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1. (WO2017002557) ACCELERATION AND DECELERATION CONTROL DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 加減速制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183  

符号の説明

0184  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32  

明 細 書

発明の名称 : 加減速制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、アクセルペダルまたはブレーキペダルの一方のみの操作により車両の加速制御および減速制御の双方を行う1ペダルモードを有する加減速制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 自動車等の車両に搭載される走行制御装置として、アクセルペダルの操作により加速制御を行い、かつ、ブレーキペダルの操作により減速制御を行う通常モードと、アクセルペダルまたはブレーキペダルの一方のみの操作により加速制御および減速制御の双方を行う1ペダルモードとを有する車両システムのための加減速制御装置が知られている(特許文献1)。
[0003]
 通常モードと1ペダルモードとの切換えは、例えば、車両の乗員(より具体的には、運転者)がモード切換え用のスイッチを操作することにより行うことができる。ここで、特許文献1の加減速制御装置は、モード切換え時の車両の急激な特性変化を防止するために、目標加減速度の変化を抑制するフィルタ部を備えている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2006-137324号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかし、特許文献1の構成では、ブレーキペダルまたはアクセルペダルの操作中にモード切換えを行ったときに、乗員に違和感を与えるおそれがある。
[0006]
 本発明の目的は、乗員に違和感を与えることを抑制できる加減速制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上述した課題を解決するため、本発明の加減速制御装置は、アクセルペダルの操作により加速制御を行い、かつ、ブレーキペダルの操作により減速制御を行う通常モードと、アクセルペダルまたはブレーキペダルのいずれか一方のペダルの操作により加速制御および減速制御の双方を行い、他方のペダルの操作により加速制御または減速制御のいずれかしか行わない1ペダルモードと、を有し、乗員の切換え操作に応じて1ペダルモードおよび通常モードを切換えるモード切換え手段を備える車両システムのための加減速制御装置であって、前記モード切換え手段を用いたモード切換えによって、前記1ペダルモード中の他方のペダルの操作量に応じて算出される、非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値の特性を切換え、前記1ペダルモードでは、加速制御および減速制御の双方を行うための前記一方のペダルの操作に応じて算出される1ペダル加減速度指令値に、前記非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値を加算した結果を車両の目標加減速度指令とするように構成されている加減速制御装置において、前記1ペダルモード中で前記他方のペダルを操作中に、前記モード切換え手段を用いたモード切換えが行われた場合に、当該モード切換え前の加速度または減速度を維持したあとに、操作中の前記他方のペダルの指令値特性を切換える構成としている。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、運転者に違和感を与えることを抑制できる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施形態による加減速制御装置が搭載された車両を示す概略図。
[図2] 第1の実施形態による加減速制御装置を示すブロック図。
[図3] 図2中の1ペダル指令切換え部を示すブロック図。
[図4] 図2中の非1ペダル指令切換え部を示すブロック図。
[図5] 減速度変動対策用の加速度指令値差分特性の一例を示す特性線図。
[図6] アクセルペダル操作量に対する減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値特性の一例を示す特性線図。
[図7] 通常モードから1ペダルモードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化の一例を示す特性線図。
[図8] 第2の実施形態による加減速制御装置を示すブロック図。
[図9] 図8中の1ペダル指令切換え部を示すブロック図。
[図10] 図8中の非1ペダル指令切換え部を示すブロック図。
[図11] 減速度変動対策用の加速度指令値差分特性の一例を示す特性線図。
[図12] ブレーキペダル操作量に対する減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値特性の一例を示す特性線図。
[図13] 通常モードから1ペダルモードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化の一例を示す特性線図。
[図14] 第3の実施形態による加減速制御装置を示すブロック図。
[図15] 図14中の1ペダル指令切換え部を示すブロック図。
[図16] 図14中の非1ペダル指令切換え部を示すブロック図。
[図17] 図14中の1ペダル指令加算部を示すブロック図。
[図18] 通常モードから1ペダルモードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化の一例を示す特性線図。
[図19] 第4の実施形態による加減速制御装置を示すブロック図。
[図20] 図19中の非1ペダル指令切換え部を示すブロック図。
[図21] 図19中の1ペダル指令加算部を示すブロック図。
[図22] 減速度変動対策用の加速度指令値差分特性の一例を示す特性線図。
[図23] ブレーキペダル操作量に対する減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値特性の一例を示す特性線図。
[図24] 1ペダルモードから通常モードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化の一例を示す特性線図。
[図25] 比較例による通常モードから1ペダルモードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化の一例を示す特性線図。
[図26] 別の比較例による通常モードから1ペダルモードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化の一例を示す特性線図。
[図27] 比較例による1ペダルモードから通常モードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化の一例を示す特性線図。
[図28] 別の比較例による1ペダルモードから通常モードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化の一例を示す特性線図。
[図29] 通常モード時と1ペダルモード時のアクセルペダル操作量に対する(1ペダル)加速度指令値特性の一例を示す特性線図。
[図30] 通常モード時と1ペダルモード時のブレーキペダル操作量に対する(非1ペダル)加速度指令値特性の一例を示す特性線図。
[図31] 通常モード時と1ペダルモード時のアクセルペダル操作量に対する(非1ペダル)加速度指令値特性の別例を示す特性線図。
[図32] 通常モード時と1ペダルモード時のブレーキペダル操作量に対する(1ペダル)加速度指令値特性の別例を示す特性線図。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、実施形態による加減速制御装置について、当該加減速制御装置を4輪自動車に搭載した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
[0011]
 図1ないし図7は、第1の実施形態を示している。図1において、車両のボディを構成する車体1の下側(路面側)には、左右の前輪2L,2Rと左右の後輪3L,3Rとからなる合計4個の車輪が設けられている。左右の前輪2L,2Rには、それぞれ前輪側ホイールシリンダ4L,4Rが設けられ、左右の後輪3L,3Rには、それぞれ後輪側ホイールシリンダ5L,5Rが設けられている。これら各ホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rは、それぞれの車輪2L,2R,3L,3Rに制動力を付与するブレーキ機構(摩擦ブレーキ機構)となるもので、例えば、液圧式のディスクブレーキ、または、ドラムブレーキにより構成されている。
[0012]
 ブレーキペダル6は、車体1のフロントボード側に設けられている。ブレーキペダル6は、車両のブレーキ操作時に、乗員(乗車人員)、より具体的には、運転者によって、矢示Xbrake方向に踏込み操作される。各ホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rは、ブレーキペダル6の操作に基づいて、車輪2L,2R,3L,3Rに制動力を付与する。ここで、ブレーキペダル6(より具体的には、電動倍力装置10の入力ロッド10A)には、運転者のブレーキ操作量(ブレーキペダル操作量)を検出するブレーキ操作センサ7が設けられている。
[0013]
 ブレーキ操作センサ7は、後述のブレーキペダル操作量検出部33(図2参照)となるものである。ブレーキ操作センサ7は、例えばブレーキペダル6(入力ロッド10A)のストローク量(ペダルストローク)を検出するストロークセンサ(変位センサ)を用いることができる。なお、ブレーキ操作センサ7は、ストロークセンサに限らず、例えば、ペダル踏力を検出する力センサ、ブレーキペダル6の回転角(傾き)を検出する角度センサ等、ブレーキペダル6(入力ロッド10A)の操作量(踏込み量)を検出できる各種のセンサを用いることができる。この場合、ブレーキ操作センサ7は、1個(1種類)のセンサにより構成してもよいし、複数(複数種類)のセンサにより構成してもよい。
[0014]
 ブレーキ操作センサ7の検出信号(ブレーキ操作量)は、第1のECU14、および、第1のECU14を介して車両データバス16に出力される。さらに、ブレーキ操作センサ7の検出信号は、例えば、第1のECU14と第2のECU15とを接続する通信線17を介して第2のECU15にも出力される。
[0015]
 ブレーキペダル6が踏込み操作されると、マスタシリンダ8には、電動倍力装置10を介してブレーキ液圧が発生する。即ち、ブレーキペダル6の踏込み操作は、電動倍力装置10を介してマスタシリンダ8に伝達され、マスタシリンダ8内の液圧室(図示せず)にブレーキ液圧を発生させる。マスタシリンダ8には、内部にブレーキ液が収容された作動液タンクとしてのリザーバ9が設けられている。リザーバ9は、マスタシリンダ8内の液圧室にブレーキ液を給排(供給・排出)する。
[0016]
 電動倍力装置10は、ブレーキペダル6とマスタシリンダ8との間に設けられている。電動倍力装置10は、ブレーキペダル6の踏込み操作時に、踏力(ブレーキ操作力)を増力してマスタシリンダ8に伝える倍力機構となるものである。マスタシリンダ8内に発生したブレーキ液圧は、例えば一対のシリンダ側液圧配管11A,11Bを介して、液圧供給装置12に送られる。
[0017]
 液圧供給装置12は、マスタシリンダ8からの液圧を、ブレーキ側配管部13A,13B,13C,13Dを介して各ホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rに分配する。これにより、車輪2L,2R,3L,3Rのそれぞれに対して相互に独立して制動力を付与することができる。なお、ブレーキペダル6により液圧を発生する機構は、上記の構成に限るものではなく、ブレーキペダル6の操作に応じて液圧を発生する機構、例えば、ブレーキバイワイヤ方式の機構等であってもよい。
[0018]
 電動倍力装置10は、ブレーキペダル6と接続される入力ロッド10Aと、マスタシリンダ8内の圧力(ブレーキ液圧)を調整(加圧・減圧)可能なブースタピストン(図示せず)と、該ブースタピストンを駆動する電動モータ10Bとを含んで構成されている。電動倍力装置10は、電動モータ10Bの駆動に基づいてブースタピストンによりマスタシリンダ8内の圧力(マスタシリンダ圧)を調整することにより、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5R内の圧力(ホイールシリンダ圧)を調整(加圧・減圧)する。
[0019]
 例えば、電動倍力装置10は、運転者のブレーキ操作量(踏込み量)に応じて、電動モータ10Bを駆動し、ブースタピストンによりマスタシリンダ8の圧力を増大させる。これにより、電動倍力装置10は、運転者のブレーキペダル6の操作力(踏力)を増大して、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5R内を増圧することができる。
[0020]
 さらに、電動倍力装置10は、後述するように、アクセルペダル21のみの操作により加速制御および減速制御の双方を行う1ペダルモードが選択されているときに、アクセルペダル21の踏込み量に応じて電動モータ10Bを駆動する。例えば、アクセルペダル21の踏込み量が予め設定した所定値よりも小さくなると、電動モータ10Bを駆動し、ブースタピストンによりマスタシリンダ8内に液圧を発生させる。これにより、電動倍力装置10は、ブレーキペダル6の操作だけでなく、アクセルペダル21の操作によっても、各ホイールシリンダ4L,4R,5L,5R内の圧力を加圧し、制動力を(自動的に)付与することができる。
[0021]
 電動倍力装置10は、第1のECU14からの指令(駆動電流)に基づいて電動モータ10Bが駆動されることにより、マスタシリンダ8内に発生するブレーキ液圧を可変に制御する。即ち、電動倍力装置10は、第1のECU14に接続され、第1のECU14によって制御される。第1のECU14は、例えばマイクロコンピュータを含んで構成され、電動倍力装置10(の電動モータ10B)を電気的に駆動制御する電動倍力装置用コントロールユニットとなるものである。
[0022]
 第1のECU14の入力側は、ブレーキペダル6の操作量を検出するブレーキ操作センサ7と、他の車両機器となる第3のECU24等からの信号の授受を行う車両データバス16と、第2のECU15との間で通信を行う通信線17とに接続されている。車両データバス16は、例えば、車両に搭載されたV-CANと呼ばれるシリアル通信部であり、車両に搭載された多数の電子機器の間で多重通信を行うものである。さらに、第1のECU14には、車載の電源ライン18を通じて車載バッテリ19からの電力が供給される。なお、後述の第2のECU15、第3のECU24についても、第1のECU14と同様に電源ライン18に接続され、該電源ライン18を通じて車載バッテリ19からの電力が給電される。
[0023]
