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1. (WO2019049342) ELECTRIC VEHICLE CONTROL DEVICE, ELECTRIC VEHICLE CONTROL METHOD, ELECTRIC VEHICLE CONTROL PROGRAM, AND ELECTRIC TWO-WHEELED VEHICLE
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明 細 書

発明の名称 電動車両制御装置、電動車両制御方法、電動車両制御プログラムおよび電動二輪車

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

発明の効果

0024  

図面の簡単な説明

0025  

発明を実施するための形態

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073  

符号の説明

0074  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 電動車両制御装置、電動車両制御方法、電動車両制御プログラムおよび電動二輪車

技術分野

[0001]
 本発明は、電動車両制御装置、電動車両制御方法、電動車両制御プログラムおよび電動二輪車に関する。

背景技術

[0002]
 モータを動力源とした電動二輪車(二輪EV)が知られている(特許文献1参照)。電動二輪車を駐車する場合等において、運転者(ユーザ)は電動二輪車から降車し、電動二輪車を押して歩く必要がある。ユーザが電動二輪車を押して歩く動作のことを「押し歩き動作」という。また、電動二輪車の方向を変える場合等において、ユーザが電動二輪車を引っ張って後退させることがある。ユーザが電動二輪車を引っ張って後退させる動作のことを「リバース動作」という。
[0003]
 なお、特許文献2には、モータ駆動速度を制限した押し歩き制御モードを有するモータ制御部と、押し歩き制御モード時にモータの正転と逆転を選択可能なトグルスイッチと、を備える電動二輪車が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2013-248971号公報
特許文献2 : 特開2006-051853号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、モータが無通電状態であっても、モータの磁石と鉄心との間には磁気的吸引力(コギングトルク)が発生する。このため、押し歩き動作またはリバース動作を行う際、ユーザに負担が掛かる。特に、車輪とモータの間にクラッチを設けない電動二輪車(クラッチレス電動二輪車)の場合、常に車輪とモータが機械的に接続されているため、ユーザに大きな負担が掛かる。
[0006]
 また、大型の電動二輪車の場合、車体の大型化・高重量化により、押し歩き動作やリバース動作を行うことが困難になることが想定される。小型の電動二輪車であっても、今後モータの小型化・高性能化が進展して磁力が強くなるとコギングトルクが大きくなり、押し歩き動作やリバース動作を行うことが困難になると想定される。
[0007]
 上記の事情から、押し歩き動作やリバース動作の際にアシストトルクを出力する電動二輪車が求められている。特許文献2には、押し歩きモードを有する電動二輪車が記載されている。しかしながら、押し歩き制御モードにおいてトグルスイッチが操作されるとすぐにモータが制御されてアシストトルクが発生するため、ユーザに対して急に大きな力が加わるおそれがある。
[0008]
 そこで、本発明は、ユーザの押し歩き動作またはリバース動作に合わせたアシストを行うことができる電動車両制御装置、電動車両制御方法、電動車両制御プログラムおよび電動二輪車を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明に係る電動車両制御装置は、
 アシストスイッチからアシスト要求信号を受け付ける受付部と、
 電動二輪車の車輪の回転情報に基づいて前記車輪が基準量だけ回転したか否かを判定する判定部と、
