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1. WO2020202772 - 車両用制御装置

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明 細 書

発明の名称 車両用制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060  

符号の説明

0061  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 車両用制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、車両用制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年、環境負荷低減の観点から、トラック等の商用車の分野においても内燃機関を備えることなく電動モータのみによって駆動する車両の開発が行われている。このような車両においては、バッテリ容量を大容量化して航続距離を確保するために、複数のバッテリパックを並列接続したバッテリモジュールを搭載することが提案されている。
[0003]
 複数のバッテリパックからなるバッテリモジュールは、劣化度合や自然放電率の差などに起因して、バッテリパック間で充電量(SOC:State Of charge)に伴う電圧のばらつきが発生することがある。そして、バッテリモジュールは、バッテリパック間に所定値以上の電圧のばらつきが発生している場合には、全てのバッテリパックのコンタクタを閉状態とすることができない状況が発生し得る。
[0004]
 上記のようなバッテリモジュールを搭載する車両では、走行開始時におけるバッテリパック間の電圧に所定値以上のばらつきが発生している場合には、電圧が最も高いバッテリパックから使用を開始し、使用中のバッテリパックの電圧値と他のバッテリパックの電圧値との差が所定値未満となった場合に、これらのバッテリパックのコンタクタを共に閉状態とすることが考えられる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2018-107922号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、使用中のバッテリパックの放電期間には各コンタクタを制御することができないため、当該放電期間において各バッテリパックの電圧値の大小関係が逆転し且つその電圧差が所定値以上に達した場合には、やはりコンタクタを共に閉状態とすることができなくなってしまう。すなわち、走行開始時において使用されなかったバッテリパックは、コンタクタを閉制御するタイミングを逸することによりその後も使用されないままとなる。このような場合においては、車両は、搭載する全てのバッテリパックの電力容量を使い切ることができず、航続可能距離が制約される虞が生じる。
[0007]
 本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の航続可能距離を確保することができる車両用制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明に係る車両用制御装置は、互いに並列に接続される複数のバッテリパックと、前記バッテリパックから電力供給される駆動用モータと、を備える車両を制御する車両用制御装置であって、複数の前記バッテリパックのそれぞれの電圧値を取得する電圧情報取得部と、前記車両のアクセルペダルがオン状態からオフ状態となった場合に、前記電圧情報取得部が取得した電圧値に基づいて、前記車両の駆動に使用されている使用中バッテリパックと、前記車両の駆動に使用していない前記バッテリパックのうち最も電圧値が高い待機中バッテリパックとの電圧値を比較する電圧値比較部と、前記電圧値比較部による比較に基づいて、複数の前記バッテリパックのうち前記車両の駆動用に放電が許可される駆動用バッテリパックを選択する選択部と、を含み、前記選択部は、前記使用中バッテリパックと前記待機中バッテリパックとの電圧差が所定値未満である場合には、前記使用中バッテリパックと前記待機中バッテリパックとを共に駆動用バッテリパックに選択する。
 また、本発明に係る車両用制御装置において、前記選択部は、前記使用中バッテリパックと前記待機中バッテリパックとの電圧差が前記所定値以上であり、かつ、前記待機中バッテリパックの電圧値が前記使用中バッテリパックの電圧値よりも高い場合には、前記待機中バッテリパックのみを駆動用バッテリパックに選択してもよい。
