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1. WO2020202643 - 表面保護フィルム

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明 細 書

発明の名称 表面保護フィルム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101  

実施例

0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118  

産業上の利用可能性

0119  

符号の説明

0120  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 表面保護フィルム

技術分野

[0001]
 本発明は、表面保護フィルムに関する。

背景技術

[0002]
 表面保護フィルムは、様々な形状の部材の表面保護に用いられている。しかしながら、角部(例えば、壁の角部など)や屈曲部(例えば、折り畳み部材の可動屈曲部など)に表面保護フィルムを貼り合わせようとすると、例えば、下記のような問題が生じる。
[0003]
 表面保護フィルムが角度を持って曲げられた場合、曲げられた内径側には圧縮させる力が働くために、その力を緩和させようとして表面保護フィルム自体の変形が起こる。具体的には、例えば、しわが入りやすくなる。
[0004]
 表面保護フィルムが角度を持って曲げられた場合、曲げられた外径側には引っ張られる応力が働く。このため、その応力が緩和される際に、被着体からの浮きが発生する。
[0005]
 表面保護フィルムが角度を持って曲げられた場合、表面保護フィルムの曲げられる箇所や引っ張られる箇所の厚みが大きく変化してしまい、このような状態においても、しわが入りやすくなったり、浮きが発生したりする。例えば、表面保護フィルムが引っ張られた場合に、表面保護フィルムの厚みが大幅に薄くなってしまい、被着体からの浮きが発生しやすくなる。
[0006]
 このように、従来の表面保護フィルムにおいては、角部や屈曲部への凹凸追従が十分に達成できていない。
[0007]
 近年、各種表示装置の表示面には、該表示面に用いられているガラス等の透明板を保護するための表面保護フィルムが多用されている。このような表面保護フィルムとして、耐擦傷性のあるハードコート層を備えたものが実用化されている(特許文献1)。
[0008]
 各種表示装置として、ごく最近、折り畳み式の表示装置、巻き取り式の表示装置など、可動屈曲部を有する表示装置の開発がなされている。このような表示装置に、従来の表面保護フィルムを適用する場合、繰り返される屈曲に十分に追従できず、可動屈曲部上において折れ跡(いわゆる「クセ」)が付いた状態になってしまう。そして、従来のハードコート層を備えた表面保護フィルムは、さらに、ハードコート層が繰り返される屈曲に十分追従できず、曲面に沿って貼着することが困難であったり、繰り返される屈曲に十分に追従できず、表示面から剥がれたりするという問題が生じる。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2016-208138号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 本発明の課題は、ハードコート層と基材層と粘着剤層をこの順に含む表面保護フィルムであって、繰り返される屈曲に十分に追従できる表面保護フィルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明の表面保護フィルムは、
 ハードコート層と基材層と粘着剤層をこの順に含む表面保護フィルムであって、
 該ハードコート層と該基材層の積層体の23℃におけるヤング率が5MPa~1800MPaであり、
 該粘着剤層を構成する粘着剤のDSCによって測定したTgが0℃以下である。
[0012]
 一つの実施形態においては、上記ハードコート層の硬度がH以上である。
[0013]
 一つの実施形態においては、本発明の表面保護フィルムは、ハードコート層割れ試験におけるクラック発生時の引張変形率が15%以上である。
[0014]
 一つの実施形態においては、上記ハードコート層の厚みが1μm~50μmである。
[0015]
 一つの実施形態においては、上記粘着剤層の、23℃における、剥離角度180度、剥離速度300mm/分での、PETフィルムに対する粘着力が、0.1N/20mm以上である。
[0016]
 一つの実施形態においては、上記基材層の厚みが1μm~500μmである。
[0017]
 一つの実施形態においては、上記粘着剤層の厚みが0.1μm~50μmである。
[0018]
 一つの実施形態においては、上記表面保護フィルムは、全光線透過率が85%以上である。

発明の効果

[0019]
 本発明によれば、ハードコート層と基材層と粘着剤層をこの順に含む表面保護フィルムであって、繰り返される屈曲に十分に追従できる表面保護フィルムを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 図1は、本発明の表面保護フィルムの一つの実施形態を示す概略断面図である。

