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1. WO2020208925 - 動翼の振動試験用治具

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明 細 書

発明の名称 動翼の振動試験用治具

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129  

符号の説明

0130  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 動翼の振動試験用治具

技術分野

[0001]
 本開示は、航空エンジンの動翼の振動試験を行う際に用いるのに好適な動翼の振動試験用治具に関するものである。

背景技術

[0002]
 上記した航空エンジンの動翼の振動試験は、高サイクル疲労特性を評価するために実施される試験である。従来において、このような動翼の振動試験に関するものとしては、例えば、特許文献1に記載された疲労試験装置がある。
[0003]
 この疲労試験装置は、動翼のタブテール部(鳩尾状の翼根端部)を固定する固定治具、及び、パルス発生部を備えている。この疲労試験装置では、固定治具に固定された動翼の翼面に対して、パルス発生部によって空気をパルス状に連続して衝突させる(スポット加振する)ことで、動翼に振動を与えるようにしている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第5556678号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところが、上記した疲労試験装置にあっては、空気をパルス状に受ける動翼の変形量が大きくなると、翼面に対して空気を垂直に当てることができず、大きな振幅で振動させることができない。そのため、高サイクル疲労破壊に至らず試験不成立となる事態が生じる虞がある。
[0006]
 また、航空エンジンの動翼に対する振動試験には、高サイクル疲労特性をより高精度に評価するために、エンジンの回転によってタブテール部に作用する遠心力相当分の荷重(運用荷重)を負荷して実施することが要求されており、上記問題を解決し、且つ、運用状態を模擬しつつ動翼に対する振動試験を行うことが従来の課題となっている。
[0007]
 本開示は、上記したような従来の課題を解決するためになされたもので、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うに際して、実際の運用状態を模した試験の実施を可能としたうえで、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせることができる動翼の振動試験用治具を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0008]
 本開示の第1の態様は、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる動翼の振動試験用治具であって、前記動翼のタブテール部を保持して加振機の加振テーブル上に固定する治具本体と、前記動翼のタブテール部にスパン方向の荷重を付与して該動翼を前記治具本体に固定する加力部を備えている構成としている。 
[0009]
 本開示の動翼の振動試験用治具を用いて、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うに際しては、まず、治具本体に保持された動翼のタブテール部に加力部を接続して、荷重を付与可能とする。
[0010]
 次に、動翼を保持した治具本体を加振機の加振テーブル上に固定する。続いて、加力部によって動翼のタブテール部にスパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで動翼を治具本体に固定する。
[0011]
 次いで、加力部によって上記荷重を動翼のタブテール部に付与した状態で、加振機により加振テーブル上の動翼,加力部及び治具本体を一体で振動させると、実際の運用状態を模した荷重を動翼のタブテール部に作用させたまま動翼を振動させ得ることとなる。
[0012]
 本開示の動翼の振動試験用治具において、加振機の加振テーブルを大きく振動させることで、動翼を大きな振幅で振動させ得るので、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。