 また、本発明に係る車両用制御装置において、前記選択部は、前記使用中バッテリパックと前記待機中バッテリパックとの電圧差が前記所定値以上であり、かつ、前記使用中バッテリパックの電圧値が前記待機中バッテリパックの電圧値よりも高い場合には、前記使用中バッテリパックのみを継続的に駆動用バッテリパックに選択してもよい。
[0009]
 車両用制御装置は、車両のアクセルペダルがオフ状態となるタイミングにおいて、並列接続される複数のバッテリパックの電圧値を比較し、電圧差が所定値以上である場合には、電圧値が最も高いバッテリパックを駆動用バッテリパックとして選択する。また、車両用制御装置は、当該電圧差が所定値未満である場合には、各バッテリパックを駆動用バッテリパックとして選択しそれぞれのコンタクタを閉制御することで、各バッテリパックを同時に使用して車両を走行させる。
[0010]
 これにより、本発明に係る車両用制御装置によれば、走行開始時において使用されなかったバッテリパックが、車両の走行の過程においてコンタクタを閉制御できずに未使用のまま取り残される可能性を低減できることから、車両の航続可能距離を確保することができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本発明に係る車両用制御装置を備える車両のシステム構成図である。
[図2] 本発明に係る車両用制御装置が実行するバッテリ制御のフローチャートである。
[図3] 本発明に係る車両用制御装置の入出力信号の一例を示すタイミングチャートである。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施の形態の説明に用いる図面は、いずれも構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。
[0013]
 図1は、本発明に係る車両用制御装置を備える車両1のシステム構成図である。車両1は、走行駆動源としての駆動用モータ2を備える電気自動車のトラック(すなわち、電気トラック)である。尚、車両1は、トラックタイプに限定されることなく、走行駆動源としてのモータを備えていれば、一般的な乗用自動車、バス、及びその他の自動車のタイプであってもよい。
[0014]
 また、本実施形態に係る車両1は、駆動用モータ2、プロペラシャフト3、差動装置4、駆動軸5、駆動輪6、インバータ10、PDU11、バッテリモジュール20、高電圧補機類30、アクセルペダル40、ブレーキペダル50、及び「車両用制御装置」としてのVCU60を備える。尚、車両1は、上記した構成以外にも、従来の電動トラックが備えるコンポーネントを適宜備えている。
[0015]
 駆動用モータ2は例えば永久磁石式同期電動機のように発電機としても作動可能な電動機である。駆動用モータ2の出力軸はプロペラシャフト3を介して差動装置4が連結され、差動装置4には駆動軸5を介して左右の駆動輪6が連結されている。また、駆動用モータ2は、インバータ10及びPDU11を介してバッテリモジュール20及び高電圧補機類30に接続されている。尚、図示はされないが、駆動用モータ2はプロペラシャフト3を介さず、減速機等のギアボックスを介して差動装置4に連結されていてもよい。
[0016]
 そして、バッテリモジュール20からPDU11を介して出力される直流電力は、インバータ10により交流電力に変換されて駆動用モータ2に供給され、駆動用モータ2が発生させた駆動力は駆動輪6に伝達されて車両1を走行させる。また、例えば車両1の減速時や降坂路での走行時(回生走行時)には、駆動輪6側からの逆駆動により駆動用モータ2が発電機として機能してもよい(回生運転)。この場合には、駆動用モータ2が発生させた負側の駆動力は制動力として駆動輪6側に伝達されると共に、駆動用モータ2が発電させた交流電力がインバータ10で直流電力に変換されて、PDU11を介してバッテリモジュール20に充電される。
[0017]
 ここで、PDU11は、車両1に搭載された各種電気機器と接続される配電ユニット(Power Distribution Unit)であり、バッテリモジュール20から供給される高電圧の電力を駆動用モータ2や高電圧補機類30に対して分配する。尚、PDU11は、DC-DCコンバータを介して低電圧バッテリ(いずれも図示せず)が接続されていてもよく、これにより例えば後述するVCU60等の低電圧で駆動する装置に対しても適切な電力供給が可能になる。
[0018]
 バッテリモジュール20は、互いに並列に接続される「複数のバッテリパック」としての第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22、並びにそれぞれのバッテリパックとPDU11との間に介在する第1コンタクタC1及び第2コンタクタC2を備える。第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22は、主に車両1を走行させるためのエネルギー源として電力を供給する二次電池であり、例えばリチウムイオン電池である。
