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1. (WO2018181713) PRODUCTION METHOD FOR SILICA PARTICLE LIQUID DISPERSION
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明 細 書

発明の名称 シリカ粒子分散液の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

先行技術文献

特許文献

0010  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0011   0012   0013   0014  

課題を解決するための手段

0015   0016   0017   0018   0019   0020  

発明の効果

0021  

図面の簡単な説明

0022  

発明を実施するための形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073  

実施例

0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : シリカ粒子分散液の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、シリカ粒子を含む分散液の製造方法に関し、詳しくは、半導体集積回路における金属配線層の形成時の研磨等に用いる研磨材に有用なシリカ粒子を含む分散液の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 コンピューター、各種電子機器には、各種の集積回路が用いられており、これらの小型化、高性能化に伴い、回路の高密度化と高性能化が求められている。
 例えば、半導体集積回路は、シリコンウエハー等の基材上に配線層間膜(絶縁膜)を成膜し、その配線層間膜(絶縁膜)上に金属配線用の溝パターンを形成し、必要に応じてスパッタリング法などによって窒化タンタル(TaN)等のバリアメタル層を形成し、ついで金属配線用の銅を化学蒸着(CVD)法等により成膜する。ここで、TaN等のバリアメタル層を設けた場合には層間絶縁膜への銅や不純物などの拡散や侵食に伴う層間絶縁膜の絶縁性の低下などを防止することができ、また層間絶縁膜と銅の接着性を高めることができる。
 次いで、溝内以外に成膜された不要な銅及びバリアメタル(犠牲層ということがある)を化学機械研磨(CMP)法により研磨して除去するとともに上部表面を可能な限り平坦化して、溝内にのみ金属膜を残して銅の配線・回路パターンを形成する。
[0003]
 このCMP法で使用される研磨材は、通常、シリカ等の金属酸化物からなる平均粒子径が5~300nm程度の球状の研磨用粒子を含む分散液に、配線・回路用金属の研磨速度を早めるための酸化剤、有機酸等の添加剤を添加して製造される。
[0004]
 この研磨用粒子を含む分散液(シリカゾル)中に、シランアルコキシドのオリゴマー等の未反応物(副生成物)が存在すると、反応性に富むオリゴマー等の未反応物の影響のためか、シリカゾルとして十分な安定性が得られなかった。さらに、研磨材として使用する際に混合される添加剤の影響で、増粘、凝集、白濁、沈降性ゲル発生等が生じることがあった。このような研磨材を用いると、凝集物によりスクラッチが発生したり、また、研磨後の基板上にシリカ成分が残存して問題が生じることがあった(例えば、特許文献1~3参照)。また、研磨特性向上のための添加剤を吸着してしまい、添加剤の効果を低減させることがあった。
[0005]
 このようなオリゴマー等の未反応物の生成を抑制したシリカゾルの製造方法として、例えば、テトラメトキシシランを含む有機溶媒と、アルカリ触媒及び水を含む溶媒とを、アルカリ触媒及び水を含む有機溶媒に添加することによりテトラメトキシシランを加水分解及び重縮合させてシリカゾルを製造する工程(a)と、シリカゾルの分散媒を水の沸点に達するまで加熱して水で置換する工程(b)とを含む方法が提案されている(特許文献4参照)。
[0006]
 一方、研磨材として用いるシリカ粒子としては、真球状のものと異形状のものが製造されている。異形状のシリカ粒子は、研磨速度を求める研磨剤に好適に用いられる。
 例えば、上記特許文献4記載の方法によれば、二次粒子の平均粒子径が一次粒子の平均粒子径の1.5~3.0倍の異形状のシリカ粒子が得られるとされている。
[0007]
 また、異形状シリカ粒子の他の製造方法として、ケイ酸メチル、又はケイ酸メチルとメタノールとの混合物を、水、メタノール及びアンモニア、又は水、メタノール、アンモニア及びアンモニウム塩からなる混合溶媒中に、この溶媒中のアンモニウムイオンの含量が、この溶媒の全重量に基づいて0.5~3重量%で、反応が10~30℃の温度で行われるように、撹拌下に10~40分間で滴下し、ケイ酸メチルと水とを反応させる方法が提案されている(特許文献5参照)。この方法によれば、10~200nmの短径と1.4~2.2の長径/短径比を有するコロイダルシリカを生成できるとされている。
[0008]
 また、アンモニウムイオンを含む水性溶媒中に、テトラアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランと水混和性有機溶剤との混合物を原料として連続的に添加し、加水分解、縮合させるに際し、これら原料の総添加量を、反応初期の段階における2個の単一シリカ粒子の合着までに要する原料添加量の2.0~6.0倍の範囲になるように制御する落花生様双子型コロイダルシリカ粒子の製造方法が提案されている(特許文献6参照)。
[0009]
 さらに、アルコキシシランの縮合体又はその水性溶媒溶液をアンモニア若しくはアンモニウム塩の水溶液又はアンモニア若しくはアンモニウム塩と水性溶媒を含む水溶液中に滴下しながらアルコキシシランを加水分解する繭型コロイダルシリカの製造方法が提案されている(特許文献7参照)。

