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1. WO2020203663 - 感光性樹脂組成物作製キットおよび感光性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板およびその製造方法

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明 細 書

発明の名称 感光性樹脂組成物作製キットおよび感光性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板およびその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116  

実施例

0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 感光性樹脂組成物作製キットおよび感光性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板およびその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、感光性樹脂組成物作製キットおよび感光性樹脂組成物に関する。さらに、本発明は、感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜、ならびに硬化膜付き基板およびその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 フレキシブルプリント配線板(FPC)の配線上には、絶縁膜(ソルダーレジスト膜)が設けられている。ソルダーレジスト膜の形成には、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、マット剤(フィラー)、着色剤および重合開始剤等を含む感光性樹脂組成物が用いられている(例えば特許文献1)。特許文献2には、長期保管の安定性を高めるために、感光性樹脂組成物の構成成分を2種以上の溶液に分けて個別に調製したキットとして提供し、キットを構成する2種以上の溶液を混合して感光性樹脂組成物とすることが提案されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2012/147745号
特許文献2 : 特開2013-105068号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 マット剤および着色剤を含む感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、露光により硬化して得られる硬化膜には、微小な穴欠陥が形成されている場合がある。プリント配線板の金属配線上に設けられる硬化膜にこのような微小な穴欠陥(以下「微小穴欠陥」と記載する)が形成されていると、微小穴欠陥部分では金属配線が硬化膜に覆われていないため、絶縁性および絶縁信頼性が担保されなくなる。
[0005]
 かかる課題に鑑み、本発明は、プリント配線板等の基板上に設けられる硬化膜における微小穴欠陥の形成を抑制可能な感光性樹脂組成物、および当該感光性樹脂組成物の調製に用いられるキットの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の一実施形態は、A剤およびB剤を含む感光性樹脂組成物作製キット(以下、単に「キット」と記載する場合がある)である。A剤とB剤とを混合することにより感光性樹脂組成物を調製できる。感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成し、塗膜の露光および現像を行うことにより、硬化膜付き基板が得られる。感光性樹脂組成物を塗布する基板は、プリント配線板であってもよい。
[0007]
 感光性樹脂組成物を80℃で20分乾燥させた30mm角の塗膜は、直径0.3mmのジルコニアビーズを付着させた際の付着量が0.7g以下であってもよい。
[0008]
 キットのA剤は、(a1)カルボキシ基を有しエチレン性不飽和基を有さない化合物、(a2)カルボキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物、(a3)マット剤、および(a4)第一分散剤を含有する。キットのB剤は、(b1)カルボキシ基と反応可能な反応性基を有する化合物、(b2)光ラジカル重合開始剤、(b3)着色剤、および(b4)第二分散剤を含有する。
[0009]
 A剤およびB剤の少なくとも一方には、(c)カルボキシ基を有さずエチレン性不飽和基を有する化合物が含まれていてもよい。
[0010]
 A剤に含まれる第一分散剤の酸価は1~60mgKOH/gである。B剤に含まれる第二分散剤のアミン価は1mgKOH/g以上である。
[0011]
 A剤に含まれるマット剤は、金属酸化物粒子を含んでいてもよい。A剤に含まれる金属酸化物粒子の量は、A剤の樹脂分100重量部に対して20重量部以上であってもよい。
[0012]
 マット剤は、固形状の難燃剤を含んでいてもよく、マット剤として、金属酸化物粒子と難燃剤とを含んでいてもよい。金属酸化物粒子としては、例えばシリカ粒子が挙げられる。A剤に含まれるマット剤の量は、A剤の樹脂分100重量部に対して60重量部以上であってもよい。

発明の効果

[0013]
 上記のキットを用いることにより、硬化膜の微小穴欠陥が低減する傾向があり、プリント配線板等の絶縁性および絶縁信頼性の向上に寄与し得る。

発明を実施するための形態

[0014]
 本発明の一実施形態は、硬化膜の形成に好適に用いられる感光性樹脂組成物に関する。本発明の他の実施形態は、当該感光性樹脂組成物の調製に用いられるキットに関する。
[0015]
 感光性樹脂組成物作製キットは、主剤としてのA剤と硬化剤としてのB剤を含む。A剤は、(a1)カルボキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物、(a2)カルボキシ基を有しエチレン性不飽和基有さない化合物、および(a3)マット剤を含む。B剤は、(b1)カルボキシ基と反応可能な反応性基を有する化合物、(b2)光ラジカル重合開始剤、および(b3)着色剤を含む。A剤およびB剤のいずれか一方または両方には、(c)カルボキシ基を有さずエチレン性不飽和基を有する化合物が含まれていてもよい。
[0016]
 A剤は、上記(a1)~(a3)に加えて、さらに(a4)第一分散剤を含む。B剤は、上記(b1)~(b3)に加えて、さらに(b4)第二分散剤を含む。A剤に含まれる(a4)第一分散剤は、酸価型または両性型の分散剤であり、B剤に含まれる(b4)第二分散剤は、アミン価型または両性型の分散剤である。
[0017]
 主剤としてのA剤と硬化剤としてのB剤とを混合することにより、感光性樹脂組成物を調製できる。感光性樹脂組成物において、(a1)成分、(a2)成分、(b1)成分および(c)成分が樹脂分である。
[0018]
 (a1)成分および(a2)成分がカルボキシ基を有するため、アルカリ可溶性を有している。感光性樹脂組成物は、露光(活性光線の照射)により(b2)光ラジカル重合開始剤が活性化され、(a1)成分および必要に応じて用いられる(c)成分のエチレン性不飽和基の光ラジカル重合反応が進行する。光硬化により、樹脂組成物はアルカリに不溶となる。露光後に樹脂組成物を加熱すると、(a1)および(a2)成分のカルボキシ基が、(b1)成分の反応性基と反応して架橋構造が形成されるため、耐熱性および絶縁性に優れる着色硬化膜(ソルダーレジスト膜)を形成できる。
[0019]
[感光性樹脂組成物の構成成分]
 以下、感光性樹脂組成物を構成する各成分の好ましい形態について、順に説明する。なお、特に断りがない限り、以下の各成分は、それぞれ、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルまたはメタクリロイルを意味する。
[0020]
<(a1)(a2):カルボキシ基含有化合物>
 キットのA剤に含まれる(a1)成分および(a2)成分は、分子内に少なくとも1つのカルボキシ基を有する化合物であり、樹脂組成物による塗膜を形成するための主成分である。(a1)成分および(a2)成分は、カルボキシ基が後述の(b1)成分と反応することにより、硬化膜において架橋構造を形成する。
[0021]
 (a1)成分および(a2)成分のカルボキシ基は、2つのカルボキシ基が脱水したカルボン酸無水物であってもよい。樹脂組成物が、(a1)成分および(a2)成分としてカルボキシ基含有化合物を含むため、硬化前の感光性樹脂組成物はアルカリ可溶性を示す。なお、(a1)成分および(a2)成分のカルボキシ基は、2つのカルボキシ基が脱水したカルボン酸無水物基であってもよい。
[0022]
 (a1)成分および(a2)成分の酸価は、5~200mgKOH/gが好ましく、10~150mgKOH/gがより好ましく、15~100mgKOH/gがさらに好ましい。酸価が上記範囲であることにより、硬化前の樹脂組成物が、適度のアルカリ可溶性を示す。また、酸価が上記範囲であることにより、硬化膜の耐熱性、絶縁信頼性および耐薬品性を向上できるとともに、柔軟性が向上する傾向がある。
[0023]
 (a1)成分はカルボキシ基を有し、エチレン性不飽和基を有さない化合物であり、(a2)成分はカルボキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物である。(a2)成分のエチレン性不飽和基は、後述の(b2)成分から生成した活性種により重合反応が進行するラジカル重合性基であり、アクリル基(CH =CH-)、メタアクリロイル基(CH=C(CH )-)およびビニル基(-CH=CH-)が挙げられる。中でも、光ラジカル反応性が高いことから、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
