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1. (WO2019065641) PARK LOCK CONTROL DEVICE AND VEHICLE MOTOR DRIVE DEVICE
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明 細 書

発明の名称 パークロック制御装置および車両用モータ駆動装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099  

符号の説明

0100  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : パークロック制御装置および車両用モータ駆動装置

技術分野

[0001]
 本発明は、モータで車輪を駆動する車両用モータ駆動装置に搭載されたパークロック機構を制御するパークロック制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 パークロック制御装置の従来技術として、特開2013-75651号公報(特許文献1)および特開2016-124305号公報(特許文献2)が挙げられる。
[0003]
 特許文献1のパークロック制御装置は、車両の左右に独立して設けられるインホイールモータ駆動装置ごとに搭載されたパークロック機構を制御する装置である。この制御装置は、パークロックの作動指令が出力された場合に、複数のパークロック機構のうち、何れか一方のパークロック機構だけをまず作動させ、その後も車両が移動すると推定又は検出されたときに他方のパークロック機構を作動させることを特徴としている。これにより、一方のみのパークロック機構だけで車両を停止できた場合は、電力消費を抑制することができる。つまり、大電力を要するパークロック用のアクチュエータを複数箇所で同時に作動させることに起因する、電圧の降下による不具合(電費の悪化、電気装備の故障や作動不良)を誘発する可能性を低減させることができる。
[0004]
 特許文献2のパークロック制御装置は、パークロック操作時に、車輪速が予め設定された締結許可閾値よりも高い場合にパークロック機構の動作を禁止し、締結許可閾値以下の場合にパークロック機構の動作を許可すること、及び、車輪がロックしていると判定された時にパークロック機構の動作を禁止することを特徴としている。これにより、低摩擦係数路などにおいて車輪ロックにより車輪速が締結許可車輪速よりも低下した場合でも、実際には締結許可車輪速よりも高くなるような車体速度で、パークロックの作動によりタイヤのグリップが回復した際に予期しない車両挙動が発生するのを抑制できる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2013-75651号公報
特許文献2 : 特開2016-124305号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 特許文献1に記載のパークロック制御装置では、最初にパークロック機構を作動させる駆動輪を決定するために、傾き検知手段に基づく路面の勾配情報や現在位置に基づく傾斜情報に加え、操舵角や後輪回転数を利用するとしている。
[0007]
 しかし、パークロック機構はギヤ状の歯(パーキングギヤ)をパーキングポールと噛合わせる構造であるため、パーキングギヤが噛み合い可能な位相に無い状態でパーキングポールを作動させた場合は、パーキングギヤとパーキングポールが噛合うまでに車両が数十mmも移動することがある。さらに、最初に動作させた側の駆動輪だけでは制動力が不十分で、もう片側も作動させることになった場合、以下に示すように、なかなかパークロック機構の噛み合わせによる車両の停止が完了しないような状況が考えられる。
[0008]
 つまり、最初に作動指令を出した側が折悪しく全く噛み合わない位相であり、これが噛み合う位相まで車両が動いて噛み合っても車両の停止状態を維持するには不十分な制動力しか発生せず、次に反対側に作動指令を出したタイミングではこれも折悪しく全く噛み合わない位相となってしまっている、という状況である。このような場合、車両停止までに大きく車両が動いてしまう。
[0009]
 特許文献2では、パークロック動作の可否判定を行う際、車輪のロックが疑われる場合はパークロック動作を禁止することで、たとえば車輪ロック中にパークロックが一方の車輪のみ動作し、その後タイヤのグリップが回復した際に、運転者の意図しない車両挙動を誘発することを防止している。
[0010]
 しかし、本技術は、判定対象が車速に限定されており、車両が停止してないのに車輪ロックしている場合や、車速が早すぎる場合のパークロック作動を許可しないというものである。つまり、パークロック許可の判定がなされて実際にパークロック作動指令を出す時点において、設定車速が早すぎればパーキングポールがはじかれる異音(ラチェッティング音)が発生するし、遅すぎれば運転者の意図に反してなかなかパークロック機構が作動しないということになり、噛み合いが完了して実際に車両が停止するまでに車両が移動してしまう違和感を運転者が感ずることになる。
[0011]
 また、特許文献1および2のパークロック制御装置は、インホイールモータ駆動装置に搭載されたパークロック機構を制御する装置であるが、オンボードタイプのモータ駆動装置など各種の車両用モータ駆動装置に搭載されたパークロック機構を制御する装置においても同様に、係合部材がパークギヤに弾かれると、ラチェッティング音が発生したり、車両がなかなか停止しないという不具合が発生し得る。
[0012]
 本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、パークギヤに係合部材を適切に係合させることのできるパークロック制御装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0013]
 この発明のある局面に従うパークロック制御装置は、モータで車輪を駆動する車両用モータ駆動装置に搭載されたパークロック機構を制御するパークロック制御装置であって、パークロック機構は、外周面に歯と溝とが交互に繰り返し形成されたパークギヤと、パークギヤの溝に係合するロック位置と溝に係合しないロック解除位置との間で変位させられる係合部材とを含む。パークロック制御装置は、パークギヤの回転位相を検出する位相検出部と、位相検出部により検出されたパークギヤの回転位相に応じて、係合部材の作動を制御する作動制御部とを備える。