先行技術文献

特許文献

[0010]
特許文献1 : 特開2015-124231号公報 段落[0002],[0006]
特許文献2 : 特開2012-156393号公報 段落[0006]
特許文献3 : 特開2014-154707号公報 段落[0007]
特許文献4 : 特開2005-060217号公報
特許文献5 : 特開平11-060232号公報
特許文献6 : 特開2004-203638号公報
特許文献7 : WO2004/074180号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0011]
 特許文献4記載の方法は、生産性よく高純度のシリカ粒子を製造するものであるが、工程(a)では、製造目的とするシリカ粒子まで成長しないシランアルコキシドのオリゴマー等の未反応物が生成され、これを除去する工程(b)が必須となっており、生産の効率性、コストの点等から問題がある。
[0012]
 また、特許文献5の方法も同様に、未反応物が生成される問題がある。また、製造されるシリカ粒子分散液のシリカ粒子の濃度も極めて低い。さらに、一次粒子が5個以上連結するものは球状になり、鎖状とはならない(段落[0011])。
[0013]
 また、特許文献6及び7の方法も同様に、未反応物が生成される問題がある。さらに、特許文献7の方法は、シランアルコキシドの縮合体を原料とする特殊な方法である。
[0014]
 本発明は、上記事情に鑑みて、未反応物の生成を抑制して、効率よくシリカ粒子を製造するシリカ粒子分散液の製造方法を提供する。

課題を解決するための手段

[0015]
 シリカ粒子形成に係わる反応(加水分解・重縮合)に大きな影響を与える反応系におけるシリカ成分に対する水及びアルカリ触媒の量を反応期間中一定とすることで、反応期間中常に同じ条件で反応を進めることができる。これにより、未反応物の生成が抑制される。
[0016]
 また、所望の種粒子を一旦製造しておき、この種粒子を含有する液Iを用いて上記条件を満たすよう反応を進めることにより、未反応物の生成がより抑制されるため、より短時間で、目的の形状に制御された粒子を製造できる。特に、一次粒子が連結した異形粒子を製造する場合には、連結の度合い(個数)の制御が容易になる。
[0017]
 すなわち、本発明は、平均粒子径が3~100nmのシリカ種粒子を含有する液Iを予め容器に準備して、この液Iに、シランアルコキシドを含有する液Aと、アルカリ触媒及び水を含有する液Bとを同時に添加して、シランアルコキシドを加水分解および重縮合させることで、シリカ種粒子を成長させてシリカ粒子を製造するシリカ粒子分散液の製造方法である。この製造方法は、以下の(1)及び(2)の条件を満足する。
(1)添加開始(反応開始)から終了までの期間の反応系におけるシリカ成分に対するアルカリ触媒のモル比の初期値に対する変化率が、0.90~1.10である。
(2)添加開始(反応開始)から終了までの期間の反応系におけるシリカ成分に対する水のモル比の初期値に対する変化率が、0.90~1.10である。
[0018]
 以下、本明細書においては、「添加開始(反応開始)から終了までの期間の反応系におけるシリカ成分に対するアルカリ触媒のモル比の初期値に対する変化率」を単に「触媒割合変化率」といい、「添加開始(反応開始)から終了までの期間の反応系におけるシリカ成分に対する水のモル比の初期値に対する変化率」を単に「水割合変化率」という。
[0019]
 ここで、反応系におけるシリカ成分とは、シリカ種粒子、及び添加したシランアルコキシドの加水分解重縮合物をいう。なお、液I中のシリカ種粒子の質量は、採取したサンプル5gを1000℃で1時間乾燥させた前後の質量から算出する。
 反応系内におけるシリカ成分に対する触媒割合(アルカリ触媒/シリカ成分)、及びシリカ成分に対する水割合(水/シリカ成分)は、シリカ種粒子の質量及びシランアルコキシドの添加量の実測値に基づくシリカ成分(珪素(Si))としてのモル量を基準にして求める。この時、シランアルコキシドの加水分解及び重縮合の反応は瞬時に起こるもの(下記式参照)、アルカリ触媒は系外への放出はないものと仮定して算出する。これらの割合の変化率は、所定時間毎(例えば10分毎)に、添加量実測値から反応系内のモル比を算出し、初期値で除した数値により算出する。なお、初期値とは、液Iのシリカ種粒子の珪素(Si)を基準としたアルカリ触媒や水とのモル比の値をいう。
[0020]
 Si(OR) +4H O → Si(OH) +4ROH
(加水分解時に水4モルを消費)
 Si(OH) → SiO + 2H
(重縮合時に水2モルを放出)

発明の効果

[0021]
 未反応物の生成を抑制して、効率よくシリカ粒子を製造できる。また、一次粒子が連結した異形シリカ粒子を製造する場合には、所望の連結の度合い(個数)を有する粒子が精度よく製造できる。

図面の簡単な説明

[0022]
[図1] 本発明における平均粒子径の算出方法を説明する図。
[図2] 実施例1における触媒割合及び水割合の経時変化を示す図。
[図3] 実施例2における触媒割合及び水割合の経時変化を示す図。
[図4] 実施例3における触媒割合及び水割合の経時変化を示す図。
[図5] 比較例1における触媒割合及び水割合の経時変化を示す図。
[図6] 比較例2における触媒割合及び水割合の経時変化を示す図。

