処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2020208929 - 光デバイス

Document

明 細 書

発明の名称 光デバイス

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118  

産業上の利用可能性

0119  

符号の説明

0120  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1A   1B   2A   2B   3A   3B   3C   4   5   6   7   8   9A   9B   10  

明 細 書

発明の名称 : 光デバイス

技術分野

[0001]
 本開示は、光デバイスに関する。

背景技術

[0002]
 従来、電界を印加することによって屈折率が変化する電気光学効果を示す電気光学材料を光デバイスに利用することが提案されている(例えば、特許文献1および2)。電気光学材料の中でも、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa 1-xNb :KTN)は、例えばx=0.3のとき、常温付近で高い電気光学効果を示す。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2007-3947号公報
特許文献2 : 特開2007-3949号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 本開示は、電気光学材料の電気光学効果を高く維持することが容易な光デバイスを提供する。

課題を解決するための手段

[0005]
 本開示の一態様に係る光デバイスは、直流電圧が印加される一対の電極と、前記一対の電極の間に位置する電気光学材料層と、前記電気光学材料層に流れる電流を計測する電流計と、前記電気光学材料層の加熱および冷却の少なくとも一方を行う加熱冷却素子と、前記直流電圧の値、および前記電流計によって計測される前記電流の値に基づいて、前記加熱冷却素子を制御する制御回路と、を備える。

