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1. (WO2019049830) FILTER DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING FILTER DEVICE
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明 細 書

発明の名称 フィルタ装置およびフィルタ装置の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027  

発明の効果

0028  

図面の簡単な説明

0029  

発明を実施するための形態

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102  

産業上の利用可能性

0103  

符号の説明

0104  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4A   4B   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : フィルタ装置およびフィルタ装置の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、弾性波素子を含むフィルタ装置およびその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 近年の通信端末には、一端末で複数の周波数帯域および複数の無線方式、いわゆるマルチバンド化およびマルチモード化に対応することが要求されている。これに対応すべく、1つのアンテナに、複数の無線搬送周波数を有する高周波信号を分波するマルチプレクサが配置される。この種のマルチプレクサの一例として、特許文献1には、複数の弾性波素子およびLC素子を使い、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタを組み合わせたフィルタ装置が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2016/117676号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら上記通信端末にて、例えば、WiFi(登録商標)帯およびBand7(Tx:2500~2570Mz、Rx:2620~2690MHz)の両方の周波数帯域を扱う場合に、フィルタ装置に相互変調歪(IMD(Intermodulation Distortion))や高調波歪が発生し、Band7の受信感度が低下するという問題がある。
[0005]
 そこで、本発明は、弾性波素子を含むフィルタ装置においてIMDや高調波歪の発生を抑制することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るフィルタ装置は、圧電性を有する基板と、前記基板上に設けられたIDT(InterDigital Transducer)電極を含む第1フィルタと、前記基板上に設けられた端子用電極と、前記基板上に設けられ、前記第1フィルタと前記端子用電極とをつなぐ第1の配線電極と、前記IDT電極を覆うように基板上に設けられた誘電体膜とを備え、前記第1の配線電極の少なくとも一部は、前記誘電体膜に覆われていない。
[0007]
 このように、端子用電極に接続される第1の配線電極が誘電体膜に覆われていないことで、第1の配線電極において電流の流れが阻害されることを抑制することができる。これにより、フィルタ装置においてIMDや高調波歪が発生することを抑制できる。
[0008]
 また、前記端子用電極は、前記誘電体膜に覆われておらず、アンテナ端子に接続されてもよい。
[0009]
 これによれば、伝送電力が大きいアンテナ端子の近辺で発生するIMDや高調波歪を抑制することができる。
[0010]
 フィルタ装置は、さらに、前記基板上に設けられ、前記IDT電極と異なるIDT電極を含む第2フィルタと、前記基板上に設けられ、前記第2フィルタと前記端子用電極とをつなぐ第2の配線電極とを備え、前記第2フィルタの前記IDT電極は、前記誘電体膜に覆われ、前記第2の配線電極の少なくとも一部は、前記誘電体膜に覆われていない。
[0011]
 このように、端子用電極に接続される第2の配線電極が誘電体膜に覆われていないことで、第1の配線電極において電流の流れが阻害されることを抑制することができる。これにより、フィルタ装置においてIMDや高調波歪が発生することを抑制できる。
[0012]
 また、前記第1の配線電極および前記第2の配線電極のそれぞれは、全てが誘電体膜に覆われていなくてもよい。
[0013]
 これによれば、フィルタ装置においてIMDや高調波歪が発生することをさらに抑制することができる。
[0014]
 また、前記第1の配線電極および前記第2の配線電極の前記誘電体膜に覆われていない部分は、空気層に接していてもよい。
[0015]
 このように、配線電極の上記誘電体膜に覆われていない部分に、誘電体膜よりも比誘電率が小さい空気層を接するようにすることで、上記誘電体膜に覆われていない部分の配線電極において電流の流れが阻害されること抑制することができる。これにより、フィルタ装置においてIMDや高調波歪が発生することをさらに抑制することができる。
[0016]
 前記第1の配線電極上および前記第2の配線電極上には、カバー層が設けられ、前記空気層は、前記第1の配線電極および前記第2の配線電極と、前記カバー層との間に設けられていてもよい。
[0017]
 このように、空気層を配線電極とカバー層との間に設けることで、配線電極に空気層を確実に接触させることができる。また、配線電極に空気層以外の異物が接触することを可能な限り抑制し、配線電極において電流の流れが阻害されることを抑制することができる。これにより、フィルタ装置においてIMDや高調波歪が発生することを抑制できる。
[0018]
 また、前記第1フィルタの前記IDT電極および前記第2フィルタの前記IDT電極のそれぞれは、櫛歯状であり、複数の電極指と前記複数の電極指に接続されたバスバー電極とを含んでいてもよい。
[0019]
 これによれば、電極指およびバスバー電極を含むIDT電極に対して誘電体膜が形成されるので、IDT電極の耐湿性を確実に維持しつつ、フィルタ装置においてIMDや高調波歪が発生することが抑制できる。
[0020]
 また、前記誘電体膜は、酸化ケイ素を含んでいてもよい。
[0021]
 このように、誘電体膜が酸化ケイ素を含んでいる場合であっても、端子用電極に接続される配線電極を誘電体膜で覆わないことで、配線電極において電流の流れが阻害されることを抑制することができる。これにより、フィルタ装置においてIMDや高調波歪が発生することが抑制できる。
[0022]
 上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るフィルタ装置の製造方法は、圧電性を有する基板上に、IDT電極を含む第1フィルタ、アンテナ端子に接続される端子用電極、および、前記第1フィルタと前記端子用電極とをつなぐ配線電極を形成する工程と、前記IDT電極、前記端子用電極、および、前記配線電極を覆うように前記基板上に誘電体膜を形成する工程と、前記端子用電極上、および、前記配線電極上に形成された前記誘電体膜を除去する工程とを含む。
[0023]
 これによれば、端子用電極に接続される配線電極に、誘電体膜で覆われていない部分を精度よく形成することができる。上記誘電体膜で覆われていない部分を精度よく形成することで、フィルタ装置においてIMDや高調波歪の発生を抑制することができる。
[0024]
 上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るフィルタ装置の製造方法は、圧電性を有する基板と、前記基板上に設けられた第1フィルタおよび端子用電極と、前記基板上に設けられ、前記第1フィルタと前記端子用電極とをつなぐ配線電極とを備えるフィルタ装置の製造方法であって、前記基板上に、IDT電極を含む前記第1フィルタ、および、前記配線電極のうちの一部の厚み部分を構成する下側配線層を形成する工程と、前記IDT電極および前記下側配線層を覆うように前記基板上に誘電体膜を形成する工程と、前記誘電体膜のうち、前記配線電極の残りの厚み部分を構成する上側配線層が形成される領域および前記端子用電極が形成される領域を除去する工程と、前記誘電体膜を除去した領域に、前記上側配線層および前記端子用電極を形成する工程とを含む。
[0025]
 これによれば、配線電極に、誘電体膜で覆われていない部分を精度よく形成することができる。上記誘電体膜で覆われていない部分を精度よく形成することで、フィルタ装置においてIMDや高調波歪の発生を抑制することができる。
[0026]
 また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るフィルタ装置は、圧電性を有する基板と、前記基板上に設けられた弾性波素子を含む第1フィルタと、前記基板上に設けられた端子用電極と、前記基板上に設けられ、前記第1フィルタと前記端子用電極とをつなぐ第1の配線電極と、前記弾性波素子を覆うように基板上に設けられた誘電体膜とを備え、前記第1の配線電極の少なくとも一部は、前記誘電体膜に覆われていない。
[0027]
 このように、端子用電極に接続される第1の配線電極を露出させることで、第1の配線電極において電流の流れが阻害されることを抑制することができる。これにより、フィルタ装置においてIMDや高調波歪が発生することを抑制できる。