 一方、第1のECU14の出力側は、電動モータ10Bと、車両データバス16と、通信線17とに接続されている。第1のECU14は、例えば、アクセルペダル21の操作により加速制御を行い、かつ、ブレーキペダル6の操作により減速制御を行う通常モードのときは、ブレーキペダル操作量に基づいて電動倍力装置10(の電動モータ10B)を制御する。一方、1ペダルモードが選択されているときは、アクセルペダル操作量に応じた制動指令(後述の制動分1ペダル加速度指令値)とブレーキペダル操作量とに基づいて電動倍力装置10(の電動モータ10B)を制御する。なお、電動倍力装置10の制御を含む加減速制御については、後で詳しく説明する。
[0024]
 シリンダ側液圧配管11Aには、液圧センサ20が設けられている。液圧センサ20は、マスタシリンダ8で発生する圧力(ブレーキ液圧)、より具体的には、シリンダ側液圧配管11A内の液圧を検出するものである。液圧センサ20は、第2のECU15に電気的に接続されると共に、液圧センサ20による検出信号は、第2のECU15から通信線17を介して第1のECU14に送信することができる。なお、図1では、液圧センサ20は、第2のECU15のみに接続されているが、第1のECU14と第2のECU15との両方に接続する構成としてもよい。
[0025]
 液圧供給装置12(以下、ESC12という)は、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rとマスタシリンダ8との間に設けられている。ESC12は、マスタシリンダ8内に発生したブレーキ液圧を、車輪2L,2R,3L,3R毎のホイールシリンダ圧(W/C圧)として可変に制御して、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rに個別に供給するものである。即ち、ESC12は、マスタシリンダ8からシリンダ側液圧配管11A,11Bを介して出力される液圧を、ブレーキ側配管部13A,13B,13C,13Dを介してホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rに分配、供給する。
[0026]
 ここで、ESC12は、複数の制御弁と、ブレーキ液圧を加圧する液圧ポンプ(いずれも図示せず)と、該液圧ポンプを駆動する電動モータ12Aと、余剰のブレーキ液を一時的に貯留する液圧制御用リザーバ(図示せず)とを含んで構成されている。ESC12の各制御弁の開閉と電動モータ12Aの駆動は、第2のECU15により制御される。
[0027]
 第2のECU15は、例えばマイクロコンピュータを含んで構成され、ESC12(の各制御弁、電動モータ12A)を電気的に駆動制御する液圧供給装置用コントロールユニットとなるものである。第2のECU15の入力側は、液圧センサ20、車両データバス16、および、通信線17と接続されている。第2のECU15の出力側は、各制御弁、電動モータ12A、車両データバス16、および、通信線17と接続されている。
[0028]
 第2のECU15は、ESC12の各制御弁、電動モータ12A等を個別に駆動制御する。これにより、第2のECU15は、ブレーキ側配管部13A,13B,13C,13Dからホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rに供給するブレーキ液圧を減圧、保持、増圧または加圧する制御を、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5R毎に個別に行う。
[0029]
 この場合、第2のECU15は、ESC12を作動制御することにより、例えば以下の制御(1)~(8)等を実行することができる。(1)車両の制動時に接地荷重等に応じて各車輪2L,2R,3L,3Rに適切に制動力を配分する制動力配分制御。(2)制動時に各車輪2L,2R,3L,3Rの制動力を自動的に調整して各車輪2L,2R,3L,3Rのロック(スリップ)を防止するアンチロックブレーキ制御。(3)走行中の各車輪2L,2R,3L,3Rの横滑りを検知してブレーキペダル6の操作量に拘わらず各車輪2L,2R,3L,3Rに付与する制動力を適宜自動的に制御しつつ、アンダーステアおよびオーバーステアを抑制して車両の挙動を安定させる車両安定化制御。(4)坂道(特に上り坂)において制動状態を保持して発進を補助する坂道発進補助制御。(5)発進時等において各車輪2L,2R,3L,3Rの空転を防止するトラクション制御。(6)先行車両に対して一定の車間を保持する車両追従制御。(7)走行車線を保持する車線逸脱回避制御。(8)車両前方または後方の障害物との衡突を回避する障害物回避制御。
[0030]
 ESC12は、運転者のブレーキ操作による通常の動作時においては、電動倍力装置10によってマスタシリンダ8で発生した液圧を、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rに直接供給する。これに対し、例えば、アンチロックブレーキ制御等を実行する場合は、増圧用の制御弁を閉じてホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rの液圧を保持し、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rの液圧を減圧するときには、減圧用の制御弁を開いてホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rの液圧を液圧制御用リザーバに逃がすように排出する。
[0031]
 さらに、車両走行時の安定化制御(横滑り防止制御)等を行うため、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rに供給する液圧を増圧または加圧するときは、供給用の制御弁を閉弁した状態で電動モータ12Aにより液圧ポンプを作動させ、該液圧ポンプから吐出したブレーキ液をホイールシリンダ4L,4R,5L,5Rに供給する。このとき、液圧ポンプの吸込み側には、マスタシリンダ8側からリザーバ9内のブレーキ液が供給される。なお、1ペダルモードが選択されているときに、アクセルペダル操作量に応じてESC12(の各制御弁と電動モータ12A)を駆動し、各ホイールシリンダ4L,4R,5L,5R内の圧力を加圧することにより、制動力を付与する構成としてもよい。
[0032]
 一方、アクセルペダル21は、車体1のフロントボード側にブレーキペダル6と隣り合って設けられている。なお、図1では、アクセルペダル21とブレーキペダル6とを車体の前後方向に離れて表しているが、これは、図面が複雑になることを避けるためである。実際には、アクセルペダル21とブレーキペダル6は、例えば、運転席の足元側に左右方向に隣り合って設けられている。
[0033]
 アクセルペダル21は、車両の加速時に、運転者によって、矢示Xaccel方向に踏込み操作される。後述の駆動モータ23は、アクセルペダル21の操作に基づいて、車輪(図1では前輪2L,2R)に駆動力を付与する。ここで、アクセルペダル21には、運転者のアクセル操作量(アクセルペダル操作量)を検出するアクセル操作センサ22が設けられている。
[0034]
 アクセル操作センサ22は、後述のアクセルペダル操作量検出部32(図2参照)となるものである。アクセル操作センサ22は、例えばアクセルペダル21のストローク量(ペダルストローク)を検出するストロークセンサ(変位センサ)を用いることができる。なお、アクセル操作センサ22は、ストロークセンサに限らず、例えば、ペダル踏力を検出する力センサ、アクセルペダル21の傾き(回転角)を検出する角度センサ等、アクセルペダル21の操作量(踏込み量)を検出できる各種のセンサを用いることができる。この場合、アクセル操作センサ22は、1個(1種類)のセンサにより構成してもよいし、複数(複数種類)のセンサにより構成してもよい。アクセル操作センサ22の検出信号(アクセル操作量)は、例えは、第3のECU24に出力される。
[0035]
 車体1の前輪2L,2R側には、前輪2L,2Rに走行駆動力の付与と回生制動力の付与を行う駆動モータ(M・G)23が設けられている。走行用モータである駆動モータ23は、車両の加速時等に車両を走行させるための駆動を行い、車両の減速時等に車両の慣性力に基づいて発電(回生)を行う車両駆動用の電動モータ(発電電動機)として構成されている。
[0036]
 即ち、駆動モータ23は、例えば車両の蓄電装置(図示せず)に蓄電された電力に基づいて車両を走行するためのトルク(回転力)を発生するモータ(電動機)としての機能と、車両の走行慣性力に基づいて発電を行うジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。なお、図1では、車両の駆動源とし駆動モータ23のみを表しているが、例えば電気自動車であれば駆動モータ23が走行用の駆動源となり、ハイブリッド自動車であれば駆動モータ23と図示しないエンジン(内燃機関)とが走行用の駆動源となる。
[0037]
 駆動モータ23は、第3のECU24により制御される。第3のECU24は、第1,第2のECU14,15と同様にマイクロコンピュータを含んで構成され、駆動モータ23の駆動状態(力行、回生)を制御する駆動モータ用コントロールユニットとなるものである。第3のECU24は、例えばインバータ等を介して駆動モータ23を制御することにより、車両の加速時に各車輪(図1では前輪2L,2R)を駆動し、車両の減速時および制動時に、各車輪の回転による慣性力を利用して、このときの運動エネルギを電力として回収(回生)しつつ制動力を得るものである。
[0038]
 ここで、第3のECU24の入力側は、アクセル操作センサ22と車両データバス16とに接続されている。第3のECU24の出力側は、駆動モータ23と車両データバス16とに接続されている。第3のECU24は、アクセルペダル操作量に応じて駆動モータ23を制御する。なお、駆動モータ23の制御を含む加減速制御については、後で詳しく説明する。
[0039]
 モード切換え手段としてのモード切換えスイッチ25は、運転席の近傍に設けられている。モード切換えスイッチ25は、後述するモード切換え部34(図2参照)となるものである。モード切換えスイッチ25は、車両の走行モードを1ペダルモードと通常モードとのいずれかに切換えるためのスイッチであり、運転者によって切換え操作されてモード切換え信号Mを出力する。通常モードは、アクセルペダル21の操作により加速制御を行い、かつ、ブレーキペダル6の操作により減速制御を行うモードである。一方、1ペダルモードは、アクセルペダル21の操作により加速制御および減速制御の双方を行うモード、即ち、アクセルペダル21の操作量(アクセル開度)に応じて車両の加速から減速、停車までを実現するモードである。
[0040]
 なお、1ペダルモードは、アクセルペダル21の操作により加速、減速、停車を行う構成に限定されず、例えば、ブレーキペダル6の操作により加速、減速、停車を行う構成としてもよい。また、1ペダルモードと通常モードとの切換えは、1ペダルモードの作動/解除スイッチとなるモード切換えスイッチ25により行う構成に限定されず、例えば、シフトレバー(セレクトレバー)により1ペダルモードを選択する構成としてもよい。即ち、シフトレバーの選択位置に、P(パーキング)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、R(リバース)等に加えて、1ペダルモードの選択位置を設ける構成としてもよい。
[0041]
 ところで、特許文献1の加減速制御装置は、1ペダルモードと通常モードとのモード切換え時の車両の急激な特性変化を防止するために、目標加減速度の変化を抑制する(なまらせる)フィルタ部を備えている。即ち、特許文献1の構成は、ペダル操作に対する加速度指令または減速度指令の特性が、1ペダルモード用と通常モード用とで異なる場合において、モード切換えを行った際に、両者の差を、フィルタ部のフィルタ処理によって滑らかに埋めるようにしている。
[0042]
 一方、1ペダルモードにおいて、例えば、1ペダルモードの加減速制御に用いる一方のペダルをアクセルペダルとし、1ペダルモードの加減速制御に用いない減速制御のみを行う他方のペダルをブレーキペダルとした場合に、ブレーキペダル操作とアクセルペダル操作との両方による減速指令を、次のように実現することが考えられる。即ち、1ペダルモードでは、他方のペダルであるブレーキペダル操作による減速度指令の特性を、通常使用している特性(通常ブレーキ時特性)から1ペダルモード時の特性(自動ブレーキ時特性)に切換え、かつ、その切換えた特性による減速度指令値と一方のペダルであるアクセルペダル操作に基づく減速度指令値(自動ブレーキ指令)とを加算することにより、車両全体としての減速指令(目標減速度指令)とすることが考えられる。
[0043]
 しかし、この構成の場合は、例えば、ブレーキペダルの操作中にモード切換えを行うと、減速度が急変するおそれがある。一方、この構成で、減速度の急変を抑制すべく、特許文献1のフィルタ処理を行うことが考えられる。しかし、この場合には、ブレーキペダルの操作量が変化しないのに、減速度が低下するおそれがある。これらの点は、1ペダルモードの加減速制御に用いる一方のペダルをブレーキペダルとし、1ペダルモードの加減速制御に用いない加速制御のみを行う他方のペダルをアクセルペダルとした場合についても、同様に生じる(加速度が急変する、加速度が低下する)おそれがある。
[0044]
 即ち、1ペダルモードの加減速制御に用いない、加速制御または減速制御のいずれかしか行わない他方のペダルの操作による非1ペダル加速度指令特性または非1ペダル減速度指令特性が、1ペダルモード時と通常モード時とで異なり、かつ、1ペダルモード時は、1ペダルモードの加減速制御に用いる一方のペダルの操作による1ペダル加減速度指令値に、非1ペダル加速度指令特性または非1ペダル減速度指令特性による指令値を加算する構成を考える。この構成の場合は、1ペダルモードの加減速制御に用いない他方のペダルを操作中にモード切換えが行われると、非1ペダル加速度指令特性または非1ペダル減速度指令特性が変化することに伴って、加速度または減速度が急変するおそれがある。
[0045]
 さらに、この急変を抑制するために、特許文献1のフィルタ処理を採用することを考える。即ち、1ペダルモードの加減速制御に用いない他方のペダルを操作中にモード切換えが行われたときに、モード切換え前後の指令値の差をフィルタ処理により埋める構成を考える。この構成の場合は、モード切換えのときに操作中の、1ペダルモードの加減速制御に用いない他方のペダルがアクセルペダルであれば、加速度が低下する方向に指令値に差が生じている場合に、その差を埋めてしまうことで、ペダル操作量に変化がなくても加速度が低下するおそれがある。一方、モード切換えのときに操作中の、1ペダルモードの加減速制御に用いない他方のペダルがブレーキペダルであれば、減速度が低下する方向に指令値に差が生じている場合に、その差を埋めてしまうことで、ペダル操作量に変化がなくても減速度が低下するおそれがある。これにより、運転者に違和感を与えるおそれがある。
[0046]
 以下、これらの点について、図25ないし図28に示す比較例の特性線図(タイムチャート)を参照しつつ説明する。なお、以下は、便宜上、1ペダルモードは、次の(1)~(3)により車両の加減速度(目標加減速度指令)が実現されるモードであるものとして説明する。(1)一方のペダルであるアクセルペダルの操作によって、加速制御および減速制御の双方を行うための1ペダル加減速度指令値を算出し、(2)他方のペダルであるブレーキペダルの操作によって、減速制御のみを行うための非1ペダル減速度指令値を算出し、(3)非1ペダル減速度指令値と1ペダル加減速度指令値とを加算した結果が車両の加減速度(目標加減速度指令)として実現される。
[0047]
