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1. WO2020203048 - 電力変換装置

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明 細 書

発明の名称 電力変換装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137  

符号の説明

0138  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

明 細 書

発明の名称 : 電力変換装置

技術分野

[0001]
 本発明は、トランスとしてのコイル装置を備える電力変換装置に関する。

背景技術

[0002]
 たとえばDC/DC変換装置等の電力変換装置には、平滑コイルおよびトランスなどのコイル装置が搭載されている。コイル装置は一般的にコアにコイルを巻き付けることで構成されている。近年、コイル装置としてのトランスを小型化するため、電力変換装置に搭載されているスイッチング素子のスイッチング周波数がたとえば1kHz以上に高周波化されている。これによりコアの断面積を小さくしたり、コイルのターン数を少なくしたりできるため、トランスを小型化できる。
[0003]
 トランスが小型化されると、トランスに含まれるコイルの発熱が増加する。断面積が小さくなり小型化されたコイルは電気抵抗値が大きくなる。このため小型化されたコイルは電流通電時の導通損失によって温度上昇が大きくなる。さらに、スイッチング素子を高周波化することでトランスを小型化できるが、この場合もコイルの発熱は増加する。交流電流が導体を流れるとき、いわゆる表皮効果により、電流密度が導体の表面で高く、導体の表面から離れると低くなる。したがって、周波数が高くなるほど電流が表面に集中するように流れるため、導体の交流抵抗が高くなり、コイルの発熱が増加する。
[0004]
 たとえば特開2015-173188号公報(特許文献1)においては、平面形状となるように巻回されたコイルとコアとの間に放熱シートが挿入されることで、コイルの温度上昇が低減されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2015-173188号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 高周波化することでトランスを小型化するために、板状のコイルが平面形状となるように巻回されたいわゆるプレーナコイルが使用される。プレーナコイルを有する大容量のトランスにおいては大型のコアが必要となる。しかし大型のコアは焼成が困難であるとともにコアとしての性能が低下する。そこで大容量のトランスにおいては大型のコアを1台設ける代わりに、小型のコアを複数並べる場合がある。上記のように小型のコアを複数並べた構成の特開2015-173188号公報では、巻線枠にコイルが巻回されコアに取り付けられる。これによりコアとコイルとは固定することができる。しかしコイル装置を含む電力変換装置全体に対してコイルが固定されるには至っていない。このため特開2015-173188号公報ではコアおよびコイルが振動し、コアおよびコイルが破壊する恐れがある。
[0007]
 本発明は上記の課題に鑑みなされたものである。その目的は、コイル装置に含まれるプレーナコイルを装置全体に対して固定し、耐振動性を向上させた電力変換装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 本開示に従った電力変換装置はコイル装置を備える。コイル装置は、支持体と、ラミネートコイルと、コアと、第1の凸部材と、第1の固定部材とを含む。ラミネートコイルは支持体の面上にてプレーナコイルが複数積層される。コアは支持体の面上にてラミネートコイルに巻回される部分を含みプレーナコイルの長手方向に互いに間隔をあけて複数並ぶ。第1の凸部材は長手方向についての互いに隣り合う1対のコアの間に配置され支持体に固定されている。第1の固定部材は第1の凸部材の上に配置される。ラミネートコイルは、第1の面が第1の凸部材に接触し第1の面と反対側の第2の面が第1の固定部材に接触するように、第1の固定部材と第1の凸部材とに挟まれ固定される。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、コイル装置に含まれるプレーナコイルを装置全体に対して固定し、耐振動性を向上させた電力変換装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 各実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
[図2] 実施の形態1の第1例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略斜視図である。
[図3] 図2のコイル装置に含まれるコア、第1および第2の固定部材、ならびに第1および第2の凸部材を抜き取って示す概略斜視図である。
[図4] 図2のコイル装置の概略平面図である。
[図5] 図2のコイル装置に含まれる第1のコイルの部分を抜き取った概略平面図である。
[図6] 図2のコイル装置に含まれる第2のコイルの部分を抜き取った概略平面図である。
[図7] 図4のVII-VII線に沿う部分における、図2のコイル装置の概略断面図である。
[図8] 実施の形態1の第2例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。
[図9] 実施の形態2の第1例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略平面図である。
[図10] 図9のX-X線に沿う部分における、図9のコイル装置の概略断面図である。
[図11] 実施の形態2の第2例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略平面図である。
[図12] 実施の形態2の第3例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略平面図である。
[図13] 実施の形態3の第1例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略平面図である。
[図14] 図13のXIV-XIV線に沿う部分における、図13のコイル装置の概略断面図である。
[図15] 実施の形態3の第2例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。
[図16] 実施の形態4の第1例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。
[図17] 実施の形態4の第2例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。
[図18] 実施の形態4の第3例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。
[図19] 実施の形態4の第4例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本実施の形態について図に基づいて説明する。なお、説明の便宜のため、X方向、Y方向、Z方向が導入されている。
[0012]
 実施の形態1.
 <はじめに>
 まず本実施の形態の第1例のコイル装置の構成上の特徴について簡単に説明する。図7を参照して、本実施の形態の電力変換装置に備えられるコイル装置101Aaは、支持体40と、ラミネートコイル30と、コア10とを含んでいる。ラミネートコイル30には第1のコイル20および第2のコイル21が積層されている。コア10はX方向に間隔をあけて複数並んでいる。その複数のコア10の間には第1の凸部材41が配置されている。第1の凸部材41は支持体40に固定されている。第1の凸部材41の上(たとえば真上)には第1の固定部材51を有している。ラミネートコイル30は、Z方向の下側の面が(第1の伝熱部材41aを含む)第1の凸部材41に接触し、Z方向の上側の面が第1の固定部材51に接触するように、第1の固定部材51と第1の凸部材41とに挟まれ固定されている。以下当該電力変換装置について、それに備えられるコイル装置の構成を中心に説明する。
[0013]
 本明細書において、たとえば「第1の凸部材41の真上に第1の固定部材51を有する」とは、第1の凸部材41と平面視にて重なる上側の領域に、第1の固定部材51の少なくとも一部が配置されることを意味する。つまり図7のZ方向上側から見て、第1の凸部材41と第1の固定部材51の少なくとも一部とが被っていることを意味する。
[0014]
 <電力変換装置の構成>
 図1は、各実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。図1を参照して、電力変換装置1は、DC/DC変換装置であるが、交流の電圧を変換する装置であってもよい。電力変換装置1は、インバータ回路2と、トランス回路3と、整流回路4と、平滑回路5と、制御回路6とを主に備えている。電力変換装置1は、入力端子110から入力される直流電圧Viを直流電圧Voに変換して出力端子111から出力する。
[0015]
 インバータ回路2は、4つのスイッチング素子7a,7b,7c,7dを含んでいる。たとえば図1においては、スイッチング素子7aとスイッチング素子7cとが直列接続されたものと、スイッチング素子7bとスイッチング素子7dとが直列接続されたものとが、並列接続されている。スイッチング素子7a,7b,7c,7dのそれぞれは、いわゆるMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)またはいわゆるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などである。スイッチング素子7a,7b,7c,7dのそれぞれは、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)および窒化ガリウム(GaN)からなる群から選択されるいずれかが材料として用いられる。
[0016]
 トランス回路3は、トランスとしてのコイル装置101を有している。コイル装置101は、第1のコイル20と第2のコイル21とを有している。第1のコイル20は、インバータ回路2と接続される1次側コイル導体すなわち高電圧側巻線である。第2のコイル21は、整流回路4と接続される2次側コイル導体すなわち低電圧側巻線である。
[0017]
 整流回路4は、4つのダイオード8a,8b,8c,8dを含んでいる。たとえば図1においては、ダイオード8aとダイオード8cとが直列接続されたものと、ダイオード8bとダイオード8dとが直列接続されたものとが、並列接続されている。ダイオード8a,8b,8c,8dのそれぞれは、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)および窒化ガリウム(GaN)からなる群から選択されるいずれかが材料として用いられる。
[0018]
 平滑回路5は、平滑コイルとしてのコイル装置102と、コンデンサ9aとを含んでいる。制御回路6は、インバータ回路2を制御する制御信号をインバータ回路2に向けて出力する役割を有する。インバータ回路2は、入力される電圧を変換して出力する。
[0019]
 電力変換装置1は、インバータ回路2の前段に、平滑コイルとしてのコイル装置103と、コンデンサ9bとを含んでいる。電力変換装置1は、インバータ回路2とトランス回路3との間に、共振コイルとしてのコイル装置104を含んでいる。より具体的には、コイル装置104は、スイッチング素子7aとスイッチング素子7cとの間と、第1のコイル20との間に接続されている。