発明の効果

[0006]
 本開示によれば、電気光学材料の電気光学効果を高く維持することが容易になる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1A] 図1Aは、本開示の例示的な実施形態における光デバイスを模式的に示すX方向から見た側面図である。
[図1B] 図1Bは、本開示の例示的な実施形態における光デバイスを模式的に示すY方向から見た側面図である。
[図2A] 図2Aは、KTN単結晶のバルクの温度と抵抗値との関係を示す図である。
[図2B] 図2Bは、KTN薄膜の温度と抵抗値との関係を示す図である。
[図3A] 図3Aは、電気光学材料層のキュリー温度を決定する制御回路の動作のフローチャートである。
[図3B] 図3Bは、電気光学材料層の電気光学効果を調整する制御回路の動作のフローチャートである。
[図3C] 図3Cは、電気光学材料層の電気光学効果を調整する制御回路の動作のフローチャートである。
[図4] 図4は、光デバイスが断熱材をさらに備える例を模式的に示す図である。
[図5] 図5は、光デバイスが電磁シールドをさらに備える例を模式的に示す図である。
[図6] 図6は、変形例における光デバイスを模式的に示す図である。
[図7] 図7は、光デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
[図8] 図8は、マッハ・ツェンダー型の光スイッチングデバイスの例を模式的に示す平面図である。
[図9A] 図9Aは、光フェーズドアレイの第1の例を模式的に示す図である。
[図9B] 図9Bは、光フェーズドアレイの第2の例を模式的に示す図である。
[図10] 図10は、KTNの温度と誘電率との関係を模式的に示す図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
[0009]
 代表的な電気光学効果として、ポッケルス(Pockels)効果、およびカー(Kerr)効果が知られている。ポッケルス効果では、電気光学材料の屈折率の変化量が、印加される電界の大きさに比例する。カー効果では、電気光学材料の屈折率の変化量が、印加される電界の大きさの2乗に比例する。ポッケルス効果を示す電気光学材料には、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO )、タンタル酸リチウム(LiTaO )、リン酸二水素カリウム(KH PO )、およびリン酸二水素アンモニウム(NH PO )がある。カー効果を示す電気光学材料には、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO )、チタン酸カリウム(KTaO )、およびKTNがある。
[0010]
 カー効果を示す電気光学材料の屈折率をn 、真空誘電率をε 、比誘電率をε 、カー係数をg、印加される電界の大きさをEとする。すると、電界印加による屈折率の変化量は、Δn=-(g/2)n ε として表される。カー係数gおよび比誘電率ε が大きいと、電界印加による屈折率の変化量Δnも大きくなる。前述したカー効果を示す電気光学材料の中でも、KTNは、常温において、大きいカー係数g、および大きい比誘電率ε を有する。例えば、カー係数gは、0.1m -2程度のオーダーであり、比誘電率の最大値はε =1.0×10 程度のオーダーである。
[0011]
 図10は、KTNの温度Tと比誘電率ε との関係を模式的に示す図である。KTNは強誘電体である。強誘電体は、温度Tを高くすると、キュリー温度T で強誘電相から常誘電相への相転移を示す。強誘電体の比誘電率ε は、温度Tを高くすると、強誘電相ではキュリー温度T に近づくにつれて急峻に増加し、常誘電相では緩やかに減少する。図10に示すように、比誘電率ε は、キュリー温度T において最大化される。このため、高い電気光学効果を得るために、KTNの温度Tは、キュリー温度T 付近に調整される。比誘電率ε が急峻に変化する強誘電体相では、KTNの温度Tがキュリー温度Tcから離れると、電気光学効果が急激に低くなる。一方、比誘電率ε が緩やかに変化する常誘電体相では、KTNの温度Tがキュリー温度Tcから離れても、電気光学効果が急激に低くなることはない。したがって、常誘電体相において、KTNの温度Tを、キュリー温度T 付近に調整することにより、比誘電率ε を高い状態に維持することが容易にできる。KTNのキュリー温度T は、NbとTaとの組成比を適切な比に設定することにより、常温付近に設定することができる。以上の理由により、常温付近で高い電気光学効果を示すKTNの光デバイスへの応用が期待されている。
[0012]
 比誘電率ε は、電気容量に反映される。特許文献1および特許文献2は、高い電気光学効果を得るために、計測した電気光学材料の電気容量に基づいてKTNの温度Tを調整する技術を開示している。電気容量の計測用の一対の電極には、交流電圧が印加される。電気容量の計測には、LCRメータまたは電気化学測定システムが用いられる。このため、光デバイスの構造の複雑化を招く。
[0013]
 本発明者は、以上の検討に基づき、以下の項目に記載の光デバイスに想到した。
[0014]
 第1の項目に係る光デバイスは、直流電圧が印加される一対の電極と、前記一対の電極の間に位置する電気光学材料層と、前記電気光学材料層に流れる電流を計測する電流計と、前記電気光学材料層の加熱および冷却の少なくとも一方を行う加熱冷却素子と、前記直流電圧の値、および前記電流計によって計測される前記電流の値に基づいて、前記加熱冷却素子を制御する制御回路と、を備える。
[0015]
 この光デバイスでは、一対の電極に印加される電圧の値と、電流計によって計測される電流の値に基づいて、電気光学材料層が、加熱冷却素子によって加熱または冷却される。これにより、電気光学材料の電気光学効果を高く維持することが容易になる。
[0016]
 第2の項目に係る光デバイスは、第1の項目に係る光デバイスにおいて、前記制御回路が、前記直流電圧の値を変化させることにより、前記電気光学材料層の屈折率を変化させる。
[0017]
 この光デバイスでは、一対の電極が、電気光学材料層の抵抗値を計測するためだけでなく、電気光学材料層の屈折率を変化させるためにも用いられる。これにより、光デバイスの構造を簡単化することができる。
[0018]
 第3の項目に係る光デバイスは、第2の項目に係る光デバイスにおいて、前記屈折率の変化により、前記電気光学材料層を導波する光の位相を制御する。
[0019]
 この光デバイスでは、電気光学材料層を導波する光の位相を制御することができる。
[0020]
 第4の項目に係る光デバイスは、第1から第3の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記直流電圧が、直流パルス電圧である。
[0021]
 この光デバイスでは、直流パルス電圧のデューティ比を変えることにより、直流パルス電圧が平均化された値を、直流電圧の値として調整することができる。
[0022]
 第5の項目に係る光デバイスは、第1から第4の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記制御回路が、前記直流電圧の値と前記電流の値とから前記電気光学材料層の抵抗値を算出し、前記加熱冷却素子による加熱および冷却の少なくとも一方による前記抵抗値の変化に基づき、前記加熱冷却素子を制御する。
[0023]
 この光デバイスでは、直流電圧の値と電流の値に基づいて、加熱冷却装置を制御することができる。
[0024]
 第6の項目に係る光デバイスは、第1から第5の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記光デバイスが、温度計をさらに備える。前記制御回路は、動作開始時に、前記温度計によって計測された温度が基準温度よりも低いとき、前記加熱冷却素子に前記電気光学材料層を加熱させ、前記温度計によって計測された温度が基準温度よりも高いとき、前記加熱冷却素子に前記電気光学材料層を冷却させる。
[0025]
 この光デバイスでは、温度計により、動作開始時の電気光学材料層の温度を知ることができる。当該温度に基づいて、電気光学材料層を加熱または冷却することができる。
[0026]
 第7の項目に係る光デバイスは、第6の項目に係る光デバイスにおいて、前記電気光学材料層が、強誘電体によって構成されている。前記基準温度は、前記強誘電体のキュリー温度である。
[0027]
 この光デバイスでは、強誘電体によって構成されている電気光学材料層により、高い電気光学効果が得られる。
[0028]
