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1. WO2020208930 - 往復動圧縮機

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明 細 書

発明の名称 往復動圧縮機

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075  

符号の説明

0076  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 往復動圧縮機

技術分野

[0001]
 本開示は、往復動圧縮機に関する。

背景技術

[0002]
 液化されたガスは、貯蔵又は輸送のためにタンクに収容される。一般に、ガスの液化温度は大気温度よりも低い。そのため、タンクに収容された液化ガスは、タンクへの入熱によって、タンクの内部で気化する。気化したガスは、いわゆるボイルオフガス(BOG: Boil Off Gas)と呼ばれている。気化したガス(BOG)は、タンクの内部圧力を高める。そこで、気化したガスを圧縮することによって、タンクの内部圧力を所定値に収める。また、圧縮した気化したガスを別の設備に圧送する。
[0003]
 特許文献1は、圧力制御設備を開示する。この設備は、低温液化ガスを貯蔵するタンクの内部圧力を制御する。この設備は、BOG圧縮機を備えており、BOG圧縮機は気化ガスを所望の圧力まで圧縮する。特許文献1は、BOG圧縮機として往復動圧縮機を例示する。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2008-232351号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 近年、新たなエネルギ源として、水素が注目されている。エネルギ源として水素を利用する場合にも、天然ガスのように、貯蔵及び輸送時には、液化した状態とすることが想定されている。しかし、水素の液化温度は、空気の液化温度よりも低い。そのため、天然ガス等を対象とした往復動圧縮機といった設備をそのまま水素に適用すると、極低温の液体水素に起因する不具合が生じる可能性がある。例えば、液体水素が供給される装置の周辺に液化空気を生じさせてしまう。
[0006]
 そこで、本開示は、液化空気の発生を抑制可能な往復動圧縮機を説明する。

課題を解決するための手段

[0007]
 本開示の一形態である往復動圧縮機は、吸入弁を介してシリンダに吸い込んだガスをピストンによって圧縮すると共に、吐出弁を介して圧縮されたガスを吐き出す圧縮部と、ピストンに連結されたロッドを介して、ピストンを往復動させる力をピストンに提供するピストン駆動部と、圧縮部を収容し、圧縮部の周囲に真空領域を形成する容器部と、を備える。