[0019]
 ここで、バッテリモジュール20に含まれるバッテリパックの数は、複数であればその個数は問わず、車両1に必要な電力容量等に基づき適宜変更されてもよい。また、第1コンタクタC1及び第2コンタクタC2は、開閉制御されることにより、第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22のそれぞれからPDU11への電力の供給及び遮断を制御することができる。
[0020]
 高電圧補機類30は、例えばエアコンやパワーステアリング装置等の電気機器であり、PDU11を介して高圧電力が供給されることで動作する。
[0021]
 アクセルペダル40及びブレーキペダル50は、車両1の運転席に設けられ、ドライバが加速操作及び減速操作をそれぞれ行うための操作機構であり、その操作情報がVCU60に出力される。
[0022]
 VCU60は、入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM、RAMなど)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタなど(いずれも図示せず)を備え、車両1に搭載される各種コンポーネントの状態監視及び制御を行うことによって車両1の全体を統括制御するための車両制御ユニット(Vehicle Control Unit)である。そして、特に本実施形態に係るVCU60は、詳細を後述するように、電圧情報取得部61、電圧値比較部62、及び選択部63を含む。
[0023]
 電圧情報取得部61は、バッテリモジュール20に含まれる全てのバッテリパック、すなわち、本実施形態においては、第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22のそれぞれの電圧値を取得する。
[0024]
 電圧値比較部62は、電圧情報取得部61が取得した各バッテリパックの電圧値を比較することにより、各電圧値の大小関係に加え、両者の電圧差が所定値V 未満であるか否かを判定する。そして、両者の電圧差が所定値V 未満である場合には、電圧値比較部62は、両者の電圧が略同一であると見做して、双方のコンタクタを閉じることができると判定する。
[0025]
 ここで、所定値V とは、第1バッテリパック21と第2バッテリパック22とを並列に接続した場合であっても十分に安全性が確保できるような電圧差として予め設定される閾値である。
[0026]
 また、電圧値比較部62は、いずれかのコンタクタが開いている状態において、車両1の駆動に使用されているバッテリパックを使用中バッテリパックとし、車両1の駆動に使用していないバッテリパックのうち最も電圧値が高いバッテリパックを待機中バッテリパックとした場合、車両1のアクセルペダル40がオン状態からオフ状態となったタイミングで両者の電圧値を比較する。
[0027]
 選択部63は、電圧値比較部62による比較に基づいて、複数のバッテリパックのうち車両1の駆動用に放電が許可される駆動用バッテリパックを選択する。すなわち、選択部63は、全てのバッテリパックのコンタクタを同時に閉状態にすることができない場合において、詳細を後述するように、車両1の走行に必要な電力をどのバッテリパックから出力させるかを状況に応じて選択する。
[0028]
 この他、VCU60は、例えば、アクセルペダル40及びブレーキペダル50を介したドライバの運転操作に基づいて、PDU11を介したコンポーネント間の電力のやり取りを管理すると共に、インバータ10を介して駆動用モータ2の回転速度を制御する等、従来の車両用制御装置による一般的な制御を行うことができる。
[0029]
 ところで、車両1のイグニションスイッチ(図示せず)がOFFの状態においては、高電圧バッテリに対する安全上の観点から、第1コンタクタC1及び第2コンタクタC2が閉状態に制御されている。
[0030]
 そして、イグニションスイッチがOFFからONに切り替えられる場合においては、VCU60は、バッテリモジュール20に含まれる全てのバッテリパックの電圧差が所定値V であることを条件として、全てのコンタクタを閉じる制御を行う。これにより、車両1は、第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22の電力を共に使用して走行することができる。
[0031]
