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1. WO2020203128 - 光学フィルムセット、光学積層体

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明 細 書

発明の名称 光学フィルムセット、光学積層体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138  

符号の説明

0139  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 光学フィルムセット、光学積層体

技術分野

[0001]
 本発明は、光学フィルムセット及び光学積層体に関する。

背景技術

[0002]
 近年、画面上にタッチセンサ機能を搭載した液晶セルが携帯電話からインフォメーションディスプレイまで、幅広い分野で用いられつつある。
[0003]
 一例として、センサ機能を有するフィルム又はガラスを偏光板の上に積層し、前面板と呼ばれる強化ガラスを、センサ表面の段差を埋めるための粘着剤層を介して、最表層に配置した表示パネルが挙げられる。又、最近では薄型化、軽量化の観点からタッチセンサを液晶セルのガラス基板に組み込んだインセルと呼ばれる液晶パネルが登場している。
[0004]
 一方で強化ガラスの薄型化も進んでいるが、強化ガラスは300μm以下になるとガラスの圧縮応力により自己破壊するため、薄型化には限界がある。そうした中、樹脂を用いた前面板の高硬度化が検討されているが、十分な硬度が得られないのが実態である。
[0005]
 そこで、薄いガラスフィルムが液晶セルの前面板として注目されつつある。このガラスフィルムは、例えば、接着剤層を介して偏光板と一体化されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 国際公開第2013/175767号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら、液晶セル等の光学素子の視認側の表面に配置されるガラスフィルムは、厚みが50μm~150μm程度と大変薄いため、衝撃に対して割れやすいという問題がある。
[0008]
 本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、光学素子の視認側に配置されるガラスフィルムの割れに対する耐性を向上可能な光学フィルムセットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本光学フィルムセットは、第1の粘着剤層を備え、前記第1の粘着剤層を介して光学素子の視認側に配置される第1の光学フィルムと、第2の粘着剤層を備え、前記第2の粘着剤層を介して前記光学素子の背面側に配置される第2の光学フィルムと、を有し、前記第1の光学フィルムの前記視認側の表面に、厚みが50μm以上150μm以下の第1のガラスフィルムが設けられ、前記第2の粘着剤層の厚みが50μm以上200μm以下である。

発明の効果

[0010]
 開示の技術によれば、光学素子の視認側に配置されるガラスフィルムの割れに対する耐性を向上可能な光学フィルムセットを提供できる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 第1実施形態に係る光学フィルムセットを例示する断面図である。
[図2] 第2実施形態による光学フィルムセットを例示する断面図である。
[図3] 第3実施形態に係る光学積層体を例示する断面図である。
[図4] 第4実施形態に係る光学積層体を例示する断面図である。
[図5] ボールドロップテストについて説明する図である。
[図6] 実施例について説明する図である。
[図7] 比較例について説明する図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[0013]
 〈第1実施形態〉
 図1は、第1実施形態に係る光学フィルムセットを例示する断面図である。図1を参照すると、光学フィルムセット1は、第1の光学フィルム10と、第2の光学フィルム20とを含む。
[0014]
 第1の光学フィルム10は、第1のガラスフィルム11と、第1の接着剤層12と、第1の偏光板13と、第1の位相差層14と、第1の粘着剤層18と、第1の離形フィルム19とをこの順に備える。但し、第1の位相差層14は、必須の構成ではなく、必要に応じて設けられる。
[0015]
 なお、本明細書において、粘着剤層とは、常温で接着性を有し、軽い圧力で被着体に接着する層をいう。従って、粘着剤層に貼着した被着体を剥離した場合にも、粘着剤層は実用的な粘着力を保持する。一方、接着剤層とは、物質の間に介在することによって物質を結合できる層をいう。従って、接着剤層に貼着した被着体を剥離した場合には、接着剤層は実用的な接着力を有さない。
[0016]
 第1の偏光板13は、第1の偏光子131及び第1の保護フィルム132を有する。第1の保護フィルム132は、第1の偏光子131の少なくとも片側に配置される。第1の保護フィルム132は、少なくとも第1の偏光子131の第1の接着剤層12側に配置されることが好ましいが、必要に応じ、第1の偏光子の両側に配置されてもよい。
[0017]
 第1の位相差層14は、第1の偏光板13の第1の接着剤層12とは反対側に配置される。第1の位相差層14は、任意の適切な粘着剤層又は接着剤層(図示せず)を介して、第1の偏光板13に積層できる。
[0018]
 第1の離形フィルム19は、第1の粘着剤層18を介して、第1の位相差層14の第1の偏光板13とは反対側に配置される。
[0019]
 第2の光学フィルム20は、第2の離形フィルム29と、第2の粘着剤層28と、第2の位相差層24と、第2の偏光板23と、光学層25とをこの順に備える。但し、第2の位相差層24及び光学層25は、必須の構成ではなく、必要に応じて設けられる。
[0020]
 第2の偏光板23は、第2の偏光子231を有する。第2の偏光板23は、必要に応じ、第2の偏光子231の片側又は両側に配置される第2の保護フィルム232を備えてもよい。
[0021]
 第2の位相差層24は、任意の適切な粘着剤層又は接着剤層(図示せず)を介して、第2の偏光板23に積層できる。
[0022]
 光学層25は、必要に応じ、第2の偏光板23の両側に配置されてもよい。第2の偏光板23が、第2の保護フィルム232を備える場合、光学層25は、第2の保護フィルム232の第2の偏光子231とは反対側に配置されることが好ましい。光学層25は、任意の適切な粘着剤層又は接着剤層(図示せず)を介して、第2の偏光板23に積層できる。
[0023]
 以下、光学フィルムセット1の各構成要素について、更に詳しく説明する。
[0024]
 (第1の光学フィルム)
 [第1のガラスフィルム]
