Algum conteúdo deste aplicativo está indisponível no momento.
Se esta situação persistir, por favor entre em contato conoscoFale conosco & Contato
1. (WO2017006941) CRYSTAL OSCILLATING PIECE AND CRYSTAL OSCILLATOR
Document

明 細 書

発明の名称 水晶振動片及び水晶振動子

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

産業上の利用可能性

0077  

符号の説明

0078  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 水晶振動片及び水晶振動子

技術分野

[0001]
 本発明は、ATカット型の水晶振動片及び水晶振動子に関する。

背景技術

[0002]
 従来の水晶振動子に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の水晶振動子が知られている。該水晶振動子は、水晶片及び2個の外部電極を含む水晶振動片を備えている。水晶片は、矩形状をなすAT型の水晶片である。水晶片の長辺は、Z′方向(水晶片が切り出される方向)と一致している。また、2個の外部電極は、水晶片の短辺方向に並ぶように設けられている。そして、水晶振動片の2個の外部電極が導電性接着剤を介してセラミック基板の2個の外部電極に固定される。これにより、水晶振動片がその短辺近傍においてセラミック基板に固定される。
[0003]
 しかしながら、特許文献1に記載の水晶振動子では、クリスタルインピーダンス値(以下、CI値)が大きくなるという問題がある。より詳細には、水晶片が実装されるセラミック基板の熱膨張係数は、約7.0×10 -6/℃である。一方、水晶片のX方向の熱膨張係数は、約13.0×10 -6/℃であり、水晶片のZ′方向の熱膨張係数は、約10.0×10 -6/℃である。したがって、水晶片のX方向の熱膨張係数とセラミック基板の熱膨張係数との差は、水晶片のZ’方向の熱膨張係数とセラミック基板の熱膨張係数との差よりも大きくなる。そのため、水晶片の長辺がZ′方向と一致し水晶片の短辺がX方向と一致すると、固定されている水晶片の短辺において、水晶片の熱膨張係数とセラミック基板の熱膨張係数との差が大きくなってしまう。よって、水晶振動片をセラミック基板に固定する際の導電性接着剤を熱硬化させる工程において、セラミック基板の伸びと水晶片の短辺近傍における伸びとに大きな差が生じる。その結果、水晶振動片及びセラミック基板の冷却後に、2個の外部電極近傍において水晶片に残留応力が発生する。このような残留応力は、水晶振動子のCI値が大きくなる原因となる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2014-179770号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 そこで、本発明の目的は、CI値を低減できる水晶振動片及び水晶振動子を提供することである。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の一形態に係る水晶振動子は、水晶片と、第1の外部電極及び第2の外部電極と、を含む水晶振動片と、板状の基板本体と、該基板本体の主面上に設けられている第3の外部電極及び第4の外部電極と、を含む基板と、を備えており、前記水晶片は、板状をなしており、主面の法線方向から見たときに矩形状をなしているATカット型の水晶片であり、前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極は、前記主面の短辺が延在する短辺方向に並ぶように該主面上に設けられており、前記主面の長辺が前記水晶片のZ′軸と実質的に平行であり、前記主面の短辺が前記水晶片のX軸と実質的に平行であり、前記水晶片の主振動の周波数が、20.0MHz以上60.0MHz以下であり、前記第1の外部電極と前記第3の外部電極とが第1の導電性接着剤を介して固定され、かつ、第2の外部電極と前記第4の外部電極とが第2の導電性接着剤を介して固定されており、前記水晶振動片に前記第1の導電性接着剤が接触している部分と該水晶振動片に前記第2の導電性接着剤が接触している部分との前記短辺方向における最短間隔がP(mm)であり、前記水晶片の主振動の周波数がF(MHz)である場合に、0.050≦P≦-0.0047×F+1.728が成立していること、を特徴とする。
[0007]
 また、本発明の一形態に係る水晶振動片は、板状をなしており、主面の法線方向から見たときに矩形状をなしているATカット型の水晶片と、前記主面の短辺が延在する短辺方向に並ぶように該主面上に設けられている第1の外部電極及び第2の外部電極と、を備えており、前記主面の長辺が前記水晶片のZ′軸と実質的に平行であり、前記主面の短辺が前記水晶片のX軸と実質的に平行であり、前記水晶片の主振動の周波数が、20.0MHz以上60.0MHz以下であり、前記第1の外部電極と前記第2の外部電極との前記短辺方向における間隔がP(mm)であり、前記水晶片の主振動の周波数がF(MHz)である場合に、0.050≦P≦-0.0047×F+1.728が成立していること、を特徴とする。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、CI値を低減できる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 水晶振動子10の外観斜視図である。
[図2] 水晶振動子10の分解斜視図である。
[図3] 図1のA-Aにおける断面構造図である。
[図4] 本願発明者が行ったコンピュータシミュレーションに用いたモデルを-Z′側から平面視した図である。
[図5] 本願発明者が行ったコンピュータシミュレーションに用いたモデルを+Y′側から平面視した図である。
[図6] シミュレーション結果を示したグラフである。
[図7] 間隔P(mm)と主振動の周波数F(MHz)との関係を示したグラフである。
[図8] 第4のサンプルにおける水晶片17の応力分布を示した図である。
[図9] 第9のサンプルにおける水晶片17の応力分布を示した図である。
[図10] 第14のサンプルにおける水晶片17の応力分布を示した図である。
[図11] 第9のサンプルにおける水晶片17の応力分布を示した図である。
[図12] 実験結果を示したグラフである。
[図13] 変形例に係る水晶振動子10aの断面構造図である。
[図14] 水晶発振器300の断面構造図である。

