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1. WO2020203792 - 骨格筋遅筋化用組成物

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明 細 書

発明の名称 骨格筋遅筋化用組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

非特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009  

課題を解決するための手段

0010   0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099  

実施例

0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115  

産業上の利用可能性

0116  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 骨格筋遅筋化用組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、骨格筋遅筋化用組成物等の特定の用途に利用できる組成物に関する。

背景技術

[0002]
 筋肉は、立つ、歩く、姿勢を維持する等の日常の動作の基盤となっている。よって、生活の質を維持するために、できるだけ筋肉量を維持し、可能であれば筋肉を増量させたいという要望が老若男女を問わずある。また、積極的に運動を好むヒトやアスリート(例えば、運動選手、スポーツ愛好家、競技者等)は、運動成績を上げるため、できるだけ筋肉を増量させたいという要望がある。
[0003]
 さらに、健康志向が強まるなか、クオリティ・オブ・ライフ(quality of life;QOL)の向上、フレイル(健常な状態と要介護状態との中間の状態)の改善、または運動器症候群(ロコモティブシンドローム;locomotive syndrome)の対策において、いかにして持久力や筋力の低下を維持するかが課題となる。
[0004]
 筋肉は、筋線維の束から構成されている。筋線維は、収縮張力、収縮速度、疲労耐性等の性質に基づいて、遅筋線維(Type I)と速筋線維(Type II)とに分類される。遅筋線維の多い筋肉は、収縮力や収縮速度は低いが疲労しにくいという性質を有し、持久力に貢献している。一方、速筋線維の多い筋肉は、収縮力や収縮速度は大きいが疲労しやすい。また、遅筋線維の多い筋肉は抗重力筋として作用している。廃用性筋萎縮の患者では、筋肉が遅筋優位から速筋優位に変化し、且つ速筋は遅筋に比較し不活動により萎縮し易いため、歩行困難や寝たきりなどの日常生活に支障をきたす状態に至る。遅筋を維持または増強すれば、持久力と筋力を保つことにより、運動不足や日常動作の困難を予防または改善することができる。
[0005]
 骨格筋の遅筋化を促進し得る物質としては、ショウガ抽出物等が知られている(特許文献1)。
[0006]
 また、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)B-3の投与により筋肉量が増大することが報告されている(非特許文献1)。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2014-101346

非特許文献

[0008]
非特許文献1 : Minami J et al. Biosci Microbiota Food Health. 2018;37(3):67-75.