 第1のガラスフィルム11は、特に限定はなく、目的に応じて適切なものを採用できる。第1のガラスフィルム11は、組成による分類によれば、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。又、アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。上記ガラスのアルカリ金属成分(例えば、Na O、K O、Li O)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、更に好ましくは10重量%以下である。
[0025]
 第1のガラスフィルム11の厚みは、好ましくは50μm~150μmであり、より好ましくは60μm~140μmであり、更に好ましくは70μm~130μmであり、特に好ましくは80μm~120μmである。このような範囲であれば、フレキシブル性に優れロールツーロールプロセスでの加工が可能であり、かつ、ガラスフィルムが割れがたく生産性に優れる第1の光学フィルム10が得られる。
[0026]
 第1のガラスフィルム11の波長550nmにおける光透過率は、好ましくは85%以上である。第1のガラスフィルム11の波長550nmにおける屈折率は、好ましくは1.4~1.65である。
[0027]
 第1のガラスフィルム11の密度は、好ましくは2.3g/cm ~3.0g/cm であり、更に好ましくは2.3g/cm ~2.7g/cm である。上記範囲のガラスフィルムであれば、画像表示の軽量化に寄与し得る光学フィルムセット1を提供できる。
[0028]
 第1のガラスフィルム11の成形方法は、特に限定はなく、目的に応じて適切なものを採用できる。代表的には、第1のガラスフィルム11は、シリカやアルミナ等の主原料と、芒硝や酸化アンチモン等の消泡剤と、カーボン等の還元剤とを含む混合物を、1400℃~1600℃程度の温度で溶融し、薄板状に成形した後、冷却して作製できる。第1のガラスフィルム11の成形方法としては、例えば、スロットダウンドロー法、フュージョン法、フロート法等が挙げられる。これらの方法によって板状に成形されたガラスフィルムは、薄板化したり、平滑性を高めたりするために、必要に応じて、フッ酸等の溶剤により化学研磨されてもよい。
[0029]
 [第1の接着剤層]
 第1の接着剤層12は、特に限定はなく、目的に応じて適切な接着剤を採用できる。接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、エポキシ系接着剤が挙げられる。この中でも、特に良好な密着性が得られるエポキシ系接着剤が好ましい。
[0030]
 第1の接着剤層12が熱硬化型接着剤である場合は、加熱して硬化(固化)することにより剥離抵抗力を発揮できる。又、第1の接着剤層12が紫外線硬化型等の光硬化型接着剤である場合は、紫外線等の光を照射して硬化することにより剥離抵抗力を発揮できる。又、第1の接着剤層12が湿気硬化型接着剤である場合は、空気中の水分等と反応して硬化し得るので、放置することによっても硬化して剥離抵抗力を発揮できる。
[0031]
 第1の接着剤層12は、例えば、市販の接着剤を使用してもよく、各種硬化型樹脂を溶媒に溶解又は分散し、接着剤溶液(又は分散液)として調製してもよい。
[0032]
 第1の接着剤層12の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは0.1μm~10μmであり、更に好ましくは0.5μm~8μmであり、特に好ましくは1μm~6μmである。このような範囲であれば、可撓性に優れ、かつ、耐突刺性に優れる第1の光学フィルム10が得られる。
[0033]
 第1の接着剤層12の弾性率は、好ましくは0.5GPa~15GPaであり、より好ましくは0.8GPa~10GPaであり、更に好ましくは1GPa~5GPaである。このような範囲であれば、可撓性に優れ、かつ、耐突刺性に優れる第1の光学フィルム10が得られる。本明細書において、弾性率は、オートグラフを用いて、下記の条件にて測定できる。
[0034]
 [弾性率測定方法]
 測定温度:23℃
 サンプルサイズ:幅2cm、長さ15cm
 チャック間距離:10cm
 引張速度:10mm/min。
[0035]
 [第1の偏光板]
 第1の偏光板13の厚みは、好ましくは5μm~300μmであり、より好ましくは10μm~250μmであり、更に好ましくは25μm~200μmであり、特に好ましくは25μm~100μmである。
[0036]
 第1の偏光板13の弾性率は、好ましくは1GPa以上であり、より好ましくは1GPa~10GPaであり、更に好ましくは2GPa~7GPaであり、特に好ましくは2GPa~5GPaあるである。このような範囲であれば、耐突刺性に優れる第1の光学フィルム10が得られる。
[0037]
 第1の偏光板13の形状は、特に限定はなく、目的に応じて適切な形状を採用できるが、一例として、長辺と短辺とを有する方形形状が挙げられる。第1の偏光板13が方形形状である場合、第1の偏光板13が有する第1の偏光子131の吸収軸方向と、第1の偏光板13の長辺又は短辺とは、略平行であることが好ましい。なお、本明細書において、「略平行」とは、厳密に平行である場合のみならず、両線のなす角が±10°(好ましくは±5°)である場合も含む概念である。
[0038]
 [第1の偏光子]
 第1の偏光子131の厚みは、特に限定はなく、目的に応じて適切な厚みを採用できる。第1の偏光子131の厚みは、代表的には、1μm~80μm程度である。第1の偏光子131として薄型の偏光子を用いてもよく、この場合、第1の偏光子131の厚みは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、更に好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは6μm以下である。
[0039]
 第1の偏光子131は、好ましくは、波長380nm~780nmの何れかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは41.0%以上、更に好ましくは42.0%以上、特に好ましくは43.0%以上である。第1の偏光子131の偏光度は、好ましくは99.8%以上であり、より好ましくは99.9%以上であり、更に好ましくは99.95%以上である。
[0040]
 第1の偏光子131は、好ましくは、ヨウ素系偏光子である。より詳細には、上記偏光子は、ヨウ素を含むポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムから構成できる。
[0041]
 PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、特に限定はなく、目的に応じて適切な樹脂を採用できるが、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体が挙げられる。
[0042]
 ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン-ビニルアルコール共重合体は、エチレン-酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%~100モル%であり、好ましくは95.0モル%~99.95モル%であり、更に好ましくは99.0モル%~99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726-1994に準じて求められる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子が得られる。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
[0043]
 PVA系樹脂の平均重合度は、特に限定はなく、目的に応じて適切に選択できる。PVA系樹脂の平均重合度は、例えば、1000~10000であり、好ましくは1200~5000であり、更に好ましくは1500~4500である。なお、平均重合度は、JIS K 6726-1994に準じて求められる。
[0044]
 第1の偏光子131の製造方法としては、例えば、PVA系樹脂フィルム単体を延伸、染色する方法(I)、樹脂基材とポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体(i)を延伸、染色する方法(II)等が挙げられる。方法(I)は、当業界で周知慣用の方法であるため、詳細な説明は省略する。
[0045]
 方法(II)は、好ましくは、樹脂基材と該樹脂基材の片側に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体(i)を延伸、染色して、該樹脂基材上に偏光子を作製する工程を含む。積層体(i)は、樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥して形成され得る。又、積層体(i)は、ポリビニルアルコール系樹脂層を樹脂基材上に転写して形成されてもよい。上記製造方法(II)の詳細は、例えば、特開2012-73580号公報に記載されており、この公報は、本明細書に参考として援用できる。
[0046]
 [第1の保護フィルム]
 第1の保護フィルム132としては、特に限定はなく、目的に応じて適切な樹脂フィルムを採用できる。第1の保護フィルム132の形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。なお、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂及び/又はメタクリル系樹脂をいう。
[0047]
 (メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が用いられる。グルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂(以下、グルタルイミド樹脂とも称する)は、例えば、特開2006-309033号公報、特開2006-317560号公報、特開2006-328329号公報、特開2006-328334号公報、特開2006-337491号公報、特開2006-337492号公報、特開2006-337493号公報、特開2006-337569号公報、特開2007-009182号公報、特開2009-161744号公報、特開2010-284840号公報に記載されている。これらの記載は、本明細書に参考として援用できる。
[0048]
 第1の保護フィルム132と第1の偏光子131とは、任意の適切な接着剤層を介して積層できる。第1の偏光子131の作製時に用いた樹脂基材は、第1の保護フィルム132と第1の偏光子131とを積層する前、或いは積層した後に剥離される。
[0049]
 第1の保護フィルム132の厚みは、好ましくは4μm~250μmであり、より好ましくは5μm~150μmであり、更に好ましくは10μm~100μmであり、特に好ましくは10μm~50μmである。
[0050]
 第1の保護フィルム132の弾性率は、1GPa以上であり、好ましくは1GPa~10GPaであり、より好ましくは1.8GPa~7GPaであり、更に好ましくは2GPa~5GPaである。このような範囲であれば、耐突刺性に優れる第1の光学フィルム10が得られる。
[0051]
 [第1の位相差層]
 第1の位相差層14は、特に限定はなく、目的に応じて任意の適切な光学的特性及び/又は機械的特性を有してよい。第1の位相差層14は、代表的には遅相軸を有する。第1の位相差層14の光学的特性及び/又は機械的特性は、液晶セルの配向モードにより適宜選択できる。
[0052]
 第1の位相差層14は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。
[0053]
 第1の位相差層14の厚みは、好ましくは60μm以下であり、より好ましくは30μm~55μmであり、更に好ましくは30μm以下である。
[0054]
 第1の位相差層14は、上記の特性を満足し得る任意の適切な樹脂フィルムで構成できる。そのような樹脂の代表例としては、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、高分子液晶樹脂が挙げられる。
[0055]
 [第1の粘着剤層]
 第1の粘着剤層18は、任意の適切な粘着剤から形成できる。粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとする粘着剤が用いられる。好ましくは、アクリル系粘着剤が用いられる。アクリル系粘着剤は、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れ得るからである。特に、炭素数が4~12のアクリル系ポリマーよりなるアクリル系粘着剤が好ましい。
[0056]
 第1の粘着剤層18は、前記粘着剤から形成される。第1の粘着剤層18の厚さは、特に制限されず、例えば、1~400μm程度である。また、第1の粘着剤層18の厚さは、粘着剤に用いる(メタ)アクリル系ポリマーの製造方法によって、適宜に好ましい範囲を設置することができる。例えば、溶液重合等により(メタ)アクリル系ポリマーを製造する場合には、第1の粘着剤層18の厚さは、1~100μmが好ましく、2~50μmがより好ましく、2~40μmがさらに好ましく、5~35μmが特に好ましい。また、放射線重合等により、(メタ)アクリル系ポリマーを製造する場合には、第1の粘着剤層18の厚さは、50~400μmが好ましく、75~300μmがより好ましく、100~200μmがさらに好ましい。
[0057]
 このような厚みのアクリル系ポリマーを製造する際には溶液重合が好適である。
[0058]
 [第1の離形フィルム]
 第1の離形フィルム19は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)の樹脂により形成できる。第1の離形フィルム19の厚みは、好ましくは5μm~200μmであり、より好ましくは10μm~100μmであり、更に好ましくは30μm~50μmである。第1の離形フィルム19は、第1の光学フィルム10が液晶セル等の光学素子に貼り付けられる前に、第1の粘着剤層18との界面で剥離される。
[0059]
 (第2の光学フィルム)
