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1. WO2020203924 - 磁性粉体を含む樹脂組成物

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明 細 書

発明の名称 磁性粉体を含む樹脂組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117  

実施例

0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140  

符号の説明

0141  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 磁性粉体を含む樹脂組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、磁性粉体を含む樹脂組成物;当該樹脂組成物を含む磁性シート;当該樹脂組成物の磁性硬化物;及び当該磁性硬化物を含むインダクタ基板に関する。

背景技術

[0002]
 インダクタを有する基板(インダクタ基板)は、携帯電話機、スマートフォンなどの情報端末に数多く搭載されている。従来は独立したインダクタ部品が回路基板等の基板に実装されていたが、近年は基板の導体パターンによりコイルを形成し、インダクタを基板に直接設ける手法によりインダクタ基板の製造が行われるようになってきている。また、近年、情報端末のさらなる小型化が求められており、インダクタンスの小型化のために、高いインダクタンスを有するインダクタが必要とされるようになってきている。
[0003]
 インダクタを基板に直接設ける手法としては、例えば、磁性材料を含有する樹脂組成物を、配線を含む基板上にスクリーン印刷して磁性層を形成する方法が知られている(特許文献1、特許文献2参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平6-69058号公報
特許文献2 : 特開2017-63100号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 このような磁性層としては、例えば、磁性粉体とエポキシ樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により磁性層を形成することが考えられるが、絶縁性の低下が課題となる。特に、高インダクタンス達成のため、磁性層の比透磁率を高める場合、樹脂組成物中の磁性粉体の含有量を高くすることが有効であるが、磁性粉体の含有量が増大するほど、この課題が顕在化する。
[0006]
 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、磁性粉体とエポキシ樹脂を含む樹脂組成物の硬化物において、絶縁性の低下を抑制しうる、樹脂組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究をした結果、(A)磁性粉体と(B)エポキシ樹脂を含む樹脂組成物に、(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物を配合することにより、樹脂組成物の磁性硬化物の絶縁性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0008]
 すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)磁性粉体、(B)エポキシ樹脂、及び(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物を含む樹脂組成物。
[2] (C)成分が、式(1):
[0009]
[化1]


[0010]
〔式中、Rは、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、又は置換又は無置換のアリール基を示し、Xは、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキレン基を示し、Yは、それぞれ独立して、脂環式エポキシ基を示し、nは、1以上の整数を示し、R 及びR は、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、又は置換又は無置換のアリール基を示すか、或いはR 及びR が一緒になって1個の-O-を示して互いに結合し、環状シロキサンを形成する。〕
で表される化合物である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3] (A)成分が、酸化鉄粉及び鉄合金系金属粉からなる群より選ばれる1種類以上を含む、上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (A)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、60質量%~98質量%である、上記[1]~[3]の何れかに記載の樹脂組成物。
[5] (B)成分が、25℃で液状のエポキシ樹脂を含む、上記[1]~[4]の何れかに記載の樹脂組成物。
[6] さらに(D)硬化剤を含む、上記[1]~[5]の何れかに記載の樹脂組成物。
[7] (D)成分が、イミダゾール系硬化剤である、上記[6]に記載の樹脂組成物。
[8] 25℃でペースト状である、上記[1]~[7]の何れかに記載の樹脂組成物。
[9] 樹脂組成物の磁性硬化物を130℃、相対湿度85%RHにて200時間放置した後の当該磁性硬化物の抵抗値が、1.0×10 Ω以上である、上記[1]~[8]の何れかに記載の樹脂組成物。
[10] 樹脂組成物の磁性硬化物の23℃での比透磁率(μ’)が、6.0以上である、上記[1]~[9]の何れかに記載の樹脂組成物。
[11] 支持体と、当該支持体上に設けられた上記[1]~[10]の何れかに記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む、磁性シート。
[12] 上記[1]~[10]の何れかに記載の樹脂組成物の磁性硬化物。
[13] 上記[12]に記載の磁性硬化物を含むインダクタ基板。