[0024]
 光ラジカル重合性を有する(a2)成分と、光ラジカル重合性を有さない(a1)成分とを併用することにより、感光性樹脂組成物におけるカルボキシ基の濃度とエチレン性不飽和基の濃度を独立に調整することが可能となる。そのため、感光性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化膜の架橋密度を過度に上昇させることなく、感光性樹脂組成物の感光性およびアルカリ溶解性と、硬化膜の柔軟性とをバランスよく制御することが可能となる。
[0025]
 (a1)成分は、カルボキシ基を有し、エチレン性不飽和基を有さないポリマーであることが好ましい。(a1)成分のポリエチレングリコール換算の重量平均分子量は1,000~1,000,000が好ましく、2,000~200,000がより好ましく、3,000~100,000がさらに好ましく、4,000~50,000が特に好ましい。(a1)成分の分子量が上記範囲であれば、キットおよび感光性樹脂組成物の粘度等の溶液特性を適切に制御可能であり、かつ、耐熱性、耐薬品性および柔軟性に優れる硬化膜が得られやすい。
[0026]
 (a1)成分の具体例としては、カルボキシ基含有(メタ)アクリル系ポリマー、カルボキシ基含有ビニル系ポリマー、酸変性ポリウレタン、酸変性ポリエステル、酸変性ポリカーボネート、酸変性ポリアミド、酸変性ポリイミド、酸変性ポリウレタンアミド、酸変性ポリウレタンイミド等が挙げられる。硬化膜の柔軟性および耐薬品性等の観点から、カルボキシ基含有(メタ)アクリル系共重合体、酸変性ポリウレタン、酸変性ポリアミド、酸変性ポリイミドが好ましい。
[0027]
 (a1)成分は、各種公知の方法により得られる。重合は、溶液重合および無溶媒重合のいずれでもよいが、反応を制御する為には、溶液重合が好ましい。溶液重合の有機溶媒としては、モノマー成分および重合後のポリマーの両方を溶解できるものを特に制限なく用いることができる。溶液重合における溶媒量は、溶液濃度が5~90重量%、好ましくは20~70重量%となるように調整すればよい。
[0028]
 カルボキシ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステル、ならびに1分子中にカルボキシ基および重合可能な二重結合を有する化合物を、モノマー成分として含む共重合体である。カルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、2-(メタ)アクリロイオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイオキシエチルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、アトロパ酸、けい皮酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-Y-リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸、2,2,2-トリス(メタ)アクリロイロキシメチルコハク酸、2-トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルフタル酸等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
[0029]
 カルボキシ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、カルボキシ基含有モノマーおよび(メタ)アクリル酸エステルに加えて、共重合成分として、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリルおよびビニル-n-ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、スチレン、ビニルトルエン等を含んでいてもよい。カルボキシ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、例えば上記のモノマー成分のラジカル重合により得られる。ラジカル重合は熱重合でも光重合でもよい。ラジカル重合には、重合開始剤を用いてもよい。カルボキシ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、好ましくは、熱重合開始剤として、アゾ系化合物、有機過酸化物、過硫酸塩、過酸化水素等を用いた溶液重合により得られる。
[0030]
 酸変性ポリウレタンは、例えば、2つの水酸基および1つのカルボキシ基を含有するジオール化合物と、ジイソシアネート化合物を反応させることにより得られる。
[0031]
 酸変性ポリエステルは、例えば、2つの水酸基および1つのカルボキシ基を含有するジオール化合物と、ジカルボン酸を反応させることにより得られる。
[0032]
 酸変性ポリアミドは、アミド酸構造を有する化合物であり、例えば、ジアミノ化合物とテトラカルボン酸二無水物との反応により得られる。
[0033]
 酸変性ポリイミドは、例えば、ジイソシアネート化合物とテトラカルボン酸二無水物との反応により得られる。テトラカルボン酸二無水物をジイソシアネート化合物の当量よりも過剰に加えることにより、末端にカルボン酸無水物基を有するイミド化合物が得られる。末端にカルボン酸無水物基を有するイミド化合物に、水および/またはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の第一級アルコールを反応させることにより、末端にカルボキシ基を有するイミド化合物が得られる。
[0034]
 2つの水酸基および1つのカルボキシ基を含有するジオール化合物としては、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2-ビス(3-ヒドロキシメプロピル)プロピオン酸、2,3-ジヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)ブタン酸、2,2-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ブタン酸、2,3-ジヒドロキシブタン酸、2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタン酸、および2,3-ジヒドロキシヘキサデカン酸等の脂肪族系ジオール;2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸等の芳香族系ジオールが挙げられる。特に、脂肪族系ジオールを用いた場合に、感光性樹脂組成物が感光性に優れる傾向がある。
[0035]
 ジイソシアネート化合物は、脂環族ジイソシアネート化合物および脂肪族ジイソシアネート化合物のいずれでもよい。ジイソシアネート化合物は、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応可能な官能基を二つ以上有する化合物との反応物であってもよく、例えば、末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物でもよい。
[0036]
 テトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物および脂肪族テトラカルボン酸二無水物のいずれでもよく、芳香環にカルボン酸無水物基が直接結合している芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。中でも芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、無水カルボキシ基が芳香環に直接結合しているものが好ましい。ジアミノ化合物は、芳香族ジアミンおよび脂肪族ジアミンのいずれでもよく、芳香族ジアミンが好ましい。
[0037]
 (a2)成分の具体例としては、エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸とを反応させて得られるエステルに、飽和または不飽和の多価カルボン酸無水物を付加して得られる酸変性エポキシ(メタ)アクリレート;エチレン性不飽和基および/またはカルボキシ基を有するジオール化合物と、ジイソシアネート化合物との重合物であるウレタン(メタ)アクリレート;カルボキシ基および重合可能な二重結合を有する(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルエステル等との共重合体の側鎖のカルボキシ基の一部をグリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル基とエポキシ基を有する化合物のエポキシ基と反応させて得られる(メタ)アクリル化(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[0038]
 カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、日本化薬製のKAYARAD ZFRシリーズ、ZARシリーズ、ZCRシリーズ、CCRシリーズ、PCRシリーズ、UXEシリーズ等が挙げられる。カルボキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、日本化薬製のUXシリーズ等が挙げられる。(メタ)アクリル化(メタ)アクリレートの市販品としては、ダイセル・サイテック製のサイクロマーACAシリーズ等が挙げられる。