発明の効果

[0008]
 本開示の一形態である往復動圧縮機は、液化空気の発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 図1は、実施形態の往復動圧縮機を有するBOG圧縮システムの概要図である。
[図2] 図2は、往復動圧縮機の断面を側面視した図である。
[図3] 図3は、往復動圧縮機の断面を正面視した図である。
[図4] 図4は、図2の一部を拡大して示す断面図である。
[図5] 図5は、吸入機構を示す断面図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 本開示の一形態である往復動圧縮機は、吸入弁を介してシリンダに吸い込んだガスをピストンによって圧縮すると共に、吐出弁を介して圧縮されたガスを吐き出す圧縮部と、ピストンに連結されたロッドを介して、ピストンを往復動させる力をピストンに提供するピストン駆動部と、圧縮部を収容し、圧縮部の周囲に真空領域を形成する容器部と、を備える。
[0011]
 往復動圧縮機は、ガスを圧縮する圧縮部が容器部に収容されている。容器部は、圧縮部の周囲に真空領域を形成する。その結果、圧縮部は、真空領域によって外部領域から熱的に絶縁される。つまり、圧縮部に極低温のガスが提供された場合にも、往復動圧縮機の周辺領域を過度に冷却することがない。従って、液化空気の発生を抑制できる。
[0012]
 一形態において、容器部は、真空領域を形成するハウジングと、ハウジングとシリンダとの間に配置されるシリンダ保持部と、を有してもよい。シリンダの側面は、シリンダの側面と対面するハウジングの内面から離間してもよい。シリンダ保持部の第1端部は、シリンダの側面に設けられてもよい。シリンダ保持部の第2端部は、ハウジングの内面に設けられてもよい。これらの構成によれば、シリンダを好適に支えることが可能である。その結果、ピストンの往復動に起因する振動に対して耐えることができる。
[0013]
 一形態の往復動圧縮機は、ピストン駆動部と容器部との間に配置されて、ロッドを収容する中間筒部と、圧縮部と中間筒部との間に配置される熱抵抗部と、をさらに備えてもよい。これらの構成によれば、圧縮部と中間筒部との間を熱的に絶縁することができる。その結果、圧縮部に極低温のガスが供給された場合でも、圧縮部の熱の影響が中間筒部に及ぶことを抑制することが可能である。つまり、圧縮部に極低温のガスが提供された場合にも、中間筒部を過度に冷却することがない。従って、液化空気の発生を抑制できる。
[0014]
 一形態において、吸入弁は、シリンダに設けられて、シリンダへのガスの出入りを許可する開放形態とガスの出入りを禁止する閉鎖形態とを、シリンダの内部圧力に応じて相互に切り替え可能であり、容器部の外面側に配置されると共に、圧縮気体の提供を受けて吸入弁の閉鎖形態を強制的に開放形態に切り替えるアンローダをさらに備えてもよい。アンローダは、容器部の外に配置される。容器部の外は、圧縮部に対して熱的に絶縁されている。従って、アンローダは、圧縮部の熱の影響を受けることがない。その結果、アンローダは、確実に動作することができる。
[0015]
 一形態の往復動圧縮機は、ピストン駆動部と容器部との間に配置されて、ロッドを収容する中間筒部を更に備えてもよい。中間筒部は、第1中間室、第2中間室及び第3中間室を形成してもよい。第1中間室、第2中間室及び第3中間室は、ピストン駆動部から容器部に向かう方向に、第1中間室、第2中間室及び第3中間室の順に配置されてもよい。第1中間室の内部圧力は、第2中間室及び第3中間室の内部圧力よりも高くてもよい。これらの構成によれば、圧縮部とピストン駆動部との間に、第1中間室、第2中間室及び第3中間室が形成される。そして、ピストン駆動部側に設けられた第1中間室の内部圧力が第2中間室及び第3中間室よりも高い。その結果、この圧力差によって、圧縮部からピストン駆動部へのガスの漏れを抑制することが可能になる。従って、極低温のガスの漏れが抑制される。その結果、ピストン駆動部を確実に動作させることができる。
[0016]
 一形態において、ガスの液化温度は、酸素の液化温度又は窒素の液化温度よりも低くてもよい。このようなガスに対して、一形態の往復動圧縮機は、好適に適用できる。
[0017]
 以下、添付図面を参照しながら本開示の往復動圧縮機を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[0018]
 図1は、往復動圧縮機1A、1Bを有するボイルオフガス圧縮システムを示す。ボイルオフガス圧縮システムは、以下の説明において「BOG圧縮システム100」と称する。BOG圧縮システム100は、水素を対象とした受入基地及び貯蔵基地などに設置される。貯蔵基地は、液体水素を貯蔵するタンクを備えている。当該タンクの内部では、液体水素が気化することにより、水素ガスが生じる。BOG圧縮システム100は、この水素ガスの圧縮に用いられる。
[0019]
 なお、以下の説明では、BOG圧縮システム100は、水素ガスを対象とした場合を例示する。しかし、BOG圧縮システム100が対象とするガスは、水素ガスに限定されない。BOG圧縮システム100は、天然ガス、プロパンガスといった気体燃料にも適用可能である。つまり、BOG圧縮システム100は、BOGを生じるシステムに適用可能である。具体的には、BOG圧縮システム100は、空気の液化温度よりも低い液化温度を有するガスを対象とするシステムに好適に利用できる。空気は、主として酸素と窒素とを含む。従って、BOG圧縮システム100は、酸素の液化温度又は窒素の液化温度よりも低い液化温度を有するガスを対象とするシステムに好適に利用できる。このようなガスとしては、上述の水素、及びヘリウムなどが挙げられる。本開示において、単に「ガス」との記載は、広義の意味として天然ガスなども含む気体燃料を意味する。さらに、「ガス」との記載は、狭義の意味として気体燃料のうち空気の液化温度よりも低い液化温度を有する水素ガスなどを意味する。
[0020]
 BOG圧縮システム100は、2基の往復動圧縮機1A、1Bを有する。一方の往復動圧縮機1Aは、例えば、タンクから水素ガスを吸入する。次に、往復動圧縮機1Aは、吸入した水素ガスを圧縮する。そして、往復動圧縮機1Aは、圧縮した水素ガスを他方の往復動圧縮機1Bに提供する。他方の往復動圧縮機1Bは、水素ガスを更に圧縮したのちに吐出する。つまり、BOG圧縮システム100は、一方の往復動圧縮機1Aにおいて圧縮したガスを、さらに、他方の往復動圧縮機1Bにおいて圧縮する2段式の圧縮システムである。往復動圧縮機1A、1Bは、圧縮部2と、ピストン駆動部3と、を有する。なお、BOG圧縮システム100が有する往復動圧縮機の数は、BOG圧縮システム100に要求される性能に応じて適宜選択してよい。例えば、BOG圧縮システム100は、3台の往復動圧縮機を備えた3段式であってもよいし、4台の往復動圧縮機を備えた4段式であってもよい。さらに、例えば、BOG圧縮システム100は、4台の往復動圧縮機を備えた3段式であっても良い。