 ここで、図29は、アクセルペダル操作量による通常モードと1ペダルモードにおける加速度指令値特性を示している。図30は、ブレーキペダル操作量による通常モードと1ペダルモードにおける加速度指令値特性を示している。これら図29および図30では、それぞれ、加速度を縦軸の正方向、減速度を縦軸の負方向として示している。即ち、負の加速度は正の減速度に相当する(負の加速度指令値は、正の減速度指令値に対応する)。このため、以下の説明では、例えば、減速度であることを強調する等の必要がない場合には、「加速度」を、減速度も含まれる加速度(=加減速度)として用いることもある。また、これとは逆に、「加速度」を、正の加速度(減速度を含まない加速度)として用いることもある。
[0048]
 図25ないし図28は、比較例によるモード切換え前後の各操作量と各指令値の時間変化を示している。アクセルペダルおよびブレーキペダルの操作に対する加速度指令値特性は、図29および図30の指令値特性を用いている。
[0049]
 まず、図25および図26は、通常モードにて、アクセルペダルを操作せず(Xa=0)、ブレーキペダルを操作量Xb1で操作中に、時間t1にて、通常モードから1ペダルモードに切換えた場合を示している。図29に示すように、アクセルペダル操作量0においては、通常モードでの加速度指令値はAn(0)であり、1ペダルモードでの加速度指令値はA1(0)である。図30に示すように、ブレーキペダル操作量Xb1においては、通常モードでの加速度指令値はBn(Xb1)であり、1ペダルモードでの加速度指令値はB1(Xb1)である。アクセルペダルとブレーキペダルとの双方で、通常モードと1ペダルモードとの指令値がそれぞれ異なる。
[0050]
 このため、図25に示すように、車両として実現する加速度指令値(車両全体としての目標加減速度指令)を、1ペダル加速度指令値A(Xa)と非1ペダル加速度指令値B(Xb)とを加算して算出する場合、その加速度指令値が不連続となり、減速度が急変する。一方、特許文献1には、このように指令値が異なる場合に、フィルタ処理によってその差を滑らかに埋める技術が記載されている。しかし、この場合は、図26に示すように、モードが切換わる前後の指令値によっては、減速度の低下が生じる。これは、ブレーキペダルを操作中に、その操作量が変わらない(一定である)のに、減速度が変動および低下することになり、運転者に違和感を与えるおそれがある。
[0051]
 次に、図27および図28は、1ペダルモードにて、一方のペダルであるアクセルペダルを操作せず(Xa=0)、他方のペダルであるブレーキペダルを操作量Xb1で操作中に、時間t2にて、1ペダルモードから通常モードに切換えた場合を示している。この場合も、アクセルペダル操作量0において、通常モードでの加速度指令値はAn(0)、1ペダルモードでの加速度指令値はA1(0)であり、ブレーキペダル操作量Xb1において、通常モードでの加速度指令値はBn(Xb1)、1ペダルモードでの加速度指令値はB1(Xb1)であり、それぞれ指令値が異なる。
[0052]
 このため、図27に示すように、車両として実現する加速度指令値を、1ペダル加速度指令値A(Xa)と非1ペダル加速度指令値B(Xb)とを加算して算出する場合、その加速度指令値が不連続となり、減速度が急変する。一方、特許文献1には、このように指令値が異なる場合に、フィルタ処理によってその差を滑らかに埋める技術が記載されている。しかし、この場合も、図28に示すように、モードが切換わる前後の指令値によっては、減速度の低下が生じる。これは、ブレーキペダルを操作中に、その操作量が変わらない(一定である)のに、減速度が変動および低下することになり、運転者に違和感を与えるおそれがある。
[0053]
 これに対し、実施形態では、次の(A)~(C)を備えることにより、運転者に与える違和感を抑制している。
[0054]
 (A)モード切換えスイッチ25(モード切換え部34)を用いたモード切換えによって、1ペダルモードの加速制御または減速制御のいずれかしか行わない他方のペダルの操作量に応じて算出される非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値の特性を切換える。即ち、他方のペダルであるブレーキペダル6の操作量に応じて算出される非1ペダル減速度指令値の特性は、1ペダルモード時の特性と通常モード時の特性とで異なり、その特性は、モード切換えによって切換わる。
[0055]
 (B)1ペダルモードでは、加速制御および減速制御の双方を行うための、一方のペダルの操作に応じて算出される1ペダル加減速度指令値に加算した結果を車両の目標加減速度指令とする。即ち、1ペダルモードでは、一方のペダルであるアクセルペダル21の操作量に応じて算出される1ペダル加減速度指令値と他方のペダルであるブレーキペダル6の操作量に応じて算出される非1ペダル減速度指令値とが加算され、この加算結果(加算値)を、車両の目標加減速度指令とする。
[0056]
 (C)1ペダルモードの加速制御または減速制御のいずれかしか行わない他方のペダルを操作中に、モード切換えスイッチ25(モード切換え部34)を用いたモード切換えが行われた場合に、操作中の、1ペダルモードの他方のペダルがアクセルペダルであれば加速度が、ブレーキペダルであれば減速度が、ペダル操作によらずに急変または低下しないよう、指令値特性を切換える。即ち、他方のペダルであるブレーキペダル6の操作中にモード切換えが行われた場合に、減速度がペダル操作によらずに急変または低下しないよう、指令値特性を切換える。より具体的には、他方のペダルであるブレーキペダル6の操作中にモード切換えが行われた場合、一旦、モード切換え前の減速度を維持し、その後、他方のペダル操作による指令(非1ペダル減速度指令値)、または、他方のペダル操作による指令と一方のペダルであるアクセルペダル操作による指令(1ペダル加減速度指令値)との加算結果が、モード切換え後の指令を超える、または、等しくなった場合に、減速度指令値特性が切換わる(切換わりが終了する)ようにする。
[0057]
 このような(A)~(C)を備えた構成について、図2ないし図7を参照しつつ説明する。なお、図2のブロック図では、本実施形態(第1の実施形態)と他の実施形態(第2~第4の実施形態)との相違点を分かり易くするために、他の実施形態と相違する出入力線(信号線)を破線で示し、共通する出入力線(信号線)を実線で示している。他の実施形態のブロック図(図8、図14、図19)についても同様である。
[0058]
 図2において、第1の実施形態の加減速制御装置31は、1ペダルモードと通常モードとを有する車両システムのための制御装置(走行制御装置)である。加減速制御装置31は、アクセルペダル操作量検出部32と、ブレーキペダル操作量検出部33と、モード切換え手段としてのモード切換え部34と、駆動指令算出部35と、駆動力制御部36と、制動指令算出部37と、制動力制御部38とを備えている。
[0059]
 この場合、例えば、アクセルペダル操作量検出部32は、図1のアクセル操作センサ22に相当し、ブレーキペダル操作量検出部33は、図1のブレーキ操作センサ7に相当し、モード切換え部34は、図1のモード切換えスイッチ25に相当する。また、例えば、駆動指令算出部35および駆動力制御部36は、第3のECU24に相当し、制動指令算出部37および制動力制御部38は、第1のECU14に相当する。しかし、これに限らず、例えば、駆動指令算出部35の機能を第1のECU14にもたせる等、各部32~38の機能をいずれのコントロールユニットに実装するかは、加減速制御装置31を搭載する車両に応じて適宜変更可能である。
[0060]
 アクセルペダル操作量検出部32は、運転者が操作するアクセルペダル21の操作量を検出し、それをアクセルペダル操作量Xaとして駆動指令算出部35に出力するものである。詳細には、アクセルペダル操作量Xaは、駆動指令算出部35の1ペダル加速度指令値算出部35Aおよび1ペダル指令切換え部35Bに出力される。ブレーキペダル操作量検出部33は、運転者が操作するブレーキペダル6の操作量を検出し、それをブレーキペダル操作量Xbとして制動指令算出部37に出力するものである。詳細には、ブレーキペダル操作量Xbは、制動指令算出部37の非1ペダル加速度指令値算出部37Aに出力される。
[0061]
 アクセルペダル操作量検出部32は、ペダル操作量(アクセル操作量)として、例えば、アクセルペダル21の変位量(ストローク量)となるペダルストローク量を検出する。なお、ペダル操作量は、ペダルストロークに限らず、例えば、アクセルペダル21の踏力(ペダル踏力)、アクセルペダル21の回転量(回転角)を検出する構成としてもよい。また、ペダル操作量の検出は、アクセルペダル21の操作量を直接的に検出する構成に限らず、例えば、アクセルペダル21の操作量と相関関係を有する部材の変位等を検出する等、間接的に検出する構成としてもよい。これらの点は、アクセルペダル21とブレーキペダル6とが相違する以外、ブレーキペダル操作量検出部33についても同様である。
[0062]
 モード切換え部34は、車両の乗員(より具体的には、運転者)の切換え操作に応じて1ペダルモードおよび通常モードを切換えるものである。モード切換え部34は、現在選択されているモードに対応するモード切換え信号Mを出力する。例えば、モード切換えスイッチ25が通常モードに切換え操作されている場合には、通常モードが選択されている旨のモード切換え信号Mnを出力し、1ペダルモードに切換え操作されている場合には、1ペダルモードが選択されている旨のモード切換え信号M1を出力する。モード切換え信号Mは、モード切換え部34から駆動指令算出部35、詳細には1ペダル指令切換え部35B、および制動指令算出部37、詳細には非1ペダル指令切換え部37Bに出力される。
[0063]
 駆動指令算出部35は、アクセルペダル操作量検出部32によって検出されたアクセルペダル操作量Xaと、モード切換え部34によって切換えられるモード切換え信号Mとが入力される。さらに、駆動指令算出部35には、制動指令算出部37の非1ペダル指令切換え部37Bから非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)も入力される。駆動指令算出部35は、アクセルペダル操作量Xaとモード切換え信号Mとに基づき、車両を加速させるための駆動分加速度指令値Aa(Xa)、および、車両を減速させるための制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)を算出する。この算出に当たっては、必要に応じて非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)にも基づいて算出がなされる。駆動分加速度指令値Aa(Xa)は、駆動力制御部36に出力され、制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)は、制動指令算出部37の非1ペダル指令切換え部37Bに出力される。
[0064]
 駆動力制御部36は、駆動指令算出部35、より具体的には、制駆動配分部35Cから駆動分加速度指令値Aa(Xa)が入力される。駆動力制御部36は、駆動指令算出部35で算出された駆動分加速度指令値Aa(Xa)に従って、駆動装置となる駆動モータ23(のインバータ)に駆動指令を出力することにより、車両を駆動する制御を行う。この駆動指令は、実際には、図示しない駆動モータ23のインバータに出力される。
[0065]
 制動指令算出部37は、ブレーキペダル操作量検出部33によって検出されたブレーキペダル操作量Xbと、モード切換え部34によって切換えられるモード切換え信号Mと、駆動指令算出部35の制駆動配分部35Cで算出された制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とが入力される。制動指令算出部37は、ブレーキペダル操作量Xbとモード切換え信号Mと制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とに基づいて、車両を減速させるための減速度指令値となる制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)を算出する。また、制動指令算出部37は、ブレーキペダル操作量Xbに基づいて、モード切換え時に減速度の急変を抑制するための非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)も算出する。減速度指令値となる制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)は、制動力制御部38に出力され、非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)は、駆動指令算出部35の1ペダル指令切換え部35Bに出力される。
[0066]
 制動力制御部38は、制動指令算出部37、より具体的には、1ペダル指令加算部37Cから制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)が入力される。制動力制御部38は、制動指令算出部37で算出された制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)に従って、制動装置となる電動倍力装置10の電動モータ10Bに制動指令を出力し、ホイールシリンダ4L,4R,5L,5R内の圧力(ホイールシリンダ圧)を調整することにより、車両を制動させる制御を行う。本実施形態においては、制動指令は、電動モータ10Bへの駆動電流となっている。
[0067]
 なお、制動力制御部38により制動力を制御する方法、特に、1ペダルモードが選択されているときのアクセルペダル21の操作による制動力(自動ブレーキ量)を制御する方法は、電動倍力装置10によるブレーキ圧であるマスタシリンダ圧の制御に限るものではない。例えば、駆動モータ23の回生トルクを制御する方法、ESC12によるブレーキ圧であるホイールシリンダ圧を制御する方法、ブレーキ機構が電動駐車ブレーキを備えたものであれば電動駐車ブレーキによる制動力を制御する方法、ブレーキ機構が電動ブレーキであれば電動ブレーキの制動力を制御する方法等、公知の技術を含む各種の制動力の制御方法を用いることができる。
[0068]
 さらに、複数の制動装置、例えば、電動倍力装置10、ESC12、駆動モータ23等を用いて制動力を付与する場合は、制動力制御部38は、各電動アクチュエータで協調して制動力を付与するために、それぞれの制動装置で付与する制動力を配分する。この場合、制動力制御部38は、配分された制動力に対応する制動指令を、それぞれの制動装置に出力する。
[0069]
 次に、駆動指令算出部35および制動指令算出部37について説明する。
[0070]
 駆動指令算出部35は、1ペダル加速度指令値算出部35Aと、1ペダル指令切換え部35Bと、制駆動配分部35Cとを備えている。1ペダル加速度指令値算出部35Aは、アクセルペダル操作量検出部32からのアクセルペダル操作量Xaに基づき、通常モード時(通常モード用)の加速度指令値An(Xa)と、1ペダルモード時(1ペダルモード用)の加速度指令値A1(Xa)とを算出する。1ペダル加速度指令値算出部35Aで算出された加速度指令値An(Xa)およびA1(Xa)は、1ペダル指令切換え部35Bに出力される。
[0071]
 1ペダル指令切換え部35Bは、1ペダル加速度指令値算出部35Aで算出された加速度指令値An(Xa)およびA1(Xa)を、モード切換え部34からのモード切換え信号Mによって選択し、1ペダル加速度指令値A(Xa)を算出する。1ペダル指令切換え部35Bで算出された1ペダル加速度指令値A(Xa)は、制駆動配分部35Cに出力される。なお、1ペダル指令切換え部35Bによる1ペダル加速度指令値A(Xa)の算出については、後述する。