 第2の光学フィルム20は、寸法変化が、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0%~0.2%である。光学フィルムセット1は、第1のガラスフィルム11を備える第1の光学フィルム10と、上記のような寸法変化を示す第2の光学フィルム20とを組み合わせている。そのため、第1の光学フィルム10と第2の光学フィルム20をそれぞれ液晶セルの両側に配置することで、反りの少ない光学積層体(第1の光学フィルム/液晶セル/第2の光学フィルム)が得られる。
[0060]
 なお、寸法変化は、第2の偏光子231の吸収軸方向にX の長さ(例えば、20cm)を有する矩形状サンプルを、温度80℃の環境下に150時間静置した場合の寸法変化率(|試験前の吸収軸方向の長さX -試験後の吸収軸方向の長さX |/試験前の吸収軸方向の長さX )×100である。寸法変化は、平面二軸測長機、例えば Quick Vision (Mitutoyo社製)により測定できる。
[0061]
 [第2の離形フィルム]
 第2の離形フィルム29は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)の樹脂により形成できる。第2の離形フィルム29の厚みは、好ましくは5μm~200μmであり、より好ましくは10μm~100μmであり、更に好ましくは30μm~50μmである。第2の離形フィルム29は、第2の光学フィルム20が液晶セル等の光学素子に貼り付けられる前に、第2の粘着剤層28との界面で剥離される。
[0062]
 [第2の粘着剤層]
 第2の粘着剤層28は、任意の適切な粘着剤から形成できる。粘着剤としては、第1の粘着剤層18の厚み以外は同様でよい。
[0063]
 第2の粘着剤層28の厚みは、50μm以上200μm以下である。第2の粘着剤層28の厚みが50μm以上200μm以下であれば、後述の光学積層体3を構成したときに、第1のガラスフィルム11の割れに対する耐性を向上できる。特に、第1のガラスフィルム11の厚みが50μm以上150μm以下である場合に、第1のガラスフィルム11が薄くて割れやすい。そのため、第2の粘着剤層28の厚みを50μm以上200μm以下とし、第1のガラスフィルム11の割れに対する耐性を向上する意義が大きい。
[0064]
 このような厚みのアクリル系ポリマーを製造する際には放射線重合が好適である。
[0065]
 [第2の偏光板]
 第2の偏光板23の厚みは、好ましくは5μm~250μmであり、より好ましくは10μm~200μmであり、更に好ましくは25μm~200μmであり、特に好ましくは25μm~100μmである。
[0066]
 第2の偏光板23の形状は、特に限定はなく、目的に応じて適切な形状を採用できるが、一例として、長辺と短辺とを有する方形形状が挙げられる。第2の偏光板23が方形形状である場合、第2の偏光板23が有する第2の偏光子231の吸収軸方向と、第2の偏光板23の長辺又は短辺とは、略平行であることが好ましい。
[0067]
 第2の偏光板23と第1の偏光板13との関係は、一例として、第1の偏光子131の吸収軸方向と第1の偏光板13の短辺とが略平行であり、かつ、第2の偏光子231の吸収軸と第2の偏光板23の長辺とが略平行である。
[0068]
 第2の偏光板23と第1の偏光板13との関係は、他の例として、第1の偏光子131の吸収軸方向と第1の偏光板13の長辺とが略平行であり、かつ、第2の偏光子231の吸収軸と第2の偏光板23の短辺とが略平行である。
[0069]
 [第2の偏光子]
 第2の偏光子231の厚みは、1μm~10μmであり、好ましくは2μm~7μmである。このような範囲であれば、寸法変化が少ない第2の光学フィルム20が得られる。第1の光学フィルム10と第2の光学フィルム20をそれぞれ液晶セルの両側に配置することで、反りの少ない光学積層体(第1の光学フィルム/液晶セル/第2の光学フィルム)を得ることができる。
[0070]
 第2の偏光子231の単体透過率、材料、製造方法等については、前述の第1の偏光子131と同様の記載内容を例示できる。
[0071]
 [第2の保護フィルム]
 第2の保護フィルム232としては、例えば、前述の第1の保護フィルム132と同様の保護フィルムが用いられる。
[0072]
 [第2の位相差層]
 第2の位相差層24としては、例えば、前述の第1の位相差層14と同様の位相差層が用いられる。
[0073]
 [光学層]
 光学層25としては、例えば、反射防止層、防眩層等が挙げられる。光学層の厚みは、例えば、1μm~200μmである。
[0074]
 光学フィルムセット1において、第1の光学フィルム10は、第1のガラスフィルム11を備える薄ガラス一体型の偏光板であるため、硬度が高い。又、第1の光学フィルム10は、第1のガラスフィルム11の一方の側に第1の偏光板13を備えることにより、第1のガラスフィルム11の破損が防止され得、耐突刺性に優れる。第1の光学フィルム10、第1のガラスフィルム11の表面に与えられた点圧縮を、第1の偏光板13側に有効に逃がすことができるため、上記のように耐突刺性に優れる。
[0075]
 このように機能する第1の光学フィルム10であるが、液晶パネルを構成する際に、第1の光学フィルム10を視認側偏光板として用い、従来の偏光板を背面側に用いた場合、液晶セルと偏光板とから構成される積層体(第1の光学フィルム10/液晶セル/従来の偏光板)は、反りが生じやすい傾向にある。
[0076]
 一方、第1の光学フィルム10と第2の光学フィルム20とを含む光学フィルムセット1を用い、第1の光学フィルム10と第2の光学フィルム20をそれぞれ液晶セルの両側に配置することにより、反りの少ない光学積層体(第1の光学フィルム10/液晶セル/第2の光学フィルム20)が得られる。
[0077]
 これは、第1のガラスフィルム11を備えるために湿熱による寸法変化が少ない第1の光学フィルム10に組み合わせる光学フィルムとして、第2の光学フィルム20を用い、第1の光学フィルム10及び第2の光学フィルム20の寸法変化の相違を小さくしたために、得られた効果である。
[0078]
 なお、後述のとおり、第1の光学フィルム10は、液晶セルの視認側に配置して用いられ、液晶パネルの前面板として機能し得る。一方、第2の光学フィルム20は、液晶セルの背面側に配置して用いられ得る。なお、視認側とは、所定の部材を画像表示装置に適用した際に視認される方に向いた側を意味する。又、背面側とは、視認側とは反対の側である。
[0079]
 光学フィルムセット1は、例えば、インセルタイプの液晶素子に好ましく用いられる。インセルタイプの液晶素子は、タッチセンサが組み込まれた基板を備える液晶セルを含む液晶素子であり、第1の光学フィルム10は、例えば、液晶セルの視認側に配置され、第2の光学フィルム20は例えば、液晶セルの背面側に配置される。又、光学フィルムセット1は、耐薬品性が求められる画像表示装置に好適である。この場合、光学フィルムセット1において、第1の光学フィルム10は、例えば、第1のガラスフィルム11を外側にして用いられる。
[0080]
 〈第2実施形態〉