発明を実施するための形態

[0010]
(水晶振動子の構造)
 以下に、本発明の一実施形態に係る水晶振動片を備えた水晶振動子について図面を参照しながら説明する。図1は、水晶振動子10の外観斜視図である。図2は、水晶振動子10の分解斜視図である。図3は、図1のA-Aにおける断面構造図である。
[0011]
 以下では、水晶振動子10の主面に対する法線方向を上下方向と定義し、上側から見たときに、水晶振動子10の長辺が延在する方向を長辺方向と定義し、水晶振動子10の短辺が延在する方向を短辺方向と定義する。また、以下では、水晶片17のATカットの軸方向を基準として各構成を説明することもある。
[0012]
 水晶振動子10は、図1ないし図3に示すように、基板12、金属キャップ14、水晶振動片16及びろう材50を備えている。水晶振動子10の短辺の幅が1.0mmであり、水晶振動子10の長辺の長さが1.2mmである。
[0013]
 基板12(回路基板の一例)は、基板本体21、外部電極22,26,40,42,44,46、ビアホール導体25,28,54,56及びメタライズ膜30を含んでいる。
[0014]
 基板本体21は、板状をなしており、上側から見たときに、矩形状をなしている。基板本体21は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(いわゆるアルミナ)等のセラミックス系絶縁性材料により作製されている。本実施形態では、基板本体21は、セラミック材料により作製された複数の絶縁体層が積層されて構成されている。基板本体21は、上下に2つの主面を有している。基板本体21の上側の主面(+Y′側の主面)を表面と呼び、基板本体21の下側の主面(-Y′側の主面)を裏面と呼ぶ。
[0015]
 外部電極22,26は、基板本体21の表面において、長辺方向の一方端側で短辺方向に並んで設けられている。具体的には、外部電極22は、基板本体21の表面の-Z′及び+X側の角近傍に設けられている矩形状の導体層である。外部電極26は、基板本体21の表面の-Z′及び-X側の角近傍に設けられている矩形状の導体層である。
[0016]
 外部電極40,42,44,46は、基板本体21の裏面の各角近傍に設けられている。外部電極40は、基板本体21の裏面の-Z′及び-X側の角近傍に設けられている正方形状の導体層であり、上側から見たときに、外部電極26と重なっている。外部電極42は、基板本体21の裏面の-Z′及び+X側の角近傍に設けられている正方形状の導体層であり、上側から見たときに、外部電極22と重なっている。外部電極44は、基板本体21の裏面の+Z′及び-X側の角近傍に設けられている正方形状の導体層である。外部電極46は、基板本体21の裏面の+Z′及び+X側の角近傍に設けられている正方形状の導体層である。
[0017]
 ビアホール導体25は、基板本体21を上下方向に貫通しており、外部電極22と外部電極42とを電気的に接続している。ビアホール導体28は、基板本体21を上下方向に貫通しており、外部電極26と外部電極40とを電気的に接続している。
[0018]
 メタライズ膜30は、基板本体21の表面上に設けられている線状の金属膜であり、上側(表面に対する法線方向)から見たときに、長方形状の環状をなしている。外部電極22,26は、上側から見たときに、メタライズ膜30に囲まれた領域内に設けられている。
[0019]
 ビアホール導体54は、基板本体21を上下方向に貫通しており、メタライズ膜30と外部電極46とを電気的に接続している。ビアホール導体56は、基板本体21を上下方向に貫通しており、メタライズ膜30と外部電極44とを電気的に接続している。
 ここで、図2で示す構成に対して、基板本体21の対角に配置された外部電極40と外部電極46とに励振信号を伝達する構成(図示しない)の変形例を用いることができる。この変形例の構成は、基板12に多層構造を用いて実現できる。この場合、基板本体の一部の層を貫通して設けられたビアホール導体25が、外部電極22と多層構造の基板本体の中間にある中間配線層上に設けられた中間配線とを電気的に接続する構成であって、かつ、基板本体の一部の層を貫通して設けられたビアホール導体54が、中間配線と外部電極46とを電気的に接続する構成で実現できる。このような多層構造の基板を用いれば、平面視して重ならない位置にある外部電極22と外部電極46とが、ビアホール導体25、中間配線、ビアホール導体54を介して、電気的に接続できる。このとき、ビアホール導体54はメタライズ膜30と電気的に接続されない。
 この変形例のさらに別の構成では、多層構造の基板の表面に設けられた表面配線が外部電極42と外部電極44とに接触させて、外部電極42と外部電極44とが電気的に接続されてもよい。このように、中間配線とビアホール導体とを組み合わせによって、多層構造の基板の内部に立体的に引き回された導電経路が実現できる。さらに、外部電極22から基板主面上で延びる引き出し電極を形成して、この引き出し電極にビアホール電極を接続することで、より複雑な導電経路が実現できる。
