に増加すると、図4に示すように、オイル戻し制御が実行される直前の循環冷媒流量Grから第1循環冷媒流量Gr1まで増量する。これにより、冷凍サイクル10を循環する冷媒の流速が増加して、冷媒とともに冷凍機油が圧縮機11へ戻される。
[0142]
 そして、規定時間tdの経過後、圧縮機11の回転数が第2回転数Nc2に減少すると、図4に示すように、オイル戻し制御が実行される直前の循環冷媒流量Grから第2循環冷媒流量Gr2まで減少する。これにより、オイル戻し制御が実行されている際に、圧縮機11の実質的な冷媒吐出能力が、通常制御時と変化してしまうことを抑制している。そして、ステップS12のオイル戻し制御が終了するとメインルーチンへ戻る。
[0143]
 従って、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、冷媒に混入された冷凍機油を確実に圧縮機11へ戻すことができ、圧縮機11を潤滑することができる。これにより、圧縮機11の信頼性を向上させることができる。
[0144]
 ところで、本実施形態の冷凍サイクル装置1のオイル戻し制御のように、圧縮機11の回転数を周期的に変動させると、循環冷媒流量が変化するので、凝縮器12へ流入する高圧冷媒の圧力も変動しやすい。従って、オイル戻し制御の実行中は、冷却水の加熱能力、そして、加熱対象流体である送風空気の加熱能力も変動してしまいやすい。
[0145]
 これに対して、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、過冷却部14を有しているので、オイル戻し制御が実行されている際であっても、凝縮器12で凝縮された冷媒を過冷却度を有する液相冷媒となるまで冷却することができる。つまり、過冷却部14にて、冷却水と高圧冷媒とを熱交換させて過冷却量が調整されることによって、圧縮機11から吐出された冷媒の圧力変動を抑制することができる。
[0146]
 その結果、凝縮器12にて圧縮機11から吐出された冷媒と熱交換する冷却水の温度変化を抑制することができ、更に、ヒータコア33にて冷却水と熱交換する送風空気の加熱能力の変動を抑制することができる。つまり、冷却水を介して、圧縮機11から吐出された冷媒と熱交換対象流体である送風空気とを間接的に熱交換させて送風空気を加熱する際の送風空気の加熱能力の変動を抑制することができる。
[0147]
 すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置1によれば、冷凍機油を圧縮機へ戻す際に、熱交換対象流体の加熱能力が変動してしまうことを抑制することができる。
[0148]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、過冷却部14を設けるという簡素な構成で、凝縮器12にて凝縮された冷媒を確実に過冷却することができる。すなわち、簡素な構成で、冷凍機油を圧縮機へ戻す際に、熱交換対象流体の加熱能力が変動してしまうことを抑制することができる。
[0149]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と高温側熱媒体流路31を循環する高温側熱媒体である冷却水とを熱交換させる凝縮器12として水-冷媒熱交換器を備えている。これによれば、送風空気を加熱して暖房を行う場合に、高圧冷媒の有する熱を、冷却水を介して、間接的に送風空気に伝熱することができる。従って、より一層、送風空気の加熱能力の変動を抑制することができる。
[0150]
 より詳細には、本実施形態では、まず、凝縮器12にて、高温冷媒が有する熱が比較的比熱の大きい冷却水に伝熱されるので、冷却水の温度変化が抑制されるこのため、この冷却水と熱交換される送風空気の温度変化が抑制される。従って、より一層、送風空気の加熱能力の変動を抑制することができる。
[0151]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、制御ステップS11によって構成される不足条件判定部を有している。そして、制御ステップS12によって構成されるオイル戻し制御実行部は、不足条件判定部によって不足条件が成立していると判定された際に、オイル戻し制御を実行する。これにより、オイル戻し制御が不必要に実行されてしまうことを抑制することができる。
[0152]