[0039]
<(b1):反応性基を有する化合物>
 キットのB剤に含まれる(b1)成分は、カルボキシ基と反応可能な反応性基を有する化合物であり、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれでもよい。カルボキシ基と反応可能な反応性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基等が挙げられる。中でも、室温ではカルボキシ基との反応性が低く、加熱によりカルボキシ基との反応性を示すことから、反応性基はエポキシ基が好ましい。また、硬化膜の耐熱性および電気絶縁信頼性が優れることからも、(b1)成分は、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましく、中でも、分子内に2以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂が好ましい。
[0040]
 多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、ウレタン、ゴム、キレート、ダイマー酸等による変性エポキシ樹脂でもよい。(C)成分として、市販のエポキシ樹脂をそのまま用いてもよい。
[0041]
 硬化膜の耐熱性および耐薬品等の観点から、エポキシ樹脂のエポキシ当量(1当量のエポキシ基を含む化合物の質量(g))は2000以下が好ましく、1500以下がより好ましい。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、150~2000程度が好ましく、200~1500程度がより好ましい。
[0042]
 (b1)成分は、B剤中で、室温(25℃)において完全には有機溶媒に溶解せず、全部または一部が固体で存在していてもよい。(b1)成分が固体で存在することにより、室温では反応性を示さず、加熱して溶解(または溶融)した際に反応性を示すため、キットおよび感光性樹脂組成物の保管安定性の向上に寄与し得る。溶液中で(b1)成分が固体で存在することは、例えばJIS K 5600-2-5で規定されたゲージを用いる方法で粒子径を測定することにより確認できる。
[0043]
 室温の有機溶媒中で一部または全部が溶解せずに固体で存在し得るエポキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル製の「jER YX4000」「jER YX4000K」、「jER YX4000H」、「jER YX4000HK」、「jER YX8800」、日産化学工業製の「TEPIC‐G」、「TEPIC‐P」、「TEPIC‐S」、「TEPIC‐SP」、日本化薬製「GTR-1800」が挙げられる。
[0044]
<(c):カルボキシ基を有さずエチレン性不飽和基を有する化合物>
 感光性樹脂組成物は、(c)成分として、カルボキシ基を有さず、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する化合物を含んでいてもよい。(c)成分は、前述の(a1)成分とともに、光ラジカル反応に関与する。そのため、(c)成分を含めることにより、感光性樹脂組成物の感光性が向上する傾向がある。
[0045]
 (c)成分は、キットのA剤およびB剤のいずれに含まれていてもよく、両方に含まれていてもよい。(c)成分が後述の(b2)光ラジカル重合開始剤とは別の溶液に含まれていれば、保管環境下での光重合が抑制され、キットの保管安定性が向上する傾向がある。そのため、(c)成分を含む感光性樹脂組成物の調製に用いるキットでは、A剤に(c)成分が含まれることが好ましい。
[0046]
 エチレン性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-2-フタレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリレート、等の単官能(メタ)アクリル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1-(メタ)アクリロキシ-3-(メタ)アクリロキシプロパン、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロキシプロパン、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、4,4’-イソプロピリデンジフェノールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-水添ビス[4-((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン、ビスフェノールF EO変性(n=2~50)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2~50)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2~50)ジ(メタ)アクリレート、等の多官能(メタ)アクリル化合物が挙げられる。
[0047]
 多官能(メタ)アクリル化合物は、1分子中に3以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物でもよい。3官能以上の(メタ)アクリル化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トチメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トチメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタン(メタ)アクリレート)、1,3,5-トリ(メタ)アクリロイルヘキサヒドロ-s-トリアジン、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
[0048]
 エチレン性不飽和器としてビニル基を有する化合物の具体例としては、ジアリルアミン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジスルフィド、ジアリルエーテル、ジアリルシアヌレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、1,3-ジアリロキシ-2-プロパノール、ジアリルスルフィドジアリルマレエート、イソシアヌル酸トリアリル、トリアリル1,3,5-ベンゼンカルボキシレート、トリアリルアミン、トリアリルシトレート、トリアリルホスフェート等が挙げられる。
[0049]
 (c)成分は、ポリマー(オリゴマー)であってもよい。多官能(メタ)アクリルオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。柔軟性に優れる硬化膜が形成されやすいことから、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。多官能(メタ)アクリルオリゴマーは2官能の(メタ)アクリル化合物であることが好ましい。
[0050]
 硬化膜の耐熱性と柔軟性とを両立する観点から、多官能(メタ)アクリルオリゴマーの分子量は、250~20,000程度が好ましく、300~15,000がより好ましく、350~10,000がさらに好ましい。多官能(メタ)アクリルオリゴマーの分子量は400以上であってもよく、5,000以下、3,000以下、2,000以下1,500以下または1,000以下であってもよい。
[0051]
<樹脂分の配合量>
 上記の通り、感光性樹脂組成物は、樹脂分として、(a1)カルボキシ基を有しエチレン性不飽和基を有さない化合物、(a2)カルボキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物、および(b1)カルボキシ基と反応可能な反応性基を有する化合物を含み、さらに必要に応じて(c)カルボキシ基を有さずエチレン性不飽和基を有する化合物を含む。
[0052]
 A剤とB剤とを混合後の感光性樹脂組成物における全固形分100重量部に対する(a1)成分の量は、1~30重量部が好ましく、2~20重量部がより好ましい。(a2)成分の量は、10~70重量部が好ましい。(b1)成分の量は、1~50重量部が好ましく、5~20重量部がより好ましい。なお、固形分とは不揮発分であり、A剤およびB剤において液体として存在するものであっても、硬化後の硬化膜において固形分として残存するものは固形分に含まれる。
[0053]
 (a1)成分、(a2)成分および(b1)成分の量が上記範囲内であることにより、樹脂組成物の現像性および基板との密着性、ならびに硬化膜の耐熱性、耐薬品性および電気絶縁信頼性等に優れる傾向がある。(a1)成分の量が過度に多い場合は、感光性や現像性が低下する場合がある。(a2)成分の量が過度に大きい場合は、感光性樹脂組成物の塗膜のタックフリー性が低下し、塗膜のベタツキにより異物等の付着の原因となる場合がある。
[0054]
 A剤またはB剤に(c)成分が含まれる場合、(c)成分の量は、(a1)成分と(a2)成分の合計100重量部に対して、10~100重量部が好ましく、15~50重量部がより好ましく、20~40重量部がさらに好ましい。(c)成分が上記範囲内であることにより、感光性樹脂組成物の光感度が向上し、露光・現像後の硬化膜のコントラストおよび耐アルカリ性が向上するとともに、感光性樹脂組成物の塗膜のタックフリー性が向上する傾向がある。(c)成分の量が少ない場合は、硬化膜のコントラストや耐アルカリ性が低下する傾向がある。(c)成分の量が過度に多い場合は、塗膜のタックフリー性が低下し、異物等の付着の原因となる場合がある。
