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1. (WO2018180430) FILTER CARTRIDGE AND FILTER
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明 細 書

発明の名称 フィルターカートリッジ及びフィルター

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031  

実施例

0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

産業上の利用可能性

0045  

符号の説明

0046  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : フィルターカートリッジ及びフィルター

技術分野

[0001]
 本発明は、不織布を積層又は巻き付けたフィルターカートリッジ及びフィルターに関する。

背景技術

[0002]
 近年、電子工業界における半導体製造技術の進歩により、集積回路の配線ピッチの設計寸法が十数nmにまで小さくなってきている。集積回路の微細化により動作速度の向上や消費電力の低下が進む傾向にある。集積回路の製造過程において、薬液中に含まれる金属不純物は、配線の短絡や電流値の低下を引き起こし、歩留まり低下の原因になるため、薬液を高純度化する必要がある。このような金属不純物を除去する手段として、蒸留やイオン交換樹脂が用いられているが、蒸留では、コストが高く、イオン交換樹脂では、処理速度が遅いことや、溶出物による汚染という問題を有している。従来から溶液中の金属を吸着除去するためのデプス型カートリッジフィルターは知られている。特許文献1には、孔をあけた中空パイプにメルトブローン不織布を巻き付けて使用することが提案されている。本出願人の一部は、特許文献2において、イオン交換基をグラフト重合させた繊維で構成される不織布と、非グラフト重合させた繊維で構成される不織布とを積層したカートリッジフィルターを提案している。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特表平11-504853号公報
特許文献2 : 特開2009-090259号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかし、従来のフィルターは、金属の吸着除去効率が高くなく、この改善が求められている。
[0005]
 本発明は、前記従来の問題を解決するため、金属の吸着除去効率が高いフィルターカートリッジ及びフィルターを提供する。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明のフィルターカートリッジは、複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、前記濾過用基布は、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含み、前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることを特徴とする。
[0007]
 本発明のフィルターは、複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けた濾過部を有するフィルターであって、前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、前記濾過用基布は、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含み、前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることを特徴とする。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、積層又は巻き付けタイプのフィルターカートリッジであって、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含み、前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることにより、金属の吸着除去効率が高い濾過用基布とすることができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 図1は本発明の一実施形態のフィルターカートリッジの模式的一部切り取り図である。
[図2] 図2は同、デプス型カートリッジフィルターを組み込んだ処理装置の模式的説明図である。
[図3] 図3は本発明の一実施例の通液試験装置の模式的説明図である。
[図4] 図4は実施例1及び比較例1のフィルターのKに対する除去性能を示すグラフである。
[図5] 図5は比較例2及び3のフィルターのKに対する除去性能を示すグラフである。
[図6] 図6は実施例2及び比較例4のフィルターのCuに対する除去性能を示すグラフである。
[図7] 図7は比較例5及び6のフィルターのCuに対する除去性能を示すグラフである。
[図8] 図8は実施例3及び比較例7のフィルターのNaに対する除去性能を示すグラフである。