発明の効果

[0028]
 本発明は、フィルタ装置においてIMDや高調波歪の発生を抑制する。

図面の簡単な説明

[0029]
[図1] 図1は、実施の形態に係るフィルタ装置の基本的な回路構成図である。
[図2] 図2は、実施の形態に係るフィルタ装置の具体的な回路構成図である。
[図3] 図3は、実施の形態に係るフィルタ装置の弾性波素子を構成するIDT電極を模式的に示す図である。
[図4A] 図4Aは、実施の形態に係るフィルタ装置の電極レイアウトであって、電極上に誘電体膜が設けられる前の状態を示す平面図である。
[図4B] 図4Bは、実施の形態に係るフィルタ装置の電極レイアウトであって、誘電体膜が設けられ、かつ、配線電極の一部が露出している状態を示す平面図である。
[図5] 図5は、実施の形態に係るフィルタ装置を、図4BのV-V線で切断した断面を模式的に示す図である。
[図6] 図6は、実施の形態に係るフィルタ装置の製造方法を示すフローチャートである。
[図7] 図7は、実施の形態に係るフィルタ装置の製造方法の一部を模式的に示す図である。
[図8] 図8は、実施の形態のフィルタ装置にて発生する2次のIMD(相互変調歪)を示す図である。
[図9] 図9は、実施の形態の変形例1に係るフィルタ装置の製造方法を示すフローチャートである。
[図10] 図10は、実施の形態の変形例1に係るフィルタ装置の製造方法の一部を模式的に示す図である。
[図11] 図11は、実施の形態の変形例2に係るフィルタ装置の弾性波素子を模式的に示す図である。