[0020]
 電力変換装置1には、たとえば100V以上600V以下の直流電圧Viが入力される。電力変換装置1は、たとえば12V以上600V以下の直流電圧Voを出力する。具体的には、電力変換装置1の入力端子110に入力された直流電圧Viは、インバータ回路2によって第1の交流電圧に変換される。第1の交流電圧は、トランス回路3によって第1の交流電圧よりも低い第2の交流電圧に変換される。第2の交流電圧は、整流回路4によって整流される。平滑回路5は、整流回路4から出力された電圧を平滑する。電力変換装置1は、平滑回路5から出力された直流電圧Voを出力端子111から出力する。直流電圧Viは直流電圧Vo以上の大きさであってもよい。
[0021]
 次に、図2~図7を用いて、本実施の形態の第1例の電力変換装置に備えられるコイル装置101の構成について説明する。
[0022]
 <コイル装置101の構成>
 図2は、実施の形態1の第1例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略斜視図である。図3は、図2のコイル装置に含まれるコア、第1および第2の固定部材、ならびに第1および第2の凸部材を抜き取って示す概略斜視図である。図4は、図2のコイル装置の概略平面図である。図5は、図2のコイル装置に含まれる第1のコイルの部分を抜き取った概略平面図である。図6は、図2のコイル装置に含まれる第2のコイルの部分を抜き取った概略平面図である。図7は、図4のVII-VII線に沿う部分における、図2のコイル装置の概略断面図である。
[0023]
 図2~図7を参照して、本実施の形態の第1例のコイル装置101Aaは、図1に示す電力変換装置1に備えられる、トランスとしてのコイル装置101の一例である。コイル装置101Aaは、支持体40を含んでいる。支持体40は、コイル装置101Aaを含む電力変換装置1全体の筐体の一部である。したがってたとえば図2の支持体40以外の各部材は、実際には箱型の筐体の内部に収納されるように配置される。ただしここでは図を見やすくする観点から、筐体全体の図示が省略される。ここでは当該筐体のうちのZ方向最下部である平板形状の支持体40の部分のみが図示され、以降の説明に用いられる。
[0024]
 支持体40は、これを含む筐体の冷却器であってもよい。支持体40を含む筐体全体はたとえば直方体の箱状の形状である。支持体40は金属製であり、各部材を収納する役割に加え、冷却器としての役割を有している。すなわち支持体40には、図2などに示されるコイル装置101Aaが配置される領域以外の領域に、以下の各部材が取り付けられている。支持体40には、入力端子110と、出力端子111と、スイッチング素子7a~7dと、ダイオード8a~8dと、コンデンサ9a,9bとが取り付けられている。また電力変換装置1のグラウンドは、支持体40に接続されている。
[0025]
 コイル装置101Aaは、ラミネートコイル30と、コア10と、第1の凸部材41と、第2の凸部材42と、第1の固定部材51と、第2の固定部材52と、第1の伝熱部材41aと、第2の伝熱部材42aとを主に含んでいる。これらはたとえば支持体40の面上に搭載される。
[0026]
 ラミネートコイル30は、図7に示すように、プレーナコイルとして、第1のコイル20と、第2のコイル21とを有している。またラミネートコイル30は、絶縁部材31,32,33を有している。ラミネートコイル30においては、上層から下層へ、絶縁部材31、第1のコイル20、絶縁部材32、第2のコイル21、絶縁部材33の順に積層されている。図5に示すように、第1のコイル20および第2のコイル21は、その主表面がXY平面に沿って拡がるたとえば概ね矩形の平板形状を有するいわゆるプレーナコイルである。これらの第1のコイル20および第2のコイル21は、図1におけるコイル装置101の第1のコイル20および第2のコイル21に対応する。ラミネートコイル30においては、第1のコイル20と第2のコイル21との間に絶縁部材32が挟まれる。これにより、コイル装置101Aaにおいて高電圧側巻線である第1のコイル20と低電圧側巻線である第2のコイル21とは電気的に絶縁されている。またラミネートコイル30においては、第1のコイル20上に絶縁部材31が、第2のコイル21の下に絶縁部材33が配置される。これによりラミネートコイル30全体の最表面には絶縁部材が配置される構成である。
[0027]
 絶縁部材31、絶縁部材32および絶縁部材33は、図5中に点線で示すように、概ね第1のコイル20および第2のコイル21の最外縁から最内縁まで、第1のコイル20および第2のコイル21と平面的に重なる領域に配置されている。したがって絶縁部材31~33は、概ね平面視での中央にほぼ矩形の空洞を有する、矩形でかつ環状の平板形状である。
[0028]
 より具体的には、ラミネートコイル30における第1のコイル20および第2のコイル21はバスバーとして形成されている。第1のコイル20および第2のコイル21としてのバスバーのZ方向の厚みは、たとえば0.1mm以上5.0mm以下である。図5に示すように、第1のコイル20の周回方向の一方の端部であり外側の端部には接続部材22Aが設けられる。第1のコイル20の周回方向の他方の端部であり内側の端部には接続部材22Bが設けられる。第1のコイル20は、接続部材22Aから接続部材22Bまで時計回りに巻回している。また図5に示すように、第2のコイル21の周回方向の一方の端部であり外側の端部には接続部材23Aが設けられる。第2のコイル21の周回方向の他方の端部であり内側の端部には接続部材23Bが設けられる。第2のコイル21は、接続部材23Aから接続部材23Bまで時計回りに巻回している。なお接続部材22A,22B,23A,23Bはたとえば端子台であり、インバータ回路2および整流回路4を構成する電子部品と電気的に接続する。接続部材22A,22B,23A,23Bは他部材に覆われず露出するように配置されている。
[0029]
 第1のコイル20および第2のコイル21は、1ターン分以上巻回されてもよく、1ターン分未満だけ巻回されてもよい。一例として図5では、第1のコイル20および第2のコイル21は2ターン巻回されている。また第1のコイル20および第2のコイル21は、その周回方向についての一部の領域において、周回方向についての他の領域とは断面積が異なってもよい。ここで断面積とは周回方向に交差する断面である。したがって断面積が領域によって変化するとは、たとえば第1のコイル20および第2のコイル21の厚みがその全体にて均一であれば、平面視にてその周回方向に交差する幅が、第1のコイル20および第2のコイル21内の領域間で変化することを意味する。
[0030]
 コア10は、上コア10Aと、下コア10Bとを有しており、両者が噛み合うように組み合わさることで、単一のコア10を構成している。上コア10Aおよび下コア10Bは磁性体を含んでいる。図2に示すように、上コア10Aと下コア10Bとが組み合わせられたコア10は、第1のコイル20および第2のコイル21の長手方向であるX方向に互いに間隔をあけて3つ並んでいる。
[0031]
 図2および図3に示すように、上コア10AはIの字の形状(I形状)であり、下コア10BはたとえばEの字の形状(E形状)である。このため下コア10Bは、その最上面が上コア10Aと噛み合った際に両者の間に、Y方向に間隔をあけて2つの空隙部10Cが形成される。空隙部10Cにおいてはコア10の本体は配置されない。2つの空隙部10CはX方向について各コア10の全体を貫通するように延びる。図2、図3、図5、図6に示すように、Y方向に並ぶ2つの空隙部10Cの間には、被巻回部10Eが配置される。被巻回部10Eは図5に示すように、XY平面上で周回する第1のコイル20および第2のコイル21により巻回される、下コア10Bの本体で形成された部分である。言い換えれば被巻回部10Eは下コア10Bの一部である。2つの空隙部10Cを第1のコイル20および第2のコイル21がX方向に貫通するため、2つの空隙部10Cに挟まれた被巻回部10Eが、第1のコイル20および第2のコイル21に巻回されている。ラミネートコイル30の全体が2つの空隙部10Cを貫通するため、第1のコイル20および第2のコイル21のみならず、絶縁部材31~33も2つの空隙部10C内を貫通する。
[0032]
 図2、図3のコア10は、I形状の上コア10AとE形状の下コア10BとからなるいわゆるEI形状である。しかしこれに限らず、コア10はたとえばいわゆるEE形状またはCC形状であってもよい。ただし、たとえば上コア10Aと下コア10Bとの双方がI形状であるII形状とすることはできない。この場合、上コア10Aと下コア10Bとが噛み合った際に両者の間に空隙部10Cが形成されなくなり、トランスであるコイル装置101(図1参照)として機能しなくなるためである。つまり上コア10Aと下コア10Bとが噛み合った際に両者の間には空隙部10Cが形成される必要がある。その空隙部10CをX方向に周回する第1のコイル20および第2のコイル21が貫通することにより、トランスであるコイル装置101としての機能が達成される。
[0033]
 上コア10Aはたとえば図示されないばねまたは板によってZ方向下側の支持体40に向けて押さえつけられている。下コア10Bは上コア10Aの重量によってZ方向下側の支持体40に向かって押さえつけられている。これにより本実施の形態ではコア10は支持体40の面上に固定されるように搭載されている。
[0034]
 ただしラミネートコイル30は、上コア10Aまたは下コア10Bと接触している必要はない。製造上は、ラミネートコイル30は上コア10Aおよび下コア10Bの表面に対して接触させずにそれらの表面との間に間隔を有するように設置される。このことが図7において、ラミネートコイル30と上コア10A、およびラミネートコイル30と下コア10Bの間に隙間を有するように示されている。ただしラミネートコイル30と上コア10Aまたは下コア10Bとは接触していてもよい。このように接触すれば、ラミネートコイル30がコア10に対して固定されるため、ラミネートコイル30およびコア10の振動を抑制し、ラミネートコイル30およびコア10の損傷を抑制できる。またこのように接触すれば、コア10とラミネートコイル30とを均熱化できる。ただしこの場合、ラミネートコイル30に含まれる第1のコイル20および第2のコイル21と、コア10とを確実に電気的に絶縁する必要がある。
[0035]
 3つのコア10のうちX方向について互いに隣り合う1対のコア10の間には、第1の凸部材41が配置されている。第1の凸部材41はX方向について幅が細く、Y方向についてはコア10と同等の寸法を有するように延びている。したがって第1の凸部材41は平面視において比較的細長い形状を有している。第1の凸部材41は支持体40に固定されている。すなわち第1の凸部材41は、たとえば支持体40の上側の表面に接触し固定されている。第1の凸部材41は支持体40と一体として形成されていてもよい。しかし第1の凸部材41は支持体40とは別体として形成され、両者が互いに接合などにより固定されていてもよい。ここでの固定は接合などによる厳密な固定に限らず、たとえば接触した状態で上方から押圧することにより容易に滑り動かないようにする程度の固定も含むものとする。第1の凸部材41は、支持体40以外の筐体の部分と一体であるか、あるいは当該筐体の部分に接合などで固定された別体であってもよい。
[0036]
 コイル装置101Aaにおいては、X方向に3つのコア10が互いに間隔をあけて並んでいる。このため互いに隣り合う1対のコア10の間の領域が2つ形成されている。この2つの領域のそれぞれに1つずつ、第1の凸部材41が配置されている。したがってコイル装置101Aaには第1の凸部材41が複数(2つ)含まれている。
