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1. (WO2019065258) CARBON DIOXIDE REDUCTION DEVICE, AND POROUS ELECTRODE
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明 細 書

発明の名称 二酸化炭素還元装置、及び多孔質電極

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

非特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046  

実施例

0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084  

符号の説明

0085  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 二酸化炭素還元装置、及び多孔質電極

技術分野

[0001]
 本発明は、二酸化炭素還元装置、及び二酸化炭素還元装置に好適に使用できる多孔質電極に関する。

背景技術

[0002]
 二酸化炭素を電気的に還元し有価物を生成する二酸化炭素還元装置は、CO 2排出量の削減や自然エネルギーの貯蔵方法として注目され、研究開発が行われている。二酸化炭素還元には、それに適した触媒の開発が必要であり、金属、合金、金属炭素化合物、炭素化合物などが報告されている(特許文献1~3、非特許文献1参照)。
 また、二酸化炭素を高効率で電解還元するために、非特許文献2には、二酸化炭素ガスが拡散できる多孔質体に、バインダーにより触媒を担持させた電極材が開示されている。さらに、非特許文献3には、Co-N-Cを含むカーボン触媒を、カーボン多孔質体に担持させたカソードが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第5376381号公報
特許文献2 : 特開2003-213472号公報
特許文献3 : 特許第5017499号公報

非特許文献

[0004]
非特許文献1 : Nature Communications 7, Article number: 13869 (2016)
非特許文献2 : Energy Technol. 2017, 5, 929-936
非特許文献3 : Chemistry Select 2016, 1, 5533-5537

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、非特許文献2のように、多孔質体上にバインダーにより触媒が担持された電極材は、触媒と多孔質体とが強固に結合されていないため、耐久性が不十分である。また、多孔質体を一旦作製し、その後、触媒を付着する必要があるため、製造プロセスが煩雑になる。同様に、非特許文献3でも、触媒をカーボン多孔質体に担持させているため、耐久性が不十分である。
 したがって、二酸化還元装置の実用化のためには、製造プロセスを煩雑にすることなく、還元効率と耐久性を良好にすることが可能な二酸化炭素還元装置が必要とされている。
[0006]
 本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、製造プロセスを煩雑にすることなく、還元効率と耐久性のいずれも良好にすることが可能な二酸化炭素還元装置、及び多孔質電極を提供することである。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の金属と、特定の非金属元素の結合を有する多孔質カーボンを電極として使用することで上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の(1)~(11)を提供する。
(1)第1電極と、電解液及びイオン輸送膜の少なくともいずれかと、第2電極とを備える二酸化炭素還元装置であって、
 前記第1電極が、多孔質カーボンを有する多孔質電極であって、前記多孔質カーボンがM-R(なお、Mは4~15族の金属元素、及びRは14~16族の非金属元素)で表される金属-非金属元素結合を少なくとも1種類有する、二酸化炭素還元装置。
(2)前記MがSb、Bi、Sn、及びPbからなる群から選択される少なくとも1種であるとともに、前記RがCもしくはNであることを特徴とする上記(1)に記載の二酸化炭素還元装置。
(3)前記MがMn、Fe、Ni、Ru、Co、Rh、Cu、Zn、Nb、Mo、In及びAgからなる群から選択される少なくとも1種であるとともに、前記RがC、N、S、及びOからなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)に記載の二酸化炭素還元装置。
(4)前記多孔質電極がC、R及びMのみを構成元素とする上記(1)~(3)のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置。
(5)前記M-Rは前記多孔質電極に化学結合されている上記(1)~(4)のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置。
(6)前記多孔質電極の空隙率が10~90%である上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置。
(7)多孔質カーボンを有し、前記多孔質カーボンがM-R(なお、Mは4~15族の金属元素、及びRは14~16族の非金属元素)で表される金属-非金属元素結合を少なくとも1種類有する、多孔質電極。
(8)上記(7)に記載の多孔質電極の製造方法であって、多孔質前駆体ポリマーと、金属錯体とを含む多孔質電極用組成物を加熱することで多孔質電極を得る多孔質電極の製造方法。
(9)上記(7)に記載の多孔質電極の製造方法であって、
 金属錯体、又は金属イオン及びRを有する有機化合物をカーボン不織布上に塗布し、加熱することで前記多孔質電極を得る、多孔質電極の製造方法。
(10)前記金属錯体が、トリフェニル錯体、ポルフィリン錯体、フタロシアニン錯体、及びジチオレン錯体からなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(9)に記載の多孔質電極の製造方法。
(11)前記金属イオンが、硝酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
 前記Rを含む有機物化合物が、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリアニリン、ポリチオフェン、ビピリジン誘導体、イミダゾール誘導体、及びピラゾール誘導体から選択される少なくとも1種を含む、上記(9)又は(10)に記載の多孔質電極の製造方法。