発明を実施するための形態

[0021]
≪≪表面保護フィルム≫≫
 本発明の表面保護フィルムは、ハードコート層と基材層と粘着剤層をこの順に含む。すなわち、本発明の表面保護フィルムは、ハードコート層と基材層と粘着剤層をこの順に含めば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を有していてもよい。
[0022]
 図1は、本発明の表面保護フィルムの一つの実施形態を示す概略断面図である。図1において、本発明の表面保護フィルム1000は、ハードコート層100と基材層200と粘着剤層300をこの順に有し、これらが直接に積層されている。
[0023]
 ハードコート層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。ハードコート層は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1層である。
[0024]
 ハードコート層の厚みは、好ましくは0.5μm~50μmであり、より好ましくは0.5μm~40μmであり、さらに好ましくは0.5μm~30μmであり、特に好ましくは0.5μm~20μmである。ハードコート層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。
[0025]
 基材層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。基材層は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1層である。
[0026]
 基材層の厚みは、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは3μm~400μmであり、さらに好ましくは5μm~300μmであり、特に好ましくは10μm~200μmである。基材層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。
[0027]
 粘着剤層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。粘着剤層は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1層である。
[0028]
 粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm~100μmであり、より好ましくは1μm~80μmであり、さらに好ましくは1μm~70μmであり、特に好ましくは1μm~60μmである。粘着剤層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。
[0029]
 本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層の基材層の反対側の表面に、使用するまでの保護等のために、任意の適切な剥離ライナーが備えられていてもよい。
[0030]
 剥離ライナーとしては、例えば、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がシリコーン処理された剥離ライナー、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がポリオレフィン系樹脂によりラミネートされた剥離ライナーなどが挙げられる。ライナー基材としてのプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
[0031]
 剥離ライナーの厚みは、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは3μm~450μmであり、さらに好ましくは5μm~400μmであり、特に好ましくは10μm~300μmである。
[0032]
 本発明の表面保護フィルムは、総厚みが、好ましくは3μm~1000μmであり、より好ましくは5μm~650μmであり、さらに好ましくは7μm~500μmであり、特に好ましくは10μm~400μmである。本発明の表面保護フィルムの総厚みが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。
[0033]
 本発明の表面保護フィルムは、総厚みに対する基材層の厚みの比(基材層の厚み/総厚み)が、好ましくは90%以下であり、より好ましくは20%~90%であり、さらに好ましくは25%~90%であり、特に好ましくは30%~85%である。本発明の表面保護フィルムの総厚みに対する基材層の厚みの比(基材層の厚み/総厚み)が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。
[0034]
 本発明の表面保護フィルムは、ハードコート層と基材層の積層体の23℃におけるヤング率が5MPa~1800MPaであり、好ましくは10MPa~1500MPaであり、より好ましくは20MPa~1200MPaであり、さらに好ましくは30MPa~1100MPaであり、特に好ましくは50MPa~1000MPaである。ハードコート層と基材層の積層体の23℃におけるヤング率が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。ハードコート層と基材層の積層体の23℃におけるヤング率の測定方法については、後に詳述する。
[0035]
 本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層を構成する粘着剤のDSCによって測定したTgが0℃以下であり、好ましくは-100℃~0℃であり、より好ましくは-90℃~0℃であり、さらに好ましくは-80℃~0℃であり、特に好ましくは-70℃~0℃である。粘着剤層を構成する粘着剤のDSCによって測定したTgが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。粘着剤層を構成する粘着剤のDSCによるTgの測定については、後に詳述する。
[0036]
 本発明の表面保護フィルムは、全光線透過率が、好ましくは85%以上であり、より好ましくは88%以上であり、さらに好ましくは90%以上であり、特に好ましくは92%以上である。本発明の表面保護フィルムの全光線透過率が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、高い透明性が要求される用途に採用し得る。
[0037]
≪ハードコート層≫
 ハードコート層は、硬度が、好ましくはH以上であり、より好ましくは2H以上である。ハードコート層の硬度の測定方法については、後に詳述する。
[0038]
 本発明の表面保護フィルムは、ハードコート層割れ試験におけるクラック発生時の引張変形率が、好ましくは15%以上であり、より好ましくは15%~1000%であり、さらに好ましくは20%~800%であり、特に好ましくは25%~500%である。ハードコート層割れ試験におけるクラック発生時の引張変形率が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。ハードコート割れ試験については、後に詳述する。
[0039]
 ハードコート層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なハードコート層を採用し得る。
[0040]
 ハードコート層は、代表的には、ハードコート層形成用組成物から形成され得る。具体的には、例えば、基材層の一方の面にハードコート層形成用組成物を塗布して、必要に応じて硬化処理(例えば、紫外線照射や加熱処理など)を行い、ハードコート層を形成する。なお、ハードコート層を形成した後に、該ハードコート層にコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
[0041]
 ハードコート層形成用組成物の塗布方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような塗布方法としては、例えば、バーコート法、グラビアロールコート法、ダイコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、コンマコート法などが挙げられる。
[0042]
 ハードコート層形成用組成物の塗布によって形成される塗布層の加熱温度は、ハードコート層形成用組成物の組成に応じて、任意の適切な温度に設定され得る。このような加熱温度は、好ましくは、基材層に含まれる樹脂のガラス転移温度以下に設定される。基材層に含まれる樹脂のガラス転移温度以下の温度で加熱すれば、加熱による変形が抑制されたハードコート層付の表面保護フィルムを得ることができる。加熱温度は、好ましくは、60℃~140℃であり、より好ましくは60℃~100℃である。このような範囲で加熱することにより、基材層との密着性に優れるハードコート層を形成することができる。
[0043]
 硬化処理としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な硬化処理を採用され得る。硬化処理としては、代表的には、紫外線照射、加熱処理などが挙げられる。紫外線照射の積算光量は、好ましくは200mJ~400mJである。
[0044]
 ハードコート層形成用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なモノマーや樹脂(オリゴマー、プレポリマー、ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種)を含み得る。1つの実施形態においては、ハードコート層形成用組成物は、熱硬化型または光硬化型の硬化性化合物を含む。硬化性化合物は、例えば、モノマー、樹脂(オリゴマー、プレポリマー、ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