発明の効果

[0011]
 本発明の樹脂組成物によれば、優れた絶縁性を有する磁性硬化物を得ることができる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 図1は、本発明の一実施形態に係るインダクタ基板の模式的な平面図である。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施され得る。
[0014]
[樹脂組成物]
 本発明の樹脂組成物は、(A)磁性粉体、(B)エポキシ樹脂、及び(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物を含む。
[0015]
 磁性粉体はエポキシ樹脂と比べて抵抗値が非常に低いため、樹脂組成物中に抵抗値が大きく異なる磁性粉とエポキシ樹脂とが共存することにより、磁性粉とエポキシ樹脂との界面にて電荷が局在化し絶縁破壊が起こりやすく、絶縁性が低下すると考えられる。本発明の樹脂組成物は、(A)磁性粉体、及び(B)エポキシ樹脂に加えて、(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物が配合されているため、(A)磁性粉体と(B)エポキシ樹脂との界面電荷を非局在化させ、(A)磁性粉体表面の抵抗値を向上させることができると推測される。このように、本発明の樹脂組成物の磁性硬化物は、優れた絶縁性を有する。また、このような絶縁性は、一実施形態において、耐湿性に優れる。また、本発明の樹脂組成物の磁性硬化物は、一実施形態において、優れた比透磁率を有する。
[0016]
 本発明の樹脂組成物は、(A)磁性粉体、(B)エポキシ樹脂、及び(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物の他に、さらに任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、(D)硬化剤、(E)その他の添加剤が挙げられる。以下、樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
[0017]
<(A)磁性粉体>
 樹脂組成物は、(A)磁性粉体を含有する。
[0018]
 (A)磁性粉体とは、粉末状の磁性体を意味し、軟磁性粉体、及び硬磁性粉体が含まれる。(A)磁性粉体としては、例えば、純鉄粉末;Mg-Zn系フェライト粉末、Fe-Mn系フェライト粉末、Fe-Zn系フェライト粉末、Mn-Zn系フェライト粉末、Mn-Mg系フェライト粉末、Cu-Zn系フェライト粉末、Mg-Mn-Sr系フェライト粉末、Ni-Zn系フェライト粉末、Ba-Zn系フェライト粉末、Ba-Mg系フェライト粉末、Ba-Ni系フェライト粉末、Ba-Co系フェライト粉末、Ba-Ni-Co系フェライト粉末、Y系フェライト粉末、酸化鉄粉(III)、四酸化三鉄などの酸化鉄粉;Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Mn系合金粉末、Fe-Zn系合金粉末、あるいはFe-Ni-Co系合金粉末などの鉄合金系金属粉;Co基アモルファスなどのアモルファス合金粉等が挙げられる。
[0019]
 中でも、(A)磁性粉体としては、酸化鉄粉及び鉄合金系金属粉から選ばれる1種類以上を含むことが好ましく、酸化鉄粉又は鉄合金系金属粉であることがより好ましい。酸化鉄粉としては、Feに加えて、Ni、Cu、Mn、Zn、Mg、Sr、Ba、及びCoから選ばれる少なくとも1種を含むフェライト粉末であることが好ましく、Ni、Cu、Mn、及びZnから選ばれる少なくとも1種を含むフェライト粉末であることがより好ましい。また、鉄合金系金属粉としては、Feに加えて、Si、Cr、Al、Ni、Co、Mo、Mn、Zn、及びCuから選ばれる少なくとも1種を含む鉄合金系金属粉であることが好ましく、Si、Cr、Al、Ni、Mn、Zn、及びCoから選ばれる少なくとも1種を含む鉄合金系金属粉であることがより好ましい。
[0020]
 (A)磁性粉体としては、市販の磁性粉体を用いることができる。用いられ得る市販の磁性粉体の具体例としては、パウダーテック社製「M05S」、「MZ05S」;山陽特殊製鋼社製「PST-S」;エプソンアトミックス社製「PF-3F」、「AW2-08」、「AW2-08PF20F」、「AW2-08PF10F」、「AW2-08PF3F」、「Fe-3.5Si-4.5CrPF20F」、「Fe-50NiPF20F」、「Fe-80Ni-4MoPF20F」;JFEケミカル社製「LD-M」、「LD-MH」、「KNI-106」、「KNI-106GSM」、「KNI-106GS」、「KNI-109」、「KNI-109GSM」、「KNI-109GS」;戸田工業社製「KNS-415」、「BSF-547」、「BSF-029」、「BSN-125」、「BSN-125」、「BSN-714」、「BSN-828」、「S-1281」、「S-1641」、「S-1651」、「S-1470」、「S-1511」、「S-2430」;日本重化学工業社製「JR09P2」;CIKナノテック社製「Nanotek」;キンセイマテック社製「JEMK-S」、「JEMK-H」;ALDRICH社製「Yttrium iron oxide」等が挙げられる。磁性粉体は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
[0021]
 (A)磁性粉体は、球状であることが好ましい。磁性粉体の長軸の長さを短軸の長さで除した値(アスペクト比)としては、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.2以下である。一般に、磁性粉体は球状ではない扁平な形状であるほうが、比透磁率を向上させやすい。しかし、特に球状の磁性粉体を用いる方が、通常、磁気損失を低くでき、またペースト状の樹脂組成物を得たい場合、好ましい粘度を有するペーストを得る観点から好ましい。
[0022]
 (A)磁性粉体の平均粒径は、比透磁率を向上させる観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。また、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、さらに好ましくは8μm以下である。(A)磁性粉体のメジアン径(D 50)は、比透磁率を向上させる観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。また、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、さらに好ましくは8μm以下である。
[0023]
 (A)磁性粉体の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、磁性粉体の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、磁性粉体を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒径分布測定装置としては、堀場製作所社製「LA-960」、島津製作所社製「SALD-2200」等を使用することができる。
[0024]
 (A)磁性粉体の比表面積は、比透磁率を向上させる観点から、好ましくは0.05m /g以上、より好ましくは0.1m /g以上、さらに好ましくは0.3m /g以上である。また、好ましくは10m /g以下、より好ましくは8m /g以下、さらに好ましくは5m /g以下である。(A)磁性粉体の比表面積は、BET法によって測定できる。
[0025]
 (A)磁性粉体の含有量(体積%)は、比透磁率を向上させ及び損失係数を低減させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上、さらに好ましくは30体積%以上である。また、好ましくは85体積%以下、より好ましくは80体積%以下、さらに好ましくは75体積%以下である。
[0026]
 (A)磁性粉体の含有量(質量%)は、比透磁率を向上させ及び損失係数を低減させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上である。また、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
[0027]
<(B)エポキシ樹脂>
 本発明の樹脂組成物は、(B)エポキシ樹脂を含有する。(B)エポキシ樹脂とは、エポキシ基を有する樹脂であって、炭素原子、酸素原子及び窒素原子から選ばれる骨格原子からなる樹脂を意味し、(C)成分のように骨格原子としてケイ素原子を含む樹脂は含まれない。
[0028]
 (B)エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[0029]
 樹脂組成物は、(B)エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、(B)エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
[0030]
 エポキシ樹脂には、温度25℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度25℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。一実施形態では、本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂を含む。一実施形態では、本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂を含む。本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含んでいてもよいが、好適な実施形態では、液状エポキシ樹脂のみを含む。
[0031]
 液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
[0032]
 液状エポキシ樹脂としては、グリシロール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシロール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。
[0033]
 液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「828EL」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「ED-523T」(グリシロール型エポキシ樹脂(アデカグリシロール))、「EP-3980S」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、「EP-4088S」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX-1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」、日本曹達社製の「JP-100」、「JP-200」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[0034]
 固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
[0035]
 固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましい。
[0036]
 固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX7700」(キシレン構造含有ノボラック型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」;三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[0037]
 (B)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、液状エポキシ樹脂の固体状エポキシ樹脂に対する質量比(液状エポキシ樹脂/固体状エポキシ樹脂)は、好ましくは1以上、より好ましくは10以上、特に好ましくは50以上である。
[0038]
 (B)エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~2000g/eq.、さらにより好ましくは110g/eq.~1000g/eq.である。この範囲となることで、磁性シートの磁性硬化物の架橋密度が十分となり、表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
[0039]
 (B)エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
[0040]
 (B)エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上、特に好ましくは10質量%以上である。その上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
[0041]
<(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物>
 本発明の樹脂組成物は、(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物を含む。
[0042]
 シロキサン化合物とは、シロキサン(Si-O-Si)結合を有する化合物をいう。本発明におけるシロキサン化合物は、環状シロキサンであっても、鎖状シロキサンであってもよい。本発明におけるシロキサン化合物は、シロキサン結合を形成するケイ素原子を、好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下、特に好ましくは4個以下有する。シロキサン化合物におけるケイ素原子は、全ての置換可能部位が、脂環式エポキシ基を有するか又は有さないアルキル基、アルケニル基、アリール基等の炭化水素基で置換されていることが好ましい。当該炭化水素基は、脂環式エポキシ基以外の置換基を有していてもよい。
[0043]
 脂環式エポキシ基とは、飽和または不飽和の脂肪族炭素環基であって、脂肪族炭素環中の-CH -CH -部分の異なる炭素原子に結合した2個の水素原子が1個の酸素原子に置換され、オキサシクロプロパン環を形成している基をいう。脂環式エポキシ基としては、例えば、2,3-エポキシシクロペンチル基、3,4-エポキシシクロペンチル基、2,3-エポキシシクロヘキシル基、3,4-エポキシシクロヘキシル基等の炭素原子数4~10のエポキシシクロアルキル基等が挙げられる。本発明におけるシロキサン化合物は、脂環式エポキシ基を、好ましくは2個以上有し、また、好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下、特に好ましくは4個以下有する。
[0044]
 (C)成分は、好ましくは、式(1):
[0045]
[化2]