[0021]
 往復動圧縮機1A、1Bは、配置が異なるのみであり、それぞれの詳細な構成は共通である。以下、一方の往復動圧縮機1A(紙面左側)について詳細に説明し、他方の往復動圧縮機1B(紙面右側)の説明を省略する。
[0022]
 圧縮部2は、シリンダ4と、ピストン6と、吸入機構7と、吐出機構8と、を有する。シリンダ4及びピストン6は、ガスを圧縮する圧縮空間P1、P2を形成する。例えば、圧縮部2は、2個の圧縮空間P1、P2を有する。吸入機構7及び吐出機構8は、それぞれの圧縮空間P1、P2にガスを吸入可能及び吐出可能に設けられる。ピストン6には、ピストンロッド9の端部が連結されている。ピストンロッド9の別の端部は、ピストン駆動部3に連結されている。
[0023]
 ピストン駆動部3は、クランクシャフト11を有する。クランクシャフト11は、駆動源12から提供される回転運動を、ピストンロッド9の往復運動に変換する。ピストン駆動部3は、クランクシャフト11に加えて、クランクケース13と、クロスヘッド14と、コネクティングロッド16と、を有する。
[0024]
 図2に示すように、往復動圧縮機1Aは、圧縮部2及びピストン駆動部3に加えて、さらに容器部15と、中間筒部18と、ハウジング断熱材19と、を有する。
[0025]
 圧縮部2のシリンダ4の形状は、要求される性能や条件に応じて適宜選択してよい。例えば、シリンダ4の形状は、直方体又は円筒としてよい。本開示では、シリンダ4の形状を直方体として説明する。シリンダ4は、シリンダ4の中心軸線が水平方向に沿うように配置されている。シリンダ先端部4aは、開口を有する。開口は、蓋4Hによって気密に閉鎖されている。蓋4Hには、クリアランス弁が設けられていてもよい。シリンダ基端部4bは、容器部15に固定されている。より詳細には、シリンダ基端部4bと容器部15との間には、ハウジング断熱材19(熱抵抗部)が挟み込まれている。このハウジング断熱材19は、シリンダ4と容器部15との間の熱の移動を抑制する。ハウジング断熱材19として、例えば、ガラス繊維強化樹脂といった断熱用の繊維強化樹脂を用いてよい。
[0026]
 容器部15は、ハウジング17と、シリンダサポート21と、を有する。ハウジング17は、圧縮部2を収容する収容空間Sを形成する。収容空間Sは、減圧されており、いわゆる真空状態である。容器部15には、図示しない真空ポンプが接続されている。真空ポンプは、往復動圧縮機1Aの稼働中において、必要に応じて作動させる。真空ポンプによる真空引き動作は、連続的であってもよいし、間欠的であってもよい。真空状態とは、ハウジング17の内部圧力が大気圧よりも低いことを意味する。つまり、真空状態を定義するにあたり、具体的な内部圧力の値及び真空度には特に制限はない。ハウジング17が形成する収容空間Sは、圧縮部2を大気環境から熱的に絶縁する。従って、ハウジング17は、圧縮部2の周囲に断熱部を形成する。要するに、収容空間Sの真空状態とは、所望の断熱の効果を発揮できる状態であればよい。
[0027]
 なお、本開示では、往復動圧縮機1A、1Bのそれぞれに、容器部15を設ける構成を例示した。例えば、容器部15は、BOG圧縮システム100が備えるすべての往復動圧縮機1A、1Bに設けられる必要はない。例えば、BOG圧縮システム100では、初段の往復動圧縮機1Aのみが容器部15を備えることとし、往復動圧縮機1Bでは容器部15を省略してもよい。
[0028]
 ハウジング17の形状は、例えば円筒である。ハウジング17は、ハウジング先端部17aと、ハウジング基端部17bと、ハウジング周壁17cと、を有する。ハウジング先端部17a、ハウジング基端部17b及びハウジング周壁17cに囲まれた空間は、収容空間Sである。ハウジング基端部17bは、ハウジング断熱材19を介してシリンダ4に固定されている。ハウジング17の軸線方向の長さは、シリンダ4の軸線方向の長さよりも長い。従って、ハウジング先端部17aとシリンダ先端部4aとの間には、隙間が形成される。ハウジング17の直径は、シリンダ4の高さ及び幅よりも大きい。そして、シリンダ4の中心軸線は、ハウジング17の中心軸線とおおむね重複する。従って、ハウジング周壁17cとシリンダ上面4cとの間にも隙間が形成される。同様に、ハウジング周壁17cとシリンダ下面4dとの間にも隙間が形成される。これらの隙間は、シリンダ4の周囲に形成される真空領域である。
[0029]
 シリンダ基端部4bは、ハウジング17に固定されている。そうすると、シリンダ先端部4a、シリンダ上面4c及びシリンダ下面4dは、ハウジング17から離間する。この状態は、シリンダ基端部4bを支持端とする片持ち梁の状態である。そこで、シリンダサポート21によって、シリンダ4の先端側を支持する。
[0030]
 シリンダ4の先端部には、シリンダサポート21が配置されている。シリンダサポート21は、シリンダ4の先端部を鉛直方向に支持する。シリンダサポート21は、容器外サポート26と、下容器内サポート27Aと、上容器内サポート27Bと、を有する。これら容器外サポート26、下容器内サポート27A及び上容器内サポート27Bは、鉛直方向に沿う同一の基準線上に配置されている。なお、この「同一の基準線上に配置」とは、容器外サポート26、下容器内サポート27A及び上容器内サポート27Bの軸線が共通の基準軸線と厳密に一致している構成に限定するものではない。容器外サポート26、下容器内サポート27A及び上容器内サポート27Bは、シリンダ4の重量を好適に基礎200に伝えることが可能なように配置されていればよい。
[0031]
 容器外サポート26は、ハウジング17の外部に配置されている。より詳細には、容器外サポート26は、ハウジング周壁17cの外周面と基礎200との間に配置されている。換言すると、容器外サポート26の上端は、ハウジング周壁17cの外周面に固定される。容器外サポート26の下端は、基礎200に固定される。
[0032]
 下容器内サポート27Aは、ハウジング17の内部に配置されている。より詳細には、下容器内サポート27Aは、ハウジング周壁17cの内周面とシリンダ下面4dとの間に配置されている。下容器内サポート27Aは、ハウジング周壁17cを挟んで容器外サポート26の上に配置されている。この構造によれば、圧縮部2の重量は、下容器内サポート27A、ハウジング周壁17c及び容器外サポート26を介して、基礎200に伝わる。