発明の効果

[0008]
 本発明では、製造プロセスを煩雑にすることなく、還元効率と耐久性のいずれも良好にすることが可能な二酸化炭素還元装置、及び多孔質電極を提供する。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の二酸化炭素還元装置の一実施形態を示す模式図である。
[図2] 本発明の二酸化炭素還元装置の別の実施形態を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明について実施形態を用いてさらに詳細に説明する。
[多孔質電極(第1電極)]
 本発明の多孔質電極は、二酸化炭素還元装置の一方の電極(第1電極)に使用されるものであって、カソードを構成する。
 多孔質電極は、多孔質カーボンにより構成されるとともに、その多孔質カーボンが、M-R(なお、Mは4~15族の金属元素、及びRは14~16族の非金属元素)で表される金属-非金属元素結合を有するものである。ここで、Mの金属元素は、還元反応を生じさせる触媒活性点となるものである。また、Rの非金属元素は、一般的に多孔質カーボンを構成する炭素元素であるか、または、多孔質カーボンを構成する炭素元素に共有結合により結合する炭素元素以外の14~16族の非金属元素である。
[0011]
 本発明の多孔質電極においては、金属元素が、多孔質カーボンに結合されることで、適度に分散されることになるので、還元反応を高効率で行うことが可能になる。また、多孔質カーボンは、金属元素がRの非金属元素に共有結合やイオン結合などにより化学的に結合された構造を有することになるので、触媒(金属元素)が多孔質カーボンに強固に結合され、耐久性が良好となる。
[0012]
 MとしてはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、Hg、Al、Si、In、Sn、Tl、Pb、Bi、Sb、及びTeが挙げられる。その中でも金属元素の好ましい具体例としては、Sb、Bi、In、Sn、Pb、Mn、Fe、Ni、Ru、Co、Rh、Cu、Zn、Nb、Mo、Agが挙げられ、これらの中では、Sb、Bi、Mn、Fe、Ni、Ru、Co、Cu,Nb、Mo、Agがより好ましく、特に、Bi,Sb,Ni,Co,Ru,Ag、Pbが好ましい。また、Rの非金属元素は、C、N、S、Oのいずれかであることが好ましく、C、N、Sのいずれかであることがより好ましい。
[0013]
 また、Mの金属元素がSb、Bi、Sn、及びPbである場合には、Rの非金属元素はCであることが好ましい。さらに、Mの金属元素がSb、Bi、Sn、及びPbである場合には、Rの非金属元素がNであることも好ましい。これら金属元素は、炭素元素又は窒素原子と共有結合により結合することが可能であり、このような組み合わせにより、金属元素は強固に多孔質カーボンに結合することが可能にある。
 同様の観点から、Mの金属元素がNi、Ru、Co、Rh、Cu、及びAgである場合には、Rの非金属元素はC,N,S、及びOのいずれかであることが好ましく、C、N、Sのいずれかであることがより好ましい。同様に、Mの金属元素がMn、Fe、Zn、In、Nb、又はMoである場合にも、Rの非金属元素はC,N,S、及びOのいずれかであることが好ましく、C、N、Sのいずれかであることがより好ましい。
 すなわち、M-Rで表される金属-非金属元素結合は、Sb-C、Bi-C、Sn-C、Pb-C、Ni-C、Ru-C、Co-C、Rh-C、Cu-C、Ag-C、In-N、Pb-N、Sb-N、Bi-N、Ni-N、Ru-N、Co-N、Rh-N、Cu-N、Ag-N、Ni-S、Ru-S、Co-S、Rh-S、Cu-S、Ag-S、Ni-O、Ru-O、Co-O、Rh-O、Cu-O、Ag-Oのいずれかが好ましく、Bi-C、Sb-C、Ni-C、Co-C、Ru-C、Ag-N、Co-N、Ni-S、Co-S、Pb-N、Sb-Nのいずれかがより好ましい。同様に、Mn-C、Fe-C、Zn-C、Nb-C、Mo-C、Mn-N、Fe-N、Zn-N、Nb-N、Mo-N、Mn-S、Fe-S、Zn-S、Nb-S、Mo-S、Mn-O、Fe-O、Zn-O、Nb-O、Mo-Oも好ましい具体例である。
 また、還元効率の観点からは、Sb-C、Co-C、Ag-N、Co-N、Ni-S、Mn-N、Fe-N、Co-N、Ni-N、Co-S、Mo-N、Nb-N、Ni-C、Pb-N、Sb-Nがさらに好ましい。
 なお、多孔質電極の結合状態は、例えば、光電子分光法(XPS)によって測定することができる。一般に、元素中の電子状態(電子エネルギー)は結合状態によって変化(化学シフト)するため、XPSによって、各元素の電子エネルギーを分析することで測定対象物に含まれる化合物の結合状態を調べることができる。
[0014]
 また、本発明の多孔質電極は、C、R及びMのみを構成元素とすることが好ましい。構成元素がこれらのみからなると、第1電極の還元効率をより良好にすることが可能になる。なお、ここでいう“C”とは多孔質カーボン由来の炭素元素を意味する。
[0015]
 多孔質カーボンにおいて、Mの金属元素、及びRの非金属元素は、それぞれ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。したがって、多孔質カーボンは、1種単独の金属-非金属元素結合を有していてもよいし、2種以上の金属-非金属元素結合を有していてもよい。
 なお、多孔質電極における上記Mの金属元素の含有量は、特に限定されないが、例えば0.01~50質量%、好ましくは0.1~50質量%、より好ましくは0.5~20質量%である。
[0016]
 また、多孔質電極の空隙率は、好ましくは10~90%、より好ましくは20~70%、さらに好ましくは30~70%である。また、空隙率は、よりさらに好ましくは60%以下である。空隙率を上記範囲内とすることで、適度な量の金属元素を多孔質カーボンに結合させることが可能になり、二酸化炭素還元を高効率で行うことが可能である。
[0017]
 本発明の多孔質電極は、上記空隙率を有し、かつ十分な電気伝導性を有する多孔質カーボンで構成されることで、ガス拡散電極となる。また、本発明の多孔質電極(すなわち、ガス拡散電極)は、上記したとおり、M-R結合を有する多孔質カーボンで構成されることで、多孔質電極にM-Rが化学結合されることになる。多孔質電極は、このような構成を有することで、耐久性を良好にしつつ、二酸化炭素が電極において適切に拡散され、高効率で二酸化炭素を還元できる。
[0018]
[多孔質電極の製造方法(1)]
 本発明の多孔質電極は、多孔質前駆体ポリマーと、金属錯体とを含む多孔質電極用組成物を加熱することで得ることができるものである。本発明のM-R結合は、加熱により、多孔質カーボンの形成と同じ工程で形成されるので、製造方法を煩雑にすることなく、多孔質電極を得ることが可能である。
[0019]
 本製造方法における加熱温度は、例えば300℃以上の高温で行い、好ましくは350~1500℃以上、より好ましくは500~1300℃、さらに好ましくは600~1100℃である。加熱温度がこれら範囲内であると、多孔質前駆体ポリマーが炭化され多孔質カーボンが形成されるとともに、多孔質カーボンを構成する炭素元素、又はその炭素元素に共有結合する窒素元素、硫黄元素、若しくは酸素元素などに、金属元素Mを化学的に結合させることが可能になる。また、加熱は、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気で行うとよい。
