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1. (WO2019017324) OPTICAL FIBER AND METHOD FOR PRODUCING SAME
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明 細 書

発明の名称 光ファイバ、及び、その製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072  

符号の説明

0073  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 光ファイバ、及び、その製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、コアとクラッドとの間にディプレスド層を有する光ファイバに関する。また、そのような光ファイバを製造する製造方法に関する。
 本願は、2017年7月18日に日本に出願された特願2017-139349号、及び2018年3月9日に日本に出願された特願2018-043636号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、コアとクラッドとの間にディプレスド層を有する光ファイバが開示されている。特許文献1には、クラッドに対するディプレスド層の比屈折率差Δ 、及び、ディプレスド層の外周半径r2に対するコアの半径r1の比r1/r2を最適化することで、モードフィールド径を維持して汎用光ファイバとの接続損失を小さく抑えながら、曲げ損失が、光ファイバに関する国際規格であるITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)勧告G.657.A1を満たす光ファイバを実現し得ることが記載されている。
[0003]
 なお、モードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)は、ITU-T勧告G.650.1において、Petermann IIの定義式(次式(1))で表される。ここで、E(r)は、光ファイバの中心軸からの距離がrとなる点における電界強度を表す。
[数1]


[0004]
 また、曲げ損失とは、所定の半径を有するマンドレルなどに巻きつけたときの損失の増加分を示す。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開第2016/047749号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 ところで、光ファイバにおいては、接続損失及び曲げ損失に加えて、分散特性を考慮する必要がある。例えば、ITU-T勧告G.652では、ゼロ分散波長ZDWを1300nm以上1324nm以下とし、ゼロ分散スロープを0.073ps/km/nm 以上0.092ps/km/nm 以下とすることが推奨されている。製造ばらつきを考慮すると、ゼロ分散波長が1305nm以上1319nm以下となる光ファイバを設計することが望ましい。
[0007]
 しかしながら、ディプレスド層を有する光ファイバは、ディプレスド層を有さない光ファイバと比べてゼロ分散波長が短くなる傾向がある。特許文献1に記載の光ファイバにおいても、ゼロ分散波長が1305nmを下回る場合がある。したがって、特許文献1に記載の光ファイバには、分散特性を改善する余地が残されている。
[0008]
 なお、ゼロ分散波長とは、波長分散の値がゼロになる波長のことを指す。ここで、波長分散は、材料分散と導波路分散の合計である。また、ゼロ分散スロープとは、ゼロ分散波長における波長に対する波長分散の変化率のことを指す。
[0009]
 本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディプレスド層を有する光ファイバにおいて、低接続損失性と低曲損失性とを両立しながら、分散特性の改善を図ることにある。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る光ファイバは、コアと、上記コアを取り囲むディプレスド層と、上記ディプレスド層を取り囲むクラッドとを備え、上記コアの屈折率分布は、指数αが3.5以上6以下のα乗分布を有し、上記クラッドに対する上記ディプレスド層の比屈折率差Δ は、その絶対値|Δ |が0.01%以上0.045%以下になるように設定されており、上記コアの半径r1及び上記ディプレスド層の外周半径r2は、その比r1/r2が0.2以上0.6以下となるように設定されており、22mのケーブルカットオフ波長λ ccは、1260nm以下であり、波長1310nmにおけるモードフィールド径MFDは、8.6μm以上9.5μm以下である。
[0011]
 本発明の上記第1の態様に係る光ファイバにおいて、上記コアの屈折率分布は、指数αが5以上6以下のα乗分布を有してもよい。
[0012]
 本発明の上記第1の態様に係る光ファイバにおいて、上記比屈折率差Δ は、その絶対値|Δ |が0.01%以上0.03%以下となるように設定されてもよい。
[0013]
 本発明の上記第1の態様に係る光ファイバにおいて、上記半径r1及び上記外周半径r2は、その比r1/r2が0.25以上0.55以下となるように設定されてもよい。
[0014]
 本発明の上記第1の態様に係る光ファイバにおいて、上記クラッドに対する上記コアの比屈折率差Δ は、0.30%以上0.45%以下に設定されてもよい。
[0015]
 本発明の上記第1の態様に係る光ファイバにおいて、ゼロ分散波長ZDWは、1305nm以上であってもよい。
[0016]
 本発明の上記第1の態様に係る光ファイバにおいて、上記ゼロ分散波長ZDWは、1307nm以上であってもよい。
[0017]
 本発明の上記第1の態様に係る光ファイバにおいて、上記モードフィールド径MFDは、8.8μm以上9.4μm以下であってもよい。
[0018]
 本発明の上記第1の態様に係る光ファイバにおいて、(1)半径10mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1550nmにおける損失増加は、0.75dB/turnよりも小さく、(2)半径10mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1625nmにおける損失増加は、1.5dB/turnよりも小さく、(3)半径15mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1550nmにおける損失増加は、0.25dB/10turnよりも小さく、(4)半径15mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1625nmにおける損失増加は、1.0dB/10turnよりも小さくてもよい。
[0019]
 本発明の第2の態様に係る製造方法は、上記第1の態様に係る光ファイバを製造する製造方法であって、上記光ファイバの母材をVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法により製造する工程を含んでいる。