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 本発明は、骨格筋遅筋化用組成物等の特定の用途に利用できる組成物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明者等は、鋭意研究を進めた結果、ビフィドバクテリウム属細菌の投与により骨格筋を遅筋化する効果等が得られることを見出し、本発明を完成させた。
[0011]
 すなわち、本発明は、以下の通り例示できる。
 本発明の一態様は、下記成分(A)を有効成分として含有する、骨格筋遅筋化用組成物である:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
 本発明の一態様は、下記成分(A)を有効成分として含有する、持久力向上用組成物である:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
 本発明の一態様は、下記成分(A)を有効成分として含有する、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療用組成物である:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
 前記組成物は、医薬組成物であることを好ましい態様としている。
 前記組成物は、飲食品組成物であることを好ましい態様としている。
 前記組成物は、前記成分(A)が、前記細菌であることを好ましい態様としている。
 前記組成物は、前記成分(A)が、前記細菌の死菌体を含有することを好ましい態様としている。
 前記組成物は、前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)であることを好ましい態様としている。
 前記組成物は、前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175であることを好ましい態様としている。
 本発明の一態様は、下記成分(A)を対象に投与する工程を含む、骨格筋を遅筋化する方法である:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
 本発明の一態様は、下記成分(A)を対象に投与する工程を含む、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状を予防、改善、および/または治療する方法である:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
 本発明の一態様は、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療のための、下記成分(A)の使用である:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
 本発明の一態様は、骨格筋の遅筋化のための、下記成分(A)の使用である:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
 本発明の一態様は、前記組成物の製造のための、下記成分(A)の使用である:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 各群における遅筋繊維割合(%)を示す図。データは各群7匹のラットから取得し、平均値±標準誤差として示した。アスタリスク(*)はDunnett法にて有意差があること(P<0.05)を示す。
[図2] コントロール群における遅筋繊維染色画像(写真)。
[図3] ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の生菌体投与群における遅筋繊維染色画像(写真)。
[図4] ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の加熱殺菌体投与群における遅筋繊維染色画像(写真)。
[図5] 各群におけるPGC-1α発現量の相対値を示す図。データは各群12匹または13匹のラットから取得し、平均値±標準誤差として示した。アスタリスク(*)はDunnett法にて有意差があること(P<0.05)を示す。
[図6] 各群におけるリン酸化AMPK量の相対値を示す図。データは各群6匹のラットから取得し、平均値±標準誤差として示した。アスタリスク(*)はDunnett法にて有意差があること(P<0.05)を示す。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明に関する下記の説明は、特記しない限り、いずれも単独で採用してもよく、適宜組み合わせて採用してもよい。
[0014]
<1>有効成分
 本発明においては、下記成分(A)を有効成分として利用する:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
[0015]
 すなわち、上記成分(A)を「有効成分」ともいう。
[0016]
 有効成分を利用することにより、具体的には有効成分を対象に投与することにより、当該対象において骨格筋を遅筋化することができる、すなわち、当該対象において骨格筋を遅筋化する効果が得られる。同効果を、「骨格筋遅筋化効果」ともいう。骨格筋としては、体幹筋(すなわち、体幹の骨格筋)や体肢筋(すなわち、上肢および下肢の骨格筋)が挙げられる。下肢の骨格筋としては、腓腹筋(Gastrocnemius muscle)やヒラメ筋(Soleus muscle)が挙げられる。骨格筋遅筋化効果は、全部の骨格筋(すなわち、全身の骨格筋)において得られてもよく、一部の骨格筋において得られてもよい。骨格筋遅筋化効果は、例えば、遅筋の比率が高い部位において得られてもよく、速筋の比率が高い部位において得られてもよく、それらの両方において得られてもよい。骨格筋遅筋化効果は、例えば、少なくとも、腓腹筋および/またはヒラメ筋において得られてもよい。「骨格筋の遅筋化」とは、骨格筋における遅筋の量の増大を意味する。言い換えると、「骨格筋の遅筋化」とは、有効成分の非投与時と比較して、有効成分の投与時において骨格筋における遅筋の量が大きいことを意味する。「有効成分の投与時」とは、有効成分の投与を十分に実施した後を意味してよく、具体的には、後述する本発明の方法に記載の条件で有効成分の投与を実施した後を意味してよい。「有効成分の非投与時」とは、簡便には、有効成分の投与前を意味してよい。しかし、「有効成分の非投与時」とは、正確には、有効成分を投与せずに有効成分の投与期間と同じ期間が経過した後という仮定条件を意味してよい。すなわち、例えば、有効成分の非投与により骨格筋における遅筋の量が低下する場合にあっては、「骨格筋の遅筋化」とは、有効成分の投与により当該低下の程度が軽減されていれば足り、有効成分の投与前と比較して有効成分の投与後において骨格筋における遅筋の量が大きいことを要しない。そのような場合としては、遅筋の筋萎縮の発症または進行が有効成分の投与により軽減される場合が挙げられる。「骨格筋における遅筋の量」とは、骨格筋中の遅筋の絶対量を意味してもよく、骨格筋中の遅筋の相対量(すなわち、骨格筋の量に対する遅筋の量の比率)を意味してもよく、それらの両方を意味してもよい。すなわち、有効成分の利用により、遅筋の絶対量および/または相対量が増大してよい。有効成分の利用により、少なくとも、遅筋の相対量が増大してもよい。遅筋の量の増大に伴って骨格筋の総量が増大してもよい。遅筋の量としては、遅筋繊維の数、遅筋繊維の断面積、遅筋繊維の体積が挙げられる。すなわち、例えば、骨格筋中の遅筋の相対量としては、骨格筋における筋繊維の数に対する遅筋繊維の数の比率、骨格筋の断面積に対する遅筋繊維の断面積の比率、骨格筋の体積に対する遅筋繊維の体積の比率が挙げられる。「遅筋繊維」とは、Type I筋線維を意味する。有効成分の利用により、例えば、これらのパラメータの1つまたはそれ以上が増大してよい。有効成分の利用により、例えば、少なくとも、遅筋繊維の数が増大してもよい。遅筋の量は、例えば、公知の手法により測定することができる。遅筋の量を測定する手法としては、筋生検、磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging;MRI)、フィールド・テストが挙げられる。骨格筋における筋繊維の数に対する遅筋繊維の数の比率は、具体的には、例えば、実施例に記載の手法により測定することができる。有効成分の投与時における骨格筋における遅筋の量は、例えば、有効成分の非投与時を100%とした場合に、101%以上、103%以上、105%以上、110%以上、115%以上、120%以上、125%以上、または130%以上であってよい。また、骨格筋の遅筋化は、例えば、疲労耐性の向上、骨格筋における酸化酵素活性の向上、または骨格筋におけるミトコンドリア数の向上を指標として測定することもできる。
[0017]
 また、有効成分を利用することにより、具体的には有効成分を対象に投与することにより、当該対象においてAMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase;AMPK)の活性化が促進されてよい、すなわち、当該対象においてAMPKの活性化が促進される効果が得られてよい。同効果を、「AMPK活性化促進効果」ともいう。AMPKの活性化は、特に、骨格筋において促進されてよい。AMPKの活性化の促進により骨格筋遅筋化効果が得られてもよい。「AMPKの活性化の促進」とは、活性型AMPK(すなわち、リン酸化AMPK)の量の増大を意味する。言い換えると、「AMPKの活性化の促進」とは、有効成分の非投与時と比較して、有効成分の投与時において活性型AMPKの量が大きいことを意味する。「活性型AMPKの量」とは、特記しない限り、全AMPK量に基づいて標準化した値を意味してよい。活性型AMPKの量は、例えば、公知の手法により測定することができる。活性型AMPKの量を測定する手法としては、ウェスタンブロッティングが挙げられる。活性型AMPKの量は、具体的には、例えば、実施例に記載の手法により測定することができる。有効成分の投与時における活性型AMPKの量は、例えば、有効成分の非投与時を100%とした場合に、101%以上、103%以上、105%以上、110%以上、115%以上、120%以上、125%以上、または130%以上であってよい。
[0018]
 また、有効成分を利用することにより、具体的には有効成分を対象に投与することにより、当該対象においてペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ共役因子-1α(PGC-1α)の発現が促進されてよい、すなわち、当該対象においてPGC-1αの発現が促進される効果が得られてよい。同効果を、「PGC-1α発現促進効果」ともいう。PGC-1αの発現は、特に、骨格筋において促進されてよい。PGC-1αの発現の促進により骨格筋遅筋化効果が得られてもよい。「PGC-1αの発現の促進」とは、PGC-1αの発現量の増大を意味する。言い換えると、「PGC-1αの発現の促進」とは、有効成分の非投与時と比較して、有効成分の投与時においてPGC-1αの発現量が大きいことを意味する。「PGC-1αの発現量」とは、特記しない限り、GAPDH等のハウスキーピング遺伝子の発現量に基づいて標準化した値を意味してよい。PGC-1αの発現量は、例えば、遺伝子の発現量を測定する公知の手法により測定することができる。遺伝子の発現量を測定する手法としては、mRNA量を測定する手法やタンパク質量を測定する手法が挙げられる。遺伝子の発現量を測定する手法として、具体的には、ノーザンハイブリダイゼーション、マイクロアレイ、RT-PCR、RNA-seq、ウェスタンブロッティングが挙げられる。PGC-1αの発現量は、具体的には、例えば、実施例に記載の手法により測定することができる。有効成分の投与時におけるPGC-1αの発現量は、例えば、有効成分の非投与時を100%とした場合に、101%以上、103%以上、105%以上、110%以上、115%以上、120%以上、125%以上、または130%以上であってよい。
[0019]
 また、有効成分を利用することにより、具体的には有効成分を対象に投与することにより、当該対象において骨格筋の遅筋化に基づく効果が得られてよい。
[0020]
 骨格筋の遅筋化により、例えば、対象の持久力を向上させることができると期待される。すなわち、骨格筋の遅筋化に基づく効果としては、対象の持久力を向上させる効果(持久力向上効果)が挙げられる。「持久力」とは、身体運動に対する持久力を意味する。すなわち、「持久力」とは、具体的には、身体運動を持続する能力を意味してよい。身体運動は、筋肉に負荷のかかる動作であれば、特に制限されない。身体運動としては、スポーツ、フィジカルトレーニング、肉体労働、日常の動作が挙げられる。
[0021]
 骨格筋の遅筋化により、例えば、対象の筋力を向上させることができると期待される。具体的には、例えば、遅筋の量の増大に伴って骨格筋の総量が増大した場合に、対象の筋力を向上させることができると期待される。すなわち、骨格筋の遅筋化に基づく効果としては、対象の筋力を向上させる効果(筋力向上効果)が挙げられる。
[0022]
 骨格筋の遅筋化により、例えば、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状を予防、改善、および/または治療することができると期待される。すなわち、骨格筋の遅筋化に基づく効果としては、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状を予防、改善、および/または治療する効果が挙げられる。筋萎縮とは、筋肉量の低下をいう。筋萎縮としては、骨格筋の委縮が挙げられる。筋萎縮として、具体的には、遅筋および/または速筋の委縮が挙げられる。筋萎縮としては、特に、遅筋の委縮が挙げられる。筋萎縮により、例えば、筋力が低下してよい。言い換えると、筋力低下は、例えば、筋萎縮によるものであってよい。筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状は、疾患であってもよく、そうでなくてもよい。筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状は、遺伝的要因、後天的要因、加齢等のいずれの原因で発症または進行するものであってもよい。筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状としては、筋萎縮および/または筋力低下に起因する症状や筋萎縮および/または筋力低下を伴う症状が挙げられる。なお、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状には、筋萎縮そのものや筋力低下そのものも包含される。筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状として、具体的には、廃用性筋萎縮、神経原性筋萎縮、筋原性筋萎縮が挙げられる。廃用性筋萎縮としては、加齢による筋萎縮(サルコペニア;sarcopenia)や、筋肉の使用不足による筋萎縮が挙げられる。筋肉の使用不足としては、寝たきり、無運動、無重力飛行、身体の固定等の理由によるものが挙げられる。身体の固定としては、怪我の治療等で実施される四肢の固定が挙げられる。神経原性筋萎縮としては、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)、原発性側索硬化症(primary lateral sclerosis;PLS)、脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy;SMA)、球脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbar muscular atrophy;SBMA)、急性灰白髄炎(poliomyelitis;ポリオ)、ギランバレー症候群(Guillain-Barre syndrome;GBS)が挙げられる。筋原性筋萎縮としては、筋ジストロフィー(muscular dystrophy)や多発性筋炎(polymyositis;PM)が挙げられる。また、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状として、具体的には、重症筋無力症(myasthenia gravis;MG)、悪液質(cachexia)、フレイル(frailty)、運動器症候群(ロコモティブシンドローム;locomotive syndrome)も挙げられる。