[0033]
 図3に示すように、下容器内サポート27Aは、外周台座28(第2端部)と、内周台座29(第1端部)と、弾性部31と、を有する。外周台座28は、ハウジング周壁17cの内周面に固定されている。内周台座29は、シリンダ下面4dに固定されている。弾性部31は、外周台座28と内周台座29との間に挟み込まれている。弾性部31は、外周台座28に対する内周台座29の相対的な移動を許す。例えば、弾性部31は、外周台座28に対する内周台座29の垂直方向への移動を許す。
[0034]
 内周台座29は、台座基部32と、台座連結部33と、を有する。台座基部32は、シリンダ下面4dに固定されている。台座連結部33は、弾性部31に固定されている。台座基部32及び台座連結部33の少なくとも一方は、断熱部材であってもよい。例えば、台座連結部33の全体又は一部を、断熱樹脂材によって構成してもよい。台座基部32と台座連結部33との接続部分は、互いに固定されていない。具体的には、台座基部32の基部主面32sは、台座連結部33の連結主面33sに接している。そして、基部主面32sの断面形状は、三角形である。基部主面32sの稜線は、ピストン6の移動方向に延びている。連結主面33sの断面は、谷状を呈する。この構成によれば、台座連結部33は台座基部32に対してピストン6の移動方向に沿って相対的に移動可能である。
[0035]
 ピストン6の往復動に起因して、台座連結部33に対する台座基部32の振動が発生する。そして、この振動は、基部主面32sと連結主面33sとの間の摩擦によって低減することができる。より詳細には、シリンダ4の相対的な移動に下容器内サポート27Aが追従する。そして、シリンダ4の重量は下容器内サポート27Aに適切に作用する。その結果、押付力及び摩擦力が得られる。従って、ピストン6の動作に起因する往復動の方向に沿う振動が抑制される。
[0036]
 さらに、この相対的な移動が許されることにより、圧縮部2の温度と容器部15の温度差に起因する熱変形を許容することができる。例えば、圧縮部2に水素ガスが提供されると、シリンダ4が冷却されてピストン6の移動方向に縮むことがあり得る。つまり、圧縮部2と容器部15との相対的な位置関係が変化する。下容器内サポート27Aは、ハウジング17側の台座連結部33に対して、シリンダ4側の台座基部32が移動することできる。従って、シリンダ4の変形は、台座連結部33に対する台座基部32の相対的な移動によって許される。従って、往復動圧縮機1Aは、温度差に起因する熱変形によって、不要な応力の発生を低減することができる。また、圧縮部2の温度と容器部15の温度差に起因する熱変形によれば、ピストン6の移動方向と交差する方向(例えば、垂直方向)にも、相対的な位置関係の変化が生じる。この方向の変化は、弾性部31によって許容される。
[0037]
 なお、台座基部32及び台座連結部33の構成は、上記の構成に限定されない。より詳細には、基部主面32sと連結主面33sとの構成は、上記の構成に限定されない。例えば、基部主面と連結主面との凹凸の関係を逆にしてもよい。また、基部主面は、凸状の曲面であり、連結主面は、凹状の曲面であってもよい。さらに、基部主面及び連結主面は、案内構造を有してもよい。具体的には、台座基部と台座連結部との接続部分には、軸線方向に延びる案内構造が設けられてもよい。台座基部には、少なくとも1本のリッジが設けられている。一方、台座連結部には、少なくとも1本のガイド溝が設けられている。リッジの断面形状は、ガイド溝の断面形状とほぼ同じであり、リッジがガイド溝にはめ込まれる。そして、リッジは、軸線方向に摺動可能である。一方、リッジは、軸線方向と交差する方向には、移動することができない。
[0038]
 下容器内サポート27A及び容器外サポート26は、圧縮部2の重量を支持するものであることは既に述べた。つまり、下容器内サポート27Aは、シリンダ保持部を構成する。ハウジング17の内部は、減圧されている。従って、ハウジング17には、大気圧に起因する外力が作用する。例えば、この外力は、ハウジング周壁17cをつぶす方向に作用する。そこで、この外力に対抗する部材として、下容器内サポート27Aに加えて、さらに上容器内サポート27Bを設けた。上容器内サポート27Bも、上述した下容器内サポート27Aと同様に、弾性体による押付け力によって、ピストン6の動作に起因する振動を抑制する機能も奏する。
[0039]
 上容器内サポート27Bは、ハウジング17の内部に配置されている。より詳細には、上容器内サポート27Bは、ハウジング周壁17cの内周面とシリンダ上面4cとの間に配置されている。上容器内サポート27Bは、下容器内サポート27Aと同様に、容器外サポート26の上方に配置されている。なお、上容器内サポート27Bの構成は、下容器内サポート27Aと同様である。従って、上容器内サポート27Bの詳細な説明は省略する。
[0040]
 圧縮部2は、シリンダ4、ピストン6、吸入機構7及び吐出機構8に加えて、さらに、ピストンロッドパッキン22を有する。
[0041]
 図4に示すように、ピストンロッドパッキン22の一部は、シリンダ基端部4bに開口を有するパッキン穴4pに配置されている。ピストンロッドパッキン22は、シリンダ4に対してピストンロッド9の往復運動を許す。また、ピストンロッドパッキン22は、圧縮空間P1、P2の気密を保つ。ピストンロッドパッキン22は、シリンダ4からのガスのリークを抑制する封止部として機能する。
[0042]
 ピストンロッドパッキン22は、複数のパッキンユニット23A、23B、23Cと、断熱リング24と、を有する。パッキンユニット23A、23B、23Cは、1個のパッキンケース23hと、少なくとも1個のパッキンリング23rと、を有する。パッキンリング23rの材質、形状及び数は、ピストンロッドパッキン22に要求される封止性能に応じて適宜選択してよい。パッキンリング23rの材料として、例えば、テフロン(登録商標)を用いてもよい。そして、パッキンユニット23A、23B、23Cは、その軸線方向に積層されて、ピストンロッドパッキン22を構成する。この積層構造には、パッキンユニット23A、23B、23Cに加えて、断熱リング24も含む。
[0043]
 パッキンユニット23Aは、シリンダ4のパッキン穴4pに配置される。これらのパッキンユニット23Aは、ハウジング17の内部に配置されているものと言える。ここで言う「ハウジング17の内部」とは、換言すると、ガスの温度の影響を受けるものである。つまり、パッキンユニット23Aは、極低温の環境に晒される。
