Algum conteúdo deste aplicativo está indisponível no momento.
Se esta situação persistir, por favor entre em contato conoscoFale conosco & Contato
1. (WO2019043895) DOUBLE-SIDE POLISHING METHOD FOR SILICON WAFER
Document

明 細 書

発明の名称 シリコンウェーハの両面研磨方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041  

実施例

0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050  

産業上の利用可能性

0051  

符号の説明

0052  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : シリコンウェーハの両面研磨方法

技術分野

[0001]
 本発明は、シリコンウェーハの表面および裏面を同時に研磨するシリコンウェーハの両面研磨方法に関する。

背景技術

[0002]
 シリコンウェーハを製造するためのプロセスは、主に、単結晶インゴットを作製するための単結晶引上工程と、作製された単結晶インゴットの加工工程からなる。この加工工程は、一般に、スライス工程、ラッピング工程、面取り工程、エッチング工程、研磨工程、洗浄工程等を含み、これら工程を経ることにより、表面が鏡面加工されたシリコンウェーハが製造される。
[0003]
 研磨工程では、シリコンウェーハと研磨布とを相対的に回転、摺動させて行うメカノケミカル研磨(CMP)が一般的である。CMPでは、研磨液中の砥粒による機械的研磨作用と、研磨液(アルカリ水溶液)による化学的研磨作用とを複合させており、これにより、優れた平滑性が得られることが知られている。この研磨工程では、図5に示すような両面研磨装置を用いてシリコンウェーハの表裏面を同時に研磨する両面研磨工程(粗研磨工程)や、その後、シリコンウェーハの少なくとも片面を鏡面化する仕上げ研磨工程といった多段階の研磨が行われる。
[0004]
 初期段階の粗研磨は、所望とする厚みまでシリコンウェーハを研磨することを目的に行われ、ポリウレタンなどの硬質の研磨布を用いて研磨速度が比較的速い条件で研磨を行い、研磨後のシリコンウェーハ厚さのバラツキを小さく、平坦化するように両面研磨が行われる。最終段階の仕上げ研磨は、シリコンウェーハ表面の粗さを改善することを目的に行われ、スエードのような軟質の研磨布および微小サイズの遊離砥粒を使用して、ナノトポグラフィーやヘイズといったシリコンウェーハ表面上の微小な面粗さのバラツキを低減するように片面研磨が行われる。
[0005]
 特許文献1(請求項1,2及び実施例1等参照)には、シリコンウェーハの表裏面を同時に研磨する粗研磨工程と、その後、粗研磨された面を仕上げ研磨する仕上げ研磨工程とを有するシリコンウェーハの研磨方法において、前記粗研磨は、遊離砥粒を含有する研磨液を使用して自然酸化膜を除去する1次研磨と、該1次研磨後、遊離砥粒を含まないアミン水溶液に水溶性高分子が添加された研磨液を使用して、前記シリコンウェーハの自然酸化膜が除去された表裏面を研磨量が片面5~10μmとなるように研磨する2次研磨とからなるシリコンウェーハの研磨方法が記載されている。そして、実施例1では、1次研磨に使用した両面研磨装置を用いて2次研磨を行っている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特許第5754659号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 特許文献1に記載の2段階の粗研磨は、以下のような設計思想に基づいて行われている。すなわち、両面研磨装置を用いた粗研磨工程では、ウェーハの中心部に比べて外周部の研磨量が多くなりやすく、その結果としてウェーハの外周部がダレることが問題となっている。そこで、特許文献1では、砥粒を含まず水溶性高分子を含む研磨液を用いて粗研磨を行い、この水溶性高分子の作用によって、ウェーハの外周部のダレ量(ROA:Roll Off Amount)を抑制している。さらに、通常、粗研磨工程前のシリコンウェーハの表面には厚さ5~20Å程度の自然酸化膜が存在するところ、砥粒を含まない研磨液では自然酸化膜の除去が困難である。そこで、砥粒を含む研磨液で1次研磨を行うことで、自然酸化膜を除去している。特許文献1の実施例1では、自然酸化膜の除去を含め、研磨量が片面0.5μm(両面1μm)の1次研磨と、その後、研磨量が片面5μm(両面10μm)の2次研磨とを行っている。
[0008]