[0045]
 硬化性化合物としては、好ましくは、多官能モノマーおよびオリゴマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を採用し得る。このような硬化性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーまたはオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマー、エポキシ系モノマーまたはオリゴマー、シリコーン系モノマーまたはオリゴマー、などが挙げられ、これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、硬化性化合物としては、好ましくは、ウレタン(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーである。
[0046]
 ハードコート層形成用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤を含み得る。このような添加剤としては、例えば、重合開始剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤などが挙げられる。このような添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。ハードコート層形成用組成物に含み得る添加剤の種類、組み合わせ、含有量などは、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。
[0047]
 ハードコート層形成用組成物は、添加剤として、微粒子を含んでいてもよい。微粒子を含むハードコート層形成用組成物を用いれば、アンチグレア機能を付与し得る。微粒子としては、無機微粒子であってもよいし、有機微粒子であってもよい。無機微粒子としては、例えば、酸化ケイ素微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化錫微粒子、炭酸カルシウム微粒子、硫酸バリウム微粒子、タルク微粒子、カオリン微粒子、硫酸カルシウム微粒子などが挙げられる。有機微粒子としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂粉末(PMMA微粒子)、シリコーン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末などが挙げられる。ハードコート層形成用組成物に含み得る微粒子は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。ハードコート層形成用組成物に含み得る微粒子の種類、組み合わせ、含有量などは、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。
[0048]
 ハードコート層形成用組成物は、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、1,3,5-トリオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン(CPN)、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n-ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n-ペンチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-2-ブタノール、シクロヘキサノール、イソプロピルアルコール(IPA)、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2-オクタノン、2-ペンタノン、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。ハードコート層形成用組成物に含み得る溶媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。ハードコート層形成用組成物に含み得る溶媒の種類、組み合わせ、含有量などは、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。
[0049]
≪基材層≫
 基材層は、23℃におけるヤング率が、好ましくは0.5MPa~4000MPaであり、より好ましくは10MPa~3500MPaであり、さらに好ましくは20MPa~3000MPaであり、特に好ましくは30MPa~2500MPaである。基材層の23℃におけるヤング率が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。基材層の23℃におけるヤング率の測定については、後に詳述する。
[0050]
 基材層の材料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な材料を採用し得る。このような材料としては、好ましくは、ウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。基材層の材料は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[0051]
 ウレタン系樹脂としては、例えば、エーテル系ポリウレタン樹脂、エステル系ポリウレタン樹脂が挙げられる。
[0052]
 ポリエステル系樹脂としては、例えば、軟質PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、硬質PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂が挙げられる。本発明の効果をより発現し得る点で、ポリエステル系樹脂としては、好ましくは、軟質PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂である。
[0053]
≪粘着剤層≫
 粘着剤層は、粘着剤から構成される。
[0054]
 粘着剤層の、23℃における、剥離角度180度、剥離速度300mm/分での、PETフィルムに対する0.1N/20mm以上であり、より好ましくは0.1N/20mm~30N/20mmであり、さらに好ましくは0.1N/20mm~25N/20mmであり、特に好ましくは0.5N/20mm~20N/20mmである。粘着剤層の、23℃における、剥離角度90度、剥離速度300mm/分での、PETフィルムに対する粘着力が上記範囲内にあれば、本発明の効果がより発現し得る。粘着剤層の、23℃における、剥離角度180度、剥離速度300mm/分での、PETフィルムに対する粘着力の測定方法については、後に詳述する。
[0055]
 粘着剤は、ベースポリマーを含む。ベースポリマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。粘着剤中のベースポリマーの含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは30重量%~99.9重量%であり、より好ましくは40重量%~99重量%であり、さらに好ましくは50重量%~99重量%である。
[0056]
 ベースポリマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なポリマーを採用し得る。本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマーとしては、好ましくは、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ウレタン系ポリマーから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。すなわち、粘着剤層は、好ましくは、アクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤、ゴム系ポリマーを含むゴム系粘着剤、シリコーン系ポリマーを含むシリコーン系粘着剤、ウレタン系ポリマーを含むウレタン系粘着剤から選ばれる少なくとも1種から構成される。
[0057]
 本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマーとしては、好ましくは、アクリル系ポリマーである。すなわち、粘着剤層は、好ましくは、アクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤から構成される。
[0058]
 本発明の効果をより発現させ得る点で、アクリル系ポリマーを構成するための全モノマー成分中、対応するホモポリマーのTgが0℃以上のモノマーが、好ましくは25重量%以下であり、より好ましくは23重量%以下であり、さらに好ましくは20重量%以下であり、特に好ましくは18重量%以下である。
[0059]
 対応するホモポリマーのTgとしては、例えば、具体的には以下の値を用い得る。
2-エチルヘキシルアクリレート  -70℃
n-ブチルアクリレート      -55℃
アクリル酸            106℃
2-ヒドロキシエチルアクリレート -15℃
4-ヒドロキシブチルアクリレート -40℃
[0060]
 上記で例示した以外のホモポリマーのTgについては、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons, Inc., 1989)に記載の数値を用いることができる。上記「Polymer Handbook」に複数の数値が記載されている場合は、conventionalの値を採用する。上記「Polymer Handbook」に記載のないモノマーについては、モノマー製造企業のカタログ値を採用する。上記「Polymer Handbook」に記載がなく、モノマー製造企業のカタログ値も提供されていないモノマーのホモポリマーのTgとしては、特開2007-51271号公報に記載の測定方法により得られる値を用いるものとする。
