処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2020203255 - 粒度分布監視装置、粒度分布監視方法、コンピュータプログラム、炉、高炉、炉の制御方法、及び高炉操業方法

Document

明 細 書

発明の名称 粒度分布監視装置、粒度分布監視方法、コンピュータプログラム、炉、高炉、炉の制御方法、及び高炉操業方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027  

発明の効果

0028  

図面の簡単な説明

0029  

発明を実施するための形態

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093  

符号の説明

0094  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 粒度分布監視装置、粒度分布監視方法、コンピュータプログラム、炉、高炉、炉の制御方法、及び高炉操業方法

技術分野

[0001]
 本発明は、粒度分布監視装置及び粒度分布監視方法に係り、特に、装入される原料の粒度分布を監視するために用いられる粒度分布監視装置及び粒度分布監視方法に関する。
 また、本発明は、上記の粒度分布監視方法を実現するためのコンピュータプログラムにも関する。
 さらに、本発明は、上記の粒度分布監視装置を備える炉及び高炉にも関する。
 さらにまた、本発明は、炉に装入される物質の粒度分布を監視しながら行われる炉の制御方法、及び、高炉に装入される原料の粒度分布を監視しながら行われる高炉操業方法にも関する。

背景技術

[0002]
 装入される原料の粒度分布を監視することは、その原料を用いた処理プロセスにとって重要である。例えば、高炉を用いた製鉄プロセスにおいて、高炉に装入されるコークス、鉱石及び焼結鉱等の原料の粒度分布は、高炉の操業に影響を与え得る。特に、高炉の通気性は、塊状の原料間に形成される隙間が小塊又は粉状の原料によって埋められると悪化してしまう。一般的に、原料の粒度分布幅が広くなる(鋭度が小さくなる)ほど、上記隙間の比率である空隙率が小さくなる傾向にある。
[0003]
 そのため、高炉操業において炉内情報をリアルタイムに取得し、得られた情報を活用して効率的な操業を行う技術が既に開発されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、高炉設備上に複数設置される圧力センサで収集した圧力データの分布状態を、各圧力センサの高炉設備上の設置位置を正確に反映させた二次元平面上に配置して圧力データの等値線を探索し、当該等値線に基づいて、炉壁近傍における充填層の炉内ガス流れの透過流動抵抗ベクトルの大きさ又は偏角を算出する。
[0004]
 一方、高炉を良好に操業(運転)するには、原料の粒度分布を予め把握することが重要となる。しかし、特許文献1に記載の技術では、高炉に原料を装入する前段階で原料の粒度分布を把握することができないため、原料装入後の炉内の通気性を予測して高炉を操業(運転)することが困難となる。
[0005]
 高炉装入前の原料の粒度分布を把握する方法としては、例えば、高炉に向かって搬送される原料を定期的にサンプリングし、サンプリングした原料を対象として粒度分布を手分析にて特定する方法が挙げられる。分析の結果として、図7に示すヒストグラムが得られ、高炉の操業員(オペレータ)は、ヒストグラムを見て原料の粒度分布を把握する。図7は、従来の手法にて特定した原料の粒度分布を示すヒストグラムであり、横軸は、原料の粒度(粒径:単位はmm)を示しており、縦軸は、各粒度を有する原料の出現頻度(厳密には、サンプリングした個数に対する割合)を示している。
[0006]
 上記の方法では、サンプリングされた原料の粒度分布が、実際に高炉へ装入される原料の粒度分布と相違する場合がある。特に、サンプリング周期が長くなると、測定した粒度分布が、実際に高炉へ装入される原料の粒度分布と相違する虞がある。
[0007]
 近年では、原料の粒度分布をリアルタイムに測定することが可能であり、その一例としては、特許文献2に記載の技術が挙げられる。特許文献2に記載の技術では、粒子の粒度分布の時間的変化(経時変化)を測定するために、粒子径と粒子量との2軸で構成される粒度分布データを測定時間毎に記憶し、粒子径と粒子量と測定時間との3軸で構成される3次元グラフを表示する。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特許第3806403号公報
特許文献2 : 特許第5310255号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 特許文献2に記載の技術では、各装入回において高炉に向けて搬送される原料の粒度分布を逐次測定し、各測定時点での粒度分布を把握することは可能であるが、各測定時点での粒度分布にはバラツキがある。一方、高炉の操業は、装入回を一単位として管理されることがあり、これらを考慮すると、一回の装入回にて高炉へ装入される原料の粒度分布を、装入回毎を把握することが重要となる。
[0010]
 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。
 本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、装入される原料の粒度分布を装入回毎に把握するための粒度分布監視装置及び粒度分布監視方法を提供することを目的とする。
[0011]
 また、本発明の他の目的は、上記の粒度分布監視方法を実現するためのコンピュータプログラム、並びに、上記の粒度分布監視装置を備えた炉及び高炉を提供することである。
 また、本発明の他の目的は、炉に装入される物質の粒度分布を適切に制御しながら炉を制御すること、及び、高炉に装入される原料の粒度分布を適切に監視しながら高炉の操業を行うことである。

