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1. WO2020196611 - 硬質焼結体用の基材、硬質焼結体および切削工具

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明 細 書

発明の名称 硬質焼結体用の基材、硬質焼結体および切削工具

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034  

発明の効果

0035  

図面の簡単な説明

0036  

発明を実施するための形態

0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097  

実施例

0098   0099   0100   0101   0102   0103  

産業上の利用可能性

0104  

符号の説明

0105  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

明 細 書

発明の名称 : 硬質焼結体用の基材、硬質焼結体および切削工具

技術分野

[0001]
 本発明は、硬質焼結体用の基材、硬質焼結体および切削工具に関する。
 本願は、2019年3月26日に、日本に出願された特願2019-058625号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 従来、例えばエンドミル、リーマおよびドリル等の切削工具が知られている。切削工具は、円柱状の工具素材に研削加工を施して、切屑排出溝や切刃等を形成し製造される。工具素材は、刃部を構成する硬質焼結体と、超硬合金製のシャンクとをロウ付けにより接合し製作される。
[0003]
 硬質焼結体は、多段円柱状の基材と、基材の小径部を覆う円筒状の筒部と、を備える。基材は超硬合金製であり、筒部は多結晶ダイヤモンド(PCD)製や多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN)製である。基材と筒部とは一体に焼結されて、硬質焼結体とされる。従来の硬質焼結体として、例えば特許文献1、2が知られている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第3055803号公報
特許文献2 : 特許第5906355号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 硬質焼結体は、基材の線膨張係数(熱膨張係数)と筒部の線膨張係数とが大きく異なる。例えば、基材が超硬合金製で筒部がPCD製の場合、筒部の線膨張係数は、基材の線膨張係数の半分程度である。このため、硬質焼結体とシャンクとをロウ付けする際に、熱応力によって筒部と基材との界面近傍などにクラックが生じる場合がある。
[0006]
 本発明は、上記事情に鑑み、硬質焼結体にクラックが生じることを抑制できる硬質焼結体用の基材、硬質焼結体および切削工具を提供することを目的の一つとする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の一つの態様は、中心軸を有し、前記中心軸の軸方向に延びる多段柱状の硬質焼結体用の基材であって、小径部と、前記小径部よりも外径が大きい大径部と、前記大径部の外周面の軸方向一方側の端部と前記小径部の軸方向他方側の端部との間に位置し、軸方向一方側を向く基材端面と、前記大径部の外周面と前記基材端面とが接続する環状の角部のうち、周方向の少なくとも一部に配置される第1傾斜部と、を備え、前記第1傾斜部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。
 また、本発明の硬質焼結体の一つの態様は、上述の硬質焼結体用の基材と、前記小径部を覆う筒状であり、前記硬質焼結体用の基材よりも線膨張係数が小さく、かつ硬度が高く、前記硬質焼結体用の基材と一体に焼結された筒部と、を備え、前記筒部の内周面は、前記小径部の外周面と接合され、前記筒部の軸方向他方側を向く筒部端面は、前記基材端面と接合され、前記筒部は、前記筒部の外周面と前記筒部端面とが接続する環状の角部のうち、周方向の少なくとも一部に配置される第2傾斜部を有し、前記第2傾斜部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置し、前記第1傾斜部と接合される。
 また、本発明の切削工具の一つの態様は、上述の硬質焼結体の外周部に、軸方向に延びる切屑排出溝および切刃が設けられた刃部と、前記刃部と軸方向に接続されるシャンクと、を備え、前記切刃は、前記筒部に配置される。
[0008]
 本発明の硬質焼結体用の基材、硬質焼結体および切削工具によれば、基材の大径部の外周面と基材端面とが接続する角部に、第1傾斜部が位置している。また、基材と一体に焼結される筒部には、第1傾斜部と接合される第2傾斜部が設けられる。本発明と異なり第1傾斜部および第2傾斜部が設けられない従来の構成と比べて、本発明では第1傾斜部および第2傾斜部が設けられることにより、基材の体積が減少し、筒部の体積が増加する。つまり、基材の体積が小さく抑えられ、筒部の体積が大きく確保される。これにより、硬質焼結体とシャンクとをロウ付けする際に、筒部が基材から受ける熱応力を低減させることができる。また、この熱応力低減の効果にあわせ、基材と筒部との接触面積が増えることで、基材と筒部との接合強度が増す効果も得られる。
[0009]
 硬質焼結体とシャンクとをロウ付けする際に生じる熱応力は、基材の中心軸と垂直な方向に作用する。つまりロウ付け時には、基材端面および筒部端面の面方向に沿うせん断力が生じやすい。本発明では、基材端面から軸方向に窪む第1傾斜部が設けられ、筒部端面から軸方向に突出する第2傾斜部が設けられる。このためロウ付け時には、第1傾斜部および第2傾斜部に対して垂直な方向に力が逃げる分、中心軸に垂直なせん断方向の熱応力が減少する。
[0010]
 したがって本発明によれば、ロウ付け時において熱応力に耐え得る硬質焼結体とすることができ、硬質焼結体にクラックが生じることを抑制できる。そして、この硬質焼結体を刃部に用いた切削工具を、効率よく安定して製造できる。
[0011]
 上記硬質焼結体用の基材は、前記中心軸に沿う縦断面視で、前記中心軸に垂直な仮想平面と、前記第1傾斜部との間の角度が、10°以上75°以下であることが好ましい。
[0012]
 縦断面視において、中心軸に垂直な仮想平面と第1傾斜部との間の角度が、10°以上であると、第1傾斜部が基材端面から軸方向に窪む深さが大きく確保され、かつ基材の体積が安定して小さく抑えられる。これにより、基材と一体に焼結される筒部がロウ付け時に基材から受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、第1傾斜部に垂直な方向に応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0013]
 縦断面視において、中心軸に垂直な仮想平面と第1傾斜部との間の角度が、75°以下であると、第1傾斜部が大径部の軸方向他方側を向く端面に近づき過ぎることが抑えられる。つまり、第1傾斜部が、硬質焼結体とシャンクとのロウ付け箇所(接合部)に近づき過ぎることを抑制できる。これにより、基材と一体に焼結される筒部のうち、第1傾斜部と接合される第2傾斜部が、ロウ付け時に誘導加熱用の熱源から離れて配置され、第2傾斜部の材料の特性が変化することが抑制される。具体的には、例えば筒部がPCD製である場合に、第2傾斜部を構成するダイヤモンド粒子が熱源によりグラファイト化し強度が低下するような不具合を抑制できる。
[0014]
 上記硬質焼結体用の基材は、前記大径部の外周面から前記第1傾斜部が径方向内側に窪む最大深さが、前記大径部の直径の5%以上であり、前記大径部の半径と前記小径部の半径との差の値以下であることが好ましい。
[0015]
 大径部の外周面から第1傾斜部が径方向内側に窪む最大深さが、大径部の直径の5%以上であると、第1傾斜部の径方向の長さが大きく確保されて、基材の体積が安定して小さく抑えられる。これにより、基材と一体に焼結される筒部がロウ付け時に基材から受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、第1傾斜部に垂直な方向に応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0016]
 大径部の外周面から第1傾斜部が径方向内側に窪む最大深さが、大径部の半径と小径部の半径との差の値以下であると、第1傾斜部が小径部に干渉することが抑えられて、この基材を安定して製造できる。
[0017]
 上記硬質焼結体用の基材において、前記第1傾斜部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向の深さが深くなる凹状であり、前記第1傾斜部は、周方向に互いに間隔をあけて、前記角部に複数設けられることが好ましい。
[0018]
 この場合、第1傾斜部が例えば溝状(スリット状)等の凹状であり、大径部の外周面と基材端面とが接続する角部に、周方向に等間隔または不等間隔をあけて複数設けられる。このため、第1傾斜部を配置する自由度が増し、各種の切削工具に用いられる各種の硬質焼結体に容易に対応可能である。
 なお上記構成では、硬質焼結体に切屑排出溝や切刃の形状を付与して切削工具の刃部とする際に、複数の第1傾斜部のうちいくつかを、研削加工によって除去してもよい。
[0019]
 上記硬質焼結体用の基材は、前記第1傾斜部の周方向の長さが、前記大径部の直径の10%以上80%以下であることが好ましい。
[0020]
 第1傾斜部の周方向の長さが、大径部の直径の10%以上であると、基材の大径部の外周面と基材端面とが接続する角部において窪む第1傾斜部の容量が大きく確保され、基材の体積が安定して小さく抑えられる。これにより、基材と一体に焼結される筒部がロウ付け時に基材から受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、容量の大きい第1傾斜部によって応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0021]
 第1傾斜部の周方向の長さが、大径部の直径の80%以下であると、角部において窪む凹状の第1傾斜部を周方向に配置できる数が確保されて、複数の第1傾斜部の周方向を向く壁面部分の総面積が大きく確保される。これにより、複数の第1傾斜部と複数の第2傾斜部とが周方向において接触する総面積が大きく確保され、ロウ付け時に生じる熱応力に、より耐えやすくなる。
[0022]
 上記硬質焼結体用の基材において、前記第1傾斜部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する傾斜面と、前記傾斜面の周方向の両端部に接続し、周方向に互いに間隔をあけて対向配置される一対の側壁面と、を有することが好ましい。
[0023]
 この場合、例えば第1傾斜部が2つの壁面により断面V字状等に形成される場合と比べて、第1傾斜部の容量を大きく確保でき、その分、基材の体積が小さく抑えられる。これにより、基材と一体に焼結される筒部がロウ付け時に基材から受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、容量の大きい第1傾斜部によって応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0024]
 上記硬質焼結体用の基材において、前記一対の側壁面は、径方向外側へ向かうに従い周方向に互いに離れることが好ましい。
[0025]
 この場合、第1傾斜部の容量をより大きく確保でき、基材の体積がより小さく抑えられる。
[0026]
 上記硬質焼結体用の基材において、前記第1傾斜部は、前記角部の全周にわたって配置されることが好ましい。
[0027]
 この場合、第1傾斜部が環状であり、大径部の外周面と基材端面とが接続する角部に、周方向の全域にわたって設けられる。このため、第1傾斜部の容量を安定して大きく確保でき、その分、基材の体積が小さく抑えられる。これにより、基材と一体に焼結される筒部がロウ付け時に基材から受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、容量の大きい第1傾斜部によって応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0028]
 上記硬質焼結体用の基材において、前記第1傾斜部は、凹曲面状の凹曲面部を有することが好ましい。
[0029]
 この場合、第1傾斜部を構成する壁面の表面積を大きく確保でき、第1傾斜部と、基材と一体に焼結される筒部の第2傾斜部と、の接合強度が高められる。また、第1傾斜部の壁面近傍に熱応力が集中する箇所を生じにくくすることが可能であり、硬質焼結体にクラックが生じることをより抑制できる。また、第1傾斜部の容量をより大きく確保しやすい。
[0030]
 上記硬質焼結体用の基材において、前記第1傾斜部は、凸曲面状の凸曲面部を有することが好ましい。
[0031]
 この場合、第1傾斜部を構成する壁面の表面積を大きく確保でき、第1傾斜部と、基材と一体に焼結される筒部の第2傾斜部と、の接合強度が高められる。また、第1傾斜部の壁面近傍に熱応力が集中する箇所を生じにくくすることが可能であり、硬質焼結体にクラックが生じることをより抑制できる。
[0032]
 上記硬質焼結体において、前記硬質焼結体用の基材は、ヤング率が300GPa以上であり、前記筒部は、ヤング率が600GPa以上であることが好ましい。
[0033]
 硬質焼結体用の基材のヤング率が300GPa以上であると、この基材を例えばエンドミル等の切削工具に用いた場合に、安定して剛性を確保できる。
 また、筒部のヤング率が600GPa以上であると、この筒部を例えばエンドミル等の切削工具に用いた場合に、安定して耐摩耗性を確保できる。
[0034]
 上記硬質焼結体において、前記硬質焼結体用の基材は、超硬合金製、サーメット製およびセラミクス製のいずれかであり、前記筒部は、多結晶ダイヤモンド製および多結晶立方晶窒化ホウ素製のいずれかであることが好ましい。