発明を実施するための形態

[0023]
[シリカ粒子分散液の製造方法]
 本発明のシリカ粒子分散液の製造方法は、平均粒子径が3~100nmのシリカ種粒子を含有する液Iを準備する工程と、この液Iに、シランアルコキシドを含有する液Aと、アルカリ触媒及び水を含有する液Bとを同時に添加することにより、シリカ種粒子を成長させてシリカ粒子を製造する工程とを含む。この方法において、添加開始から終了までの期間の反応系におけるシリカ成分に対するアルカリ触媒のモル比の初期値に対する変化率(触媒割合変化率)を0.90~1.10とし、添加開始から終了までの期間の反応系におけるシリカ成分に対する水のモル比の初期値に対する変化率(水割合変化率)を0.90~1.10とすることを特徴とする。
 ここで、本発明の製造方法における添加開始時とは、液Iに対して液A及び液Bの添加を開始した時を意味する。また、添加終了時とは、これら液A及び液Bの添加を終了した時を意味する。
[0024]
 添加開始から終了までの反応期間中、反応系のシリカ成分に対するアルカリ触媒及び水の量を一定とすることにより、常に同じ条件で反応が進み、これにより、未反応物の生成が抑制される。したがって、未反応物を除去する工程を省略することが可能となり、シリカ粒子分散液が効率的に製造できる。また、この製造されたシリカ粒子分散液は、未反応物を含まないので、シリカ粒子分散液及び研磨材としての安定性に優れ、良好な研磨特性を有する研磨材が得られる。
[0025]
 さらに、シリカ種粒子を含有する液Iを用いて上記条件下で反応を進めることにより、未反応物の生成がより抑制されると共に、より短時間で、目的の形状に制御された粒子を製造できる。特に、一次粒子が連結した異形粒子を製造する場合には、連結の度合い(個数)の制御が容易となり、目的とする粒子を精度よく製造できる。また、種粒子を用いたシリカ粒子の製造法では、種粒子を用いない従来の方法に比べ、同等のサイズ、形状のシリカ粒子がおおよそ1/2~1/10程度の時間で得られる。
[0026]
<液I(予め容器に準備された液)>
 液Iは、少なくともシリカ種粒子と有機溶媒を含み、好ましくは水及びアルカリ触媒を含む。この液Iは、水及びアルカリ触媒の量や割合が調整されているものが好ましい。すなわち、添加する液A及び液B(添加液)のアルカリ触媒/シランアルコキシド、水/シランアルコキシドのモル比を考慮して、液Iのアルカリ触媒/シリカ種粒子、水/シリカ種粒子のモル比を調整しておくことが好ましい。これにより、添加開始から終了までの反応期間中、反応系におけるシリカ成分に対するアルカリ触媒及び水の量を一定にできる。
[0027]
 有機溶媒としては、アルコール、ケトン、エーテル、グリコール、エステルなどが挙げられ、アルコールが好ましい。より具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのグリコールエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステルが挙げられる。これらの中でも、メタノール又はエタノールがより好ましく、メタノールが特に好ましい。これらの有機溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
[0028]
 アルカリ触媒としては、アンモニア、アミン、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、第4級アンモニウム化合物、アミン系カップリング剤など、塩基性を示す化合物を用いることができ、アンモニアを用いることが好ましい。
[0029]
 液I中に含まれるシリカ種粒子としては、下記式[1]で表されるシランアルコキシドを加水分解及び重縮合させて製造したものを挙げることができる。
[0030]
  X Si(OR) 4-n   ・・・[1]
[0031]
 式中、Xは水素原子、フッ素原子、炭素数1~8のアルキル基、アリール基またはビニル基を示し、Rは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、アリール基またはビニル基を示し、nは0~3の整数である。
[0032]
 上記式[1]で表されるシランアルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン以外に、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
[0033]
 これらのシランアルコキシドのうち、特に、テトラメトキシシラン(TMOS)やテトラエトキシシラン(TEOS)といった、上記式[1]のnが0で、かつRのアルキル鎖が短いものを使用することが好ましい。これは、これらを使用する場合、加水分解速度が速くなり、未反応物が残りにくい傾向にあるからである。中でも好ましいのは、アルキル鎖が短いテトラメトキシシラン(TMOS)である。
[0034]
 シリカ種粒子の平均粒子径は、上記のように、3~100nmであるが、5~50nmが好ましく、10~30nmがより好ましい。種粒子の粒径がこの範囲にあれば、目的の形状に制御された粒子を容易に製造することができ、特に一次粒子が連結した異形粒子を製造する場合に、連結の度合い(個数)を容易に制御できる。
《平均粒子径の測定方法》
 平均粒子径は、電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について、粒子の最長径を測定し、その平均値として得たものである。
[0035]
 シリカ種粒子は、本発明のシリカ粒子の成長期の条件とは異なる条件で製造することができる。すなわち、本発明では、種粒子の製造に適した条件を採用して種粒子を製造し、粒子の成長期では、最終製造物の製造に適した別の条件を採用して製造することができる。したがって、製造効率の向上が図られ、より精度よく目的とする最終製造物を得ることができる。なお、種粒子を用いずに一連の工程として製造する場合は、最終製造物を考慮して、それに適した一定条件で最終製造物の製造を行う必要があり、本発明のような製造効率や精度が得られない。
[0036]
 また、このように種粒子分散液は、粒子成長期と異なる条件で製造できるので、未反応物の少ない分散液を製造することが可能となる。したがって、このように別途製造された種粒子分散液を用いて調製された敷液中の未反応物の含有量は非常に少ない。液I中の未反応物の含有量は、例えば、200ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、100ppm以下がさらに好ましい。なお、製造された種粒子分散液は、限外濾過などの精製処理をして、未反応物の含有量をさらに少なくしてもよい。液Iが未反応物をほとんど含まないことから、粒子成長後のシリカ分散液も未反応物の量は非常に少なくなる。
[0037]
〈液I中の未反応物〉
 未反応物とは、目的とするシリカ粒子(種粒子)まで反応が進んでいない含珪素化合物を意味する。例えば、未反応の原料シランアルコキシドやその低分子加水分解物(オリゴマー)、目的とする粒子よりはるかに小さい粒子等である。具体的には、日立工機株式会社製 小型超遠心機CS150GXLを用いて、シリカ粒子水分散液を設定温度10℃、1,370,000rpm(1,000,000G)で30分遠心処理した際の上澄み中の含珪素化合物を意味する。
[0038]
《未反応物の含有量の測定方法》
 この上澄み中の含珪素化合物(未反応物)を、株式会社島津製作所製 ICP発光分析装置ICPS-8100で測定したSiからSiO 濃度を求める。
[0039]
 また、種粒子分散液の製造方法は、成長期と異なる条件を採用することができるので、所望の種粒子が製造できる。例えば、シリカ種粒子の真球度が0.80~1.00、かつ粒子径変動係数(CV値)が10%以下の真球状かつ粒子径の揃った種粒子が製造できる。このような種粒子を用いて目的とするシリカ粒子を製造することで、より目的に沿った粒子が製造できる。シリカ種粒子の真球度は、0.90~1.00が好ましい。また、シリカ種粒子の粒子径変動係数(CV値)は、8%以下が好ましい。
[0040]
《真球度の測定方法》
 電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について、それぞれその最大径(D )と、これと直交する短径(D )との比(D /D )の平均値を求め、これを真球度とする。
[0041]
《粒子径変動係数の測定方法》
 下記の式により求める。なお、粒子径変動係数(CV値)を求める際の個々の粒子径及び平均粒子径は、上記「平均粒子径の測定方法」の項に記載の方法で算出する。
[0042]
[数1]