[0046]
〔式中、Rは、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、又は置換又は無置換のアリール基を示し、Xは、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキレン基を示し、Yは、それぞれ独立して、脂環式エポキシ基を示し、nは、1以上の整数を示し、R 及びR は、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、又は置換又は無置換のアリール基を示すか、或いはR 及びR が一緒になって1個の-O-を示して互いに結合し、環状シロキサンを形成する。〕
で表される化合物である。
[0047]
 式(1)において、Rは、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、又は置換又は無置換のアリール基を示し、好ましくは、置換又は無置換のアルキル基であり、より好ましくは(無置換)アルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。Xは、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキレン基を示し、好ましくは、(無置換)アルキレン基であり、特に好ましくは、-CH -、又は-CH -CH -である。Yは、それぞれ独立して、脂環式エポキシ基を示し、好ましくは、炭素原子数4~10のエポキシシクロアルキル基であり、特に好ましくは、3,4-エポキシシクロヘキシル基である。nは、1以上の整数を示し、好ましくは1~9の整数であり、より好ましくは1~4の整数であり、特に好ましくは1~3の整数である。R 及びR は、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、又は置換又は無置換のアリール基を示すか、好ましくは、置換又は無置換のアルキル基であるか、より好ましくは、(無置換)アルキル基であるか、特に好ましくはメチル基又はエチル基であるか、或いは、R 及びR が一緒になって1個の-O-を示して互いに結合し、環状シロキサンを形成する。また、R 及びR が一緒になって1個の-O-を示して互いに結合し、環状シロキサンを形成する場合は、nが、2以上であることが好ましい。
[0048]
 「アルキル基」とは、直鎖、分枝鎖又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基をいう。「アルキル基」は、炭素原子数1~6のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~3のアルキル基がより好ましい。「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、及びエチル基である。「アルケニル基」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖、分枝鎖又は環状の1価の脂肪族不飽和炭化水素基をいう。「アルケニル基」は、炭素原子数2~6のアルケニル基が好ましく、炭素原子数2又は3のアルケニル基がより好ましい。「アルケニル基」としては、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、4-メチル-3-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、2-シクロヘキセニル基等が挙げられる。「アルキレン基」とは、直鎖、分枝鎖又は環状の2価の脂肪族飽和炭化水素基をいう。「アルキレン基」は、炭素原子数1~6のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1~3のアルキレン基がより好ましい。「アルキレン基」としては、例えば、-CH -、-CH -CH -、-CH(CH )-、-CH -CH -CH -、-CH -CH(CH )-、-CH(CH )-CH -、-C(CH -、-CH -CH -CH -CH -、-CH -CH -CH(CH )-、-CH -CH(CH )-CH -、-CH(CH )-CH -CH -、-CH -C(CH -、-C(CH -CH -等が挙げられ、好ましくは、-CH -、又は-CH -CH -である。「置換又は無置換のアルキル基」におけるアルキル基、「置換又は無置換のアルケニル基」におけるアルケニル基、及び「置換又は無置換のアルキレン基」におけるアルキレン基の置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基等、又はこれらを組み合わせた基が挙げられる。置換基数としては、1~3個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
[0049]
 「アリール基」とは、1価の芳香族炭化水素基をいう。「アリール基」は、炭素原子数6~14のアリール基が好ましく、炭素原子数6~10のアリール基がより好ましい。「アリール基」としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられ、好ましくは、フェニル基である。「置換又は無置換のアリール基」におけるアリール基の置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アラルキル基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基等、又はこれらを組み合わせた基が挙げられる。置換基数としては、1~3個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
[0050]
 「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。「アルコキシ基」とは、酸素原子にアルキル基が結合して形成される1価の基(アルキル-O-)をいう。「アルコキシ基」は、炭素原子数1~6のアルコキシ基が好ましく、炭素原子数1~3のアルコキシ基がより好ましい。「アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。「アルキルカルボニル基」とは、アルキル基がカルボニルに結合して形成される1価の基(アルキル-CO-)をいう。「アルキルカルボニル基」は、炭素原子数2~7のアルキルカルボニル基が好ましく、炭素原子数2~4のアルキルカルボニル基がより好ましい。「アルキルカルボニル基」としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、2-メチルプロパノイル基、ペンタノイル基、3-メチルブタノイル基、2-メチルブタノイル基、2,2-ジメチルプロパノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基等が挙げられる。
[0051]
 「ヘテロアリール基」とは、環構成原子として、炭素原子以外に、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を有する1価の芳香族複素環基をいう。「ヘテロアリール基」は、5ないし12員(好ましくは5又は6員)の単環式、二環式又は三環式(好ましくは単環式)芳香族複素環基が好ましい。「ヘテロアリール基」としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、フラザニル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基等が挙げられる。
[0052]
 「アリールオキシ基」とは、アリール基が酸素原子に結合して形成される1価の基(アリール-O-)をいう。「アリールオキシ基」は、炭素原子数6~14のアリールオキシ基が好ましく、炭素原子数6~10のアリールオキシ基がより好ましい。「アリールオキシ基」としては、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。「アリールカルボニル基」とは、アリール基がカルボニルに結合して形成される1価の基(アリール-CO-)をいう。「アリールカルボニル基」は、炭素原子数7~15のアリールカルボニル基が好ましく、炭素原子数7~11のアリールカルボニル基がより好ましい。「アリールカルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル基、1-ナフトイル基、2-ナフトイル基等が挙げられる。「アラルキル基」とは、1又は2個以上のアリール基で置換されたアルキル基をいう。「アラルキル基」は、炭素原子数7~15のアラルキル基が好ましく、炭素原子数7~11のアラルキル基がより好ましい。「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、2-ナフチルメチル基等が挙げられる。
[0053]
 (C)成分の分子量は、好ましくは2,000以下、より好ましくは1,500以下、さらに好ましくは1,000以下、特に好ましくは800以下である。下限は、例えば、200以上等とし得る。
[0054]