[0020]
 外部電極22,26,40,42,44,46及びメタライズ膜30は、3層構造をなしており、具体的には、下層側から上層側へとモリブデン層、ニッケル層及び金層が積層されることにより構成されている。ビアホール導体25,28,54,56は、基板本体21に形成されたビアホールに対してモリブデン等の導体が埋め込まれて作製される。
[0021]
 水晶振動片16は、水晶片17、外部電極97,98、励振電極100,101及び引き出し導体102,103を含んでいる。水晶片17は、板状をなしており、上側から見たときに、矩形状をなしている。水晶片17の上側の主面を表面と呼び、水晶片17の下側の主面を裏面と呼ぶ。
[0022]
 水晶片17は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出されたATカット型の水晶片である。ATカットの水晶片17は、人工水晶の結晶軸であるX軸、Y軸、Z軸のうち、Y軸及びZ軸をX軸の周りにY軸からZ軸の方向に35度15分±1分30秒回転させた軸をそれぞれY′軸及びZ′軸とした場合、X軸及びZ′軸によって特定される面と平行な面を主面として切り出されたものである。図2に示すように、水晶片17の表面及び裏面の長辺は、水晶片17のZ′軸と実質的に平行である。水晶片17の表面及び裏面の短辺は、水晶片17のX軸と実質的に平行である。水晶片17の表面又は裏面に垂直な方向の厚さは、水晶片17のY′軸と実質的に平行である。実質的に平行とは、Z′軸、X軸に対し、およそ±1度の範囲内のものをいう。ATカット水晶片を用いた水晶振動素子は、広い温度範囲で極めて高い周波数安定性を有し、また、経時変化特性にも優れて製造することが可能である。また、ATカット水晶振動素子は、主要振動として厚みすべり振動モード(Thickness Shear Mode)を含む。なお、水晶片17には、べベル加工が施されている。ただし、図2,3では、べベル加工が施されている点については表現されていない。
[0023]
 水晶振動子のサイズは、長辺方向の長さが1.2mm、短辺方向の幅が1.0mmの範囲に収めるため、パッケージの壁厚さ、封止材のにじみ、素子のマウント精度等を考慮して、例えば、水晶片17の長辺方向の長さが0.80mm以下となり、水晶片17の短辺方向の幅が0.67mm以下となるように水晶片17が設計される。
[0024]
 外部電極97は、水晶片17の-Z′及び+X側の角及びその近傍に設けられている導体層である。外部電極97は、水晶片17の表面から裏面に跨って形成されており、水晶片17の+X側及び-Z′側の各側面にも形成されている。これにより、外部電極97は、表面及び裏面の短辺の+X側の端部に接している。外部電極98は、水晶片17の裏面の-Z′及び-X側の角及びその近傍に設けられている導体層である。外部電極98は、水晶片17の表面から裏面に跨って形成されており、水晶片17の-X側及び-Z′側の各側面にも形成されている。これにより、外部電極98は、表面及び裏面の短辺の-X側の端部に接している。よって、外部電極97,98は、水晶片17の短辺方向に並んでいる。
[0025]
 励振電極100は、水晶片17の表面の中央に設けられており、上側から見たときに矩形状をなしている。励振電極101は、水晶片17の裏面の中央に設けられており、上側から見たときに矩形状をなしている。励振電極100と励振電極101とは、上側から見たときに、一致した状態で重なっている。
[0026]
 引き出し導体102は、水晶片17の表面に設けられており、外部電極97と励振電極100とを接続している。引き出し導体103は、水晶片17の裏面に設けられており、外部電極98と励振電極101とを接続している。外部電極97,98、励振電極100,101及び引き出し導体102,103は、例えば、クロムの下地層上に金が積層されることにより作製される。
[0027]
 水晶振動片16は、基板12の表面に実装される。具体的には、外部電極22と外部電極97とが導電性接着剤210により電気的に接続された状態で固定され、外部電極26と外部電極98とが導電性接着剤212により電気的に接続された状態で固定される。導電性接着剤210,212としては、例えば、シリコーン系導電性接着剤が挙げられる。
[0028]
 金属キャップ14は、矩形状の開口を有する筺体であり、例えば、鉄ニッケル合金又はコバルトニッケル合金の母材にニッケルめっき及び金めっきが施されることにより作製されている。本実施形態では、金属キャップ14は、下側が開口した直方体状の箱であり、鉄ニッケル合金の母材の表面にニッケルめっき及び金めっきが施されることにより作製されている。
[0029]
