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1. (WO2019013243) FLEXIBLE TUBE FOR ENDOSCOPE, ENDOSCOPE TYPE MEDICAL DEVICE, AND METHODS FOR PRODUCING THESE
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明 細 書

発明の名称 内視鏡用可撓管、内視鏡型医療機器、及びこれらの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

実施例

0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

符号の説明

0077  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 内視鏡用可撓管、内視鏡型医療機器、及びこれらの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、内視鏡用可撓管、内視鏡型医療機器、及びこれらの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 内視鏡は、患者の体腔内を観察するための医療用機器である。体腔内に挿入して用いるため、臓器に傷をつけず、患者に痛みないし違和感を与えないものが望まれる。そのような要請から、内視鏡の挿入部(体腔内に挿入される構造部)を構成する可撓管には、柔らかく屈曲する金属帯片を螺旋状に巻いて形成された螺旋管が採用されている。さらに、螺旋管の周囲は柔軟な樹脂で被覆され、この樹脂被覆層が必要によりトップコート層で被覆されて、食道、腸等の体腔内表面に刺激ないし傷を与えない工夫がなされている。
[0003]
 上記の樹脂被覆層は、例えば、螺旋管を筒状網体で覆った可撓管基材の外周面に、樹脂を押し出し成形することにより形成することができる。このとき、先端側は体腔内に挿入しやすくするために軟らかく、後端側は操作しやすくするために硬くすることが好ましい。この点を考慮し、樹脂被覆層として互いに硬さが異なる内層及び外層の二層構造を採用し、内層と外層の厚みの割合を可撓管の軸方向で変化させることが提案されている。
[0004]
 内視鏡の操作性、耐久性等の向上には、可撓管基材とそれを覆う樹脂被覆層との密着性を高めることが重要である。この密着性が十分でないと、可撓管を体腔内に挿入した際に、可撓管の屈曲により樹脂被覆層に皺が生じやすくなり、また、体腔内で可撓管を回転させた際に樹脂被覆層に捩れが生じやすくなる。樹脂被覆層に皺や捩れが生じると、体腔内に可撓管表面が引っ掛かるなどして被検者に苦痛を与えるおそれがある。
 このような問題に対処する技術として、特許文献1には、無機物と有機物の両方に対して密着性を示すシランカップリング剤を、可撓管基材と樹脂被覆層との間に配することが記載されている。
 また、体腔内において可撓管を滑らかに移動させるために、可撓管には高い弾発性が求められる。可撓管の弾発性を高めることにより、体腔内の屈曲部を通過した可撓管が直線状に戻りやすく、検査時の被検者の負担をより軽減することができる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平11-42205号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 本発明は、可撓管基材とそれを覆う樹脂被覆層との密着性に優れ、また弾発性にも優れた内視鏡用可撓管、この内視鏡用可撓管を備えた内視鏡型医療機器を提供することを課題とする。また本発明は、上記内視鏡用可撓管の製造方法及び上記内視鏡型医療機器の製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは内視鏡用可撓管における樹脂被覆層の形成について検討を重ねた結果、金属材料で構成される可撓管基材の表面に、アミノ基を有する特定構造のシランカップリング剤を含むプライマー層を形成し、さらに、このプライマー層に接する樹脂被覆層の構成材料としてポリウレタンエラストマーを採用することにより、得られる可撓管において、可撓管基材と樹脂被覆層との密着性を所望の十分なレベルへと高めることができること、また、この可撓管が弾発性にも優れることを見い出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成させるに至ったものである。
[0008]
 本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
〔1〕
 金属を構成材料とする可撓管基材と、この可撓管基材の外周を覆う樹脂被覆層とを有する内視鏡用可撓管であって、
 上記可撓管基材と上記樹脂被覆層との間に下記一般式(1)で表される化合物を含むプライマー層を有し、上記樹脂被覆層が、少なくともプライマー層と接する側にポリウレタンエラストマーを含む、内視鏡用可撓管。
[化1]


 式中、X 及びX は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を示す。
 Y はヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。Y 及びY はヒドロキシ基、アルコキシ基又はアルキル基を示す。
 Lは単結合、又は、アルキレン基、アリーレン基及び-O-から選ばれる2価の基もしくはこの2価の基を2つ以上組合せてなる2価の基を示す。
〔2〕
 上記可撓管基材を構成する金属がステンレスである、〔1〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔3〕
 上記可撓管基材を構成する金属が表面に不動態皮膜を有する、〔1〕又は〔2〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔4〕
 上記樹脂被覆層が単層構造又は複層構造であり、上記プライマー層と接する層中にポリウレタンエラストマーを含む、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔5〕
 上記樹脂被覆層が2層構造であり、この2層構造の内層及び外層の厚みの割合が、上記可撓管基材の軸方向において傾斜的に変化している、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔6〕
 上記の内層及び外層の厚みの割合が、上記内視鏡用可撓管の一端において内層:外層=5:95~40:60であって、他端において内層:外層=95:5~60:40である、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔7〕
 〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管を有する内視鏡型医療機器。
〔8〕
 金属を構成材料とする可撓管基材の少なくとも外周に、下記一般式(1)で表される化合物を含むプライマー層を形成する工程、及び
 上記可撓管基材の外周に形成された上記プライマー層に接して、ポリウレタンエラストマーを含む樹脂を被覆することにより樹脂被覆層を形成する工程
を含む、内視鏡用可撓管の製造方法。
[化2]