発明の効果

[0035]
 本発明の一つの態様の硬質焼結体用の基材、硬質焼結体および切削工具によれば、硬質焼結体にクラックが生じることを抑制できる。

図面の簡単な説明

[0036]
[図1] 図1は、第1実施形態の硬質焼結体を示す上面図である。
[図2] 図2は、第1実施形態の硬質焼結体を示す側面図および側断面図(縦断面図)である。
[図3] 図3は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材を示す上面図である。
[図4] 図4は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材を示す側面図および側断面図(縦断面図)である。
[図5] 図5は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材を示す斜視図である。
[図6] 図6は、第1実施形態の切削工具を示す側面図である。
[図7] 図7は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第1変形例を示す斜視図である。
[図8] 図8は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第1変形例を示す上面図である。
[図9] 図9は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第2変形例を示す斜視図である。
[図10] 図10は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第2変形例を示す上面図である。
[図11] 図11は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第3変形例を示す斜視図である。
[図12] 図12は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第3変形例を示す上面図である。
[図13] 図13は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第4変形例を示す斜視図である。
[図14] 図14は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第4変形例を示す上面図である。
[図15] 図15は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第5変形例を示す斜視図である。
[図16] 図16は、第1実施形態の硬質焼結体用の基材の第5変形例を示す上面図である。
[図17] 図17は、第2実施形態の硬質焼結体用の基材を示す側面図である。
[図18] 図18は、第2実施形態の硬質焼結体用の基材の変形例を示す側面図である。