 しかしながら、特許文献1に記載の両面研磨方法は、1次研磨と2次研磨を共通の両面研磨装置で行うにあたり、砥粒を含む研磨液を用いる1次研磨と、砥粒を含まない研磨液を用いる2次研磨との間の研磨液の切替えについて何ら検討がなされていない。そして、本発明者らの検討によると、この研磨液の切替えを如何に行うかに依存して、2次研磨の開始時にキャリアプレートの振動が発生し、研磨後のシリコンウェーハの表裏面にマイクロスクラッチが発生することが判明した。
[0009]
 そこで本発明は、上記課題に鑑み、研磨後のシリコンウェーハの表裏面にマイクロスクラッチが発生することを抑制できるシリコンウェーハの両面研磨方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討したところ、以下の知見を見出した。両面研磨においては、使用済みの研磨液は回収して研磨液供給用タンクに戻して循環させて、繰り返し研磨液として使用するのが一般的である。そのため、1次研磨と2次研磨を共通の両面研磨装置で行う場合、1次研磨で用いる研磨液と2次研磨で用いる研磨液が混在しないように、1次研磨の終了後、研磨布への研磨液の供給を停止するとともに研磨布に純水を供給して、ウェーハやキャリアプレートに付着した砥粒を除去し、さらに、研磨布を高圧水で洗浄する方法が考えられる。しかしながら、このような場合には、2次研磨の開始時にキャリアプレートからの騒音発生とともにキャリアプレートに振動が発生することが確認された。これは、砥粒がない状態で上下定盤の回転を再開することになるため、研磨布からの押圧力をそのままキャリアプレートに伝播させる結果、ウェーハおよびキャリアプレートと研磨布との摩擦抵抗が増大し、ウェーハへの上下定盤からの加圧負荷が大きくなることに起因すると考えられる。そこで本発明者らは、砥粒がない状態で上下定盤の回転を再開しなくて済む研磨液の切替え手法について検討した。そして、1次研磨で用いる研磨液と2次研磨で用いる研磨液が混在しないようにするのではなく、むしろ、意図的に両方の研磨液を混在させた状態で研磨する遷移期間を設けることで、キャリアプレートの振動を抑制し、結果、マイクロスクラッチの発生を抑制できるのではないかと想起し、それが正しいことを実験的に確認した。
[0011]
 本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
 (1)シリコンウェーハを保持する1以上の保持孔を有するキャリアプレートと、前記キャリアプレートを挟んで対向して位置し、表面に研磨布が設けられた上定盤および下定盤と、を有する両面研磨装置を用いて、前記保持孔内に装填したシリコンウェーハの表面および裏面に、それぞれ前記上定盤および前記下定盤の研磨布を接触させた状態で、前記上定盤および前記下定盤と前記キャリアプレートとを相対回転させることで、前記シリコンウェーハの表面および裏面を同時に研磨するシリコンウェーハの両面研磨方法であって、
 砥粒を含むアルカリ水溶液からなる第1の研磨液を前記研磨布に供給しながら両面研磨を行う第1の研磨工程と、
 前記第1の研磨工程の後、前記シリコンウェーハの表面および裏面に、それぞれ前記上定盤および前記下定盤の研磨布を接触させたまま、かつ、前記上定盤および前記下定盤の回転を継続した状態で、前記第1の研磨液の供給を停止するとともに、砥粒を含まず水溶性高分子を含むアルカリ水溶液からなる第2の研磨液の供給を開始する研磨液切替え工程と、
 前記研磨液切り替え工程の後、前記第2の研磨液を前記研磨布に供給しながら両面研磨を行う第2の研磨工程と、
を連続して有することを特徴とするシリコンウェーハの両面研磨方法。
[0012]
 (2)前記上定盤および前記下定盤が前記シリコンウェーハの表面および裏面に加える面圧力に関して、
 前記第1の研磨工程では、第1の面圧力で両面研磨を行い、その終期において前記面圧力を低下させて、終了時に前記第1の面圧力よりも低い第2の面圧力とし、
 前記第2の研磨工程では前記第2の面圧力で両面研磨を行う、上記(1)に記載のシリコンウェーハの両面研磨方法。
[0013]
 (3)前記第1の面圧力の値に対して前記第2の面圧力の値が5%~40%小さい、上記(2)に記載のシリコンウェーハの両面研磨方法。
[0014]
 (4)前記第1の研磨工程では、前記第1および第2の研磨工程での合計研磨量の80%~99.5%の研磨量の両面研磨を行い、
 前記第2の研磨工程では、片面あたり0.05μm~0.5μmの研磨量の両面研磨を行う、上記(1)~(3)のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの両面研磨方法。
[0015]
 (5)前記第1の研磨工程では、使用済みの第1の研磨液を回収した後、前記研磨布に再度供給し、
 前記第2の研磨工程では、使用済みの研磨液を回収した後、廃棄する、上記(1)~(4)のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの両面研磨方法。