[0043]
 液I中のシリカ種粒子濃度としては、1質量%以上が好ましく、一次粒子が連結した異形粒子を効率よく製造する点から、3質量%以上がより好ましく、5~10質量%がさらに好ましい。
《液I中のシリカ種粒子濃度の測定方法》
 シリカ種粒子濃度は、サンプル5gを1000℃で1時間乾燥させ、乾燥前後の質量から下記式により求める。
  シリカ種粒子濃度(質量%)=(乾燥後の質量/乾燥前の質量)×100
 なお、この測定方法によれば、シリカ種粒子以外の未反応物等も含まれるが、本発明の方法では未反応物等はごく微量であり影響がほとんどない。このためシリカ種粒子濃度は、上記方法により求められた値とする。
[0044]
<液A>
 液Aは、シランアルコキシドを含有するものであり、好ましくは、さらに有機溶媒を含有する。通常は、実質的にシランアルコキシドからなるか、実質的にシランアルコキシド及び有機溶媒の2成分からなる。なお、「実質的にシランアルコキシドからなる」、「実質的に2成分からなる」とは、シランアルコキシドや有機溶媒の製造過程から不可避的に含まれる不純物等は含まれ得るが、それ以外は含まないことを意味し、例えば、99質量%以上であり、好ましくは99.5質量%以上である。
[0045]
 シランアルコキシドとしては、上記式[1]で表されるものが挙げられ、具体的なシランアルコキシドも種粒子の製造と同様のものを用いることができる。
[0046]
 有機溶媒としては、上記液Iで例示したものを用いることが可能であり、液Iと同一組成の有機溶媒を用いることが好ましい。すなわち、液Iにメタノールを用いる場合には、液Aにおいてもメタノールを用いることが好ましい。
[0047]
 ここで、液Aが有機溶媒を含む場合、有機溶媒に対するシランアルコキシドの濃度としては、例えば、1.5~6.4mol/Lであり、2.0~6.0mol/Lであることが好ましい。
[0048]
<液B>
 液Bは、アルカリ触媒及び水を含有するものであり、通常、実質的に2成分からなる。なお、「実質的に2成分からなる」とは、上記液Aで説明したのと同様の意味である。
[0049]
 アルカリ触媒としては、上記液Iで例示したものを用いることができ、アンモニアを用いることが好ましい。
[0050]
 ここで、液B中の水に対するアルカリ触媒の濃度としては、例えば、1~24mol/Lであり、3~15mol/Lであることが好ましい。
[0051]
<反応条件等>
 本発明のシリカ粒子分散液の製造方法は、次の2つの条件を満足する。
(1)触媒割合変化率が、0.90~1.10である。
(2)水割合変化率が、0.90~1.10である。
[0052]
 すなわち、触媒割合変化率及び水割合変化率を極力減らして、一定にしようとするものである。具体的には、液I中のアルカリ触媒/シリカ種粒子、水/シリカ種粒子のモル比に対して、反応によりモル比が変動しないようにアルカリ触媒/シランアルコキシド、水/シランアルコキシドのモル比が調製された液A及び液Bを用いる方法が挙げられる。また、添加開始から終了までの期間において、液A及び液Bの添加速度等の添加条件をできる限り一定にして、触媒割合変化率及び水割合変化率を抑制する方法が挙げられる。これは、例えば、高精度のポンプを使用することにより、液A及び液Bの添加速度の変化を抑制できる。
[0053]
 これにより、反応の場が常に同じ条件となり、同じ条件下で反応を進めることができることから、未反応物の生成が抑制される。このため、未反応物を除去する工程を省略することが可能となり、シリカ粒子分散液を効率的に製造できる。また、このシリカ粒子分散液は、未反応物をほとんど含まないため、シリカ粒子分散液及び研磨材としての安定性に優れ、良好な研磨特性を有する研磨材が得られる。さらに、一次粒子径の揃った粒子が製造できる。
[0054]
 この触媒割合変化率は、上記のように、0.90~1.10であり、0.95~1.05が好ましく、0.98~1.02がより好ましい。水割合変化率は、上記のように、0.90~1.10であり、0.95~1.05が好ましく、0.98~1.02がより好ましい。
[0055]
 また、一次粒子が2個以上連結した異形のシリカ粒子を製造する場合、1分間あたりに添加されるシランアルコキシドのSiO (シリカ)換算質量が、液I中のシリカ種粒子の質量に対して、10質量%以上となるよう添加することが好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、20~35質量%が特に好ましい。このような速度でシランアルコキシドを添加することにより、一次粒子の積極的な合着が促され、一次粒子が合着した異形のシリカ粒子が効率的に製造できる。
[0056]
 さらに、添加開始から終了までの期間の反応系では、シリカ成分に対するアルカリ触媒のモル比が常時0.20以上、かつ、シリカ成分に対する水のモル比が常時2.0以上が好ましい。すなわち、反応中、シリカ成分に対してアルカリ触媒及び水を所定量以上に保持することが好ましい。このようにアルカリ触媒及び水を所定量以上に保持して反応させることにより、十分に加水分解を進めることができ、未反応物の発生を抑制することができる。なお、反応系におけるシリカ成分は、触媒割合変化率等の場合と同義である。
[0057]
 シリカ成分に対するアルカリ触媒のモル比は、0.30以上がより好ましく、0.50~1.00がさらに好ましい。また、シリカ成分に対する水のモル比は、3.0以上がより好ましく、3.5~15.0がさらに好ましい。
[0058]
 また、添加終了時の反応系のpHは、11以上が好ましく、11.2以上がより好ましい。本発明では、上記のように、シリカ成分に対するアルカリ触媒量や水量を一定にして添加することにより、反応終了時のpHを11以上にできる。
[0059]
 この反応は、通常、常圧下で行われる。反応温度としては、使用する溶媒の沸点以下の温度であればよい。ただし、粒子の析出を速めるために、反応温度は、0~65℃が好ましく、10~50℃がより好ましい。
[0060]
