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1. WO2020196442 - レーザー式ガス分析装置

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明 細 書

発明の名称 レーザー式ガス分析装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

先行技術文献

特許文献

0010  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0011   0012   0013   0014  

課題を解決するための手段

0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019   0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

産業上の利用可能性

0038  

符号の説明

0039  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : レーザー式ガス分析装置

技術分野

[0001]
 本発明は波長可変半導体レーザーを用いたレーザー式ガス分析装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 図4は、煙道(測定対象空間)に対してレーザー式ガス分析装置を適用した例を示し、図5はその回路部分と光路部分の概略を示すものであり、例えばUS特許第9244003号等の内容をより模式化して表したものである。
[0003]
 発光部100から出射されたレーザーは、発光側窓110を介して測定対象空間である煙道30に出射され、煙道30を透過したレーザーは受光側窓210を介して受光部200で検出される。ここで、発光部100、受光部200と前記測定対象空間である煙道30は前記発光側窓110、受光側窓210で仕切られている。
[0004]
 図5に示すように、発光部100を構成する波長可変レーザー素子111には、鋸波発生回路131からの数十~数百Hz程度の鋸波状のスイープ信号に対して正弦波発生回路132からの数十~百kHz程度の正弦波がレーザードライバ133で重畳された駆動電流が注入されるようになっており、従って、前記波長可変レーザー素子111が発振するレーザーは、測定対象物質の吸収線波長近傍で波長が変化する。当該波長可変レーザー素子111からの出射光はコリメーターレンズ112で平行光束にされて、発光側窓110から測定対象空間である煙道30に出射される。
[0005]
 前記したように測定対象空間である煙道30を通過したレーザーは受光側窓210を介して受光部200にて検出される。受光部200に入射したレーザーは集光レンズ212で受光素子211に集光され、当該受光素子で光電変換され、ロックインアンプ231で検波され出力される。
[0006]
 このようにして得られた信号は測定対象物質の濃度に対応した吸収波形を有することになる。
[0007]
 前記波長可変レーザーは一般的に数MHz程度の線幅を有し、そのコヒーレント長は数十~数百mのオーダーとなる。従って、前記コヒーレント長より短い光路長(例えば、前記煙道では1~10m前後)での測定を行うためには、レーザーの可干渉性を考慮してフリンジあるいはエタロン効果による光学的なノイズを抑制する設計が必要となる。
[0008]
 このため前記煙道30との仕切りをなす前記発光側窓110、受光側窓210に、厚さの均一な平行平板ではなくウェッジ型基板がしばしば用いられる。ウェッジ型基板では、基板の両面間あるいは基板とその他の光学的反射を生じる面との距離が空間的に連続的に変化するところから、光学的な干渉によるノイズを低減することが可能となる。
[0009]
 一方で、上記装置では空間的に平均化された測定を行うため、また、発光側から受光側へ伝達される光量を確保するために、レーザー出射端の後段側の適切な位置に平行光束を得るための前記コリメーターレンズ112を配置し、受光側では検出素子の前段側の適切な位置に前記集光レンズ212を配置するのが一般的である。

先行技術文献

特許文献

[0010]
特許文献1 : US特許第9244003号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0011]
 一般に測定対象空間(前記煙道)を含むプロセスと測定装置を仕切るために、前記のように発光側窓110、受光側窓210としてウェッジ型基板がそれぞれ一枚ずつ用いられる。この場合、コリメーターレンズ112により得られた平行光束は、ウェッジ型基板(発光側窓110)への入射角と当該ウェッジ型基板からの出射角が空間的に異なるため、発光側のウェッジ型基板を透過した光束、すなわち測定対象空間に入射する光束に、一枚のウェッジ型基板を透過することによる曲がりが生じることになり、この曲がりはウェッジ型基板の位置決め精度によっては予期しない方向となりかねない。
[0012]
 図6は上記の状態を示すものであり、発光側窓110と受光側窓210との間隔(図6での煙道30)が1m程度である場合で、波長760nmのレーザーを使用した場合、目的とする光軸αに対して、受光側窓210の後段の集光レンズ212の位置では約1cm程度のずれΔαが生じることになる。
[0013]
 更に、受光側のウェッジ型基板(受光側窓210)を透過した光束は、集光レンズ212に対して垂直に入射しないため、予め位置決めしておいた受光素子211の位置から集光位置がずれる、あるいは、受光素子211の位置を本来のレーザーのパワーを犠牲にして、光束の曲がりがない場合の焦点位置からずらして配置しておく必要がある等の弊害が生じることになる。
[0014]
 本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、光束の曲がりを抑制し、使用波長に応じて検出器の位置決めができるレーザー式ガス分析装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0015]
 本発明は、測定対象空間に波長可変レーザーを出射する発光部と、測定対象空間を透過したレーザーを検出する受光部をそなえたレーザー式ガス分析装置に関し、以下の発光側窓ユニットと受光側窓ユニットを備える。
[0016]
 前記発光側窓ユニットは、レーザー伝搬方向に所定距離の空間を保って配置された2枚のウェッジ型基板で構成され、測定対象空間に対して前記発光部からのレーザーを出射する。また前記受光側窓ユニットは、前記発光側窓ユニットと同じ構成とされるとともに、前記測定対象空間を透過したレーザーを前記受光部に入射する。
[0017]
 前記所定の空間を形成する2枚のウェッジ型基板の、前記空間の伝搬方向外側に対向する面が平行であり、かつ内側に対応する面も平行となり、前記レーザー伝搬方向の空間の距離は、レーザーの光学的干渉を抑制するように考慮して決定される。
[0018]
 前記発光側窓ユニットまたは受光側窓ユニットの少なくともいずれか一方の前記空間に被測定ガスを流す構成を備え、感度の確認および調整機構とすることができる。