 また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、オイル戻し制御実行部は、圧縮機11の冷媒吐出能力を変化させることによって、冷凍サイクル10を循環する循環冷媒流量を変化させている。これによれば、循環冷媒流量を確実に変化させることができ、圧縮機11へ冷凍機油を確実に戻すことができる。
[0153]
 (第2実施形態)
 以下に、第2実施形態の冷凍サイクル装置1について、第1実施形態の冷凍サイクル装置1と異なる点について説明する。第2実施形態の冷凍サイクル装置1のオイル戻し制御実行部は、第1減圧弁15及び第2減圧弁17の少なくとも一方の絞り開度を変化させることによって、循環冷媒流量を周期的に変化させる。
[0154]
 例えば、暖房モード時にオイル戻し制御を行う場合には、第1減圧弁15の作動を制御して、循環冷媒流量を周期的に変化させる。冷房モード時にオイル戻し制御を行う場合には、第2減圧弁17の作動を制御して、循環冷媒流量を周期的に変化させる。除湿暖房モード時にオイル戻し制御を行う場合には、第1減圧弁15及び第2減圧弁17のいずれか一方の作動を制御して、循環冷媒流量を周期的に変化させる。
[0155]
 本実施形態のようなオイル戻し制御を実行する冷凍サイクル装置1であっても、第1実施形態と同様に、冷凍機油を圧縮機へ戻す際に、熱交換対象流体の加熱能力が変動してしまうことを抑制することができる。
[0156]
 (第3実施形態)
 以下に、第3実施形態の冷凍サイクル装置1について、第1実施形態の冷凍サイクル装置1と異なる点について説明する。第3実施形態の冷凍サイクル装置1のオイル戻し制御実行部は、冷凍サイクル10を循環する冷媒の温度を変化させることによって、循環冷媒流量を周期的に変化させる。
[0157]
 例えば、暖房モード時及び除湿暖房モード時にオイル戻し制御を行う場合には、低温側ポンプ45の冷却水の圧送能力あるいはラジエータ用送風機54の送風量を周期的に変化させる。そして、第1蒸発器16における冷媒の吸熱量を調整することによって、圧縮機11に吸入される冷媒の温度を周期的に変化させる。これにより、圧縮機11に吸入される冷媒の密度を変化させて、循環冷媒流量を周期的に変化させる。
[0158]
 本実施形態のようなオイル戻し制御を実行する冷凍サイクル装置1であっても、第1実施形態と同様に、冷凍機油を圧縮機へ戻す際に、熱交換対象流体の加熱能力が変動してしまうことを抑制することができる。
[0159]
 (第4実施形態)
 第4実施形態の冷凍サイクル装置1は、第3実施形態の冷凍サイクル装置1の変形例である。第3実施形態の冷凍サイクル装置1のオイル戻し制御実行部は、空調用送風機62の送風量を周期的に変化させる。そして、第2蒸発器18における冷媒の吸熱量を調整することによって、圧縮機11に吸入される冷媒の温度を周期的に変化させる。これにより、圧縮機11に吸入される冷媒の密度を変化させて、循環冷媒流量を周期的に変化させる。
[0160]
 本実施形態のようなオイル戻し制御を実行する冷凍サイクル装置1であっても、第1実施形態と同様に、冷凍機油を圧縮機へ戻す際に、熱交換対象流体の加熱能力が変動してしまうことを抑制することができる。
[0161]
 (他の実施形態)
 本開示は上述の実施形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。上記各実施形態は、実施可能な範囲で適宜組み合わせても良い。
[0162]
 (1)上述の実施形態では、本開示に係る冷凍サイクル装置1をバイブリッド車両に適用した例を説明したが、本開示に係る冷凍サイクル装置1の適用はこれに限定されない。例えば、冷凍サイクル装置1を、モータジェネレータ51のみの駆動力で走行する電気自動車に適用してもよい。或いは、冷凍サイクル装置1を、内燃機関から走行用の駆動力を得る通常の車両に適用してもよい。
[0163]
 (2)上述の実施形態では、本開示に係る冷凍サイクル装置1を車両用の空調装置に適用した例を説明したが、本開示に係る冷凍サイクル装置1の適用は車両に限定されず定置型の空調装置に適用してもよい。更に、本開示に係る冷凍サイクル装置1の適用は空調装置に限定されず、熱交換対象流体が飲料水や生活用水となる給湯機に適用してもよい。
[0164]
 (3)上述の実施形態では、凝縮器12の下流側に、凝縮器12から流出した冷媒を過冷却させる過冷却部14が設けられている。過冷却部14を設ける代わりに、図5に示すように、制御装置70に、凝縮器12から流出した冷媒を過冷却液相冷媒とする過冷却実行部70hを設けてもよい。