[0044]
 一方、パッキンユニット23B、23Cは、パッキン穴4pの外部に配置される。パッキンユニット23Bは、ハウジング17の一部とみなしてもよい。パッキンユニット23Cは、中間筒部18の一部とみなしてもよい。パッキンユニット23B、23Cは、ハウジング17の外部に配置されている。ここで言う「ハウジング17の外部」とは、換言すると、ガスの温度の影響を受け難いものである。つまり、パッキンユニット23B、23Cは、極低温の環境から絶縁されている。
[0045]
 上述した「ハウジング17の内部」と「ハウジング17の外部」とは、断熱リング24によって区別できる。つまり、「ハウジング17の内部」に配置されたパッキンユニット23Aは、断熱リング24よりもシリンダ4側に配置されている。「ハウジング17の外部」に配置されたパッキンユニット23B、23Cは、断熱リング24よりも中間筒部18側に配置されている。図4の例示では、断熱リング24は、ハウジング断熱材19の一部である。つまり、断熱リング24は、シリンダ基端部4bとハウジング17との間に配置されている。なお、断熱リング24は、ハウジング断熱材19とは別の部品であってもよい。この場合には、断熱リング24を、シリンダ4のパッキン穴4pに配置してもよい。
[0046]
 図2に示すように、吸入機構7は、シリンダ4の内部にガスを導く。吸入されるガスは、一例としてマイナス245℃の水素ガスである。吸入機構7は、伸縮接手34と、吸入弁36と、アンローダ38(図5参照)と、を有する。伸縮接手34は、シリンダ4とハウジング17との間に配置されている。より詳細には、伸縮接手34の一端は、ハウジング17の吸入蓋17Nに接続されている。伸縮接手34の他端は、シリンダ上面4cに接続されている。伸縮接手34の内部にはガス経路を構成する穴34hが設けられている。穴34hは、シリンダ4に設けられたガス導入穴4nに繋がっている。ガス導入穴4nには、吸入弁36が設けられている。吸入弁36は、圧縮空間P1、P2の内部圧力に応じて、ガスの吸入を許す状態(開放形態)と、ガスの吸入を許さない状態(閉鎖形態)と、を相互に切り替える。
[0047]
 図5に示すように、吸入弁36は、シリンダ4の内部圧力に応じて、ガス流路を開放又は閉鎖する。吸入弁36は、弁受39と、弁板41と、弁座42と、を有している。弁受39、弁板41及び弁座42は、制御弁を構成する。弁板41は、弁受39と弁座42との間に配置され、これらの間において、移動可能とされている。弁板41が弁座42に接触した状態であるとき、吸入弁36は閉鎖形態である。一方、弁板41が弁受39に接触した状態であるとき、吸入弁36は開放形態である。開放形態と閉鎖形態とは、圧縮空間P1、P2の内部圧力に応じて切り替わる。例えば、吸入弁36は、圧縮空間P1、P2の内部圧力が低下するとき(吸気)には、ガスの出入りを許可する開放形態をとる。一方、吸入弁36は、圧縮空間P1、P2の内部圧力が高まるとき(圧縮)には、ガスの出入りを禁止する閉鎖形態をとる。
[0048]
 図2に示すように、吐出機構8は、シリンダ4の内部からガスを吐出する。例えば、吐出されるガスは、一例としてマイナス200℃の水素ガスである。吐出機構8は、伸縮接手49と、吐出弁51と、を有する。伸縮接手49は、シリンダ4とハウジング17との間に配置されている。より詳細には、伸縮接手49の一端は、ハウジング17の吐出蓋17Mに接続されている。伸縮接手49の他端は、シリンダ下面4dに接続されている。伸縮接手49の貫通穴49hは、シリンダ4に設けられたガス吐出穴4mに繋がっている。ガス吐出穴4mには、吐出弁51が設けられている。
[0049]
 吐出弁51は、吸入弁36と同様に、弁受39と、弁板41と、弁座42と、ばね43と、を有する。しかし、圧縮空間P1、P2の内部圧力と開閉鎖形態との関係は、吸入弁36とは異なる。つまり、吐出弁51は、圧縮空間P1、P2の内部圧力が低下するとき(吸気)には、閉鎖形態をとる。一方、吐出弁51は、圧縮空間P1、P2の内部圧力が高まるとき(圧縮)には、開放形態をとる。
[0050]
 往復動圧縮機1Aは、容量調整機構としてのアンローダ38(図5参照)を有する。アンローダ38は、吸入弁36に取り付けられている。
[0051]
 図5に示すように、アンローダ38は、ヨーク棒44と、ヨークプレート46と、ヨークロッド61と、ロッド駆動部48と、を有する。ヨーク棒44は、その先端が弁板41に押し当てられている。ヨーク棒44の基端は、ヨークプレート46に固定されている。ヨークプレート46は、円板であり、その中央にはヨークロッド61が固定されている。ヨークロッド61は、ヨークロッド61の軸線が往復軸線と直交する方向に延びるように配置されている。ヨークロッド61の基端は、ハウジング周壁17cから突出する。ヨークロッド61の基端は、ロッド駆動部48に収容されている。ロッド駆動部48は、ハウジング周壁17cの外周面に設けられている。ロッド駆動部48は、ヨークロッド61の位置を制御する。ロッド駆動部48は、例えば、ダイヤフラム48aを有している。ダイヤフラム48aの両側における圧力差を制御することにより、ヨークロッド61の位置が制御される。圧力差は、ダイヤフラム48aの一方の側に供給される圧縮気体により制御される。
[0052]
 ヨークロッド61は、第1ロッド63と、断熱ロッド62と、縁切部65と、第2ロッド64と、を有する。これらの部品は、ハウジング17の外部からシリンダ4に向かってこの順に配置されている。第1ロッド63の上端は、ヨークロッド61の上端である。第1ロッド63の上端は、ダイヤフラム48aに接する。第1ロッド63の下端は、断熱ロッド62に接続されている。断熱ロッド62は、ハウジング17側に配置された第1ロッド63と、シリンダ4側に配置された第2ロッド64と、を熱的に絶縁する。断熱ロッド62の上端は、第1ロッド63の下端に接続されている。断熱ロッド62の下端は、縁切部65に接続されている。縁切部65は、第1ロッド63及び断熱ロッド62を、第2ロッド64から切り離し可能とする。例えば、シリンダ4に水素ガスが提供されたとき、シリンダ4は熱収縮する。その結果、シリンダ4とハウジング17との相対的な距離が変化する。仮に、ヨークロッド61が一体の棒体であると、当該棒体に引っ張り応力が作用してしまう。そこで、シリンダ4とハウジング17との相対的な距離が大きくなった場合に対応するため、第1ロッド63及び断熱ロッド62を、第2ロッド64から切り離せる構成として、縁切部65を設ける。縁切部65の上部は、断熱ロッド62に接続される。縁切部65の下部は、第2ロッド64の上端に接続される。第2ロッド64の上端は、縁切部65の下端に接続される。第2ロッド64の下端は、ヨークロッド61の下端であって、ヨークプレート46に接続される。