課題を解決するための手段

[0012]
 上記の目的を達成するために、本発明の粒度分布監視装置は、装入される原料の粒度分布を特定するための情報を、原料の装入回毎に少なくとも一回以上取得する情報取得装置と、情報を処理する情報処理装置と、を有し、情報処理装置は、情報取得装置が装入回毎に少なくとも一回以上取得した情報から粒度分布を装入回毎に特定する粒度分布特定部と、粒度分布特定部が装入回毎に特定した粒度分布を可視化して、装入回毎の可視化粒度分布を装入回と関連付けて画面に表示する粒度分布表示部と、を有する。
[0013]
 上記のように構成された本発明の粒度分布監視装置では、装入される原料の粒度分布を装入回毎に特定し、装入回毎に特定した粒度分布を可視化した可視化粒度分布を、装入回と関連付けて画面に表示する。これにより、装入される原料の粒度分布を装入回毎に把握することができる。
[0014]
 また、本発明の粒度分布監視装置において、粒度分布表示部は、装入回毎の可視化粒度分布の各々を、複数の領域に区画された表示範囲中、各々の装入回と対応する領域に表示すると、好ましい。
 上記の構成であれば、各装入回の可視化粒度分布が、表示範囲中、当該各装入回と対応する領域に表示されるので、装入回毎に原料の粒度分布を確認することがより容易になる。
[0015]
 また、本発明の粒度分布監視装置において、表示範囲は、画面の縦方向に沿う第一軸と、画面の横方向に沿う第二軸とによって規定され、複数の領域は、第一軸に沿って並んでおり、複数の領域の各々は、第二軸に沿って並ぶ複数の矩形領域に区画されており、複数の矩形領域の各々は、粒度の区間が対応付けられており、複数の矩形領域の各々と対応付けられる区間の代表値は、第二軸に沿って画面の横方向の一端側に向かうほど大きくなり、粒度分布表示部は、可視化粒度分布として、複数の矩形領域の各々が、複数の矩形領域の各々と対応付けられた区間に含まれる粒度の原料の出現頻度に応じた色で示されたカラーパターン画像を表示すると、好ましい。
 上記の構成であれば、可視化粒度分布であるカラーパターン画像中、各矩形領域の色を確認することで、当該各矩形領域と対応付けられた区間に含まれる粒度の原料の出現頻度を把握することができる。
[0016]
 また、本発明の粒度分布監視装置において、粒度分布表示部は、設定された装入回数分の可視化粒度分布を、それぞれの装入回の順序に応じて並べて表示すると、好ましい。
 上記の構成であれば、各装入回における原料の粒度分布を、装入回の順に把握することができる。
[0017]
 また、本発明の粒度分布監視装置において、粒度分布表示部は、設定された装入回数分の可視化粒度分布を、それぞれの装入回の順序に応じて画面の縦方向に沿って並べて表示してもよい。
 上記の構成では、各装入回における原料の粒度分布を装入回の順に把握することが、より容易になる。また、高さ方向における各位置での通気分布を、その位置における原料の粒度分布から把握する上で、粒度分布と位置との対応関係が、操業員(オペレータ)にとって判断し易くなる。
[0018]
 また、本発明の粒度分布監視装置において、粒度分布表示部は、新たな装入回の分の可視化粒度分布を表示する際には、直前に画面に表示された設定された装入回数分の可視化粒度分布のうち、最も古い装入回の分の可視化粒度分布を削除して残りの可視化粒度分布の表示位置をずらして、新たな装入回の分の可視化粒度分布を表示すると、好ましい。
 上記の構成であれば、画面に表示される可視化粒度分布を、装入回の増加に合わせて適宜更新することが可能となる。
[0019]
 また、本発明の粒度分布監視装置において、原料が複数の装入箇所の各々に装入され、情報取得装置が、装入箇所別に設けられており、装入回毎に情報を少なくとも一回以上取得し、粒度分布特定部は、装入箇所別に、粒度分布を装入回毎に特定し、粒度分布表示部は、装入回毎の粒度分布を装入箇所別に可視化し、装入回毎の可視化粒度分布を装入箇所別に分けて画面に表示してもよい。
 上記の構成では、原料の装入箇所が複数存在する場合に、各装入回における原料の粒度分布を装入箇所別に把握することができる。これにより、装入箇所間の粒度分布の偏りを確認することが可能となる。
[0020]
 また、本発明の粒度分布監視装置において、情報取得装置は、一回の装入回において装入される原料が搬送される間に、情報を複数取得し、粒度分布特定部は、情報取得装置が一回の装入回において装入される原料について複数取得した情報から、粒度分布を装入回毎に特定すると、好ましい。
 上記の構成であれば、一回の装入回において装入される原料が搬送される間に、原料の粒度分布に関する情報を複数取得し、複数取得した情報から粒度分布を特定するので、粒度分布の特定結果についての妥当性が向上する。
[0021]
 また、本発明の粒度分布監視装置において、粒度分布表示部は、原料装入空間内部を模式的に表した画像を、装入回毎の可視化粒度分布とともに画面に表示し、装入回毎の可視化粒度分布の各々を、上記の画像中、原料装入空間内部において装入回毎に形成される原料の層の画像と対応付けて表示すると、好ましい。
 上記の構成であれば、それぞれの可視化粒度分布が原料装入空間中のどの部分の粒度分布であるかを、容易に把握することができる。
[0022]
 また、前述した課題を解決するために、本発明の粒度分布監視方法は、装入される原料の粒度分布を特定するための情報を、原料の装入回毎に少なくとも一回以上取得するステップと、装入回毎に少なくとも一回以上取得した情報から粒度分布を装入回毎に特定するステップと、装入回毎に特定した粒度分布を可視化して、装入回毎の可視化粒度分布を装入回と関連付けて画面に表示するステップと、を有することを特徴とする。
 上述した方法によれば、高炉へ装入される原料の粒度分布を装入回毎に把握することが可能となる。
[0023]
 また、前述した課題を解決するために、本発明のコンピュータプログラムは、上述した本発明の粒度分布監視方法における各ステップをコンピュータに実施させることを特徴とする。
 上述したコンピュータプログラムがコンピュータに読み取られて実行されることで、本発明の粒度分布監視方法が実現される。
[0024]
 また、前述した課題を解決するために、本発明の炉は、上述した本発明の粒度分布監視装置を備え、炉へ装入される物質の粒度分布を、粒度分布監視装置によって特定することを特徴とする。
 上述した炉では、炉へ装入される物質の粒度分布を適切に監視することが可能となる。
[0025]
 また、前述した課題を解決するために、本発明の高炉は、上述した本発明の粒度分布監視装置を備え、高炉へ装入される原料の粒度分布を、粒度分布監視装置によって特定することを特徴とする。
 上述した高炉では、高炉へ装入される原料の粒度分布を適切に監視することが可能となる。
[0026]
 また、前述の課題を解決するために、本発明の炉の制御方法は、炉へ装入される物質の粒度分布を特定するための情報を、物質の装入回毎に少なくとも一回以上取得するステップと、装入回毎に少なくとも一回以上取得した情報から粒度分布を装入回毎に特定するステップと、装入回毎に特定した粒度分布を可視化して、装入回毎の可視化粒度分布を装入回と関連付けて画面に表示するステップと、画面に表示された可視化粒度分布に応じて、炉の制御条件を設定するステップと、を有することを特徴とする。
 上述した方法によれば、炉へ装入される物質の粒度分布を適切に監視しながら、炉の制御を適切に行うことが可能となる。
[0027]
 また、前述の課題を解決するために、本発明の高炉操業方法は、高炉へ装入される原料の粒度分布を特定するための情報を、原料の装入回毎に少なくとも一回以上取得するステップと、装入回毎に少なくとも一回以上取得した情報から粒度分布を装入回毎に特定するステップと、装入回毎に特定した粒度分布を可視化して、装入回毎の可視化粒度分布を装入回と関連付けて画面に表示するステップと、画面に表示された可視化粒度分布に応じて、高炉の操業条件を設定するステップと、を有することを特徴とする。
 上述した方法によれば、高炉へ装入される原料の粒度分布を適切に監視しながら、高炉の操業を適切に行うことが可能となる。