発明を実施するための形態

[0037]
<第1実施形態>
 以下、本発明の第1実施形態の硬質焼結体用の基材1A(1)、硬質焼結体10および切削工具50について、図1~図6を参照して説明する。図1および図2は、本実施形態の硬質焼結体10を示す。図3~図5は、本実施形態の硬質焼結体用の基材1Aを示す。図6は、本実施形態の切削工具50を示す。
 なお以下の説明では、硬質焼結体用の基材1Aを、単に基材1Aと呼ぶ場合がある。また硬質焼結体10は、超硬質焼結体10や超高硬度焼結体10と言い換えてもよい。
[0038]
 図1および図2に示すように、硬質焼結体10は、硬質焼結体用の基材1Aと、硬質焼結体用の基材1Aと一体に焼結された筒部20と、を備える。基材1Aは、ヤング率が300GPa以上である。基材1Aは、超硬合金製、サーメット製およびセラミクス製のいずれかである。筒部20は、ヤング率が600GPa以上である。筒部20は、多結晶ダイヤモンド(PCD)製および多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN)製のいずれかである。筒部20は、基材1Aよりも線膨張係数が小さく、かつ硬度が高い。硬質焼結体用の基材1Aのヤング率は、550GPa以上650GPa以下であり、筒部20のヤング率は、800GPa以上950GPa以下であることが好ましい。
 硬質焼結体10は、図示しない円筒状のカプセルに、圧粉成形体とされた基材1A原料と、粉末状の筒部20原料とを充填し、超高温超高圧条件下で焼結することにより製造される。
[0039]
 図1~図5に示すように、基材1Aは、中心軸Cを有し、中心軸Cの軸方向に延びる多段柱状である。具体的に基材1Aは、中心軸Cを中心とする多段円柱状である。基材1Aは、小径部2と、大径部3と、基材端面4と、角部5と、第1傾斜部6と、を備える。
[0040]
 本実施形態では、基材1Aの中心軸Cが延びる方向(中心軸Cに沿う方向)を、軸方向と呼ぶ。軸方向において、小径部2と大径部3とは互いに異なる位置に配置されている。軸方向のうち、大径部3から小径部2へ向かう方向を軸方向一方側と呼び、小径部2から大径部3へ向かう方向を軸方向他方側と呼ぶ。
 中心軸Cに直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Cに近づく方向を径方向内側と呼び、中心軸Cから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。
 中心軸C回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。周方向のうち、所定の回転方向を周方向一方側と呼び、これとは反対の回転方向を周方向他方側と呼ぶ。
[0041]
 基材1Aの中心軸C、硬質焼結体10の中心軸Cおよび切削工具50の中心軸Cは、共通軸であり、互いに同軸に配置される。
 軸方向一方側は、図6に示す切削工具50において先端側(図6の上側)に相当する。軸方向他方側は、切削工具50において後端側(図6の下側)に相当する。
 周方向のうち、切削加工時に工作機械の主軸等により切削工具50が回転させられる向きを工具回転方向Tと呼び、これとは反対の回転方向を、工具回転方向Tとは反対方向(反工具回転方向)と呼ぶ場合がある。本実施形態において周方向一方側は、工具回転方向Tに相当し、周方向他方側は、工具回転方向Tとは反対方向に相当する。
[0042]
 図1~図5において、小径部2は、軸方向に延びる円柱状である。
 大径部3は、軸方向に延びる円柱状である。大径部3は、小径部2よりも外径が大きい。本実施形態では大径部3の外径(直径)Dが、小径部2の外径dの略2倍である。大径部3は、小径部2よりも軸方向の長さが小さい。本実施形態では大径部3の軸方向の長さL1が、小径部2の軸方向の長さL2の略1/3倍である。大径部3の軸方向他方側を向く端面3aは、中心軸Cに垂直な方向に拡がる平面状である。端面3aは、円形状である。
[0043]
 基材端面4は、大径部3の外周面の軸方向一方側の端部と小径部2の軸方向他方側の端部との間に位置し、軸方向一方側を向く。基材端面4は、大径部3の外周面の軸方向一方側の端部と、小径部2の外周面の軸方向他方側の端部との間に配置される。基材端面4は、中心軸Cを中心とする円形環状である。本実施形態では基材端面4が、中心軸Cに垂直な方向に拡がる平面状である。
 図5に示すように、基材端面4は、基材端面4のうち小径部2と接続する内周部に隅部凹曲面部4aを有していてもよい。隅部凹曲面部4aは、中心軸Cを中心とする円形環状の凹曲面である。隅部凹曲面部4aは、径方向内側へ向かうに従い軸方向一方側に位置する。中心軸Cに沿う縦断面視で、隅部凹曲面部4aは凹曲線状であり、径方向内側かつ軸方向他方側に向けて窪む。
[0044]
 角部5は、大径部3の外周面と基材端面4とが接続する凸状の部分である。角部5は、中心軸Cを中心とする環状であり、周方向に延びる。角部5は、円形環状である。角部5は、基材角部5と言い換えてもよい。
[0045]
 第1傾斜部6は、角部5のうち、周方向の少なくとも一部に配置される。第1傾斜部6は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。つまり第1傾斜部6は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側へ向けて延びる。具体的には、第1傾斜部6のうち径方向内側に位置する内側部、つまり第1傾斜部6の底部である面部または谷部が、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置し、中心軸Cに対して傾斜して延びる。
[0046]
 図4に示すように、中心軸Cに沿う縦断面視で、中心軸Cに垂直な仮想平面VPと、第1傾斜部6との間の角度θは、10°以上75°以下である。詳しくは、この縦断面視において角度θは、仮想平面VPと、第1傾斜部6のうち径方向内側に位置する内側部と、の間に形成される鋭角および鈍角のうち、鋭角の角度である。
 中心軸Cに沿う縦断面視で、中心軸Cに垂直な仮想平面VPと、第1傾斜部6との間の角度θは、45°以上60°以下であることが好ましい。
[0047]
 本実施形態では第1傾斜部6が、角部5において窪む凹状であり、図示の例では溝状(スリット状)である。第1傾斜部6は、軸方向および径方向に延びる。第1傾斜部6は、基材端面4から軸方向他方側に窪み、大径部3の外周面から径方向内側に窪む。第1傾斜部6は、周方向に互いに間隔をあけて、角部5に複数設けられる。図示の例では、複数(8つ)の第1傾斜部6が、周方向に互いに等間隔をあけて(等ピッチで)配置される。ただしこれに限らず、複数の第1傾斜部6は、周方向に互いに不等間隔をあけて(不等ピッチで)配置されてもよい。
[0048]
 第1傾斜部6は、径方向外側へ向かうに従い軸方向の深さが深くなる。第1傾斜部6は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向の深さが深くなる。図3に示すように、大径部3の外周面から第1傾斜部6が径方向内側に窪む最大深さ(溝深さ)GDは、大径部3の直径Dの5%以上であり、大径部3の半径D/2と小径部2の半径d/2との差の値(D/2-d/2)以下である。最大深さGDは、第1傾斜部6の軸方向一方側の端部における径方向の長さ、と言い換えてもよい。