[0053]
 図4に示すように、吸入弁36は、圧縮空間P1、P2の内部圧力が高まるとき(圧縮)には、閉鎖する。圧縮空間P1、P2の内部圧力が高まるとき、アンローダ38は、閉鎖状態を強制的に解除する。具体的には、圧縮空間P1、P2の内部圧力が高まるとき、弁板41が弁座42に接触する。アンローダ38は、容量制御を要するときに、弁板41を押圧することによって、弁座42との接触を解除する。その結果、シリンダ4においてガスの圧縮が行われなくなるので、内部圧力が高まらない。圧縮空間P1、P2の内部圧力の高まりによって開放される吐出弁51が解放されないので、圧縮ガスが提供されない。従って、往復動圧縮機1Aの容量を調整することが可能になる。
[0054]
 中間筒部18は、ハウジング17と、ピストン駆動部3と、の間に配置されている。中間筒部18は、例えば、サポート40によって支持されていてもよい。中間筒部18は、ピストンロッド9を収容する。中間筒部18は、前中間筒52と、後中間筒53と、を有する。前中間筒52は、ハウジング17側に配置されている。後中間筒53は、ピストン駆動部3側に配置されている。なお、中間筒部18は、前中間筒52及び後中間筒53が一体とされていてもよい。前中間筒52は、ハウジング基端部17bに固定されている。前中間筒52は、後中間筒53にも固定されている。
[0055]
 前中間筒52は、前端部に設けられた穴52aと、後端部に設けられた穴52bと、を有する。穴52a、52bの内径は、ピストンロッド9の外径よりも大きい。穴52aにはパッキンユニット23Cが嵌め込まれている。つまり、前端面において、ピストンロッド9は、パッキンユニット23Cに挿通されている。なお、穴52bにおいても、パッキンユニット等の所望の部品を配置してよい。
[0056]
 前中間筒52は、ロッドパッキン室52Rを形成する。ロッドパッキン室52Rには、圧縮部2に提供されるガスと同じ種類のガスが充填されている。例えば、圧縮部2に提供されるガスが水素ガスである場合には、ロッドパッキン室52Rには常温の水素ガスが充填される。さらに、前中間筒52は、ロッドパッキン室52Rの圧力を制御するためのベント52Bを有する。
[0057]
 後中間筒53の内部空間は、仕切り壁53Wによって仕切られている。その結果、後中間筒53は、第1中間室53Eと、第2中間室53Fと、を有する。第1中間室53E及び第2中間室53Fは、ピストンロッド9の軸線方向に沿って並ぶ。第1中間室53Eは、ピストン駆動部3側に設けられる。第2中間室53Fは、前中間筒52側に設けられる。後中間筒53は、穴53a、53b、53cを有する。これらの穴53a、53b、53cは、ピストンロッド9のためのものである。穴53a、53b、53cの内径は、穴52a、52bと同様に、ピストンロッド9の外径よりも大きい。穴53a、53b、53cは互いに同軸である。さらには、穴53a、53b、53cは、前中間筒52の穴52a、52bとも同軸である。そして、穴53aにはパッキンユニット55Cが嵌め込まれる。穴53bにはパッキンユニット55Aが嵌め込まれる。穴53cにはパッキンユニット55Bが嵌め込まれる。
[0058]
 第1中間室53Eには、窒素ガスが充填される。第1中間室53Eは、内部圧力を維持するためにガス供給部から窒素ガスの供給を受ける。例えば、窒素ガスは、供給部53Sから第1中間室53Eに提供される。ガス供給部は、第1中間室53Eの内部圧力が所望の圧力となるように制御する。例えば、パッキンユニット55A、55Bから窒素ガスが漏れた場合には、内部圧力は下がる。このとき、ガス供給部は、内部圧力の低下をトリガとして、第1中間室53Eへ窒素ガスを供給する。
[0059]
 第1中間室53Eと第2中間室53Fとの間にはパッキンユニット55Aが存在するので、理想的には窒素ガスの行き来はないはずである。しかし、パッキンユニット55Aは、第1中間室53E及び第2中間室53Fの互いの気密を保持すると共に、ピストンロッド9の往復動も許す。従って、第1中間室53Eと第2中間室53Fとの間では、わずかながら窒素ガスが移動することもある。
[0060]
 そこで、第1中間室53Eの内部圧力は、例えば、第2中間室53Fの内部圧力よりも高く設定される。第1中間室53Eの内部圧力を第2中間室53Fの内部圧力よりも高く設定することにより、第1中間室53Eと第2中間室53Fとの間における窒素ガスの移動方向を決めることができる。つまり、窒素ガスの移動は、相対的に内部圧力の高い第1中間室53Eから、相対的に内部圧力の低い第2中間室53Fへの流れに限定することができる。この構成によれば、シリンダ4で圧縮される極低温のガスが第2中間室53Fから第1中間室53Eへ移動することを抑制できる。また、第2中間室53Fには、ロッドパッキン室52Rから水素ガスが漏れ出ることもある。そして、後中間筒53は、水素と窒素とを含む混合ガスを吐出するベント53Bを有する。ベント53Bは、第2中間室53Fに対応する位置に設けられる。なお、後中間筒53には、クランクケース13から漏れ出るオイルを吐出する排油部を有してもよい。
[0061]
 上述の往復動圧縮機1Aは、特徴的な構成要素として、ハウジング17、シリンダサポート21、ハウジング断熱材19、アンローダ38、及び中間筒部18と、を有する。以下、各構成要素が奏する作用効果について説明する。
[0062]
 往復動圧縮機1Aは、圧縮部2と、ピストン駆動部3と、ハウジング17と、を有する。圧縮部2は、吸入弁36を介してシリンダ4に吸い込んだガスをピストン6によって圧縮すると共に、吐出弁51を介して圧縮されたガスを吐き出す。ピストン駆動部3は、ピストン6に連結されたピストンロッド9を介して、ピストン6を往復動させる力をピストン6に提供する。ハウジング17は、圧縮部2を収容し、圧縮部2の周囲に真空領域を形成する。
[0063]
 往復動圧縮機1Aは、ガスを圧縮する圧縮部2がハウジング17に収容されている。そして、ハウジング17は、圧縮部2の周囲に真空領域を形成する。その結果、圧縮部2は、真空領域によって往復動圧縮機1Aが配置された領域から熱的に絶縁される。従って、圧縮部2に極低温のガスが提供された場合にも、往復動圧縮機1Aが配置された領域が過度に冷却されることが抑制される。従って、液化空気の発生を抑制できる。
[0064]
 真空容器であるハウジング17に圧縮部2を収容することにより、圧縮機の動作効率を向上させることができる。
[0065]