発明の効果

[0028]
 本発明によれば、装入される原料の粒度分布を装入回毎に把握することが可能である。これにより、原料の装入回に応じて変化する原料装入空間内の状態を良好に且つ直感的に把握することが可能となる。
 また、本発明によれば、炉へ装入される物質の粒度分布を適切に監視しながら炉の制御を行うことが可能である。
 また、本発明によれば、高炉へ装入される原料の粒度分布を適切に監視しながら高炉の操業を行うことが可能である。

図面の簡単な説明

[0029]
[図1] 高炉の内部構造を示す模式図である。
[図2] 本発明の一実施形態に係る粒度分布監視装置、及び、その周辺機器についての一例を示す模式図である。
[図3] 可視化粒度分布の表示例を示す図である。
[図4] 可視化粒度分布及び高炉画像の表示例を示す図である。
[図5] 本発明の一実施形態に係る粒度分布監視方法の流れを示す図である。
[図6] 第二の実施形態に係る可視化粒度分布の表示例を示す図である。
[図7] 従来の手法にて特定した原料の粒度分布を示すヒストグラムである。

発明を実施するための形態

[0030]
 本発明の一実施形態(本実施形態)について、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
[0031]
 <<高炉の構造及び高炉操業方法について>>
 高炉1について、図1及び図2を参照しながら、その構造及び操業方法を説明する。高炉1では、製鉄プロセスにおいて鉄鉱石(以下、「鉱石」という。)から溶銑を生成するため、頂部からコークス、鉱石及び焼結鉱等の原料が装入される。一回の装入回(以下、「バッチ」とも呼ぶ)では、一種類の原料が所定量だけ高炉1に装入され、互いに種類が異なる原料は、別々のバッチにて高炉1に装入される。つまり、高炉1の内部は、原料装入空間に相当する。
[0032]
 各種の原料については、毎回の装入回において一バッチ分の量がコンベア2によって高炉1の頂部に向けて搬送される。原料としてのコークス26は、各装入回において、図2に示した供給ホッパ28から一バッチ分が切り出され、篩30で篩われて篩30の篩目径よりも粒度が小さいコークスが落とされた後に、コンベア2によって搬送される。コンベア2上の原料は、高炉1の頂部に設けられた受取ホッパ3へ引き渡され、一時的に蓄積される。受取ホッパ3は、原料の種類数と同じ数だけ設けられており、各受取ホッパ3には、対応する種類の原料が蓄積される。
[0033]
 蓄積された一バッチ分の原料は、装入シュート4を通じて高炉1内へ装入される。装入される原料は、層状に装入される。また、装入シュート4に通じる受取ホッパ3が切り替わることで、装入される原料の種類が変化し、鉱石とコークスとが交互に高炉1内へ層状に装入される。原料の装入回数が増加するにつれて、高炉1内では原料の層(具体的には、鉱石層5とコークス層6)が高炉1の下方から順に積み重なる。その結果、所定の装入回数分の層5、6が高炉1内に堆積する。
[0034]
 また、高炉1の下部には羽口7が設けられており、羽口7を通じて熱風が高炉1内に送り込まれ、鉱石層5及びコークス層6内の隙間(原料間の空隙)を通過する。高炉1内の鉱石は、加熱、還元されて溶銑となり、高炉1の底から順次排出される。高炉1内にて鉱石が完全に溶融する領域を融着帯8と呼ぶ。
[0035]
 高炉1内における通気性は、熱風の吹き込み方、各原料がなす層の構造、及び層内における原料の粒度分布等に応じて決まる。一般には、粒度分布の分布幅が広くなるほど、塊状の原料間に形成される隙間が小塊状又は粉状の原料によって埋められ易くなるために通気性が悪くなる。そのため、高炉1を操業する間には、高炉1内に装入される原料の粒度分布を高炉1の操業員(オペレータ)に確認させる。本実施形態では、各装入回にて高炉1へ装入される原料の粒度分布を装入回毎に管理する。
[0036]
 また、本実施形態では、装入回毎の原料の粒度分布に応じて高炉1の操業条件を設定する。具体的には、ある装入回において高炉1へ装入される原料の粒度分布の分布幅(例えば、分散値)が閾値を超える場合、高炉1内への熱風の送風量を下げ、あるいは、ある装入回において装入される鉱石の量に対するコークス量の比率を上げる。
[0037]
 <<本実施形態に係る粒度分布監視装置の構成>>
 次に、本実施形態に係る粒度分布監視装置12の構成について、図2を参照しながら説明する。
[0038]
 粒度分布監視装置12は、図2に示すように、コンベア2とともに粒度分布監視用システム10を構成する。粒度分布監視用システム10は、高炉1へ装入される原料の粒度分布を監視するために設けられ、一バッチ分の原料を高炉1の頂部に向かって搬送する間に一バッチ分の原料の粒度分布を特定し、特定した粒度分布を可視化して操業員(オペレータ)に対して監視用画面(以下、画面25)に表示する。粒度分布の特定及び可視化は、上記のように一バッチ単位で行われる。装入される原料が鉱石及びコークス26のように複数種類ある場合には、各種類の原料の一回あたりの装入を一バッチとする。この場合、一方の種類の原料(例えば、コークス26)については毎回のバッチで粒度分布の特定及び可視化を行い、もう一方の種類の原料(例えば、鉱石)については必ずしも毎回のバッチで行わなくてもよい。反対に、すべての種類の原料について毎回のバッチで粒度分布の特定及び可視化を行ってもよい。
[0039]
 粒度分布監視装置12は、図2に示すように、情報取得装置14と情報処理装置20とを有し、コークス26の粒度分布の特定及び可視化を毎回のバッチで行う。
[0040]
 情報取得装置14は、一バッチ分のコークス26の粒度分布を特定するための情報を、一バッチ毎に少なくとも一回以上取得する装置である。一バッチ分のコークス26がコンベア2によって搬送される間、情報取得装置14は、一バッチ分のコークス26の粒度分布を特定するための情報を複数回取得する。
[0041]