発明の効果

[0013]
 本開示に係る動翼の振動試験用治具では、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行う場合に、実際の運用状態を模した試験の実施を実現でき、加えて、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせることが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本開示の一実施形態に係る動翼の振動試験用治具を用いて動翼の振動試験を行っている状況を示す正面説明図である。
[図2] 本開示の他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を用いて動翼の振動試験を行っている状況を示す正面説明図である。
[図3] 図1における動翼の振動試験用治具の一変形例を示す部分正面説明図である。
[図4] 図2における動翼の振動試験用治具の一変形例を示す部分正面説明図である。
[図5] 本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を用いて動翼の振動試験を行っている状況を示す正面説明図である。
[図6] 本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を用いて動翼の振動試験を行っている状況を示す正面説明図である。
[図7] 本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を用いて動翼の振動試験を行っている状況を示す正面説明図である。
[図8] 本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を用いて動翼の振動試験を行っている状況を示す正面説明図である。
[図9] 図6における動翼の振動試験用治具の一変形例を示す一部を断面にした部分正面説明図である。
[図10] 図9における動翼の振動試験用治具に採用される天板の全体斜視説明図である。
[図11] 図10における動翼の振動試験用治具の天板の一変形例を示す分解斜視説明図である。
[図12] 図10における動翼の振動試験用治具の天板の他の変形例を示す分解斜視説明図である。
[図13] 本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を用いて動翼の振動試験を行っている状況を示す正面説明図である。
[図14] 図13における動翼の振動試験用治具の平面説明図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。
 図1は、本開示の一実施形態に係る動翼の振動試験用治具を示している。この実施形態では、本開示に係る動翼の振動試験用治具が、航空エンジンのファンブレード(ファン動翼)の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる振動試験用治具である場合を示している。
[0016]
 図1に示すように、この動翼の振動試験用治具1は、ファンブレードBを保持する治具本体2と、ファンブレードBに荷重を付与して治具本体2にファンブレードBを固定する油圧ジャッキ(加力部)3と、この油圧ジャッキ3からファンブレードBに付与される荷重を測定するロードセル(荷重測定部)4を備えている。
[0017]
 治具本体2は、前後(図示手前及び奥)を除く上下左右を壁で囲まれた角筒形状を成している。油圧ジャッキ3及びロードセル4は、治具本体2の内部に互いに上下を成すようにして収容されている。
[0018]
 また、この治具本体2の天壁2bには、保持溝2aが形成されている。この保持溝2aには、翼先端部Btを上にしたファンブレードBのタブテール部Brが下方から嵌まり込むようになっている。
[0019]
 この実施形態において、油圧ジャッキ3の一方の作動軸31を保持溝2a内のファンブレードBのタブテール部Brに接続すると共に、ロードセル4を介して油圧ジャッキ3の他方の作動軸31を治具本体2の底壁2cに接続するようにしている。
[0020]
 つまり、このような接続状態において、油圧ジャッキ3を作動させることによって、ファンブレードBのタブテール部Brに図示矢印方向の力を付与しつつ、すなわち、治具本体2から受ける反力による面圧をタブテール部Brに作用させつつ、治具本体2にファンブレードBを固定するようになっている。
[0021]
 そして、この実施形態において、上記のようにしてファンブレードBが固定される治具本体2を電磁加振機Sの水平面内で振動する加振テーブルTに取り付けて、高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うようにしている。
[0022]
 なお、垂直方向に振動する加振テーブルTを用いる場合には、ファンブレードBの翼面が加振テーブルTの振動方向に向くようにして治具本体2を加振テーブルTに取り付けることで、同様の試験を行うことができる。
 また、加振テーブルTに対する治具本体2の取り付けは、テーブル備え付けのボルト等を用いて成されるようになっており、特別な取り付け具は必要としない。
[0023]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1を用いて、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うに際しては、まず、治具本体2の保持溝2aに保持されたファンブレードBのタブテール部Brに油圧ジャッキ3の作動軸31を接続して、荷重を付与可能とする。
[0024]
 次に、ファンブレードBを保持した治具本体2を電磁加振機Sの加振テーブルT上に固定する。続いて、油圧ジャッキ3を作動させて、治具本体2の保持溝2aに嵌まり込ませたファンブレードBのタブテール部Brに、スパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで、ファンブレードBを治具本体2に固定する。
[0025]
 次いで、上記荷重をファンブレードBのタブテール部Brに付与した状態で、電磁加振機Sにより加振テーブルT上のファンブレードB,油圧ジャッキ3及び治具本体2を一体で水平方向に振動させると、実際の運用状態を模した荷重をファンブレードBのタブテール部Brに作用させたままファンブレードBを振動させ得ることとなる。
[0026]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1において、電磁加振機Sの加振テーブルTを大きく振動させることで、ファンブレードBを大きな振幅で振動させ得るので、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。
[0027]
 また、この実施形態による動翼の振動試験用治具1において、加力部である油圧ジャッキ3を電磁加振機Sの加振テーブルTに接続させずに治具本体2の内部に配置しているので、タブテール部Brに付与する荷重に関して治具本体2が内力系になる。したがって、電磁加振機Sの損傷や加振テーブルTの変形を回避し得ることとなる。
[0028]
 さらに、この実施形態による動翼の振動試験用治具1において、油圧ジャッキ3からファンブレードBのタブテール部Brに付与する荷重を測定するロードセル4を備えているので、実際の運用状態を模した荷重がタブテール部Brに付与されていることを確認し得ることとなる。
[0029]
 さらにまた、この実施形態による動翼の振動試験用治具1では、振動試験に際して、ファンブレードBの翼面に、ブレード形状監視用のセンサを配置することができるので、ファンブレードBの変形を正確に把握しつつ試験を実施し得ることとなる。
[0030]