 第2実施形態では、第1実施形態とは層構造の異なる光学フィルムセットの例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
[0081]
 図2は、第2実施形態による光学フィルムセットを例示する断面図である。図2を参照すると、光学フィルムセット2は、第1の光学フィルム10と、第2の光学フィルム20Aとを含む。すなわち、光学フィルムセット2は、第2の光学フィルム20が第2の光学フィルム20Aに置換された点が、光学フィルムセット1(図1参照)と相違する。
[0082]
 第2の光学フィルム20Aは、第2の離形フィルム29と、第2の粘着剤層28と、第2の位相差層24と、第2の偏光板23と、第2の接着剤層22と、第2のガラスフィルム21と、光学層25とをこの順に備える。但し、第2の位相差層24及び光学層25は、必須の構成ではなく、必要に応じて設けられる。
[0083]
 第2の接着剤層22の弾性率は、好ましくは1GPa以上であり、より好ましくは1GPa~10GPaであり、更に好ましくは2GPa~8GPaであり、特に好ましくは2GPa~5GPaである。このような範囲であれば、可撓性を維持しつつ寸法変化が抑えられる。
[0084]
 第2の接着剤層22の材料、厚み等については、前述の第1の接着剤層12と同様の記載内容を例示できる。
[0085]
 第2のガラスフィルム21の厚みは、好ましくは20μm~150μmであり、より好ましくは40μm~130μmであり、更に好ましくは60μm~110μmである。このような範囲であれば、可撓性に優れる第2の光学フィルム20Aが得られる。
[0086]
 第2のガラスフィルム21は、例えば、第1のガラスフィルム11より薄くてもよい。第1のガラスフィルム11は外部との直接的な接触があるため、ある程度の強度を求められるのに対し、第2のガラスフィルム21は樹脂の寸法変化を抑制でき、ロールツーロールプロセスでの加工が可能であれば良いためである。
[0087]
 第2のガラスフィルム21の材料、透過率、屈折率、密度、成形方法等については、前述の第1のガラスフィルム11と同様の記載内容を例示できる。
[0088]
 このように、光学フィルムセット2において、第2の光学フィルム20Aは、第2の光学フィルム20の構成に加え、第2の接着剤層22及び第2のガラスフィルム21を備える。第1の光学フィルム10と第2の光学フィルム20Aとを含む光学フィルムセット2を用い、第1の光学フィルム10と第2の光学フィルム20Aをそれぞれ液晶セルの両側に配置することにより、より反りの少ない光学積層体(第1の光学フィルム10/液晶セル/第2の光学フィルム20A)が得られる。
[0089]
 又、光学フィルムセット2は、光学フィルムセット1と同様に、液晶セルや耐薬品性が求められる画像表示装置に用いると好適である。
 〈第3実施形態〉
 第3実施形態では、第1実施形態に係る光学フィルムセットを有する光学積層体の例を示す。なお、第3実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
[0090]
 図3は、第3実施形態に係る光学積層体を例示する断面図である。図3を参照すると、光学積層体3は、第1の離形フィルム19が剥離された第1の光学フィルム10と、液晶セル30と、第2の離形フィルム29が剥離された第2の光学フィルム20とを視認側からこの順に備える。
[0091]
 すなわち、光学積層体3において、第1の光学フィルム10は液晶セル30の視認側に積層され、第2の光学フィルム20は液晶セル30の視認側とは反対側(背面側)に積層されている。
[0092]
 第1の光学フィルム10は、例えば、第1のガラスフィルム11と、第1の接着剤層12と、第1の偏光板13と、第1の位相差層14と、第1の粘着剤層18とが、視認側からこの順となるように配置できる。又、第2の光学フィルム20は、例えば、第2の粘着剤層28と、第2の位相差層24と、第2の偏光板23と、光学層25とが、視認側からこの順となるように配置できる。但し、前述のように、第1の位相差層14、第2の位相差層24、及び光学層25は、必要に応じて設ければよい。
[0093]
 このように、第1の光学フィルム10と第2の光学フィルム20をそれぞれ液晶セル30の両側に配置することにより、光学積層体3が得られる。
[0094]
 前述のように、第2の粘着剤層28の厚みは、50μm以上200μm以下である。これにより、光学積層体3において、第1のガラスフィルム11の割れに対する耐性を向上できる。特に、第1のガラスフィルム11の厚みが50μm以上150μm以下である場合に、第1のガラスフィルム11が薄くて割れやすい。そのため、第2の粘着剤層28の厚みを50μm以上200μm以下とし、第1のガラスフィルム11の割れに対する耐性を向上する意義が大きい。
[0095]
 なお、光学積層体3は、第1の偏光子131の吸収軸と、第2の偏光子231の吸収軸とが、略直交するようにして構成されることが好ましい。このような構成とすれば、より反りの生じ難い光学積層体3が得られる。なお、「略直交」とは、厳密に直交する場合のみならず、両線のなす角が90°±10°(好ましくは90°±5°)である場合も含む概念である。
[0096]
 〈第4実施形態〉
 第4実施形態では、第2実施形態に係る光学フィルムセットを有する光学積層体の例を示す。なお、第4実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
[0097]
 図4は、第4実施形態に係る光学積層体を例示する断面図である。図4を参照すると、光学積層体4は、第1の離形フィルム19が剥離された第1の光学フィルム10と、液晶セル30と、第2の離形フィルム29が剥離された第2の光学フィルム20Aとを視認側からこの順に備える。
[0098]
 すなわち、光学積層体4は、第2の光学フィルム20が第2の光学フィルム20Aに置換された点が、光学積層体3(図3参照)と相違する。
[0099]
 第1の光学フィルム10は、例えば、第1のガラスフィルム11と、第1の接着剤層12と、第1の偏光板13と、第1の位相差層14と、第1の粘着剤層18とが、視認側からこの順となるように配置できる。又、第2の光学フィルム20Aは、例えば、第2の粘着剤層28と、第2の位相差層24と、第2の偏光板23と、第2の接着剤層22と、第2のガラスフィルム21と、光学層25とが、視認側からこの順となるように配置できる。但し、前述のように、第1の位相差層14、第2の位相差層24、及び光学層25は、必要に応じて設ければよい。
[0100]
 このように、第1の光学フィルム10と第2の光学フィルム20Aをそれぞれ液晶セル30の両側に配置することにより、光学積層体4が得られる。
[0101]
 前述のように、第2の粘着剤層28の厚みは、50μm以上200μm以下である。これにより、光学積層体4において、第1のガラスフィルム11の割れに対する耐性を向上できる。特に、第1のガラスフィルム11の厚みが50μm以上150μm以下である場合に、第1のガラスフィルム11が薄くて割れやすい。そのため、第2の粘着剤層28の厚みを50μm以上200μm以下とし、第1のガラスフィルム11の割れに対する耐性を向上する意義が大きい。