発明を実施するための形態

[0030]
 [1.本発明に至る背景]
 まず、図1を参照しながら、本発明に至る背景について説明する。図1は、実施の形態に係るフィルタ装置1の基本的な回路構成図である。
[0031]
 フィルタ装置1は、第1フィルタ10および第2フィルタ20を備えている。第1フィルタ10は、配線w1および配線w0を介してアンテナ端子Taに接続されている。第2フィルタ20は、配線w2および配線w0を介してアンテナ端子Taに接続されている。第1フィルタ10および第2フィルタ20は、配線w1と配線w2とが結線されている接続点cp1にて互いに接続されている。
[0032]
 第1フィルタ10および第2フィルタ20は、例えばSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタなどの弾性波素子を含み、この弾性波素子は、IDT(InterDigital Transducer)電極によって形成される。また、配線w0~w2は、配線電極によって形成される。
[0033]
 フィルタ装置1は、携帯電話などの通信機器を構成する通信装置9に設けられる。フィルタ装置1は、例えば、2.4GHz帯WiFi、ミドルバンド帯およびハイバンド帯を分波するマルチプレクサである。フィルタ装置1は、例えば、第1フィルタ10に、Band7(送信周波数f2t:2500~2570MHz、受信周波数f2r:2620~2690MHz)の高周波信号が入出力され、第2フィルタ20に、2.4GHz帯WiFi(周波数fx:2401~2483MHz)の高周波信号が入出力される。具体的には、第1フィルタ10は、周波数f2tおよび周波数f2rの高周波信号を通過させ、また、第2フィルタ20は、周波数fxの高周波信号を通過させる。なお、第1フィルタ10は、周波数fxの高周波信号の通過を阻止する帯域阻止フィルタを含んでいる。
[0034]
 図1に示す基本構成を有するフィルタ装置1の場合、同じ通信機器内の他のアンテナ端子から出力されてアンテナ端子Taに入力する5GHzWiFi(周波数f1:5150~5850MHz)の信号と、第1フィルタ10を介して出力されるBand7の送信周波数f2tの信号とによって相互変調歪(IMD(Intermodulation Distortion))が発生することがある。
[0035]
 特に、フィルタ装置1が、入力と出力との関係において非線形性を有する圧電基板で構成された場合、当該圧電基板上に配置された引き回し配線からIMDが発生しやすくなると考えられる。また、アンテナ端子Taに接続される配線w0~w2には送信信号が伝搬される時に大きな電力が伝送されるため、アンテナ端子Taの近辺にはIMDが発生しやすくなると考えられる。また、弾性波素子を構成するIDT電極上には、温度特性の改善または耐湿性の向上を目的として、SiO を含む誘電体膜が形成されるが、この誘電体膜は、IDT電極上だけでなく、上記配線w0~w2を構成する配線電極上にも形成される。高周波信号が配線電極を伝搬する際、配線電極の表面付近に電流が集中するため、例えば、配線電極の表面に誘電体膜などの異物が接していると電流の流れが阻害され、IMDなどの歪が発生しやすくなると考えられる。
[0036]
 これらの場合に発生するIMDの周波数は、例えば、2次のIMD(f1-f2t)(周波数:2580~3350MHz)であり、IMD(f1-f2t)の一部が、Band7の受信周波数f2rと一致する。そのため、発生したIMD(f1-f2t)は第1フィルタ10で阻止されずに通過する。これによって、Band7の受信感度が低下する。
[0037]
 本実施の形態のフィルタ装置1は、例えば、アンテナ端子Taと第1フィルタ10との間の配線電極の一部、および、アンテナ端子Taと第2フィルタ20との配線電極の一部のうち少なくとも一方を、誘電体膜で覆わないことで、IMDなどの歪が発生することを抑制する構成となっている。
[0038]
 以下、本発明の実施の形態について、実施の形態および図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
[0039]
 [2.フィルタ装置の構成]
 図2を参照しながら、実施の形態に係るフィルタ装置1の構成について説明する。図2は、フィルタ装置1の具体的な回路構成図である。
[0040]
 フィルタ装置1は、アンテナ2に接続されるアンテナ端子Taと、第1フィルタ10から見てアンテナ端子Taの反対側に設けられる第1端子T1と、第2フィルタ20から見てアンテナ端子Taの反対側に設けられる第2端子T2とを備えている。例えば、第1端子T1は、Band7に関する信号処理回路に接続される端子であり、第2端子T2は、2.4GHz帯WiFiに関する信号処理回路に接続される端子である。
[0041]
 すなわち、第1フィルタ10は、アンテナ端子Taと第1端子T1とを結ぶ経路上に設けられ、第2フィルタ20は、アンテナ端子Taと第2端子T2とを結ぶ経路上に設けられている。第1フィルタ10および第2フィルタ20は、接続点cp1にて互いに接続されている。また、アンテナ端子Taと接続点cp1との間には、インダクタL1がシャント接続されている。
[0042]
 第1フィルタ10は、直列共振子NS1およびNS2を有している。直列共振子NS1、NS2のそれぞれは、第1端子T1と接続点cp1との間の経路上に設けられている。また、第1フィルタ10は、並列共振子NP1と、並列共振子NP1に並列接続されたインダクタL2とを有している。並列共振子NP1の一端は、直列共振子NS1、NS2の間の接続点cp2に接続され、他端はインダクタL3を介してグランドに接続されている。
[0043]
 第2フィルタ20は、直列共振子S1、S2、S3、S4およびS5を有している。直列共振子S1~S5のそれぞれは、第2端子T2と接続点cp1との間の経路上に設けられている。また、第2フィルタ20は、並列共振子P1、P2、P3およびP4を有している。並列共振子P1の一端は、直列共振子S1、S2の間の接続点cp3に接続され、他端はグランドに接続されている。並列共振子P2の一端は、直列共振子S2、S3の間の接続点cp4に接続され、並列共振子P3の一端は、直列共振子S3、S4の間の接続点cp5に接続され、並列共振子P4の一端は、直列共振子S4、S5の間の接続点cp6に接続されている。並列共振子P2~P4の他端は互いに結線され、グランドに接続されている。
[0044]