発明の効果

[0020]
 本発明によれば、低接続損失性と低曲損失性とを両立しながら、分散特性の改善を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 本発明の実施形態に係る光ファイバの構造を示す図である。(a)は、その光ファイバの構造を示す断面図(左)及び側面図(右)であり、(b)は、その光ファイバの屈折率分布を示すグラフである。
[図2] 実際の屈折率分布を模したグラフ、及び、本発明の実施形態に係る定義に従って決定された理想的な屈折率分布を示すグラフである。
[図3] コアの屈折率分布をα乗分布とし、クラッドの屈折率分布を一様分布とすることを設計目標としてVAD法により製造した光ファイバ(ディプレスド層なし)の屈折率分布を、設計目標とした屈折率分布と共に表したグラフである。
[図4] コアの屈折率分布がα乗分布を有し、クラッドの屈折率分布が一様分布を有し、ディプレスド層を備えない光ファイバにおけるゼロ分散波長ZDW及びゼロ分散スロープのα依存性を表すグラフである。
[図5] ゼロ分散スロープのαに対する変化率の絶対値|dS/dα|とαとの関係を表すグラフである。
[図6] ゼロ分散波長のαに対する変化率の絶対値|d(ZDW)/dα|とαとの関係を表すグラフである。

発明を実施するための形態

[0022]
 〔光ファイバの構造〕
 本発明の実施形態に係る光ファイバ1の構造について、図1を参照して説明する。図1において、(a)は、光ファイバ1の断面図(左)及び側面図(右)であり、(b)は、光ファイバ1の屈折率分布を示すグラフである。図1の(a)に示す断面構造は、光ファイバ1の中心軸Lに直交する光ファイバ1の各断面において共通である。
[0023]
 光ファイバ1は、シリカガラスを主成分とする円柱状の構造体であり、図1の(a)に示すように、円形(半径r1)状の断面を有するコア11と、コア11を取り囲む円環(内周半径r1,外周半径r2)状の断面を有するディプレスド層12と、ディプレスド層12を取り囲む円環(内周半径r2,外周半径r3)状の断面を有するクラッド13とにより構成される。コア11は、ゲルマニウムなどのアップドーパントが添加された、クラッド13よりも屈折率の高い領域であり、ディプレスド層12は、フッ素などのダウンドーパントが添加された、クラッド13よりも屈折率の低い領域である。
[0024]
 コア11の屈折率は、図1の(b)に示すように、α乗分布により近似される。換言すれば、コア11において、中心軸Lからの距離がrである点の屈折率n(r)は、n(r)=n1[1-2Δ (r/r1) α1/2により近似される。ここで、n1は、中心軸L上の屈折率であり、Δ は、クラッド13に対するコア11の比屈折率差である。なお、αを大きくしていくと、α乗分布は、屈折率が一定となるステップ型の屈折率分布に漸近する。
[0025]
 ディプレスド層12の屈折率は、図1の(b)に示すように、一様分布により近似される。換言すれば、ディプレスド層12において、中心軸Lからの距離がrである点の屈折率n(r)は、n(r)=nd(定数)により近似される。また、クラッド13の屈折率は、図1の(b)に示すように、一様分布により近似される。換言すれば、クラッド13において、中心軸Lからの距離がrである点の屈折率n(r)は、n(r)=n2(定数)により近似される。コア11の最大屈折率n1、ディプレスド層12の屈折率nd、及び、クラッド13の屈折率n2との間には、nd<n2<n1という関係が成り立つ。
[0026]
 以下の説明においては、コア11の最大屈折率n1の代わりに、クラッド13に対するコア11の比屈折率差Δ を用いる。ここで、比屈折率差Δ は、Δ =(n1 -n2 )/(2n1 )×100[%]により定義される量である。また、以下の説明においては、ディプレスド層12の屈折率ndの代わりに、クラッド13に対するディプレスド層12の比屈折率差Δ を用いる。ここで、比屈折率差Δ は、Δ =(nd -n2 )/(2nd )×100[%]により定義される量である。
[0027]
 光ファイバ1の屈折率分布は、上述した定数α,Δ+,Δ-,r1,r2から一義的に定まる。以下、これらの5つの定数を、光ファイバ1の「構造パラメータ」と記載する。
[0028]
 なお、現実の光ファイバ1の屈折率分布n’(r)は、図1の(b)に示す理想的な屈折率分布n(r)に一致しないことがある。しかしながら、現実の光ファイバ1の屈折率分布n’(r)に対しても、下記の手順に従って構造パラメータα,Δ+,Δ-,r1,r2を定義することができる。そして、現実の光ファイバ1の屈折率分布n’(r)は、下記の手順に従って定義された構造パラメータα,Δ+,Δ-,r1,r2から定まる理想的な屈折率分布n(r)によって、精度良く近似される。
[0029]