 前記受付部により前記アシスト要求信号が受け付けられた状態において、前記判定部により前記車輪が前記基準量だけ回転したと判定された場合、アシストトルクを発生するように前記電動二輪車のモータを駆動する駆動部と、
 を備えることを特徴とする。
[0010]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記駆動部は、前記アシスト要求信号が示すアシスト方向と、前記車輪の回転方向とが一致する場合に、前記モータにアシストトルクを出力させるようにしてもよい。
[0011]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記駆動部は、前記アシスト要求信号が示すアシスト方向と、前記車輪の回転方向とが一致しない場合、前記モータに対してブレーキ制御を行うようにしてもよい。
[0012]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記駆動部は、前記モータに交流電力を供給する電力変換部をショート状態にするようにしてもよい。
[0013]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記駆動部は、前記アシストトルクが前記アシストスイッチの押下時間に応じて上限値まで徐々に上昇するように前記モータを駆動するようにしてもよい。
[0014]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記アシストトルクは、前記押下時間に応じて段階的に増加してもよい。
[0015]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記駆動部は、前記アシストスイッチに対する押圧力に応じて前記アシストトルクを出力するように前記モータを駆動するようにしてもよい。
[0016]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記アシストスイッチは、前記電動二輪車が前方に進むようにアシストする前方アシスト、または前記電動二輪車が後方に進むようにアシストする後方アシストを選択可能に構成されていてもよい。
[0017]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記受付部は、前記アシスト要求信号として、前方アシストを要求する前方アシスト要求信号、または後方アシストを要求する後方アシスト要求信号を受け付けるようにしてもよい。
[0018]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記後方アシスト要求信号が前記受付部により受け付けられたときの前記基準量は、前記前方アシスト要求信号が前記受付部により受け付けられたときの前記基準量よりも小さいようにしてもよい。
[0019]
 また、前記電動車両制御装置において、
 前記アシスト要求信号は、ユーザが前記アシストスイッチを押下している間、前記アシストスイッチから出力されるようにしてもよい。
[0020]
 本発明に係る電動二輪車は、前記電動車両制御装置を備えることを特徴とする。
[0021]
 また、前記電動二輪車において、
 前記車輪と前記モータがクラッチを介さずに機械的に接続されていてもよい。
[0022]
 本発明に係る電動車両制御方法は、
 アシストスイッチからアシスト要求信号を受け付けるステップと、
 電動二輪車の車輪の回転情報に基づいて前記車輪が基準量だけ回転したか否かを判定するステップと、
 前記アシスト要求信号が受け付けられた状態において、前記車輪が前記基準量だけ回転したと判定された場合、アシストトルクを発生するように前記電動二輪車のモータを駆動するステップと、
 を備えることを特徴とする。
[0023]
 本発明に係る電動車両制御プログラムは、
 アシストスイッチからアシスト要求信号を受け付けるステップと、
 電動二輪車の車輪の回転情報に基づいて前記車輪が基準量だけ回転したか否かを判定するステップと、
 前記アシスト要求信号が受け付けられた状態において、前記車輪が前記基準量だけ回転したと判定された場合、アシストトルクを発生するように前記電動二輪車のモータを駆動するステップと、
 をコンピュータに実行させることを特徴とする。