 図2は、本開示の他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を示している。この実施形態でも、本開示に係る動翼の振動試験用治具を航空エンジンのファンブレード(ファン動翼)の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる場合を示している。
[0031]
 図2に示すように、この動翼の振動試験用治具1Aも、ファンブレードBを保持する治具本体2Aと、ファンブレードBに荷重を付与して治具本体2AにファンブレードBを固定する2台の油圧ジャッキ(加力部)3と、この油圧ジャッキ3からファンブレードBに付与する荷重を測定する2台のロードセル(荷重測定部)4を備えている。
[0032]
 治具本体2Aも、前後(図示手前及び奥)を除く上下左右を壁で囲まれた角筒形状を成している。天壁2Aaには開口2Acが形成され、底部には翼載置台2Abが一体で設けられている。
[0033]
 また、治具本体2Aには、油圧ジャッキ3とともに加力部を構成する天板21が収容されている。この天板21には、翼先端部Btを上にしたファンブレードBのタブテール部Brが下方から嵌まり込む保持溝21aが形成されている。
[0034]
 この実施形態において、ファンブレードBは、翼載置台2Abに載置されて保持されるようになっている。そして、翼載置台2Ab上のファンブレードBに対して、天板21はその保持溝21aにタブテール部Brが嵌まり込むようにしてセットされるようになっている。
[0035]
 2台の油圧ジャッキ3及び2台のロードセル4は、治具本体2Aの内部において、翼載置台2Ab上のファンブレードBの両側に1台ずつ互いに上下を成すようにして配置されている。そして、油圧ジャッキ3の各一方の作動軸31を治具本体2Aの天壁2Aaに接続すると共に、ロードセル4を介して油圧ジャッキ3の各他方の作動軸31を天板21に接続するようにしている。
[0036]
 つまり、このような接続状態において、2台の油圧ジャッキ3をそれぞれ作動させることによって、ファンブレードBのタブテール部Brに図示矢印方向の力を付与しつつ、すなわち、天板21から受ける反力による面圧をタブテール部Brに作用させつつ、治具本体2AにファンブレードBを固定するようになっている。
[0037]
 そして、この実施形態において、上記のようにしてファンブレードBが固定される治具本体2Aを電磁加振機Sの水平面内で振動する加振テーブルTに取り付けて、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うようにしている。
 この実施形態においても、垂直方向に振動する加振テーブルTを用いる場合には、ファンブレードBの翼面が加振テーブルTの振動方向に向くようにして治具本体2Aを加振テーブルTに取り付けることで、同様の試験を行うことができる。
[0038]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Aを用いて、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うに際しては、まず、治具本体2Aの翼載置台2Ab上のファンブレードBの両側において、油圧ジャッキ3の各一方の作動軸31を治具本体2Aの天壁2Aaに接続する。そして、油圧ジャッキ3の各他方の作動軸31を天板21にロードセル4を介して接続して、ファンブレードBに荷重を付与可能とする。
[0039]
 次に、ファンブレードBを保持した治具本体2Aを電磁加振機Sの加振テーブルT上に固定する。続いて、ファンブレードBの両側における油圧ジャッキ3をそれぞれ作動させて、天板21の保持溝21aに嵌まり込ませたファンブレードBのタブテール部Brに、スパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで、ファンブレードBを治具本体2Aに固定する。
[0040]
 次いで、上記荷重をファンブレードBのタブテール部Brに付与した状態で、電磁加振機Sにより加振テーブルT上のファンブレードB,油圧ジャッキ3及び治具本体2Aを一体で水平方向に振動させると、実際の運用状態を模した荷重をファンブレードBのタブテール部Brに作用させたままファンブレードBを振動させ得ることとなる。
[0041]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Aにおいても、電磁加振機Sの加振テーブルTによってファンブレードBを大きな振幅で振動させ得るので、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。
[0042]
 また、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Aにおいても、加力部である油圧ジャッキ3を治具本体2Aの内部に配置しているので、タブテール部Brに付与する荷重に関して治具本体2Aが内力系になる。その結果、電磁加振機Sの損傷や加振テーブルTの変形を回避し得ることとなる。
[0043]
 さらに、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Aも、ファンブレードBのタブテール部Brに付与する荷重を測定するロードセル4を備えているので、実際の運用状態を模した荷重がタブテール部Brに付与されていることを確認し得る。加えて、ファンブレードBの翼面にブレード形状監視用のセンサを配置することができるので、ファンブレードBの変形を正確に把握しつつ試験を実施し得ることとなる。
[0044]
 図3は、図1に示した実施形態における動翼の振動試験用治具1の一変形例を示している。この動翼の振動試験用治具1Bでは、治具本体2Bの上部に補強部としての補強リブ2Bcを一体で形成していると共に、治具本体2Bの天壁2Bbに同じく補強部としての補強版5を配置している。他の構成は、先の実施形態における動翼の振動試験用治具1と同じである。
[0045]
 この実施形態における動翼の振動試験用治具1Bでは、治具本体2B内で油圧ジャッキ3を作動させてファンブレードBのタブテール部Brに荷重を付与する際の治具本体2Bの変形を抑え得ることとなる。
[0046]
 図4は、図2に示した実施形態における動翼の振動試験用治具1Aの一変形例を示している。この動翼の振動試験用治具1Cでは、治具本体2Cの上部に補強部としての補強リブ2Ccを一体で形成していると共に、治具本体2Cの天壁2Caに同じく補強部としての補強版5を配置している。他の構成は、先の実施形態における動翼の振動試験用治具1Aと同じである。
[0047]
 この実施形態における動翼の振動試験用治具1Cにおいても、治具本体2C内で油圧ジャッキ3を作動させてファンブレードBに荷重を付与する際の治具本体2Cの変形を抑え得ることとなる。
[0048]
 図5は、本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を示している。この実施形態でも、本開示に係る動翼の振動試験用治具を航空エンジンのファンブレード(ファン動翼)の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる場合を示している。
[0049]
 図5に示すように、この動翼の振動試験用治具1Dは、ファンブレードBを保持する治具本体2Dと、ファンブレードBに荷重を付与して治具本体2DにファンブレードBを固定する油圧ジャッキ(加力部)3と、この油圧ジャッキ3からファンブレードBに付与する荷重を測定するロードセル(荷重測定部)4を備えている。この実施形態では、押し引き可能な油圧ジャッキ3を採用している。
[0050]
 治具本体2Dは、前後(図示手前及び奥)及び左右のうちの一方(図示右方)を除く上下左を壁で囲まれた形状を成している。油圧ジャッキ3及びロードセル4は、治具本体2Dの底延長部2Dc上に上下を成すようにして配置されている。
[0051]