 直列共振子NS1、NS2、S1~S5および並列共振子NP1、P1~P4のそれぞれは、弾性波素子であり、IDT電極を有している。
[0045]
 図3を参照しながら、弾性波素子を構成するIDT電極52について説明する。図3は、弾性波素子を構成するIDT電極52を模式的に表す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。なお、IDT電極52は、弾性波素子の典型的な構造を説明するためのものであって、電極を構成する電極指の本数や長さなどは、これに限定されない。
[0046]
 図3の(a)に示すように、IDT電極52は、櫛歯状であり、互いに対向する一組のIDT電極520aおよび520bを有している。IDT電極520aは、互いに平行な複数の電極指522aと、複数の電極指522aを接続するバスバー電極521aとで構成されている。IDT電極520bは、互いに平行な複数の電極指522bと、複数の電極指522bを接続するバスバー電極521bとで構成されている。複数の電極指522a、522bは、弾性波の伝搬方向と直交する方向に沿って形成されている。すなわち、電極指522a、522bは、弾性波の伝搬方向に並んで形成されている。以下、バスバー電極521a、521bのうちの一部または全部を指してバスバー電極521と呼ぶ場合がある。また、電極指522a、522bのうちの一部または全部を指して電極指522と呼ぶ場合がある。
[0047]
 図3の(b)に示すように、IDT電極52は、基板50の主面50a側に設けられている。IDT電極52は、密着層523と主電極層524との積層構造になっている。例えば、密着層523としてはTi(厚み12nm)が用いられる。例えば、主電極層524としては、Ti、Al、Cu、Au、Pt、Ag、Pd、Ni等の金属または合金、あるいは、それら金属または合金の積層体から構成される。本実施の形態における主電極層524は、Cuを1%含有したAl(厚み162nm)が用いられる。誘電体膜61は、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする保護膜であり、IDT電極52を覆うように形成される。誘電体膜61の厚みは、例えば、25nmである。なお、誘電体膜61は、窒化ケイ素を主成分とする保護膜であってもよい。基板50は、例えば、LiTaO 圧電単結晶、LiNbO 圧電単結晶、または圧電セラミックスからなる。
[0048]
 図4Aおよび図4Bを参照しながら、フィルタ装置1の具体的な構造について説明する。図4Aは、フィルタ装置1の電極レイアウトであって、電極上に誘電体膜61が設けられる前の状態を示す平面図である。
[0049]
 図4Aにおいて、配線電極41は図2に示す配線w1に相当し、配線電極42は図2に示す配線w2に相当し、端子用電極30aは図2に示す接続点cp1に相当する。以下、各共振子S1~S5、P1~P4、NS1、NS2、NP1の配置等について説明する。なお、図4Aにおいて、各IDT電極52の電極指522から見て、Y軸負方向に位置するバスバー電極を一方のバスバー電極と呼び、Y軸正方向に位置するバスバー電極を他方のバスバー電極と呼ぶ場合がある。
[0050]
 図4Aに示すように、基板50上には、第1フィルタ10を構成する直列共振子NS1、NS2および並列共振子NP1と、第2フィルタ20を構成する直列共振子S1~S5および並列共振子P1~P4とが形成されている。また、基板50上には、アンテナ端子Taに接続される端子用電極30aと、第1端子T1に接続される入出力用電極31と、第2端子T2に接続される入出力用電極32と、4つのグランド端子に対応して接続される4つのグランド用電極35g、36g、37g、38gとが形成されている。端子用電極30a、入出力用電極31、32およびグランド用電極35g~38gのそれぞれは、基板50の外周付近に設けられている。
[0051]
 図4Aにおいて、基板50の左側(X軸負方向)領域には、直列共振子NS1、NS2、並列共振子NP1を構成する各IDT電極52が形成されている。直列共振子NS1のIDT電極52のうち一方のバスバー電極521aは、第1の配線電極41を介して端子用電極30aに接続され、他方のバスバー電極521bは、配線電極45を介してグランド用電極35gに接続されている。直列共振子NS2のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は配線電極49を介して直列共振子NS1の他方のバスバー電極521bに接続され、他方のバスバー電極は配線電極43を介して入出力用電極31に接続されている。
[0052]
 並列共振子NP1のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は直列共振子NS1の他方のバスバー電極521bに接続され、他方のバスバー電極は配線電極46を介してグランド用電極36gに接続されている。
[0053]
 なお、図2に示したインダクタL1~L3は、後述するカバー層66上に形成されていてもよいし(図示省略)、基板50と異なる他の基板に設けられていてもよい。
[0054]
 図4Aにおいて、基板50の中央および右側(X軸正方向)領域には、直列共振子S1~S5、並列共振子P1~P4を構成する各IDT電極52が形成されている。直列共振子S1のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は直列共振子S2の他方のバスバー電極に接続され、他方のバスバー電極は配線電極44を介して入出力用電極32に接続されている。直列共振子S2のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は直列共振子S3の他方のバスバー電極に接続され、他方のバスバー電極は直列共振子S1の一方のバスバー電極に接続されている。直列共振子S3のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は直列共振子S4の他方のバスバー電極に接続され、他方のバスバー電極は直列共振子S2の一方のバスバー電極に接続されている。直列共振子S4のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は直列共振子S5の他方のバスバー電極521bに接続され、他方のバスバー電極は直列共振子S3の一方のバスバー電極に接続されている。直列共振子S5のIDT電極52のうち一方のバスバー電極521aは、第2の配線電極42を介して端子用電極30aに接続され、他方のバスバー電極521bは直列共振子S4の一方のバスバー電極に接続されている。