 ステップ1:現実の光ファイバ1の屈折率分布n’(r)において、クラッド13の屈折率が略一定である範囲の平均値を求め、その平均値をクラッド13の屈折率n2とする。n2の略一定の範囲の算出方法については、例えば、後述するr0の値の5.5倍~6.5倍の範囲のrにおけるn(r)の平均値を用いる。
[0030]
 ステップ2:α乗分布で近似するコアの領域を決定する。現実の屈折率分布n’(r)においては、コアとディプレスド層の境界ではn(r)がrに対して緩やかに変化することがしばしば生じる。例えばこの境界において、rが増加するに従い、n(r)が次第に減少する場合がある。これは、例えばVAD法を用いたプリフォーム(母材)の製造過程において、シリカガラスにドープされたGeやFなどの元素が熱拡散するためだと考えられる。このような屈折率分布において、コア/ディプレスド層の境界を含めてフィッティングした場合、精度よく近似されない可能性がある。一方、コア/ディプレスド層の境界を除いたコア領域についてフィッティングした場合、精度良く近似できる。具体的には、n’(r)のrの一階微分dn’(r)/drの最小値を得るrを求め、これをr0とする。次に、0≦r≦r0の範囲で、n’(r)を最も良く近似する(二乗誤差を最小にする)α乗分布を求め、n1およびαの値を定める。
[0031]
 なお、CVD法(Chemical Vapor Deposition method)を用いて母材を作製することにより、コアとディプレスド層との境界においてn(r)がrに対して緩やかに変化するように意図的に設定した場合であっても、上記フィッティング方法を含む本願の構成を適用することができる。
[0032]
 r1については、n2(すなわち、n(r0×5.5)~n(r0×6.5)の平均値)を得る最小のrを求め、そのrをr1とする。r0<r<r1においては、例えば、実際の屈折率分布を適用してもよいし、その領域についてn(r)=n2と定義してもよい。なお、n2を求める方法としては、例えば、r0×5.5≦r≦r0×6.5の所定間隔毎にサンプリングポイントを取り、各サンプリングポイントにおけるn’(r)の平均値を算出する方法などが挙げられる。この場合、所定間隔は特に限定されないが、例えば、0.5μm、又は、0.5μmより小さい値である。
[0033]
 ステップ3:現実の光ファイバ1の屈折率分布n’(r)において、n’(r)の最小値n minを求め、この最小値n minと屈折率n2との平均値n ave=(n min+n2)/2を求める。そして、現実の光ファイバ1の屈折率分布n’(r)において、n’(r)=n aveとなる最大のrを求め、このrをディプレスド層12の外周半径r2とする。
[0034]
 ステップ4:n’(r)=n aveとなる最小のrを求め、このrをr4とする。領域r4<r<r2において、現実の光ファイバ1の屈折率分布n’(r)の平均値を求め、この平均値をディプレスド層12の屈折率ndとする。なお、平均値を求める方法としては、例えば、r4<r<r2に所定間隔毎にサンプリングポイントを取り、各サンプリングポイントにおけるn’(r)の平均値を算出する方法などが挙げられる。この場合、所定間隔は、特に限定されないが、例えば、0.5μm、又は、0.5μmより小さい値である。
[0035]
 ステップ5:ステップ1にて特定されたクラッド13の屈折率n2と、ステップ2にて特定されたコア11の最大屈折率n1とから、クラッド13に対するコア11の比屈折率差Δ を、Δ =(n1 -n2 )/(2n1 )×100[%]に従って定める。また、ステップ1にて特定されたクラッド13の屈折率n2と、ステップ4にて特定されたディプレスド層12の屈折率ndとから、クラッド13に対するディプレスド層12の比屈折率差Δ を、Δ =(nd -n2 )/(2nd )×100[%]に従って定める。
[0036]
 図2に実線で示すグラフは、実際の屈折率分布n’(r)を模したものである。図2(a)はr0=r1の場合の屈折率分布を、図2(b)はr0<r1の場合の屈折率分布を表している。どちらの屈折率分布においても、この屈折率分布n’(r)に対して上記の手順を適用すると、ある構造パラメータα,Δ ,Δ ,r1,r2が定まる。そして、その構造パラメータα,Δ ,Δ ,r1,r2を有する理想的な屈折率分布n(r)をプロットすると、図2に点線で示すグラフが得られる。図2によれば、実際の屈折率分布n’(r)は、上記の手順に従って定められた構造パラメータα,Δ ,Δ ,r1,r2を有する理想的な屈折率分布n(r)によって、精度良く近似されることが確かめられる。
[0037]
 〔光ファイバの構造パラメータ〕
 本実施形態に係る光ファイバ1において、コア11の屈折率分布の指数αは、下記の条件(1)を満たすことが好ましい。
[0038]
  3≦α≦6   ・・・(1)
[0039]