[0023]
 有効成分は、骨格筋遅筋化効果等の上記例示したような効果が得られる他の技術と併用されてもよく、されなくてもよい。そのような技術としては、日常の動作以外の身体運動の実施が挙げられる。日常の動作以外の身体運動としては、スポーツやフィジカルトレーニングが挙げられる。有効成分をそのような技術と併用することにより、そのような技術による骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が増強されると期待される。
[0024]
 また、本発明は、骨格筋遅筋化効果等の上記例示したような効果に伴う用途での有効成分の使用を提供する。すなわち、本発明は、例えば、骨格筋の遅筋化のための有効成分の使用、AMPKの活性化の促進のための有効成分の使用、PGC-1αの発現の促進のための有効成分の使用、持久力の向上のための有効成分の使用、筋力の向上のための有効成分の使用、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療のための有効成分の使用を提供してよい。また、本発明は、例えば、骨格筋遅筋化用組成物、AMPK活性化促進用組成物、PGC-1α発現促進用組成物、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物等の本発明の組成物の製造のための有効成分の使用を提供してよい。
[0025]
 また、本発明は、骨格筋遅筋化効果等の上記例示したような効果に伴う用途に用いるための有効成分を提供する。すなわち、本発明は、例えば、骨格筋の遅筋化に用いるための有効成分、AMPKの活性化の促進に用いるための有効成分、PGC-1αの発現の促進に用いるための有効成分、持久力の向上に用いるための有効成分、筋力の向上に用いるための有効成分、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療に用いるための有効成分を提供してよい。また、本発明は、例えば、骨格筋遅筋化用組成物、AMPK活性化促進用組成物、PGC-1α発現促進用組成物、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物等の本発明の組成物の製造に用いるための有効成分を提供してよい。
[0026]
 有効成分は、治療目的で利用されてもよく、非治療目的で利用されてもよい。すなわち、上記例示したような効果は、いずれも、特記しない限り、治療目的で得られてもよく、非治療目的で得られてもよい。「治療目的」とは、例えば、治療のための人体への処置行為を含むことを意味してよく、特に、医療行為として実施されることを意味してもよい。「非治療目的」とは、例えば、治療のための人体への処置行為を含まないことを意味してよく、特に、非医療行為として実施されることを意味してもよい。非治療目的としては、健康増進や美容等の目的が挙げられる。
[0027]
 「症状の予防」とは、例えば、症状の発症の防止もしくは遅延、または症状の発症の可能性の低下を意味してよい。「症状の改善」または「症状の治療」とは、例えば、症状の好転、症状の悪化の防止もしくは遅延、または症状の進行の防止もしくは遅延を意味してよい。「症状の改善」とは、特に、これらの事象であって、且つ治療目的でないものを総称してもよい。「症状の治療」とは、特に、これらの事象であって、且つ治療目的であるものを総称してもよい。
[0028]
 ビフィドバクテリウム属細菌は、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が得られる限り、特に制限されない。ビフィドバクテリウム属細菌としては、1種の細菌を用いてもよく、2種またはそれ以上の細菌を組み合わせて用いてもよい。
[0029]
 ビフィドバクテリウム属細菌としては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・アンギュラツム(Bifidobacterium angulatum)、ビフィドバクテリウム・デンティウム(Bifidobacterium dentium)、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム(Bifidobacterium pseudolongum)、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム(Bifidobacterium thermophilum)が挙げられる。
[0030]
 ビフィドバクテリウム属細菌としては、特に、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・デンティウム(Bifidobacterium dentium)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム(Bifidobacterium pseudolongum)、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム(Bifidobacterium thermophilum)が挙げられる。ビフィドバクテリウム属細菌として、さらに特には、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)やビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)が挙げられる。ビフィドバクテリウム属細菌として、さらに特には、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)が挙げられる。
[0031]
 ビフィドバクテリウム・ロンガムには、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム(B. longum subsp. longum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(B. longum subsp. infantis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・スイス(B. longum subsp. suis)等の、ビフィドバクテリウム・ロンガムのいずれの亜種に分類される株も包含される。ビフィドバクテリウム・アニマリスには、ビフィドバクテリウム・アニマリス・サブスピーシーズ・ラクティス(B. animalis subsp. lactis)等の、ビフィドバクテリウム・アニマリスのいずれの亜種に分類される株も包含される。ビフィドバクテリウム・シュードロンガムには、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム・サブスピーシーズ・グロボッサム(B. pseudolongum subsp. globosum)やビフィドバクテリウム・シュードロンガム・サブスピーシーズ・シュードロンガム(B. pseudolongum subsp. pseudolongum)等の、ビフィドバクテリウム・シュードロンガムのいずれの亜種に分類される株も包含される。
[0032]
 ビフィドバクテリウム・ブレーベとして、具体的には、M-16V(NITE BP-02622)、MCC1274(FERM BP-11175)、ATCC 15700、B632(DSM 24706)、Bb99(DSM 13692)、ATCC 15698、DSM 24732、UCC2003、YIT4010、YIT4064、BBG-001、BR-03、C50、R0070が挙げられる。ビフィドバクテリウム・ブレーベとしては、特に、FERM BP-11175が挙げられる。
[0033]
 ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175は、2009年8月25日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(現 独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター(NITE-IPOD)、郵便番号:292-0818、住所:日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に、FERM BP-11175の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされている。
[0034]
 ビフィドバクテリウム・ロンガムとして、具体的には、BB536(NITE BP-02621)、ATCC 15697、ATCC 15707、ATCC 25962、ATCC 15702、ATCC 27533、M-63、BG7、DSM 24736、SBT 2928、NCC 490(CNCM I-2170)、NCC 2705(CNCM I-2618)が挙げられる。
[0035]
 ビフィドバクテリウム・ビフィダムとして、具体的には、ATCC 29521、OLB6378、BF-1が挙げられる。ビフィドバクテリウム・アドレセンティスとして、具体的には、ATCC 15703が挙げられる。ビフィドバクテリウム・デンティウムとして、具体的には、DSM 20436が挙げられる。ビフィドバクテリウム・アニマリスとして、具体的には、DSM 10140、Bb-12、DN-173 010、GCL2505、CNCM I-3446が挙げられる。ビフィドバクテリウム・シュードロンガムとして、具体的には、JCM 5820やATCC 25526が挙げられる。ビフィドバクテリウム・サーモフィラムとして、具体的には、ATCC 25525が挙げられる。
[0036]
 これらの菌株は、例えば、American Type Culture Collection(ATCC, Address: 10801 University Boulevard Manassas, VA 20110, United States of America)、Belgian Coordinated Collections of Microorganisms(BCCM, Address: Rue de la Science 8, 1000 Brussels, Belgium)、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ, Address: Inhoffenstr.7B, D38124 Braunschweig, Germany)、Japan Collection of Microorganisms(JCM, 郵便番号:305-0074、住所:日本国茨城県つくば市高野台3-1-1 理化学研究所バイオリソース研究センター微生物材料開発室)、または各菌株が寄託された寄託機関から入手することができる。
[0037]
 なお、上記例示した菌株名で特定される菌株には、当該菌株名で所定の機関に寄託や登録がなされている株そのもの(以下、説明の便宜上、「寄託株」ともいう)に限られず、それと実質的に同等な株(「派生株」または「誘導株」ともいう)も包含される。すなわち、例えば、「ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175」には、FERM BP-11175の寄託番号で上記寄託機関に寄託されている株そのものに限られず、それと実質的に同等な株も包含される。各菌株について、「上記寄託株と実質的に同等の株」とは、上記寄託株と同一の種に属し、その利用により骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が得られ、さらにその16SrRNA遺伝子の塩基配列が、上記寄託株の16SrRNA遺伝子の塩基配列に対して、好ましくは99.86%以上、より好ましくは99.93%以上、さらに好ましくは100%の同一性を有し、且つ、好ましくは上記寄託株と同一の菌学的性質を有する株をいう。各菌株について、上記寄託株と実質的に同等の株は、当該寄託株と同等以上の骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が得られるものであってよい。「上記寄託株と同等以上の効果」とは、当該寄託株の利用により得られる効果の、80%以上、90%以上、95%以上、または100%以上の効果を意味してよい。各菌株について、上記寄託株と実質的に同等の株は、例えば、当該寄託株を親株とする派生株であってよい。派生株としては、寄託株から育種された株や寄託株から自然に生じた株が挙げられる。育種方法としては、遺伝子工学的手法による改変や、突然変異処理による改変が挙げられる。突然変異処理としては、X線の照射、紫外線の照射、ならびにN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)、エチルメタンスルフォネート(EMS)、およびメチルメタンスルフォネート(MMS)等の変異剤による処理が挙げられる。寄託株から自然に生じた株としては、寄託株の使用の際に自然に生じた株が挙げられる。そのような株としては、寄託株の培養(例えば継代培養)により自然に生じた変異株が挙げられる。派生株は、1種の改変により構築されてもよく、2種またはそれ以上の改変により構築されてもよい。
[0038]
 有効成分としての「ビフィドバクテリウム属細菌」とは、ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を意味してよい。
[0039]
 有効成分としての「ビフィドバクテリウム属細菌による生産物」とは、ビフィドバクテリウム属細菌の培養により生成する成分を意味してよい。ビフィドバクテリウム属細菌による生産物は、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が得られるものであれば、特に制限されない。ビフィドバクテリウム属細菌による生産物としては、同細菌の培養の際に培地中に蓄積する成分、同細菌の培養の際に菌体内に蓄積する成分、同細菌の菌体を構成する成分が挙げられる。菌体を構成する成分としては、細胞壁やペプチドグリカンが挙げられる。なお、ビフィドバクテリウム属細菌の菌体そのものは、「ビフィドバクテリウム属細菌による生産物」には該当しなくてよい。