[0055]
 また、並列共振子P1のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は配線電極49を介して直列共振子S1の一方のバスバー電極に接続され、他方のバスバー電極は、配線電極47を介してグランド用電極37gに接続されている。並列共振子P2のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は配線電極49を介して直列共振子S2の一方のバスバー電極に接続され、他方のバスバー電極は、配線電極48を介してグランド用電極38gに接続されている。並列共振子P3のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は配線電極49を介して直列共振子S3の一方のバスバー電極に接続され、他方のバスバー電極は、配線電極48を介してグランド用電極38gに接続されている。並列共振子P4のIDT電極52のうち、一方のバスバー電極は配線電極49を介して直列共振子S4の一方のバスバー電極に接続され、他方のバスバー電極は、配線電極48を介してグランド用電極38gに接続されている。
[0056]
 図4Bは、フィルタ装置1の電極レイアウトであって、誘電体膜61が設けられ、かつ、配線電極41、42の一部が露出している状態を示す平面図である。
[0057]
 図4Bに示すように、基板50の主面50aには、各フィルタを構成している共振子における各IDT電極52を覆うように、誘電体膜61が形成されている。具体的には、誘電体膜61は、IDT電極52の電極指522、バスバー電極521、基板50の主面50aおよび配線電極43~49を覆うように設けられている。本実施の形態では、第1の配線電極41の一部と、第2の配線電極42の一部とが、誘電体膜61に覆われておらず露出している。言い換えれば、第1の配線電極41および第2の配線電極42のそれぞれは、誘電体膜61に覆われていない露出部E1を有している。なお、配線電極43~48のそれぞれは、入出力用電極31、32およびグランド用電極35g~38gの近辺において誘電体膜61に覆われていない部分を有するが、これら誘電体膜61に覆われていない部分は、後述する支持層65によって覆われ、露出していない構造となっている。
[0058]
 次に、図5の断面図を参照しながら、誘電体膜61および露出部E1の形成箇所について説明する。図5は、フィルタ装置1を、図4BのV-V線で切断した断面を模式的に示す図である。
[0059]
 図5に示すように、フィルタ装置1は、IDT電極52と、配線電極41および43と、端子用電極30aと、入出力用電極31とを有している。また、フィルタ装置1は、基板50と、支持層65と、カバー層66と、ビア電極67とを有している。
[0060]
 基板50は、前述したように、LiTaO 圧電単結晶、LiNbO 圧電単結晶、または圧電セラミックスからなる。本実施の形態において、基板50は、例えば上から順に、50°のカット角を有するLiTaO 圧電層(厚み600nm)、低音速膜であるSiO 層(厚み670nm)、および、Si材料を含む支持基板(厚み200μm)によって形成されている。支持基板は、高音速膜としての機能を兼ね備えている。
[0061]
 支持層65は、IDT電極52および配線電極41~49の高さよりも高い層であり、基板50の主面50aのうちIDT電極52が設けられた領域の周囲に立設されている。支持層65は、例えば、ポリイミド、エポキシ、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene:BCB)、ポリベンゾオキサゾール(Polybenzoxazole:PBO)、樹脂および酸化珪素の少なくとも一つを含む材料から構成される。
[0062]
 カバー層66は、ポリイミド、エポキシ、BCB、PBO、樹脂および酸化珪素の少なくとも一つを含む材料から構成される。カバー層66は、支持層65の上に配置され、かつ、空気層68を介してIDT電極52を覆っている。このように、フィルタ装置1には、基板50と、基板50の周囲に立設された支持層65と、支持層65の上に配置されたカバー層66とによって包囲された空気層68が形成されている。空気層68の比誘電率は、誘電体膜61の比誘電率よりも小さいので、例えば、配線電極41、42上に空気層68が存在する場合、配線電極41、42中を伝搬する高周波信号の流れが阻害されにくくなり、IMDなどが発生しにくくなる。
[0063]
 ビア電極67は、支持層65およびカバー層66を貫通するように形成された柱状電極であり、配線電極41~48と外部端子(アンテナ端子Ta、第1端子T1、第2端子T3、グランド端子)とを接続する配線経路である。
[0064]
 IDT電極52は、弾性波を励振する電極であり、基板50の主面50aに設けられている。なお、基板50とIDT電極52との間に、シリコン酸化膜などが形成されていてもよい。
[0065]
 IDT電極52の電極指522およびバスバー電極521上には、前述した誘電体膜61が形成されている。バスバー電極521は、電気抵抗を小さくするため、電極指522よりも厚く形成される。同様に、配線電極41、43および端子用電極30aおよび入出力用電極31は、電気抵抗を小さくするため、電極指522よりも厚く形成される。
[0066]
 図5の破断線の左側(Y軸正方向)に示すように、直列共振子NS2のIDT電極52のバスバー電極521bは、配線電極43を介して入出力用電極31に接続される。入出力用電極31は、ビア電極67を介して第1端子T1に接続されている。配線電極43には誘電体膜61が形成されている。
[0067]
 図5の破断線の右側(Y軸負方向)に示すように、直列共振子NS1のIDT電極52のバスバー電極521aは、配線電極41を介して端子用電極30aに接続される。端子用電極30aは、ビア電極67を介してアンテナ端子Taに接続される。本実施の形態では、前述したように、配線電極41上には誘電体膜61が形成されておらず、配線電極41は露出している。すなわち、フィルタ装置1は、アンテナ端子Taの反対側に配置されている配線電極43は露出部E1を有していないが、アンテナ端子Ta側に配置されている配線電極41は露出部E1を有する構造となっている。
[0068]