[0061]
 本発明の効果をより発現させ得る点で、アクリル系ポリマーとしては、アルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとして含み、該主モノマーと共重合性を有する副モノマーをさらに含み得るモノマー成分の重合物が好ましい。
[0062]
 アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物を好適に用いることができる。
CH =C(R )COOR      (1)
[0063]
 ここで、上記式(1)中のR は水素原子またはメチル基であり、R は炭素原子数1~20の鎖状アルキル基(以下、このような炭素原子数の範囲を「C1-20」と表すことがある)である。粘着剤層の貯蔵弾性率等の観点から、R は、好ましくはC1-14の鎖状アルキル基であり、より好ましくはC2-10の鎖状アルキル基であり、さらに好ましくはC4-8の鎖状アルキル基である。ここで鎖状とは、直鎖状および分岐状を包含する意味である。
[0064]
 R がC1-20の鎖状アルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらアルキル(メタ)アクリレートは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[0065]
 アクリル系ポリマーの合成に用いられる全モノマー成分に占めるアルキル(メタ)アクリレートの含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは60重量%~100重量%であり、より好ましくは65重量%~99.5重量%であり、さらに好ましくは70重量%~99重量%であり、特に好ましくは80重量%~98重量%である。
[0066]
 アクリル系ポリマーの一つの実施形態として、全モノマー成分の60重量%未満が2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)であるアクリル系ポリマーが挙げられる。この場合、全モノマー成分中の2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0重量%を超え55重量%以下であり、より好ましくは5重量%~53重量%であり、さらに好ましくは10重量%~50重量%であり、特に好ましくは15重量%~48重量%であり、最も好ましくは20重量%~45重量%である。この実施形態においては、全モノマー成分は、さらに、イソステアリルアクリレート(ISTA)を、全モノマー成分の60重量%未満の割合(好ましくは0重量%を超え55重量%以下であり、より好ましくは5重量%~53重量%であり、さらに好ましくは10重量%~50重量%であり、特に好ましくは15重量%~48重量%であり、最も好ましくは20重量%~45重量%)で含んでいてもよい。
[0067]
 アクリル系ポリマーの一つの実施形態として、全モノマー成分の50重量%以上がn-ブチルアクリレート(BA)であるアクリル系ポリマーが挙げられる。この場合、全モノマー成分中のn-ブチルアクリレート(BA)の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは50重量%を超え100重量%以下であり、より好ましくは55重量%~95重量%であり、さらに好ましくは60重量%~90重量%であり、特に好ましくは63重量%~85重量%であり、最も好ましくは65重量%~80重量%である。この実施形態においては、全モノマー成分は、n-ブチルアクリレート(BA)より少ない割合で、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)をさらに含んでいてもよい。
[0068]
 アクリル系ポリマーを構成するための全モノマー成分中には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他モノマーが含まれていてもよい。その他モノマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。全モノマー成分中のその他モノマーの含有割合は、好ましくは0.001重量%~40重量%であり、より好ましくは0.01重量%~40重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%~10重量%であり、特に好ましくは0.5重量%~5重量%であり、最も好ましくは1重量%~3重量%である。
[0069]
 アクリル系ポリマーに架橋基点となり得る官能基を導入し、あるいは接着力の向上に寄与し得るその他モノマーとして、例えば、水酸基(OH基)含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、酢酸ビニル(VAc)、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、芳香族ビニル化合、ビニルエーテル類などが挙げられる。
[0070]
 アクリル系ポリマーの一つの実施形態として、その他モノマーとしてカルボキシ基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが挙げられる。カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、カルボキシ基含有モノマーとして、好ましくは、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)が挙げられ、より好ましくは、アクリル酸(AA)である。
[0071]
 その他モノマーとしてカルボキシ基含有モノマーを採用する場合、全モノマー成分中のその他モノマーの含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0.1重量%~10重量%であり、より好ましくは0.2重量%~8重量%であり、さらに好ましくは0.5重量%~5重量%であり、特に好ましくは0.7重量%~4重量%であり、最も好ましくは1重量%~3重量%である。
[0072]
 アクリル系ポリマーの一つの実施形態として、その他モノマーとして水酸基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド;などが挙げられる。これらの中でも、水酸基含有モノマーとして、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、アルキル基が炭素原子数2~4の直鎖状であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)が挙げられ、より好ましくは、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)である。
[0073]
 その他モノマーとして水酸基含有モノマーを採用する場合、全モノマー成分中のその他モノマーの含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0.001重量%~10重量%であり、より好ましくは0.01重量%~5重量%であり、さらに好ましくは0.02重量%~2重量%であり、特に好ましくは0.03重量%~1重量%であり、最も好ましくは0.05重量%~0.5重量%である。
[0074]
 アクリル系ポリマーを得る方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。これらの重合方法の中でも、溶液重合法を好ましく用いることができる。溶液重合を行う際のモノマー供給方法としては、モノマー成分の全量を一度に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等を適宜採用することができる。重合温度は、使用するモノマーおよび溶媒の種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは30℃以上であり、さらに好ましくは40℃以上であり、好ましくは170℃以下であり、より好ましくは160℃以下であり、さらに好ましくは140℃以下である。アクリル系ポリマーを得る方法としては、UV等の光を照射して行う光重合(典型的には、光重合開始剤の存在下で行われる)や、β線、γ線等の放射線を照射して行う放射線重合等の活性エネルギー線照射重合を採用してもよい。
[0075]
 溶液重合に用いる溶媒(重合溶媒)としては、任意の適切な有機溶媒から適宜選択することができる。例えば、トルエン等の芳香族化合物類(典型的には、芳香族炭化水素類)、酢酸エチル等の酢酸エステル類、ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類などが挙げられる。
[0076]
 重合に用いる開始剤(重合開始剤)は、重合方法の種類に応じて、任意の適切な重合開始剤から適宜選択することができる。重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤;フェニル置換エタン等の置換エタン系開始剤;芳香族カルボニル化合物;などが挙げられる。重合開始剤の他の例としては、過酸化物と還元剤との組合せによるレドックス系開始剤が挙げられる。
[0077]
 重合開始剤の使用量は、全モノマー成分100重量部に対して、好ましくは0.005重量部~1重量部であり、より好ましくは0.01重量部~1重量部である。
[0078]