[0014]
 好ましくは、作動制御部は、パークギヤの回転位相とパークギヤの回転速度とに基づいて、係合部材の作動タイミングを判定する判定手段を含む。
[0015]
 パークロック機構を搭載した車両用モータ駆動装置が、駆動輪ごとに設けられたインホイールモータ駆動装置である場合、作動制御部は、パークロック機構ごとに係合部材の作動を制御することが望ましい。
[0016]
 また、作動制御部は、複数のパークロック機構のうちのいずれか1つの係合部材を作動してパークギヤの回転が停止した場合に、車両の停止の有無を判定し、車両が停止していないと判定された場合にのみ、残りのパークロック機構の係合部材の作動を制御することが望ましい。
[0017]
 好ましくは、パークロック制御装置は、パークギヤの各溝の位相範囲を示す位相範囲情報を記憶する記憶部と、係合部材の作動に伴ってパークギヤの回転が停止したときのパークギヤの位相に基づいて、記憶部に記憶された位相範囲情報を更新する更新処理部とをさらに備える。
[0018]
 車両用モータ駆動装置のケーシングに、モータの回転角を検出する回転角センサが収容されている場合、位相検出部は、回転角センサからの信号に基づいて、パークギヤの回転位相を検出することが望ましい。
[0019]
 この発明の他の局面に従う車両用モータ駆動装置は、上記したパークロック制御装置によって制御されるパークロック機構を備える。

発明の効果

[0020]
 本発明によれば、パークギヤに係合部材を適切に係合させることができる。したがって、係合部材がパークギヤに弾かれることに起因するラチェッティング音の発生を防止することができる。また、その結果、運転者が音を不快に感じることを抑制できるとともに、パークギヤまたは係合部材の摩耗を抑制することができる。さらに、本発明によれば、パークロックの作動要求を受けてから車両が停止するまでの時間を短縮することも可能となる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置およびパークロック制御装置が車両に搭載されている状態を模式的に示す図である。
[図2] 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置およびパークロック制御装置を模式的に示す横断面図である。
[図3] 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置およびパークロック制御装置を模式的に示す展開断面図である。
[図4] 本発明の実施の形態におけるパークロック機構の構成を模式的に示す図である。
[図5] 本発明の実施の形態および変形例1(2)に係るパークロック制御装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
[図6] 本発明の実施の形態および変形例1(2)において記憶部に記憶される位相範囲情報のデータ構造例を示す図である。
[図7] 本発明の実施の形態に係るパークロック制御装置の動作を示すフローチャートである。
[図8] 本発明の実施の形態の変形例2に係るパークロック制御装置の動作を示すフローチャートである。
[図9] 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置の内部に、パークロック専用の回転角センサを設けた状態を模式的に示す図である。

発明を実施するための形態

[0022]
 本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[0023]
 本実施の形態に係るパークロック制御装置は、モータで車輪を駆動する車両用モータ駆動装置に搭載されたパークロック機構を制御する。本実施の形態において、車両用モータ駆動装置は、図1に示すような車両100に搭載されるインホイールモータ駆動装置10である。車両100は、電気自動車であり、シャーシ101と、前輪としての操舵輪102と、懸架装置(サスペンション)を介してシャーシ101の下部に取り付けられた、後輪としての駆動輪103とを備えている。
[0024]
 インホイールモータ駆動装置10は、左右の駆動輪103ごとに設けられ、内部にパークロック機構41を有している。本実施の形態に係るパークロック制御装置60は、左のインホイールモータ駆動装置10Lに搭載されたパークロック機構41Lと、右のインホイールモータ駆動装置10Rに搭載されたパークロック機構41Rとの双方を制御する。なお、以下の説明において、左右のインホイールモータ駆動装置10L,10Rを区別する必要のない場合には、単にインホイールモータ駆動装置10と記す。同様に、左右のパークロック機構41L,41Rを区別する必要のない場合には、単にパークロック機構41と記す。
[0025]
 (インホイールモータ駆動装置の基本構成について)
 はじめに、図2および図3を参照して、パークロック機構41を内蔵するインホイールモータ駆動装置10の基本構成例について説明する。なお、図2は、インホイールモータ駆動装置10を示す横断面図であり、インホイールモータ駆動装置10の内部を車両100の車幅方向外側からみた状態を表す。図2中、紙面左側は車両前方を表し、紙面右側は車両後方を表し、紙面上側は車両上方を表し、紙面下側は車両下方を表す。図3は、インホイールモータ駆動装置10を模式的に示す展開断面図である。図3で表される断面は、図1に示す軸線Mおよび軸線Nを含む平面と、軸線Nおよび軸線Oを含む平面とを、この順序で接続した展開平面である。図3中、紙面左側は車幅方向外側を表し、紙面右側は車幅方向内側を表す。
[0026]