 第8の項目に係る光デバイスは、第6または第7の項目に係る光デバイスにおいて、前記制御回路が、前記一対の電極に直流電圧を印加し、前記加熱冷却素子に、前記電気光学材料層を加熱または冷却させ、前記電気光学材料層を加熱または冷却することによる前記電流の値の変化、および前記直流電圧の値に基づいて、前記基準温度を決定する。
[0029]
 この光デバイスでは、電気光学材料層の温度依存性に基づいて、基準温度が決定される。
[0030]
 第9の項目に係る光デバイスは、第1から第8の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記加熱冷却素子が、ペルチェ素子を含む。
[0031]
 この光デバイスでは、ペルチェ素子を含む加熱冷却素子により、電気光学材料層が加熱または冷却される。
[0032]
 第10の項目に係る光デバイスは、第1から第9の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記電気光学材料層の少なくとも一部を覆う断熱材をさらに備える。
[0033]
 この光デバイスでは、断熱材により、外気の温度変化に起因する電気光学材料層の温度変化を抑制することができる。
[0034]
 第11の項目に係る光デバイスは、第1から第10の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記電気光学材料層の少なくとも一部を覆う電磁シールドをさらに備える。
[0035]
 この光デバイスでは、電磁シールドにより、光デバイスの外部および/または加熱冷却素子からの電磁ノイズを遮蔽することができる。
[0036]
 第12の項目に係る光デバイスは、第1から第11の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記電気光学材料層が、タンタル酸ニオブ酸カリウムを含む。
[0037]
 この光デバイスでは、タンタル酸ニオブ酸カリウムを含む電気光学材料層により、常温付近で高い電気光学効果を得ることができる。
[0038]
 第13の項目に係る光デバイスは、第1から第12の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記電気光学材料層の厚さが、0.1μm以上10μm以下である。
[0039]
 厚さが0.1μm以上10μm以下である電気光学材料層により、電気光学材料層のコストを低くすることができる。
[0040]
 第14の項目に係る光デバイスは、第1から第13の項目のいずれかに係る光デバイスにおいて、前記電流計と、前記一対の電極の一方との間に、前記電気光学材料層の絶縁破壊防止用の抵抗器をさらに備える。
[0041]
 この光デバイスでは、上記の抵抗器により、一対の電極に高い電圧を印加しても、電気光学材料層の絶縁破壊を防止することができる。
[0042]
 第15の項目に係る光デバイスは、直流電圧がそれぞれ印加される複数の電極対と、前記複数の電極対の各々の間に位置する、電気光学材料層と、各々が、前記複数の電極対のうちの対応する1つの電極対によって挟まれる前記電気光学材料層の部位に流れる電流を計測する複数の電流計と、各々が、前記複数の電極対のうちの対応する1つの電極対によって挟まれる前記電気光学材料層の部位の加熱および冷却の少なくとも一方を行う複数の加熱冷却素子と、前記複数の電極対の各々に印加される前記直流電圧の値、および前記複数の電流計の各々によって計測される前記電流の値に基づいて、前記複数の加熱冷却素子の各々を制御する制御回路と、を備える。
[0043]
 この光デバイスでは、複数の電極対の各々に印加される電圧の値と、複数の電流計の各々によって計測される電流の値に基づいて、複数の電極対のうちの対応する1つの電極対によって挟まれる電気光学材料層が、加熱冷却素子によって加熱または冷却される。これにより、当該電気光学材料の電気光学効果を高く維持することが容易になる。
[0044]
 本開示において、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部、またはブロック図における機能ブロックの全部または一部は、例えば、半導体装置、半導体集積回路(IC)、またはLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路によって実行され得る。LSIまたはICは、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、1つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、もしくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、またはLSI内部の接合関係の再構成またはLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
[0045]
 さらに、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部の機能または動作は、ソフトウェア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウェアは1つまたは複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウェアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウェアで特定された機能が処理装置(processor)および周辺装置によって実行される。システムまたは装置は、ソフトウェアが記録されている1つまたは複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、および必要とされるハードウェアデバイス、例えばインターフェースを備えていてもよい。
[0046]
 以下、図面を参照しながら、本開示のより具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複する説明を省略することがある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似する構成要素については、同じ参照符号を付している。
[0047]
 (実施形態)
 図1Aおよび図1Bは、本開示の例示的な実施形態における光デバイス100を模式的に示す図である。以下の説明において、図1Aおよび図1Bに示す互いに直交するX、Y、Z軸からなる座標系を用いる。説明の便宜上、+Z方向を「上方向」と称し、-Z方向を「下方向」と称する。これらの呼称は、便宜上のものにすぎず、現実に使用される光デバイス100の配置または姿勢を限定することを意図するものではない。
[0048]
 図1Aは、+X方向から見た光デバイス100の構造を模式的に示している。図1Bは、-Y方向から見た光デバイス100の構造を模式的に示している。図1Bでは、図1Aに示す構成要素の一部のみを示している。
[0049]
 光デバイス100は、基板10と、第1の電極20aおよび第2の電極20bと、電気光学材料層30と、電流計40と、抵抗器42と、加熱冷却素子50と、温度計60と、制御回路70とを備える。基板10、第1の電極20a、電気光学材料層30、第2の電極20bは、この順に積層されている。
[0050]
 基板10は、XY平面に平行な第1の面10s1および第2の面10s2を有する。第1の電極20aは、基板10の第1の面10s1上に位置する。電気光学材料層30は、第1の電極20a上に位置する。第2の電極20bは、電気光学材料層30上に位置する。第1の電極20aおよび第2の電極20bを、「一対の電極20」と称することがある。電気光学材料層30は、一対の電極20の間に位置する。電流計40は、第2の電極20bに接続されている。電流計40と第2の電極20bとの間に抵抗器42が接続されている。抵抗器42は、電気光学材料層30に過度に高い電圧が印加されることを防止するために設けられる。言い換えれば、抵抗器42は、電気光学材料層30の絶縁破壊防止のために設けられている。抵抗器42は、必要に応じて設けられる。加熱冷却素子50は、基板10の第2の面10s2に接している。基板10および加熱冷却素子50には、それぞれ反りが存在する。このため、熱伝導性の接着剤を用いて、基板10と加熱冷却素子50とを固定してもよい。温度計60は、例えば電気光学材料層30の近傍に位置する。基板10と、第1の電極20aおよび第2の電極20bと、電気光学材料層30と、加熱冷却素子50とは、X方向に延びた構造を有する。
[0051]
 以下に、各構成要素をより具体的に説明する。
[0052]