 ろう材50は、メタライズ膜30上に配置される。ろう材50は、メタライズ膜30と実質的に同じ形状を有しており、長方形状の環状をなしている。ろう材50は、メタライズ膜30よりも低い融点を有しており、例えば、金-すず合金により作製されている。ろう材50は、例えば、印刷等によりメタライズ膜30上に形成される。そして、金属キャップ14の開口の外縁がろう材50に接触した状態で、メタライズ膜30が溶融及び固化させられる。これにより、金属キャップ14は、開口の外縁の全長においてメタライズ膜30にろう材50を介して接合する。その結果、基板本体21の表面及び金属キャップ14により、密閉空間Spが形成されている。よって、水晶振動片16は、密閉空間Sp内に収容されている。また、密閉空間Spは、金属キャップ14がメタライズ膜30及びろう材50を介して基板本体21に密着することによって、真空状態に保たれている。ただし、大気状態でもよい。なお、ろう材50の代わりに、例えば、低融点ガラス、樹脂等の接着剤が用いられてもよく、このとき、メタライズ膜30は必ずしも必要ではない。
[0030]
 水晶振動子10では、外部電極40,42は発振回路に電気的に接続され、発振回路からはタイミング信号が出力される。また、外部電極44,46には接地電位が印加される。
[0031]
 ところで、本実施形態に係る水晶振動子10は、CI値を低減するために、以下に説明する条件を満足している。
[0032]
条件1:水晶片17の主振動の周波数が20.0MHz以上60.0MHz以下である。
条件2:水晶片17の表面及び裏面の長辺が水晶片17のZ′軸と実質的に平行である。
条件3:水晶片17の表面及び裏面の短辺が水晶片17のX軸と実質的に平行である。
条件4:水晶振動片16に導電性接着剤210が接触している部分と水晶振動片16に導電性接着剤212が接触している部分との短辺方向における最短間隔がP(mm)であり、水晶片17の主振動の周波数がF(MHz)である場合に、0.050≦P≦-0.0047×F+1.728が成立している。
[0033]
<条件1について>
 水晶片17の主振動の周波数は、水晶片17の厚さTに依存している。したがって、水晶片17の厚さTは、0.0278mm以上0.0835mm以下の範囲に設定されている。
[0034]
<条件2及び条件3について>
 水晶片は、その短辺近傍において導電性接着剤で基板に固定されることが一般的であり、また、ATカットの水晶片は、厚みすべり振動の振動方向がX軸方向であることが知られている。したがって、従来の長辺がX軸方向と平行となる水晶片は、短辺側の導電性接着剤を介して基板に振動漏れの影響を受けやすい。これに対して本実施形態に係るATカット型の水晶片17は、長辺がZ′軸方向と平行であるため、Z′軸領域への振動漏れが少なく、水晶片17の短辺近傍において導電性接着剤210,212で基板12に固定した場合であっても、基板への振動漏れの影響が少ない。したがって、本実施形態に係るATカット型の水晶片によれば、長辺がX軸方向と平行である水晶片より、振動漏れの影響が少なく、CI値が良い。
[0035]
<条件4について>
 水晶振動片16に導電性接着剤210が接触している部分と水晶振動片16に導電性接着剤212が接触している部分との短辺方向における最短間隔がP(mm)であり、水晶片17の主振動の周波数がF(MHz)である場合に、0.050≦P≦-0.0047×F+1.728が成立している。また、水晶片17の主振動の周波数が37.4MHzである場合において、0.370≦P≦0.683が成立していることがより好ましい。水晶振動片16に導電性接着剤210が接触している部分及び水晶振動片16に導電性接着剤212が接触している部分とは、水晶振動片16が導電性接着剤210,212を介して基板12に固定されている部分である。すなわち、最短間隔Pとは、水晶振動片16が導電性接着剤210を介して基板12に固定されている部分と水晶振動片16が導電性接着剤212を介して基板12に固定されている部分との最短間隔を意味する。なお、本実施形態では、導電性接着剤210,212は、上側から見たときに、外部電極97,98からはみ出さないように塗布されている。したがって、水晶振動片16に導電性接着剤210が接触している部分及び水晶振動片16に導電性接着剤212が接触している部分とはそれぞれ、外部電極97に導電性接着剤210が接触している部分及び外部電極98に導電性接着剤212が接触している部分である。
[0036]
(水晶振動子の製造方法)
 以下に、水晶振動子10の製造方法について図面を参照しながら説明する。
[0037]
 まず、基板12の製造方法について説明する。複数の基板本体21がマトリクス状に配列されたマザー基板を準備する。マザー基板は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(いわゆるアルミナ)等のセラミックス系絶縁性材料により作製されている。
[0038]
 次に、マザー基板において、基板本体21のビアホール導体25,28,54,56が形成される位置にビームを照射して、貫通孔を形成する。更に、貫通孔にモリブデン等の導電性材料を充填し、乾燥させる。その後、導電性材料を焼結することにより、ビアホール導体25,28,54,56を形成する。