[0072]
 制駆動配分部35Cは、1ペダル指令切換え部35Bで算出された1ペダル加速度指令値A(Xa)を、駆動分加速度指令値Aa(Xa)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とに配分する。制駆動配分部35Cは、例えば、1ペダル加速度指令値A(Xa)が正の値(加速度指令値)であれば、それを駆動分加速度指令値Aa(Xa)として駆動力制御部36に出力し、1ペダル加速度指令値A(Xa)が負の値(減速度指令値)であれば、それを制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)として、制動指令算出部37(の1ペダル指令加算部37C)に出力する。
[0073]
 一方、制動指令算出部37は、非1ペダル加速度指令値算出部37Aと、非1ペダル指令切換え部37Bと、1ペダル指令加算部37Cとを備えている。非1ペダル加速度指令値算出部37Aは、ブレーキペダル操作量検出部33からのブレーキペダル操作量Xbに基づき、通常モード時の加速度指令値Bn(Xb)と、1ペダルモード時の加速度指令値B1(Xb)を算出する。非1ペダル加速度指令値算出部37Aで算出された加速度指令値Bn(Xb)およびB1(Xb)は、非1ペダル指令切換え部37Bに出力される。
[0074]
 非1ペダル指令切換え部37Bは、非1ペダル加速度指令値算出部37Aで算出された加速度指令値Bn(Xb)およびB1(Xb)を、モード切換え部34からのモード切換え信号Mによって選択し、非1ペダル加速度指令値B(Xb)を算出する。また、非1ペダル指令切換え部37Bは、加速度指令値Bn(Xb)およびB1(Xb)に基づいて、非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)も算出する。非1ペダル指令切換え部37Bで算出された非1ペダル加速度指令値B(Xb)は、1ペダル指令加算部37Cに出力され、非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)は、駆動指令算出部35の1ペダル指令切換え部35Bに出力される。なお、非1ペダル指令切換え部37Bによる非1ペダル加速度指令値B(Xb)の算出、および、非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)の算出については、後述する。
[0075]
 1ペダル指令加算部37Cは、非1ペダル指令切換え部37Bで算出された非1ペダル加速度指令値B(Xb)と、制駆動配分部35Cから出力された制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とを加算し、制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)を算出する。1ペダル指令加算部37Cは、制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)を制動力制御部38に出力する。
[0076]
 ここで、駆動指令算出部35の1ペダル加速度指令値算出部35Aにおいて、通常モード時の加速度指令値An(Xa)の特性は、アクセルペダル操作量Xaに対し車両を駆動するための加速度指令値の特性を示すものである。例えば、図29に示すように、通常モード時の加速度指令値An(Xa)の特性は、一般的には、アクセルペダル操作量Xaの増大に伴って単調に速度または加速度が増加する特性を持つものであり、その設定方法については、当業者においては既知であるため、詳しい説明は省略する。
[0077]
 これに対し、1ペダルモード時の加速度指令値A1(Xa)は、アクセルペダル操作量Xaの小さい領域で車両の減速を、操作量の大きい領域で車両の加速を制御できるように設定されるものである。図29では、1ペダルモード時の加速度指令値A1(Xa)は、簡単のため、アクセルペダル操作量Xaに対し、直線を示す特性としている。しかし、その特性は任意でよく、加速度が負値となる領域から、ペダル操作量に応じて単調に加速度が増加する特性となっていればよい。また、加速度指令が0をまたぐ領域に、不感帯を持つような特性としてもよい。さらに、その指令値の物理量も、加速度である必要はなく、車両を駆動するための駆動トルクや駆動力などでもよい。
[0078]
 一方、制動指令算出部37の非1ペダル加速度指令値算出部37Aにおいて、通常モード時の加速度指令値Bn(Xb)は、ブレーキペダル操作量Xbに対し車両を制動するための制動指令値である減速度指令値または負の加速度指令値の特性を示すものである。例えば、図30に示すように、通常モード時の加速度指令値Bn(Xb)の特性は、一般的には、ペダル操作量Xbの増大に伴って単調に減少、すなわち、加速度が減少または減速度が増加する特性を持つものであり、その設定方法については、当業者においては既知であるため、詳しい説明は省略する。
[0079]
 これに対し、1ペダルモード時の加速度指令値B1(Xb)は、1ペダルモードにおいては、制駆動配分部35Cにて配分された制動分加速度指令値Ab(Xa)と加算される特性であるため、図30に示すように、通常モード時の加速度指令値Bn(Xb)よりも減速度が小さくなるよう設定している。しかし、必ずしもその必要はなく、通常モード時の加速度指令値Bn(Xb)と同様、ブレーキペダル操作量Xbに対し、単調に増加する特性であればよい。また、これらの指令値の物理量は加速度である必要はなく、制動を行うためのブレーキフルード液圧や、制動トルク、制動力などでもよい。
[0080]
 ここで、1ペダル指令切換え部35Bは、モード切換え信号Mによって、通常モード時の1ペダル加速度指令値特性An(Xa)と1ペダルモード時の1ペダル加速度指令値特性A1(Xa)とを切換える。また、非1ペダル指令切換え部37Bも、モード切換え信号Mによって、通常モード時の非1ペダル加速度指令値特性Bn(Xb)と1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値特性B1(Xb)とを切換える。実施形態では、モード切換え信号Mによって通常モードと1ペダルモードとを切換えたときに、減速度の変動を抑制するように、加速度指令値特性An(Xa),A1(Xa),Bn(Xb),B1(Xb)を切換える。
[0081]
 具体的には、第1の実施形態では、ブレーキペダル6を操作中に、モード切換え部34を用いて通常モードから1ペダルモードに切換えられた場合に、減速度が急変または低下しないよう、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル減速度指令値と1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル減速度指令値と等しくなるような、1ペダル加減速度指令値を出力する。即ち、1ペダル指令切換え部35Bは、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と等しくなるように、1ペダル加速度指令値A(Xa)を出力する(1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)をA1’(Xa)に補正する)。このようにして、モード切換えが行われた場合に、当該モード切換え前の加速度または減速度が維持される。
[0082]
 このために、図4に示すように、非1ペダル指令切換え部37Bは、切換えスイッチ37B1を備えている。切換えスイッチ37B1には、通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)とが入力される。切換えスイッチ37B1は、モード切換え信号Mが通常モードMnを示す場合は、通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)を選択する。切換えスイッチ37B1は、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1を示す場合は、1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)を選択する。切換えスイッチ37B1は、その選択した値(選択指令値)を、1ペダル指令加算部37Cに、非1ペダル加速度指令値B(Xb)として出力する。
[0083]
 また、非1ペダル指令切換え部37Bは、非1ペダル加速度指令値の通常モードと1ペダルモードとの差分を算出する減算部37B2を備えている。減算部37B2は、1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)から、通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)を減じる、即ち、「B1(Xb)-Bn(Xb)」を算出する。減算部37B2は、その減算した値(減算値)を、1ペダル指令切換え部35Bに、非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)として出力する。
[0084]
 一方、図3に示すように、1ペダル指令切換え部35Bは、切換えスイッチ35B1を備えている。切換えスイッチ35B1には、通常モード用の1ペダル加速度指令値An(Xa)と、1ペダルモード用の減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)とが入力される。切換えスイッチ35B1は、モード切換え信号Mが通常モードMnを示す場合は、通常モード用の1ペダル加速度指令値An(Xa)を選択する。一方、切換えスイッチ35B1は、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1を示す場合は、1ペダルモード用の減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)を選択する。切換えスイッチ35B1は、その選択した値(選択指令値)を、制駆動配分部35Cに、1ペダル加速度指令値A(Xa)として出力する。
[0085]
 ここで、1ペダルモード用の減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)は、1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)と減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とを加算した結果(加算値)である。減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’は、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部35B3で算出される。
[0086]
 このために、1ペダル指令切換え部35Bは、加算部35B2と、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部35B3とを備えている。加算部35B2は、1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)と減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とを加算し、その加算した値(加算値)を、1ペダルモード用の減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)として、切換えスイッチ35B1に出力する。
[0087]
 減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部35B3には、モード切換え信号Mと、非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)と、アクセルペダル操作量Xaとが入力される。加速度指令値差分算出部35B3は、モード切換え信号Mと、非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)と、アクセルペダル操作量Xaとに基づいて、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を算出する。
[0088]
 ここで、加速度指令値差分算出部35B3は、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1を示した瞬間の非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)を保持し、これを減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とする。この加速度指令値差分ΔB’は、非1ペダル指令切換え部37Bでの、モード切換えに伴って生じる通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)との差に相当する。
[0089]
 そして、加算部35B2は、この差分ΔB’を、1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)に加算する。このため、切換えスイッチ35B1には、1ペダル加速度指令値A1(Xa)に、非1ペダル指令切換え部37Bでの、モード切換えに伴って生じる通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)との差が上乗せされた、減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)が入力される。そして、この減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)が1ペダル加速度指令値A(Xa)となり、この1ペダル加速度指令値A(Xa)と非1ペダル加速度指令値B(Xb)とを加算した値が、モード切換直後の車両全体としての加速度指令値、即ち、車両の目標加減速度指令となる車両加速度指令値になる。これにより、モード切換え時の減速度変動を抑制できる。
[0090]
 ただし、減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)は、1ペダルモードにてアクセルペダル操作量Xaに応じて加減速制御を行うための1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値特性A1(Xa)に対し、ΔB’分、特性に差が生じることになる。これを解消するために、例えば、図5に示すように、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部35B3では、アクセルペダル操作量Xaの増加に伴い、本来のA1(Xa)特性に近づけるために、ΔB’の値を小さくすなわち、加速度を小さくさせていくものとする。
[0091]
 図5は、アクセルペダル操作量Xa1において、1ペダルモードに切換わり、そのときの非1ペダル加速度指令値差分がΔB1であった場合に、アクセルペダル操作量Xaの操作(増大)に従い、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を減少させる特性の例を示したものである。第1の実施形態では、アクセルペダル操作量Xaが増加するに従い、ΔB’が減少し、任意のアクセルペダル操作量Xa0で0となる特性としている。また、アクセルペダル操作量がXa1未満となる場合は、ΔB’の値を保持する特性としている。
[0092]