 基板10は、一対の電極20、および電気光学材料層30を支持する。基板10は、例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO :STO)、酸化マグネシウム(MgO)、五酸化タンタル(Ta )からなる群から選択される少なくとも1つから形成され得る。基板10は、不要であれば省略してもよい。
[0053]
 一対の電極20には、直流電圧が印加される。第1の電極20aは接地され、第2の電極20bには、電圧値V DCの直流電圧が印加される。これにより、一対の電極20の間において、下方向に電界が発生する。当該電界により、電気光学材料層30の屈折率が変化する。第2の電極20bに加える電位は、正でも負でもよい。直流電圧は、直流パルス電圧であってもよい。直流パルス電圧のデューティ比を変えることにより、直流パルス電圧が平均化された値を、直流電圧の値として調整することができる。一対の電極20は、後述するように、電気光学材料層30の抵抗値Rの計測にも用いられる。一対の電極20の少なくとも一方は、金属電極であってもよいし、透明電極であってもよい。第1の電極20aは、例えば、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO :SRO)から形成された透明電極であり得る。第2の電極20bは、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)から形成された透明電極であり得る。
[0054]
 電気光学材料層30は、図1Bに示すように、全反射によって光32をX方向に沿って伝搬させる光導波層として機能する。電界印加による電気光学材料層30の屈折率の変化量Δnにより、電気光学材料層30内を伝搬する光32の位相を変化させることができる。光32の空気中での波長をλとし、電界を印加しないときの電気光学材料層30の屈折率をn とし、電気光学材料層30のX方向における長さをLとし、電気光学材料層30内を伝搬する前の光32の位相をφ=0とする。このとき、電気光学材料層30内を伝搬した後の光32の位相は、φ=(2π/λ)(n +Δn)Lである。このうち、電界印加による光32の位相の変化は、Δφ=(2π/λ)ΔnLである。なお、一対の電極20が透明電極から形成されているとき、光32のロスは無視できる。電気光学材料層30は、後述するように、バルクから形成されていてもよいし、薄膜から形成されていてもよい。薄膜の厚さは、例えば0.1um以上10um以下であり得る。薄膜のコストは、バルクのコストよりも低い。電気光学材料層30は、キュリー温度T を有する強誘電体を含む。電気光学材料層30は、例えば、KTNから形成されている。
[0055]
 電流計40は、一対の電極20に直流電圧を印加することによって電気光学材料層30に流れる電流を計測する。直流電圧の値と電流の値との比から、電気光学材料層30の抵抗値Rが算出される。電気光学材料層30は一般に高抵抗である。したがって、電気光学材料層30の抵抗の計測には、4端子法を用いる必要はない。図1Aに示すように、第1の電極20aおよび第2の電極20bにそれぞれ接続された端子を用いる2端子法で十分である。電流計40と第2の電極20bとの間の抵抗器42の抵抗値は、例えば500kΩ以上である。これにより、電圧値V DC=300Vの直流電圧が印加されても、電気光学材料層30の絶縁破壊を防止することができる。なお、抵抗器42は、光デバイス100に必ずしも必要ではない。
[0056]
 加熱冷却素子50は、電気光学材料層30の加熱および冷却の少なくとも一方を行う。加熱冷却素子50は、例えばペルチェ素子である。平板のペルチェ素子に電流を流すと、平板のうち、一方の面において発熱が生じ、他方の面において吸熱が生じる。電流の流れる方向を逆にすると、上記一方の面において吸熱が生じ、上記他方の面において発熱が生じる。図1Aおよび図1Bに示す例では、加熱冷却素子50は、基板10および第1の電極20aを介して、電気光学材料層30を加熱または冷却する。このとき、基板10、第1の電極20a、および電気光学材料層30は、ほぼ同じ温度を有すると考えられる。
[0057]
 図1Aおよび図1Bに示す例では、加熱冷却素子50は、基板10の第2の面10s2全体に接触している。これにより、電気光学材料層30のうち、電界印加によって屈折率が変化する部分だけでなく、他の部分も加熱または冷却される。加熱冷却素子50の配置は、図1Aおよび図1Bに示す例に限定されない。加熱冷却素子50は、電気光学材料層30のうち、電界印加によって屈折率が変化する部分だけを加熱または冷却するように設けられていてもよい。あるいは、加熱冷却素子50は、電気光学材料層30のXZ平面に平行な面に直接接触していてもよい。
[0058]
 温度計60は、電気光学材料層30の周辺温度T を計測する。加熱冷却素子50による電気光学材料層30の加熱または冷却を開始する動作前では、電気光学材料層30の温度Tは、周辺温度T とほぼ同じであると考えられる。したがって、温度計60によって計測された周辺温度T から、加熱冷却素子50の動作前の電気光学材料層30の温度Tを知ることができる。温度計60は、アナログ温度計であってもよいし、デジタル温度計であってもよい。なお、温度計60は、光デバイス100に必ずしも必要ではない。
[0059]
 制御回路70は、一対の電極20に直流電圧を印加する。制御回路70は、電流計40によって電流を計測する。制御回路70は、直流電圧の値、および電流計40によって計測される電流の値に基づいて、電気光学材料層30を加熱または冷却させる信号を加熱冷却素子50に入力する。制御回路70は、温度計60によって周辺温度T を計測する。図1Aに示す矢印付きの破線は、制御回路70と他の構成要素との信号の入出力を表している。制御回路70の動作により、電気光学材料層30の温度Tは、キュリー温度T に近づく。これにより、電気光学材料層30の電気光学効果を高めることができる。制御回路70の動作の詳細については、後述する。制御回路70は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブルロジックデバイス(PLD)、または中央演算処理装置(CPU)もしくは画像処理用演算プロセッサ(GPU)とコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
[0060]
 次に、電気光学材料層30の温度Tと抵抗値Rとの関係を説明する。
[0061]
 図2Aおよび図2Bは、それぞれ、KTN単結晶のバルクおよびKTN薄膜の温度Tと抵抗値Rとの関係を示す図である。KTN単結晶のバルクおよびKTN薄膜の各々の表面に、一対の電極が形成された。当該一対の電極に印加された電圧および電流が測定された。一対の電極の各々は、200μmの電極間ギャプを有する櫛形電極である。なお、櫛形電極の代わりに、平行平板の電極を用いてもよい。垂直の破線は、電気光学材料層30のキュリー温度T を表している。電気光学材料層30の抵抗値Rは、直流電圧の値と、電流計40によって計測される電流の値との比から得られる。図2Aに示す例では、KTN単結晶のバルクのZ方向における厚さは、500μmである。一対の電極には電圧値V DC=100Vの直流電圧が印加された。図2Bに示す例では、KTN薄膜のZ方向における厚さは、1μmである。一対の電極には電圧値V DC=220Vの直流電圧が印加された。
[0062]
 図2Aに示す例では、KTN単結晶のバルクのキュリー温度はT ≒30℃であると推定される。KTN単結晶のバルクの抵抗値Rは、T=25℃からT=T までの間において、温度上昇とともにほぼ単調に増加する。抵抗値Rの増加率は、温度上昇とともに大きくなる。抵抗値は、T=T からT=35℃までの間でほぼ一定である。すなわち、KTN単結晶のバルクの温度Tを上昇させると、キュリー温度T を境にして、抵抗値Rは増加しなくなる。これにより、KTN単結晶のバルクのキュリー温度T を推定することができる。
[0063]
 図2Bに示す例では、KTN薄膜のキュリー温度はT ≒28℃であると推定される。KTN薄膜の抵抗値Rは、T=20℃からT=Tcの間において、温度上昇とともにほぼ単調に増加する。抵抗値Rの増加率は、温度上昇とともに小さくなる。薄膜の温度特性は、結晶の温度特性と同様であると考えられる。ただし、本薄膜において、強誘電相では抵抗値の上昇率が緩やかになり、常誘電相では抵抗値が多少増減した。本薄膜でのこのような抵抗値の温度依存性は、薄膜の膜質に起因すると考えられる。以上のように、KTN薄膜の温度Tを上昇させると、キュリー温度T を境にして、抵抗値Rは、増加から減少に転じる。これにより、KTN薄膜のキュリー温度T を知ることができる。