 この実施形態では、治具本体2Dの天壁2Dbにおいて翼先端部Btを上にしたファンブレードBのタブテール部Brを保持するようになっている。そして、油圧ジャッキ3の一方の作動軸31が、レバー6を介してファンブレードBのタブテール部Brに接続していると共に、油圧ジャッキ3の他方の作動軸31が、ロードセル4を介してを治具本体2Dの底延長部2Dcに接続している。
[0052]
 つまり、治具本体2Dの底延長部2Dc上に支点6fを置いたレバー6の作用点6paをファンブレードBのタブテール部Brに接続し、レバー6の力点6ppを油圧ジャッキ3の一方の作動軸31に接続する。そのうえで、油圧ジャッキ3に軸引き込み動作を行わせることによって、ファンブレードBのタブテール部Brに図示矢印方向の荷重を付与しながら、治具本体2DにファンブレードBを固定するようになっている。
[0053]
 そして、この実施形態において、上記のようにしてファンブレードBが固定される治具本体2Dを電磁加振機Sの水平面内で振動する加振テーブルTに取り付けて、高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うようにしている。
 この実施形態においても、垂直方向に振動する加振テーブルTを用いる場合には、ファンブレードBの翼面が加振テーブルTの振動方向に向くようにして治具本体2Dを加振テーブルTに取り付けることで、同様の試験を行うことができる。
[0054]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Dを用いて、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うに際しては、まず、治具本体2Dの天壁2Dbに保持されたファンブレードBのタブテール部Brにレバー6を介して油圧ジャッキ3の作動軸31を接続して、荷重を付与可能とする。
[0055]
 次に、ファンブレードBを保持した治具本体2Dを電磁加振機Sの加振テーブルT上に固定する。続いて、油圧ジャッキ3を作動させて、治具本体2Dの天壁2Dbに保持されたファンブレードBのタブテール部Brに、レバー6を介してスパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで、ファンブレードBを治具本体2Dに固定する。
[0056]
 次いで、油圧ジャッキ3によって上記荷重をファンブレードBのタブテール部Brに付与する。そして、この状態で、電磁加振機Sにより加振テーブルT上のファンブレードB,油圧ジャッキ3及び治具本体2Dを水平方向に一体で振動させると、実際の運用状態を模した荷重をファンブレードBのタブテール部Brに作用させたままファンブレードBを振動させ得ることとなる。
[0057]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Dにおいても、電磁加振機Sの加振テーブルTを大きく振動させることで、ファンブレードBを大きな振幅で振動させ得るので、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。
[0058]
 また、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Dにおいて、加力部である油圧ジャッキ3を電磁加振機Sの加振テーブルTに接続させずに治具本体2Dの底延長部2Dc上に配置しているので、タブテール部Brに付与する荷重に関して治具本体2が内力系になる。したがって、電磁加振機Sの損傷や加振テーブルTの変形を回避し得ることとなる。
[0059]
 加えて、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Dでは、油圧ジャッキ3による荷重をファンブレードBのタブテール部Brに対してレバー6を介して付与するようにしているので、油圧ジャッキ3に小型のものを採用し得る。
[0060]
 さらに、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Dにおいても、油圧ジャッキ3からの荷重を測定するロードセル4を備えているので、実際の運用状態を模した荷重がタブテール部Brに付与されていることを確認し得ることとなる。
[0061]
 さらにまた、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Dにおいても、振動試験に際して、ファンブレードBの翼面に、ブレード形状監視用のセンサを配置することができるので、ファンブレードBの変形を正確に把握しつつ試験を実施し得ることとなる。
[0062]
 図6は、本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を示している。この実施形態でも、本開示に係る動翼の振動試験用治具を航空エンジンのファンブレード(ファン動翼)の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる場合を示している。
[0063]
 図6に示すように、この動翼の振動試験用治具1Eは、ファンブレードBを保持する治具本体2Eと、ファンブレードBに荷重を付与して治具本体2EにファンブレードBを固定するボルト(加力部)7と、このボルト7とともに加力部を構成する天板22を備えており、この実施形態では、ボルト7に歪ゲージ埋め込みタイプのボルトを採用している。
[0064]
 治具本体2Eは、ブロック状を成しており、図示左右方向の中央には翼載置台2Eaが一体で設けられている。また、天板22には、翼先端部Btを上にしたファンブレードBのタブテール部Brが下方から嵌まり込む保持溝22aが形成されている。
[0065]
 この実施形態において、ファンブレードBは、翼先端部Btを上にした状態で翼載置台2Eaに載置されて保持されるようになっている。そして、翼載置台2Ea上のファンブレードBに対して、天板22がその保持溝22aにタブテール部Brが嵌まり込むようにしてセットされるようになっている。
[0066]
 この際、ボルト7は、翼載置台2Ea上のファンブレードBの両側に複数ずつ並べて配置されている。これらのボルト7の各ねじ部7aは、天板22を貫通して治具本体2Eのねじ孔2Ebにそれぞれねじ込まれるようになっている。
[0067]
 つまり、この状態において、複数本のボルト7を治具本体2Eのねじ孔2Ebにねじ込むことによって、ファンブレードBのタブテール部Brに図示矢印方向の力を付与しつつ、すなわち、天板22から受ける反力による面圧を端部Brに作用させつつ、治具本体2EにファンブレードBを固定するようになっている。
[0068]
 そして、この実施形態において、上記のようにしてファンブレードBが固定される治具本体2Eを電磁加振機Sの水平面内で振動する加振テーブルTに取り付けて、高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うようにしている。
 この実施形態においても、垂直方向に振動する加振テーブルTを用いる場合には、ファンブレードBの翼面が加振テーブルTの振動方向に向くようにして治具本体2Eを加振テーブルTに取り付けることで、同様の試験を行うことができる。
[0069]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Eを用いて、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うに際しては、まず、治具本体2Eの翼載置台2Ea上のファンブレードBの両側において、天板22を貫通させた複数本のボルト7の各ねじ部7aを治具本体2Eのねじ孔2Ebにそれぞれねじ込んで、ファンブレードBに荷重を付与可能とする。
[0070]