 なお、アクセルペダル操作量Xaと減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’との関係(特性)は、図5の特性に限定するものではない。例えば、1ペダルモードに切換わった時点のアクセルペダル操作量Xaを起点として、アクセルペダル操作量Xaが増加または減少するに従って、ΔB’を減少させてもよい。また、モードが切換わってからの時間経過に従って、ΔB’を減少させてもよい。また、その特性も、線形で減少させる必要はなく、任意の特性によって減少させてもよい。また、アクセルペダル操作量Xaの変化によって一旦減少させたΔB’の値は、その後、増加させる必要はない。例えば、アクセルペダル操作量Xa1とXa0の間で操作量が増減を繰り返すような操作を行った場合に、アクセルペダル操作量が増加する場合はΔB’の値を減少させ、アクセルペダル操作量が減少する場合はΔB’の値を保持して増加させず、再度アクセルペダル操作量が増加した場合にΔB’の値を減少させるような特性としてもよい。
[0093]
 図6は、図5に示す減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を用いた場合に、アクセルペダル操作量Xaの変化によって、1ペダル加速度指令値特性A(Xa)がどのような特性になるかを示した特性線図である。図6に示すように、アクセルペダル操作量Xaの増加に伴い、ΔB’が解消され、アクセルペダル操作量Xa0以上の操作量においては、本来設定されている、1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値特性A1(Xa)と同じ特性が実現可能となる。
[0094]
 図7は、第1の実施形態による通常モードから1ペダルモードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化を示す特性線図(タイムチャート)である。
[0095]
 図7では、通常モードにて、アクセルペダルを操作せず(Xa=0)、ブレーキペダルを操作量Xb1で操作中に、時間t1にて、モード切換え部34によって通常モードから1ペダルモードに切換えた場合を示している。この場合、モードに切換ともなって、1ペダル加速度指令値特性は、図29の実線から破線に切換わり、非1ペダル加速度指令値特性は、図30の実線から破線に切換わる。
[0096]
 時間t1にて通常モードから1ペダルモードにモード切換えが行われると、モードが切換わったときの非1ペダル加速度値特性差分ΔB(Xb1)は、下記の数1式となる。
[0097]
[数1]


 
[0098]
 そして、このΔB(Xb1)分をΔB’とし、このΔB’を1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(0)に加算したA1’(0)が、1ペダル加速度指令値A(0)として算出される。これにより、非1ペダル加速度指令値B(Xb1)が、モード切換えに伴って、Bn(Xb1)からB1(Xb1)に切換わっても、車両の減速度として実現されるのは、非1ペダル加速度指令値B(Xb1)と、制動分として配分されるAb(0)との加算結果となる。ここで、Ab(0)は、A1’(0)となり、このA1’(0)とB(Xb1)との加算結果は、モード切換え前の加算結果、即ち、Bn(Xb1)とAn(0)との加算結果と等しくなる。このため、モード切換えの前後で、減速度(車両加速度指令値)に不連続が生じることを抑制でき、ブレーキペダル操作量に変化がないのに減速度が低下することを抑制することができる。
[0099]
 実施形態による加減速制御装置は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
[0100]
 車両の運転者がアクセルペダル21を矢示Xaccel方向に踏込み操作すると、そのアクセルペダル操作量Xaが、アクセルペダル操作量検出部32(アクセル操作センサ22)から駆動指令算出部35(第3のECU24)に入力される。また、車両の運転者がブレーキペダル6を矢示Xbrake方向に踏込み操作すると、そのブレーキペダル操作量Xbが、ブレーキペダル操作量検出部33(ブレーキ操作センサ7)から制動指令算出部37(第1のECU14)に入力される。
[0101]
 ここで、まず、通常モードが選択されている場合、即ち、運転者の切換え操作によりモード切換え部34(モード切換えスイッチ25)が通常モードに切換えられている場合を説明する。この場合は、駆動指令算出部35の1ペダル指令切換え部35B(切換えスイッチ35B1)は、通常モード時の加速度指令値An(Xa)を選択する。即ち、アクセルペダル操作量Xaに対し、図29の実線の特性に基づいて算出される通常モード用の1ペダル加速度指令値An(Xa)が、1ペダル指令切換え部35Bから制駆動配分部35Cに、1ペダル加速度指令値A(Xa)として出力される。
[0102]
 この場合、1ペダル加速度指令値A(Xa)は、正の値となり、制駆動配分部35Cは、その正の値の1ペダル加速度指令値A(Xa)を、駆動分加速度指令値Aa(Xa)として駆動力制御部36に出力する。駆動力制御部36は、駆動分加速度指令値Aa(Xa)に応じた駆動力を出力するための駆動指令を、駆動装置となる駆動モータ23に出力する。これにより、運転者のアクセルペダル21の操作に応じて、車両に駆動力を付与することができる。
[0103]
 一方、制動指令算出部37の非1ペダル指令切換え部37Bの切換えスイッチ37B1は、通常モード時の加速度指令値Bn(Xb)を選択する。即ち、ブレーキペダル操作量Xbに対し、図30の実線の特性に基づいて算出される通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)が、非1ペダル指令切換え部37Bから1ペダル指令加算部37Cに、非1ペダル加速度指令値B(Xb)として出力される。
[0104]
 ここで、通常モードでは、1ペダル加速度指令値特性An(Xa)が負の値にならない、換言すれば、制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)として1ペダル指令加算部37Cで加算されない。このため、1ペダル指令加算部37Cは、非1ペダル加速度指令値B(Xb)を、制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)として制動力制御部38に出力する。制動力制御部38は、制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)に応じた制動力を付与するための制動指令駆動電流を、制動装置となる電動倍力装置10の電動モータ10Bに出力する。これにより、運転者のブレーキペダル6の操作に応じて、車両に制動力を付与することができる。
[0105]
 次に、1ペダルモードが選択されている場合、即ち、運転者の切換え操作によりモード切換え部34(モード切換えスイッチ25)が1ペダルモードに切換えられている場合を説明する。この場合は、駆動指令算出部35の1ペダル指令切換え部35Bの切換えスイッチ35B1は、減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)を選択する。このA1’(Xa)は、例えば、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’が0であるときは、1ペダルモード時の加速度指令値A1(Xa)となる。即ち、アクセルペダル操作量Xaに対し、図29の破線の特性に基づいて算出される1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)が、1ペダル指令切換え部35Bから制駆動配分部35Cに、1ペダル加速度指令値A(Xa)として出力される。
[0106]
 この場合に、1ペダル加速度指令値A(Xa)が正の値であれば、制駆動配分部35Cは、その正の値の1ペダル加速度指令値A(Xa)を、駆動分加速度指令値Aa(Xa)として駆動力制御部36に出力する。駆動力制御部36は、駆動分加速度指令値Aa(Xa)に応じた駆動力を出力するための駆動指令を、駆動装置となる駆動モータ23(のインバータ)に出力する。
[0107]
 一方、1ペダル加速度指令値A(Xa)が負の値であれば、制駆動配分部35Cは、その負の値の1ペダル加速度指令値A(Xa)を、制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)として、制動指令算出部37の1ペダル指令加算部37Cに出力する。ここで、例えば、ブレーキペダル6が操作されていない、すなわち、ブレーキペダル操作量Xbが0の場合は、1ペダル指令加算部37Cから制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)が、制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)として、制動力制御部38に出力される。この結果、一方のペダルであるアクセルペダル21の操作により、車両に制動力を付与することができる。換言すれば、他方のペダルであるブレーキペダル6の操作がなくても、自動的に制動力を付与することができる。
[0108]
 一方、他方のペダルであるブレーキペダル6が操作されている場合は、そのブレーキペダル操作量Xbに応じた非1ペダル加速度指令値B(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とが1ペダル指令加算部37Cで加算される。そして、その加算結果(加算値)が、制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)として、制動力制御部38に出力される。
[0109]
 このとき、制動指令算出部37の非1ペダル指令切換え部37Bの切換えスイッチ37B1は、1ペダルモード時の加速度指令値B1(Xb)を選択する。即ち、ブレーキペダル操作量Xbに対し、図30の破線の特性に基づいて算出される1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)が、非1ペダル指令切換え部37Bから1ペダル指令加算部37Cに非1ペダル加速度指令値B(Xb)として出力される。
[0110]
 さらに、ブレーキペダル6の操作中に通常モードから1ペダルモードにモード切換えが行われた場合は、モードが切換わったときの非1ペダル加速度値特性差分ΔB(Xb)が、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部35B3から減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’として出力される。この減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’は、加算部35B2で、1ペダルモード時の1ペダル加速度指令値A1(Xa)と足される。そして、その加算結果(加算値)である減速度変動対策後の1ペダル加速度指令値A1’(Xa)が、1ペダル指令切換え部35Bから1ペダル加速度指令値A(Xa)として出力される。
[0111]
 ここで、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’は、非1ペダル指令切換え部37Bでの、モード切換えに伴って生じる通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)との差に相当する。このため、モード切換えに伴って、非1ペダル指令切換え部37Bで、通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)から1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)に切換わっても、モード切換えの前後で、1ペダル加速度指令値A(Xa)と非1ペダル加速度指令値B(Xb)との加算結果(加算値)を等しくすることができる。これにより、減速度の変化(急変)を抑制することができる。
[0112]
 かくして、実施形態では、ブレーキペダル6を操作中に、通常モードから1ペダルモードへモード切換えが行われた場合に、ペダル操作によらずに減速度が急変または低下しないよう、指令値特性を切換える。即ち、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と等しくなるような、1ペダル加速度指令値A(Xa)を出力する。このとき、1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)はA1’(Xa)に補正される。このため、通常モードから1ペダルモードへのモード切換え操作の前後で、加算結果を等しくすることができ、モード切換え前の加速度または減速度が維持される。これにより、減速度が急変および低下することを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
[0113]
 次に、図8ないし図13は、第2の実施形態を示している。第2の実施形態の特徴は、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値と、前記1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と等しくなるような、非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値を出力する構成としたことにある。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
[0114]
 図8に示すように、第2の実施形態の1ペダル指令切換え部41には、1ペダル加速度指令値算出部35Aで算出された加速度指令値An(Xa)およびA1(Xa)と、モード切換え部34からのモード切換え信号Mとが入力される。より具体的には、図9に示すように、1ペダル指令切換え部41は、切換えスイッチ41Aを備えている。加速度指令値An(Xa)およびA1(Xa)とモード切換え信号Mは、切換えスイッチ41Aに入力される。
[0115]
 切換えスイッチ41Aは、モード切換え信号Mが通常モードMnを示す場合は、通常モード時の1ペダル加速度指令値An(Xa)を、1ペダル加速度指令値A(Xa)として制駆動配分部35Cに出力する。一方、切換えスイッチ41Aは、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1を示す場合は、1ペダルモード時の1ペダル加速度指令値A1(Xa)を、1ペダル加速度指令値A(Xa)として制駆動配分部35Cに出力する。
[0116]
 一方、図8に示すように、第2の実施形態の非1ペダル指令切換え部42には、ブレーキペダル操作量検出部33によって検出されたブレーキペダル操作量Xbと、非1ペダル加速度指令値算出部37Aで算出された加速度指令値Bn(Xb)およびB1(Xb)と、モード切換え部34によって切換えられるモード切換え信号Mと、制駆動配分部35Cで配分された制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とが入力される。
[0117]
 より具体的には、図10に示すように、非1ペダル指令切換え部42は、切換えスイッチ42Aを備えている。切換えスイッチ42Aは、モード切換え信号Mが通常モードMnを示す場合は、通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)を選択する。一方、切換えスイッチ42Aは、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1を示す場合は、1ペダルモード用の減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値B1’(Xb)を選択する。切換えスイッチ42Aは、その選択した値(選択指令値)を、1ペダル指令加算部37Cに、非1ペダル加速度指令値B(Xb)として出力する。