[0039]
 次に、外部電極40,42,44,46の下地電極をマザー基板の裏面に形成する。具体的には、モリブデン層をマザー基板の裏面上に印刷し、乾燥させる。その後、モリブデン層を焼結する。これにより、外部電極40,42,44,46の下地電極が形成される。
[0040]
 次に、外部電極22,26及びメタライズ膜30の下地電極をマザー基板の表面に形成する。モリブデン層をマザー基板の表面上に印刷し、乾燥する。その後、モリブデン層を焼結する。これにより、外部電極22,26及びメタライズ膜30の下地電極が形成される。
[0041]
 次に、外部電極40,42,44,46,22,26及びメタライズ膜30の下地電極に、ニッケルめっき及び金めっきをこの順に施す。これにより、外部電極40,42,44,46,22,26及びメタライズ膜30が形成される。
[0042]
 ここで、貫通孔への導電性材料の充填とマザー基板への外部電極等の印刷は真空印刷などを用いることで、同時に形成することができる。このとき、導電性材料と外部電極等を同時に焼成する。
[0043]
 また、マザー基板がセラミックス系焼結体絶縁性材料の場合は、焼成前のシート状態で、貫通孔の形成、導電性材料の充填、外部電極22,26,40,42,44,46及びメタライズ膜30の印刷、乾燥を行い、その後、複数枚積層した状態で加圧密着し積層シートとし、これを焼成して、ビアホール導体、外部電極22,26,40,42,44,46及びメタライズ膜30及び基板本体21を同時に完成させることができる。この後、前記同様のめっきを施す。
[0044]
 次に、ダイサーにより、マザー基板を複数の基板本体21に分割する。または、レーザーなどでマザー基板に分割溝を形成し、これに沿って機械的に分割する。
[0045]
 次に、水晶振動片16の製造方法について説明する。水晶の原石をATカットにより切り出して、矩形状の板状の水晶片17を得る。この際、水晶片17の表面及び裏面の長辺が水晶片17のZ′軸と実質的に平行となり、水晶片17の表面及び裏面の短辺が水晶片17のX軸と実質的に平行となるように、水晶の原石をカットする。
[0046]
 次に、水晶片17に対してバレル加工装置を用いてべベル加工を施す。これにより、水晶片17の稜線付近が削り取られて、表面の中央から離れるにしたがって厚さが小さくなる断面形状を水晶片17が有するようになる。
[0047]
 次に、水晶片17に外部電極97,98、励振電極100,101及び引き出し導体102,103を形成する。なお、外部電極97,98、励振電極100,101及び引き出し導体102,103の形成については、一般的な工程であるので説明を省略する。
[0048]
 次に、基板本体21の表面に水晶振動片16を実装する。具体的には、図2及び図3に示すように、外部電極22と外部電極97とを導電性接着剤210により接着するとともに、外部電極26と外部電極98とを導電性接着剤212により接着する。この際、導電性接着剤210,212中の熱硬化性樹脂を硬化させるために、180℃まで基板12、水晶振動片16及び導電性接着剤210,212を加熱する。
[0049]
 次に、金属キャップ14をろう材50により基板12に取り付ける。以上の工程を経て、水晶振動子10が完成する。
[0050]
(効果)
 本実施形態に係る水晶振動片16及び水晶振動子10によれば、条件1ないし条件4を満足することにより、CI値を低減できる。図4は、本願発明者が行ったコンピュータシミュレーションに用いたモデルを左側から平面視した図である。図5は、本願発明者が行ったコンピュータシミュレーションに用いたモデルを上側から平面視した図である。
[0051]
 本願発明者は、表面及び裏面の長辺が水晶片17のZ′軸と実質的に平行である(以下、Zロングと呼ぶ)水晶片17において、適切な間隔Pを調べるために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。本願発明者は、以下に説明する第1のモデルないし第15のモデルを作成し、水晶片17にかかる最大応力を演算した。最大応力は、導電性接着剤210,212と水晶片17とが接する部分で生じる。また、応力は、ミーゼスの相当応力である。
[0052]
 以下に、シミュレーション条件について説明する。本願発明者は、図4及び図5に示すように、基板12上に導電性接着剤210,212により水晶片17が固定されているモデルを作成した。この際、本願発明者は、水晶片17の厚みを3種類に変化させて、主振動の周波数Fを変化させた。更に、3種類の厚みの水晶片17のモデルのそれぞれにおいて、間隔Pを5種類に変化させた。表1は、水晶片17の条件を示した表であり、表2は、基板12の条件を示した表であり、表3は、導電性接着剤210,212の条件を示した表である。表4は、第1のモデルないし第15のモデルの間隔Pを示した表である。
[0053]
[表1]