[0165]
 例えば、過冷却実行部70hとして、高温側ポンプ32の冷却水の吐出流量を変化させることによって、凝縮器12における高圧冷媒と冷却水との熱交換量を変化させて、凝縮器12から流出した冷媒を過冷却させるものを採用してもよい。このようにしても、凝縮器12から流出した冷媒を確実に過冷却することができる。
[0166]
 (4)上述の実施形態では、全閉機能付きの第1減圧弁15を採用した例を説明したが、第1減圧弁15に代えて、冷媒回路を開閉する電磁弁及び第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を予め基準過熱度に調整する温度式膨張弁を採用してもよい。第2減圧弁17についても同様である。すなわち、第2減圧弁17に代えて、冷媒回路を開閉する電磁弁及び第2蒸発器18出口側冷媒の過熱度を予め基準過熱度に調整する温度式膨張弁を採用してもよい。
[0167]
 (5)上述の第3、第4実施形態のオイル戻し制御実行部は、低温側ポンプ45の圧送能力、ラジエータ用送風機54の送風能力、空調用送風機62の送風能力を変化させて冷媒の温度を変化させることによって、循環冷媒流量を変化させた例を説明したが、冷媒の温度を変化させるオイル戻し制御実行部は、これに限定されない。
[0168]
 例えば、冷媒回路20に、冷媒回路20を循環する冷媒を加熱又は冷却するペルチェ素子等の冷媒温度調整部を設け、オイル戻し制御実行部が冷媒温度調整部の作動を制御することによって、冷媒の温度を変化させ循環冷媒流量を変化させるようにしてもよい。
[0169]
 (6)冷凍サイクル装置1を構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、車両走行用エンジンに適用される場合は、圧縮機11として、プーリ、ベルト等を介して車両走行用エンジンから伝達される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機を採用しても良い。
[0170]
 また、低温側ラジエータ53と高温側ラジエータ35を共通のフィンで接続した実施形態であってもよい。この実施形態では、低温側ラジエータ53と高温側ラジエータ35は、共通のフィンによって互いに熱移動可能に接続されているので、高温側熱媒体流路31の冷却水の熱が、高温側ラジエータ35から低温側ラジエータ53に移動する。これにより、低温側ラジエータ53の温度が上昇して、低温側ラジエータ53の表面に付着した霜を融かすことができる。
[0171]
 (7)上述の実施形態では、運転モードを切替可能な冷凍サイクル装置1について説明したが、冷凍機油を圧縮機へ戻す際に、熱交換対象流体の加熱能力が変動してしまうことを抑制する効果を得るために、運転モードが切替可能であることは必須ではない。更に、上述の実施形態で開示された以外の運転モードを設けても良い。
[0172]
 例えば、第1減圧弁15を全閉状態とするとともに、第2減圧弁17を絞り状態とする。低温側熱媒体流路41を循環する冷却水がバッテリ流路42を流通するように第1低温側流路切替弁46の作動を制御する。更に、第2蒸発器18を通過した送風空気の全流量を冷風バイパス通路66に流通させるようにエアミックスドア64を変位させる。
[0173]
 この状態で圧縮機11を作動させることにで、バッテリ47の廃熱を、低温側熱媒体流路41を循環する冷却水を介して、第1蒸発器16にて冷媒に吸熱させることができる。そして、冷媒が吸熱した熱を、高温側熱媒体流路31を循環する冷却水を介して、高温側ラジエータ35にて外気に放熱させることができる。これによれば、車室内の空調を行うことなく、バッテリ47の冷却を行うバッテリ冷却モードに切替可能になっていてもよい。
[0174]
 同様に、低温側熱媒体流路41を循環する冷却水が車載機器バイパス流路44を流通するように第2低温側流路切替弁52の作動を制御することで、車室内の空調を行うことなく、インバータ49等の車載機器の冷却を行う機器冷却モードに切替可能になっていてもよい。
[0175]
 本開示は実施例を参照して記載されているが、本開示は開示された上記実施例や構造に限定されるものではないと理解される。寧ろ、本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形を包含する。加えて、本開示の様々な要素が、様々な組み合わせや形態によって示されているが、それら要素よりも多くの要素、あるいは少ない要素、またはそのうちの1つだけの要素を含む他の組み合わせや形態も、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