[0020]
 多孔質前駆体ポリマーとしては、加熱されることで炭化され、多孔質カーボンを構成できる有機ポリマーであればよいが、ポリアミドイミド又はその前駆体、ポリエーテルイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアミノ酸、ポリ[3-シアノメチル-1-ビニルイミダゾリウム]ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド](PCMVIMTf2N)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリロニトリルとポリスチレンのコポリマー、セルロース、リグニンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
[0021]
 これらの中では、PCMVIMTf2Nが好ましい。なお、PCMVIMTf2Nを使用する場合には、ポリ(メタ)アクリル酸、特にポリアクリル酸と併用することが好ましい。また、多孔質前駆体ポリマーとして、ポリアミドイミド及びその前駆体の一方又は両方とポリエーテルイミドとを併用することも好ましい。
 さらに、多孔質カーボンに所望の空隙を形成するために、上記加熱後に除去可能なフィラーなどを多孔質電極用組成物にさらに加えてもよい。また、多孔質前駆体ポリマーとしては、上記加熱により消失するポリマーが含まれてもよい。加熱によりポリマーが消失することで多孔質カーボンに空隙が形成されやすくなる。
[0022]
 金属錯体は、触媒前駆体であり、上記金属元素Mの錯体を使用すればよい。金属錯体の好ましい具体例としては、各種金属のトリフェニル錯体、メタロセン、ポルフィリン錯体、フタロシアニン錯体、ピリジン錯体、ジイミン錯体、トリイミン錯体、ピコリン酸塩、ジチオベンジル錯体やベンゼンジチオレート錯体等のジチオレン錯体などが挙げられる。具体的には、トリフェニルビスムチン(TPB)、トリフェニルアンチモン、ニッケロセン、ジカルボニルシクロペンタジエニルコバルト(I)、ルテノセン、コバルト(II)テトラフェニルポルフィリン、ピコリン酸銀(II)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(II)などの有機金属化合物が挙げられる。さらに、ニッケル(II)テトラフェニルポルフィリン、銅(II)テトラフェニルポルフィリンなども挙げられる。
 多孔質電極用組成物において、金属錯体の配合量は、上記多孔質前駆体ポリマー100質量部に対して、1~50質量部が好ましく、2~20質量部がより好ましく、5~15質量部がさらに好ましい。金属錯体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[0023]
 なお、本製造方法においては、金属錯体が、コバルト(II)テトラフェニルポルフィリンなどのポルフィリン錯体、ピコリン酸銀(II)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(II)などであり、金属錯体が窒素,硫黄元素を有する場合には、金属-非金属元素結合(M-R)のRをN又はSとすることが可能である。また、窒素元素又は硫黄元素を有する多孔質前駆体ポリマーを使用することでも、金属-非金属元素結合(M-R)のRがN又はSとなることがある。
[0024]
 また、本製造方法において、多孔質電極用組成物は、上記触媒前駆体及び金属錯体以外の成分を含有してもよい。そのような成分としては、例えば、カルコゲン化合物、カーボンナノチューブ、グラフェンなどの炭素材料が挙げられる。カルコゲン化合物としては、硫黄元素を有するものが挙げられ、システイン、メチオニンなどの硫黄元素を有するアミノ酸などが挙げられる。これらカルコゲン化合物を使用することで、二酸化炭素と相互作用を生じえる部分構造が形成され、還元反応を効率よく行うことが可能である。
[0025]
 多孔質電極用組成物は、上記各成分を有機溶媒に分散させて分散液として使用することが好ましい。有機溶媒としては、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、グリコールエーテル類、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、カーボネート系溶媒、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、スルホン系溶媒、スルホキシド類、ホルムアミド等が挙げられる。好ましい具体例としては、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、γ―ブチロラクトンなどの非プロトン溶媒などが挙げられる。多孔質電極用組成物の濃度は、特に限定されないが、例えば、0.5~40質量%、好ましくは1~20質量%程度であればよい。
 分散液は、ガラス板などの基材に塗布し、必要に応じて加熱することで乾燥した後、基材から剥離して、薄膜状の多孔質電極用組成物を得る。ここで、乾燥温度は、例えば、25~120℃程度である。薄膜状の多孔質電極用組成物は、上記のように例えば300℃以上に高温で加熱することで本発明の多孔質電極を得るとよい。
[0026]
[多孔質電極の製造方法(2)]
 また、本発明の多孔質電極は、多孔性カーボンからなるカーボン不織布をあらかじめ用意し、金属錯体、又は、金属イオンとRを含有する有機化合物とをカーボン不織布に塗布した後、必要十分なエネルギーを加えることでカーボン不織布とM-Rとを化学結合させることで作成させることも可能である。
[0027]
 上記エネルギーを加える方法として、加熱、電磁波照射等が挙げられるが、このうち加熱による処理が好ましい。本製造方法における加熱温度は、例えば200℃以上の高温で行い、好ましくは200~1000℃、より好ましくは250~900℃、さらに好ましくは300~800℃、よりさらに好ましくは400~800℃である。加熱温度がこれら範囲内であると、多孔質カーボンを構成する炭素元素、又はその炭素元素に共有結合する窒素元素、硫黄元素、若しくは酸素元素などに、金属元素Mを化学的に結合させることが可能になる。また、加熱は、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気で行うとよい。
[0028]
 製造方法(2)において使用できる金属錯体は、上記した製造方法(1)で列挙したものから適宜選択して使用できる。製造方法(2)において好ましい金属錯体は、各種金属のトリフェニル錯体、ポルフィリン錯体、フタロシアニン錯体、ジチオレン錯体であり、より好ましくポルフィリン錯体、ジチオレン錯体である。製造方法(2)においても、金属錯体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[0029]