 指数αを大きく設定し過ぎると、ゼロ分散波長ZDWが許容可能範囲の下限値(例えば、1305nm)を下回るという問題を生じ得る。指数αを6以下に設定すれば、このような問題が生じ難くなる。一方、指数αを小さく設定し過ぎると、設計目標に近い屈折率分布を有する光ファイバ1をVAD法(Vapor-phase Axial Deposition method ; 気相軸付法)により製造することが不可能又は困難になるという問題、及び、ゼロ分散波長ZDWが許容可能範囲の上限値(例えば、1319nm)を上回るという問題が生じ得る。指数αを3以上に設定すれば、このような問題が生じ難くなる。
[0040]
 なお、VAD法は、量産性と経済性に優れた母材の作製方法である。また、VAD法は、(1)工程が単純である、(2)母材の連続製造が可能である、(3)大型母材の製造が容易である、など優れた特徴を持っていることが知られている(参考文献1:井澤達夫他、「気相軸付法(VAD法)の研究開発」、[online]、日本学術振興会、国立情報研究所、[2017年6月26日検索]、インターネット<URL:http://dbnst.nii.ac.jp/pro/detail/511]>)。このため、世界で生産されている通信用光ファイバの約60%は、VAD法を用いて製造されている(参考文献2:2,3 NTT技術ジャーナル, 2015.9, Fujikura News, No.408, 2015.7)。なお、大型母材の製造が容易である理由は、VAD法が母材の軸方向にスートを堆積させる製造方法であるからである。これに対して、中空の天然石英管の内部にスートを径方向に堆積させるCVD法(Chemical Vapor Deposition method)では、大型母材の作成が困難である。
[0041]
 ただし、VAD法では、屈折率分布の制御がCVD法と比較して難しい。これは、CVD法ではスートを径方向に堆積、成長させるのに対して、VAD法では、1本又は2本のバーナを用いて、スートを軸方向に堆積、成長させる方式であることが要因の一つである。しかしながら、バーナの形状及び位置、並びに、原料及び燃料の流し方を最適化することによって、特定の屈折率分布については、その屈折率分布を良く再現する母材の製造が可能になる(参考文献3:大久保勝彦著、「ISDN時代の光ファイバ技術」、pp. 2-10~2-20、理工学社)。例えば、屈折率分布がα乗分布である場合、指数αが3以上であれば、その屈折率分布を良く再現する母材の製造が可能になる。
 もっとも、本願の製造方法はVAD法に限定されず、本願の光ファイバを他の製造方法、例えばCVD法を用いて作製してもよい。
[0042]
 また、本実施形態に係る光ファイバ1において、クラッド13に対するディプレスド層12の比屈折率差Δ は、その絶対値|Δ |が下記の条件(2)を満たすことが好ましく、その絶対値|Δ |が下記の条件(2’)を満たすことが更に好ましい。
[0043]
  0.01%≦|Δ |≦0.045%   ・・・(2)
[0044]
  0.01%≦|Δ |≦0.03%   ・・・(2’)
[0045]
 比屈折率差Δ の絶対値が小さくなり過ぎると、曲げ損失が許容可能範囲の上限値を上回るという問題を生じ得る。比屈折率差Δ の絶対値を0.01%以上にすれば、このような問題が生じ難くなる。一方、比屈折率差Δ の絶対値を大きくなり過ぎると、モードフィールド径が小さくなり、その結果、他の光ファイバと接続した際の接続損失が許容可能範囲の上限値を上回るという問題を生じ得る。比屈折率差Δ の絶対値を0.045%以下にすれば、このような問題が生じ難くなり、比屈折率差Δ の絶対値を0.03%以下にすれば、このような問題が更に生じ難くなる。
[0046]
 また、本実施形態に係る光ファイバ1において、コア11の半径r1及びディプレスド層12の外周半径r2は、その比r1/r2が下記の条件(3)を満たすように設定されていることが好ましく、その比r1/r2が下記の条件(3’)を満たすように設定されていることが更に好ましい。
[0047]
  0.2≦r1/r2≦0.6   ・・・(3)
[0048]
  0.25≦r1/r2≦0.55  ・・・(3’)
 比r1/r2が小さくなりすぎると、モードフィールド径が小さくなり、その結果、他の光ファイバと接続した際の接続損失が許容可能範囲の上限値を上回るという問題を生じ得る。比r1/r2を0.2以上にすれば、このような問題が生じ難くなり、比r1/r2を0.25以上にすれば、このような問題が更に生じ難くなる。一方、r1/r2が大きくなり過ぎると、曲げ損失が許容可能範囲の上限値を上回るという問題を生じ得る。比r1/r2を0.6以下にすれば、このような問題が生じ難くなり、比r1/r2を0.55以下にすれば、このような問題が更に生じ難くなる。
[0049]
 構造パラメータα,Δ ,Δ ,r1,r2は、上記の条件(1)、条件(2)、及び条件(3)により規定される範囲内で、22mのケーブルカットオフ波長λ cc及び波長1310nmにおけるモードフィールド径MFDが、それぞれ、下記の条件(4)及び条件(5)を満たすように決めることが好ましい。これにより、ITU-T勧告G.652に規定の要件を充足する光ファイバ1を実現することができる。