 大径部3の外周面から第1傾斜部6が径方向内側に窪む最大深さGDは、大径部3の直径Dの10%以上であり、大径部3の直径Dの20%以下であることが好ましい。
[0049]
 第1傾斜部6の周方向の長さ(溝幅)GWは、大径部3の直径Dの10%以上80%以下である。なお、本実施形態において第1傾斜部6の周方向の長さGWは、図3に示すように基材1Aを軸方向から見て、第1傾斜部6の径方向外端部における開口寸法に相当する。
 第1傾斜部6の周方向の長さGWは、大径部3の直径Dの10%以上20%以下であることが好ましい。
[0050]
 図3~図5に示すように、第1傾斜部6は、第1傾斜面(傾斜面)6aと、一対の第1側壁面(側壁面)6bと、を有する。
 第1傾斜面6aは、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。本実施形態では第1傾斜面6aが、平面状である。第1傾斜面6aは、径方向外側および軸方向一方側を向く。第1傾斜面6aは、四角形状である。
[0051]
 一対の第1側壁面6bは、第1傾斜面6aの周方向の両端部に接続し、周方向に互いに間隔をあけて対向配置される。本実施形態では第1側壁面6bが、周方向に垂直な方向(軸方向および径方向)に拡がる平面状である。第1側壁面6bは、三角形状である。
[0052]
 図1および図2に示すように、筒部20は、小径部2を覆う筒状である。筒部20は、中心軸Cを中心とする円筒状であり、軸方向に延びる。本実施形態では筒部20が、有頂筒状である。筒部20は、周壁部21と、頂壁部22と、筒部端面23と、角部24と、第2傾斜部25と、を有する。
[0053]
 周壁部21は、軸方向に延びる円筒状である。周壁部21は、径方向において小径部2を外側から囲う。周壁部21の内周面は、小径部2の外周面と固定される。周壁部21の内周面(つまり筒部20の内周面)は、小径部2の外周面と接合されている。
[0054]
 頂壁部22は、周壁部21の軸方向一方側の端部に接続する。頂壁部22は、中心軸Cを中心とする円板状である。頂壁部22の一対の板面は、軸方向を向く。頂壁部22の軸方向他方側を向く板面は、小径部2の軸方向一方側を向く端面と固定される。頂壁部22の軸方向他方側を向く板面は、小径部2の軸方向一方側を向く端面と接合されている。
[0055]
 筒部端面23は、周壁部21の軸方向他方側の端部に位置し、軸方向他方側を向く。筒部端面23は、中心軸Cを中心とする円形環状である。本実施形態では筒部端面23が、中心軸Cに垂直な方向に拡がる平面状である。筒部端面23は、基材端面4と固定される。筒部端面23は、基材端面4と接合されている。
[0056]
 角部24は、周壁部21の外周面(つまり筒部20の外周面)と筒部端面23とが接続する凸状の部分である。角部24は、中心軸Cを中心とする環状であり、周方向に延びる。角部24は、円形環状である。角部24は、筒部角部24と言い換えてもよい。
[0057]
 第2傾斜部25は、角部24のうち、周方向の少なくとも一部に配置される。第2傾斜部25は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。具体的には、第2傾斜部25のうち径方向内側に位置する内側部、つまり第2傾斜部25において径方向内側を向く面部または稜部が、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置し、中心軸Cに対して傾斜して延びる。第2傾斜部25は、第1傾斜部6と固定される。第2傾斜部25は、第1傾斜部6と接合されている。
[0058]
 本実施形態では第2傾斜部25が、角部24において突出する凸状であり、具体的には突起状またはリブ状である。第2傾斜部25は、軸方向および径方向に延びる。第2傾斜部25は、筒部端面23から軸方向他方側に突出する。第2傾斜部25の径方向外側に位置する外側部(外周面)は、軸方向から見て周壁部21の外周面と重なる。第2傾斜部25の径方向外側に位置する外側部は、周壁部21の外周面と面一に配置される。
[0059]
 第2傾斜部25は、周方向に互いに間隔をあけて、角部24に複数設けられる。図示の例では、複数(8つ)の第2傾斜部25が、周方向に互いに等間隔をあけて(等ピッチで)配置される。ただしこれに限らず、複数の第2傾斜部25は、周方向に互いに不等間隔をあけて(不等ピッチで)配置されてもよい。
[0060]
 中心軸Cに沿う縦断面視で、中心軸Cに垂直な仮想平面VPと、第2傾斜部25との間の角度は、上述した角度θと同じ値(10°以上75°以下)である。詳しくは、この縦断面視において前記角度は、仮想平面VPと、第2傾斜部25のうち径方向内側に位置する内側部と、の間に形成される鋭角および鈍角のうち、鋭角の角度である。
[0061]
 第2傾斜部25は、径方向外側へ向かうに従い軸方向の長さ(高さ)が大きくなる。第2傾斜部25は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向の長さが大きくなる。第2傾斜部25の径方向の最大長さは、上述した第1傾斜部6の最大深さGDと同じ値である。第2傾斜部25の径方向の最大長さは、周壁部21の外周面から第2傾斜部25の径方向内端部までの径方向の長さと等しい。第2傾斜部25の径方向の最大長さは、第2傾斜部25の軸方向一方側の端部における径方向の長さ、と言い換えてもよい。
 第2傾斜部25の周方向の長さ(突起幅、リブ幅)は、上述した第1傾斜部6の周方向の長さGWと同じ値である。
[0062]
 第2傾斜部25は、第2傾斜面25aと、一対の第2側壁面25bと、を有する。
 第2傾斜面25aは、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。本実施形態では第2傾斜面25aが、平面状である。第2傾斜面25aは、径方向内側および軸方向他方側を向く。第2傾斜面25aは、四角形状である。第2傾斜面25aは、第1傾斜面6aと同じ形状を有する。第2傾斜面25aは、第1傾斜面6aと接合される。
[0063]
 一対の第2側壁面25bは、第2傾斜面25aの周方向の両端部に接続し、周方向に互いに間隔をあけて背中合わせに配置される。本実施形態では第2側壁面25bが、周方向に垂直な方向(軸方向および径方向)に拡がる平面状である。第2側壁面25bは、三角形状である。第2側壁面25bは、第1側壁面6bと同じ形状を有する。第2側壁面25bは、第1側壁面6bと接合される。
[0064]
 切削工具50は、回転切削工具(転削工具)であり、具体的にはエンドミル、リーマおよびドリル等である。図6に示すように、本実施形態の切削工具50は、エンドミルである。
[0065]