 情報取得装置14は、特に限定されないが、本実施形態ではレーザー距離計からなる。レーザー距離計は、コンベア2の上方に設置された装置本体16及びレーザー照射器18からなる。装置本体16は、レーザー照射器18から照射されたレーザー光がコンベア2上のコークス26にて反射した際の反射光を受光することで、コークス26までの距離をリアルタイムに測定する。この測定を行うことで、情報取得装置14は、コークス26の粒度分布を特定するための情報として、装置本体16からコークス26までの距離を示す測定データを取得する。情報取得装置14による粒度分布の特定、すなわち測定データの取得は、コークス26が高炉1に装入する前段階で行われるのが好ましい。そのため、装置本体16及びレーザー照射器18は、高炉1の手前位置に配置されるのがよく、好ましくはコンベア2の下流側(受取ホッパ3側)の端部付近に配置されるのがよい。
[0042]
 レーザー照射器18は、コンベア2によって搬送される一バッチ分のコークス26に対して1/10000秒~1/1000秒の周期にてレーザー光を照射する。装置本体16は、一バッチ分のコークス26について、1000~10000ライン/秒の間隔で測定を行う。装置本体16は、各測定によって取得されたライン状の測定データを時系列に並べてコークス26のプロフィールデータとし、当該プロフィールデータを情報処理装置20に出力する。
[0043]
 以上のように、一バッチ分のコークス26について粒度分布を複数回測定することで、測定対象の代表性が担保され、粒度分布の測定結果についての信憑性も高められる。
[0044]
 情報処理装置20は、情報取得装置14が取得した情報(コークス26のプロフィールデータ)を処理する。情報処理装置20は、演算部21及び格納部24を備えたワークステーション又はパソコン等の汎用コンピュータによって構成されている。演算部21は、CPU等のプロセッサからなり、格納部24に格納されたコンピュータプログラムを実行することで、粒度分布特定部22及び粒度分布表示部23として機能する。
[0045]
 演算部21は、格納部24に保存されたプログラム及びデータを用いて、情報取得装置14の装置本体16及びレーザー照射器18を制御する。格納部24には、装置本体16及びレーザー照射器18を制御するためのプログラム及びデータ、並びに、粒度分布特定部22及び粒度分布表示部23としての機能を演算部21に実現させるためのプログラム及びデータが記憶されている。
[0046]
 粒度分布特定部22は、情報取得装置14が装入回毎に少なくとも一回以上取得した情報から、コークス26の粒度分布を装入回毎に特定する。粒度分布特定部22は、情報取得装置14が一バッチ分のコークス26について複数回行った測定の結果を示すプロフィールデータに基づき、一バッチ分のコークス26の粒度分布をバッチ単位で特定する。
[0047]
 コークス26の粒度分布を特定するには、例えば、上述したコークス26のプロフィールデータからコークス26の凹凸データを抽出し、抽出した凹凸データに対して画像処理を施すことでコークス26の粒子分離処理を行う。粒子分離処理は、画像内に映っている粒子をそれぞれ個別の物として識別するための処理であり、一例としてはウォーターシェッド アルゴリズム(Watershed Algorithm)が挙げられる。粒度分布特定部22は、上記の粒子分離処理によって個々に分離されたコークス26の粒度(粒径)を測定し、粒度の区間毎に出現頻度(粒子数)をカウントすることで、一バッチ分のコークス26の粒度分布を特定する。
[0048]
 以上のように一バッチ分のコークス26について複数回行った測定の結果からコークス26の粒度分布を求め、求めた粒度分布をバッチ単位でまとめる(積算する)ことで、一バッチ毎のコークス26の粒度分布を特定することができる。
[0049]
 バッチ単位で粒度分布を特定することにより、高炉1へ装入されるコークス26について、信頼性が高く妥当な粒度分布が得られる。一回の測定では、ある範囲(例えば、コンベア2の搬送方向において1m程度の範囲)に存在するコークス26の粒度分布しか測定できない。そして、供給ホッパ51内での粒子偏析及び測定範囲内でのコークス数の少なさから、各回の測定結果には統計的なバラツキが生じ得る。このため、各回の測定結果を、高炉1へ装入されるコークス26の粒度分布の代表的な値とすることは困難である。これに対して、本実施形態では一バッチ分のコークス26の粒度分布を複数回測定してバッチ単位で積算する。このため、統計的なバラツキが改善され、コークス26の粒度分布の妥当性も向上する。
[0050]
 粒度分布表示部23は、粒度分布特定部22が装入回毎に特定したコークス26の粒度分布を可視化して、装入回毎の可視化粒度分布を画面25に表示する。可視化粒度分布は、画面25の粒度分布を示す二次元グラフであり、後述のカラーパターン画像40である(図3参照)。可視化粒度分布は、二次元グラフに限定されず、三次元グラフでもよい。
[0051]
 以上のように装入回毎に、コークス26の粒度分布を示すグラフ(可視化粒度分布)を確認することにより、操業員(オペレータ)は、コークス26の粒度分布の良否を装入回毎に判断し、粒度分布の変動傾向(トレンド)を把握することができる。
[0052]
 <<可視化粒度分布について>>
 可視化粒度分布について図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4に示す可視化粒度分布の表示例は、一例に過ぎず、表示形式及び表示項目等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で自由に設定することが可能である。
[0053]
 可視化粒度分布は、前述したように、コークス26の粒度分布を示す二次元グラフであり、図3に示したカラーパターン画像40である。カラーパターン画像40は、コークス26の粒度分布を示すヒストグラムに相当し、粒度分布表示部23によって画面25中の表示範囲Pに表示される。
[0054]
 粒度分布表示部23は、可視化粒度分布であるカラーパターン画像40を装入回毎に作成し、装入回毎のカラーパターン画像40の各々を装入回と関連付けて表示範囲Pに表示する。表示範囲Pは、図3に示すように、画面25の縦方向に沿う第一軸と、画面25の横方向に沿う第二軸とによって規定される矩形状の範囲である。
[0055]