[0102]
 なお、光学積層体4は、第1の偏光子131の吸収軸と、第2の偏光子231の吸収軸とが、略直交するようにして構成されることが好ましい。このような構成とすれば、より反りの生じ難い光学積層体4が得られる。
[0103]
 [実施例]
 以下、実施例及び比較例を挙げて光学フィルムセット及び光学積層体について更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。又、実施例において、特に明記しない限り、「部」及び「%」は重量基準である。
[0104]
 [製造例1]偏光板Aの準備
 厚さ100μmのポリビニルアルコールフィルム(PVA)を、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3%濃度のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、60℃、4%濃度のホウ酸、10%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、30℃、1.5%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行い、厚さ28μmの偏光子を得た。当該偏光子の片面に、けん化処理した厚さ40μm、弾性率3.6GPaのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)を、他の片面に厚さ30μm、弾性率2.5GPaのアクリル系樹脂フィルムを、それぞれ、ポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せて偏光板A(厚み:98μm)を得た。
[0105]
 [製造例2]偏光板Bの準備
 (偏光子の準備)
 まず、非晶性PET基材に9μm厚のPVA層が製膜された積層体を延伸温度130℃の空中補助延伸によって延伸積層体を生成した。次に、延伸積層体を染色によって着色積層体を生成し、更に着色積層体を延伸温度65度のホウ酸水中延伸によって総合延伸倍率が5.94倍になるように非晶性PET基材と一体に延伸された4μm厚のPVA層を含む光学フィルム積層体を生成した。
[0106]
 このような2段延伸によって非晶性PET基材に製膜されたPVA層のPVA分子が高次に配向され、染色によって吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向された高機能偏光子を構成する、厚さ4μmのPVA層を含む光学フィルム積層体を生成できた。
[0107]
 (アクリル系フィルムの準備)
 グルタルイミド環単位を有するメタクリル樹脂ペレットを、100.5kPa、100℃で12時間乾燥させ、単軸の押出機にてダイス温度270℃でTダイから押し出してフィルム状に成形した。このフィルムを、搬送方向(MD方向)に樹脂のTgより10℃高い雰囲気下で延伸し、次いでフィルム搬送方向と直交する方向(TD方向)に樹脂のTgより7℃高い雰囲気下で延伸し、厚み40μm、弾性率2.5GPaのアクリル系フィルムを得た。
[0108]
 (硬化型接着剤の準備)
 N-ヒドロキシエチルアクリルアミドHEAA(興人社製)35重量部と、N-アクリロイルモルホリンACMO(興人社製)45重量部と、ポリプロピレングリコールジアクリレートTPGDA(東亜合成社製、「商品名」アロニックスM-220)25重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」)を3重量部、別の光重合開始剤(日本化薬社製、商品名「KAYACUREDETX-S」)を1.5重量部とを混合して、硬化型接着剤を得た。
[0109]
 (偏光板の作製)
 PETフィルム上に作製された偏光子に上記硬化型接着剤を塗布厚みを約1μmとして塗布した。次いで接着剤層に上記40μmのアクリル系フィルムを貼り合せた。PETフィルム側よりコンベア式UV照射装置(fusion社製)、ピークUV照度;1600mW/cm2、UV積算光量;1000mJ/cm2(波長380~440nm)の紫外線を照射した接着剤を硬化させ、更に70℃で2分間乾燥した。最後にアクリル系フィルムと偏光子、PETフィルムが積層された積層体より、PETフィルムを剥離してアクリル系フィルム(保護フィルム)と偏光子の積層体(厚みが44μmの偏光板B)を得た。
[0110]
 [製造例3]粘着剤の準備
 (アクリル系ポリマーの調製)
 攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、ブチルアクリレート100重量部、アクリル酸5重量部及び2-ヒドロキシエチルアクリレート0.075重量部、重合開始剤として2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は220万であった。
[0111]
 (粘着剤組成物の調製)
 上記アクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部に、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(ナイパーBMT、日本油脂社製)0.2重量部、エポキシ系架橋剤としてジグリシジルアミノメチルシクロへキサン(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)0.05重量部、イソシアネート系架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネートのアダクト体(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.1重量部と、シランカップリング剤(信越化学工業社製、KBM403)0.075重量部を、均一に混合撹拌して、アクリル系粘着剤(固形分10.9重量%)を調製した。
[0112]
 [製造例4]粘着剤の準備
 (UV重合に用いるモノマー成分の調製)
 2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)61重量部、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)14重量部、2種の光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.05重量部および光重合開始剤(商品名:イルガキュア651、BASF社製)0.05重量部を4つ口フラスコに投入してモノマー混合物を調製した。次いで、前記モノマー混合物を窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることによって、重合率約10重量%の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を得た。
[0113]