[0054]
[表2]


[0055]
[表3]


[0056]
[表4]


[0057]
 図6は、シミュレーション結果を示したグラフである。縦軸は最大応力(MPa)を示し、横軸は間隔P(mm)を示す。
[0058]
 一般的な水晶振動子では、表面及び裏面の長辺が水晶片のX軸と実質的に平行である(以下、Xロングと呼ぶ)。短辺方向の幅が2.0mm、長辺方向の幅が2.5mmであるXロングの水晶振動子は、最大応力が50MPa以下となるように設計されている。これにより、水晶振動子のCI値が十分に低い値(具体的には70Ω以下)に抑制されることが経験則上で分かっている。そこで、本願発明者は、図6のグラフにおいて、水晶片17の主振動の周波数毎(すなわち、厚み毎)に、最大応力が50MPaとなる間隔Pを読み取ったところ、以下の結果を得た。
[0059]
20MHz:P=1.63mm
37.4MHz:P=1.56mm
60MHz:P=1.44mm
[0060]
 そこで、本願発明者は、上記結果に基づいて、図7に示すグラフを作成した。図7は、間隔P(mm)と主振動の周波数F(MHz)との関係を示したグラフである。縦軸は間隔Pを示し、横軸は周波数Fを示す。
[0061]
 図7を参照すると、3点は実質的に1つの直線上に位置している。そこで、該直線を最小二乗法で数式化すると、P=-0.0047×F+1.728となった。したがって、間隔Pが該直線以下の範囲であれば、最大応力が50MPa以下となることが分かる。すなわち、P≦-0.0047×F+1.728が成立していれば、CI値が低い値(70Ω以下)に抑えられることが分かる。
[0062]
 ただし、間隔Pの下限は、0.050mmである。間隔Pが0.050mmよりも小さくなると、導電性接着剤210と導電性接着剤212とが近接し過ぎて短絡するおそれがあるからである。
[0063]
 ところで、水晶片17の短辺方向の幅及び長辺方向の長さは、以下に説明するように、CI値の低減に殆ど寄与しないことが分かっている。図8は、第4のサンプルにおける水晶片17の応力分布を示した図である。図9は、第9のサンプルにおける水晶片17の応力分布を示した図である。図10は、第14のサンプルにおける水晶片17の応力分布を示した図である。図11は、第9のサンプルにおける水晶片17の応力分布を示した図である。図8ないし図10では、各サンプルを左側から見た図である。図11は、サンプルを上側から見た図である。
[0064]
 図8ないし図10に示すように、応力は、水晶片17において、導電性接着剤210の-X側の端部近傍及び導電性接着剤212の+X側の端部近傍に集中していることが分かる。すなわち、水晶片17における導電性接着剤210よりも+X側の部分及び導電性接着剤212よりも-X側の部分には殆ど応力が発生していない。したがって、水晶片17における導電性接着剤210よりも+X側の部分及び水晶片17における導電性接着剤212よりも-X側の部分の長さはいくらであってもよい。
[0065]
 図11に示すように、応力は、水晶片17において、導電性接着剤210,212の上側近傍に集中していることが分かる。すなわち、水晶片17における導電性接着剤210,212よりも+Z′側の部分には殆ど応力が発生していない。そのため、水晶片17における導電性接着剤210,212よりも+Z′側の部分の長さはいくらであってもよい。ただし、水晶片17の表面及び裏面の長辺の長さ(すなわち、長辺方向の長さ)は2.0mm以下であることが好ましい。水晶片17の長辺方向の長さが長くなり過ぎると、水晶片17が重くなり、導電性接着剤210,212に加わる負荷が大きくなるためである。
[0066]