[0055]
<(b2):光ラジカル重合開始剤>
 (b2)成分としての光ラジカル重合開始剤は、UV(紫外光)等の光エネルギーを吸収して活性化し、上記(a1)成分および(c)成分のエチレン性不飽和基の光ラジカル重合反応を、開始・促進させる化合物である。
[0056]
 光ラジカル重合開始剤の例としては、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン類、アミノケトン類、オキシムエステル類、アシルホスフィンオキサイド系化合物、アゾ系化合物等の自己開裂型の光ラジカル重合開始剤;およびベンゾフェノン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、ジベンゾスベロン類、アントラキノン類、キサントン類、チオキサントン類、ハロゲノアセトフェノン類、ジアルコキシアセトフェノン類、ヒドロキシアセトフェノン類、ハロゲノビスイミダゾール類、ハロゲノトリアジン類等の水素引抜型の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
[0057]
 (b2)成分として、波長405nmに吸収帯を有する光ラジカル重合開始剤を用いてもよい。具体的には、光路長1cmの石英セルを用いて可視-紫外分光光度計により測定した0.001重量%のメタノール溶液の波長405nmにおける吸光度が0.02以上、すなわち、波長405nmにおける吸光係数が、20[% -1・cm -1]以上である光ラジカル重合開始剤が好ましい。
[0058]
 波長405nmに吸収帯を有する光ラジカル重合開始剤としては、アシルホスフィンオキサイド系化合物、アセトフェノン類、アミノケトン類、オキシムエステル類等が挙げられる。中でも、光感度が高いことから、オキシムエステル類が好ましい。波長405nmに吸収帯を有するオキシムエステル類の市販品としては、ADEKA製の「アデカアークルズ NCI-831」、「アデカアークルズ N-1717」および「アデカアークルズ N-1919」、BASF製の「イルガキュア OXE03」等が挙げられる。
[0059]
 感光性樹脂組成物の塗膜に、紫外線や短波長可視光等の活性光線を照射すると、照射面近傍の光重合開始剤が光を吸収して活性化され、照射面近傍で吸収されなかった光が底部に届く。感光性樹脂組成物が着色剤を含んでいる場合は、光重合開始剤に加えて着色剤も活性光線を吸収するため、底部に届く活性光線の量が少なく、光照射面に比べて、底部の光硬化が不十分となりやすい。
[0060]
 短波長の光は相対的に高エネルギーであるため、活性光線の照射による光硬化では、光照射面近傍では、短波長光が優先的に利用され、光照射面近傍で吸収されなかった長波長光が底部に届きやすい。(b2)成分として長波長(405nm)に吸収帯を有する光ラジカル重合開始剤を用いることにより、底部に届いた長波長光による光硬化が進行しやすい。そのため、組成物が着色剤を有している場合でも、底部での光硬化反応を維持可能であり、硬化膜の耐熱性が向上する傾向がある。
[0061]
 (b2)成分として、波長405nmに吸収帯を有する光ラジカル重合開始剤と、波長405nmに吸収帯を有さない(吸光係数が、20[% -1・cm -1]未満である)光ラジカル重合開始剤とを併用してもよい。
[0062]
 (b2)成分の量は、エチレン性不飽和基を有する化合物、すなわち(a2)成分と(c)成分の合計100重量部対して、0.1~20重量部が好ましく、0.2~10重量部がより好ましい。(b2)成分の量が上記範囲であることにより、樹脂組成物が適度の感光性を有するため、過露光を抑制しつつ、適切な露光時間で硬化を実施できる。
[0063]
<(a3):マット剤>
 A剤に含まれるマット剤は、A剤において固体で存在し、かつA剤とB剤とを混合後の感光性樹脂組成物およびその硬化膜においても固体として上記の樹脂成分と明確に分離した相として存在する成分である。
[0064]
 マット剤は、典型的には、有機フィラーまたは無機フィラーと呼ばれるものである。フィラーの形状としては、球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状等が挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ベンゾグアナミン、メラミン、フタロシアニン等が挙げられる。有機フィラーは、シリコーン、アクリル、スチレンブ-タジエンゴム、ブタジエンゴム等を用いた多層構造のコアシェル粒子であってもよい。無機フィラーとしては、シリカ、チタニア、アルミナ等の金属酸化物、窒化珪素、窒化ホウ素等の金属窒化物、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム等の金属塩が挙げられる。無機フィラーは、シランカップリング剤、その他の有機化合物等により表面改質処理されたものであってもよい。
[0065]
 銅配線との密着性向上や、A剤および感光性樹脂組成物における分散性向上の観点から、フィラーの材料としては、金属酸化物、金属窒素化合物または、金属塩等の無機フィラーが好ましい。中でも、金属酸化物が好ましく、シリカが特に好ましい。
[0066]
 マット剤として、上記のフィラーに加えて、固体状の難燃剤が含まれていてもよい。マット剤として作用する固形状の難燃剤を用いることにより、硬化膜に難燃性が付与されるとともに、難燃剤のブリードアウトに起因する、接点障害や工程汚染を抑制できる。
[0067]
 難燃剤としては、リン酸エステル系化合物、含ハロゲン系化合物、金属水酸化物、リン系化合物、シリコーン系化合物等を用いることができる。環境汚染防止の観点から、金属水酸化物、リン系化合物等の非ハロゲン系難燃剤が好ましく、中でもリン系化合物が好ましい。
[0068]
 リン系難燃剤としては、赤リン、縮合リン酸エステル系化合物、環状有機リン系化合物、ホスファゼン系化合物、リン含有(メタ)アクリレート系化合物、リン含有エポキシ系化合物、リン含有ポリオール系化合物、リン含有アミン系化合物、ポリリン酸アンモニウム、メラミンリン酸塩、ホスフィン酸金属塩等が挙げられる。中でも、ホスフィン酸金属塩好ましい。ホスフィン酸金属塩の中でも、高い難燃性が得られることからアルミニウム塩が好ましく、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、メチルエチルホスフィン酸アルミニウム等が特に好ましい。
[0069]
 A剤における(a3)マット剤の配合量は、A剤に含まれる樹脂分、すなわち(a1)成分、(a2)成分および(c)成分の合計100重量部に対して、60重量部以上が好ましく、65重量部以上がより好ましく、70重量部以上または75重量部以上であってもよい。(a3)マット剤および後述の(a4)第一分散剤も含めたA剤の全固形分100重量部に対するマット剤の量は、38重量部以上が好ましく、40重量部以上がより好ましい。A剤とB剤とを混合後の感光性樹脂組成物に含まれる樹脂分、すなわち(a1)成分、(a2)成分、(b1)成分および(c)成分の合計100重量部に対するマット剤の量は、40重量部以上が好ましく、45重量部以上がより好ましく、50重量部以上がさらに好ましい。
[0070]
 マット剤の量が過度に多い場合は、粘度およびチクソ性が上昇し、印刷性が低下する場合がある。そのため、A剤における(a3)マット剤の配合量は、A剤に含まれる樹脂分の合計100重量部に対して、200重量部以下が好ましく、150重量部以下がより好ましく、100重量部以下がさらに好ましく、90重量部以下または85重量部以下であってもよい。A剤の全固形分100重量部に対するマット剤の量は、65重量部以下が好ましく、60重量部以下がより好ましく、55重量部以下または50重量部以下であってもよい。感光性樹脂組成物に含まれる樹脂分の合計100重量部に対するマット剤の量は、150重量部以下が好ましく、100重量部以下がより好ましく、80重量部以下がさらに好ましく、75重量部以下または70重量部以下であってもよい。
[0071]
 マット剤の量が上記範囲である場合に、A剤および感光性樹脂組成物の粘度特性が適切に制御され、印刷性を向上できるとともに、感光性樹脂組成物の塗膜のタックフリー性が向上し、塗膜表面への異物等の付着が抑制される傾向がある。マット剤の量が少ない場合は、塗膜のタックフリー性が低下する傾向があり、異物等の付着の原因となる場合がある。マット剤の量が過度に多い場合は、溶液の粘度およびチクソ性が増大し、感光性樹脂組成物の印刷性低下や、塗膜のレベリング不良の原因となる場合がある。
[0072]
 マット剤として金属酸化物粒子が用いられる場合、A剤における金属酸化物粒子の配合量は、A剤に含まれる樹脂分の合計100重量部に対して、20重量部以上が好ましく、23重量部以上がより好ましく、25重量部以上または27重量部以上であってもよい。A剤の全固形分100重量部に対する金属酸化物粒子の量は、10重量部以上が好ましく、12重量部以上がより好ましい。感光性樹脂組成物に含まれる樹脂分の合計100重量部に対する金属酸化物粒子の量は、8重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。金属酸化物微粒子の配合量の上限は、上記のマット剤の配合量の上限と同様である。
[0073]
 マット剤として上述した成分の中でも、シリカ等の金属酸化物粒子の含有量が、粘度等の溶液特性への影響が大きい。金属酸化物粒子の量が上記範囲であることにより、A剤および感光性樹脂組成物の粘度特性が適切に制御され、印刷性を向上できるとともに、感光性樹脂組成物の塗膜のタックフリー性が向上し、塗膜表面への異物等の付着が抑制される傾向がある。