 (C)成分のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~1000g/eq.、より好ましくは100g/eq.~500g/eq.、さらに好ましくは150g/eq.~300g/eq.、特に好ましくは150g/eq.~250g/eq.である。
[0055]
 (C)成分の具体例としては、信越化学社製の「KR-470」(主成分:2,4,6,8-テトラキス(2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル)-2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン)、「X-40-2667」(主成分:1,3,5-トリス(2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル)-1,1,3,5,5-ペンタメチルトリシロキサン)、「X-40-2715」(主成分:1,3-ビス(2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン)などが挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[0056]
 (C)成分の含有量は、特に限定されるものではないが、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上である。その上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。
[0057]
<(D)硬化剤>
 本発明の樹脂組成物は、任意成分として(D)硬化剤を含む場合がある。(D)硬化剤を含有させることで(B)エポキシ樹脂をより容易に硬化できる。
[0058]
 (D)硬化剤には、(B)エポキシ樹脂を硬化する機能を有するエポキシ樹脂硬化剤と、(B)エポキシ樹脂の硬化を促進させる機能を有する硬化促進剤とがある。(D)硬化剤として、エポキシ樹脂硬化剤及び硬化促進剤のいずれかを含むことが好ましく、エポキシ樹脂硬化剤を含むことがより好ましい。
[0059]
[エポキシ樹脂硬化剤]
 エポキシ樹脂硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等が挙げられる。エポキシ樹脂硬化剤としては、酸無水物系硬化剤およびイミダゾール系硬化剤が好ましく、特にイミダゾール系硬化剤が好ましい。エポキシ樹脂硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
[0060]
 フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、被着体に対する密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤又は含窒素ナフトール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤又はトリアジン骨格含有ナフトール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び密着性を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、「MEH-8000H」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学社製の「SN-170」、「SN-180」、「SN-190」、「SN-475」、「SN-485」、「SN-495」、「SN-375」、「SN-395」、DIC社製の「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-3018」、「LA-3018-50P」、「LA-1356」、「TD2090」等が挙げられる。
[0061]
 酸無水物系硬化剤としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する硬化剤が挙げられる。酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物(市販品としては新日本理化社製の「HNA-100」)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
[0062]
 活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
[0063]
 具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンタレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
[0064]
 活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000」、「HPC-8000H」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L」、「EXB-8000L-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416-70BK」、「EXB-8150-65T」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);等が挙げられる。
[0065]
 ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OP100D」、「ODA-BOZ」;昭和高分子社製の「HFB2006M」、四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」などが挙げられる。
[0066]
 シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート))、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
[0067]
 カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル社製の「V-03」、「V-07」等が挙げられる。
[0068]
 イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
[0069]
 イミダゾール系硬化剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
[0070]
 エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[エポキシ樹脂硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2~1:2の範囲が好ましく、1:0.3~1:1.5がより好ましく、1:0.4~1:1.2がさらに好ましい。ここで、エポキシ樹脂硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の不揮発成分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、エポキシ樹脂硬化剤の反応基の合計数とは、各エポキシ樹脂硬化剤の不揮発成分質量を反応基当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との量比を斯かる範囲とすることにより、得られる磁性硬化物の耐熱性がより向上する。
[0071]
[硬化促進剤]
 硬化促進剤としては、例えば、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられる。硬化促進剤は、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、及びグアニジン系硬化促進剤が好ましく、イミダゾール系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤は一般的には硬化剤と併用して用いられる。
[0072]
 アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等の脂肪族アミン系硬化剤;ベンジジン、o-トリジン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4、4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェニルメタン(市販品としては日本化薬製の「カヤボンドC-100」)、4、4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルジフェニルメタン(市販品としては日本化薬製の「カヤハードA-A」)、4、4’-ジアミノ-3,3’,5,5’-テトラメチルジフェニルメタン(市販品としては日本化薬製の「カヤボンドC-200S」)、4、4’-ジアミノ-3,3’,5,5’-テトラエチルジフェニルメタン(市販品としては日本化薬製の「カヤボンドC-300S」)、4、4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ネオペンタン、4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチル-エチリデン)]ビスアニリン(市販品としては三井化学製の「ビスアニリンM」)、4,4’-[1,4-フェニレンビス(1-メチル-エチリデン)]ビスアニリン(市販品としては三井化学製の「ビスアニリンP」)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(市販品としては和歌山精化製の「BAPP」)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル等の芳香族アミン系硬化剤が挙げられる。