発明の効果

[0016]
 本発明のシリコンウェーハの両面研磨方法によれば、研磨後のシリコンウェーハの表裏面にマイクロスクラッチが発生することを抑制できる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 本発明の一実施形態によるシリコンウェーハの両面研磨方法のフロー図である。
[図2] 比較例1によるシリコンウェーハの両面研磨方法のフロー図である。
[図3] 比較例2によるシリコンウェーハの両面研磨方法のフロー図である。
[図4] 本発明の一実施形態によるシリコンウェーハの両面研磨方法において、シリコンウェーハに加わる面圧力の切替え、スラリー供給の切替え、及び使用済み研磨液の処理方法の切替えを説明する図である。
[図5] 本発明の一実施形態によるシリコンウェーハの両面研磨方法において使用される両面研磨装置100の模式図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 まず、図5を参照して、本発明の一実施形態によるシリコンウェーハの両面研磨方法において使用される両面研磨装置100の基本的な構成を説明する。両面研磨装置100は、キャリアプレート10と、このキャリアプレート10を挟んで対向して位置する上定盤14および下定盤16とを有する。キャリアプレート10には、シリコンウェーハWを保持する複数の保持孔12(図5では代表して1つを図示)が設けられており、ここに1枚ずつシリコンウェーハWが装填される。上下定盤14,16の表面には、それぞれ研磨布18,20が設けられている。上下定盤14,16の中心部にはサンギア22が設けられ、外周部にはインターナルギア24が設けられている。
[0019]
 研磨液は、研磨液供給ライン26から、上定盤14を鉛直方向に貫通する流路を経由して、上下定盤14,16間に供給される。なお、研磨液の供給・回収機構の詳細は後述する。
[0020]
 この両面研磨装置100では、複数の孔12に装填した複数枚のシリコンウェーハWを上定盤14および下定盤16で挟み込み、シリコンウェーハWの表面および裏面にそれぞれ研磨布18,20を接触させた状態で、研磨液を研磨布18,20に供給しながら、サンギア22とインターナルギア24を回転させることにより、上定盤14および下定盤16とキャリアプレート10とを相対回転させる。これにより、複数枚のシリコンウェーハWの表面および裏面を同時に研磨することができる。
[0021]
 なお、本発明のシリコンウェーハの両面研磨方法に用いることができる両面研磨装置の構成は上記に限定されず、サンギア(遊星歯車)方式のもの、または、キャリアプレートに自転を伴わない円運動をさせる無サンギア方式のものを採用することができる。
[0022]
 本実施形態では、シリコンウェーハの粗研磨として、まず、砥粒を含むアルカリ水溶液からなる第1の研磨液を研磨布18,20に供給しながら両面研磨を行う第1の研磨工程を行い、引き続き、第1の研磨工程を行った両面研磨装置100を用いて、砥粒を含まず水溶性高分子を含むアルカリ水溶液からなる第2の研磨液を研磨布18,20に供給しながら両面研磨を行う第2の研磨工程を行う。
[0023]
 本実施形態における第1の研磨工程は、砥粒を含む研磨液によってシリコンウェーハWの表層に形成されている厚さ5~20Å程度の自然酸化膜を除去するとともに、ほぼ目標とする厚みまでシリコンウェーハWを研磨することを目的に行う。
[0024]
 第1および第2の研磨工程での合計研磨量は、片面あたり概ね2.5μm~10μmの範囲に設定される。第1の研磨工程では、第1および第2の研磨工程での合計研磨量の80%~99.5%の研磨量の両面研磨を行う。第1の研磨工程の研磨量が、合計研磨量の80%未満の場合、目標厚みとするために研磨レートの低い第2の研磨工程を多く行う必要が生じ、生産性を損ねる。一方で、第1の研磨工程の研磨量が、合計研磨量の99.5%超えの場合、第2の研磨工程における研磨取り代量が少なくなり過ぎるため、ウェーハの外周部のダレ量を抑制する効果が十分でなくなる。
[0025]
 これに対し、本実施形態における第2の研磨工程は、砥粒を含まず水溶性高分子を含む研磨液を用いてシリコンウェーハWの両面をわずかに研磨することによって、ウェーハの外周部のダレ量を抑制することを目的に行う。具体的には、第2の研磨工程では、片面あたり0.05μm~0.5μmの研磨量の両面研磨を行う。片面あたりの研磨量が0.05μm未満の場合、ウェーハの外周部のダレ量を抑制する効果が十分でなくなる。一方で、砥粒を含まず水溶性高分子を含む研磨液は研磨レートが低いため、片面あたりの研磨量が0.5μmを超えると、生産性を損ねることになる。