 表示範囲Pは、図3に示すように複数の領域Pxに区画されている。複数の領域Pxは、第一軸に沿って並んでおり、各領域Pxは、第二軸に沿って長く延びて長方形状の領域となっている。粒度分布表示部23は、装入回毎のカラーパターン画像40の各々を、複数の領域Pxに区画された表示範囲P中、各々の装入回と対応する領域Pxに表示する。
[0056]
 装入回毎のカラーパターン画像40は、第一軸の値、第二軸の値、及び色によって表現されるグラフである。第一軸は、装入回の順序を表す軸であり、下方に向かうほど古い装入回を示す。複数の領域Pxの各々に表示されるカラーパターン画像40の、第一軸における位置(具体的には、配置順序)は、そのカラーパターン画像40が示す粒度分布がどの装入回にて高炉1へ装入されたコークス26の粒度分布であるかを表している。例えば、最上段の領域Pxに表示されるカラーパターン画像40は、直近の装入回にて高炉1へ装入されたコークス26の粒度分布を表している。また、上から2段目の領域Pxに表示されるカラーパターン画像40は、前々回の装入回にて高炉1へ装入されたコークス26の粒度分布を表している。
[0057]
 第二軸は、コークス26の粒度、より厳密には粒度に対して複数設定された区間を表す軸である。図3において第二軸に付されている数値は、各区間の上下限値を示している。複数の領域Pxの各々は、第二軸に沿って並ぶ複数の矩形領域Pyに区画されており、複数の矩形領域Pyの各々には、粒度の区間が対応付けられている。例えば、第二軸において数値「20~25」が付された位置にある矩形領域Pyは、粒度が20mm~25mmである区間と対応付けられている。各矩形領域Pyに対応付けられた粒度の区間は、第二軸に沿って5mm間隔で変化しており、第二軸の一端側(図3では左側)に位置するほど大きくなる。図3のカラーパターン画像40では、第二軸において最も一端側(左側)にある矩形領域Pyが120mm超の区間と対応し、最も他端側(右側)にある矩形領域Pyが5mm未満の区間と対応している。
 なお、図3では、図示の都合上、一部の矩形領域Pyに対してのみ、目盛及び対応する区間の数値が表記されているが、各矩形領域Pyに対応付けられた粒度の区間は、上述した要領に則って定まる。例えば、粒度が20mm~25mmである区間と対応付けられた矩形領域Pyから見て、左側で隣接する矩形領域Pyは、粒度が25mm~30mmである区間と対応している。
[0058]
 粒度分布表示部23は、粒度分布特定部22によって特定されたコークス26の粒度分布から、各区間に該当する粒度を有するコークス26の出現頻度(個数)を区間毎に割り出す。そして、粒度分布表示部23は、図3に示すように、当該各区間と対応する矩形領域Pyを、求めたコークス26の出現頻度に応じた色で示す。これにより、カラーパターン画像40が形成される。「色」は、色彩及び濃淡を含む。
[0059]
 図3では、図示の都合上、グレースケール(白黒の濃淡)にて色の違いを表現している。しかし、実際には、各矩形領域Pyが色(カラー)を有し、その色彩又は濃淡を変えることで色の違いを表現している。矩形領域Pyの色とコークス26の出現頻度との対応関係は、図3においてカラーパターン画像40の上方に配置されたスケールバーによって表される。スケールバーでは一端から他端に向かって色が徐々に変化し、各位置の色に対して出現頻度が対応付けられている。スケールバーにおいて色彩が変化する場合、一端側の色彩から他端側の色彩に近付くほど出現頻度が大きくなる。ここで、カラーバーに用いられる色彩の数(相数)は、二相でもよく、あるいは三相以上でもよい。また、両端に位置する色彩は、互いに補色の関係にあるのが好ましい。スケールバーにおいて白黒の濃淡が変化する場合、白寄りの色になるほど出現頻度が大きくなってもよいが、これに限定されず、黒寄りの色になるほど出現頻度が大きくなってもよい。
[0060]
 矩形領域Pyに対応付けられた区間におけるコークス26の出現頻度は、スケールバーにおいて矩形領域Pyの同色である位置と対応付けられた値となる。ここで、スケールバーが示す出現頻度の値は、第一軸において同じ高さにある複数の矩形領域Pyの各々の出現頻度を合計した合計値を100%としたときの割合で表している。換言すると、各矩形領域Pyの色によって表される出現頻度は、その装入回にて高炉1へ装入されたコークス26の総量に対する比率(%)である。
[0061]
 以上のように粒度分布表示部23は、可視化粒度分布として、複数の矩形領域Pyの各々が当該各々と対応付けられた区間に含まれる粒度のコークス26の出現頻度に応じた色で塗り潰されたカラーパターン画像40を表示する。カラーパターン画像40を見ることにより、操業員(オペレータ)は、1バッチ分のコークス26の粒度分布を直感的に把握することができる。特に、カラーパターン画像40における色の広がり度合いから粒度分布幅を確認することができ、さらに、粒度分布幅から、高炉1内のコークス層6における隙間の割合(空隙率)の程度を把握することが可能となる。例えば、分布幅が狭いほど(広いほど)、空隙率が大きい(小さい)ことになる。さらにまた、粒度分布の中央位置を捉えることで、粒度分布の中央値(平均値)を把握することも可能である。
[0062]
 粒度分布表示部23は、図3に示すように、設定された装入回数分のカラーパターン画像40(可視化粒度分布)を、それぞれの装入回の順序に応じて画面25の縦方向に沿って並べて表示する。並べて表示されるカラーパターン画像40の数は、特に制限されないが、本実施形態では、高炉1に堆積されるコークス層6の数に相当する装入回数分のカラーパターン画像40を、装入回順に並べて表示する。これにより、操業員(オペレータ)は、高炉1に堆積されたコークス26の粒度分布を、装入回別に把握することが可能である。
[0063]
 粒度分布表示部23は、図4に示すように、高炉1の内部を模式的に表した高炉画像Gtを、装入回毎のカラーパターン画像40とともに画面25に表示し、装入回毎のカラーパターン画像40の各々を、高炉画像Gt中、高炉1の内部において装入回毎に形成されるコークス層6の画像と対応付けて表示する。例えば、ある装入回にて高炉1へ装入されたコークス26の粒度分布を示すカラーパターン画像40は、当該装入回にて高炉1へ装入されたコークス26がなすコークス層6の画像と横並び状態で表示される。そのため、操業員(オペレータ)は、高炉1にて積層された各コークス層6での粒度分布を層別に把握することができる。