[0073]
 イミダゾール系硬化促進剤としては、前記のイミダゾール系硬化剤で記載したものを挙げることができる。前記イミダゾール系硬化剤は、他の硬化剤と併用して用いる場合、硬化促進剤として機能する場合がある。
[0074]
 イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、前記のイミダゾール系硬化剤で記載したものを挙げることができる。
[0075]
 リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。
[0076]
 グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられる。
[0077]
 金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
[0078]
 (D)硬化剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは25質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。その下限は、特に限定されるものではなく、例えば、0.01質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上等とし得る。
[0079]
<(E)その他の添加剤>
 樹脂組成物は、さらに必要に応じて、(E)その他の添加剤を含んでいてもよい。斯かるその他の添加剤としては、例えば、その他の樹脂成分、シランカップリング剤、非磁性無機充填材、分散剤、硬化遅延剤、難燃剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤、有機溶剤等が挙げられる。その他の添加剤の含有量は、当業者により適宜設定され得る。
[0080]
<樹脂組成物の特性>
 本発明の樹脂組成物は、(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物が配合されていることにより、(A)磁性粉体と(B)エポキシ樹脂との界面電荷を非局在化させ、(A)磁性粉体表面の抵抗値を向上させることができるため、本発明の樹脂組成物の磁性硬化物は、絶縁性に優れる。また、このような絶縁性は、一実施形態において、耐湿性に優れる。例えば、本発明の樹脂組成物を熱硬化して得られる磁性硬化物を、130℃、相対湿度85%RHにて、200時間放置した後の当該磁性硬化物の抵抗値は、好ましくは1.0×10 Ω以上、より好ましくは1.0×10 Ω以上、さらに好ましくは1.0×10 Ω以上、さらにより好ましくは1.0×10 Ω以上、特に好ましくは1.0×10 10Ω以上となり得る。
[0081]
 本発明の樹脂組成物の磁性硬化物は、一実施形態において、優れた比透磁率を有する。例えば、本発明の樹脂組成物を熱硬化して得られる磁性硬化物の23℃での比透磁率(μ’)は、好ましくは6.0以上、より好ましくは7.0以上、さらに好ましくは8.0以上、特に好ましくは8.5以上となり得る。
[0082]
<樹脂組成物の製造方法>
 樹脂組成物は、例えば、配合成分を、3本ロール、回転ミキサー、高速回転ミキサーなどの撹拌装置を用いて撹拌する方法によって製造できる。樹脂組成物は、製造後等に脱泡を行ってよい。例えば、静置による脱泡、遠心分離による脱泡、真空脱泡、撹拌脱泡、及びこれらの組合せ等による脱泡が挙げられる。
[0083]
 基板の磁性硬化物を形成するにあたって、樹脂組成物は、常温(25℃)でペースト状の樹脂組成物(磁性ペースト)の形態で用いてもよく、該樹脂組成物の層を含む磁性シートの形態で用いてもよい。
[0084]
[磁性ペースト]
 樹脂組成物は、液状のエポキシ樹脂等を使用することにより、有機溶剤を含まなくともペースト状の磁性ペーストとすることができる。磁性ペーストが有機溶媒を含む場合、その含有量は、磁性ペーストの全質量に対して、好ましくは1.0質量%未満、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。下限は、特に制限はないが0.001質量%以上、又は含有しないことである。磁性ペースト中の有機溶剤の含有量が少ない、または有機溶剤を含まないことにより、有機溶剤の揮発によるボイドの発生を抑制することができ、さらに取扱い性、作業性にも優れたものとすることができる。
[0085]
 磁性ペーストの粘度は、25℃で好ましくは20Pa・s以上、より好ましくは25Pa・s以上、さらに好ましくは30Pa・s以上、50Pa・s以上であり、通常200Pa・s未満、好ましくは180Pa・s以下、より好ましくは160Pa・s以下である。粘度は、磁性ペーストの温度を25±2℃に保ち、E型粘度計を用いて測定することができる。
[0086]
[磁性硬化物]
 本発明の樹脂組成物は、加熱することにより熱硬化させて磁性硬化物とすることができる。
[0087]
 磁性硬化物を得るための熱硬化条件は、樹脂組成物の組成や種類によっても異なるが、熱硬化温度は好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。磁性硬化物を得るための熱硬化時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上であり、好ましくは120分以下、より好ましくは100分以下、さらに好ましくは90分以下である。
[0088]
 樹脂組成物を熱硬化させる前に、樹脂組成物に対して、硬化温度よりも低い温度で加熱する予備加熱処理を施してもよい。予備加熱処理の温度は、好ましくは50℃以上、好ましくは60℃、より好ましくは70℃以上、好ましくは120℃未満、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以である。予備加熱処理の時間は、通常好ましくは5分以上、より好ましくは15分以上であり、好ましくは150分以下、より好ましくは120分以下である。
[0089]
[磁性シート]
 磁性シートは、支持体と、該支持体上に設けられた、樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む。
[0090]
 樹脂組成物層の厚さは、薄型化の観点から、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下、100μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、5μm以上等とし得る。
[0091]
 支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
[0092]
 支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
[0093]
 支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
[0094]
 支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。
[0095]
 また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
[0096]
 支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
[0097]
 磁性シートは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した磁性ペーストを調製し、この磁性ペーストを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。なお、樹脂組成物がペースト状の場合、ダイコーター等を用いて支持体上に直接樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
[0098]
 有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN-メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0099]
 乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。磁性ペースト中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む磁性ペーストを用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
[0100]