[0037]
 第1の凸部材41のZ方向の上には、第1の凸部材41とはZ方向に間隔をあけて、第1の固定部材51が配置されている。つまりたとえば第1の凸部材41のZ方向の真上には、第1の凸部材41とはZ方向に間隔をあけて、第1の固定部材51が配置されている。また第1の凸部材41のZ方向の上側の表面には、ラミネートコイル30に隣接しラミネートコイル30に接触するよう、第1の伝熱部材41aが載置されている。第1の伝熱部材41aは第1の凸部材41に含まれると考える。第1の伝熱部材41aは、第1の凸部材41とほぼ同じ平面形状でもよいが、少なくともラミネートコイル30の最下面と第1の凸部材41の最上面との間の領域に挟まれるように配置されればよい。ラミネートコイル30の最下面と第1の凸部材41の最上面との間の領域とは、図3に示すように後述の空隙部41Cの内部の領域に相当する。
[0038]
 第1の固定部材51は、ラミネートコイル30をその下側すなわち第1の凸部材41側に対して固定するために配置される。このため第1の固定部材51は、第1の凸部材41とほぼ同じ平面形状を有することが好ましい。具体的には第1の固定部材51は、X方向について幅が細く、Y方向についてはコア10と同等の寸法を有するように延びる、比較的細長い平面形状を有する平板である。
[0039]
 図2および図4に示すように、第1の固定部材51は、たとえばネジ80によって、その下側の第1の凸部材41、または支持体40に固定される。これは第1の固定部材51がネジ80の締結力により、ラミネートコイル30をZ方向下側の支持体40側に押圧するためである。ただし第1の固定部材51は、ラミネートコイル30および第1の伝熱部材41aを挟んで、その下側の第1の凸部材41、または支持体40に固定される。したがって、図7に示すように、ラミネートコイル30は、その全体の最下面である絶縁部材33の下面が、第1の伝熱部材41aを介して第1の凸部材41に接触する。またラミネートコイル30は、その全体の最上面である絶縁部材31の上面が第1の固定部材51に接触する。このようにラミネートコイル30は、第1の固定部材51と第1の凸部材41とに挟まれ固定される。
[0040]
 したがって、ラミネートコイル30は、第1の固定部材51と第1の伝熱部材41aとに接触するように挟まれる。すなわちラミネートコイル30の絶縁部材33の下面は第1の伝熱部材41aに面接触し、ラミネートコイル30の絶縁部材31の上面は第1の固定部材51に面接触する。また第1の伝熱部材41aは第1の凸部材41に面接触する。このためラミネートコイル30はその上下方向から第1の固定部材51ならびに、第1の伝熱部材41aを含む第1の凸部材41によりしっかりと押圧され固定される。一方、上記図7に示すように、上コア10Aおよび下コア10Bは、ラミネートコイル30に接触せず隙間を形成してもよい。このようにラミネートコイル30との接触が必要な点において、第1の固定部材51および第1の伝熱部材41aは、上コア10Aおよび下コア10Bとは構成上異なっている。
[0041]
 図3に示すように、第1の固定部材51はI形状であり、第1の凸部材41はたとえばE形状である。すなわち第1の固定部材51と第1の凸部材41とを噛み合わせれば、両者の間にはたとえばY方向に間隔をあけて2つの空隙部41Cが形成される。これらの2つの空隙部41Cは、コア10の2つの空隙部10Cとほぼ同じY座標位置に配置され、X方向について第1の凸部材41の全体に延びるように形成される。これにより、コア10の2つの空隙部10Cを貫通するように周回する第1のコイル20および第2のコイル21は、2つの空隙部41Cを貫通するように周回する。
[0042]
 なお後述するように、第1の伝熱部材41aは可撓性を有する材料または流動性を有する材料により形成される。このためネジ80の締結に伴う下方への押圧力により、第1の伝熱部材41aは圧縮される。第1の伝熱部材41aが第1の凸部材41とほぼ同じ形状であれば、第1の伝熱部材41aは空隙部41Cの内壁の底面上から側面上に連なるように変形し、空隙部41Cの内壁面の形状に追随するように当該内壁面上に接触してもよいが、第1の伝熱部材41aは空隙部41Cの内壁の側面上に接触しなくてもよい。そもそも図3のように第1の伝熱部材41aがラミネートコイル30の最下面と第1の凸部材41の最上面との間の領域のみに配置される場合、第1の伝熱部材41aは空隙部41Cの内壁の底面上のみに配置される。
[0043]
 また図示されないが、第1の固定部材51とラミネートコイル30の絶縁部材31の上面との間にも第1の伝熱部材が挟まれてもよい。この第1の伝熱部材は、ラミネートコイル30に隣接し接触する領域に配置され、第1の固定部材51に含まれると考える。また逆に、第1の凸部材41とラミネートコイル30との間に第1の伝熱部材が挟まれず、第1の固定部材51とラミネートコイル30との間のみに挟まれてもよい。この場合も第1の伝熱部材は第1の固定部材51の一部に含まれると考える。
[0044]
 図2、図4、図7に示すように、X方向について3つのコア10の外側、すなわち3つのコア10のX方向正側および負側のそれぞれには、計2つの第2の凸部材42が配置されている。第2の凸部材42は3つのコア10に対してX方向に間隔をあけて配置されている。X方向について第1の凸部材41よりも幅が広くてもよく、Y方向についてはコア10と同等の寸法を有するように延びている。ただし第2の凸部材42は平面視において比較的細長い形状を有している。第2の凸部材42は支持体40に固定されている。すなわち第2の凸部材42は、たとえば支持体40の上側の表面に固定されている。第2の凸部材42は支持体40と一体として形成されていてもよい。しかし第2の凸部材42は支持体40とは別体として形成され、両者が互いに接合などにより固定されていてもよい。第2の凸部材42は、支持体40以外の筐体の部分と一体であるか、あるいは当該筐体の部分に接合などで固定されていてもよい。
[0045]
 第2の凸部材42のZ方向の上には、第2の凸部材42とはZ方向に間隔をあけて1つずつ、計2つの第2の固定部材52が配置されている。つまりたとえば第2の凸部材42のZ方向の真上には、第2の凸部材42とはZ方向に間隔をあけて1つずつ、計2つの第2の固定部材52が配置されている。また第2の凸部材42のZ方向の上側の表面には、ラミネートコイル30に隣接しラミネートコイル30に接触するよう、第2の伝熱部材42aが載置されている。第2の伝熱部材42aは第2の凸部材42に含まれると考える。第2の伝熱部材42aは、第2の凸部材42とほぼ同じ平面形状でもよいが、少なくともラミネートコイル30の最下面と第2の凸部材42の最上面との間の領域に挟まれるように配置されればよい。ラミネートコイル30の最下面と第2の凸部材42の最上面との間の領域とは、図3に示すように後述の空隙部42Cの内部の領域に相当する。
[0046]
 第2の固定部材52は、ラミネートコイル30をその下側すなわち第2の凸部材42側に対して固定するために配置される。このため第2の固定部材52は、第2の凸部材42とほぼ同じ平面形状を有する平板であることが好ましい。具体的には第2の固定部材52は、X方向について幅が細く、Y方向についてはコア10と同等の寸法を有するように延びる、比較的細長い平面形状である。
[0047]
 図2および図4に示すように、第2の固定部材52は、たとえばネジ80によって、その下側の第2の凸部材42、または支持体40に固定される。これは第2の固定部材52がネジ80の締結力により、ラミネートコイル30をZ方向下側の支持体40側に押圧するためである。ただし第2の固定部材52は、ラミネートコイル30および第2の伝熱部材42aを挟んで、その下側の第2の凸部材42、または支持体40に固定される。したがって、図7に示すように、ラミネートコイル30は、その全体の最下面である絶縁部材33の下面が、第2の伝熱部材42aを介して第2の凸部材42に接触する。またラミネートコイル30は、その全体の最上面である絶縁部材31の上面が第2の固定部材52に接触する。このようにラミネートコイル30は、第2の固定部材52と第2の凸部材42とに挟まれ固定される。
[0048]
 したがって、ラミネートコイル30は、第2の固定部材52と第2の伝熱部材42aとに接触するように挟まれる。すなわちラミネートコイル30の絶縁部材33の下面は第2の伝熱部材42aに面接触し、ラミネートコイル30の絶縁部材31の上面は第2の固定部材52に面接触する。また第2の伝熱部材42aは第2の凸部材42に面接触する。このためラミネートコイル30はその上下方向から第2の固定部材52ならびに、第2の伝熱部材42aを含む第2の凸部材42によりしっかりと押圧され固定される。一方、上記図7に示すように、上コア10Aおよび下コア10Bは、ラミネートコイル30に接触せず隙間を形成してもよい。このようにラミネートコイル30との接触が必要な点において、第2の固定部材52および第2の伝熱部材42aは、上コア10Aおよび下コア10Bとは構成上異なっている。
[0049]
 図3に示すように、第2の固定部材52はI形状であり、第2の凸部材42はたとえばC形状である。すなわち第2の固定部材52と第2の凸部材42とを噛み合わせれば、両者の間には1つの空隙部42Cが形成される。空隙部42Cは、コア10の2つの空隙部10Cおよびそれらの間の被巻回部10Eとほぼ同じY座標位置に配置され、X方向について第2の凸部材42の全体に延びるように形成される。これにより、コア10の2つの空隙部10Cを貫通するように周回する第1のコイル20および第2のコイル21は、空隙部42Cを貫通するように周回する。ただし第2の凸部材42も、第1の凸部材41とY方向についてのほぼ同位置に同形状の2つの空隙部を形成可能なE形状であってもよい。
[0050]
 なお後述するように、第2の伝熱部材42aは可撓性を有する材料または流動性を有する材料により形成される。このためネジ80の締結に伴う下方への押圧力により、第2の伝熱部材42aは圧縮される。第2の伝熱部材42aが第2の凸部材42とほぼ同じ形状であれば、第2の伝熱部材42aは空隙部42Cの内壁の底面上から側面上に連なるように変形し、空隙部42Cの内壁面の形状に追随するように当該内壁面上に接触してもよいが、第2の伝熱部材42aは空隙部42Cの内壁の側面上に接触しなくてもよい。そもそも図3のように第2の伝熱部材42aがラミネートコイル30の最下面と第2の凸部材42の最上面との間の領域のみに配置される場合、第2の伝熱部材42aは空隙部42Cの内壁の底面上のみに配置される。
[0051]
 また図示されないが、第2の固定部材52とラミネートコイル30の絶縁部材31の上面との間にも伝熱部材が挟まれてもよい。この第2の伝熱部材は、ラミネートコイル30に隣接し接触する領域に配置され、第2の固定部材52に含まれると考える。また逆に、第2の凸部材42とラミネートコイル30との間に第2の伝熱部材が挟まれず、第2の固定部材52とラミネートコイル30との間のみに挟まれてもよい。この場合も2の伝熱部材は第2の固定部材52の一部に含まれると考える。
[0052]
 その他、支持体40の面上の一部に、支持体凸部43が形成されてもよい。図2および図4に示すように、支持体凸部43は、たとえば3つのコア10とY方向について間隔をあけてそのY方向正側および負側のそれぞれに1つずつ配置されている。これら1対の支持体凸部43はX方向に延在する。すなわち1対の支持体凸部43は、Y方向についてコア10を挟むように配置されている。支持体凸部43は第1の凸部材41と同様に支持体40に固定されるが、支持体40と一体であっても別体であってもよい。これにより、1対の支持体凸部43は、下コア10Bが支持体40の面上を移動しそこからはみ出ることを抑制するために設けられる。したがってそのような効果を奏する限り、他の方法が適用されてもよい。たとえば支持体40の上側の主表面の一部に凹部が形成され、その凹部に下コア10Bが嵌まるように収納可能な構成であってもよい。