 式中、X 及びX は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を示す。
 Y はヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。Y 及びY はヒドロキシ基、アルコキシ基又はアルキル基を示す。
 Lは単結合、又は、アルキレン基、アリーレン基及び-O-から選ばれる2価の基もしくはこの2価の基を2つ以上組合せてなる2価の基を示す。
〔9〕
 上記樹脂被覆層が2層構造であり、この2層構造の少なくとも内層がポリウレタンエラストマーを含み、この2層構造の内層及び外層の厚みの割合が、上記可撓管基材の軸方向において傾斜的に変化している、〔8〕に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
〔10〕
 〔8〕又は〔9〕に記載の内視鏡用可撓管の製造方法により内視鏡用可撓管を得る工程、及び、
 得られた内視鏡用可撓管を内視鏡用型医療機器の挿入部に組み込む工程
を含む、内視鏡型医療機器の製造方法。
〔11〕
 〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管を内視鏡用型医療機器の挿入部に組み込むことを含む、内視鏡型医療機器の製造方法。
[0009]
 本明細書において、特定の符号で示された置換基や連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。また、特に断らない場合であっても、複数の置換基等が隣接するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい意味である。
 本明細書において置換ないし無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、所望の効果を奏する範囲で、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換ないし無置換を明記していない化合物についても同義である。
 本明細書において、ある基の炭素数を規定する場合、この炭素数は、基全体の炭素数を意味する。つまり、この基がさらに置換基を有する形態である場合、この置換基を含めた全体の炭素数を意味する。

発明の効果

[0010]
 本発明の内視鏡用可撓管は、可撓管基材とそれを覆う樹脂被覆層との密着性に優れ、また弾発性にも優れる。
 本発明の内視鏡型医療機器は、体腔内に挿入される構造部である可撓管が、可撓管基材とそれを覆う樹脂被覆層との密着性に優れ、また弾発性にも優れる。したがって、本発明の内視鏡型医療機器は使用時における被検者の負担をより軽減することができる。
 本発明の内視鏡用可撓管の製造方法によれば、可撓管基材とそれを覆う樹脂被覆層との密着性に優れ、また弾発性にも優れる内視鏡用可撓管を得ることができる。
 本発明の内視鏡型医療機器の製造方法によれば、この機器を構成する可撓管を、可撓管基材とそれを覆う樹脂被覆層との密着性に優れたものとすることができ、また、この可撓管の弾発性も高めることができる。したがって、本発明の内視鏡型医療機器の製造方法により、使用時における被検者の負担がより軽減された内視鏡型医療機器を得ることができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 電子内視鏡の一実施形態の構成を示す外観図である。
[図2] 内視鏡用可撓管の一実施形態の構成を示す部分断面図である。
[図3] 内視鏡用可撓管の製造装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
[図4] 図3のB-B線で切断した断面図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 本発明の内視鏡型医療機器の好ましい実施形態について、電子内視鏡を例に説明する。電子内視鏡は、内視鏡用可撓管が組み込まれ(以下、内視鏡用可撓管を単に「可撓管」と称することもある)、この可撓管を体腔内に挿入して体腔内を観察等する医療機器として用いられる。図1に示した例において、電子内視鏡2は、体腔内に挿入される挿入部3と、挿入部3の基端部分に連設された本体操作部5と、プロセッサ装置や光源装置に接続されるユニバーサルコード6とを備えている。挿入部3は、本体操作部5に連設される可撓管3aと、そこに連設されるアングル部3bと、その先端に連設され、体腔内撮影用の撮像装置(図示せず)が内蔵された先端部3cとから構成される。挿入部3の大半の長さを占める可撓管3aは、そのほぼ全長にわたって可撓性を有し、特に体腔等の内部に挿入される部位はより可撓性に富む構造となっている。
[0013]
<可撓管基材>
 可撓管は、最内層として金属を構成材料とする可撓管基材を有する。
 図2に示すように、可撓管基材14は、最内側に金属帯片11aを螺旋状に巻回することにより形成される螺旋管11に、金属線を編組してなる筒状網体12を被覆して両端に口金13をそれぞれ嵌合した形態とすることが好ましい。可撓管基材14を構成する金属は、腐蝕を防ぐために、その表面に不動態化処理が施されていることが好ましい。すなわち、可撓管基材14はその外周に不動態皮膜を有することが好ましい。この不動態化処理は常法により行うことができる。例えば、硝酸などの強力な酸化剤を含む溶液に浸漬したり、空気(酸素)中もしくは水(水蒸気)中で加熱したり、酸化剤を含む溶液中で陽極酸化したりすることにより、金属表面に不動態皮膜を形成することができる。
 可撓管基材14を構成する金属は、ステンレスが好ましい。ステンレス表面は通常、クロムと酸素が結合して不動態皮膜が形成された状態にある。しかし、可撓管基材14の構成材料としてステンレスを使用する場合であっても、ステンレス表面全体に、より均一な不動態皮膜をより確実に形成させるために、ステンレスに上述した不動態化処理を施すことが好ましい。
[0014]
<プライマー層>
 本発明において、可撓管基材の外周には、プライマー層(図示せず)が設けられている。このプライマー層を設けることにより、可撓管基材と、その外周を覆って設けられる後述する樹脂被覆層との密着性を効果的に高めることができる。本発明において、このプライマー層は下記一般式(1)で表される化合物を含む。
[0015]
[化3]