[0050]
  λ cc≦1260nm   ・・・(4)
[0051]
  8.6μm≦MFD≦9.5μm   ・・・(5)
[0052]
 なお、カットオフ波長とは、高次モード(本明細書においてはLP11モードを示す)が十分に減衰する最小の波長を示す。具体的には、高次モードの損失が19.3dBになる最小波長である。カットオフ波長には、ファイバカットオフ波長とケーブルカットオフ波長とがあり、例えばITU-T勧告G.650に記載の測定法により、測定することができる。
[0053]
 以上のように、本実施形態に係る光ファイバ1においては、クラッド13に対するディプレスド層12の比屈折率差Δ を、その絶対値|Δ |が上記の条件(2)を満たすように設定すると共に、コア11の半径r1及びディプレスド層12の外周半径r2を、その比r1/r2が上記の条件(3)を満たすように設定することによって、低接続損失性と低曲げ損失性との両立を図っている。また、本実施形態に係る光ファイバ1においては、コアの屈折率分布を指数αが6以下のα乗分布とすることによって、分散特性の改善を図っている。さらに、本実施形態に係る光ファイバ1においては、コアの屈折率分布を指数αが3以上のα乗分布とすることによって、VAD法による母材の製造を可能ならしめている。
[0054]
 参考として、コアの屈折率分布をα乗分布とし、クラッドの屈折率分布を一様分布とすることを設計目標としてVAD法により製造した光ファイバの屈折率分布を、設計目標とした屈折率分布と共に表したグラフを図3に示す。図3において、(a)は、指数αが約3の場合の屈折率分布であり、(b)は、指数αが約4の場合の屈折率分布であり、(c)は、指数αが約5の場合の屈折率分布である。図3によれば、指数αが3以上の場合、設計目標に近い屈折率分布を有する光ファイバをVAD法により製造し得ることが確かめられる。
[0055]
 また、参考として、コアの屈折率分布がα乗分布であり、クラッドの屈折率分布が一様分布である光ファイバ(ディプレスド層なし)における、波長1.31μmのMFDが9.1μm、且つ、理論カットオフ波長λctが1.31μmのときの、ゼロ分散波長ZDW及びゼロ分散スロープのα依存性を表すグラフを図4に示す。図4において、点線で示すグラフがゼロ分散波長ZDWのα依存性を表し、実線で示すグラフがゼロ分散スロープのα依存性を表す。ここで、理論カットオフ波長λctとは、対象とするモードで伝搬できなくなる理論的な最小波長である。理論カットオフ波長λctの数学的な定義については、参考文献4(Single Mode Fiber Optics, Jeunhomme,pp.39-44, Marcel Dekker, New York, 1990)に記載されている。ゼロ分散波長ZDWは、指数αが小さくなるほど大きくなることが、図4から確かめられる。さらに、αが小さくなると、ゼロ分散スロープも指数関数的に大きくなる傾向にあることがわかる。αの中心値が小さすぎた場合、製造バラつきによってゼロ分散スロープが急峻に大きくなり、規格を満たさなくなる可能性がある。図5にゼロ分散スロープSのαに対する変化率の絶対値|dS/dα|とαとの関係を示す。図5より、α=2付近の領域ではαが小さいほど|dS/dα|は大きくなることがわかる。一方、αが比較的大きい領域では、|dS/dα|は小さい。また、αが3.5以上のとき、|dS/dα|は収束する。したがって、ゼロ分散スロープの制御性の観点から、αは3.5以上であることが望ましい。同様の考えより、ゼロ分散波長においてもより好ましいαの領域が存在する。図6にゼロ分散波長ZDWのαに対する変化率の絶対値|d(ZDW)/dα|とαとの関係を示す。図6より、|d(ZDW)/dα|はαが大きくなるほど小さくなり、αが5以上のとき、収束する。したがって、ゼロ分散波長の制御性の観点から、αは5以上であることが望ましい。
[0056]
 〔実施例〕
 本実施形態に係る光ファイバ1の実施例について、表1及び表2を参照して説明する。表1において、No1は、α=6且つr1/r2>0.6とした比較例であり、No2は、α=4.8且つr1/r2<0.2とした比較例であり、No3は、α=4.8且つ|Δ |<0.01%とした比較例であり、No4は、α=4.8且つ|Δ |>0.045%とした比較例であり、No5は、α=6且つ|Δ |>0.045%とした比較例であり、No6~No12は、α<3とした比較例であり、No13~No32は、3≦α≦6とした実施例である。表2において、No33~No58は、3≦α≦6とした実施例であり、No59~67は、α>6とした比較例である。実施例及び比較例の双方について、比屈折率差Δ は0.30%≦Δ ≦0.45%を満たすように定めている。
[0057]
 なお、表1及び表2に示したMAC値とは、波長1310nmにおけるモードフィールド径MFDをケーブルカットオフ波長λ ccで除算して得られた値である。
[0058]
[表1]