[0040]
 有効成分としては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。例えば、ビフィドバクテリウム属細菌の市販品としては、森永乳業社製のビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175が挙げられる。また、有効成分は、ビフィドバクテリウム属細菌を培養することにより容易に取得することができる。培養方法は、ビフィドバクテリウム属細菌が増殖できる限り、特に制限されない。培養方法としては、例えば、ビフィドバクテリウム属細菌の培養に通常用いられる方法を、そのまま、あるいは適宜修正して、用いることができる。培養温度は、例えば、25~50℃であってよく、好ましくは35~42℃であってよい。培養は、好ましくは嫌気条件下で実施することができ、例えば、炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら実施することができる。また、培養は、液体静置培養等の微好気条件下で実施することもできる。培養は、例えば、ビフィドバクテリウム属細菌が所望の程度に増殖するまで実施することができる。
[0041]
 培養に用いる培地は、ビフィドバクテリウム属細菌が増殖できる限り、特に制限されない。培地としては、例えば、ビフィドバクテリウム属細菌の培養に通常用いられる培地を、そのまま、あるいは適宜修正して、用いることができる。培地は、例えば、炭素源、窒素源、無機塩、有機成分、乳成分、またはそれらの組み合わせを含有してよい。炭素源としては、例えば、グルコース、ガラクトース、ラクトース、アラビノース、マンノース、スクロース、デンプン、デンプン加水分解物、廃糖蜜等の糖類を資化性に応じて用いることができる。窒素源としては、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類や硝酸塩類を用いることができる。また、無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。また、有機成分としては、例えば、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等を用いることができる。また、乳成分としては、例えば、乳タンパク質等を用いることができる。乳タンパク質としては、カゼイン、ホエイ、それらの分解物が挙げられる。これらの成分は、単独で、あるいは適宜組み合わせて利用してよい。また、ビフィドバクテリウム属細菌の培養に通常用いられる培地として、具体的には、強化クロストリジア培地(Reinforced Clostridial medium)、MRS培地(de Man, Rogosa, and Sharpe medium)、mMRS培地(modified MRS medium)、TOSP培地(TOS propionate medium)、TOSP Mup培地(TOS propionate mupirocin medium)が挙げられる。
[0042]
 有効成分としては、有効成分そのものまたはそれを含有する画分を、特に制限されず用いることができる。すなわち、ビフィドバクテリウム属細菌としては、ビフィドバクテリウム属細菌の菌体またはそれを含有する画分を、特に制限されず用いることができる。ビフィドバクテリウム属細菌の菌体を含有する画分には、当該菌体に加えて、ビフィドバクテリウム属細菌による生産物が含有されていてもよい。また、ビフィドバクテリウム属細菌による生産物としては、ビフィドバクテリウム属細菌の培養により生成する成分またはそれを含有する画分を、特に制限されず用いることができる。ビフィドバクテリウム属細菌の培養により生成する成分を含有する画分には、当該成分に加えて、ビフィドバクテリウム属細菌が含有されていてもよい。有効成分としては、例えば、培養により得られた培養物をそのまま用いてもよく、培養物から回収した菌体または培養上清を用いてもよく、それらを適宜処理して用いてもよい。すなわち、有効成分として、具体的には、ビフィドバクテリウム属細菌の培養物、同培養物から回収した菌体、同培養物から回収した培養上清、それらの処理物が挙げられる。処理は、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果を損なわない限り、特に制限されない。処理としては、濃縮、希釈、乾燥、殺菌、破砕、分画が挙げられる。これらの処理は、単独で、あるいは適宜組み合わせて実施してよい。これらの処理は、いずれも、例えば、公知の手法により実施できる。乾燥は、例えば、凍結乾燥により実施することができる。
[0043]
 例えば、菌体を破砕して、菌体破砕物を有効成分として用いてよい。菌体を破砕する手法としては、超音波処理やホモジナイズ処理が挙げられる。菌体破砕物は、そのまま、あるいは適宜上記のような処理に供してから、有効成分として用いてよい。
[0044]
 また、例えば、上述したような培養物、菌体、培養上清、またはそれらの処理物(例えば菌体破砕物)から、有効成分を含有する画分を分画して有効成分として用いてよい。具体的には、例えば、菌体破砕物から、上清画分や沈殿画分等の画分を分画して有効成分として用いてもよい。また、例えば、上述したような培養物、菌体、培養上清、またはそれらの処理物(例えば菌体破砕物)から、有効成分を分画(すなわち分離精製)して用いてよい。有効成分の分離精製は、所望の程度に実施してよい。有効成分の分離精製は、例えば、化合物の分離精製に用いられる公知の手法により実施できる。そのような手法としては、遠心分離、塩析、溶媒抽出、ゲルろ過、HPLC、膜分離が挙げられる。溶媒抽出には、例えば、極性溶媒、非極性溶媒、またはそれらの混合溶媒を用いてよい。
[0045]
 有効成分としては、特に、ビフィドバクテリウム属細菌(具体的には、ビフィドバクテリウム属細菌の菌体またはそれを含有する画分)を用いてよい。言い換えると、有効成分は、特に、ビフィドバクテリウム属細菌(具体的には、ビフィドバクテリウム属細菌の菌体またはそれを含有する画分)であってよい。ビフィドバクテリウム属細菌として、具体的には、ビフィドバクテリウム属細菌の培養物、同培養物から回収した菌体、それらの希釈物、濃縮物、乾燥物、殺菌物等の処理物が挙げられる。菌体は、生菌体であってもよく、死菌体であってもよい。菌体は、特に、死菌体を含有する形態で使用されてよい。菌体は、例えば、死菌体からなるものであってもよく、死菌体と生菌体の混合物であってもよい。菌体中の死菌体の比率は、菌数基準で、例えば、50%以上、70%以上、90%以上、95%以上、97%以上、または99%以上であってよい。死菌体は、例えば、生菌体を殺菌処理に供することにより調製することができる。殺菌処理としては、加熱処理、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、レトルト殺菌法、凍結乾燥法、UHT殺菌法、加圧殺菌法、高圧蒸気滅菌法、乾熱滅菌法、流通蒸気消毒法、電磁波殺菌法、電子線滅菌法、高周波滅菌法、放射線滅菌法、紫外線殺菌法、酸化エチレンガス滅菌法、過酸化水素ガスプラズマ滅菌法、アルコール殺菌法、ホルマリン固定法、電解水処理法が挙げられる。加熱処理としては、70~100℃で10~60分の加熱が挙げられる。
[0046]
<2>本発明の組成物
 本発明の組成物は、上記の有効成分を含有する組成物である。
[0047]
 すなわち、本発明の組成物は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌および/または該細菌による生産物を含有する組成物である。
[0048]
 本発明の組成物は、対象に投与して利用できる。本発明の組成物は、具体的には、後述する本発明の方法に記載の態様で対象に投与することができる。本発明の組成物は、例えば、上記例示したような効果を得るために利用することができる。
[0049]
 本発明の組成物を利用することにより、具体的には本発明の組成物を対象に投与することにより、当該対象において骨格筋を遅筋化することができる、すなわち、骨格筋遅筋化効果が得られる。すなわち、本発明の組成物は、骨格筋遅筋化用組成物であってよい。
[0050]
 また、本発明の組成物を利用することにより、具体的には本発明の組成物を対象に投与することにより、当該対象においてAMPKの活性化が促進されてよい、すなわち、AMPK活性化促進効果が得られてよい。すなわち、本発明の組成物は、AMPK活性化促進用組成物であってもよい。AMPK活性化促進用組成物の一態様は、例えば、骨格筋遅筋化用組成物であってもよい。
[0051]
 また、本発明の組成物を利用することにより、具体的には本発明の組成物を対象に投与することにより、当該対象においてPGC-1αの発現が促進されてよい、すなわち、PGC-1α発現促進効果が得られてよい。すなわち、本発明の組成物は、PGC-1α発現促進用組成物であってもよい。PGC-1α発現促進用組成物の一態様は、例えば、骨格筋遅筋化用組成物であってもよい。
[0052]
 また、本発明の組成物を利用することにより、具体的には本発明の組成物を対象に投与することにより、当該対象において上記例示したような骨格筋の遅筋化に基づく効果が得られてよい。すなわち、本発明の組成物は、持久力向上用組成物であってもよい。また、本発明の組成物は、筋力向上用組成物であってもよい。また、本発明の組成物は、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療用の組成物であってもよい。これらの組成物は、いずれも、例えば、骨格筋遅筋化用組成物の一態様であってもよい。
[0053]
 本発明の組成物が投与される対象については、「本発明の方法」における有効成分が投与される対象についての記載を準用できる。
[0054]
 本発明の組成物は、例えば、飲食品組成物、医薬組成物、または飼料組成物であってよい。本発明の組成物は、特に、飲食品組成物または医薬組成物であってもよい。すなわち、本発明は、例えば、骨格筋遅筋化用等の上記例示した用途の飲食品組成物、骨格筋遅筋化用等の上記例示した用途の医薬組成物、または骨格筋遅筋化用等の上記例示した用途の飼料組成物を提供してよい。飲食品組成物、医薬組成物、または飼料組成物である本発明の組成物を、それぞれ、「本発明の飲食品組成物」、「本発明の医薬組成物」、および「本発明の飼料組成物」ともいう。
[0055]
 本発明の組成物は、有効成分からなるものであってもよく、有効成分以外の成分を含有していてもよい。
[0056]
 有効成分以外の成分は、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果を損なわない限り、特に制限されない。有効成分以外の成分としては、本発明の組成物の利用態様に応じて許容可能なものを利用できる。有効成分以外の成分としては、例えば、飲食品、医薬品、または飼料に配合して利用される成分を利用できる。有効成分以外の成分として、具体的には、後述する飲食品組成物、医薬組成物、または飼料組成物について例示するような成分が挙げられる。有効成分以外の成分としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
[0057]
 有効成分以外の成分として、具体的には、筋肉増量作用を有する成分や筋肉増量作用を補助する成分が挙げられる。そのような成分として、具体的には、ホエイタンパク質、カゼインタンパク質、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質(ピープロテイン)等のタンパク質類、それらの混合物、それらの分解物;ロイシン、バリン、イソロイシン、グルタミン等のアミノ酸類;ビタミンB6やビタミンC等のビタミン類;クレアチン;クエン酸;フィッシュオイルが挙げられる。
[0058]
 本発明の組成物における各成分(すなわち、有効成分および任意でその他の成分)の含有量や含有量比は、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が得られる限り、特に制限されない。本発明の組成物における各成分の含有量や含有量比は、有効成分の種類、その他の成分の種類、組成物の種類、形状(剤形)、および用法、投与対象の種類、年齢、および健康状態等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
[0059]
 本発明の組成物における有効成分の含有量は、例えば、菌体の含有量に換算して、1×10 cells/g以上、1×10 cells/g以上、1×10 cells/g以上、1×10 cells/g以上、または1×10 cells/g以上であってもよく、10 13cells/g以下、10 12cells/g以下、または1×10 11cells/g以下であってもよく、それらの組み合わせの範囲であってもよい。また、本発明の組成物における有効成分の含有量は、例えば、菌体の含有量に換算して、1×10 cells/mL以上、1×10 cells/mL以上、1×10 cells/mL以上、1×10 cells/mL以上、または1×10 cells/mL以上であってもよく、10 13cells/mL以下、10 12cells/mL以下、または1×10 11cells/mL以下であってもよく、それらの組み合わせの範囲であってもよい。本発明の組成物における有効成分の含有量は、具体的には、例えば、菌体の含有量に換算して、1×10 ~1×10 12cells/gまたは1×10 ~1×10 12cells/mL、好ましくは1×10 ~1×10 11cells/gまたは1×10 ~1×10 11cells/mL、より好ましくは1×10 ~1×10 10cells/gまたは1×10 ~1×10 10cells/mLであってもよい。有効成分が生菌体である場合、「cells」は「cfu」と読み替えてもよい。「cfu」は、colony forming unit(コロニー形成単位)を表す。
[0060]
 本発明の組成物における有効成分の含有量は、例えば、元の培養物の含有量に換算して、0.01%(w/w)以上、0.1%(w/w)以上、1%(w/w)以上、5%(w/w)以上、または10%(w/w)以上であってもよく、10000%(w/w)以下、5000%(w/w)以下、1000%(w/w)以下、500%(w/w)以下、300%(w/w)以下、200%(w/w)以下、150%(w/w)以下、100%(w/w)以下、70%(w/w)以下、50%(w/w)以下、30%(w/w)以下、10%(w/w)以下、5%(w/w)以下、または1%(w/w)以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。本発明の組成物における有効成分の含有量は、具体的には、例えば、元の培養物の含有量に換算して、1~10000%(w/w)、好ましくは10~1000%(w/w)であってもよい。すなわち、例えば、本発明の組成物は、ビフィドバクテリウム属細菌の培養物またはその由来物(培養上清等)を上記例示したような含有量で含有していてもよい。「元の培養物」とは、培養後に濃縮や希釈等の濃度変化が生じていない培養物をいい、具体的には、培養直後の培養物(すなわち、ビフィドバクテリウム属細菌の培養物そのもの)であってよい。そのような培養物は、例えば、上記例示したような培地を用いてビフィドバクテリウム属細菌が1×10 ~1×10 11cfu/mL、好ましくは1×10 ~1×10 10cfu/mLとなるように培養した培養物であってもよい。なお、100%(w/w)を超える含有量は、培養物またはその由来物(培養上清等)が濃縮されて本発明の組成物に含有されていることを意味する。すなわち、例えば、1000%(w/w)という含有量は、培養物またはその由来物(培養上清等)が10倍に濃縮されて本発明の組成物に含有されていることを意味する。