 上記金属イオンは特に限定されないが、例えば硝酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、水酸化物イオンが挙げられる。これらの中では、硝酸イオン、塩化物イオンが好ましい。なお、金属イオンの金属は、上記Mである。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[0030]
 Rを含有する有機化合物は特に限定されず、ヘテロ原子を有するポリマー、芳香族ポリマー、複素環式化合物、アミン誘導体、チオール誘導体が挙げられる。なお、ヘテロ原子は、N、S、又はOであるが、好ましくはN又はSである。ヘテロ原子を有するポリマーとしては、具体的には、ポリ(4-ビニルピリジン)(P4VP)、ポリチオフェンなどの複素芳香族環を有するポリマー、ポリアニリン、ポリ(トリアリールアミン)などの芳香族環を有するポリマーなどが挙げられる。これらの中では、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリアニリン、ポリチオフェンが好ましく、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリチオフェンがさらに好ましい。芳香族ポリマーとしてはポリスチレンが挙げられる。
[0031]
 複素環式化合物としては例えば、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ターピリジン誘導体、ピラゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チオフェン誘導体、ビチオフェン誘導体、ターチオフェン誘導体等が挙げられる。このうち、ビピリジン誘導体、イミダゾール誘導体、ターピリジン誘導体、ピラゾール誘導体が好ましく、さらにビピリジン誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体が好ましく、特にビピリジン誘導体、イミダゾール誘導体が好ましい。
 なお、イミダゾール誘導体は、イミダゾール、及び、1,2-ジメチルイミダゾールで代表されるアルキル置換イミダゾールなど、イミダゾールが置換基で置換されたイミダゾール化合物を含む。ビピリジン誘導体も、ビピリジン、アルキル置換ビピリジンなど、ビピリジンが置換基で置換されたイミダゾール化合物を含み、他の誘導体も同様である。
 Rを含有する有機化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[0032]
 カーボン不織布は特に限定されず、既知のカーボン不織布を使用することができる。例えば燃料電池用カーボン不織布として市販しているもの用いることができ、東レ株式会社製の「トレカ」(登録商標)カーボンペーパー、ニューメタルアンドケミカルス社製の「AvCarb 1071HCB」、SGL社製のBCシリーズ等が挙げられる。
 また、前駆体ポリマーを焼成することでカーボン不織布を得ることができる。前駆体ポリマーとしては、ポリアミドイミド又はその前駆体、ポリエーテルイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアミノ酸、ポリ[3-シアノメチル-1-ビニルイミダゾリウム]ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド](PCMVIMTf2N)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリロニトリルとポリスチレンのコポリマー、セルロース、リグニンなどが挙げられる。
[0033]
 金属錯体、又は、金属イオン及びRを含有する有機化合物を塗布する方法は、特に限定されず、これらを有機溶媒に分散させてカーボン不織布に塗布するとよい。有機溶媒は、特に限定されず、上記したものの中から適宜選択すればよい。
 また、金属錯体、又は、金属イオン及びRを含有する有機化合物は、カーボンブラックなどの導電性炭素材料とともに、カーボン不織布に塗布してもよい。より具体的には、金属錯体、又は、金属イオン及びRを含有する有機化合物をカーボンブラックなどの導電性炭素材料に付着した状態でカーボン不織布に塗布してもよい。この場合、金属錯体、又は、金属イオン及びRを含有する有機化合物が付着したカーボンブラックなどの導電性炭素材料を含む分散液をカーボン不織布に塗布するとよい。
 導電性炭素材料としては、電気伝導性を有する種々の炭素材料を使用することができ、例えば、メソポーラスカーボン、活性炭、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、グラフェン、カーボンナノチューブ等が挙げられ、その中でも特にカーボンブラックが好ましい。
[0034]
[二酸化炭素還元装置]
 本発明の二酸化炭素還元装置は、第1電極(カソード)と、イオン輸送膜及び電解液の少なくともいずれかと、第2電極(アノード)を備え、第1電極として、上記した多孔質電極を使用する。
 本発明の二酸化炭素還元装置は、第1電極において二酸化炭素を還元する装置である。一方、第2電極では、任意の物質に対して酸化反応を行えばよいが、水に対して酸化反応を行うことが好ましい。
[0035]
 本発明の二酸化炭素還元装置では、第2電極においてカチオンが生成される。生成されたカチオンは、イオン輸送膜及び電解液の少なくともいずれかを介して第1電極側に供給される。カチオンとしてはプロトンが好ましい。
 また、二酸化炭素還元装置では、第1電極においてアニオンが生成される。第1電極で生成されたアニオンは、イオン輸送膜及び電解液の少なくともいずれかを介して第2電極側に供給される。アニオンとしては水酸化物イオンが好ましい。
 カチオン、アニオンは、いずれか一方が生成されればよいが、両方が生成されてもよい。また、第2電極でカチオンが生成され、第1電極側に供給されることが好ましい。
[0036]
 本発明の一実施形態に係る二酸化炭素還元装置は、第1及び第2電極と、イオン輸送膜を備え、第1及び第2電極が、イオン輸送膜の両面それぞれに配置されるとともに、これらは接合されて膜-電極接合体となる。
 そのような膜-電極接合体を使用した具体例を図1に模式的に示す。図1に示すように、二酸化炭素還元装置10は、第1電極11、第2電極12、及びイオン輸送膜13を有する膜-電極接合体14を備える。二酸化炭素還元装置10では、セルが膜-電極接合体14により区画され、カソード室15とアノード室16が形成される。このように、二酸化炭素還元装置10は、膜-電極接合体14によって二室に隔てられた二室型隔膜式セルを有する。
[0037]
 カソード室15には、二酸化炭素が導入される第1導入口17A、一酸化炭素などの還元された物質を排出するための第1排出口18Aなどが設けられる。また、カソード室15には、水などの酸化させるための物質や、後述する不活性ガスを導入するための第2導入口17B、酸素などの酸化した物質を排出するための第2排出口18Bなどが設けられる。
[0038]