 本発明の製造方法では、未反応物の生成が抑制される。このため、従来未反応物を除去する目的で行われていた加熱熟成処理、加熱除去処理、限外濾過などの精製処理を必ずしも行う必要はない。
[0061]
 また、添加終了時のシリカ粒子分散液(反応系)中のシリカ濃度は、従来の方法で製造されるものよりも高く、例えば、5質量%以上であり、10質量%以上が好ましく、10~25質量%がより好ましい。
《系中のシリカ粒子濃度の測定方法》
 シリカ粒子濃度は、サンプル5gを1000℃で1時間乾燥させ、乾燥前後の質量から下記式により求める。
  シリカ粒子濃度(質量%)=(乾燥後の質量/乾燥前の質量)×100
 なお、この測定方法によれば、シリカ粒子以外の未反応物等も含まれるが、本発明の方法では未反応物等はごく微量であり影響がほとんどない。このためシリカ粒子濃度は、上記方法により求められた値とする。
[0062]
[シリカ粒子分散液]
 本発明の方法により製造されるシリカ粒子分散液は、研磨材に有用であり、このまま分散体の状態で用いてもよいし、乾燥して用いてもよい。このシリカ粒子分散液の未反応物の含有量は、200ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、100ppm以下がさらに好ましい。
[0063]
〈シリカ粒子分散液中の未反応物〉
 未反応物とは、目的とするシリカ粒子以外の含珪素化合物を意味する。例えば、未反応の原料シランアルコキシドやその低分子加水分解物(オリゴマー)、目的とする粒子よりはるかに小さい粒子等である。具体的には、シリカ粒子水分散液を上記液Iで例示した方法で遠心処理した際の上澄み中の含珪素化合物を意味する。
[0064]
《未反応物の含有量の測定方法》
 この上澄み中の含珪素化合物(未反応物)を上記液Iで例示した方法で測定したSiからシリカ(SiO )濃度を求める。
[0065]
 シリカ粒子分散液は、未反応物をほとんど含まないため、研磨材に用いた場合、研磨材中での粒子安定性に優れると共に、基板への付着物が抑制できる。また、研磨材に添加される各種薬品の吸着や各種薬品との反応を抑制して、各種薬品の効果をより有効に発揮できる。
[0066]
 シリカ粒子分散液に含まれるシリカ粒子は、三次元的重縮合構造をとる。これは、シランアルコキシドの加水分解および重縮合がアルカリ性側で行われることで、平面状(二次元的)のみに進行するのではなく、立体的(三次元的)に進行するためである。このような構造をもった粒子を用いた研磨材は、粒子の分散性が高く、充分な研磨速度が得られるので好適である。一方、酸性側で加水分解および重縮合を行うと二次元的に進行し、球状粒子が得られない。
 その構造は、透過電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡で確認して、粒子として存在することで判断できる。
[0067]
 シリカ粒子分散液に含まれる一次粒子の平均粒子径は、5~300nmが好ましく、要求される研磨速度や研磨精度等によって適宜設定できる。
 ここで、平均粒子径が5nm未満の場合は、シリカ粒子分散液の安定性が不充分となる傾向にあり、また粒子径が小さすぎて充分な研磨速度が得られないことがある。平均粒子径が300nmを超える場合は、研磨材として使用した場合、基板または絶縁膜の種類にもよるが、スクラッチが発生しやすく、充分な平滑性が得られないことがある。より好ましい平均粒子径は10~200nm、さらに好ましくは15~100nmである。
《平均粒子径の測定方法》
 平均粒子径(d)の算出方法について、図1を用いて説明する。図1は、一次粒子が単独で存在する粒子や複数の一次粒子が連結した粒子を例示している。黒塗り部は粒子間の接合部のイメージであり、接合部は空間を含んでいてもよい。粒子径dは、各粒子の一次粒子の最長径を測定したものである。平均粒子径(d)は、電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について、各粒子の一次粒子の最長径dを測定し、その平均値として得る。
[0068]
 シリカ粒子分散液は、一次粒子が2個以上連結した異形シリカ粒子を10%以上含むことが好ましく、30%以上含むことがより好ましく、50%以上含むことがさらに好ましい。一次粒子が2個以上連結した異形シリカ粒子とは、球状又は真球状の1つの粒子として把握される粒子(一次粒子)が2個以上、好ましくは2~10個連結した鎖状の粒子をいう(図1参照)。研磨性の点からは、2~3個程度連結した異形シリカ粒子が好ましい。
[0069]
 ここで、異形シリカ粒子の一次粒子の連結個数や、系中における異形シリカ粒子の割合(異形粒子率)は、電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について観察して求める。
[0070]
 シリカ粒子分散液に含まれるシリカ粒子は、U、Thの各々の含有量が0.3ppb未満、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Fe、Ti、Zn、Pd、Ag、Mn、Co、Mo、Sn、Al、Zrの各々の含有量が0.1ppm未満、Cu、Ni、Crの各々の含有量が1ppb未満が好ましい。この範囲であれば、配線ノードが40nm以下の高集積なロジックやメモリー及び三次元実装用調製用の研磨砥粒として使用可能である。
 これら不純分の金属元素の含有量が上述の範囲を超えて多く存在すると、シリカ系粒子を用いて研磨した基板に金属元素が残存するおそれがある。この金属元素が半導体基板に形成された回路の絶縁不良を起こしたり回路を短絡させたりする。これによって、絶縁用に設けた膜(絶縁膜)の誘電率が低下し、金属配線にインピーダンスが増大し、応答速度の遅れ、消費電力の増大等が起きることがある。また、金属元素イオンが移動(拡散)し、使用条件や使用が長期にわたった場合にもこのような不具合を生じることがある。特に、U、Thの場合は、放射線を発生するため、微量でも残存した場合に放射線による半導体の誤作動を引き起こす点で好ましくない。