[0061]
 また、本発明の組成物における有効成分の含有量は、例えば、後述するような有効成分の投与量が得られるように設定することができる。すなわち、本発明の組成物の投与量は、例えば、有効成分の投与量(菌体基準)に換算して、1×10 ~1×10 12cells/kg体重/日、好ましくは1×10 ~1×10 11cells/kg体重/日、より好ましくは1×10 ~1×10 10cells/kg体重/日であってよい。また、本発明の組成物の投与量は、例えば、有効成分の投与量(菌体基準)に換算して、1×10 ~1×10 14cells/日/個体、好ましくは1×10 ~1×10 13cells/日/個体、より好ましくは1×10 ~1×10 12cells/日/個体であってよい。有効成分が生菌体である場合、「cells」は「cfu」と読み替えてもよい。また、本発明の組成物の投与量は、例えば、有効成分の投与量(元の培養物基準)に換算して、0.01~100mL/kg体重/日、好ましくは0.1~10mL/kg体重/日であってよい。
[0062]
 本発明の組成物の形状は特に制限されない。本発明の組成物の形状としては、本発明の組成物の利用態様に応じて許容可能なものを採用できる。本発明の組成物の形状として、具体的には、後述する飲食品組成物、医薬組成物、または飼料組成物について例示するような形状が挙げられる。
[0063]
<飲食品組成物>
 本発明の飲食品組成物は、有効成分を含有する限り特に制限されない。本発明の飲食品組成物は、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の任意の形状で提供されてよい。
[0064]
 飲食品組成物は、例えば、飲食品そのものであってもよく、飲食品の製造に利用される素材であってもよい。そのような素材としては、調味料、食品添加物、その他の飲食品原料が挙げられる。飲食品組成物として、具体的には、小麦粉製品、即席食品、農産加工品、水産加工品、畜産加工品、乳製品(発酵乳、チーズ、育児用調製粉乳等)、油脂類、基礎調味料、複合調味料、冷凍食品、菓子類、飲料、これら以外の市販の飲食品が挙げられる。また、飲食品組成物として、具体的には、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、等)、栄養補助食品、医薬用部外品も挙げられる。また、飲食品組成物は、例えば、サプリメントであってもよく、具体的には、タブレット状のサプリメントであってもよい。
[0065]
 本発明の飲食品組成物は、有効成分を他の成分と組み合わせることにより製造できる。有効成分を他の成分と組み合わせる操作を、「有効成分の添加」ともいう。本発明の飲食品組成物の製造方法は、特に制限されない。本発明の飲食品組成物は、有効成分を添加すること以外は、例えば、通常の飲食品と同様の原料を用いて通常の飲食品と同様の方法により製造することができる。本発明の飲食品組成物が、調味料、食品添加物、その他の飲食品原料等の飲食品の製造に利用される素材として製造される場合も同様である。有効成分の添加は、飲食品組成物の製造工程のいずれの段階で実施してもよい。有効成分の添加は、例えば、飲食品組成物の製造途中または製造後に実施してよい。すなわち、例えば、予め調製された飲食品に有効成分を添加して本発明の飲食品組成物としてもよい。また、添加した有効成分(特にビフィドバクテリウム属細菌)による発酵工程を経て、飲食品組成物が製造されてもよい。発酵工程を経て製造される飲食品組成物としては、乳酸菌飲料や発酵乳等の発酵製品が挙げられる。すなわち、有効成分(特にビフィドバクテリウム属細菌)は、例えば、発酵製品の製造用のスターターとして使用してもよい。また、有効成分は、製造された発酵製品に後から添加することもできる。
[0066]
 また、本発明の飲食品組成物を用いて、さらに別の飲食品組成物を製造することもできる。すなわち、例えば、本発明の飲食品組成物が、調味料、食品添加物、その他の飲食品原料等の飲食品の製造に利用される素材として提供される場合、飲食品の原料に本発明の飲食品組成物を添加することにより別の飲食品組成物を製造することができる。このようにして製造される別の飲食品組成物も、本発明の飲食品組成物の一態様である。本発明の飲食品組成物の添加については、飲食品組成物の製造における有効成分の添加についての記載を準用できる。
[0067]
 本発明の飲食品組成物は、骨格筋遅筋化用、AMPK活性化促進用、PGC-1α発現促進用、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療用等の用途(保健用途を含む)が表示された飲食品として提供および販売することが可能である。また、本発明の飲食品組成物は、その摂取対象として、「アスリートの方」、「筋肉を増やしたい方」、「運動不足に伴う筋力の衰えが気になる方」、「加齢によって衰える筋肉が気になる方」、「年齢とともに衰える筋力が気になる方」、「フレイルを改善したい方」等と表示して提供および販売することが可能である。
[0068]
 「表示」には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起または類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物および媒体等の如何に拘わらず、全て「表示」に該当する。表示は、特に、需要者が前記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。
[0069]
 表示として、具体的には、具体的には、本発明の飲食品組成物に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が挙げられる。表示としては、特に、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等への表示が挙げられる。
[0070]
 また、表示としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)が好ましい。また、表示としては、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、栄養補助食品、医薬用部外品等としての表示が挙げられる。行政等によって認可された表示としては、消費者庁によって認可される表示が挙げられる。消費者庁によって認可される表示としては、特定保健用食品やそれに類似する制度にて認可される表示が挙げられる。消費者庁によって認可される表示としては、具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク減少表示、科学的根拠に基づいた機能性の表示等が挙げられ、より具体的には、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成二十一年八月三十一日内閣府令第五十七号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)及びこれに類する表示が挙げられる。
[0071]
 本発明の飲食品組成物における有効成分の含有量は、例えば、上述の範囲であってよい。すなわち、本発明の飲食品組成物における有効成分の含有量は、具体的には、例えば、菌体の含有量に換算して、1×10 ~1×10 12cells/gまたは1×10 ~1×10 12cells/mL、好ましくは1×10 ~1×10 11cells/gまたは1×10 ~1×10 11cells/mL、より好ましくは1×10 ~1×10 10cells/gまたは1×10 ~1×10 10cells/mLであってもよい。有効成分が生菌体である場合、「cells」は「cfu」と読み替えてもよい。また、本発明の飲食品組成物における有効成分の含有量は、具体的には、例えば、元の培養物の含有量に換算して、1~10000%(w/w)、好ましくは10~1000%(w/w)であってもよい。
[0072]
 本発明の飲食品組成物の投与量は、例えば、上述の範囲であってよい。すなわち、本発明の飲食品組成物の投与量は、具体的には、例えば、有効成分の投与量(菌体の量を基準とする)に換算して、1×10 ~1×10 12cells/kg体重/日、好ましくは1×10 ~1×10 11cells/kg体重/日、より好ましくは1×10 ~1×10 10cells/kg体重/日であってもよい。また、本発明の飲食品組成物の投与量は、具体的には、例えば、有効成分の投与量(菌体の量を基準とする)に換算して、1×10 ~1×10 14cells/日/個体、好ましくは1×10 ~1×10 13cells/日/個体、より好ましくは1×10 ~1×10 12cells/日/個体であってもよい。有効成分が生菌体である場合、「cells」は「cfu」と読み替えてもよい。また、本発明の飲食品組成物の投与量は、具体的には、例えば、有効成分の投与量(元の培養物の量を基準とする)に換算して、0.01~100mL/kg体重/日、好ましくは0.1~10mL/kg体重/日であってもよい。
[0073]
<医薬組成物>
 本発明の医薬組成物は、有効成分を含有する限り特に制限されない。本発明の医薬組成物としては、例えば、有効成分をそのまま使用してもよく、有効成分を適宜製剤化して使用してもよい。
[0074]
 本発明の医薬組成物の剤形は、特に制限されない。本発明の医薬組成物の剤形は、例えば、投与方法等の諸条件に応じて適宜選択することができる。本発明の医薬組成物は、経口投与用であってもよく、非経口投与用であってもよい。本発明の医薬組成物は、特に、経口投与用であってよい。経口投与の場合、剤形として、具体的には、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の固形剤や、溶液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤等の液剤が挙げられる。非経口投与の場合、剤形として、具体的には、座剤や軟膏剤が挙げられる。製剤化にあたっては、生理的に許容される添加剤を使用することができる。添加剤としては、各種の有機成分および無機成分が挙げられる。添加剤として、具体的には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、溶剤が挙げられる。これら添加剤は、例えば、剤形等の諸条件に応じて適宜選択することができる。
[0075]
 賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α‐デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
[0076]
 結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴール等が挙げられる。
[0077]
 崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。
[0078]
 滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ピーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸塩類;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
[0079]
 安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
[0080]
 矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
[0081]
 本発明の医薬組成物における有効成分の含有量は、例えば、上述の範囲であってよい。すなわち、本発明の医薬組成物における有効成分の含有量は、具体的には、例えば、菌体の含有量に換算して、1×10 ~1×10 12cells/gまたは1×10 ~1×10 12cells/mL、好ましくは1×10 ~1×10 11cells/gまたは1×10 ~1×10 11cells/mL、より好ましくは1×10 ~1×10 10cells/gまたは1×10 ~1×10 10cells/mLであってもよい。有効成分が生菌体である場合、「cells」は「cfu」と読み替えてもよい。また、本発明の医薬組成物における有効成分の含有量は、具体的には、例えば、元の培養物の含有量に換算して、1~10000%(w/w)、好ましくは10~1000%(w/w)であってもよい。
[0082]
 本発明の医薬組成物の投与量は、例えば、上述の範囲であってよい。すなわち、本発明の医薬組成物の投与量は、具体的には、例えば、有効成分の投与量(菌体の量を基準とする)に換算して、1×10 ~1×10 12cells/kg体重/日、好ましくは1×10 ~1×10 11cells/kg体重/日、より好ましくは1×10 ~1×10 10cells/kg体重/日であってもよい。また、本発明の医薬組成物の投与量は、具体的には、例えば、有効成分の投与量(菌体の量を基準とする)に換算して、1×10 ~1×10 14cells/日/個体、好ましくは1×10 ~1×10 13cells/日/個体、より好ましくは1×10 ~1×10 12cells/日/個体であってもよい。有効成分が生菌体である場合、「cells」は「cfu」と読み替えてもよい。また、本発明の医薬組成物の投与量は、具体的には、例えば、有効成分の投与量(元の培養物の量を基準とする)に換算して、0.01~100mL/kg体重/日、好ましくは0.1~10mL/kg体重/日であってもよい。
[0083]
<飼料組成物>
 本発明の飼料組成物は、有効成分を含有する限り特に制限されない。飼料組成物としては、ペットフードや家畜飼料が挙げられる。本発明の飼料は、粉末状、顆粒状、クランブル状、ペレット状、キューブ状、ペースト状、液状等の任意の形状で提供されてよい。
[0084]
 本発明の飼料組成物は、有効成分を他の成分と組み合わせることにより製造できる。有効成分を他の成分と組み合わせる操作を、「有効成分の添加」ともいう。本発明の飼料組成物の製造方法は、特に制限されない。本発明の飼料組成物は、有効成分を添加すること以外は、例えば、通常の飼料と同様の原料を用いて通常の飼料と同様の方法により製造することができる。有効成分の添加は、飼料組成物の製造工程のいずれの段階で実施してもよい。有効成分の添加は、例えば、飼料組成物の製造途中または製造後に実施してよい。すなわち、例えば、予め調製された飼料に有効成分を添加して本発明の飼料組成物としてもよい。また、添加した有効成分(特にビフィドバクテリウム属細菌)による発酵工程を経て、飼料組成物が製造されてもよい。発酵工程を経て製造される飼料組成物としては、サイレージが挙げられる。