[0053]
 <材料・材質>
 支持体40は、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上であることが好ましい。ただし支持体40は、熱伝導率が1.0W/(m・K)以上であることがより好ましい。その中でも支持体40は、熱伝導率が10.0W/(m・K)以上であることがさらに好ましい。
[0054]
 支持体40は、剛性のある材料で形成されることが好ましい。具体的には、支持体40は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、SUS304などの鉄合金、リン青銅などの銅合金、およびADC12などのアルミニウム合金からなる群から選択されるいずれかの金属材料により形成される。その他、支持体40は、熱伝導性フィラーを含有する樹脂材料で形成されていてもよい。ここで樹脂材料とは、たとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる群から選択されるいずれかである。鉄を除き、支持体40に用いられる材料は非磁性体であることが好ましい。第1の凸部材41および第2の凸部材42が支持体40と一体である場合は上記支持体40と同一材料となる。第1の凸部材41および第2の凸部材42が支持体40と別体である場合、これらは支持体40と同一材料であってもよいし、支持体40と異なる材料であってもよい。支持体40は、たとえば切削、ダイキャスト、鍛造、および金型を用いた成形からなる群から選択されるいずれかの工程により形成される。
[0055]
 上コア10Aおよび下コア10B(被巻回部10Eを含む)の本体は、たとえばマンガン亜鉛(Mn-Zn)系フェライトコアまたはニッケル亜鉛(Ni-Zn)系フェライトコアで形成される。ただし上コア10Aおよび下コア10Bは、たとえばいわゆるアモルファスコア、またはいわゆるアイアンダストコアであってもよい。アモルファスコアは鉄系アモルファス合金により形成されている。アイアンダストコアは鉄粉が加圧成形されたものである。
[0056]
 ラミネートコイル30に含まれる第1のコイル20および第2のコイル21は、導電性の材料により形成されている。具体的には第1のコイル20および第2のコイル21は、銅、銀(Ag)、金(Au)、すず(Sn)、銅合金、ニッケル(Ni)合金、金合金、銀合金、すず合金からなる群から選択されるいずれかにより形成されている。第1のコイル20と第2のコイル21とは異なる材料により形成されてもよい。
[0057]
 接続部材22A,22Bは、第1のコイル20と同一材料から形成されてもよいが、異なる材料から形成されてもよい。接続部材23A,23Bは、第2のコイル21と同一材料から形成されてもよいが、異なる材料から形成されてもよい。接続部材22A,22B,23A,23Bは、導電性の材料により形成されている。具体的には接続部材22A,22B,23A,23Bは、銅、銀、金、すず、鉄、銅合金、ニッケル合金、金合金、銀合金、すず合金、鉄合金から選択されるいずれかにより形成されている。
[0058]
 ラミネートコイル30に含まれる絶縁部材31~33は、平板形状または薄い箔状、フィルム状である。絶縁部材31~33は電気的絶縁性を有する任意の材料で形成されている。具体的には、絶縁部材31~33はたとえばポリエチレンテレフタラート(PET)もしくはポリイミド(PI)のフィルム、またはアラミド(全芳香族ポリアミド)繊維から形成される紙により形成されている。あるいは絶縁部材31~33は、ガラス繊維強エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトンからなる群から選択されるいずれかにより形成されてもよい。さらに絶縁部材31~33は、酸化アルミニウム(Al )または窒化アルミニウム(AlN)などのセラミック材料で形成されてもよい。さらに他の特徴として、絶縁部材31~33は任意の表面に粘着層または接着層を有し、この粘着層または接着層により、絶縁部材31~33は第1のコイル20および第2のコイル21と粘着または接着してもよい。
[0059]
 第1の固定部材51および第2の固定部材52は、剛性の高い材料により形成される。具体的には、第1の固定部材51および第2の固定部材52は、銅、アルミニウム、鉄、SUS304などの鉄合金、リン青銅などの銅合金、およびADC12などのアルミニウム合金からなる群から選択されるいずれかの金属材料で形成される。あるいは第1の固定部材51および第2の固定部材52は、熱伝導性フィラーを含有する樹脂材料で形成されてもよい。ここで樹脂材料とは、たとえばポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンからなる群から選択されるいずれかである。鉄を除き、第1の固定部材51および第2の固定部材52に用いられる材料は非磁性体であることが好ましい。第1の固定部材51および第2の固定部材52は、たとえば切削、ダイキャスト、鍛造、および金型を用いた成形からなる群から選択されるいずれかの工程により形成される。
[0060]
 第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、絶縁部材31~33よりも大きな熱伝導率を有する。そのようになる条件の下、第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、0.1W/(m・K)以上、その中でも特に1.0W/(m・K)以上、さらにその中でも10.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。
[0061]
 第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、高い剛性を有してもよいし、高い可撓性を有してもよい。また第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、高い弾性を有してもよい。さらに第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、電気絶縁性を有していてもよい。第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、内部に熱伝導性フィラーを有していてもよい。第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aが可撓性または流動性を有する場合、ラミネートコイル30が支持体40側へ押圧された際に、第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは圧縮される。これにより第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは変形し、第1のコイル20および第2のコイル21と直接接触していてもよい。また第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、上コア10Aおよび下コア10Bと接触していてもよい。
[0062]
 第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aを構成する材料は以下の通りである。第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、シリコーンもしくはウレタンなどの材料、およびエポキシもしくはウレタンなどの樹脂材のいずれかからなることが好ましい。あるいは第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、およびフェノールからなる群から選択されるいずれかの樹脂材料であってもよい。さらに第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、ポリイミドなどの高分子材料、および酸化アルミニウムもしくは窒化アルミニウムなどのセラミック材料のいずれかにより形成されてもよい。さらに第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、シリコーンゴムシートまたはウレタンゴムシートにより形成されてもよい。さらに第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aは、シリコーンゲル、シリコーングリスまたはシリコーン接着剤で形成されてもよい。
[0063]
 ネジ80はたとえばなべねじまたは皿ねじであり、形状は任意である。ネジ80はたとえばリベットでもよい。第1の固定部材51および第2の固定部材52が、支持体40または第1の凸部材41、第2の凸部材42に、接着、かしめ、溶接などの方法によって固定される場合には、コイル装置101Aaにネジ80を有さなくてもよい。
[0064]
 <作用効果>
 次に、本実施の形態の背景について説明した後、本実施の形態の第1例のコイル装置101Aaの作用効果について説明する。
[0065]
 高周波化することでトランスを小型化するために用いられるプレーナコイルは、平面視における面積が大きくなるため、プレーナコイルの面積の大きい表面部分の固定が重要となる。面積の大きい表面部分が固定できれば、プレーナコイル全体が十分に固定されるため、プレーナコイルおよびそれが巻き付けられるコアの振動が抑制される。
[0066]
 大容量のトランスにプレーナコイルを用いる場合、焼成を困難にしない観点から小型のコアが複数並べられるため、複数並べられた小型のコアの平面積の総和が大きくなり、その結果プレーナコイルの平面積が大きくなる。ここで、たとえば上記コイル装置101Aaのラミネートコイル30がX方向の両端部にて第2の固定部材52および第2の凸部材42(第2の伝熱部材42a)のみにより接触するように挟まれ固定される場合を考える。つまりこの場合においてはラミネートコイル30が1対のコア10の間で第1の固定部材51および第1の凸部材41(第1の伝熱部材41a)に接触するように挟まれ固定されてはいない。この場合、ラミネートコイル30が他部材に接触するように挟まれ固定される位置間のX方向の距離が大きくなる。よってこの場合、ラミネートコイル30がコア10を貫通している部分はコア10と接触しておらずコア10に対して隙間をあけて浮いた状態となる。すなわちラミネートコイル30はコア10に対して固定されない。したがってラミネートコイル30の固有振動数が小さくなる。このためラミネートコイル30は振動により変形または破壊したり、コア10に衝撃を与えコアを破壊させたりする恐れがある。つまり振動によってラミネートコイル30自体が破断したり、コア10が破壊したり、ラミネートコイル30の第1のコイル20などの他の部材との電気的または機械的な接続部が破断したりする恐れがある。
[0067]
 一方、たとえ少なくともコアとプレーナコイルとの間では固定されたとしても、これらが電力変換装置の他の部材に対しても固定されない限り、コアおよびコイルの振動による破損は免れない。
[0068]
 そこで本実施の形態の電力変換装置1のコイル装置101Aaは、以下の構成を有している。コイル装置101Aaは、支持体40と、ラミネートコイル30と、コア10と、第1の凸部材41と、第1の固定部材51とを含んでいる。ラミネートコイル30は、支持体40の面上にてプレーナコイルが複数、第1のコイル20および第2のコイル21として積層されている。コア10は、支持体40の面上にてラミネートコイル30に巻回される部分を含み、第1のコイル20および第2のコイル21の長手方向であるX方向に互いに間隔をあけて複数並ぶ。第1の凸部材41は、長手方向であるX方向についての互いに隣り合う1対のコア10の間に配置され、支持体40に固定されている。第1の固定部材51は、第1の凸部材41の上に配置される。ラミネートコイル30は、第1の面(下面)が第1の凸部材41に接触し、第1の面と反対側の第2の面(上面)が第1の固定部材51に接触するように、第1の固定部材51と第1の凸部材41とに挟まれ固定される。