[0064]
 粒度分布表示部23は、画面25に表示する装入回毎のカラーパターン画像40を、操業の進行に応じて適宜更新する。
[0065]
 新たな装入回にて高炉1へ装入されるコークス26がコンベア2によって搬送されると、粒度分布特定部22が、新たな装入回の分のコークス26の粒度分布を特定する。粒度分布表示部23は、直前に画面25に表示された所定数(具体的には、設定された装入回数)分のカラーパターン画像40のうち、最も古い装入回の分のカラーパターン画像40(つまり、最下段のカラーパターン画像40)を削除し、残りのカラーパターン画像40の表示位置を1つずつ下方にずらし、新たな装入回の分のカラーパターン画像40を、最上段の領域Pxに表示する。
[0066]
 コークス26の装入が行われる度に、画面25に表示されるカラーパターン画像40が更新されるので、操業員(オペレータ)は、高炉1内に新たなコークス層6が形成されると、その都度、当該コークス層6での粒度分布を把握できる。
[0067]
 本実施形態では、画面25に表示されたカラーパターン画像40に応じて、高炉1の操業条件を設定する。例えば、粒度分布の分布幅が比較的広いカラーパターン画像50が表示範囲Pの上方において複数の領域Pxに表示されている場合、高炉1内の上層に位置するコークス6では空隙率が小さいと判断される。これらのコークス層6が操業の進行に応じて下降していくと、将来的に高炉1内の通気性が悪化すると予想されるため、予め高炉1内への熱風の送風量を下げる等、高炉1の操業条件を設定(変更)する。あるいは、新たな装入回にて高炉1へ装入されるコークス26の粒度分布の分布幅が比較的広い場合には、そのコークス26を高炉1へ装入されないように取り除くこともできる。
[0068]
 <<本実施形態に係る粒度分布監視方法>>
 次に、本実施形態に係る粒度分布監視方法の手順について、図5を参照しながら説明する。高炉1の操業が開始されると、一バッチ分のコークス26が供給ホッパ28から切り出され、篩30によって篩われた後に、コンベア2によって高炉1の頂部に向けて搬送される。これに伴い、粒度分布監視に関する一連のステップが、図5に示す手順に従って実施される。
[0069]
 先ず、一バッチ分のコークス26がコンベア2によって搬送される間に、情報取得装置14が、コークス26の粒度分布を特定するための情報(図5では、「粒度分布情報」と表記)を取得する(S01)。本実施形態では、情報取得装置14をなすレーザー距離計がコークス26までの距離を測定し、その測定結果を示す測定データを粒度分布情報として取得する。
[0070]
 情報取得装置14は、コンベア2によって搬送されている一バッチ分のコークス26に対して上記の測定を複数回繰り返し実施し、各回の測定データを逐次取得する(S02)。各回の測定データは、並べられてプロフィールデータを構成し、情報処理装置20に向けて出力される。
[0071]
 次に、粒度分布特定部22が、各回の測定データからなるプロフィールデータに基づいて、一バッチ分のコークス26の粒度分布を特定する(S03)。本ステップS03ではコークス26の粒度分布をバッチ単位で(装入回毎に)特定する。
[0072]
 次に、粒度分布表示部23が、粒度分布特定部22により特定された粒度分布を可視化し、可視化粒度分布としてのカラーパターン画像40を画面25に表示する(S04)。
[0073]
 そして、次の装入回にて高炉1へ装入される分のコークス26がコンベア2によって搬送されると(S05)、上述した一連のステップS01~S04が繰り返し実施される。この結果、所定の装入回数(具体的には、高炉1において積層されるコークス層6の数に応じた回数)分のカラーパターン画像40が、画面25の縦方向に沿って並んだ状態で画面25に表示される。このとき、各カラーパターン画像40は、対応する装入回と関連付けて表示される。
[0074]
 所定の装入回数分のカラーパターン画像40が表示された後、新たな装入回分のコークス26がコンベア2によって搬送されると、所定の装入回数分のカラーパターン画像40のうち、最も古い装入回分のカラーパターン画像40(つまり、最下段のカラーパターン画像40)が削除され、残りのカラーパターン画像40の表示位置が一段ずつ下がる。そして、新たな装入回分のカラーパターン画像40が最上段に表示される。
[0075]
 以上までに説明してきたステップS01~S05は、高炉1の操業が終了するまで繰り返され(S06)、操業終了時点で中断する。
[0076]
 高炉1の操業期間中には、本発明の高炉操業方法に従って、ステップS04にて画面25に表示された可視化粒度分布(カラーパターン画像40)に応じて、高炉1の操業条件を設定すると好適である。
[0077]
 <<第二の実施形態>>
 上述した実施形態(以下、第一の実施形態)では、高炉1における原料の装入箇所が1箇所のみであることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、高炉1における原料の装入箇所が複数設けられてもよい。その場合には、装入箇所に応じて、装入される原料の性状等を変えてもよい。この構成(以下、第二の実施形態)について、図6を参照しながら説明する。
[0078]
 装入箇所の数は、特に限定されないが、以下では、装入箇所が2箇所である場合を想定して説明する。
[0079]
 第二の実施形態では、原料としてのコークスが高炉1における二つの装入箇所の各々に装入される。二つの装入箇所のうちの一方は、高炉1の中心により近い第一装入箇所であり、もう一つの装入箇所は、高炉1の内壁により近い第二装入箇所である。各装入箇所には、装入箇所毎に性状が異なるコークスが装入される。性状が異なるコークスは、粒度が異なるコークスのことであり、第一装入箇所には、より粒度が大きく性状が良いコークスが装入される。他方、第二装入箇所には、より粒度が小さく性状が劣るコークスが装入される。
[0080]