[0085]
<3>本発明の方法
 本発明の方法は、上記の有効成分を対象に投与する工程を含む方法である。同工程を、「投与工程」ともいう。
[0086]
 すなわち、本発明の方法は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌および/または該細菌による生産物を対象に投与する工程を含む方法である。
[0087]
 本発明の方法により、具体的には有効成分を対象に投与することにより、当該対象において骨格筋を遅筋化することができる、すなわち、骨格筋遅筋化効果が得られる。すなわち、本発明の方法は、骨格筋を遅筋化する方法であってよい。
[0088]
 また、本発明の方法により、具体的には有効成分を対象に投与することにより、当該対象においてAMPKの活性化が促進されてよい、すなわち、AMPK活性化促進効果が得られてよい。すなわち、本発明の方法は、AMPKの活性化を促進する方法であってもよい。AMPKの活性化を促進する方法の一態様は、例えば、骨格筋を遅筋化する方法であってもよい。
[0089]
 また、本発明の方法により、具体的には有効成分を対象に投与することにより、当該対象においてPGC-1αの発現が促進されてよい、すなわち、PGC-1α発現促進効果が得られてよい。すなわち、本発明の方法は、PGC-1αの発現を促進する方法であってもよい。PGC-1αの発現を促進する方法の一態様は、例えば、骨格筋を遅筋化する方法であってもよい。
[0090]
 また、本発明の方法により、具体的には有効成分を対象に投与することにより、当該対象において上記例示したような骨格筋の遅筋化に基づく効果が得られてよい。すなわち、本発明の方法は、持久力を向上させる方法であってもよい。また、本発明の方法は、筋力を向上させる方法であってもよい。また、本発明の方法は、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状を予防、改善、および/または治療する方法であってもよい。これらの方法は、いずれも、例えば、骨格筋を遅筋化する方法の一態様であってもよい。
[0091]
 なお、「有効成分を対象に投与すること」は、「対象に有効成分を摂取させること」と同義であってよい。摂取は、自発的なもの(自由摂取)であってもよく、強制的なもの(強制摂取)であってもよい。すなわち、投与工程は、具体的には、例えば、有効成分を飲食品や飼料に配合して対象に供給し、以て対象に有効成分を自由摂取させる工程であってもよい。投与は、経口投与であってもよく、非経口投与であってもよい。投与は、通常は、経口投与であってよい。非経口投与としては、経管投与や直腸内投与が挙げられる。
[0092]
 有効成分の投与態様(例えば、投与対象、投与時期、投与期間、投与回数、投与量、その他投与に係る条件)は、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が得られる限り、特に制限されない。有効成分の投与態様は、有効成分の種類や、投与対象の種類、年齢、および健康状態等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
[0093]
 有効成分が投与される対象は、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が得られる限り、特に制限されない。有効成分が投与される対象としては、哺乳動物が挙げられる。哺乳動物としては、ヒトやペットが挙げられる。ペットとしては、イヌやネコが挙げられる。哺乳動物としては、特に、ヒトが挙げられる。哺乳動物は、オスであってもよく、メスであってもよい。有効成分が投与されるヒトの条件は、特に制限されない。有効成分は、例えば、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果を希望するいずれのヒトに投与されてもよい。ヒトは、例えば、乳幼児、小児、大人、中高年、高齢者等のいずれの年代の者であってもよい。ヒトは、例えば、健常者であってもよく、非健常者であってもよい。非健常者としては、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状を呈する者が挙げられる。ヒトは、例えば、アスリートやスポーツ愛好家等の、日常の動作以外の身体運動を実施する者であってもよく、そうでなくてもよい。
[0094]
 有効成分の投与量は、例えば、菌体の投与量に換算して、1×10 cells/kg体重/日以上、1×10 cells/kg体重/日以上、または1×10 cells/kg体重/日以上であってもよく、1×10 12cells/kg体重/日以下、1×10 11cells/kg体重/日以下、または1×10 10cells/kg体重/日以下であってもよく、それらの組み合わせの範囲であってもよい。有効成分の投与量は、具体的には、例えば、菌体の投与量に換算して、1×10 ~1×10 12cells/kg体重/日、好ましくは1×10 ~1×10 11cells/kg体重/日、より好ましくは1×10 ~1×10 10cells/kg体重/日であってもよい。有効成分が生菌体である場合、「cells」は「cfu」と読み替えてもよい。
[0095]
 有効成分の投与量は、例えば、菌体の投与量に換算して、1×10 cells/日/個体以上、1×10 cells/日/個体以上、または1×10 cells/日/個体以上であってもよく、1×10 14cells/日/個体以下、1×10 13cells/日/個体以下、または1×10 12cells/日/個体以下であってもよく、それらの組み合わせの範囲であってもよい。有効成分の投与量は、具体的には、例えば、菌体の投与量に換算して、1×10 ~1×10 14cells/日/個体、好ましくは1×10 ~1×10 13cells/日/個体、より好ましくは1×10 ~1×10 12cells/日/個体であってもよい。有効成分が生菌体である場合、「cells」は「cfu」と読み替えてもよい。
[0096]
 有効成分の投与量は、例えば、元の培養物の投与量に換算して、0.01mL/kg体重/日以上、または0.1mL/kg体重/日以上であってもよく、100mL/kg体重/日以下、または10mL/kg体重/日以下であってもよく、それらの組み合わせの範囲であってもよい。有効成分の投与量は、具体的には、例えば、元の培養物の投与量に換算して、0.01~100mL/kg体重/日、好ましくは0.1~10mL/kg体重/日であってもよい。すなわち、例えば、ビフィドバクテリウム属細菌の培養物またはその由来物(培養上清等)を上記例示したような投与量で投与してもよい。
[0097]
 有効成分の投与期間は、例えば、4週間以上、好ましくは8週間以上、より好ましくは12週間以上であってよい。有効成分は、例えば、1日当たり1回投与してもよく、1日当たり複数回に分けて投与してもよい。また、有効成分は、例えば、毎日投与してもよく、数日に1回投与してもよい。有効成分は、特に、毎日投与してよい。各投与時の有効成分の投与量は、一定であってもよく、そうでなくてもよい。
[0098]
 有効成分は、例えば、そのまま対象に投与されてもよく、有効成分を含有する、飲食品組成物、医薬組成物、飼料組成物等の組成物として調製され、対象に投与されてもよい。有効成分を含有する組成物については、本発明の組成物の記載を準用できる。また、有効成分は、単独で投与されてもよく、他の成分と併用投与されてもよい。他の成分としては、医薬や医薬組成物、飲食品や飲食品組成物、飼料や飼料組成物、それらに含有される成分が挙げられる。これら他の成分は、骨格筋遅筋化用等の上記例示した用途に用いるためのものであってもよく、そうでなくてもよい。
[0099]
 有効成分は、例えば、本発明の組成物を利用して(すなわち本発明の組成物を投与することにより)、対象に投与することもできる。すなわち、本発明の方法の一態様は、本発明の組成物を対象に投与する工程を含む方法であってよい。すなわち、「有効成分の投与」には、本発明の組成物の投与も包含される。本発明の組成物の投与態様(例えば、投与対象、投与時期、投与期間、投与回数、投与量、その他投与に係る条件)は、骨格筋遅筋化効果等の所望の効果が得られる限り、特に制限されない。本発明の組成物の投与態様は、有効成分の種類や含有量、その他の成分の種類や含有量、組成物の種類や形状(剤形)、投与対象の種類、年齢、および健康状態等の諸条件に応じて適宜設定することができる。上述したような有効成分の投与態様に関する記載は、本発明の組成物を対象に投与する場合にも準用できる。すなわち、本発明の組成物は、例えば、上記例示したような対象に投与することができる。また、本発明の組成物の投与量は、例えば、上記例示したような有効成分の投与量が得られるように設定することができる。また、本発明の組成物は、単独で投与されてもよく、医薬や医薬組成物、飲食品や飲食品組成物、飼料や飼料組成物、それらに含有される成分等の、他の成分と併用投与されてもよい。
実施例
[0100]
 以下、非限定的な実施例を参照して、本発明をさらに具体的に説明する。
[0101]
[製造例1]
 ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175をMRS液体培地3 mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養し、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、該細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。該菌末と、ホエイタンパク質濃縮物(Whey protein concentrate;WPC)とを均一に混合して組成物を得る。当該組成物20 gを200 gの水に溶かし、骨格筋遅筋化用組成物等の特定の用途に利用できる組成物を得る。同組成物は、例えば、飲食品として摂取可能である。同組成物の摂取により、骨格筋遅筋化効果等の上記例示したような効果が期待できる。
[0102]
[製造例2]
 ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175をMRS液体培地3 mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養し、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、該細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。該菌末と、乳タンパク質濃縮物の乾燥粉末(MPC480、フォンテラ社製、タンパク質含量80質量%、カゼインタンパク質:ホエイタンパク質=約8:2)とを均一に混合して、組成物を得る。当該組成物20 gを200 gの水に溶かし、骨格筋遅筋化用組成物等の特定の用途に利用できる組成物を得る。同組成物は、例えば、飲食品として摂取可能である。同組成物の摂取により、骨格筋遅筋化効果等の上記例示したような効果が期待できる。
[0103]
[実施例]
<投与品の調製>
 ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の凍結乾燥粉末を生理食塩水により5×10 cfu/mLの濃度に希釈し、生菌体投与品を得た。ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の生菌体投与品を90℃で30分間加熱し、加熱殺菌体投与品を得た。
[0104]
<動物試験>
 Crl:CD(SD)ラット(日本チャールズ・リバー社:健常ラット)を実験動物として用い、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の生菌体投与品及び加熱殺菌体投与品の4週間継続摂取による筋肉組織中の筋繊維タイプへの影響を評価した。
[0105]
 実験動物は、7週齢で購入後、ラボMRストック飼料(ノーサン工業社製)および水道水を自由摂取させた。1週間の馴化後、実験動物をコントロール群(生理食塩水を5mL/kg体重/日投与する群)、ビフィドバクテリウム生菌体投与群(生菌体投与品を2mL/日/匹(菌数換算で1×10 cfu/日/匹)投与する群)、ビフィドバクテリウム加熱殺菌体投与群(加熱殺菌体投与品を2mL/日/匹(菌数換算で1×10 cells/日/匹)投与する群)に分け、各マウスに1日1回経口ゾンデを用いた投与品の経口投与を4週間継続した。最後の経口投与が終了した1時間後に実験動物をセボフルラン麻酔下で処置して、ヒラメ筋および腓腹筋を摘出した。
[0106]
 腓腹筋は、以下の手順により、遅筋繊維割合の測定に用いた。すなわち、摘出した腓腹筋を薄切し、Anti-SERCA2 ATPase抗体(アブカム社)を用いて免疫組織染色法により遅筋繊維を染色した。各群について、顕微鏡下で腓腹筋内側頭中央部の3視野を観察し、合計450本の繊維について染色率(遅筋繊維割合)を計測した。
[0107]
 各群の遅筋繊維割合を図1に示す。各群の遅筋繊維染色画像を図2~4に示す。図2~4中、暗い領域が遅筋繊維、明るい領域が速筋繊維である。ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の投与により、コントロールに比べて遅筋繊維割合が増加した。特に、生菌体投与群より加熱殺菌体投与群で遅筋繊維割合の顕著な増加が確認された。具体的には、コントロールに比して、生菌体投与群では遅筋繊維割合が3.80%増加し、加熱殺菌体投与群では遅筋繊維割合が12.70%増加した。以上のとおり、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の投与による骨格筋の遅筋化が確認された。
[0108]
 ヒラメ筋は、以下の手順により、骨格筋の遅筋化に関わるシグナル経路(Zhang et al., Int J Biol Sci, 13(9), 1152-1162(2017);Suwa et al., J. Appl. Physiol, 95, 960-968(2003))の評価に用いた。骨格筋の遅筋化に関わるシグナル経路としては、活性型AMP-activated protein kinase(AMPK)量をウェスタンブロッティング法により測定し、ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ共役因子-1α(PGC-1α)の発現量をリアルタイムPCR法により測定した。
[0109]
 摘出したヒラメ筋の一部よりRNeasy Mini Kit(キアゲン社)を用いてRNAを抽出し、PrimeScript RT Reagent Kit(タカラバイオ社)により相補的DNA(cDNA)ライブラリーを調製した。得られたcDNAライブラリーを鋳型として、SYBR Premix Ex Taq2(タカラバイオ社)と、PGC-1α用プライマー(配列番号1および2)または内因性コントロールGAPDH用プライマー(配列番号3および4)を用いてPCRを実施し、PGC-1αのmRNAレベルでの発現量を定量した。この際、PGC-1αの発現量は、GAPDHの発現量に基づいて標準化し、コントロールに対する相対値として算出した。
[0110]
[表1]