[0069]
 これによりラミネートコイル30は、1対のコア10の間に配置される第1の凸部材41と、第1の固定部材51とに挟まれ、これらとの間に隙間がほとんど生じない状態となる。すなわちラミネートコイル30は、長手方向の中央に近い領域に、他部材に接触するように挟まれしっかりと固定される領域を有することとなる。このためX方向についてのラミネートコイル30が他部材に接触するように挟まれしっかりと固定される位置間の距離が小さくなる。よってラミネートコイル30の固有振動数が大きくなる。ラミネートコイル30の固有振動数が大きくなるため、電力変換装置1に振動および衝撃が加わった際にラミネートコイル30の変形する量が小さくなる。これにより、上コア10A、下コア10B、絶縁部材31~33、第1のコイル20および第2のコイル21の破損が抑制できる。
[0070]
 また第1の凸部材41は支持体40に固定されている。このため第1の凸部材41に挟まれるラミネートコイル30は、支持体40を含む筐体、すなわち電力変換装置1の全体に対して固定される。このためコアおよびコイルがたとえ固定されても、そのコアおよびコイルの固定されたセットが筐体に対して固定されておらずに、結局筐体との間で振動を起こし損傷するような不具合を抑制することができる。
[0071]
 以上により、本実施の形態によれば、コア10および第1のコイル20、第2のコイル21を含む各部材の耐振動性を向上し、振動による破損を抑制する効果が高められる。
[0072]
 また、ラミネートコイル30の第1の面すなわち最下面が第1の凸部材41に接触する。これにより、ラミネートコイル30からその下側の第1の凸部材41への放熱効果を高めることができる。ラミネートコイル30の第2の面すなわち最上面が第1の固定部材51に接触する。これにより、ラミネートコイル30からその上側の第1の固定部材51への放熱効果を高めることができる。これにより、第1の凸部材41および第1の固定部材51を用いて、第1のコイル20および第2のコイル21の発熱を効率的に、その上下側双方向から放熱することができ、第1のコイル20および第2のコイル21の温度上昇を抑制できる。
[0073]
 上記コイル装置101Aaにおいて、長手方向には3つ以上のコア10が並んでいる。長手方向の互いに隣り合う1対のコア10の間に配置される第1の凸部材41を複数含んでいることが好ましい。つまり長手方向に間隔をあけて、第1の凸部材41を複数有する。このため長手方向について、隣り合う第1の凸部材41および第1の固定部材51に挟まり固定される位置間の距離をより小さくすることができる。その結果、ラミネートコイル30の固有振動数がより大きくなるため、上コア10A、下コア10B、絶縁部材31~33、第1のコイル20および第2のコイル21の破損がいっそう確実に抑制できる。
[0074]
 上記コイル装置101Aaにおいて、第2の凸部材42と、第2の固定部材52とをさらに含むことが好ましい。第2の凸部材42は長手方向であるX方向についての複数のコア10の外側に配置される。第2の固定部材52は第2の凸部材42の上に配置される。ラミネートコイル30は、第1の面(下面)が第2の凸部材42に接触し、第2の面(上面)が第2の固定部材52に接触するように、第2の固定部材52と第2の凸部材42とに挟まれ固定される。
[0075]
 これにより、コア10の長手方向の中央付近の位置のみならず、長手方向の複数のコア10の外側の領域すなわち両端部においても、中央部と同様に、ラミネートコイル30を挟み込むように固定することができる。このため長手方向について、隣り合うラミネートコイル30が挟まり固定される位置間の距離をより小さくすることができる。その結果、ラミネートコイル30の固有振動数がより大きくなるため、上コア10A、下コア10B、絶縁部材31~33、第1のコイル20および第2のコイル21の破損がいっそう確実に抑制できる。
[0076]
 また、ラミネートコイル30の最下面が第2の凸部材42に、最上面が第2の固定部材52に接触する。これにより、第2の凸部材42および第2の固定部材52を用いて、第1のコイル20および第2のコイル21の発熱を効率的に、その上下側双方向から放熱することができ、第1のコイル20および第2のコイル21の温度上昇を抑制できる。
[0077]
 上記コイル装置101Aaにおいて、第2の凸部材42は支持体40に固定されていることが好ましい。これにより、第1の凸部材41が支持体40に固定されることにより得られる効果と同様の効果が得られる。すなわち第2の凸部材42に挟まれるラミネートコイル30は、支持体40を含む筐体、すなわち電力変換装置1の全体に対して固定される。このためコアおよびコイルがたとえ固定されても、そのコアおよびコイルの固定されたセットが筐体に対して固定されておらずに、結局筐体との間で振動を起こし損傷するような不具合を抑制することができる。
[0078]
 上記コイル装置101Aaにおいて、第1の凸部材41および第1の固定部材51の少なくともいずれかは、ラミネートコイル30に隣接し接触するよう配置される第1の伝熱部材41aをさらに含む。第2の凸部材42および第2の固定部材52の少なくともいずれかは、ラミネートコイル30に隣接し接触するよう配置される第2の伝熱部材42aをさらに含む。そのような構成であることが好ましい。
[0079]
 第1のコイル20および第2のコイル21に電流が流れ、コイル装置101Aaが動作する際には、上コア10A、下コア10Bにおいてエネルギ損失から発熱が生じる。上コア10Aの発熱は下コア10Bに伝わり、下コア10Bの発熱は支持体40に伝わる。支持体40に伝わった発熱はその下方に放熱される。第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aが挟まれることにより、このような放熱効果が高められる。
[0080]
 さらに第1のコイル20および第2のコイル21に電流が流れることによりこれらにはジュール熱が発生する。第1のコイル20の発熱は絶縁部材32、第2のコイル21、絶縁部材33、第1の伝熱部材41aおよび第1の凸部材41を介して支持体40に伝わりそこから放熱される。第2のコイル21の発熱も上記と同様に、第2の伝熱部材42aを介して支持体40に伝わる。このような伝熱効果は、第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aが挟まれることにより高められる。第1の凸部材41が複数配置されれば、その分だけ放熱可能な個所が多くなるため、より放熱効果が高められる。これにより第1のコイル20および第2のコイル21の温度上昇を抑制できる。たとえば第1の凸部材41および第1の固定部材51の双方が第1の伝熱部材41aを含むような場合は、そのいずれかのみが第1の伝熱部材41aを含む場合に比べていっそう放熱効果が高められる。第2の伝熱部材42aについても同様である。
[0081]
 <変形例>
 図8は、実施の形態1の第2例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。つまりこれは、実施の形態1の第2例のコイル装置についての図7に相当する。図8を参照して、本実施の形態の第2例のコイル装置101Abは大筋でコイル装置101Aaと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。しかしコイル装置101Abにおいては、ラミネートコイル30に3層のコイルが積層されている。具体的には、図8においては、ラミネートコイル30にプレーナコイルとして、第1のコイル20と、第2のコイル21と、第2のコイル25とが積層されている。ラミネートコイル30においては、上層から下層へ、絶縁部材31、第1のコイル20、絶縁部材32、第2のコイル21、絶縁部材33、第2のコイル25、絶縁部材34の順に積層されている。第2のコイル25は第2のコイル21と同様、コイル装置101Abにおける低電圧側巻線である。つまり第2のコイル21と第2のコイル25とは絶縁部材33,34によって電気的に並列に接続される。以上のようにコイル装置101Abにおいては、2つの第2のコイル21,25を有している。
[0082]
 <作用効果>
 このようにコイル装置101Abにおいては、第1のコイルおよび第2のコイルの少なくともいずれかを複数有する構成であってもよい。これによる作用効果は以下の通りである。たとえば図8のように2次側すなわち低電圧側巻線として並列接続された2つの第2のコイル21,25を有することにより、第2のコイル21,25それぞれに流れる電流値を低減することができ、第2のコイルの発熱が抑制される。またラミネートコイル30に第2のコイル21に加えて高い熱伝導率を有する第2のコイル25が追加されることにより、ラミネートコイル30内の温度を均一化できる。さらに、ラミネートコイル30内に高い剛性を有する第2のコイル25が追加されることにより、ラミネートコイル30全体の剛性が増加し、ラミネートコイル30の耐振動性がいっそう向上される。
[0083]
 <その他の変形例>
 以上の実施の形態1の第1例および第2例は、上記の他、以下のように適宜変形されてもよい。以下当該変形例について列挙する。
[0084]
 上記コイル装置101Abにおいては1つの第1のコイル20および2つの第2のコイル21,25を有する構成である。しかしコイル装置には少なくとも1つの第1のコイルと少なくとも1つの第2のコイルとを有していればよい。コイル装置に含まれる第1のコイルおよび第2のコイルの数の組み合わせは任意である。たとえばコイル装置は、2つの第1のコイルおよび1つの第2のコイルを有する構成であってもよい。
[0085]
 一般的には、通電による発熱が大きいコイルを複数層配置しそれらを並列接続することにより、ラミネートコイル30の温度上昇を低減できる。また複数層のコイルであるたとえば第2のコイル21,25が並列接続される代わりに直列接続されてもよい。コイルを直列接続することでターン数を変化できる。またラミネートコイル30における第1のコイルと第2のコイルとの積層される順序も任意である。たとえば上層から下層へ、第2のコイル、第1のコイル、第2のコイルの順に積層されてもよい。さらに積層方向であるZ方向について隣り合う1対のコイルは同電位であってもよいが異なる電位であってもよい。つまりたとえば図2において、第1のコイル20と、第2のコイル21とは異なる電位を有しており、第1のコイル20と、第2のコイル21と、複数のコア10とにより、1つのトランスとしてのコイル装置101Aaが構成されてもよい。以上のように、コイル装置101Abにおけるラミネートコイル30内の第1のコイルおよび第2のコイルの層数、直列または並列の接続方法などの組み合わせは任意である。
[0086]
 さらに、上記コイル装置101Aa,101Abにおけるコア10の個数は、以上においては3個であったが4個以上の任意の数であってもよい。たとえばコイル装置101Aa,101Abに含まれるコア10は、4個であっても5個、6個であってもよい。
[0087]
 また以上においては電力変換装置1のうちのトランスとしてのコイル装置101の構成を示している。しかしこれに限らず、たとえば図2~図7のコイル装置101Aaまたは図8のコイル装置101Abと同様の特徴を有する構成が、電力変換装置1に含まれるコイル装置102,103,104に適用されてもよい。
[0088]
 実施の形態2.