[0074]
 上記のように、マット剤は、金属酸化物粒子等のフィラーに加えて、固形状の難燃剤を含んでいてもよい。難燃剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分100重量部に対して、1~50重量部が好ましく、5~40重量部がより好ましく、10~30重量部がさらに好ましい。
[0075]
<(b3):着色剤>
 着色剤は、硬化膜を所望の色とするために添加される。着色剤は、染料または顔料のいずれかであり、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、カーボンブラック、酸化チタン等が用いられる。複数の着色剤を組み合わせてもよい。
[0076]
 着色剤の含有量は、着色剤の種類や、硬化膜の色に応じて適宜設定すればよい。例えば、感光性樹脂組成物の硬化膜が黒色である場合、膜厚20μmの硬化膜の明度L が10~30となるように、着色剤の量を調整すればよい。
[0077]
 着色性と分散性とを両立する観点から、B剤における着色剤の量は、B剤における全固形分100重量部に対して、0.5~50重量部が好ましく、1~40重量部がより好ましく、3~30重量部がさらに好ましく、5~25重量部であってもよい。A剤とB剤とを混合後の感光性樹脂組成物における着色剤の量は、感光性樹脂組成物の全固形分100重量部に対して、1~30重量部が好ましく、3~20重量部がより好ましい。
[0078]
<(a4)(b4):分散剤>
 キットのA剤およびB剤のそれぞれは、分散剤を含む。A剤が(a4)成分として第一分散剤を含むことにより、フィラーの分散性が向上し、A剤の粘度およびチクソトロピーを適切な範囲に調整できる。B剤が(b4)成分として第二分散剤を含むことにより、着色剤の分散性が向上し、B剤の粘度およびチクソトロピーを適切な範囲に調整できる。
[0079]
 分散剤としては、界面活性剤型分散剤および樹脂型(ポリマー)分散剤が挙げられる。分散安定性の観点から、樹脂型分散剤が好ましく、特に高分子量のものが好ましい。樹脂型分散剤の重量平均分子量は、例えば、1000~200000であり、5000~100000が好ましく、8000~80000がより好ましく、10000~60000がさらに好ましい。
[0080]
 樹脂型分散剤の例としては、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤が挙げられる。
[0081]
 樹脂型の分散剤の市販品としては、BASF製の「EFKA」シリーズ、ビックケミー製の「DISPERBYK」シリーズ、楠本化成製の「ディスパロン」シリーズ、ルーブリゾールの「SOLSPERSE」シリーズ、味の素ファインテクノ製の「アジスパー」シリーズ、川研ファインケミカル製の「ヒノアクト」シリーズ、大塚化学製の「TERPLUS」シリーズ等が挙げられる。
[0082]
 分散剤は、酸価とアミン価の違いから、アミン価が0であり、酸価が0より大きい酸価型の分散剤;酸価が0であり、アミン価が0より大きいアミン価型分散剤;酸価およびアミン価が0より大きい両性型分散剤に分類できる。酸価型分散剤および両性型分散剤の酸性基としては、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。中でも、カルボキシ基が好ましい。
[0083]
 A剤に含まれる(a4)第一分散剤は、酸価型または両性型である。第一分散剤の酸価は1~60mgKOH/gである。第一分散剤の酸価がこの範囲であれば、A剤およびA剤とB剤とを混合後の感光性樹脂組成物におけるマット剤の分散性が向上し、組成物の印刷性が向上するとともに、タックフリー性が良好となり、硬化膜の微小穴欠陥の形成が抑制される傾向がある。
[0084]
 第一分散剤の酸価は、3以上が好ましく、5以上であってもよい。酸価が過度に小さい場合は、分散剤の効果が十分に得られない場合がある。第一分散剤の酸価は、50以下が好ましく、40以下がより好ましく、30以下がさらに好ましく、20以下であってもよい。酸化が過度に大きい場合は、マット剤の分散性が良好不充分であり、印刷性が悪化し、微小穴欠陥の発生が増加する傾向がある。
[0085]
 第一分散剤のアミン価は特に限定されない。酸価型分散剤のアミン価は0である。第一分散剤が両性型である場合、アミン価は、1以上であってもよい。第一分散剤のアミン価が過度に大きい場合は、(a1)成分および(a4)成分のカルボキシ基との反応により、A剤の貯蔵安定性が低下する場合がある。また、反応に伴って、溶液の粘度およびチクソ性が増加し、感光性樹脂組成物の印刷性悪化の原因となる場合がある。そのため、第一分散剤のアミン価は、50以下が好ましく、40以下がより好ましく、30以下がさらに好ましく、25以下または20以下であってもよい。
[0086]
 B剤に含まれる(b4)第二分散剤は、アミン価型または両性型である。第二分散剤のアミン価は1以上である。第二分散剤の酸価がこの範囲であれば、B剤および感光性樹脂組成物における着色剤の分散性が向上し、組成物の印刷性が向上するとともに、タックフリー性が良好となり、硬化膜の微小穴欠陥の形成が抑制される傾向がある。
[0087]
 第二分散剤のアミン価は、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上であってもよい。アミン価が過度に小さい場合は、分散剤の効果が十分に得られない場合がある。第二分散剤のアミン価の上限は特に限定されないが、一般には200以下であり、150以下、130以下、120以下または110以下であってもよい。
[0088]
 第二分散剤の酸価は特に限定されない。アミン価型分散剤の酸価は0である。第二分散剤が両性型である場合、酸価は、1以上であってもよい。第二分散剤のアミン価が過度に大きい場合は、B剤のチクソ性が増大する傾向がある。そのため、第二分散剤の酸価は、60以下が好ましく、50以下、40以下、30以下または20以下であってもよい。
[0089]
 A剤における(a4)第一分散剤の配合量は、分散剤を除くA剤の全固形分100重量部に対して、分散剤としての有効成分(固形分)が0.01~15重量部であることが好ましく、1~10重量部がより好ましく、2~7重量部がさらに好ましい。A剤における(a4)第一分散剤の有効成分量は、(a3)マット剤100重量部に対して、1~40重量部が好ましく、2~30重量部がより好ましく、3~25重量部がさらに好ましく、5~20重量部であってもよい。
[0090]
 B剤における第二分散剤の配合量は、分散剤を除くB剤の全固形分100重量部に対して、分散剤としての有効成分(固形分)が0.01~15重量部であることが好ましく、1~10重量部がより好ましく、2~7重量部がさらに好ましい。B剤における(b4)第二分散剤の有効成分量は、(b3)着色剤100重量部に対して、1~40重量部が好ましく、2~30重量部がより好ましく、3~25重量部がさらに好ましく、5~20重量部であってもよい。
[0091]
 分散剤の量が少ない場合は、A剤、B剤および感光性樹脂組成物におけるマット剤や着色剤の分散性が低下し、粘度やチクソ性の増大により印刷性が低下する傾向がある。分散剤の配合量が過度に多い場合は、分散剤同士の橋掛け凝集が生じやすく、分散性の低下や硬化膜の絶縁不良の原因となる場合がある。
[0092]
[感光性樹脂組成物作製キット]
 上記のように、感光性樹脂組成物作製キットはA剤とB剤とを個別に含み、A剤とB剤とを混合することにより、感光性樹脂組成物を調製できる。なお、感光性樹脂組成物作製キットは、A剤とB剤からなる2液型に限定されず、3液以上を混合するタイプのものでもよい。
[0093]
 溶液状態で反応する複数の成分を混合すると、溶液の保管安定性が低くなる場合があるのに対して、互いに反応する複数の成分を混合せずに別の容器に収容したキットとして保管しておくことにより、溶液の安定性が高められ、輸送・保管等のリードタイムに柔軟に対応できる。
[0094]
 カルボキシ基を含む(a1)成分および(a2)成分がA剤に含まれ、カルボキシ基との反応性基を有する(b1)成分がB剤に含まれ、両者を混合せずにキットとして保管することにより、(a1)成分および(a2)成分と(b1)成分との反応を防止できる。
[0095]
 光ラジカル重合性を有する(a2)成分がA剤に含まれ、(b2)光ラジカル重合開始剤がB剤に含まれることにより、保管環境下での光により光ラジカル開始剤が活性化された場合でも、(a2)成分の重合反応を防止できる。感光性樹脂組成物がカルボキシ基を含まない光ラジカル重合性化合物である(c)成分を含む場合、(c)成分の重合反応を抑制する観点から、(c)成分はA剤に含まれることが好ましい。
[0096]
 A剤は、B剤に比べて樹脂分の量が多く、主剤の役割を有する。そのため、一般には、主剤であるA剤の方が、B剤よりも容量が大きい。相対的に容量の大きいA剤に(a3)マット剤を含有させることにより、良好な分散性を確保できる。また、相対的に樹脂分が少なく低粘度のB剤に(b3)着色剤を含有させることにより、着色剤の分散性を向上できる。
[0097]
 このように、マット剤をA剤に含有させ、着色剤をB剤に含有させる構成では、マット剤および着色剤を別の溶液中で分散させるため、それぞれの分散性を高めることが可能である。
[0098]
 マット剤を含むA剤に、酸価型または両性型の第一分散剤を含有させることにより、A剤におけるマット剤の分散性を向上できる。A剤に分散剤を含有させる方法は適宜に選択できる。例えば、樹脂分およびマット剤を投入する際に、分散剤を投入してもよく、樹脂分およびマット剤を投入し、両者を混合した後に、分散剤を投入してもよい。