 第二の実施形態では、供給ホッパ28、篩30、コンベア2及び情報取得装置14が装入箇所別に設けられている。各装入箇所にて装入されるコークスは、装入箇所別に、供給ホッパ28から一バッチ分の量を切り出され、篩30によって篩われた後にコンベア2によって搬送される。同じ装入回にて各装入箇所から装入されるコークスは、高炉1内で同じ高さに堆積され、同一のコークス層6を形成する。
[0081]
 第二の実施形態では、装入箇所別に設けられた情報取得装置14の各々が装入回毎(一バッチ毎)に、コークスの粒度分布を特定するための情報を少なくとも一回以上取得する。取得する情報の内容、及び情報の取得手順等については、第一の実施形態と共通する。
[0082]
 第二の実施形態では、情報処理装置20の粒度分布特定部22が装入箇所別に、一バッチ分のコークスの粒度分布を装入回毎に特定する。粒度分布の特定手順等については、第一の実施形態と共通する。
[0083]
 第二の実施形態では、粒度分布表示部23が、一バッチ分のコークスの粒度分布を装入箇所別に可視化し、図6に示すように、装入回毎のカラーパターン画像40を装入箇所別に分けて画面25に表示する。
[0084]
 具体的には、第一の実施形態と同様、所定の装入回数分のカラーパターン画像40を高炉画像Gtと共に表示する。また、各カラーパターン画像40は、高炉画像Gt中、高炉1の内部において装入回毎に形成されるコークス層6の画像と対応付けて表示される。
[0085]
 第二の実施形態では、図6に示すように、第一装入箇所に装入されるコークスの粒度分布を示すカラーパターン画像40が、高炉画像Gt中、高炉1の中心を示す画像と並べて表示される。また、第二装入箇所に装入されるコークスの粒度分布を示すカラーパターン画像40が、高炉画像Gt中、高炉1の内壁を示す画像と並べて表示される。
[0086]
 以上のように、第二の実施形態では、装入回毎(バッチ毎)のコークスの粒度分布に加え、装入箇所間での粒度分布の偏りが視覚化されるので、各装入箇所での粒度分布を踏まえて、高炉1の操業条件を設定することができる。例えば、高炉1の中心により近い第一装入箇所には、より粒度が大きいコークスを装入するので、高炉1の中心を流れる熱風量をより多くするという条件にて高炉1を操業する。このような条件の下で高炉1を操業している間に、装入箇所間での粒度分布の偏りを視覚化する。これにより、高炉1の中心付近における熱風量と内壁付近における熱風量との比の変化を確認することが可能となる。
[0087]
 また、高炉1の中心付近における粒度分布と内壁付近における粒度分布との間の大小関係が、高炉1の上下方向で変動している場合には、炉内での反応が促進されていないと判断される。このような状況において、操業員(オペレータ)は、鉱石量に対するコークス量の割合(コークス比)を増やして反応を促進させ易くする等の対応措置を講じることができる。若しくは、上記の状況に至った原因は、各装入箇所におけるコークスの装入量の振り分け(配分)が適切になされていないことと予想される。そのため、各供給ホッパ38からの切り出し量等、原料供給条件に粒度分布の情報をフィードバックし、各装入箇所におけるコークスの装入量の振り分けを調整してもよい。
[0088]
 <<その他の実施形態>>
 以上までに、本発明の一実施形態について説明してきたが、上述の実施形態は、あくまでも一例であり、他の実施形態も考えられる。例えば、上述の実施形態では、高炉1へ装入される原料の粒度分布として、コークスの粒度分布を監視するケースを例に挙げて説明した。しかし、これに限定されず、他の原料、例えば鉱石の粒度分布を監視する場合にも本発明は適用可能である。
[0089]
 また、上述の実施形態では、原料としてのコークスがコンベア2によって搬送される間に、情報取得装置14が、コークスの粒度分布を特定するための情報を取得することとしたが、これに限定されるものではない。上記の情報を原料搬送前の時点(例えば、供給ホッパ28から原料が切り出される時点)で取得してもよい。
[0090]
 また、上述の実施形態では、所定の装入回数分のカラーパターン画像40を画面25の縦方向に沿って並べて表示することとしたが、これに限定されず、画面25の横方向に沿って並べて表示してもよい。
[0091]
 また、上述の実施形態では、装入回毎のカラーパターン画像40を高炉画像Gtと共に表示することとした。また、上述の実施形態では、それぞれのカラーパターン画像40を高炉画像Gt中、高炉1内に形成される原料層(具体的には、コークス層6)の画像と対応付けて表示することとした。ただし、これに限定されず、高炉画像Gtを表示せずカラーパターン画像40のみを単独で表示してもよい。
[0092]
 また、上述の実施形態では、供給ホッパ28から一バッチの原料(コークス26)が切り出されて、篩30に篩われた後にコンベア2によって搬送されることとした。このような構成では、一回の装入回(一バッチ)において所定量の原料が連続的に高炉1へ装入されるが、これに限定されるものではない。一バッチ分の原料が断続的に高炉1へ装入されてもよい。
[0093]
 また、上述の実施形態では、本発明の粒度分布監視装置及び監視方法を用いて、高炉1へ装入される原料の粒度分布を監視することとした。ただし、これに限定されず、本発明の粒度分布監視装置及び監視方法は、高炉1を含む炉に装入される物質の粒度分布を監視する場合にも利用可能である。ここで、炉に装入される物質は、上記の実施形態における高炉1に装入される原料に相当する。そして、炉の制御及び炉の制御方法は、上記の実施形態における高炉1の操業及び高炉操業方法に相当する。つまり、炉内で通気がなされて物質(原料に相当)を燃焼させる、言い換えれば、物質と気体とを反応させる炉であれば、本発明の粒度分布監視装置及び監視方法を用いることができる。ここで、気体については、高炉1又は炉等の仕組みに応じた種類を選択することができ、例えば、空気、酸素、水素又はこれらを含む気体が使用可能である。
 そして、上記の炉及び炉の制御方法によれば、前述した本発明の効果が得られる。すなわち、上述の実施形態における高炉操業方法と同様に、炉へ装入される物質の粒度分布を可視化して表示し、その可視化粒度分布に応じて炉の制御条件を設定することで、炉の制御を適切に行うことが可能な本発明の炉の制御方法(高炉1の操業方法に相当)が実現される。