[0118]
 ここで、1ペダルモード用の減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値B1’(Xb)は、1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とを加算した結果(加算値)である。減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’は、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部42Cで算出される。
[0119]
 このために、非1ペダル指令切換え部42は、加算部42Bと、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部42Cとを備えている。加算部42Bは、1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とを加算し、その加算した値(加算値)を、1ペダルモード用の減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値B1’(Xb)として、切換えスイッチ42Aに出力する。
[0120]
 減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部42Cには、モード切換え信号Mと、非1ペダル加速度指令値差分ΔBと、ブレーキペダル操作量Xbとが入力される。加速度指令値差分算出部42Cは、モード切換え信号Mと、非1ペダル加速度指令値差分ΔBと、ブレーキペダル操作量Xbとに基づいて、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を算出する。
[0121]
 ここで、非1ペダル加速度指令値差分ΔBは、通常モード時の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と、1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と、制駆動配分部35Cで算出された制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とにより、以下の数2式で算出される値である。非1ペダル加速度指令値差分ΔBは、非1ペダル加速度指令値差分算出部42Dで算出される。
[0122]
[数2]


 
[0123]
 減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部42Cは、モード切換え信号Mが通常モードMnから1ペダルモードM1に切換わった瞬間の非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)を保持し、これを減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とする。この加速度指令値差分ΔB’は、1ペダル指令切換え部41での、モード切換えに伴って生じる通常モード用の1ペダル加速度指令値An(Xa)と1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)との差によって生じる、制駆動配分部35Cでの制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)の不連続分に相当する。
[0124]
 そして、加算部42Bは、この差分ΔB’を、1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)に加算する。このため、切換えスイッチ42Aには、1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)に、1ペダル指令切換え部41での、モード切換えに伴って生じる通常モード用の1ペダル加速度指令値An(Xa)と1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)との差によって生じる、制駆動配分部35Cでの制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)の不連続分が上乗せされた、減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値B1’(Xb)が入力される。
[0125]
 そして、この減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値B1’(Xb)が非1ペダル加速度指令値B(Xb)となり、この非1ペダル加速度指令値B(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とを加算した値が、モード切換直後の車両全体としての加速度指令値、即ち、車両の目標加減速度指令となる車両加速度指令値になる。これにより、加速度指令値に不連続が生じず、モード切換え前の加速度または減速度を維持することになり、モード切換え時の減速度変動を抑制できる。
[0126]
 ただし、減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値B1’(Xb)は、1ペダルモードにてブレーキペダル操作量Xbに応じて減速制御を行うための1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値特性B1(Xb)に対し、ΔB’分、特性に差が生じることになる。これを解消するために、例えば、図11に示すように、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部42Cでは、ブレーキペダル操作量Xbの増減に伴い、本来のB1(Xb)特性に近づけるために、ΔB’の値を小さく(加速度を小さく)させていくものとする。
[0127]
 図11は、ブレーキペダル操作量Xb1において、1ペダルモードに切換わり、そのときの非1ペダル加速度指令値差分がΔB1であった場合に、ブレーキペダル操作量Xbの操作に従い、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を減少させ、任意のブレーキペダル操作量Xb0、Xb2で、ΔB’が0となる特性の例を示したものである。
[0128]
 なお、ブレーキペダル操作量Xb1と減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’との関係(特性)は、図11の特性に限定するものではない。例えば、モードが切換わってからの時間経過に従ってΔB’を減少させてもよい、また、その特性も、線形で減少させる必要はなく、任意の特性によって減少させてもよい。
[0129]
 図12は、図11に示す減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を用いた場合に、ブレーキペダル操作量Xbの変化によって、非1ペダル加速度指令値特性B(Xb)がどのような特性になるかを示した特性線図である。図12に示すように、ブレーキペダル操作量Xbの増減に伴い、ΔB’が解消され、ブレーキペダル操作量Xb0以下、または、Xb2以上の操作量においては、本来設定されている、1ペダル用の非1ペダル加速度指令値特性B1(Xb)と同じ特性が実現可能となる。
[0130]
 図13は、第2の実施形態による通常モードから1ペダルモードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化を示す特性線図(タイムチャート)である。
[0131]
 図13では、通常モードにて、アクセルペダルを操作せず(Xa=0)、ブレーキペダルを操作量Xb1で操作中に、時間t1にて、モード切換え部34によって通常モードから1ペダルモードに切換えた場合を示している。この場合、モードに切換ともなって、1ペダル加速度指令値特性は、図29の実線から破線に切換わり、非1ペダル加速度指令値特性は、図30の実線から破線に切換わる。
[0132]
 時間t1にて通常モードから1ペダルモードにモード切換えが行われると、モードが切換わったときの非1ペダル加速度値特性差分ΔB(Xb1)は、下記の数3式となる。
[0133]
[数3]


[0134]
 そして、このΔB(Xb1)分をΔB’とし、このΔB’を1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb1)に加算したB1’(Xb1)が、非1ペダル加速度指令値B(Xb)として算出される。これにより、非1ペダル加速度指令値B(Xb1)が、モード切換えに伴って、Bn(Xb1)からB1(Xb1)に切換わっても、車両の減速度として実現されるのは、非1ペダル加速度指令値B(Xb1)と、制動分として配分されるAb(0)の加算結果となる。ここで、Ab(0)は、A1(0)であり、B(Xb1)は、B1’(Xb1)となり、これらの加算結果は、モード切換え前の加算結果、即ち、Bn(Xb1)とAn(0)との加算結果と等しくなる。このため、モード切換えの前後で、減速度(車両加速度指令値)に不連続が生じることを抑制でき、モード切換え前の加速度または減速度が維持されるので、ブレーキペダル操作量に変化がないのに減速度が低下することを抑制することができる。
[0135]
 第2の実施形態は、モード切換のときに、上述の如き非1ペダル加速度指令値B1(Xb)の補正を行うもので、その基本的作用については、上述した第1の実施形態によるものと格別差異はない。
[0136]
 即ち、第2の実施形態では、ブレーキペダル6を操作中に、モード切換え部34を用いて通常モードから1ペダルモードに切換えられた場合に、減速度が急変または低下しないよう、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル減速度指令値と1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル減速度指令値と等しくなるような、非1ペダル減速度指令値を出力する構成としている。このために、非1ペダル指令切換え部42は、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と等しくなるように、非1ペダル加速度指令値B(Xb)を出力する(非1ペダル加速度指令値B1(Xb)をB1’(Xb)に補正する)。このため、通常モードから1ペダルモードへのモード切換えの前後で、加算結果を等しくすることができ、モード切換え前の加速度または減速度が維持される。これにより、減速度が急変および低下することを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
[0137]
 次に、図14ないし図18は、第3の実施形態を示している。第3の実施形態の特徴は、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値と、1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値と等しくなるまで、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値による制御を継続する構成としたことにある。なお、第3の実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
[0138]
 図14に示すように、第3の実施形態の1ペダル指令切換え部51には、1ペダル加速度指令値算出部35Aで算出された加速度指令値An(Xa)およびA1(Xa)と、モード切換え部34からのモード切換え信号Mとが入力される。より具体的には、図15に示すように、1ペダル指令切換え部51は、切換えスイッチ・補間フィルタ51Aを備えている。加速度指令値An(Xa)およびA1(Xa)とモード切換え信号Mは、切換えスイッチ・補間フィルタ51Aに入力される。
[0139]
 切換えスイッチ・補間フィルタ51Aは、基本的には、モード切換え信号Mが通常モードMnを示す場合は、通常モード時の1ペダル加速度指令値An(Xa)を、1ペダル加速度指令値A(Xa)として制駆動配分部35Cに出力する。一方、切換えスイッチ41Aは、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1を示す場合は、1ペダルモード時の1ペダル加速度指令値A1(Xa)を選択し、1ペダル加速度指令値A(Xa)として出力する。また、切換えスイッチ・補間フィルタ51Aは、モード切換え時に、加速度指令値An(Xa)とA1(Xa)とに差が生じているときは、その差を滑らかに補間するように、1ペダル加速度指令値A(Xa)を出力する。この補間のための構成は、任意であり、例えば、特許文献1に記載されているように、時間の経過によって補間する構成とすることができる。
[0140]
 一方、図16に示すように、第3の実施形態の非1ペダル指令切換え部52は、切換えスイッチ52Aと、非1ペダル指令比較・切換え可否判断部52Bとを備えている。ここで、非1ペダル指令比較・切換え可否判断部52Bは、モード切換え部34からのモード切換え信号Mが、通常モードから1ペダルモードに切換わったときに、1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)との加算結果と、通常モード時の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)を比較する。そして、非1ペダル指令比較・切換え可否判断部52Bは、両者に差があった場合は、モード切換え不可能と判断し、切換え可否判断後のモード切換え信号M’として、通常モードMn’を保持し続ける。その後、B1(Xb)とAb(Xa)の加算結果と、Bn(Xb)とが等しくなったときに、非1ペダル指令比較・切換え可否判断部52Bは、モード切換え可能と判断し、切換え可否判断後のモード切換え信号M’を、1ペダルモードM1’に切換える。なお、1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)との加算は、加算部52Cで行う。
[0141]
 切換えスイッチ52Aは、切換え可否判断後のモード切換え信号M’が通常モードMn’である場合は、通常モード時の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)を選択する。一方、切換えスイッチ52Aは、切換え可否判断後のモード切換え信号M’が1ペダルモードM1’であった場合は、1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)を選択する。切換えスイッチ52Aは、その選択した値(選択指令値)を、1ペダル指令加算部53に、非1ペダル加速度指令値B(Xb)として出力する。
[0142]
 これにより、モード切換え信号Mが、通常モードから1ペダルモードに切換わっても、1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)の加算結果が、通常モード時に実現していた、通常モード時の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と等しくなるまで、特性が切換わらず、モード切換え前の加速度または減速度が維持されるので、減速度変動を抑制することが可能となる。