[0026]
 特許文献1では、砥粒を含む研磨液を用いる1次研磨は、主に自然酸化膜を除去することを目的としているため、その研磨量は片面あたり0.5μmであり、砥粒を含まず水溶性高分子を含む研磨液を用いる2次研磨によって、研磨量が片面5~10μmの両面研磨を行うことで、目標とする厚みを実現している。これに対して本実施形態では、研磨レートの高い1次研磨を主に行って目標厚みを実現することで高い生産性を実現している。一方で、2次研磨に関しても、片面あたり0.05μm以上の研磨量を確保すれば、ウェーハの外周部のダレ量は十分に抑制できる。
[0027]
 第1の研磨液および第2の研磨液はどちらも、pHが9~12の範囲に調整されたものであることが好ましい。pH9未満では、エッチング作用が低くなりすぎてしまい、シリコンウェーハの表面にスクラッチ、傷などの加工起因の欠陥が発生し易くなる。pH12を超えると溶液の取り扱いそのものが困難となる。また、アルカリ剤としては、塩基性アンモニウム塩、塩基性カリウム塩、塩基性ナトリウム塩の何れかが添加されたアルカリ性水溶液もしくは炭酸アルカリ水溶液、あるいはアミンが添加されたアルカリ性水溶液を用いることが好ましい。その他、ヒドラジンやアミン類の水溶液を採用することができ、研磨レートを高める観点からは、特にアミンを用いることが望ましい。
[0028]
 第1の研磨液において、砥粒は、シリカ、アルミナ、ダイヤモンドなどからなるものを用いることができるが、低コスト、研磨液中での分散性、砥粒の粒径制御の容易性等の理由から、SiO 2粒子を含むことが好ましい。砥粒の平均一次粒径は、BET法で測定した際に30~100nmとすることができる。
[0029]
 第2の研磨液において、水溶性高分子としては、ノニオン系から選択される1種以上を用いることが好ましい。たとえば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレングリコール(PEG)、およびポリプロピレングリコール(PPG)などが挙げられる。水溶性高分子の濃度は、ウェーハの外周部のダレ量を十分に抑制する観点から、1ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましい。また、研磨レートを大きく低下させて生産性を阻害しない観点から、200ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。
[0030]
 研磨布18,20としては、ポリエステル製の不織布からなる研磨布、ポリウレタン製の研磨布などを挙げることができ、特に、シリコンウェーハの研磨面の鏡面化精度に優れた発泡性ポリウレタン製の研磨布が望ましい。研磨布18,20は、JIS K 6253-1997/ISO 7619により規定されたショアD硬度で70~90、圧縮率が1~5%、特に2~3%であることが好ましい。
[0031]
 第1の研磨工程での研磨レートは、0.1~1.0μm/分とすることが好ましく、第2の研磨工程での研磨レートは、0.03~0.5μm/分とすることが好ましい。
[0032]
 上下定盤の回転速度、シリコンウェーハの回転速度、面圧力、および研磨液供給量は、上記研磨レートを実現するように適宜設定すればよい。上下定盤の回転速度は、第1および第2の研磨工程を通じて5rpm~40rpmの範囲とすることができる。面圧力は、50g/cm 2~300g/cm 2の範囲で設定すればよく、第2の研磨工程では砥粒を含まない研磨液を使用し、摩擦抵抗が大きくなるため、第1の研磨工程における面圧力よりも、第2の研磨工程における面圧力を5%~40%低く設定することが望ましい。
[0033]
 ここで、本実施形態は、第1の研磨工程と第2の研磨工程を共通の両面研磨装置100を用いて行う際の、第1の研磨液と第2の研磨液の切替え手法に特徴を有する。本実施形態の技術的意義を説明するため、まずは図2,3を参照して比較例1,2に係る両面研磨方法を説明する。
[0034]