[0059]
[表2]


[0060]
 表1及び表2に、上述した手順に従って定義された構造パラメータα,Δ ,Δ ,r1,r2と、各特性値とを示す。
[0061]
 表1及び表2によれば、全ての実施例において、下記の特徴(a)~(d)を有することが分かる。一方、表1によれば、比較例No1及びNo3は、半径10mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1550nmにおける損失増加が0.75dB/turnより大きく、且つ、半径10mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1625nmにおける損失増加が1.5dB/turnより大きいため、要求特性を満たさない。比較例No2及びNo5は、波長1310nmにおけるモードフィールド径MFDが8.6μm未満であるため、要求特性を満たさない。比較例No4は、ゼロ分散波長ZDWが1305nm未満であるため、要求特性を満たさない。比較例No6~No12は、α=2.5であるため、VAD法により製造することが不可能又は困難である。また、表2によれば、比較例No59、No60、No61、No64、No67は、ゼロ分散波長ZDWが1305nm未満であるため、要求特性を満たさない。
[0062]
 (a)ゼロ分散波長ZDWは、1305nm以上1313nm以下となり、下限値に対して5nm、上限値に対して11nmの余裕をもってITU-TG.652に規定の要件(1300nm以上1324nm以下)の要件を充足する。
[0063]
 (b)ケーブルカットオフ波長λ ccは、1254nm以下となり、6nmの余裕をもってITU-T勧告G.652に規定の要件(1260nm以下)を充足する。
[0064]
 (c)波長1310nmにおけるモードフィールド径MFDは、8.8μ以上9.4μm以下になり、下限値に対して2μm、上限値に対して1μmの余裕をもってITU-T勧告G.652に規定の要件(8.6μ以上9.5μm以下)を充足する。
[0065]
 (d)曲げ損失は、ITU-T勧告G.657.A1に規定の下記要件を充足する。
[0066]
 ・半径10mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1550nmにおける損失増加は、0.75dB/turnよりも小さい。
[0067]
 ・半径10mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1625nmにおける損失増加は、1.5dB/turnよりも小さい。
[0068]
 ・半径15mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1550nmにおける損失増加は、0.25dB/10turnよりも小さい。
[0069]
 ・半径15mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1625nmにおける損失増加は、1.0dB/10turnよりも小さい。
[0070]
 なお、表1によれば、一部の実施例において、上記の特徴(a)に代えて、下記の特徴(a’)を有することが分かる。
[0071]
 (a’)ゼロ分散波長ZDWは、1307nm以上となり、下限値に対して7nmの余裕をもってITU-TG.652に規定の要件の要件を充足する。
[0072]
 〔付記事項〕
 本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本明細書に開示した各種条件を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