 切削工具50は、上述した硬質焼結体10の外周部に、軸方向に延びる切屑排出溝55および切刃(外周刃)56が設けられた刃部51と、刃部51と軸方向に接続されるシャンク52と、を備える。すなわち、刃部51は、硬質焼結体10の外周部に、研削砥石等により切屑排出溝55および切刃56が研削加工されることで製作される。つまり硬質焼結体10は、刃部51を製作するための素材であり、切削工具50の製造過程で製作される刃部51の中間体である。刃部51の外周面は、筒部20の周壁部21に配置される。
 なお、硬質焼結体10に切屑排出溝55や切刃56の形状を付与して切削工具50の刃部51とする際に、複数の第1傾斜部6のうちいくつか、および複数の第2傾斜部25のうちいくつかを、研削加工により選択的に除去してもよい。
[0066]
 シャンク52は、超硬合金製である。シャンク52は、軸方向に延びる円柱状である。刃部51とシャンク52とは、例えばAgロウを用いた真空下における誘導加熱でのロウ付けにより、互いに接合される。すなわち、刃部51の軸方向他方側を向く端面(大径部3の端面)3aと、シャンク52の軸方向一方側を向く端面52aとが、ロウ付けにより互いに接合されている。
 切削工具50は、シャンク52が図示しない工作機械の主軸等に着脱可能に取り付けられ、工作機械の主軸等により中心軸C回りに回転させられて、被削材を切削加工(転削加工)する。被削材は、例えば金属製である。
[0067]
 切屑排出溝55は、切削工具50の外周面から径方向内側に窪み、軸方向に延びる。本実施形態では切屑排出溝55が、切削工具50の軸方向一方側の端部(先端部)から軸方向他方側(後端側)へ向かうに従い工具回転方向Tとは反対方向へ向けて、螺旋状に延びる。ただしこれに限らず、切屑排出溝55は、中心軸Cと平行に軸方向に延びていてもよい。
[0068]
 切屑排出溝55は、切削工具50に少なくとも1つ設けられる。本実施形態では切屑排出溝55が、複数設けられる。複数の切屑排出溝55は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では複数の切屑排出溝55が、中心軸Cに関して回転対称位置となるように、切削工具50の外周に周方向に互いに等間隔をあけて(等ピッチで)配置される。なお、複数の切屑排出溝55は、周方向に互いに不等間隔をあけて(不等ピッチで)配置されてもよい。
[0069]
 切刃56は、刃部51に配置されて軸方向に延びる。切刃56は、切屑排出溝55の工具回転方向Tを向く壁面と、刃部51の外周面と、の交差稜線に形成される。切刃56は、刃部51の軸方向一方側の端部(先端部)から軸方向他方側へ向かうに従い工具回転方向Tとは反対方向へ向けて、螺旋状に延びる。ただしこれに限らず、切刃56は、中心軸Cと平行に軸方向に延びていてもよい。
[0070]
 切刃56の数は、切屑排出溝55の数と同じである。本実施形態では切刃56が、複数設けられる。各切刃56は、各切屑排出溝55に沿って延びる。本実施形態では複数の切刃56が、中心軸Cに関して回転対称位置となるように、刃部51の外周に周方向に互いに等間隔をあけて(等ピッチで)配置される。なお、複数の切刃56は、周方向に互いに不等間隔をあけて(不等ピッチで)配置されてもよい。
[0071]
 切刃56は、硬質焼結体10の筒部20の周壁部21に配置されて、刃部51の外周部の一部を構成する。
 切屑排出溝55は、筒部20の周壁部21および小径部2にわたって配置される。切屑排出溝55の工具回転方向Tを向く壁面のうち、切刃56に隣接する外周部、つまり切刃56のすくい面は、筒部20の周壁部21に配置される。
 刃部51の外周面のうち、切刃56に隣接する部分、つまり切刃56の逃げ面は、筒部20の周壁部21に配置される。
[0072]
 本実施形態の刃部51は、切屑排出溝55および切刃56以外に、ギャッシュ57と、底刃58と、を有する。ギャッシュ57は、切屑排出溝55の軸方向一方側の端部に位置する。ギャッシュ57は、径方向に延びる溝状である。ギャッシュ57は、複数の切屑排出溝55にそれぞれ設けられる。
 底刃58は、刃部51の軸方向一方側の端部に配置されて、径方向に延びる。底刃58は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。底刃58は、筒部20の頂壁部22に配置されてもよい。
[0073]
 以上説明した本実施形態の硬質焼結体用の基材1A、硬質焼結体10および切削工具50によれば、基材1Aの大径部3の外周面と基材端面4とが接続する角部5に、第1傾斜部6が位置している。また、基材1Aと一体に焼結される筒部20には、第1傾斜部6と接合される第2傾斜部25が設けられる。本実施形態と異なり第1傾斜部6および第2傾斜部25が設けられない従来の構成と比べて、本実施形態では第1傾斜部6および第2傾斜部25が設けられることにより、基材1Aの体積が減少し、筒部20の体積が増加する。つまり、基材1Aの体積が小さく抑えられ、筒部20の体積が大きく確保される。これにより、硬質焼結体10とシャンク52とをロウ付けする際に、筒部20が基材1Aから受ける熱応力を低減させることができる。また、この熱応力低減の効果にあわせ、基材1Aと筒部20との接触面積が増えることで、基材1Aと筒部20との接合強度が増す効果も得られる。
[0074]
 硬質焼結体10とシャンク52とをロウ付けする際に生じる熱応力は、基材1Aの中心軸Cと垂直な方向に作用する。つまりロウ付け時には、基材端面4および筒部端面23の面方向に沿うせん断力が生じやすい。本実施形態では、基材端面4から軸方向に窪む第1傾斜部6が設けられ、筒部端面23から軸方向に突出する第2傾斜部25が設けられる。このためロウ付け時には、第1傾斜部6および第2傾斜部25に対して垂直な方向に力が逃げる分、中心軸Cに垂直なせん断方向の熱応力が減少する。
[0075]
 したがって本実施形態によれば、ロウ付け時において熱応力に耐え得る硬質焼結体10とすることができ、硬質焼結体10にクラックが生じることを抑制できる。そして、この硬質焼結体10を刃部51に用いた切削工具50を、効率よく安定して製造できる。
[0076]
 本実施形態では、中心軸Cに沿う縦断面視で、中心軸Cに垂直な仮想平面VPと、第1傾斜部6との間の角度θが、10°以上75°以下である。
 縦断面視において、仮想平面VPと第1傾斜部6との間の角度θが、10°以上であると、第1傾斜部6が基材端面4から軸方向に窪む深さが大きく確保され、かつ基材1Aの体積が安定して小さく抑えられる。これにより、基材1Aと一体に焼結される筒部20がロウ付け時に基材1Aから受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、第1傾斜部6に垂直な方向に応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体10にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0077]