 [3.フィルタ装置の製造方法]
 図6および図7を参照しながら、実施の形態に係るフィルタ装置1の製造方法について説明する。図6は、フィルタ装置1の製造方法を示すフローチャートである。図7は、フィルタ装置1の製造方法の一部を模式的に示す図である。この例では、基板50として、LiTaO 圧電基板を用いた場合について説明する。また、この例では、第1フィルタ10および第2フィルタ20のうち、第1フィルタ10を例に挙げてフィルタ装置1の製造方法を説明する。
[0069]
 まず、図7の(a)に示すように、基板50上にIDT電極52を含む第1フィルタ10、端子用電極30aおよび配線電極41を形成する(S11)。これら端子用電極30aおよび配線電極41は、電気抵抗を小さくするため、電極指522を成膜した後に、さらに追加で成膜を行う。
[0070]
 次に、図7の(b)に示すように、IDT電極52、端子用電極30aおよび配線電極41を覆うように、基板50の主面50aの全面に誘電体膜61を形成する(S12)。誘電体膜61は、例えばスパッタまたは蒸着によって形成される。
[0071]
 次に、図7の(c)に示すように、基板50上に形成した誘電体膜61の一部を除去する(S13)。具体的には、端子用電極30a上および配線電極41上に形成された誘電体膜61をエッチングによって除去する。これによって、配線電極41上に露出部E1を形成する。
[0072]
 次に、基板50上に支持層65を形成する(S14)。支持層65は、例えば、基板50上に樹脂を塗布することによって形成される。具体的には、支持層65は、フォトリソグラフィー法により基板50の主面50aに設けられる。
[0073]
 次に、支持層65上にカバー層66を形成する(S15)。カバー層66は、例えばシート状のポリイミド樹脂であり、接着によって支持層65に貼り付けられる(図示省略)。これにより、IDT電極52とのカバー層66との間に空気層68が形成される。
[0074]
 次に、支持層65およびカバー層66に複数のビア電極67を形成する(S16)。具体的には、支持層65およびカバー層66にビア穴を形成した後、ビア穴に導電材料を充填することで、ビア電極67を形成する。ビア穴は、フォトリソグラフィー法により形成してもよいし、レーザ加工により形成してもよい。導電材料は、例えばめっき、蒸着、スパッタなどの方法によって、ビア穴に埋め込まれてもよい。
[0075]
 次に、形成した複数のビア電極67に外部端子を形成する(S17)。具体的には、複数のビア電極67のそれぞれに対応させて、アンテナ端子Ta、第1端子T1、第2端子T2およびグランド端子を形成する。これらステップS11~S17示す工程によって、フィルタ装置1が形成される。
[0076]
 [4.効果等]
 図8を参照しながら、実施の形態のフィルタ装置1の効果について説明する。図8は、フィルタ装置1にて発生する2次のIMDを示す図である。図8における「実施の形態」は前述した構成を有するフィルタ装置1である。図8における「比較例」は、配線電極41、42の全てを誘電体膜61で覆った例である。なお、比較例では、配線電極41、42を基板50に直接作成している。
[0077]
 実施の形態および比較例にて測定した周波数の範囲は、Band7の受信周波数f2rと同じである。そして、Band7として第1端子T1に23dBmの信号を入力し、また、5GHz帯WiFiとしてアンテナ端子Taに5dBmの信号を入力した。そして、これらの信号によって、第1端子T1に出力される2次のIMDを測定した。
[0078]
 図8に示すように実施の形態は、比較例に比べて、2次のIMDが全体的に小さくなり、平均して約2dBm小さくなっている。
[0079]
 本実施の形態に係るフィルタ装置1は、圧電性を有する基板50と、基板50上に設けられたIDT電極52を含む第1フィルタ10と、基板50上に設けられた端子用電極30aと、基板50上に設けられ、第1フィルタ10と端子用電極30aとをつなぐ第1の配線電極41と、IDT電極52を覆うように基板50上に設けられた誘電体膜61とを備える。第1の配線電極41の少なくとも一部は、誘電体膜61に覆われておらず露出している。このように、端子用電極30aに接続される第1の配線電極41を露出させることで、第1の配線電極41において電流の流れが阻害されることを抑制することができる。これにより、フィルタ装置1においてIMDや高調波歪が発生することを抑制できる。
[0080]
 [5.変形例1]
 図9および図10を参照しながら、実施の形態の変形例1に係るフィルタ装置1の製造方法について説明する。図9は、変形例1のフィルタ装置1の製造方法を示すフローチャートである。図10は、変形例1のフィルタ装置1の製造方法一部を模式的に示す図である。この変形例1では、基板50として、LiNbO 圧電基板を用いた場合について説明する。また、この変形例1では、第1フィルタ10および第2フィルタ20のうち、第1フィルタ10を例に挙げてフィルタ装置1の製造方法を説明する。
[0081]
 図9の(a)に示すように、基板50にIDT電極52および下側配線層41a、43aを形成する(S11A)。下側配線層41aは、配線電極41のうちの一部の厚みを構成する部分である。下側配線層43aは、配線電極43のうちの一部の厚みを構成する部分である。
[0082]
 次に、図9の(b)に示すように、IDT電極52および下側配線層41a、43aを覆うように、基板50の主面50aの全面に誘電体膜61を形成する(S12A)。誘電体膜61は、例えばスパッタまたは蒸着によって形成される。
[0083]
 次に、図9の(c)に示すように、基板50上に形成した誘電体膜61の一部を除去する(S13A)。具体的には、上側配線層41b、43bが形成される領域および端子用電極30a、入出力用電極31が形成される領域の誘電体膜61をエッチングによって除去する。なお、上側配線層41bとは、配線電極41のうちの残りの厚み部分を構成する部分である。上側配線層43bとは、配線電極43のうちの残りの厚み部分を構成する部分である。上側配線層41b、43bの厚みは、下側配線層41a、43aの厚みよりも大きい。
[0084]
 次に、誘電体膜61を除去した領域に、上側配線層41b、43bおよび端子用電極30a、入出力用電極31を形成する(S13B)。これにより配線電極41における露出部E1を形成する。また、配線電極43にも露出部が形成される。
[0085]