[0016]
 一般式(1)中、X 及びX は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を示す。
[0017]
 X 及びX として採り得るアルキル基は、直鎖状でもよく、分岐を有してもよい。このアルキル基の炭素数は1~20の整数が好ましく、1~15がより好ましく、1~10がさらに好ましく、1~8が特に好ましい。
 X 及びX として採り得るアルキル基の具体例として、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、及びn-オクチルを挙げることができる。
[0018]
 X 及びX として採り得るシクロアルキル基は、炭素数が3~20が好ましく、3~15がより好ましく、3~10がさらに好ましく、3~8が特に好ましい。X 及びX として採り得るシクロアルキル基の具体例として、例えば、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを挙げることができる。
[0019]
 X 及びX として採り得るアルケニル基は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。このアルケニル基の炭素数は2~20の整数が好ましく、2~15がより好ましく、2~10がさらに好ましく、2~5が特に好ましい。
[0020]
 X 及びX として採り得るアリール基の炭素数は6~20の整数が好ましく、6~15がより好ましく、6~12がさらに好ましく、6~10が特に好ましい。
 X 及びX として採り得るアリール基の具体例として、例えば、フェニル及びナフチルを挙げることができ、フェニルが好ましい。
[0021]
 X 及びX として採り得るアシル基は、炭素数が2~40の整数が好ましく、2~30がより好ましく、2~20がさらに好ましく、2~15が特に好ましい。本発明においてアシル基は、アルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基を含む。
[0022]
 X 及びX として採り得るアルコキシカルボニル基は、炭素数が2~40の整数が好ましく、2~30がより好ましく、2~20がさらに好ましく、2~15が特に好ましい。
[0023]
 X 及びX として採り得るカルバモイル基は、炭素数が1~40の整数が好ましく、1~30がより好ましく、1~20がさらに好ましく、1~15が特に好ましい。
[0024]
 X 及びX として採り得るアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルバモイル基が置換基を有する場合、この置換基中にはアミノ基(好ましくは窒素原子に結合した水素原子を有するアミノ基であり、より好ましくは無置換のアミノ基)、ヒドロキシ基、及び/又はシリル基(好ましくは置換基を有するシリル基であり、この置換シリル基における置換基全体(シリル基が置換基を3つ有する場合は3つの置換基全体)の炭素数が好ましくは1~10、より好ましくは1~6である。置換基としてアルコキシ基を少なくとも1つ有するシリル基が好ましい。)が含まれることが好ましい(すなわち、上記置換基中には、上記アミノ基、上記ヒドロキシ基、及び上記シリル基の少なくとも1種が含まれることが好ましい。)。
 また、X 及びX として採り得るアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルバモイル基が置換基を有する場合、この置換基が、アミノ基(好ましくは窒素原子に結合した水素原子を有するアミノ基であり、より好ましくは無置換のアミノ基)、ヒドロキシ基又はシリル基(好ましくは置換基を有するシリル基であり、この置換シリル基における置換基全体(シリル基が置換基を3つ有する場合は3つの置換基全体)の炭素数が好ましくは1~10、より好ましくは1~6である。置換基としてアルコキシ基を少なくとも1つ有するシリル基が好ましい。)であることも好ましい。
[0025]
 X とX は互いに連結して環を形成してもよい。この環の環構成原子数は3~10が好ましく、4~8がより好ましく、5又は6が好ましい。また、X とX が互いに連結して形成し得る環は、通常、環構成原子として窒素原子の他に炭素原子を含み、また窒素原子以外のヘテロ原子を有してもよい。窒素原子以外のヘテロ原子としては、例えば酸素原子、硫黄原子、及びケイ素原子を挙げることができる。
[0026]
 X 及びX はいずれも水素原子であることが好ましい。また、X 及びX のうち一方が水素原子で、他方が、アミノ基を有するアルキル基であることも好ましい。
[0027]
 Y はヒドロキシ基又はアルコキシ基を示し、アルコキシ基が好ましい。
 Y として採り得るアルコキシ基を構成するアルキル基としては、上記のX 及びX として採り得るアルキル基を挙げることができ、好ましい形態もX 及びX として採り得るアルキル基の好ましい形態と同じである。
[0028]
 Y 及びY はヒドロキシ基、アルコキシ基又はアルキル基を示す。Y 及びY として採り得るアルコキシ基はY として採り得るアルコキシ基と同義であり、好ましい形態も同じである。また、Y 及びY として採り得るアルキル基としては、上記のX 及びX として採り得るアルキル基と同義であり、好ましい形態も同じである。
[0029]
 Y 、Y 及びY のうち、少なくとも1つがアルコキシ基であることが好ましく、少なくとも2つがアルコキシ基であることがより好ましく、Y 、Y 及びY のすべてがアルコキシ基であることがさらに好ましい。
[0030]
 一般式(1)において、X とY は、互いに連結して環を形成していてもよい。この環の環構成原子数は3~10が好ましく、4~8がより好ましく、5又は6が好ましい。X とY が互いに連結して環を形成する場合、後述するLは単結合が好ましい。また、X とY が互いに連結して形成し得る環において、窒素原子とケイ素原子以外の環構成原子は炭素原子であることが好ましい。
[0031]
 Lは単結合であるか、又は、アルキレン基、アリーレン基及び-O-(エーテル結合)から選ばれる2価の基であるか、又は、アルキレン基、アリーレン基及び-O-から選ばれる2価の基を組合せてなる2価の基である。Lが2価の基の場合、Lの分子量は14~300が好ましく、14~210がより好ましい。
[0032]
 Lを構成し得るアルキレン基は、直鎖でもよく、分岐を有してもよい。このアルキレン基の炭素数は1~20の整数が好ましく、1~15がより好ましく、1~12がさらに好ましく、1~8がさらに好ましい。
[0033]
 Lを構成し得るアリーレン基は、炭素数は6~20の整数が好ましく、6~15がより好ましく、6~12がさらに好ましく、6~10が特に好ましい。Lを構成し得るアリーレン基は特に好ましくはフェニレンである。
[0034]
 Lはアルキレン基が好ましく、直鎖アルキレン基がより好ましい。この直鎖アルキレン基の炭素数は1~12の整数であることが好ましく、より好ましくは1~6である。
[0035]
 プライマー層を構成する上記一般式(1)の化合物は、シランカップリング剤として機能する。すなわち、一般式(1)中の「-Si(Y )(Y )Y 」が可撓管基材を構成する金属と相互作用し、「-N(X )X 」が、樹脂被覆層を構成するポリウレタンエラストマーと相互作用することにより、可撓管基材の外周を覆う樹脂被覆層を可撓管基材表面に強固に密着させることができると考えられる。
 「-Si(Y )(Y )Y 」の可撓管基材14を構成する金属との相互作用としては、例えば、この基のSi原子が有するアルコキシ基が加水分解して生じるヒドロキシ基、あるいはSi原子が有するヒドロキシ基と、可撓管基材金属表面のヒドロキシ基等との間の縮重合反応を挙げることができる。
 また、「-N(X )X 」とポリウレタンエラストマーとの相互作用は必ずしも明らかではないが、-N(X )X とウレタン結合との間の水素結合、及びポリウレタンエラストマー中のイソシアネート残基との共有結合等が効率的に生じ、樹脂被覆層との密着性の向上に寄与するものと考えられる。
 可撓管基材と樹脂被覆層との密着性向上のために、これまで、可撓管基材と樹脂被覆層との間に接着剤層を設けることが広く行われてきた。この接着剤層の一例として、ポリウレタン等のポリマーと、ポリイソシアネート化合物とからなる組成物で形成されたものが知られている。この接着剤層は一定の厚みを有する柔らかい層である。
 これに対し、本発明で用いる一般式(1)の化合物は、単分子で、可撓管基材と樹脂被覆層との接着に寄与するものであり、プライマー層の層厚は通常の接着剤層よりも格段に薄い(換言すれば、厚みという概念を想起できない。)。すなわち、一般式(1)の化合物を含むプライマー層は、可撓管基材と樹脂被覆層との接着のために一定の層厚と柔らかさを必要とする接着剤層とは異なる。それゆえプライマー層は可撓管の弾発性には事実上影響せず、本発明の可撓管は弾発性にも優れるものとなる。
[0036]
 一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記構造中、Meはメチル、Etはエチルを示す。
[0037]
[化4]