[図9] 図9は比較例8及び9のフィルターのNaに対する除去性能を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0010]
 本発明は、複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、前記濾過用基布は、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含む。この順序に巻けば、他の種類の不織布をさらに巻き付けるのは任意である。そして、前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成される。これにより効率よく金属を除去できる。なお、異なる種類の濾過用基布を結合して1枚の濾過用基布にしたものも、複数種類の濾過用基布に含まれる。
[0011]
 本発明においては、不織布層Bはイミノジエタノール基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されるのが特に好ましい。金属の除去効率が高いためである。吸着できる金属については、スルホン酸基は主にNa, Cu, Kを吸着し、イミノジエタノール基は主にCr,Al,Feを吸着する。
[0012]
 不織布A及びBを構成するポリオレフィン繊維は長繊維であるのが好ましい。長繊維不織布は繊維屑が発生しにくく、フィルター性能が高いためである。中でも高い面積当たりの質量(目付け)が10~100g/m 2のメルトブロー長繊維不織布が好ましい。
[0013]
 前記不織布A及びBを構成するポリオレフィン繊維の単繊維平均直径は0.2~10μmであるのが好ましい。前記の範囲であれば、フィルター性能が高い。加えて、表面積(比表面積)の増大ができ、グラフト重合反応の基材表面増ともなるので、グラフト率を高めることができる。
[0014]
 ポリオレフィン繊維は、ポリプロピレン、プロピレンとエチレンの共重合体、ポリエチレン、又はエチレンと炭素数4以上の他のα-オレフィンとの共重合体より選ばれる一種が好ましく、高密度ポリエチレンが特に好ましい。これらのポリマーは不活性であり、薬液に対して安定であり、グラフト重合が可能である。
[0015]
 前記フィルターカートリッジは、中空状内筒及び濾過用基布を含むフィルターカートリッジであって、前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、前記濾過用基布は、前記中空状内筒に巻き付けられることにより積層構造を形成しているフィルターカートリッジが好ましい。
[0016]
 本発明のフィルターは、前記フィルターカートリッジを組み込んだフィルターである。フィルターカートリッジは内筒に濾過用基布が巻き付けられ、容器に収納されている。フィルターカートリッジをフィルターの容器に組み込む際には、容器にフィルターカートリッジを収納した状態でフィルターに組み込む。なお、カートリッジ型フィルターの場合は、フィルターカートリッジのみを交換することで、フィルター機能を再生することができるが、フィルターの容器ごと交換するような、例えばカプセル型フィルターのような場合も、本発明に含むものである。カプセル型フィルターのような場合は、フィルターカートリッジに相当する部分は濾過部となる。
[0017]
 次にポリオレフィン繊維に各種官能基を化学結合させる方法を説明する。ポリオレフィン繊維に電子線、γ線等の放射線を照射した後にGMAなどの反応性モノマ-を含むエマルジョン液と接触させるか、又はポリオレフィン繊維を反応性モノマ-を含むエマルジョン液と接触させた後に電子線、γ線等の放射線を照射して、反応性モノマーをポリオレフィン繊維にグラフト重合させる。電子線を照射する場合、通常は1~200kGy、好ましくは5~100kGy、より好ましくは10~50kGyの照射量が達成されればよい。雰囲気条件は、窒素雰囲気下で照射を行うことが好ましい。電子線照射装置としては市販のものが使用可能であり、例えば、エリアビーム型電子線照射装置としてEC250/15/180L(岩崎電気(株)社製)、EC300/165/800(岩崎電気(株)社製)、EPS300((株)NHVコーポレーション製)などが使用できる。
[0018]
 前記グラフト重合法としては、具体的には、例えば、液相グラフト重合法が挙げられ、不織布を、γ線や電子線などの放射線照射によって活性化した後、水、界面活性剤および反応性モノマーを含むエマルジョンに浸漬して、前記の不織布基材にグラフト重合を完了させ、次に、前記基材に形成されたグラフト鎖に、スルホン酸基、アミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基やイミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基、エチレンジアミン三酢酸基などの機能性官能基、すなわちイオン交換基及び/又はキレート基を導入する。本発明においては、特に液相グラフト重合法に限定されず、モノマーの蒸気に基材を接触させて重合を行う気相グラフト重合法、基材をモノマー溶液に浸漬した後、モノマー溶液から取り出して気相中で反応を行わせる含浸気相グラフト重合法なども、用いることができる。代表的な機能性官能基の化学式として(化1)にスルホン酸基(SC基)、(化2)にイミノジエタノール基(IDE基)、(化3)にイミノジ酢酸基(IDA基)、(化4)にN-メチル-D‐グルカミン基(NMDG基)を示す。
[0019]
[化1]