 図3に示すように、インホイールモータ駆動装置10は、図示しない車輪の中心に設けられる車輪ハブ軸受部11と、車輪を駆動するモータ部21と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31と、車輪を回転不能に保持するパークロック機構41とを備える。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。軸線Oは車幅方向に延び、車軸に一致する。軸線O方向位置に関し、車輪ハブ軸受部11はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向一方(車幅方向外側)に配置され、モータ部21はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向他方(車幅方向内側)に配置され、減速部31はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向中央部に配置される。
[0027]
 図3に示すように車輪ハブ軸受部11は、たとえば回転内輪・固定外輪とされ、図示しない車輪ホイールと結合する回転輪(ハブ輪)としての内輪12と、内輪12の外径側に同軸に配置される固定輪としての外輪13と、内輪12と外輪13との間の環状空間に配置される複数の転動体14を有する。内輪12の回転中心は、車輪ハブ軸受部11の中心を通る軸線Oに一致する。
[0028]
 外輪13の外周面には周方向で異なる位置に複数の外輪突出部13fが立設される。外径方向に突出する各外輪突出部13fには貫通孔が穿設される。各貫通孔は軸線Oと平行に延び、軸線O方向一方側からボルト15が通される。各ボルト15の軸部は、本体ケーシング38の正面部分38fに穿設される雌ねじ孔と螺合する。連結部材としてのボルト15により外輪13は正面部分38fに連結固定される。なお正面部分38fは減速部31の軸線O方向一方端を覆うケーシング壁部である。外輪13は正面部分38fを貫通する。
[0029]
 内輪12は、外輪13よりも長い筒状体であり、外輪13の中心孔に通される。外輪13からインホイールモータ駆動装置10の外部へ突出する内輪12の軸線O方向一方端部には、結合部12fが形成される。結合部12fはフランジであり、図示しないブレーキロータおよび車輪(駆動輪103)と同軸に結合するための結合部を構成する。内輪12は、結合部12fで車輪と結合し、車輪と一体回転する。
[0030]
 転動体14は例えば鋼球である。内輪12の軸線O方向中央部の外周面は、第1列に配置される複数の転動体14の内側軌道面を構成する。内輪12の軸線O方向他方端部外周には内側軌道輪12rが嵌合する。内側軌道輪12rの外周面は、第2列に配置される複数の転動体14の内側軌道面を構成する。外輪13の軸線O方向一方端部の内周面は、第1列の転動体14の外側軌道面を構成する。外輪13の軸線O方向他方端部の内周面は、第2列の転動体14の外側軌道面を構成する。内輪12および外輪13間の環状空間には、シール材16がさらに介在する。シール材16は環状空間の両端を封止して、塵埃および異物の侵入を阻止する。内輪12の軸線O方向他方端の中心孔には減速部31の出力軸37が差し込まれてスプライン嵌合する。
[0031]
 モータ部21は、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、およびモータケーシング25を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ部21は、インナロータ、アウタステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップモータであってもよい。
[0032]
 モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。例えば図1に示すようにモータ部の軸線Mは、軸線Oから車両前後方向にオフセットして、具体的には軸線Oよりも車両前方に配置される。
[0033]
 モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、本体ケーシング38の背面部分38bと、モータ部21のモータケーシングカバー25vに回転自在に支持される。モータケーシング25は略円筒形状であり、軸線M方向一方端で本体ケーシング38の背面部分38bと一体に結合し、軸線M方向他方端を板状のモータケーシングカバー25vで封止される。
[0034]
 モータケーシングカバー25vは、モータ回転軸22の軸線M方向他方端部を受入れる受け入れ空間を有しており、この受け入れ空間に、モータ回転軸22の回転を検出するレゾルバ29が収容されている。レゾルバ29は、回転要素の回転角を検出する回転角センサである。レゾルバ29によって検出された信号は、信号線(図示せず)を介して車体に搭載されたモータ制御装置(図示せず)に送信される。
[0035]
 減速部31は、モータ部21のモータ回転軸22と同軸に結合する入力軸32sと、入力軸32sの外周面に同軸に設けられる入力歯車32と、複数の中間歯車33,35と、これら中間歯車33,35の中心と結合する中間軸34と、車輪ハブ軸受部11の内輪12と同軸に結合する出力軸37と、出力軸37の外周面に同軸に設けられる出力歯車36と、これら複数の歯車および回転軸を収容する本体ケーシング(減速機ケーシング)38を有する。本体ケーシング38、モータケーシング25、およびモータケーシングカバー25vによって、インホイールモータ駆動装置10全体のケーシング9が構成される。
[0036]
 入力歯車32は外歯のはすば歯車である。入力軸32sは中空構造であり、この中空の入力軸32sにモータ回転軸22の軸線方向一方端部が差し込まれて相対回転不可能にスプライン嵌合(セレーションも含む以下同じ)される。入力軸32sは入力歯車32の両端側で、転がり軸受32m,32nを介して、本体ケーシング38の正面部分38fおよび背面部分38bに回転自在に支持される。
[0037]
 減速部31の中間軸34の回転中心になる軸線Nは軸線Oと平行に延びる。中間軸34の両端は、軸受34m,34nを介して、本体ケーシング38の正面部分38fおよび背面部分38bに回転自在に支持される。中間軸34の中央部には、第1中間歯車33および第2中間歯車35が、中間軸34の軸線Nと同軸に設けられる。第1中間歯車33および第2中間歯車35は、外歯のはすば歯車であり、第1中間歯車33の径が第2中間歯車35の径よりも大きい。大径の第1中間歯車33は、第2中間歯車35よりも軸線N方向他方側に配置されて、小径の入力歯車32と噛合する。小径の第2中間歯車35は、第1中間歯車33よりも軸線N方向一方側に配置されて、大径の出力歯車36と噛合する。