[0038]
[化5]


[0039]
<樹脂被覆層>
 本発明の可撓管は、プライマー層が設けられた可撓管基材の外周に樹脂被覆層を有する。
 図2の形態では、樹脂被覆層15の外面に、耐薬品性等に寄与する、フッ素等を含有したトップコート層16をコーティングしている。図2において、螺旋管11は1層だけ図示されているが、同軸に2層以上重ねて構成してもよい。なお、図面において、樹脂被覆層15及びトップコート層16は、層構造を明確に図示するため、可撓管基材14の径に比して厚く描いている。
[0040]
 本発明において樹脂被覆層は、上述したプライマー層を有する可撓管基材の外周面を被覆する。図2の形態では、樹脂被覆層15は、可撓管基材14の軸回りの全周面を被覆する内層17と、内層17の軸回りの全周面を被覆する外層18とを積層した二層構成である。通常、内層17の材料には、軟質樹脂が使用され、外層18の材料には、硬質樹脂が使用されるが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
 本発明においては後述するように、樹脂被覆層が2層以上の複層構造の場合には、少なくとも最内層(プライマー層と接する層)にポリウレタンエラストマーが含まれる。また、本発明において樹脂被覆層が単層の場合には、この単層の樹脂被覆層にはポリウレタンエラストマーが含まれる。すなわち、本発明において樹脂被覆層は、少なくともプライマー層と接する側にポリウレタンエラストマーを含む。
[0041]
(ポリウレタンエラストマー)
 樹脂被覆層に用いるポリウレタンエラストマーとしては、可撓管の形成に適用可能な通常のポリウレタンエラストマーを採用することができる。このポリウレタンエラストマーは通常、ポリイソシアネート、ポリオール及び鎖伸長剤を反応させることにより得られるものである。このポリウレタンエラストマーは、ポリオールとポリイソシアネートの反応によってできたソフトセグメントと鎖伸長剤とポリイソシアネートの反応によってできたハードセグメントとからなるブロックコポリマーであることが好ましい。
[0042]
 上記ポリイソシアネートとしては、例えばジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのうち、ジフェニルメタンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートの少なくとも1種が、耐擦過傷性の点で好ましく、イソホロンジイソシアネートであった場合は消毒薬耐性の点で好ましい。
[0043]
 上記ポリオールとしては、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられる。ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸とジオールの重縮合反応により得られる。ポリエステルポリオールの製造に用いられるジオールは具体的には、エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられ、これらの単独、あるいは併用したものである。また、ジカルボン酸はアジピン酸、セバシン酸等が挙げられ、これらの単独、あるいは併用したものが挙げられる。
 これらのポリオールのうち、高い反発弾性が得られるという点からは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。
[0044]
 上記の鎖伸長剤としては、例えばエタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等の炭素原子数が2~6の脂肪族直鎖ジオール、1,4-ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等が挙げられる。ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トリレンジアミン、モノエタノールアミン等のようなアミン類も必要により併用して用いることができる。これらのうち、耐擦過傷性の点からは、炭素原子数が2~6の脂肪族直鎖ジオールが好ましい。
 上記の実施形態に係るポリウレタンエラストマーとしては、例えば、特開2005-015643号公報の開示を参照することができる。本発明に用いるポリウレタンエラストマーは、弾発性をより高める観点からはポリエステル構造を有することが好ましい。
 上記ポリウレタンエラストマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
[0045]
 樹脂被覆層が単層の場合の樹脂被覆層中のポリウレタンエラストマーの含有量、及び、樹脂被覆層が複層の場合における最内層中のポリウレタンエラストマーの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。また、樹脂被覆層が単層の場合の樹脂被覆層はポリウレタンエラストマーからなる層であってもよく、また、樹脂被覆層が複層の場合における最内層は、ポリウレタンエラストマーからなる層であってもよい。
 樹脂被覆層が単層の場合の樹脂被覆層、及び、樹脂被覆層が複層の場合における最内層が、ポリウレタンエラストマー以外の樹脂を含む場合、この樹脂は本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。例えば、ポリエステルエラストマー及びポリアミドエラストマーを挙げることができる。
[0046]
 本発明において、ポリエステルエラストマーとしては、可撓管の形成に適用可能な通常のポリエステルエラストマーを用いることができる。
 すなわち、本発明に用いられるポリエステルエラストマーは、結晶性ポリエステルからなるハードセグメントと、ポリエーテル又はポリエステルからなるソフトセグメントとにより構成された共重合体である。