発明の効果

[0024]
 本発明では、受付部によりアシスト要求信号が受け付けられた状態において、判定部により車輪が基準量だけ回転したと判定された場合に、アシストトルクを発生するように電動二輪車のモータを駆動する。よって、本発明によれば、ユーザの押し歩き動作またはリバース動作に合わせたアシストを行うことができる。

図面の簡単な説明

[0025]
[図1] 本発明の実施形態に係る電動二輪車100の概略的構成を示す図である。
[図2] 電力変換部30およびモータ3の概略的構成を示す図である。
[図3] モータ3のロータに設けられた磁石、およびアングルセンサ4を示す図である。
[図4] ロータアングルと、アングルセンサの出力との関係を示す図である。
[図5] 電動車両制御装置1の制御部10の機能ブロック図である。
[図6] アシストトルクと、アシストスイッチの押下時間との関係を示すグラフである。
[図7] 本発明の実施形態に係る電動車両制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
[図8] 変形例に係る電動車両制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0026]
 以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
[0027]
 まず、図1を参照して、実施形態に係る電動二輪車100について説明する。
[0028]
 電動二輪車100は、バッテリから供給される電力を用いてモータを駆動することで前進または後退する車両である。本実施形態では、電動二輪車100は、電動バイク等の電動二輪車である。本実施形態では、電動二輪車100は、モータと車輪がクラッチを介さずに機械的に接続されたクラッチレスの電動二輪車である。
[0029]
 電動二輪車100は、図1に示すように、電動車両制御装置1と、バッテリ2と、モータ3と、アングルセンサ4と、アクセルポジションセンサ5と、アシストスイッチ6と、メータ7と、車輪8と、を備えている。
[0030]
 以下、電動二輪車100の各構成要素について詳しく説明する。
[0031]
 電動車両制御装置1は、電動二輪車100を制御する装置であり、制御部10と、記憶部20と、電力変換部30とを有している。なお、電動車両制御装置1は、電動二輪車100全体を統御するECU(Electronic Control Unit)として構成されてもよい。次に、電動車両制御装置1の各構成要素について詳しく説明する。
[0032]
 制御部10は、電動車両制御装置1に接続された各種装置から情報を入力するとともに、電力変換部30を介してモータ3を駆動制御する。制御部10の詳細については後述する。
[0033]
 記憶部20は、制御部10が用いる情報や、制御部10が動作するためのプログラムを記憶する。この記憶部20は、例えば不揮発性の半導体メモリであるが、これに限定されない。
[0034]
 電力変換部30は、バッテリ2の直流電力を交流電力に変換してモータ3に供給する。この電力変換部30は、図2に示すように、3相のフルブリッジ回路で構成されている。半導体スイッチQ1,Q3,Q5はハイサイドスイッチであり、半導体スイッチQ2,Q4,Q6はローサイドスイッチである。半導体スイッチQ1~Q6の制御端子は、制御部10に電気的に接続されている。電源端子30aと電源端子30bとの間には平滑コンデンサCが設けられている。半導体スイッチQ1~Q6は、例えばMOSFETまたはIGBT等である。
[0035]
 半導体スイッチQ1は、図2に示すように、バッテリ2の正極が接続された電源端子30aと、モータ3の入力端子3aとの間に接続されている。同様に、半導体スイッチQ3は、電源端子30aと、モータ3の入力端子3bとの間に接続されている。半導体スイッチQ5は、電源端子30aと、モータ3の入力端子3cとの間に接続されている。
[0036]
 半導体スイッチQ2は、モータ3の入力端子3aと、バッテリ2の負極が接続された電源端子30bとの間に接続されている。同様に、半導体スイッチQ4は、モータ3の入力端子3bと、電源端子30bとの間に接続されている。半導体スイッチQ6は、モータ3の入力端子3cと、電源端子30bとの間に接続されている。なお、入力端子3aはU相の入力端子であり、入力端子3bはV相の入力端子であり、入力端子3cはW相の入力端子である。
[0037]
 バッテリ2は、電力変換部30に直流電力を供給する。このバッテリ2は、バッテリ管理ユニット(BMU)を含む。バッテリ管理ユニットは、バッテリ2の電圧やバッテリ2の状態(充電率等)に関する情報を制御部10に送信する。
[0038]
 なお、バッテリ2の数は一つに限らず、複数であってもよい。バッテリ2は、例えばリチウムイオン電池であるが、他の種類のバッテリであってもよい。バッテリ2は、異なる種類(例えば、リチウムイオン電池と鉛電池)のバッテリから構成されてもよい。