 磁性シートにおいて、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを抑制することができる。磁性シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。磁性シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
[0101]
[インダクタ基板]
 本発明のインダクタ基板は、本発明の樹脂組成物(磁性ペースト等)の硬化物である磁性層を含む。ここで、インダクタ基板には、基板の導体パターンによりコイルを形成し、インダクタを基板に設けたインダクタ基板だけでなく、インダクタを設けた基板をチップインダクタ等の部品として、回路基板等の基板に実装したインダクタ基板も包含される。図1は、本発明の一実施形態に係るインダクタ基板の模式的な平面図である。インダクタ基板1は、基板11と、磁性層12と、導体で形成された配線13とを備え、配線13は、磁性層12に覆われるとともに、配線13はコア部14を中心として渦巻状に形成されている。また、コア部14は、磁性層12が埋め込まれている。
[0102]
 以下、インダクタ基板の製造方法を通してインダクタ基板及びその製造方法について説明する。
[0103]
 インダクタ基板の製造方法は、
 (1)樹脂組成物を基板上に吐出させ、該樹脂組成物を熱硬化させ、第1の磁性層を形成する工程、
 (2)第1の磁性層上に配線を形成する工程、
 (3)第1の磁性層、コア部及び配線上に樹脂組成物を吐出し、該樹脂組成物を熱硬化させ、第2の磁性層を形成する工程、
を含む。ここで、磁性層12は、第1及び第2の磁性層を含めたものである。
[0104]
<工程(1)>
 工程(1)は、樹脂組成物を基板上に吐出させ、該樹脂組成物を熱硬化させ、第1の磁性層を形成する。工程(1)を行うにあたって、樹脂組成物を準備する工程を含んでいてもよい。
[0105]
 基板は、通常、絶縁性の基板である。基板の材料としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の絶縁性基材が挙げられる。基板は、その厚さ内に配線等が作り込まれた内層回路基板であってもよい。
[0106]
 樹脂組成物は、シリンジ、ニードル及びカートリッジ等に充填され、ディスペンサ等の吐出装置にて樹脂組成物を吐出することで基板上に塗布される。また、樹脂組成物は、全面印刷又はパターン印刷により、基板上に塗布されてもよい。塗布後に熱硬化され、第1の磁性層が得られる。
[0107]
 樹脂組成物の熱硬化条件は、樹脂組成物の組成や種類によっても異なるが、硬化温度は好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。樹脂組成物の硬化時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上であり、好ましくは120分以下、より好ましくは100分以下、さらに好ましくは90分以下である。
[0108]
 樹脂組成物を熱硬化させる前に、樹脂組成物に対して、硬化温度よりも低い温度で加熱する予備加熱処理を施してもよい。予備加熱処理の温度は、好ましくは50℃以上、好ましくは60℃、より好ましくは70℃以上、好ましくは120℃未満、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以である。予備加熱処理の時間は、通常好ましくは5分以上、より好ましくは15分以上であり、好ましくは150分以下、より好ましくは120分以下である。
[0109]
<工程(2)>
 工程(2)では、工程(1)で形成した第1の磁性層上に配線を形成する。配線の形成方法は、例えば、めっき法、スパッタ法、蒸着法などが挙げられ、中でもめっき法が好ましい。好適な実施形態では、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の適切な方法によって第1の磁性層の表面にめっきして、渦巻状の配線パターンを有する配線を形成する。
[0110]
 配線の材料としては、例えば、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ、インジウム等の単金属;金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムの群から選択される2種以上の金属の合金が挙げられる。中でも、汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅、又はニッケルクロム合金、銅ニッケル合金、銅チタン合金を用いることが好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅、又はニッケルクロム合金を用いることがより好ましく、銅を用いることがさらに好ましい。
[0111]
 ここで、第1の磁性層上に配線を形成する実施形態の例を、詳細に説明する。第1の磁性層の面に、無電解めっきにより、めっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、電解めっきにより電解めっき層を形成し、必要に応じて、不要なめっきシード層をエッチング等の処理により除去して、所望の配線パターンを有する配線を形成できる。配線を形成後、配線のピール強度を向上させる等の目的で、必要によりアニール処理を行ってもよい。アニール処理は、例えば、基板を150~200℃で20~90分間加熱することにより行うことができる。
[0112]
 配線を形成後、形成されためっきシード層上に、渦巻状のパターンに対応して、めっきシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。この場合、露出しためっきシード層上に、電解めっきにより電解めっき層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なめっきシード層をエッチング等の処理により除去して、所望のパターンを有する配線を形成する。
[0113]
 配線の厚さは、薄型化の観点から、好ましくは70μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下、さらにより好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下、20μm以下、15μm以下又は10μm以下である。下限は好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
[0114]
<工程(3)>
 工程(3)は、第1の磁性層、コア部及び配線上に樹脂組成物を吐出し、該樹脂組成物を熱硬化させ、第2の磁性層を形成する。第2の磁性層の形成方法は、第1の磁性層と同様である。第1の磁性層を形成する樹脂組成物と、第2の磁性層を形成する樹脂組成物とは、同一でも相異なっていてもよい。
[0115]
 工程(1)後、第1の磁性層上に絶縁層を形成する工程を設けてもよい。また、工程(2)後、配線上に絶縁層を形成する工程を設けてもよい。絶縁層は、回路基板の絶縁層と同様に形成してもよく、該回路基板の絶縁層と同様の材料を用いてもよい。
[0116]
[回路基板]
 回路基板は、本発明のインダクタ基板を含む。回路基板は、半導体チップ等の電子部品を搭載するための基板として用いることができ、かかる回路基板を内層基板として使用した多層回路基板(多層プリント配線板)として用いることもできる。また、かかる回路基板を個片化したチップインダクタ部品として用いることもでき、該チップインダクタ部品を表面実装した回路基板として用いることもできる。
[0117]
 またかかる回路基板を用いて、種々の態様の半導体装置を製造することができる。かかる回路基板を含む半導体装置は、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラおよびテレビ等)および乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶および航空機等)等に好適に用いることができる。
実施例
[0118]
 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「%」は、別途明示のない限り、「質量%」を意味する。
[0119]
<実施例1>
 磁性粉体(パウダーテック社製「M05S」、Fe-Mn系フェライト粉末、D 50(メジアン径):5μm)を80質量部に対して、シロキサン化合物(「KR-470」、主成分:下記式(2)の化合物、信越化学社製)を5質量部、ビスフェノール型エポキシ樹脂(「ZX-1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品、新日鉄住金化学社製)を8質量部、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(「EP-3980S」、グリシジルエーテル型含窒素芳香族エポキシ、ADEKA製)を5質量部、イミダゾール系硬化剤(「2P4MZ」、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、四国化成社製)を2質量部加え、高速回転ミキサーで均一に分散し、樹脂組成物を調製した。
[0120]
[化3]