 次に、実施の形態と同様に、基板50上に支持層65を形成し(S14)、支持層65上にカバー層66を形成する(S15)。また、支持層65およびカバー層66に複数のビア電極67を形成し(S16)、複数のビア電極67に外部端子を形成する(S17)。これらステップS11A~S17示す工程によって、変形例1のフィルタ装置1が形成される。なお、上記では第1フィルタ10を例に挙げて説明したが、第2フィルタ20についても同様に形成される。
[0086]
 [6.変形例2]
 図11を参照しながら、実施の形態の変形例2に係るフィルタ装置1について説明する。変形例2の弾性波素子は、バルク波の厚み縦振動を利用する圧電薄膜共振子である点で、表面波を利用する実施の形態1の弾性波素子と異なる。
[0087]
 図11は、変形例2に係るフィルタ装置1の弾性波素子201を模式的に示す図である。
[0088]
 図11に示すように、弾性波素子201が構成されている部分では、基板202上に音響反射層208、薄膜積層部209及び誘電体膜61がこの順序で積層されている。
[0089]
 誘電体膜61は、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする保護膜であり、後述する他方電極層205および圧電体層203を覆うように形成される。なお、誘電体膜61は、窒化ケイ素を主成分とする保護膜であってもよいし、窒化アルミニウムを主成分とする保護膜であってもよい。
[0090]
 音響反射層208は、相対的に音響インピーダンスが低い材料からなる第1の音響インピーダンス層208a~208cと、相対的に音響インピーダンスが高い材料からなる第2の音響インピーダンス層208d、208eとを交互に積層した構造を有する。すなわち、後述する圧電振動部から基板202側に向かって、第1の音響インピーダンス層208a、第2の音響インピーダンス層208d、第1の音響インピーダンス層208b、第2の音響インピーダンス層208e、第1の音響インピーダンス層208cの順序で、音響インピーダンス層208a~208eが積層されている。
[0091]
 上記第1の音響インピーダンス層208a~208c及び第2の音響インピーダンス層208d、208eは、適宜の無機材料または有機材料により形成することができる。
[0092]
 例えば、第1の音響インピーダンス層208a~208cは、例えば、SiO 、SiOCなどの無機材料、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミドなどのような高分子材料のような有機材料により形成することができる。また、第2の音響インピーダンス層208d、208eは、例えば、W、Ir、PtもしくはMoなどの金属またはAlN、SiN、Al もしくはTa などの無機化合物、あるいは適宜の有機材料を挙げることができる。
[0093]
 音響反射層208上には、前述した薄膜積層部209が積層されている。薄膜積層部209は、分極軸が厚み方向に揃っている圧電体層203と、圧電体層203の下面203a側(音響反射層208が存在する側)に設けられた一方電極層204と、圧電体層203の上面203b側に設けられた他方電極層205とを備える。弾性波素子201では、一方電極層204または他方電極層205の厚みを変えることで、共振周波数を変えることができる。
[0094]
 圧電体層203は、圧電性を示す適宜の圧電単結晶または圧電セラミックスからなる。このような圧電材料としては、AlN、ZnO、LiNbO 、LiTaO 、KNbO またはチタン酸ジルコン酸鉛系圧電性セラミックスなどを挙げることができる。
[0095]
 一方電極層204及び他方電極層205は、適宜の導電性材料からなる。このような導電性材料としては、Al、Pt、Au、Mo、W、Ti、Cr、Cu、Ru、Ir、Taなどの適宜の金属もしくはこれらの金属の合金を挙げることができる。また、一方電極層204及び他方電極層205、これらの金属もしくは合金からなる金属膜を複数積層した積層金属膜からなるものであってもよい。
[0096]
 本変形例では、一方電極層204と他方電極層205とが圧電体層206を介して重なり合っている部分によって、圧電振動部が構成されている。一方電極層204及び他方電極層205に交流電界が印加されると、圧電振動部に電界が印加されて、圧電振動部が励振される。これにより、エネルギー閉じ込め型の厚み縦振動を利用した共振特性を得ることができる。
[0097]
 変形例2に係るフィルタ装置1は、圧電性を有する基板50と、基板50上に設けられた弾性波素子201を含む第1フィルタ10と、基板50上に設けられた端子用電極30aと、基板50上に設けられ、第1フィルタ10と端子用電極30aとをつなぐ第1の配線電極41と、弾性波素子201を覆うように基板50上に設けられた誘電体膜61とを備える。第1の配線電極41の少なくとも一部は、誘電体膜61に覆われておらず露出している。このように、端子用電極30aに接続される第1の配線電極41を露出させることで、第1の配線電極41において電流の流れが阻害されることを抑制することができる。これにより、変形例2のフィルタ装置1においてIMDや高調波歪が発生することを抑制できる。
[0098]
 (その他の形態など)
 以上、本発明の実施の形態に係るフィルタ装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。例えば、上記実施の形態に次のような変形を施した態様も、本発明に含まれ得る。
[0099]
 例えば、実施の形態1の図4Bでは、各配線電極41、42の少なくとも一部が露出している状態であるが、それに限られず、平面視した場合に、配線電極41、42の全てが露出していてもよい。
[0100]
 例えば、弾性波素子は、弾性表面波共振子に限られず、弾性境界波共振子であってもよい。
[0101]
 例えば、本実施の形態ではフィルタ装置として、複数の送受信フィルタを束ねたマルチプレクサを例に挙げて説明したが、フィルタ装置1は、送信フィルタおよび受信フィルタを束ねたデュプレクサであってもよいし、複数の受信フィルタを束ねたマルチプレクサであってもよい。
[0102]
 例えば、本実施の形態は、WiFi用の通信機器に限られず、GPS信号とセルラー帯との信号を分波するGPS分波器、Band25とBand66、また、Band1と3DPX(3デュプレクサ)を組み合わせたクワッドプレクサ、さらに束ねるフィルタ数を増やしたマルチプレクサにおいても、適用することができる。