[0111]
 PGC-1αの発現量を図5に示す。ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の投与により、コントロールに比べてPGC-1αの発現量が増加した。特に、生菌体投与群より加熱殺菌体投与群でPGC-1αの発現量の顕著な増加が確認された。具体的には、コントロールに比して、生菌体投与群ではPGC-1αの発現量が1.31倍に増加し、加熱殺菌体ではPGC-1αの発現量が1.90倍に増加した。
[0112]
 摘出したヒラメ筋の一部よりRIPAバッファー(CST社)を用いてタンパク質を抽出し、ウェスタンブロッティング法によってリン酸化AMPK(活性型AMPK)量を定量した。この際、リン酸化AMPK量は、全AMPK量に基づいて標準化し、コントロールに対する相対値として算出した。
[0113]
 リン酸化AMPK量を図6に示す。ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の投与により、コントロールに比べて活性型AMPK量が増加した。具体的には、コントロールに比して、生菌体投与群では活性型AMPK量が1.42倍に増加し、加熱殺菌体投与群では活性型AMPK量が1.48倍に増加した。
[0114]
 上記の結果から、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175の投与により遅筋化促進に関わるシグナル経路が活性化され、その結果、骨格筋の遅筋割合が向上することが示唆された。この現象は、生菌体投与群より加熱殺菌体投与群で顕著であった。
[0115]
<配列表の説明>
配列番号1~4:プライマー