 次に、本願発明者は、間隔Pのより好ましい値を求めるために以下に説明する実験を行った。より詳細には、以下に説明する第1のサンプルないし第3のサンプルを作成し、CI値を測定した。CI値の測定は、ネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー製、E5100A)で行った。また、実験は、25℃(常温)で行った。表5は、第1のサンプルないし第3のサンプルの水晶片17及び励振電極100,101の長さ、幅、間隔Pの条件を示した表である。表5に示すように、第1のサンプルないし第3のサンプルでは、間隔Pを変化させた。
[0067]
[表5]


[0068]
 図12は、表5に示す周波数が37.4MHzの各サンプルの実験結果を示したグラフである。縦軸はCI値を示し、横軸は間隔Pを示している。図12によれば、主振動の周波数が37.4MHzである水晶振動子10では、間隔Pが0.370mm以上0.683mm以下であれば、CI値を70Ω以下に抑えることができる。以上より、水晶片17の主振動の周波数が37.4MHzである場合には、0.370mm≦P≦0.683mmが成立していることが好ましい。
[0069]
(変形例)
 以下に変形例に係る水晶振動子10aについて図面を参照しながら説明する。図13は、変形例に係る水晶振動子10aの断面構造図である。
[0070]
 図13に示すように、本変形例に係る水晶振動子10aは水晶片17を含む水晶振動片16を備えており、上記実施形態で説明した水晶振動子10とは、基板12の裏面にサーミスタ60が設けられている点で異なっている。なお、水晶片17は、上記実施形態で説明した構成を適用することができる。
[0071]
(水晶発振器)
 以下に水晶片17を備えた水晶発振器300について図面を参照しながら説明する。図14は、水晶発振器300の断面構造図である。
[0072]
 図14に示すように、水晶発振器300は、水晶片17を含む水晶振動片16を備えており、図3の水晶振動子10とは、基板12の裏面にIC302が実装されている点で異なっている。なお、水晶片17は、上記実施形態で説明した構成を適用することができる。
[0073]
(その他の実施形態)
 本発明に係る水晶振動片及び水晶振動子は、水晶振動片16及び水晶振動子10に限らずその要旨の範囲内において変更可能である。
[0074]
 なお、最短間隔Pは、水晶振動片16に導電性接着剤210が接触している部分と水晶振動片16に導電性接着剤212が接触している部分との短辺方向における最短間隔であるとしたが、以下の理由により、外部電極97と外部電極98との短辺方向における最短間隔であってもよい。
[0075]
 導電性接着剤210が外部電極97の-X側の辺に接するように塗布され、導電性接着剤212が外部電極98の+X側の辺に接するように塗布される場合がある。この場合には、水晶振動片16に導電性接着剤210が接触している部分と水晶振動片16に導電性接着剤212が接触している部分との短辺方向における最短間隔と、外部電極97と外部電極98との短辺方向における最短間隔とが、一致する。そのため、最短間隔Pは、外部電極97と外部電極98との短辺方向における最短間隔であってもよい。
[0076]
 なお、導電性接着剤210,212はそれぞれ、上側から見たときに、外部電極97,98からはみ出すように塗布される場合がある。特に、導電性接着剤210が外部電極97に対して-X側にはみ出し、導電性接着剤212が外部電極98に対して+X側にはみ出す場合がある。この場合には、水晶振動片16に導電性接着剤210が接触している部分と水晶振動片16に導電性接着剤212が接触している部分との短辺方向における最短間隔Pとは、水晶片17に導電性接着剤210が接触している部分と水晶片17に導電性接着剤212が接触している部分との最短間隔である。以上より、水晶振動片16に導電性接着剤210,212が接触している部分とは、水晶片17又は外部電極97,98に導電性接着剤210,212が接触している部分を意味している。