[0039]
 モータ3は、電力変換部30から供給される交流電力により駆動される。このモータ3は、車輪8に機械的に接続されており、所望の方向に車輪8を回転させる。本実施形態では、モータ3は、クラッチを介さずに車輪8に機械的に接続されている。なお、モータ3の種類は特に限定されない。
[0040]
 アングルセンサ4は、モータ3のロータの回転角度を検出するセンサである。図3に示すように、モータ3のロータの周面には、N極とS極の磁石(センサマグネット)が交互に取り付けられている。アングルセンサ4は、例えばホール素子により構成されており、モータ3の回転に伴う磁場の変化を検出する。なお、磁石は、フライホイール(図示せず)の内側に設けられてもよい。
[0041]
 図3に示すように、アングルセンサ4は、U相アングルセンサ4uと、V相アングルセンサ4vと、W相アングルセンサ4wとを有している。本実施形態では、U相アングルセンサ4uとV相アングルセンサ4vとはモータ3のロータに対して30°の角度をなすように配置されている。同様に、V相アングルセンサ4vとW相アングルセンサ4wとはモータ3のロータに対して30°の角度をなすように配置されている。
[0042]
 図4に示すように、U相アングルセンサ4u、V相アングルセンサ4vおよびW相アングルセンサ4wは、ロータアングル(角度位置)に応じた位相のパルス信号を出力する。
[0043]
 また、図4に示すように、所定のロータアングルごとに、ロータステージを示す番号(ロータステージ番号)が割り振られている。ロータステージはモータ3のロータの角度位置を示しており、本実施形態では、電気角で60°ごとにロータステージ番号1,2,3,4,5,6が割り振られている。ロータステージは、U相アングルセンサ4u、V相アングルセンサ4vおよびW相アングルセンサ4wの出力信号のレベル(HレベルまたはLレベル)の組合せにより定義されている。例えば、ロータステージ番号1は(U相、V相、W相)=(H,L,H)であり、ロータステージ番号2は(U相、V相、W相)=(H,L,L)である。
[0044]
 アクセルポジションセンサ5は、ユーザのアクセル操作により設定されたアクセル操作量を検知し、電気信号として制御部10に送信する。ユーザが加速したい場合に、アクセル操作量は大きくなる。
[0045]
 アシストスイッチ6は、ユーザが電動二輪車100のアシストを要求する際に操作されるスイッチである。アシストスイッチ6は、ユーザにより操作されると、アシスト要求信号を制御部10に送信する。このアシスト要求信号は、本実施形態では、ユーザがアシストスイッチ6を押下している間(すなわち、ユーザがアシストを希望する間)、アシストスイッチ6から出力される。なお、アシスト要求信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
[0046]
 本実施形態では、アシストスイッチ6は、電動二輪車100が前進するようにアシストする前方アシスト、または、電動二輪車100が後退するようにアシストする後方アシストを選択可能に構成されている。例えば、アシストスイッチ6は、前方アシスト用の第1のスイッチ(図示せず)と、後方アシスト用の第2のスイッチ(図示せず)とを有する。例えば、第1のスイッチが押下された場合、前方アシストを要求する信号(前方アシスト要求信号)が制御部10に送信され、第2のスイッチが押下された場合、後方アシストを要求する信号(後方アシスト要求信号)が制御部10に送信される。なお、アシストスイッチ6はトグルスイッチで構成されてもよい。この場合、スイッチの操作レバーが倒された方向によりアシスト方向が決まる。
[0047]
 メータ7は、電動二輪車100に設けられたディスプレイ(例えば液晶パネル)であり、各種情報を表示する。具体的には、電動二輪車100の走行速度、バッテリ2の残量、現在時刻、走行距離などの情報がメータ7に表示される。本実施形態では、メータ7は、電動二輪車100のハンドル(図示せず)に設けられる。
[0048]
 次に、電動車両制御装置1の制御部10について詳しく説明する。
[0049]
 図5に示すように、制御部10は、アシストスイッチ6からアシスト要求信号を受け付ける受付部11と、車輪8が基準量だけ回転したか否かを判定する判定部12と、電力変換部30を介してモータ3を駆動する駆動部13と、を有している。なお、制御部10の各部における処理は、ソフトウェア(プログラム)により実現することが可能である。
[0050]
 受付部11は、ユーザ操作に応じてアシストスイッチ6から出力されるアシスト要求信号を受け付ける。本実施形態では、受付部11は、アシスト要求信号として、前方アシスト要求信号または後方アシスト要求信号を受け付ける。なお、受付部11は、アクセルポジションセンサ5、バッテリ2のBMU、アングルセンサ4から出力される各種信号を受け付けてもよい。