 得られたアクリル系ポリマーシロップ全量(75.1重量部)に、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)3重量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)22重量部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品名「KAYARAD DPHA」、日本化薬(株)製)0.06重量部を添加した後、これらを均一に混合してモノマー成分を調製した。
[0114]
 [製造例5]接着剤の準備
 (エポキシ系接着剤の準備)
 セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)70重量部、EHPE3150を5重量部、アロンオキセタンOXT-221(東亜合成社製)19重量部、KBM-403(信越化学工業社製)を4重量部、CPI101A(サンアフロ社製)を2重量部配合しエポキシ系接着剤を準備した。
[実施例1]
(第1の光学フィルムAの作製)
 ガラスフィルム(日本電気硝子社製、商品名「OA-10G」、厚み:100μm)と、製造例1で作製した偏光板Aとを、製造例5で調製した接着剤から構成される接着剤層を介して、貼り合わせた。このとき、偏光板Aは、アクリル系フィルムがガラスフィルム側になるようにして配置した。次に、高圧水銀ランプにより接着剤層に紫外線を照射(500mJ/cm )して接着剤層を硬化させて、第1の光学フィルムAを得た。接着剤層は厚み5μm、弾性率は、1.8GPaとした。
(第2の光学フィルムAの準備)
 製造例2で作製した偏光板Bを、第2の光学フィルムBとして準備した。
(評価用積層体Aの作製)
 ガラスセルに見立てたガラス板(13.3インチ、296mm×168mm、厚み:0.4mm)を準備した。
[0115]
 第1の光学フィルムAを、偏光子の吸収軸方向と短辺とが平行になるようにして、295mm×163mmのサイズに裁断した。
[0116]
 第2の光学フィルムBを、偏光子の吸収軸方向と長辺とが平行になるようにして、295mm×163mmのサイズに裁断した。
[0117]
 上記ガラス板の一方の面に、第1の光学フィルムAを、ガラス板と第1の光学フィルムAそれぞれの短辺が平行になるようにし、かつ、偏光板A(偏光子)がガラス板側となるようにして、積層した。
[0118]
 上記ガラス板の他方の面に、第2の光学フィルムBを、ガラス板と第2の光学フィルムAそれぞれの短辺が平行になるようにし、かつ、偏光子がガラス板側になるようにして、積層した。
[0119]
 第1の光学フィルムAは、製造例3で調製した粘着剤から構成される粘着剤層(厚み:20μm)を介して、ガラス板に積層した。なお、この粘着剤層は、以下のようにして形成した。(i)シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、厚さ:38μm)上に塗布し、155℃で1分間加熱して、乾燥後の厚さが20μmの粘着剤層を形成し、(ii)当該粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレートフィルムから、偏光板Aに転写して、粘着剤層を形成した。
[0120]
 第2の光学フィルムBは、製造例4で調製した粘着剤から構成される粘着剤層(厚み50μm)を介して、ガラス板に積層した。なお、この粘着剤層は、製造例4で調整したモノマー成分、片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRF、三菱樹脂(株)製)の剥離処理面に、最終的な厚みが100μmになるように塗布して塗布層を形成した。次いで、塗布されたモノマー成分の表面に、片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRE、三菱樹脂(株)製)を、当該フィルムの剥離処理面が塗布層側になるようにして被覆した。これにより、モノマー成分の塗布層を酸素から遮断した。このようにして得られた塗布層を有するシートにケミカルライトランプ((株)東芝製))を用いて照度5mW/cm (約350nmに最大感度をもつトプコンUVR-T1で測定)の紫外線を360秒間照射して、塗布層を硬化させて粘着剤層を形成し、粘着シートを作製した。粘着剤層の両面に被覆されたポリエステルフィルムは、離形フィルムとして機能する。
[0121]
 次に片面のポリエステルフィルムを剥離し光学フィルムBに積層した後、もう一方のポリエステルフィルムを剥離した。
[0122]
 上記のようにして、評価用積層体Aを作製した。
[0123]
 [実施例2]
 製造例4で調製した粘着剤から構成される粘着剤層を厚み150μmとした以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体Bを作製した。
[0124]
 [実施例3]
 製造例4で調製した粘着剤から構成される粘着剤層を厚み200μmとした以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体Cを作製した。
[0125]
 [実施例4]
 ガラスフィルムを厚み50μmとした以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体Dを作製した。
[0126]
 [実施例5]
 ガラスフィルムを厚み50μmとし、かつ製造例4で調製した粘着剤から構成される粘着剤層を厚み150μmとした以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体Eを作製した。
[0127]
 [実施例6]
 ガラスフィルムを厚み50μmとし、かつ製造例4で調製した粘着剤から構成される粘着剤層を厚み200μmとした以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体Fを作製した。
[0128]
 [比較例1]
 第2の光学フィルムBは、製造例3で調製した粘着剤から構成される粘着剤層(厚み:20μm)を介して、ガラス板に積層した。なお、この粘着剤層は、以下のようにして形成した。(i)シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、厚さ:38μm)上に塗布し、155℃で1分間加熱して、乾燥後の厚さが20μmの粘着剤層を形成し、(ii)当該粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレートフィルムから、光学フィルムBに転写して、粘着剤層を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体Gを作製した。
[0129]
 [比較例2]
 ガラスフィルムを厚み50μmとし、第2の光学フィルムBに使用する粘着剤層を製造例3で調製した粘着剤から構成される粘着剤層(厚み20μm)とした以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体Hを作製した。
[0130]
 [比較例3]