 ハードセグメントとしては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、等が挙げられる。
 ソフトセグメントとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ポリカプロラクトンのようなポリエステル等が挙げられる。
 本発明において「ポリエステルエラストマー」は、分子中にウレタン結合を含まず、かつアミド結合を含まないことが好ましい。ポリエステルエラストマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0047]
 上記ポリアミドエラストマーもまた、可撓管の形成に適用可能な通常のポリアミドエラストマーを用いることができる。なお、本発明において上記ポリアミドエラストマーはウレタン結合を有しないことが好ましい。ポリアミドエラストマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0048]
 樹脂被覆層が複層の場合における最内層以外の層は、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー及びポリエステルエラストマーの少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの樹脂を適宜に組み合わせて所望の物性を有する層を形成することができる。樹脂被覆層が複層の場合における最内層以外の層は、弾発性をより高める観点から、より好ましくはポリウレタンエラストマーを含み、又はポリウレタンエラストマーとポリエステルエラストマーとのアロイを含む。
[0049]
 本発明の樹脂被覆層に用い得る上記各エラストマーは、分子量1万~100万が好ましく、分子量2万~50万がより好ましく、分子量3万~30万が特に好ましい。
 本発明において、エラストマーの分子量は、特に断らない限り、重量平均分子量を意味する。重量平均分子量は、GPCによってポリスチレン換算の分子量として計測することができる。このとき、GPC装置HLC-8220(商品名、東ソー社製)を用い、溶離液としては、ポリエステルエラストマーの場合はクロロホルム、ポリウレタンエラストマーの場合はNMP(N-メチル-2-ピロリドン)、ポリアミドエラストマーの場合はm-クレゾール/クロロホルム(湘南和光純薬社製)を用いカラムはG3000HXL+G2000HXL(いずれも商品名、東ソー社製)を用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。
[0050]
 図2に示すように、本発明において樹脂被覆層15は、可撓管基材14の長手方向(軸方向)においてほぼ均一な厚みで形成されることが好ましい。樹脂被覆層15の厚みは、例えば、0.2mm~1.0mmであり、可撓管3aの外径Dは、例えば、11~14mmである。図2において内層17及び外層18の厚みは、可撓管基材14の軸方向において、樹脂被覆層15の全体の厚みに対して、各層17、18の厚みの割合が変化するように形成されている。具体的には、アングル部3bに取り付けられる可撓管基材14の一端14a側(先端側)は、樹脂被覆層15の全厚みに対して、内層17の厚みの方が外層18の厚みよりも大きい。そして、一端14aから本体操作部5に取り付けられる他端14b側(基端側)に向かって、徐々に内層17の厚みが漸減し、他端14b側では、外層18の厚みの方が内層17の厚みよりも大きくなっている。
[0051]
 図2において、一端14aにおける内層17の厚みの割合が最大であり、他端14bにおいて、外層18の厚み割合が最大である。内層17の厚み:外層18の厚みは、一端14aにおいて、例えば9:1とし、他端14bにおいて、例えば1:9とすることができる。両端14aから14bにかけて、内層17と外層18の厚みの割合が逆転するように、両層の厚みを変化させている。これにより、可撓管3aは、一端14a側と、他端14b側の硬度に差が生じ、一端14a側が軟らかく、他端14b側が硬くなるように軸方向において柔軟性を変化させることができる。上記内層及び外層は、一端における厚みの割合を5:95~40:60(内層:外層)とすることが好ましく、他端における厚みの割合を95:5~60:40(内層:外層)とすることが好ましい。
 なお、内層17と外層18との厚みの割合を5:95~95:5の範囲内とすることにより、薄い方の樹脂の押し出し量についても、精密に制御することが可能である。
[0052]
 内層17及び外層18に用いる軟質樹脂及び硬質樹脂は、成形後の硬度を表す指標である100%モジュラス値の差が1MPa以上であることが好ましく、3MPa以上であることがより好ましい。溶融状態の樹脂の流動性を表す指標である150℃~300℃の成形温度における溶融粘度の差は、2500Pa・s以下であることが好ましい。これにより、内層17及び外層18からなる樹脂被覆層15は、良好な成形精度と、先端側と基端側において必要な硬度差の両方が確保される。
[0053]
[トップコート層]
 本発明の可撓管には、樹脂被覆層15の外周には、必要によりトップコート層16が配される。トップコート層の材料は特に制限されないが、ウレタン塗料、アクリル塗料、フッ素塗料、シリコーン塗料、エポキシ塗料、ポリエステル塗料などが適用される。
 トップコート層を使用する主な目的は、可撓管表面の保護や艶出し、滑り性の付与、そして耐薬品性の付与である。そのため、トップコート層としては弾性率が高く、かつ表面が平滑になり、耐薬品性に優れるものが好ましい。
[0054]
<可撓管の製造方法>
(プライマー層の形成)