[0051]
 判定部12は、電動二輪車100の車輪8の回転情報に基づいて車輪8が基準量だけ回転したか否かを判定する。本実施形態では、回転情報は、アングルセンサ4の出力信号に基づいて算出された車輪8の回転角度である。なお、回転情報は、回転速度、回転数であってもよい。基準量は、任意に定めることが可能であるが、例えば0.5~1cmである。この場合、基準量は車輪8の回転角度に車輪8の半径を乗じることで求められる。なお、基準量は車輪8の回転角度そのものであってもよい。
[0052]
 駆動部13は、電力変換部30の半導体スイッチQ1~Q6に制御信号を送信する。より詳しくは、駆動部13は、目標トルクに基づいて算出された通電タイミングとデューティ比を有するPWM信号を生成し、半導体スイッチQ1~Q6に出力する。これにより、モータ3は目標トルクを発生するように駆動される。
[0053]
 この駆動部13は、受付部11によりアシスト要求信号が受け付けられた状態において、判定部12により車輪8が基準量だけ回転したと判定された場合、アシストトルクを発生するようにモータ3を駆動する。
[0054]
 上記のように、本実施形態の電動車両制御装置1では、アシスト要求信号を受け付けた状態において車輪8が基準量だけ回転したと判定された場合に、アシストトルクを発生するようにモータ3を駆動する。これにより、ユーザの押し歩き動作やリバース動作に合わせたアシストが可能となる。その結果、ユーザに優しく、スムーズなアシストを行うことができる。
[0055]
 なお、駆動部13は、アシスト要求信号が示すアシスト方向と、車輪8の回転方向とが一致する場合に、モータ3にアシストトルクを出力させてもよい。すなわち、アシスト方向と車輪8の回転方向とが一致しない場合はモータトルクを出力しないようにしてもよい。これにより、ユーザが意図しない方向のアシストを防止し、安全性を向上させることができる。
[0056]
 また、駆動部13は、アシスト要求信号が示すアシスト方向と、車輪8の回転方向とが一致しない場合、モータ3に対してブレーキ制御を行ってもよい。これにより、ユーザが要求したアシスト方向と逆方向に電動二輪車100が動いた場合にブレーキがかかるため、アシストの安全性をさらに向上させることができる。
[0057]
 ブレーキ制御は、モータ3にブレーキトルク(車輪8の回転方向と反対方向のトルク)を発生させることで行われる。あるいは、駆動部13は、モータ3をショート状態にすることでブレーキ制御を行ってもよい。ここで、ショート状態とは、電力変換部30のハイサイドスイッチ(半導体スイッチQ1,Q3,Q5)およびローサイドスイッチ(半導体スイッチQ2,Q4,Q6)のうち一方をオンにし、他方をオフにした状態のことである。また、駆動部13は、ブレーキ制御として、ハイサイドスイッチをオフにし、ローサイドスイッチを繰り返しオン/オフしてもよい。
[0058]
 また、駆動部13は、アシストスイッチ6の押下時間に応じてアシストトルクが上限値まで徐々に上昇するようにモータ3を駆動してもよい。例えば、図6のグラフに示すように、駆動部13は、ユーザのアシストスイッチ6に対する押下時間に応じてアシストトルクが段階的に増加するようにモータ3を駆動してもよい。これにより、ユーザはアシスト量を簡易に調整することができる。なお、アシストトルクは、アシストスイッチ6の押下時間に応じて滑らかに増加してもよい。また、駆動部13は、アシストスイッチ6の押下時間が長くなるにつれてアシストトルクの増加量が大きくなるようにモータ3を駆動してもよい。
[0059]
 また、アシストスイッチ6が感圧式のスイッチである場合、駆動部13は、アシストスイッチ6に対する押圧力に応じてアシストトルクを出力するようにモータ3を駆動してもよい。これにより、ユーザはアシスト量を簡易に調整することができるとともに、ユーザが要求するアシスト量を迅速に出力することができる。
[0060]
 次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係る電動車両制御方法の一例について説明する。
[0061]
 まず、受付部11は、前方アシスト要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS11)。
[0062]
 前方アシスト要求信号を受信した場合(S11:Yes)、判定部12は、車輪8が前方に基準量だけ回転したか否かを判定する(ステップS12)。そして、車輪8が前方に基準量だけ回転したと判定された場合(S12:Yes)、駆動部13は、モータ3を駆動して前方アシストを行う(ステップS13)。すなわち、駆動部13は、正転方向のアシストトルクを発生するようにモータ3を駆動する。
[0063]