[0038]
 中間軸34の軸線Nは、図2に示すように、軸線Oおよび軸線Mよりも上方に配置される。また中間軸34の軸線Nは、軸線Oよりも車両前方、軸線Mよりも車両後方に配置される。減速部31は、車両前後方向に間隔を空けて配置されて互いに平行に延びる軸線O,N,Mを有する3軸の平行軸歯車減速機である。
[0039]
 出力歯車36は外歯のはすば歯車であり、出力軸37の中央部に同軸に設けられる。出力軸37は軸線Oに沿って延びる。出力軸37の軸線O方向一方端部は、内輪12の中心孔に差し込まれて相対回転不可能に嵌合する。かかる嵌合は、スプライン嵌合あるいはセレーション嵌合である。出力軸37の軸線O方向他方端部は、転がり軸受37nを介して、本体ケーシング38の背面部分38bに回転自在に支持される。
[0040]
 出力歯車36の軸線O方向一方端面には、環状凹部36cが形成される。環状凹部36cは軸線Oを中心とする。本体ケーシング38の正面部分38fには、環状凹部36cに受け入れられる環状凸部38gが形成される。これら環状凹部36cの内径側部分と環状凸部38gの内径側部分との間には転がり軸受37mが設けられる。これにより出力軸37の軸線O方向中央部は、転がり軸受37mを介して、本体ケーシング38の正面部分38fに回転自在に支持される。
[0041]
 減速部31は、小径の駆動歯車と大径の従動歯車の噛合、即ち入力歯車32と第1中間歯車33の噛合、また第2中間歯車35と出力歯車36の噛合、により入力軸32sの回転を減速して出力軸37に伝達する。減速部31の入力軸32sから出力軸37までの回転要素は、モータ部21の回転を内輪12に伝達する駆動伝達経路を構成する。
[0042]
 本体ケーシング38は、筒状部分と、当該筒状部分の両端を覆う板状の正面部分38fおよび背面部分38bを含む。筒状部分は、互いに平行に延びる軸線O、N、Mを取り囲むように減速部31の内部部品を覆う。板状の正面部分38fは、減速部31の内部部品を軸線方向一方側から覆う。板状の背面部分38bは、減速部31の内部部品を軸線方向他方側から覆う。本体ケーシング38の背面部分38bは、モータケーシング25と結合し、減速部31の内部空間およびモータ部21の内部空間を仕切る隔壁でもある。モータケーシング25は本体ケーシング38に支持されて、本体ケーシング38から軸線方向他方側へ突出する。
[0043]
 本体ケーシング38は、減速部31の内部空間を区画し、減速部31の全ての回転要素(回転軸および歯車)を内部空間に収容する。図2に示すように本体ケーシング38の下部は、オイル貯留部39とされる。オイル貯留部39は入力歯車32の下方に配置される。本体ケーシング38の内部空間の下部を占めるオイル貯留部39には、モータ部21および減速部31を潤滑する潤滑油が貯留する。
[0044]
 入力軸32sと、中間軸34と、出力軸37は、上述した転がり軸受によって両持ち支持される。転がり軸受32m,34m,37m,32n,34n,37nはラジアル軸受である。
[0045]
 環状凹部36cによって出力歯車36の内径部分は軸線O方向に窪んだ形状にされ、出力歯車36の内径部分の板厚寸法は出力歯車36の歯幅よりも小さくされる。環状凹部36cは転がり軸受37mを収容する。このように軸線O方向位置に関し、出力歯車36と転がり軸受37mとを重ねるように配置して、インホイールモータ駆動装置10の軸線方向寸法を小さくすることができる。
[0046]
 (パークロック機構の構成例について)
 図4をさらに参照して、パークロック機構41の構成例について説明する。なお、図2には、ロック解除状態にされたパークロック機構41が示されており、図4には、ロック状態にされたパークロック機構41が拡大して示されている。
[0047]
 パークロック機構41は、被係合部材としてのパークギヤ42と、係合部材としてのパークポール43と、パークポール43を動作させるパークカム44とを有する。
[0048]
 パークギヤ42は、入力軸32sの外周に同軸に取付固定されている。図4に示すようにパークギヤ42は、外歯歯車の如き多数の歯42gと、隣り合う歯42gの歯面および外歯歯車の歯底面によって区画される溝(凹部)42aを含む。つまり、パークギヤ42の外周面には歯42gと溝42aとが交互に繰り返し形成されている。
[0049]
 係合部材としてのパークポール43は、一端を支点とすることにより他端が揺動するレバー部材であって、パークギヤ42と隣り合うように配置される。パークポール43は、図4に示すようにパークギヤ42の溝42aに係合するロック位置と、図2に示すようにパークギヤ42から離れる(溝42aに係合しない)ロック解除位置との間を回動する。パークポール43は一端で枢軸45に枢支される。
[0050]
 図3に示すように枢軸45は本体ケーシング38の内壁面に立設され、軸線Mと平行に延びる。基端になる一端は、パークギヤ42から遠い位置であり、遊端になる他端は、パークギヤ42に近い位置である。パークポール43は、図4に示すように、一端と他端との間に、パークギヤ42と向き合う正面およびパークギヤ42とは反対側の背面を有する。パークポール43の他端部の正面には、パークギヤ42の溝42aに係合する凸部43aが設けられる。
[0051]
 パークポール43には、離反部材49が設けられる。離反部材は例えばねじりばねであり、枢軸45には巻き掛けられ、ロック解除位置へ復帰する方向の付勢力をパークポール43に付与する。
[0052]
 図4に示すようにパークポール43がロック位置にされてパークポール43の凸部43aがパークギヤ42の溝42aに係合すると、パークギヤ42の回転がロックされて、入力軸32sは回転できない。そしてモータ回転軸22から減速部31を経て内輪12に至る駆動伝達経路は回転不能に保持され、車輪が回転しないロック状態が実現する。
[0053]
 反対に図2に示すようにパークポール43がロック解除位置にされてパークポール43の凸部43aがパークギヤ42の溝42aに係合しないときには、パークギヤ42の回転が許容されて、入力軸32sは回転が可能になる。つまりモータ回転軸22から減速部31を経て内輪12に至る駆動伝達経路は回転を許容され、車輪の回転が可能になる。
[0054]