 アクリル系ポリマーのMwは、好ましくは10×10 ~500×10 であり、より好ましくは10×10 ~150×10 であり、さらに好ましくは20×10 ~75×10 であり、特に好ましくは35×10 ~65×10 である。ここでMwとは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により得られた標準ポリスチレン換算の値をいう。GPC装置としては、例えば機種名「HLC-8320GPC」(カラム:TSKgel GMH-H(S)、東ソー社製)を用いることができる。
[0079]
 アクリル系粘着剤は、本発明の効果をより発現させ得る点で、粘着付与樹脂を含み得る。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[0080]
 粘着付与樹脂の使用量は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは5重量部~70重量部であり、より好ましくは10重量部~60重量部であり、さらに好ましくは15重量部~50重量部であり、さらに好ましくは20重量部~45重量部であり、特に好ましくは25重量部~40重量部であり、最も好ましくは25重量部~35重量部である。
[0081]
 粘着付与樹脂は、本発明の効果をより発現させ得る点で、軟化点が105℃未満の粘着付与樹脂TLを含むことが好ましい。粘着付与樹脂TLは、粘着剤層の面方向(せん断方向)への変形性の向上に効果的に寄与し得る。より高い変形性向上効果を得る観点から、粘着付与樹脂TLとして用いられる粘着付与樹脂の軟化点は、好ましくは50℃~103℃であり、より好ましくは60℃~100℃であり、さらに好ましくは65℃~95℃であり、特に好ましくは70℃~90℃であり、最も好ましくは75℃~85℃である。
[0082]
 粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K5902およびJIS K2207に規定する軟化点試験方法(環球法)に基づいて測定された値として定義される。具体的には、試料をできるだけ低温ですみやかに融解し、これを平らな金属板の上に置いた環の中に、泡ができないように注意して満たす。冷えたのち、少し加熱した小刀で環の上端を含む平面から盛り上がった部分を切り去る。つぎに、径85mm以上、高さ127mm以上のガラス容器(加熱浴)の中に支持器(環台)を入れ、グリセリンを深さ90mm以上となるまで注ぐ。つぎに、鋼球(径9.5mm、重量3.5g)と、試料を満たした環とを互いに接触しないようにしてグリセリン中に浸し、グリセリンの温度を20℃プラスマイナス5℃に15分間保つ。つぎに、環中の試料の表面の中央に鋼球をのせ、これを支持器の上の定位置に置く。つぎに、環の上端からグリセリン面までの距離を50mmに保ち、温度計を置き、温度計の水銀球の中心の位置を環の中心と同じ高さとし、容器を加熱する。加熱に用いるブンゼンバーナーの炎は、容器の底の中心と縁との中間にあたるようにし、加熱を均等にする。なお、加熱が始まってから40℃に達したのちの浴温の上昇する割合は、毎分5.0プラスマイナス0.5℃でなければならない。試料がしだいに軟化して環から流れ落ち、ついに底板に接触したときの温度を読み、これを軟化点とする。軟化点の測定は、同時に2個以上行い、その平均値を採用する。
[0083]
 粘着付与樹脂TLの使用量としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは5重量部~50重量部であり、より好ましくは10重量部~45重量部であり、さらに好ましくは15重量部~40重量部であり、特に好ましくは20重量部~35重量部であり、最も好ましくは25重量部~32重量部である。
[0084]
 粘着付与樹脂TLとしては、上記で例示した粘着付与樹脂のうち、軟化点が105℃未満のものから適宜選択される1種または2種以上を採用し得る。粘着付与樹脂TLは、好ましくはロジン系樹脂を含む。
[0085]
 粘着付与樹脂TLとして好ましく採用し得るロジン系樹脂としては、例えば、未変性ロジンエステルや変性ロジンエステル等のロジンエステル類などが挙げられる。変性ロジンエステルとしては、例えば、水素添加ロジンエステルが挙げられる。
[0086]
 粘着付与樹脂TLは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、水素添加ロジンエステルを含む。水素添加ロジンエステルとしては、軟化点が、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは105℃未満であり、より好ましくは50℃~100℃であり、さらに好ましくは60℃~90℃であり、特に好ましくは70℃~85℃であり、最も好ましくは75℃~85℃である。
[0087]
 粘着付与樹脂TLは、非水素添加ロジンエステルを含んでいてもよい。ここで非水素添加ロジンエステルとは、上述したロジンエステル類のうち水素添加ロジンエステル以外のものを包括的に指す概念である。非水素添加ロジンエステルとしては、未変性ロジンエステル、不均化ロジンエステル、重合ロジンエステルなどが挙げられる。
[0088]
 非水素添加ロジンエステルとしては、軟化点が、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは105℃未満であり、より好ましくは50℃~100℃であり、さらに好ましくは60℃~90℃であり、特に好ましくは70℃~85℃であり、最も好ましくは75℃~85℃である。
[0089]
 粘着付与樹脂TLは、ロジン系樹脂に加えて他の粘着付与樹脂を含んでいてもよい。他の粘着付与樹脂としては、上記で例示した粘着付与樹脂のうち、軟化点が105℃未満のものから適宜選択される1種または2種以上を採用し得る。粘着付与樹脂TLは、例えば、ロジン系樹脂とテルペン樹脂を含んでいてもよい。
[0090]
 粘着付与樹脂TL全体に占めるロジン系樹脂の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは50重量%を超え、より好ましくは55重量%~100重量%であり、さらに好ましくは60重量%~99重量%であり、特に好ましくは65重量%~97重量%であり、最も好ましくは75重量%~97重量%である。
[0091]
 粘着付与樹脂は、本発明の効果をより発現させ得る点で、粘着付与樹脂TLと、軟化点が105℃以上(好ましくは105℃~170℃)の粘着付与樹脂THを組み合わせて含んでいてもよい。
[0092]
 粘着付与樹脂THとしては、上記で例示した粘着付与樹脂のうち軟化点が105℃以上のものから適宜選択される1種または2種以上を採用し得る。粘着付与樹脂THは、ロジン系粘着付与樹脂(例えば、ロジンエステル類)およびテルペン系粘着付与樹脂(例えば、テルペンフェノール樹脂)から選ばれる少なくとも1種を含み得る。
[0093]
 アクリル系粘着剤には架橋剤を含有させることができる。架橋剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。架橋剤の使用により、アクリル系粘着剤に適度な凝集力を付与することができる。架橋剤は、保持力試験におけるズレ距離および戻り距離の調節にも役立ち得る。架橋剤を含有するアクリル系粘着剤は、例えば、該架橋剤を含む粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成することにより得ることができる。架橋剤は、架橋反応後の形態、架橋反応前の形態、部分的に架橋反応した形態、これらの中間的または複合的な形態等でアクリル系粘着剤に含まれ得る。架橋剤は、典型的には、もっぱら架橋反応後の形態でアクリル系粘着剤に含まれている。
[0094]
 架橋剤の使用量は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.005重量部~10重量部であり、より好ましくは0.01重量部~7重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部~5重量部であり、特に好ましくは0.1重量部~4重量部であり、最も好ましくは1重量部~3重量部である。
[0095]
 架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、過酸化物等の架橋剤などが挙げられ、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤であり、より好ましくは、イソシアネート系架橋剤である。
[0096]
 イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート基(イソシアネート基をブロック剤または数量体化等により一時的に保護したイソシアネート再生型官能基を含む)を1分子中に2つ以上有する化合物を用いることができる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;などが挙げられる。
[0097]
 イソシアネート系架橋剤としては、より具体的には、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー社製、商品名コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー社製、商品名:コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(例えば、東ソー社製、商品名:コロネートHX)等のイソシアネート付加物;キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学社製、商品名:タケネートD110N)、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学社製、商品名:タケネートD120N)、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学社製、商品名:タケネートD140N)、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学社製、商品名:タケネートD160N);ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ならびにこれらと各種のポリオールとの付加物;イソシアヌレート結合、ビューレット結合、アロファネート結合等で多官能化したポリイソシアネート;などが挙げられる。これらの中でも、変形性と凝集力とをバランスよく両立し得る点で、芳香族イソシアネート、脂環式イソシアネートが好ましい。