[0020]
[化2]


[0021]
[化3]


[0022]
[化4]


[0023]
 但し、(化1)~(化4)におけるRはポリエチレン(PE)+GMA(化5)又はポリプロピレン(PP)+GMA(化6)である。
[0024]
[化5]


[0025]
[化6]


[0026]
 但し、前記(化5)~(化6)におけるn,mは1以上の整数である。
[0027]
 本発明の前記(化1)~(化4)の機能性官能基の特性をまとめると表1のとおりである。
[0028]
[表1]


[0029]
 以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1は本発明の一実施形態のデプス型カートリッジフィルター内のフィルターカートリッジの模式的一部切り取り図である。このフィルターカートリッジ1は、中空状内筒(孔をあけた中空パイプ)2に濾過用基布を少なくとも2層巻き付けて使用する。下流側に位置する不織布層(A)3及び上流側に位置する不織布層(B)4が積層されている。
[0030]
 図2は同、デプス型カートリッジフィルターの模式的説明図である。このデプス型カートリッジフィルター5は、デプス型フィルターカートリッジ10にエンドキャップ9a,9bが取り付けられ、フィルターの容器6内に組み込まれ、供給口7から被処理水が供給され、フィルターカートリッジ10の外側から内側に向けて被処理水が通過し、この間に金属が除去され、処理水取り出し口8から取り出される。
[0031]
 図3は本発明の一実施例の通液試験装置の模式的説明図である。この通液試験装置11は、容器12に入れた被処理水13をフッ素樹脂(PFA)チューブ14、チューブポンプ15からカラム16を介して積層フィルター17に供給し、金属を吸着除去し、処理水19を容器18にいれる。積層フィルター17は、下流側に位置する不織布層(A)17a及び上流側に位置する不織布層(B)17bで構成されている。図3の通液試験装置は、カラム式積層タイプのフィルターであるが、巻き付け式フィルターと基本構造は同一である。したがって、巻き付け式フィルターの試験結果はカラム式積層タイプの場合と同一とみなすことができる。
実施例
[0032]
 以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[0033]
<グラフト率>
グラフト率は、グラフト前後の不織布質量より、下式により算出した。
グラフト率(%)=100×(B-A)/A
(式中、Aはグラフト前の不織布基材質量、Bはグラフト後の不織布基材質量を表す。)
<元素分析>
 微量な元素が定量可能である原子吸光分析を用いてサンプリングした試料中の金属濃度を測定した。得られた金属濃度から 下記式(数1)で金属除去率(%)を求めた。式中のBlank液は、調製した金属溶液中の金属濃度を示す。
[0034]
(数1)
金属除去率(%)=[(Blank液中金属濃度-フィルター通液後の液中金属濃度)/Blank液中金属濃度]×100
[0035]
<スルホン酸基導入方法>
(電子線照射工程およびグラフト鎖導入工程)
 平均繊維径が6μmの高密度ポリエチレン原料のメルトブロー不織布(目付け質量81g/m 2、厚み0.38mm、繊維充填率24%)の片面に対して、電子線を窒素雰囲気下、加速電圧200kV、照射線量50kGyで照射した。次に、照射後のメルトブロー不織布を、予め調液し窒素置換(窒素バブリング)したエマルジョン状態のモノマー溶液に浸漬し、55℃に保持しながら、エマルジョングラフト重合を4時間行った。
 使用したモノマー溶液は、溶液全体重量基準で、グリシジルメタクリレート(GMA)1.6質量%と界面活性剤であるTween20(ナカライテスク株式会社製)を0.2質量%含む純水エマルジョン溶液である。
 グラフト率を評価したところ、GMAグラフト率は50%であった。
(スルホン酸基導入工程)
 亜硫酸ナトリウムをイソプロパノール:15質量%/純水:85質量%に溶解し作製した濃度10質量%の亜硫酸ナトリウム溶液中に上記で得られたGMAグラフト重合不織布を浸漬し、80℃で9時間加熱してスルホン酸基の導入を行った。不織布を取り出し純水で洗浄、乾燥することにより、スルホン酸型不織布を得た。
 濃度1Nの硫酸中に上記で得られたスルホン酸型不織布を浸漬し、80℃で2時間加熱して残エポキシ基の開環およびナトリウムイオンの水素イオンへの置換を行った。不織布を取り出し、純水で洗浄、乾燥することにより、イオン交換容量2meq/gのスルホン酸型イオン交換不織布を得た。なお、当該不織布の厚みは0.82mmであった。
[0036]
<イミノジエタノール基導入工程>
(電子線照射工程およびグラフト鎖導入工程)
 スルホン酸基と同様の方法により、電子線照射工程およびグラフト鎖導入工程を実施した。グラフト率を評価したところ、GMAグラフト率は50%であった。
(イミノジエタノール基導入工程)
 上記で得られたGMAグラフト重合不織布を、イミノジエタノールを純水に溶解し作製した濃度20質量%のイミノジエタノール溶液中に浸漬し、80℃で4時間加熱してイミノジエタノール基の導入を行った。不織布を取り出し純水で洗浄、乾燥することにより、イオン交換容量2.0meq/gのイミノジエタノール型不織布を得た。なお、当該不織布の厚みは0.75mmであった。
[0037]
<イミノジ酢酸基導入工程>
(電子線照射工程およびグラフト鎖導入工程)
 スルホン酸基と同様の方法により、電子線照射工程およびグラフト鎖導入工程を実施した。グラフト率を評価したところ、GMAグラフト率は50%であった。
(イミノジ酢酸基導入工程)
 上記で得られたGMAグラフト重合不織布を、イミノジ酢酸二ナトリウム水和物をレベランLV-8:17質量%/純水:71質量%に溶解し作製した濃度12質量%のイミノジ酢酸二ナトリウム水和物溶液中に上記で得られたGMAグラフト重合不織布を浸漬し、80℃で9時間加熱してイミノジ酢酸基の導入を行った。