 図2に示すようにパークポール43からみてパークギヤ42と反対側には、パークカム44および回動軸46が設けられている。図3に示すように回動軸46はパークカム44を支持する支持部材であり、一端で本体ケーシング38に回動可能に支持され、中央部でパークカム44と結合する。回動軸46の他端は、本体ケーシング38を貫通し、本体ケーシング38の外部に設けられるパークロック作動部材47と結合する。回動軸46および枢軸45は軸線Mと平行に延びる。
[0055]
 本体ケーシング38の貫通孔には回動軸46が通されるところ、かかる貫通孔と回動軸46との環状空間には、シール材54および転がり軸受55が設けられる。転がり軸受55は例えばラジアル軸受であり、回動軸46を回動自在に支持する。シール材54は例えば環状のオイルシールであり、インホイールモータ駆動装置10外部の異物が本体ケーシング38内部に侵入することを防止する。本体ケーシング38内部にはフランジ46fが設けられる。フランジ46fは回動軸46に一体形成され、後述する付勢部材53の一端が取付固定される。
[0056]
 パークロック作動部材47は、図3に示すように、本体ケーシング38の外部に取り付けられる。またパークロック作動部材47は回動軸46と結合し、図2を参照して回動軸46の背後(車幅方向内側)に配置される。
[0057]
 図3に示すようにパークロック作動部材47は、パークロック用ワイヤ48の一端と結合する。パークロック作動部材47は、パークロック用ワイヤ48の押し引き動作によって回動軸46を正転あるいは逆転させて、パークカム44を回動させる。かかるパークカム44の回動によって、パークポール43はロック位置およびロック解除位置のいずれか一方に移動する。
[0058]
 パークロック用ワイヤ48のうち図示しない他端は、車両100の車体まで延び、パークロック制御装置60に接続される。パークロック用ワイヤ48はアウタチューブ48tおよびインナワイヤ48wを有する。インナワイヤ48wは押し引き可能である。
[0059]
 なお、ここではパークロック用ワイヤ48によってパークロック作動部材47の動作を行う例を示したが、限定的ではなく、パークロック作動部材47の動作を可能とするために、他の公知の部材を用いてもよい。
[0060]
 図2を参照してパークカム44は、回動中心を有する板状の部材であり、当該中心で回動軸46と結合する。パークカム44は、回動軸46を回動中心とする環状の中心部44bと、中心部44bの中心孔には回動軸が通され、中心部44bは回動軸46に連結固定される。中心部44bから外径方向に突出するカム部分44aを有する。パークカム44は一部品であり、カム部分44aは中心部44bに一体形成される突起である。
[0061]
 パークカム44には付勢部材53が設けられる。付勢部材53は例えばねじりばね等の弾性部材であって回動軸46に巻き掛けられ、カム部分44aがパークポール43他端部の背面43dに当接するよう、パークカム44を図4中、時計回りに付勢する。図4に示すように付勢部材53の一端は、回動軸46のフランジ46fに取付固定される。付勢部材53の他端は、カム部分44aに係止する。
[0062]
 パークロック作動部材47は、回動軸46を回動させて、パークカム44を正転あるいは逆転させる。これによりカム部分44aは図4に示すようにパークポール43の背面に当接してパークポール43を押圧し、パークポール43はロック位置にされる。あるいはカム部分44aは図2に示すようにパークポール43の背面から退動し、パークポール43は離反部材49の付勢力によってロック解除位置にされる。
[0063]
 パークロック機構41において、パークギヤ42、パークポール43、パークカム44、枢軸45、および回動軸46の一端部は、本体ケーシング38の内部に収容されている。つまり、本実施形態のパークロック機構41は、内蔵型である。本実施の形態では、パークギヤ42が入力軸32sと同軸に設けられているため、小径の第2中間歯車35の外径方向の空間にパークロック機構41を収容できる。したがって、インホイールモータ駆動装置10の大型化を防止することができる。
[0064]
 なお、このようなパークロック機構41はパークロック制御装置60によって制御される。パークロック制御装置60は、パークロック作動部材47の押し引きを制御することによって、パークカム44を介してパークポール43を作動し、パークロック機構41をロック状態またはロック解除状態にする。
[0065]
 一般的なパークロック制御装置は、パークロック機構41がロック解除状態にあるときに、パークロック作動要求(たとえば運転者によるブレーキレバー操作等)を受け付けると、パークロック機構41をロック状態にする。つまり、ロック解除位置に位置するパークポール43を、ロック位置に変位させる。ところが、パークギヤ42とパークポール43が噛合できる位相は限定されており、それ以外の位相でパークポール43を作動すると、パークポール43がパークギヤ42の歯42gに当たって押し付けられた状態になる。パークギヤ42の回転速度が十分に低速であれば、噛合可能な位相になった時点でパークポール43がパークギヤ42と噛み合う。しかし、そうでない場合はパークポール43が弾かれ、異音(ラチェッティング音)が発生する。
[0066]
 そこで、本実施の形態に係るパークロック制御装置60は、パークギヤ42の回転位相を検出し、検出した回転位相に応じてパークポール43の作動制御を行う。以下に、このようなパークロック制御装置60の構成および動作について、詳細に説明する。なお、パークロック機構41は、上述のように左右のインホイールモータ駆動装置10L,10Rのそれぞれに内蔵されており、左右のパークロック機構41L,41Rが、車体に搭載された一つのパークロック制御装置60によって制御される。
[0067]
 (パークロック制御装置の構成について)
 次に、図5を参照してパークロック制御装置60の構成例について説明する。図5は、パークロック制御装置60の機能構成を示す機能ブロック図である。
[0068]