 図2を参照して、比較例1に係る両面研磨方法では、まず、上下定盤がウェーハに接触(着盤)しかつ回転した状態で第1の研磨液を供給することにより、第1の研磨工程を行い(ステップS1)、設定時間の経過後に第1の研磨液の供給を停止する。続いて、第1の研磨液を第2の研磨液と混在させないように、第1の研磨工程後に、純水リンス処理と研磨布洗浄を行う。具体的には、上下定盤がウェーハに着盤しかつ回転したまま、上定盤から研磨布に純水を供給して、ウェーハやキャリアプレートに付着した砥粒を除去する(ステップS2)。次に、上下定盤の回転を停止させ、純水の供給も停止させた後、上定盤を上昇させてウェーハから上定盤を切り離し(離盤)し、下定盤(研磨布上)からキャリアプレートとウェーハを取り出す(ステップS3)。次に、研磨布に高圧水を吹き付けて、研磨布に付着する研磨屑や砥粒などを除去する(ステップS4)。研磨布の洗浄が終わったら、キャリアプレートとシリコンウェーハを元の位置に戻す(ステップS5)。そして、上下定盤をウェーハに着盤させ、回転は停止した状態で、第2の研磨液の供給を開始し、その後上下定盤の回転を再開して、第2の研磨工程を行う(ステップS6)。設定時間の経過後に第2の研磨液の供給を停止する。その後、第1の研磨工程後と同様に、純水リンス処理と研磨布洗浄を行う(ステップS7~S10)。このステップS10では、未研磨の新たなウェーハを装填する。そして、上下定盤をウェーハに着盤させ、回転は停止した状態で、第1の研磨液の供給を開始して、それ以降はステップS1に戻って、新バッチの両面研磨を行う。
[0035]
 次に、図3を参照して、比較例2に係る両面研磨方法では、第1の研磨液を第2の研磨液と混在させないようにしつつ、工程短縮を図るべく、第1の研磨工程後に、純水リンス処理のみを行う(ステップS2)。その後、第2の研磨液の供給を開始し、上下定盤の回転を再開して、第2の研磨工程を行う(ステップS6)。それ以外の工程は、図2と同様である。この方法では、第1の研磨工程と第2の研磨工程との間に、研磨布洗浄工程を有しないことから、上定盤をウェーハから離盤して、再度着盤させる必要がない。
[0036]
 しかしながら、比較例1,2のどちらも、第2の研磨工程(ステップS6)の開始時に、キャリアプレートの振動が発生する。これは、砥粒がない状態で上下定盤の回転を再開することになるため、ウェーハおよびキャリアプレートと研磨布との摩擦抵抗が増大し、ウェーハへの上下定盤からの加圧負荷が大きくなることに起因すると考えられる。
[0037]
 これに対し、図1を参照して、本実施形態では、第1の研磨工程後に、純水リンス処理と研磨布洗浄を行うことなく、そのまま第2の研磨工程に入る。すなわち、第1の研磨工程(ステップS1)の後、上下定盤をウェーハに着盤させたまま、かつ、回転を継続した状態で、第1の研磨液の供給を停止すると同時に、第2の研磨液の供給を開始する(ステップS20:研磨液切り替え工程)。そして、第2の研磨工程(ステップS6)を行う。この場合、砥粒がない状態で上下定盤の回転を再開するという状況にはならず、第2の研磨工程の開始から所定期間(20秒程度)は、砥粒を含む第1の研磨液と砥粒を含まない第2の研磨液とが混在した研磨液によって、両面研磨が進行することになる。そのため、ウェーハへの上下定盤からの加圧負荷が大きくなることがなく、キャリアプレートの振動を抑制できる。その結果、研磨後のシリコンウェーハの表裏面にマイクロスクラッチが発生することを抑制できる。
[0038]
 なお、第2の研磨工程では、開始から所定期間、砥粒を含む第1の研磨液と砥粒を含まない第2の研磨液とが混在する。よって、研磨液の回収、循環、および再利用は回避することが好ましい。そこで、図4に示すように、第1の研磨工程では回収ラインをオンにして、使用済みの第1の研磨液を回収した後、前記研磨布に再度供給し、第2の研磨工程の開始時には、回収ラインをオフにすると同時に廃棄ラインをオンにして、第2の研磨工程では常に、使用済みの研磨液を回収後、廃棄することが好ましい。既述のとおり、本実施形態では第2の研磨工程はごく短時間であるため、使用済み研磨液を再利用しなくとも、研磨液コストを顕著に高くなることはない。
[0039]
 このような使用済み研磨液の処理方法の切替えを実現する研磨液の供給・回収機構を、図5を参照して説明する。第1の研磨液は、第1研磨液用供給タンク32から第1研磨液用供給ライン30に供給され、第2の研磨液は、第2研磨液用供給タンク36から第2研磨液用供給ライン34に供給される。ライン30,34の合流部には切替え弁28が設けられ、この切替え弁を制御することにより、研磨液供給ライン26にどちらの研磨液を供給するかを制御できる。一方、使用済みの研磨液は、下定盤の下方に位置する回収機構(図示せず)から使用済み研磨液回収ライン38に入る。このライン38には、切替え弁40と、ここから分岐する廃液ライン46が設けられており、切替え弁40を制御することにより、使用済み研磨液を、ライン38が接続する回収タンク42に移すか、廃液ライン46に移すかを制御できる。回収タンク42に移された使用済み廃液は、再利用ライン44を介して、第1の研磨液用供給タンク32に戻される。