 ここで、アルカリ金属とは、Li、Na、K、Rb、Cs、Frを表し、アルカリ土類金属とは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raを表す。
[0071]
 このような不純分の含有量が少ない高純度シリカ粒子を得るには、粒子を調製する際の装置の材質をこれらの元素を含まず、かつ耐薬品性が高いものにすることが好ましい。具体的には、テフロン(登録商標)、FRP、カーボンファイバー等のプラスチック、無アルカリガラス等が好ましい。
 また、使用する原料については、蒸留・イオン交換・フィルター除去で精製することが好ましい。特にアルコキシドの加水分解時に使用するアルコールは、タンク等からの金属不純分や合成時の触媒が残存するおそれがあり、特に精度の高い精製を必要とする場合がある。
[0072]
 高純度シリカ粒子を得る方法としては、上述のように、予め不純分の少ない原料を準備したり、粒子調製用の装置からの混入を抑えたりする方法がある。これ以外にも、そのような対策を充分にとらずに調製された粒子から不純分を低減することは可能である。ただし、不純分がシリカ粒子内に取り込まれている場合、イオン交換やフィルター除去で精製することは効率が悪く、高コストになるおそれがある。このため、このような方法で、不純分の含有量が少ないシリカ粒子を得るのは現実的でない。
[0073]
《金属元素含有量の測定》
 シリカ粒子中のU、Thの含有量、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Fe、Ti、Zn、Pd、Ag、Mn、Co、Mo、Sn、Al、Zrの含有量、およびCu、Ni、Crの含有量については、シリカ粒子をフッ酸で溶解し、加熱してフッ酸を除去した後、必要に応じて純水を加え、得られた溶液についてICP誘導結合プラズマ発光分光質量分析装置(例えば、株式会社島津製作所製 ICPM-8500)を用いて測定する。
実施例
[0074]
 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[0075]
[実施例1]
 〈シリカ粒子分散液(A)の製造〉
 平均粒子径15nmのシリカ種粒子を含む液I180.0gを50℃に保持し、この液Iに対して、テトラメトキシシラン(多摩化学(株)製)のメタノール溶液(液A)1956.4gと、アンモニア水(液B)546.0gとを同時に100分かけて添加した。液I、液A及び液Bの組成を表1に示す(以下の実施例、比較例も同様)。
 添加終了(反応終了)時のシリカ粒子分散液のシリカ濃度は、15.1質量%であった。添加終了後、さらにこの温度で30分間熟成した。溶媒を純水に置換し、20質量%シリカ粒子分散液(A)を得た。詳細な製造条件、及び各種測定結果を表2に示す(以下の実施例、比較例も同様)。
[0076]
《種粒子の平均粒子径の測定》
 種粒子の平均粒子径は、種粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について、図1に例示するように種粒子の最も長い径を測定し、その平均値として得た。
《種粒子のCV値の測定》
 種粒子のCV値は、上記の個々の結果を用い、計算により求めた。
[0077]
《種粒子の真球度の測定》
 電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について、それぞれその最大径(D )と、これと直交する短径(D )との比(D /D )の平均値を求め、これを真球度とした。
[0078]
《液I中のシリカ種粒子濃度の測定》
 シリカ種粒子濃度は、サンプル5gを1000℃で1時間乾燥させ、乾燥前後の質量から下記式により求めた。
  シリカ種粒子濃度(質量%)=(乾燥後の質量/乾燥前の質量)×100
[0079]
《液I中の未反応物量の測定》
 未反応物量は、液Iを、日立工機株式会社製 小型超遠心機CS150GXLを用いて、設定温度10℃、1,370,000rpm(1,000,000G)で30分間遠心処理した際の上澄み中に存在する含珪素化合物(未反応物)を、株式会社島津製作所製ICP発光分析装置ICPS-8100で測定したSiからSiO 濃度を求め、比較した。
[0080]
《触媒割合変化率および水割合変化率》
 アルカリ触媒/シランアルコキシド、水/シランアルコキシドの各モル比は、シリカ種粒子の質量及びシランアルコキシドの添加質量実測値に基づくシリカ成分(珪素(Si)としてのモル量を基準に、シランアルコキシドの加水分解及び重縮合の反応は瞬時に起こるもの(下記式参照)、アルカリ触媒は系外への放出はないものと仮定して算出した。液A及び液Bの添加開始10分後から、10分毎の反応系内のモル比を算出した。液Iにおけるモル比を初期値として、かかる初期値で除した数値で、系内の各物質モル比の変化を比較した。
[0081]
 Si(OR) +4H O → Si(OH) +4ROH
(加水分解時に水4モルを消費)
 Si(OH) → SiO + 2H
(重縮合時に水2モルを放出)
[0082]
《シランアルコキシドの添加速度》
 単位時間(1分間)あたりに系中に添加されるシランアルコキシドの量を、液I中のシリカ種粒子に対する質量比として算出した。なお、両者の質量は、シリカ(SiO )として換算したものである。
[0083]
《系中シリカ成分濃度の測定》
 10分毎にサンプルを採取し、サンプル5gを1000℃で1時間乾燥させ、乾燥前後の質量から、系中シリカ成分濃度を算出した(下記式)。
  系中シリカ成分濃度(質量%)=(乾燥後の質量/乾燥前の質量)×100
[0084]
《シリカ粒子分散液の未反応物量の測定》
 未反応物量は、得られた20質量%シリカ粒子分散液を、日立工機株式会社製 小型超遠心機CS150GXLを用いて、設定温度10℃、1,370,000rpm(1,000,000G)で30分間遠心処理した際の上澄み中に存在する含珪素化合物(未反応物)を、株式会社島津製作所製 ICP発光分析装置ICPS-8100で測定したSiからSiO 濃度を求め、比較した。
[0085]
《シリカ粒子分散液の一次粒子の平均粒子径の測定》