産業上の利用可能性

[0116]
 本発明によれば、骨格筋遅筋化用組成物等の特定の用途に利用できる組成物を提供できる。

請求の範囲

[請求項1]
 下記成分(A)を有効成分として含有する、骨格筋遅筋化用組成物:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
[請求項2]
 下記成分(A)を有効成分として含有する、持久力向上用組成物:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
[請求項3]
 下記成分(A)を有効成分として含有する、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療用組成物:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
[請求項4]
 前記組成物が、医薬組成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項5]
 前記組成物が、飲食品組成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項6]
 前記成分(A)が、前記細菌である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項7]
 前記成分(A)が、前記細菌の死菌体を含有する、請求項6に記載の組成物。
[請求項8]
 前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項9]
 前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項10]
 下記成分(A)を対象に投与する工程を含む、骨格筋を遅筋化する方法:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
[請求項11]
 下記成分(A)を対象に投与する工程を含む、筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状を予防、改善、および/または治療する方法:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
[請求項12]
 筋萎縮および/または筋力低下に関連する症状の予防、改善、および/または治療のための、下記成分(A)の使用:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
[請求項13]
 骨格筋の遅筋化のための、下記成分(A)の使用:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。
[請求項14]
 請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物の製造のための、下記成分(A)の使用:
(A)ビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium)および/または該細菌による生産物。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]