 次に、ファンブレードBを保持した治具本体2Eを電磁加振機Sの加振テーブルT上に固定する。続いて、ファンブレードBの両側におけるボルト7を治具本体2Eのねじ孔2Ebにそれぞれさらにねじ込んで、天板22の保持溝22aに嵌まり込ませたファンブレードBのタブテール部Brに、スパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで、ファンブレードBを治具本体2Eに固定する。
[0071]
 次いで、上記荷重をファンブレードBのタブテール部Brに付与した状態で、電磁加振機Sにより加振テーブルT上のファンブレードB,ボルト7及び治具本体2Eを一体で水平方向に振動させると、実際の運用状態を模した荷重をファンブレードBのタブテール部Brに作用させたままファンブレードBを振動させ得ることとなる。
[0072]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Eにおいても、ファンブレードBを大きな振幅で振動させ得るので、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。
[0073]
 また、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Eにおいても、加力部であるボルト7及び天板22を治具本体2E上に配置しているので、タブテール部Brに付与する荷重に関して治具本体2Eが内力系になる。その結果、電磁加振機Sの損傷や加振テーブルTの変形を回避し得ることとなる。
[0074]
 さらに、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Eでは、加力部であるボルト7に荷重測定部としても機能する歪ゲージ埋め込みタイプのボルトを採用しているので、実際の運用状態を模した荷重がタブテール部Brに付与されていることを確認し得る。加えて、ファンブレードBの翼面に、ブレード形状監視用のセンサを配置することができるので、ファンブレードBの変形を正確に把握しつつ試験を実施し得ることとなる。
 なお、加力部であるボルト7に通常のボルトを採用して、荷重測定部としてボルト用ロードセルを使用してもよい。
[0075]
 図7は、本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を示している。この実施形態でも、本開示に係る動翼の振動試験用治具を航空エンジンのファンブレード(ファン動翼)の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる場合を示している。
[0076]
 図7に示すように、この動翼の振動試験用治具1Fも、ファンブレードBを保持する治具本体2Fと、ファンブレードBに荷重を付与して治具本体2FにファンブレードBを固定するボルト(加力部)7を備えている。この実施形態でも、ボルト7に歪ゲージ埋め込みタイプのボルトを採用している。
[0077]
 治具本体2Fは、前後(図示手前及び奥)を除く上下左右を壁で囲まれた角筒形状を成している。治具本体2Fの天壁2Fbには開口2Fcが形成され、底部には翼載置台2Faが一体で設けられている。
[0078]
 また、治具本体2Fには、ボルト7とともに加力部を構成する天板23が収容されている。この天板23には、翼先端部Btを上にしたファンブレードBのタブテール部Brが下方から嵌まり込む保持溝23aが形成されている。
[0079]
 この実施形態において、ファンブレードBは、翼載置台2Faに載置されて保持されるようになっている。そして、この翼載置台2Fa上のファンブレードBに対して、天板23はその保持溝23aにタブテール部Brが嵌まり込むようにしてセットされるようになっている。
[0080]
 ボルト7は、治具本体2Fの内部において、翼載置台2Fa上のファンブレードBの両側に複数本ずつ配置されている。これらのボルト7は、天壁2Fbを貫通して天板23にそれぞれねじ込まれるようになっている。
[0081]
 つまり、この状態において、複数本のボルト7をそれぞれ天板23にねじ込むことによって、ファンブレードBのタブテール部Brに図示矢印方向の力を付与しつつ、すなわち、天板23から受ける反力による面圧をタブテール部Brに作用させつつ、治具本体2FにファンブレードBを固定するようになっている。
[0082]
 そして、この実施形態において、上記のようにしてファンブレードBが固定される治具本体2Fを電磁加振機Sの水平面内で振動する加振テーブルTに取り付けて、高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うようにしている。
 この実施形態においても、垂直方向に振動する加振テーブルTを用いる場合には、ファンブレードBの翼面が加振テーブルTの振動方向に向くようにして治具本体2Fを加振テーブルTに取り付けることで、同様の試験を行うことができる。
[0083]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Fを用いて振動試験を行うに際しては、まず、治具本体2Fの翼載置台2Fa上のファンブレードBの両側において、天壁2Fbを貫通させた複数本のボルト7を天板23にそれぞれねじ込んで、ファンブレードBに荷重を付与可能とする。
[0084]
 次に、ファンブレードBを保持した治具本体2Fを電磁加振機Sの加振テーブルT上に固定する。続いて、ファンブレードBの両側におけるボルト7を天板23にそれぞれさらにねじ込んで、天板23の保持溝23aに嵌まり込ませたファンブレードBのタブテール部Brに、スパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで、ファンブレードBを治具本体2Fに固定する。
[0085]
 次いで、上記荷重をファンブレードBのタブテール部Brに付与した状態で、電磁加振機Sにより加振テーブルT上のファンブレードB,ボルト7及び治具本体2Fを一体で水平方向に振動させると、実際の運用状態を模した荷重をファンブレードBのタブテール部Brに作用させたままファンブレードBを振動させ得ることとなる。
[0086]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Fにおいても、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。また、加力部であるボルト7及び天板23を治具本体2F内に配置しているので、タブテール部Brに付与する荷重に関して治具本体2Fが内力系になって、電磁加振機Sの損傷や加振テーブルTの変形を回避し得ることとなる。
[0087]
 さらに、この実施形態による動翼の振動試験用治具1Fでも、加力部であるボルト7に荷重測定部としても機能する歪ゲージ埋め込みタイプのボルトを採用しているので、実際の運用状態を模した荷重がタブテール部Brに付与されていることを確認し得ることとなる。加えて、ファンブレードBの翼面に、ブレード形状監視用のセンサを配置することができるので、ファンブレードBの変形を正確に把握しつつ試験を実施し得ることとなる。
[0088]
 図8は、本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を示している。この実施形態でも、本開示に係る動翼の振動試験用治具を航空エンジンのファンブレード(ファン動翼)の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる場合を示している。
[0089]
 図8に示すように、この動翼の振動試験用治具1Gも、ファンブレードBを保持する治具本体2Gと、ファンブレードBに荷重を付与して治具本体2GにファンブレードBを固定するボルト(加力部)7を備えている。この実施形態でも、ボルト7に歪ゲージ埋め込みタイプのボルトを採用している。
[0090]