[0121]
<実施例2>
 シロキサン化合物(「KR-470」、信越化学社製)5質量部の代わりに、シロキサン化合物(「X-40-2667」、主成分:下記式(3)の化合物、信越化学社製)5質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0122]
[化4]


[0123]
<実施例3>
 シロキサン化合物(「KR-470」、信越化学社製)5質量部の代わりに、シロキサン化合物(「X-40-2715」、主成分:下記式(4)の化合物、信越化学社製)5質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0124]
[化5]


[0125]
<実施例4>
 磁性粉体(パウダーテック社製「M05S」、Fe-Mn系フェライト粉末、D 50(メジアン径):5μm)80質量部の代わりに、磁性粉体(パウダーテック社製「MZ05S」、Fe-Zn系フェライト粉末、D 50(メジアン径):5μm)80質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0126]
<実施例5>
 磁性粉体(パウダーテック社製「M05S」、Fe-Mn系フェライト粉末、D 50(メジアン径):5μm)80質量部の代わりに、磁性粉体(エプソンアトミックス社製「PF-3F」、Fe-Si系合金粉末、D 50(メジアン径):3μm)80質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0127]
<比較例1>
 シロキサン化合物(「KR-470」、信越化学社製)5質量部の代わりに、シロキサン化合物(「KR-251」、固形分20%(トルエン溶液)、不揮発主成分:下記式(5)の化合物、信越化学社製)25質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0128]
[化6]