[0064]
 図2Aおよび図2Bに示すように、KTNの抵抗値Rは、キュリー温度T 付近において顕著に異なる温度依存性を有する。従来、特許文献1および特許文献2に開示されているように、KTNの電気容量が、キュリー温度T 付近において顕著に異なる温度依存性を有することは知られていた。これは、電気容量が、図10に示す比誘電率ε に依存するからである。しかし、KTNの抵抗値Rが上記のような温度依存性を有することは想定されていなかった。本発明者は、電気光学材料層30の温度Tと抵抗値Rとの関係に基づいて、KTNの電気光学効果を高く維持することを容易にできることを見出した。
[0065]
 以下に、制御回路70の動作の詳細を説明する。
[0066]
 まず、電気光学材料層30の電気光学効果を高く維持する動作の前に、電気光学材料層30のキュリー温度T が推定される。
[0067]
 図3Aは、電気光学材料層30のキュリー温度T を決定する制御回路70の動作のフローチャートである。
[0068]
 ステップS101において、制御回路70は、一対の電極20に直流電圧を印加する。ステップS102において、制御回路70は、電気光学材料層30に流れる電流を電流計40によって計測する。ステップS103において、制御回路70は、加熱冷却素子50に、電気光学材料層30を加熱または冷却させる。電気光学材料層30を加熱または冷却することにより、電気光学材料層30に流れる電流は変化する。電流計40によって計測される電流の値の変化、および直流電圧の値から、電気光学材料層30の抵抗値Rの変化がモニタされる。抵抗値Rの当該変化から、抵抗値Rの温度依存性を知ることができる。ステップS104において、制御回路70は、電気光学材料層30の抵抗値Rの変化に基づいて、キュリー温度T を推定する。キュリー温度T は、図2Aおよび図2Bを参照して説明したように、電気光学材料層30の温度Tと抵抗値Rとの関係に基づいて推定することができる。抵抗値Rの温度依存性から、電気光学材料層30における結晶相の相転移点を推定し、相転移点に対応する温度がキュリー温度T であると推定することができる。
[0069]
 制御回路70は、決定された電気光学材料層30のキュリー温度T を、メモリなどの不図示の記憶媒体に記録してもよい。これにより、動作のたびに、その直前に電気光学材料層30のキュリー温度T を求める必要がない。制御回路70は、図2Aおよび図2Bに示す電気光学材料層30の温度Tおよび抵抗値Rとの関係を記憶媒体に記録してもよい。これにより、電気光学材料層30の抵抗値Rの温度依存性から、電気光学材料層30のキュリー温度T を推定することができる。記憶媒体は、制御回路70に内蔵されていてもよいし、外部に設けられていてもよい。
[0070]
 次に、電気光学材料層30のキュリー温度T が既知であるとして、電気光学材料層30の温度Tを調整する動作の例を説明する。
[0071]
 図3Bは、電気光学材料層30の電気光学効果を高く維持する制御回路70の動作の例を示すフローチャートである。
[0072]
 ステップS201において、制御回路70は、動作開始時に、電気光学材料層30の周辺温度T を、温度計60によって計測する。温度計60が電気光学材料層30の近傍に配置されている場合、電気光学材料層30の周辺温度T は、電気光学材料層30の温度Tに相当する。
[0073]
 ステップS202において、制御回路70は、電気光学材料層30の周辺温度T がキュリー温度T よりも低いか否かを判定する。ステップS202における判定がYesの場合(T <T )、制御回路70は、次のステップS203を実行する。
[0074]
 ステップS203において、制御回路70は、加熱冷却素子50に、電気光学材料層30を加熱させる。
[0075]
 ステップS204において、制御回路70は、電気光学材料層30の抵抗値Rを計測し、電気光学材料層30の抵抗値Rから決定される電気光学材料層30の推定温度T が、キュリー温度T よりも高いか否かを判定する。ステップS204における判定がNoの場合(T <T またはT =T )、制御回路70は、次のステップS205を実行する。
[0076]
 ステップS205において、制御回路70は、電気光学材料層30の推定温度T が、キュリー温度T よりも低いか否かを判定する。ステップS205における判定がYesの場合(T <T )、制御回路70は、ステップS203およびステップS204を再び実行する。ステップS205における判定がNoの場合(T =T )、制御回路70は、再びS204を実行する。
[0077]
 ステップS204における判定がYesの場合、制御回路70は、次のステップS206を実行する。
[0078]
 ステップS206において、制御回路70は、加熱冷却素子50に電気光学材料層30を冷却させる、または加熱冷却素子50の動作を停止させる。電気光学材料層30の冷却速度を考慮しないのであれば、加熱冷却素子50の動作を停止して電気光学材料層30を自然に冷ましてもよい。その後、制御回路70は、ステップS204を再び実行する。
[0079]
 一方、ステップS202における判定がNoの場合(T >T またはT =T )、制御回路70は、次のステップS207を実行する。
[0080]
 ステップS207において、制御回路70は、電気光学材料層30の周辺温度T がキュリー温度T よりも高いか否かを判定する。ステップS202における判定がNoの場合(T =T )、制御回路70は、ステップS202を再び実行する。ステップS207における判定がYesの場合(T >T )、制御回路70は、次のステップS208を実行する。
[0081]
 ステップS208において、制御回路70は、加熱冷却素子50に、電気光学材料層30を冷却させる。
[0082]
 ステップS209において、制御回路70は、電気光学材料層30の抵抗値Rを計測し、電気光学材料層30の抵抗値Rから決定される電気光学材料層30の推定温度T が、キュリー温度T よりも低いか否かを判定する。ステップS209における判定がNoの場合(T >T またはT =T )、制御回路70は、次のステップS210を実行する。
[0083]
 ステップS210において、制御回路70は、電気光学材料層30の推定温度T が、キュリー温度T よりも高いか否かを判定する。ステップS210における判定がYesの場合(T >T )、制御回路70は、S208およびS209を再び実行する。ステップS210における判定がNoの場合(T =T )、制御回路70は、再びS209を実行する。
[0084]
 ステップS209における判定がYesの場合(T <T )、制御回路70は、次のステップS211を実行する。
[0085]
 ステップS211において、制御回路70は、加熱冷却素子50に電気光学材料層30を加熱させる、または加熱冷却素子50の動作を停止させる。電気光学材料層30の加熱速度を考慮しないのであれば、加熱冷却素子50の動作を停止して電気光学材料層30を自然に温めてもよい。その後、制御回路70は、ステップS209を再び実行する。
[0086]
 制御回路70は、動作中、ステップS204またはステップS209を、例えば、1秒ごとに繰り返し実行する。制御回路70は、ステップS201からステップS211のうちの任意のステップの後に動作を停止してもよい。
[0087]
 ステップS204、ステップS205、ステップS209、およびステップS210において、制御回路70は、抵抗値Rから決定される電気光学材料層30の推定温度T を、抵抗値Rに基づいて所定の演算式によって算出してもよい。あるいは、制御回路70は、推定温度T を、抵抗値Rと推定温度T との関係を示すデータテーブルを参照することによって決定してもよい。当該データテーブルは、不図示の記憶媒体に記録されている。
[0088]
 また、ステップS204、ステップS205、ステップS209、およびステップS210において、推定温度T を算出または参照する必要はない。抵抗値R自体、または、所定の加熱/冷却エネルギーに対する抵抗値Rの変化率を、予め記憶された閾値と比較することにより、電気光学材料層30を加熱すべきか、冷却すべきかを決定してもよい。制御回路70は、電気光学材料層30の抵抗値Rが閾値よりも低い場合、電気光学材料層30を加熱する。制御回路70は、電気光学材料層30の抵抗値Rが閾値よりも高い場合、電気光学材料層30を冷却する。あるいは、制御回路70は、電気光学材料層30の抵抗値Rの変化率が閾値よりも高い場合、電気光学材料層30を加熱する。制御回路70は、電気光学材料層30の抵抗値Rの変化率が閾値よりも低い場合、電気光学材料層30を冷却する。
[0089]