 一次粒子の平均粒子径は、シリカ粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について、図1に例示するように一次粒子の最も長い径(鎖状粒子の短径方向の場合もあり)を測定し、その平均値として得た。
《一次粒子径のCV値》
 一次粒子径のCV値は、上記の個々の結果を用い、計算により求めた。
[0086]
《製造されたシリカ粒子分散液の異形シリカ粒子の割合(異形粒子率)》
 電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について観察し、一次粒子が2個以上連結した異形シリカ粒子の割合を求めた。
[0087]
《異形シリカ粒子の一次粒子の連結個数》
 電子顕微鏡写真を撮影し、任意の100個の粒子について観察し、各粒子の連結個数の平均値を求めた。
[0088]
 〈研磨材(A)の製造及び評価〉
 実施例1で製造したシリカ粒子を3.0質量%、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を175ppm、アンモニアを225ppm含有する研磨材(A)を製造した。下記の研磨材の性能評価結果を表2に示す(以下の実施例、比較例も同様)。
[0089]
《研磨材(スラリー)の安定性試験》
 研磨材(スラリー)の安定性は、〈研磨材(A)の製造〉で製造された研磨材(A)の白濁の有無で評価した。
  白濁なし      :○
  白濁あり      :×
[0090]
《研磨試験》
 研磨用基板(結晶構造が1.0.0である単結晶シリコンウエハー)を用い、研磨装置(ナノファクター(株)製 NF300)にセットし、研磨パッドSUBA600、基板加重15kPa、テーブル回転速度50rpm、スピンドル速度60rpmで、上記研磨材(A)を250ml/分の速度で研磨用基板の研磨を10分間行った。その後、純水にて洗浄し風乾した。
[0091]
 その後、得られた研磨基板の研磨表面を観察し、表面の平滑性を以下の基準(スクラッチの程度)で評価した。
  スクラッチはほとんど認められない。   :○
  スクラッチが僅かに認められる。     :△
  スクラッチが広範囲に認められる。    :×
[0092]
 研磨基板上のシリカ成分の残存について、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製 VK-X250)を用いて残存の程度を確認し、下記の評価基準で評価した。
  残存はほとんど認められない。   :○
  残存が僅かに認められる。     :△
  残存が広範囲に認められる。    :×
[0093]
[実施例2]
 〈シリカ粒子分散液(B)の製造〉
 平均粒子径25nmのシリカ種粒子を含む液I185.95gを50℃に保持し、この液Iに対して、テトラメトキシシラン(多摩化学(株)製)のメタノール溶液(液A)1956.4gと、アンモニア水(液B)709.0gとを同時に80分かけて添加した。
 添加終了時のシリカ粒子分散液のシリカ濃度は、14.2質量%であった。添加終了後、さらにこの温度で1時間熟成した。溶媒を純水に置換し、20質量%シリカ粒子分散液(B)を得た。
[0094]
 〈研磨材(B)の製造及び評価〉
 シリカ粒子分散液(B)を用いた以外は実施例1と同様に研磨材(B)を製造して性能を評価した。
[0095]
[実施例3]
 〈シリカ粒子分散液(C)の製造〉
 平均粒子径15nmのシリカ種粒子を含む液I180.0gを50℃に保持し、この液Iに対して、テトラメトキシシラン(多摩化学(株)製)のメタノール溶液(液A)1956.4gと、アンモニア水(液B)546.0gとを同時に200分かけて添加した。本実施例では、シリカ種粒子濃度の低い液Iを用いた。
 添加終了時のシリカ粒子分散液のシリカ濃度は、14.9質量%であった。添加終了後、さらにこの温度で30分間熟成した。溶媒を純水に置換し、20質量%シリカ粒子分散液(C)を得た。
[0096]
 〈研磨材(C)の製造及び評価〉
 シリカ粒子分散液(C)を用いた以外は実施例1と同様に研磨材(C)を製造して性能を評価した。
[0097]
[比較例1]
 〈シリカ粒子分散液(D)の製造〉
 平均粒子径15nmのシリカ種粒子を含む液I180.0gを50℃に保持し、この液Iに対して、テトラメトキシシラン(多摩化学(株)製)のメタノール溶液(液A)3051.97gと、アンモニア水(液B)546.0gとを同時に100分かけて添加した。本比較例は、実施例1に対して液Aの組成を変更した。
 添加開始から終了までの期間の反応系中の触媒割合(アルカリ触媒/シリカ成分)は0.86~1.00で変化し、水割合(水/シリカ成分)は0.60~1.00で変化した。
 添加終了時のシリカ粒子分散液のシリカ濃度は、16.5質量%であった。添加終了後、さらにこの温度で30分間熟成した。溶媒を純水に置換し、20質量%シリカ粒子分散液(D)を得た。
[0098]
 〈研磨材(D)の製造及び評価〉
 シリカ粒子分散液(D)を用いた以外は実施例1と同様に研磨材(D)を製造して性能を評価した。
[0099]
[比較例2]
 〈シリカ粒子分散液(E)の製造〉
 平均粒子径15nmのシリカ種粒子を含む液I180.0gを50℃に保持し、この液Iに対して、テトラメトキシシラン(多摩化学(株)製)のメタノール溶液(液A)1956.4gと、アンモニア水(液B)344.0gとを同時に100分かけて添加した。本比較例は、実施例1に対して液Bの組成を変更した。
 添加開始から終了までの期間の反応系中の触媒割合(アルカリ触媒/シリカ成分)は0.60~1.00で変化し、水割合(水/シリカ成分)は0.60~1.00で変化した。
 添加終了時のシリカ粒子分散液のシリカ濃度は、16.3質量%であった。添加終了後、さらにこの温度で30分間熟成した。溶媒を純水に置換し、20質量%シリカ粒子分散液(E)を得た。
[0100]
 〈研磨材(E)の製造及び評価〉
 シリカ粒子分散液(E)を用いた以外は実施例1と同様に研磨材(E)を製造して性能を評価した。
[0101]
[表1]