 縦断面視において、仮想平面VPと第1傾斜部6との間の角度θが、75°以下であると、第1傾斜部6が大径部3の軸方向他方側を向く端面3aに近づき過ぎることが抑えられる。つまり、第1傾斜部6が、硬質焼結体10とシャンク52とのロウ付け箇所(接合部)に近づき過ぎることを抑制できる。これにより、基材1Aと一体に焼結される筒部20のうち、第1傾斜部6と接合される第2傾斜部25が、ロウ付け時に誘導加熱用の熱源から離れて配置され、第2傾斜部25の材料の特性が変化することが抑制される。具体的には、例えば筒部20がPCD製である場合に、第2傾斜部25を構成するダイヤモンド粒子が熱源によりグラファイト化し強度が低下するような不具合を抑制できる。
[0078]
 本実施形態では、大径部3の外周面から第1傾斜部6が径方向内側に窪む最大深さGDが、大径部3の直径Dの5%以上であり、大径部3の半径D/2と小径部2の半径d/2との差の値(D/2-d/2)以下である。
 大径部3の外周面から第1傾斜部6が径方向内側に窪む最大深さGDが、大径部3の直径Dの5%以上であると、第1傾斜部6の径方向の長さが大きく確保されて、基材1Aの体積が安定して小さく抑えられる。これにより、基材1Aと一体に焼結される筒部20がロウ付け時に基材1Aから受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、第1傾斜部6に垂直な方向に応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体10にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0079]
 大径部3の外周面から第1傾斜部6が径方向内側に窪む最大深さGDが、大径部3の半径D/2と小径部2の半径d/2との差の値(D/2-d/2)以下であると、第1傾斜部6が小径部2に干渉することが抑えられて、この基材1Aを安定して製造できる。
[0080]
 本実施形態では、第1傾斜部6が例えば溝状等の凹状であり、大径部3の外周面と基材端面4とが接続する角部5に、周方向に等間隔または不等間隔をあけて複数設けられる。このため、第1傾斜部6を配置する自由度が増し、各種の切削工具50に用いられる各種の硬質焼結体10に容易に対応可能である。
 なお上記構成において、複数設けられる第1傾斜部6および第2傾斜部25の組のうち、所定の組にロウ付け時にクラックが生じた場合には、硬質焼結体10に切屑排出溝55や切刃56の形状を付与して切削工具50の刃部51とする際に、クラックが生じた前記所定の組を研削加工によって選択的に除去してもよい。
[0081]
 本実施形態では、第1傾斜部6の周方向の長さGWが、大径部3の直径Dの10%以上80%以下である。
 第1傾斜部6の周方向の長さGWが、大径部3の直径Dの10%以上であると、基材1Aの大径部3の外周面と基材端面4とが接続する角部5において窪む第1傾斜部6の容量が大きく確保され、基材1Aの体積が安定して小さく抑えられる。これにより、基材1Aと一体に焼結される筒部20がロウ付け時に基材1Aから受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、容量の大きい第1傾斜部6によって応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体10にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0082]
 第1傾斜部6の周方向の長さGWが、大径部3の直径Dの80%以下であると、角部5において窪む凹状の第1傾斜部6を周方向に配置できる数が確保されて、複数の第1傾斜部6の周方向を向く壁面部分(第1側壁面6b)の総面積が大きく確保される。これにより、複数の第1傾斜部6と複数の第2傾斜部25とが周方向において接触する総面積が大きく確保され、ロウ付け時に生じる熱応力に、より耐えやすくなる。
[0083]
 本実施形態では、第1傾斜部6が、第1傾斜面(傾斜面)6aと、一対の第1側壁面(側壁面)6bと、を有する。
 この場合、例えば第1傾斜部6が2つの壁面により断面V字状等に形成される場合と比べて、第1傾斜部6の容量を大きく確保でき、その分、基材1Aの体積が小さく抑えられる。これにより、基材1Aと一体に焼結される筒部20がロウ付け時に基材1Aから受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、容量の大きい第1傾斜部6によって応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体10にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0084]
 本実施形態では、硬質焼結体用の基材1Aのヤング率が300GPa以上であり、焼結後の筒部20のヤング率が600GPa以上である。
 硬質焼結体用の基材1Aのヤング率が300GPa以上であると、この基材1Aを本実施形態のようにエンドミル等の切削工具50に用いた場合に、安定して剛性を確保できる。
 また、筒部20のヤング率が600GPa以上であると、この筒部20を本実施形態のようにエンドミル等の切削工具50に用いた場合に、安定して耐摩耗性を確保できる。
[0085]
 図7および図8は、本実施形態の第1変形例の硬質焼結体用の基材1B(1)を示す。この第1変形例では、第1傾斜部6の一対の第1側壁面(側壁面)6bが、径方向外側へ向かうに従い周方向に互いに離れる。
 この第1変形例によれば、第1傾斜部6の容量をより大きく確保でき、基材1Bの体積がより小さく抑えられる。
[0086]
 図9および図10は、本実施形態の第2変形例の硬質焼結体用の基材1C(1)を示す。この第2変形例では、第1傾斜部6の第1傾斜面(傾斜面)6aが、平面部6cと、一対の凹面部6dと、を有する。
 平面部6cは、平面状であり、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。
 一対の凹面部6dは、平面部6cの周方向の両側に配置される。一対の凹面部6dは、一対の第1側壁面6bと接続する。凹面部6dは、凹曲面状であり、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。
 この第2変形例によれば、第1傾斜面6aが一対の凹面部6dを有するので、第1傾斜部6の内面(壁面)近傍に熱応力が集中する箇所を生じにくくすることが可能であり、硬質焼結体10にクラックが生じることをより抑制できる。
[0087]
 図11および図12は、本実施形態の第3変形例の硬質焼結体用の基材1D(1)を示す。この第3変形例では、第1傾斜部6が、凹曲面状の凹曲面部6eを有する。凹曲面部6eは、中心軸Cに垂直な横断面視で、径方向内側に窪む凹曲線状である。
 この第3変形例によれば、第1傾斜部6の内面(壁面)近傍に熱応力が集中する箇所を生じにくくすることが可能であり、硬質焼結体10にクラックが生じることをより抑制できる。
[0088]
 図13および図14は、本実施形態の第4変形例の硬質焼結体用の基材1E(1)を示す。この第4変形例では、第1傾斜部6が、一対の壁面部6fを有する。一対の壁面部6fは、周方向において互いに接続する。一対の壁面部6fは、径方向外側へ向かうに従い周方向に互いに離れる。壁面部6fは、平面状である。壁面部6fは、三角形状である。