[0040]
 第1の研磨工程では、切替え弁28を制御して第1研磨液用供給ライン30から砥粒を含む第1の研磨液を供給するともに、切替え弁40を制御して使用済みの第1の研磨液は回収タンク42に回収して、再利用する。第2の研磨工程では、切替え弁28を制御して第2研磨液用供給ライン34から第2の研磨液を供給するとともに、切替え弁40を制御して使用済みの研磨液は廃液ライン46から廃棄する。
[0041]
 次に、第2の研磨工程は砥粒を含まない第2の研磨液を用いて行うため、ウェーハおよびキャリアプレートと研磨布との摩擦抵抗が増大しやすい。そこで、上下定盤がシリコンウェーハの表面に加える面圧力に関して、第2の研磨工程では、第1の研磨工程よりも低い面圧力で行うことが好ましい。これにより、キャリアプレートの振動を確実に防止することができる。その結果、研磨後のシリコンウェーハの表裏面にマイクロスクラッチが発生することをより十分に抑制できる。このとき、本実施形態では、第1の研磨工程と第2の研磨工程を連続して行うため、図4に示すように、第1の研磨工程の終期において面圧力を低下させて、第1の研磨工程の終了時に、第2の研磨工程の面圧力まで低下させる。
実施例
[0042]
 (比較例1)
 図5に示す両面研磨装置を用いて、図2に示すフローに従って、直径300mmのシリコンウェーハ(5枚/バッチ×2バッチ=10枚)の両面研磨を行った。第1の研磨液としては、平均一次粒径70nmのコロイダルシリカ粒子を砥粒として5質量%含むKOH水溶液を用いた。第2の研磨液としては、砥粒を含まず、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を10質量ppm含むピペリジン水溶液を用いた。第1の研磨工程では、上下定盤の回転速度を15rpm、面圧力を250g/cm 2、研磨量は片面あたり5μmの研磨処理を行った。第2の研磨工程では、上下定盤の回転速度を15rpm、面圧力を250g/cm 2、研磨量は片面あたり0.5μmの研磨処理を行った。第1の研磨工程と第2の研磨工程との間に、30秒間の純水リンス工程と、60秒間の研磨布洗浄工程を行った。
[0043]
 (比較例2)
 図5に示す両面研磨装置を用いて、図3に示すフローに従って、直径300mmのシリコンウェーハ(5枚/バッチ×2バッチ=10枚)の両面研磨を行った。すなわち、第1の研磨工程と第2の研磨工程との間で、研磨布の洗浄を行わなかったこと以外は、比較例1と同様の条件・フローである。
[0044]
 (発明例1)
 図5に示す両面研磨装置を用いて、図1に示すフローに従って、直径300mmのシリコンウェーハ(5枚/バッチ×2バッチ=10枚)の両面研磨を行った。第1の研磨液および第2の研磨液は、比較例1,2と同じものを用いた。第1の研磨工程では、上下定盤の回転速度を15rpm、面圧力を250g/cm 2、研磨量は片面あたり5μmの研磨処理を行った。その後、上下定盤をウェーハに着盤させたまま、かつ、回転を継続した状態で、第1の研磨液の供給を停止したと同時に、第2の研磨液の供給を開始した。第2の研磨工程では、上下定盤の回転速度を15rpm、面圧力を250g/cm 2、研磨量は片面あたり0.5μmの研磨処理を行った。図4に示すように、第1の研磨工程では回収ラインをオンにして、第2の研磨工程の開始時には、回収ラインをオフにすると同時に廃棄ラインをオンにした。
[0045]
 (発明例2)
 図4に示すように、第1の研磨工程の最後の10秒間で面圧力を250g/cm 2から200g/cm 2に低下させて、第2の研磨工程は面圧力200g/cm 2で行った。それ以外は、発明例1と同様の条件・フローで両面研磨を行った。
[0046]
 <マイクロスクラッチの評価>
 表面欠陥検査装置(KLA-Tencor社製:Surfscan SP-2)を用いてDWOモード(Dark Field Composite Obliqueモード)を用いて、両面研磨された各ウェーハの裏面を観察し、ウェーハ面内で観察される、欠陥サイズが160nm以上のLPD(Light Point Defect)の数をマイクロスクラッチの発生個数としてカウントした。その結果を表1に示す。
[0047]
[表1]