 パークロック制御装置60は、左側のパークロック機構41Lに含まれるパークギヤ42の回転位相を検出する位相検出部61Lと、右側のパークロック機構41Rに含まれるパークギヤ42の回転位相を検出する位相検出部61Rと、位相検出部61L,61Rにより検出されたそれぞれのパークギヤ42の回転位相に応じて、対応のパークポール43の作動を制御する作動制御部62と、計時動作を行う計時部64と、各種情報およびプログラムを記憶する記憶部65と、左側のパークロック機構41Lを動作させるための駆動部66Lと、右側のパークロック機構41Rを動作させるための駆動部66Rとを備える。なお、図5に示す更新処理部67は、本実施の形態においては必須の構成ではなく、後述の変形例1において説明する。
[0069]
 記憶部65には、左右のパークロック機構41L,41Rそれぞれのパークギヤ42の位相範囲情報68L,68Rが格納されている。位相範囲情報68Lは、左側のパークロック機構41におけるパークギヤ42の各溝42aがパークポール43と噛合可能な位相範囲を示す。位相範囲情報68Rは、右側のパークロック機構41におけるパークギヤ42の各溝42aがパークポール43と噛合可能な位相範囲を示す。たとえば、各パークギヤ42がn個の溝42aを有しているとすると、図6に示すように、各溝42aの識別データ(たとえば識別ナンバー)と位相範囲データとが対応付けられて記憶される。
[0070]
 左右のパークロック機構41L,41Rの構成は共通であるため、パークギヤ42の溝の個数は左右どちらも同じであり、また、典型的(理想的)には各溝の幅も左右同じである。溝の幅とは、隣合う歯面間の間隔であり、パークギヤ42の回転角範囲で代用することができる長さである。そのため、本実施の形態では、記憶部65に2種類の位相範囲情報68L,68Rを格納することが望ましくはあるものの、左右のパークギヤ42に共通の1種類の位相範囲情報だけを格納してもよい。
[0071]
 本実施の形態において、位相検出部61Lは、左側のインホイールモータ駆動装置10Lのケーシング9内に収容されたレゾルバ29からの信号に基づいて、パークロック機構41Lのパークギヤ42の回転位相を検出する。同様に、位相検出部61Rは、右側のインホイールモータ駆動装置10Rのケーシング9内に収容されたレゾルバ29からの信号に基づいて、パークロック機構41Rのパークギヤ42の回転位相を検出する。
[0072]
 このように、モータ回転軸22の回転を検出するレゾルバ29を、パークギヤ42の回転位相の検出に利用することで、部品数を抑えることができる。なお、図9に示すように、パークギヤ42の外周面に対面するように専用の回転角センサ70を設け、この回転角センサ70からの信号に基づいて、パークギヤ42の回転位相が検出されてもよい。
[0073]
 作動制御部62は、記憶部65に記憶された位相範囲情報68L,68Rと位相検出部61L,61Rによりそれぞれ検出されたパークギヤ42の回転位相とに基づいて、パークロック機構41L,41Rを動作させる。
[0074]
 作動制御部62は、その機能として、パークポール43の作動タイミングを判定(決定)する判定部63を有している。パークギヤ42の回転位相だけでなく回転速度を考慮して、パークポール43の作動タイミングを判定することが望ましい。判定部63は、パークギヤ42の現在の回転位相および回転速度、ならびに、パークポール43の所定の回動速度に基づいて、たとえば何msec後にパークポール43を作動させれば、最も早く溝42aに係合できるかを判定する。
[0075]
 なお、パークギヤ42の回転速度も、専用の回転角センサ70からの信号またはレゾルバ29からの信号に基づいて検出できる。あるいは、ABS(アンチロックブレーキシステム)センサなど、車輪の回転を検出するための車輪速センサを利用して、パークギヤ42の回転速度を算出してもよい。
[0076]
 判定部63がパークポール43の作動タイミングを判定すると、作動制御部62は、判定された作動タイミングに応じてパークポール43を作動させる。具体的には、左側のパークロック機構41Lのパークポール43を作動させる場合、駆動部66Lに制御信号を送信する。右側のパークロック機構41Rのパークポール43を作動させる場合、駆動部66Rに制御信号を送信する。各駆動部66L,66Rは、たとえば、パークロック用ワイヤ48のインナワイヤ48wに接続されたアクチュエータであって、インナワイヤ48wの押し引き(進退)動作を行う。これにより、パークロック作動部材47を介してパークカム44が回動する。
[0077]
 判定部63による、左右それぞれのパークポール43の作動タイミングの判定の結果、駆動部66L,66Rのいずれか一方だけに制御信号を送信することでパークロック機構41L,41Rのいずれか一方だけをロック状態とし、それによって車両100が停止した場合には、他方のパークロック駆動部への制御信号を送信せずパークロック機構をロック解除状態のままとしてもよい。
[0078]
 つまり、作動制御部62は、複数のパークロック機構41のうちのいずれか1つのパークポール43を作動することによりパークギヤの42の回転が停止した場合に、車両100の停止の有無を判定し、車両100が停止していないと判定された場合にのみ、残りのパークロック機構41のパークポール43の作動を制御することが望ましい。これにより、全てのパークロック機構41を必ず作動させる形態に比べて、電力消費を抑制することができる。
[0079]
 このように、本実施の形態では、作動制御部62が、左右それぞれのパークギヤ42の回転位相に応じてパークポール43を作動できるため、パークロック機構41L,41Rのそれぞれにおいてパークポール43をパークギヤ42の溝42aに適切に係合させることができる。つまり、作動制御部62は、パークロック機構41ごとに、パークギヤ42の複数の溝42aのなかから係合対象の溝42aを選択し、選択した溝42aにパークポール43の凸部43aを狙い通りに打ち込むことができる。したがって、パークギヤ42が必ずしも同時に噛合可能な位相に有るとは限らない複数のパークロック機構41のうち、どのパークロック機構41をどのタイミングで作動させればよいか容易に決定することができる。その結果、ラチェッティング音の発生を防止することができる。また、パークギヤ42またはパークポール43の凸部43aの摩耗を防止することができる。
[0080]
 なお、図5に示した位相検出部61L,61Rおよび作動制御部62は、それぞれがハードウェアにより実現されてもよいし、コンピュータがソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。