 本発明の可撓管基材の製造において、可撓管基材にはまず、プライマー層が形成される。プライマー層は、上記一般式(1)で表される化合物を溶媒に溶解して塗布液を調製し、この塗布液を可撓管基材の外周に塗布したり、スプレーしたり、あるいはこの塗布液中に可撓管基材を浸漬したりするなどして可撓管基材の少なくとも外周に塗布膜を形成した後、塗布膜を常法により乾燥(例えば100℃程度の高温乾燥等)することによって形成することができる。
 塗布液に用いる溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒又はこれらの混合液を用いることができ、さらにこれらの溶剤に対してシランカップリング剤の加水分解を促進させるために水を混合することが好ましい。また、塗布液は酸性(例えば25℃におけるpH1~4)又はアルカリ性(例えば25℃におけるpH9~11)に調製してもよい。
 塗布液中の一般式(1)で表される化合物の含有量は特に制限されず、例えば、0.01~2質量%とすることができ、0.02質量%以上0.5質量%未満が好ましく、0.03質量%以上0.4質量%未満とすることがより好ましい。
 塗布液中には、一般式(1)で表される化合物、溶媒、pH調整剤の他にも、界面活性剤、触媒等を含んでもよい。塗布液はより好ましくは、一般式(1)で表される化合物と溶媒とで構成される。
 本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、可撓管基材の外周の一部に、プライマー層で覆われていない部分があってもよい(すなわち、プライマー層の一部に欠陥が生じていてもよい。)。
[0055]
 プライマー層の形成の前に、可撓管基材はアルカリ溶液、界面活性剤水溶液、有機溶剤等により脱脂洗浄しておくことが好ましい。また、上記洗浄後、さらに水ないし温水を用いて洗浄しておくことが好ましい。
[0056]
(樹脂被覆層の形成)
 樹脂被覆層の形成について、樹脂被覆層が2層構造の場合を例にして説明する。
 樹脂被覆層が内層と外層からなる2層構造の可撓管は、例えば、上記内層を構成する第1樹脂材料(ポリウレタンエラストマーを含む樹脂材料)と、上記外層を構成する第2樹脂材料とを、上記のプライマー層を形成した可撓管基材の周囲に溶融混練して押し出し成形し、上記可撓管基材を被覆することにより得ることができる。
 なお、樹脂被覆層が1層あるいは3層以上の態様も、下記方法を参照し、適宜に層構成を変えることによる得ることができる。
[0057]
 図3、図4に基づき可撓管3a(図1、図2)の樹脂被覆層の形成方法の一例について説明する。この形態では、樹脂被覆層15を成形するために連続成形機を用いる。連続成形機20は、ホッパ、スクリュー21a及び22aなどからなる周知の押し出し部21及び22と、可撓管基材14の外周面に樹脂被覆層15を被覆成形するためのヘッド部23と、冷却部24と、連結可撓管基材31をヘッド部23へ搬送する搬送部25(供給ドラム28と、巻取ドラム29)と、これらを制御する制御部26とからなるものを用いることが好ましい。ヘッド部23は、ニップル32、ダイス33、及びこれらを固定的に支持する支持体34からなるものが好ましい。このような装置の構成例としては、例えば、特開2011-72391号公報の図3~5に記載の装置を使用することができる。
[0058]
 ダイス33の内部を所定の成形温度に加熱することが好ましい。成形温度は、150℃~300℃の範囲に設定されることが好ましい。装置内の加熱部を加熱温調することにより第1樹脂材料39及び第2樹脂材料40の各温度を高温にすることができるが、これに加え、スクリュー21a及び22aの各回転数が高いほど、第1樹脂材料39及び第2樹脂材料40の各温度をさらに高くすることができ、それぞれの流動性を高めることができる。このとき、連結可撓管基材31の搬送速度を一定とし、溶融状態の第1樹脂材料39及び第2樹脂材料40の各吐出量を変更することにより、内層17及び外層18の各成形厚みを調整することができる。
[0059]
 連続成形機20で連結可撓管基材31に樹脂被覆層15を成形するときのプロセスについて説明すると、連続成形機20が成形工程を行うときは、押し出し部21及び22から溶融状態の第1樹脂材料39及び第2樹脂材料40がヘッド部23へと押し出される。これとともに、搬送部25が動作して連結可撓管基材31がヘッド部23へと搬送される。このとき、押し出し部21及び22は、第1樹脂材料39及び第2樹脂材料40を常時押し出してヘッド部23へ供給する状態であり、押し出し部21及び22からゲート35及び36へ押し出された第1樹脂材料39及び第2樹脂材料40は、エッジを通過して合流し、重なった状態で樹脂通路38を通って成形通路37へ供給される。これにより、第1樹脂材料39を使用した内層17と第2樹脂材料40を使用した外層18が重なった二層成形の樹脂被覆層15が形成される。
[0060]
 連結可撓管基材31は、複数の可撓管基材14(この可撓管基材14の外周にはプライマー層が形成されている)が連結されたものであり、成形通路37内を搬送中に、複数の可撓管基材14に対して連続的に樹脂被覆層15が成形される。1つの可撓管基材の一端14a側(先端側)から他端14b側(基端側)まで樹脂被覆層15を成形するとき、押し出し部21及び22による樹脂の吐出を開始した直後は、内層17の厚みを厚くとる。そして、他端14b側へ向かう中間部分で徐々に外層18の厚みの割合を漸増させる。これにより、上記の傾斜的な樹脂被覆層15の厚み割合となるように樹脂の吐出量を制御することが好ましい。
[0061]
 ジョイント部材30は、2つの可撓管基材14の連結部であるので、制御部26は押し出し部21及び22の吐出量の切り替えに利用される。具体的には、制御部26は、1本の可撓管基材14の他端14b側(基端側)における厚みの割合から、次の可撓管基材14の一端14a側(先端側)の厚みの割合になるように、押し出し部21及び22の吐出量を切り替えることが好ましい。次の可撓管基材14の一端14a側から他端14b側まで樹脂被覆層15を成形するときは、同様に一端側から他端側へ向かって徐々に外層の厚みが大きくなるように、押し出し部21及び22が制御されることが好ましい。