[0048]
 このように、比較例1,2では多数のマイクロスクラッチが発生したのに対して、発明例1ではマイクロスクラッチを低減することができ、発明例2では、発明例1よりもさらにマイクロスクラッチを低減することができた。
[0049]
 <ウェーハの平坦度評価>
 平坦度測定器(KLA-Tencor社製:Wafer Sight)を用いて、両面研磨された発明例1,2のシリコンウェーハについてESFQR(Edge Site Front least sQuares Range)を評価した。ESFQRは、平坦度の悪化しやすいエッジの平坦度の評価指標(サイトフラットネス)であり、エッジロールオフ量の大きさを示すものである。ESFQRは、ウェーハのエッジに沿ったリング状の領域を周方向にさらに均等に分割して得られる単位領域(サイト)を対象とし、サイト内の厚さ分布から最小二乗法により求められた基準面(Site Best Fit Surface)からの偏差の最大値と最小値との差として定義される。ここでは、ウェーハ最外周から2~32mmの範囲(セクター長30mm)に設定されたリング状の外周領域が周方向に72分割されたサイトのESFQRを測定し、さらに全サイトの平均値ESFQR_meanを求めた。
[0050]
 その結果、発明例1,2のどちらも、平均値ESFQR_meanで30nm以下という外周ダレが抑制された高平坦化されたシリコンウェーハであることが確認された。