[0099]
 着色剤を含むB剤に、アミン価型または両性型の第二分散剤を含有させることにより、B剤における着色剤の分散性を向上できる。B剤に分散剤を含有させる方法は適宜に選択できる。例えば、樹脂分および着色剤を投入する際に、分散剤を投入してもよく、樹脂分および着色剤を投入し、両者を混合した後に、分散剤を投入してもよい。
[0100]
[感光性樹脂組成物の調製]
 上記のA剤とB剤とを混合することにより、感光性樹脂組成物が得られる。A剤とB剤の混合比は特に限定されず、混合後の組成が目的とする感光性樹脂組成物の組成となるように設定すればよい。A剤が主剤である構成においては、A剤に含まれる全固形分100重量部に対するB剤の全固形分量が、5~60重量部程度であり、10~50重量部または15~40重量部であってもよい。
[0101]
 A剤とB剤とを混合後に、必要に応じて、粉砕・分散や、脱泡等の操作を行ってもよい。粉砕・分散は、例えば、ビーズミル、ボールミル、3本ロール等の混練装置を用いて実施すればよい。キットのA剤およびB剤の調製時にこれらの処理を実施してもよく、キットの調製時およびA剤とB剤との混合時の両方でこれらの処理を実施してもよい。
[0102]
 感光性樹脂組成物は、上記の(a1)~(a4)および(b1)~(b4)に加えて、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、重合禁止剤、硬化助剤、増感剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、キットのA剤および/またはB剤に予め添加してもよく、A剤とB剤とを混合後の組成物に添加剤を添加してもよい。
[0103]
 上記のように、キットのA剤およびB剤のそれぞれが所定の分散剤を含むことにより、A剤におけるマット剤の分散性、およびB剤における着色剤の分散性が良好である。そのため、A剤とB剤とを混合した感光性樹脂組成物においても、マット剤および着色剤の分散性が良好であり、凝集物の発生が抑制される。また、マット剤や着色剤等の固形状成分の分散性が良好であるため、印刷に適した粘度およびチクソ性を有する溶液を容易に調製できる。
[0104]
[硬化膜の形成]
 感光性樹脂組成物を基板に塗布し、必要に応じて加熱により溶媒を除去した後、光硬化および熱硬化を行うことにより、硬化膜が形成される。感光性樹脂組成物は着色剤を有しているため、黒色等に着色した着色硬化膜が得られる。上記の感光性組成物を用いることにより、プリント配線板の金属配線上にも、微小穴欠陥が少なく絶縁性に優れる硬化膜を形成できる。
[0105]
 感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成は、各種公知の方法により実施し得る。基板上への感光性樹脂組成物(溶液)の塗布は、スクリ-ン印刷、カーテンロール、リバースロール、スプレーコーティング、スピンナーを利用した回転塗布等により行えばよい。塗膜の厚みは、乾燥後の厚みが5~100μm程度、好ましくは10~50μm程度となるように調整すればよい。加熱により乾燥を行う場合、熱硬化反応を抑制する観点から、乾燥温度は120℃以下が好ましく、40~100℃がより好ましい。
[0106]
 溶媒を乾燥除去後の塗膜は、表面のベタツキが少なく、タックフリーの状態であることが好ましい。タックフリー性は、塗膜表面へのジルコニアビーズの付着量により評価できる。
[0107]
 感光性樹脂組成物を印刷等により基板上に塗布し、80℃で20分乾燥させて、基板上に塗膜が形成された積層体を得る。シャーレに0.3mmφのジルコニアビーズを敷き詰め、その上に、30cm角に繰り出した積層体を、塗膜がジルコニアビーズに接するように載置し、その上に100gの錘を載せて1分間静置した後に積層体を引き上げる。この試験前後での積層体の重量変化(ジルコニアビーズの付着重量)が小さいほど、塗膜表面のベタツキが少なくタックフリー性に優れる。この試験によるジルコニアビーズの付着重量は、0.7g以下が好ましい。
[0108]
 タックフリー性が良好であれば、露光前の塗膜付きの基板(工程仕掛品)を積み重ねた際や、露光時にフォトマスクを載置した際に、塗膜表面への基板やフォトマスクの付着を防止できる。また、タックフリー性が良好であれば、塗膜表面への異物の付着が抑制され、露光不良に起因する微小穴欠陥の形成を防止できる。
[0109]
 上記のように、本発明の実施形態では、A剤および感光性樹脂組成物におけるマット剤の量が所定範囲に調製されており、分散剤の作用等により、溶液中でマット剤が良好に分散した状態となっている。そのため、塗膜を形成した際に、塗膜表面に均一に凹凸が形成されやすく、タックフリー性が良好となる。
[0110]
 乾燥後の塗膜を露光することにより、光硬化が行われる。露光の際に、塗膜上にフォトマスクを配置して、塗膜の面内の一部を選択的に露光した後、現像することにより所望のパターンを形成できる。
[0111]
 現像液としては、一般にアルカリ水溶液が用いられ、有機アルカリ水溶液および無機アルカリ水溶液を特に制限なく用いることができる。現像液は、メタノ-ル、エタノ-ル、n-プロパノ-ル、イソプロパノ-ル、N-メチル-2-ピロリドン等の水と混和性を有する有機溶媒を含んでいてもよい。現像液のアルカリ濃度は、一般に0.01~20重量%、好ましくは、0.02~10重量%であり、現像後のパターン膜は、水や酸性水溶液等によりリンスすることが好ましい。
[0112]
 現像後に加熱処理を行うことにより、上記の(a1)成分および(a2)成分のカルボキシ基と(b1)成分の反応性基との反応による熱架橋が進行するため、耐熱性、絶縁性および耐薬品性に優れる硬化膜を形成できる。 熱硬化を十分に進行させるとともに、熱による金属配線の酸化を抑制する観点から、硬化温度(熱硬化時の最高温度)は、100~250℃が好ましく、120~200℃がより好ましく、130~180℃がさらに好ましい。
[0113]
 感光性樹脂組成物の硬化により形成される硬化膜は、プリント配線板の表面保護材(ソルターレジスト膜)として好適に用いられる。プリント配線板は、ポリイミドフィルム等の可撓性フィルム上に金属配線を備えるフレキシブルプリント配線板であってもよい。
[0114]
 上記のキットのA剤とB剤とを混合して調製した感光性樹脂組成物を、印刷等により基板上に塗布し、塗膜を硬化することにより形成される硬化膜は、微小穴欠陥が少なく、絶縁性に優れる傾向があり、プリント配線板の金属配線上に設けられるソルダーレジスト膜として適している。
[0115]
 硬化膜における微小穴欠陥の発生には、大きく3つの要因が影響していると考えられる。推定要因の1つは、感光性樹脂組成物中の凝集物であり、凝集物が露光時に光を遮るため、塗膜の深部が硬化せずに現像時に溶解して、穴欠陥が形成されることが考えられる。他の要因として、塗膜のタック性が挙げられる。塗膜のタックフリー性が低い場合は、異物(例えば、雰囲気中の浮遊物)が塗膜表面に付着しやすく、上記の凝集物と同様、露光不良による穴欠陥発生の要因となり得る。3つめの推定要因は、感光性樹脂組成物の印刷時のレオロジーであり、感光性樹脂組成物の粘度やチクソ性が高い場合は、印刷時に、基板と配線との段差部分や配線間に塗膜が形成されない部分(未塗工部)が形成され、この部分が穴欠陥になると考えられる。
[0116]
 上記のように、キットおよび感光性樹脂組成物における固形状成分の分散性を確保して凝集物の発生を抑制するとともにレオロジーが適切に制御される傾向がある。また、マット剤の量が調整され、かつその分散性が良好であることにより、タックフリー性が良好となる傾向がある。そのため、本実施形態のキットを用いることにより、微小穴欠陥の少ない硬化膜が得られると考えられる。
実施例
[0117]
 以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[0118]
[合成例]
<合成例1:(a1)成分の調製>
 攪拌機、温度計、滴下漏斗、および窒素導入管を備えた反応容器に、重合用溶媒としてメチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)100.0gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した。これに、室温で予め混合しておいた、メタクリル酸14.0g、アクリル酸エチル38.0g、メタクリル酸メチル38.0g、スチレン10.0gおよびラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.4gを、80℃に保温した状態で3時間かけて滴下漏斗から滴下した。滴下終了後、反応溶液を攪拌しながら90℃に昇温し、反応溶液の温度を90℃に保ちながらさらに2時間攪拌を行い、分子内にカルボキシ基を含有するアクリル系ポリマーの溶液を得た。溶液の固形分濃度は50%、ポリマーの重量平均分子量は71,000、酸価は90mgKOH/gであった。
[0119]
<合成例2:(a2)成分の調製>
 攪拌機、温度計、滴下漏斗、および空気導入管を備えた反応容器に、重合用溶媒としてカルビトールアセテート204.8g、エポキシ当量217のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂217.0g、重合禁止剤としてハイドロキノン0.2g、および触媒としてトリフェニルホスフィン1.0gを仕込み、空気気流下で攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、85~105℃に保温した状態で、攪拌しながら、アクリル酸72.0gを徐々に加え、16時間反応させた。さらに、テトラヒドロフタル酸無水物91.2gを加えて付加反応を行い、分子内にカルボキシ基およびアクリロイル基を有する化合物の溶液を得た。溶液の固形分濃度は65%、化合物の酸価は65mgKOH/gであった。