 第1及び第2電極11、12には、電源19が接続され、第1及び第2電極11、12間には電圧が印加される。カソード室15には、第1導入口17Aより二酸化炭素が導入されており、二酸化炭素が第1電極11にて還元され、生成物が生じる。生成物として例えば、CO(一酸化炭素)、HCO 3-、OH -、HCO -、H 2CO、(HCO 2-、H 2CO 2、CH 3OH、CH 4、C 24、CH 3CH 2OH、CH 3COO -、CH 3COOH、C 26、O 2、(COOH) 2、(COO 2が挙げられるが、一酸化炭素が生成されることが好ましい。カソード室15には水などが充填されず、気体状の二酸化炭素を第1電極11に接触させるとよい。また、カソード室15に水が充填されるとともに、二酸化炭素がその水中に導入され、二酸化炭素は水中で第1電極11に接触してもよい。また、水分を含む気体状の二酸化炭素を第1電極11に接触させてもよい。
 アノード室16には、水素、水、又は、水酸化物イオン若しくは水素などを含む水溶液などが充填又は導入され、第2電極12では酸化反応が行われる。アノード室16に充填された水又は水溶液には、適宜ヘリウムなどの不活性ガスが吹き込まれてもよい。
 ただし、カソード室15では、気体状の二酸化炭素を導入して、第1電極11に接触させることが好ましい。また、アノード室16には水を充填することが好ましい。
[0039]
 また、本発明の別の実施形態に係る二酸化炭素還元装置は、電解液を使用するものである。そのような電解液を使用した二酸化炭素還元装置20の具体例を図2に模式的に示す。図2に示すように、二酸化炭素還元装置20は、電解槽21内部に、電解液22が満たされ、その電解液22の内部に第1及び第2電極11、12が配置される。ただし、第1及び第2電極11、12は、電解液22に接していればよく、電解液22の内部に配置される必要は必ずしもない。
[0040]
 また、電解槽21内部には、イオン輸送膜13が配置され、電解液22が、イオン輸送膜13によって、第1電極11側の領域と、第2電極12側の領域に区画される。また、二酸化炭素還元装置20は、第1導入口17Aが設けられ、導入口17Aの一端が、第1電極11側の領域において電解液22内部に配置される。また、二酸化炭素還元装置20には、第1電極11側の領域において電解液22中に配置された参照電極などが設けられてもよい。第1及び第2電極11,12の間には、電源19により電圧が印加される。
 このように電解質を使用した二酸化炭素還元装置20でも、第1導入口17Aから導入された二酸化炭素が第1電極11にて還元され、一酸化炭素などが生成される。また、第2電極12では、電解液22中の水、水酸化物イオン、水素又はその他の物質が酸化されるとよい。水素などの気体は図示しない第2導入口により第2電極12側の電解液22中に吹き込まれてもよい。
[0041]
 なお、上記で示した二酸化炭素還元装置10、20は、二酸化炭素還元装置の一例を示すものであって、本発明の二酸化炭素還元装置は、上記構成に限定されるものではない。例えば、電解質を使用する二酸化炭素還元装置20では、イオン輸送膜が省略されてもよい。また、例えば光による起電力により電圧を印加するものであってもよい。
[0042]
[イオン輸送膜]
 本発明の二酸化炭素還元装置に使用されるイオン輸送膜としては、固体膜が使用され、プロトンなどのカチオンを輸送できるカチオン輸送膜、アニオンを輸送できるアニオン輸送膜が挙げられる。
 カチオン輸送膜としては、ポリエチレンスルホン酸、フラーレン架橋ポリスルホン酸、ポリアクリル酸のような炭化水素樹脂系のポリスルホン酸類やカルボン酸類、パーフルオロエチレンスルホン酸のようなフッ素樹脂系のスルホン酸類やカルボン酸類などが好ましく挙げられる。また、SiO 2-P 25のようなリン酸ガラス類、ケイタングステン酸やリンタングステン酸のようなヘテロポリ酸類、ペロブスカイト型酸化物等のセラミックス類等も用いることができる。
 また、アニオン輸送膜としては、ポリ(スチリルメチルトリメチルアンモニウムクロリド)のような4級アンモニウム塩を有する樹脂やポリエーテル類等が好ましく挙げられる。
 上記した中では、カチオン輸送膜が好ましく、中でもパーフルオロエチレンスルホン酸樹脂が好ましい。パーフルオロエチレンスルホン酸樹脂の市販品としてはナフィオン(デュポン社の商標)が挙げられる。
[0043]
[第2電極]
 第2電極としては、酸化反応を起こすことができるものであればよいが、例えば、各種金属、金属化合物、及び導電性炭素材料からなる群から選択される1種又は2種以上を含む材料を使用することができる。
 第2電極に使用する金属としては、鉄、金、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウムなどが挙げられる。金属化合物としては、これら金属の無機金属化合物及び有機金属化合物等の金属化合物を使用することができ、具体的には、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属カルボニル、及び金属アセチルアセトナト等が挙げられる。
 また、導電性炭素材料としては、電気伝導性を有する種々の炭素材料を使用することができ、例えば、メソポーラスカーボン、活性炭、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、カーボンペーパー、及びカーボンウィスカー等が挙げられる。
[0044]
 また、第2電極は、好ましくは、上記金属及び金属化合物の少なくともいずれかと、導電性炭素材料とを混合して形成された複合体である。複合体においては少なくとも金属を使用することがより好ましい。また、複合体としては複合膜が挙げられる。複合膜は、金属又は金属化合物と、導電性炭素材料の混合物を溶媒中に分散して基材などに塗布して加熱することにより形成することができる。このとき、基材としては、カーボンペーパーなどの導電性炭素材料を使用するとよい。
[0045]
 また、第2電極には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンオリゴマー(TFEO)、フッ化黒鉛((CF)n)、及びフッ化ピッチ(FP)、ナフィオン(パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー)等の含フッ素化合物を混合させてもよい。これらは、撥水剤として使用されるものであり、電気化学反応効率を向上させる。
 また、上記含フッ素化合物は、第2電極を形成する際の結着剤としても使用できる。したがって、上記した複合体を形成するとき、金属及び金属化合物の少なくともいずれかと、導電性炭素材料に、さらに含フッ素化合物を混合させるとよい。
[0046]
[電解液]
 本発明の二酸化炭素還元装置に使用される電解液は、アニオン、カチオンを移動できるものである。電解液としては、従来公知の電解液を使用すればよい。例えば、炭酸水素ナトリウム水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などが挙げられる。
実施例
[0047]
 本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[0048]
(実施例1)