 図3Bに示す動作により、制御回路70は、電気光学材料層30の温度Tをキュリー温度T 付近に調整することができる。これにより、電気光学材料層30の電気光学効果を高く維持することができる。また、キュリー温度T の代わりに、キュリー温度T 以上の温度を基準温度T として、電気光学材料層30の温度Tを調整してもよい。これにより、電気光学材料層30の温度Tが基準温度T 以下になっても、図10に示すように比誘電率ε が緩やかに変化する常誘電相において、電気光学材料層30の電気光学効果が急激に低くなることはない。キュリー温度T 以上である基準温度をT =T +ΔTとすると、ΔTは、例えば5℃以下に設定され得る。
[0090]
 図3Cは、電気光学材料層の推定温度を求めず、抵抗値Rにより直接に加熱冷却制御を行う場合の制御回路70の動作を示すフローチャートである。この場合、必ずしも温度計を用いる必要はない。
[0091]
 ステップS301において、制御回路70は、一対の電極20に直流電圧を印加し、電流計40により電気光学材料層30に流れる電流を計測する。ステップS302において、制御回路70は、加熱冷却素子50に、電気光学材料層30を加熱または冷却させる。ステップS303において、制御回路70は、加熱または冷却に伴う電流値の変化に基づいて、温度変化に対する電気光学材料層30の抵抗値の変化率をモニタする。ステップS304において、制御回路70は抵抗値の変化率が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。ステップS304における判定がYesの場合、制御回路70は、ステップS305を実行する。ステップS305において、制御回路70は、加熱冷却素子50に、電気光学材料層30を加熱させる。ステップS304における判定がNoの場合、制御回路70は、ステップS306を実行する。ステップS306において、制御回路70は、加熱冷却素子50に、電気光学材料層30を冷却させる。ステップS305およびステップS306の後、制御回路70は、再びステップS303を実行する。
[0092]
 図3Cに示す例によれば、電気光学材料層30のキュリー温度T の値、および現在の温度が未知であっても、電気光学材料層30の温度をキュリー温度T 付近に調整することができる。これにより、電気光学効果を高く維持することができる。
[0093]
 なお、図3Cに示す例においても、温度計により周辺温度T を計測し、メモリに記憶された基準温度よりも高いか低いかにより、ステップS302において加熱すべきか冷却すべきかを決定してもよい。
[0094]
 本実施形態における光デバイス100では、一対の電極20は、屈折率を変化させるための電界印加の他に、電気光学材料層30の抵抗値Rの計測にも用いることができる。これにより、光デバイス100の構造を簡単化することができる。また、電界印加の位置と、抵抗値Rの計測の位置とが同じであることから、電気光学材料層30中の結晶性のばらつきおよび/または組成比のばらつきに起因する電気光学材料層30の各位置におけるキュリー温度T の違いを考慮する必要がない。また、抵抗値Rの計測には、交流電圧ではなく直流電圧が印加される。これにより、直流電圧と直流電流の比である抵抗値Rの計測が容易になる。
[0095]
 光デバイス100は、以下の構成要素をさらに備えてもよい。
[0096]
 図4は、光デバイス100が断熱材80をさらに備える例を模式的に示す図である。図4では、一部の構成要素の図示が省略されている。断熱材80は、電気光学材料層30の少なくとも一部を覆う。図4に示す例では、図1Aに示す電気光学材料層30のうち、外気に触れる部分が、断熱材80で覆われる。これにより、外気の温度変化に起因する電気光学材料層30の温度変化を抑制することができる。断熱材80は、電気光学材料層30の上記の部分に直接接触する必要はない。さらに、図4に示すように、図1Aに示す基板10、第1の電極20a、および第2の電極20bのうち、外気に触れる部分を、断熱材で覆っていてもよい。これにより、外気の温度変化に起因する基板10、第1の電極20a、および、第2の電極20bの温度変化を抑制することができる。その結果、外気の温度変化に起因する電気光学材料層30の温度変化をさらに抑制することができる。断熱材80は、基板10、第1の電極20a、および、第2の電極20bの上記の部分に直接接触する必要はない。断熱材80は、例えば、エポキシ樹脂から形成され得る。
[0097]
 図5は、光デバイス100が電磁シールド90をさらに備える例を模式的に示す図である。図5では、一部の構成要素の図示が省略されている。電磁シールド90は、電気光学材料層30の少なくとも一部を覆う。図5に示す例では、基板10、第1の電極20a、電気光学材料層30、および第2の電極20bが、電磁シールド90で覆われている。これにより、光デバイス100の外部および/または加熱冷却素子50からの電磁ノイズを遮蔽することができる。その結果、電気光学材料層30の抵抗を計測する際の電磁ノイズの影響を抑制することができる。電磁シールド90は、電気光学材料層30に直接接触する必要はない。電磁シールド90は、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、および鉄からなる群から選択される少なくとも1つから形成されている。なお、図5に示す電磁シールド90の内部に、図4に示す断熱材80を設けてもよい。
[0098]
 上記の例以外に、光デバイス100の変形例として、複数の電極対によって電気光学材料層30に直流電圧を印加してもよい。
[0099]
 図6は、変形例における光デバイス110を模式的に示す図である。図6では、一部の構成要素の図示が省略されている。図6に示す例では、図1Aに示す第2の電極20bの代わりに、第3の電極20ba、第4の電極20bb、および第5の電極20bcが位置している。第3の電極20ba、第4の電極20bb、および第5の電極20bcには、それぞれ、第1の電圧値V DCa、第2の電圧値V DCb、および第3の電圧値V DCcの直流電圧が印加される。第3の電極20ba、第4の電極20bb、および第5の電極20bcの各々と、対向する第1の電極20aの一部とを、一対の電極と考えることができる。図6に示す例では、図1Aに示す電流計40の代わりに、第1の電流計40a、第2の電流計40b、および第3の電流計40cが設けられている。図6に示す例では、図1Aに示す加熱冷却素子50の代わりに、第1の加熱冷却素子50a、第2の加熱冷却素子50b、および第3の加熱冷却素子50cが位置している。
[0100]
 図6に示す例では、第3の電極20ba、第4の電極20bb、および第5の電極20bcにより、電気光学材料層30の3つの部分の屈折率を別々に変化させることができる。これにより、電気光学材料層30の上記3つの部分をそれぞれ伝搬する光の位相を別々に調整することができる。第1の電圧値V DCa、第2の電圧値V DCb、および第3の電圧値V DCcがすべて等しいとき、電気光学材料層30の上記3つの部分の屈折率の変化量は等しい。第1の電圧値V DCa、第2の電圧値V DCb、および第3の電圧値V DCcのうちの少なくとも一部が異なるとき、電気光学材料層30の上記3つの部分の屈折率の変化量のうちの少なくとも一部が異なる。第1の電圧値V DCa、第2の電圧値V DCb、および第3の電圧値V DCcがすべて異なるとき、電気光学材料層30の上記3つの部分の屈折率の変化量はすべて異なる。
[0101]
 図6に示す例では、第1の電流計40a、第2の電流計40b、および第3の電流計40c、ならびに、第1の加熱冷却素子50a、第2の加熱冷却素子50b、および第3の加熱冷却素子50cにより、電気光学材料層30の上記3つの部分の温度を別々に調整することができる。
[0102]
 図6に示す光デバイス110では、電気光学材料層30の上記3つの部分での結晶性および/または組成比が異なる場合、上記3つの部分でのキュリー温度T が異なる可能性がある。この場合でも、上記3つの部分の温度をそれぞれのキュリー温度T 付近に調整することにより、高い電気光学効果を得ることができる。電気光学材料層30の上記3つの部分は、分離していてもよい。
[0103]
 以上のように、本変形例における光デバイス110は、複数の電極対と、電気光学材料層30と、複数の加熱冷却素子と、制御回路70とを備える。複数の電極対には、直流電圧がそれぞれ印加される。複数の電極対の各々の間に、電気光学材料層30が位置する。複数の加熱冷却素子の各々は、複数の電極対のうちの対応する1つの電極対によって挟まれる電気光学材料層30の部位の加熱および冷却の少なくとも一方を行う。制御回路70は、電気光学材料層30の当該部位の抵抗値に基づいて、電気光学材料層30の当該部位を加熱または冷却させる信号を複数の加熱冷却素子の各々に入力する。電気光学材料層30の当該部位の抵抗値は、複数の電極対の各々に印加される直流電圧の値と、複数の電流計の各々によって計測される電流の値との比によって決定される。電気光学材料層30の当該部位を加熱または冷却する制御回路70の動作は、図3Aおよび図3Bに示す通りである。