[0098]
 イソシアネート系架橋剤の使用量は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.005重量部~10重量部であり、より好ましくは0.01重量部~7重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部~5重量部であり、特に好ましくは0.1重量部~4重量部であり、最も好ましくは1重量部~3重量部である。
[0099]
 エポキシ系架橋剤としては、エポキシ基を1分子中に2つ以上有する多官能エポキシ化合物を用いることができる。エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール-S-ジグリシジルエーテル、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。エポキシ系架橋剤の市販品としては、例えば、三菱ガス化学社製の商品名「テトラッドC」、「テトラッドX」などが挙げられる。
[0100]
 エポキシ系架橋剤の使用量は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.005重量部~10重量部であり、より好ましくは0.01重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.015重量部~1重量部であり、特に好ましくは0.015重量部~0.5重量部であり、最も好ましくは0.015重量部~0.3重量部である。
[0101]
 アクリル系粘着剤は、必要に応じて、レベリング剤、架橋助剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の、粘着剤の分野において一般的な各種の添加剤を含有してもよい。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用することができる。
実施例
[0102]
 以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらに何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
[0103]
<ハードコート層と基材層の積層体の23℃におけるヤング率の測定方法>
 ヤング率は、以下の条件で行われる20%伸張試験の結果に基づいて算出した。後述する実施例、比較例についても同様の方法を採用した。
〔20%伸張試験〕
サンプル形状:幅10mmの帯状
初期チャック間距離:20mm
引張り速度:300mm/分
引張り変形量:20%
手順:23℃、50%RHの測定環境下において、上記サンプルを上記の初期チャック間距離が20mmとなるようにして引張試験機のチャックに挟んだ。そして、上記引張り速度にてチャック間距離が24mmになるまでサンプルを引き伸ばし(20%伸張)、得られた変位と応力の結果からヤング率を算出した。なお、上記試験における引張り方向は、特に限定されないが、表面保護フィルムの長手方向と一致させることが好ましい。引張試験機としては、例えば、島津製作所社製の製品名「Autograph AG-10G型引張試験機」を使用することができる。
[0104]
<基材層の23℃におけるヤング率の測定方法>
 ヤング率は、以下の条件で行われる20%伸張試験の結果に基づいて算出した。後述する実施例、比較例についても同様の方法を採用した。
〔20%伸張試験〕
サンプル形状:幅10mmの帯状
初期チャック間距離:20mm
引張り速度:300mm/分
引張り変形量:20%
手順:23℃、50%RHの測定環境下において、上記サンプルを上記の初期チャック間距離が20mmとなるようにして引張試験機のチャックに挟んだ。そして、上記引張り速度にてチャック間距離が24mmになるまでサンプルを引き伸ばし(20%伸張)、得られた変位と応力の結果からヤング率を算出した。なお、上記試験における引張り方向は、特に限定されないが、表面保護フィルムの長手方向と一致させることが好ましい。引張試験機としては、例えば、島津製作所社製の製品名「Autograph AG-10G型引張試験機」を使用することができる。
[0105]
<粘着剤層を構成する粘着剤のDSCによるTgの測定方法>
 実施例および比較例で得られた粘着剤層を試料とし、直径5mm、深さ2mmのアルミニウム製円筒型セルに試料約5mgを秤取し、蓋をかぶせた後に封印した。参照サンプルとして空のアルミニウム製円筒型セルを用意し、示査走査熱量計(DSC:TAインスツルメント社製、Q2000)を用い、窒素雰囲気下(窒素流量:50ml/分)で、-80℃から10℃/分の速度で80℃まで昇温した後、-80℃まで急冷し、再度10℃/分の速度にて-80℃~80℃の範囲で昇温したときの吸熱曲線を測定した。Tgの前後に現れる2つの屈曲点の中間点をTgとした。
[0106]
<粘着剤層の、23℃における、剥離角度180度、剥離速度300mm/分での、PETフィルムに対する粘着力の測定方法>
 粘着力は、PETフィルムに対する180度剥離強度(180度引き剥がし粘着力)を指す。180度剥離強度は、表面保護フィルムを幅20mm、長さ100mmのサイズにカットした測定サンプルにつき、23℃、50%RHの環境下にて、上記測定サンプルの粘着剤層面をPETフィルムの表面に、2kgのロールを1往復させて圧着した。これを同環境下に30分間放置した後、万能引張圧縮試験機を使用して、JIS Z 0237:2000に準じて、引張速度300mm/分、剥離角度180度の条件で、剥離強度(N/20mm)を測定した。万能引張圧縮試験機としては、例えば、ミネベア社製の「引張圧縮試験機、TG-1kN」を用いることができる。
[0107]
<重量平均分子量Mwの測定方法>
 得られたアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。サンプルは、試料をテトラヒドロフランに溶解して0.1重量%の溶液とし、これを一晩静置した後、0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した濾液を用いた。
・分析装置:東ソー社製、HLC-8120GPC
・カラム:東ソー社製、
(メタ)アクリル系ポリマー:GM7000HXL+GMHXL
+GMHXL
芳香族系ポリマー:G3000HXL+2000HXL+G1000HXL
・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm、計90cm
・溶離液:テトラヒドロフラン(濃度0.1重量%)
・流量:0.8ml/min
・入口圧:1.6MPa
・検出器:示差屈折計(RI)
・カラム温度:40℃
・注入量:100μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計
・標準試料:ポリスチレン
[0108]
<全光線透過率の測定方法>
 全光線透過率=91.8%、ヘイズ=0.4%のスライドガラス(松浪硝子工業社製、商品名「S-1111」の片面に、実施例および比較例で得られた表面保護フィルムを貼り付け、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製,HM-150)により、全光線透過率を測定した。ヘイズメーターによる測定にあたり、表面保護フィルムが光源側になるように配置した。全光線透過率(%)は、測定値を採用した。
[0109]
<ハードコート層の硬度の測定方法>
 PETフィルム(厚み=100μm)の上にハードコート層を施したフィルムを、厚み50μmの粘着剤を介してガラス板上に貼り付け、JIS K 5600第5部第4節に記載の引っかき硬度(鉛筆法)に準じて測定した。
[0110]
<引張試験(ハードコート層割れ試験)>
 引張試験(ハードコート層割れ試験)は、以下の条件で行った。後述する実施例、比較例についても同様の方法を採用した。
サンプル形状:幅10mmの帯状
初期チャック間距離:20mm
引張り速度:5mm/分
手順:23℃、50%RHの測定環境下において、サンプルの粘着剤層面に割れの観測が容易となるように、黒色のスプレーを全体に施した。上記サンプルを上記の初期チャック間距離が20mmとなるようにして引張試験機のチャックに挟んだ。そして、上記引張り速度にて引張変形量を1%ずつ増加させ、ハードコート層面に引張方向とは垂直にクラックが入るかどうかを目視にて確認した。クラックが入った場合は、その時点の引張変形率を測定値として記載し試験を終了した。クラックが入らなければ、引張変形率を1%ずつ増加させ、目視確認を行い、これをクラックが生じるか引張変形率が100%に達するまで繰り返した。なお、上記試験における引張り方向は、特に限定されないが、表面保護フィルムの長手方向と一致させることが好ましい。引張試験機としては、島津製作所社製の製品名「Autograph AG-10G型引張試験機」を使用することができる。
[0111]
<屈曲試験(ハードコート層側および粘着剤層側)>