 第1傾斜部6の径方向内側の内側部は、一対の壁面部6f同士が接続する谷部である。第1傾斜部6の谷部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。
 この第4変形例によれば、第1傾斜部6を成形する工程を簡素化でき、製造が容易である。
[0089]
 図15および図16は、本実施形態の第5変形例の硬質焼結体用の基材1F(1)を示す。この第5変形例では、第1傾斜部6が、第1壁面部6gと、第2壁面部6hと、を有する。第1壁面部6gと第2壁面部6hとは、周方向において互いに接続する。
 第1壁面部6gは、周方向に垂直な方向(軸方向および径方向)に拡がる平面状である。第1壁面部6gは、三角形状である。
 第2壁面部6hは、径方向外側へ向かうに従い第1壁面部6gから周方向に離れる。第2壁面部6hは、平面状である。第2壁面部6hは、三角形状である。
 第1傾斜部6の径方向内側の内側部は、第1壁面部6gと第2壁面部6hとが接続する谷部である。第1傾斜部6の谷部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。
 この第5変形例によれば、第1傾斜部6を成形する工程を簡素化でき、製造が容易である。
[0090]
<第2実施形態>
 次に、本発明の第2実施形態の硬質焼結体用の基材1G(1)について、図17を参照して説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して、その説明を省略する。
[0091]
 本実施形態の基材1Gは、第1傾斜部6が、角部5の全周にわたって配置されている。第1傾斜部6は、テーパ面6iを有する。テーパ面6iは、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置するテーパ状である。
[0092]
 本実施形態では第1傾斜部6が、中心軸Cを中心とする環状であり、大径部3の外周面と基材端面4とが接続する角部5に、周方向の全域にわたって設けられる。このため、第1傾斜部6の容量、すなわち図17に2点鎖線で示す仮想の角部5外形から第1傾斜部6が窪まされる容量を、安定して大きく確保でき、その分、基材1Gの体積が小さく抑えられる。また、焼結時に第1傾斜部6に充填される第2傾斜部25の容量を大きく確保でき、筒部20の体積が大きく確保される。これにより、基材1Gと一体に焼結される筒部20がロウ付け時に基材1Gから受ける熱応力を、安定して低減させることができる。またロウ付け時に、容量の大きい第1傾斜部6によって応力を逃がしやすくなり、硬質焼結体10にクラックが生じることをより安定して抑制できる。
[0093]
 図18は、本実施形態の変形例の硬質焼結体用の基材1H(1)を示す。この変形例では、第1傾斜部6が、凹曲面状の凹曲面部6jと、凸曲面状の凸曲面部6kと、を有する。
 凹曲面部6jは、中心軸Cを中心とする円形環状である。凹曲面部6jは、中心軸Cに沿う縦断面視で、径方向内側かつ軸方向他方側に向けて窪む凹曲線状である。凹曲面部6jは、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。凹曲面部6jは、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
 凸曲面部6kは、中心軸Cを中心とする円形環状である。凸曲面部6kは、中心軸Cに沿う縦断面視で、径方向外側かつ軸方向一方側に向けて突出する凸曲線状である。凸曲面部6kは、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する。凸曲面部6kは、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
 凹曲面部6jと凸曲面部6kとは、軸方向において交互に配列する。
[0094]
 この変形例では、第1傾斜部6を構成する壁面(凹曲面部6jおよび凸曲面部6k)の表面積を大きく確保でき、第1傾斜部6と、基材1Hと一体に焼結される筒部20の第2傾斜部25と、の接合強度が高められる。また、第1傾斜部6の壁面および第2傾斜部25の壁面近傍に熱応力が集中する箇所を生じにくくすることが可能であり、硬質焼結体10にクラックが生じることをより抑制できる。なお凹曲面部6jが設けられることで、第1傾斜部6の容量をより大きく確保しやすい。
[0095]
 なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
[0096]
 前述の実施形態では、切削工具50がエンドミルである例を挙げたが、これに限らない。切削工具50は、エンドミル以外のリーマ、ドリルおよびそれ以外の回転切削工具等であってもよい。例えば、切削工具50がドリルの場合、刃部51は、切屑排出溝55および切刃56以外に、先端刃、シンニング、マージンおよび二番取り面等を備える。
[0097]
 その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例およびなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
実施例
[0098]
 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されない。
[0099]
 本発明の実施例、および、比較例(第1傾斜部6を有さないもの)として、基材をそれぞれ用意した。実施例および比較例に共通する構成については、下記の通りとした。
・基材の材質…超硬合金製
・基材のヤング率…570GPa
・大径部3の直径D…12mm
・小径部2の直径d…6mm
・大径部3の軸方向の長さL1…7mm
・小径部2の軸方向の長さL2…21mm
・隅部凹曲面部4aの曲率半径…1mm
 実施例1~9については、前述の第1実施形態または第2実施形態の構成とし、下記表1に示すように、第1傾斜部6の形状(溝(数)または全周)、角度θ、最大深さGD、溝幅GWをそれぞれ設定した。なお基材の各寸法については、三次元形状測定器により測定した。
[0100]
 実施例1~9および比較例の各基材の形状を有する圧粉成形体を、米国特許第5031484号明細書に開示された方法を用いて粉末状の筒部原料と一緒に焼結し、硬質焼結体をそれぞれ製作した。焼結後の筒部のヤング率は、920GPaである。硬質焼結体は、外周をワイヤ放電加工機や円筒研削機などの加工機で円筒形状に仕上げた後、大径部3の軸方向他方側を向く端面(底面)3aを平面研削盤で0.2mmほど研削し、中心軸Cに垂直な平面に形成した。
 超硬合金製のシャンク52の軸方向一方側を向く端面(接合面)52aにAgロウ材を塗布し、この端面52aに硬質焼結体の端面3aを接着して、高周波ロウ付け装置を用いて真空下にて760℃の温度で接合した。
[0101]
 実施例1~9および比較例の各基材を用いた各硬質焼結体の評価については、蛍光探傷検査を行い硬質焼結体にクラックが発生しているか否かを確認した。クラックが発生している場合には、製品として使用できる(製品可)、できない(製品不可)についても評価した。結果を表1に示す。
[0102]
[表1]