[0081]
 (パークロック制御装置の動作について)
 図7を参照して、パークロック制御装置60の動作について説明する。パークロック制御装置60は、はじめに、パークロック作動要求の有無を判断する(ステップS1)。パークロック作動要求を受け付けると(ステップS1にてYES)、各位相検出部61L,61Rにおいてパークギヤ42の回転位相および回転速度が検出される。作動制御部62は、各位相検出部61L,61Rにおいて検出されたこれらの情報を取得し、ロック可能な位相および速度の組合せの駆動輪103があるか否かを判断する(ステップS2)。具体的には、作動制御部62の判定部63が、左右それぞれのパークギヤ42の回転位相および回転速度に基づき、パークロック機構41L,41Rのロックタイミング、すなわち、パークロック作動部材47を介したパークポール43の作動タイミングを判定する。その判定の結果、作動制御部62は、現時点で左右のパークポール43の両方またはいずれか1つを作動できるか否かを判定する。
[0082]
 ロック可能な位相・速度の組合せの駆動輪103が存在すると判定された場合(ステップS2にてYES)、ロック可能な位相の駆動輪103のパークロックを作動する(ステップS3)。たとえば、左側の駆動輪103Lがロック可能な場合、作動制御部62は、駆動部66Lを駆動して、左側のパークロック機構41Lのパークカム44を回動させる。これにより、パークポール43を、図2に示すようなロック解除位置から図4に示すようなロック位置に変位させられる。
[0083]
 その後、すべての駆動輪103のパークロックは作動したか否かを判断する(ステップS4)。つまり、左側のパークロック機構41Lおよび右側のパークロック機構41Rの双方がロック状態となったか否かを判断する。すべての駆動輪103のパークロックが作動したと判断した場合(ステップS4にてYES)、パークロック作動を完了する。
[0084]
 パークロック未作動の駆動輪103があると判断した場合(ステップS4にてNO)、作動制御部62は車両100が停止したか否かを判定する(ステップS5)。つまり、片方の駆動輪103のパークロック機構41をロック状態としたことで、車両100が停止したか否かを判定する。車両100が停止したか否かは、公知の手法により判定できる。
[0085]
 車両100を傾斜面上に停車させる場合など、車両100が停止していないと判定された場合(ステップS5にてNO)、ステップS2に戻り、上記処理を繰り返す。一方、車両100が停止したと判定された場合には(ステップS5にてYES)、パークロック作動を完了する。これにより、駆動部66L,66Rのいずれか一方を駆動させることなくパークロック作動を完了できるため、消費電力を低減することができる。
[0086]
 以上説明したように、本実施の形態によれば、左右のパークロック機構41L,41Rを、それぞれのパークギヤ42の回転位相および回転速度に応じて個別に作動できる。そのため、パークポール43がロック位置となったときにパークポール43とパークギヤ42とが確実に噛み合うタイミングで作動指令を出すことができる。これにより、本実施の形態によれば、パークポール43がはじかれる異音(ラチェッティング音)を防止することができる。また、駆動輪103の回転を即座に停止できるため、車両100が無駄に移動してしまうことを防止でき、パークロックの作動要求を受けてから車両100が停止するまでの時間を短縮することも可能となる。したがって、従来のパークロック制御装置を車両に搭載する場合に比べて、車両100の運転車の満足度を向上させることができる。
[0087]
 (変形例1)
 上述の図5を参照して、本実施の形態の変形例1について説明する。変形例1においては、パークロック制御装置60は更新処理部67をさらに備えている。更新処理部67は、パークポール43の作動に伴ってパークギヤ42の回転が停止したときのパークギヤ42の位相に基づいて、記憶部65に記憶された位相範囲情報68を更新する。
[0088]
 たとえば、パークポール43またはパークカム44の回転角によってパークギヤ42とパークポール43とが噛合している状態(ロック状態)であることが判別できた場合に、更新処理部67は、パークポール43が係合した溝42aの位相範囲のずれの有無を判定し、ずれがあった場合に、記憶部65に記憶された位相範囲情報68を更新する。ずれの有無の判定も、位相検出部61L,61Rから得られる情報に基づき行うことができる。パークポール43の凸部43aがパークギヤ42の正転側の歯面および逆転側の歯面のどちらに当接しているかを判別し、当接面側の位相範囲(噛み合い可能範囲)を補正する。
[0089]
 これにより、パークギヤ42の製造誤差等により溝42aの幅(隣合う歯面間の間隔)に若干のばらつきがある場合であっても、パークロック作動を繰り返し行うことによって位相範囲情報68L,68Rを校正でき、より確実な噛み合いを実現できる。
[0090]
 また、本実施の形態では、互いに噛合するパークギヤ42およびパークポール43の摩耗を抑制するものの、使用を重ねていくとこれらの摩耗は必ず発生し、パークロックが確実に作動できる位相はわずかずつ変化することになる。これを無視すると、パークギヤ42の回転位相、回転速度、および、記憶部65に記憶された位相範囲情報68L,68Rに基づき計算したタイミングでパークロック機構41の作動指令を出しても、実際にはパークポール43が弾かれてしまうおそれがある。
[0091]
 これに対し、本変形例では、位相範囲情報68L,68Rを頻繁に校正することで、パークギヤ42とパークポール43とが噛合可能な位相の変化を吸収することができる。したがって、長期に亘って確実な噛み合いを実現できる。
[0092]
 (他の変形例)
 上記実施の形態では、パークロック作動要求があった場合に、パークギヤ42の位相がパークポール43と噛合可能な位相となったときにパークポール43を作動することとしたが、パークロック制御装置60がパークギヤ42の位相をコントロールしてもよい。すなわち、パークギヤ42とパークポール43とが噛合可能な位相となるように、モータ回転軸22を回転させてもよい。
[0093]