 治具本体2Gは、前後(図示手前及び奥)を除く上下左右を壁で囲まれた角筒形状を成している。この際、治具本体2Gの天壁2Gbには開口2Gcが形成され、底部には中空状の天板台2Gaが一体で設けられている。この天板台2Gaの上面には、翼先端部Btを上にしたファンブレードBのタブテール部Brが下方から嵌まり込む保持溝24aが形成されている。
[0091]
 また、治具本体2Gにおける天板台2Gaの内部には、ボルト7とともに加力部を構成する翼載置板24が収容されている。この実施形態において、ファンブレードBは、天板台2Gaの保持溝24aにタブテール部Brが嵌まり込むようにして翼載置板24に載置されて保持されるようになっている。
[0092]
 ボルト7は、治具本体2Gの内部において、翼載置板24上のファンブレードBの両側に複数本ずつ配置されている。これらのボルト7は、天壁2Gb及び天板台2Gaの上面を順次貫通して翼載置板24にそれぞれねじ込まれるようになっている。
[0093]
 つまり、この状態において、複数本のボルト7をそれぞれ翼載置板24にねじ込むことによって、ファンブレードBのタブテール部Brに図示矢印方向の力を付与しつつ、すなわち、天板台2Gaの上面から受ける反力による面圧をタブテール部Brに作用させつつ、治具本体2GにファンブレードBを固定するようになっている。
[0094]
 そして、この実施形態において、上記のようにしてファンブレードBが固定される治具本体2Gを電磁加振機Sの水平面内で振動する加振テーブルTに取り付けて、高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うようにしている。
 この実施形態においても、垂直方向に振動する加振テーブルTを用いる場合には、ファンブレードBの翼面が加振テーブルTの振動方向に向くようにして治具本体2Gを加振テーブルTに取り付けることで、同様の試験を行うことができる。
[0095]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Gを用いて振動試験を行うに際しては、まず、治具本体2Gの翼載置板24上のファンブレードBの両側において、天壁2Gb及び天板台2Gaの上面を順次貫通させたボルト7を翼載置板24にそれぞれねじ込んで、ファンブレードBに荷重を付与可能とする。
[0096]
 次に、ファンブレードBを保持した治具本体2Gを電磁加振機Sの加振テーブルT上に固定する。続いて、ファンブレードBの両側のボルト7を翼載置板24にそれぞれさらにねじ込んで、天板台2Gaの保持溝24aに嵌まり込ませたファンブレードBのタブテール部Brに、スパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで、ファンブレードBを治具本体2Gに固定する。
[0097]
 次いで、上記荷重をファンブレードBのタブテール部Brに付与した状態で、電磁加振機Sにより加振テーブルT上のファンブレードB,ボルト7及び治具本体2Gを一体で水平方向に振動させると、実際の運用状態を模した荷重をファンブレードBのタブテール部Brに作用させたままファンブレードBを振動させ得ることとなる。
[0098]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Gにおいても、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。そのうえ、加力部であるボルト7及び翼載置板24を治具本体2G内に配置しているので、タブテール部Brに付与する荷重に関して治具本体2Gが内力系になって、電磁加振機Sの損傷や加振テーブルTの変形を回避し得ることとなる。
[0099]
 また、加力部であるボルト7に荷重測定部としても機能する歪ゲージ埋め込みタイプのボルトを採用しているので、実際の運用状態を模した荷重がタブテール部Brに付与されていることを確認し得ることとなる。加えて、ファンブレードBの翼面に、ブレード形状監視用のセンサを配置することができるので、ファンブレードBの変形を正確に把握しつつ試験を実施し得ることとなる。
[0100]
 図9は、図6に示した実施形態における動翼の振動試験用治具1Eの一変形例を示している。この実施形態では、天板22の両端部(ファンブレードBの両側に配置されたボルト7の各外側の端部)において、治具本体2Eと天板22との間に支持プレート8をそれぞれ挿入している。他の構成は、先の実施形態における動翼の振動試験用治具1Eと同じである。
[0101]
 この実施形態では、ファンブレードBのタブテール部Brに荷重を付与する際のボルト7のねじ込み操作で、天板22が矢印方向に曲げ変形するのを抑え得ることとなる。
[0102]
 この実施形態において、支持プレート8として、ロードセルを採用したり、歪ゲージを貼り付けた部材を採用したりして荷重測定部として機能させてもよい。
 なお、この実施形態では、天板22の両端部における治具本体2Eと天板22との間に支持プレート8を挿入する構成としているが、これに限定されるものではない。少なくとも一方の端部側の支持プレート8は、治具本体2E及び天板22のいずれかに一体で形成されていてもよいほか、複数の部材から構成されていてもよい。
[0103]
 図10~図12は、図9に示した実施形態における動翼の振動試験用治具1Eに採用される天板22の一形態を示している。
 図10に示すように、一形態例の天板22は平面中央で開口する保持溝22aを有している。この場合、ファンブレードBをそのタブテール部Br側から天板22の保持溝22aに挿入し、天板22をねじりながら最終的に保持溝22aにタブテール部Brを位置させるように構成されている。
 この形態に係る天板22では、保持溝22aが平面中央で開口するものとしてあるので、高い剛性が得られる。
[0104]
 また、図11に示すように、他の形態例の天板22は、長手方向の中央で2つに分けた分割片22A,22Aから成っている。この場合は、2つの分割片22A,22AでファンブレードBのタブテール部Brを左右から挟み込んで保持溝22aにタブテール部Brを位置させるように構成されている。
[0105]
 さらに、図12に示すように、さらに他の形態例の天板22は、2つの長辺のうちの一方を分割した天板本体22Bと、分割片22Cとから成っている。この場合は、仮想線で示すファンブレードBのタブテール部Brをこれらの天板本体22B及び分割片22Cで挟み込んで保持溝22aにタブテール部Brを位置させるように構成されている。
[0106]
 図11(図12)に示す形態の天板22は、2つの分割片22A,22A(天板本体22B及び分割片22C)から成るものとしてあるので、治具本体2EでファンブレードBのタブテール部Brを保持する作業の効率化が図れる。
[0107]
 図13及び図14は、本開示のさらに他の実施形態に係る動翼の振動試験用治具を示している。この実施形態でも、本開示に係る動翼の振動試験用治具を航空エンジンのファンブレード(ファン動翼)の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる場合を示している。
[0108]
 図13に示すように、この動翼の振動試験用治具1Hは、ファンブレードBを保持する治具本体2Hと、ファンブレードBに荷重を付与して治具本体2HにファンブレードBを固定するボルト(加力部)7と、このボルト7とともに加力部を構成する天板25を備えている。
[0109]
 治具本体2Hは、図14に示すように、円板状を成しており、中央には翼載置台2Haが一体で設けられている。また、天板25も円板状を成している。この天板25の中央には翼先端部Btを上にしたファンブレードBのタブテール部Brが下方から嵌まり込む保持溝25aが形成されている。
[0110]
 この実施形態において、ファンブレードBは、翼先端部Btを上にした状態で翼載置台2Haに載置されて保持されるようになっている。そして、この翼載置台2Ha上のファンブレードBに対して、天板25がその保持溝25aにタブテール部Brが嵌まり込むようにしてセットされるようになっている。