産業上の利用可能性

[0077]
 以上のように、本発明は、水晶振動片及び水晶振動子に有用であり、特に、CI値を低減できる点において優れている。

符号の説明

[0078]
10,10a:水晶振動子
12:基板
14:金属キャップ
16:水晶振動片
17:水晶片
21:基板本体
22,26,40,42,44,46,97,98:外部電極
210,212:導電性接着剤
300:水晶発振器

請求の範囲

[請求項1]
 水晶片と、第1の外部電極及び第2の外部電極と、を含む水晶振動片と、
 板状の基板本体と、該基板本体の主面上に設けられている第3の外部電極及び第4の外部電極と、を含む基板と、
 を備えており、
 前記水晶片は、板状をなしており、主面の法線方向から見たときに矩形状をなしているATカット型の水晶片であり、
 前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極は、前記主面の短辺が延在する短辺方向に並ぶように該主面上に設けられており、
 前記主面の長辺が前記水晶片のZ′軸と実質的に平行であり、
 前記主面の短辺が前記水晶片のX軸と実質的に平行であり、
 前記水晶片の主振動の周波数が、20.0MHz以上60.0MHz以下であり、
 前記第1の外部電極と前記第3の外部電極とが第1の導電性接着剤を介して固定され、かつ、第2の外部電極と前記第4の外部電極とが第2の導電性接着剤を介して固定されており、
 前記水晶振動片に前記第1の導電性接着剤が接触している部分と該水晶振動片に前記第2の導電性接着剤が接触している部分との前記短辺方向における最短間隔がP(mm)であり、前記水晶片の主振動の周波数がF(MHz)である場合に、0.050≦P≦-0.0047×F+1.728が成立していること、
 を特徴とする水晶振動子。
[請求項2]
 前記水晶片の主振動の周波数が37.4MHzであり、かつ、
 0.370≦P≦0.683が成立していること、
 を特徴とする請求項1に記載の水晶振動子。
[請求項3]
 前記主面の長辺の長さは、2.0mm以下であること、
 を特徴とする請求項1または請求項2に記載の水晶振動子。
[請求項4]
 前記第1の外部電極は、前記主面の短辺の一端に接しており、
 前記第2の外部電極は、前記主面の短辺の他端に接していること、
 を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の水晶振動子。
[請求項5]
 前記基板本体の材料は、セラミックであること、
 を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の水晶振動子。
[請求項6]
 前記基板本体上に設けられ、前記水晶振動片を覆うキャップを、
 更に備えていること、
 を特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか1項に記載の水晶振動子。
[請求項7]
 板状をなしており、主面の法線方向から見たときに矩形状をなしているATカット型の水晶片と、
 前記主面の短辺が延在する短辺方向に並ぶように該主面上に設けられている第1の外部電極及び第2の外部電極と、
 を備えており、
 前記主面の長辺が前記水晶片のZ′軸と実質的に平行であり、
 前記主面の短辺が前記水晶片のX軸と実質的に平行であり、
 前記水晶片の主振動の周波数が、20.0MHz以上60.0MHz以下であり、
 前記第1の外部電極と前記第2の外部電極との前記短辺方向における間隔がP(mm)であり、前記水晶片の主振動の周波数がF(MHz)である場合に、0.050≦P≦-0.0047×F+1.728が成立していること、
 を特徴とする水晶振動片。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]