産業上の利用可能性

[0103]
 本発明は、マルチバンド化およびマルチモード化された周波数規格に適用できるフィルタ装置として、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。

符号の説明

[0104]
 1    フィルタ装置
 2    アンテナ
 9    通信装置
 10   第1フィルタ
 20   第2フィルタ
 30a  端子用電極
 35g、36g、37g、38g グランド用電極
 31、32 入出力用電極
 41   第1の配線電極
 41a  下側配線層
 41b  上側配線層
 42   第2の配線電極
 43、44、45、46、47、48、49 配線電極
 50   基板
 50a  主面
 52   IDT電極
 61   誘電体膜
 65   支持層
 66   カバー層
 67   ビア電極
 68   空気層
 520a、520b IDT電極
 521、521a、521b バスバー電極
 522、522a、522b 電極指
 523  密着層
 524  主電極層
 cp1、cp2、cp3、cp4、cp5、cp6 接続点
 E1   露出部
 L1、L2、L3 インダクタ
 P1、P2、P3、P4、NP1 並列共振子
 S1、S2、S3、S4、S5、NS1、NS2 直列共振子
 Ta   アンテナ端子
 T1   第1端子
 T2   第2端子
 w0、w1、w2 配線

請求の範囲

[請求項1]
 圧電性を有する基板と、
 前記基板上に設けられたIDT電極を含む第1フィルタと、
 前記基板上に設けられた端子用電極と、
 前記基板上に設けられ、前記第1フィルタと前記端子用電極とをつなぐ第1の配線電極と、
 前記IDT電極を覆うように基板上に設けられた誘電体膜と
 を備え、
 前記第1の配線電極の少なくとも一部は、前記誘電体膜に覆われていない
 フィルタ装置。
[請求項2]
 前記端子用電極は、前記誘電体膜に覆われておらず、アンテナ端子に接続される
 請求項1に記載のフィルタ装置。
[請求項3]
 さらに、
 前記基板上に設けられ、前記IDT電極と異なるIDT電極を含む第2フィルタと、
 前記基板上に設けられ、前記第2フィルタと前記端子用電極とをつなぐ第2の配線電極と
 を備え、
 前記第2フィルタの前記IDT電極は、前記誘電体膜に覆われ、
 前記第2の配線電極の少なくとも一部は、前記誘電体膜に覆われていない
 請求項1または2に記載のフィルタ装置。
[請求項4]
 前記第1の配線電極および前記第2の配線電極のそれぞれは、全てが誘電体膜に覆われていない
 請求項3に記載のフィルタ装置。
[請求項5]
 前記第1の配線電極および前記第2の配線電極の前記誘電体膜に覆われていない部分は、空気層に接している
 請求項3または4に記載のフィルタ装置。
[請求項6]
 前記第1の配線電極上および前記第2の配線電極上には、カバー層が設けられ、
 前記空気層は、前記第1の配線電極および前記第2の配線電極と、前記カバー層との間に設けられている
 請求項5に記載のフィルタ装置。
[請求項7]
 前記第1フィルタの前記IDT電極および前記第2フィルタの前記IDT電極のそれぞれは、櫛歯状であり、複数の電極指と前記複数の電極指に接続されたバスバー電極とを含む
 請求項3~6のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
[請求項8]
 前記誘電体膜は、酸化ケイ素を含む
 請求項1~7のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
[請求項9]
 圧電性を有する基板上に、IDT電極を含む第1フィルタ、アンテナ端子に接続される端子用電極、および、前記第1フィルタと前記端子用電極とをつなぐ配線電極を形成する工程と、
 前記IDT電極、前記端子用電極、および、前記配線電極を覆うように前記基板上に誘電体膜を形成する工程と、
 前記端子用電極上、および、前記配線電極上に形成された前記誘電体膜を除去する工程と
 を含むフィルタ装置の製造方法。
[請求項10]
 圧電性を有する基板と、前記基板上に設けられた第1フィルタおよび端子用電極と、前記基板上に設けられ、前記第1フィルタと前記端子用電極とをつなぐ配線電極とを備えるフィルタ装置の製造方法であって、
 前記基板上に、IDT電極を含む前記第1フィルタ、および、前記配線電極のうちの一部の厚み部分を構成する下側配線層を形成する工程と、
 前記IDT電極および前記下側配線層を覆うように前記基板上に誘電体膜を形成する工程と、
 前記誘電体膜のうち、前記配線電極の残りの厚み部分を構成する上側配線層が形成される領域および前記端子用電極が形成される領域を除去する工程と、
 前記誘電体膜を除去した領域に、前記上側配線層および前記端子用電極を形成する工程と
 を含むフィルタ装置の製造方法。
[請求項11]
 圧電性を有する基板と、
 前記基板上に設けられた弾性波素子を含む第1フィルタと、
 前記基板上に設けられた端子用電極と、
 前記基板上に設けられ、前記第1フィルタと前記端子用電極とをつなぐ第1の配線電極と、
 前記弾性波素子を覆うように基板上に設けられた誘電体膜と
 を備え、
 前記第1の配線電極の少なくとも一部は、前記誘電体膜に覆われていない
 フィルタ装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]