発明の効果

[0019]
 上記構成により、波長に依存する光束の曲がりが抑制された平行光束を得ることができるので、例えば可視光レーザーを用いた場合と近赤外~中赤外波長レーザーを用いた場合の光軸が一致し、従って、光軸調整が簡単で、調整された光軸自体が安定性を持つことになる。しかも、前記光束は受光素子に対して直角に入射するためレーザーのパワーの損失を抑えることができ、受光素子は使用する波長に応じた焦点位置近傍に位置決めすればよく、微調整作業は必要ない。
[0020]
 さらに、前記発光側窓ユニット10または受光側窓ユニット20のいずれか一方の2枚のウェッジ型基板の間に形成される空間に測定対象の既知濃度の目盛点検用チェックガスを流すことで、測定対象のプロセスが休止している期間(測定対象空間に測定対象ガスが存在しない期間)であれば、当該測定装置を取り外すことなく簡単に感度の確認を実施することができる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 図1は本発明の原理を説明する図。
[図2] 図2は本発明のレーザー式ガス分析装置の光路を示す図。
[図3] 図3は本発明を適用したレーザー式ガス分析装置を示す図。
[図4] 図4は従来のレーザー式ガス分析装置を示す図。
[図5] 図5はレーザー式ガス分析装置の概要を示す図。
[図6] 図6は従来のレーザー式ガス分析装置の光路を示す図。