産業上の利用可能性

[0051]
 本発明のシリコンウェーハの両面研磨方法によれば、研磨後のシリコンウェーハの表裏面にマイクロスクラッチが発生することを抑制できる。

符号の説明

[0052]
 100 両面研磨装置
 10 キャリアプレート
 12 保持孔
 14 上定盤
 16 下定盤
 18,20 研磨布
 22 サンギア
 24 インターナルギア
 26 研磨液供給ライン
 28 切替え弁
 30 第1研磨液用供給ライン
 32 第1研磨液用供給タンク
 34 第2研磨液用供給ライン
 36 第2研磨液用供給タンク
 38 使用済み研磨液回収ライン
 40 切替え弁
 42 回収タンク
 44 再利用ライン
 46 廃液ライン
 W シリコンウェーハ

請求の範囲

[請求項1]
 シリコンウェーハを保持する1以上の保持孔を有するキャリアプレートと、前記キャリアプレートを挟んで対向して位置し、表面に研磨布が設けられた上定盤および下定盤と、を有する両面研磨装置を用いて、前記保持孔内に装填したシリコンウェーハの表面および裏面に、それぞれ前記上定盤および前記下定盤の研磨布を接触させた状態で、前記上定盤および前記下定盤と前記キャリアプレートとを相対回転させることで、前記シリコンウェーハの表面および裏面を同時に研磨するシリコンウェーハの両面研磨方法であって、
 砥粒を含むアルカリ水溶液からなる第1の研磨液を前記研磨布に供給しながら両面研磨を行う第1の研磨工程と、
 前記第1の研磨工程の後、前記シリコンウェーハの表面および裏面に、それぞれ前記上定盤および前記下定盤の研磨布を接触させたまま、かつ、前記上定盤および前記下定盤の回転を継続した状態で、前記第1の研磨液の供給を停止するとともに、砥粒を含まず水溶性高分子を含むアルカリ水溶液からなる第2の研磨液の供給を開始する研磨液切替え工程と、
 前記研磨液切り替え工程の後、前記第2の研磨液を前記研磨布に供給しながら両面研磨を行う第2の研磨工程と、
を連続して有することを特徴とするシリコンウェーハの両面研磨方法。
[請求項2]
 前記上定盤および前記下定盤が前記シリコンウェーハの表面および裏面に加える面圧力に関して、
 前記第1の研磨工程では、第1の面圧力で両面研磨を行い、その終期において前記面圧力を低下させて、終了時に前記第1の面圧力よりも低い第2の面圧力とし、
 前記第2の研磨工程では前記第2の面圧力で両面研磨を行う、請求項1に記載のシリコンウェーハの両面研磨方法。
[請求項3]
 前記第1の面圧力の値に対して前記第2の面圧力の値が5%~40%小さい、請求項2に記載のシリコンウェーハの両面研磨方法。
[請求項4]
 前記第1の研磨工程では、前記第1および第2の研磨工程での合計研磨量の80%~99.5%の研磨量の両面研磨を行い、
 前記第2の研磨工程では、片面あたり0.05μm~0.5μmの研磨量の両面研磨を行う、請求項1~3のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの両面研磨方法。
[請求項5]
 前記第1の研磨工程では、使用済みの第1の研磨液を回収した後、前記研磨布に再度供給し、
 前記第2の研磨工程では、使用済みの研磨液を回収した後、廃棄する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの両面研磨方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]