 0.1gのトリフェニルビスムチン(TPB)と、1gのポリ[3-シアノメチル-1-ビニルイミダゾリウム]ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド]と0.1gのポリアクリル酸をDMF中に分散して、分散液である多孔質電極用組成物(固形分中の金属含量:4.0質量%)を用意した。この多孔質電極用組成物を、ガラス板上にキャストし、40℃で8時間乾燥させた後、ガラス板から剥離して高分子膜を得た。これを窒素雰囲気下800℃で加熱することで、Bi-C結合を含有する多孔質カーボン(第1電極)を得た。なお、多孔質カーボンは、XPSによって、各元素の電子エネルギーを分析することで、多孔質カーボンに含まれる化合物の結合状態を評価した。
 続いて、30mgの白金ナノ粒子(アルドリッチ社製)と10mgのメソポーラスカーボン(アルドリッチ社製)、3mgのPTFEを、0.5mlのイソプロパノールに分散させ、カーボンペーパー上に塗布し、300℃で1時間加熱することで第2電極を得た。得られた第1電極と第2電極を、ナフィオン(商標名)からなるイオン輸送膜に積層し,59MPa、413Kで熱プレスすることで膜-電極接合体を作製した。カソード室とアノード室の空間を有する二室型隔膜式セル中央に上記膜-電極接合体をセットし、二酸化炭素還元装置とした。
[0049]
(実施例2)
 TPBの代わりにトリフェニルアンチモンを用いて、多孔質電極用組成物(固形分中の金属含量:2.9質量%)を調製して、第1電極としてSb-C結合を含有する多孔質カーボンを得た以外は実施例1と同様に行った。
[0050]
(実施例3)
 TPBの代わりにニッケロセンを用いて多孔質電極用組成物(固形分中の金属含量:2.6質量%)を調製して、Ni-C結合を含有する多孔質カーボンを得た以外は実施例1と同様に行った。
[0051]
(実施例4)
 TPBの代わりにジカルボニルシクロペンタジエニルコバルト(I)を用いて多孔質電極用組成物(固形分中の金属含量:2.7質量%)を調製して、第1電極としてCo-C結合を含有する多孔質カーボンを得た以外は実施例1と同様に行った。
[0052]
(実施例5)
 TPBの代わりにルテノセンを用いて多孔質電極用組成物(固形分中の金属含量:3.6質量%)を調製して、第1電極としてRu-C結合を含有する多孔質カーボンを得た以外は実施例1と同様に行った。
[0053]
(実施例6)
 TPBの代わりにピコリン酸銀(II)を用いて多孔質電極用組成物(固形分中の金属含量:2.6質量%)を調製して、第1電極としてAg-N結合を含有する多孔質カーボンを得た以外は実施例1と同様に行った。
[0054]
(実施例7)
 TPBの代わりにコバルト(II)テトラフェニルポルフィリンを用いて多孔質電極用組成物(固形分中の金属含量:0.7質量%)を調製して、Co-N結合を含有する多孔質カーボンを得た以外は実施例1と同様に行った。
[0055]
(実施例8)
 TPBの代わりにビス(ジチオベンジル)ニッケル(II)を用いて多孔質電極用組成物(固形分中の金属含量:0.9質量%)を調製して、Ni-S結合を含有する多孔質カーボンを得た以外は実施例1と同様に行った。
[0056]
(実施例9)
 9mgのコバルト(II)テトラフェニルポルフィリンと98mgのケッチャンブラックをアセトン50mlに分散させた。この分散系を乾燥後、得られた粉体を再度アセトンに400μLに分散させ、カーボンペーパーに塗布し、450℃で3時間焼成することで第1電極(金属含有量0.6質量%)を得た。
 第1電極に50μLのナフィオン(商標名)分散液を滴下し、実施例1と同様にして得られた第2電極およびナフィオンと積層し,59MPa、413Kで熱プレスすることで膜-電極接合体を作製した。カソード室とアノード室の空間を有する二室型隔膜式セル中央に上記膜-電極接合体をセットし、二酸化炭素還元装置とした。
[0057]
(実施例10)
 23mgのコバルト(II)テトラフェニルポルフィリンの代わりに9mgのニッケル(II)テトラフェニルポルフィリンを用いて第1電極(金属含有量0.6質量%)を得たこと以外は実施例9と同様に行った。
[0058]
(実施例11)
 23mgのコバルト(II)テトラフェニルポルフィリンの代わりに8mgの銅(II)テトラフェニルポルフィリンを用いて第一電極(金属含有量0.6質量%)を得たこと以外は実施例9と同様に行った。
[0059]
(実施例12)
 23mgのコバルト(II)テトラフェニルポルフィリンの代わりに4mgのビス(ジチオベンジル)ニッケル(II)を使用し、アセトンの代わりにDMFを用いて第1電極(金属含有量0.6質量%)を得たこと以外は実施例9と同様に行った。
[0060]
(実施例13)
 40mgのポリ(4-ビニルピリジン)(P4VP)を50mlのエタノールに分散させ、P4VP分散液を得た。20mMのMn(II)(NO 32/エタノール溶液1.7mlと54mgのケッチャンブラックをP4VP分散液に混合し、乾燥させ粉体を得た。この粉体8mgをアセトン400μLに分散させ、40℃に加熱したカーボンペーパー(SGL社製カーボン不織布、商品名「28BC」)に塗布し、450℃で3時間焼成することで第1電極(金属含有量0.6質量%)を得た。第1電極に50μLのナフィオン分散液を滴下し、実施例1と同様にして得られた第二電極、及びナフィオンと積層し,59MPa、413Kで熱プレスすることで膜-電極接合体を作製した。カソード室とアノード室の空間を有する二室型隔膜式セル中央に上記膜-電極接合体をセットし、二酸化炭素還元装置とした。
[0061]
(実施例14)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのFe(II)(NO 32/エタノール溶液を用いて多孔質電極(金属含有量0.6重量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0062]
(実施例15)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのCo(II)(NO 32/エタノール溶液を用いて多孔質電極(金属含有量0.6重量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0063]
(実施例16)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのCo(II)(NO 32/エタノール溶液を用い、P4VPの代わりに1,2-ジメチルイミダゾールを用いて多孔質電極(金属含有量0.6重量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0064]
(実施例17)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのCo(II)(NO 32/エタノール溶液を用い、P4VPの代わりに4,4’-ジメチル-2,2’-ビピリジンを用いて多孔質電極(金属含有量0.6重量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0065]
(実施例18)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのCo(II)(NO 32/エタノール溶液を用い、P4VPの代わりにポリチオフェンを用いて多孔質電極(金属含有量0.6重量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0066]