[0102]
[表2]


[0103]
 表2に示すように、実施例1~3で製造されたシリカ粒子分散液は、異形のシリカ粒子が効率的に生成されていることがわかる。また、比較例1及び2と比較して未反応物の生成量が少なく、スラリー安定性や研磨特性の点でも優れていた。

請求の範囲

[請求項1]
 平均粒子径が3~100nmのシリカ種粒子を含有する液Iを容器に準備する工程と、
 前記液Iに、シランアルコキシドを含有する液Aと、アルカリ触媒及び水を含有する液Bとを同時に添加し、前記シリカ種粒子を成長させてシリカ粒子を製造する工程とを含み、
 添加開始から終了までの期間の反応系におけるシリカ成分に対する前記アルカリ触媒のモル比の初期値に対する変化率が、0.90~1.10であり、
 添加開始から終了までの期間の前記反応系におけるシリカ成分に対する前記水のモル比の初期値に対する変化率が、0.90~1.10である
ことを特徴とするシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項2]
 前記液I中のシリカ種粒子濃度が、1質量%以上であることを特徴とする請求項1記載のシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項3]
 前記シランアルコキシドの添加量が、前記液I中の前記シリカ種粒子に対して、SiO 換算質量として、1分間あたり10質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項4]
 前記シリカ種粒子の真球度が0.80~1.00、かつ粒子径変動係数(CV値)が10%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項5]
 前記液I中の未反応物の含有量が、200ppm以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項6]
 製造されるシリカ粒子が、一次粒子が2個以上連結した異形シリカ粒子であることを特徴とする請求項1~5のいずれか記載のシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項7]
 添加終了時の前記反応系中のシリカ粒子濃度が、5質量%以上であることを特徴とする請求項1~6のいずれか記載のシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項8]
 添加終了時の前記反応系中の未反応物の含有量が、200ppm以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載のシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項9]
 添加開始から終了までの期間、前記反応系におけるシリカ成分に対する前記アルカリ触媒のモル比が常時0.20以上であり、かつ、前記シリカ成分に対する前記水のモル比が常時2.0以上であることを特徴とする請求項1~8のいずれか記載のシリカ粒子分散液の製造方法。
[請求項10]
 前記反応系の温度が、0~65℃であることを特徴とする請求項1~9のいずれか記載のシリカ粒子分散液の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]