 また、VCU60は、第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22の電圧差が所定値V 以上である場合には、より電圧が高い方のバッテリパックのコンタクタを閉じる制御を行う。これにより、車両1は、全てのコンタクタを同時に閉状態にすることができない場合であっても、充電量(SOC:State Of charge)の高いバッテリパックを使用して走行を開始することができる。
[0032]
 ただし、閉状態のコンタクタで電気的に切り離されたバッテリパックは、条件によっては、イグニションスイッチを一旦OFFにし、再びONにする制御を行わない限り駆動用バッテリパックとして選択されない状況が生じ得る。例えば、比較的なだらかな登坂路からなる高速道路を走行する場合、ドライバは比較的長時間の間、アクセルペダル40をオン状態に維持する。このような場合は、使用中バッテリパックの充電量が継続的に低下することにより、待機中バッテリパックの充電量よりも低くなる虞がある。このような場合、バッテリパック間の電圧差が所定値V 以上である場合には、車両の走行の過程において待機中バッテリパックのコンタクタを閉制御できず、待機中バッテリパックが未使用のまま取り残されることとなる。そこで、本発明に係るVCU60は、以下に説明する手順に従って駆動用バッテリパックを選択することで、使用されないバッテリパックが生じる虞を低減する。
[0033]
 図2は、本発明に係る車両用制御装置が実行するバッテリ制御のフローチャートである。より詳しくは、図2は、イグニションスイッチがONである状態において、全てのバッテリパックのコンタクタを閉じるために実行される制御手順である。
[0034]
 VCU60は、イグニションスイッチがOFFからONに切り替えられたことを条件として、図2の制御手順を開始する。ここで、VCU60は、当該制御手順の開始と共に、各バッテリパックの電圧値に基づいて、上記のように一部又は全部のコンタクタを閉じる制御を行うことで車両1を走行させることができる。
[0035]
 また、VCU60は、車両1のイグニションスイッチの状態を把握することで(ステップS1)、イグニションスイッチがONからOFFに切り替えられたことを条件として、当該制御手順を終了する(ステップS1でYes)。
[0036]
 一方、イグニションスイッチがON状態である場合(ステップS1でNO)、VCU60は、全てのバッテリパック、すなわち第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22が共に閉状態であるかを判定する(ステップS2)。
[0037]
 ステップS2において全てのバッテリパックが閉状態と判定された場合には(ステップS2でYes)、VCU60は、コンタクタの更なる閉制御が不要であると判定し、再びステップS1に戻る。ここで、例えば長時間の停車など何らかの原因で各バッテリパック間の電圧差が新たに生じる可能性も否定できないことから、イグニションスイッチがON状態である期間においては、ステップS1及びステップS2を繰り返すことにより、各コンタクタの状態監視を継続する。
[0038]
 一方、第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22のいずれかが開状態である場合には(ステップS2でNo)、VCU60は、アクセルペダル40の状態がオフ状態であるか否かを確認することにより(ステップS3)、コンタクタ制御が可能なタイミングであるかを判定する。
[0039]
 すなわち、アクセルペダル40がオン状態である場合には(ステップS3でNo)、第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22の少なくとも一方が放電状態であることにより、コンタクタ制御が不可能なタイミングであると判定し、再びステップS1に戻る。
[0040]
 一方、アクセルペダル40がオフ状態である場合には(ステップS3でYes)、VCU60は、いずれのバッテリパックも放電を休止しているものとして、コンタクタ制御が可能なタイミングであると判定すると共に、第1バッテリパック21の電圧値V1と第2バッテリパック22の電圧値V2との電圧差が所定値V 未満であるか否かを判定する(ステップS4)。
[0041]
 ここで、VCU60は、バッテリモジュール20からPDU11への電流値を別途検出してもよく、当該電流値が0であるタイミングでコンタクタ制御が可能であると判定してもよい。この場合、VCU60は、例えば駆動用モータ2における電力消費に加え、高電圧補機類30における電力消費を纏めて監視することができるため、より安全なコンタクタ制御が可能となる。
[0042]