[0062]
 最後端まで樹脂被覆層15が成形された連結可撓管基材31は、連続成形機20から取り外された後、可撓管基材14からジョイント部材30が取り外され、各可撓管基材14に分離される。次に、分離された可撓管基材14に対して、樹脂被覆層15の上にトップコート層16がコーティングされて、可撓管3aが完成する。完成した可撓管3aは、電子内視鏡の組立工程へ搬送される。
[0063]
 本発明において、樹脂被覆層は複層である場合、複層を構成する各層の間には、機能層が介在していてもよい。
 上記の説明は、図面を参照して、撮像装置を用いて被検体の状態を撮像した画像を観察する電子内視鏡を例に上げて説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、光学的イメージガイドを採用して被検体の状態を観察する内視鏡にも適用することができる。
[0064]
 本発明の可撓管は、内視鏡型医療機器に対して広く適用することができる。例えば、内視鏡の先端にクリップやワイヤーを装備したもの、あるいはバスケットやブラシを装備した器具に適用することもできる。なお、内視鏡型医療機器とは、上述した内視鏡を基本構造とする医療機器のほか、遠隔操作型の医療機器など、挿入部が可撓性を有し、体内に導入して用いられる医療ないし診療機器を広く含む意味である。
 本発明の内視鏡型医療機器は、その挿入部に本発明の内視鏡用可撓管が組み込まれている。すなわち、本発明の内視鏡型医療機器の製造方法は、本発明の内視鏡用可撓管を、内視鏡型医療機器の挿入部に組み込むことを含むものである。
実施例
[0065]
 以下に、本発明について実施例を通じてさらに詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定して解釈されるものではない。
[0066]
[プライマー層形成用塗布液の調製]
 水/エタノールの質量比を5/75とした溶液を調製した。この溶液に、下表に示す化合物を8.9g/kgの濃度となるように溶解し、プライマー層形成用塗布液とした。
[0067]
[接着剤層形成用塗布液の調製]
 ポリエステルポリウレタン(商品名:N-2304、日本ポリウレタン社製)100g及びポリイソシアネート(商品名:コロネート、日本ポリウレタン社製)10gを、メチルエチルケトン1kgに溶解し、接着剤層形成用塗布液とした。
[0068]
[内視鏡用可撓管の作製]
 図2に示す構造の可撓管を作製した。なお樹脂被覆層は、下表の通り、単層構造又は2層構造とした。
[0069]
<可撓管基材>
 ステンレス製の金属帯片11aを用いて螺旋管11を形成し、この螺旋管11を、ステンレス製の繊維を織り込んだ筒状網体12で被覆した形態の可撓管基材を用意した。この可撓管基材は、長さ80cm、直径12mmである。このステンレス製可撓管は、螺旋管及び筒状網体の形成時におけるアニール処理(加熱処理)により、表面に不動態層が形成されている。
[0070]
<プライマー層の形成>
 上記の可撓管基材を、7.5%水酸化ナトリウム水溶液中に、60℃で1分間浸漬することにより洗浄した。次いで蒸留水ですすいだ後、100℃のオーブンで10分間乾燥した。洗浄された可撓管基材を、上記で調製したプライマー層形成用塗布液中に、常温で1分間浸漬し、次いで160℃のオーブン中で10分間乾燥した。こうして、外周(樹脂被覆面)にプライマー層を有する可撓管基材を調製した。
[0071]
<接着剤層の形成>
 上記で調製した接着剤層形成用溶液を、上記のステンレス製可撓管基材の外周に均一に塗布し、室温で2時間乾燥した。その後、さらに150℃で2時間熱処理し、外周(樹脂被覆面)に接着剤層を有する可撓管基材を調製した。接着剤層の厚みは約80μmであった。
[0072]
<樹脂被覆層の形成>
 プライマー層又は接着剤層を設けた可撓管基材の外周に、下記表1に記載される通りの樹脂を押出被覆し(成形温度:200℃)、樹脂被覆層を有する内視鏡用可撓管を作製した。樹脂被覆層の厚さは0.4mm(2層構造の場合は2層を合わせた厚さが0.4mm)であった。
 なお、樹脂被覆層を2層とした場合(実施例9~12、比較例2)には、2層押出成形により2層を同時に被覆成形した。この場合、先端と後端の内外層比率を、先端で、内層:外層=80:20とし、後端で、内層:外層=20:80とした。
[0073]
[試験例1] 可撓管基材と樹脂被覆層との密着性の評価
 上記で作製した内視鏡用可撓管の樹脂被覆層に対し、可撓管の軸方向に1cm幅の切り込みを入れた。可撓管基材と樹脂被覆層(2層の場合は最内層)との間で、1cm幅の切れ込み部分から引き剥がすことにより、90°剥離強度を測定した。剥離強度はフォースゲージにより測定した。得られた90°剥離強度を下記評価基準に当てはめ評価した。
<密着性評価基準>
 A:90°剥離強度が15N/cm以上
 B:90°剥離強度が10N/cm以上15N/cm未満
 C:90°剥離強度が5N/cm以上10N/cm未満
 D:90°剥離強度が5N/cm未満
結果を下表に示す。
[0074]
[試験例2] 弾発性の評価
 温度25℃、相対湿度50%の環境下で、上記で作製した内視鏡用可撓管における一方の先端部から30cm及び50cmの位置を固定し、40cmの位置(可撓管の中心部)を、可撓管の長さ方向に対して垂直方向(直径方向)に15mm押し込んだ。0.1秒後の反発力(a)に対する30秒後の反発力(b)の比率を、弾発性(%)として測定した。反発力はフォースゲージ(ZTS50N、IMADA製)により測定した。