 製造例4で調製した粘着剤から構成される粘着剤層を厚み250μmとした以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体Iを作製した。
[0131]
 (評価)
 実施例1~6及び比較例1~3で得られた評価用積層体について、ボールドロップテストを実施した。
[0132]
 ボールドロップテストとは、図5に示すように、測定台810上に配置された厚さ10mmのガラス板820の上に、評価用積層体S(評価用積層体A~Iの総称)を配置し、高さLから評価用積層体Sに垂直に130gの鉄球Bを落下させ、評価用積層体Sのガラスフィルムが割れる高さLを測定するテストである。評価用積層体Sは、第2の光学フィルムBがガラス板820側になるように、ガラス板820の上に配置した。
[0133]
 ボールドロップテストは、評価用積層体A~Iの各々について3回づつ実施し、ガラスフィルムが割れる高さLの3回の平均を求めた。そして、3回の平均が17mm未満である場合を×(不合格)、17mm以上34mm未満である場合を〇(合格)、34mm以上である場合を◎(合格)とした。この基準値は、発明者らの経験値に基づいて設定したものである。ボールドロップテストの結果を図6及び図7に示す。なお、高さLの最大は100mmとし、それ以上のテストは実施しなかった。
[0134]
 図6及び図7に示すように、ボールドロップテストの合否は、第2の光学フィルムB側の粘着剤層(製造例4で調製した粘着剤から構成される粘着剤層)の厚みに大きく依存し、他の層の厚みの影響は小さいことがわかった。又、第2の光学フィルムB側の粘着剤層は薄すぎても厚すぎても良くなく、最適値(50μm以上200μm以下)が存在することがわかった。これらは、従来は知られていなかった事実であり、発明者らが新たに見出したものである。
[0135]
 このように、第2の光学フィルムB側の粘着剤層の厚みが50μm以上200μm以下であれば、ガラスフィルムの厚みが50μmか100μmかにかかわらず、ガラスフィルムの割れを防止できることが確認された。
[0136]
 以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
[0137]
 例えば、光学積層体3等では液晶セル30を例示したが、液晶セル30に代えて、有機EL(Organic Electro-Luminescence)セルや、マイクロLED(Light Emitting Diode)セル等を用いてもよい。例えば、有機ELセルを含む光学積層体の場合、第1の偏光板13に代えて反射防止フィルム(防眩やアンチグレア用)を設け、第2の偏光板23に代えて樹脂からなる基材を設けてもよい。
[0138]
 本国際出願は2019年3月29日に出願した日本国特許出願2019-066163号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2019-066163号の全内容を本国際出願に援用する。

符号の説明

[0139]
 1、2 光学フィルムセット
 3、4 光学積層体
 10 第1の光学フィルム
 11 第1のガラスフィルム
 12 第1の接着剤層
 13 第1の偏光板
 14 第1の位相差層
 18 第1の粘着剤層
 19 第1の離形フィルム
 20、20A 第2の光学フィルム
 21 第2のガラスフィルム
 22 第2の接着剤層
 23 第2の偏光板
 24 第2の位相差層
 25 光学層
 28 第2の粘着剤層
 29 第2の離形フィルム
 30 液晶セル
 131 第1の偏光子
 132 第1の保護フィルム
 231 第2の偏光子
 232 第2の保護フィルム

請求の範囲

[請求項1]
 第1の粘着剤層を備え、前記第1の粘着剤層を介して光学素子の視認側に配置される第1の光学フィルムと、
 第2の粘着剤層を備え、前記第2の粘着剤層を介して前記光学素子の背面側に配置される第2の光学フィルムと、を有し、
 前記第1の光学フィルムの前記視認側の表面に、厚みが50μm以上150μm以下の第1のガラスフィルムが設けられ、
 前記第2の粘着剤層の厚みが50μm以上200μm以下である、光学フィルムセット。
[請求項2]
 前記第1の光学フィルムは、前記第1のガラスフィルムの前記光学素子側に順次配置された、第1の接着剤層、並びに第1の偏光子及び第1の保護フィルムを有する第1の偏光板を備え、
 前記第2の光学フィルムは、第2の偏光子を有する第2の偏光板を備えている、請求項1に記載の光学フィルムセット。
[請求項3]
 前記第1の保護フィルムは、前記第1の偏光子の前記第1の接着剤層側に配置される、請求項2に記載の光学フィルムセット。
[請求項4]
 前記第1の光学フィルムが、第1の位相差層を更に備える、請求項2又は3に記載の光学フィルムセット。
[請求項5]
 前記第1の位相差層が、前記第1の偏光板の前記第1の接着剤層とは反対側に配置される、請求項4に記載の光学フィルムセット。
[請求項6]
 前記第2の光学フィルムは、前記第2の偏光板の前記光学素子とは反対側に順次配置された、第2の接着剤層、及び第2のガラスフィルムを備えている、請求項2乃至5の何れか一項に記載の光学フィルムセット。
[請求項7]
 前記第2の光学フィルムは、前記第2のガラスフィルムの第2の接着剤層とは反対側に配置された光学層を備えている、請求項6に記載の光学フィルムセット。
[請求項8]
 前記第2の光学フィルムが、第2の位相差層を更に備える、請求項2乃至7の何れか一項に記載の光学フィルムセット。
[請求項9]
 前記第2の光学フィルムが、前記第2の偏光板の少なくとも片側に配置された光学層を更に備える、請求項2乃至8の何れか一項に記載の光学フィルムセット。
[請求項10]
 前記第1の偏光板が、長辺と短辺とを有する方形形状を有し、
 前記第1の偏光子の吸収軸方向と、該短辺とが略平行である、請求項2乃至9の何れか一項に記載の光学フィルムセット。
[請求項11]
 前記第2の偏光板が、長辺と短辺とを有する方形形状を有し、
 前記第2の偏光子の吸収軸方向と、該長辺とが略平行である、請求項10に記載の光学フィルムセット。
[請求項12]
 前記第1の偏光板が、長辺と短辺とを有する方形形状を有し、
 前記第1の偏光子の吸収軸方向と、該長辺とが略平行である、請求項2乃至9の何れか一項に記載の光学フィルムセット。
[請求項13]
 前記第2の偏光板が、長辺と短辺とを有する方形形状を有し、
 前記第2の偏光子の吸収軸方向と、該短辺とが略平行である、請求項12に記載の光学フィルムセット。
[請求項14]
 請求項1乃至13の何れか一項に記載の光学フィルムセットの前記第1の光学フィルムと、光学素子と、請求項1乃至13の何れか一項に記載の光学フィルムセットの前記第2の光学フィルムとを視認側からこの順に備える、光学積層体。
[請求項15]
 前記光学素子は、インセルタイプの液晶素子である、請求項14に記載の光学積層体。
[請求項16]
 耐薬品性が求められる画像表示装置に用いられる、請求項14に記載の光学積層体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]