発明を実施するための形態

[0022]
 <原理>
 図1は本発明の原理を説明する図である。
[0023]
 図1(a)(1)に示すように、平行平板ωに直角に入射した平行光束は、平行のまま入射前の光軸を保って出射する。同図(2)に示すように、平行平板ωを傾けると、傾き角と平行平板の屈折率に応じて光軸は微細に変位するが、出射光の光束は入射光の光束に対して平行に出射する。図1(b)に示すように、前記平行平板ωを面方向に所定角度で分割して2枚のウェッジ型基板ω 、ω を重ね合わせた状態としても、入射光の光束に対して出射光の光束は平行な光束となる。
[0024]
 ここで、図1(c)に示すように、前記重ね合わせた2枚のウェッジ型基板ω 、ω で伝搬方向に所定の距離を離した空間を形成しても、当該空間の伝搬方向の距離が相対的に短い場合は出射光は当然入射光に対して平行光束となり、前記変位も小さい。すなわち、上流側のウェッジ型基板ω でウェッジ角に対応して軸の曲がりが発生するが、下流側のウェッジ型基板ω で修正され、入射光の光束と平行な光束として出射することになる。
[0025]
 ここで、前記2枚のウェッジ型基板ω 、ω は、形成された空間に対して外側の面α 、α の相互、および内側の面β 、β の相互が平行、すなわち、内側の面を合わせると平行平板になる必要がある。
[0026]
 本発明は、上記所定の空間を保って配置された2枚のウェッジ型基板ω 、ω で以下に説明する発光側窓ユニット、受光側窓ユニットが構成される。
[0027]
 尚、前記レーザー伝搬方向の空間の距離は、上記したように上流側のウェッジ型基板ω での軸の曲がりが下流側のウェッジ型基板ω で修正できる距離とされるとともに、レーザーの光学的干渉を抑制するように考慮して決定される。
[0028]
 <構成>
 図2は本発明のレーザー式ガス分析装置の光路部分を抽出した図であり、図3は、本発明のレーザー式ガス分析装置の詳細を示す図である。測定対象空間である煙道30を挟んで、発光部100と受光部200が配置される点は従来と全く同じである。
[0029]
 前記発光部100の波長可変レーザー素子111から出射された光は、コリメーターレンズ112で平行光束にされて、発光側窓ユニット10に入射される。発光側窓ユニット10は前記したように、所定の適切な距離を保って配置された2枚のウェッジ型基板ω 11、ω 12よりなり、その下流側のウェッジ型基板ω 12が煙道30との仕切りをなすプロセス窓となる。
[0030]
 前記発光側窓ユニット10から出射された平行光束は、煙道30を透過して、受光側窓ユニット20に入射される。受光側窓ユニット20も所定の適切な距離を保って配置された2枚のウェッジ型基板ω 21、ω 22よりなり、上流側のウェッジ型基板ω 21がプロセス窓となる。
[0031]
 前記受光側窓ユニット20を透過した平行光束は、集光レンズ212を介して受光素子211に入射される。
[0032]
 上記のようにレーザー式ガス分析装置を構成すると、発光側窓ユニット10の上流側のウェッジ型基板ω 11を通過した光路は曲がりを生じることになるが、下流側のウェッジ型基板ω 12で元に戻ることになり、結果として発光側窓ユニット10を通過する前の状態と同じ状態を保って測定対象空間30に出射することになる。
[0033]
 測定対象空間30を透過した光束は、前記受光側の窓ユニット20に入射されることになるが、この場合も、前記同様上流側のウェッジ型基板ω 21で多少の曲がりが生じるが、下流側のウェッジ型基板ω 22で元の状態に戻り、結果として発光側のコリメーターレンズ112で形成された光軸をそのまま保って、集光レンズ212、受光素子211に入射されることになる。
[0034]
 上記構成により、可視域、近赤外~中赤外域を問わず、波長に依存した曲がりが抑制された平行光束を得ることができるので、光軸調整が簡単で、調整された光軸自体が安定性を持つことになる。しかも、前記光束は受光素子に対して直角に入射するためレーザーのパワーの損失を抑えることができ、使用する波長に応じた受光素子の位置決めをすることができることになる。
[0035]
 上記において、発光部100と発光側窓ユニット10、受光部200と受光側窓ユニット20は一体であっても、別体であってもよいが、別体にしておくと、プロセスが稼働中でも必要に応じて発光部100、受光部200を外して調整等を実施することができる。
[0036]
 上記の構成に加えて、図3では、発光側窓ユニット10、受光側窓ユニット20の前記各ウェッジ型基板間に形成される空間に、通気アダプタ131、132(231、232)を設けて、既知の濃度の測定対象ガスを流すことができる構成を提示している。尚、図面上通気アダプタ131、132(231、232)は同じ位置を指しているが、例えば、紙面表が上流側、紙面裏が下流側となる。
[0037]
 この構成により、プロセスが稼動していないときに、常温で前記各ウェッジ型基板間に形成される空間に前記既知の濃度のガスを流したときのロックインアンプの出力に基づいて装置の感度確認および目盛調整を行うことができることになる。すなわち、前記空間を基準セルとして機能させることができる。

産業上の利用可能性

[0038]
 以上説明したように、本発明により光軸調整を簡便に実施することができ、さらに得られる光軸は波長に依存した曲がりを含まないものとなる。装置の設置時、保守時に検出素子位置の微調整は不要であり、また、プロセスが稼動中であっても保守作業ができ、さらに、プロセスが稼動していない期間に、装置を取り外すことなく感度確認が可能となるため、極めて有益である。

符号の説明

[0039]
10  発光側窓ユニット
20  受光側窓ユニット
30  煙道(測定対象空間)
100 発光部
110 発光側窓
111 波長可変レーザー素子
112 コリメーターレンズ
210 受光側窓
211 受光素子
ω   平行平板
ω 、ω 、ω 11、ω 12、ω 21、ω 22  ウェッジ型基板
α 、α   ウェッジ型基板の外側面
β 、β   ウェッジ型基板の内側面

請求の範囲

[請求項1]
 測定対象空間に波長可変レーザーを出射する発光部と、測定対象空間を透過したレーザーを検出する受光部を備えたレーザー式ガス分析装置において、
 レーザー光軸方向に所定の空間を保って配置された2枚のウェッジ型基板で構成され、測定対象空間に対して前記発光部からのレーザーを出射する発光側窓ユニットと、
 前記測定対象空間を透過したレーザーを前記受光部に入射する、前記発光側窓ユニットと同じ構成の受光側窓ユニットと、
 を備えたことを特徴とするレーザー式ガス分析装置。
[請求項2]
 前記所定の空間を形成する2枚のウェッジ型基板の前記空間に対して外側に対向する面が平行であり、かつ内側に対応する面も平行である請求項1に記載のレーザー式ガス分析装置。
[請求項3]
 前記窓ユニットの空間に被測定ガスを流通あるいは充填し、感度の確認および調整ができる機構を備える請求項1に記載のレーザー式ガス分析装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]