[0143]
 このような第3の実施形態では、図14および図17に示すように、1ペダル指令加算部53は、制動指令切換えスイッチ53Aを備えている。制動指令切換えスイッチ53Aは、切換え可否判断後のモード切換え信号M’が通常モードMn’の場合は、非1ペダル加速度指令値B(Xb)のみを選択する。一方、制動指令切換えスイッチ53Aは、切換え可否判断後のモード切換え信号Mが1ペダルモードM1’の場合は、非1ペダル加速度指令値B(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)との加算結果を選択する。制動指令切換えスイッチ53Aは、その選択した値(選択指令値)を、制動力制御部38に、制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)として出力する。なお、非1ペダル加速度指令値B(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)との加算は、加算部53Bで行う。
[0144]
 図18は、第3の実施形態による通常モードから1ペダルモードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化を示す特性線図(タイムチャート)である。
[0145]
 図18では、通常モードにて、アクセルペダルを操作せず(Xa=0)、ブレーキペダルを操作量Xb1で操作中に、時間t1にて、モード切換え部34によって通常モードから1ペダルモードに切換えた場合を示している。この場合、モードに切換ともなって、1ペダル加速度指令値特性は、図29の実線から破線に切換わり、非1ペダル加速度指令値特性は、図30の実線から破線に切換わる。
[0146]
 図18に示すように、時間t1にて通常モードから1ペダルモードにモード切換えが行われると、1ペダル加速度指令値A(Xa)は、モード切換え後、切換えスイッチ・補間フィルタ51Aによって、通常モード時の1ペダル加速度指令値An(0)と1ペダルモード時の1ペダル加速度指令値A1(0)との差が滑らかに補間されるように変化する。この滑らかに変化する制動分1ペダル加速度指令値Ab(0)と1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値B1(Xb1)との加算結果が、通常モード時の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb1)の値と同じになるまで、切換え可否判断後のモード切換えは、通常モードを継続し、1ペダルモードに切換わらない。これにより、車両加速度となる制動分加速度指令値Bb(0,Xb1)に不連続が生じることを抑制でき、モード切換え前の加速度または減速度が維持されるので、ブレーキペダル操作量に変化がないのに減速度が低下することを抑制することができる。
[0147]
 第3の実施形態は、モード切換のときに、上述の如きモード切換え信号Mの切換え可否判断とその判断に基づく1ペダル指令加算部53での加速度指令値の切換えとを行うもので、その基本的作用については、上述した第1の実施形態および第2の実施形態によるものと格別差異はない。
[0148]
 即ち、第3の実施形態では、ブレーキペダル6を操作中に、モード切換え部34を用いて通常モードから1ペダルモードに切換えられた場合に、減速度が急変または低下しないよう、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル減速度指令値と1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル減速度指令値と等しくなるまで、切換え前の通常モード用の非1ペダル減速度指令値による制御を継続する構成とすることで、モード切換え前の加速度または減速度を維持するようにしている。このために、非1ペダル指令切換え部52および1ペダル指令加算部53は、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と等しくなるまで、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)による制御を継続する。このため、通常モードから1ペダルモードへのモード切換えの前後で、加算結果を等しくすることができる。これにより、減速度が急変および低下することを抑制することができ、モード切換え前の加速度または減速度が維持されるので、運転者に違和感を与えることを抑制できる。しかも、モード切換え前後の指令値の差を埋めるフィルタ処理を行いつつ、減速度が低下することを抑制することもできる。
[0149]
 次に、図19ないし図24は、第4の実施形態を示している。第4の実施形態の特徴は、切換え前の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と1ペダルモード用の加減速度指令値との加算結果と、切換え後の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値との差を、切換え後の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値に加算して制御する構成としたことにある。なお、第4の実施形態では、第1の実施形態ないし第3の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
[0150]
 図19において、第4の実施形態の1ペダル指令切換え部61は、第2の実施形態の1ペダル指令切換え部41、または、第3の実施形態の1ペダル指令切換え部51のどちらを用いてもよい。
[0151]
 一方、図20に示すように、第4の実施形態の非1ペダル指令切換え部62は、切換えスイッチ62Aを備えている。切換えスイッチ62Aは、モード切換え信号Mが通常モードMnを示す場合は、通常モード用の減速度対策後の非1ペダル加速度指令値Bn’(Xb)を選択する。一方、切換えスイッチ62Aは、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1を示す場合は、1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)を選択する。切換えスイッチ62Aは、その選択した値(選択指令値)を、1ペダル指令加算部37Cに、非1ペダル加速度指令値B(Xb)として出力する。
[0152]
 ここで、通常モード用の減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値Bn’(Xb)は、通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とを加算した結果(加算値)である。減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’は、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部62Cで算出される。
[0153]
 このために、非1ペダル指令切換え部62は、加算部62Bと、減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部62Cとを備えている。加算部62Bは、通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とを加算し、その加算した値(加算値)を、通常モード用の減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値Bn’(Xb)として、切換えスイッチ62Aに出力する。
[0154]
 減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部62Cには、モード切換え信号Mと、非1ペダル加速度指令値差分ΔBと、ブレーキペダル操作量Xbとが入力される。加速度指令値差分算出部62Cは、モード切換え信号Mと、非1ペダル加速度指令値差分ΔBと、ブレーキペダル操作量Xbとに基づいて、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を算出する。
[0155]
 ここで、非1ペダル加速度指令値差分ΔBは、通常モード時の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)と、1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と、制駆動配分部35Cで算出された制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)とにより、以下の数4式で算出される値である。非1ペダル加速度指令値差分ΔBは、非1ペダル加速度指令値差分算出部62Dで算出される。
[0156]
[数4]


[0157]
 減速度変動対策用の加速度指令値差分算出部62Cは、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1から通常モードMnに切換わった瞬間の非1ペダル加速度指令値差分ΔB(Xb)を保持し、これを減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’とする。
[0158]
 一方、図19および図20に示すように、1ペダル指令加算部63は、制動指令切換えスイッチ63Aを備えている。制動指令切換えスイッチ63Aは、モード切換え信号Mが通常モードMnの場合は、非1ペダル加速度指令値B(Xb)のみを選択する。一方、制動指令切換えスイッチ63Aは、モード切換え信号Mが1ペダルモードM1の場合は、非1ペダル加速度指令値B(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)との加算結果を選択する。制動指令切換えスイッチ63Aは、その選択した値(選択指令値)を、制動力制御部38に、制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)として出力する。なお、非1ペダル加速度指令値B(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)との加算は、加算部63Bで行う。
[0159]
 これにより、モード切換え信号Mが、1ペダルモードから通常モードに切換わったときに、直前まで実現していた1ペダルモード時の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と制動分1ペダル加速度指令値Ab(Xa)との加算結果と、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’と通常モード時の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)の加算結果が等しくなる。この結果、モード切換え前の加速度または減速度が維持されるので、減速度変動を抑制することができる。
[0160]
 ただし、減速度変動対策後の非1ペダル加速度指令値Bn’(Xb)は、通常モードにてブレーキペダル操作量Xbに応じて減速制御を行うための通常モード用の非1ペダル加速度指令値特性Bn’(Xb)に対し、ΔB’分、特性に差が生じることになる。これを解消するため、例えば、図22に示すように、ブレーキペダル操作量Xbの減少に伴い、本来のBn(Xb)特性に近づけるために、ΔB’の値を小さく(減速度を小さく)させていくものとする。
[0161]
 図22は、ブレーキペダル操作量Xb1において、通常モードに切換わり、そのときの非1ペダル加速度指令値差分がΔB1であった場合に、ブレーキペダル操作量Xbの操作(減少)に従い、減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を増加(減速度を減少)させ、任意のブレーキペダル操作量Xb0で、ΔB’が0となる特性の例を示したものである。第4の実施形態では、ブレーキペダル操作量Xbが減少するに従い、ΔB’が増加(減速度が減少)し、任意のブレーキペダル操作量Xb0で0となる特性としている。また、ブレーキペダル操作量がXb1以上となる場合は、ΔB’の値を保持する特性としている。
[0162]
 なお、ブレーキペダル操作量Xbと減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’との関係(特性)は、図22の特性に限定するものではない。例えば、通常モードに切換わった時点のブレーキペダル操作量Xbを起点として、ブレーキペダル操作量Xbが増加または減少するに従って、ΔB’を増加させてもよい。また、モードが切換わってからの時間経過に従って、ΔB’を増加させてもよい。また、その特性も、線形で増加させる必要はなく、任意の特性によって増加させてもよい。また、ブレーキペダル操作量Xbの変化によって一旦増加させたΔB’の値は、その後、減少(減速度を増大)させる必要はない。例えば、ブレーキペダル操作量Xb1とXb0の間で操作量が増減を繰り返すような操作を行った場合に、ブレーキペダル操作量が減少する場合はΔB’の値を増加させ、ブレーキペダル操作量が増加する場合はΔB’の値を保持して減少させず、再度ブレーキペダル操作量が減少した場合にΔB’の値を増加させるような特性としてもよい。
[0163]
 図23は、図22に示す減速度変動対策用の加速度指令値差分ΔB’を用いた場合に、ブレーキペダル操作量Xbの変化によって、非1ペダル加速度指令値特性B(Xb)がどのような特性になるかを示した特性線図である。図23に示すように、ブレーキペダル操作量Xbの減少に伴い、ΔB’が解消され、ブレーキペダル操作量Xb0以下の操作量においては、本来設定されている、通常モード用の非1ペダル加速度指令値特性Bn(Xb)と同じ特性が実現可能となる。
[0164]
 図24は、第4の実施形態による1ペダルモードから通常モードに切換えたときの各操作量と各指令値の時間変化を示す特性線図(タイムチャート)である。
[0165]
 図24では、1ペダルモードにて、アクセルペダルを操作せず(Xa=0)、ブレーキペダルを操作量Xb1で操作中に、時間t2にて、モード切換え部34によって1ペダルモードから通常モードに切換えた場合を示している。この場合、モードに切換ともなって、1ペダル加速度指令値特性は、図29の破線から実線に切換わり、非1ペダル加速度指令値特性は、図30の破線から実線に切換わる。
[0166]
 時間t2にて1ペダルモードから通常モードにモード切換えが行われると、モードが切換わったときの非1ペダル加速度値特性差分ΔB(Xb1)分をΔB’とし、通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)に加算したBn’(Xb)を、非1ペダル加速度指令値B(Xb)として算出する。これにより、1ペダル加速度指令値A(Xa)をモード切換え時にA1(Xa)からAn(Xa)に切換えても、車両の減速度として実現されるのは、非1ペダル加速度指令値Bn’(Xb1)となる。このため、減速度に不連続が生じることを抑制でき、モード切換え前の加速度または減速度が維持されるので、ブレーキペダル操作量に変化がないのに減速度が低下することを抑制することができる。
[0167]
 第4の実施形態は、モード切換のときに、上述の如き非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)の補正と1ペダル指令加算部63での加速度指令値の切換えとを行うもので、その基本的作用については、上述した第1の実施形態ないし第3の実施形態によるものと格別差異はない。
[0168]