[0111]
 この際、ボルト7は、ファンブレードBの両側に複数本ずつ配置されている。これらのボルト7は、天板25を貫通して治具本体2Hにそれぞれねじ込まれるようになっている。このようにボルト7を治具本体2Hにねじ込むことで、ファンブレードBのタブテール部Brに図示矢印方向の荷重を付与しつつ、治具本体2HにファンブレードBを固定するようになっている。
[0112]
 そして、この実施形態において、治具本体2Hの周縁部にボルト9を等間隔で配置している。そして、これらのボルト9を電磁加振機Sの水平面内で振動する加振テーブルTにねじ込むことで、治具本体2Hを加振テーブルTに固定するようになっている。
[0113]
 つまり、電磁加振機Sの加振テーブルT上における治具本体2Hの周方向位置をボルト9のピッチに合わせて変更(位置調整)することができるようになっている。
 具体的には、図14に示す状態において、すなわち、図示奥行き方向の手前側がファンブレードBの翼先端部Btであり、図示奥行き方向の奥前側がファンブレードBのタブテール部Brであり、図示上下方向がタブテール部Brの長手方向である場合において、加振テーブルTをタブテール部Brの長手方向と直角方向(図示左右方向)に振動させることで、ファンブレードBにおいて主に曲げモードが励振される。
 一方、電磁加振機Sの加振テーブルT上における治具本体2Hの周方向位置をボルト9のピッチに合わせて変更すると、加振テーブルTによる振動の方向がタブテール部Brの長手方向と直角にならないので、ファンブレードBにおいて主にねじれモードが励振される。
 したがって、この実施形態では、曲げモードの励振に加えて、様々なファンブレードの形状に応じたねじれモードの励振をも再現することができるものとなっている。
 なお、この実施形態においても、垂直方向に振動する加振テーブルTを用いる場合には、例えば、曲げモードの励振再現時において、ファンブレードBの翼面が加振テーブルTの振動方向に向くようにして治具本体2Hを加振テーブルTに取り付けることで、同様の試験を行うことができる。
[0114]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Hを用いて、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うに際しては、まず、治具本体2Hの翼載置台2Ha上のファンブレードBの両側において、天板25を貫通させた複数本のボルト7を治具本体2Hにそれぞれねじ込んで、ファンブレードBに荷重を付与可能とする。
[0115]
 次に、治具本体2Hの周縁部のボルト9を電磁加振機Sの加振テーブルTにねじ込むことで、ファンブレードBを保持した治具本体2Hを加振テーブルT上に固定する。続いて、ファンブレードBの両側におけるボルト7を治具本体2Hの上面にそれぞれさらにねじ込んで、天板25の保持溝25aに嵌まり込ませたファンブレードBのタブテール部Brに、スパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで、ファンブレードBを治具本体2Hに固定する。
[0116]
 次いで、上記荷重をファンブレードBのタブテール部Brに付与した状態で、電磁加振機Sにより加振テーブルT上のファンブレードB,ボルト7及び治具本体2Hを一体で水平方向に振動させると、実際の運用状態を模した荷重をファンブレードBのタブテール部Brに作用させたままファンブレードBを振動させ得ることとなる。
[0117]
 この実施形態による動翼の振動試験用治具1Hにおいても、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。そのうえ、加力部であるボルト7及び天板22を治具本体2H上に配置しているので、タブテール部Brに付与する荷重に関して治具本体2Hが内力系になる。その結果、電磁加振機Sの損傷や加振テーブルTの変形を回避し得ることとなる。
[0118]
 また、電磁加振機Sの加振テーブルT上において、治具本体2Hの周方向位置をボルト9のピッチに合わせて位置調整することができるので、治具本体2Hの周方向位置を調整することで、ファンブレードBを翼面の面外方向以外の方向に振動させ得ることとなる。すなわち、曲げモードの励振に加えて、様々なファンブレードの形状に応じたねじれモードの励振をも再現させ得ることとなる。
[0119]
 なお、この実施形態では、治具本体2Hの周縁部にボルト9を等間隔で配置した構成としているが、この際、治具本体2Hのボルト9が貫通するボルト孔を周方向に延びる長孔としてもよい。この場合には、治具本体2Hの回転方向の位置調整をより緻密に行い得ることとなる。
[0120]
 本開示に係る動翼の振動試験用治具の構成は、上記した実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
[0121]
 本開示の第1の態様は、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる動翼の振動試験用治具であって、前記動翼のタブテール部を保持して加振機の加振テーブル上に固定する治具本体と、前記動翼のタブテール部にスパン方向の荷重を付与して該動翼を前記治具本体に固定する加力部を備えている構成としている。
[0122]
 本開示の動翼の振動試験用治具を用いて、動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験を行うに際しては、まず、治具本体に保持された動翼のタブテール部に加力部を接続して、荷重を付与可能とする。
[0123]
 次に、動翼を保持した治具本体を加振機の加振テーブル上に固定する。続いて、加力部によって動翼のタブテール部にスパン方向の遠心力相当分の荷重を付与することで動翼を治具本体に固定する。
[0124]
 次いで、加力部によって上記荷重を動翼のタブテール部に付与した状態で、加振機により加振テーブル上の動翼,加力部及び治具本体を一体で振動させると、実際の運用状態を模した荷重を動翼のタブテール部に作用させたまま動翼を振動させ得ることとなる。
[0125]
 本開示の第1の態様に係る動翼の振動試験用治具において、加振機の加振テーブルを大きく振動させることで、動翼を大きな振幅で振動させ得るので、大変形領域まで効率よく振動させて高サイクル疲労破壊に至らせ得ることとなる。
[0126]
 また、本開示の第2の態様は、前記加力部が前記治具本体に配置されている構成としている。
 本開示の第2の態様に係る動翼の振動試験用治具では、加力部を治具本体に配置しているので、タブテール部に付与する荷重に関して治具本体が内力系になる。したがって、加振機の損傷や加振テーブルの変形を回避し得ることとなる。
[0127]
 さらに、本開示の第3の態様は、前記加力部から前記動翼のタブテール部に付与する荷重を測定する荷重測定部を備えている構成としている。
 本開示の第3の態様に係る動翼の振動試験用治具では、加力部からのタブテール部に付与する荷重を測定する荷重測定部を備えているので、実際の運用状態を模した荷重がタブテール部に付与されていることを確認し得ることとなる。
[0128]
 さらにまた、本開示の第4の態様は、前記治具本体の補強部を備えている構成としている。
 本開示の第4の態様に係る動翼の振動試験用治具では、治具本体の補強部を備えているので、治具本体内で加力部を作動させて動翼のタブテール部に荷重を付与する際の治具本体の変形を抑え得ることとなる。
[0129]
 さらにまた、本開示の第5の態様において、前記治具本体は、加振機の加振テーブル上に位置調整可能に固定される構成としている。
 本開示の第5の態様に係る動翼の振動試験用治具では、加振機の加振テーブル上において、治具本体の位置調整を行うことができるので、治具本体の位置を調整することで、動翼を面外方向以外の方向に振動させ得ることとなる。