 23℃、50%RHの測定環境下において、サンプルの粘着剤側のセパレータを剥離し、露出した粘着剤層面を、PETフィルム(厚み=100μm、東レ株式会社ルミラーS10)の一面にラミネータで圧力0.3MPa、速度2m/分で貼り合わせた。こうして得られた積層体を幅20mm×長さ200mmの短冊状に切断し、これを屈曲評価用のサンプルとして用いた。得られたサンプルをユアサシステム機器株式会社製の卓上型耐久試験機「面状体無負荷U字伸縮試験DLD-FS」を用いて、以下の条件で繰り返し屈曲評価を実施した。なおサンプルは、ハードコート層面が屈曲の内側、PETフィルムが屈曲の外側になるように屈曲試験機にセットした。
屈曲半径:1mm
屈曲回数:30000回
環境:23℃、50%RH
上記、屈曲評価終了後のサンプル屈曲部分を目視で確認し、以下の基準にて判定を行った。
〔ハードコート層側〕
〇:ハードコート層に折れ線が全く見られないか、うっすらと折れ線が見られる。
×:ハードコート層にクラックが見える。
〔粘着剤層側〕
◎:PETと粘着剤層の間で屈曲部に浮きが全く見られない。
○:PETと粘着剤層の間で屈曲部の一部に浮きが見られるが、サンプル幅に対して50%以下である。
×:PETと粘着剤層の間で屈曲部が完全に剥がれている。
[0112]
〔製造例1〕
 ウレタンアクリレート樹脂(DIC社製、製品名「ユニディック17-806」):100部とレベリング剤(DIC社製、製品名「GRANDIC PC4100」):1部、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア907):3部を混合し、固形分濃度が40%になるようにシクロペンタノンで希釈して、ハードコート層形成用組成物を調整した。
[0113]
〔実施例1〕
 2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA):50部、イソステアリルアクリレート(ISTA):50部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBA):1部、1-ビニル-2-ピロリドン(NVP):20部、2種の光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF社製):0.05部および光重合開始剤(商品名:イルガキュア651、BASF社製):0.05部を、4つ口フラスコに投入して、モノマー混合物を調製した。
 次いで、調製したモノマー混合物を窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることによって、重合率約10重量%の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を得た。得られたアクリル系ポリマーシロップの100部に、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA):0.1部、α-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製,KBM-403):0.3部を添加した後、これらを均一に混合して、モノマー成分を調製した。
 次いで、調整したモノマー成分を、片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRF、三菱樹脂株式会社製)の剥離処理面に、最終的な厚みが50μmになるように塗布して、塗布層を形成した。次いで、塗布されたモノマー成分の表面に、片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRF、三菱樹脂株式会社製)を、該フィルムの剥離処理面が塗布層側になるようにして被覆した。これにより、モノマー成分の塗布層を酸素から遮断した。このようにして得られた塗布層を有するシートにケミカルライトランプ(株式会社東芝製)を用いて照度5mW/cm (約350nmに最大感度をもつトプコンUVR-T1で測定)の紫外線を360秒間照射し、塗布層を硬化させて粘着剤層(1)を形成した。粘着剤層(1)の両面に被覆されたポリエステルフィルムは、剥離ライナーとして機能する。
 上記で得られた、両面が剥離ライナーで被覆された粘着剤層(1)の一方の面の剥離ライナーを剥離し、粘着剤層(1)を露出させた。基材層(1)として、厚み100μmのポリウレタン樹脂フィルムを用意した。この基材層(1)の一方の面に、上記剥離ライナー上に形成された露出させた粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層(1)上に残し、該粘着剤層(1)の表面(粘着剤層面)の保護に使用した。得られた構造体を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、「基材層(1)/粘着剤層(1)/剥離ライナー」の積層体(1)を得た。
 次いで、上記積層体を搬送しつつ、該積層体の基材層(1)側の面に、製造例1で調製したハードコート層形成用組成物を塗布し、80℃で加熱した。加熱後の塗布層に、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm の紫外線を照射して塗布層を硬化させてハードコート層(1)(厚み:3μm)を形成した。
 このようにして、「ハードコート層(1)/基材層(1)/粘着剤層(1)/剥離ライナー」の構成の表面保護フィルム(1)を得た。結果を表1に示す。
[0114]
〔実施例2〕
 基材層(1)に代えて、基材層(2)として厚み38μmの軟質PET樹脂フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、「ハードコート層(1)/基材層(2)/粘着剤層(1)/剥離ライナー」の構成の表面保護フィルム(2)を得た。結果を表1に示す。
[0115]
〔実施例3〕
 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管および冷却器を備えた反応容器に、モノマー成分としての2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA):30部、n-ブチルアクリレート(BA):70部、アクリル酸(AA):2部、および4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA):0.1部と、重合開始剤としての2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):0.08部と、重合溶媒としての酢酸エチル:150部とを仕込み、65℃で8時間溶液重合して、アクリル系ポリマー(A)の酢酸エチル溶液を得た。このアクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は44万であった。
 上記の酢酸エチル溶液に含まれるアクリル系ポリマー(A):100部に対し、粘着付与樹脂TA(ハリマ化成社製、水添ロジングリセリンエステル、商品名「ハリタックSE10」、軟化点75~85℃):30部、イソシアネート系架橋剤(東ソー製、商品名「コロネートL」)2.7部を加えて、粘着剤組成物(3)を調製した。
 アクリル系粘着剤組成物(1)に代えて、アクリル系粘着剤組成物(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、「ハードコート層(1)/基材層(1)/粘着剤層(3)/剥離ライナー」の構成の表面保護フィルム(3)を得た。結果を表1に示す。
[0116]
〔比較例1〕
 基材層(1)に代えて、基材層(C1)として厚み100μmの硬質PET樹脂フィルム(東レ製、商品名「ルミラー S10」)を用いた以外は、実施例1と同様にして、「ハードコート層(1)/基材層(C1)/粘着剤層(1)/剥離ライナー」の構成の表面保護フィルム(C1)を得た。結果を表1に示す。
[0117]
〔比較例2〕
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応器に、2,2‘-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリンー2-イル]プロパン}ジハイドロクロライド(商品名「VA-060」、和光純薬工業社製)(開始剤):0.279gおよびイオン交換水:100gを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。これを60℃に保ち、ここにブチルアクリレート:72部、アクリロニトリル:27部、アクリル酸:1部、ドデカンチオール(連鎖移動剤):0.04部、および、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(乳化剤):2部を、イオン交換水:41部に添加して乳化したもの(モノマー原料のエマルジョン):400gを3時間かけて除々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマー原料エマルジョンの滴下終了後、さらに3時間同温度に保持して熟成させた。このようにして重合したアクリル系ポリマーの水分散液(エマルジョン)を乾燥し、アクリル系ポリマー(X)を得た。アクリル系ポリマー(X)の重量平均分子量は70万であった。アクリル系ポリマー(X)[(モノマー組成)ブチルアクリレート(BA)を72部、アクリロニトリル(AN)を27部、アクリル酸(AA)を1部配合させて重合して得られた共重合体]:100部が溶解された酢酸エチル溶液に、粘着付与樹脂TA(ハリマ化成社製、水添ロジングリセリンエステル、商品名「ハリタックSE10」、軟化点75~85℃):30部、イソシアネート系架橋剤(東ソー製、商品名「コロネートL」):2.7部を加えて、粘着剤組成物(C2)を調製した。
 アクリル系粘着剤組成物(1)に代えて、アクリル系粘着剤組成物(C2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、「ハードコート層(1)/基材層(1)/粘着剤層(C2)/剥離ライナー」の構成の表面保護フィルム(C2)を得た。結果を表1に示す。
[0118]
[表1]