(実施例19)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのNi(II)(NO 32/エタノール溶液を用いて多孔質電極(金属含有量0.6重量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0067]
(実施例20)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのCu(II)(NO 32/エタノール溶液を用いて多孔質電極(金属含有量0.7重量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0068]
(実施例21)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのMo(III)Cl 3/エタノール溶液を用い、650℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量1.0質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0069]
(実施例22)
 Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのNb(V)Cl 5/エタノール溶液を用い、650℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量1.0質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0070]
(実施例23)
 P4VPの代わりにポリスチレンを用い、550℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量0.6質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0071]
(実施例24)
 P4VPの代わりにポリスチレンを用い、Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのFe(II)(NO 32/エタノール溶液を用い、550℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量0.6質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0072]
(実施例25)
 P4VPの代わりにポリスチレンを用い、Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのCo(II)(NO 32/エタノール溶液を用い、550℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量0.6質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0073]
(実施例26)
P4VPの代わりにポリスチレンを用い、Mn(II)(NO 32の代わりに20mMのNi(II)(NO 32/エタノール溶液を用い、550℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量0.6質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0074]
(実施例27)
Mn(II)(NO 32の代わりに10mMのIn(III)(NO 3/DMF溶液を用い、650℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量0.6質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0075]
(実施例28)
Mn(II)(NO 32の代わりに10mMのPb(II)(NO 32/DMF溶液を用い、650℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量1.1質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0076]
(実施例29)
Mn(II)(NO 32の代わりに10mMのSb(III)Cl /DMF溶液用い、650℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量0.7質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0077]
(実施例30)
Mn(II)(NO 32の代わりに10mMのBi(III)(NO 32/DMF溶液を用い、650℃、3時間で焼成を行い、多孔質電極(金属含有量1.1質量%)を得た以外は実施例13と同様に行った。
[0078]
(比較例1)
 TPBを使用しなかった点を除いて多孔質電極用組成物を調製して、M-R結合を含有しない多孔質カーボンを得た以外は実施例1と同様に行った。
[0079]
(比較例2)
 30mgの銀ナノ粒子(アルドリッチ社製)と、3mgのPTFEを0.3mlのイソプロパノールに分散させ、カーボンペーパー上にスプレー塗布した。これを80℃で1時間、120℃で1時間加熱乾燥させ、第1電極を得た。
 続いて実施例1と同様に第2電極を得た。得られた第1電極と第2電極を、ナフィオン(商標名)からなるイオン輸送膜に積層し,59MPa、413Kで熱プレスすることで膜-電極接合体を作製した。カソード室とアノード室の空間を有する二室型隔膜式セル中央に前記積層膜をセットし、二酸化炭素還元装置とした。
[0080]
(比較例3)
 P4VPとMn(II)(NO 32を使用しなかった以外は実施例13と同様に行った。
[0081]
(比較例4)
 40mgの4,4’-ジメチル-2,2’-ビピリジンを50mlのエタノールに分散させてP4VP分散液を得た。20mMのCo(II)(NO 32/エタノール溶液1.7mlと54mgのケッチャンブラックをP4VP分散液に混合し乾燥させ、450℃で3時間焼成した。この粉体8mgとナフィオン分散液(10質量%)40μLをアセトン400μLに分散させ、40℃に加熱したカーボンペーパー(SGL社製カーボン不織布、商品名「28BC」)に塗布して第1電極とした。
 実施例1と同様にして得られた第二電極、およびナフィオンと積層し,59MPa、413Kで熱プレスすることで膜-電極接合体を作製した。カソード室とアノード室の空間を有する二室型隔膜式セル中央に上記膜-電極接合体をセットし、二酸化炭素還元装置とした。
[0082]
 各実施例、比較例の二酸化炭素還元装置において、273Kでカソード電位-0.6V(SHE)の電圧を印加させ、電流を読みこむと共に、一酸化炭素の生成をガスクロマトグラフィー(GC)にて分析し、通電した電流に対する二酸化炭素が還元された効率(電流効率)を求めた。また、電圧を印加し続け一時間後の電流効率を求め、初期の電流効率との比率を維持率とした。電流効率、維持率は、それぞれ70%以上100%以下を“A”、30%以上70%未満を“B”、0%以上30%未満を“C”とした。
[0083]
[表1]