 具体的には、図8のフローチャートに示されるように、パークロック制御装置60の作動制御部62は、パークロック作動要求を受けたときに、ロック可能な位相・速度の組合せの駆動輪103がない場合には(ステップS2にてNO)、パークギヤ42の位相が変わるのを待つのではなく、駆動輪103の回転を要求する(ステップS6)。つまり、作動制御部62は、モータ部21の回転を制御するモータ制御ユニット(図示せず)に対し、モータ回転軸22の回転を要求する。これにより、パークロック作動要求を受けてから車両100が停止するまでに要する時間をさらに短縮することができる。
[0094]
 (他の変形例)
 上記実施の形態では、パークギヤ42に係合する係合部材が、パークカム44により回動されるパークポール43により実現されることとしたが、限定的ではなく、他の公知の部材を採用し得る。
[0095]
 上記実施の形態では、パークギヤ42が入力軸32sの外周に同軸に取り付け固定されることとしたが、パークギヤ42は、モータ回転軸22の外周に取り付け固定されてもよい。この場合、パークロック機構が搭載されるインホイールモータ駆動装置は、減速機構を有さないダイレクトタイプであってもよい。
[0096]
 あるいは、パークギヤ42は、モータ部21の回転を車輪ハブ(内輪12)に伝達する駆動伝達経路上であれば、他の回転軸、すなわち出力軸37または中間軸34の外周に同軸に取付固定されてもよい。この場合であっても、パークギヤ42の回転位相は、モータ回転軸22の回転位相と相関するため、位相検出部61L,61Rは、モータ回転軸22の回転を検出するレゾルバ29の検知信号に基づいて、パークギヤ42の回転位相を検出することができる。
[0097]
 また、本実施の形態では、減速部31が3軸の平行歯車式減速機により構成されることとしたが、限定的ではなく、たとえば4軸の平行歯車式減速機により構成されてもよい。あるいは、減速部は遊星歯車式減速機やサイクロイド式減速機により構成されてもよい。
[0098]
 また、本実施の形態では、パークロック機構41がインホイールモータ駆動装置10に搭載されていることとして説明したが、限定的ではなく、オンボードタイプのモータ駆動装置など、モータで車輪を駆動する車両用モータ駆動装置に搭載されていればよい。そのため、パークロック制御装置は、1つのパークロック機構のみを制御する装置であってもよい。あるいは、駆動輪ごとにパークロック制御装置を設けてもよい。
[0099]
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

符号の説明

[0100]
 9 ケーシング、10,10L,10R インホイールモータ駆動装置、11 車輪ハブ軸受部、12 内輪、13 外輪、14 転動体、21 モータ部、22 モータ回転軸、23 ロータ、24 ステータ、25 モータケーシング、25v モータケーシングカバー、27,28,32m,32n,34m,34n,37m,37n,55 転がり軸受、29 レゾルバ、31 減速部、32 入力歯車、32s 入力軸、33,35 中間歯車、34 中間軸、36 出力歯車、37 出力軸、38 本体ケーシング、39 オイル貯留部、41,41L,41R パークロック機構、42 パークギヤ、42a 溝、42g 歯、43 パークポール、44 パークカム、45 枢軸、46 回動軸、47 パークロック作動部材、48 パークロック用ワイヤ、48t アウタチューブ、48w インナワイヤ、49 離反部材、53 付勢部材、60 パークロック制御装置、61L,61R 位相検出部、62 作動制御部、63 判定部、64 計時部、65 記憶部、66L,66R 駆動部、67 更新処理部、68L,68R 位相範囲情報、70 回転角センサ、100 車両、101 シャーシ、102 操舵輪、103,103L,103R 駆動輪。

請求の範囲

[請求項1]
 モータで車輪を駆動する車両用モータ駆動装置に搭載されたパークロック機構を制御するパークロック制御装置であって、
 前記パークロック機構は、外周面に歯と溝とが交互に繰り返し形成されたパークギヤと、前記パークギヤの溝に係合するロック位置と前記溝に係合しないロック解除位置との間で変位させられる係合部材とを含んでおり、
 前記パークギヤの回転位相を検出する位相検出部と、
 前記位相検出部により検出された前記パークギヤの回転位相に応じて、前記係合部材の作動を制御する作動制御部とを備える、パークロック制御装置。
[請求項2]
 前記作動制御部は、前記パークギヤの回転位相と前記パークギヤの回転速度とに基づいて、前記係合部材の作動タイミングを決定する決定手段を含む、請求項1に記載のパークロック制御装置。
[請求項3]
 前記パークロック機構を搭載した前記車両用モータ駆動装置は、駆動輪ごとに設けられたインホイールモータ駆動装置であって、
 前記作動制御部は、前記パークロック機構ごとに前記係合部材の作動を制御する、請求項1または2に記載のパークロック制御装置。
[請求項4]
 前記作動制御部は、複数の前記パークロック機構のうちのいずれか1つの前記係合部材を作動して前記パークギヤの回転が停止した場合に、車両の停止の有無を判定し、車両が停止していないと判定された場合にのみ、残りの前記パークロック機構の前記係合部材の作動を制御する、請求項3に記載のパークロック制御装置。
[請求項5]
 前記パークギヤの各溝が前記係合部材と噛合可能な位相範囲を示す位相範囲情報を記憶する記憶部と、
 前記係合部材の作動に伴って前記パークギヤの回転が停止したときの前記パークギヤの位相に基づいて、前記記憶部に記憶された位相範囲情報を更新する更新処理部とをさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載のパークロック制御装置。
[請求項6]
 前記車両用モータ駆動装置のケーシングには、前記モータの回転角を検出する回転角センサが収容されており、
 前記位相検出部は、前記回転角センサからの信号に基づいて、前記パークギヤの回転位相を検出する、請求項1~5のいずれかに記載のパークロック制御装置。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれかに記載のパークロック制御装置によって制御される前記パークロック機構を備える、車両用モータ駆動装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]