 一方、前方アシスト要求信号を受信していない場合(S11:No)、受付部11は、後方アシスト要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS14)。後方アシスト要求信号を受信していれば、判定部12は、車輪8が後方に基準量だけ回転したか否かを判定する(ステップS15)。そして、車輪8が後方に基準量だけ回転したと判定された場合(S15:Yes)、駆動部13は、モータ3を駆動して後方アシストを行う(ステップS16)。すなわち、駆動部13は、逆転方向のアシストトルクを発生するようにモータ3を駆動する。
[0064]
 上記の制御フローでは、アシストスイッチ6に入力されたアシスト要求方向と、実際の車輪8の回転方向が一致した場合にモータ3にアシストトルクを発生させ、不一致の場合には(S12:No、S15:No)アシストトルクを発生させない。これにより、ユーザが意図しない方向のアシストを防止し、安全性を向上させることができる。例えば、ユーザがアシストスイッチ6の操作を誤ったために、前方アシストを希望していたのにもかかわらず、アシストスイッチ6から後方アシスト要求信号が出力された場合が考えられる。このような場合、ユーザの押し歩き動作による車輪8の回転(正転)とアシスト要求方向とが一致しないため、アシストトルクは発生しない。よって、ユーザが意図しないアシストを防止して安全性を向上させることができる。
[0065]
 なお、上記の処理フローにおいて、ステップS12における基準量と、ステップS15における基準量が異なってもよい。例えば、ステップS15における第1の基準量がステップS12における第2の基準量よりも小さくてもよい。これにより、押し歩き動作に比べてユーザの負担が大きいリバース動作に対するアシストの開始タイミングを早めることができる。
[0066]
 駆動部13は、アシストスイッチ6に入力されたアシスト要求方向と、実際の車輪8の回転方向が不一致の場合に、前述のブレーキ制御を行ってもよい。このような変形例による電動車両制御方法を図8のフローチャートに示す。
[0067]
 まず、受付部11は、前方アシスト要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS21)。
[0068]
 前方アシスト要求信号を受信した場合(S21:Yes)、判定部12は、車輪8が前方に基準量だけ回転したか否かを判定する(ステップS22)。そして、車輪8が前方に基準量だけ回転したと判定された場合(S22:Yes)、駆動部13は、モータ3を駆動して前方アシストを行う(ステップS23)。車輪8が前方に基準量だけ回転していないと判定された場合(S22:No)、車輪8が後方に回転したか否かを判定する(ステップS24)。そして、車輪8が後方に回転したと判定された場合(S24:Yes)、駆動部13はモータ3に対してブレーキ制御を行う(ステップS25)。車輪8が後方に回転していないと判定された場合(S24:No)、ステップS21の判定に戻る。
[0069]
 一方、前方アシスト要求信号を受信していない場合(S21:No)、受付部11は、後方アシスト要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS26)。そして、後方アシスト要求信号を受信した場合(S26:Yes)、車輪8が後方に回転したか否かを判定する(ステップS27)。そして、車輪8が後方に基準量だけ回転したと判定された場合(S27:Yes)、駆動部13は、モータ3を駆動して後方アシストを行う(ステップS28)。車輪8が後方に基準量だけ回転していないと判定された場合(S27:No)、車輪8が前方に回転したか否かを判定する(ステップS29)。そして、車輪8が前方に回転したと判定された場合(S29:Yes)、駆動部13はモータ3に対してブレーキ制御を行う(ステップS30)。車輪8が前方に回転していないと判定された場合(S29:No)、ステップS21の判定に戻る。
[0070]
 上記変形例に係る制御方法によれば、ユーザが要求したアシスト方向と逆方向に電動二輪車100が動いた場合にブレーキがかかるため、アシストの安全性をさらに向上させることができる。
[0071]
 上述した実施形態で説明した電動車両制御装置1(制御部10)の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、制御部10の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
[0072]
 また、制御部10の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
[0073]
 上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。