 圧縮部2の断熱に真空容器を用いることにより、圧縮部2の断熱のために発泡系の断熱材を用いる必要がない。発泡系の断熱材は、マイナス200℃以下の温度において性能が保証されたものがない。一方、ハウジング17によれば、使用温度環境に左右されることなく所望の断熱性能を得ることができる。また、発泡系の断熱材料は、圧縮部2の外形形状が複雑であるため、圧縮部2の表面に密着させることが難しい。一方、ハウジング17によれば、圧縮部2の外形形状に左右されることなく、圧縮部2の周囲に断熱領域(真空領域)を形成することができる。さらに、発泡系の断熱材は、極低温と常温とに繰り返し晒される環境に適さない。また、発泡系の断熱材と圧縮部との間に空隙が存在すると、液化した空気が浸透する場合がある。そして、浸透した空気が蒸発することもある。これらの浸透と蒸発とが繰り返されると、発泡系の断熱材は劣化しやすくなる。そのうえ、圧縮部2の保守及び整備を行う際には、発泡系の断熱材の除去と再度の設置とが必要になる。一方、ハウジング17によれば、これらの問題に対しても好適に適用可能である。
[0066]
 容器部15は、ハウジング17と、下容器内サポート27Aと、を有する。ハウジング17は、真空領域を形成する。下容器内サポート27Aは、ハウジング17とシリンダ4との間に配置される。下容器内サポート27Aの内周台座29は、シリンダ下面4dに設けられる。下容器内サポート27Aの外周台座28は、ハウジング17の内面に設けられる。これらの構成によれば、シリンダ4を好適に支えることが可能である。その結果、ピストン6の往復動に起因する振動に対して耐えることができる。
[0067]
 往復動圧縮機1Aは、ハウジング断熱材19をさらに備える。ハウジング断熱材19は、シリンダ4とハウジング17との間に配置される。シリンダ基端部4bは、ハウジング基端部17bに連結されている。ハウジング断熱材19は、シリンダ基端部4bとハウジング基端部17bとの間に挟持されている。これらの構成によれば、シリンダ4とハウジング17との間を熱的に絶縁することができる。その結果、シリンダ4に極低温のガスが供給された場合でも、シリンダ4の熱の影響がハウジング17に及ぶことを抑制することが可能である。従って、往復動圧縮機1Aが配置された領域が過度に冷却されることがさらに抑制される。
[0068]
 吸入弁36に設けられるアンローダ38のロッド駆動部48は、ハウジング17の外周面側に配置されている。この構成によれば、ロッド駆動部48は、ハウジング17の外に配置される。ハウジング17の外は、真空領域によって圧縮部2に対して熱的に絶縁されている。従って、アンローダ38は、圧縮部2の熱の影響を受けることなく、確実に動作することができる。具体的には、アンローダ38は、ダイヤフラムを駆動するための圧縮気体を受ける。圧縮気体として、圧縮空気及び圧縮窒素などが挙げられる。上記の構成によれば、アンローダ38は、圧縮部2の熱の影響を受けることがない。その結果、圧縮空気も液化することがない。従って、アンローダ38は、確実に動作することができる。
[0069]
 往復動圧縮機1Aは、中間筒部18を更に備える。中間筒部18は、ピストン駆動部3と容器部15との間に配置されている。中間筒部18は、ピストンロッド9を収容する。中間筒部18は、第1中間室53E、第2中間室53F及びロッドパッキン室52Rを形成する。第1中間室53E、第2中間室53F及びロッドパッキン室52Rは、ピストン駆動部3からハウジング17に向かう方向に、第1中間室53E、第2中間室53F及びロッドパッキン室52Rの順に配置されている。第1中間室53Eの内部圧力は、第2中間室53F及び第3中間室の内部圧力よりも高い。
[0070]
 これらの構成によれば、圧縮部2とピストン駆動部3との間に、第1中間室53E、第2中間室53F及びロッドパッキン室52Rが形成される。そして、ピストン駆動部3の側に設けられた第1中間室53Eの内部圧力が第2中間室53F及びロッドパッキン室52Rよりも高い。その結果、この圧力差によって、圧縮部2からピストン駆動部3へのガスの漏れを抑制することが可能である。極低温のガスの漏れを抑制することにより、ピストン駆動部3を確実に動作させることができる。
[0071]
 さらに、圧縮部2からピストン駆動部3までの間に3つの部屋を設けている。この構成によれば、圧縮部2からピストン駆動部3までの距離を長くすることができる。その結果、ピストン駆動部3に圧縮部2の熱の影響が及びにくくなる。従って、ピストン駆動部3を確実に動作させることができる。
[0072]
 以上、本開示の往復動圧縮機1A、1Bについて説明した。しかし、本開示の往復動圧縮機1A、1Bは、上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施してよい。
[0073]
 例えば、往復動圧縮機1Aのシリンダ4は、中間筒部18に直接に固定されていない。シリンダ4と中間筒部18との間には、ハウジング断熱材19とハウジング17のハウジング基端部17bとが挟み込まれていた。例えば、往復動圧縮機のシリンダ4は、ハウジング17を介することなく、中間筒部18に固定されてもよい。この場合には、シリンダ4と中間筒部18との間には、熱抵抗部としての断熱材が配置される。換言すると、熱抵抗部は、シリンダ4と中間筒部18とにそれぞれ接する。熱抵抗部が圧縮部2と中間筒部18との間に配置される構成とは、圧縮部2と中間筒部18との間に熱抵抗部のみが挟まれる構成であってもよい。実施形態のように圧縮部2と中間筒部18との間に熱抵抗部とそのほかの構成要素(ハウジング17のハウジング基端部17b)が挟まれる構成であってもよい。
[0074]
 上記の説明では、中間筒部18におけるガスの移動方向を制限する構成として、第1中間室53Eに窒素ガスを供給する構成を例示した。ガスの移動方向を制限する構成はこの構成に限定されない。ガスの移動方向を制限する構成は、圧力の管理によって窒素ガスの移動方向を制限することができる構成を適宜採用してよい。例えば、第1中間室53Eに窒素ガスを供給する構成に代えて、パッキンユニット55Aに窒素ガスを供給する構成を採用してもよい。この構成においても、パッキンユニット55Aに供給される窒素ガスの圧力は、第2中間室53Fの内部圧力よりも高くなるように設定される。
[0075]
 上記の説明では、アンローダ38の駆動機構として、圧縮気体によって駆動されるダイヤフラム48aを例示した。アンローダ38の駆動機構は、この構成に限定されない。例えば、アンローダ38の駆動機構として、ダイヤフラム48aに代えて、圧縮気体によって駆動するエアシリンダを備えてもよい。