 即ち、第4の実施形態では、ブレーキペダル6を操作中に、モード切換え部34を用いて1ペダルモードから通常モードに切換えられた場合に、減速度が急変または低下しないよう、切換え前の1ペダルモード用の非1ペダル減速度指令値と1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果と、切換え後の通常モード用の非1ペダル減速度指令値との差を、切換え後の通常モード用の非1ペダル減速度指令値に加算して制御する構成としている。このために、非1ペダル指令切換え部62および1ペダル指令加算部63は、切換え前の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値B1(Xb)と1ペダルモード用の1ペダル加速度指令値A1(Xa)との加算結果と、切換え後の通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)との差ΔB(Xb)を、切換え後の通常モード用の非1ペダル加速度指令値Bn(Xb)に加算して制御する。このため、1ペダルモードから通常モードへのモード切換えの前後で、加算結果を等しくすることができ、モード切換え前の加速度または減速度が維持される。これにより、減速度が急変および低下することを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
[0169]
 なお、第1の実施形態では、1ペダルモードの加減速制御(加速制御および減速制御の双方)に用いるペダルをアクセルペダル21とし、1ペダルモードの加減速制御に用いないペダルをブレーキペダル6とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、1ペダルモードの加減速制御に用いるペダルをブレーキペダルとし、1ペダルモードの加減速制御に用いないペダルをアクセルペダルとしてもよい。この場合は、アクセルペダル操作量と非1ペダル加速度指令値との関係(特性)、および、ブレーキペダル操作量と1ペダル加速度指令値(1ペダル加減速度指令値)との関係(特性)は、例えば、図31および図32に示すような関係(特性)とすることができる。このことは、第2の実施形態ないし第4の実施形態についても同様である。
[0170]
 第1の実施形態では、第1のECU14と第3のECU24とを別体のコントロールユニットとして構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、第1のECUと第3のECUと(必要に応じて、第2のECUと)を統合し、一つのコントロールユニットとして構成してもよい。このことは、第2の実施形態ないし第4の実施形態についても同様である。
[0171]
 第1の実施形態では、制動指令算出部37で算出された制動分加速度指令値Bb(Xa,Xb)に従って車両に制動力を付与する制動装置、より具体的には、1ペダルモードが選択されているときにアクセルペダル21の操作に基づいて車両に制動力(自動ブレーキ)を付与する制動装置を、電動倍力装置10とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、1ペダルモードが選択されているときの制動力(自動ブレーキ)の付与を、ESC12による制動力の付与、駆動モータ23による回生制動力の付与、ブレーキ機構が電動駐車ブレーキを備えたものであれば電動駐車ブレーキによる制動力の付与としてもよい。
[0172]
 第1の実施形態では、電動倍力装置10を用いて液圧式のブレーキ機構(ホイールシリンダ4L,4R,5L,5R)の液圧(ブレーキ液圧)を高めることにより、制動力を付与する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ブレーキ機構を電動ブレーキとし、電動ブレーキにより制動力を付与する構成としてもよい。
[0173]
 さらに、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
[0174]
 以上の実施形態によれば、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
[0175]
 (1)即ち、実施形態によれば、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルを操作中に、モード切換え手段を用いたモード切換えが行われた場合に、操作中の、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルがアクセルペダルであれば加速度が、ブレーキペダルであれば減速度が、ペダル操作によらずに急変または低下しないよう、指令値特性を切換える。このため、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルを操作中にモード切換えが行われたときに、加速度または減速度が急変および/または低下することを抑制することができる。これにより、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
[0176]
 (2)実施形態によれば、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルを操作中に、モード切換え手段を用い、通常モードから1ペダルモードに切換えられた場合に、操作中の、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルがアクセルペダルであれば加速度が、ブレーキペダルであれば減速度が急変または低下しないよう、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値、または非1ペダル減速度指令値と、1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と等しくなるような、1ペダル加減速度指令値を出力する。このため、通常モードから1ペダルモードへのモード切換えの前後で、加算結果を等しくすることができる。これにより、加速度または減速度が急変および/または低下することを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
[0177]
 (3)実施形態によれば、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルを操作中に、モード切換え手段を用い、通常モードから1ペダルモードに切換えられた場合に、操作中の、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルがアクセルペダルであれば加速度が、ブレーキペダルであれば減速度が急変または低下しないよう、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値、または非1ペダル減速度指令値と、1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と等しくなるような、非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値を出力する。このため、通常モードから1ペダルモードへのモード切換えの前後で、加算結果を等しくすることができる。これにより、加速度または減速度が急変および/または低下することを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
[0178]
 (4)実施形態によれば、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルを操作中に、モード切換え手段を用い、通常モードから1ペダルモードに切換えられた場合に、操作中の、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルがアクセルペダルであれば加速度が、ブレーキペダルであれば減速度が急変または低下しないよう、切換え後の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値、または非1ペダル減速度指令値と、1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と等しくなるまで、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値による制御を継続する。このため、通常モードから1ペダルモードへのモード切換えの前後で、加算結果を等しくすることができる。これにより、加速度または減速度が急変および/または低下することを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。しかも、モード切換え前後の指令値の差を埋めるフィルタ処理を行いつつ、加速度または減速度が低下することを抑制することもできる。
[0179]
 (5)実施形態によれば、1ペダルモードにて加減速制御を行わないペダルを操作中に、モード切換え手段を用い、1ペダルモードから通常モードに切換えられた場合に、操作中の、1ペダルモードの加減速制御を行わないペダルがアクセルペダルであれば加速度が、ブレーキペダルであれば減速度が急変または低下しないよう、切換え前の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果と、切換え後の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値との差を、切換え後の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値に加算して制御する。このため、1ペダルモードから通常モードへのモード切換えの前後で、加算結果を等しくすることができる。これにより、加速度または減速度が急変および/または低下することを抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
[0180]
 以上、本発明の幾つかの実施形態のみを説明したが、本発明の新規の教示や利点から実質的に外れることなく例示の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には容易に理解できるであろう。従って、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含むことを意図する。上記実施形態を任意に組み合わせても良い。
[0181]
 以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
[0182]
 本願は、2015年6月30日付出願の日本国特許出願第2015-131323号に基づく優先権を主張する。2015年6月30日付出願の日本国特許出願第2015-131323号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。
[0183]
 特開2006-137324号公報(特許文献1)の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書を含む全ての開示は、参照により全体として本願に組み込まれる。

符号の説明

[0184]
4L,4R 前輪側ホイールシリンダ 
5L,5R 後輪側ホイールシリンダ 
6 ブレーキペダル 
10 電動倍力装置 
12 ESC 
21 アクセルペダル 
23 駆動モータ(走行モータ) 
25 モード切換えスイッチ(モード切換え手段) 
31 加減速制御装置 
32 アクセルペダル操作量検出部 
33 ブレーキペダル操作量検出部 
34 モード切換え部(モード切換え装置) 
35 駆動指令算出部 
36 駆動力制御部 
37 制動指令算出部 
38 制動力制御部

請求の範囲

[請求項1]
 アクセルペダルの操作により加速制御を行い、かつ、ブレーキペダルの操作により減速制御を行う通常モードと、
 アクセルペダルまたはブレーキペダルのいずれか一方のペダルの操作により加速制御および減速制御の双方を行い、他方のペダルの操作により加速制御または減速制御のいずれかしか行わない1ペダルモードと、を有し、
 乗員の切換え操作に応じて1ペダルモードおよび通常モードを切換えるモード切換え手段を備える車両システムのための加減速制御装置であって、
 前記モード切換え手段を用いたモード切換えによって、前記1ペダルモード中の他方のペダルの操作量に応じて算出される、非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値の特性を切換え、
 前記1ペダルモードでは、加速制御および減速制御の双方を行うための前記一方のペダルの操作に応じて算出される1ペダル加減速度指令値に、前記非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値を加算した結果を車両の目標加減速度指令とするように構成されている加減速制御装置において、
 前記1ペダルモード中で前記他方のペダルを操作中に、前記モード切換え手段を用いたモード切換えが行われた場合に、当該モード切換え前の加速度または減速度を維持したあとに、操作中の前記他方のペダルの指令値特性を切換える加減速制御装置。
[請求項2]
 前記加速度または減速度の維持は、前記モード切換え後の1ペダルモード用の、非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値と、前記1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と等しくなるような、1ペダル加減速度指令値を出力して行われることを特徴とする請求項1に記載の加減速制御装置。
[請求項3]
 前記加速度または減速度の維持は、前記モード切換え後の1ペダルモード用の、非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値と、前記1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と等しくなるような、非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値を出力して行われることを特徴とする請求項1に記載の加減速制御装置。
[請求項4]
 前記加速度または減速度の維持は、前記モード切換え後の1ペダルモード用の、非1ペダル加速度指令値または非1ペダル減速度指令値と、前記1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果が、切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と等しくなるまで、前記切換え前の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値による制御を継続して行われることを特徴とする請求項1に記載の加減速制御装置。
[請求項5]
 前記加速度または減速度の維持は、前記モード切換え前の1ペダルモード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値と前記1ペダルモード用の1ペダル加減速度指令値との加算結果と、切換え後の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値との差を、切換え後の通常モード用の非1ペダル加速度指令値または減速度指令値に加算して制御して行われることを特徴とする請求項1に記載の加減速制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30]

[ 図 31]

[ 図 32]