 そして、第1バッテリパック21又は第2バッテリパック22の電力消費により、電圧値V1と電圧値V2との電圧差が所定値V 未満となった場合には(ステップS4でYes)、VCU60は、第1コンタクタC1及び第2コンタクタC2の両方を閉制御する(ステップS5)。これにより、VCU60は、第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22の電力を共に使用して車両1を走行させることができ、再びステップS1に戻る。
[0043]
 これに対し、電圧値V1と電圧値V2との電圧差が所定値V 以上である場合には(ステップS4でNo)、VCU60は、使用中バッテリパックの電圧値と待機中バッテリパックの電圧値との大小関係が逆転したかを判定する(ステップS6)。
[0044]
 そして、両者の電圧値の大小関係が逆転したと判定された場合には、使用中バッテリパックのコンタクタを開制御した上で、待機中バッテリパックのコンタクタを閉制御することで、車両1の駆動に使用する駆動用バッテリパックを入れ替えて(ステップS7)、再びステップS1に戻る。
[0045]
 一方、両者の電圧値の大小関係が維持されている場合には、使用中バッテリパックを駆動用バッテリパックとして維持し(ステップS6でYes)、再びステップS1に戻る。
[0046]
 以上の内容を換言すると、VCU60の選択部63は、使用中バッテリパックと待機中バッテリパックとの電圧差が所定値V 未満である場合には(ステップS4でYes)、使用中バッテリパックと待機中バッテリパックとを共に駆動用バッテリパックに選択する(ステップS5)。
[0047]
 また、VCU60の選択部63は、使用中バッテリパックと待機中バッテリパックとの電圧差が所定値V 以上であり(ステップS4でYes)、かつ、待機中バッテリパックの電圧値が使用中バッテリパックの電圧値よりも高い場合には(ステップS6でYes)、待機中バッテリパックのみを駆動用バッテリパックに選択する(ステップS7)。
[0048]
 そして、VCU60の選択部63は、使用中バッテリパックと待機中バッテリパックとの電圧差が所定値V 以上であり(ステップS4でYes)、かつ、使用中バッテリパックの電圧値が待機中バッテリパックの電圧値よりも高い場合には(ステップS6でNo)、使用中バッテリパックのみを継続的に駆動用バッテリパックに選択する。
[0049]
 次に、車両1の走行条件に対する第1コンタクタC1及び第2コンタクタC2の制御について説明する。図3は、本発明に係る車両用制御装置の入出力信号の一例を示すタイミングチャートである。
[0050]
 より具体的には、図3は、横軸が時間の経過を表し、タイミングT0において車両1のイグニションスイッチがOFFからONに切り替えられた後のアクセルペダル40の状態、バッテリモジュール20からの出力電流の電流値、各バッテリパックの電圧値、及び各コンタクタの状態のそれぞれの変化を表す。
[0051]
 ここでは、第2バッテリパック22の電圧値V2よりも第1バッテリパック21の電圧値V1の方が高く、電圧差が所定値V よりも大きい状態で車両1のイグニションスイッチがONに制御された場合を例示する。
[0052]
 VCU60は、タイミングT0において、電圧値V1>電圧値V2であることにより、第1バッテリパック21を駆動用バッテリパックに選択して第1コンタクタC1のみを閉制御する。
[0053]
 そして、タイミングT1において車両1のドライバがアクセルペダルをオン状態にすると、その加速度に応じてバッテリモジュール20から出力される電流の電流値が上昇し、第1バッテリパック21の電力を消費しながら車両1が走行駆動される。
[0054]
 ここで、図3に示す例では、アクセルペダルがオン状態であるタイミングT1からタイミングT2までの期間において、電圧値V1と電圧値V2との大小関係が逆転しているものの、当該期間においてはコンタクタ制御を行うことができない。
[0055]
 そのため、VCU60の電圧値比較部62は、アクセルペダルがオフ状態となるタイミングT2において、使用中バッテリパックとしての第1バッテリパック21と、待機中バッテリパックとしての第2バッテリパック22との電圧値を比較する。そして、VCU60の選択部63は、電圧値V1<電圧値V2で且つ電圧差が所定値V よりも大きい場合に、第2バッテリパック22だけを新たに駆動用バッテリパックとして選択する。すなわち、VCU60の選択部63は、タイミングT2において、第1コンタクタC1を開制御した後、第2コンタクタC2を閉制御する。
[0056]
 これにより車両1は、再びアクセルペダルがオン状態となるタイミングT3において、第2バッテリパック22の電力を消費しながら走行することができる。
[0057]