[0084]
 表1に示すとおり、各実施例では、多孔質カーボンがM-Rで表される金属-非金属元素結合を有することで、電流効率及び維持率のいずれもが良好であった。それに対して、比較例1~4では、多孔質カーボンがM-Rで表される金属-非金属元素結合を有していないため、電流効率及び維持率のいずれかが低くなった。

符号の説明

[0085]
 10、20 二酸化炭素還元装置
 11 第1電極(多孔質電極)
 12 第2電極
 13 イオン輸送膜
 14 膜-電極接合体
 15 カソード室
 16 アノード室
 17A、17B 導入口
 18A,18B 排出口
 19 電源
 21 電解槽
 22 電解液

請求の範囲

[請求項1]
 第1電極と、電解液及びイオン輸送膜の少なくともいずれかと、第2電極とを備える二酸化炭素還元装置であって、
 前記第1電極が、多孔質カーボンを有する多孔質電極であって、前記多孔質カーボンがM-R(なお、Mは4~15族の金属元素、及びRは14~16族の非金属元素)で表される金属-非金属元素結合を少なくとも1種類有する、二酸化炭素還元装置。
[請求項2]
 前記MがSb、Bi、Sn、及びPbからなる群から選択される少なくとも1種であるとともに、前記RがCもしくはNであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素還元装置。
[請求項3]
前記MがMn、Fe、Ni、Ru、Co、Rh、Cu、Zn、Nb、Mo、In及びAgからなる群から選択される少なくとも1種であるとともに、前記RがC、N、S、及びOからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の二酸化炭素還元装置。
[請求項4]
 前記多孔質電極がC、R及びMのみを構成元素とする請求項1~3のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置。
[請求項5]
 前記M-Rは前記多孔質電極に化学結合されている請求項1~4のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置。
[請求項6]
 前記多孔質電極の空隙率が10~90%である請求項1~5のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置。
[請求項7]
 多孔質カーボンを有し、前記多孔質カーボンがM-R(なお、Mは4~15族の金属元素、及びRは14~16族の非金属元素)で表される金属-非金属元素結合を少なくとも1種類有する、多孔質電極。
[請求項8]
 請求項7に記載の多孔質電極の製造方法であって、
 多孔質前駆体ポリマーと、金属錯体とを含む多孔質電極用組成物を加熱することで多孔質電極を得る、多孔質電極の製造方法。
[請求項9]
 請求項7に記載の多孔質電極の製造方法であって、
 金属錯体、又は金属イオン及びRを有する有機化合物をカーボン不織布上に塗布し、加熱することで前記多孔質電極を得る、多孔質電極の製造方法。
[請求項10]
 前記金属錯体が、トリフェニル錯体、ポルフィリン錯体、フタロシアニン錯体、及びジチオレン錯体からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項9に記載の多孔質電極の製造方法。
[請求項11]
 前記金属イオンが、硝酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
 前記Rを含む有機物化合物が、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリアニリン、ポリチオフェン、ビピリジン誘導体、イミダゾール誘導体、及びピラゾール誘導体から選択される少なくとも1種を含む、請求項9又は10に記載の多孔質電極の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]