[0120]
 上記の合成例で得られた溶液およびポリマーの特性は、以下の方法により評価した。
[0121]
<固形分濃度>
  JIS K 5601-1-2に従って測定を行った。乾燥条件は170℃×1時間とした。
[0122]
<重量平均分子量>
 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件で測定を行った。
  使用装置:東ソー HLC-8220GPC相当品
  カラム:東ソー TSK gel Super AWM-H(6.0mm I.D.×15cm)×2本
  ガードカラム:東ソー TSK guard column Super AW-H
  溶離液:30mM LiBr + 20mM H 3PO 4 in DMF
  流速:0.6mL/min
  カラム温度:40℃
  検出条件:RI:ポラリティ(+)、レスポンス(0.5sec)
  試料濃度:約5mg/mL
  分子量標準品:PEG(ポリエチレングリコール)
[0123]
<酸価>
 JIS K 5601-2-1に従って測定を行った。
[0124]
[実験例:分散剤の効果の検証]
<実験例1:A剤への分散剤の添加>
 下記の(a1)~(a3)成分、(c)成分、消泡剤および溶媒を混合して、分散剤を含まない溶液Aを調製した。
 a1:合成例1で得られたカルボキシ基含有アクリル系ポリマーの溶液:10.2g
 a2:合成例2で得られたカルボキシ基およびアクリロイル基を有する化合物の溶液:33.5g、および
 酸変性ビスフェノール型エポキシアクリレートの65%溶液(日本化薬製「KAYARAD ZAR-2000」、重量平均分子量13,000、酸価98mgKOH/g):18.8g
 c:脂肪族ウレタンメタクリレート(Rahn製「GENOMER 4297」、重量平均分子量400~600):7.0重量部
 a3:合成アモルファスシリカ粒子(PQ Corporation製「Gasil HP-230」)、平均粒子径3.5μm):13.9g、および
 粒子状のリン系難燃剤(ジエチルホスフィン酸アルミニウム、クラリアント製「Exolit OP-935」、平均粒子径2.5μm、リン含有量23%):22.0g
 消泡剤:ブタジエン系消泡剤(共栄社化学製「フローレン AC-2000」):5.1g
 溶媒:エチレンジグリコールアセテート:9.4g
[0125]
 上記の溶液A(合計120g)に対して、下記の分散剤を添加し、10分間撹拌して分散剤を含む溶液を調製した。得られた溶液の温度25℃における粘度を、B型粘度計(英弘精機株製「HB DV-IPrime」。ローターNo.7)により、回転数2rpm、10rpmおよび20rpmにて測定した。また、チクソトロピーの指標として、回転数20rpmでの粘度と回転数2rpmでの粘度との比を算出した。分散剤の種類および添加量、ならびに粘度測定結果を表1に示す。
[0126]
(分散剤)
 分散剤1:ビックケミー製「DISPERBYK-2013」(無溶剤型、酸価8mgKOH/g、アミン価18mgKOH/g)
 分散剤2:大塚化学製「TERPLUS MD1000」(固形分濃度40%、酸価81mgKOH/g)
 分散剤3:大塚化学製「TERPLUS D1200」(固形分濃度55%、アミン価107mgKOH/g)
 分散剤4:大塚化学製「TERPLUS D1410」(固形分濃度56%、アミン価83mgKOH/g)
 分散剤5:大塚化学製「TERPLUS D1480」(固形分濃度48%、アミン価45mgKOH/g)
[0127]
[表1]


[0128]
 両性型分散剤である分散剤1(DISPERBYK-2013)を添加した例では、添加量の増大に伴って、粘度が減少し、チクソ性も低減していることから、分散剤が有効に作用しているといえる。アミン価型の分散剤3(TERPLUS D1200)、分散剤4(TERPLUS D1410)および分散剤5(TERPLUS D1480)を用いた例では、分散剤の添加による明確な粘度低下傾向がみられなかった。酸価が81である分散剤2(TERPLUS MD1000)を用いた例では、分散剤の添加量の増大に伴って粘度が低下する傾向がみられたものの、少量の添加では、チクソ性が増大する傾向がみられた。
[0129]
<実験例2:着色剤分散液への分散剤の添加>
 下記の着色剤を重量比1:1:1で混合した黒色着色剤13.8gを、106.2gのエチレンジグリコールアセテートに添加して撹拌し、着色剤濃度が11.5重量%の分散液を調製した。
(着色剤)
  BASF製「GLVO」;Pigment Blue 15:3
  クラリアント製「GRL」;Pigment Orange 43
  クラリアント製「ER-02」;Pigment Violet 19
[0130]
 この分散液(合計120g)に対して、上記の例と同様に、分散剤1~4を添加し、得られた溶液(着色剤分散液)の粘度を測定した。粘度測定は、ローターNo.5を用いたこと以外は、上記の例と同様の条件で実施した。分散剤の種類および添加量、ならびに粘度測定結果を表2に示す。
[0131]
[表2]


[0132]
 両性型分散剤である分散剤1(DISPERBYK-2013)を添加した例、ならびに、アミン価型の分散剤3(TERPLUS D1200)、分散剤4(TERPLUS D1410)および分散剤5(TERPLUS D1480)を用いた例では、添加量の増大に伴って、粘度が減少し、チクソ性も低減していることから、分散剤が有効に作用しているといえる。酸価が81である分散剤2(TERPLUS MD1000)を用いた例では、分散剤の添加量の増大に伴って、チクソ性が増大する傾向がみられた。
[0133]
[感光性樹脂組成物作製キットの調製]
<実施例1>
(A剤の調製)
 上記の溶液Aと同一組成の溶液を調製し、(a1)(a2)(a3)および(c)成分の固形分の合計100重量部に対する分散剤の量(固形分)が4重量部となるように、上記の分散剤1(ビックケミー製「DISPERBYK-2013」)を添加して、A剤を調製した。
[0134]
(B剤の調製)
 下記の(b1)~(b3)成分、エポキシ樹脂硬化剤および溶媒を混合して、分散剤を含まない溶液Bを調製した。
 b1:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル製「jER 828US」、エポキシ当量187):7.8重量部、および
 固形状ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱ケミカル製「jER YX4000K」、エポキシ当量185、融点107℃):5.1重量部
 b2:下記の光ラジカル重合開始剤:合計1.8重量部
 2,4-ジエチルチオキサントン(日本化薬製「KAYACURE DETX-S」):0.4重量部、
 エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)(BASF製「Irgacure OXE02」):1.2重量部、および
 ニトロ基置換カルバゾール型オキシムエステル光ラジカル重合開始剤(ADEKA製「アデカアークルズ NCI-831」):0.2重量部
 b3:上記の黒色着色剤:1.5重量部
 エポキシ樹脂硬化剤:ジシアンジアミド粉砕品(三菱ケミカル製「jER Cure DICY-7」、平均粒子径3μm):0.1重量部
 溶媒:エチレンジグリコールアセテート:5.0重量部
[0135]
 上記の溶液Bに、(b1)(b2)および(b3)成分の固形分の合計100重量部に対する分散剤の量が0.6重量部となるように、上記の分散剤1(ビックケミー製「DISPERBYK-2013」)を添加して、B剤を調製した。
[0136]
<実施例2>
 B剤の分散剤を、分散剤5:ビックケミー製「DISPERBYK-2163」(固形分濃度45重量%、アミン価10)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、A剤およびB剤を調製した。
[0137]
<実施例3>
 B剤の分散剤を、上記の分散剤3(大塚化学製「TERPLUS D1200」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、A剤およびB剤を調製した。
[0138]
<比較例1>
 A剤の分散剤を、上記の分散剤2(大塚化学製「TERPLUS MD1000」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、A剤およびB剤を調製した。
[0139]
<比較例2>
 B剤の分散剤を、上記の分散剤2(大塚化学製「TERPLUS MD1000」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、A剤およびB剤を調製した。
[0140]
<比較例3>
 A剤の分散剤を、上記の分散剤5(大塚化学製「TERPLUS D1480」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、A剤およびB剤を調製した。
[0141]
<比較例4>
 分散剤を添加せず、溶液Aおよび溶液BをそのままA剤およびB剤とした。
[0142]
<比較例5>
 A剤における(c)成分の配合量を表3に示すように変更(増量)したこと以外は、実施例1と同様にして、A剤およびB剤を調製した。
[0143]
<比較例6>
 A剤における(a3)成分のシリカ粒子の配合量を表3に示すように変更(減量)したこと以外は、実施例1と同様にして、A剤およびB剤を調製した。