 <コイル装置101の構成>
 図9は、実施の形態2の第1例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略平面図である。図10は、図9のX-X線に沿う部分における、図9のコイル装置の概略断面図である。図9および図10を参照して、本実施の形態の第1例のコイル装置101Baは大筋でコイル装置101Aaと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。しかしコイル装置101Baにおいては、固定部材の平面形状においてコイル装置101Aaと異なっている。
[0089]
 具体的には、コイル装置101Baにおいては、平板形状の第2の固定部材50が、コイル装置101Aaの第2の固定部材52と同様に、ラミネートコイル30および第2の伝熱部材42aを挟んで、その下側の第2の凸部材42または支持体40にネジ80で固定されている。第2の固定部材50は、第2の凸部材42の上のみならず、そこからX方向に延びている。この第2の固定部材50は、第2の凸部材42の上からX方向に枝分かれし、ラミネートコイル30の各コイルおよび絶縁部材の配置位置にほぼ重なる位置に配置されるよう、X方向に延びている。このように第2の凸部材42の上から枝分かれしてX方向に延びる第2の固定部材の部分が第2の固定部材延長部50aとして配置されている。
[0090]
 第2の固定部材延長部50aはX方向に延びるため、コイル装置101Aaにおける第1の固定部材51が配置される位置と同じ位置、すなわち第1の凸部材41の上の領域の一部を通っている。ここでは特にラミネートコイル30にほぼ重なる位置であり、かつ第1の凸部材41の上の領域に第2の固定部材延長部50aが配置される。なおラミネートコイル30の外縁より内側に第2の固定部材延長部50aの外縁が存在するがこれに限らず、両外縁が一致してもよい。この領域の第2の固定部材延長部50aは、コイル装置101Aaの第1の固定部材51と同様に機能し、ラミネートコイル30、第1の伝熱部材41aおよび第1の凸部材41を下方に押圧する。
[0091]
 図9においては、左側の第2の伝熱部材42aの上の第2の固定部材50は、図の下側のラミネートコイル30の領域にほぼ重なるよう第2の固定部材延長部50aがX方向に延びている。また右側の第2の伝熱部材42aの上の第2の固定部材50は、図の上側のラミネートコイル30の領域にほぼ重なるよう第2の固定部材延長部50aが延びている。ただしこれは逆に、左側の第2の固定部材50が図の上側のラミネートコイル30と重なるよう延びてもよい。
[0092]
 第2の固定部材延長部50aを含む第2の固定部材50が樹脂材料で形成される場合は、第1の凸部材41の上の領域において、第1の固定部材としての第2の固定部材延長部50aが、ネジ80でその下方の部材である第1の凸部材41などに固定されてもよい。このようにすればコイル装置101Baの耐振動性を向上できる。また第1の凸部材41の上以外の領域の第2の固定部材延長部50aは、ラミネートコイル30を下方に押圧する。
[0093]
 以上のように、コイル装置101Baにおいては、第1の固定部材としての第2の固定部材延長部50aの一部と、第2の固定部材50とが一体となっている。
[0094]
 <作用効果>
 本実施の形態は基本的に実施の形態1と同様の作用効果を奏するため、同様の作用効果についてはその説明を繰り返さない。次に、本実施の形態の第1例のコイル装置101Baに特有の作用効果について説明する。
[0095]
 コイル装置101Baにおいては、第1の固定部材に相当する第2の固定部材延長部50aと、第2の固定部材50とが一体となっている。この場合においても、両者が別体であるコイル装置101Aaなどと同様に、第1の固定部材と第2部材とが、下側の第1の凸部材41および第2の凸部材42とともに、ラミネートコイル30を接触するように挟み固定する。このためコイル装置101Aaなどと同様に各部材の耐振動性が向上し、振動による破損を抑制する効果が高められる。
[0096]
 またラミネートコイル30と第2の固定部材延長部50aとが密着または接着等によって一体化されている場合、それらの剛性が向上することにより耐振動性が向上する。
[0097]
 <変形例およびその効果>
 図11は、実施の形態2の第2例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略平面図である。図11を参照して、本実施の形態の第2例のコイル装置101Bbは大筋でコイル装置101Aaと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一符号を付しその説明を繰り返さない。しかしコイル装置101Bbにおいては、固定部材の平面形状においてコイル装置101Aaと異なっている。なお図を見やすくするため、以降の各平面図において、コア10は外枠のみ示している。
[0098]
 具体的には、コイル装置101Bbにおいては、第1の固定部材51はコイル装置101Aaと同様に第1の凸部材41の上に配置され、第2の固定部材52はコイル装置101Aaと同様に第2の凸部材42の上に配置される。ただしコイル装置101Bbでは、第1の固定部材51は第1の凸部材41の上のみならず、そこからX方向に延びている。また第2の固定部材52は第2の凸部材42の上のみならず、そこからX方向に延びている。
[0099]
 第1の固定部材51は、第1の凸部材41の上からX方向に枝分かれし、ラミネートコイル30の各コイルおよび絶縁部材の配置位置にほぼ重なる位置に配置されるよう、X方向に延びている。この第1の凸部材41の上から枝分かれしてX方向に延びる第1の固定部材の部分が第1の固定部材延長部51aとして配置されている。第2の固定部材52は、第2の凸部材42の上からX方向に枝分かれし、ラミネートコイル30の各コイルおよび絶縁部材の配置位置にほぼ重なる位置に配置されるよう、X方向に延びている。この第2の凸部材42の上から枝分かれしてX方向に延びる第2の固定部材の部分が第2の固定部材延長部52aとして配置されている。
[0100]
 第1の固定部材延長部51aおよび第2の固定部材延長部52aは、他の第1の固定部材51または他の第2の固定部材52と交わらないように分断されている。このため図11における2つの第1の固定部材51のうち左側のものは、ラミネートコイル30の左上の領域において第1の固定部材延長部51aを有している。図11での2つの第1の固定部材51のうち右側のものは、ラミネートコイル30の右下の領域において第1の固定部材延長部51aを有している。図11での2つの第2の固定部材52のうち左側のものは、ラミネートコイル30の左下の領域において第2の固定部材延長部52aを有している。図11での2つの第2の固定部材52のうち右側のものは、ラミネートコイル30の右上の領域において第2の固定部材延長部52aを有している。第1の固定部材延長部51aおよび第2の固定部材延長部52aはラミネートコイル30を下方に押圧する。
[0101]
 このように、2つの第1の固定部材51および2つの第2の固定部材52を有し、それぞれが互いに接触しないよう、分割されている。これにより、図11の左側の第1の固定部材51は、図11の下側にて、第1の固定部材延長部51aおよび第2の固定部材延長部52aと間隔をあけて挟まれている。図11の右側の第1の固定部材51は、図11の上側にて、第1の固定部材延長部51aおよび第2の固定部材延長部52aと間隔をあけて挟まれている。図11の左側の第2の固定部材52は図の上側にて第1の固定部材延長部51aと間隔をあけて隣り合う。図11の右側の第2の固定部材52は図の下側にて第1の固定部材延長部51aと間隔をあけて隣り合う。図11の平面視において、2つの第1の固定部材51および2つの第2の固定部材52はその中央の点に関して互いに点対称となるように配置されている。一例としてこのような構成であってもよい。
[0102]
 コイル装置101Bbに特有の作用効果は以下の通りである。第1の固定部材51が第1の固定部材延長部51aを有し、第2の固定部材52が第2の固定部材延長部52aを有し、それぞれが互いに接触せず間隔をあけるよう分割されている。これにより、それぞれの第1の固定部材延長部51aおよび第2の固定部材延長部52aの延在方向の長さを短くできる。したがって、各固定部材延長部がラミネートコイル30を下方に押圧する際にラミネートコイル30および第1の伝熱部材41aなどから反力を受けることによる変形量を小さくできる。このことから、いっそう確実にラミネートコイル30を固定部材および凸部材に挟まれるよう固定することができる。
[0103]
 さらに、第1の固定部材延長部51aが短くなることにより、第1の固定部材延長部51aの先端部からこれを固定するネジ80または第1の凸部材41までの距離が短くなる。第2の固定部材延長部52aが短くなることにより、第2の固定部材延長部52aの先端部からこれを固定するネジ80または第2の凸部材42までの距離が短くなる。したがって第1の固定部材延長部51aの先端から第1の凸部材41および支持体40までの熱抵抗が小さくなり、第1のコイル20および第2のコイル21の放熱性が向上する。第2の固定部材延長部52aについても上記第1の固定部材延長部51aと同様の効果を奏する。
[0104]
 図12は、実施の形態2の第3例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略平面図である。図12を参照して、本実施の形態の第3例のコイル装置101Bcは大筋でコイル装置101Bbと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一符号を付し内容重複部分の説明を繰り返さない。ただしコイル装置101Bcにおいては、第1の固定部材延長部51aおよび第2の固定部材延長部52aの延び方においてコイル装置101Bbと異なっている。
[0105]
 具体的には、それぞれの第1の固定部材51の第1の固定部材延長部51aは、図12におけるラミネートコイル30の上側および下側の領域の双方に重なるように延びている。同様に、それぞれの第2の固定部材52の第2の固定部材延長部52aは、図12におけるラミネートコイル30の上側および下側の領域の双方に重なるように延びている。各第1の固定部材延長部51aおよび第2の固定部材延長部52aは、左右方向の中央に関して左右対称となるように長さが揃えられている。図12の平面視において、2つの第1の固定部材51および2つの第2の固定部材52はその左右方向の中央を縦に延びる直線に関して互いに線対称となるように配置されている。また第1の固定部材51の左側に延びる第1の固定部材延長部51aと右側に延びる第1の固定部材延長部51aとの延びる長さも等しくなっている。第2の固定部材延長部52aについても上記と同様である。一例としてこのような構成であってもよく、図11と同様の作用効果を奏する。
[0106]
 実施の形態3.