請求の範囲

[請求項1]
 冷凍機油が混入された冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)、及び前記圧縮機から吐出された前記冷媒と熱交換対象流体とを熱交換させて前記冷媒を凝縮させる凝縮器(12)を備えた冷凍サイクル(10)と、
 前記冷凍サイクルを循環する前記冷媒の循環冷媒流量を変化させて、前記冷凍機油を前記圧縮機に戻すオイル戻し制御を実行するオイル戻し制御実行部(S12)と、を有し、
 少なくとも前記オイル戻し制御が実行されている際に、凝縮された前記冷媒が過冷却される冷凍サイクル装置。
[請求項2]
 前記凝縮器の下流側に設けられ、前記凝縮器から流出した前記冷媒を過冷却させる過冷却部(14)を更に有する請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項3]
 前記凝縮器における前記冷媒と前記熱交換対象流体との熱交換量を変化させることによって、前記凝縮器から流出した冷媒を過冷却液相冷媒とする過冷却実行部(70h)を更に有する請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項4]
前記凝縮器は、前記圧縮機から吐出された冷媒と高温側熱媒体流路を循環する高温側熱媒体とを熱交換させる水-冷媒熱交換器である請求項1ないし3のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項5]
 前記冷凍機油の前記圧縮機への戻り量が不足する不足条件が成立しているか否かを判定する不足条件判定部(S11)を更に有し、
 前記オイル戻し制御実行部は、前記不足条件判定部によって前記不足条件が成立していると判定された際に、前記オイル戻し制御を実行する請求項1ないし4のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項6]
 前記オイル戻し制御実行部は、前記圧縮機の冷媒吐出能力を変化させることによって、前記循環冷媒流量を変化させる請求項1ないし5のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項7]
 前記凝縮器から流出した前記冷媒が流通する冷媒回路の流路面積を可変させることによって、前記冷媒を可変に減圧する減圧部を更に有し、
 前記オイル戻し制御実行部は、前記減圧部の前記冷媒回路の流路面積を変化させることによって、前記循環冷媒流量を変化させる請求項1ないし6のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項8]
 前記オイル戻し制御実行部は、冷媒の温度を変化させることにより、前記循環冷媒流量を変化させる請求項1ないし7のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
[請求項9]
 前記冷凍サイクルは、前記凝縮器から流出した冷媒を減圧させる第1減圧弁(15)と、前記第1減圧弁にて減圧された冷媒と低温側熱媒体流路を循環する低温側熱媒体とを熱交換させて前記冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)とを更に備え、
 前記オイル戻し制御実行部は、前記第1蒸発器における冷媒の吸熱量を調整して前記第1蒸発器における冷媒の温度を変化させることにより、前記循環冷媒流量を変化させる請求項8に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項10]
 前記冷凍サイクルは、前記凝縮器から流出した冷媒を減圧させる第2減圧弁(17)と、前記第2減圧弁にて減圧された冷媒と空調対象空間に送風される送風空気とを熱交換させて前記冷媒を蒸発させる第2蒸発器(18)とを更に備え、前記オイル戻し制御実行部は、前記第2蒸発器における冷媒の吸熱量を調整して前記第2蒸発器における冷媒の温度を変化させることにより、前記循環冷媒流量を変化させる請求項8に記載の冷凍サイクル装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]