[0104]
 (製造方法)
 以下に、光デバイス100の製造方法を説明する。
[0105]
 図7は、光デバイス100の製造工程を示すフローチャートである。光デバイス100の製造方法は、以下のステップS401からステップS405を含む。
[0106]
 ステップS401において、STO基板が用意される。STO基板は、図1Aに示す基板10に相当する。ステップS402において、STO基板の第1の面上に、SRO薄膜およびKTN薄膜がエピタキシャル成長によって形成される。SRO薄膜は、図1Aに示す第1の電極20aに相当する。KTN薄膜は、図1Aに示す電気光学材料層30に相当する。成膜には、PLD(Pulsed Laser Deposition)装置が用いられる。PLD装置の真空チャンバ内に、STO基板と、SROから形成されたターゲットとが対向して配置される。対向距離は25mmである。真空チャンバ内を真空排気した後O ガスを注入することにより、真空チャンバ内の圧力が1Paになる。STO基板は650℃に加熱される。SROから形成されたターゲットは、エキシマレーザで照射される。これにより、STO基板の第1の面10s1上に、SRO薄膜がエピタキシャル成長によって形成される。同様の手法により、SRO薄膜が第1の面10s1上に形成されたSTO基板が800℃に加熱され、KTNから形成されたターゲットがエキシマレーザで照射される。これにより、SRO薄膜上に、KTN薄膜がエピタキシャル成長によって形成される。冷却後、SRO薄膜およびKTN薄膜が第1の面10s1上方に形成されたSTO基板が、真空チャンバから取り出される。
[0107]
 ステップS403において、高周波スパッタ装置を用いて、KTN薄膜上にITO薄膜が形成される。ITO薄膜は、図1Aに示す第2の電極20bに相当する。高周波スパッタ装置の真空チャンバ内に、STO基板と、ITOから形成されたターゲットが対向して配置される。対向距離は70mmである。当該STO基板は、SRO薄膜、およびスパッタリング用のメタルマスクが貼り付けられたKTN薄膜を含む。メタルマスクが貼り付けられた箇所には、ITO薄膜は形成されない。これにより、ITO薄膜が形成される。メタルマスクは必ずしも必要ではない。真空チャンバ内を真空排気した後O ガスを注入することにより、真空チャンバ内の圧力が1Paになる。RFパワー137Wで170秒スパッタリングすることにより、膜厚100nmのITO薄膜が、KTN薄膜上に形成される。
[0108]
 ステップS404において、STO基板の第2の面10s2に、加熱冷却素子50が取り付けられる。ステップS405において、ITO薄膜に、図1Aに示す電流計40が取り付けられる。
[0109]
 (応用例)
 本実施形態における光デバイス100では、制御回路70は、一対の電極20に印加される直流電圧の値を変化させることにより、電気光学材料層30の屈折率を変化させる。これにより、電気光学材料層30内を伝搬する光32の位相が変化する。前述したように電気光学材料層30の温度Tを適切に調整することにより、電気光学材料層30の電気光学効果を高く維持することができる。その結果、光32の位相を大きく変化させることができる。以下に、光32の位相の変化を利用した応用例を説明する。
[0110]
 本実施形態における光デバイス100は、例えば、マッハ・ツェンダー(Mach-Zehnder)型の光スイッチングデバイスに適用することができる。図8は、マッハ・ツェンダー型の光スイッチングデバイス200の例を模式的に示す平面図である。光スイッチングデバイス200は、入力導波路200a、分岐された2つの光導波路200b、および出力導波路200cを備える。分岐された2つの光導波路200bは、入力導波路200aと出力導波路200cとの間に位置する。図8に示す例では、入力導波路200a側の分岐点A、および出力導波路200c側の分岐点Bでの光の反射は考慮されない。分岐された2つの光導波路200bのうち、一方の光導波路は、本実施形態における光デバイス100を含む。
[0111]
 当該一方の光導波路内を伝搬する光の位相は、他方の光導波路内を伝搬する光の位相と比較して、Δφ=(2π/λ)ΔnLだけシフトする。光デバイス100における一対の電極20に印加する直流電圧の値がV DC=0Vのとき、Δφ=0である。このとき、分岐された2つの光導波路200bからそれぞれ出力された光の位相は、同位相である。このため、同位相の2つの光が出力導波路200cに入力すると、当該2つの光は重なり合う。したがって、出力導波路200cから出力された光の強度I outは、入力導波路200aに入力された光の強度I inに等しい。
[0112]
 一方、光デバイス100における一対の電極20に印加する直流電圧の値がV DC≠0Vのとき、Δφ=πにすることができる。このとき、分岐された2つの光導波路200bからそれぞれ出力された光の位相は、逆位相になる。このため、逆位相の2つの光が出力導波路200cに入力すると、当該2つの光は打ち消しあう。したがって、出力導波路200cから出力された光の強度I outは0になる。
[0113]
 以上のように、光デバイス100における一対の電極20に印加する直流電圧を変化させることにより、光スイッチングデバイス200の出力導波路200cから出力された光の強度I outを、I inから0まで連続的に調整することができる。
[0114]
 また、本実施形態における光デバイス100は、例えば、光フェーズドアレイ300に適用することができる。図9Aおよび図9Bは、光フェーズドアレイ300の例を模式的に示す図である。光フェーズドアレイ300は、Y方向に配列された複数の光導波路300wを備える。複数の光導波路300wの各々は、本実施形態における光デバイス100を含む。複数の光導波路300wからそれぞれ出力された複数の光は、互いに干渉する。これにより、光フェーズドアレイ300から出力された干渉光は、特定の方向に伝搬する。図9Aおよび図9Bに示す例において、破線は、複数の光導波路300wからそれぞれ出力された複数の光の波面を表している。実線は、光フェーズドアレイ300から出力された干渉光の波面を表している。図9Aおよび図9Bに示す例において、複数の光導波路300wは、等間隔で配列されているが、異なる間隔で配列されていてもよい。
[0115]
 図9Aに示す例では、光デバイス100における一対の電極20に印加する直流電圧の値がV DC=0Vのとき、複数の光導波路300wから出力される光の位相は、同位相である。したがって、光フェーズドアレイ300から出力された干渉光は、複数の光導波路300wが延びるX方向と同じ方向に伝搬する。
[0116]
 図9Bに示す例では、光デバイス100における一対の電極20に印加する直流電圧の値を調整することにより、複数の光導波路300wから出力される光の位相は、Y方向に沿ってΔφずつ増加する。したがって、光フェーズドアレイ300から出力された干渉光は、複数の光導波路300wが延びるX方向とは異なる方向に伝搬する。
[0117]
 以上のように、光デバイス100における一対の電極20に印加する直流電圧を変化させることにより、光フェーズドアレイ300から出力された干渉光の伝搬方向を調整することができる。すなわち、光ビームスキャンが可能になる。さらに、光フェーズドアレイ300は、特定方向から入射する光を検出することも可能である。図9Aおよび図9Bに示す例では、光フェーズドアレイ300は、矢印とは逆の方向から入射した光を検出することができる。
[0118]
 光フェーズドアレイ300は、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)システムなどの光スキャンシステムおよび/または光検出システムにおけるアンテナとして用いられ得る。LiDARシステムでは、ミリ波などの電波を用いたレーダシステムと比較して、可視光、赤外線、または紫外線などの短波長の電磁波が用いられる。このため、物体の距離分布を高い分解能でスキャンおよび検出することができる。そのようなLiDARシステムは、例えば自動車、UAV(Unmanned Aerial Vehicle、所謂ドローン)、またはAGV(Automated Guided Vehicle)などの移動体に搭載され、衝突回避技術の1つとして使用され得る。