 濃度6Nの塩酸中に上記で得られたイミノジ酢酸酸型不織布を浸漬し、ナトリウムイオンの水素イオンへの置換を行った。不織布を取り出し、純水で洗浄、乾燥することにより、イオン交換容量0.8meq/gのイミノジ酸型イオン交換不織布を得た。なお、当該不織布の厚みは0.68mmであった。
<金属除去フィルターの作製>
 図3に示す積層フィルター17を使用した。すなわち、下流側に位置する不織布層(A)17a及び上流側に位置する不織布層(B)17bで構成されている。前記2種類の不織布基材を直径7mmΦにカットし、7mmΦのPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)製カラム内に5枚ずつ合計10枚を、順番を入れ替えて積層し、2種類の官能基複合型フィルター17を作製した。
 前記不織布層Aとしてスルホン酸基材(以下、SC Kと記載)と、前記不織布層Bとしてイミノジエタノール基材(以下、IDE Crと記載)を用いた。SC Kは、カリウム(K)を吸着し、IDE Crはクロム酸(以下、クロム(Cr)と記載)を吸着する。基材重量(g/枚)は下記のとおりである。
SC基材=0.0059(g/枚)
IDE基材=0.0053(g/枚)
IDA基材=0.0055(g/枚)
[0038]
 (実施例1、比較例1)
<金属溶液の調製>
 ナカライテスク社製用途別特製試薬のニクロム酸カリウム標準液(1000ppm)を超純水で希釈し、1000ppbの金属溶液(Cr=1000ppb、K=2000ppb)を調製した。
<通液・サンプリング>
 図3に示すようにチューブポンプを用いて、フィルターに金属溶液(ニクロム酸カリウム)を3.1mL/minで通液し、基材通過後の溶液を100mLのPFAボトルにサンプリングした。
 本実施例及び比較例は、Kに対する金属除去性能を検討した。
 (SC K→IDE Cr)と(IDE Cr→SC K)の官能基複合型フィルターの金属除去率を図4に示す。この結果から、KとCrが混在する溶液系でKを除去する場合は、SC単独基でKを除去するよりも、あらかじめIDE基でCrを除去し、その後にSCでKを除去する(IDE Cr→SC K)方が、高い除去率を示すことが分かった。
[0039]
 (比較例2~3)
 不織布層としてスルホン酸基材(SC K)と、不織布層としてイミノジエタノール基材(IDE Cr)をそれぞれ単独フィルターとした以外は実施例1と同様に実験した。この金属除去率を図5に示す。SC KはKを除去できているが、IDE Crは除去できていない。また、これらの単独フィルターの金属除去率を足し合わせた官能基複合型フィルターの値(以下、理論値と記載)は、SC Kと同等の値を示した。
[0040]
 (実施例2、比較例4)
 本実施例及び比較例は、Cuに対する金属除去性能を検討した。フィルター構造は実施例1と同様とした。
<金属溶液の調製>
 ナカライテスク社製用途別特製試薬のナトリウム(Na)標準液(1000ppm)と銅(Cu)標準液(1000 ppm)を超純水で希釈し、1000ppbの金属溶液(Na=1000ppb、Cu=1000ppb)を調製した。
<通液・サンプリング>
 実施例1と同様の流速で金属溶液(Na、Cu)を通液し、サンプリングした。
<金属除去率の結果>
 (SC Na,Cu→IDA Cu)と(IDA Cu→SC Na,Cu)の官能基複合型フィルターの金属除去率を図6に示す。この結果から、NaとCuが混在する溶液系でCuを除去する場合は、IDA及びSC単独基でCuを除去するよりも、IDAとSCを組み合わせる方が、高い除去率を示すことが分かった。また、IDAとSCの順序については、IDA Cu→SC Na,Cuの順序の方が、より高い除去率を示すことが分かった。
[0041]
 (比較例5~6)
 (SC Na,Cu)と(IDA Cu)の2種類の単独フィルターの金属除去率を図7に示す。IDA CuおよびSC Na,CuでCuを除去できている。また、これらの単独フィルターの金属除去率を足し合わせた官能基複合型フィルターの値(以下、理論値と記載)は、SC Na,Cu+IDA Cuである。
[0042]
 (実施例3、比較例7)
 本実施例は、Naに対する金属除去性能を検討した。
 (SC Na,Cu→IDA Cu)と(IDA Cu→SC Na,Cu)の官能基複合型フィルターの金属除去率を図8に示す。この結果から、NaとCuが混在する溶液系でNaを除去する場合は、SC単独基でNaを除去するよりも、あらかじめIDA基でCuを除去し、その後にSCでNaを除去する(IDA Cu→SC Na,Cu)方が、理論値と比較して、高い除去率を示すことが分かった。
[0043]
 (比較例8、比較例9)
 (SC Na,Cu),(IDA Cu)の2種類の単独フィルターの金属除去率を図9に示す。SC Na,CuはNaを除去できているが、IDA Cuは除去できていない。SC Na,Cuの金属除去率が途中からマイナスの値を示しているのは、Naを吸着していた官能基が、より吸着力の強いCuを吸着することにより、Naが放出されるためである。また、これらの単独フィルターの金属除去率を足し合わせた官能基複合型フィルターの値(以下、理論値と記載)は、SC Na,Cuと同等の値を示した。
[0044]
 以上の実施例及び比較例を考察すると、官能基複合型フィルターにおいて、基材の積層順序の影響を調査した結果、官能基の吸着対象でない金属を減少させてから、吸着対象である金属を吸着するような積層順序にすると、金属除去性能が向上することが分かった。一つの推測としては、官能基の吸着対象である金属に対して、吸着対象でない金属が少ない程、官能基と対象金属の接触確率が上がることが考えられる。