[0144]
<比較例7>
 A剤に(a3)成分を添加せずA剤としたこと以外は、実施例1と同様にして、A剤およびB剤を調製した。
[0145]
[感光性樹脂組成物の調製および溶液特性の評価]
 各実施例および比較例で調製したA剤とB剤を混合し、表3に示す組成の感光性樹脂組成物を調製した。表3における配合量の数値は重量部であり、括弧内の数字は各成分の固形分量を示している。感光性樹脂組成物の温度25℃における粘度を、前述の実験例2と同様の条件で測定した。
[0146]
[膜の作製および評価]
<タック性評価>
 スクリーン印刷機(ミノグループ製「ミノマットSR5575」)を用いて、厚み22μmのPETフィルム上に、最終乾燥厚みが20μmとなるように感光性樹脂組成物を180mm×270mmの面積に印刷し、80℃で20分乾燥した。PETフィルム上に塗膜が形成された積層体を30mm角に切り出し、重量を測定した。シャーレに0.3mmφのジルコニアビーズを敷き詰め、その上に、塗膜がジルコニアビーズに接するように積層体を載置し、その上に100gの錘を載せて1分間静置した。塗膜表面にジルコニアビーズが付着した試料の重量を測定し、ジルコニアビーズの付着重量を算出した。
[0147]
<硬化膜の作製および評価>
 上記と同様に、PETフィルム上への感光性樹脂組成物の印刷および乾燥を実施した後、塗膜全面に積算光量100mJ/cm の紫外線を照射して露光を実施した。次いで1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を60秒間スプレーして現像を行った。現像後の試料を純水に浸漬して十分洗浄した後、160℃のオーブンで90分加熱硬化させて硬化膜を作製した。
[0148]
 得られた硬化膜をトレース台の上に載置し、光漏れが白点として視認される欠陥(微小穴欠陥)の数をカウントした。
[0149]
 実施例および比較例のキットおよび感光性樹脂組成物の組成、ならびに評価結果を表3に示す。表3の粘度は回転数10rpmでの測定値であり、チクソ値は回転数20rpmでの粘度と回転数2rpmでの粘度との比(2rpm/20rpm)である。
[0150]
[表3]


[0151]
 A剤およびB剤の分散剤として、上記の実験例1,2において良好な分散性を有することが示された両性型の分散剤1(DISPERBYK-2013)を用いた実施例1では、ビーズ付着量が小さくタックフリー性が良好であることが分かる。また、実施例1では、微小穴欠陥の少ない良好な硬化膜が形成されていることが分かる。
[0152]
 B剤の分散剤として、アミン価型の分散剤を用いた実施例2および実施例3においても、実施例1と同様、感光性樹脂組成物のタックフリー性が良好であり、微小穴欠陥の少ない硬化膜が形成されていた。
[0153]
 A剤の分散剤として、酸価の大きい分散剤2を用いた比較例1では、タックフリー性は良好であったが、硬化膜における微小穴欠陥の数が増大していた。B剤の分散剤として分散剤2を用いた比較例2、およびA剤の分散剤としてアミン価型の分散剤5を用いた比較例3も、比較例1と同様、微小穴欠陥の数が増大していた。
[0154]
 比較例1~3では、実施例1~3に比べて、感光性樹脂組成物の粘度およびチクソ値が上昇しており、これらの溶液特性が印刷性に影響を及ぼしたことが微小穴欠陥の増大の一因であると推定される。これらの結果から、実施例1~3で示したように、A剤およびB剤のそれぞれに適切な分散剤を用いて、それぞれの溶液の特性(レオロジー)を制御することにより、A剤とB剤とを混合後の組成物における溶液特性も適切に制御され、微小穴欠陥を低減可能であると考えられる。
[0155]
 A剤およびB剤のいずれにも分散剤を使用しなかった比較例4では、感光性樹脂組成物の粘度およびチクソ値は、実施例1~3と同等であったが、ビーズ付着量が大きく、タックフリー性が低下しており、微小穴欠陥数が増大していた。A剤の樹脂成分に対する(a3)成分の量(特に、シリカ粒子の量)が相対的に小さい比較例5~7においても、比較例4と同様、実施例1~3に比べて、ビーズ付着量が増大し、微小穴欠陥数が増大していた。
[0156]
 以上の結果から、感光性樹脂組成物作製キットのA剤(主剤)およびB剤(硬化剤)のそれぞれに適切な分散剤を添加して溶液特性を調整するとともに、A剤に含まれるマット剤の量を調整してタックフリー性を向上することにより、微小穴欠陥の少ない硬化膜が得られることが分かる。

請求の範囲

[請求項1]
 A剤およびB剤を含む感光性樹脂組成物作製キットであって、
 A剤が、
  (a1)カルボキシ基を有しエチレン性不飽和基を有さない化合物、
  (a2)カルボキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物
  (a3)マット剤、および
  (a4)第一分散剤
を含有し、
 B剤が、
  (b1)カルボキシ基と反応可能な反応性基を有する化合物、
  (b2)光ラジカル重合開始剤、
  (b3)着色剤、および
  (b4)第二分散剤
を含有し、
 前記第一分散剤の酸価が1~60mgKOH/gであり、
 前記第二分散剤のアミン価が1mgKOH/g以上であり、
 前記A剤において、樹脂分100重量部に対する前記マット剤の含有量が、60重量部以上である、
 感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項2]
 前記A剤は、前記マット剤として金属酸化物粒子を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項3]
 前記A剤において、樹脂分100重量部に対する前記金属酸化物粒子の含有量が、20重量部以上である、請求項2に記載の感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項4]
 A剤およびB剤を含む感光性樹脂組成物作製キットであって、
 A剤が、
  (a1)カルボキシ基を有しエチレン性不飽和基を有さない化合物、
  (a2)カルボキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物
  (a3)マット剤、および
  (a4)第一分散剤
を含有し、
 B剤が、
  (b1)カルボキシ基と反応可能な反応性基を有する化合物、
  (b2)光ラジカル重合開始剤、
  (b3)着色剤、および
  (b4)第二分散剤
を含有し、
 前記(a4)第一分散剤の酸価が1~60mgKOH/gであり、
 前記(b4)第二分散剤のアミン価が1mgKOH/g以上であり、
 前記A剤は、前記マット剤として金属酸化物粒子を含み、
 前記A剤において、樹脂分100重量部に対する前記金属酸化物粒子の含有量が、20重量部以上である、
 感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項5]
 前記A剤および前記B剤の少なくとも一方が、(c)カルボキシ基を有さずエチレン性不飽和基を有する化合物を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項6]
 前記A剤において、前記第一分散剤を除く全固形分100重量部に対する前記第一分散剤の固形分の量が、0.01~15重量部である、請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項7]
 前記B剤において、前記第二分散剤を除く全固形分100重量部に対する前記第二分散剤の固形分の量が、0.01~15重量部である、請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項8]
 前記B剤の全固形分100重量部に対する前記着色剤の量が、0.5~50重量部である、請求項1~7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項9]
 前記マット剤として、固形状の難燃剤を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項10]
 前記光ラジカル重合開始剤が、波長405nmに吸収帯を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物作製キット。
[請求項11]
 請求項1~10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物作製キットの前記A剤と前記B剤との混合物である、感光性樹脂組成物。
[請求項12]
 80℃で20分乾燥させた、30mm角、20μm厚みの塗膜に、直径0.3mmのジルコニアビーズを付着させた際に、ジルコニアビーズの付着重量が0.7g以下である、請求項11に記載の感光性樹脂組成物。
[請求項13]
 請求項11または12に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜。
[請求項14]
 プリント配線板の金属配線上に接して、請求項13に記載の硬化膜を備える硬化膜付き基板。
[請求項15]
 請求項1~10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物作製キットの前記A剤と前記B剤とを混合して感光性樹脂組成物を調製し、
 前記感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成し、
 前記塗膜の露光および現像を行う、硬化膜付き基板の製造方法。
[請求項16]
 前記基板がプリント配線板であり、
 プリント配線板の金属配線上に、前記感光性樹脂組成物を塗布して前記塗膜を形成する、請求項15に記載の硬化膜付き基板の製造方法。