[0129]
<比較例2>
 シロキサン化合物(「KR-470」、信越化学社製)5質量部の代わりに、シロキサン化合物(「KR-220LP」、主成分:下記式(6)の化合物、信越化学社製)5質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0130]
[化7]


[0131]
<比較例3>
 シロキサン化合物(「KR-470」、信越化学社製)5質量部の代わりに、シランカップリング剤(「KBE-04」、主成分:下記式(7)の化合物、信越化学社製)5質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0132]
[化8]


[0133]
<比較例4>
 シロキサン化合物(「KR-470」、信越化学社製)5質量部の代わりに、シランカップリング剤(「KBM-303」、主成分:下記式(8)の化合物、信越化学社製)5質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0134]
[化9]


[0135]
<比較例5>
 シロキサン化合物(「KR-470」、信越化学社製)5質量部の代わりに、フュームドシリカ(「アエロジルA200」、エアロジル社製)5質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
[0136]
<試験例1:比透磁率の測定>
 支持体として、シリコーン系離型剤処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製「PET501010」、厚さ50μm)を用意した。実施例及び比較例の各樹脂組成物を上記PETフィルムの離型面上に、乾燥後のペースト層の厚みが100μmとなるよう、ドクターブレードにて均一に塗布し、磁性シートを得た。得られた磁性シートを180℃で90分間加熱することによりペースト層を熱硬化し、支持体を剥離することによりシート状の磁性硬化物を得た。得られた磁性硬化物を、幅5mm、長さ18mmの試験片に切断し、評価サンプルとした。この評価サンプルを、アジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies社製、「HP8362B」)を用いて、3ターンコイル法にて測定周波数を100MHzとし、室温(23℃)にて比透磁率(μ’)を測定した。
[0137]
<試験例2:絶縁性試験>
 支持体として、L/S=50μm/50μmのTABテープ(三井金属(株)製、「AJ-C0002-30/40」)を用意した。実施例及び比較例の各樹脂組成物を上記TABテープ上に、乾燥後のペースト層の厚みが100μmとなるようドクターブレードにて均一に塗布し、サンプルを得た。得られたサンプルを180℃で90分間加熱することにより樹脂組成物を熱硬化し、硬化サンプルを得た。つづけてHAST試験機(楠本化成(株)製、「ETAC PM422」)に130℃、相対湿度85%RHの条件下、200時間放置し、その後の抵抗値(HAST抵抗値)(Ω)を測定した。
[0138]
 実施例及び比較例の樹脂組成物の不揮発成分及びその含有量、並びに試験例の測定結果を下記表1に示す。
[0139]
[表1]


[0140]
 実施例1~5より、(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物を含有する樹脂組成物を用いることにより、優れた比透磁率と、HAST後の優れた絶縁性を備える磁性硬化物が得られることがわかった。一方、比較例1~5より、樹脂組成物に(C)成分が含まれない場合、硬化物の比透磁率は高いものの、(C)成分を含有させた場合に比べてHAST後の絶縁性が劣ることが分かった。

符号の説明

[0141]
 1    インダクタ基板
 11   基板
 12   磁性層
 13   配線層
 14   コア部

請求の範囲

[請求項1]
 (A)磁性粉体、(B)エポキシ樹脂、及び(C)脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物を含む樹脂組成物。
[請求項2]
 (C)成分が、式(1):
[化1]


〔式中、Rは、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、又は置換又は無置換のアリール基を示し、Xは、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキレン基を示し、Yは、それぞれ独立して、脂環式エポキシ基を示し、nは、1以上の整数を示し、R 及びR は、それぞれ独立して、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、又は置換又は無置換のアリール基を示すか、或いはR 及びR が一緒になって1個の-O-を示して互いに結合し、環状シロキサンを形成する。〕
で表される化合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
[請求項3]
 (A)成分が、酸化鉄粉及び鉄合金系金属粉からなる群より選ばれる1種類以上を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
[請求項4]
 (A)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、60質量%~98質量%である、請求項1~3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項5]
 (B)成分が、25℃で液状のエポキシ樹脂を含む、請求項1~4の何れか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項6]
 さらに(D)硬化剤を含む、請求項1~5の何れか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項7]
 (D)成分が、イミダゾール系硬化剤である、請求項6に記載の樹脂組成物。
[請求項8]
 25℃でペースト状である、請求項1~7の何れか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項9]
 樹脂組成物の磁性硬化物を130℃、相対湿度85%RHにて200時間放置した後の当該磁性硬化物の抵抗値が、1.0×10 Ω以上である、請求項1~8の何れか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項10]
 樹脂組成物の磁性硬化物の23℃での比透磁率(μ’)が、6.0以上である、請求項1~9の何れか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項11]
 支持体と、当該支持体上に設けられた請求項1~10の何れか1項に記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む、磁性シート。
[請求項12]
 請求項1~10の何れか1項に記載の樹脂組成物の磁性硬化物。
[請求項13]
 請求項12に記載の磁性硬化物を含むインダクタ基板。

図面

[ 図 1]