産業上の利用可能性

[0119]
 本開示の実施形態における光デバイスは、例えば、マッハ・ツェンダー型の光スイッチングデバイス、または自動車、UAV、もしくはAGVなどの車両に搭載されるLiDARシステムの用途に利用できる。

符号の説明

[0120]
  10   :基板
  10s1 :第1の面
  10s2 :第2の面
  20   :電極
  20a  :第1の電極
  20b  :第2の電極
  20ba :第3の電極
  20bb :第4の電極
  20bc :第5の電極
  30   :電気光学材料層
  32   :光
  40   :電流計
  40a  :第1の電流計
  40b  :第2の電流計
  40c  :第3の電流計
  42   :抵抗器
  50   :加熱冷却素子
  50a  :第1の加熱冷却素子
  50b  :第2の加熱冷却素子
  50c  :第3の加熱冷却素子
  60   :温度計
  70   :制御回路
  80   :断熱材
  90   :電磁シールド
  100、110  :光デバイス
  200  :光スイッチングデバイス
  200a :入力導波路
  200b :分岐された2つの光導波路
  200c :出力導波路
  300  :光フェーズドアレイ
  300w :複数の光導波路

請求の範囲

[請求項1]
 直流電圧が印加される一対の電極と、
 前記一対の電極の間に位置する電気光学材料層と、
 前記電気光学材料層に流れる電流を計測する電流計と、
 前記電気光学材料層の加熱および冷却の少なくとも一方を行う加熱冷却素子と、
 前記直流電圧の値、および前記電流計によって計測される前記電流の値に基づいて、前記加熱冷却素子を制御する制御回路と、
を備える光デバイス。
[請求項2]
 前記制御回路は、前記直流電圧の値を変化させることにより、前記電気光学材料層の屈折率を変化させる、請求項1に記載の光デバイス。
[請求項3]
 前記屈折率の変化により、前記電気光学材料層を導波する光の位相を制御する、
請求項2に記載の光デバイス。
[請求項4]
 前記直流電圧は、直流パルス電圧である、
請求項1から3のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項5]
 前記制御回路は、前記直流電圧の値と前記電流の値とから前記電気光学材料層の抵抗値を算出し、前記加熱冷却素子による加熱および冷却の少なくとも一方による前記抵抗値の変化に基づき、前記加熱冷却素子を制御する、
請求項1から4のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項6]
 前記光デバイスは、温度計をさらに備え、
 前記制御回路は、動作開始時に、
 前記温度計によって計測された温度が基準温度よりも低いとき、前記加熱冷却素子に前記電気光学材料層を加熱させ、
 前記温度計によって計測された温度が基準温度よりも高いとき、前記加熱冷却素子に前記電気光学材料層を冷却させる、
請求項1から5のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項7]
 前記電気光学材料層は、強誘電体によって構成され、
 前記基準温度は、前記強誘電体のキュリー温度である、
請求項6に記載の光デバイス。
[請求項8]
 前記制御回路は、
  前記一対の電極に直流電圧を印加し、
  前記加熱冷却素子に、前記電気光学材料層を加熱または冷却させ、
  前記電気光学材料層を加熱または冷却することによる前記電流の値の変化、および前記直流電圧の値に基づいて、前記基準温度を決定する、
請求項6または7に記載の光デバイス。
[請求項9]
 前記加熱冷却素子は、ペルチェ素子を含む、
請求項1から8のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項10]
 前記電気光学材料層の少なくとも一部を覆う断熱材をさらに備える、
請求項1から9のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項11]
 前記電気光学材料層の少なくとも一部を覆う電磁シールドをさらに備える、請求項1から10のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項12]
 前記電気光学材料層は、タンタル酸ニオブ酸カリウムを含む、
請求項1から11のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項13]
 前記電気光学材料層の厚さは、0.1μm以上10μm以下である、
請求項1から12のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項14]
 前記電流計と、前記一対の電極の一方との間に、前記電気光学材料層の絶縁破壊防止用の抵抗器をさらに備える、
請求項1から13のいずれかに記載の光デバイス。
[請求項15]
 直流電圧がそれぞれ印加される複数の電極対と、
 前記複数の電極対の各々の間に位置する、電気光学材料層と、
 各々が、前記複数の電極対のうちの対応する1つの電極対によって挟まれる前記電気光学材料層の部位に流れる電流を計測する複数の電流計と、
 各々が、前記複数の電極対のうちの対応する1つの電極対によって挟まれる前記電気光学材料層の部位の加熱および冷却の少なくとも一方を行う複数の加熱冷却素子と、
 前記複数の電極対の各々に印加される前記直流電圧の値、および前記複数の電流計の各々によって計測される前記電流の値に基づいて、前記複数の加熱冷却素子の各々を制御する制御回路と、
を備える光デバイス。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 3C]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10]