 <コイル装置101の構成>
 図13は、実施の形態3の第1例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略平面図である。図14は、図13のXIV-XIV線に沿う部分における、図13のコイル装置の概略断面図である。図13および図14を参照して、本実施の形態の第1例のコイル装置101Caは大筋でコイル装置101Aaと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。しかしコイル装置101Caにおいては、コア10の上に配置されるコア固定部材70をさらに含む。つまりコイル装置101Caはたとえばコア10の真上に配置されるコア固定部材70をさらに含む。この点において、コイル装置101Aaと異なっている。
[0107]
 コイル装置101Caのコア固定部材70は、第3の伝熱部材70aを介して、コア10の特に上コア10Aの最上面に接触している。コイル装置101Caにおいては、上コア10Aの最上面の全面に接触するよう第3の伝熱部材70aが配置される。さらに第3の伝熱部材70aの全面に接触するよう、すなわち上コア10Aの全体において平面視にて重なるよう、コア固定部材70が配置されている。
[0108]
 コア固定部材70は、図示されないが実際には支持体40または第1の凸部材41に、ネジなどにより固定されている。これによりコア固定部材70は、上コア10Aおよび下コア10Bを下方に押圧する。
[0109]
 コア固定部材70は支持体40および第1の固定部材51、第2の固定部材52と同一材料および同一工程で形成されることが好ましい。しかしコア固定部材70は支持体40および第1の固定部材51、第2の固定部材52とは異なる材料および/または異なる工程で形成されてもよい。第3の伝熱部材70aは第1の伝熱部材41aおよび第2の伝熱部材42aと同一材料から形成されていることが好ましいが、異なる材料でもよい。
[0110]
 <作用効果>
 コイル装置101Caに特有の作用効果は以下の通りである。コア固定部材70により、上コア10Aおよび下コア10Bは下方に押圧される。したがってコア固定部材70は、コア10の上コア10Aおよび下コア10Bを、確実に支持体40の面上に固定されるよう載置できる。
[0111]
 次に、上コア10Aは上方から直接下方へ押さえつけらえることなく、コア固定部材70を介するように上方から押さえ付けられる。したがって上方から上コア10Aが受ける力は、上コア10Aの表面の全体から、コア固定部材70により加えられる。このため上コア10Aに上方から加わる荷重が、少なくとも上コア10Aのうちコア固定部材70が重なる領域であるたとえば上コア10Aの上面の全体から受けるものとなるよう、分散することができる。つまり上コア10Aの表面の一部の領域のみに下向きの荷重が集中することによる上コア10Aの破損を抑制できる。
[0112]
 コア固定部材70は第3の伝熱部材70aを介してコア10に接触する。これによりコア固定部材70には主にコア10の発熱が伝わるため、コア10の温度上昇を抑制できる。さらに図示されないが上記のように、コア固定部材70は支持体40または第1の凸部材41に固定されている。このため上コア10Aからコア固定部材70に伝わった熱は、そこから上方へ放熱することもできるが、支持体40からコイル装置101Caの下側へ放熱することもできる。このように上下双方から放熱できるため、コイル装置101Caの放熱性がいっそう高められる。言い換えれば上コア10Aの温度上昇が低減できる。
[0113]
 <変形例およびその効果>
 図15は、実施の形態3の第2例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。つまりこれは、実施の形態3の第2例のコイル装置についての図14に相当する。なおこれ以降の各図においては、各コイル装置の図14および図15と同位置での、図14および図15と同様の断面図のみが示される。
[0114]
 図15を参照して、本実施の形態の第2例のコイル装置101Cbは大筋でコイル装置101Caと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付し内容重複部分の説明を繰り返さない。ただしコイル装置101Cbにおいては複数、たとえば3つ並ぶコア10のそれぞれの上コア10Aの上のコア固定部材70が一体となるように繋がっている。この点においてここでのコア固定部材70は、個々のコア10ごとに別体としてコア固定部材70が配置されるコイル装置101Caと異なっている。
[0115]
 このようにすれば、単一のコア固定部材70が、複数の上コア10Aを同時に下方に押圧する。これによりコア固定部材70の内部では、コア10から伝わった熱が均熱化される。したがってコア10から上方に放熱された熱の行く先であるコア固定部材70は、複数のコア10のそれぞれの温度上昇を均一化できる。またコア固定部材70には主にコア10の発熱が伝わるため、コア10の温度上昇を抑制できる。
[0116]
 実施の形態4.
 <コイル装置101の構成>
 図16は、実施の形態4の第1例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。図16を参照して、本実施の形態の第1例のコイル装置101Daは大筋でコイル装置101Caと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。しかしコイル装置101Daにおいては、コア10の上に配置されるコア固定部材70が、平面部70gと周辺部70d,70eとをさらに有する。この点においてコイル装置101Daは、コア固定部材70が単にコア10の上に配置される部分のみからなるコイル装置101Caと異なっている。
[0117]
 コア固定部材70のうち平面部70gは、コイル装置101Caでのコア固定部材70に相当する、これと同様の態様である領域である。すなわち平面部70gは、コア固定部材70のうちコア10の上に配置され上コア10Aの最上面と平面的に重なり、第3の伝熱部材70aに接触する、コア10の上部としての領域である。平面部70gは、XY平面に沿うように拡がっている。第3の伝熱部材70aを介して上コア10Aを支持体40側すなわちZ方向下側へ押圧する。
[0118]
 コア固定部材70のうち周辺部70dは、平面視にて上コア10Aと重なる領域の外側の領域であり、特に第1の凸部材41の上に配置される、第1の凸部材41の上部としての領域である。周辺部70dは平面部70gのX方向の端部にて屈曲し、そこから支持体40側に向けてZ方向に沿って延びている。このため周辺部70dは平面部70gに対して連なっている。周辺部70dの先端部はラミネートコイル30の最上面であるたとえば絶縁部材31(図7参照)の最上面に接触している。すなわち周辺部70dは、たとえば実施の形態1での第1の固定部材51に相当する。
[0119]
 コア固定部材70のうち周辺部70eは、平面視にて上コア10Aと重なる領域の外側の領域であり、特に第2の凸部材42の上に配置される、第2の凸部材42の上部としての領域である。周辺部70dは平面部70gのX方向の端部にて屈曲し、そこから支持体40側に向けてZ方向に沿って延びている。このため周辺部70eは平面部70gに対して連なっている。周辺部70eの先端部はラミネートコイル30の最上面であるたとえば絶縁部材31(図7参照)の最上面に接触している。すなわち周辺部70eは、たとえば実施の形態1での第2の固定部材52に相当する。
[0120]
 すなわちコイル装置101Daにおいては、コイル装置101Aaなどにおける第1の固定部材51および第2の固定部材52を有さない。その代わりにコイル装置101Daにおいては、コア固定部材70の一部である周辺部70dが第1の固定部材51に相当し、コア固定部材70の一部である周辺部70eが第2の固定部材52に相当する。したがって周辺部70dはコイル装置101Aaなどの第1の固定部材51と同様に機能し、周辺部70eはコイル装置101Aaなどの第2の固定部材52と同様に機能する。そして平面部70gはコイル装置101Caなどのコア固定部材70と同様に機能する。つまり周辺部70dは第1の固定部材として、ラミネートコイル30をZ方向下側の支持体40側に押圧できる。周辺部70eは第2の固定部材として、ラミネートコイル30をZ方向下側の支持体40側に押圧できる。したがってコア固定部材70は支持体40および第1の固定部材51、第2の固定部材52と同一材料および同一工程で形成されることが好ましい。
[0121]
 周辺部70dと周辺部70eとはいずれも同一のコア固定部材70の一部である。このためコイル装置101Daにおいてもたとえばコイル装置101Baと同様に、第1の固定部材と第2の固定部材とは一体になっている。
[0122]
 以上によりコイル装置101Daにおいては、コア固定部材70は、コア10の上部としての平面部70gから第1の凸部材41の上部としての周辺部70dおよび第2の凸部材42の上部としての周辺部70eにまで延びている。コア固定部材70の一部の領域すなわち第1の凸部材41の上の周辺部70dは第1の固定部材として配置され第1の固定部材と同様に機能する。コア固定部材70の他の一部の領域すなわち第2の凸部材42の上の周辺部70eは第2の固定部材として配置され第2の固定部材と同様に機能する。
[0123]
 なお図16においては、周辺部70dは第1の凸部材41の平面視における一部の領域のみに重なり、その一部の領域のみにて第1の凸部材41とともにラミネートコイル30を挟み固定している。同様に図16においては、周辺部70eは第2の凸部材42の平面視における一部の領域のみに重なり、その一部の領域のみにて第2の凸部材42とともにラミネートコイル30を挟み固定している。周辺部70d,70eはなるべく広い面積にてラミネートコイル30に接触しこれを挟むことが好ましいが、図16のように一部の領域のみにて第1の凸部材41および第2の凸部材42と重なりこれらとともにラミネートコイル30を挟む構成であってもよい。
[0124]
 <作用効果>
 コイル装置101Daはコイル装置101Ca,101Cbと同様の作用効果を奏するが、さらに以下の作用効果を奏する。次に、本実施の形態の第1例のコイル装置101Daに特有の作用効果について説明する。コイル装置101Daにおいては、コア固定部材70は、コア10の上部としての平面部70gから、第1の凸部材41の上部としてのたとえば周辺部70dおよび第2の凸部材42の上部としてのたとえば周辺部70eの少なくともいずれかにまで延びる。これにより、コア固定部材70の一部の領域は第1の固定部材および第2の固定部材の少なくともいずれかとして配置されている。
[0125]
 このような構成を有するため、コア固定部材70の一部を第1の固定部材および第2の固定部材として用いることができる。したがって独立した部材として第1の固定部材および第2の固定部材を設ける必要がなくなり、コア固定部材70を有効利用できる。これによってもコア固定部材70の一部の第1の固定部材および第2の固定部材としての周辺部70d,70eにより、上記他の実施の形態と同様に、挟み込み固定および押圧の効果が得られる。また上記他の実施の形態と同様に、周辺部70d,70eがラミネートコイル30に接触することにより、ラミネートコイル30からの放熱効果が得られる。また本実施の形態においても、伝熱部材による放熱効果も得られる。
[0126]
 <変形例およびその効果>