産業上の利用可能性

[0045]
 本発明のフィルターカートリッジは、不織布を円筒状に巻き付けたデプス型カートリッジフィルターに有用である。

符号の説明

[0046]
1,10 デプス型フィルターカートリッジ
2 中空状内筒(孔をあけた中空パイプ)
3,17a 下流側に位置する不織布層(A)
4,17b 上流側に位置する不織布層(B)
5 デプス型カートリッジフィルター
6 フィルターの容器
7 供給口
8 処理水取り出し口
9a,9b エンドキャップ
11 通液試験装置
12,18 容器
13 被処理水
14 フッ素樹脂(PFA)チューブ
15 チューブポンプ
16 カラム
17 積層フィルター
19 処理水

請求の範囲

[請求項1]
 複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、
 前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、
 前記濾過用基布は、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含み、
 前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、
 前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることを特徴とするフィルターカートリッジ。
[請求項2]
 前記不織布層Bは、イミノジエタノール基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成される請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
[請求項3]
 前記不織布A及びBを構成するポリオレフィン繊維は長繊維である請求項1又は2に記載のフィルターカートリッジ。
[請求項4]
 前記不織布A及びBを構成するポリオレフィン繊維の単繊維平均直径は0.2~10μmである請求項1~3のいずれかに記載のフィルターカートリッジ。
[請求項5]
 請求項1~4のいずれかに記載のフィルターカートリッジを組み込んだフィルター。
[請求項6]
 複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けた濾過部を有するフィルターであって、
 前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、
 前記濾過用基布は、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含み、
 前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、
 前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることを特徴とするフィルター。
[請求項7]
 前記不織布層Bは、イミノジエタノール基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成される請求項6に記載のフィルター。
[請求項8]
 前記不織布A及びBを構成するポリオレフィン繊維は長繊維である請求項6又は7に記載のフィルター。
[請求項9]
 前記不織布A及びBを構成するポリオレフィン繊維の単繊維平均直径は0.2~10μmである請求項6~8のいずれかに記載のフィルター。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]