符号の説明

[0094]
 1 高炉 
 2 コンベア
 3 受取ホッパ
 4 装入シュート
 5 鉱石層
 6 コークス層
 7 羽口
 8 融着帯
 10 粒度分布監視用システム
 12 粒度分布監視装置
 14 情報取得装置
 16 装置本体
 18 レーザー照射器
 20 情報処理装置
 21 演算部
 22 粒度分布特定部
 23 粒度分布表示部
 24 格納部
 25 画面
 26 コークス
 28 供給ホッパ
 30 篩
 40 カラーパターン画像
 Gt 高炉画像
 P 表示範囲
 Px 領域
 Py 矩形領域

請求の範囲

[請求項1]
 装入される原料の粒度分布を特定するための情報を、前記原料の装入回毎に少なくとも一回以上取得する情報取得装置と、
 前記情報を処理する情報処理装置と、を有し、
 前記情報処理装置は、
 前記情報取得装置が前記装入回毎に少なくとも一回以上取得した前記情報から前記粒度分布を前記装入回毎に特定する粒度分布特定部と、
 前記粒度分布特定部が前記装入回毎に特定した前記粒度分布を可視化して、前記装入回毎の可視化粒度分布を前記装入回と関連付けて画面に表示する粒度分布表示部と、
 を有する粒度分布監視装置。
[請求項2]
 前記粒度分布表示部は、前記装入回毎の前記可視化粒度分布の各々を、複数の領域に区画された表示範囲中、各々の前記装入回と対応する領域に表示する請求項1に記載の粒度分布監視装置。
[請求項3]
 前記表示範囲は、前記画面の縦方向に沿う第一軸と、前記画面の横方向に沿う第二軸とによって規定され、
 前記複数の領域は、前記第一軸に沿って並んでおり、
 前記複数の領域の各々は、前記第二軸に沿って並ぶ複数の矩形領域に区画されており、
 前記複数の矩形領域の各々は、粒度の区間が対応付けられており、
 前記複数の矩形領域の各々と対応付けられる前記区間の代表値は、前記第二軸に沿って前記画面の前記横方向の一端側に向かうほど大きくなり、
 前記粒度分布表示部は、前記可視化粒度分布として、前記複数の矩形領域の各々が、前記複数の矩形領域の各々と対応付けられた前記区間に含まれる粒度の前記原料の出現頻度に応じた色で示されたカラーパターン画像を表示する請求項2に記載の粒度分布監視装置。
[請求項4]
 前記情報取得装置は、一回の前記装入回において装入される前記原料が搬送される間に、前記情報を複数取得し、
 前記粒度分布特定部は、前記情報取得装置が一回の前記装入回において装入される前記原料について複数取得した前記情報から、前記粒度分布を前記装入回毎に特定する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粒度分布監視装置。
[請求項5]
 装入される原料の粒度分布を特定するための情報を、前記原料の装入回毎に少なくとも一回以上取得するステップと、
 前記装入回毎に少なくとも一回以上取得した前記情報から前記粒度分布を前記装入回毎に特定するステップと、
 前記装入回毎に特定した前記粒度分布を可視化して、前記装入回毎の可視化粒度分布を前記装入回と関連付けて画面に表示するステップと、
 を有する粒度分布監視方法。
[請求項6]
 請求項5に記載の粒度分布監視方法における各ステップをコンピュータに実施させるコンピュータプログラム。
[請求項7]
 炉であって、
 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粒度分布監視装置を備え、前記炉へ装入される物質の粒度分布を、前記粒度分布監視装置によって特定する炉。
[請求項8]
 高炉であって、
 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粒度分布監視装置を備え、前記高炉へ装入される原料の粒度分布を、前記粒度分布監視装置によって特定する高炉。
[請求項9]
 炉へ装入される物質の粒度分布を特定するための情報を、前記物質の装入回毎に少なくとも一回以上取得するステップと、
 前記装入回毎に少なくとも一回以上取得した前記情報から前記粒度分布を前記装入回毎に特定するステップと、
 前記装入回毎に特定した前記粒度分布を可視化して、前記装入回毎の可視化粒度分布を前記装入回と関連付けて画面に表示するステップと、
 前記画面に表示された前記可視化粒度分布に応じて、前記炉の制御条件を設定するステップと、
 を有する炉の制御方法。
[請求項10]
 高炉へ装入される原料の粒度分布を特定するための情報を、前記原料の装入回毎に少なくとも一回以上取得するステップと、
 前記装入回毎に少なくとも一回以上取得した前記情報から前記粒度分布を前記装入回毎に特定するステップと、
 前記装入回毎に特定した前記粒度分布を可視化して、前記装入回毎の可視化粒度分布を前記装入回と関連付けて画面に表示するステップと、
 前記画面に表示された前記可視化粒度分布に応じて、前記高炉の操業条件を設定するステップと、
 を有する高炉操業方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]