 図17は、実施の形態4の第2例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。図18は、実施の形態4の第3例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。図17を参照して、本実施の形態の第2例のコイル装置101Dbは大筋でコイル装置101Daと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付し内容重複部分の説明を繰り返さない。ただしコイル装置101Dbにおいては図15と同様に、複数、たとえば3つ並ぶコア10のそれぞれの上コア10Aの上のコア固定部材70が一体となるように繋がっている。すなわち周辺部70dおよび周辺部70eは、いずれもZ方向に延びる部分に加え、ラミネートコイル30に接触しながらXY平面に沿って拡がる部分を有する。なお周辺部70eは、複数集合するコア10全体のX方向の外側に配置されるコア固定部材70の部分の図17での全体をさす。つまり周辺部70eは、第2の凸部材42の真上に限られない。周辺部70eは、第2の凸部材42と重ならずZ方向に延びる部分を含む。この点においてここでのコア固定部材70は、個々のコア10ごとに別体としてコア固定部材70が配置され、周辺部70d,70eはZ方向に延びる部分のみからなるコイル装置101Daと異なっている。コイル装置101Dbにおいてもコイル装置101Daおよびコイル装置101Cbと同様の効果が得られる。
[0127]
 図18を参照して、当該コイル装置101Dcはコイル装置101Dbと大筋で同様の構成であるが、第1の凸部材41のX方向の幅がコイル装置101Dbよりも狭い。このため周辺部70dがXY平面に沿って拡がる部分を有さず、Z方向に延びる部分のみを有している。Z方向に延びる部分のみからなる周辺部70dは、少なくともX方向について、第1の凸部材41と平面的に重なる領域のほぼ全体に重なるよう配置される。
[0128]
 周辺部70dの形状は、図17の態様であってもよいし、図18の態様であってもよい。また図示されないが、周辺部70eについても、第2の凸部材42の形状等に応じて適宜態様が変更されてもよい。
[0129]
 図19は、実施の形態4の第4例に係るトランスとしてのコイル装置の構成を示す概略断面図である。図19を参照して、本実施の形態の第4例のコイル装置101Ddは大筋でコイル装置101Dbと同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付し内容重複部分の説明を繰り返さない。ただしコイル装置101Ddにおいてはコア固定部材70に加えコア固定部材71を含んでいる点において、コイル装置101Dbと異なっている。
[0130]
 コア固定部材71はコア固定部材70と同一材料により形成される。コア固定部材71は、コア10の真下に配置される領域を含んでいる。コア固定部材71は、ラミネートコイル30に対して、コア固定部材70とほぼ線対称となるように配置されている。すなわちコア固定部材71はコア固定部材70と同様に、平面部71gと、周辺部71d,71eとを有しており、これらが一体となるよう繋がっている。平面部71gは平面部70gと、周辺部71dは周辺部70dと、周辺部71eは周辺部70eと、それぞれ平面視にて重なる領域である。このため平面部71gは平面部70gと、周辺部71dは周辺部70dと、周辺部71eは周辺部70eと、それぞれ平面視にて重なるようにほぼ同一形状を有している。平面部71gは下コア10Bの下面に重なるように配置されている。
[0131]
 コア10と重なる領域の外側であり周辺部70dと重なる周辺部71dは、周辺部70dと同様に、Z方向に延びる部分と、XY平面に沿って拡がる部分とを有している。周辺部のうちZ方向に延びる部分は支持体40の上面にたとえば固定されるように接触している。このため周辺部71dはコイル装置101Aaなどにおける第1の凸部材41に相当する。同様にコア10と重なる領域の外側であり周辺部70eと重なる周辺部71eは、周辺部70eと同様に、Z方向に延びる部分と、XY平面に沿って拡がる部分とを有している。周辺部のうちZ方向に延びる部分は支持体40の上面にたとえば固定されるように接触している。このため周辺部71eはコイル装置101Aaなどにおける第2の凸部材42に相当する。したがって周辺部71dはコイル装置101Aaなどの第1の凸部材41と同様に機能し、周辺部71eはコイル装置101Aaなどにおける第2の凸部材42と同様に機能する。
[0132]
 周辺部71dのXY平面に沿って拡がる部分は、第1の伝熱部材41aを介して、ラミネートコイル30に接触している。ここでも第1の伝熱部材41aを第1の凸部材すなわち周辺部71dの一部と考えてもよい。
[0133]
 周辺部71eのXY平面に沿って拡がる部分は、第2の伝熱部材42aを介して、ラミネートコイル30に接触している。ここでも第2の伝熱部材42aを第2の凸部材すなわち周辺部71eの一部と考えてもよい。
[0134]
 コイル装置101Ddはコイル装置101Dbと同様の作用効果を奏することができる。すなわちコア固定部材71が、コア10の真下の平面部71gから周辺部70dの真下の周辺部71dおよび周辺部70eの真下の周辺部71eにまで延びる。周辺部71dは支持体40の上面上に接触しながらZ方向に延びる第1の凸部材として配置され、周辺部71eは支持体40の上面上に接触しながらZ方向に延びる第2の凸部材として配置される。このため第1の凸部材と第2の凸部材とが一体のコア固定部材71となっている。
[0135]
 このような構成を有するため、コア固定部材71の一部を第1の凸部材および第2の凸部材として用いることができる。したがって独立した部材として第1の凸部材および第2の凸部材を設ける必要がなくなり、コア固定部材71を有効利用できる。これによってもコア固定部材71の一部の第1の凸部材および第2の凸部材としての周辺部71d,71eにより、上記他の実施の形態と同様に、挟み込み固定および押圧の効果が得られる。また上記他の実施の形態と同様に、周辺部71d,71eがラミネートコイル30に接触することにより、ラミネートコイル30からの放熱効果が得られる。また本実施の形態においても、伝熱部材による放熱効果も得られる。
[0136]
 以上に述べた各実施の形態(に含まれる各例)に記載した特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。
[0137]
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

符号の説明

[0138]
 1 電力変換装置、2 インバータ回路、3 トランス回路、4 整流回路、5 平滑回路、6 制御回路、7a,7b,7c,7d スイッチング素子、9a,9b コンデンサ、10 コア、10A 上コア、10B 下コア、10C,41C,42C 空隙部、10E 被巻回部、20 第1のコイル、21 第2のコイル、22A,22B,23A,23B 接続部材、31,32,33 絶縁部材、40 支持体、41 第1の凸部材、41a 第1の伝熱部材、42 第2の凸部材、42a 第2の伝熱部材、43 支持体凸部、50,52 第2の固定部材、50a,52a 第2の固定部材延長部、51 第1の固定部材、51a 第1の固定部材延長部、70,71 コア固定部材、70a 第3の伝熱部材、70d,70e 周辺部、70g 平面部、80 ネジ、101,101Aa,101Ab,101Ba,101Bb,101Bc,101Ca,101Cb,101Da,101Db,101Dc,102,103,104 コイル装置、110 入力端子、111 出力端子。

請求の範囲

[請求項1]
 コイル装置を備える電力変換装置であって、前記コイル装置は、
 支持体と、
 前記支持体の面上にてプレーナコイルが複数積層されたラミネートコイルと、
 前記支持体の面上にて前記ラミネートコイルに巻回される部分を含み前記プレーナコイルの長手方向に互いに間隔をあけて複数並ぶコアと、
 前記長手方向についての互いに隣り合う1対のコアの間に配置され前記支持体に固定されている第1の凸部材と、
 前記第1の凸部材の上に配置される第1の固定部材とを含み、
 前記ラミネートコイルは、第1の面が前記第1の凸部材に接触し前記第1の面と反対側の第2の面が前記第1の固定部材に接触するように、前記第1の固定部材と前記第1の凸部材とに挟まれ固定される、電力変換装置。
[請求項2]
 前記長手方向には3つ以上の前記コアが並び、
 前記1対のコアの間に配置される前記第1の凸部材を複数含む、請求項1に記載の電力変換装置。
[請求項3]
 前記長手方向についての前記複数のコアの外側に配置される第2の凸部材と、
 前記第2の凸部材の上に配置される第2の固定部材とをさらに含み、
 前記ラミネートコイルは、前記第1の面が前記第2の凸部材に接触し前記第2の面が前記第2の固定部材に接触するように、前記第2の固定部材と前記第2の凸部材とに挟まれ固定される、請求項1または2に記載の電力変換装置。
[請求項4]
 前記第2の凸部材は前記支持体に固定されている、請求項3に記載の電力変換装置。
[請求項5]
 前記第1の凸部材および前記第1の固定部材の少なくともいずれかは、前記ラミネートコイルに隣接し接触するよう配置される第1の伝熱部材をさらに含み、
 前記第2の凸部材および前記第2の固定部材の少なくともいずれかは、前記ラミネートコイルに隣接し接触するよう配置される第2の伝熱部材をさらに含む、請求項3または4に記載の電力変換装置。
[請求項6]
 前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とは一体となっている、請求項3~5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
[請求項7]
 前記第1の凸部材と前記第2の凸部材とは一体となっている、請求項3~6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
[請求項8]
 前記コアの上に配置されるコア固定部材をさらに含む、請求項3~7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
[請求項9]
 前記コア固定部材は第3の伝熱部材を介して前記コアに接触する、請求項8に記載の電力変換装置。
[請求項10]
 前記コア固定部材は、前記コアの上部から前記第1の凸部材の上部および前記第2の凸部材の上部の少なくともいずれかまで延びており、前記コア固定部材の一部の領域は前記第1の固定部材および前記第2の固定部材の少なくともいずれかとして配置されている、請求項8または9に記載の電力変換装置。
[請求項11]
 前記ラミネートコイルは、前記プレーナコイルとして、第1のコイルと、第2のコイルとを有しており、
 前記ラミネートコイルにおいては、前記第1のコイルと、前記第2のコイルとの間に絶縁部材を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
[請求項12]
 前記第1のコイルと、前記第2のコイルとは異なる電位を有しており、
 前記第1のコイルと、前記第2のコイルと、前記複数のコアとにより、1つのトランスが構成される、請求項11に記載の電力変換装置。
[請求項13]
 前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの少なくともいずれかを複数有する、請求項11または12に記載の電力変換装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]