符号の説明

[0073]
1 光ファイバ
11 コア
12 ディプレスド層
13 クラッド

請求の範囲

[請求項1]
 コアと、上記コアを取り囲むディプレスド層と、上記ディプレスド層を取り囲むクラッドとを備え、
 上記コアの屈折率分布は、指数αが3.5以上6以下のα乗分布を有し、
 上記クラッドに対する上記ディプレスド層の比屈折率差Δ は、その絶対値|Δ |が0.01%以上0.045%以下になるように設定されており、
 上記コアの半径r1及び上記ディプレスド層の外周半径r2は、その比r1/r2が0.2以上0.6以下となるように設定されており、
 22mのケーブルカットオフ波長λ ccは、1260nm以下であり、
 波長1310nmにおけるモードフィールド径MFDは、8.6μm以上9.5μm以下である、
ことを特徴とする光ファイバ。
[請求項2]
 上記コアの屈折率分布は、指数αが5以上6以下のα乗分布を有する、請求項1に記載の光ファイバ。
[請求項3]
 上記比屈折率差Δ は、その絶対値|Δ |が0.01%以上0.03%以下となるように設定されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ。
[請求項4]
 上記半径r1及び上記外周半径r2は、その比r1/r2が0.25以上0.55以下となるように設定されている、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の光ファイバ。
[請求項5]
 上記クラッドに対する上記コアの比屈折率差Δ は、0.30%以上0.45%以下に設定されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の光ファイバ。
[請求項6]
 ゼロ分散波長ZDWは、1305nm以上である、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の光ファイバ。
[請求項7]
 上記ゼロ分散波長ZDWは、1307nm以上である、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ。
[請求項8]
 上記モードフィールド径MFDは、8.8μm以上9.4μm以下である、ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の光ファイバ。
[請求項9]
 (1)半径10mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1550nmにおける損失増加は、0.75dB/turnよりも小さく、(2)半径10mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1625nmにおける損失増加は、1.5dB/turnよりも小さく、(3)半径15mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1550nmにおける損失増加は、0.25dB/10turnよりも小さく、(4)半径15mmの円筒形のマンドレルに巻回したときの波長1625nmにおける損失増加は、1.0dB/10turnよりも小さい、
ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の光ファイバ。
[請求項10]
 請求項1~9の何れか1項に記載の光ファイバを製造する製造方法であって、上記光ファイバの母材をVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法により製造する工程を含んでいる、
ことを特徴とする製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]