符号の説明

[0074]
1 電動車両制御装置
2 バッテリ
3 モータ
4 アングルセンサ
4u U相アングルセンサ
4v V相アングルセンサ
4w W相アングルセンサ
5 アクセルポジションセンサ
6 アシストスイッチ
7 メータ
8 車輪
10 制御部
11 受付部
12 判定部
13 駆動部
20 記憶部
30 電力変換部
100 電動二輪車

請求の範囲

[請求項1]
 アシストスイッチからアシスト要求信号を受け付ける受付部と、
 電動二輪車の車輪の回転情報に基づいて前記車輪が基準量だけ回転したか否かを判定する判定部と、
 前記受付部により前記アシスト要求信号が受け付けられた状態において、前記判定部により前記車輪が前記基準量だけ回転したと判定された場合、アシストトルクを発生するように前記電動二輪車のモータを駆動する駆動部と、
 を備えることを特徴とする電動車両制御装置。
[請求項2]
 前記駆動部は、前記アシスト要求信号が示すアシスト方向と、前記車輪の回転方向とが一致する場合に、前記モータにアシストトルクを出力させることを特徴とする請求項1に記載の電動車両制御装置。
[請求項3]
 前記駆動部は、前記アシスト要求信号が示すアシスト方向と、前記車輪の回転方向とが一致しない場合、前記モータに対してブレーキ制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の電動車両制御装置。
[請求項4]
 前記駆動部は、前記モータに交流電力を供給する電力変換部をショート状態にすることを特徴とする請求項3に記載の電動車両制御装置。
[請求項5]
 前記駆動部は、前記アシストトルクが前記アシストスイッチの押下時間に応じて上限値まで徐々に上昇するように前記モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の電動車両制御装置。
[請求項6]
 前記アシストトルクは、前記押下時間に応じて段階的に増加することを特徴とする請求項5に記載の電動車両制御装置。
[請求項7]
 前記駆動部は、前記アシストスイッチに対する押圧力に応じて前記アシストトルクを出力するように前記モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の電動車両制御装置。
[請求項8]
 前記アシストスイッチは、前記電動二輪車が前方に進むようにアシストする前方アシスト、または前記電動二輪車が後方に進むようにアシストする後方アシストを選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置を備える電動車両制御装置。
[請求項9]
 前記受付部は、前記アシスト要求信号として、前方アシストを要求する前方アシスト要求信号、または後方アシストを要求する後方アシスト要求信号を受け付けることを特徴とする請求項8に記載のモータ制御装置を備える電動車両制御装置。
[請求項10]
 前記後方アシスト要求信号が前記受付部により受け付けられたときの前記基準量は、前記前方アシスト要求信号が前記受付部により受け付けられたときの前記基準量よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の電動車両制御装置。
[請求項11]
 前記アシスト要求信号は、ユーザが前記アシストスイッチを押下している間、前記アシストスイッチから出力されることを特徴とする請求項8に記載の電動車両制御装置。
[請求項12]
 請求項1に記載の電動車両制御装置を備えることを特徴とする電動二輪車。
[請求項13]
 前記車輪と前記モータがクラッチを介さずに機械的に接続されていることを特徴とする請求項12に記載の電動二輪車。
[請求項14]
 アシストスイッチからアシスト要求信号を受け付けるステップと、
 電動二輪車の車輪の回転情報に基づいて前記車輪が基準量だけ回転したか否かを判定するステップと、
 前記アシスト要求信号が受け付けられた状態において、前記車輪が前記基準量だけ回転したと判定された場合、アシストトルクを発生するように前記電動二輪車のモータを駆動するステップと、
 を備えることを特徴とする電動車両制御方法。
[請求項15]
 アシストスイッチからアシスト要求信号を受け付けるステップと、
 電動二輪車の車輪の回転情報に基づいて前記車輪が基準量だけ回転したか否かを判定するステップと、
 前記アシスト要求信号が受け付けられた状態において、前記車輪が前記基準量だけ回転したと判定された場合、アシストトルクを発生するように前記電動二輪車のモータを駆動するステップと、
 をコンピュータに実行させることを特徴とする電動車両制御プログラム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]