産業上の利用可能性

[0119]
 本発明の表面保護フィルムは、屈曲性に優れるので、例えば、可動屈曲部を有する部材に貼り付けられる態様などで好ましく用いられ得る。

符号の説明

[0120]
1000   表面保護フィルム
100    ハードコート層
200    基材層
300    粘着剤層

請求の範囲

[請求項1]
 ハードコート層と基材層と粘着剤層をこの順に含む表面保護フィルムであって、
 該ハードコート層と該基材層の積層体の23℃におけるヤング率が5MPa~1800MPaであり、
 該粘着剤層を構成する粘着剤のDSCによって測定したTgが0℃以下である、
 表面保護フィルム。
[請求項2]
 前記ハードコート層の硬度がH以上である、請求項1に記載の表面保護フィルム。
[請求項3]
 ハードコート層割れ試験におけるクラック発生時の引張変形率が15%以上である、請求項1または2に記載の表面保護フィルム。
[請求項4]
 前記ハードコート層の厚みが1μm~50μmである、請求項1から3までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
[請求項5]
 前記粘着剤層の、23℃における、剥離角度180度、剥離速度300mm/分での、PETフィルムに対する粘着力が、0.1N/20mm以上である、請求項1から4までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
[請求項6]
 前記基材層の厚みが1μm~500μmである、請求項1から5までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
[請求項7]
 前記粘着剤層の厚みが0.1μm~50μmである、請求項1から6までのいずれかに記載の表面保護フィルム。
[請求項8]
 全光線透過率が85%以上である、請求項1から7までのいずれかに記載の表面保護フィルム。


図面

[ 図 1]