 そして、タイミングT4においてアクセルペダルがオフ状態になると、VCU60の電圧値比較部62は、使用中バッテリパックとしての第2バッテリパック22と、待機中バッテリパックとしての第1バッテリパック21との電圧値を比較する。そして、VCU60の選択部63は、電圧値V1と電圧値V2との電圧差が所定値V 未満であると判定された場合に、第1バッテリパック21及び第2バッテリパック22の両方を新たに駆動用バッテリパックとして選択する。
[0058]
 これにより、車両1は、バッテリモジュール20が備える全てのバッテリパックのコンタクタが閉状態になることにより、以降は全てのバッテリパックを同時に使用して走行することができる。すなわち、タイミングT5からタイミングT6の走行期間に示されるように、第1バッテリパック21と第2バッテリパック22との電力を均等に消費することができる。
[0059]
 以上のように、本発明に係る車両用制御装置は、車両1のアクセルペダルがオフ状態となるタイミングにおいて、並列接続される複数のバッテリパックの電圧値を比較し、電圧差が所定値V 以上である場合には、電圧値が最も高いバッテリパックを駆動用バッテリパックとして選択する。また、本発明に係る車両用制御装置は、当該電圧差が所定値V 未満である場合には、各バッテリパックを駆動用バッテリパックとして選択しそれぞれのコンタクタを閉制御することで、各バッテリパックを同時に使用して車両1を走行させる。これにより、本発明に係る車両用制御装置によれば、走行開始時において使用されなかったバッテリパックが、車両1の走行の過程においてコンタクタを閉制御できずに未使用のまま取り残される可能性を低減できることから、車両1の航続可能距離を確保することができる。
[0060]
 以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、バッテリモジュール20に含まれるバッテリパックが2つである形態を例示したが、より多くのバッテリパックが搭載されてもよい。すなわち、VCU60の電圧値比較部62は、車両1の駆動に使用していないバッテリパックが複数ある場合であっても、このうち最も電圧値が高いバッテリパックを待機中バッテリパックとして、使用中バッテリパックの電圧値と比較することにより、上記の実施形態と同様の手順で制御することができる。

符号の説明

[0061]
  1 車両
  2 駆動用モータ
  3 プロペラシャフト
  4 差動装置
  5 駆動軸
  6 駆動輪
 10 インバータ
 11 PDU
 20 バッテリモジュール
 21 第1バッテリパック
 22 第2バッテリパック
 C1 第1コンタクタ
 C2 第2コンタクタ
 30 高電圧補機類
 40 アクセルペダル
 50 ブレーキペダル
 60 VCU
 61 電圧情報取得部
 62 電圧値比較部
 63 選択部

請求の範囲

[請求項1]
 互いに並列に接続される複数のバッテリパックと、前記バッテリパックから電力供給される駆動用モータと、を備える車両を制御する車両用制御装置であって、
 複数の前記バッテリパックのそれぞれの電圧値を取得する電圧情報取得部と、
 前記車両のアクセルペダルがオン状態からオフ状態となった場合に、前記電圧情報取得部が取得した電圧値に基づいて、前記車両の駆動に使用されている使用中バッテリパックと、前記車両の駆動に使用していない前記バッテリパックのうち最も電圧値が高い待機中バッテリパックとの電圧値を比較する電圧値比較部と、
 前記電圧値比較部による比較に基づいて、複数の前記バッテリパックのうち前記車両の駆動用に放電が許可される駆動用バッテリパックを選択する選択部と、を含み、
 前記選択部は、前記使用中バッテリパックと前記待機中バッテリパックとの電圧差が所定値未満である場合には、前記使用中バッテリパックと前記待機中バッテリパックとを共に駆動用バッテリパックに選択する、車両用制御装置。
[請求項2]
 前記選択部は、前記使用中バッテリパックと前記待機中バッテリパックとの電圧差が前記所定値以上であり、かつ、前記待機中バッテリパックの電圧値が前記使用中バッテリパックの電圧値よりも高い場合には、前記待機中バッテリパックのみを駆動用バッテリパックに選択する、請求項1に記載の車両用制御装置。
[請求項3]
 前記選択部は、前記使用中バッテリパックと前記待機中バッテリパックとの電圧差が前記所定値以上であり、かつ、前記使用中バッテリパックの電圧値が前記待機中バッテリパックの電圧値よりも高い場合には、前記使用中バッテリパックのみを継続的に駆動用バッテリパックに選択する、請求項1または2に記載の車両用制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]