符号の説明

[0076]
1A、1B 往復動圧縮機
2 圧縮部
3 ピストン駆動部
4 シリンダ
6 ピストン
7 吸入機構
8 吐出機構
9 ピストンロッド
11 クランクシャフト
12 駆動源
13 クランクケース
14 クロスヘッド
15 容器部
16 コネクティングロッド
17 ハウジング
17N 吸入蓋
17M 吐出蓋
18 中間筒部
19 ハウジング断熱材
21 シリンダサポート
22 ピストンロッドパッキン
23A,23B,23C パッキンユニット
24 断熱リング
26 容器外サポート
27A 下容器内サポート
27B 上容器内サポート
28 外周台座
29 内周台座
31 弾性部
32 台座基部
33 台座連結部
34 伸縮接手
36 吸入弁
38 アンローダ
48 ロッド駆動部
49 伸縮接手
51 吐出弁
52 前中間筒
52B,53B ベント
52R ロッドパッキン室
53 後中間筒
53S 供給部
53W 仕切り壁
61 ヨークロッド
100 BOG圧縮システム
200 基礎
P1,P2 圧縮空間
S 収容空間

請求の範囲

[請求項1]
 吸入弁を介してシリンダに吸い込んだガスをピストンによって圧縮すると共に、吐出弁を介して圧縮された前記ガスを吐き出す圧縮部と、
 前記ピストンに連結されたロッドを介して、前記ピストンを往復動させる力を前記ピストンに提供するピストン駆動部と、
 前記圧縮部を収容し、前記圧縮部の周囲に真空領域を形成する容器部と、を備える、往復動圧縮機。
[請求項2]
 前記容器部は、
 前記真空領域を形成するハウジングと、
 前記ハウジングと前記シリンダとの間に配置されるシリンダ保持部と、を有し、
 前記シリンダの側面は、前記シリンダの側面と対面する前記ハウジングの内面から離間し、
 前記シリンダ保持部の第1端部は、前記シリンダの側面に設けられ、
 前記シリンダ保持部の第2端部は、前記ハウジングの内面に設けられる、請求項1に記載の往復動圧縮機。
[請求項3]
 前記ピストン駆動部と前記容器部との間に配置されて、前記ロッドを収容する中間筒部と、
 前記圧縮部と前記中間筒部との間に配置される熱抵抗部と、をさらに備える、請求項1に記載の往復動圧縮機。
[請求項4]
 前記吸入弁は、前記シリンダに設けられて、前記シリンダへの前記ガスの出入りを許可する開放形態と前記ガスの出入りを禁止する閉鎖形態とを、前記シリンダの内部圧力に応じて相互に切り替え可能であり、
 前記容器部の外面側に配置されると共に、圧縮気体の提供を受けて前記吸入弁の前記閉鎖形態を強制的に前記開放形態に切り替えるアンローダをさらに備える、請求項1に記載の往復動圧縮機。
[請求項5]
 前記ピストン駆動部と前記容器部との間に配置されて、前記ロッドを収容する中間筒部を更に備え、
 前記中間筒部は、第1中間室、第2中間室及び第3中間室を形成し、
 前記第1中間室、前記第2中間室及び前記第3中間室は、前記ピストン駆動部から前記容器部に向かう方向に、前記第1中間室、前記第2中間室及び前記第3中間室の順に配置され、
 前記第1中間室の内部圧力は、前記第2中間室及び前記第3中間室の内部圧力よりも高い、請求項1に記載の往復動圧縮機。
[請求項6]
 前記ガスの液化温度は、酸素の液化温度又は窒素の液化温度よりも低い、請求項1に記載の往復動圧縮機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]