  [弾発性(%)]=[(b)/(a)]×100

 上記弾発性を下記評価基準に当てはめ評価した。
<弾発性評価基準>
 A:弾発性が80%以上
 B:弾発性が75%以上80%未満
 C:弾発性が65%以上75%未満
 D:弾発性が65%未満
 結果を下表に示す。
[0075]
[表1]


[0076]
 上記表1において、S-1、S-2、S-3、S-6、S-7、S-12、S-13、S-32、S-33、S-34、及びS-37は、それぞれ、上述の具体例として示した化合物S-1、S-2、S-3、S-6、S-7、S-12、S-13、S-32、S-33、S-34、及びS-37である。
 表1に示されるように、可撓管基材の外周に、プライマー層に代えて、従来の接着剤層を形成し、その周りをポリウレタンエラストマーで被覆した場合、密着性と弾発性のいずれにおいても劣る結果となった(比較例1及び2)。
 また、プライマー層に一般式(1)に包含されない化合物(アミノ基以外の官能基を有するカップリング剤)を用いた場合も同様に、密着性と弾発性の両特性に劣る結果となった(比較例3~7)。なお、比較例7においてプライマー層の形成に用いたオルトケイ酸テトラエチルは、ケイ素原子に結合したエトキシ基が加水分解し、水酸基を有した状態でプライマー層を構成している。
 さらに、プライマー層に一般式(1)の化合物を用いた場合でも、このプライマー層に接する樹脂被覆層がポリウレタンエラストマーを含まない場合、やはり密着性と弾発性の両特性に劣っていた(比較例8及び9)。
 これに対し、プライマー層に一般式(1)の化合物を用い、このプライマー層に接する樹脂被覆層にポリウレタンエラストマーを用いた場合には、得られる可撓管は基材と樹脂被覆層との密着性に優れ、また弾発性にも優れていた(実施例1~12)。

符号の説明

[0077]
 2 電子内視鏡(内視鏡)
 3 挿入部
  3a 可撓管
  3b アングル部
  3c 先端部
 5 本体操作部
 6 ユニバーサルコード
 11 螺旋管
  11a 金属帯片
 12 筒状網体
 13 口金
 14 可撓管基材
  14a 先端側
  14b 基端側
 15 樹脂被覆層
 16 トップコート層
 17 内層
 18 外層
 X アングル部3b側(軟)
 Y 本体操作部5側(硬)
 20 連続成形機(製造装置)
 21、22 押し出し部
  21a スクリュー
  22a スクリュー
 23 ヘッド部
 24 冷却部
 25 搬送部
 26 制御部
 28 供給ドラム
 29 巻取ドラム
 30 ジョイント部材
 31 連結可撓管基材
 32 ニップル
 33 ダイス
 34 支持体
 35、36 ゲート
 37 成形通路
 38 樹脂通路
 39 軟質樹脂(ポリウレタンエラストマーを含む)
 40 硬質樹脂

請求の範囲

[請求項1]
 金属を構成材料とする可撓管基材と、該可撓管基材の外周を覆う樹脂被覆層とを有する内視鏡用可撓管であって、
 前記可撓管基材と前記樹脂被覆層との間に下記一般式(1)で表される化合物を含むプライマー層を有し、前記樹脂被覆層が、少なくともプライマー層と接する側にポリウレタンエラストマーを含む、内視鏡用可撓管。
[化1]


 X 及びX は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を示す。
 Y はヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。Y 及びY はヒドロキシ基、アルコキシ基又はアルキル基を示す。
 Lは単結合、又は、アルキレン基、アリーレン基及び-O-から選ばれる2価の基もしくは該2価の基を2つ以上組合せてなる2価の基を示す。
[請求項2]
 前記可撓管基材を構成する金属がステンレスである、請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
[請求項3]
 前記可撓管基材を構成する金属が表面に不動態皮膜を有する、請求項1又は2に記載の内視鏡用可撓管。
[請求項4]
 前記樹脂被覆層が単層構造又は複層構造であり、前記プライマー層と接する層中にポリウレタンエラストマーを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
[請求項5]
 前記樹脂被覆層が2層構造であり、該2層構造の内層及び外層の厚みの割合が、前記可撓管基材の軸方向において傾斜的に変化している、請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
[請求項6]
 前記の内層及び外層の厚みの割合が、前記内視鏡用可撓管の一端において内層:外層=5:95~40:60であって、他端において内層:外層=95:5~60:40である、請求項1~5のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管を有する内視鏡型医療機器。
[請求項8]
 金属を構成材料とする可撓管基材の少なくとも外周に、下記一般式(1)で表される化合物を含むプライマー層を形成する工程、及び
 前記可撓管基材の外周に形成された前記プライマー層に接して、ポリウレタンエラストマーを含む樹脂を被覆することにより樹脂被覆層を形成する工程
を含む、内視鏡用可撓管の製造方法。
[化2]


 X 及びX は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を示す。
 Y はヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。Y 及びY はヒドロキシ基、アルコキシ基又はアルキル基を示す。
 Lは単結合、又は、アルキレン基、アリーレン基及び-O-から選ばれる2価の基もしくは該2価の基を2つ以上組合せてなる2価の基を示す。
[請求項9]
 前記樹脂被覆層が2層構造であり、該2層構造の少なくとも内層がポリウレタンエラストマーを含み、該2層構造の内層及び外層の厚みの割合が、前記可撓管基材の軸方向において傾斜的に変化している、請求項8に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
[請求項10]
 請求項8又は9に記載の内視鏡用可撓管の製造方法により内視鏡用可撓管を得る工程、及び、
 得られた内視鏡用可撓管を内視鏡用型医療機器の挿入部に組み込む工程
を含む、内視鏡型医療機器の製造方法。
[請求項11]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管を内視鏡用型医療機器の挿入部に組み込むことを含む、内視鏡型医療機器の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]