[0103]
 表1に示されるように、本発明の実施例1~9の基材1を用いた硬質焼結体10は、すべてが製品として使用可能であった。詳しくは、第1傾斜部6の溝の一部や周方向一部にクラックや組織劣化が見受けられるものについては、硬質焼結体10を研削加工し刃部51とする際に、不具合がある部分を切屑排出溝55として除去することで対応可能であった。また、実施例1~9のうち、実施例5、6、8については、クラックの発生が見受けられず、良好な結果が得られた。
 一方、比較例は、周方向の全周にクラックが発生し、製品として使用不可であった。

産業上の利用可能性

[0104]
 本発明の硬質焼結体用の基材、硬質焼結体および切削工具によれば、硬質焼結体にクラックが生じることを抑制できる。したがって、産業上の利用可能性を有する。

符号の説明

[0105]
 1(1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H) 基材
 2 小径部
 3 大径部
 4 基材端面
 5 角部(基材角部)
 24 角部(筒部角部)
 6 第1傾斜部
 6a 第1傾斜面(傾斜面)
 6b 第1側壁面(側壁面)
 6e,6j 凹曲面部
 6k 凸曲面部
 10 硬質焼結体
 20 筒部
 23 筒部端面
 25 第2傾斜部
 50 切削工具
 51 刃部
 52 シャンク
 55 切屑排出溝
 56 切刃
 C 中心軸
 D 大径部の外径(直径)
 GD 第1傾斜部の径方向の最大深さ
 GW 第1傾斜部の周方向の長さ
 VP 仮想平面
 θ 角度

請求の範囲

[請求項1]
 中心軸を有し、前記中心軸の軸方向に延びる多段柱状の硬質焼結体用の基材であって、
 小径部と、
 前記小径部よりも外径が大きい大径部と、
 前記大径部の外周面の軸方向一方側の端部と前記小径部の軸方向他方側の端部との間に位置し、軸方向一方側を向く基材端面と、
 前記大径部の外周面と前記基材端面とが接続する環状の角部のうち、周方向の少なくとも一部に配置される第1傾斜部と、を備え、
 前記第1傾斜部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する、
 硬質焼結体用の基材。
[請求項2]
 前記中心軸に沿う縦断面視で、前記中心軸に垂直な仮想平面と、前記第1傾斜部との間の角度が、10°以上75°以下である、
 請求項1に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項3]
 前記大径部の外周面から前記第1傾斜部が径方向内側に窪む最大深さが、前記大径部の直径の5%以上であり、前記大径部の半径と前記小径部の半径との差の値以下である、
 請求項1または2に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項4]
 前記第1傾斜部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向の深さが深くなる凹状であり、
 前記第1傾斜部は、周方向に互いに間隔をあけて、前記角部に複数設けられる、
 請求項1から3のいずれか1項に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項5]
 前記第1傾斜部の周方向の長さが、前記大径部の直径の10%以上80%以下である、
 請求項4に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項6]
 前記第1傾斜部は、
 軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置する傾斜面と、
 前記傾斜面の周方向の両端部に接続し、周方向に互いに間隔をあけて対向配置される一対の側壁面と、を有する、
 請求項4または5に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項7]
 前記一対の側壁面は、径方向外側へ向かうに従い周方向に互いに離れる、
 請求項6に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項8]
 前記第1傾斜部は、前記角部の全周にわたって配置される、
 請求項1から3のいずれか1項に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項9]
 前記第1傾斜部は、凹曲面状の凹曲面部を有する、
 請求項1から8のいずれか1項に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項10]
 前記第1傾斜部は、凸曲面状の凸曲面部を有する、
 請求項1から9のいずれか1項に記載の硬質焼結体用の基材。
[請求項11]
 請求項1から10のいずれか1項に記載の硬質焼結体用の基材と、
 前記小径部を覆う筒状であり、前記硬質焼結体用の基材よりも線膨張係数が小さく、かつ硬度が高く、前記硬質焼結体用の基材と一体に焼結された筒部と、を備え、
 前記筒部の内周面は、前記小径部の外周面と接合され、
 前記筒部の軸方向他方側を向く筒部端面は、前記基材端面と接合され、
 前記筒部は、前記筒部の外周面と前記筒部端面とが接続する環状の角部のうち、周方向の少なくとも一部に配置される第2傾斜部を有し、
 前記第2傾斜部は、軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側に位置し、前記第1傾斜部と接合される、
 硬質焼結体。
[請求項12]
 前記硬質焼結体用の基材は、ヤング率が300GPa以上であり、
 前記筒部は、ヤング率が600GPa以上である、
 請求項11に記載の硬質焼結体。
[請求項13]
 前記硬質焼結体用の基材は、超硬合金製、サーメット製およびセラミクス製のいずれかであり、
 前記筒部は、多結晶ダイヤモンド製および多結晶立方晶窒化ホウ素製のいずれかである、
 請求項11または12に記載の硬質焼結体。
[請求項14]
 請求項11から13のいずれか1項に記載の硬質焼結体の外周部に、軸方向に延びる切屑排出溝および切刃が設けられた刃部と、
 前記刃部と軸方向に接続されるシャンクと、を備え、
 前記切刃は、前記筒部に配置される、
 切削工具。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]