符号の説明

[0130]
1,1A~1H 動翼の振動試験用治具
2,2A~2H 治具本体
2Bc,2Cc リブ(補強部)
3 油圧ジャッキ(加力部)
4 ロードセル(荷重測定部)
5 補強板(補強部)
7 歪ゲージ埋め込みボルト(加力部、荷重測定部)
21,22,23,25 天板(加力部)
B ファンブレード(動翼)
Br タブテール部(鳩尾状の翼根端部)
S 加振機
T 加振テーブル

請求の範囲

[請求項1]
 動翼の高サイクル疲労特性を評価するための振動試験に用いる動翼の振動試験用治具であって、
 前記動翼のタブテール部を保持して加振機の加振テーブル上に固定される治具本体と、
 前記動翼のタブテール部にスパン方向の荷重を付与して該動翼を前記治具本体に固定する加力部を備えた動翼の振動試験用治具。
[請求項2]
 前記加力部が前記治具本体に配置されている請求項1に記載の動翼の振動試験用治具。
[請求項3]
 前記加力部から前記動翼のタブテール部に付与する荷重を測定する荷重測定部を備えている請求項1又は2に記載の動翼の振動試験用治具。
[請求項4]
 前記治具本体の補強部を備えている請求項1~3のいずれか一つの項に記載の動翼の振動試験用治具。
[請求項5]
 前記治具本体は、加振機の加振テーブル上に位置調整可能に固定される請求項1~3のいずれか一つの項に記載の動翼の振動試験用治具。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]